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コナミ - 楽天証券

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コナミ - 楽天証券
経済研究所企業調査レポート
2008 年 6 月 5 日
コナミ(9766
東証 1 部)
株価 3,560 円(08 年 6 月 5 日終値) 株価レーティング
A→A
決算説明会
セクター:エンタテインメント
アナリスト:今中 能夫
株価レーティング(基準株価は表紙記載の株価)
A:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上上昇すると予想される
B:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満上昇すると予想される
C:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が±5%未満の範囲に留まると予想される
D:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満下落すると予想される
E:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上下落すると予想される
連結決算
09.3 予
09.3 予
10.3 予
10.3 予
11.3 予
07.10-12
楽天証券旧 楽天証券新 楽天証券旧 楽天証券新 楽天証券新
3Q
320,000
335,000
350,000
346,000
378,000
95,987
7.6
9.4
12.6
3.3
9.2
3.4
42,000
46,000
52,000
49,000
58,000
19,112
24.1
23.8
35.9
6.5
18.4
15.3
41,500
45,500
51,500
48,500
57,500
18,859
26.4
24.1
38.6
6.6
18.6
13.0
23,500
26,600
29,200
28,400
33,600
11,622
28.1
24.3
45.0
6.8
18.3
22.7
189.3
171.1
193.7
212.6
206.8
244.7
54.0
54.0
60.0
64.0
60.0
70.0
18.8
20.8
18.4
16.7
17.2
14.5
09.3 予
会社新
330,000
11.0
45,000
33.0
44,500
35.5
26,000
41.7
08.3
297,402
6.1
33,839
営業利益(百万円)
20.2
前年比(%)
税引前当期利益(百万円) 32,834
19.1
前年比(%)
18,345
当期純利益(百万円)
13.2
前年比(%)
売上高(百万円)
前年比(%)
EPS(円)
133.6
配当(円)
54.0
PER(倍)
26.6
08.1-3
4Q
67,672
-0.3
1,685
16.4
900
-9.5
435
-73.2
株式時価総額
4889 億円
「メタルギアソリッド4」6 月 12 日発売
発行済株数
137,321 千株(他に自己
株 6,178 千株)
z
08/3 期は表記のように 20%営業増益だった。家庭用ゲームソフトでは欧州中心に
サッカーゲームが好調だった。業務用ゲーム機もネットワークゲーム機
「e-Amusement」が順調に伸びた。また、カードゲームも増収だった。一方で、健康
サービス事業が運営経費の上昇や不況の影響で 30%営業減益となった。
z
09/3 期は、6 月 12 日に全世界で発売される PS3 用ソフト「メタルギアソリッド4」の
売れ行きが業績を左右すると思われる。楽天証券では今期中に 300~400 万本売
れると予想しているが、会社予想に織り込まれている数字はもっと保守的のようだ。
健康サービス事業の伸び悩みが予想されるが、会社予想業績は十分達成可能で
上乗せの可能性もあろう。
z
株価レーティングAを維持する。目標株価レンジは 3,600~3,800 円から 4,800~
5,000 円に引き上げる。
要 約
PCFR
12.5 倍(09/3 期予)
PBR(08/3 期ベース)
2.7 倍
配当利回り(09/3 期予)
1.68%
ROE(09/3 期予)
14.6%
自己資本比率
57.2%(08/3 期末)
目標株価レンジ
4,800~5,000 円
楽天証券株式会社________________________________________________________________________________
〒106-6121 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ
れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、
投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売
買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、
当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど
が言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものでは
ありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資
料に掲載されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、資
金の貸手等となる場合があり得ます。当社の親・子・関係会社は本資料に掲載されている銘柄について取引を行ったことがあるか、今
後取引を行う場合があり得ます。掲載されているレポート等は、アナリストが独自に銘柄等を選択し作成したものであり、対象会社か
ら対価を得て、又は取引を獲得し若しくは維持するために作成するものではありません。この資料の著作権は楽天証券に帰属しており、
事前の承諾なく本資料の全部または一部を引用、複製、転送などにより使用することを禁じます。本資料の記載内容に関するご質問・
ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。
経済研究所企業調査レポート
08 年 3 月期の概要 ■ 08/3 期は、売上高は 6.1%増と小幅増収に止まったが、営業利益は
20.2%増益と二桁増益だった。
部門別に見ると、デジタルエンタテインメント事業が 17.0%営業増益となった。ゲームソフトが
販売本数は 3.7%増と小幅増だったものの、採算のよいサッカーゲームや音楽ゲームが好
調だったこと、これも採算のよいカードゲームが増収だったことなどが寄与した。また、ゲーミ
ング&システム事業が 28.8%営業増益、「その他または全社・消去」(この中にパチンコ、パ
チスロ向け液晶基板とパチスロ機が入る)の赤字幅が 07/3 期の 117 億 8100 万円から 96 億
800 万円に縮小した。カジノマシンとパチスロ機が売り上げ増加によって急速に利益率が向
上していることが寄与している。
一方で、フィットネスクラブ運営の健康サービス事業は 29.6%営業減益となった。
表1
セグメント別業績推移
03/3期
04/3期
05/3期
06/3期
07/3期
08/3期
09/3期
09/3期
会社予想
楽天証券予想 楽天証券予想 楽天証券予想
10/3期
11/3期
デジタルエンタテインメント事業
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
164,883
2,846
167,729
9.2%
37,886
22.6%
10.9%
181,987
3,428
185,415
10.5%
47,460
25.6%
25.3%
162,797
874
163,671
-11.7%
32,653
20.0%
-31.2%
163,624
1,652
165,276
1.0%
33,850
20.5%
3.7%
164,800
244
165,044
-0.1%
30,234
18.3%
-10.7%
178,382
557
178,939
8.4%
35,360
19.8%
17.0%
200,000
11.8%
43,000
21.5%
21.6%
204,000
1,000
205,000
14.6%
45,500
22.2%
28.7%
206,000
1,000
207,000
1.0%
45,000
21.7%
-1.1%
228,000
1,000
229,000
10.6%
52,000
22.7%
15.6%
78,437
88
78,525
19.6%
-49,412
-62.9%
968.8%
47,599
78,875
24
78,899
0.5%
2,772
3.5%
-105.6%
0
78,843
263
79,106
0.3%
2,047
2.6%
-26.2%
0
81,117
92
81,209
2.7%
-17,059
-21.0%
-933.4%
19,713
88,326
133
88,459
8.9%
7,522
8.5%
-144.1%
0
86,196
348
86,544
-2.2%
5,293
6.1%
-29.6%
0
95,000
9.8%
6,000
6.3%
13.4%
0
94,500
500
95,000
9.8%
5,500
5.8%
3.9%
0
98,500
500
99,000
4.2%
6,000
6.1%
