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北東部(3)

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北東部(3)
地域別構想
北東部③
北東部③(鷺山・常磐)
1.地域の概要
1-1
地勢
北東部③地域は、岐阜市の北に位置しており、南は一級河川正
木川から北は山県市との行政界に至るまでの区域(約 1,140ha)
で、全市の約 5.6%を占めている。
西は伊自良川に面し、南部を鳥羽川及び正木川が東西に横断し
ている。地形は、概ね鳥羽川を境に、北側が丘陵樹林地、南側が
平坦地となっている地域である。
1-2
位置づけ
本地域の北部は、豊かな自然環境である森林・丘陵地や農地が広がっている。その自然
を活かして、家畜とのふれあいなどができる農業ふれあい拠点の畜産センターが配置され
ている。また、南部の平坦地に市街地が形成されており、
(都)東海環状自動車道の(仮称)
岐阜 IC に直結するとともに、主要な幹線道路である(都)環状線が横断している。
幹線道路である(都)環状線
農業ふれあい拠点の畜産センター
2.地域の現状と課題
2-1
現状
(千人) <人口及び人口構成の推移>
20
17,719 17,363 17,911 17,562 17,375
<人口推移>
・地域全体の人口はほぼ横ばい傾向にある
9%
12%
15%
18%
22%
70%
71%
70%
67%
64%
15
が、少子高齢化は進行している。
10
<土地利用>
・南部を横断する鳥羽川の北側には、樹林
地や農地などの自然的土地利用が多く、
南側は市街地が形成されている。(都)
5
21%
17%
15%
15%
14%
S60
H2
H7
H12
H17 (国勢調査)
0
環状線の沿道に沿道商業施設の集積や
大規模商業施設の立地が見られ、その他
の多くは住居系の土地利用がなされている。
- 91 -
65歳∼
15∼64歳
0∼14歳
地域別構想
<市街地整備・都市施設・公共交通>
・基盤整備は、
(都)環状線の周辺で土地区画整理事業によって進められてきた。現在も鷺
山・下土居地区や鷺山第二地区、正木西部地区などでは土地区画整理事業が進められて
いる。それ以外の地区では土地改良事業によるもの、あるいは未整備となっている。
・都市計画道路については、土地区画整理事業などにより(都)環状線や(都)長良糸貫
線の一部区間の整備が完了しているものの、整備率は 4 割弱の低い整備水準となってい
る。開設されている都市計画公園・緑地については、大規模な公園緑地である岐阜市民
公園などが整備されており、約15㎡/人の高い整備水準となっている。また、公共下水
道(汚水)について、市街化区域内の整備は概ね完了している。
・公共交通については、
(都)環状線周辺やその内側では、市の中心部と岐阜大学を結ぶ幹
線バスや複数の路線バスによって、比較的公共交通の利便性が高い地区となっている。
<その他>
・城田寺の古墳群や鷺山城跡などの文化財といった歴史・文化資源や、優良な農地や樹林
地、鳥羽川などの自然環境などの地域資源が残された地域である。
2-2
課題
・集約型都市構造への転換に向け、都市機能拠点、地域生活拠点の形成が必要である。
-畜産センターなどの農業施設の活用による農業ふれあい拠点の形成
-複合的な機能を有している大規模商業施設が立地する地区周辺において、コンパクト
なまちづくりのための地域生活拠点の形成
・住環境の整備が必要である。
-土地区画整理事業によって整備された基盤を活かした良好な住環境の整備
-安全・安心な暮らしのための住環境の整備
・道路・交通施設の整備が必要である。
-(都)東海環状自動車道や(仮称)岐阜インターチェンジへのアクセス道路などの幹
線道路の整備
-集約型都市構造を支える交通体系の整備(路線バスなどによる効率的な公共交通体系
の構築)
・公園・緑地の整備が必要である。
-公園・緑地(子供の遊び場)の整備
-水と緑のネットワークの形成
・地域資源の保全・活用が必要である。
