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244号 - ヘラ スパイス ジャパン
Hela News 2015年12月号(244号) ヘラ・スパイス・ジャパン株式会社 茨城県守谷市松ヶ丘1-4-1 DALLMAYR・ダルマイヤーのクリスマス広告 ミュンヘンの高級デリカテッセン・ダルマイヤーが11月中旬、新聞折り込みで恒例の大き な広告を入れた~毎年暮れの商戦に必ず出す広告だ B4サイズで10ページ、写真もとても洗練されている ドイツの新聞はページ数も多く、そして広告も分厚くどっさり入るが ダルマイヤーのカタログは、いつもながら、製品作りや提案のセンスの高さに感銘する チーズ、ハム、カナッペ、サラダ、スイーツ、ワイン、どれもおしゃれな夜を演出する雰囲気たっぷり!! 4ページ目はパテやカナッペ~鴨や鹿肉の凝った料理が並ぶ~さすが70人の料理人を抱える企業だ。 ドライフルーツ入りパテ・鴨とナツメヤシ入り 4.9€/100g ウズラの胸肉と卵・ゼリーのせ 5.2€/個 鹿ヒレ肉のソテー胡桃のせ 5.5€/個 天然キノコのティラミス+鹿肉ロースト のせ 4.9€/個 2013 年産ダルマイヤーソムリエセレクト・ リースリングゼクト(発泡ワイン)11.8€ Xmas ディナーの準備はこれで完璧! ジビエ( gibier) 日本で増え続ける野生動物による農作物被害は深刻~2015 年は200億円を超える勢い。2013 年の日本における農産 物被害は 199 億 9 千万円=鹿が 76 億円、イノシシが 55 億円、サルが 13 億円であった。厚生労働省は 2015 年 11 月、 増え続ける野生動物の捕獲を促進し、ジビエ(狩猟肉)の食肉活用をさらに促す方針を発表した。ジビエはジャーキーや ソーセージ、ハンバーグなど加工品に利用される領域が広い。しかし、解体の知識や方法、衛生設備など、クリアにしな ければならない課題は山積している。E 型肝炎、病原微生物、寄生虫など衛生面での問題や、保管、流通方法など、ま だまだ整備途中ではあるが、今後はさらに市場は増えそう。 鹿、イノシシは十分の量が見込める。ヨーロッパでは、本来 のハンターが捕獲した完全に野生のもの(仏: sauvage、ソヴァージュ)と、飼育してから一定期間野に放ったり、また捕獲 して餌付けしたものもドゥミ・ソヴァージュ(仏: demi sauvage、半野生)と呼び、ジビエとして流通している。 また、広い牧場で餌付けした鹿も豊富にあり、鹿肉はある程度量が畜肉としても流通している。完全に野生の捕 獲肉は、量が一定ではなく、価格も高騰したりするので、逆にハンターのやる気を起こさせる。 ドイツでは、狩猟も盛んで、捕獲した肉の処理も、各地域で加工場が整備され、買い取り価格も安定していて、 ジビエ加工品の専門店もあるほど。 (ヘラニュース 236 号参照) 鹿とイノシシの買い取り価格 買い取り価格 ~ドイツ・バイエルン州 Mainburg マインブルグ市在住の元学校教師 Martin Schönhuber 氏は老後の趣味 ハンティングを実益を兼ねて楽しんでいる。 イノシシ 鹿 彼の狩猟仲間内では業者との取引が整備されている。 50kg以上 50kg未満 1.50€ 2.5€/kg 10kg以上 10kg未満 4.3€ 3.00€ イノシシは小さいほうが高く、鹿は大きい方が高く買ってくれる。捕獲した動物をそのまま解体業者に持ち込み、 すぐ計量する。鹿皮は業者も転売できるが、いのししの毛皮はゴミとして廃棄するとのこと。 Wurstって何? その7・・・ Wurst(ヴルスト)ソーセージ(英)とは・・・ Wurst の語源は、Wirren ヴィレン「ごちゃごちゃに混ぜ合わせる」 と言われている・・・・ Sausage ソーセージの語源: ラテン語で塩漬けしたという意味の Salsus から来ている。 