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科研費報告書 - 東京経済大学
平成 17-18(2005-06)年度 科学研究費補助金 基盤研究 C 研究成果報告書 17530453 Information Channel Preference and Social Reality Construction in a Pluralistic Media Society Grant-in aid for Scientific Research by the Japan Society for the Promotion of Science Project director: Yasuyuki Kawaura (Tokyo Keizai University) Tokyo, July 2007 多メディア社会における情報チャネル 選好と社会的現実の形成との関連 2007 年 7 月 研究代表者 川浦康至 (東京経済大学コミュニケーション学部 教授) 平成 17-18(2005-06)年度 科学研究費補助金 基盤研究 C 研究成果報告書 17530453 多メディア社会における情報チャネル 選好と社会的現実の形成との関連 2007 年 7 月 川浦康至 川上善郎 柴内康文 北山 聡 研究体制 1.研究組織 研究代表者 川浦康至(東京経済大学コミュニケーション学部 教授) 研究分担者 川上善郎(成城大学文芸学部 教授) 柴内康文(同志社大学社会学部 准教授) 北山 聡(東京経済大学コミュニケーション学部 准教授) 2.交付決定額(直接経費) 平成 17 年度 60 万円 平成 18 年度 260 万円 計 320 万円 3.研究発表 川浦康至(2006).乳がん経験者の情報コミュニケーション行動 日本心理学会第 70 回大会 川浦康至・柴内康文(2007).就職活動における社会的リアリティの形成過程 日本心理学 会第 71 回大会 Information channel preference and social reality construction in a pluralistic media society Project Number 17530453 Grant-in aid for Scientific Research by the Japan Society for the Promotion of Science July 2007 Project director: Yasuyuki Kawaura (Tokyo Keizai University) Project member: Yoshiro Kawakami (Seijo University) Yasufumi Shibanai (Doshisha University) Satoshi Kitayama (Tokyo Keizai University) はしがき わたしたちは、ふだん、人とのおしゃべり、テレビや新聞、雑誌、さらにインターネットと、さ まざまなメディアを通じて、自分たちの「社会」や「現実」についてイメージを形成し、それにも とづいてさまざまな判断や決定を行っています。そうした重要な役割を果たすメディア環境は、こ の 10 年間ほどで多様化を極め、現代社会は「多メディア社会」とも言うべき状況です。 わたしたちの支配的な考え方に、「選択肢が多ければ多いほど、最適解を得られる確率は高ま る」という信念があります。より多くの情報(メディア)を参考にして決めたのだから、その決定 は正しいに違いないという価値観です。これはインターネットが重宝される源泉とも言えるでしょ う。内容の実質的なバリエーションはともかく、選択肢を増やしたのがインターネットなのです。 ニュース一つとっても、居ながらにして日本国内や海外のマスメディアサイトから入手できます し、それらのマスメディア的な情報に加え、サークルや趣味仲間のような小集団レベルで発せられ る情報や口コミ、また個人的な体験談に接することもできます。 こうして、さまざまな情報が行き交うなかで、わたしたちは、それらを適宜、取捨選択しながら 適切な解に近づけるようになるのでしょうか。それとも、限られた範囲の中での情報選択、メディ ア選択になるのでしょうか。これまでの社会心理学の知見によれば、前者の可能性は高くありませ ん。また多様なメディアが目前にある状況では、接触するメディアや内容にも個人差が大きくなる と考えられます。そのようすは、情報の重要性(情報への依存度)の高い場面でこそ顕著になるの ではないでしょうか。今回わたしたちは、そうした場面としてクリティカルな状況(人生の転機) ―がん罹患(乳がん)と就職活動―を取り上げました。 報告書はつぎのような構成になっています。第 1 章は研究全体の概要、第 2 章は関連テーマの先 行研究のレビュー、第 3 章は乳がん経験者を対象とした研究結果、第 4 章は就職活動中の学生を対 象とした研究結果です。執筆は、川浦が第 1 章、第 3 章、第 4 章 1、5、川上が第 4 章 3、4、柴内 が第 2 章、北山が第 4 章 2 をそれぞれ担当しました。 研究を進めるに当たって、乳がん経験者へのインタビューでは株式会社朝日エルに、就職活動時 のコミュニケーションに関する調査では株式会社マーケッティング・サービスに、それぞれお世話 になりました。同調査については下村英雄さん(労働政策研究・研修機構)から多大のアドバイス を頂戴しました。またインタビューに応じていただいた 4 名の方、調査に回答してくれた大勢の学 生のみなさんに深く感謝いたします。巻末の集計表を作成してくれた吉田 達さん(東経大メディ ア工房)、ありがとうございました。 本研究が、多メディア社会を生きる上でのヒントになれば幸いです。 2007 年 7 月 川浦康至・川上善郎・柴内康文・北山 聡 1 もくじ はしがき 第1章 1 研究の目的と枠組み 1.問題と目的 3 2.研究の枠組み 第2章 5 関連研究のレビュー 1.メディア接触がもたらす社会的現実形成 2.選択的接触の問題 7 8 3.選択的接触に影響する要因 10 4.メディアのもたらす対人的環境と社会的現実 第3章 研究 1:がん経験者の社会的現実形成における情報コミュニケーション行動 1.問題 16 2.目的 17 3.方法 19 4.結果と考察 5.まとめ 第4章 12 19 28 研究 2:就職活動における社会的現実形成と情報コミュニケーション行動 1.はじめに 31 2.予備調査 35 3.第 1 回調査 39 4.第 2 回調査 56 5.まとめ 70 資料 1. 乳がん経験者へのインタビュー 2. 就活学生へのインタビュー 3. 第 1 回調査票 112 4. 第 2 回調査票 120 74 103 5. 単純集計(第 1 回調査・第 2 回調査) 6. 学会発表 126 170 2 第1章 研究の目的と枠組み 1.問題と目的 わたしたちが生活するということは、ある特定の時代の、ある特定の社会を生きることと同義で ある。その特定の時代における特定の社会とは、どのような世界なのか。世界に対するこのような イメージ、すなわち「社会的現実」を抜きに、わたしたちは社会生活を営むことができない。 そうした世界のありようを知る手がかり、換言するならば社会的現実を構築する手がかりは、ひ とまず、直接的な手がかりと間接的な手がかりの 2 種類に分けられる。自分の目と耳で「直接」観 察可能な手がかりと、インターネットやマスコミュニケーションといったメディアを通じて得られ る「間接」手がかりである(ニュースやワイドショー、世論調査報道はこの代表例だろう)。もち ろん、この 2 つは別々の存在ではなく、相互に関連している。 観察の際、間接手がかりで得た知識が影響することはありうるし、ニュースの解釈に知人との会 話が影響を及ぼすことは日常茶飯事である(池田, 1993)。つぎのようなケースもありえよう。新 聞やテレビで報じられたニュースの現場が家の近所だった。しかし、報道で語られた付近の雰囲気 は、地元住民の感じ方と微妙にずれている、記者はきちんと取材したのだろうか。ニュースの内容 はいつも正しいと思っていたが、どうも、そうではなさそうだ…。 もとより間接手がかりとなりうるメディアは、世界中の出来事をすべて報じるわけでもなければ、 報じるにしても、ある特定の視点からということになる。「客観」「公正」「中立」は、ひとつの 理想かもしれないが、現実問題としてありえない。そのことを確認するのに、撮影はある特定の場 所からしかできないという事実を考えれば十分だろう。 「現場」を知らない多くの人にとって、マスメディアで報じられる内容は、それがすべてである かのように受け取られやすい。もちろん報じられた内容について是非を論じることはできるだろう。 しかし取り上げられなかったことがらについて知る術はほとんどない。「ニュースはネットでしか 見ない」人が増えているが、利用者の多い Yahoo JAPAN! を例にとると、トップ画面で表示される ニューストピックは 7 本と決められている。その内訳も、社会・政治ニュースが 5 本、芸能・スポ ーツ関係が 2 本となっている。何を掲載するかは、ことがらの重要性ではなく、アクセス頻度の多 寡で決められるという。このような環境で伝えられるニュースしか接しない人と、それ以外のニュ ースにも接する人との間では、形成される社会的現実も異なる可能性がある。 石川(2004)は、全国紙に見られる記事内容のバイアスに注目し、サンプリング調査から購読紙 と人びとの社会的態度との間に一定の関連を見出している。多くの読者は一紙しか読まず、購読紙 の論調が読者の社会的現実(社会的争点に対する重要度認知や社会的態度)を規定する可能性は、 3 世論過程、政策決定過程にとって重要な問題である。 間接手がかりを提供するメディアの重みは、流通経路の多様化やインターネットの台頭で、いっ そう増している(川上, 2002)。なかでも、カバーするコミュニケーション空間が広がる一方のイ ンターネットによる影響は大きい。そこで見られる顕著な現象は、直接手がかりの間接化(掲示板 やブログ、SNS における個人意見の表明とその分布)である。これらの場は、マスメディアなし では存在しがたく、言葉遊びを許してもらえるのならば、間接手がかりの直接化ともいうべき側面 も持つ。 一口に社会的現実と言っても、そこにはいくつかのレベルが考えられる。社会風潮や世論、景気 動向といった社会経済状況や政治状況にかかわるマクロ環境に関する現実から、自分の人生や健康 といった身近な範囲にかかわる現実まで多岐にわたる。 わたしたちは、一定の社会的現実にもとづいて、日々さまざまな意思決定を行なっている。人生 上の意思決定はいずれも、その重要性において遜色ないが(納豆騒動に「踊らされた」人びとを誰 が笑えよう)、そのなかでも切迫性の高い(余裕のない)事態が治療場面であり(池田, 1986)、 それにくらべると切迫性の低い(余裕のある)場面が若い人たちにおける就職活動である。 本研究では、クリティカル(重大)状況の質に注目し、切迫度の高い「がん」治療(実際に取り 上げるのは、患者の増えている乳がんである)と、切迫度の低い「就職活動」という 2 種類の場面 をとりあげる。それら 2 場面において、人は病気や就職をどのような「実体」として定義し(しか も、定義の結果がすぐ確認できない)、どのように受け入れていくのか、その内実と情報コミュニ ケーション行動(情報・コミュニケーション・チャネルの選好、とそれらにかかわる行動)とはど う関係しあっているのだろうか。 情報チャネルとして、今回想定した上位カテゴリーは、つぎの 3 種類である―(a)マスコミュ ニケーション、(b)ネットコミュニケーション、(c)対人コミュニケーション。それぞれのカテ ゴリーには、表 1-1-1 にかかげたように、いくつかの下位カテゴリーが存在する(詳細は、資料 3、 4 にかかげた実際の調査票を参照されたい)。 表 1-1-1 本研究における情報チャネルの分類 (a) マスコミュニケーション・チャネル: メディア(テレビ、新聞、雑誌、書籍など)×様式(ニュース、特集など) (b) ネットコミュニケーション・チャネル: 空間(公式サイト、非公式サイト)×様式*(ニュース、掲示板、ブログなど) (c) 対人コミュニケーション・チャネル: 事態(対面、非対面)×相手・場(友人、家族、職場・学校、セミナーなど) 注:*「ニュース」は単方向コミュニケーション、「掲示板」「ブログ」は双方向コミュニケーションという 点で異なる 4 2.研究の枠組み 本研究は、以下にかかげる 2 つの下位研究から構成されている。 (1)研究 1:社会的現実としての乳がん経験 ・面接調査(個別インタビュー):乳がんを経験した女性たちにとって、(インターネットを中 心とする)情報コミュニケーション行動が果たした役割を明らかにする。インタビュー対象者は、 インターネットのコミットメント度において異なる 4 名である(第 3 章)。 がんの告知を 3 度も受けた心理学者の小倉(2007)は、入院中「頭が冴え、直観力と洞察力のせ いで、最も深く生について考えられた」と語る。結局すべて陰性だったにもかかわらず、彼女は 「癌患者アイデンティティー」を形成し、それゆえ大学教員を辞す。「癌患者のつもりで生きると、 する仕事の優先順位がすぐにきまる。人は自分がもうすぐ死ぬことにも気がつかないのだ。それで 大学を辞めた」。 彼女のこの判断は、がんが単なる病気ではなく、「生命に直接かかわる病気」あるいは「がん= 死」という強固なイメージゆえの決定と言えよう。がんにはいろいろな顔があり、がんの個人的な 意味づけは一通りではない。研究 1 では、その定義づけを軸にがん経験の意味を検討する。 (2)研究 2:社会的現実としての就職活動 研究 2 では、大学生の就職活動における情報コミュニケーション行動のようすと、就職活動の進 展状況との関連を明らかにする(第 4 章)。 研究 2 は、以下のように、予備調査、本調査(2 回)の 2 段階からなる。 ・予備調査(グループインタビュー):本調査の設問を検討するため、就職活動中の 3 年生およ び就職活動が終了した 4 年生を対象に行なわれた(計 7 名)。 ・本調査(質問紙によるパネル調査):調査は、一般に就職活動の開始時期とされる 3 年生の 11 月(第 1 回調査)、就職活動が本格化ないしピークを迎える翌年 3 月(第 2 回調査)の 2 回、 実施された。対象者は主として東日本地区の大学に通う学生たちで、第 1 回調査では 734 名から、 第 2 回調査では 448 名からそれぞれ回答が得られた。なお調査票の作成に当たって、下村(2001)、 下村・堀(2004)を参考にした。 文献 池田謙一(1986). 緊急時の情報処理(認知科学選書 9) 池田謙一(1993). 社会のイメージの心理学(セレクション社会心理学 5) 石川 旺(2004). パロティングが招く危機 川上善郎(研究代表者)(2002). 東京大学出版会 サイエンス社 リベルタ出版 社会的現実形成にかかわるニュースメディアの可能性と 限界(科学研究費研究成果報告書) 5 小倉千加子(2007). 癌患者アイデンティティー(子猫を抱えて) 東京新聞 5 月 6 日朝刊 9 面 下村英雄(2001). す影響 インターネットにおける“就職サイト”利用が大学生の就職活動に及ぼ 悠峰職業科学研究所紀要, 9, 25-36. 下村英雄・堀 洋元(2004). 大学生の就職活動における情報探索行動 20(2), 93-105. 6 社会心理学研究, 第2章 関連研究のレビュー 1.メディア接触がもたらす社会的現実形成 メディア接触を通じた社会的現実形成をめぐっては、ウォルター・リップマン以来の議論がある が、この問題に関する過去の実証研究については、いわゆるマスメディアの「新効果論」において 展開された諸理論群にさかのぼるのが適当であろう。とりわけガーブナーらによる培養理論 (Gerbner & Gross, 1976)、およびマクームズらによる議題設定機能(McCombs & Shaw, 1972)は 直接的にこのテーマに関連しているとして考察の対象となってきた(斉藤, 2001)。 培養理論はメディアが描き出すシンボリックな現実が、受け手の現実認識に影響を与えることを、 テレビの長時間視聴者が暴力犯罪の発生率を実際よりも高く見積もったり対人的不信を高めたりす ること、すなわちテレビの(歪んだ)描写方向に長時間視聴者は影響される形で現実認識がなされ ていることを実証的に示した。とりわけ長時間視聴者は短時間視聴者に比べて、さまざまな社会的 属性による現実認識の差が小さく、それが画一的なものに収斂しやすいという現象については、 「主流形成」(mainstreaming)として検討が行われている。また議題設定機能においては、メディ アが選挙報道において強調した争点ほど、有権者の側も重要と考えやすいとするという相関関係に 基づき、現在何が重要か、また議論されるべきか、ということに関する人々の認識にメディアが影 響を与えているとした。この培養理論と議題設定機能はもちろんさまざまな点で異なっており、例 えばそれぞれにおいてメディアとして主に想定また検討されてきたのは、前者はテレビドラマ、後 者はニュース報道であり、また影響を与える対象領域として設定されてきたのは、前者は暴力性の 認識や不信感、後者は世論の基盤となる社会的争点である。 しかし両者共に、メディアの内容に関してはある種の一様性が存在し、それが等しく(強弱はあ るものの)人々に共通な影響を与える、あるいは人々に共通の社会認識の基盤を与えているという 点に関してはおおむね同様の立場に立っていると考えられる。培養理論においては、メディアには 個別の番組等を超えて共通に存在する「メッセージシステム」があるとされてきたし(一方でメデ ィアのコンテンツごとに与える影響が異なりうるということが、培養理論に対する重要な批判とし て数多く立ち現れることとなった)、議題設定機能においても、メディアが限られた議題を強調す ることによって、人々の間での合意構築において重要な役割を果たすと考えていたからである。い わゆる限定効果論が、個別の受け手の能動性を強調することによってメディアの影響力を限定的に 見積もったことに対して、これらの新効果論は人々の社会的現実の共有基盤形成という観点からの 強力な影響力を指摘したものであると言える。 その後、メディア環境は大きな変化を迎える。特にそれはケーブルテレビや BS/CS 放送のよう 7 な放送の多チャンネル化、さらにはインターネットの普及を通じて、メディアが提供する情報の量、 またその種類、幅が大きく増大したことである。比較的画一的な情報がマスに対して伝達されるこ とによって、人々の間に共通な認識基盤が構築される、またそれがメディアの大きな機能となると してきた前述の議論に対して、近年起こったこのような変化はどのような意味を持つことになるだ ろうか。 メディア環境の変化による「オーディエンスの細分化」(が現実のものとなるか)については、 「ネット以前」の論考においてもすでに関心の持たれるテーマになっていたが(例えば、Neuman, 1991)、この点について、最近広く一般に議論を提起したことで知られているのがサンスティーン である(Sunstein, 2001)。 彼は、インターネットにおいて自由にニュースが選択できること、特にフィルタリング技術の発 達がもたらした情報環境のパーソナライゼーションを通じて、各人が自分専用の情報源「デイリ ー・ミー」(Negroonte, 1995)を作り出すことが可能となることによって、多様な考え方への偶然 の思いがけ ない接 触や多 数の人々の 間の共 有体験 という、討 議的民 主主義 (deliberative democracy)の重要な前提が失われる可能性があると主張し、一般読者の間にも大きな反響を呼んだ (ここでサンスティーンは、そもそも人々の討議、あるいは共通の社会的認識基盤という概念に先 行するべき社会的つながり=社会関係資本の減少という、Putnam(2000)の議論をその問題意識 の背景としている。社会関係資本の急減が起こっているとしたら、強度にパーソナライズされたメ ディアの登場はさらに民主主義にとって重大な問題となりうるからである)。 サンスティーンの議論は実証的にはどのように考えることが可能だろうか。まず量的な観点から 考えると、膨大な、選択肢の多い情報環境にさらされたからといって、人々はそれに合わせる形で 旺盛な情報行動を行うというわけではない。ケーブルテレビの古典的研究においても、利用者がふ だん規則的に見るチャンネル数、つまり「チャンネル・レパートリー」は 8 程度に抑えられている ことが知られているし(Heeter & Greenberg, 1985)、ケーブルテレビやインターネットの劇的な普 及にもかかわらず、政治知識や投票参加が増大したわけではないという指摘もある(Prior, 2005)。 あるいは、携帯電話の利用に関する知見も関連していると言える。携帯電話の利用に関する学生対 象の調査において、「移動電話の番号は自宅の番号より気軽に教えられる」と回答した者が 55.1% いた一方で、着信選別機能が積極的に利用されて、人間関係がコントロールされていたという(中 村, 2001)。携帯電話のような人間関係を拡大するツールを得ても、メディアの利用行動(また特 定の機能の利用)を通じて利用者はその量的増大の対処を行っているのである。 2.選択的接触の問題 量的接触に関してはそれを一定に保つような行動が行われているとして、ではその内容について はどのような選択行動が行われているのだろうか。先述した携帯電話の利用においても、ユーザは 接触可能性が増大する一方で選択的人間関係を形成する、またそのような人々と長時間にわたって 8 繋がる「フルタイム・インティメイト・コミュニティ」が形成されるという主張が存在している。 ここで、議題設定機能や培養理論のような観点から考えた場合、近年発達普及した情報メディアに よって、利用者が自分の選好に依拠した自由度の高い情報接触を行う結果、社会的現実の捉え方が 人によって大きく異なるようになるといった現象が考えられるだろうか。またこのことを通じて日 常的な対人的関係を維持するための基盤が損なわれるなどの可能性はあるのだろうか。 インターネットにおける選択的接触行動に関する代表的な研究として、テュークスベリーらによ るものが挙げられる(Tewksbury & Althaus, 2000; Althaus & Tewksbury, 2002)。彼らの研究は、印 刷版とオンライン版それぞれの「ニューヨークタイムズ」に関する接触の比較という形で行われた。 被験者は、5 日間の実験期間中、それぞれ統制群、オンライン群(コンピュータで 1 日 40~60 分 のニューヨークタイムズに接触する)、印刷群(印刷された全国版のニューヨークタイムズに接触 する)の三群に分けられた。ニュース接触の二群は、これ以外のニュース接触を禁じられた。ここ で、Tewksbury & Althaus(2000)においてオンライン群を、最終日の接触行動について印刷群と比 較したところ、国際・国内・政治記事といったいわゆる印刷版の「フロント・セクション」記事へ の接触を最初に読むことが少なく、接触時間も短かった。ストーリーの再認数においても、オンラ イン版ではそのような記事の再認数(割合)が少ない一方で、その他の非公共的な記事の再認数が 増していた。5 日間の実験期間全体に関しても、そうした記事の再認数、そのストーリーの詳細の 想起などについて、印刷版の方で多いという結果が得られた。オンライン版のニュースサイトを見 る場合、いわゆる「一面」に掲載され、多くの人の関心を引いてきた公的問題に関する記事の接触 が減少する可能性を示唆する結果である。また Althaus & Tewksbury(2003)では、同一のデータ が議題設定という観点から追加分析されている。この研究では、ニューヨークタイムズの各議題に ついてその重要性の認知、また他者にとっての重要性評価や自分にとっての重要性の評価という観 点では全実験群について差が見られなかった。しかし、国際的なニュースについて、それを最も重 要な問題であると認知する傾向が印刷版において最も高くなるという、安定的な傾向が得られた。 彼らは知見のまとめとして、オンライン上のニュース接触行動は利用者のコントロール性の拡大を 通じて、伝統的な(印刷)メディアを通じたものとは異なる認知を発達させる可能性があると考え ている。 ケーブルテレビやインターネットを利用することがメディア(コンテンツ)選択の自由度を上げ ることにより、特定のジャンルにおける知識ギャップを拡大させる可能性があるということを指摘 したプライアーによる興味深い分析結果がある(Prior, 2005)。彼は全米のパネルサンプル 2,358 人を対象に 1 年間隔のパネル調査を行った。ここで対象者には 10 のテレビ番組ジャンルが示され、 最も好きなものから 4 つのジャンルを順番に選択、さらに残りから嫌いなジャンルの複数選択が行 われた。ここでニュースを嫌う者から、好きとも嫌いとも示さなかった者、さらにニュースの選好 順 位 を 4 位 ~ 1 位 に し た 者 と い う 順 番 で 、 5 ~ 0 点 の 相 対 娯 楽 選 好 度 ( Relative Entertainment Preference:REP)という指標が各個人ごとに算出された。ここで、REP とメディア利用パターン (ケーブルテレビおよびインターネット)が政治的知識、および投票参加に与えた影響が検討され 9 た(両者の結果は似通っているので、政治的知識について論じる)。 図 2-3-1 に示したとおり、REP を考慮しなければ、メディア利用パターンごとの政治的知識は (新しいメディアへのアクセスのない者(実線)と比べ)大きな違いはないということになるが、 REP を考慮すると、新しいメディアを利用することは、REP の程度ごとに政治的知識に大きな違 いを見せることとなる。すなわち、伝統的なメディアのみに接触している者は、自らの関心の方向 性が政治的知識の程度に影響を与えることはないが、選択の自由度が高く、自らの選好を行動に反 映させやすい新しいメディアを利用する者(同図の破線)は、その選好に基づいて情報接触を行う 結果、その選好に基づく特定ジャンルの知識において大きな違いを示すこととなった。その傾向は、 ケーブルテレビとインターネットを併用する者で最も大きい。プライアーは NES やピュー・メデ ィア消費調査といった別種のデータソースによっても類似の結果を得ている。インターネットやケ ーブルテレビといった自由度の高いメディアそのものが全体として特定の社会的現実を構成すると いうよりも、利用者個々人の構成したい現実認識を強化する方向でこれらのメディアが機能しうる という可能性を示唆していると言えるかもしれない。 3.選択的接触に影響する要因 インターネット(ウェブ)の情報選択性の高さと利用者の情報接触行動との間の関係性に対して、 それに干渉あるいは媒介して影響を与えるような要因はありうるだろうか。ここではシステム上の 特性、および動機付け上の特性という 2 側面について一つずつ研究を取り上げる。 オンライン上の情報においては、その提示においてコンテンツそのものに加えて、利用者の側か らの評価や推薦情報が付属することがある。このような情報の「協調フィルタリング」(collaborative filtering)は、いわば議題の共通化を促進させ社会認識基盤の共有を促進する可能性もあるだ 図 2-3-1 相対娯楽選好度とメディア利用形態が政治的知識に 与える交互作用効果(Prior, 2005) 10 ろうし、システムの実装法によっては(強度にパーソナライズされたリコメンデーションなどのよ うに)人々を狭い世界に分極化し、共有基盤を失わせる、あるいは社会的現実の細分化をもたらす ものになる可能性があるかもしれない。こういったシステムの影響に関する研究として、クノブロ ッホ=ヴェスターヴィックらによるものがある(Knobloch-Westerwick et al., 2005)。彼女らはニュ ーのヘッドラインにユーザによる平均レイティングが示される「明示レイティング群」、閲覧回数 が示される「暗示評価群」およびそれらの推薦情報をつけない統制群を設けて被験者に情報接触を 2 分半の限定時間内に行わせた。各ニュースは同程度の興味を引くと先行研究で示されたもので、 各ニュースのサイト画面内での表示位置、またそれに付されるレイティングや閲覧回数(7 段階の 数値)はローテートされるようにプログラムされていた。その結果、図 2-3-2 に示すように明示レ イティングにおいては高評価の値のつけられたニュースほど接触時間の長い傾向があったが、暗示 評価においては最も読まれているニュースと読まれていないニュースほど接触されやすいという曲 線状の関係が見られた。 暗示評価、すなわち閲覧回数が少ないということは、最も直近に投稿されたニュースと考えられ たか、もしくは最も興味を引かれていないニュースに価値があると被験者に評価されたなどの可能 性が考察においては示唆されたが、いずれにせよウェブ利用者の情報選択行動が、システム実装上 の特徴によっても影響を受ける可能性があるということを示した知見である。 一方、個人の情報処理プロセスにおける動機付けという観点から、ネット上の情報に対する選択 的接触について検討を行ったキムの研究がある(Kim, 2007)。彼女は中絶問題という個人的な争 点の重要性(内発的動機付け)の高低(2 群)を用いて、2004 年のアメリカ上院選挙時において実 際のウェブサイトの自由な接触パターンをプログラム的に計測することにより情報接触行動の違い を検討した。まず、特定の争点(ここでは中絶問題)に対して高い重要性を感じる者(争点公衆) の方が、そうでない者よりもそのような争点に関連したサイトを見る件数も多く時間も長いという 選択的接触を示していた。ここで、自分の判断(投票意図)について前もって尋ねておき、さらに (●:平均レイティング方式、▲:閲覧回数方式) 図 2-3-2 推薦情報が選択的接触(時間)に与える影響 (Knobloch-Westerwick et al., 2005) 11 ウェブ接触後、最後にもう一度投票意図を尋ねるので自分の選択について説明ができなければなら ないと教示した「保持」群と、ウェブ接触後に二人の候補者についてそれぞれ描写を求めるという 教示をした「正確」群の二群からなる、状況によって与えられた情報処理目標である「外発的動機 付け」条件も導入してその影響を検討した。 その結果、争点公衆であっても正確条件においては自分の関心範囲を超えた幅広い争点に対して 情報接触行動がなされておりその多様な争点を候補者評価に用いていた。一方で保持条件の争点公 衆は候補者評価において極端になりやすい傾向があった。個人的な関心が、オンライン上の情報接 触行動や知識獲得に影響を与えるという選択的接触メカニズムは存在するが、どのような外発的動 機付けが活性化するかによってもその結果は異なるということが示唆されている。またこのような 状況の形成も、例えばウェブサイトの構成のあり方とも関係を持つ可能性が考えられよう。 ここまで検討してきたのは、新しいメディア環境、特に情報選択の自由度が高い環境下において、 旧来想定されていたものとは異なる個別の社会的現実形成過程やその結果が生じる可能性があるこ と、その一方でそれをもたらす利用者ごとの選択的接触行動も、システム設計の特徴や活性化され た外発的動機付けの方向によって異なってくる可能性があるということであった。もっとも、新し いメディア環境、特にインターネットのもたらす情報環境は、それほど多様で自由な選択的情報接 触を可能とするような環境には現状なっておらずまたそのような使われ方をしていないかもしれな い。竹下俊郎は、日本国内のインターネット利用者の大多数はヤフーのようなポータルサイトを利 用しておりそれに続くのも一般紙等大手のメディアサイトであること、またヤフーでよく見られて いるトップページ「トピックス」欄も一般市民が関心を持ちそうな、またそうあるべきであると考 えられるようなニュースが選ばれており、結局インターネット上の情報のあり方も伝統的ニュース メディアの反映に多かれ少なかれなっている可能性があると指摘している(Takeshita, 2005)。 またウェブスターらは、Nielsen//NetRatings のネット視聴率データを用いて、分析に用いた上位 1,766 サイトにおいて、その上位 5%のサイトが全訪問者の 37%、上位 20%のサイトが全訪問者の 61%を占めていることを明らかにし(図 2-3-3)、インターネットは「脱マス化」メディアとは呼 びがたいと論じている(Webster & Lin, 2002)。新しいメディア環境においても、オーディエンス の利用は特定のサイト等にある程度集中することにより、従来的な社会的現実構成の機能が一定の 度合で維持されるということになるかもしれない。 4.メディアのもたらす対人的環境と社会的現実 もちろん、ここまで示してきた研究は、新しいメディアの利用として特にニュースサイト等を実 験、調査的手法で取り上げたものが中心となっており、掲示板、個人ウェブページ、ブログ、ある いは SNS といった、いわゆる CGM(Customer Generated Media)の持つ意味や影響の方向性につい てはさらに検討の必要がある(ただし、多くの結果は CGM 情報に対しても適用可能であるだろう。 12 図 2-3-3 ウェブサイトアクセスの不均衡性 (Webster & Lin, 2002) 例えば、前述のクノブロッホ=ヴェスターヴィックによる協調フィルタリングに関する結果は、 そのようなシステムの実装されることの非常に多い CGM 情報に対しても成立すると思われる)。 口コミの影響力(またそのマス情報との関係)についての実証研究上の関心にはついてはカッツら の『パーソナル・インフルエンス』以来の伝統がある。CGM もその登場以来、マスメディアを補 完し、またそれを超えた影響を発揮する可能性があるとして、さまざまな論点から関心を持たれて いる。CGM においてもさまざまな情報が平均的にアクセスされるというよりも、汎用のあるいは 専門の検索エンジンによりナローな情報接触が通常行われ、またそのような等質な情報をつなぐリ ンク、あるいはトラックバックというシステム実装が用いられていることなどを通じ、ここまで検 討してきたような情報行動過程とそのインプリケーションがより明確な形で発現することも考えら れる。近年流行の SNS も、社会的現実の共有された狭い友人の世界をより強固にする可能性もあ るだろう。 ここで、受け手の世代差による違いという観点からの、興味深い調査結果について一つ論じてお く。博報堂生活総合研究所は、現在の 18~25 歳までの世代が、それより上の世代と情報行動・メ ディア意識等が大きく異なるとしてこれを「ジェネレーション e」と名付け、分析の対象とした (博報堂生活総合研究所, 2006)。この世代は中高生の時からポケベル、携帯、PC 等の情報関連機 器を使いこなしており、ブログや SNS の日記を書いたりホームページの更新を行ったりする情報 発信者(報告では「放電生活者」)である割合が非常に高い特徴がある。ここで、この世代は意識 の上からはマスコミ情報、さらにはインターネット情報を信頼できると答える割合がその他の世代 よりも低く、仲間内の情報を重視すると答える割合が高いほか、情報は多くあるよりも選別された 情報の方が、また情報を広く浅く知るよりも、深く狭く知る方がよいと答えやすい傾向があった。 内輪の、社会的現実を共有しやすい相手との深く狭い接触や情報のやりとりを特に若い世代、ま た CGM 情報の熱心な産出者が志向しているということは、世代交代をふまえた今後の社会全体の 13 変化を考える上でも重要な意味があると思われる。同時にこの世代はその直上の世代と異なり、メ ディア利用のパターンとしても PC 利用よりもより携帯電話利用に重心を移した情報行動を行って いると考えられる。池田(2005)は PC と携帯電話によるネット利用(特にメール利用)を比較し た上で、パソコンを通じたメールの利用はフォーマルな社会参加を促進しており、また争点参加を 高め非寛容性を減少させる傾向を持つ一方で、携帯メールの利用はそのような効果を持たず、むし ろインフォーマルな社会参加を促進していること、また携帯メールの利用は私生活志向を高める影 響があるという結果を示した。