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液冷空調システムの概要 - 東大生研 加藤研究室・大岡研究室

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液冷空調システムの概要 - 東大生研 加藤研究室・大岡研究室
業務用ビル液冷空調システムの開発
液冷空調システムの概要
液冷空調システムの概要
既存システム(全空気式)
本システムは、水を搬送媒体とした内部負荷液冷や
放射冷房システムからなり、内部発熱の拡散を抑え
て効率的な負荷処理ができる。
液冷空調システム
26℃
19℃
Uniform Temp.
of 26℃
20℃
22℃
chilled water
7℃ 12℃
24℃
Cold
Draft
26℃
液冷空調システムの特徴
28℃
30℃
Liquid
Cooling
32℃
内部発熱を室内に拡散前に処理するため、空調エネ
ルギーの大幅な削減と室内温熱環境の飛躍的向上が
可能である。
システムの構造
Heating
element
26℃
Too Warm
1kW
33℃
Heating
element
26℃
Comfort
Too Cold
1kW
33℃
Comfort
Chilled
21℃ 23℃
water
Generated Heat disperses into Room
Generated Heat is removed at Source
-室内の冷却のために低温冷水が必要(例えば、7℃)
-比較に高温冷水で処理が可能(例えば、21℃)
-温度分布ができ室内温熱環境にばらつき
-温度分布が少なく室内温熱環境向上
Concept of liquid cooling air-conditioning system
照明器具の発熱処理用
シート形液冷ユニット
チルドビーム
機器と人体の残り負荷の処理
デシカント空調機
(外気潜熱負荷処理システム)
人体まで到達する熱
インテリアゾーン
フィン形液冷ユニット
:排気熱を処理
Qequip
Qequip-Qunit-Qpanel≒0
Qequip-human-Qunit-human
-Qpanel-human=0
1. 業務空間の機器発熱
2. 液冷熱回収装置
の効果
3. 個人領域の吸発熱源から
人体までの影響
パーティション用放射パネル
:人体顕熱負荷を処理
吸着冷凍機
空気熱源HP
高効率液冷HP
(高効率熱源システム)
Evaluation process of the system in task space
(内部負荷液冷システム&全熱処理チルドビームシステム)
Development of the Liquid Cooling Air-conditioning System for Commercial Buildings
― Overview of the Liquid Cooling Air-conditioning System
1/4
加藤研究室・大岡研究室
Kato laboratory and Ooka laboratory
業務用ビル液冷空調システムの開発
内部負荷処理システム
(1)機器単体の放熱性状
検討概要
機器の放熱性状によって対象空間に及ぼす定量的な熱的影響を把握し、液冷熱回収ユニットの冷却性能を詳
細に検討するために、機器単体の発熱性状を調査することが重要である。
暗幕
検討方法
対象機器から室内空間へと放出される熱量は、(1)表面発熱量と(2)ファン
排熱量と(3)隙間換気熱量の和となる。機器表面の温度分布と排気口から
の風量・吹出温度を用いて、対流・放射連成シミュレーションを行う。対
流成分と放射成分により放熱する詳細な発熱量を算出する。
機器単体
𝑄 = 𝛼 𝑇𝑠 − 𝑇𝑛 𝐴 + 𝐶𝑝 𝜌𝑉𝑓𝑎𝑛 (𝑇𝑓𝑎𝑛 − 𝑇𝑎 ) + 𝐶𝑝 𝜌𝑉𝑣𝑒𝑛𝑡 (𝑇𝑣𝑒𝑛𝑡 − 𝑇𝑎 )
表面からの放熱量
排気口からの放熱量
隙間からの放熱量
検討結果
Schematic of chamber experiments
機器表面の温度条件
機器の排気口の排熱条件
ファン流量 ファン吹出
[m3/h]
温度[℃]
放射温度計の測定結果
測定結果を考慮した表面温度条件の設定
[℃]
37
[℃]
37
[℃]
39
37
35
35
33
33
31
31
31
29
29
29
27
27
27
機器単体からの発熱量
室内空気
温度[℃]
ノートPC
(CPU50%)
1.99
48.1
26.1
ノートPC
(CPU100%)
2.17
49.5
26.6
デスクトップPC
(CPU50%)
9.35
35.2
26.9
35
表面温度の境界条件
33
デスクトップPC
(CPU100%)
7.52
36.8
25.4
ファン排熱量の測定結果
Development of the Liquid Cooling Air-conditioning System for Commercial Buildings
― Heat Dissipation Characteristics of each OA Equipment
投入電力 表面発熱量 ファン排熱 隙間換気熱
[W]
[W]
量 [W]
量[W]
LED灯
45(39)*
29.2
9.8
ノートPC
48
12.64
21.7
13.66
デスクトップPC
105
35.99
30.0
39.01
2/4
加藤研究室・大岡研究室
Kato laboratory and Ooka laboratory
業務用ビル液冷空調システムの開発
内部負荷処理システム
(2)液冷熱回収ユニットの性能評価
性能評価の概要
熱回収装置の性能予測
個人領域に発熱装置や液冷熱回収装置が設置されて 液冷熱回収ユニットやパーティション放射パネルを組み
いる場合、予想熱回収効果を解析結果から検討し、 合わせた場合、機器発熱量と吸熱量を比較。
Heat flux of heat recovery parts
実際の利用環境での熱回収量の感度解析を行う。
液冷ユニット
〈ノートパソコンの場合〉
デスクトップ
パソコン用
放射パネル
内蔵パーティション
パーティション
総熱流束
(W/m2)
対流熱流束
(W/m2)
放射熱流束
(W/m2)
567.20
14.54
30.20
液冷ユニット
ノート
パソコン用
対流
熱流束
(W/m2)
放射
熱流束
(W/m2)
対流
熱流束
(W/m2)
放射
熱流束
(W/m2)
30.23
27.54
29.34