9.1%
0
102,500
500
103,000
4.0%
6,500
6.3%
8.3%
0
-1,813
-2.3%
-60.8%
2,772
3.5%
-252.9%
2,047
2.6%
-26.2%
2,654
3.3%
29.7%
7,522
8.5%
183.4%
5,293
6.1%
6,000
6.3%
5,500
5.8%
6,000
6.1%
6,500
6.3%
-29.6%
13.4%
3.9%
9.1%
8.3%
8,215
0
8,215
168.2%
-169
-2.1%
-93.8%
10,947
0
10,947
33.3%
692
6.3%
-509.5%
11,641
2
11,643
6.4%
1,442
12.4%
108.4%
10,621
2
10,623
-8.8%
60
0.6%
-95.8%
16,744
0
16,744
57.6%
2,170
13.0%
3516.7%
18,471
0
18,471
10.3%
2,794
15.1%
28.8%
21,000
13.7%
3,500
16.7%
25.3%
21,000
0
21,000
13.7%
3,500
16.7%
25.3%
24,000
0
24,000
14.3%
4,500
18.8%
28.6%
27,000
0
27,000
12.5%
5,500
20.4%
22.2%
2,122
-2,934
-812
-125.2%
-10,175
1253.1%
16.7%
1,603
-3,452
-1,849
127.7%
-10,211
552.2%
0.4%
7,410
-1,139
6,271
-439.2%
-8,006
-127.7%
-21.6%
6,775
-1,746
5,029
-19.8%
-14,370
-285.7%
79.5%
10,409
-377
10,032
99.5%
-11,781
-117.4%
-18.0%
14,353
-905
13,448
34.1%
-9,608
-71.4%
-18.4%
14,000
4.1%
-7,500
-53.6%
-21.9%
15,000
-1,000
14,000
39.6%
-8,500
-60.7%
-11.5%
17,000
-1,000
16,000
19.0%
-6,500
-40.6%
-23.5%
20,000
-1,000
19,000
18.8%
-6,000
-31.6%
-7.7%
253,657
12.4%
-21,870
-8.6%
-220.9%
273,412
7.8%
40,713
14.9%
-286.2%
260,691
-4.7%
28,136
10.8%
-30.9%
262,137
0.6%
2,481
0.9%
-91.2%
280,279
6.9%
28,145
10.0%
1034.4%
297,402
6.1%
33,839
11.4%
20.2%
330,000
11.0%
45,000
13.6%
33.0%
335,000
12.6%
46,000
13.7%
35.9%
346,000
3.3%
49,000
14.2%
6.5%
378,000
9.2%
58,000
15.3%
18.4%
25,729
10.1%
42.3%
40,713
14.9%
58.2%
28,136
10.8%
-30.9%
22,194
8.5%
-21.1%
28,145
10.0%
26.8%
33,839
11.4%
20.2%
45,000
13.6%
33.0%
46,000
13.7%
35.9%
49,000
14.2%
6.5%
58,000
15.3%
18.4%
健康サービス事業
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
減損費用
営業利益(減損費用控除前)
営業利益率(減損費用控除前)
前年比
ゲーミング&システム事業
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
その他又は全社・消去
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
合計
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
営業利益(減損費用控除前)
営業利益率(減損費用控除前)
前年比
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
楽天証券株式会社
_______________________________________________________________________________
〒106-6121 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
2
経済研究所企業調査レポート
デジタルエンタテインメント事業 ■ デジタルエンタテインメント事業の中の「ゲームソフト」事
業では、サッカーゲーム(日本では「ウィニングイレブン」、欧米では「Pro Evolution Soccer」)
が 07/3 期 847 万本から 08/3 期 943 万本へ 11.3%伸びた。本場欧州での売り上げは、推定
で 07/3 期約 600 万本、08/3 期約 680 万本。2008 年版はPS3、PS2、Xbox360、DS用が 08/3
期に発売され、Wii版が 2008 年 4 月に発売されたが、前作 2007 年版を上回る評価を受けた。
サッカーゲームとしての評価は、欧州で競合する米エレクトロニック・アーツに対するそれを
既に抜き、世界最高の評価を受けている。スポーツゲームの開発費は他のジャンルのゲー
ムに比べ安いにもかかわらず、コナミのサッカーゲームは順調に売り上げを伸ばしているた
め、業績への貢献度は大きいと思われる。
また、「カードゲーム」(遊戯王カードなど)は 08/3 期に増収となった。デジタルエンタテインメ
ント事業の売上区分が変更されたため、06/3 期までの「トイ・ホビー」事業から「玩具」を「その
他」に移して、残りが 07/3 期から「カードゲーム」となった。そのため、07/3 期以降とそれ以前
とは接続性がないが、06/3 期、07/3 期とカードゲーム事業は連続減収だったと思われる。こ
れが 08/3 期は増収転換した。カードゲームは素材が紙であり、推定粗利益率 80~90%以
上、推定営業利益率 50%以上の、コナミの事業の中で最も高収益の事業である。これが増
収転換したことは業績に大きく寄与したと思われる。
「アミューズメント」(業務用ゲーム機)事業も順調だった。ネットワーク型ゲーム機シリーズ
「e-Amusement」の累積台数は 61000 台となり、年間純増数は 07/3 期 13000 台、08/3 期
7000 台と半減したが、これのサーバー管理費(ゲームセンターから徴収する。「オンライン」
に計上される)が積み上がっており、これも業績に寄与したと思われる。
09/3 期もデジタルエンタテインメント事業は好調と思われる。「メタルギアソリッド4」の寄与に
ついては後述するが、ゲームソフト以外にもカードゲームが 08/3 期に増収転換して、09/3 期
も順調に伸びると思われることは業績の好調要因の一つである。また、アミューズメントもe
-AMUSEMENT の設置台数増加が続くと思われる。これのサーバー管理費が重要な収入に
なっている。
注:08/3 期よりオンラインゲーム(ゲームソフトに区分される。デジタルエンタテインメント事業
の中の「オンライン」は携帯ゲームとe-Amusement のサーバー管理費である)の販売に関し
て、オンラインゲームの販売期間(コナミでは 6 ヵ月間)に収益を分割計上する会計方針を採
用した。これにより、約 20 億円のゲームソフト売上高が 09/3 期に繰り延べられている。
楽天証券株式会社
_______________________________________________________________________________
〒106-6121 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
3
経済研究所企業調査レポート
表2
デジタルエンタテインメント事業内訳
旧区分
03/3期
ゲームソフト
前年比
トイ&ホビー
前年比
アミューズメント
前年比
オンライン
前年比
マルチメディア/その他
前年比
消去
売上高合計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
新区分
04/3期
875
-2.9%
459
79.3%
343
-9.5%
05/3期
925
5.7%
575
25.3%
354
3.2%
06/3期
911
-1.5%
386
-32.9%
304
-14.1%
66
24
1,677
9.2%
379
22.6%
10.8%
07/3期
1,854
10.6%
475
25.6%
25.3%
08/3期
ゲームソフト
前年比
カードゲーム
前年比
アミューズメント
前年比
オンライン
前年比
その他
前年比
836
-0.7%
241
-34.3%
383
16.1%
181
19.9%
9
-60.9%
874
4.5%
266
10.4%
436
13.8%
199
9.9%
14
55.6%
売上高合計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
1,650
-0.2%
302
18.3%
-10.9%
1,789
8.4%
354
19.8%
17.2%
-54
1,637
-11.7%