Putnam(2000)以来、社会関係資本を結束型(bonding)と橋渡し 型(bridging)に分類することはよく行われている。 ここまで新しいメディア環境における、情報の選択的接触行動による社会的現実構成の細分化の 可能性について論じてきたが、これらの結果から考えると、それでも PC によるインターネット利 用の方は相対的に橋渡し的なつながりを作っていく可能性がある。携帯電話を中心としたメディア 利用が細分化された社会的現実を対人的にも強化することになるのか、またそれが持つ意味は何か ということも、今後の重要な検討課題である。 文献 Althaus, S. L. & Tewksbury, D.(2002). Agenda setting and the “new” news: Patterns of issue importance among readers of the paper and online versions of the New York Times. Communication Research, 29, 180-207. Gerbner, G. & Gross, L.(1976). Living with television: The violence profile. Journal of Communication, 26(2), 172-199. 博報堂生活総合研究所(2006). ジェネレーション e の登場(生活新聞 424 号) 博報堂 (https://seikatsusoken.jp/pdf/sinbun424.pdf) Heeter, C. & Greenberg, B. S.(1988). Cableviewing. 池田謙一(編)(2005). Kim, Y. M.(2007). Norwood, NJ: Ablex Publishing. インターネット・コミュニティと日常世界 誠信書房 How intrinsic and extrinsic motivations interact in selectivity: Investigating the moderating effects of situational information processing goals in issue publics' web behavior. Communication Research, 34(2), 185-211. Knoloch-Westerwick, S. Sharma, N, Hansen, D. L., & Alter, S.(2005). Impact of popularity indictions on readers' selective exposure to online news. Journal of Broadcasting & Electronic Media, 49(3), 296- 313. McCombs, M. E. & Shaw, D. L.(1972). The agenda setting function of mass media. Public Opinion Quarterly, 36, 176-187. 中村 功(2001). 携帯電話と変容するネットワーク pp.70-87. 14 川上善郎(編)情報行動の社会心理学 Vintage. (西 和彦(監訳)(1995). Negroponte, N.(1995). Being Digital. デジタル アスキー) Neuman, W. R.(1991). The Future of Mass Audience. (三上俊治ほか(訳)(2002). Prior, M.(2005). knowledge and turnout. Simon & Schuster. Cambridge: Cambridge University Press. マス・オーディエンスの未来像 学文社) News vs. entertainment: How increasing media choice widens gaps in political American Journal of Political Science, 49 (3), 577-592. Putnam, R. D.(2000). 生 ビーイング・ Bowling Alone: The Collapse and Revival of American Community. New York: (柴内康文(訳)(2006). 孤独なボウリング:米国コミュニティの崩壊と再 柏書房) 斉藤伸一(2001). 理学 マスメディアによる社会的現実の形成 川上善郎(編)情報行動の社会心 pp.40-53. Sunstein, C.(2001). (2003). Republic.com. New Jersey: Princeton University Press.(石川幸憲(訳) インターネットは民主主義の敵か Takeshita, T.(2005). 毎日新聞社) Current critical problems in agenda-setting research. International Journal of Public Opinion Research, 18(3), 275-296. Tewksbury, D. & Althaus, S. L.(2000). Differences in knowledge acquisition among readers of the paper and online versions of a national newspaper. Journalism & Mass Communication Quarterly, 77, 457-479. Webster, J. G. & Lin, Shu-Fang(2002). The internet audience: web use as mass behavior. Journal of Broadcasting & Electronic Media, 46(1), 1-12. 15 第3章 研究 1:がん経験者の社会的現実形成における情報コミュニ ケーション行動 1.問題 日本国内の「がん」(悪性新生物)による死亡者は、2005 年で 32 万 5885 人にのぼり(厚生労 働省「人口動態統計」)、死因の 3 割を占め、1 位となっている(図 3-1-1)。また、ある試算に よれば、日本人の生涯がん罹患率は 2 人に 1 人に達すると言われ、がんはいまや一般的な病気であ る。 女性のがんに限ると、部位別がんでは乳房つまり乳がんの罹患者が最も多く、2020 年時点でも 1 位を占めると予想されている(図 3-1-2)。乳がん患者の増加とは、言い換えれば「自分の家系で はじめて乳がんになる人が多い」(福田, 2002)ことでもあり、いまや「だれが乳がんになっても 不思議ではない」状況にある。30 歳以上の女性で、乳がんにかかった人を「一人も知らない」とい う回答は 36%で、6 割が身近な人あるいは本人が乳がんにかかった経験を持っている(乳房健康研 究会, 2005)。 図 3-1-1 主な死因別死亡数の割合(2005 年) 16 図 3-1-2 女性のがん罹患の状況(国立がんセンター, 2005) 2.目的 2001 年、イギリスで DIPEx(Database of Individual Patient Experiences)という、がん経験者の体 験記サイトが開設された(http://www.dipex.org/; http://homepage2.nifty.com/dipex-j/)。発起人は自ら 乳がんにかかった女性医師、アン・マクファーソン(Ann McPherson)である。 乳がんに関する専門知識を持つ彼女にとって、「最も必要な情報は、『乳がんによって、どうい う現実がもたらされるのか。自分の人生はどう変わっていくのか』ということだった。しかし(彼 女は)誰に話を聞けばよいのか、わからない」状態だった(藤森, 2006)。これをきっかけに生ま れたインターネットサイトが DIPEx である。 DIPEx で 公 開 さ れ て い る 「 語 り 」 の う ち 、 イ ン タ ー ネ ッ ト に ふ れ て い る も の を 紹 介 し よ う (Ziebland, 2006)。 私の母は残念ながら、コンピュータの使い方を知らないので、インターネットも使いません。私 自身はインターネットはよく使っていますし、父もその他の家族も友人も皆使います。だから治療 のことを調べたいと思ったら、皆インターネットを使います。それはとても役に立ちます。ただ、 多くのサイトは医者向けで患者向けじゃないんですよね。ひたすら事実を羅列するような感じで、 どうも冷淡な印象を受けるんですよ。生存率とか治療の成功率とか。そういうことって患者が読ん でも必ずしも役に立つとは限らないような気がするんです。だから、もっと患者向けに作られたよ うなサイトを見つけたら、さっきおっしゃっていたように、患者の気持ちについて触れていて、自 17 分がどうしたいのか、どうやって病気と闘っていきたいのかの自己決定を手助けしてくれるような、 そんなサイトだったら、より望ましいですよね。私もインターネットに書かれていることを読んで 怖くなってしまったことがあるんです。いわゆる統計ばかりで。でも統計って必ずしも自分に当て はまるわけではないでしょう? 統計データを個人に当てはめることは出来ないと思うんです。で もヘンな数字を見せられてしまうと、簡単に勘違いしたり思い込んだりしてしまいがちで、自分に 当てはまるはずがないのに、自分のことだと思い込んでしまうこともあると思います。100 万人に 1 人しか助からないとしてもあなたがその 1 人になるかもしれないわけでしょう。そう、あなたが その 1 人なのかもしれないんですから(訳は、DIPEx-JAPAN 設立準備会による)。 統計データのようながんに関する全般情報と、固有の事情をかかえる患者個人にかかわる個別情 報との間に存在するギャップには埋めがたいものがある。現在、NBM(Narrative Based Medicine; Greenhalgh & Hurwitz, 1998)はじめ、患者自身の経験談が持つ各種の効用が認識されるようになっ てきている。それを促すべく、病院や公共図書館内に闘病記コーナーを開設したり、ネット上で検 索サイトを運用したりする例が増えている。 和田(2006)は、闘病記を医療従事者向け情報と一般向け情報とに挟まれた「隙間の情報」と位 置づけ、病院やサイトで闘病記(情報)を紹介している―都立中央図書館(http://www.library.metro. tokyo.jp/1n/1n05.html)、愛媛大学図書館医学部分館、大阪厚生年金病院患者図書室(http://www. okn.gr.jp/index.php/b_6_8/)、河北総合病院健康図書室、「闘病記ライブラリー」(http://toubyoki. info/) 、 聖 路 加看 護大 学情 報ナ ビス ポッ ト、 大阪府 立大 学療 育学 習支 援セン ター ( http://www. nursing.osakafu-u.ac.jp/center/bunko.html)、鳥取県立図書館(http://www.library.pref.tottori.jp/medical /medical_picture.html)。 ある日、ふとしたきっかけで自覚症状に気づき、それががんの症状なのかどうか、そして検査の 結果にもとづくがん告知に至るまでの過程で、「がん」をリアリティのある存在として受け入れる ためには、さまざまな手がかりを要する。自覚症状が、気のせいなのか、それとも何らかの病気の 証なのか、もし病気だとすれば、それはがんなのか、別の疾患なのか。それを確かめるために、医 学事典を引いてみたり、周りの人に聞いたりするかもしれない。そうした行動の重要なオプション として、最近ではインターネットが台頭しつつある。内外の調査を見回しても、医療関係の情報源 として、インターネットは上位にあがっている(例えば、日経 BP, 2004;Pew Internet & American Life Project, 2006)。 実際、病気にかかったとき、最初にアクセスする先がインターネットという人は少なくないであ ろう。インターネットで出会う医療情報は、医療機関などによる公的な医学情報と、患者や経験者 による体験記・闘病記(ブログや個人ホームページ、掲示板)などの私的ないし当事者による情報 とに分けられる。後者は、いわば等身大の情報であり、患者がある病気を、それが社会的存在であ る以上、「社会的」リアリティのあるものとして認識する上で重要な役割を果たすと考えられる。 本研究では、どのような情報やコミュニケーションを手がかりに、乳がん患者たちが「乳がん」 18 というリアリティを構築していくのか、その際インターネットの果たしている役割に注目する。そ れらを通じて、社会的現実形成過程における情報行動やコミュニケーション行動の意義を明らかに したい。 3.方法 1 年以内の間に乳がん手術を受けた経験のある女性 4 名に半構造化インタビューを行った(表 33-1)。対象者の募集は(NPO 法人)乳房健康研究会を通じて行われた。インタビューに費やした 時間は一人当たり約 1 時間である(2006 年 3 月~2007 年 4 月)。 各対象者の概略から紹介しよう。 A さんは 30 代半ばにさしかかり、2 人目の子どもを妊娠中に乳がんが見つかり、一時は出産が あやぶまれたこともある。罹患当時は出産休暇で休職中だった。B さんは 50 代後半のフリーライ ター兼エディターとして働いている。取材で知り合った医師に勧められて軽い気持ちで検査を受け たところ、自覚症状がまだない段階で乳がんが発見された。40 代後半の C さんは、単身赴任中の 夫に勧められて、しぶしぶ主婦検診(人間ドック)を受診し、異状は見つからなかった。その結果 に安心していたが、入浴時、しこりに気づき、精密検査を受けたところ、乳がんと判明した。D さ んは 29 歳誕生日の直後、しこりを見つけ、受診し、乳がんが見つかった。この時期、仕事をやめ ていたが、そろそろ仕事を再開しようかなと思っていた矢先のできごとだった。 インターネットとのかかわりで見ると、最もよく使っているのが D さんで、mixi ユーザでもあ る。反対に最も利用頻度が低いのは C さんで、ネットは(携帯)メールの利用が大半を占める。A さんと B さんは、ちょうど、両者の中間に位置し、メール以外に情報検索にもインターネットを 利用している。 4.結果と考察 病状の段階ごとに情報コミュニケーション行動のようすを中心にインタビュー内容をまとめる (インタビューの全容は、巻末にかかげた「資料 1」を参照されたい)。 表 3-3-1 氏名 年齢 A 30 代前半 B インタビュー対象者 職業 居住地 施術 会社員 神奈川県 2005 年 9 月 2006 年 3 月 50 代後半 フリーライター・エディター 東京都 2006 年 5 月 2006 年 10 月 C 40 代後半 主婦 千葉県 2006 年 7 月 2007 年 4 月 D 30 代前半 無職 東京都 2006 年 11 月 2007 年 4 月 19 インタビュー実施 4-1.病気の疑いから疾病確定まで 4-1-1.A さん 妊娠中だった A さんは、ある日しこりに気づくが、妊娠初期特有の胸の張りによるものと思っ ていた。しかし、それでも不安が消えず、近所の婦人科を受診した。そこでは「妊娠初期は胸の張 りで痛むから大丈夫」と言われ、いったんはそれで納得する。しかし、その後、寝ているとき触れ た「コリッ」が気になり、妊婦検診時に相談したところ、「乳がんが増えているので」と乳腺外科 を紹介された。後日、検診を受けに行き、しこりの形が歪んでいたため「悪性の乳がんかもしれな い」と言われた。同時に「赤ちゃんはどうするか」と聞かれ、一気に落ち込んでしまった。当時、 夫は単身赴任中で、この結果を 1 人で受け止めるしかなかった。 「やっぱり」と思って見に行ったのがインターネットだった。乳がんで検索すると、「結構進行 している人のことが出てきて、取った傷(跡)も出ていて」、「怖くてインターネットが見られな くなった」。それは単なる視覚的な恐怖ではなく、この後、何が待っているのかわからないことに よる恐怖感だった。当時、妊娠中の乳がんについてはインターネット上で見つからないこともあっ て、「産みたい気持ちの方が強かったので、乳がんの情報はシャットアウトすることに決めた」と いう。 後日、検診専門クリニックに出かけ生検を受けた。海外にいる夫には乳がんのことは知らせなか った。動揺して仕事に影響が出ても困ると思ったからだ。他方、母親は娘である A さんの身体を 優先して、出産をあきらめるように言ってくる。検査結果を聞きに行くころ、夫が帰国したので、 一緒にクリニックを訪れた。検査の結果、乳がんであることが判明した。がんの手術と出産が両立 するのか心配で、医師に尋ねた。「しこりは小さいので、温存でいけるかもしれないが、どうなる かわからない。赤ちゃんを産んでも大丈夫と言うところまで我慢して、それから化学療法という手 もある」と言われ、希望が見えた感じになった。久しぶりにインターネットで情報を探したが、自 分と同じような妊娠中の乳がんに関する情報は見つからない。「みんなどういう風に乗り切ったん だろうか、同じような人がいるはずなのに」という思いでいっぱいだった。 4-1-2.B さん 取材の仕事で知り合った医師に勧められて、検診(触診、マンモグラフィ、超音波)を受けたと ころ、超音波検査で「怪しい影」が見つかり、精密検査(針生検)を受けるよう勧められた。乳が んに関する知識はあるつもりだったが、針生検についてはまったく無知だったため、インターネッ トで調べた。しかし針生検について「麻酔をして太い針でガチャッと音がする」程度のことしか書 かれていなかった。検査が終わった時点で、医師から「大丈夫だと思うけれども(結果を)待ちま しょう」と言われ、B さん自身も「もしかしたら陽性なのかもしれない」という程度の気持ちだっ た。1 週間後、乳がんとの告知を受けた。 結果を知らされたとき、B さんは「ガーンという感じでショックだった」と言う。しこりも自覚 症状もないまま、乳がんという事実を受け入れざるを得なかった。検査結果を記した書類には「乳 20 がん、悪性の細胞が確認された」と書かれてあり、紹介先として 7 つの病院がリストアップされ ていた。がんの受容と、入院先を「決めるのが一番大変だった」。担当医にも相談したが、友人の 1 人がリストに上がっている病院の医師と親しかったことから、その病院で手術を受けることに決 めた。家から近かったことも決め手になった。 次の診療日までの間、期毎の状態や予後についてインターネットで調べ、次回たずねる材料にし ていた。Q&A が載っている医師の個人サイトは具体的だったため、主治医とつながりの深い関係 者が主宰しているサイト(VOL-Net、キャンサーネットジャパン)や神奈川県乳癌治療研究会のホ ームページは信頼できそうだったので、よく見ていた。 インターネットでは、この先のことが知りたいと思ってもなかなか見つからない。自分の場合は どうなのだろうか、と個別的なことを知りたいのに、そうした情報は見当たらない。複数の情報が 存在する場合は、それらを比較して、全部同じことを言っている場合、その情報は信頼に値すると 判断した。ひまな時間ができると、乳がんについて調べていた。いま振り返ると無駄だった気もす るが、ネットの情報は考えたり悩んだりするときのパートナーのような感じがした。情報源として は、著者がはっきりしている本の方が信頼できる。それでも何か知りたいことがあると、ついネッ トを使ってしまう。 4-1-3.C さん 夫から何度も人間ドックを受診するように言われていた C さんが重い腰を上げたのは、その彼 の一言だった。「私も受けるから、一緒に受けよう」。人間ドックでは触診とエコーによる検査を 受け、結果は「大丈夫」だった。「良かった」と安心したのだが、4 ヵ月後、シャワーを浴びてい るときに、「何気なく触った右胸の脇にしこりのようなものを感じ」、驚いて反対側も触ってみる。 しかし、そこにはしこりはなく、再度右胸を確認したが、やはりある。彼女の頭の中には「しこり =乳がん」というイメージがあったため、深い絶望感に襲われ、お風呂で貧血になりそうだった。 友人にしこりのことを告げると、マンモグラフィを受けないと乳がん検診の意味はないと言われた。 以前、ある本で、乳がんは胸が大きく、乳製品の好きな人に多いという記述を読んでいたこともあ って、彼女は、自分の家は「がん家系」でもないし、「私は大丈夫」と思っていた。手術について も、「乳がんはとってしまえば大丈夫」というように考えていた。 以前乳がんを患ったことのある友人に相談し、彼女が手術した病院で検査をしてもらうことにし た。しこりのことを友人に知らせようと思って、「朝、電話をするから」とも書いてメールを送っ た。彼女はメールを読んでくれていて、翌朝、入院していた病院名をすぐ教えてくれた。ほかの友 人たちは「大丈夫よ、人間ドックを受けているのだし、もしあったとしても良性よ」と励ましメー ルを送ってくれたが、「がんだったらどうしよう」と不安でいっぱいだった。 病院へ行ったその日に、細胞診とエコーを受け、翌日、マンモグラフィも受けた。「それまでは 普通にご飯が食べられていたのに、その日を境にご飯が食べられなくなって、頭の中は(乳がんの ことで)いっぱいになってしまった」。「自分の生活が一変して、ああどうしよう、どうしよう」 21 という気持ちのまま、1 週間後の結果を待った。好きなテニスをする気にもなれず、仲間に休むこ とをメールで告げた。当然、理由を聞かれ、検査のことを話すしかなかった。 「もう怖くてしょうがなかった」。当時、新聞に載っていたがんの連載記事を読んでいたが、た またま乳がんの特集が続いている時期だった。本来ならばタイムリーなのだが、「怖くて、その記 事が読めなくなった。(インターネットで)調べるとか、本屋さんで本を探すのが良いのかなとか 思いながらも怖くて」悶々とする日が続いた。 1 週間後、病院にいくと、担当医から「がん細胞が見つかりました」と告げられ、「それを聞い た途端に血の気が一気に引く感じだった」。「本当にがんなのだ、私は」。 検査結果に書かれていた「クラス 5」をがんの進行度と思い、もしかしたら末期がんかもしれな いと心配になり、たずねると、医師は「これはがん細胞があったということだけで、進行度とは無 関係」と説明してくれ、少し落ち着いた。これを読むようにと、『適切な治療を受けるために』と いう本を手渡された。その後、書店に行き、一番わかりやすそうだった『乳がん 110 番』を買った。 検査結果は友人にもメールで教えた。すると、みんな電話をかけてきてくれ、「何もできないけ れども、大丈夫!」と言ってくれる。しかし、話しているうちに泣き声になり、すると向こうも泣 きはじめ、お互いに泣きあう日々だった。悪いほうに物事を考えるタイプなので、(電話でしか話 せないが)夫も心配してくれた。 周囲からセカンドオピニオンを受けるよう勧められたが、病院を探す気力も、本を読む気力もな かった。診察に行くたびに気持ちが落ち着き、自分の病気のことを調べなければという気持ちにな り、手元の本を読んだ。「インターネットはそれほど調べていない」。 4-1-4.D さん 胸のしこりを見つけた D さんは、ふだんからインターネットを使っていることもあり、まずネ ットで調べた。キーワードには、「乳房のしこりを使ったような気がする」。そうして調べていく 過程で、乳腺繊維腺腫という病気を知る。この病気は「若い人に多くて、しこりを作るもの」と書 かれていたため、本人も「多分それではないかと思った」。そして「良性だから大丈夫ですよ」と 言われた一心で 3 日後に受診した。ネットに「乳がんでも乳腺繊維腺腫でも外科を受診するよう に」とあり、受診科を迷わずにすんだ。それまでは、産婦人科か婦人科にかかるものと思っていた。 診察は近所にある大学病院で受けることにした。受付で症状を伝えると、問診表に記入するよう 求められ、触診、マンモグラフィ、エコーとすべての検査をその日に終えた。このときは、「大学 病院だから、いろいろ大げさな検査をするのかなぐらいにしか思っていなかったが、担当医にはわ かっていたのかもしれない。しこりについて調べると「不安が大きくなるので、(インターネット は)あまり見ないようにして」いた。 1 週間後、母親と検査結果を聞きに行った彼女は「結果は悪性でした」と告げられた。しかし、 すぐには、なんのことかわからず、聞き返すと「乳がんです」と念を押された。あまりのショック で、当時のことは記憶にない。これらのようすも後日、母が教えてくれた。実は…と、祖母が 49 22 歳のとき乳がんで亡くなったことを知らされた。検査の結果は知らせたい友人のみに伝えた。 告知を受けてからは、検索キーワードも「しこり」から「乳がん」へと変わった。ネットに「本 は情報が古いからあまり見ない方が良い」と書かれていたが、発行日の新しい本を探し、丹念に読 んだ。そこで知りえた用語で検索をかけたこともある(センチネルリンパ節生検など)。 本によって、関連用語を知り、それを検索サイトのキーワードとして用いるなど、症状が明確に なるにつれ、適切な情報検索へと進んでいるようす、本とネット情報がうまく結びついているよう すがうかがえる。 4-2.疾病の確定から入院、手術、補助治療の開始まで 4-2-1.A さん 近所の良い先生を知りたくて、結果の報告後たずねると、ある大学病院の X 先生を勧められた。 その場で連絡を取ってくれ、翌日、大学病院に出かけた。インターネットで恐怖感をあおられた感 じがしたが、目の前にいる医師が直接話してくれると、変な恐怖感をいだかずに説明をきくことが できた。その先生が主治医になることが決まり、先生の書いた本を買おうと思った。書店で探して も置いてある本は限られるので、インターネットで探したが、その本(乳がん全書)は amazon の カスタマーレビューにはバイブルのように使っていると書かれていて、評価も高かったので、安心 して買った。妊娠中の乳がんにもふれられていた。ただ、治療の具体的な内容や治療と出産のタイ ミング、出産の可能性までは書かれていなかった。 前の病院の検査結果を全部確認して、転移はない、妊娠していても全身麻酔で温存療法で行ける と言われ、全部まかせる気持ちになった。 最新の治療法を知りたくて、乳がん患者の多いアメリカであれば、妊娠時の症例も多いだろうと 思い、検索したが、調べるほど乳がんの画像も出てきて、また目を背けたくなった。アメリカの乳 がん情報は内容も新しく参考になったが、なぜ日本ではそれができないのか、不思議に思うことの 方が多かった。吐き気のない抗がん剤や髪の抜けない抗がん剤もネットで探したが、見つけること ができなかった。 無事、手術も済み、出産も正規産でいけた。母乳をあげたかったので、化学療法(抗がん剤治 療)をしたくないと思った。主治医の先生の講演を聞きに言ったりして、医療のガイドラインを知 った。自分の気持ちを主治医に伝えると、放射線治療を優先することに決まった。 その後、夫のいるアメリカに行き、そこで乳がん経験者と話す機会があった。アメリカでは抗が ん剤の有効性が説かれ、積極的に使われていた。自分の選択した治療法に自信をなくしかけている と、「あなたがそれで明るくいられるのであればいいんじゃない」と言われ、ほっとした。彼女た ちは乳がんを隠すことなく、ふつうの話題として話されている。日本に帰ったら、自分もそうなれ るかなと思ったという。子どもの年齢と自分のがん年齢が同じなので、治療の励みになり、育児し ていると、気も紛れる。 23 4-2-2.B さん 手術の結果、リンパ節に転移していないことがわかり、安心した。ところが 1 ヶ月にわかった病 理検査の結果でリンパ管浸潤が見つかり、本やネットを調べても「絶対大丈夫」と書かれていない ため、心配になった。主治医に電話でたずねたところ、リンパ管浸潤はどの腫瘍でもあり、リンパ 節への転移が問題で、それは全然ないと言われ、安心した。 放射線治療で日焼けしたようになったり、首に変色部位が出たり、すべて初めての体験ばかりで 不安だった。放射線治療は 25 日間単位なのだが、そのことを知らない患者がいて、驚いた(放射 線治療は別の病院でやることになっていたので、説明がなかったのかもしれない)。補助療法とし て、アリミデックスを服用している(ホルモン療法)。 4-2-3.C さん 手術は温存療法だった。手術前は『乳がん診療ガイドラインの解説』と『乳がん 110 番』を読ん でいた。ネットはそれほど利用していない。手術後は病院にあるチラシで知った『術後・乳がん安 心生活 BOOK』は病気よりも日常生活に重点が置かれている。ふつうならば、手術も無事に済み、 家に戻ったらホッとするのだろうが、不眠状態が続き、つらかった。以前やった子宮筋腫の手術後 も同じように不眠が続いたので、全身麻酔のせいと思っていた。そのことを主治医に話したら、睡 眠薬と精神安定剤を処方してくれ、今も飲用している。 病理検査の結果、リンパ節への転移はなかったが、いい結果ではなく、HER2(ヒト上皮増殖因 子受容体:乳がん悪性度の指標)の値も教えてくれた。医師の話や HER2 についてネットで調べた が、「私がやるインターネットなのでたかが知れている」。主に利用したのは、キャンサーネット、 がん情報サイト、国立がんセンター、セカンドオピニオン・ネットワークあたりだ。患者の声が載 っているようなサイトはいろいろクリックして読んでいるうちに、直接、関係のない情報まで広が ってしまった。絞り込み方がよくなかったのかもしれない。大事だと思った情報はプリントアウト して保存するようにした。夫は抗がん剤に疎く、友人の友人(乳がん経験者)にいまの治療法につ いて話したら、3 点セット(抗がん剤、放射線、ホルモン治療)は一般的で心配ないと言われた。 主治医から聞かされた薬の内容を知りたくてネットで調べたが、どれも似たり寄ったりだった。 週刊誌でも新聞でも、それまでと違い「がん」の二文字を見つけるとすぐ読んだ(乳がんの記事で あれば、なおのこと)。他の病院や他の患者が受けている治療内容が気になり出し、セミナーやシ ンポジウム、ネットを利用した。なかでも、ハーセプチン(HER2 を標的とする治療用抗体)につ いていろいろ調べた。なかでも保険が適用されるのかどうかについて、知りたかった。 4-2-4.D さん 「場合によっては」全摘になるかもしれないと言われたことを 50 対 50 ではなく、100%と考え ていたので、温存療法の病院をネットで探した。未婚だったし、胸を失いたくなかった。温存療法 になった場合、25 日間ずっと放射線治療で通わなければいけないことも知った。手術が決まって 24 から、乳がん患者のブログを読んだが、抗がん剤治療によるつらい内容ばかりで読まなくなった。 入院中は、笑えるような本ばかり読んでいた。手術の前日、主治医が乳腺専門医であることがネッ トでわかり、信頼する気持ちが強まった。退院後、病院のサイトを見たら、温存療法の実績が豊富 であることがわかり、ほっとした。脱毛や苦痛はどうしても避けたかったので、抗がん剤治療は受 けたくないと思い、治療法についてはいろいろ調べた。自分と同じ症例のデータ(生存率や再発 率)を知りたくて、医師に頼んで専門データベースで調べてもらった。いまはホルモン治療を受け ている。 4-3.乳がん体験の評価(社会的現実としての乳がん) 4-3-1.A さん 病気は私にとって意味のあるものである。私だから、この病気(乳がん)があったと思う。命に かかわる病気だったことに意味がある。一度死んだと思ったら、どんなことでもできる。今まで躊 躇していたこともできるようになれた。病気で悩んでいる人がいたら、自分のことを話すことで、 その人にいい影響を与えられるようになった。この病気は自分を大きくしてくれた。人にやさしく なれ、夫にも感謝の念が強くなった。夫を悲しませたらいけない、絶対に生きなければいけないと 思っている。一日一日を後悔のないよう、生きていこうと思っている。この病気は私に必要なもの だった。 治療後における米国生活での乳がん経験者との交流から、A さんは病気が隠すべき存在ではない ことを教えられ、そうした経験もがん体験の評価を変えるきっかけとなっていた。 4-3-2.B さん 乳がんになって、自分はこれまでいろいろな人に支えられて生きてきたという事実にあらためて 気づいた。今後もそうだろう。それを再確認させられると同時に、その周囲の人たちに対する感謝 の気持ちも強まった。周りの人に支えられている中で、私は自分自身の責任で 1 つ 1 つ決断を下し ていかなければいけないと思っている。そうしないと、いつの日か、「あなたの人生、ここでお終 いね」と言われかねない。乳がんになってからは、人生のそのときどきの局面に対する決断をてい ねいに下すようになった。 がんは、B さんにとって、これまでの生活のありようを見直す(食生活をはじめとして、今まで と同じような生活をしていたら再発する可能性が高い)重要な契機となっている。 4-3-3.C さん 今回の病気で、普通に生活できることに喜びを感じ、謙虚になれるようになった。ごく普通の生 活が本当に幸せなことだと思えるようになった。これまではふだんの生活が当たり前で、特に幸せ とも何とも感じていなかった。病気になって初めて、こういうことが本当の幸せなのだ、何気ない 日常こそが幸せなのだと感じられるようになった。 25 日常生活とは日々の単なる繰り返しではなく、それ自体が危うい基盤の上に成り立っていること を、C さんは実感をもって知ったと言えよう。 C さんにとって、乳がんになった人の前向きな姿は、それがみんなではないものの、仮にがんが 再発しても転移しても、落ち込むことなく、がんとうまく向き合っていこうという気持ちにさせる 存在である。それを、さらに治療法や抗がん剤の開発が後押しする。つまり、C さんの予期は単な る気の持ちようではなく、一定の根拠があってこそ形成されたと言えよう。 4-3-4.D さん 乳がんは今までの価値観を全部変えた。死生観がすごく変わった。人はいつかは死ぬのだから、 と思えた途端、気が楽になった。今まで感謝できなかったことに感謝するようになったし、ご飯を 食べたり出かけたりすることはこれまで当たり前のことだったが、それが当たり前ではないことに 気づいた。文字通り「有り難い」だ。以前はちょっときついと思っても、それを無視してやってい たが、今はきついなと思ったら無理しないようにしている。そのおかげですごく楽になった。(以 前は)何でもきちんとやらないと気がすまない方で、きちんとできなかったことにストレスを感じ ていたが、今はできなくてもまあいいかと思うようになった。 今回の病気でわかったことは、受け容れることに重要性である。病気の自分がなかなか受けいれ られなくてつらかったが、あることをきっかけに、病気であることを受け入れられるようになり、 気持ちが楽になった。 乳がんは単なるがんの一種ではなく、女性性というジェンダー意識と深くかかわらざるをえない。 それゆえ、D さんは温存療法の可能性を優先した治療方針、脱毛が予期される治療法の回避を念頭 に置きながら、今日に至っている。 4-4.インターネットの評価 4-4-1.A さん これまでのようすを振り返り、ネット情報の意義を語ってもらった。「最初の入り口ではインタ ーネットに頼らざるをえない。書店に行きたくても、妊娠中だったり病気だったりすると、それも ままならない」。ネットのよくない点は、「自分ひとりで見るので、どうしてもマイナス思考にな ってしまう。『私は軽くすみました』という情報に出会えないから」「妊娠中の乳がん患者を診た 経験のある先生は最も知りたかった情報の 1 つだが、ネット上では探し出せず」「診てもらってい たクリニックの医師の紹介(知り合い)が手がかりだった」。「良いとされる医師でも、ネットに 全然情報が見当たらないと不安になる」。 最も知りたいと思っている情報は、それがより個別的な要求であるだけになかなか見当たらない し、「名医」に関する情報が仮にあったとしても、それがにわかに信頼できる情報かどうか判断は むずかしい。A さんのような、つまり目の前の医師が推薦してくれた医師の評判を確かめたくてネ ットを利用するという、オフライン情報の信憑性をオンライン情報で確認する方法は、分野を問わ 26 ず、有効といえよう。