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NPO法人「結まーるプラス」 - 都市農山漁村交流活性化機構
【NPO法人「結まーるプラス」の活動内容(全体)】 NPO法人「結まーるプラス」は、以下の目的で、平成 17 年に設立された。 ≪設立目的≫ このままではゼロからマイナスへと向かう地域を、「結いまーる」の精神で、マイ ナスをゼロとなることを目指す 地域の眠れる資源を活かして新たなコミュニティ・ビジネスを創出し、地域がゼ ロからプラスへと元気になることを目指す ≪活動内容≫ ①定住促進活動 地域の他のグループや自治体と連携し、田舎暮らしに関心を持った都市住民を対 象に「田舎暮らしツアー」(ふるさと島根定住財団事業)を開催し、また、随時、定住のた めの相談や情報を提供する「定住促進活動」を行う。 ②交流促進活動 石見神楽や桑の実摘みなどが体験できる「わくわく体験パック」や地元の食文化を通 して交流をする「体験グルメクラブ」など、豊かな地域資源を活かした都市住民との交流 プログラムを企画・運営し、また、自立可能となるよう受入団体の発掘や体験メニュー作 りを支援する「交流促進活動」を行う。 ③コミュニティ・ビジネス支援活動 過疎化が進む中、厳しくなっていく地域経済を盛り上げ、地域資源を活かした新たな ビジネスチャンスを創出するために、地域住民と一緒にオリジナルな「特産品開発」や 「スローマーケット(特産市)」の開催など、「コミュニティ・ビジネス支援活動」を行う。 ④空き家活性化事業 地域に多く存在する空き家や空き地が放置されることにより地域景観が損なわれ、過 疎化により集落の荒廃が進むことを防ぐため、空き家情報の提供や滞在施設としての 有効活用を図るなど、「空き家活性化事業」を行う。 ⑤さくらえサロンの運営 IT 化の推進を目指す「IT・パソコン講習」の開催や、UI ターン者をサポートする「定住 サロン」の開設など、誰もが気軽に立ち寄れるコミュニティスペース「さくらえサロン」の運 営を行う。 ⑥自警ネット「チームさくらえ」 過疎化が進展することによって、公共交通機関や商店の減少が進み、特に一人暮ら しの高齢者は、切実な問題となっている。そこで、高齢者を悪徳商法などの不安から守 れるように、自治会や地域の多様な機関と連携し、自警ネットワークシステム、「チーム さくらえ」を開設する。また、将来的には「ふれあい食堂」や買い物を代行できる「宅配 サービス」などを行う。 以下、平成 12 年よりの取組を踏まえ、定住促進活動、交流促進活動、コミュニティ・ビジネス 支援活動、空き家活性化事業の取組内容を示す。 19 【①定住促進活動の取組内容と実績】 平成 12 年から開始した「田舎暮らしツアー」は、平成 17 年のNPO法人化に伴い、以後、 結まーるプラスが実施主体となり、田舎暮らしツアーの企画・運営を行っている。 計 15 回のツアーが開催され、延べ約 200 人が参加し、15 人の I ターン者が生まれた。定 住相談に関しては、200 件を超えている。 第 15 回 2007 年 1 月実施 本気で島根で暮らしたい人のための住宅紹介をテーマに、1 月 5 日から 2 泊 3 日の行程で田舎暮らし体験ツアーが開 催された。参加者は、6 家族 13 名。全員が、関東と関西方面から来た。 第 14 回 2006 年 7 月実施 江津市の黒松海岸でシーカヤックを楽しみながら、石見に I ターンしてきた皆さんと交流しながら自分なりの田舎暮らし を見つけませんか?というテーマの「田舎暮らしツアー」が、7 月 21 日から 23 日まで、2 泊 3 日の日程で開催された。 参加者は、スペシャルゲストの「田舎暮らしの本」の編集長をはじめとする 11 名、静岡、奈良など全国各地から集まって 来た。 第 13 回 2006 年 1 月実施 石見に雪が降り積もる 1 月に、江津市で「しまね暮らし体験ツアー」が開催された。