327
20.0%
-31.2%
07/3期
842
-7.6%
367
-4.9%
330
8.6%
151
128.8%
23
-4.2%
-60
1,653
1.0%
339
20.5%
3.7%
836
-0.7%
254
-30.8%
401
21.5%
179
18.5%
21
-8.7%
-42
1,649
-0.2%
314
19.0%
-7.4%
09/3期
09/3期
会社予想
楽天証券予想 楽天証券予想 楽天証券予想
2,000
11.8%
430
21.5%
21.5%
10/3期
11/3期
1,040
19.0%
290
9.0%
480
10.1%
220
10.6%
20
42.9%
950
-8.7%
320
10.3%
530
10.4%
240
9.1%
30
50.0%
1,070
12.6%
350
9.4%
570
7.5%
260
8.3%
40
33.3%
2,050
14.6%
455
22.2%
28.5%
2,070
1.0%
450
21.7%
-1.1%
2,290
10.6%
520
22.7%
15.6%
注1:08/3期よりデジタルエンタテインメント事業の区分が変更された。トイ&ホビーの中のカードゲームが独
立し玩具はその他になった。アミューズメントの中のe-AMUSEMENTのサーバー管理費はオンラインに移っ
た。
注2:新区分の07/3期前年比は、旧区分の06/3期との比較なので、注1記載の事業区分は接続しない。
注3:07/3期まで全体のセグメントの「その他」に含まれていたポータル事業は08/3期よりデジタルエンタテイ
ンメント事業に含まれるようになった。上記の旧区分、新区分はこの変更を反映している。
単位:億円
出所:会社資料、予想は楽天証券
楽天証券株式会社
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4
経済研究所企業調査レポート
表3
コナミのゲームソフト販売本数
地域別
07/3期
08/3期
09/3期予 10/3期予 11/3期予
939
962
1000
950
1000
511
446
600
600
670
770
897
1070
1080
1180
30
28
30
50
60
2250
2333
2700
2680
2910
日本
北米
欧州
アジア
合計
ジャンル別
サッカー
野球
アニメ
音楽
メタルギア
その他
合計
プラットフォーム別
07/3期
08/3期
09/3期予 10/3期予 11/3期予
847
943
1040
1140
1240
156
166
180
190
200
264
244
220
220
240
195
230
250
280
330
110
111
400
200
150
678
639
610
650
750
2250
2333
2700
2680
2910
07/3期
構成比 08/3期
構成比
PS2
1062
47.2%
796
34.1%
PSP
326
14.5%
383
16.4%
PS3
7
0.3%
194
8.3%
Wii
41
1.8%
205
8.8%
DS
493
21.9%
558
23.9%
GBA
59
2.6%
7
0.3%
Xbox360
142
6.3%
124
5.3%
Xbox
36
1.6%
2
0.1%
PC
68
3.0%
56
2.4%
その他
18
0.8%
9
0.4%
合計
2250
100.0%
2333
100.0%
単位:万本
出所:会社資料、予想は楽天証券
注:他社ソフトの受託販売を含む。
グラフ1 e-AMUSEMENT累計設置台数
(単位:台、出所:会社資料より楽天証券作成)
70000
61000
60000
54000
50000
41000
40000
33000
30000
27000
20000
12000
10000
0
03/3末
04/3末
05/3末
06/3末
07/3末
楽天証券株式会社
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08/3末
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経済研究所企業調査レポート
「メタルギアソリッド4」 ■ 09/3 期業績を左右する大きな要因がPS3 用ソフト「メタルギアソリッ
ド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」(MGS4、全世界で 6 月 12 日発売予定)の売れ行きであ
る。前作「3」は 2004 年 12 月に発売され、これまでPS2 版だけで 400 万本以上売れた。
「MGS4」は開発に3年かけた大作である。PS3専用ソフトだが、PS3だけに対応したのはブ
ルーレイディスクの大容量を生かし、高性能CGを実現するマシンが PS3 以外にないため。
日本での価格は税込み 8800 円、税抜き 8381 円。北米は 59.99 ドル(税抜き、1$=104 円
換算で約 6200 円)、イギリス 39.99 ポンド(同、1£=207 円換算で約 8300 円)、フランス 69.90
ユーロ(同、1€ =163 円換算で約 11400 円)である。
開発費と広告費は不明だが、開発費は推定で 40~50 億円、広告費も開発費よりもやや少
ない程度の金額を投入すると思われるため、合わせて 70~90 億円程度かかると思われる。
PS3用ソフトとしては、これまで発売されたソフトの中で最高の品質となろう。
MGS4の営業利益への寄与を簡単に試算してみる。販売価格を3地域平均で 8600 円、出
荷掛け率を 65~70%、ソニー・コンピュータエンタテインメントに支払う委託生産費を 2100~
2300 円と想定する。楽天証券の 09/3 期予想販売本数は 300~400 万本(地域別は、日本
50~70 万本、北米 100~150 万本、欧州その他 150~180 万本)、開発費と広告費を合わせ
て 70~90 億円と想定する。ここから試算すると、MSG4 の推定営業利益は、概ね 30~60 億
円と思われる。ちなみに、販売本数が 200 万本程度なら、利益はほぼゼロか赤字と思われ
る。
PS3 の累計出荷台数は 08/3 期末で 1285 万台である。この程度の出荷台数で果たして 400
万本売れるのかという疑問を持つ向きもあろう。これに対して、楽天証券では、次のように考
えている。
① 特定優良ソフトへの需要の集中:世界のゲームソフト市場で特定の優良ソフトに需要が
集中する現象が起きている。例えば、2007 年 9 月発売の「Halo 3」(Xbox360 用、マイクロ
ソフト)は 12 月末の Xbox360 累計台数が 1770 万台しかない中で、810 万本以上を出荷
した。店頭在庫を考慮しても Xbox360 ユーザーの約 40%が「Halo 3」を購入したことにな
る。Xbox360 ユーザーにはアクション、シューティングなどのジャンルの熱烈なゲームファ
ンが多いが、PS3 も Xbox360 とユーザー層が重なるため、特定の優良ソフトに需要が集
中すると予想できるのである。
② 「MGS4」はPS3市場を牽引するだろう:また、「MGS4」クラスの優良ソフトはハード市場
を牽引すると思われる。PS3市場を牽引しながら、半年以上かけて 300~400 万本売れ
る可能性がある。ちなみに、ソニーの 09/3 期の PS3 ハード販売台数予想は 1000 万台
(08/3 期 924 万台)だが、これが達成されると 09/3 期末累計台数が 2285 万台になる。
この台数ならばMGS4のような優良ソフトが数タイトル発売されても、各々数百万本売れ
る市場になるだろう。また、このような優良ソフトのヒットによって、ソニー予想のPS3ハー
ド 1000 万台に 200~300 万台が上乗せされる可能性もある。
③ PS3用ソフト市場は比較的競合が少ない:PS3は、ゲーム機としての性能が他のゲーム
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6
経済研究所企業調査レポート
機に比べ群を抜いて高い上、メディアにブルーレイディスクを使うため、25~50 ギガバイ
トの大容量ゲームを作ることになる(MGS4は 50Gの2層ディスクを使う)。したがって優
良ゲームほど開発しにくい。また Xbox360 や Wii に比べ累計出荷台数が少ないため、損
益分岐点販売本数が大きい大型優良ゲームほどタイトル数が少ない。少なくとも今後1
~2年はこの状態が続くと思われ、PS3市場は、大型優良ソフトに限れば競合は比較的
少ないと思われる。したがって、コナミなど有数の大手ソフト会社にとっては事業チャンス
となろう。
楽天証券では 09/3 期業績予想に「MGS4」の販売本数を 300~400 万本、営業利益への寄
与を 30~60 億円と幅を持たせて予想し、デジタルエンタテインメント事業の営業利益を会社
予想の 430 億円に対して 455 億円と予想する。デジタルエンタテインメント事業の営業利益
はMGS4がない状態で 10~15%以上伸びるポテンシャルがあるため、これにMGS4からの
利益が加わることになる。
ただし、MGS4の売れ行きが好調の場合、会社側は他のソフトの発売を来期に延期する可
能性がある。そうすることで 09/3 期、10/3 期の業績変動を緩やかなものにする可能性がある。
また、10/3 期にはMGS4の派生版を PSP、Wiiなど他機種で発売すると思われる。これらは
10/3 期の業績に寄与すると思われる。
MGS4の評価は海外中心にかなり高く、09/3 期の当事業部門の業績は好調が予想される。