書籍に関しては、読者の評判情報が購入の牽引役になっていた。 彼女は、主治医に質問する際の材料としても、インターネットを活用していた。ただ具体的な治 療の参考情報としては主治医の講演が役立った。「ネットの情報は他人事、医師の言葉は自分に引 きつけて考えられる」。自分の病状が的確に把握できていれば、それに対応して情報も取捨選択で きるのかもしれない。 A さんの積極的な姿勢は「受身ではいけない」という主治医の考え方とも呼応し、医師と患者が 一緒に直す治療へとつながっていった。 「最初ネットで見た情報では体験談が多かった。それはどんな治療法で元気になったのか知りた かったから」だが、「自分と同じ状況にいる人の話は見当たらなかった」。「余裕ができたら、ネ ットで書きたいと思っている」。インターネット上の情報に対する不満は、発信することで改善で きる部分も多い。 4-4-2.B さん がんのような慎重さを要する病気の場合、いろいろな情報を得た上で主治医と話し合い、最終的 には専門家である医師の決定に従うのがよいと思う、と B さんは語っている。そのいろいろな情 報源のひとつとしてインターネットは利用されているが、とりわけ身近に相談相手がいない場合、 利用する機会が多くなる。主な利用動機は、自身と同じ状況ないし近い状況にある人に、どんな治 療法が適用されているのかを知りたかったことにある。そうした個別的な情報を求めて(例、個人 の質問を受け付けるサイトや Q&A コーナー)、彼女は何時間も情報入手に費やしていた。同じ状 況、近い状況のケースを探す際、重要な手がかりは、その「状況」である。だが、その状況を患者 自身が的確に把握しているわけではなく、得られた情報の最終評価は簡単ではない。また、それを 抜きにしても、個別的な情報にはなかなか出会えなかった。 本でも、著者によって考え方が違うように、インターネット上の情報でも書き手の考え方に注意 を払う必要がある。そのことをインターネットは教えてくれた。情報の信頼度から、よく利用した サイトは主治医の知り合いなど、関係者によって運営されているものに落ち着いた。ネット上の情 報は、基本的に周辺情報として位置づけ、最終的な判断は主治医にゆだねた。むしろ情緒面でのサ ポート手段として、たとえ効果は一時的ではあっても、インターネットは役に立った。 4-4-3.C さん 乳がんに関する情報は、もっぱら新聞や書籍から得ていたと言う C さんがインターネットで調 べるようになったのは手術後のことである。病理検査の結果、主治医の説明、治療薬の効能と副作 用、民間療法の実際、それぞれの詳細を知るためだった。彼女は、それらのなかで不明な点を主治 医にたずねることでひとつひとつ情報の真偽を確かめている。 4-4-4.D さん 27 D さんは、自分の症状が何によるものなのか確認する段階からインターネットを利用して、そこ から「素人診断」を行う。結果的に、その診断は誤りであったが、受診科に関する知識という副産 物を手に入れている。彼女の場合、インターネットによる情報収集は、必ずしも治療に先んじて行 われているわけではなく、自身の状況と前後しながら(予備知識と確認作業)進む。現実との照合 手段としてインターネットは利用されている。インターネット利用は情報収集にとどまるのではな く、「個別情報」を求める人たちに向けて発信を行うと同時に、オフ会での交流も行っている。D さんによれば、ネットコミュニティは素人が(医学)知識を交換する場ではなく、病気を経験した 者でなければわからないような事柄(例、全摘した人向けの下着)のやりとりでこそ本領を発揮す るという。 5.まとめ 「がんに対する関心の高まりを背景に、この数年で書籍やネットの情報は格段に増えて、国も情 報提供の仕組み作りを検討し始めるなど、情報量は充実してきた。だが、治療法の『正解』は必ず しも一つではない」(朝日新聞医療グループ,2007)。 「がん」とはどういう病気なのか。その像は実際に適用可能な治療の選択肢に左右される。選択 肢とは、言い換えれば治療法に関する知識であり、その知識は患者の病状との組み合わせで意味を 持つ。患者が自身の病状を把握するのは必ずしも容易ではない。「もし重篤だったらどうしよう」 という気持ちは医師への質問行動を抑制するだろうし、医師の回答に対して「気遣って本当のこと を言っていないのではないだろうか」という一種の割引がはたらく可能性もある。前者は医師以外 の情報源、つまり全般的な情報への接触を促すだろうし、後者は、がん経験者の体験談のような個 別情報への接触を促すだろう。これら両タイプの欲求を満たしてくれる情報源として、いまインタ ーネットがある。 今回、インタビューに応じてくれた 4 名の中には、自己診断でがんが疑われた段階からインター ネットを利用した人もいれば、診断が確定した段階から本格的に利用し始めた人もいた。それらの 段階に応じて必要な情報も異なるが、ネット上の情報は、それと無関係に「飛び込んでくる」。初 期段階で偶然、乳がんの手術痕を目に、その後しばらくネット利用を避けるようになった人もいた (初期乳がん患者を対象とした研究(Carver, et al.,1993)によれば、楽観主義は病気による苦痛を 軽減する効果がある)。 やがて、自身の病状が少しずつ明らかになるにつれ、今度は自分と同じ症例の情報を得るために インターネット上の情報を検索するようになる(社会的比較(Van der Zee, et al.,1998)が働くこ ともあろう)。しかしながら往々にして、その期待は裏切られる。つまり、今回のインタビューを 見る限り、渦中にあった対象者たちは、自分と「似た」ケースではなく、「同じ」ケースを求めて いた。いざ読み始めると、「彼女と年齢が違う」「彼女の場合、妊娠中ではない」というように、 他者との相違点に注意が向かっている。すべての条件で同一のケースに関する情報がないことを知 28 ったときの反応には個人差が見られ、その後、(A さんや D さんのように)自身の体験を発信す る方向に進む人もあらわれる。 4 名の対象者は、インタビュー調査に協力してくれただけあって、他の乳がん経験者にくらべる と、予後も順調で、病気の受容に成功した人とも言える。実際、試験的に行った「希望尺度」(大 橋,2002)の簡易版(高因子負荷項目による構成)でも、4 名はいずれ高い値を示した(なかでも A さんと B さん、D さんの得点は満点に近い)。希望尺度は、「実存性と見通し:temporality and future」「前向きな構えと期待:positive readiness and expectancy」「自他の一体感:interconnectedness」の 3 下位尺度から構成され、集約するならば「人生に対する明るさ」とも言えよう。病気自 体は回避したい対象であるが、罹患が判明した時点で、その負性を転化するひとつの要因が「希 望」ではないだろうか。 乳がんの意味づけに見られた個人差とは乳がんイメージの違いでもある。そのイメージが変わる きっかけは他者との接触によってもたらされていた。今回のインタビューであげられた「他者」と は、他の乳がん患者(との出会い)、家族(の対応)、医療関係者(のことば)、マスメディアで 報じられたがん患者の姿、ネット上で知り合ったがん患者たちである。病気の社会性を考えたとき、 対人コミュニケーション(社会的接触)の意義は大きい。 文献 朝日新聞医療グループ(編)(2007). Carver, C. S., et al. (1993). がん 患者を生きる 朝日新聞社 How coping mediates the effect of optimism on distress. Journal of Personality and Social Psychology, 65(2), 375-390. 藤森克彦(2006). 患者の体験談が患者を救う(http://www.mizuho-ir.co.jp/column/shaka0605 30.html) 福田 護(2002). 乳がん全書 法研 Greenhalgh, T. & Hurwitz, B. (1998)Narrative Based Medicine. BMJ. (斎藤清二ら訳(2001). ナラティブ・ベイスト・メディスン 国立がんセンター(2005). 金剛出版) がんの統計’05(http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/arch ives/backnumber/2005_jp.html 日経 BP(2004). ビジネスパーソンの健康意識(http://www.nikkeibp.co.jp/archives/332/ 332202.html 乳房健康研究会(2005). 大橋 明(2002). 「乳がん検診は今」調査報告書 NPO 法人乳房健康研究会 Herth Hope Scale 日本語版の作成および信頼性・妥当性の検討 老年精神 医学雑誌, 13(10), 1187-1194. Pew Internet & American Life Project (2006). Online Health Search 2006. (http://www.pewinter net . org/pdfs/PIP_Online_Health_2006.pdf) 29 Van der Zee, K., Oldersma, F., Buunk, B. P., & Bos, D. (1998). Social comparison preferences among cancer patients as related neuroticism and social comparison orientation. Journal of Personality and Social Psychology, 75(3), 801-810. 和田恵美子(2006). 「闘病記文庫」は患者・医療者に何をもたらすか 情報管理, 49, 499- 508.(http://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/49/9/499/_pdf/-char/ja/) Ziebland, S. (2006). Experiences of health and illness.(健康と病気の経験をめぐる語り) 公開フォーラム「患者の語り」が医療を変える(配布資料) 30 DIPEx-JAPAN 設立準備会 第4章 研究 2:就職活動における社会的現実形成と情報コミュニケ ーション行動 1.はじめに 株式会社リクルートが就職専用サイト「リクナビ」を開始したのは 1997 年 11 月である。その 2 年後には学生のインターネット利用率が 9 割を超え、インターネットが就職活動の手段として一般 化している(ディスコ, 2005)。当時の新聞には、こんな記事が載っている。 「就職活動、ネットが味方」(朝日新聞 1998 年 7 月 20 日朝刊) 今年の 4 月に入社した新入社員の 45%は就職活動にインターネットを利用した― 。「情報武 装」が就職でも重要な要素になっていることが、産能大学のアンケートで分かった。(略)4 月に 入社し、産能大学主催の新入社員研修に参加した 142 社の 600 人を対象に調査した。就職でインタ ーネットを「よく利用した」「たまに利用した」を合わせた割合は昨年の 16.7%から 45%に大きく 増えた。企業の業務内容などを紹介するホームページから情報を収集するという利用が 8 割を超え ている。1 年に 1 回発行される就職情報よりも、データが更新され、実態に近い情報が得られるこ とが受けている。また、友人との連絡にも電子メールを活用している。産能大学によると、学生が 企業訪問した際の感想や面接での質問内容をメールで知らせ合って、その日のうちに面接の様子が インターネット上で広まった例もあるという。 就職希望先の提供による公式情報と合わせ、学生同士の非公式情報がメールでやりとりされ、そ れはネットを介して広がっていく(「みんなの就職活動日記」の掲示板サービスは、1996 年に開 始)。その 3 年後には、こんな状況が紹介され、ネット依存度の高まりがうかがえる。 「ネット採用で明暗 就職協定廃止から 4 年、広がる格差」(朝日新聞 2001 年 1 月 27 日朝刊) (略)経済の先行きが見えないなかで、就職活動の早期化、長期化、二極化(デバイド)はさら に進み、インターネット採用がそれに拍車をかけている。就職に関する一連の規制緩和は、指定校 制や OB リクルーター制に代表される大学間格差をなくし、多くの学生にチャンスを開くはずだっ た。だが実際には、企業は接触する学生をひそかに選別、学生側の情報処理能力にも開きがあるた め、矛盾はむしろ拡大している。 今年 3 月に東京都内の女子大文学部を卒業予定の 4 年生 A 子さんは、まだ 1 社も内定がとれて いない。敗因を「ネットの情報におぼれてしまった」と分析する。活動は 3 年生の秋に始めた。厳 31 しさは知っていた。「リクルートナビ」に登録。「数え切れないほどの」企業情報を検索し、大手 企業など 50 社以上に履歴書を送った。リクナビに志望業種や職種を登録すると、企業説明会情報 も送られてくる。A 子さんにも生保や証券から「女子大生のみなさまへ」と題した説明会案内のメ ールが毎日のように届いた。読み切れなかったが、「充実した活動だ」と錯覚していた。だが、同 級生たちは次々内定したのに、A 子さんは全滅。(略)「ホームページは女子の採用実績が悪いと か都合の悪いことは出ていない。情報量に圧倒されて自分を見失っていた」。逆に、情報力を生か して昨年 12 月に「ほぼ内定確実」になった 3 年生もいる。 京都大学 3 年生の B さんは、インターネットで「新人はインターン経験者から採用する」とい う情報を見つけ、冬休みに数百倍の倍率を突破してコンサルティング会社のインターンシップに参 加した。評価の高かった学生は会社のパーティーや行事に招かれ、正式内定の日まで社員と定期的 に交流を続ける。同級生の C 子さんも昨年 12 月から、京都市内の高級ホテルで開かれる損保や銀 行、広告代理店の企業説明会によく出かけている。招待状はリクナビを通じて「京大生限定情報」 の題で届く。宴会場でランチやディナーをとりながら、社員が代わる代わる「何でも聞いてくださ い」と声をかけてくる。東大生、一橋大生にもこうした「限定情報」が届いている。グローバル競 争にさらされる企業は、「新卒でほしいのは少数の優秀なコア社員。正社員は減らしたい」という のが本音。限られたコストで、ねらった学生だけに効率よくコンタクトできるメールは絶好の手段 だという。「情報弱者」は知らない間に取り残されている。 インターネット上にある大量の就職「情報」は新たな問題を引き起こしている。情報が情報とし て機能していない。 「ネット就活、注意点は? うのみは禁物 情報過多で学生に混乱も」(朝日新聞 2004 年 8 月 23 日夕刊) (略)日本経団連のアンケートによると、03 年度の採用活動でエントリーをネットに限った企 業は、56%強と初めて半数を超えた。企業情報や採用情報の公開も、9 割強が自社ホームページを 持ち、8 割強が就職情報会社のサイトを利用。ネット効果を評価する企業は 9 割を超えた。今後も ネット採用の流れは強まると見られている。 就職難で、数十社に及ぶ会社にチャレンジする学生も、「ネットなしの就活なんて無理」。連絡 手段にメールを使う会社は多い。就職情報サイトに登録すれば、希望する企業や業界の情報を簡単 に検索できるし、同時並行で進む会社の説明会や面接の日程管理を簡単にする機能もある。だが、 「いくらでも情報があることが、一部の学生にとっては落とし穴になる」と、253 大学の就職担当 者からなる「全国私立大学就職指導研究会」会長の小平孝雄・東海大就職部次長は話す。 就職情報サイトの最大手、「リクナビ」の場合、6 千社を超える企業情報を掲載している。「自 分の関心に近い」企業からダイレクトメールも届く。何をやりたいのかが見えていない学生ほど、 情報収集に時間を費やし、混乱して先に進めなくなるのだ。 32 「思い込み」という落とし穴もある。ネットの膨大な情報と比較して、最も身近な大学就職部を 「使えない」と思い込む。「ネット上では公開せず、大学を指定して寄せられる求人もある。先輩 たちの経験を知るスタッフが相談に乗ってくれ、大学にしかないノウハウも多いのですがね」と小 平さん。ネットの情報を「自分で調べた」と錯覚するのも危険。ネットの情報は「だれに知られて もいい」程度の情報であるからだ。また、自社ホームページでは、他社に比べ優位な部分が強調さ れがち。勤務時間や待遇、社内の雰囲気など、建前でない実態は分からない。うのみにすると、 「こんなはずじゃなかった」ということになる。(略) 「リクナビ」の山辺昌太郎副編集長は、「企業・学生双方が効率化に走りすぎて、お互いの素顔 に触れる場面が減っているのかもしれない」と漏らす。05 年度版「リクナビ」では、普段着の会 社の雰囲気が伝わる「フォトアルバム」というコーナーを拡充する。写真を選ぶのは企業だが、ど んな写真を選ぶかにも社風は出る。「いいところばかりでなく、仕事の苦労や泥臭い部分も伝えて ほしい、とお願いしている」と山辺副編集長は話す。「筆記試験対策のようなホームワークと、会 社を訪ねて人の話を聞くフィールドワークの両方で就活は進む」と小平さん。落とし穴の回避策は 「人と会う努力を惜しまない」のようだ。 1997 年の大卒就職協定廃止もあって、就職活動はインターネットの登場で一変した。各段階 (就職を意識する~資料請求~試験の申し込みなど)の時期や順序が不定となってしまった(ディ スコ, 2005)。たとえば、図 4-1-1 は、ある大学の 3 年生 2 人が内定に至るまでの半年間の過程を 整理したものであるが(東京経済大学父母の会事務局, 2006)、複数の過程が平行して進んでいる ようすがうかがえる。就職活動の各段階が流動的になり、学生の側は自身の管理能力、ひいては 「就職」という現実をどう構築するかが問われる。かれらは、情報を収集して、興味が深まった企 業にだけエントリーをするため、資料請求・エントリー社数も 1995 年にくらべ、6 割減と大幅に 減少しているという(ディスコ, 2005)。 インターネットは学生同士の情報交換も促している。その背景に、企業の提供する情報と学生の 認識との間に存在するギャップが考えられる。インターネットの普及で「情報発信の方法、その質 や量に大きな変化がもたらされたが、採用活動の根幹である面接による選抜という側面は変化して いない。しかし、そこに至るプロセスの変化が、学生の就職活動の遂行を困難にしている現状では、 対人コミュニケーションを何らかの形で制度化する対策が必要になる」(原口・開本, 2005)。 つまりインターネットでの情報入手や情報交換(企業による情報、就活学生相互)と、対人レベ ル(OB、企業の担当者、大学の相談窓口、など)のコミュニケーションとの接合をどう図るか、 そのキーは「就職」という社会的現実をどう形成するかにかかっている。その重要な契機はネット レベルから対面レベルへの移行にある。 33 図 4-1-1 就職活動の例(東京経済大学父母の会事務局,2006) 34 2.予備調査 2-1.予備調査の概要 予備調査として大学生の就職における情報コミュニケーション行動について、グループインタビ ュー調査を実施した。インタビューは 2006 年 2 月に実施し、就職活動を始めたばかりの大学 3 年 生男子 5 人を中心とし、就職活動を終えた大学 4 年生男子 2 人を加えた計 7 人を対象として行った (表 4-2-1)。 調査項目として、以下の項目をメインにインタビュー調査を行った。 就職活動における情報コミュニケーション行動 (a) 就職情報サイトの利用 (b) みんなの就職活動日記、ブログ、2 ちゃんねるなどの利用 (c) 情報発信のようす (d) そのほかのコミュニケーション(マスメディアとの接触・対人コミュニケーションなど) これらを実際のインタビューでの発言を中心に見てみたい。 2-2.予備調査の結果 2-2-1.就職情報サイトの利用 グループインタビューにおいて最も特徴的であったのが、就職活動における情報コミュニケーシ ョン行動でのインターネットの占める大きさである。中でも就職情報サイトは就職活動に必須であ るのみならず、これらのサイトからエントリーすることが企業に応募するための必須プロセスとも なっている。 ・まずリクナビ、毎日ナビ、日経ナビ。この 3 つは先輩から登録するように言われた(学生 I)。 ・リクナビと毎日ナビに登録した。最初はリクナビだけだったが、毎日ナビでしかエントリーでき ないところがあったので、そこにも登録した。リクナビに登録したのはゼミの先輩に言われて 6 月 に登録だけしてほったらかしだったが、使い出したのは 10 月くらいから。学校のセミナーが 10 月 の頭にあったので、そこから本格的に利用した(学生 O)。 これらの就職情報サイトが就職活動の大きな位置を占め、また企業側にとっては採用活動の中心 表 4-2-1 インタビュー参加者の構成 グループ 3 年生 4 年生 合計人数 1 I、O、S K(IT 関係に就職) 4 2 F、Y G(PR 関係に就職) 3 35 となってきている傾向は、2001 年頃から本格化した。厚生労働省の「雇用管理調査」では 2001 年 度調査においてインターネットを利用した採用活動の調査が行われ、全企業のうち 13%であるが、 従業員 5000 人以上の大企業では 94.1%が、また 1000 人から 4999 人の企業では 76.7%がインター ネットを採用活動に利用していた。 現在ではリクルート社の運営するリクルートナビ(リクナビ)、毎日コミュニケーションズ社に よる毎日就職ナビ(毎日ナビ)、日経 HR 社の日経ナビなどに代表される就職情報サイトが、就職 対象者が大学 3 年生の 6 月から 10 月頃にかけオープンし、企業側は自社サイトのほか、就職情報 サイトを利用して情報を提供している。 就職情報サイトにおける情報提供の増加は、学生のはがきによる企業情報の請求などという手間 を省いたが、情報に対する反応速度が求められる状況も生んでいる。 ・朝起きて、昼には一回はネットを見るようにしている。夜は頻繁で開けるようにしている。一日 見ないとメールもリクナビもたまる一方になる。またアクセス数が多すぎてなかなか開かず、説明 会の予約が 5 分後にはすべて埋まっていたりする。だから夜は毎日、一時間に何回も見る。説明会 のキャンセル待ちが前日にあることもあるので(学生 I)。 企業の情報入手と説明会等のエントリーなどの初期段階には、就職情報サイトの存在感が非常に 高いことがみてとれる。 2-2-2.「みんなの就職活動日記」、ブログ、「2 ちゃんねる」の利用 インターネットにおける就職活動の情報入手は、就職情報サイトや企業サイトなど企業側が提供 する情報だけではなく、就職活動を行う学生が提供する情報からも行われている。学生が各企業の 採用活動の情報を交換するサイトとして多く利用されているのが、みんなの就職社が提供する「み んなの就職活動日記」である。みんなの就職活動日記は、就職に関わる CGM(Consumer Generated Media)ともいうべきサイトで、学生の口コミを企業ごとにあつめており、エントリーの時期やエ ントリーシートの内容、面接での質問などの情報が、実際に受けた学生たちの投稿によって集積さ れている。 ・みんなの就活日記だと、連絡が来たかどうかの情報がわかる(自分が落ちた、とか)。そこがガ セネタということもあるが、2~3 件は書き込みがあるので、そういう使い方をするとわかる。手 がかりとしては使える。2 ちゃんねるに出ている情報は大手しかないが、みんなの就活日記は企業 ごとに掲示板が立っているので小さい会社でも情報がある(学生 K)。 ・みんなの就活日記を利用した。先輩で仲が良い人は学部が違っていたので、人の話は参考になら なかった。自分のすすみたい業種は自分で調べなければならなかった(学生 S)。 ・みんなの就職は登録制であるため、実名性をもっている。まったりとした空気が流れていて、み 36 んなで就職活動をやろうとしていて、励ましが返ってくる。就職の活動する人みんなが使っている ために情報にならないことがある。たとえば「落ちた」という情報をみんなが書くことがある(学 生 G)。 実際に採用活動の進展が示されることもあり、みんなの就職活動日記は、自分が就職のどの位置 にいるのかをみるベンチマーク的役割を果たしている面もありそうだ。またブログや SNS の日記 を検索し、他の学生の就職活動の情報を見ることも行われている。 ・就職活動のブログなども見る。最初は元気がよくて、企業名なども書いているが、時間がたつと、 ○菱に行くなどと書き、さらに進むと○○などと変化していく(学生 F)。 ・就職ブログなどで、同じところを就職した人を検索してブックマークしたりする。○○大学生が めざす電通への道などというのがある。落ちると自然消滅してしまう。毎年こんなのがあるようだ (学生 G)。 ・みんなの就活日記と違って、その人の活動の記録が追えるので、就活している人間のブログに行 き当たった時にはよく読んだ。だが自分から情報を出すことはなかった(学生 K)。 匿名掲示板として知られる 2 ちゃんねるも就職活動情報が多く集まる場所ともなっている。しか しみんなの就職活動日記とは異なり、信頼性が低い情報として捉えられている。 ・2 ちゃんねるなどの情報の質などについては、エントリーで自分が受かっていて、落ちたという 書き込みをみればやったと思うし、判断の基準になる。結構自分が 2 ちゃんねるにふりまわされて いる感じがあり、書かれているのが重く感じられる。実際に会って一言いわれるのよりも重い。書 いてあることは不特定多数に見られて支持されていると思うし、また対面では、言ってもらえない こともあるのに対して、ネットでは本心が書かれているとも思う(学生 Y)。 ・2 ちゃんねるは、僕にとっては数勝負である。一人にエントリーシートが来たというのは重要で はないが、たくさんあるとそうなんだと信じる。就職活動で、2 ちゃんねるに踊らされるというけ れど、どこかで見切りをつけて、時期が進むと、使い分けというのができるようになるのでは(学 生 G)。 ・ある業界に行きたかったが、厳しいことがわかった。自分がエントリーシートで落とされたりし て、感じた。絶対にここ、というのはだんだんなくなってきた。こう思うようになったのは、最初 は自分で不合格になる経験をしたことに加えて、2 ちゃんねるやみんなの就活日記などを見ると 「落ちた、落ちた」とたくさん書かれていて、安心すると同時にむずかしいなと思うようになった。 自分で考えたり体験したのが大きいとは思うけれど、ネットでいろいろ見るうちにある業界への就 職の厳しさを感じた。その中でもっとも影響があるのは、2 ちゃんねるの就職板だ(学生 F)。 37 2 ちゃんねるは信頼性が乏しいというものの、多くの人が書かれたことは重く受け取られる様子 もある。2 ちゃんねるはトラフィックが非常に多いことがこの背景にあろう。加えて 2 ちゃんねる を読み書きすることは感情のはけ口となっていることも見て取れる。 ・悩みを共有するという点では、はけ口は作っておかないといけないと思う。友達と話するとか、 ネット上では 2 ちゃんねるの「就活に疲れた奴のスレ」を見るとか(学生 K)。 ・2 ちゃんねるにはほとんど書かないが、落ちたということだけは会社のスレに書いた。誰かに言 いたかった。結構ショックだったので、共有というのではないが、落ちている人全部に伝えたかっ た。感情のはけ口だろう。また 2 ちゃんねるは自分の安心を得るために見るという面もある。自分 が知らないことが起こっていないかということを確認するためである(学生 F)。 2-2-3.情報発信のようす みんなの就職活動日記や 2 ちゃんねるなどは自ら情報発信が可能である。これらをどのように利 用しているかを見た。 ・mixi などで書いているのは具体的なことではなく、今日はどこに行ってアキバに行ったなど。 隣の男がいけ好かない、とか。みんなの就活日記に匿名で書き込む方が自分と他の人が一緒に就活 をしているという共感が高まるかなと思った(学生 K)。 ・自分は連絡が来た、来ないくらいしか書かない。面接で何聞かれたとかは書かない(学生 K)。 ・自分もそうする気がする。親友なら別だろうが。そこまで情報出してリターンがあるとは思えな い(学生 O)。 ・そういうところの情報を出すのは、ネット慣れしていない人のような気がする。わかっている人 は書かないのでは。よっぽど自信があるか、ネット慣れしていないか。友達は別だが。見ず知らず の人には教えたくない(学生 K)。 ・自分は逆。就職活動先で知り合った、目指しているという共通点がある人とならやりとりをした い(学生 I)。 情報を入手する際に活用されるインターネットだが、情報発信ではメリットを感じにくい面が強 く、不特定多数に情報提供しようというインセンティブは少ないようである。しかし書類選考に通 った、落ちたという情報は提供することは多くの学生が行うために、先に見たような 2 ちゃんねる でも数による信頼性が生まれる現象が起こると言えるのではなかろうか。 2-2-4.そのほかのコミュニケーション マスメディア等の利用は就職に備えて増加する傾向がある。就職の時期と読む雑誌・新聞などと 関連が高いとの回答も見られた。経済新聞・ビジネス雑誌の購読が行われ、テレビニュースでもビ 38 ジネスを切り口にした番組を選ぶなどということが行われている。また就職雑誌に対する意見は分 かれている。 ・『就職ジャーナル』とか。『四季報』とかも参考にする(学生 I)。 ・本をよく利用する。新聞は情報が浅くて役にたたないと思う。本は特に就活のノウハウを手に入 れるのに役立つ。面接の達人、SPI、これらは本から得る。本の評判を 2 ちゃんねるなどの評判を みて購入する。ただ就職本はどの本もありきたりで、たいしたことが書かれていないとも思う。ネ ットなどで「こうしたほうがいい」なんて書いてあるとずっとインパクトがある(学生 F)。 ・ニュースへの接触量は増えたと思う。しかしネットのほうが多い(学生 S)。 ・就職雑誌はほとんど読んでいない。SPI の本や面接の本を小出しに切り売りにしている感じなの で、本を一冊買った方がよい。業界の解説本と、後はサイト(学生 K)。 対人コミュニケーションによる就職相談は、人によっても、また就職活動の進捗状況に大きく分 かれているようだ。 ・身近な人のアドバイスが役に立った。たとえば友達から向き不向きを日常会話の中で、など。活 動を通じた知り合いとの情報交換はなかった(学生 K)。 ・自己分析に人の意見をきいている。人の意見がとても重要である。普段一緒にいる友人は自分が どんな人間か分かっているので参考にする(学生 Y)。 ・ネットでは、どの会社でもすれがあるので、周囲に受けている人がいなくても、ネットを通じて 一緒に就活をやっているという感じがするが、自分の友人とは、どこを受けているとかいう話はし ない。友人とは、大学のパソコンの横で話をする程度。相談するということはなくて、本当に相談 するというのではなくて、なんとなく聞いたりすることはある。同級生の行動は参考にならない (学生 F)。 自己分析などを行う際には役に立つが、実際に企業を回る場合には同じ企業・業種でないかぎり 情報としての有用性は低いということであろう。就職活動のどのフェーズにあるかによって、必要 な情報が異なることが背景にあるとも考えられる。 3.第 1 回調査 3-1.第 1 回調査の概要 第 1 回調査の実施時期は、2006 年 11 月中旬である。この時期は、対象者が就職サイトに登録す るなど具体的な就職活動がスタートする時期にあたると考え、第 1 回調査時点と決定した。 調査対象校は、東日本地区および研究者の勤務先大学(札幌、札幌学院、小樽商科、北海道教育 39 旭川校、釧路公立、弘前、青森公立、東北生活文化、宮城学院女子、宮城、宮城教育、東北、秋田、 福島、群馬県立女、筑波、白鴎、高崎経済、都留文科、桜美林、成蹊、早稲田、明治、文京学院、 学習院、東京、明治学院、法政、青山学院、日本、東京外語、慶応、明星、武蔵、上智、一橋、東 京学芸、大東文化、中央、跡見学園、東京経済、東京女子、横浜市立、成城、同志社)、計 45 校 である。調査対象者は、各大学の(調査委託先の)調査員の個人的なネットワークにより、指定大 学の学生から各 20 名程度を抽出し、留置自記入法で実施した。 その結果、有効回収数は 738 票となった。内訳は、国立大学・公立大学に所属する者 43%、私 立大学に所属する者 57%である。回答者の所属する学部・学科は、表 4-3-1 に示すとおりである。 男性 319 名(43%)、女性 419 名(57%)、2006 年 11 月現在の年齢は、21 歳 73%、22 歳 21%、23 歳 3%、24 歳以上 2%であった。 3-2.就職活動の現況 大学卒業後の進路予定といえば、就職以外に大学院、留学、専門学校、フリーターなど多様であ る。本調査では、対象者として「就職予定のある者」にしたので、基本的には卒業後就職を前提と している。しかし、就職といっても民間企業もあれば公務員もある。さらに自営業ということもあ るだろうし、就職することしか決めていないケースもある。調査時点での進路予定(問 1)は、 「民間企業に就職(派遣・契約を含む)」65%、「公務員・教員」18%、「就職することしか決め ていない」13%、「自営業・家業を継ぐ」0.7%、「その他」3.1%であった。3 年生の 11 月中旬に おいて、8 割強はどのような進路をとるかを決めている。 表 4-3-1 回答者の所属学部・学科 所属学部・学科 人数 % 221 29.9 2. 社会・社会福祉・国際学系 67 9.1 3. 法・政治学系 83 11.2 204 27.6 63 8.5 1 0.1 7. 総合・環境・人間・情報学系 35 4.7 8. 芸術・体育学系 33 4.5 9. コミュニケーション系 15 2.1 10. その他 15 2.1 1 0.1 738 100.0 1. 文・人文・外国語系 4. 経済・経営・商学系 5. 教員養成課程・教員養成系 6. 家政・生活科学系 無回答 全体 40 45 40 38.2 35 30 26.6 25 % 20 15 12.5 12.5 10 5 4.5 3.1 0.9 0 0 1 2 3 図 4-3-1 4 5 地点 6 0.7 7 0.3 0.1 8 9 0.1 10 就職活動の現在地点 進路の基本的な方向性は決まっているものの、11 月中旬は、就職のための活動はやっとスター ト地点にたったという時期である。そこで対象者が自分の就職活動の進展度合いをどのように捕ら えているかを次のような質問で答えてもらった。「あなたの就職活動はどのような状況ですか。仮 に就職活動のスタート地点からゴールまでの距離を 10 としたら、あなたは現在どのあたりにいる でしょうか」(問 2)である。結果を図 4-3-1 に示す。 図に示すように、地点 0 すなわちまだスタート時点に立っただけという認識の者が 13%である。 スタート直後である地点 1 は 38%と、3 分の 1 以上である。ここまででちょうど 50%である。地点 2 が 27%、地点 3 が 13%と、ここまでの累計で 90%となる。これらの指標は主観的なものであるが、 第 1 回調査は、まさにスタート直後で半数がスタート地点におり、半数がスタートから一歩の地点 にいるといえるだろう。第 1 回調査時点としては、絶好な時点であったことが確かめられた。 このような地点に立つ調査対象者は、具体的にはどのような就職活動を調査時点で実施している のだろうか。就職活動は、それぞれの位置にあった活動が考えられるので、上記の主観的な活動状 況を「地点 0」「地点 1」「地点 2」「地点 3 以上」の 4 地点にわけ、就職活動の実施状況をクロ スしてみよう。結果を表 4-3-2 に示す。 同表は、回答者たちが多く実施している順に示したものである(「未実施」欄の数字は、まだ実 施ないし参加していない人の割合を示している)。実施者の多いのは、「就職支援サイト(リクナ ビなど)に登録する」と「大学主催のガイダンスに参加する」の 2 項目である。