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ヤマモモの利用法(PDF:192KB)
平成20年7月5日 土木部保全課街路樹係 ヤマモモの利用法 ヤマモモ(ヤマモモ目ヤマモモ科ヤマモモ属、学名 Mylica rubra) 中国大陸南部と日本を原産 山法師、山桃、楊梅、楊桃、山桜桃、火実、おもも、やんも、やんめい、やま むん、などの別名、本草和名、延喜式、和名類聚抄、枕草子などにも記されて います。 高知県・徳島県の県花 樹名の由来 ① 山にあって、桃のような実が付くので「ヤマモモ」 ② 漢名の揚梅(ヤンメイ)からヤーメイ→ヤーモウ→ヤマモモに変化した説。 ③ 産地は毎年山のように実を付けるので「山百々」 品種 御前、肥山、瑞光、中山、森口、広東、亀蔵、秀光、秀峰、阿波錦、与川内等々 約40 種。 瑞光は大正二年頃中国福建省から、森口は昭和二十年頃発見されました。 ヤマモモの利用法 1. 実を食用として ① 生食 洗浄して、そのまま食べる。 水洗いせずに、そのまま塩をかけて食べるのが王道だという高知の方もいる が、東京の街路樹ではやはり水洗いしたい。 スイカを食べるときに塩をかけると甘味が増すように、ヤマモモも塩水で洗 うか、水で洗った後に塩をかける方法がある。 ② 漬物(保存用として塩漬け) まず、ヤマモモの表面についたほこりを水できれいに洗い流す。水を切って、 泡盛で消毒、塩漬けにするための瓶も同じように泡盛で消毒する。ヤマモモを 瓶に詰めて、氷砂糖かはちみつを少しだけ入れる。あと塩を入れて冷蔵庫に保 存しておくだけ。三カ月くらいで食べごろになります。 昔は塩だけで作ったが、今は冷蔵庫もあり、塩分を控えめにして、味をまろ やかにするために甘味をつけている。(沖縄県) ③ ヤマモモミルク イチゴミルクのように、牛乳に砂糖を加えヤマモモを入れる。 ④ ヤマモモジャム (1)ヤマモモを水洗し、水をきる。 (2)ステンレス鍋に水 500ml くらいを入れて沸騰させる。 (3)ヤマモモを沸騰水に入れ、焦げ付かないよう、攪拌しながら加熱する。 (4)果肉が柔らかくなったヤマモモを裏ごしする。 (5)裏ごしした果肉をステンレス鍋に入れて、加熱する。 (6)鍋の裏ごし果肉が沸騰したら、分量の砂糖を全部入れる。 (7)攪拌しながら加熱を続け、時々煮詰め具合いを確認する。 (8)良好な煮詰め具合になったら、殺菌したガラス瓶にジャムを入れる。 (9)ふたを軽くして、脱気殺菌する。 (10)脱気殺菌が終了したら、ふたを堅く閉め、倒立放冷する。 (11)倒立放冷が終了したら、流水で冷却する。 (12)ジャムが冷えたら、ビンの外側の汚れを完全に洗い落とし、水を拭 き取る。 (13)製造に係わる情報を付けたラベルを貼り、冷暗所に保存する。 (神奈川県農業技術センター) ⑤ ヤマモモ酒 レシピ:ヤマモモ 1.6kg 焼酎(アルコール分 35%) 1800ml 砂糖 1kg (1)広口ビンをきれいに洗浄し、水を切る。 (2)ヤマモモを水洗いし、水気を取る。 (3)容器にヤマモモを丁寧に入れる。 (4)容器に入れたヤマモモの上に氷砂糖をのせる。 (5)ヤマモモと砂糖の入った容器に焼酎を注ぎ入れる。 (6)容器にふたをし、ラベルをはり、保存する。 (7)約2ヶ月するとヤマモモの色と香味が焼酎に溶けこむ。 (8)ヤマモモの色と香味が焼酎に溶けたら、ヤマモモ酒とヤマモモを分け る。 (9)ヤマモモ酒をろ過して、ビンに詰める。 (神奈川県農業技術センター) ⑥ その他 ヤマモモワイン、ヤマモモシロップ、ヤマモモゼリー等がある。 2. 実の薬用としての効果 食用としてのヤマモモの実は、以上のように様々な食法があるが、古代より薬 用としての効用がある。 楊梅(ようばい、夏に採取した熟した果実をいう)はタンニンを多く含み、唾液の分泌 を促進する作用があり、滋養強壮、冷え性、健胃、整腸の効果があります。 3. 樹皮を薬用として 効用 ○胸痛○下痢○口渇○高血圧○骨折○酒の中毒○シャックリ○心臓病○ 腎臓病○頭痛○打撲○動脈硬化○内出血○捻挫○ヒ素中毒○皮膚病 楊梅皮(ようばいひ、樹皮を天日干しにした生薬)はタンニンを主成分としてフラ ボノイドやミリジトリンを含み、解毒、止血、駆虫、収斂(しゅうれん)、殺虫、下痢 止めなどに用いられます。 夏の土用の頃、樹皮をはいで採取したものを乾燥させた楊梅皮は、下痢止めな どに1回3グラムを、水0.2リットルで煎じ、半量まで煮詰めて空腹時に 服用します。 また、扁桃腺、口内炎や口内のただれには、この煎液でうがいをします。 打撲傷、捻挫には、楊梅皮(ようばいひ)末を、卵白や酢で練って、患部に 塗布します。 しっしん、かぶれなどにも、上記の煎液を冷やして塗布します。 4. 茶 ヤマモモの葉は、実の収穫期が1週間から10 日と短いのに比べ、一年中採 取できることから、徳島県などでヤマモモ茶の製造が行われている。 5. 草木染 楊梅皮は古くから、褐色の染料として用いられ、魚網を染めていました。 これは、塩水に強いことから用いられていて、媒染剤にミヨウバンを用いる と、黄色になり、鉄塩を用いると、こげ茶色に染まりました。 現在は、合成繊維が魚網に用いられています。 金茶、茶系統の色を染めるに優れた染材とされている。 ヤマモモの実も、赤系統の染料として用いられます。