10/3 期に予想されるMGS4の反動も大きくはないと思われる。
グラフ2 コナミの家庭用ゲームソフト販売本数:ジャンル別
(単位:万本、出所:会社資料、予想は楽天証券、主なジャンルのみ)
1400
メタルギア
サッカー
1200
音楽
野球
1000
800
600
400
200
0
03/3期
04/3期
05/3期
06/3期
07/3期
08/3期
09/3期予
楽天証券株式会社
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10/3期予
11/3期予
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経済研究所企業調査レポート
健康サービス事業 ■ 08/3 期の健康サービス事業は大幅減益となった。この要因は不況で
会員数が減少したこと、石油代など運営経費が上昇したが、事業の性格と、小型フィットネス
ジムとの競合から値上げ出来なかったため。東京電力から3月 6 日付けで同社子会社の「ス
ポーツフレックス・ジャパン」を買収したが、この寄与は 09/3 期からになる。
09/3 期は、会社予想によれば「スポーツフレックス・ジャパン」がフル寄与するため、この事業
は増益転換する。しかし、08/3 期の減益要因だった燃料費など諸経費の上昇、不況と他業
態との競合による会員数の減少は 09/3 期にも当てはまる問題であり、今期もこの事業は楽
観できないと思われる。
また、楽天証券では、コナミの大型店舗中心の施設運営は今後リスクが大きくなると考えて
いる。即ち、安い会費で急速に店舗数と会員数を伸ばしている小型店舗との競合とともに、
任天堂の「Wii Fit」や「ビリー・ブート・ザ・キャンプ」などのフィットネス DVD が健康サービス
事業と競合すると思われるからである。要するに、ジムに通わなければ出来なかったフィット
ネスが、家庭で安価にゲーム感覚で手軽に出来るようになってきたということである。
健康サービス事業の今後を見るときに重要なのが、2008 年 4 月より 40~74 歳の保険加入者
を対象にして導入された「特定健康診断・特定保健指導」である。メタボリック・シンドローム
(内臓脂肪症候群)の予防・改善を目的に導入された制度で、2013 年度からは健康増進の
成果に応じて、企業の健康保険組合から国に払う拠出金が増減する仕組みが導入されるこ
とになっている。
特定健康診断では、40 歳~74 歳までの人で、腹まわり(おへそのまわりの一番大きい部分)
が男性 85cm以上、女性 90cm以上の人、または、腹まわりは基準以下でも、BMI(肥満度を
あらわす指標)が 25 以上の人、加えて、その他の検査項目(血糖値、中性脂肪、HDLコレス
テロール、血圧)の中で2項目が要注意数値を示した人をグループ分けして特定保険指導を
行う。該当者は、減量するために食生活や運動等の指導を受けることになる。
この特定検診、特定指導を事業化するために、コナミはリゾートソリューションと提携するなど
して、企業の従業員の健康管理をトータルに行うサービスを展開しており、既に数社と契約
した模様。会社側はこの事業が今後のコナミの健康サービス事業にとって重要なものになる
と考えている。
一方で、経費増加や、上述したようなフィットネス市場の変化は、大型店舗中心に運営して
いるコナミにとって無視できない問題である。楽天証券では特定検診の寄与が業績に反映
されるようになるのは 10/3 期~11/3 期以降であり、09/3 期の業績には注意が必要であると
考えている。
楽天証券株式会社
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経済研究所企業調査レポート
表4
コナミの健康サービス事業
直営施設数 受託施設数 直営会員数 前年比
02/3末
189
30
76.0
03/3末
205
33
85.7
12.8%
04/3末
208
32
84.4
-1.5%
05/3末
205
28
82.9
-1.8%
06/3末
209
67
96.0
15.8%
06/6末
209
101
97.5
17.3%
06/9末
209
102
99.2
10.2%
06/12末
210
103
98.3
6.7%
07/3末
208
104
98.9
3.0%
07/6末
208
111
99.1
1.6%
07/9末
208
111
99.3
0.1%
07/12末
208
112
96.9
-1.5%
08/3末
222
110
97.8
-1.1%
単位:施設、万人
出所:会社資料より楽天証券作成
ゲーミング&システム事業、その他事業 ■ ゲーミング&システム事業(カジノマシンの製造
販売)と「その他」の中のパチスロ機も好調だった。いずれも高収益事業であり、限界利益率
が高く、増収によって利益額、利益率がともに大きく伸びている。
09 年 3 月期業績見通し ■ 会社側の 09/3 期業績予想は、中期計画の数値をそのまま業績
予想としたものである。したがって、これまでのような控えめな業績予想とはなっておらず、営
業利益で 30%以上の伸びを見込むものとなっている。
楽天証券では、今期のコナミの業績はこの会社予想を若干超過すると予想している。09/3
期営業利益は会社予想の 450 億円(前年比 33.0%増)に対して 460 億円(同 35.9%増)と
予想する。
このように予想する主な理由は、「MGS4」の好調により、デジタルエンタテインメント事業の
営業利益が会社予想の 430 億円を上回り 455 億円に達すると予想していることである。また、
同じくデジタルエンタテインメント事業のカードゲームも増収が続くと思われることも、この事
業部門の好調を予想する理由である。
また、ゲーミング&システム事業も会社予想通りの好調な業績を予想する(09/3 期会社予想
営業利益は 35 億円、前年比 25.3%増)。サブプライム問題のラスベガス等のカジノリゾート
への影響が懸念材料だが、世界のカジノ市場が成長していること、コナミのこの分野の事業
規模がまだ小さいことから、大きな影響はないと思われる。
一方で、健康サービス事業は、特定検診関連の需要がある程度見込まれるとはいえ、景況
と競合を考えると、会社予想のような二桁増益は、スポーツフレックス・ジャパンの買収効果
を考慮しても困難かもしれない。楽天証券では、健康サービス事業の 09/3 期について会社
予想営業利益 60 億円(前年比 13.4%増)に対して 55 億円(同 3.9%増)と予想している。
楽天証券株式会社
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経済研究所企業調査レポート
また、「その他または全社・消去」の中のパチンコ用液晶基板とパチスロ事業についても、
07/3 期から 08/3 期にかけてはパチスロ機の新規参入に成功し、この区分の営業損失(本社
経費が含まれるため営業損失になる)が 118 億円から 96 億円に縮小したが、09/3 期もこの
ように急ピッチで損益が改善するかどうか不透明である。特にパチスロ機は、パチスロホール
業界が不況であり、新規参入のコナミの好業績が続くとは必ずしもいえないと思われる。楽
天証券では、09/3 期の「その他/消去」の区分の営業赤字を会社予想 75 億円に対して 85
億円とした。ただし、10/3 期は景気回復を見込んで伸び率が回復すると予想した。
なお、為替に関しては今期の前提レート前提が1$=100 円、1€=160 円である。為替レート
が、今期業績に大きな影響を与えることは当面は考えにくい。
10 年 3 月期以降の業績見通し ■ MGS4後の反動について、会社側では 08/3 期決算説
明会において2~3年前から準備していた大型新作を 10/3 期に投入するとコメントした。特
に海外市場の拡大がターゲットになる。また、MSG4が予想以上に売れた場合(300~400
万本以上売れた場合)、一部のソフトを 10/3 期に延期するなどある程度業績の「調整」を行う
可能性もある。したがって、デジタルエンタテインメント事業の 10/3 期については、大幅減益
はないと思われる。楽天証券では同事業の 10/3 期営業利益を 450 億円(前年比 1.1%減)、
11/3 期 520 億円(同 15.6%増)と予想する(表1参照)。
ゲーミング&システム事業も順調に成長すると思われる。サブプライム問題の影響はそれが
09/3 期に発生したとしても、10/3 期以降には薄くなると思われる。また、国内のパチスロ事業
についても順調な成長を想定した。
一方、健康サービスについては、特定検診関連が本当にコナミにとっての収益事業になる
のか、あるいは、小型店舗やWiiFitとの競合について、不透明感が強い。10/3 期、11/3 期
とも一桁営業増益とした。
このように考えて、全体の営業利益を 10/3 期 490 億円(前年比 6.5%増)、11/3 期 580 億円
(18.4%増)と予想した。
配当予想 ■ 会社側は公約配当性向を示しておらず現在のところ 54 円配を続けているが、
概ね配当性向 30%以上を目標にしている。このことを考慮して、09/3 期は会社予想配当 54
円に対して 60 円を、10/3 期、11/3 期は各々60 円、70 円と予想した。
株価見通し ■ MGS4は当初 08/3 期下期に発売される予定だったが、08 年 6 月に延期さ
れた。したがって、07/3 期以降の株価にはMGS4の業績寄与が織り込まれていたと思われ
る。07/3 期~08/3 期の予想PERレンジは 20~31 倍である。発売直前の現在は楽天証券予
想ベースで 18.4 倍(6 月 5 日終値ベース)だが、今後はMGS4の売れ行きと業績の上乗せ