-鷺山などの良好な自然や歴史資源の活用
-優良な農地や森林の保全と活用
・地域のコミュニティ向上や地域住民と行政の協働によるまちづくり活動の推進が必要で
ある。
- 92 -
北東部③
地域別構想
北東部③
日常生活に不十分・困っているもの
市平均
今後望ましいまちづくり
市平均
北東部③
住民の意見
病院・診療所
河川沿いの安全柵 35%
ふれあい保健センター
カーブミラーなどの交通安全施設
福祉施設
30%
農業を活かした地域づくり
25%
側溝・水路
銀行
20%
駐車場・駐輪場
郵便局
15%
10%
文化施設やスポーツ施設
まちなかのベンチ
交番・駐在所
5%
を活かした地域づくり
0%
防犯灯・街路灯
コンビニエンスストア
公衆トイレ
自然を活かした地域づくり
60%
40%
まちなみや景観を
活かした地域づくり
20%
伝統行事や祭・イベントを
活かした地域づくり
0%
文化教室・生涯学習の施設
街路樹
公民館などの集会施設
遊歩道・自転車道路
公園
災害時の避難所・施設
北東部③
買物など日常生活が
徒歩で済ませられる
コンパクトな地域づくり
高齢者にやさしい地域づくり
高齢者の介護施設
外国人も住みやすい
国際的に開かれた地域づくり
子どものための遊び場
運動場・体育館・プール
安心して子どもを生み
育てることができる地域づくり
市民意見交換会での主な意見
※市民意識アンケート(平成 18 年度実施)の集計結果【北東部③】
・ 大正団地から大規模商業施設への交通手段を地域の力で確保
・ 住居表示の見直し
・地域資源として認識されている鷺山、古川・古々川跡、夏まつり、まちづくりサポータ
ーの活動など
・コミュニティスクール/地域通貨を活用したまちづくりへの意識
※市民意見交換会(平成 18、19 年度)
【北東部③】
≪課題図≫
コンパクトなまちづくりのため
の地域生活拠点の形成が必要
土地区画整理事業によって整備
された基盤を活かした良好な市
街地整備が必要
安全・安心な暮らしのための住環
境の整備が必要
(都)東海環状自動車道と(仮称)岐
阜 IC へのアクセス道路などの幹
線道路の整備が必要
畜産センターなどの農業施
設の活用による農業ふれあ
い拠点の形成が必要
集約型都市構造を支える交通体
系の整備が必要
公園・緑地の整備や水と緑のネッ
トワークの形成が必要
優良な農地や森林の保全と活用
が必要
地域のコミュニティ向上や地域
住民と行政の協働によるまちづ
くり活動の推進が必要
鷺山などの良好な自然や歴
史資源の活用が必要
- 93 -
地域別構想
3.地域の将来像
先に示した本地域の課題や都市計画マスタープランの全体構想をふまえ、本地域におけ
るまちづくりの将来目標と基本方針を次のとおりとします。
3-1
将来目標
○整備された基盤や便利な交通環境を活かしたまちづ
くり
○自然・歴史を身近に感じる快適なまちづくり
3-2
地域のまちづくりの基本方針
本地域の将来目標や集約型都市構造の実現を目指して、次の基本的な考え方でまちづ
くりを進めていきます。
・土地区画整理事業などにより整備された基盤や利便性の高い交通環境を活かした、良好
な住環境の整備を目指します。
・自然環境や営農環境と調和した良好な住環境の整備を目指します。
・自然環境や歴史資源を保全・活用し、岐阜市民公園や畜産センターの機能拡充による
農業ふれあい拠点の魅力増進や、自然・歴史を身近に感じられるまちづくりを目指し
ます。
3-3
地域生活拠点の形成に向けて
(都)環状線の内側における土地区画整理事業で基盤整備が進められた地区で、(都)
長良糸貫線と(都)環状線及び(都)岐阜駅城田寺線との交差部周辺は、簡易な行政窓口
機能など複合的な機能を有している大規模商業施設の立地や、商業機能を中心とした都市
機能の集積が見られます。さらに、(都)岐阜駅城田寺線及び(都)長良糸貫線沿道の商
業地とも隣接しており、この一帯の地区において、次の考え方で地域生活拠点(候補地)
の形成を目指していきます。
・安全に歩いて暮らせる環境を整備することで、人と物の流れを拠点に誘導し、さらなる
都市機能の集積の促進と、それによる生活利便性の向上を図ります。