これらは 8 割以上 が参加している。ついで、「(就職活動のための)自己分析をする」であり、残りの項目は、現時 点では半数以上の人が実施していない。 41 表からよみとれることは、自分自身が地点 0 にいるか、地点 1 にいるのかの認知の差は、現実の 就職活動をどこまでやっているかと深い関係があることを示唆している。「就職支援サイトへの登 録」と「大学のガイダンスの参加」するかどうかで、地点 0 から地点 1 へ意識的に進展するのであ る。地点 1 以上の対象者では、これら 2 つの活動のいずれかをしていない者は、10%台であるのに 対して、地点 0 の回答者では 40%台と高い。 同様に地点 1 と地点 2 を区別するのは、「(就職活動のための)自己分析をする」かであり、さ らに地点 2 と地点 3 以上を区別する活動は、「企業説明会やセミナーに出席する」かである。この ように、主観的な活動地点の認知は、具体的な就職活動の実施と強い関連があることを示す結果で ある。 3-3.就職活動の進捗状況と情報 就職活動においては、「情報」が重要な意味をもつことがよく指摘される。「就職状況や業界動 向など就職に関連する情報をどこから得ているか」(問 4)、また「就職状況や業界動向など就職 に関連することがらを知るのに最も役立っていると思う情報源はどれか」(問 5)について、「最 もよく利用する」ものと「最も役立っている」ものを整理して図 4-3-2 以下に示す。 図 4-3-2 は、伝統的なマスメディアについて示したものである。利用の多いのは、「新聞」29%、 「民放のテレビニュース」26%、「就職関連の雑誌(就職ジャーナルなど)」22%である。「最も 役立つ」が多いのは、「新聞」16%、「就職関連の雑誌(就職ジャーナル」など)」11%、「民放 のテレビニュース」9%、「NHK のテレビニュース」7%、などである。文字メディアの有用性は 高い。 図 4-3-3 は、インターネット関連メディアの結果である。「就職支援サイト(リクナビなど)」 が圧倒的によく利用され(72%)、同時に有用性(61%)も高い。「就職希望先のサイト」もよく 表 4-3-2 就職活動の現在地点と就職活動の実施状況との関係 就職活動の現在地点 未実施% 0 1 2 3 以上 1. 就職支援サイト(リクナビなど)に登録する 16.3 42.0 10.8 12.2 17.0 2. 大学主催のガイダンスに参加する 19.0 42.0 16.4 14.9 15.6 3.(就職活動のための)自己分析をする 35.4 68.2 41.0 24.3 21.7 4. 企業説明会やセミナーに出席する 52.6 83.9 58.4 41.6 38.3 5. インターネットなどから資料請求をする 66.5 82.1 73.7 59.6 53.6 6. エントリーシートを提出する 76.9 89.7 84.8 70.3 64.1 7. OB・OG に会う 77.6 81.2 85.4 76.6 63.2 8. インターンシップに参加する 82.5 92.9 87.9 76.9 73.8 注:数字は、実施していない人の割合 42 0 5 10 1.NHKのテレビニュース 20 25 12.4 2.5 1.4 1.0 6.新聞のニュース 29.3 16.1 7.新聞の連載・特集記事 6.3 8.ビジネス雑誌 6.4 16.1 12.8 9.就職関連の雑誌(「就職ジャーナル」など) 21.8 10.9 10.その他の雑誌 1.8 利用する 役立つ 4.9 就職関連情報とメディア(マスメディア) 0 10 20 30 % 40 50 60 70 80 71.7 11.就職支援サイト(リクナビなど) 61.1 12.就職関連の掲示板(就職@2ch掲示板など) 5.2 2.0 13.「みんなの就職活動日記」 4.5 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 5.1 13.1 13.8 38.4 15.就職希望先のサイト 20.6 15.5 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 10.5 17.ポータルサイトのニュース 5.0 2.0 18.新聞社・放送局サイトのニュース 4.2 1.1 図 4-3-3 35 25.7 8.7 4.民放のテレビ番組 30 7.6 3.1 3.民放のテレビニュース 図 4-3-2 % 15.4 6.6 2.NHKのテレビ番組 5.ラジオのニュース 15 利用する 役立つ 就職関連情報とメディア(インターネット) 利用され(38%)、同時に有用性(21%)も高い。その他、「Yahoo!などポータルサイトの企業・ 業界情報」「みんなの就職活動日記」などもよく利用されている。伝統的なマスメディアと比べる と、利用率、有用性も高いことがわかる。なかでも就職支援サイトは利用率も有用性も断然高い。 43 就職活動にとってインターネットの重要性を示す結果である。 図 4-3-4 は、対人的なメディアである。就職活動は、人との接触の連続であると同時に人との接 触を通して情報を入手できると言われる。利用率の高さから言うと、「友人の話」50%、「大学の 主催する就職関連行事や授業」47%、「先輩、OB・OG の話」45%、「セミナーでの話」30%、で あるが、有用性という視点からは、友人は低くなり、「先輩、OB・OG の話」34%、「大学の主催 する就職関連行事や授業」24%、「友人の話」19%、の順であった。インターネットが「就職支援 サイト(リクナビなど)」に集中していたのに対し、対人的なメディアは厚みがあるようだ。 これらの情報源のうち、よく利用されているものに対してのみ、役立ち度/利用率×100 を計算 したところ、「就職支援サイト(リクナビなど)」が 85%と、圧倒的に高い。よく利用され、評 価も高いのである。つぎに「先輩、OB・OG の話」75%、「Yahoo!などポータルサイトの企業・業 界情報」68%、「セミナーでの話」58%、「新聞のニュース」55%、「就職希望先のサイト」54%、 「大学の主催する就職関連行事や授業」51%、「ビジネス雑誌」50%、「就職関連の雑誌(「就職 ジャーナル」など)」50%、であった。このようにインターネット関連情報と対人情報が上位にな らぶことになった。次に、インターネットの就職支援サイトについて詳しく結果をみてみよう。 3-4.インターネットの就職支援サイトの利用 では、就職支援サイトにどのくらいの頻度でアクセスしているのか(問 7)。図 4-3-5 に結果を 示す。「アクセスしていない」16%、「月に 1~2 回くらい」10%、「週に 1~2 日くらい」30%、 0 10 % 20 30 40 50 49.6 19.友人の話 19.3 23.2 20.家族の話 7.2 44.6 21.先輩、OB・OGの話 33.6 47.0 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.9 30.0 23.セミナーでの話 17.3 利用する 24.アルバイト先 図 4-3-4 17.6 4.2 就職関連情報とメディア(対人) 44 役立つ 60 45 40 地点0 35 地点1 30 地点2 25 地点3以上 % 20 15 10 5 図 4-3-5 日 6. 毎 い 5. 週 5~ 6日 4. 週 に 3~ 4日 くら くら い い 3. 週 に 1~ 2日 くら くら 月 に 1~ 2日 2. 1. ア ク セ ス し て い な い い 0 就職支援サイトの利用実態 「週に 3~4 日くらい」20%、「週 5~6 日くらい」10%、「毎日」15%であった。全体的にみると、 週に 1、2 日以上アクセスしている者が 3 分の 2 以上である。 先に述べた活動地点と就職支援サイトへのアクセスを分析すると、スタートしていない地点 0 グ ループのインターネット利用が断然少ないことがよみとれる。さらに、地点 3 以上の対象者の中に 「毎日利用」している者が多い。インターネットの就職支援サイトへのアクセスと活動の進展との 間に強い関連があることを示している。 インターネットの就職支援サイトには、実に多様なサービスが用意されている。就職活動中の学 生が必要とする情報を実に細かく用意している。第 1 回調査時点では、就職活動の初期段階にある と考えられるが、どのようなサービスを利用しているのか(問 6)。サービス内容の利用を因子分 析し、関連の強いもの同士をまとめて順に示したものが表 4-3-3 である。 このサイトで用意したサービスは、同表に示した 13 項目以外にもいろいろとある。これらの利 用実態から因子分析したところ、第 1 因子は、非常に広範であり、就職情報全般にわたっている。 この段階では、多様なサービスが十分に分化していないことが示唆される。手当たり次第に読んで いるという状態なのであろう。第 1 因子のサービスの利用率は 40%台から 20%台と必ずしも低く はない。第 2 因子は、「セミナーや説明会のエントリーをする」「セミナーや説明会の日程を確認 する」「資料を請求する」であり、現在の段階で、積極的に利用せざるをえない情報である。実務 的な情報のサービスであり、他のサービスに比べ 50%台と利用率が高い。第 3 因子は、他の人の 就職活動に関する書き込みに関するものである。第 3 因子は、もっとも利用率が低い。「掲示板を 見る」「他学生の活動内容(日記やレポート)を読む」であり、この時点では、他人の活動内容に 45 まで関心が言っていないのである。 就職活動は、人とのコミュニケーション活動といってもよい。対人的なコミュニケーション、そ の中には、インターネットでの発言や他人の発言を読むことも含まれる。就職活動初期の段階のコ ミュニケーションを明らかにするために、「あなたは、この 1 か月間、自分の「就職」や「就職活 動」について、どのくらい人と話したり、ネットを利用したか」(問 8)という質問を用意した。 表 4-3-3 就職サイトの各種サービスの利用状況(問 6) 利用% 第 1 因子 第 2 因子 第 3 因子 1. 先輩新入社員の日頃の仕事体験談を読む 24.0 0.69 0.14 0.03 2. 採用方針に関する情報を確認する 33.6 0.69 0.23 -0.16 3. 人事担当の話を読む 28.0 0.66 0.16 0.00 4. 就職活動の進め方に関する情報を見る 28.0 0.53 0.09 0.24 5. 業務内容に関する情報を確認する 45.1 0.51 0.41 -0.28 6. 業界情報・業界レポートを見る 26.6 0.47 -0.06 0.22 7. 先輩の就職体験談を読む 23.2 0.44 -0.05 0.38 8. エントリーシートや履歴書の書き方を見る 15.3 0.40 0.07 0.29 9. セミナーや説明会のエントリーをする 51.5 0.14 0.78 -0.04 10. セミナーや説明会の日程を確認する 54.3 0.13 0.73 -0.03 11.資料を請求する 23.4 0.04 0.50 0.30 12.掲示板を見る 9.9 -0.08 0.06 0.71 13.他学生の活動内容(日記やレポート)を読む 6.6 0.21 0.00 0.62 注:主因子法、バリマックス回転解 表 4-3-4 この 1 か月間の就職に関する会話の相手(%) 就職活動の現在地点 3 以上 全体 問9 73.5 75.5 72.1 85.1 39.1 52.3 50.6 43.8 39.4 11.1 6.5 15.9 27.0 14.2 19.6 4. ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ 13.3 21.6 24.2 35.4 24.4 15.5 5. ネットの掲示板で就職に関することを書いた 3.3 4.3 4.6 14.6 6.6 1.4 14.3 24.0 25.5 30.5 24.7 11.3 6.6 10.1 9.2 24.4 12.6 2.9 0 1 2 1. 友人や先輩と就職に関する話をした 58.7 73.6 2. 家族と就職に関する話をした 27.5 3. 大学の教職員と就職に関する話をした 6. ブログや日記で就職に関する発言を読んだ 7. ブログや日記で就職に関すること書いた 注:数字は、「よくした」と「ときどきした」の合計 46 結果を表 4-3-4 に示す。最初に全体の結果について述べる。「友人や先輩と就職に関する話をし た 」 は 72%が 「 よ く した 」 「 と き ど きし た 」 と回 答 す る 。 「 家族 と 就 職に 関 す る 話 を した 」 (44%)も多い。「大学の教職員」(14%)と必ずしも高くない。一方、ネットの掲示板で就職に 関する発言を読むとかブログや日記で読んだ者は、いずれも 4 分の 1 であった。同時にそれらに書 き込みをしたという者は、掲示板で 7%、ブログなどで 13%であった。 いずれも、対象者が就職活動のどの活動地点にいるかと「就職に関する話」の割合とは深い関係 にあるといえる。活動が進展するにしたがって、就職に関する話題が上昇することが確かめられる。 上記 7 項目のうち、「やってよかったと思うのはどれか」(問 9)という質問に対して「やっ てよかった」と評価された割合を同表の「問 9」欄に示す。「友人や先輩」、「家族」とのコミュ ニケーションが特に高い。インターネットについても「やってよかった」という評価をする者も一 定の割合でいる。表には示していないが、活動地点との関連は、進捗すればするほど評価する者が 増える。 次に、就職活動をめぐって就職活動中の人々がインターネットの掲示板などに書いている活動内 容(日記やレポート)がどのように評価されているのか(問 10)を分析する。因子分析結果をも とに説明する(表 4-3-5)。 同表に示すように、第 1 因子はインターネットの書き込みや情報に対して肯定的な評価からなっ ている。「事実が書かれることもある」「自分と同じような人がいることがわかり安心する」「他 の学生の本音がわかる」「他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い」などであり、これらを通 していえることは、他の学生の考え方がわかるということだろう。平均値は、中間点が 3 点であり、 点数が高いほど「あてはまる」と答えた者が多いことを示す。第 1 因子は「あてはまる」と感じる 学生が多いのである。第 2 因子は「読み手を混乱させる意図で書く人が多い」「読み手の反応を楽 しみながら書く人が多い」「大半の内容は信用できない」など、否定的な見方から構成されている。 表 4-3-5 就職活動に関するインターネット上の発言の評価(5 件法) 平均値 第 1 因子 第 2 因子 第 3 因子 1. 事実が書かれることもある 3.62 0.74 0.19 -0.04 2. 自分と同じような人がいることがわかり安心する 3.51 0.72 0.03 0.25 3. 他の学生の本音がわかる 3.46 0.72 -0.04 0.32 4. 他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い 3.24 0.62 -0.04 0.24 5. 希望する就職先に関する悪い記述がないか気になる 3.15 0.58 0.24 -0.04 6. 読み手を混乱させる意図で書く人が多い 2.70 -0.05 0.81 0.05 7. 読み手の反応を楽しみながら書く人が多い 3.07 0.22 0.76 0.02 8. 大半の内容は信用できない 2.81 0.08 0.67 -0.02 9. ときどき自分の就活体験や悩みを書きたいと思う 2.48 0.11 0.06 0.86 10. 書き込むことで有意義な情報が得られると思う 2.68 0.24 -0.01 0.84 47 第 3 因子はインターネットで発言することの効用である。「ときどき自分の就活体験や悩みを書 きたいと思う」「書き込むことで有意義な情報が得られると思う」から構成されている。しかし、 平均値はもっとも低い。 これらの因子への反応と、就職の進捗状況とは、第 1 因子のみ有意な関係がみられた(F=5.193, p<.01)。それは、就職段階の進展している学生ほど、インターネットの情報に対して肯定的であ ることである。 3-5.就職に対する態度 調査対象者が「就職についてどのような考え方を持っているかどうか」(問 11)は、就職活動 をどのように進めるかに強い影響を持つ。多様な就職についての考え方について、どの程度あては まるのかを対象者に質問した。質問項目と因子分析結果が表 4-3-6 に示されている。第 1 因子は、 「自分にとって職業選択は重要な問題である」「人生において職業選択は重大な分岐点である」 「職業の選択は自分の責任が重い選択である」「自分の就きたい仕事に就くことを優先したい」の 4 項目であり、就職は重要であり、責任のある選択をすべきであるという明確な進路意識を持って いることを示す。平均値が示すように、「非常にあてはまる」(5 点)と「あてはまる」(4 点) のあいだであり、とても高い肯定率である。他方、第 2 因子は「当分の間は職業決定するのを避け たい」「なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい」「職業を決定するにはもう少し時間がほ しい」などであり、現時点ではまだ積極的に就職に取り組みたくないというものである。いわゆる 「モラトリアム」な状態である。平均値は低いので、このように考える対象者は少ない。 活動地点、すなわち就職の進捗状況と第 1 因子とは関係がない。しかし、第 2 因子は、統計的に 有意な差がみられ(F=8.52, p<.001)、活動地点が進んでいる者はこの得点が低い。逆に現在、地 点 0 にいる対象者は「モラトリアム」な状態にいることを示している。 厚生労働省の「雇用管理調査」2004 年版によると、新規大卒・大学院の採用の際の重視項目は、 「熱意・意欲」64%、「コミュニケーション能力」35%、「一般常識・教養」32%、であるという。 採用において企業が期待することを正確に認知することは、どのような「社会的な現実」を作り上 表 4-3-6 就職についての考え方(5 件法) 平均値 第 1 因子 第 2 因子 1. 自分にとって職業選択は重要な問題である 4.46 0.86 -0.05 2. 人生において職業選択は重大な分岐点である 4.37 0.85 0.01 3. 職業の選択は自分の責任が重い選択である 4.25 0.75 0.13 4. 自分の就きたい仕事に就くことを優先したい 4.18 0.59 -0.01 5. 当分の間は職業決定するのを避けたい 2.60 -0.06 0.90 6. なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい 2.97 -0.04 0.89 7. 職業を決定するにはもう少し時間がほしい 3.55 0.15 0.79 48 % 0 10 20 30 40 50 44.4 2.熱意・意欲 3.行動力・実行力 29.9 4.協調性・バランス感覚 15.4 5.一般常識・教養 15.0 6.理解力・判断力 14.6 13.0 7.創造性・企画力 8.専門的知識・技能 7.5 9.健康・体力 11.学業成績 70 59.1 1.コミュニケーション能力 10.語学力・国際感覚 60 4.7 2.6 1.4 図 4-3-6 企業が重視する新卒者の条件 げるのかという意味で非常に重要なことである。本調査では、「企業は一般に、新規大卒者のどん な条件を重視していると思うか」(問 12)を調査した。 図 4-3-6 に示すように、もっとも多かったのは「コミュニケーション能力」の 59%であり、「熱 意・意欲」44%、「行動力・実行力」30%であった。上位 2 つについては、正確な認知をしている といえるが、「一般常識・教養」についてはズレがみられる。企業が重視する 3 項目について、活 動地点との関係を分析すると、「コミュニケーション能力」については、就職活動が進んでいる者 ほど選択率が高かった。また「熱意・意欲」についても同様の傾向がみられた。活動地点が進んで いる者ほど、企業の重視する条件を正確に認知していた。 今年度の求人倍率(学生一人に対する求人件数)の推測では、図 4-3-7 に示すとおり、1.1~1.5 倍が最も多い。0.5~0.9 倍 21%、1 倍 16%と、1 倍以下が 38%を占める。リクルートワークス研究 所のデータによると、2007 年度の求人倍率は、1.89 倍とバブル期につぐ高いものと発表している。 正解は 1.7~2.0 倍であり、15%であった。活動地点との関係では有意ではないが、就職活動の進展 している学生の方が正確な認知をするという傾向は見られた。 次に 2007 年 3 月卒業者の 10 月時点の就職内定率の推測を図 4-3-8 に示す。きれいな正規分布を 示しており、60%から 70%程度と推測している。朝日新聞 2006 年 11 月 11 日の朝刊によると、10 月 1 日時点で 68%と報道している。新聞などの効果なのか、非常に正確な認知をしていることが わかる。活動地点との関係では、地点 0 の学生が極端に低く推定しているが、その他のグループ では差がみられなかった。 就職活動をする上で、「新規大卒の雇用状況」「卒業生の就職先」「求人動向」などの就職状況 49 50 44.2 45 40 35 30 % 25 21.0 20 16.0 14.5 15 10 5 1.8 0.9 0.7 0 0.1~0.4 0.5~0.9 1.0 図 4-3-7 1.1~1.5 1.6 1.7~2.0 2.1以上 今年度の求人倍率の推測 30 26.2 25 20 19.2 19.2 % 15 10 5 9.9 6.1 5.3 4.5 2.8 3.4 1.9 0 ~10 ~20 ~30 図 4-3-8 ~40 ~50 ~60 ~70 ~80 ~90 91%以上 2007 年度就職者の内定率の推測 を正確に認知することはとても重要な意味をもつだろう。それと同時に正確な自己認知、「自分の 性格や興味」「職業適性」「自己の長所・短所」の認知もまた重要であることが指摘されている。 就職活動の準備として「自己分析」を繰り返すことで的確な自己理解が進むといわれている。問 3 50 において「自己分析」について質問しているが、現時点で未経験の対象者が 36%程度いる。問 15 では、「自己理解」についての自信度と「社会的な認知」についての自信度を測定した。各 3 項目 であったが、それぞれ一次元であるので因子得点で比較する。就職活動の到達地点と社会的認知と 自己認知の自信度との関係を図 4-3-9 に示す。自己理解にしろ、社会的な認知にしろ、ステージが 進展するほどに劇的に自信度が高まることがわかる。特に就職状況の認知という社会認知はその傾 向が強い。 日本では、「就職」ではなく「就社」であると長年いわれつづけてきた。しかし、終身雇用体制 の崩壊や、転職を前提とした就職、キャリア形成を目的とした就職、さらには趣味を生かすための 就職など、若年者の就職の目的は多様化してきたといわれる。本研究では、安達(1998)の研究を もとにして、キャリア形成欲求を測定した。表 4-3-7 はそれらを因子分析した結果を示したもので ある。 第 1 因子は「人より優れた仕事をすることが重要だ」「昇格や昇進の機会がある仕事を得ること は重要だ」「地位や名誉をもたらす職業に就きたい」で構成され、ジェネラリストとしての昇進・ 昇格を重視するタイプである。就職した企業内でのキャリア形成を目的とする。しかし、これを肯 定する対象者は少ない。第 2 因子は「仕事に生かせることなら何でも学ぶつもりだ」「将来仕事で 活用できる知識や技術を身につけたい」「仕事で成功するためには決して努力を惜しまない」など から構成され、身に技術をつけるというタイプである。会社につとめることよりも、職業能力を身 につけることでキャリア形成を志向するタイプである。これを志向する対象者は多い。第 3 因子は、 「職場では一生つき合える友人を作りたい」「周囲の人々とコミュニケーションしながら仕事を進 0.4 0.3 0.2 0.1 % 0 1 2 3 4 -0.1 社会認知 -0.2 自己理解 -0.3 図 4-3-9 就職活動と自己理解・社会認知 51 めたい」「職場では周りの人々との調和が何よりも大切だ」などであり、対人関係志向である。人 との関係を企業内で形成しようとするタイプである。これを志向する対象者はもっとも多い。キャ リア形成動機として 3 タイプの存在が確かめられた。 就職活動には、さまざまなストレスがかかる。本研究の目的のひとつは、これのストレスを解消 する手段としてインターネットを考えている。就職活動は、達成目標にむけての行動であり、不確 定な要素が自己のうちにも、環境の側にも存在する。ほとんどが手探り状況で活動を開始する。 「就職活動のやり方」「情報収集の仕方」「信用すべき情報」「内定がもらえるのかという不安」 「大学の評価、専攻の評価、あるいは就職希望先の評価」、さらには自分の就職活動の評価など 表 4-3-7 キャリア形成欲求に関する因子分析(5 件法) 平均値 第 1 因子 第 2 因子 第 3 因子 1. 人より優れた仕事をすることが重要だ 2.98 0.85 0.11 -0.02 2. 昇格や昇進の機会がある仕事を得ることは重要だ 3.36 0.82 0.09 0.14 3. 地位や名誉をもたらす職業に就きたい 3.04 0.80 0.20 0.02 4. 仕事に生かせることなら何でも学ぶつもりだ 3.90 0.08 0.85 0.18 5. 将来仕事で活用できる知識や技術を身につけたい 4.19 0.10 0.82 0.22 6. 仕事で成功するためには決して努力を惜しまない 3.83 0.30 0.75 0.19 7. 職場では一生つき合える友人を作りたい 3.89 0.10 0.11 0.80 8. 周囲の人々とコミュニケーションしながら仕事を進めたい 4.32 0.01 0.25 0.80 9. 職場では周りの人々との調和が何よりも大切だ 4.14 0.02 0.19 0.77 表 4-3-8 就職活動における気がかりな事柄 割合 第 1 因子 第 2 因子 1. 内定が本当にもらえるか 78.9 0.40 0.53 2. 自分に向いた仕事に就けるかわからない 73.9 0.45 0.46 3. 就職活動が人より遅れているかもしれない 64.5 0.71 0.27 4. どの情報を信用すればいいのかわからない 58.6 0.67 0.15 5. 就職活動のやり方がわからない 56.7 0.82 0.03 6. 自分の就職希望先に対する評価 55.6 0.09 0.79 7. 情報収集のやり方がわからない 52.5 0.78 0.03 8. 自分の所属大学に対する評価 51.6 0.16 0.82 9. 人にくらべ就職意識が低い 45.1 0.68 0.04 44.5 0.13 0.82 10. 自分の専攻に対する評価 注:割合の数字は「非常に気になる」と「気になる」の合計。主成分分析、クォーティ マックス回転解 52 「就職活動についてきがかりなこと」(問 17)が実に多いのである。就職活動において気がかり な事柄を因子分析した結果を表 4-3-8 に示す。 「内定が本当にもらえるか」「自分に向いた仕事に就けるかわからない」「就職活動が人より遅 れているかもしれない」が 3 分の 2 以上の対象者が感じている不安である。最後の 2 項目を除いて、 いずれも 50%以上の対象者が不安を感じていることがいえるだろう。因子分析の結果からいうと、 第 1 因子は、「就職活動のやり方がわからない」「情報収集のやり方がわからない」「就職活動が 人より遅れているかもしれない」「人にくらべ就職意識が低い」「どの情報を信用すればいいのか わからない」という就職活動に対する気がかりな点である。第 2 因子は、「自分の所属大学に対す る評価」「自分の専攻に対する評価」「自分の就職希望先に対する評価」など大学、専攻、さらに は就職先というものをどのように評価してよいのかという不安がある。「内定が本当にもらえる か」「自分に向いた仕事に就けるかわからない」という不安は非常に高く、両方の因子とも関連が ある。現時点では、これらの不安は必ずしも明確に分化していないのかもしれない。 就職活動の地点との関係は、第 1 因子と強い関連を示している(F=23.2, p<.001)。進展するに つれ急速に減少することが確かめられている。 3-7.インターネット利用の評価 就職活動においては、インターネットの利用はいまや不可欠の存在である。しかし、インターネ ットの利用は、便利な半面インターネット中毒や、情報の氾濫といったネガティブな事態をも引き 起こす。ここでは就職活動での利用を通してインターネットをどのように感じているかを分析する。 因子分析結果と各項目に対して「非常にあてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と答えた 人の割合と因子負荷量を表 4-3-9 に示す。第 1 因子は、「ネット利用は生活の大切な一部になって いる」59%、「インターネットを利用するのは楽しい」70%、「何か知りたいことがあると、すぐ ネットで調べる」75%、「インターネットが使えなくなったら寂しく感じる」66%、「ネットは世 間一般の考え方や意見を知る場である」47%、「インターネットは情報を得る手段である」84%、 の項目から構成されている。いずれの項目に対しても「あてはまる」者の割合は非常に高く、イン ターネットが生活の中で不可欠なものになっていることをうかがわせる。ネットは、情報検索の手 段であると同時に楽しみでもあり、世間の人々の考え方を知る手段でもある。このように第 1 因子 は、インターネットを積極的に使う傾向を示していると考えられる。しかし、その一方では、第 2 因子として、「インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う」40%、「本当に知りたい情報 はネット上にない」27%、「インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う」67%、「ネット上の 情報は基本的に信頼できない」18%、などから構成されており、インターネットのネガティブな側 面を感じている。情報過多を感じる者、矛盾する情報に迷うとする者は一定の割合で存在する。し かし、信頼できないとか情報がないと感じている人は少数である。第 3 因子は、「ネット上は欲求 不満を解消する場である」19%、「ネットは人とコミュニケーションする場である」24%、から構 成されている。この因子でマイナスの負荷量を持つものとして「インターネットは情報を得る手段 53 表 4-3-9 インターネットに対する意識と行動 割合 第 1 因子 第 2 因子 第 3 因子 1. ネット利用は生活の大切な一部になっている 59.1 0.77 -0.01 0.24 2. インターネットを利用するのは楽しい 70.4 0.75 -0.04 0.12 3. 何か知りたいことがあると、すぐネットで調べる 75.0 0.74 0.04 -0.06 4. インターネットが使えなくなったら寂しく感じる 65.7 0.74 0.10 0.03 5. ネットは世間一般の考え方や意見を知る場である 46.6 0.54 -0.04 0.16 6. インターネットは情報を得る手段である 84.2 0.52 0.14 -0.53 7. インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う 40.1 0.13 0.77 0.02 8. 本当に知りたい情報はネット上にない 27.0 -0.11 0.70 0.06 9. インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う 67.3 0.17 0.69 -0.31 10. ネット上の情報は基本的に信頼できない 17.5 -0.11 0.58 0.36 11. ネット上は欲求不満を解消する場である 18.5 0.21 0.12 0.71 12,ネットは人とコミュニケーションする場である 24.0 0.34 -0.01 0.63 注:割合は「非常にあてはまる」「あてはまる」の合計 である」があり、情報ではないもの楽しみとかコミュニケーションの次元を示すものと考えられる。 しかし、そのように感じる人は少ない。 3-8.メディア接触実態 最後に、ふだんの情報接触の実態(問 19)を示そう。図 4-3-10 は、ニュースを伝達するメディ アとの接触実態を図示したものである。 接触の多いものからいうと、「テレビニュース」「Yahoo! などのポータルサイトのニュース」 「新聞」「週刊誌・月刊誌」「新聞社などのニュースサイト」の順である。Yahoo! などのポータ ルサイトのニュース利用は、新聞とほとんど変わらなくなっていることは注目に値するだろう。 Yahoo! な ど の ポー タルサ イトの なか では、 「 Yahoo! Japan」 が 85%を 占め ていた 。 第 2 位 は Google の 8%であった。 次に図 4-3-11 は、インターネットの中のさまざまなサービスの利用実態である。「個人のブロ グや日記を読む」は 7 割弱を占めている。また「個人のブログや日記を書く」者も 5 割をこえてい る。ミクシィなどの SNS などの普及がこれらの利用が高くなった原因であろう。また「インター ネットの口コミサイト読む」も 4 割と口コミサイトの利用も進んでいることを示している。しかし、 その一方で、マスコミで取り上げられることの多い「2 ちゃんねるなどの掲示板を読む」は 25%程 度と予想以上に少ない。実際に発言する・書き込むというのは、「インターネットの口コミサイト に書く」「2 ちゃんねるなどの掲示板に書く」のいずれも 5%以下と少ない。 このように情報行動の中でインターネットの利用が急激に進んでいるわけだが、「ふだんの情報 54 0% 10% 20% 30% テレビニュース 3.42.7 12.7 Yahoo!などのポータルサイトのニュース 25.3 新聞 25.5 週刊誌・月刊誌 50% 60% 70% 80% 12.2 18.2 15.7 20.1 18.0 32.3 24.2 20.9 19.8 35.1 18.3 64.1 18.9 12.5 27.7 みない 90% 100% 52.7 28.6 新聞社などのニュースサイト テレビ視聴時間* 40% 24.0 月に1-2回 週1-2日 11.5 2.7 9.4 8.3 5.7 19.6 週3-4日 9.8 週5日- 注:*テレビ視聴時間の選択肢は、「1 時間未満」「1 時間以上」「2 時間以上」「3 時間以上」「4 時間以 上」となっている。 図 4-3-10 0% 10% 個人のブログや日記を読む 個人のブログや日記を書く ニュースとの接触実態 20% 30% 32.2 40% 10.9 60% 15.1 49.0 インターネットの口コミサイト読む 70% 80% 60.2 90% 16.4 24.3 74.4 2チャンネルなどの掲示板に書く 15.4 月に1-2回 週1-2日 インターネットの利用実態 55 5.4 4.92.33.0 4.51.0 1.0 0.0 96.3 しない 8.5 10.7 3.41.4 93.5 インターネットの口コミサイトに書く 100% 29.2 12.8 20.6 2チャンネルなどの掲示板読む 図 4-3-11 50% 2.0 0.8 0.5 0.5 週3-4日 週5日- 0 10 20 30 % 40 50 44.9 1.新聞 2.週刊誌・月刊誌 10.9 70 63.4 65.7 4.テレビ番組 25.8 5.ポータルサイトのニュース 80 17.1 3.テレビニュース 19.4 73.4 47.1 28.9 6.7 7.7 6.新聞社・放送局サイトのニュース 7.2ちゃんねるなど掲示板 60 1.8 5.1 8.個人のブログや日記 4.6 9.口コミサイト 4.7 3.2 図 4-3-12 16.3 よく利用 信頼 ふだんの情報源と信頼度 源」としてどのようなメディアが使われており(問 20)、どのようなメディアが信頼されている のか(問 21)について述べる。