見込みの可能性を見ながら株価が変動する思われる。楽天証券ではMGS4が予想通りある
楽天証券株式会社
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10
200
-50
1996年5月
1996年9月
1997年1月
1997年5月
1997年9月
1998年1月
1998年5月
1998年9月
1999年1月
1999年5月
1999年9月
2000年1月
2000年5月
2000年9月
2001年1月
2001年5月
2001年9月
2002年1月
2002年5月
2002年9月
2003年1月
2003年5月
2003年9月
2004年1月
2004年5月
2004年9月
2005年1月
2005年5月
2005年9月
2006年1月
2006年5月
2006年9月
2007年1月
2007年5月
2007年9月
2008年1月
2008年5月
19
9
19 6年
96 5月
19 年
9 9月
19 7年
97 1月
19 年
9 5月
19 7年
98 9月
19 年
9 1月
19 8年
98 5月
19 年
9 9月
19 9年
9 1月
19 9年
9 5月
20 9年
00 9月
20 年
0 1月
20 0年
00 5月
20 年
0 9月
20 1年
01 1月
20 年
0 5月
20 1年
02 9月
20 年
0 1月
20 2年
0 5月
20 2年
03 9月
20 年
0 1月
20 3年
03 5月
20 年
0 9月
20 4年
04 1月
20 年
0 5月
20 4年
05 9月
20 年
0 1月
20 5年
05 5月
20 年
0 9月
20 6年
06 1月
20 年
0 5月
20 6年
07 9月
20 年
0 1月
20 7年
07 5月
20 年
0 9月
20 8年
08 1月
年
5月
経済研究所企業調査レポート
いは予想以上に売れて会社予想業績が上方修正される可能性と、MGS4以外のゲームソ
フトやカードゲームなど、デジタルエンタテインメント事業の他の事業の拡大の可能性を考慮
して、向こう1年間の適正PERを過去2年間の中間である 20 倍台半ばと考えている。ここから、
今後 1 年間の目標株価レンジを 4800~5000 円とした。株価レーティングはAとした。
グラフ3 コナミの株価とPER
12,000
(株価は左目盛、PERは右目盛)
80.0
分割調整後終値(月末値)
10,000
-100
-150
楽天証券株式会社
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70.0
PER
60.0
8,000
50.0
40.0
6,000
30.0
20.0
4,000
10.0
0.0
2,000
-10.0
-20.0
0
-30.0
グラフ4 コナミのEPSとPER
250
(EPSは左目盛、PERは右目盛)
80.0
EPS
70.0
150
PER
60.0
100
50.0
50
40.0
0
30.0
20.0
10.0
0.0
-10.0
-200
-20.0
-250
-30.0
11
経済研究所企業調査レポート
リスク要因 ■ リスク要因は以下の通り。
1. 「メタルギアソリッド4」の売れ行き:MGS4が 200 万本程度かそれ以下しか売れない場
合。この場合、MGS4の本数が足りない部分を他のソフトでカバーすることになろうが、
その場合でも営業利益で 20~30 億円程度の業績下方修正がありうると思われる。我々
は今のところこの可能性は考慮していない。
2. 健康サービス事業の業績:経費上昇や景気、競合の程度によっては我々の予想以上
に健康サービス事業の業績が悪化し、それが来期も続く可能性がある。これは、ありうる
リスク要因である。
3. カジノマシンとパチスロ機:カジノマシン(ゲーミング&システム事業)とパチスロ機(その
他または全社・消去)については、いずれも許認可事業である。カジノマシンは生産、販
売する国での規制が厳しい。パチスロも同様であり、国の指定機関である「保安電子通
信協会」の型式試験を通らなければならない。これらの型式試験は当局の考え方、都合
等で認定が遅れる場合があるため、これら事業の業績は予想外に変動することがある。
ただし、今のところ両事業とも全体への寄与が大きなものではないため、仮に増益率鈍
化や減益になっても株価への影響は少ないと思われる。
4. 多角化:コナミは多角化の進んだ会社であり、ゲームソフトのみならず、健康サービス、
カジノマシンと事業は多岐に渡る。しかし、最も優れているのは家庭用、業務用ゲームと
玩具(カード)の分野だろう。多角化はコナミの業績を安定的に伸ばすことには貢献して
いるが、もし健康サービス事業に進出せずに、その資金をゲームソフトに投じていたら、
もっと大きな利益を上げることが出来たかもしれない。ゲームソフトという成長力あふれる
事業を中核とする会社の多角化にはこのような「機会損失」が発生する可能性がある。こ
れがコナミの中長期的なリスクであろう。
楽天証券株式会社
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12
経済研究所企業調査レポート
表5
コナミ(9766)
2002/3通
単位;百万円
2003/3通
更新日
株価
時価総額
EV
2004/3通
225,580
31.5%
154,651
68.6%
70,929
31.4%
3.7%
253,657
12.4%
174,879
68.9%
78,778
31.1%
11.1%
273,412
7.8%
179,182
65.5%
94,230
34.5%
19.6%
260,691
-4.7%
180,363
69.2%
80,328
30.8%
-14.8%
262,137
0.6%
184,744
70.5%
77,393
29.5%
-3.7%
280,279
6.9%
193,506
69.0%
86,773
31.0%
12.1%
297,402
6.1%
205,188
69.0%
92,214
31.0%
6.3%
52,842
23.4%
73.2%
18,087
8.0%
-52.3%
18,087
8.0%
-52.3%
22,678
10.1%
-44.5%
11,402
9.5%
10.2%
83.0
54.0
47,599
53,049
20.9%
0.4%
-21,870
-8.6%
-220.9%
25,729
10.1%
42.3%
-22,096
-8.7%
-197.4%
-28,519
6.6%
-36.8%
-207.7
54.0
53,517
19.6%
0.9%
40,713
14.9%
-286.2%
40,713
14.9%
58.2%
40,107
14.7%
-281.5%
20,104
7.7%
-50.7%
146.4
54.0
52,192
20.0%
-2.5%
28,136
10.8%
-30.9%
28,136
10.8%
-30.9%
27,442
10.5%
-31.6%
10,486
6.4%
163.3%
76.4
54.0
19,713
55,199
21.1%
5.8%
2,481
0.9%
-91.2%
22,194
8.5%
-21.1%
8,438
3.2%
-69.3%
23,008
7.9%
12.5%
167.5
54.0
58,628
20.9%
6.2%
28,145
10.0%
1034.4%
28,145
10.0%
26.8%
27,567
9.8%
226.7%
16,211
8.6%
-29.5%
118.1
54.0
58,375
19.6%
-0.4%
33,839
11.4%
20.2%
33,839
11.4%
20.2%
32,834
11.0%
19.1%
18,345
9.2%
13.2%
133.6
54.0
連結業績推移
2008/6/5
3,560 円(08/6/5)
発行済株数 137,321,557 株
488,865 百万円
自己株(外数)
6,178,443 株
480,463 百万円
2005/3通
2006/3通
2007/3通
2008/3通
2009/3通 2009/3通予 2010/3通予 2011/3通予
会社予想
売上高
伸び率
売上原価
売上原価率
売上総利益
売上総利益率
伸び率
その他無形固定資産及び長期
資産性減損費用
販売費及び一般管理費
対売上高販管費比率
伸び率
営業利益
営業利益率
伸び率
営業利益(減損控除前)
営業利益率(減損控除前)
伸び率
税引前当期利益
税引前当期利益率
伸び率
当期純利益
税引利益率
伸び率
遡及済みEPS
配当
配当金額
設備投資額
減価償却費+連結調整勘定償却額
減損費用
キャッシュフロー
フリーキャッシュフロー
CFPS
FCFPS
EBITDA(*)
PER
PCFR
EV/EBITDA
6,836
8,346
9,330
6,506
8,788
8,528
6,461
15,818
10,913
20,732
5,550
151.0
40.4
27,417
6,506
15,357
11,979
47,599
31,059
9,196
226.2
67.0
37,708
7,303
9,308
11,757
7,415
11,995
12,069
21,399
-880
155.8
-6.4
39,049
7,303
14,513
13,782
19,713
56,503
34,687
411.5
252.6
35,976
28,632
13,338
208.5
97.1
49,241
27,968
11,357
203.7
82.7
39,902
30,414
11,004
221.5
80.1