今回は「ホンキで島根で暮らしたい 人のための空き家めぐり」をテーマに呼びかけをした。 第 12 回 2005 年 7 月実施 島根県石見地方には、元気なシルバーがたくさん!そんな元気なシルバーと定住者のパワーに触れながら、豊かな地 域資源や石州瓦でおなじみの古民家や空き家を訪ねてみましょう!という田舎暮らしツアーが、7 月 16 日から 17 日ま で、2泊3日の日程で開催された。 第 11 回 2005 年 2 月実施 江津市と邑南町をめぐりながら、スキーや田舎料理作り、紙漉きなどを体験する「田舎暮らしツアー」が、2 月 11 日から 13 日まで 2 泊 3 日の日程で開催された。参加したのは、関東、関西、広島から訪れた 10 名の 20 代から 70 代までの 田舎暮しに関心のある方々。 第 10 回 2004 年 8 月実施 石見に I ターンしてきた皆さんと共に江津市と桜江町を巡りながら、カヌーやキャンプを楽しもうという、という試みの「田 舎暮らしツアー」が、8 月 27 日から 29 日まで 2 泊 3 日の日程で開催された。参加したのは、関東、関西を中心に都市 部から訪れた 13 名。 第9回 2004 年 1 月実施 浜田市と桜江町を巡りながら、地元の人々や地域資源に触れて、田舎での夢や可能性を見つけよう!という試みの 「田舎暮らしツアー」が、1 月 16 日から 18 日まで、2 泊 3 日の日程で開催された。参加者は関東・関西・広島方面から 集まった、男性3名、女性7名の計10名。 第8回 2003 年 7 月実施 温泉津町の櫛島キャンプ場でシーカヤックやキャンプを体験しながら、石見に I ターンしてきた皆さんと交流しよう!と いう試みの「田舎暮らしツアー」が、7 月 18 日から 20 日まで、2 泊 3 日の日程で開催された。 第7回 2003 年 1 月実施 浜田市・旭町・桜江町を巡りながら、田舎でのビジネスチャンスを見つけよう!という試みの「田舎暮らしツアー」が、1 月 10 日から 12 日まで、2 泊 3 日の日程で開催された。 第6回 2002 年 8 月実施 桜江町にて去る 8 月 25 日に開催されたライブイベント【オタケビと神楽 at 風の国】。このライブイベントは、浜田出身の 福岡ユタカさんら東京から訪れたアーティストの皆さんと、石見神楽の5つの社中から参加した若手有志による現代音 楽と神楽のコラボレーションコンサートであつた。 第5回 2002 年 4 月実施 島根県石見地方に伝わる「神楽」や「太鼓」などの伝統芸能を練習し、桜江町と川本町とを結ぶ【鹿賀大橋】の竣工式 式典で発表するというユニークな田舎暮らしツアーが、4 月 1 日から 4 日まで、3 泊 4 日の日程で開催された。 第4回 2001 年 7 月実施 7 月 20 日から 22 日まで、田舎暮らしに関心のある都会の人たちが邑智郡邑智町、仁摩郡湯泉津町を巡り、地元の人 たちと交流しながら田舎暮しを体験するツアーが開催された。 第3回 2001 年 3 月実施 3 月 9 日から 2 泊 3 日の日程で、石見町、桜江町、川本町、瑞穂町をめぐる田舎暮らし体験ツアーが開催された。参加 者は小さなお子さんを連れた若いファミリーや定年を目前にしたご夫婦など。いずれも田舎暮らしに関心のある方や実 際に田舎暮らしを希望されている18名。 第2回 2000 年 12 月実施 12 月 29 日から 1 月 1 日まで、田舎暮らしに関心のある都会の人たちが金城町、桜江町を中心に地元の人たちと交流 しながら一緒に<世紀超え>のイベントを開催するというユニークなツアーが実施された。 第1回 2000 年 8 月実施 8 月 25 日から 27 日まで、田舎暮らしに関心のある都会の人たちが金城町、桜江町、石見町の 3 町を巡り、地元の人た ちと交流しながら田舎暮しを体験するツアーが開催された。 