Wurst=食べ物の 1 種で、肉を細かくして、脂肪と塩、スパイスを加えて混ぜ合わせ、(血液や内臓 などを加えることもある)腸やケーシング、型に入れて加工(加熱、非加熱)する。 肉を細かくしないもの:肉を塊のまま塩漬けして加工するものは Schinken シンケン:ハムである。 ブラートヴルスト Bratwurst の本当の意味: Bratwurst=Braten(動詞で“焼く”の意)で焼きソーセージだと思ったら間違いです。 元々は古高ドイツ語=粗挽きソーセージ Brätwurst から派生したもの。 Brät(ブレート:生地という意味)=粗挽きの歯ごたえを味わうためのソーセージの意味。 だから細挽きのファインな生地のソーセージは焼かないでボイルで食べる。 “焼く”の正式な単語は Rösten(ロェーステン)、だから焼きソーセージの正しい名称は Rostbratwurst それが長いので、いつの間にか Bratwurst だけで焼きソーセージという意味になってしまった。 各地域の名物ソーセージ正式名称は、Thüringer Rostbratwurst、Nürnberger Rostbratwurst などです。 数字に見る ソーセージの知識 1~10 位・ドイツ人の食べる年間ソーセージランキング 1:Bruhwurst(加熱ソーセージ) 7.1kg/年 2:Rohwurst(非加熱ソーセージ:サラミ、メットヴルストなど) 5.3kg/年 3:WienerWürstchen ウインナーソーセージ 4.1kg/年 4:Kochwurst(コッホヴルスト:レバーペースト、ブルートヴルスト、コンビーフ等)2.7kg/年 5:Brat-& Currywurst(焼き&カレーヴルスト) 2.6kg/年 6:Aufschnitt(スライスソーセージ) 0.9kg/年 7:Aspik/Suelze (アスピック&ジュルツェ) 合計 23.5kg 0.8kg/年 ドイツ人は毎月1.96kg=1 日64.4g…太めのソーセージを毎日 1 本 肉も毎日平均で100g摂取し、年間合計61.6kgの肉類を食べている。 宅配注文・一番乗り: Johan Wolfgang von Goethe(1749-1832)作家ゲーテは大好きなニュールン ベルガーローストブラートヴルストをいつも速達郵便で自宅のワイマールまで送らせていたと記述に残る。 65%がパック包装 の商品を買っている 量り売り=対面販売は35% 26%がドイツオリジナルのソーセージ イタリア、スペインが11%、残りの63%は東欧や 世界各国のオリジナルソーセージが発達している。 時速2.5km/h ソーセージ生地の充填速度は平均時速2.5km 7.5秒で 1 本 世界記録では、ニュージーランドの Stefan Paladin ステファン・パラディン氏 が10cmLx2cmDのソーセージを 60 秒間で 8 本食べた。 紀元前700年 ギリシャの詩人ホメロスは長編叙事詩オデッセイの中で、「動物の腸に詰めて血 液も入れた血のソーセージを作り、ギリシャの戦士たちに食べさせた」という記述を残す。 1135年:世界最古のソーセージキッチン レーゲンスブルグの SteinernenBrueck“石の橋“のたもとに小さ なソーセージの店 Die älteste historische Wurstkuchl(ディ エルテステ ヒストーリッシェ キュッヒュル世界最古の歴史的ソーセージキッチン) が 1135 年から 880 年、今も現存する (建物は度々の火災で建替え)。 橋の建設工事が1135年から1146年と12年にもわたり、 その工事に携わる労働者を相手に始めたのがきっかけで,その後 850年にわたり、一つの家族がその店を守った。 