45,908
42.9
23.6
17.5
-17.1
15.7
12.7
24.3
17.1
9.8
46.6
22.8
12.3
21.2
8.7
13.4
30.2
17.5
12.0
26.6
16.1
10.5
330,000
11.0%
45,000
13.6%
33.0%
45,000
13.6%
33.0%
44,500
13.5%
35.5%
26,000
9.2%
41.7%
189.3
54.0
7,415
18.8
楽天証券予想 楽天証券予想楽天証券予想
335,000
12.6%
346,000
3.3%
378,000
9.2%
110,000
32.8%
19.3%
113,000
32.7%
2.7%
124,000
32.8%
9.7%
64,000
19.1%
9.6%
46,000
13.7%
35.9%
46,000
13.7%
35.9%
45,500
13.6%
38.6%
26,600
9.9%
45.0%
193.7
60.0
64,000
18.5%
0.0%
49,000
14.2%
6.5%
49,000
14.2%
6.5%
48,500
14.0%
6.6%
28,400
9.9%
6.8%
206.8
60.0
66,000
17.5%
3.1%
58,000
15.3%
18.4%
58,000
15.3%
18.4%
57,500
15.2%
18.6%
33,600
9.9%
18.3%
244.7
70.0
8,239
12,000
12,500
8,239
12,000
13,000
9,613
12,000
13,000
39,100
18,861
284.7
137.3
58,500
41,400
21,161
301.5
154.1
62,000
46,600
24,987
339.3
182.0
71,000
18.4
12.5
8.2
17.2
11.8
7.7
14.5
10.5
6.8
出所:会社資料より楽天証券作成
注:EBITDAは、減損費用控除前営業利益+減価償却費
楽天証券株式会社
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13
経済研究所企業調査レポート
表6
四半期ベース連結業績推移
売上高
伸び率
売上総利益
売上総利益率
伸び率
減損費用
販管費
対売上高販管費比率
伸び率
営業利益
営業利益率
伸び率
06/3期
1Q
2Q
3Q
4Q
48,029
63,841
80,679
1.5%
-4.3%
-1.0%
14,169
17,091
30,954
29.5%
26.8%
38.4%
5.6%
-22.3%
5.7%
11,095
23.1%
6.0%
3,074
6.4%
4.3%
12,703
19.9%
-2.9%
4,388
6.9%
-50.7%
14,571
18.1%
9.9%
16,383
20.3%
2.2%
営業利益(減損控除前)
営業利益率
伸び率
税引前当期利益
経常利益率
伸び率
当期純利益
税引利益率
伸び率
セグメント別
69,588
6.7%
15,179
21.8%
-3.0%
19,713
16,830
24.2%
9.3%
-21,364
-30.7%
-8714.5%
07/3期
08/3期
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
57,628
61,971
92,838
67,842
60,650
73,093
95,987
67,672
20.0%
-2.9%
15.1%
-2.5%
5.2%
17.9%
3.4%
-0.3%
18,096
18,159
32,250
18,268
20,571
18,580
35,703
17,360
31.4%
29.3%
34.7%
26.9%
33.9%
25.4%
37.2%
25.7%
27.7%
6.2%
4.2%
20.4%
13.7%
2.3%
10.7%
-5.0%
12,093
21.0%
9.0%
6,003
10.4%
95.3%
14,047
22.7%
10.6%
4,112
6.6%
-6.3%
15,667
16.9%
7.5%
16,583
17.9%
1.2%
16,821
24.8%
-0.1%
1,447
2.1%
-106.8%
13,561
22.4%
12.1%
7,010
11.6%
16.8%
12,548
17.2%
-10.7%
6,032
8.3%
46.7%
16,591
17.3%
5.9%
19,112
19.9%
15.3%
15,675
23.2%
-6.8%
1,685
2.5%
16.4%
5,801
10.1%
-41.6%
2,120
3.7%
-61.0%
4,083
6.6%
-7.4%
2,994
4.8%
96.3%
16,688
18.0%
7.0%
9,473
10.2%
-2.1%
995
1.5%
-104.6%
1,624
2.4%
-74.5%
7,271
12.0%
25.3%
3,863
6.4%
82.2%
5,804
7.9%
42.2%
2,425
3.3%
-19.0%
18,859
19.6%
13.0%
11,622
12.1%
22.7%
900
1.3%
-9.5%
435
0.6%
-73.2%
-1,651
-2.4%
-765.7%
9,927
20.7%
245.9%
5,439
11.3%
1960.2%
06/3期
1Q
4,408
6.9%
-49.4%
1,525
2.4%
12.0%
2Q
-21,490
-30.9%
-4389.4%
6,368
9.2%
1252.0%
15,593
19.3%
1.5%
9,676
12.0%
15.3%
3Q
07/3期
1Q
4Q
2Q
3Q
4Q
08/3期
1Q
2Q
3Q
4Q
デジタルエンタテインメント事業
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
25,277
296
25,573
40,587
511
41,098
57,079
360
57,439
40,681
485
41,166
5,310
20.8%
7,738
18.8%
18,581
32.3%
2,221
5.4%
19,641
21
19,662
20,912
35
20,947
20,241
9
20,250
20,323
27
20,350
179
0.9%
502
2.4%
1,007
5.0%
-18,747
-92.1%
31,678
360
32,038
25.3%
6,569
20.5%
23.7%
31,156
346
31,502
-23.3%
4,817
15.3%
-37.7%
65,544
363
65,907
14.7%
17,932
27.2%
-3.5%
35,276
137
35,413
-14.0%
2,079
5.9%
-6.4%
34,342
458
34,800
8.6%
8,500
24.4%
29.4%
38,868
310
39,178
24.4%
4,804
12.3%
-0.3%
66,769
393
67,162
1.9%
19,831
29.5%
10.6%
38,403
-604
37,799
6.7%
2,225
5.9%
7.0%
21,295
18
21,313
8.4%
1,768
8.3%
887.7%
23,096
36
23,132
10.4%
1,604
6.9%
219.5%
22,185
6
22,191
9.6%
2,087
9.4%
107.2%
21,750
73
21,823
7.2%
2,063
9.5%
-111.0%
21,513
104
21,617
1.4%
1,784
8.3%
0.9%
22,227
167
22,282
-3.7%
1,829
8.2%
14.0%
20,974
112
21,086
-5.0%
1,104
5.2%
-47.1%
21,482
77
21,559
-1.2%
576
2.7%
-72.1%
3,501
0
3,501
30.5%
407
11.6%
30.9%
4,217
0
4,217
106.3%
597
14.2%
-293.8%
4,129
0
4,129
26.2%
518
12.5%
65.5%
4,897
0
4,897
86.7%
648
13.2%
-353.1%
3,572
0
3,572
2.0%
395
11.1%
-2.9%
4,028
0
4,028
-4.5%
555
13.8%
-7.0%
5,045
0
5,045
22.2%
962
19.1%
85.7%
5,826
0
5,826
19.0%
882
15.1%
36.1%
1,154
3,502
-378
-382
776
3,120
599.1% -1358.1%
-2,741
-2,906
-353.2%
-93.1%
0.6%
-18.0%
980
-369
611
-315.9%
-3,954
-647.1%
12.4%
5,919
-210
5,709
4.8%
-3,343
-58.6%
-27.0%
1,223
-562
661
-14.8%
-3,669
-555.1%
33.9%
7,970
-365
7,605
143.8%
-1,156
-15.2%
-60.2%
3,199
-505
2,694
340.9%
-2,785
-103.4%
-29.6%
1,961
527
2,488
-56.4%
-1,998
-80.3%
-40.2%
92,838
15.1%
16,583
17.9%
1.2%
67,842
-2.5%
1,447
2.1%
-106.8%
60,650
5.2%
7,010
11.6%