結果を図 4-3-12 に示す。 「テレビニュース」はよく利用されると同時に信頼されている。ふだんの生活の中でテレビニュ ースの重要度は変化していない。ついで新聞は、利用する者が減少しているにもかかわらず、信頼 度は高い。おもしろいことに「テレビ番組」は「新聞」以上に情報源としてよく利用されている。 各種の情報番組への接触が多いのであろう。しかし、信頼度は必ずしも高くはない。このように利 用の割合からいうならば、一般的な情報源としては、既存のマスメディアの利用がインターネット を圧しているというのが現状であろう。 「Yahoo!などのポータルサイトのニュース」は、ふだんの情報源としては、前問の結果と異なる が、かならずしも利用は高くない。また強く信頼されているわけでもない。インターネットの「個 人のブログや日記」「口コミサイト」「2 ちゃんねるなど掲示板」などは利用も信頼度も低い。た だし、調査方法として多数の選択肢の中から 3 つを選ばせる方法であったので、このような差がう まれたとも考えられる。ふだんの生活の中での情報源という意味ではテレビメディアはまだまだ強 力であるのかもしれない。 4.第 2 回調査 4-1.第 2 回調査の概要 第 2 回調査は、2007 年 3 月中旬に実施された。なお当初の回答期限内における回収率が、前回 56 回答者の半数を下回ったため、4 月中旬まで実施期限が延期され、最終的な回答者は 448 名となっ た(回答率は 60.7%)。3 月から 4 月にかけての時期は面接が本格化し、早い学生だと内定が出始 める時期に当たる。調査は郵送によって実施された。内訳は男性 162 名(36%)、女性 286 名 (64%)となり、女性の占める割合が前回より高い。回答者の希望就職先(問 1)は多い順に、 「民間企業(派遣・契約を含む)」305 名、「公務員・教員」80 名、「就職することしか決めてい ない」42 名、「自営業・家業」3 名、「その他」12 名となっていて、7 割の回答者が民間企業への 就職を希望している。 以下の分析では、第 2 回調査の回答を中心に、第 1 回調査の結果にも言及しつつ見ていく。なお、 必要に応じて、第 1 回調査の回答から第 2 回調査で回答した人だけの分を抽出した結果を「第 1 回 (第 2 回回答者)」として扱う。 4-2. 就職活動の現況 就職活動の進展について、スタート地点を 0、ゴールを 10 とする直線(11 件法)で回答を求め た ( 問 2 ) 。 そ の 結 果 、 地 点 3 か ら 地 点 5 が ピ ー ク と な っ て い た ( 図 4-4-1 、 平 均 4.16 (SD=2.126)、第 1 回は平均 1.78 (SD=1.442))。前年の 11 月時点に比べ、分散が 1.442 から 2.126 と大きくなっており、就職活動の進展にしたがって個人間のばらつきが拡大している(F(733, 445)=2.174, p<.001)。 第 1 回の結果と比べて、時間的には 5 ヶ月程度経過しており、3 地点から 5 地点に到達している 50 第1回(2006年11月) 第1回(第2回回答者) 第2回(2007年3-4月) 40 30 % 20.8 20 16.7 14.7 13.2 12.5 10 6.9 5.8 2.7 2.5 2.0 1.8 0 0 1 2 3 図 4-4-1 4 5 地点 6 7 就職活動の主観的進捗状況 57 8 9 10 と感じるものが半数をしめる。以下の分析においては、主観的進捗の得点が 0、1、2 地点のものを A グループとする。全体の 22%をしめる。3、4、5 地点のものを B グループとする。ほぼ半数の 52.55%、6 地点以上のものを C グループとした。全体の 4 分の 1、25.6%であった。以下の分析で はこの 3 分類を基準として用いる。A グループは就職活動がやや遅れていると感じているグループ であり、B グループは標準的な進捗状況の中間グループである。C グループは全行程の半分を乗り 越えたと感じている先行グループである。 では、これまでにどのような就職活動を行ってきたのか。結果を表 4-4-1 に示す。第 1 回調査と 比べると、いずれの項目も前回より実施していないものの割合(未実施率)は減少している。その なかでも大きく変化したものは、「エントリーシートを提出する」(-51.6%)、「企業説明会や セミナーに出席する」(-37.2%)などであり、「インターネットなどから資料請求をする」(- 22.1%)、「(就職活動のための)自己分析をする」(-17.1%)など、この時期に、本格的に就 職活動がスタートしたことを示す。第 1 回では調査していないが、「筆記試験」を第 2 回調査時点 で受けたものは全体の 62.3%であり、平均受験社数は 4.0 社、また「面接試験」を受けたものは 55.7%であり、平均 3.8 社である。すでに内定がでているものも 8.8%とほぼ 1 割であり、平均 1.5 社から内定が出ている。 就職の主観的進捗状況とは顕著な関係があり、A、B、C の 3 群で 3 項目を除いて、すべて統計 的に有意な差がみられた。当然ではあるが主観的進捗状況の進んでいる C 群がすべてに高く、つ いで B 群、そして A 群は極端に低くなっていることが読み取れる。 表 4-4-1 進展状況別の就職活動の現況 1 回目 2 回目 未実施% 未実施% (a)インターンシップに参加する 82.5 79.8 1.7 (b)大学主催のガイダンスに参加する 19.0 12.3 (c)(就職活動のための)自己分析をする 35.4 (d)就職支援サイト(リクナビなど)に登録する 平均値 A B C 社 1.1 1.8 1.8 ns. 4.8 回 3.9 5.5 4.1 ** 18.3 4.7 回 2.1 5.0 5.5 * 16.3 10.5 5.0 件 2.8 5.3 6.0 † (e)エントリーシートを提出する 76.9 25.3 8.0 件 4.8 8.2 9.0 ** (f)インターネットなどから資料請求をする 66.5 44.4 10.0 社 7.6 10.5 10.4 ns. (g)企業説明会やセミナーに出席する 52.6 15.4 12.8 社 6.6 12.7 16.4 ** (h)OB・OG に会う 77.6 63.8 4.0 人 3.8 3.8 4.5 ns. (i)筆記試験を受けた - 37.7 4.0 社 2.3 3.7 5.1 ** (j)面接試験を受けた - 44.3 3.8 社 2.9 2.9 5.2 ** (k)内(内)定をもらった - 91.2 1.5 社 0.0 1.3 1.6 ** 注:**は ABC 群間に 1%水準で統計的な差があることを、*は 5%水準、†は 10%水準、ns.は有意な差がなか ったことをそれぞれ示す 58 4-3.就職活動の進捗状況と情報 就職状況や業界動向に関する各種の就職関連情報の有効性について、第 1 回の結果と比較して結 果をみよう。多様な情報を「マスメディアによる情報」「インターネットによる情報」そして「対 人的なメディアによる情報」に分類し、「現時点でもっとも役立っていると思う情報を 3 つ以内」 で選択してもらった。結果を表 4-4-2 に示す。この表より、まずいえることは、マスメディア関連 情報の中に 20%をこえるものは「新聞のニュース(第 2 回)」のみである。就職情報と限定した ときに、マスメディアの流す情報がいかに無力であるか如実にしめす結果である。マスメディアに 表 4-4-2 就職状況や業界動向に関する情報の評価 第1回 第2回 1.NHK のテレビニュース 6.6 8.5 2.NHK のテレビ番組 3.1 2.7 3.民放のテレビニュース 8.7 13.8 4.民放のテレビ番組 2.5 4.0 5.ラジオのニュース 1.0 1.6 16.1 24.8 7.新聞の連載・特集記事 6.3 10.0 8.ビジネス雑誌 6.4 7.6 10.9 14.3 1.8 1.3 61.1 55.1 12.就職関連の掲示板(就職@2ch 掲示板など) 2.0 2.5 13.「みんなの就職活動日記」 4.5 17.4 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 5.1 7.4 15.就職希望先のサイト 20.6 29.9 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 10.5 5.8 17.ポータルサイトのニュース 2.0 3.1 18.新聞社・放送局サイトのニュース 1.1 1.3 19.友人の話 19.3 32.6 20.家族の話 7.2 11.2 21.先輩、OB・OG の話 33.6 30.1 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.9 16.1 23.セミナーでの話 17.3 29.9 4.2 4.0 6.新聞のニュース 9.就職関連の雑誌(「就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 24.アルバイト先 注:数字は%を示す 59 関しては、第 1 回に比べて第 2 回の方がわずかではあるが選択率は高くなっているが、就職活動が 進展してもマスメディアから得られる情報は就職活動に役立っていないことが明らかになった。 つぎにいえることは、インターネットによる情報が、就職活動にとって有益であるとするものが 多いということである。とりわけ「就職支援サイト(リクナビなど)」は半数以上の対象者が選択 している。すべての情報源の中でもっとも高い。また「就職希望先のサイト」は第 2 回で 30%で あるし、「みんなの就職活動日記」も 17%と高い。しかし第 1 回よりも第 2 回で増加しているわ けではない。 対人的なメディアによる情報、すなわち対面的な状況でえられる情報はいずれも 10%から 30% と高い。「友人の話」「先輩、OB・OG の話」「セミナーでの話」は、いずれも 30%と高い。就 職に関する情報が、「対面的」であることが重要なのか、あるいはパーソナルであるからこそ伝え られる情報なのか。もう少しパーソナルコミュニケーションにしぼって検討してみよう。 表 4-4-3 は、「この 1 か月間の就職に関する会話の相手」についての結果である。就職活動は、 他者との出会いであり、他者を通して情報を入手することが多い。第 1 回目と比較して第 2 回目で は他者とのコミュニケーションがどのように変化したのか。「この 1 か月間、自分の「就職」や表 「就職活動」について、どのくらい人と話したり、ネットを利用しましたか」(問 4)という質問 の結果と、「その中でやってよかった」(問 5)と答えたものの結果を示す。 まず利用頻度については、第 1 回と第 2 回では、「友人や先輩と就職に関する話をした」が減少 しているのが目立つ。また家族に関してもやや減少する。「(c)就職活動中に知り合った学生と就 職に関する話をした」は、前回は聞いていないが、4 人に 1 人は利用している。その他の項目につ いては、就職活動の進展にかかわらず、利用の頻度は増加しているわけではなく、かえって身近な 友人や先輩との会話の機会は減少していることが指摘できる。 しかし「やってよかった」ものに関しては全体として増加傾向にあることがいえる。「友人や先 表 4-4-3 この 1 ヶ月間の就職に関する会話の相手 よく利用したもの 1 役に立ったもの 2 第1回 第2回 第1回 (a)友人や先輩と就職に関する話をした 72.1 50.1 85.1 = 88.0 (b)家族と就職に関する話をした 43.8 39.2 39.4 < 48.9 25.5 - - (c)就職活動中に知り合った学生との話 第2回 31.7 (d)大学の教職員と就職に関する話をした 14.2 14.4 19.6 = 17.9 (e)ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ 24.4 26.6 15.5 < 28.1 (f)ネットの掲示板で就職に関することを書いた 6.6 5.4 1.4 24.7 24.9 11.3 < 17.2 12.6 13.4 2.9 < 6.1 (g)ブログや日記で就職に関する発言を読んだ (h)ブログや日記で就職に関すること書いた 1 注: 数字は「よくした」「ときどきした」の合計、 60 2 「やってよかった」の割合 = 0.5 輩」も利用頻度は減少するものの、「やってよかった」は第 1 回同様とても高い。「家族」につい ても同様である。きわだった特徴は、「就職活動中に知り合った学生」との会話が「役に立った」 というものが高いこと、「ネットの掲示板」、「ブログや日記」についても効用があるという点で ある。しかし全体の 2 割強と必ずしも高くない。また自らが「書き込む」ことの効用はいずれも低 い。 4-4.インターネットの就職支援サイトの利用 第 1 回調査の結果でも述べたように、就職活動にインターネットは不可欠なものである。その中 でも、就職に特化したサイトとして「就職支援サイト」がある。就職支援サイトに就職活動中の学 生は、どのくらいの頻度でアクセスしているのか。第 1 回時点では、「週に 1~2 回くらい」が 30%であったが、第 2 回時点では「毎日アクセス」するものが 40%を超えている。第 2 回調査の結 果を進捗状況別に集計したものを図 4-4-2 に示す。第 2 回時点でも、進捗度が低い A 群は「アクセ スしない」「月に 1~2 回」が多くみられ、しばしばアクセスするものは少ない。他方、B 群と C 群には差が見られず、「毎日アクセス」するものが、ほぼ半数に達していることがわかる。就職支 援サイトは、就職活動のごく初期から必要とされ、しかも毎日の就職活動にとって必須なものにな っていることを図は示している。 就職支援サイトには、異なった特徴をもつものがいくつもある。問 19 と問 20 で、「登録してい るサイト」と「役立っているサイト」を質問した。結果を表 4-4-4 に示す。登録数、役立ち度とも に「リクナビ」が高い。ついで「毎日就職ナビ」「日経ナビ」「[en] 学生の就職情報」「みんな の就職活動日記」とつづく。役立ち度は、ほぼ登録者の割合に対応しているが、中でも「リクナ 60.0 A 50.0 B C 40.0 30.0 20.0 10.0 0.0 1アクセスしない 2月に1~2日 図 4-4-2 3週に1~2日 4週に3~4日 5週5~6日 進捗度別にみた「就職支援サイト」の利用状況 61 6毎日 表 4-4-4 登録している就職支援サイトと役立っているサイト サイト名 登録している 役立っている リクナビ 85.0 76.1 毎日就職ナビ 69.6 47.8 日経ナビ 58.0 21.4 [en] 学生の就職情報 39.3 10.3 みんなの就職活動日記 29.2 21.4 学情ナビ 19.6 2.9 就活ナビ 17.6 5.6 文化放送就職ナビ 10.0 1.1 4.5 2.0 11.6 15.2 その他 なし 注:数字は% 表 4-4-5 就職支援サイトの各種サービスの利用状況 進捗度別 第1回 第2回 1. セミナーや説明会のエントリーをする 51.5 2. セミナーや説明会の日程を確認する A B C 82.5 59.5 86.8 91.0 54.3 82.5 69.0 86.8 83.8 3. 業務内容に関する情報を確認する 45.1 70.9 59.5 72.8 75.7 4. 採用方針に関する情報を確認する 33.6 66.7 47.6 71.1 72.1 5. 人事担当の話を読む 28.0 46.3 26.2 51.3 51.4 6. 先輩新入社員の日頃の仕事体験談を読む 24.0 44.4 29.8 50.0 44.1 7.資料を請求する 23.4 34.5 27.4 36.8 35.1 8. エントリーシートや履歴書の書き方を見る 15.3 33.6 17.9 41.2 29.7 9. 就職活動の進め方に関する情報を見る 28.0 33.3 23.8 37.3 32.4 10. 先輩の就職体験談を読む 23.2 30.7 21.4 36.0 27.0 11. 業界情報・業界レポートを見る 26.6 28.6 19.0 30.3 32.4 12.掲示板を見る 9.9 22.0 21.4 22.4 21.6 13.他学生の活動内容を読む 6.6 21.0 17.9 20.6 24.3 注:数字は% ビ」が登録数、役立ち度ともに高いことが言えるだろう。また「みんなの就職活動日記」は、登録 数は低いものの、相対的に役立ち度が高いようだ。表からも読み取れるように「就職支援サイト」 への登録はひとつだけではない。いくつものサイトへ登録しているのである。1 個 9%、2 個 12%、 3 個 22%、4 個 19%、5 個以上 26%であった。 62 表 4-4-5 は、就職支援サイトが提供しているさまざまなサービスの利用状況を質問した結果であ る。第 2 回調査で利用率の高いもの順に並べている。まず第 1 回時点にくらべすべての項目で、提 供されているサービスの利用率が第 2 回の方が高い。特にセミナーや説明会のエントリー、それら の日程の確認、さらに業務内容の確認と採用方針の確認などが際立って高い。次に、就職活動の主 観的な進捗度別にみると、すべての項目で、A グループの利用率はもっとも低い。おもしろいこと に、第 1 回の結果と A グループはほとんど同じ傾向を示している。A グループは数ヶ月前の状態 に第 2 回の調査時点でもいることを示している。いくつかの項目では、B グループが C グループ よりも高い項目がある。たとえば「エントリーシートや履歴書の書き方をみる」などであり、C グ ループは、それらのサービスをもはや必要としていないことを示している。 同表のいくつかの項目は、企業が出す情報もあるし、就職支援サイト自身が提供する情報もある。 同時に、就職活動をしている学生自身が発する情報もあれば、一般の人々が提供する情報もある。 すべての情報が信用できるものでもないし、信頼できるものでもない。就職に関する情報はこれ らの就職支援サイトだけではない。多数の掲示板システムの中には、就職や企業情報に関するもの も存在する。さらに個人の就職ブログや SNS などの個人の発言も存在する。問 8 は、就職活動中 の人々がインターネットに書き込んでいる情報についての評価である。結果を表 4-4-6 に示す。数 値は、5 段階評価の平均値である。就職体験の進捗に応じての変化の見られるのは、「事実が書か れることもある」「他の学生の役に立ちたいと思って書く人が多い」「希望する就職先に関する悪 い記述がないか気になる」の 3 項目である。主観的な進捗度が進んでいる学生ほど、インターネッ トの書き込みに関して肯定的な意見が増加する。インターネットの利用抜きには就職活動は考えら 表 4-4-6 就職活動に関するインターネット上の発言の評価 進捗度別 第1回 第2回 A B C 事実が書かれることもある 3.62 3.81 3.58 3.89 3.84 ** 自分と同じような人がいることがわかり安心 3.51 3.60 3.44 3.68 3.59 ns. 他の学生の本音がわかる 3.46 3.54 3.41 3.58 3.58 ns. 他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い 3.24 3.39 3.15 3.44 3.48 ** 希望する就職先に関する悪い記述がないか 3.15 3.20 2.79 3.31 3.35 ** 読み手を混乱させる意図で書く人が多い 2.70 2.70 2.61 2.71 2.75 ns. 読み手の反応を楽しみながら書く人が多い 3.07 3.01 2.94 3.00 3.11 ns. 大半の内容は信用できない 2.81 2.84 2.88 2.79 2.89 ns. ときどき自分の就活体験や悩みを書きたい 2.48 2.49 2.31 2.52 2.57 ns. 書き込むことで有意義な情報が得られると思う 2.68 2.59 2.43 2.64 2.62 ns. 注:数字は 5 点評価で、高いものほど「あてはまる」ことを示す。* 5%水準で進捗度間に有意な差がある、 ** 1%水準、ns. 有意差なし 63 れず、インターネットの利用に積極的であることが就職活動の進捗を助けているのであろう。 4-5.就職に対する態度 就職活動によって、就職についての考え方そのものが大きく変化することは十分に考えられる。 もともと就職についてしっかりした考えもなく、三年生の就職活動の時期になったから就職活動を はじめたというものも多いに違いない。もちろん早い時期から卒業後の進路を考えているものも存 在する。いずれにしろ、自分のこれまで考えていた「就職」は現実の活動によって検証されるので ある。第 1 回調査では、就職に対する態度として、「明確な進路意識因子」と「モラトリアム因 子」の存在が確かめられた。第 1 回調査、第 2 回調査の結果を表 4-4-7 に示す。第 1 回との比較で は、「明確な進路意識」(a、b、c、g、h)に関しては大きな変化がみられないが、「モラトリア ム因子」(d、e、f)については、第 2 回の方が低くなっている。 また、第 2 回の時点での進捗度によるグループ別にみると、「明確な進路意識因子」に関して、 進捗状況の進んだグループとそうでないグループの間に顕著な差がみられている。また「モラトリ アム因子」に該当する項目はいずれも、就職活動の進捗度が進んでいるグループでは平均値が低い。 このように現実の就職活動によって、職業態度自身が大きく変化していくことを確認できる。 次に、就職活動中の不安について述べる。就職活動は大学生にとって初めての体験であり、当初 は五里霧中の状態であり就職活動に対する不安は種類も多く、不安の程度も高い。しかし、第 1 回 時点と第 2 回時点を比べてみると、すべての項目で「気がかり」の程度は低くなっている。現実の 就職活動を通して、就職に関する不安は解消されていることを示している。「就職活動のやり方」 「情報収集のやり方」「どの情報を信用」などは大きく改善されること、また「所属大学の評価」 「自分の専攻の評価」なども活動を通して明確化するらしいことが表からよみとれる。第 2 回時点 に関して、進捗度との関係は非常に顕著であり、3 項目を除いてすべて有意な差がみられる。上に 表 4-4-7 就職に対する態度の変化 進捗度別 第1回 第2回 (a)自分にとって職業選択は重要な問題である 4.46 (b)人生において職業選択は重大な分岐点である A B C 4.46 4.27 4.48 4.56 * 4.37 4.38 4.21 4.37 4.52 * (c)職業の選択は自分の責任が重い選択である 4.25 4.32 4.29 4.33 4.33 ns. (g)自分の就きたい仕事に就くことを優先したい 4.18 4.21 4.23 4.17 4.25 ns. (h)就職すること自体が重要である 3.42 3.37 3.08 3.48 3.41 * (d)なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい 2.97 2.73 3.35 2.58 2.49 ** (e)当分の間は職業決定するのを避けたい 2.60 2.34 2.83 2.24 2.12 ** (f)職業を決定するにはもう少し時間がほしい 3.55 3.21 3.64 3.13 3.00 ** 注:数字は 5 点評価であり、高いものほど「あてはまる」ことを示す 64 述べた事柄以外に、「内定をとれるかの不安」「自分に向いた仕事につけるかどうかの不安」「就 職活動の遅れ」「就職意識の低さ」などは当然ではあるが、もっとも進捗している C グループに 顕著な改善がみられる。 4-6.就職に役立った情報と就職活動が与えた変化 就職活動に必要な情報は多岐にわたる。問 10 では、「就職に必要な情報を得るのに役立ってい る」情報源を、「友人・知人」「家族・親戚」「大学の教職員」「セミナー・講演会」(以上パー ソナル・メディア)「就職支援サイト」「企業サイト」「ネット掲示板」「ブログ・日記」(イン ターネット・メディア)「新聞・雑誌」「テレビ」(マスメディア)から選択してもらった。一方 情報の種類として、以下の 8 領域を選んだ。「就職活動の方法に関する情報(服装、マナー、自己 PR 仕方など)」「就職活動の進行状況に関する情報(他の学生の進み具合など)」「採用面接に 関する情報(質問内容、面接方法など)」「個別企業・組織に関する情報(給与、労働条件、動向 など)」「個別企業・組織に関する非公式情報(職場の雰囲気、企業風土など)」「就職活動する 自分に関する情報(能力、性格、適性など)」「就職活動する自分への励まし」「互いの人生観や 将来の夢」である。それぞれの情報についてどのメディアが役立ったかを複数回答で答えてもらっ た。 「a.就職活動の方法」と「b.進行状況」について役立った情報についての結果を図 4-4-3 に示す。 服装・マナー、自己 PR の仕方などは、「友人・先輩」とともに、「就職支援サイト」「セミナ ー・講演会」が多い。これに対して、就職活動の進行状況、みんながどの程度進行しているかにつ いては、「友人・先輩」がとても高い。2 割弱のものが「就職支援サイト」とともに「ネット掲示 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 16.6 3.1 19.5 9.2 セミナー・講演会 9.2 34.3 43.9 就職支援サイト 19.3 5.6 3.1 5.8 ネット掲示板 19.8 4.3 ブログ・日記 新聞・雑誌 テレビ 80.0 70.8 大学の教職員 企業サイト 70.0 49.6 友人・先輩など 家族・親戚 60.0 19.3 13.9 3.6 2.0 1.6 A就職活動の方法 図 4-4-3 B就職活動の進行状況 就職に必要な情報を得るのに役立ったメディア(就職活動) 65 板」「ブログ・日記」などをあげている。 次に、「採用面接に関する情報」「個別企業・組織に関する情報」「個別企業・組織に関する非 公式情報」の結果を図 4-4-4 に示す。採用・面接に関する情報は、「友人・先輩」とともに、「就 職支援サイト」「セミナー・講演会」が多い。個別企業や組織に関する公式的な情報は、「企業サ イト」がスバ抜けて高く、同時に「就職支援サイト」「セミナー・講演会」も高い。他方、同じ企 業情報であっても非公式なものとなると、「友人・先輩」「セミナー・講演会」が高い。「ネット 掲示板」も健闘している。 最後に「就職活動する自分に関する情報」「就職活動する自分への励まし」「互いの人生観や将 来の夢」の結果を図 4-4-5 に示す。いずれも、パーソナルなメディアが高い。その中で、自己の適 性などは、就職支援サイトが高いことが注目されるだろう。また就職活動への励ましとして「家 族・親戚」が高いことも特徴的である。 就職活動はかならずしもネガティブなことばかりではない。ここでは「就職活動を通してどのよ うな体験をしましたか」という問に対する結果を表 4-4-9 に示す。用いられた 15 項目を因子分析 した結果、就職活動時での体験として大きく 3 つに分類できることがわかった。第 1 因子は、対人 因子であり、「知り合いがふえる」「人付き合いが上手」「いろいろな人を知る」「人間に対する 理解」などである。全体としては 5 点尺度の 3 点程度であるが、就職活動の主観的な進捗度別に平 均点を比較してみると、第 1 因子のすべての項目でグループ間に有意な差がみられる。特にもっと も進展しているグループでは「あてはまる」とするものが多くみられる。 また、第 2 因子は、「自己理解因子」である。「自己理解が深まった」「自己が成長した」「自 分のよさに気づく」「働いている自分が想像できる」の 4 項目である。全体として肯定するものが 0.0 10.0 20.0 30.0 4.5 4.3 家族・親戚 大学の教職員 14.1 29.1 28.7 34.2 33.6 就職支援サイト 17.5 47.1 20.6 企業サイト 62.4 20.3 20.4 4.8 8.2 5.5 0.4 21.0 9.0 1.6 新聞・雑誌 70.0 8.0 4.8 5.9 ネット掲示板 60.0 38.7 セミナー・講演会 テレビ 50.0 42.8 15.4 友人・先輩など ブログ・日記 40.0 8.7 7.7 2.7 2.5 C採用面接情報 図 4-4-4 D企業情報公式 E企業情報非公式 就職に必要な情報を得るのに役立ったメディア(企業情報) 66 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 70.0 53.6 友人・先輩など 26.2 家族・親戚 2.5 3.4 88.6 37.2 5.0 4.1 企業サイト 100.0 12.9 7.2 7.8 就職支援サイト 80.1 90.0 12.6 10.4 4.3 セミナー・講演会 80.0 39.4 23.7 大学の教職員 7.6 2.8 4.5 3.0 ネット掲示板 3.0 ブログ・日記 12.9 10.3 4.1 1.4 2.3 新聞・雑誌 テレビ 60.0 0.5 2.7 2.1 F自己適性など 図 4-4-5 G自分への励まし H人生観など 就職に必要な情報を得るのに役立ったメディア(自分自身) 表 4-4-9 就職活動で獲得したもの(因子分析) 第 1 因子 第 2 因子 第 3 因子 全体 A B C (e)就職活動で知り合いが増えた 0.79 0.08 0.01 2.85 2.22 2.90 3.29 ** (j)人づき合いが上手になった 0.68 0.20 0.24 3.17 2.80 3.15 3.51 ** (f)いろいろな人がいることを知った 0.61 0.11 0.38 3.92 3.39 4.04 4.11 ** (h)人間に対する理解が深まった 0.61 0.29 0.34 3.24 2.94 3.23 3.53 ** (d)就職活動は楽しい 0.58 0.40 -0.21 2.88 2.33 2.95 3.20 ** (a)自分には他人にない能力がある 0.49 0.46 -0.02 2.86 2.46 2.87 3.18 ** (c)自己理解が深まった 0.29 0.71 0.09 3.76 3.25 3.81 4.10 ** (o)自己が成長した 0.29 0.68 0.30 3.74 3.24 3.75 4.15 ** (b)自分のよさに気づいた 0.51 0.62 -0.01 3.29 2.72 3.31 3.73 ** (k)働いている自分を想像できる 0.11 0.57 0.32 3.45 3.15 3.44 3.72 ** (g)就職はなるようにしかならない 0.28 -0.41 0.37 3.09 3.16 3.05 3.11 ns. (l)学生生活のありがたみに気づいた 0.06 -0.03 0.77 4.10 3.96 4.19 4.04 ns. (m)企業や組織の厳しさを知った 0.11 0.10 0.71 3.87 3.65 3.93 3.95 * (n)残りの1年間を有意義にすごそう 0.01 0.31 0.68 4.41 4.12 4.45 4.59 ** (i)働くことの理解が深まった 0.34 0.40 0.42 3.67 3.29 3.72 3.89 ** 注:全体、A,B,C の数字は 5 点評価で、高いものほど「あてはまる」ことを示す *5%水準で進捗度間に有意な差がある、**1%水準、ns.有意差なし 67 多く、平均して 3 点台の後半である。また進捗度との関係も明瞭であり、就職活動の進捗によって、 自己理解が深化していくという自覚を強く持っている。 さらに第 3 因子は「現実の再評価因子」とでもいうもので、「学生生活のありがたみ」「企業の 厳しさの再認識」「残りの 1 年間を有意義に」「働くことの理解」の 4 項目である。これらの 3 因 子の中で、もっとも肯定率が高く、多くの対象者がしみじみと現実の再認識をおこなった様子がう かがえる。この因子は、就職活動の進捗状況とは無関係であり、進捗しているものも、まったくし ていないものも、同じように現実の再評価を行っていることが理解できる。 4-7.インターネット利用の評価 インターネットの利用行動とインターネット情報についての評価についての結果を表 4-4-10 に 示す。最初の 6 項目(j、h、k、c、i、e)は、インターネット利用に関する意見であり、いずれも 肯定的な意見である。相対的に「あてはまる」とするものが多い。第 1 回時点との比較でいうと、 いずれの項目も、第 2 回時点の方がより「あてはまる」といえる。特に「ネット利用は生活の一 部」「何か知りたいことがあるとすぐネットで調べる」「インターネットが使えなくなるとさびし い」などが多く見られ、就職活動を通してインターネットの利用がより密接になっている様子がう かがえる。しかし、就職活動の進捗度との関連は少なかった。 また、インターネット内の情報の持つ問題点に関する質問(d、b、a、f)では、「インターネッ トは情報が多すぎて判断に迷う」の肯定率が高いが、その他は必ずしも高くはなく、全体として、 インターネットに対する肯定的な態度が形成されている。第 1 回と第 2 回との間にほとんど差がみ られない。 表 4-4-10 インターネットの利用とインターネット情報の評価 第1回 第2回 (j)ネット利用は生活の大切な一部になっている 59.1 71.4 (h)インターネットを利用するのは楽しい 70.4 78.7 (k)何か知りたいことがあると、すぐネットで調べる 75.0 83.2 (c)インターネットが使えなくなったら寂しく感じる 65.7 77.0 (i)ネットは世間一般の考え方や意見を知る場である 46.6 50.6 (e)インターネットは情報を得る手段である 84.2 88.1 (d)インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う 40.1 40.9 (b)本当に知りたい情報はネット上にない 27.0 26.4 (a)インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う 67.3 62.6 (f)ネット上の情報は基本的に信頼できない 17.5 13.5 (g)ネット上は欲求不満を解消する場である 18.5 20.8 (l)ネットは人とコミュニケーションする場である 24.0 24.8 68 4-8.メディア接触実態 図 4-4-6 は、メディアごとに上段に第 1 回時点の結果を下段に第 2 回時点の結果を示している。 0% 10% テレビニュース 3.4 2.7 第2回 2.52.0 20% 30% 12.7 25.3 第2回 24.8 新聞 25.5 18.2 10.0 15.7 32.4 19.8 16.7 20.9 18.5 29.7 35.1 32.6 64.1 第2回 63.5 18.9 11.5 2.7 18.5 10.9 2.9 9.4 10.3 8.3 8.5 9.8 19.6 週1-2日 5.7 19.6 30.4 月に1-2回 8.3 9.4 24.0 23.4 みない 18.3 12.5 27.7 12.7 100% 24.2 16.7 18.0 15.2 新聞社などのニュースサイト 90% 20.1 16.1 35.0 第2回 80% 55.5 32.3 テレビ視聴時間 (注) 70% 52.7 12.2 19.9 第2回 60% 29.8 .yahooなどのポータルサイトのニュース 週刊誌・月刊誌 50% 28.6 10.3 第2回 40% 週3-4日 13.8 週5日- 注:*テレビ視聴時間の選択肢は、「1 時間未満」「1 時間以上」「2 時間以上」「3 時間以上」「4 時間以 上」となっている。 