・
(都)環状線と(都)長良糸貫線の交差部周辺については、引き続き地域核として商業機
能の維持・促進を図ります。
- 94 -
北東部③
地域別構想
北東部③
4.地域整備の方針
(1)土地利用の方針
土地利用の現状及び動向や、基盤整備の状況などをふまえ7地区に区分し、それぞれの
地区に対して次のように土地利用の方針を設定します。
地域の整備にあたっては、ユニバーサルデザインの考え方に基づくとともに、災害に強
い都市基盤の整備や犯罪の防止に配慮したまちづくりを推進するなど、すべての人々が安
全に安心して生活できるまちづくりを進めます。
地区の区分
周辺住宅
地
区
郊外住宅
地
区
地域商業
地
区
沿道地区
市街地外
住宅地区
農業地区
森林地区
方針
・公共交通と密着した暮らしを実現するため、徒歩や自転車により公共交通
のサービスが受けられる場所に容易に到達できる公共交通が便利な地区
の形成を目指します。
・土地区画整理事業などにより面的整備が完了し、幹線道路の整備により中
心市街地からのアクセスが向上した地区については、良好な住環境の整備
などにより人口の定住化を図ります。
・都市基盤が不十分な地区については、必要に応じて基盤整備を進め、防災
安全度の向上を図るなど、良好な住環境の整備を図ります。
・鷺山一帯の地区について、歴史・自然を活かした良好な住環境の整備を図
ります。
・幹線道路などの沿道の一部について、周辺の住環境などに配慮しながら、
沿道商業機能を維持・保全し、日常生活の支援・補助を図ります。
・市街化調整区域の一団の農地については、都市の貴重な自然としての活用
を検討します。
・住宅などと農地が近接している地区については、豊かな自然環境である農
地の保全と、自然環境を活かした居住の提供を図り、ゆとりある低層住宅
地としての良好な住環境の保全および形成を図ります。
・(都)長良糸貫線と(都)環状線及び(都)岐阜駅城田寺線との交差部周
辺において、日常生活を支える商業機能などの立地誘導を引き続き図りま
す。
・(都)環状線及び(都)岐阜駅城田寺線の沿道については、周辺の住環境
などに配慮しながら、沿道商業機能などの立地促進を図ります。
・宅地開発事業などにより計画的に開発された住宅団地については、既存ス
トックの活用により良好な住環境の保全に努めます。
・まとまりある農地は、都市近郊農業地として保全を図ります。
・集落地区周辺においては、優良な農地への蚕食的な開発の進展を抑制し、
営農環境や自然環境との調和を図りながら居住環境の維持・改善に努めま
す。
・市街地に隣接する一団の優良農地については、都市の貴重な自然資源とし
て活用の検討をします。
・地区の特性を活かし、農業に親しみ理解を深め、また、本市の農産物のブ
ランドを発信していく地区づくりを進めます。
・城ヶ峰や眉山周辺などの丘陵地をはじめとして、広がる森林の保全を図る
とともに、それぞれの環境特性に応じ自然と親しむ場などとして活用を図
ります。
- 95 -
地域別構想
(2)施設整備の方針
≪道路≫
集約型都市構造の骨格となる幹線道路ネットワークの形成のため、未整備となっている
都市計画道路の整備を促進します。
・全国的な道路ネットワークを形成する高規格幹線道路として、中京都市圏の連携強
化や経済の活性化などこれからのまちづくりを進める上でなくてはならない(都)
東海環状自動車道の整備を促進します。あわせて、アクセス性向上のため(都)岐
阜インター線についても整備を図ります。
・(都)環状線、
(都)岐阜駅城田寺線及び(都)長良糸貫線について、広域道路網へ
のアクセス性向上のほか、公共交通への支援や中心市街地へのアクセス性向上のた
め整備を図ります。
・地域内の交通を効率的に集散するために、(都)北町鷺山線など都市計画道路の整
備を図ります。
・長期事業未着手の都市計画道路について、集約型都市構造の実現や社会情勢の変化
などをふまえ、道路の役割や必要性を確認しつつ、土地利用とも連携しながら道路
の計画の見直しを検討します。
≪公共交通≫
過度に自動車に依存した交通体系から脱却し、地域特性をふまえ、南部では公共交通が