16.8%
73,093
17.9%
6,032
8.3%
46.7%
95,987
3.4%
19,112
19.9%
15.3%
67,672
-0.3%
1,685
2.5%
16.4%
健康サービス事業
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
減損費用
営業利益(減損費用控除前)
営業利益率(減損費用控除前)
前年比
ゲーミング&システム事業
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
19,713
966
4.7%
2,683
0
2,683
311
11.6%
2,044
0
2,044
-23.8%
-308
-15.1%
3,273
0
3,273
60.1%
313
9.6%
2,621
2
2,623
-19.9%
-256
-9.8%
428
-317
111
298
-546
-248
86
-369
-283
5,963
-514
5,449
-2,726
-2455.9%
-3,544
1429.0%
-3,518
1243.1%
-4,582
-84.1%
48,029
63,841
80,679
69,588
3,074
6.4%
4,388
6.9%
16,383
20.3%
-21,364
-30.7%
その他又は全社・消去
売上高:外部顧客向け
売上高:内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
合計
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
営業利益(減損費用控除前)
営業利益率(減損費用控除前)
前年比
57,628
20.0%
6,003
10.4%
95.3%
61,971
-2.9%
4,112
6.6%
-6.3%
-1,651
-2.4%
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
楽天証券株式会社
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14
経済研究所企業調査レポート
表7
地域別損益
06/3期
日本
外部顧客向け売上高
前年比
内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
北米
外部顧客向け売上高
前年比
内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
欧州
外部顧客向け売上高
前年比
内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
アジア・オセアニア
外部顧客向け売上高
前年比
内部売上高
売上高計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
07/3期
193,108
31,488
224,596
2,037
0.9%
33,797
1,545
35,342
-2,346
-6.6%
27,387
902
28,289
1,108
3.9%
7,845
361
8,206
1,311
16.0%
08/3期
206,343
6.9%
27,219
233,562
4.0%
27,731
11.9%
1261.4%
220,462
6.8%
21,147
241,609
3.4%
29,966
12.4%
8.1%
34,847
3.1%
1,904
36,751
4.0%
-3,595
-9.8%
赤字
34,137
-2.0%
4,802
38,939
6.0%
1,407
3.6%
黒転
31,650
15.6%
295
31,945
12.9%
3,085
9.7%
178.4%
35,589
12.4%
44
35,633
11.5%
1,823
5.1%
-40.9%
7,439
-5.2%
530
7,969
-2.9%
720
9.0%
-45.1%
7,214
-3.0%
658
7,872
-1.2%
568
7.2%
-21.1%
消去 売上高
消去 営業利益
-34,296
371
-29,948
204
-26,651
75
合計売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
262,137
280,279
6.9%
28,145
10.0%
1034.4%
297,402
6.1%
33,839
11.4%
20.2%
2,481
0.9%
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
楽天証券株式会社
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15
経済研究所企業調査レポート
株価・財務指標の計算式
PER=株価÷EPS(一株当たり当期純利益)
配当利回り=配当÷株価
株式時価総額=株価×発行済株数(自己株式を除く)
PCFR=株価÷一株当たりグロスキャッシュフロー
(グロスキャッシュフロー=当期純利益+減価償却費)
ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本
PBR=株価÷一株当たり純資産
自己資本比率=自己資本(純資産)÷総資産
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16
【リスクについてのご説明】
◆上場有価証券等のリスク
〔現物取引〕
国内外の金融商品取引所に上場されている株式(現物取引)等の上場有価証券(以下「上
場有価証券等」(※1)といいます。
)には、以下のリスクがあります。
・上場有価証券等の売買等にあたっては、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、
商品相場等の変動や、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等の
裏付けとなっている株式、債券、投資信託、不動産、商品、カバードワラント等(以下「裏
付け資産」(※2)といいます。)の価格や評価額の変動に伴い、上場有価証券等の価格が
変動することによって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等の発行者または保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた際や、裏
付け資産の発行者または保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた際に、上場有価証
券等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等のうち、他の種類株式、社債、新株予約権その他の財産に転換される(で
きる)旨の条件または権利が付されている場合において、当該財産の価格や評価額の変動
や、当該財産の発行者の業務や財産の状況の変化に伴い、上場有価証券等の価格が変動す
ることや、転換後の当該財産の価格や評価額が当初購入金額を下回ることによって損失が
生じる場合があります。
・また、新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利
を行使できる期間に制限がありますのでご留意ください。
・なお、上場有価証券等が外貨建ての場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化す
ることにより、為替相場が円高になる過程で円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる
過程で円貨換算した価値は上昇することになります。したがって、売却時等の為替相場の
状況によっては為替差損が生じる場合があります。
〔信用取引〕
上場有価証券等を「信用取引」でおこなう場合は、以下のリスクがあります。
・信用取引を行うにあたっては、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動や、
投資信託、投資証券等の裏付けとなっている株式、債券、不動産、商品等(以下「裏付け
資産」(※2)といいます。)の価格や評価額の変動に伴い、信用取引の対象となっている
株式等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。また、その損失の額
が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況に変化
が生じた場合や、裏付け資産の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた
場合、信用取引の対象となっている株式等の価格が変動することによって損失が生じる場
合があります。また、その損失の額が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合がありま
す。
・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失(評価損)が生じ
たり、代用有価証券の価格が値下がりすること等によって、委託保証金の維持率 20%未満
となった場合には、不足額を所定の期日までに当社に差し入れていただく必要があります。
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利
益の喪失の事由に該当した場合には、計算上の損失が生じている状態で建玉(信用取引の