図 4-4-6 0% 就職関連情報とメディア(マスメディア) 10% 個人のブログや日記を読む 20% 30% 40% 32.2 第2回 10.9 29.5 個人のブログや日記を書く 50% 9.8 15.1 14.3 49.0 第2回 60% 70% 第2回 16.4 第2回 8.5 17.1 24.3 54.3 2チャンネルなどの掲示板読む 30.4 15.9 60.2 74.4 71.7 5.4 5.9 10.7 20.4 5.9 3.41.4 13.7 7.0 15.4 4.9 2.3 3.0 11.6 インターネットの口コミサイトに書く 100% 29.2 23.9 インターネットの口コミサイト読む 90% 12.8 20.6 47.2 80% 93.5 8.3 4.7 3.8 4.7 4.5 1.0 1.0 0.0 第2回 95.1 2.61.6 0.0 0.7 2チャンネルなどの掲示板に書く 96.3 2.0 0.8 0.5 0.5 第2回 96.9 1.3 1.0 0.5 0.3 みない 図 4-4-7 月に1-2回 週1-2日 週3-4日 週5日- 就職関連情報とメディア(インターネット) 69 表 4-4-11 携帯電話のアドレス帳への登録件数 表 4-4-12 mixi や GREE のマイミクの人数 第1回 第2回 50 件以下 5.2 6.1 25 人以下 38.1 51-100 件 23.1 19.3 26-50 人 28.9 101-150 件 20.9 20.9 51-75 人 12.9 151-200 件 24.7 25.3 76-100 人 11.2 201 件以上 26.1 28.5 101 人以上 8.8 全体 100.0 100.0 第2回 全体 100.0 いずれのメディアについても、第 2 回時点の方がマスメディアへの接触量は多くなっていることが わかる。特に「新聞」と「Yahoo!などのポータルサイト」が多くなっている。しかし、全体的には それほど大きな変化とはいえない。 図 4-4-7 は、インターネットに関するものであるが、第 1 回と第 2 回の間には、ほとんど差がみ られない。就職活動の進捗とインターネットの利用との間には目立った変化はないといえるだろう。 最後に携帯電話の利用と SNS の利用について述べる。携帯電話は全対象者のうち第 1 回は 6 名 (0.8%)、第 2 回は 1 名(0.2%)が利用していなかった。携帯電話への登録者数について表 4-411 に示すとおりであった。 また mixi や GREE といった SNS の利用は、全対象者の 65.6%とほぼ 3 分の 2 が参加していた。 友達として登録しているマイミクの数を表 4-4-12 に示す。これらの指標は交際範囲の広さをしめ すと考えられる。 5.まとめ 就職希望の学生が、就職活動を効果的に進めるためには、個別企業に関する情報や全般的な求人 動向、業界動向、景気動向など、多様な手がかりを入手し、それらにもとづく的確な判断と、「就 職活動」および「就職」という実感を醸成することが欠かせない。必要な情報は就活の進展につれ、 主要な情報源も「一般」(マスメディアなど)から「個別」(対人メディアなど)へと変化すると 考えられる。そうした変化の中で、インターネットは一般的な情報源(ニュースサイトなど)にも、 個別的な情報源(掲示板など)にもなりうる。就職活動の進展に伴って就職活動イメージはどう変 わるのか、進展の著しい学生ほど個別的な情報源に接するようになっているのか、最後に検討した い。 5-1.就職活動に対するイメージ 第 1 回調査では「あなたにとって『就職活動』とはどのようなものですか」(問 22)、数ヵ月 後の第 2 調査では「あなたはこの数ヶ月の就職活動をとおして、自分にとって『就職活動』とはど 70 のようなものであると考えますか」(問 14)という設問で、就職活動のイメージを自由に答えて もらった。それに対する自由記述を形態素解析(松村, 2006)にかけたところ、表 4-4-13 のよう な結果が得られた。 「自分」と「人生」が 2 回の調査とも、1 位、2 位を占めていることに変わりはないが、「自 分」にふれている人が第 2 回調査の方で多い。また第 2 回調査では「成長」「自己」「考える」が 上位に来ている。就職活動を経験することで、「自分」「自己」について「考える」機会が増えて いることをうかがわせる。それによって「成長」の機会ともなっているようである。なお、表中の 「探す」は実際には動詞ではなく、「自分探し」の構成要素として用いられている。 5-2.就職関連情報の入手経路 第 2 回調査における「就職活動の主観的進行度」(問 2)の平均値(4.16)を基準に回答者を 「速い群」189 名と「遅い群」256 名とに分けた(それぞれの進行度は 4 以下と 5 以上)。その 2 群 を用いて就職関連情報の入手経路(問 4)に関する検討を行った。 表 4-4-13 就職活動のイメージに対する自由回答(形態素解析) 第 1 回調査(691 人) 形態素 人数 第 2 回調査(431 人) 形態素 % 人数 % 1 自分 196 28.4% 自分 167 38.7% 2 人生 135 19.5% 人生 48 11.1% 3 将来 54 7.8% 成長 40 9.3% 4 社会 49 7.1% 自己 37 8.6% 5 決める 49 7.1% 社会 34 7.9% 6 分岐 41 5.9% 知る 32 7.4% 7 探す 38 5.5% 探す 28 6.5% 8 知る 35 5.1% 機会 28 6.5% 9 機会 32 4.6% 考える 24 5.6% 10 活動 31 4.5% 将来 23 5.3% 11 通過 23 3.3% 見つめる 19 4.4% 12 第一歩 22 3.2% できる 18 4.2% 13 重要 22 3.2% 分岐 16 3.7% 14 見つめる 22 3.2% 直す 16 3.7% 15 準備 18 2.6% 活動 15 3.5% 16 自己 18 2.6% 場 14 3.2% 17 夢 18 2.6% ― ― ― 注:それぞれ上位 17 位、上位 16 位まで。網掛けの形態素は 2 回の調査で共通にあげられているもの。 71 「この 1 か月間、就職や就職活動について、どのくらい人と話し、ネットを利用したか」を 8 項 目 4 件法でたずねたところ、以下の 6 項目で有意な差が見られ、いずれも「速い群」の方がよく行 っていた。「a.友人や先輩と就職に関する話をした」(速い群 3.50>遅い群 3.31、以下同様)、 「b.家族と就職に関する話をした」(2.99>2.81)、「c.就活中に知り合った学生と就職に関する話 をした」(2.57>2.03)「e.ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ」(2.57>2.15)、「f.ネ ットの掲示板で就職に関する発言を書いた」(1.41>1.27)、「g.ブログや日記で就職に関する発 言を読んだ(mixi を含む)」(2.39>2.08)。 有意な差が見られなかった項目は、以下の 2 つである。「d.大学の教職員と就職に関する話をし た」(1.90,1.77)、「h.ブログや日記で就職に関する発言を書いた(mixi を含む)」(1.81, 1.65)。 これらの結果から、「速い群」は、より就職活動に身近な人との対人コミュニケーションを積極 的に図り、ネット利用に関しても個別的な利用(掲示板やブログの閲覧)をさかんに行っているよ うすがうかがえる。とりわけ就職活動中の学生との会話(上記の c)は、リアリティ形成に貢献し ている(問 5 の「役立った情報」に対する回答で、「就職活動の進捗状況(速・遅)」×問 5 の 3 によるχ 2 検定、χ 2(1)=18.96,p<.01)。就職活動中で知り合う学生はライバルであると同時に、 価値観や志向性を共有する存在でもあり、その分、当事者にとって有効な個別情報が得られる可能 性も高まるからだろう。 文献 安達智子(1998). ディスコ(2005). 大学生の就業動機測定の試み 大学生の就職事情変遷史 実験社会心理学研究, 38(2), 172-182. 人と採用,11 月号(http://www.hr-plaza.com/ hre /2005_nov/feature/001.html) 原口恭彦・開本浩矢(2005). インターネットの普及が大学生の就職活動に与える影響 電 気通信普及財団研究調査報告書,20,pp.116-123.(http://www.taf.or.jp/publication/kjosei_20/pdf/p11 6.pdf) 松村真宏(2006). Tiny Textmining(http://fieldmining.com/~matumura/ttm/) 永野 仁(編)(2004). 大学生の就職と採用 下村英雄・堀 洋元(2004). 中央経済社 大学生の就職活動における情報探索行動 社会心理学研究, 20(2), 93-105. 東京経済大学父母の会事務局(2006). 就職活動本格化に向けて ュース,83,4. 72 東京経済大学父母の会ニ 資料 73 資料 1 乳がん経験者へのインタビュー A. インタビュー 1(2006 年 3 月) ■プロフィール 年齢:30 代前半(神奈川県在住) 職業:会社員(休職中) 家族構成:夫(会社員)、長男(5 歳)、次男(6 ヶ月) ■インタビュー概要 1.病気の疑い期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・次男の妊娠中に、しこりを自覚。妊娠期の胸の張りの痛みかと 思った。 ・気がかりなので婦人科で診てもらう。 →産婦人科の先生にたずねる:妊娠初期は胸の張りで痛むから大 丈夫だろうと言われた。 ・寝ていて、コリっとしたしこりに触れ、気になった。 ・妊婦検診に行った時に、違う女性の先生に相談した。 →乳がんが増えているので、気になるのであれば、と乳腺外科を 紹介された。 ・検診専門の小さなクリニックへ行く。 →妊娠しているので、とりあえず超音波をやった。 →普通の乳腺種や良性の腫瘍は丸い楕円形であることが多いが、 歪な形をしているので悪性の乳がんかもしれないと言われる。 ・妊娠 20 週だったので、「赤ちゃんをどうするか」と言われ、 一気に落ち込んでしまった。 ・胎動も感じていたので、ここで言われてもと思った。 ・「生まれても救命措置はしてもらえるのでしょうか」と聞く と、「産婦人科の専門ではないのでわからないけども、20 週はき ついかもしれない」と言われる。 ・夫は海外赴任で不在だったため、一人で(病院に)行ったの ・「ああ、やっぱり」と思っていたときに見たのがイン で、誰にも相談できなかった。 ターネットだった。 ・インターネットは結構進行している人のことが出てき て、取った傷も出ていて、赤ちゃんのこと、病気のこと が一気に迫って来る感じで、それからは怖くてインター ネットが見られなくなった。 ・私の中では産みたい気持ちの方が強かったので、乳が んの情報はシャットアウトしようと決めた。 ・妊娠中の乳がんについては、インターネットの情報に 出てこない。 2.疾病確定期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・局部麻酔でしこりをとって生検(2005 年 5 月 13 日)。 ・麻酔が効かなくて、すごく痛く、お腹は張るし、失敗したと思 った。 ・この時点では、「まだ分からない」と言われたのですが、もし がんだったらどうしようと葛藤状態だった。 ・夫が近くにいなかったので、そのことを伝えられない のが重荷だった。 ・実家の母に話したところ、心配だから行くと言ってき たが、まだ決まったわけではないので来ないでと返事を した。母はすぐに産むのをやめなさい、という感じでパ ニックになっていた。 ・米国にいる夫にはメールをしなかった。いったん向こ うに行ってしまうと、私はあまり連絡をとらないので。 彼が動揺しても困るので。メンタルな部分で男の人はす ごく弱い。 ・私は、まだがんと決まった訳じゃないから決め付けないで、と すごく冷静だった。 ・母親には突っ張って子どもを産むと言ったけれど、いざ一人に なると、「なんで、なんで」という気持ちで、グレーゾーンにい るときが一番辛かった。 74 ・診断結果を聞きに行くとき、自分は案外冷静でいられそうだっ たが、夫は「すごくドキドキする」と言っていた。 ・検査の結果は思わしくなく、乳がんという診断名が出て、結構 ガクンときたが、逆に吹っ切れた。 ・先生に、子どもはどうするかと言わせないようにというわけで はないが、「先生ならどうしたらよいと思いますか」と質問し た。自分の中では逆切れ状態になってしまい、夫もすごく落ち込 み、「えっ?子ども、どうするんだよ」とすごくびっくりしてい た。 ・一番落ち込んだのは夫だった。彼は母親を早くに肝がんでなく していて、父親も小さい時になくしていて、自分の大切な人が自 分の手からどんどんこぼれてしまう、と言っていた。 ・「俺は幸せになってはいけないのか」とまで言われ、この人は すごく苦労してきたのだなと思った。 ・赤ちゃんができてうれしいときに、この子を産んだら、私が死 ぬかもしれないという状況に、彼は納得できなくて、「何かを得 ようとすると何かを失いそうになる。それが俺は納得がいかな い」と話した。 ・「絶対に産んでほしい、お前を助けるという人が必ず出てくる はずだから。絶対に諦めるな。赤ちゃんも諦めるな。そこを克服 しないと、俺はダメなのだ」と言ったとき、すごく落ち込んでい た。 ・「しこり自体は小さいので、これなら温存でいけるけれども、 どうなるかわからないところもあるので、(乳房を)取った方が いいと思う。でも赤ちゃんを生んでも大丈夫というところまで我 慢して、その後で化学療法をしましょう」と言われた。 ・自分の中では病気のことはどこかへ行ってしまい、「その後に 何が来てもかまうものか!」という気持ちだった。 ・最初一人で行ったときには後悔したので、今度は一緒 に来てほしいと思い、ついてきてもらった。 ・その時、言わなくてよかった、と思った。顔が見えな いと伝わらないこともあるので。 ・産めるということはわかったが、病気も怖いので、久 し振りにインターネットで情報を探した。しかし、今度 は自分の病気がすごく怖くなった。 ・妊娠中の乳がんに関する情報はインターネットにない し、みんなどういう風に乗り切ったんだろうか、同じよ うな人がいない訳はないのに。 ・『乳がん全書』には少しだけ関係する記述があった が、どのような治療をするのか、治療を待って産むの か、悲しいけれども諦めなければいけないのか。そうい う情報が全然なくて、トンネルの中にいるような気持ち だった。 ・(乳がん手術で)良い先生の方がいいと言われたが、子どもを 産んで乳がんも治療したいと思ったので、産科と小児科、さらに NICU もある、新生児医療でも良い病院を希望した。 ・聖路加病院ならと言われたが、上の子がまだ小さいので、近所 で考えた。 ・近所の良い先生を教えてほしいとたずねたら、A 病院の B 先生 を勧められた。 ・すぐに紹介状を書いてもらい、B 先生に電話してもらった。 ・その際、妊娠中であること、取りきれていない部分の病理の結 果があることを伝えてもらった。 ・次の月曜日、紹介状をもって A 病院に行った。 75 ・インターネットで逆に恐怖感をあおられた感じがし た。目の前にいる先生から得た情報のほうが、変な恐怖 感を抱かずに入っていけた。 ・インターネットの情報は怖いものばかりで、抗がん剤 についても、いろいろ出てくるが、人によって病期は違 うし、しこりの大きさがこうだとどうだとかいろいろ出 てくる。診断が付いていない段階では病期もわからない し、悪いほうに想像してしまう。 ・インターネットで怖かったのは画像だった。ただ怖さ とは、目を覆いたくなるような視覚的な恐怖ではなく、 この後何が待っているのかわからないという恐怖感だっ た。 ・私はこの病気にかかっていて、次にこれがくるのか、 という感じで、震える感じがした。 ・子どもの通っている保育園のお母さんにお医者さんが いたので、「乳がんだけれどもどうしたらいいか」と相 談したら、がんセンターを勧められた。 ・子どものお母さん友達に乳がんのことを話したら、 「誰か助けて」という感じだったらしく、周りは絶句 し、かける言葉もない状態だったようだ。 ・私は人に話したことで自分の状態が納得でき、私のこ とを聞いてくれるだけで満足し、落ち着けた。 ・この子を産みたかったので、インターネットで乳がん のよい病院を調べた。ブレストケアであれば国立がんセ ンターがいいことがわかったものの、そこには知りたい 情報がほとんどなかった。 ・診察の結果、「とりあえず検査しましょう」となった。 ・主治医が B 先生に決まった時点で『乳がん全書』を購 ・胎児に影響がなく可能な検査は全部しましょうということで、 入しようと思った。それを読み漁った。あとは漫画チッ 結局、マンモもエコーもやった。 クに書かれた本も読んだ。 ・転移の検査はできなかった。 ・本は amazon で探した。全部、インターネットで探し た。 ・書店に行っても置いてある本は限られているし、乳が んに限るともっと限られる。 ・どの本が良いのか分からない。でも、『乳がん全書』 はみんなバイブルのように持っていると、amazon のカス タマー・レビューに書かれてあったので、これはきっと 良いに違いないと思い、買うことにした。 ・病院でどんな治療をするか知りたくて、乳がんの権威 と言われている先生を知りたかった。 ・手術もいろいろあるので、最先端の医療技術を持った 先生に出会いたかった。患者も多く、技術の進んだ米国 であれば、妊娠時の乳がんを診た人もいるに違いないと 思って、米国の乳がん医療についていろいろ検索した。 ・調べれば調べるほど、乳がんの痕の画像もたくさん出 てくる。 ・吐き気のない抗がん剤はないのか、髪の抜けない抗が ん剤はないのか、インターネットで探したが、見つから なかった。 ・米国で使われている抗がん剤にはどんなものがあり、 なぜ日本には入ってこないのか、なぜ医者は使わないの か、知りたかった。 ・(前の病院でした)病理の検査結果を全部見てくれ、転移はな いという結論になった。 ・「妊娠していても、全身麻酔で温存でいけるかな」と言われた ときにはうれしくて、産んでよいことも確認できたので、全部任 せる気持ちになった。 ・こんなラッキーなことがあるのかと、信じられない気持ちだっ た。 ・乳がんではあったが、子どもが産める喜びの方が大きく、あま り苦しめられなかった。 ・「私はラッキーですね」と主治医の先生に言うと、「そうだ ね、妊娠していなかったら分からなかったかも。上の子で十分と 思っていたら、そのまま放っていたよ」と言われ、私も同感だっ た。 ・他人から、厄年に男の子を産んだら厄落としになると言われ、 「そうだ頑張ろう」と思った。 3.治療開始 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・6 月 27 日、温存で手術した(5 時間程度)。 ・特殊な手術だったので結構時間がかかった。化学療法はできる だけしない方針だったので、外科でなるべく取り切ってしまいた いということだった。 ・最初の手術で、少し残っていると言われ、(同じ日に)もう一 回手術をした。 76 ・普通の人だと、開けたまま病巣を取って病理に出し、その間に リンパセンチネルをやる。アイソトープを使うのだが、赤ちゃん によくないかもしれないということで、染色法でやることになっ た。 ・1 回閉じたが、プラスに出たので、もう 1 回取った。 ・普通の人はマイナスになるまでやるが、これ以上やりたくな い、ということで閉じた。 ・28 週になったら誘発か帝王切開で産むよう言われたが、産婦人 科からストップがかかり、待てるのであれば正規産にして欲しい と言われた。 ・病理の結果が出るまで 1 週間くらいかかった。そこでちょうど 28 週になったので、気持ちも落ち着いた。これで赤ちゃんのリス クも減った、と思った。 ・検査の結果が全部マイナスだったので、この調子だとリンパは 大丈夫かもしれないと言われた。 ・30 週くらいまで大丈夫かたずねたら「大丈夫」と言われた。 「少しずつ週数を増やしながら、35 週くらいかな」と言われた。 ・夫がアメリカに転勤になってしまった。 ・すぐ産まなければだめか、尋ねたら、「今まで頑張ったし、産 む時期は決めていい」と言われた。 ・産婦人科の先生と主治医の先生が相談して、正規産でも大丈夫 という結論になった。あなたは重ね重ねラッキーだね、と言わ れ、37 週 0 日で同じ病院に入院した。 ・9 月 15 日に転移の検査をいれているので、14 日中に産まれて くれないと困る、と言われたが、その日の昼に産まれた。ここで も「君はラッキーだね」と言われた。 ・15 日に検査をした。 ・産婦人科の病棟でみんなから祝福されているところに、いきな り病気に引き戻された感じで、産まれたらすぐ乳腺の検査だっ た。 ・同室の患者に、「みんなはどうしたの?」と聞きたか ったが、聞けなかった。誰かが検査で呼ばれた際、「何 の検査?」と聞いたりしているうちに、みんなと仲良く なり、乳がんのことを話した。 ・すると、他の人たちは「私も検査したほうが良いのか な」と言ってくれ、「私も初めは他人事だったけど、検 査したほうが良いわよ」と話せた。 ・母乳をあげたいと言ったら、造影剤を使うが問題ないだろうと 言われた。 ・念のため 24時間点滴を流すので、その間母乳は待ってくれと 言われた。 ・初乳は生後 3 日くらいまでの間にあげれば大丈夫だからと言わ れ安心した。 ・検査をすると必ず結果がついて回るが、転移が見つかっても、 ・つらくなるとよく相談していた看護婦さんが一人い もう出産はすんだし、よかったと思った。 た。「あなたには赤ちゃんがいるじゃない。今ここでど うなってもすぐに死ぬわけじゃないし、結果が出ていな いのに落ち込まないで。おっぱいをあげたいのでしょ う。おっぱいが止まってしまうわよ」と言われた。 《インターネットで調べた情報》 ・ハーセプチンという新薬が出ていて、副作用も少なく 効果もあるが、病理の結果によっては保険治療ができな いかもしれず、調べてもらったら「君の場合は保険外に なる」と言われた。 ・インターネットに書かれていた情報は、すべて『乳が ん全書』と同じだった。この本はすごくよかった。 ・初乳だけでも母乳をあげられたので達成感があった。 ・主治医の先生に母乳をあげていいか相談したら、「いいよ」と 言われ安心した。 ・初乳をあげると、母乳で育てたいという欲がでてきた。 ・全身を叩きたいから抗がん剤治療を勧められた。 ・転移していないのであれば抗がん剤は不要なのでは、どちらに してもしなければいけないなら放射線を先にしたらだめか?と、 主治医の先生に聞いた。「では放射線からにしようか」というこ とになった。 77 ・《化学療法は?》何故こんな治療法しかしないのか疑 問に思った。インターネットで探しても、いまひとつわ からなかったので、B 先生の講演に参加した(医療のガ イドラインに関する内容)。 ・乳がん治療の一般的ガイドラインの話で、抗がん剤を すると 10 年生存率が零点数パーセントあがるという内容 だった。でも、やったからといって絶対に再発しない訳 でもないことを知り、抗がん剤は再発してからでも良い のかなと思った。 ・一度使った抗がん剤は使えないということもあるの で、それならばもう少し先にしようかと思った。 ・放射線のあたった母乳をあげていいのか聞いたら、放射線科の ・抗がん剤を使ってしまったら母乳があげられないとま 先生に「いいよ」と言われた。 っさきに思った。 ・放射線治療をすると、だんだん母乳が出なくなった。火傷が酷 く痛くて飲ませられないので、右だけちょっと止めている。 ・乳がんは外科的な方法でほとんど取り切れるが、若年 発症と言って、35 歳より前の人は抗がん剤をするという ガイドラインがあり、それが標準的治療なのでやるとい うことだった。 ・10 年前の治療にもすごく良いものがあるという話もさ れた。効果は人によって違うが、見極めるのが難しい。 ・患者は受け身ではいけないいう趣旨のことを言われ た。では、言わせてもらいますという感じで、こちらか ら提案したら、「いいよ」となった。 ・先生は、ちゃんと考えているのかなと思っていたが、 医者はその人に合った標準治療しかしないと言われた。 その枠から出るかどうかの判断は病気が進んでから考え るしかないが、標準治療の範囲内にいる間はとりあえず 標準治療をする。それ以上のことは医者からは言わな い。 ・だから患者力を養ってほしいし、聞きたいことはどん どん聞いてほしい。今は自分たちで情報を得られる時代 だから、こうではないか、ああではないかと医者と患者 で考え、二人で治していくものだ。 ・主治医の先生に「先生のガイドラインを拝聴したけれども、私 にとって QOL の低下とは育児ができないこと」と伝えた。 ・抗がん剤をすると免疫力が下がり、それがリスクとなるのでき つい。夜眠れないのに、周りの協力がないと育児は難しい。夫は 米国に行ってしまうし、と気持ちを伝えた。 ・「K 君(子の名前)パワーにかけてみようか」「君の場合はデ ータがないのだから」と言われ、抗がん剤を使わないことに決ま った。 ・抗がん剤をしないと決まったとき、「本当に、本当に大丈夫で すか?」と繰り返したずねたら、手を握って「大丈夫、大丈夫だ よ」と言ってくれたので、先生に「私の目を見て言ってくださ い。本当に大丈夫ですか」と念を押すと、「大丈夫じゃないか な、君の性格なら」との返事だった。 ・産むことを認めてくれた先生だったので、もう文句は言わな い、先生にどこまでもついていくと吹っ切れた。 ・がんばって抗がん剤治療している人たちをみると、私 はこれでよいのかなとすごく思う。こんなに簡単に乳が ん治療が終わってしまっていいのかな。 ・みんなは病気と正面から向かい合わなければいけない のに、私はこどものおかげで、正面から向かい合わずに やってこれた。 78 4.治療終了 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・12 月中旬から米国に滞在した。 ・向こうは乳がんの人がすごく多く、治療が進んでいる。 ・米国では抗がん剤の有効性が説かれ、みんなバンバン抗がん剤 をしているので、これで良かったのかなという気持ちもわいた。 でも「あなたがそれで明るくいられるのであれば良いのでは」と 親しくなった人に言われた。 ・そうか、私にはこの子がいる、と思い始めたら、逆にラッキー に思えてきた。 ・子どもの年齢とがんの経験年数とが同じなので、励みになる。 ・育児をしながらだと、病気と向き合いながらも、気分が楽にな る。 ・治療をとりあえずしなかったので、当初(通院は)3 ヶ月に 1 回だったが、主治医の先生から、混むし、半年に 1 回にしないか と勧められ、「大丈夫ですか」と言ったらまた手を握って「僕を 信じて」と言われた。 ・日本では病気のことを隠すし、私も少しそうだった が、向こうは逆に「私は大きな病気をしたのよ」と、普 通に話の中で自己紹介のようにされている。どう反応し たらよいのかわからないくらいだった。私も話すように したら、友だちもでき始めた。 5.社会復帰 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・病気になったときは、今の仕事を止めようと思った。でも、ま ・家にいたら(乳がんの)情報発信はできないが、復帰 た仕事に戻るのも良いかもしれないと思った。 すれば、女性の多い職場なので、もしかしたらいい刺激 ・やはり社会との関わりは必要だ。 になるかなと思ったり、病気は隠すことではないことを 向こうで教わった。 ・私の事例は特殊だけれども、早い段階で見つかれば全 然怖いものではないと分かったので、みんなも行ったほ うがいいよという程度のアドバイスであれば、自分にも できそうだし、自分の経験も伝えることで、少しでもそ ういうふうになればいいなと思った。 ・職場で、乳がんになった人は多いらしい。 ・それまで職場でがんになった人のことを聞いたことは なかった。一人だけ、やったことがある人を人づてで知 ったが、「言わないでね」と言われたので、間接的に 「全摘ですか」と聞いたら「全摘だよ」という返事が返 ってきた。 ・年 2 回、休職者と現役で、復帰しやすくするための交 流会を開いている。 ・そうした場で何度か検診のことを話している。みん な、結構検診に行くようになった。 ・しこりが見つかると、私に電話がかかってくるが、 「私もわからないので、病院に行ったら」と勧めるが、 「怖い」と言うので、一緒に付いていくことが多い。そ れで何人かは「グレーだと言われた」と報告してきた。 6.患者同士の交流 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・乳がんになると、辞めてしまう同僚が結構いる。 ・手術室に行く直前、「赤ちゃんがついてるし、大丈夫だから」 と言ってくれ、退院してからも「いつ産まれるの?」と聞かれ、 その後、9 月 12 日に誘発で入院すると連絡したら、「わかった。 応援するから」と、メールがたくさん届いた。 ・同室だった人に 14 日連絡したが、いつも返ってくるメールが なく、気になっていた。別の入院仲間から「彼女は再入院したら しい」と聞かされ、すぐに(子どもの)写真つきでメールを送っ た。 ・彼女は脳まで転移していて、目が見えなかったけれど、彼女の お母さんから拡大鏡で写真を見て喜んでいたと聞いた。21 日に亡 くなった。その人は私と同じ仕事で心の支えだっただけに、すご く落ち込んだ。しかし、その人に赤ちゃんが産まれたことを伝え られたし、「光が見えた」と話していたとも聞かされ、産んでよ かったと思った。「私って幸せ」とも言ってくれたらしく、良か ったなと思っている。 79 7.インターネットの情報収集関連 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・最初の入口としてインターネットは役に立つ。書店に 行きたくても、妊娠中はなかなか行けない。 ・良くない点は、自分ひとりでどんどんマイナスの方向 に行ってしまうこと。 ・ネット上には、私は軽かったという話は載っていな い。結構、病気が進行していて、何年目に再発しました という感じのものばかり。プラス思考になれるような題 材はあまりなかった。いま乳がん何年目で、こんな治療 をして頑張っていますという同じ書き込みを見ても、プ ラスに思える人もいればマイナスに思う人もいる。そう いうものを見ると、再発は怖いと思ってしまう。 ・最近の病気なので、若い人で完治したということが書 かれていない。30 代前半とか、20 代後半でなったという 若い人の情報も欲しい。結婚前だとまた事情が違うの で、この病気は年齢によって受け取り方が違う。 ・ライフステージによっても事情は異なる。子どもを産 んでいる人と産んでいない人、結婚後と結婚前では、ど ちらも後者の方が胸を失うことに、ネガティブになる。 そういう人はどこから情報を得るのかなと思うが、その 種の情報は載っていない。 ・病気とどう向き合うかという情報がない。インターネ ットでは見つからない。子どもを産んだあとの人の話は ある。 《インターネットでは自分と同じ人を探している?》 多分そうだと思う。同じ年齢で同じ条件で子どもも産ん でいて…。 ・欲しい情報があるようでなかったのがインターネッ ト。少しでも近い例がないかと探していた。 ・あとは主治医にたずねて自分なりの治療を探していく という感じだった。治療に関する情報源はインターネッ トではなく、先生の講演会だった。 ・いいタイミングで聴けてよかった。配布資料も参考に なった。 《治療法とか手術の方法も載っている?》 ・活字で見るのと、人から噛み砕いてもらって説明を受 けるのとでは全然違う。活字は医療用語でしかないが医 者の言葉は自分に引きつけて考えられる。 ・インターネットの情報は他人事。これは何の薬か、イ ンターネットで詳しく見ようとは思わなかった。もしか したら使わないかもしれないと思うと、サラッと流して しまう。 ・あなたの場合はこうですとか、この薬を使う予定です とか言われて、はじめて興味が沸く。その薬がどういう 薬なのか、インターネットで調べたが、副作用のことし か書かれていないし、内容も先生の説明と重複している ところがあった。 ・最初、インターネットで見たのは体験談が多かった。 どういった治療で元気になっているとか、自分の中で希 望をもちたかった。治療の方法は知りたいが、知るのは 怖いという気持ちもあった。 ・後の方になったら、人の日記をよく読むようになっ た。 80 ・一番よいと言われている先生が知りたかった。 ・《ネット上でよいと言われている先生は?》C 病院の D 先生。そのほかには、切らないで治す(傷が残らな い)人とか、乳管内視鏡でする人とかがあがっていた。 ・若い患者ほど、技術をもった先生を知りたいと思うと 思う。傷を残したくない、できるだけ取りたくないの で。 ・その先生がどのような手術をするのかはその先生に会 ってみないとわからないので、インターネットで手術の 症例数がわかればいいと思ったが、必ずしも載っている わけではない。 ・小さなクリニックの先生がたまたまいい先生だったの でよかったが、最初から A 病院に行ければ、もっとよか った。 ・どのような症例を診てきた先生なのか、行けばすぐに 診てくれるのか、ベッドは空いているのか、とか。がん センターだと、病理の結果が出るまで何日かかるとか、 ここだと何ヶ月待ちだということを電話してはじめて分 かる。 ・妊娠中の乳がんの人を診た経験のある先生はどこにい るのか、切実に知りたかった。 ・出産の問題もあるので、産科も外科もとなると先生で はなく病院が選ぶ基準になり、E 病院が残った。そこに は F 先生がいると、クリニックの先生に言われた。 ・先日出た「AERA」に F 先生が載っていたので、見た ら、B 先生より若くて、気になった。 ・乳がんの記事が出ていると、すぐ見るようにしてい る。「AERA」は定期購読している。ピンクリボンの記事 もよく載るので。 ・「AERA」には育児の記事も医療の記事も載っていて、 抗がん剤のことも載っていて、すごく勉強になる。米国 では当たり前のことが日本ではできていなかったり、抗 がん剤の量も人によって分量を決めれば重い副作用もな くて済むのに、それをしないばかりに副作用に悩んでい る人が日本には多いとか。 8.情報発信について 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・人に話してもしょうがないと母親には言われそうなの だが、私は他人によく言う方なので、みんなから不思議 がられる。 ・みんなから「早くてよかったね」と言われると、「早 いほうがよいのだから行ったら」と言える。 ・身近にがんになった人がいるだけで、がんを怖がらな いようになる。「本当に病気だったの?そう見えない」 と言われる。 ・でも、苦しかったということは言うようにしている。 早く見つかれば、その分だけ早く前向きになれるから、 早く行った方がいいよと受診を勧める。 ・私と同じような人がいるかもしれない。私は諦めなか ったが、もしかしたら諦めている人もいるかもしれない と思うと、何かしたい気持ちにかられる。 ・私には情報がなかったので、教えてあげたいと思う が、どう伝えればいいのか、むずかしい。 9.その他 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・いま食事に興味がある。 ・米国人のような食事では、がんになりやすいと思う。そのよう な生活はしていないだけれど、がんになりやすい体質とそうでな い体質があるとしたら、自分でできることは食事かなと思う。 ・乳腺の存在は初めて知った。母乳は白い血液と言われ るぐらい、血液とよく似ているので、サラサラ状態でな ければいけないと言われ、桶谷式を今やっているため、 食事をすごく制限されている。 81 《がんは自分にとってなんだったのか?》 ・必要なもの。病気は私にとってすごく意味のあるもの。私だか らこの病気があったと思う。そのまま何もなく子どもを産んでい るのと、これがあって子どもを産んだのでは多分全然私の人生は 変わっていたと思う。 ・それは決して悪いものだけではなくて、病気を通して学んだこ とは、単なる風邪とは違い、命に関わる病気だっただけに大き い。 ・私の命はこの子にもらった命かもしれないと思っている。1 回 死んだと思えば、今まで躊躇してできなかったこともできるよう になったし、病気で悩んでいる人がいたら自分のことを話すこと でその人にも良い影響が与えられるかなあと思っている。病気の おかげで自分も大きくなったし、普通の人では終わらないように してくれた。 ・人にやさしくなれたし、死に対する恐怖感はあるけれども小さ くなった。 ・病気をしていなかったら夫にも感謝していなかっただろうし、 子どもの愚痴を言ってそれに追われていたと思う。彼がいたか ら、この子も産めた。この人を悲しませたらいけないから頑張ろ う、これ以上悲しい思いはさせたくない。だから、私は絶対に生 きなければいけないと思うようになった。 ・以前は、ずっとこのまま生き続けるものと思っていたが、この 病気を機に、1 日 1 日を悔いのないように生きていこうと思える ようになった。 B. インタビュー 2(2006 年 10 月) ■プロフィール 年齢:50 代後半(東京都在住) 職業:フリーライター 家族構成:長男、次男、長女(いずれも 20 代) ■インタビュー概要 1. 病気の疑い期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・仕事で知り合った先生の検診を受けていた。 ・2006 年 3 月の検診でわかった。 ・触診、マンモグラフィ、超音波による 3 点セットを受けた。マ ンモには映らなかったが、超音波で怪しい影が見つかり、画像下 の針生検をした方が良いと言われた。生検の結果、がんが見つか った。 ・自覚症状はまったくなかった。しこりもなく、触っても全然わ からなかった。 ・1 週間後、同じ医師による針生検を受けた。 ・生検をするに当たって先生は、最初あまり心配させるようなこ とは言われない。「万が一」ということで検査するが、多分大丈 夫だろうとのことだった。 ・悪性だという思いもなく、もしかしたらそうなのかもしれなと いう感じ。まだきちんと言われていないので、どうなのだろう、 どうなのだろうと、ただただ不安だった。 自分としても行動にも移れず、特に何ということもなく、ただど うしようどうしよう、もしそうだったらどうしようという感じだ った。ただただ不安だった。 《生検までの間》 ・私は結論が出るまでは他人には言わないという考えな ので、誰にも言わなかった。 ・乳がんに関する知識があったが、その時点では画像下 の針生検については知らなかった。それがどういうもの か、インターネットで調べた。麻酔をして太い針でガチ ャッと音がする、などと書かれていた。それ以外は特に 調べなかった。 2. 疾病確定期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 《生検から結果まで》・先生は「大丈夫だと思うけれども待ちま ・特に何かの情報を得ようという気持ちはなかった。 しょう」と言っていたので、ただただ検査結果が待ち遠しいとい う感じだった。 ・その時点では、もしかしたら陽性なのかもしれないという程度 だった。 82 ・検査の結果は一人で聞きにいった。 ・結果を知り、ガーンという感じでショックだった。(生検の) 結果が書かれた書類には、「乳がん、悪性の細胞が確認された」 とあった。そして、7 つぐらいの病院が紹介先リストとして書か れていた。 ・リストにかかげられていた病院はいずれもトップクラスだった ので、どこに決めても間違いはないということはわかっても、全 員の先生に会うわけにもいかないし、相性もあるだろうし、どう やって決めたらよいのか迷った。結果的には近い病院に決めた。 ・いろいろ調べて、最終的に放射線治療で通院しなければいけな いということがわかったので、近いところがよいという結論に至 り、徒歩圏内にある第一候補だった病院に決めた。 ・担当医の先生が忙しいのと、その後の大阪出張で、なかなか会 えず焦った。 ・今考えると、たった 2 日か 3 日のことだったのだが、ものすご く長く感じた。 ・その先生に診てもらい、こうしましょうと言われるまでは、動 揺しきっていた。 ・乳がんではトップクラスの病院名と先生と連絡先が書 かれたリストを渡され、あなたがよいと思うところを決 めたらそこを紹介すると言われた。 ・その時、「先生だったらどこが良いと思いますか」と 尋ねた。がんだったとわかったことによるショックと、 どの病院にするかを決めるのが一番大変だった。 ・決定に当たっては一人では決められなくて、友人の O さんに相談した。 ・リストにも載っていて、その信頼できそうな先生と O さんが親しかったので、そこで受診することにした。し かし最初の検診の結果通りで、早期だから大丈夫と言わ れた。第一候補に決めた病院の評価をたずねた。がん研 もよいけれども、大きな手術ではないし、それほど進ん でいないから、そこに行くまでもないと言われた。 ・その先生に会えるまでの間、何期はどういう状態で、 予後はどうかということなどをインターネットで調べ た。 ・病院情報とか患者会情報がたくさん見つかった。それ を馬鹿みたいにとりあえず見ていた。 ・患者さんの日記は読まなかった。 ・がん研など病院のホームページや乳がん患者のホーム ページは見た。 ・医師個人のやっているサイトは個人の質問を受け付け ているので見ていた。 ・VOL-Net(http://www.vol-net.jp/)や、キャンサーネッ トジャパン(http://www.cancernet.jp/)も見た(キャンサ ーネットを主宰している先生は主治医の知り合いだっ た)。 ・主治医とつながりの深いサイトを見た(信頼できそう だったので)。 ・インターネットの情報はこの先が知りたいと思って も、見つからず、不完全燃焼だった。 ・私の場合はどうなのか、知りたかったが、そうした情 報はインターネットでは得られなかった。 ・インターネットは万人向けなので、一般的な知識を得 られても、いざ患者になったらインターネットでいろい ろな情報が得られても、主治医の一言の方が信頼でき る。インターネットでいい影響や情報も得たけれども、 それだけでは不十分である。 《インターネットで受ける利益》 ・一応知りたいことは網羅されている。知識の量は感心 するぐらい多い。 ・出版社の知り合いなどから、インターネット上は情報 は多いけれども、どこまで信用できるかわからないから 気をつけるようにと、よく言われた。 ・複数の情報をくらべて全部同じことを言っているか ら、この情報は大丈夫だろうなと判断した。 83 ・目の前の先生に、いろいろな考え方を教えてもらって から見ると、この病院はこういう立場をとっていて、こ こはこうなのだろうなとわかり、総合的に判断できる。 しかしインターネットだけでは、心のどこかでそのまま 信じてよいのか、疑問が残った。 ・それでも何か知りたいことがあると、ついインターネ ットで見てしまう。 ・少しでも暇な時間ができると、乳がん関係のことを調 べた。いま振り返ると、すごく無駄な時間だと思うけれ ど、考えたり悩んだりするときのパートナーのような感 じがする。乳がんと時を一緒にする感じなのかもしれな い。その間はちょっと安心していられる。 ・検査結果に乳がんの一種類で硬がんと書かれていた。 インターネットで調べると、乳がんの中でも悪性と書か れていてすごく心配になって調べた。 ・結果的には心配するほどのことではなかった。病理の 結果は何度か出るので、最初の結果に固執しないほうが いいのかもしれない。 ・最終的に何が正しいかは先生と話してみないとわから ない。 ・硬がんについて自分で調べてすごく不安になったが、 その時間はもったいなかった気がする。 ・病院の主治医といつも一緒にいられるわけでもない し、病理の結果が出るまではすごく時間がかかる。その 間、相談相手がいなかったりするとインターネットで調 べてしまう。 ・取材で本は何冊も読んでいたが、それ以外に図書館に 行って一応全部目を通した。 ・地元の図書館には比較的新しい本もあったので、検索 する時には新しいものから読むようにした。私は活字世 代なので、本の方が信頼できる。著者もはっきりしてい るし。 ・本でも著者によって考え方が違う。どの人を信頼して どの人の考えを受け入れるかは、最終的には自分次第な のだが、そう考えられるようになったのはインターネッ トや本の恩恵だと思っている。 ・先生に会った時、本にはこう書いてあったのですがと か、こういう選択肢はないのですかと、いろいろ質問で きた。 ・本やネットは有効だった。インターネットのない時代 だったら、図書館に行って本を調べたかもしれない。 3. 治療開始 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・5 月中旬に手術をした。 ・9 日間入院し、そのうちの 3 日間は、検査と週末が入ったた め、月曜日に手術して土曜日に退院した。 ・手術への希望は特になかった。手術方法の説明は受けたが、そ れに対して特に意見はなかった。 ・温存手術。 ・リンパ節転移はなかった(手術中のセンチネル生検で判明)。 ・ただ、リンパ節への転移とか細かい病理の結果が出るのは手術 の 1 ヶ月後だった。手術後、「きれいに取れましたから大丈夫で す。あとは病理の結果次第」と言われた。切った部位の境目にが ん細胞があるかどうか調べたり、ものすごく細かな病理診断があ り、最終的に腫瘍からのリンパ管浸潤が見つかった。 84 ・いろいろ本を見ると、リンパ管浸潤はあまりよいこと ではないと書かれている。でも先生はすごくよい結果で すと言われ、だから全然心配ないと言う感じだった。 ・帰宅後、本で病理結果を調べたら、リンパ管浸潤だっ たが、絶対に大丈夫と書かれていた本はゼロなのです。 不安になって、先生に電話でたずねた。すると先生は、 腫瘍からリンパ管にいく浸潤があるのは、どの腫瘍でも そうだと言われる。腋下などのリンパ節に転移している かどうかが重要であって、その危険性は全然ないと言わ れてすごく安心した。本やインターネットの知識だけだ と、いまひとつ理解しきれないところがあった。 ・放射線治療は、暑い盛りはとてもつらかった。話には聞いてい たが、やはりやってみないとわからない。 ・普通のレントゲン写真に比べてかなり多いエックス線を浴び た。治療を始める前に手術した部位を中心に何枚も CT を撮り、 角度を検討したが、本当に大丈夫なのかと不安だった。他の場所 に当たっていないか、命中しているか本当に心配だった。手術部 位側の胸全体に当てるので。最後は日焼けしたように色が変わっ た。 ・ある時、首に変色部位が出て、もしかしたら広範囲に当たって いるのではないかと思ったことがある。放射線科の先生に、首に 当たっていないかたずねたら、そんなことはあり得ないと言われ た。初めての体験ばかりで、不安だらけだった。 ・家から遠いので別の病院で放射線治療を受けるという人がいた のですが、彼女曰く、放射線治療が 1 回で済むと思っていた。こ れから 25 日は通うことになると言ったら、驚いていた。こんな 時代でも知識のない人はないまま。放射線治療は別の病院で行う ので、そこまで説明しなかったのかもしれない。 4. 治療終了 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・補助療法は受けている。連日の放射線治療が終わってから、ア リミデックスを服薬している(ホルモン療法)。 ・それを今、飲んでいる最中だが、副作用で骨量が減るから気を つけるようにと言われ、すごく気がかりである。 ・私ぐらいの年齢ではアリミデックスを飲まないという選択もあ りうる。飲まないで済めば、それにこしたことはないが、相談し たところ、全身の転移の危険性を考えれば飲んだ方がよいという ことになった。疲れやすくなった感じはある。 ・今後、検診をしていく過程で何も出てこなければ、徐々に「喉 元すぎれば…」で、あのときの状況を忘れていきそう。 ・もちろん傷跡を見れば取ったことはわかるが、特に自覚症状が ないので。自己検診はこれからも続けていかなければならない。 再発しないようにいろいろ気をつけなければと思う。しかしあの ときの衝撃は薄らいでいるのも事実で、一応やることはやったか らあとは何が起ころうと自分で受け止めていきたい。 ・今は 3 ヶ月に 1 回、通院している。 5. 意思決定 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・多分病気のことに関する最終的な決断は医者に任せるだろう。 しかし日常生活のことは自分で決める。 ・もっと簡単な病気だったら、治療方針などの決断も自分でする のかもしれない。しかし、がんの場合には、いろいろな情報を得 たうえで、最終的に主治医からこれがよいと思う、と言われた ら、それに従う。私の主治医は最終的には患者の決定を尊重する 立場を取っている。そうでないと、治療がうまくいかないという 考え方をしている。そうは言われるけれども、私はこれがよいと 思うと言われたら、乳がんに関してはそれに従うだろう。 ・情報がいくらたくさんあっても、病気に関して医師と いう専門職と私たちとでは理解の土壌が違いすぎる。情 報をすべて出してもらうことが本当によいのかどうか。 半面、隠されても困るので、そこがすごく難しい。 6. 情報コミュニケーション行動について 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 《情報発信したいか》 ・今回のがんは、自分にとってはすごく衝撃だったが、同じ乳が ん患者の中でもすごく恵まれた患者なので、特にアピールするほ どのことがあるとは思わない。 ・離婚した時には、いろいろ書き記したいと思ったけれども、乳 がんは自分にとっては節目ではあっても、他人にとってはそれほ どではないかもしれない。 85 ・ 神 奈 川 乳 癌 治 療 研 究 会 の ホ ー ム ペ ー ジ ( http:// www.kbcts.gr.jp/)はよく見た。自分と同じ状況ではなく ても、結構近い人たちにどのように答えているのか知り たかった。ホルモン剤とか放射線治療が不安で質問した 人に対する答えが載っている。「相談室」に、自分と同 じような疑問を持った人はいないかと思ってみていた。 ・今考えると、情報検索にいったい何時間かけたかわか らない。 ・見たくなかったという情報はない。 ・プリントアウトはしない。また見たいと思う情報は 「お気に入り」に登録したり、後で「履歴」をチェック する。 ・息子が Web 関係の仕事をしているので、インターネッ トの使い方を教えてもらった。ネット歴は長い方で、メ ールも 8~9 年前から使っている。 7. 家族・友人たちとの関係 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・精密検査をしなければいけないことがわかったとき、一番下の 娘を海外に出した時だった。娘には、その後で伝えた。彼女自 身、向こうで思うように話せない状態の時に、言うべきか言わな いべきか悩んだ。 ・息子たちは「言ってもよいのではないか、どうせ早期なのだ し」という感じだったが、私には娘の精神状態もわかるし、病気 などに過敏に反応しがちなので、パニック状態になって「帰って くる」と言うかもしれない。ただ、もっと進行していたら、言っ たかもしれない。 ・しかし私は、彼女にとって進行状況はあまり関係なく、乳がん という事実だけですごく大きな衝撃だろうと思い、言わないまま でいこうと決めた。 ・私はがんと聞いた時に、いくら早期とは言え、がんと死は直結 ・離婚後は毎年、自分の大事なものはどこに置いてある していると感じた。 か、私の死後はどういうふうにして、というのは一応書 いている。乳がんになったときも、子どもたちに書き残 したいことをまず書いた。娘にはなぜ知らせなかったか についてもふれている。 ・がんのことを兄に話したら、兄の方が私以上にショックを受け ・診断がついたのだから、あとは医者に任せようと思え た。 るようになるまでは友だちに電話で話したり、会って話 ・友人には、早期だから大丈夫と言われた。でも、兄は明らかに したり、メールをやりとりしたりして支えられた。それ 動揺しているのがわかった。だから、私自身がしっかりしなけれ は大きかった。 ばと思った。 ・息子たちは、何もわかっていないなという思いはあった。でも 深刻にならなかったので、楽でした。息子たちが深刻に考えたら 自分が辛いと思う。自覚症状やどこかが悪いということがないの で、外面的にはわからない。手術した後も結構元気だし。 ・親しい人が乳がんをしていたが、彼女はもっと進行した状態で 手術したので、いろいろ相談し始めたのは私が少し落ち着いてか ら。先生や周りから早期だと言われていたので、そんな状況にも かかわらずすごく慌てるのは、もっと進んでいて克服しようとし てがんばっている彼女には申し訳ない気持ちもあった。 ・その後相談したら、彼女から、なぜもっと早く言わないのとす ごく怒られた。しかし言う気にならなかった。 ・他の親しい人には現状を話した。その人たちは、自分は乳がん になっていないけれども、すごくてきぱきと対応してくれた。 ・ある人は、早期だから大丈夫だとは思うけれども、やはりがん なのだから慎重にという人もいた。 ・自分でも早期だから大丈夫とばかり、がんを馬鹿にしてもいけ ないという気持ちは絶えずあった。慎重に対処しなければ駄目と いうのは結構言われた。 86 8.健康管理 行動と気持ち ・悪いところは手術して取ればよいのだけれども、今までと同じ 生活をしていたら再発する可能性が高いのだから以前と同じ生活 をしていては駄目とすごく言われた。実際には、食生活に気をつ けることぐらいしかできないが。 情報コミュニケーション行動 ・マルチビタミンのようなサプリメントはとっている。 その中に含まれているビタミン E は普通の人には血液を サラサラにしてすごくよいのだけれども、サラサラにな りすぎると、乳がんの細胞もグルグル回ることになり、 あまり摂りすぎてはいけないと言われている。それがど の程度を言うのか、ビタミン E の最大摂取量をインター ネットで調べたりした。最終的には主治医に確認した。 ・骨粗しょう症の心配もあるので、カルシウムのような ものを摂っている。でもそれにも大豆イソフラボンが入 っていて、あれも摂り過ぎると良くないので、普通の人 の最大摂取量がどれぐらいで、これに入っている量はこ れぐらいというのはよく調べている。ただし調べても、 最終的には主治医にたずねる。でも、質問するまでの間 はすごく調べる。診察日ではない日は、当該の科に電話 して受付や看護師さん経由で聞いてもらうと、必ずすぐ 返事がいただけるので助かる。 ・乳がんになって、自分が一人ではなくていろいろな人に支えら れているということに気づき、感謝という気持ちが強まった。周 りに支えられている中で、責任を持って一つ一つ決断していかな ければいけないのかなと思う。そうしないと、またいつ、あなた の人生ここでお終いと言われるかわからない。だから、乳がんに なってからは、その時その時の人生に対する決断を丁寧に下して いかなければいけない、と肝に銘じている。 C. インタビュー 3(2007 年 4 月) ■プロフィール 年齢:40 代後半 職業:主婦 家族構成:夫(単身赴任中)、長男(大学生) ■ヒアリング概要 0.乳がんについての知識 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 《マンモグラフィについて》 ・友人に「乳がん検診を受けたがマンモは受けなかっ た」と言ったら、マンモが大事なのだと言われた。マン モを受けていないと本当の結果はわからないのだという ことを、かなり前に言われたことがあった。人間ドック を受ける前にもテレビやニュースでやっていたので、マ ンモグラフィが大事な検査であることは自分でもわかっ ていた。 ・ピンクリボンのことは最近、ラルフローレンが T シャ ツを出したり、東京タワーがピンク色になったり、ニュ ースや雑誌を見て、ピンクリボン運動があるのだという ことを知った。今は芸能人も割と(乳がんを)発表し て、自分はこのような経験だったという話も聞くことが ある。でも自分には絶対に関係ないことで、そのような こともあるのね、というぐらいの軽い気持ちで思ってい た。 87 ・昔、本で「乳がんというのは大柄で胸の大きく、乳製 品の好きな人に多い」というような文章を読んだことが ある。うちは全くがん家系ではなく、祖父や祖母ががん で亡くなったということもないし、両親も元気だ。周り に他のがんで亡くなった友人は何人かいるが、がん家系 ではないので乳がんは無縁の存在だった。胸も背も小さ いし乳製品も好きではないので、私は大丈夫なのだとい うイメージだった。また乳がんはとってしまえば大丈夫 というイメージだった。 1.病気の疑い期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・去年(2006 年)2 月に初めて人間ドックを受けた。私はずっと 受けていなかったが、夫の会社の主婦検診が無料で、以前から再 三受けろと言われていた。しかし怖いとか面倒くさいという気持 ちがあって全然受けていなかった。夫は毎年受けているので、 「一緒に受けるのであれば、お前も受けるだろう」と言われ、受 けた。その当時は N 市に勤務していたので、夫の受ける病院で人 間ドックを受けた。その時はマンモグラフィはやっていないが、 触診とエコーの結果から大丈夫といわれた。 ・(人間ドックの結果)良かったと安心していた。6 月初めにお 風呂でシャワーを浴びている時に何気なく右胸の脇を触ったらし こりのようなものを感じた。驚いて、これは骨なのかなと思って 反対側を触ったが、そのようなものはなかった。それでギュギュ ッと触ったらやはりしこりがあって、「しこり=がん」というイ メージがあったため、これは駄目だと思った。お風呂で貧血にな りそうなぐらいびっくりした。 ・もう駄目だ、もうがんなのかなと思って。あの 2 月の人間ドッ クは何だったのかなと思った。マンモを受けていないので、そん なには強く言えないのだが。 ・(しこりを発見して)どこの病院に行ったら良いかわからなか ったが、友人がたまたま M 病院で手術していたのを思い出した。 彼女は良性だったが、手術を受けているので、彼女に聞いたら、 「行ってみたら」と勧められ、翌日すぐ病院に行った。 ・(病院には)一応電話した。しこりがあったので乳腺外科の方 で診てもらいたいと言ったら、今日来てくださいと言われ、行っ た。行った日にエコーと細胞診をやった。マンモは予約がいっぱ いなので、次の日に来て下さいということで、翌日行った。1 週 間経って結果を聞きにいった。 88 ・《自己検診をしていた?》そのようなことはしていな かった。ただ雑誌とかで自己検診については知ってい た。お風呂に入った時に触ったりすることはあった。で も私とは関係ないと思っていたので、月に 1 回日にちを 決めて、というように定期的にはしていなかった。ちゃ んとやっていれば、毎年人間ドックを受けたかもしれな い。 ・友人は、良性だったが放っておいたらしこりが段々と 大きくなってきたのでとった方が良いと言われ、簡単な 手術で取った。そういう話を 2 年ぐらい前に聞いてい た。その彼女に夜中にメールを送って、朝、電話をする からと伝えた。そうしたらメールを見てくれたようだっ た。翌朝こちらから電話して、どこの病院に行ったのか 聞いたら M 病院だと教えてくれた。「他にも(病院は) あるのではない?」と言われたが、とにかく頭の中が真 白で考えられなかった。でも乳腺外科のある病院でなけ れば駄目だと言われたので、M 病院ならあるからと言わ れ、M 病院に行った。 ・がんだったらどうしようと思った。友人にもメールで しこりがあったと送った。でも皆「大丈夫よ、2 月に(人 間ドックを)受けているのだし、もしあったとしても良 性よ」と励ましのメールをくれたが、心の中ではがんだ ったらどうしようという気持ちと、考えてもしょうがな いという気持ちだった。 ・前日までは普通にご飯が食べられていたのに、その日を境にご 飯が食べられなくなって、頭の中はそのことでいっぱいになって しまった。まだがんと言われたわけではないのに、自分の生活が 一変して、ああどうしよう、どうしよう、どうしようという気持 ちで過ごしていた。 《細胞診の後》 ・テニスをやっているので、木曜日にやった細胞診はこ こ(胸)に注射をするのでその跡が痛かった。テニスの 約束を土曜日にしていたが、テニス仲間に胸が痛むし、 結果が出るまでとてもテニスをやるような気分になれな いから、とにかくお休みするからと、メールをした。M 病院に行ってきたことと、しこりのことを伝えた。 ・ふだん仲良くしている友人と他の約束をしていたが、 もしかしたら行けないかもしれないと言ったら、「どう したの?」と聞かれ、しこりがみつかって、検査の最中 なのでどうなるかわからないと、結果が出る前に 3 人か 4 人にメールをした。 ・たまたまその週は夫が帰ってきて、夫と子どもは「大丈夫だ 《検査結果を待つ間》 よ」「きっと良性だよ」と言ってくれた。励ましなのか何なのか ・もう怖くてしょうがなかった。ちょうどその時(新聞 わからないが、そのような感じで言われた。 で)がんシリーズを特集していた。乳がんの特集で、そ れ以前にも何回か読んでいたが、しこりが見つかってか らは怖くてその記事が読めなくなった。調べるとか、本 屋さんで見た方が良いのかなとか思いながらも怖くて、 病院でわかるまでは何もできなく、悶々としていた。 ・(乳がんを)とってしまえば大丈夫というのは、自分にしこり がなかった時のイメージで、しこりが見つかった途端にがん=死 というイメージが強くなった。同じ年の友人とか、ちょっと年上 の友人とか、夫の友人で乳がんとは関係ないが、がんで亡くなっ た友人がいた。お見舞いに行って、死ぬ間際まで見ているので、 がんで死ぬことがどんなに大変かということが頭に焼き付いてい る。だから、がん=死のようなイメージはあった。何がんであろ うが。 2.疾病確定期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 《検査結果を聞く》 ・午後の予約だったが、すごく病院が混んで、他の部屋はどんど んと人が入れ替わるのに、待つように言われていた診察室だけは 人がなかなか入れ替わらなく、前の人もすごく長かった。この診 察室は結果の悪い人が集まっている部屋なのだということが何と なくわかった。それでだんだんと息ができなくなって吐きそうな ぐらいになって、我慢できなくなってきて看護師さんに言おうか な、と思っていると名前を呼ばれて診察室に入った。 ・入ってすぐ、先生から「この間の結果ですが、がん細胞が見つ かりました」と言われた。がんですという感じではなくて、がん 細胞という感じだった。あの時は虚ろな感じだったが、確か「が ん細胞が見つかりました」と言われた。最初の一言めで言われ、 それを聞いた途端に血の気が引いていく感じだった。涙が出ると かそういうのではなく、「はあ、本当にがんなのだ。私」という 感じだった。 ・その日は先生がいろいろな話をしてくれた。紙にがんのような ことが書いてあって「クラス 5」と書かれてあった。私は勉強し ていなかったので、先生に「1~5 まであって、あなたは 5 なので す」と言われ、5 ということは最後だと思い、「私、末期がんな のですか?5 ということは悪いということだから、もう末期がん で私はだめなのでしょうか?」と言ったら、「違います。1 と 2 は良性で 3 と 4 はグレーゾーンで、5 はあなたの細胞診でとった 細胞の中にがん細胞があったということです。これからいろいろ なことを調べていって、どれぐらい進行しているのかとか、がん の大きさとかを調べていく。これはあくまでもあなたががんだと いうことだけです。5 が末期がんということではなく、別のこと なのですよ」と言われた。それで、「ああそうなのだ」というぐ らいに思えるようになり、少し落ち着いた。 89 ・がんと言われた日、しこりのことを最初に知らせた友 人に、メールで悪性だったことを伝えた。そうしたら、 みんな電話をかけてきてくれ「大丈夫?」と言って、 「何もできないけれども、大丈夫、大丈夫」という感じ で手紙やメールをもらった。そうやって話をしている と、だいたい泣いてしまい、私が泣くから向こうも泣い てしまうという感じで、お互いに泣きあう日々だった。 ・その後にいろいろ先生が説明をしてくれたが、あまり覚えてい ない。帰りに、泣くまでには至らなかったが、あまり私がボーッ としていたので、先生が「今日は一人で来られたのですか?」と 言われた。「ええ」と答えたら、「大丈夫ですか?帰れますか? 遠いのですか?」と言われた。「XX 区だから大丈夫です」と言 ったら、「近いから大丈夫ですね」といってくれた。タクシーの 中では半分泣いている感じだった。 ・人間は必ず死ぬということはずっと思っていたけれども、私な んかはボーっと暮らしているので 80、90 ぐらいまでボケながら 生きるのかなと漠然と思っていたことが、「人間って死ぬんだ。 それはいつ死ぬかわからないのだ」と思った。自分のがんがどの ぐらいの進行度なのかはわかっていなかったし、友人を何人かが んで亡くしているということもあって、がんは最後は死ぬのだと いう感じのイメージだった。 ・先生から、読むようにと最初に渡された本が『適切な 治療を受けるために』で、その後『乳がん 110 番』を買 った。これは本屋さんでいろいろと見たら、わかりやす く書いてあったので買った。 ・(夫とは)一緒に暮らしていないので、電話で話し た。私は何でも悪いほうに物事を考えてしまうほうだ。 病気のことに限ってではなく、今までにも、何も起こっ てもいない出来事を「このようになったら、次はこうな って」というように考えてしまい、いつもすごく損な性 格だなと思う。同じ出来事でも何とかなるさ、と思う人 もいるのかもしれないが、私はそうは思えない性質だ。 起きてもいない出来事をこれが起きたらどうしよう、ど うしよう、と考えてしまう方なので、夫もそれを心配し た。「お前にこのように言って、何とかなるよと言って も性格的に無理だろうけれども、とにかくあまり悩まな いように」と言ってくれた。 ・別に長生きをしたいとは思っていなかったが、その時は子ども が大学 2 年生だったので、もし今死んでも子どもは大人なので生 きていけるだろうと思ったが、子どもが就職して結婚するぐらい まではせめて生きていたいという気持ちはあった。まだ詳しい結 果はわからないけれども、今すぐ死ぬのは嫌だなというふうには 思った。別に今すぐに死ぬと言われたわけではないのだけれど も、勝手に想像して、何がんであろうとがんで死んでしまうのだ というイメージだった。 ・(がん告知の)翌週、MRI と CT の検査をした。その検査の結 果はまた翌週と言われた。6 月終わりに出た最終結果は、夫と一 緒に訊きに行った。手術日とか手術の方法についてその日、先生 からお話があると言われていた。 ・セカンドオピニオンをとらなかったので、友人は「そ の(最初に診断を受けた)病院だけで決めてしまって良 いの?」と結構言われた。テニス仲間で、乳がんで亡く なっている人がいたからだ。そう言われても、セカンド オピニオンをとるような元気もなくて、病院を探す元気 もないし、他に行って検査を受けるという気力も元気も なかった。その間、本を読む気力もなかった。 ・先生からもらった資料が結構あって、それにやっと目 が通せるようになったぐらいだった。 ・自分でも本を買った方が良いのかと思って、手術日が 決まった後ぐらいの 6 月の終わり頃、本を買った。次に 診察に行った時に、「自分で本とか買って調べました か?」と聞かれたので、「1 冊だけとりあえず買いまし た」と言ったら、先生が「この本がわかりやすいです よ」と違う本を紹介してくれたのでそれを買った。それ からは手術日も決まって少し落ち着き、本を読んで自分 の病気のことを知らなければという気持ちに傾いてき た。 ・私が『乳がん 110 番』を(主治医に)見せたら、この 本もわかりやすくて良い本だよと言ってくれた。あとは インターネットとか。 ・『乳がん診療ガイドラインの解説』は、先生に勧めら れて買った。 3.手術決定・手術まで 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・6 月の終わり、夫と病院に行き、7 月 24 日が手術日だと言われ ・『乳がん診療ガイドラインの解説』と『乳がん 110 た。 番』が手術までの間に買った本である。 ・インターネットは、手術する前はそれほど調べていな い。 90 4.手術後(病理の結果が出たあと~治療法決定まで) 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・手術が 7 月 24 日で、入院期間も短く、術後 2 日で退院した。 リンパ転移がなかったので、この日程で退院になった。ところが 退院してから、精神的な落ち込みなのかわからないが、夜全然寝 られなくなってしまった。その影響で、ご飯も食べられなくなっ てしまった。眠いのだけれども、昼間も寝られなかった。何故な のかわからなかった。手術で悪いところは取りリンパの転移もな かったのに。 ・(手術は)温存。普通ならホッと安心するところなのに、何故 か、興奮しているのかどうかわからないが、眠れない日が続い た。眠れないからご飯も食べられない。寝ようとすると息が苦し くなって地獄の底に引っ張られるような感じになった。何年も前 に子宮筋腫の手術をしているのですが、その時も同じようなこと があったので、全身麻酔の後遺症なのかと勝手に決め込んでい た。そうなると、死んでしまうのではないかと。子宮筋腫の時 も、今回ほどではないけれども、そういえばそのようなことがあ ったなと思い出した。 ・術後初めての受診までの間も、乳房に液が溜まるので、それを 抜きに何回か行った。それは担当の先生ではなかった。溜まった ら抜きに行くだけなので別に予約もしない。眠れないことを言っ たら、睡眠薬のようなものをくれた。それを飲んだらめまいが し、飲めなくなってしまった。 ・とにかく、もう少しで担当の先生に会えるから、と言われ、そ れまでは何日か我慢した。病理の検査結果を担当の先生に聞きに 行った時、会った途端に、泣き出し、「全然眠れないし、ご飯も 食べられないのです」と話した。先生からは「退院したときより も元気がないですね」と言われた。「食べられないし寝られな い、どうしたら良いかわからないし。私はもう、うつ病なのでし ょうか」と言って先生の前でボロボロ泣いた。そうしたら、「気 が張っていたのが抜けて、ホッとしてそのような症状になる人も いる」と言われた。「睡眠薬も出すけれども、精神安定剤を出す ので、それを飲むと多分落ち着くと思います」と言われた。それ は今も飲んでいる。 ・その後に病理の結果を聞いたが、あまり良い結果ではなかっ た。リンパへの転移はなかったが、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと 3 段階あるう ち、私はⅢだと言われた。核異型度の 3.8×2.5×1.2mm という大 きさだった。その楕円の中の一部が悪いのだが、輪切りにしたパ ソコンのプリントアウトを見せてもらったら、全部が悪いのでは なく 2 センチ位のところに結構悪性度が高いものがあった、と言 われた。その前に「がんの顔つき」という言葉を本の立ち読みで 知っていたので、先生に「がんの顔つきが悪いということです か」と言ったら、そうですと言われた。 ・その時はとてもショックだったが、先生の顔を見てホッとし て、泣いた後だったので少しスッキリし、まあしょうがないかと 思えるようになった段階だった。がんがあって安全圏を考えて余 分に切るが、その切り口には(がんが)見当たらないので、がん 自体は綺麗に取れていますということだった。 ・HER2 の値が 3 だということを紙に書いて渡してくれたが、リ ンパの転移がなかったぐらいが良い結果で、あとは良くなかっ た。 ・その時に今後の治療方針の話になった。最初はホルモン治療と (温存だから)放射線と言われていたが、結局悪性度と HER2 の 値が高いことから、抗がん剤のことに先生が初めてふれた。「し かしリンパの転移がないからどうしますか」と言われた。「今す ぐに回答しなければいけないのですか」と言ったら、「次の診察 までに考えてきてください」と言われた。次の週は先生が夏休み だったので、2 週間後までで良いということになった。 ・『術後・乳がんあんしん生活 BOOK』は病院にあったチ ラシで知った。手術後の本ということで、病気のことよ りも日常生活に中心が置かれていて、手術後に買った。 ・(病理のあとはよく調べた?)はい。それで次の治療 方針が決まるので。 ・手術後にインターネットで調べた、術後にやった病理 の結果が出た後。 ・言われたことをインターネットで結構調べた。