今も、その素朴な美味しさを求めて世界中の旅行者が集まる有名な店となっている 現在は別の経営者が運営中。 670mの焼きソーセージ 西暦1600年頃 Königsberg の肉屋が670mの長さのブラートヴルストを作り、その35 0年後ギネスレコードが制定されるまで破られなかった。 658m~1658年 1658年2月8日から二日間かけて作 られたニュールンベルグの焼きソーセー ジは年号にちなんで658m、514kg 街の広場で長い棒に巻きつけられた様子 が絵に残っている。(←左のエッチング) 27、740本 ニュールンベルグの裁判官であった貴族 Hans IV Stromer ハンス・ストローマー4 世 (1517-1592)は BratwurstStromer(ブラートヴルスト・ストローマー)の異名を持つ。 莫大な税金の支払いを拒んだために37歳で収監され、それを憐れんだ市民が、独房に入れられる前に尋ね られた望み“毎日ニュールンベルガーブラートヴルストを食べたい!!”という希望をかなえるために、こ っそり差し入れたことで、収監された38年間、毎日欠かさず2本のソーセージを食べ、1592年、75 歳で監獄の高い塔から身を投げて死ぬまでに27740本を食べ尽くした。 口径14mm~16mmの小さなニュールンベルガー 人差し指ほどの小さなニュールンベルガーブラートヴルスト・・ なぜ他の焼きソ ーセージより小さいのでしょう?? これは前述のハンス・ストローマーの話に戻ります。 監獄に収監された哀れな彼を慰めるために、市民が看守をうまく丸めこんで、独房の扉につけられた大きなカギ 穴を利用。毎日その穴からソーセージをつっこんで彼に食べさせるために小さく作られたのです 昔の鍵はとても大きなものだったので、そのサイズに合わせてニュールンベルガーはとっても小さな口径のソー セージとなったのです。 また他の説では、ニュールンベルグの街は、早々に街をかこむ高い塀の門が閉じられ、また中の飲み屋も早 く閉まったので、街の中に戻れなかったり、腹をすかせた人々を助けるために、門や店の扉の鍵穴からソー セージを外に通して人々に食べさせたためとも言われている。 1200年前に世界最古のソーセージ規則制定~名前入りオリジナルブレンドソーセージ開発 アーヘン地方出身のカールス大帝(カール1世)742-814 カロリン グ朝を開いたピピン 3 世の子で、26歳で弟と共同統治したが3年 後に弟が死去、43年間単独の国王としてフランク王国を統治。 統括した国民の健康増進の為と所領の農作物の増産の為に、指定のハー ブ類を選定して、地域名と自分の名前入りの生メットヴルストのレシピ を確立。 Rauke↑& Liebstoeckel マギークラウト↓ 指定のハーブ類を使ったものだけを認める政令を作り、地域の国民はこぞって農地や家庭菜園 で指定のハーブを栽培、肉屋は規約通りのブレンドでカールスヴルストを作り、国は繁栄した。 そのハーブ類とは:ガーデンサルビア、ロ-ズマリー、キャラウェイ、ラウケ(Rauke せり科の葉)、 セロリ、マギークラウト(Liebstoeckel)、ケシの実、大葉パセリ、コリアンダー。 これ以外のハーブは認めず、また指定のハーブ類すべてを使用させ、製品名に自分の名前も入 れて“Aachenrr Karlswurst” アーヘナー・カールスヴルスト(アーヘン地方のカールスのソーセージ)と付けた。 基本のレシピは生メットヴルストである。 77000頭の仔牛 1840年の記録では、当時のミュンヘン市は83000人だったにもかかわらず、 年間77000頭もの仔牛を食べた 1.07人で1頭の割合!!そんなにヴァイスヴルストが好きなんだ!! 63キロメートル45トンの世界記録ソーセージ 2014年、ルーマニアのスーパーマーケットチェー ンが作り出した世界記録は62.745キロメーター、45トンの重量のソーセージ。 次号へ続く