うち決済が結了していないもの)の一部又は全部を決済(反対売買または現引・現渡)さ
れる場合もあります。この場合、その決済で生じた実現損失について責任を負うことにな
ります。
信用取引の利用が過度であると金融商品取引所または当社が認める場合には、委託保証金
率の引上げ、信用取引の制限または禁止の措置等をとることがあります。
※1
「上場有価証券等」には、国内外の店頭売買有価証券市場において取引されている
有価証券を含み、カバードワラントなど、法令で指定される有価証券を除きます。また、
外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
※2
裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等で
ある場合には、その最終的な裏付け資産を含みます。
※3
各有価証券には、外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有する
ものを含みます。
【手数料等についてのご説明】
○手数料について
(以下、手数料・費用は何れも税込)
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の現物取引における売買手数料
日本株式(現物取引)の売買が約定した際には、次の2つの手数料コースのうち、お客様が
選択されたコースの手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、
当社メンバー画面にてご確認ください。
[いちにち定額コース]
1日の約定代金合計
[ワンショットコース]
手数料
約定代金
手数料
20万円まで
450円/1日(※1)
50万円まで
472円/1回
ミニ
50万円まで
450円/1日
100万円まで
840円/1回
定額
100万円ま
900円/1日
150万円まで
1050円/1回
200万円まで
2100円/1日
150万円超
1575円/1回
300万円まで(※2)
3150円/1日
で
※1 総合取引口座開設後3ヶ月間は0円。ただし手数料無料の対象外銘柄があります。
※2 以降、100万円増えるごとに1050円追加。
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を
支払っていただきます。
約定代金
手数料
50万円まで
3622円/1回
100万円まで
3990円/1回
150万円まで
4200円/1回
150万円超
4725円/1回
※上記の「株式等」には「上場投資信託受益証券(ETF)
」
、
「不動産投資信託証券(REIT)
」
、
「預託証券(DR)
」を含みます。
※手数料は当社の判断により変更する場合があります。
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の信用取引における売買手数料
信用取引による売買が約定した際には、インターネット(マーケットスピード含む)又は
自動音声応答ダイヤルを経由した場合、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択され
たコースの手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社
メンバー画面にてご確認ください。(手数料は当社の判断により変更する場合があります。)
[いちにち定額コース]
1日の約定代金合計
ミニ
定額
[ワンショットコース]
手数料
約定代金
手数料
20万円まで
450円/1日(※1)
30万円まで
262円/1回
50万円まで
450円/1日
30万円超
472円/1回
100万円まで
900円/1日
200万円まで
2100円/1日
300万円まで(※2)
3150円/1日
※1 総合取引口座開設後3ヶ月間は0円。ただし手数料無料の対象外銘柄があります。
※2 以降、100万円増えるごとに1050円追加。
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料
を支払っていただきます。
約定代金
手数料
30万円まで
3412円/1回
30万円超
3622円/1回
なお、お客様が追加保証金(追証)や不足額を入金されず、当社の任意でお客様の計算に
より建玉又は代用有価証券を決済・処分(強制執行)する際には、オペレーター取次ぎの手
数料を支払っていただきます。さらに、信用期日の前営業日までにお客様が信用建玉を処分
されなかった場合の強制執行においては、オペレーター取次ぎの手数料に10500円を加
算した額の手数料を支払っていただきます。
信用取引関係諸費用
[事務管理費]
建約定日から1ヶ月経過するごとに、1株あたり10.5銭の事務管理費がかかります。
(単元株制度の適用を受けない銘柄(売買単位1株)については1株あたり105円にな
ります。)ただし、同一銘柄、同一日に成立した売付株数又は買付株数をそれぞれ合計し
105円に満たない場合は105円、1050円を超える場合には1050円とします。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
[名義書換料]
権利確定日を越えて買建をしている場合、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円の
名義書換料がかかります。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
【名義書換料の一部例外について】
平成13年10月1日以降に行われた株式の分割もしくは併合または1売買
単位の株式の数の変更(取引所に上場される前に行われたものを除く。)につい
て、それぞれ行われる都度算出された当該分割比率もしくは当該併合比率または
当該1売買単位の株式の数の変更比率をそれぞれ乗じて得た数(以下「分割等に
よる調整率」といいます。)が10以上となった場合の銘柄を例外の対象としま
す。
※分割比率:当該株式の分割後の発行済み株式の総数を当該分割前の発行済み
株式の総数で除して得た数をいいます。
※併合比率:当該株式の併合後の発行済み株式の総数を当該併合前の発行済み
株式の総数で除して得た数をいいます。
※変更比率:1売買単位の株式の数の変更前の1売買単位の株式の数を当該変
更後の1売買単位の株式の数で除して得た数をいいます。
例外の対象となった銘柄については、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5
円に10を乗じ、分割等による調整率で除してもとめられる金額(円未満の端数
切捨て)を名義書換料としてお支払いいただきます。
○委託保証金について
委託保証金は、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上が必要です。また、有価証券に
より代用する場合の代用価格は、以下に掲げる銘柄に応じて、前日終値にそれぞれの掛目を
乗じた価格となります。
東証(マザーズを含む)上場銘柄
前日終値の
80%
大証(ヘラクレスを含む)上場銘柄
〃
80%
JASDAQ上場銘柄
〃
80%
名証単独上場銘柄
〃
0%
委託保証金率及び代用有価証券の掛目については、市場の動向により金融商品取引所によ
り変更 されること又は当社の判断により変更することがありますので、ご注意ください。
なお、当社の判断により代用有価証券の掛目の変更又は除外(以下「掛目の変更等」とい
います。)を行う事象は以下のとおりです。掛目の変更等を行う場合には、あらかじめその内
容をご通知し、変更後の掛目(又は除外)の適用日につきましては、通知した日から起算し
て5営業日目の日といたします。ただし、下記③の事象の場合において、当社が必要と認め
たときには、通知した日の翌営業日から適用することができるものといたします。
(当社「信
用取引規定」第5条の2参照)
①株価が一定の水準を継続して下回る、または、出来高が過少で流動性が確保できないなど、
決済リスクの観点から当社が不適当と判断した場合。
②当社での信用取引建玉状況や代用有価証券の預り状況等に照らして、著しく偏りが見られ
るなど、与信管理の観点から当社が不適切と判断した場合。
③特定の銘柄について、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等が発生し、
今後、株価が継続かつ大幅に下落することが予想され、当該銘柄の時価が本来の株価水準
を反映していないことから、保証金としての適切な評価を行うことができないと当社が認
めた場合。
なお、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等の事例としては、例えば、
次のようなケースが想定されます。
・重大な粉飾決算の疑いが発覚し、直近の株価の水準が粉飾されたとされる決算内容に基づ
き形成されていたと判断される場合
・業務上の取引等で経営に重大な影響を与える巨額な損失が発生した場合
・突発的な事故等により長期にわたりすべての業務が停止される場合
・行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発等により、すべて
の業務が停止される場合
・その他上場廃止につながる可能性が非常に高い事象が発生した場合
商号等:楽天証券株式会社
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第 195 号
加入協会:日本証券業協会、社団法人金融先物取引業協会
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