20 【②交流促進活動の取組内容と実績】 平成 13 年から開始した「わくわく体験パック」では、地域資源を掘り起こし、その活用に向 けて地域住民や活動グループの協力のもと、公的宿泊施設「風の国」等に滞在しながら、各 種交流促進活動を展開した。 平成 17 年のNPO法人化に伴い、以後、結まーるプラスが実施主体となり、「わくわく体験 パック」の企画・運営を行っている。 平成 13 年~18 年の 6 年間で、延べ 2,000 人が参加している。 【横笛】 第 14 弾 2004 年 4 月 【神楽&お祭り】 第 13 弾 2003 年 11 月 【田んぼのオーナー制度】 第 12 弾 2003 年 10 月 【桑の実摘みと温泉 】 第 11 弾 2003 年 6 月 【古代米染めとさき織り】 第 10 弾 2002 年 12 月 【和太鼓&お祭り】 第9弾 2003 年 1 月 【神楽と秋祭り】 第8弾 2002 年 11 月 【桑の実狩り】 第7弾 2002 年 10 月 【田んぼのオーナー制度】 第6弾 2002 年 10 月 【禅寺修行】 第5弾 2002 年 4 月 【健康&ダイエット】 第4弾 2001 月 12 月 【神楽&秋祭り】 第 3 弾 2001 月 10 月 【農業&田舎料理】 第2弾 2001 年 10 月 21 【③コミュニティ・ビジネス支援活動の取組内容と実績】 「スローマーケットを創る会」では、地元の素材や技と、UI ターン者の感性を活かした良質 な商品を創りだし、主に春から秋にかけて、温泉リゾート「風の国」等にてスローマーケットを 開催し商品を販売するとともに、ふるさとドットネット(WEB)を通じて商品を販売している。 一方、これらの取組をさらに発展・進化させたものとして、「結まーるプラス」では、平成 19 年 3 月より、インターネット通販サイト「石見問屋」を開設し、「ウチらが愛するモノしか売らな い 極上の田舎・石見 石見問屋」と題して、石見の仕事人、石見のオピニオンを紹介して いる。 【石見の仕事人】 22 【④空き家活性化事業の取組内容】 江津市の中山間地域では、過疎・高齢化を背景に空き家が増加し、放置され崩壊寸前と なった家屋は、周辺住民に深刻な影響を与えている。 その背景には、家屋の撤去に経費がかかり過ぎることや、不動産仲介業者がその採算性 から空き家の売買・賃貸等の仲介を行わないといった実情がある。 一方で、都市住民の田舎暮らし志向の高まりから、I ターンによる戸建て中古住宅に対す る居住ニーズは根強く、都市住民の「空き家」に対する需要と供給のバランスがとれていな いといった地域内での内在的矛盾が顕在化している。 このようなことから、江津市では、中山間地域の人口定住化対策及び景観対策などを勘 案した大局的な施策として、宅建業法の規制緩和による空き家情報など推奨事業の導入を 図るこことし、島根県に申請し、知事の認可を得た。 その後、江津市から事業委託を受け、NPO 法人「結まーるプラス」が田舎暮らしを希望す る人々へ向けた空き家の情報提供を行うこととなった。この特区認定は、県内でも第一号と なっている。 空き家活用事業の基本的仕組みは、地域協力員(自治会、民生委員、市議会議員、企業 等)より寄せられた空き家情報に対して地元の宅建業者が各諸条件を調査し、その結果に 基づき NPO が空き家情報データバンクとして管理し、インターネットや空き家紹介ツアー等 を通じて、田舎暮らし志向者へ空き家物件などの情報を提供する。また、NPO は、空き家へ の居住希望があった場合、所有者並びに地域内の宅建業者を紹介し、売買・賃貸等の契 約が適正に行われよう支援することとしている。 ≪江津市空き家活性化事業 移住者の住宅として活用する場合≫ 江津市の中山間地域 江津市 業務委託 N P O ・空き家の調査、情報バン ク整備 ・空き家の情報提供、相談 ・居住希望があった場合、 宅建業者に紹介 ・都市交流事業の推進 ・地域の活性化 ・地域経済効果 ◆空き家の調査、空き 家情報バンクの整備 ◆空き家の情報提供、 定住希望者の相談 地域の空き家情 報提供 空き家への居 住希望があっ た場合、宅建 業者に紹介 (覚書交換) 情報提供、相 談 都市部住民 (修繕は自己負担) 紹介料 地域協力員(自 治会、市議会議 員等) 賃貸・売買契約 島根大学:空き家マップの 作成(将来の空き家情報バ ンクの充実のため) 不動産業者 (契約の仲介) 仲介手数料 空き家 空き家の所有者 空き家情報の提供に際しては、平成 15 年に「e-ふるさとパイロットプロジェクト(ふるさと財 団/総務省)」を導入し、開設された専用ウェイブサイト『ふるさとドットネット』 (http://www.hurusato.net/top.aspx)を活用し、新たに動画等を交えた空き家データベース を構築し、空き家情報の提供を行っている。 23 ≪参考資料①≫江津市における空き家・古民家の現状 ■江津市の人口(平成 17 年国勢調査) ●総人口 27,774 人 ●年齢階層別人口構成 ①年少人口 12.3% ②生産年齢人口 56.5% ③老齢人口 31.2% (旧桜江町老齢人口 39.82%) ■大字別高齢化率(平成 12 年国勢調査) ※旧江津市、旧桜江町の境界に位置す る中山間地域では、高齢化率 50%を越 えている 島根大学の空き家調査結果(平成 18 年度/中間報告/実施主体:江津市)では、江津市 中山間地域において、家屋(住居)4,079 軒のうち、774 軒(空き家率 19.0%)の空き屋が確 認され、最も多い地区では、空き家率約 40%前後に至る地区もあった。 空き家をとりまく環境として、放置されている空き家が多く(管理されていないもの 24.7% +荒れ放題 23.3%)との報告があった。 NPO法人「結まーるプラス」の案内により現地調査の一環として当地域の空き屋の現状を 確認したが、山間部の条件不利地である散居集落のみならず、国道沿いの比較的交通の 利便性の良い密集集落においても、空き家が多くあった。 密居集落での空き家 密居集落での空き家 放置された空き家 放置された空き家 24 散居集落での空き家 放置された空き家 ≪参考資料②≫江津市における空き家・古民家の現状 地元の協力のもと、定住促進向け住宅として売買・賃貸可能な住宅や、交流促進向け 施設として利用可能な古民家の内部見学を行った。 いずれの建物も築 50 年~100 年を超える建物で、比較的管理が行き届いており、その 活用に際しては、多くの可能性を秘めているものであった。 一方、空き屋・古民家を利用したIターン住宅の見学も行い、各自のライフスタイルにあ った改装を行い、農村生活をエンジョイしているようであった。 定住促進活用向け建物 古民家A 古民家A 古民家B 古民家B Iターン住宅(空き家・古民家) Iターン住宅(空き家・古民家) Iターン住宅(空き家・古民家) Iターン住宅(空き家・古民家) Iターン住宅(空き家・古民家) 古民家B Iターン住宅(空き家・古民家) 25 また、この特区認定のもと、NPO が空き家を賃貸し、グリーン・ツーリズムや農村体験学習 施設として、当該空き家を転賃することも可能となり、県外企業に保養施設として貸し出す 場合と、長期滞在を目的に訪れる都市住民に田舎暮らし体験施設として活用する場合を想 定し、県の補助事業を活用し、2 軒の空き家改修を行っている。 ≪江津市空き家活性化事業 県外企業に保養施設として貸出す場合≫ 江津市の中山間地域 協定の締結 (17.12.11知事立会いのもと、協定締結) 江津市 ・都市交流事業の推進 ・地域の活性化 ・地域経済効果 ・空き家の調査、情報バン ク整備 ・空き家の情報提供、相 談 ・空き家の賃借、改修、 体験施設として転貸 業務委託 ◆空き家の調査、空き 【メリット】 ● 社員の休暇取得促進、家族サービス・リフレッシュ ● 定期的な行楽・交流情報の入手 ● 地域貢献性イメージアップ 【事業の推進】 ● 社員が休暇を取得しやすい環境整備 (休暇取得計画) ● 農山村との共生・交流を目指す姿勢や意思を表明 (江津市との協定書) 