便利な交通環境の実現、北部では自動車と公共交通の適度な共存を目指し、土地利用施策
とも積極的に連携しながら、公共交通が利用しやすい環境整備を推進します。
・公共交通軸のうち中心市街地と結ぶ幹線バス路線について、走行環境・利用環境の
改善を図ります。
・幹線バス路線のバス停留所付近に、自転車の駐輪スペースを整備することを検討し
ます。
・鷺山周辺において、良好な自然的景観及び都市環境の保全を図るため、風致地区を
指定しており、今後も引き続き、その保全を図ります。また、市街地周辺の山並み
を保全するため、城ヶ峰や眉山の一帯について、風致地区の指定を検討します。
・都市の骨格となる緑地を形成する大規模な公園緑地の岐阜市民公園は、緑地拠点と
位置づけ、レクリエーション需要の変化や防災機能の強化など多様なニーズに対応
しながら、ユニバーサルデザインに配慮して、老朽化施設の改修を図るなど機能更
新を進め、魅力の増進を図ります。
・周辺住民の利用の枠を超えて都市レベルで利用されている鷺山公園一帯について、
大規模な公園緑地の機能を補完する緑地拠点と位置づけ、その特徴を活かした魅力
の増進を図ります。
・身近な公園緑地について、住民と行政との協働による地域のまちづくりを総合的に
進めていくなかで、他の公共施設整備などとも連携しながら整備を図ります。また、
住民のニーズに応じ借地による用地確保を含めた柔軟な対応により、緑地や広場な
どの確保に努めます。
・幹線道路網の整備にあわせた街路樹などによる緑の連続化を図ることや、河川敷の
活用、河川沿いの道路の緑化などにより、周辺の公園緑地を有機的に結びつけるこ
- 96 -
北東部③
地域別構想
北東部③
とで利用を高め、水と緑のネットワークの形成を図ります。
・鷺山を中心に歴史資源や身近な自然といった地域の個性を取り入れながら緑化の整
備を進めます。
・農地及び森林について、維持・保全を図るとともに、自然とのふれあいの場として
活用に努めます。
(3)その他の方針
・河川については、子供たちが川で遊び自然を体験で
きる環境づくりを含め、自然環境、景観などの観点
をふまえながら、総合的な治水対策を促進します。
・公共下水道(汚水)について、市街化区域内の整備
は概ね完了しており、今後も下水道の処理機能を維
持するため、施設の適切な管理や老朽施設の改築・
戸石川水辺の楽校
更新を計画的に進めます。市街化調整区域については、市域全体の市街化区域にお
ける整備完了後、地域の実情に応じた汚水処理の方法を選び、生活環境の改善、水
質の保全などを効率的に進めます。
・公共下水道(雨水)については、未整備地区の排水路整備を推進し、既に供用して
いる施設の適切な維持・保全を図ります。
・地区の自然環境の特性にあわせ、その自然の保全、自然との共生また豊かな都市環
境の創出などといった取り組みを選択しながら、環境への負荷の少ない都市の形成
に努めます。
・幹線バスなどの公共交通の利用促進など過度に自動車に依存しない交通環境や、農
地や森林などの保全・活用、水と緑のネットワークの形成などの総合的な取り組み
により、低炭素型の都市構造の実現に寄与します。
・災害に強い都市づくりに向けたハード・ソフト両面からの取り組みを進めるととも
に、自助・共助・公助の考え方を取り入れながら市民と行政が協働して地域防災に
積極的に取り組んでいきます。
・北部の山並みなどの眺望景観の保全・創出に努めます。
・緑豊かな農村風景を活かし、農業や自然に親しむことができる交流の場である畜産
センター周辺地区の拠点としての景観など地域の特性に応じた景観形成に努めます。
・城田寺の古墳群や、鷺山城跡などの歴史・文化を核としたまちづくり活動などが総
合的に展開されています。今後ともこれらの活動などとの協働による地域づくりを進め
ていきます。
- 97 -
地域別構想
北東部③
≪地域整備の概略方針図≫
山県市
北西部①
北東部②
北東部④
北西部②
北西部③
凡
例
※都市計画道路の整備状況は平成 21 年 3 月末現在
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