28.88
(b) Case of desktop PC
(a)Case of laptop PC
ドロンカップ型
液冷熱回収ユニット
パーティション
Heat flux distribution of heat recovery parts
(calculated results)
プレート型
液冷熱回収ユニット
熱回収装置の性能に関する感度解析
発熱機器と液冷熱回収ユニットの構成
放射パネルのみ通水
放射パネルのみ通水
放射パネルのみ通水
液冷ユニットのみ通水
液冷ユニットのみ通水
液冷ユニットのみ通水
放射パネルと液冷ユニット通水
放射パネルと液冷ユニット
放射パネルと
〈デスクトップパソコンの場合〉
放射パネル
内蔵パーティション
80.0
60.0
発熱機器と液冷熱回収ユニットの構成
40.0
80.0
y = 5.6119x + 25.407
60.0
熱回収量 [W]
100.0
熱回収量 [W]
熱回収量 [W]
熱回収量 [W]
ドロンカップ型
液冷熱回収ユニット
100.0
y = 5.98x + 46.879
R² = 0.9166
80.0
80.0
熱回収量 [W]
プレート型
液冷熱回収ユニット
100.0
100.0
R² = 0.8832
60.0
40.0
y = 2.5754x + 27.508
R² = 0.8824
40.0
20.0
y = 2.7406x + 0.5818
R² = 0.7818
20.0
100.0
0.0
80.0
1.0
2.0
y = 5.2205x + 37.624
R² = 0.9589
y = 2.8041x + 1.8504
R² = 0.8867
0.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
10.0
1.0
2.0
3.0
8.0
9.0
10.0
y7.0= 5.98x
+ 46.879
y = 5.98x +
R² = 0.9166 R² = 0.9
冷水温度と室温の温度差[℃]
4.0
5.0
6.0
60.0
60.0
40.0
y = 5.2205x +y 37.624
= 5.220
40.0液冷装置運用や冷水温度変化による熱回収量の変化R² = 0.9589 R² =
冷水温度と室温の温度差[℃]
(a)ノートパソコン用の測定結果
Development of the Liquid Cooling Air-conditioning System for Commercial Buildings
20.0
20.0
20.0
― Performance Evaluation of Heat Recovery Units for the Liquid Cooling Air-conditioning System
3/4
(b)デスクトップパソコン用の測定結果
y = 2.8041x +y 1.8504
= 2.804
加藤研究室・大岡研究室
R² = 0.8867 R² =
Kato laboratory and Ooka laboratory
業務用ビル液冷空調システムの開発
内部負荷処理システム (3)人体への熱的影響
熱的影響の評価方法
実験による等価温度の変化
サーマルマネキンを用いて各ケースの等価温度を算出し、等価温度算出結果により、液冷装置の運用と通水温
対流・放射連成解析から熱対流と熱放射の変化を検討。 度変化による各部位への影響を把握することが可能。
〈人体への熱的影響評価〉
放射パネル
・等価温度による評価
Q
teq  t s 
hcal
ここで、teq:標準環境の空気温度、
ts:皮膚表面温度、
Q:実際の条件下で測定された対流と放射の熱損失、
hcal:標準環境で測定された総合熱伝達率
液冷熱回収ユニット
[℃]
通水なし
放射パネルのみ
液冷熱回収ユニットのみ
併用
[℃]
27.0
27.0
26.5
26.5
26.0
26.0
25.5
25.5
25.0
25.0
24.5
24.5
24.0
24.0
通水なし
放射パネルのみ
液冷熱回収ユニットのみ
併用
等価温度の測定状況
(a) Passing-water temperature(19℃)
解析による表面熱抵抗の変化
[℃]
対流・放射連成シミュレーションを用いて皮膚表面での
放射と対流の熱抵抗を把握。
通水なし
液冷熱回収ユニットのみ
放射パネルのみ
併用
[℃]
27.0
27.0
26.5
26.5
26.0
26.0
25.5
25.5
25.0
25.0
24.5
24.5
24.0
24.0
通水なし
放射パネルのみ
液冷熱回収ユニットのみ
併用
(b) Passing-water temperature(21℃)
通水なし
[℃]
0.08
対流
熱抵抗[㎡K/W]
熱抵抗[㎡K/W]
26.5
26.5
26.0
26.0
25.5
25.5
25.0
25.0
0.00
24.5
24.5
-0.02
24.0
24.0
対流
放射
0.06
0.04
0.02
0.00
-0.02
-0.04
併用
27.0
0.08
0.06
[℃]
27.0
0.10
放射
液冷熱回収ユニットのみ
放射パネルのみ
0.04
通水なし
放射パネルのみ
液冷熱回収ユニットのみ
併用
0.02
-0.04
-0.06
-0.06
-0.08
-0.08
-0.10
(a)Case of laptop PC
(c) Passing-water temperature(23℃)
(b) Case of desktop PC
Surface temperature&thermal resistance difference
Equivalent temperature difference by combination of heat
recovery devices and passing-water temperature
Development of the Liquid Cooling Air-conditioning System for Commercial Buildings
― Thermal Effects on the Human Body under the Liquid Cooling Air-conditioning System
4/4
加藤研究室・大岡研究室
Kato laboratory and Ooka laboratory
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