地域協力員(自 治会、市議会議 員等) 島根大学:空き家マップの 作成(将来の空き家情報 バンクの充実のため 賃 貸 契 約 不動産業者 改修に活用 しまね田舎ツーリズ ム拠点整備事業(県 単事業、改修の1/2を 補助) 物件の評価、賃貸 契約が円滑に締結 されるよう助言 企 業 転貸 地域の空き家情 報提供 家情報バンクの整備 ◆空き家の情報提供、 定住希望者の相談 利 用、 利用料 NPO 空き家 空き家の所有者 県外企業に保養施設として貸し出す取組みを促進 するため、江津市では、平成 18 年 12 月 11 日、島根 県が推進する市町村と県外企業が対等なパートナー シップのもとに交流と連携を行う「一社一村しまね」運 動の第一号として、県知事の仲介のもと江津市と県外 企業 2 社との協定を締結した。 この協定に基づき、江津市は企業に対して、社宅利用として空き家等の紹介・斡旋を積 極的に行い、観光施設の優待制度を創設することで両企業の福利厚生の充実を支援する ほか、自然体験や地元のイベント情報の提供や参加の呼びかけなど、市と企業が交流を深 め、交流人口の拡大など地域活性化に繋げていく取組みを推進していくこととなった。 26 一方、田舎暮らし体験施設としてその活用を促進する取組みとして、定住促進を図るため の『田舎暮らしツアー』にて、定住希望者に当該施設を紹介し利用を促すなどの試みを始め ている。 ≪江津市空き家活性化事業 田舎暮らし体験施設として活用する場合≫ 江津市の中山間地域 江津市 情報提供、相 談 N P O ・空き家の調査、情報バン ク整備 ・空き家の情報提供、相談 ・空き家の賃借、改修、 体験施設として転貸 ・都市交流事業の推進 ・地域の活性化 ・地域経済効果 転貸 地域の空き家情 報提供 業務委託 ◆空き家の調査、空き 家情報バンクの整備 ◆空き家の情報提供、 定住希望者の相談 地域協力員(自 治会、市議会議 員等) 島根大学:空き家マップの 作成(将来の空き家情報バ ンクの充実のため) 不動産業者 改修に活用 しまね田舎ツーリズム 拠点整備事業(県単 事業、改修の1/2を補 助) 【メリット】 ● 低料金での農山村長期滞在が可能 ● 定期的な交流情報・行楽情報の入手 ● 自然とのふれあい ● 人とのふれあい ● 新鮮で豊かな食との出会い ● 伝統芸能・文化との出会い 【モニター調査】 ・希望する滞在期間や滞在パターンはどうか ・滞在費は適当か ・利用条件はどうか ・希望する地域情報は など 賃 貸 契 約 物件の評価、賃貸 契約が円滑に締結 されるよう助言 都市部住民 利用申し込 み、利用料 空き家 空き家の所有者 【本事例から学ぶこと】 農山漁村地域において、NPO が主体となり、空き家情報を提供し、かつ、空き家の活用 を図り、交流施設として民間企業やリーリストに貸出す試みは全国で始めての取組で、今後 の展開に期待される。また、県外企業に貸出すに当たり、パートナーシップ協定を結ぶ取組 も、空き家活用を図る上では、とても効果的な方策といえる。 このような試みが可能となる背景には、『結まーるプラス』という NPO 法人の存在があり、 NPO 設立に至るまでの旧桜江町での定住促進活動、交流促進活動、情報発信活動等の 成果・実績があるからこそ NPO に託すことが出来たと思われる。 しかし、留意しなければいけないことは、空き家は個人資産であり、その管理や活用にお いては所有者の意向が前提であり、空き家対策全てを NPO に託しても限界があり、地域ぐ るみでその問題を解決していかなければならない。 貸し手としての空き家所有者、借り手としての定住希望者、そして、自治会、市議会議員、 行政、NPO、地元民間企業(不動産、建設業等)が共通の問題意識、危機感を持ち、それ ぞれの役割分担とゆるやかな連携=コンソーシアム(共同体)化の中から、増えつづける空 き家を少しでも減らし、空き家を活用することによってより良い定住環境を創り出していことが 求められている。 27