HER2 や本の内容についても結構調べた。調べたと言っても、 私がやるインターネットなのでたかがしれている。 ・サイト名はあまり覚えていない。多分、本に紹介され ていたサイトだと思う。がん情報のサイトをいくつか開 いて調べた。 91 ・難しいサイトもあれば、専門的なサイトもあって、読 んでも全然わけがわからないものとか、英語のサイトも あって。キャンサーネット、がん情報サイト、国立がん センター、セカンドオピニオン・ネットワークあたりを 調べた。 ・治療中の患者の声が載っているようなサイトがあっ て、クリックしているうちに次々と広がっていく。どん どんと広がり、自分の知りたい情報ではないものまで広 がってしまった。絞込みの仕方が下手なのかもしれな い。自分が知りたかった内容はプリントアウトして、残 した。 ・抗がん剤と聞いただけで、転勤族の夫は一定のイメージを持っ ・乳がんにかかった友人は周りにはいなくて、かろうじ ていた。前の赴任先で 30 歳の男性が肝臓がんで亡くなった。見 て友人の友人にいたという程度だった。 つかった時にはもう末期だった。見つかるまでは普通に会社勤め をしていて、ちょっとこのへんが痛むからといって検査をした ら、もう末期の状態で即入院、2 週間ぐらいで亡くなってしまっ た。お見舞いに行った時にはまだ喋れた。そういう状態(末期状 態)にする抗がん剤なので不安だった。 ・食がもともと太いほうではないので、夫には「抗がん剤をやっ ・抗がん剤治療を受けると言ったら、その(友人の)友 ても大丈夫なのか、体力を落としてそれで死んでしまうのではな 人も抗がん剤もやったし放射線もやった、ホルモン治療 いか」と言われた。夫はこの方面の知識は全然ないので、抗がん もやった、と教えてくれた。みんな「ああ 3 点セットを 剤に対して怖いイメージを持っていたようだ。 やったわよ」と言うぐらい、一般的だった。 ・抗がん剤というと、ドラマでもよく出てくるように、白血病の ドラマで吐いてしまってご飯も食べられなくなるというイメージ があったので、そうなったら嫌だなと思った。でも、本を読むと 抗がん剤は通院でできるし、人によって副作用の出方も違うので 何とも言えない。抑える薬もできているのでそんなに心配するこ ともないし、髪の毛が抜けてしまうということはしょうがないけ れども、それ以外はそんなに思っているほどではないと書いてあ った。 ・再発するかどうかと、転移するかどうかは、もう神様しかわか らないと思う。抗がん剤をやったら絶対に再発しないのであれ ば、誰でもやる。でも抗がん剤をやっても再発する人は再発する し、やらなくても再発しない人はしない。それは私に与えられた 運命だと今でも思っている。結局、やれることはやろうとその時 に腹を括った。後から再発したり転移して、やはりあの時に抗が ん剤をやっておけばこんなことにならなかったのかなと思うので あれば、多少辛い目にあっても、やろうと思った。でも再発とか 転移をしたわけではないので、そのように思えるかどうかは実際 わからない。ただこの時に抗がん剤をやろうと決めたのは、後か らあの時にやっておけば良かったと後悔することだけば嫌だか ら、やれることはやろうという気持ちで、自分で決心した。 ・多分病理で悪性度が高くなかったら、先生も抗がん剤のことは ・(再発率とか転移の数字は?)本にも載っていたし、 言わなかったと思う。でも調べていくと、私の場合は再発率とか 先生がおもちゃのようなパソコンで、シミュレーション 転移の確率が高いがんのようなので、やれることはやろうと思っ をしてくれた。欧米人のデータで日本人のデータではな た。 いが、私の年齢とかグレードなどを入力して確かめてく れた。この抗がん剤をやると、これだけ再発率が下がる と教えてくれた。 ・一応(抗がん剤を)やれば転移とか再発率は下がる。(シミュ レーションを見て)その時は結構下がるのだと思って見ていた が、下がると言っても 90%が半分になるという感じでもなく、そ の程度のものかなと思った。でも少しでも下がれば良いかなとも 思った。もし再発したら、何のために抗がん剤をしたのかと思う かもしれない。でもそれは今の状態ではわからないが、今は途中 だし、抗がん剤も終わったばかりなので何とも言えない。ただ決 めたのは自分で、後悔するのだけは嫌だから多少辛くてもやろう という気持ちだった。 92 4.治療開始 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・(化学療法を始めて)違う治療法でもやったので、6 ヶ月か 7 ・治療方針を、先生から「あなたはこの薬を使います」 ヶ月ぐらい。8 月 20 日頃から始まった。終わったのは 3 月 10 日 と聞かされ、あとで本を見て薬の内容を知るという感じ 頃。 だった。インターネットでも調べたが、だいたい似たよ うなことが書かれていた。週刊誌でも新聞でも何でも、 がんという文字を見つけると飛びついた。今までであれ ば、「フン!」という感じだったが、特に乳がんなどと 書いてあると、すぐ読んだ。週刊誌で、乳がんの最新治 療と書かれていると、すぐ買ってしまった。以前 AERA に、ハイ・イイエで答えていって最後に適切な治療法に たどり着くチャートがあって、自分のやっている治療は 合っていると確認できた。 ・いわゆる 3 点セット(抗がん剤、ホルモン治療、放射線)をし ・自分の受けている治療内容の専門的な中身はわからな ている。 いが、他の病院ではどうなのか、他の人はどうなのかが 気になって見たりした。 ・HER2 の値が高い。ハーセプチンという治療が有効だ ということを先生に言われ、それについてよくインター ネットで調べた。 ・ハーセプチンのことは、本には載っていなかった。結 局、ハーセプチンは転移性の乳がんでないと保険が効か ないということがわかった。私の場合 HER2 の値が 3 で、本当は対象にならないらしいが、先生が保険ででき るかもしれないと言ってくれた。本当に保険でできるの か、調べていくとどうも保険は効かないらしいとか、 (保険に関する)セミナーに行っても、どの先生も言葉 を濁される。 ・同じ病院で治療をやっている人がいて、彼女もハーセ プチンをやっている。彼女曰く、友人がかかっている病 院で駄目だと言われたから駄目な病院もあるのね。保険 が効かないと、すごい値段になってしまうので、先生に 何度も確認した。最初に聞いたときは「1 回 7 万円」と 言われた。毎週打つので、1 か月で 28 万円になる。それ を 1 年間ぐらい続けると言われていたので気がかりだっ たが、保険がきくので 3 割負担で済むことになった。 ・シンポジウムやセミナーでも、他の病院の先生がハー セプチンは転移した人が対象だけれども、そのへんのと ころはあまり詳しく聞かないでという感じだった。乳が ん患者会の公開セミナーに行った時も、講師の先生が 「そのへんのところは…」と口を濁された。ハーセプチ ンの扱いは微妙なのだなと思った。本には転移した人の ことしか載っているので、実情はどうなのかなと思っ た。 ・インターネットで調べると、駄目と書いてあるものも あったし、患者の要望で保険を適用してくれる病院もあ るみたいと書かれてあるものもあった。深く聞いて何か あっても困るのかなと思い、あまり追求しなかった。今 は保険がきいているから良いと思ったこともある。 ・(インターネットで調べたのは)主にハーセプチンの 副作用だ。副作用については先生にも言われていたの で、それを確認したりする程度だった。先生もわかりや すく説明してくれるが、HER2 についてまったく知識が なかった。ハーセプチンは抗がん剤とは違う、新しい治 療法で、その値が高い人には有効だと言われ、やれるも のはやっておきたいと思った。裕福なわけではないが、 夫は心配するなと言ってくれた。 93 5.情報コミュニケーション行動について 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・知らないから怖いというのはある。だからきちんとした診断が つくまでは怖くて本も見られなかった。でも知っている方がよ い。こういう治療法もあるという知識は必要だ。知らないよりも 知っていた方が良いのではないかと最近は思っている。 ・最近はシンポジウムには行っていない。これまで 3、4 回行った。朝日新聞によく無料の企画が載っているの で、見るようにしている。今までそういうシンポジウム に行ったことはなかった。命がかかっていると思うせい か、自分でも本を読んで勉強もしているので、薬の名前 が出てきてもわかるので真剣に話を聞く。担当の先生に も、「この間こういうのに行ってきたけれど、こんなに 真剣に話を聞いたのは初めて。命がかかっていると違い ますね」と言ったら、「そうですね」と言いながら笑っ てくれた。 ・(知らない方が良かったという情報はないか?)そういうのは ・(自身の体験をホームページに載せてみようと思った 別にない。 ことは?)それはない。Y さんを見ていると、すごく精 力的にいろいろな活動して偉いなと思う。そのことを抗 がん剤の治療室の看護師さんに話した。Y さんは精力的 で、同じような経験をしているのに私とは全然違うと言 ったら、「人それぞれだからそのように人と比べない方 が良い。そういうふうにできる人もいれば、落ち込んで しまってできないで家に閉じこもってしまう人もいる。 人それぞれだから、その人がすごく頑張っているからと 言って自分も同じようにやらなければいけないと思って はいけない。自分なりにできることをやっていけば良い のではないの?」と看護師さんに教えられた。 ・(個人の体験記を探す時の目安は?)年齢が違いすぎ ると、がんの種類も違ってくるので、自分と似たぐらい の人の体験談を参考にすることはある。 ・患者会の会長さんが書いた本を買った。がんのあと潔 く生きる十ヶ条が書かれていて、その中に人間はがんで 死ぬのではなくて寿命で死ぬのだとあって、そうか!と 思った。皆いつかは死ぬわけだから、その言葉はインパ クトがあった。がんで死ぬわけではなくて寿命が来て死 ぬのだ。それを皆に言うと、「そうね、明日交通事故に あって死ぬかもしれないし、電車に乗っていても福知山 線のような事故で死んでしまうこともある。飛行機が落 ちて死ぬこともある。いつ何が起きるかわからないのは 皆同じね」返ってくる。自分も今は気持ちが落ち着いて いるのでそのように言えるのかもしれない。先のことは わからないが、今は治療している最中なので比較的落ち 着いている。 ・(本やネットの内容を見て先生に質問をしたこと は?)ネットの内容というよりも民間療法について聞い たことはある。母がすごく心配して、日々草から作った 何とかという青汁のような物を、私はいらないと言って いるのに送ってきた。その効用を先生に確かめた。妹か らは、この水を飲むと良いと言われて、それについても たずねた。先生は「別に悪いものではないけれど」と言 ったあと、「これはいくらするの?」と聞かれたので、 「いくらいくらです」と言ったら、「E さん、知ってい るよね。最初、民間療法に走ってすごくお金がかかっ た」と教えてくれた。「気をつけなくてはいけないもの もあるよ」とも。日々草のことはよく知らないのでと、 『がんの補完代替医療ガイドブック』をコピーしてくれ た。日々草の情報はなかったので、インターネットを調 べたら本があることがわかり、買ってみた。でも、がん がみるみる消えたと書いてあったり、抗がん剤の副作用 がつらいから代わりに飲んでいるとか書いてあった。自 分はそんなに副作用がひどくなかったので、なんとなく そういう話は信用できないと思った。民間療法を調べる のにインターネットを使った。 94 ・友人に「民間療法は信用する人にしか効かない」と言 われた。「私のように信用しない者には効かないわね」 と言ったら、「そうよ。宗教的な要素があるから信じな いと効かない」と返ってきた。今のところ飲むつもりは ない。母から送られてきたものは冷凍室で眠っている。 6.家族・友人、主治医との関係 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・友人は確かにすごく頼りになり、励まされた。すごく落ち込ん でいる時にも誘い出してくれ、私には何もできないけれど話を聞 くことはできるからと言ってくれた。自分の思いを聞いてもら い、そういう意味では助けてもらった。でも(抗がん剤治療につ いて)決めることは友人にはできないことだし、家族である夫に も子どもにも決められない。私自身のことなので、やはり自分で 決めるしかないのだなと、後悔するのは嫌だからここでできるこ とはやっておこうという気持ちだった。 ・私がセカンドオピニオンをとらないと決めたのも、先生はどう 思っているのかわからないが、そんなに喋る先生でもないが相性 の良いタイプだった。生理的に受け付けないという人もいるが、 話しやすいし先生だし、先生も聞いてくれる。がんはホルモン治 療でも 5 年間と長いので、先生が嫌いだったら続かないと思う。 そういう意味で、先生とは相性が合うので、他の病院で診てもら わなくて良いと思った。 ・頑張っている人がいると、私も頑張らなければいけないのかな と思う。そのことを看護師さんに言ったら、それは性格もあるし その人その人だから、自分ができる範囲でやった方が良いのでは ないの?と言われた。 ・この間も夫の同級生だった女性と会う機会があって、彼女も乳 がんだったということで、同じがん同士、初対面でも話が盛り上 がり、私はこうだったとか話せた。 7.人生観 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・割合と今は落ち着いて、自分の病気のことは受け入れられるよ うになって、普通に生活できることに喜びを感じ、少し謙虚にな った。今までは健康が当たり前と思っていたことが、普通にご飯 が食べられ、普通に友人と会ってご飯も食べられるし、放射線治 療で病院には通っているけれども、ごく普通の生活ができること が本当に幸せなことだと思えるようになった。今まではそれが当 たり前のことなので、幸せとも何も感じていなかった。そのあた りは病気になって初めて、こういうことが本当の幸せなのだ、何 気ない日常が幸せなのだということを感じるようになった。 ・阪神淡路大震災にあった人が、普通にお風呂に入ってご飯が食 べられるということが、避難生活でできなくなって、それまでの 生活が幸せだったことに気づいたと話していたのを思い出した。 病気と災害では違うが、私も同じような気持ちになった。これ が、お金とかではなくて、幸せなことなのだなと思った。 ・テレビでも本でも、乳がんは初期だととってしまえばおしまい だけれども、しこりができつつある段階で、全身に微小転移と言 って目に見えない範囲の転移はよくあると言う。普通のがんだと 5 年がめどで、5 年間再発しなければ OK だけれども、乳がんだ と大体 10 年間。ニュースを見ていると、15 年とか 20 年経って 再発したということを見たり聞いたりする。 ・W 先生という腫瘍内科で有名な先生がいる。その先生の本や違 う本でも、がんも糖尿病や高血圧と同じで、再発してもすぐに死 んでしまうわけではないし、そのがんと共に新しい治療法も出る し、新しい抗がん剤もその間に出てくるだろうから、それと上手 くやっていくように考えたら良いと書かれてあった。私は再発し たわけではないけれども、もし再発や転移があっても、そのよう に思えたらいいなと思っている。 95 ・再発すれば即「死」というイメージがあるけれども、乳がんは またそういうタイプとは違うがんのようだ。再発したらまずいが んもあるが、乳がんはそうではない。H 市の病院に通っている患 者がテレビに登場して、その人は看護師さんで 15 年経って再発 し、いま病院に通っている。「今からどうするのか」と聞かれ、 「抗がん剤の治療を受けた後に勤務に向かいます」、「勤務先は どこですか?」「病院で普通に看護師なのです」と言って、自分 で車を運転している。その人は元気だからテレビに出ているわけ で、皆が皆そのようなわけではないし、亡くなってしまった場合 も何人か聞いているので、皆が皆そのようなわけにはいく訳では ない。しかし、もし自分がそのようになった時には、そのような 気持ちが持てれば良いなと思う。私のことですから落ち込んでし まって、次どうなるかわからないが、今はそういう気持ちでい る。 D. インタビュー 4(2007 年 4 月) ■プロフィール 年齢:30 代前半 職業:無職 家族構成:父、母 ■ヒアリング概要 1.病気の疑い期 行動と気持ち ・短大を出てずっと正社員で働いていた。乳がんが発覚したのが 29 歳の時。誕生日が 10 月で、その(2006 年)誕生日の 2 週間 後、しこりに気づき、病院を受診した。 情報コミュニケーション行動 ・このしこりは何だろうと思い、インターネットで情報 を集めた。 ・しこりが何なのか、そして「良性だから大丈夫ですよ」と言っ ・ネットで調べていたら、乳腺繊維腺腫という病気が若 てもらいたくて、3 日後に病院に行った。しこりに気づいたのが い人に多くてしこりを作るものだとわかり、多分それで 金曜日の夜だったので、土日はやっていないと思った。 はないかと思った。 ・(家族には)話した。しこりが見つかったということで、病院 に付いて来てもらった。 ・月曜日に(病院に)行こうと思ったが、いつもであれば町医者 ・情報収集する前は産婦人科や婦人科の病気と思ってい に行くが、虫の知らせだったのか大学病院に行こうと思い、近所 た。でも途中で外科の病気だということをネットで初め の大学病院に行った。初診は月曜日の午前中と書いてあって、そ て知り、外科に行った。 の時は働いていなかったが、その(調べた)時点で午後だったの で行けないと思い、翌日火曜日の朝一番で受診した。 ・「しこり」というキーワードで調べたら出てきた。乳 がんでも乳腺繊維腺腫でもいずれにしろ外科を受診する ようにということだった。 ・多分ヤフーで検索をかけて、「乳房のしこり」などと 入れて、ヒットしたページをランダムに見ていた。 《病院で》 ・受付で今日はどうしましたかと聞かれ胸にしこりがあると言っ たら、乳がんとか乳腺の病気用の問診票を書かされて、すぐにマ ンモグラフィをとってくるように言われた。 ・受付をすませ、診察まで 30 分とか 1 時間あった。初診で予約 もしていなかったので。その間にマンモグラフィを撮るようにと 言われた。撮影後、先生の触診があって、その後エコー、細胞診 とフルコースでやった。 ・家に帰ったのは夕方ぐらい。たまたま当たったのが乳腺の専門 医だった。多分マンモグラフィの画像とか触診の感じで、多分わ かっていたので、細胞診までやったのだと思う。その時にがんの ことは言わなかったし、疑ってもいなかったので、大学病院だか ら大げさな検査をするのかなぐらいに思っていたが、最初の日に フルコースだった。1 週間後、結果を聞きに行った。 96 ・結局、細胞診まではいろいろな先生が担当し、診断が確定した 時点で専門医に回すということのようなのだが、私の場合はたま たま最初から専門医だった。 ・何かの時に「この間、しこりを見つけたけど大丈夫だったよ」 ・(検査について話をすることは?)友人にはしなかっ というぐらいの話だろうと思っていた。 た。違う可能性もあると思ったので。十中八九違うと思 っていたので、ほとんど忘れかけていた、大丈夫だろう なという感じで。 ・乳がんとは夢にも思っていなかった。 ・調べると不安が大きくなるので、あまり見ないように して、1 週間後の結果を聞いてから行動を起こそうと思っ ていた。 ・(乳がんのパンフレットなどをもらったか?)ない。 乳腺外科ではなくただの外科なので、あまりそのような 資料は置かれていない。年間 100 例以上オペをやってい て、少ないほうではないのだが。 2.疾病確定期 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 《11 月 1 日》結果を聞きに、母と行った。 ・(診察室には)一人で入った。「結果は悪性でした」と告知さ れた。いかし、すぐにはその意味がわからなかった。それが、イ コール乳がんとわからなくて、ちょっと悪いのかなというぐらい の感じで「え?」と聞き返したら、「乳がんです」と言われた。 「来週ご家族と聞きに来てください」と言われたので、「今日、 来ています」と、母を呼びに行き、二回目も同じことを聞いた。 ・(画像等を見せられた?) いいえ、普通に資料を見ながら。カルテなのでしょうか。その時 あまりのショックで記憶がない。母親が泣きやすいタイプなので 泣くかなと思ったら意外に、ああそうですかという感じで聞いて いた。 ・その日のうちに CT を撮るように言われた。偶然空きがあり、 すぐ撮れた。CT の予約を入れた時点で 11 月末日まで予約がいっ ぱいになっていた。手術日は 11 月 28 日に決まった。 ・話しているうちにキャンセルが出、今日(CT を)撮ることに なった。当初、手術までに何とかねじ込むという話だった。 ・祖母が 49 歳で亡くなっているが、死因は乳がんだった。今ま 《CT の結果が出るまでの一週間》・自分の方から友人に でがんで亡くなったということしか聞いていなかったので、私が は言えなかった。メールが来た友人に、実は今日言われ 乳がんと言われて初めて乳がんだったと知った。 たということは言えたが、あまりのショックで自分から メールはできなかった。 ・そろそろ働こうかなと思っていた矢先で見つかった。 (会社に行っていなかったので、友人と)約束して、何 日に遊ぼうという感じだった。メールが来た人で、知ら せたい人と思った人に、実は手術することになったと知 らせた。 ・(告知を受けてから)検索キーワードも乳がんに変わ り、本を買って丹念に読んだ。S 病院の N 先生が書いて いる本が、その時点で一番新しかった(2005 年 9 月 刊)。本は情報が古いからあまり見ない方が良いと、ど こかの先生の話をネットで見たが、その本は新しかった ので、最新情報が載っている思い、すごく読んだ。そこ で知りえた用語で検索をかけたりした。 ・(検索ワードは)センチネルリンパ節生検とか、耳慣 れない、今まで知らなかった言葉ばかり。 ・私はセカンドオピニオンも絶対行こうと思っていたが、母が反 ・私は温存治療だったが、場合によっては全摘かもしれ 対した。「絶対にあの先生が良いから、お願いだから絶対にあの ないと言われていた。全摘になるかもしれないという確 先生に手術してもらって」。 率を 50 対 50 ではなく、全摘するというように考えてし まった。それで、なんとか温存できないものかと思い、 病院を調べた。 ・(セカンドオピニオンに行こうと思った理由は?)全摘になる ・温存の実績の豊富な病院だった。その時はまだ主治医 かもしれないと言われたので、100%温存できると言ってくれる を信頼していなかったので、主治医について調べること 先生に診てもらいたかった。 はなかった。 97 ・告知された日の帰り、母と食事して帰った。その時、母が「先 生がイケメンだ」と言った。私はそういう目で見ていなかったの で、びっくりした。私はずっとイケメンだからあの先生にしてと 言っているのかと思った。私の記憶にない場面で、その先生が 「治しましょう」と言ったという(後日談)。それがすごく気に 入ったらしい。治らない病気を治しましょうとは言うわけはない し、先生が絶対に治すと言ったのが根拠だった。 ・(セカンドオピニオンは)母の猛反対で行かなかった。 ・K 市病院の分院の放射線科の先生が私の友人と仲が良 くて、その先生と話をしていただいたりした。セカンド オピニオンに行くなら、F 先生はすごく有名ですが、F 先 生にその先生から伝えてくださるということで手はずは 整っていたが、現実問題調べれば調べるほど術後の治療 とか K 市まで通うのは厳しいということに気がついて、 申し訳ないのですけれども、ということで止めた。 ・温存になった場合は放射線治療がある。放射線治療は 25 日間ずっと毎日通わなければいけなく、それは無理だ と気づいた。 3.手術決定・手術まで 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・乳がん経験者のブログを読んだ。私は抗がん剤をやっ ていないが、やっている人がほとんどで、辛いとか苦し いとかそういった暗い内容が多く、これ以上読んだら引 き込まれてしまうと思った。その頃、鬱っぽい状態が続 き、何をやっても泣くような状態で、明け方までずっと 泣いていた。 ・これからの人生に絶望していた。こんな病気になったら結婚も 無理だと考えたからだ。もし全摘になったら、恋愛も結婚もでき ないと考えてしまった。 ・一時は死のうとも思った。全摘するぐらいだったら死んだ方が ましだと思った。その姿で生きていく辛さと死ぬ辛さを天秤にか けたら、その時は死ぬ辛さの方が軽かった。 ・不安はその後も解消できなくて、手術前日まで逃げようと思っ ていた。病室に入っても、このまま逃げてしまおうかなと考えて いた。 ・(全摘か温存かは)手術をして開けてみないとわからないとい うことだった。がん細胞を切り抜いて外側にがん細胞がなければ それで手術が終わりだが、手術中の病理で一番外側に見つかった ら全摘になると言うことだった。 ・術前の説明時、そうなっても文句は言わない旨の誓約書を書か ・主治医が手術前日まで乳腺専門医だということを知ら された。 なかった。ただの外科医だと思っていた。病院のホーム ページで見て、初めて知った。医師も特に何も言わなか った。 ・(実際の大きさは)2.5cm×2.3cm だった。3cm が基準だった らしい。CT の結果でリンパの方に転移はないことがわかり、今 の時点で画像診断だけで言えば温存手術は可能ですと言われた。 ・先生は最悪のケースを考えて話す。最悪のケースばかりに目が いってしまうらしい。 ・(逃げようと思った?)はい。胸がなくなるぐらいだったら、 このままがんで死ねば良いと思った。手術も何もしないで、この まま死を待てば良いのだと思った。 ・(逃げようとしたら)11 月下旬で結構外は寒かった。パジャマ ・(入院中は)N 先生の本を 1 冊。そういった本ばかり 姿で外に出たら寒くて、そこでくじけてしまった。駄目だ、寒 読んでいると暗くなると思って娯楽雑誌を読んでいた、 い、と思って病室に戻った。当日は、もう「まな板の鯉」状態 SPA とか女性セブンとか。笑えるような本ばかり。あと で、やるならやれという感じで、結構落ち着いていた。 は笑えるエッセーとか。 98 ・(入院は)4 日しか泊まっていない。月曜日に手術で、土曜日 から入院して、土曜日は主治医が学会で不在だったため、麻酔科 の先生と全身麻酔の話をして、やることがないから帰って良いと 言われた。入院手続きはしたが、2 時間ぐらいで帰った。明朝、 戻って来るように言われ、一度家に帰って、日曜日の朝に戻って きた。主治医が休日出勤してくれ、細かい手術の話をして、最後 のエコーの検査をやってその日は終わった。月曜日に手術し、 火、水と泊まって次の木曜日には外泊許可が出た。「金曜の朝に 戻ってきてください」と言われ、金曜日にちょっと検査をやって 夕方に主治医が来て、「今日はもう帰って良いです。週明けまで 帰っていて良い」と言われた。 ・トータルでは 11 日ぐらい入院したことになっているが、実質 泊まったのは 4 日だった。個室だったのでもったいないと思っ た。 ・私は個室でなければ嫌だった。病気で入院しているのに、どう して他人にまで気を遣わなければいけないのかと思っていた。早 く出られるようにという願掛けも兼ね、個室にした。個室は高い ので、早く出なければ、と気を強くできた。 4.手術後(病理の結果が出たあと~治療法決定まで) 行動と気持ち ・温存で良かったと思った。翌日の夕方に病理の結果が出る予定 で、そこで悪い結果が出たら再手術になると言われた。月曜日の 夕方に先生が来て、「大丈夫なので、明日退院してください」と 言われた。 ・1 週間後に外来に行き調子はどうかという話になり、治療に 2 パターンあると言われた。温存だったので放射線はマストで、抗 がん剤とホルモン治療が選択肢の 1 で、その 2 がホルモン治療プ ラス放射線治療だった。 (治療法は)自分で決めた。 ・その時、「あなたは抗がん剤治療ですよ」という言い方ではな く、やるかやらないかは選んでくださいと言われたことから、や らないと踏んでいるのかなと思い、それならば大丈夫だと思っ た。結局、やらない方向に決めた。それから放射線をやり、ホル モン治療をやっている。 情報コミュニケーション行動 ・(乳がんの手術数はどうやって調べた?) 病院のホームページ。手術してだいぶ後になって。 ・私とまったく同じパターンの生存率と再発率の資料を 出してほしいと先生に頼んだ。先生はアジュバントオン ラインというアメリカのサイトから情報を取ってくれ た。(そのデータベースで)年齢や腫瘍の大きさ、グレ ードから、すべて同じものを探してくれた。 ・(アジュバントオンラインは)有名。抗がん剤をやっ た場合とやらなかった場合の再発率とか生存率を調べて もらった。その結果、さほど変わらないことがわかっ た。その差を大きいととるか小さいととるかは個人判断 だが、結局、後者をとった。たった 7%のために抗がん剤 はやれない、絶対に嫌だと思ったから。 ・(抗がん剤については調べた?)はい、ブログで。体 が具合が悪くなるのはもちろん、脱毛も絶対に(嫌だと 思った)。私の価値観では脱毛は絶対に嫌だった。いつ かまた生えるとは言え、絶対に嫌だし、苦しむのも嫌だ った。 ・(基本的には自分で調べて?)はい。あとは主治医に 調べてもらった。そういうデータをネットで探したが、 見つからなかった、何歳でどうというデータが。日本語 でしか探せなかった。サンプル数はアメリカの方が多い ので、多分そういうサイトがあるだろうと思った。もし かしたら、病院だったらあるかもしれないと思い聞いた ら、出せると言われ、データを出してもらった。 4.治療開始~現在 行動と気持ち ・(今は)ホルモン治療を続けている。 ・絶対に嫌だと思ったことはすべて回避でき、良かった。(当初 の予想が外れた感じ?)あれっ?という感じで、むしろ風邪より 楽なぐらいだった。(最初は)生きる希望が本当になかった。 ・(病気を受け入れられたのは?)抗がん剤治療がなかったの で、治療が辛くなかったのが大きな原因だと思う。(しかも自分 で決めた選択肢だった)そうです。他人に決められていたら何で もそちらに責任転嫁していたと思う。自分で決めるべきことなの かなと思う。主治医とも仲良くなって、通院も楽しくなった。 今、何をしにいっているのかわからないぐらい。 99 情報コミュニケーション行動 ・(通院は)月に 1 回。4 週に 1 回なので、今年の 11 月 1 日が 最終日だ。 ・(ホルモン剤を)今も飲んでいるが、本当はその後 3 年間飲ま なければいけない。しかし注射と一緒に止めようかなと思ってい る。最初はちゃんとしないといけないと先生も言っていたが、今 はそれも良いのではないかという感じになってきた。 5.情報コミュニケーション行動 行動と気持ち 情報コミュニケーション行動 ・ミクシィを暮れから始め、そこで徐々に友人ができ た。コミュニティにも入った(ピンクリボン)。今は 700 人ほどいる。私が入った当時は 300 人ぐらいだっ た。 ・(ミクシィのきっかけは)友人から、「面白いのがあ るけれどもやってみない?」と言われて。その時はどん なものかよく知らなかった。とりあえずメアドを教え、 入ってみて、こういうのなのだということがやっとわか った。(ピンクリボンのコミュニティを)チョコチョコ とのぞいたりした。 ・もう一個はそれほど人数の多くない「乳がん、再建へ の夢」というコミュニティ。そこで私と同い年で最近発 覚したという子がいて、どうしても書かずにはいられな かった。 ・(乳がんで検索した?)はい。いくつか見て、自分の 知りたい情報が載っていそうなところを選んだ。 ・(日記は)書いている。(公開レベルは)今は友人ま でにしている。書くときはだいたいパソコン。闘病記と 言うほどではないけど、診察のようすとか書いている。 ・診察の度に先生をいじっている(笑)。それを全部書 いているので、悲壮感も全くない、こうやっていじって きたという感じの内容。 ・(ミクシィでしか知らないと、ご本人とは違った印象 を持ってしまいそう)悩んでいたとか泣いていたという ことは想像がつかないと思う。その一番つらいときはミ クシィをやっていなかった。 ・(書けることと書けないことというのは)ある。診察 のようすは記録として残しておきたいので書くようにし ている。インターネット上に残しておくという感じ。コ ミュニティの方はあまり書き込みはしない。 ・(コミュニティの掲示板を読む?)興味のあるテーマ であれば、読みに行く。私のマイミクさんがミクシィ内 に乳がん患者会というのを作ったので、そこに登録して いる。新しく作ったコミュニティもあり、そこに入って いる。 ・(コミュニティがたくさんあると使い分けが大変で は?)書き込みがあまりないところは見に行かなかった りする。 ・マイミクさんがやっているコミュニティは結構盛んに 書かれるので、そこはよく見る。(盛り上がる原因は? どうして人気があるのでしょうか)関連のある悩みとか 疑問とかの場所で「私はこうですが、どうですか?」と いうような発言で活発になる。 ・(他のコミュニティは)個人がどうというよりも、こ んなイベントをやりますよという感じになっている。 ・(オフ会は?)結構あるようだ。住んでいる地域単位 で、私は千葉県民とか東京都民というような場合もあ る。結構、抗がん剤をやっている人も多い。 100 ・(イベントは)行っておくべきかなと思っている。私 でも情報発信できると思っている。乳がんは今、若い人 にも増えている。公共広告機構のポスターで、乳がん年 齢の一番高いところが 40 代とうたっているが、それにク レームをつけようと思ったぐらい。なぜ、40 代に限定す るのか。私のマイミクさんでも年下の子はたくさんい る。 ・一般に乳がんは 40 代、50 代の病気だと思われてい る。確かにピークはそうだけど。たまたま大きな病院で 受診できたので良かったが、放っておいてしまう子がい たり、手遅れになったりする人を見た。ネットで友人に なった子も一度誤診されている。その子は 31 の時だった が、その先生が「君の年齢では乳がんはないから」と言 われた。そこの市町村の乳がん検診を掲げている病院だ ったらしい。その子は不安だったので、半年後に乳腺専 門のお医者さんを受診して乳がんだとわかった。 ・(そのネットの友人は)主治医に「乳がん検診で違う と言われた」と言ったら、「専門医でないとわからない ことがある」と言われたという。結局全摘になってしま った。他の乳腺の外科医にあまり言っては駄目だと言わ れたのだが、乳がん検診を掲げる病院は検査の機器が揃 っているかどうかではなく挙手制らしい。だから 100% 信用はできないと言われ、納得した。 ・(ネットの友人の話) マンモグラフィはおろか触診、エコーもしていない。が ん専門病院に行って、何でこんなに違うのかと思ったそ うだ。細胞診も一応やったらしいが、全く外れていたら しい。無駄にお金を取られて体も傷つけられたと憤慨し ていた。でも、その後に行った病院がすごく良い病院で 助かった。 ・その人は A 県に住んでいる。東京に来た時に会ったのが最初だ ・(そういうやり取りがミクシィの中で)リアルでもあ った。 る。 ・その後(去年の夏)、私が A 県に遊びに行った。亡くなった祖 母が A 県出身なので、これも縁かなと思って。祖母の写真を手 に、出身地に連れて行ってもらった。帰りたいだろうなと思った から。 ・(A 県の)彼女も 3 年半経つがすごく元気で、フルマラソンを やるなど、すごく元気。そういう人たちに囲まれて元気になるの かなと思った。 ・A 県にいる友人は海外旅行に行ったことがある。その 時は泣いては食べ、食べては泣いてという状態で、旅行 中ずっと泣いていたらしい。帰りの電車の中で、「私も 旅行に行けた。普通の人と同じだ」と思ったという。最 初、自分は特別で、疎外感を感じ、健康な人と距離を置 いていた。でも別におかしくはないということに気づ き、それがきっかけで病気を受け入れられたと教えてく れた。 ・(その友人が旅行の話をしてくれ)「あなたも仲間だ よ」と書いてくれ、それが病気を受け入れるきっかけに なった。 ・(インターネットがなかったら?)情報と言う面では余計な情 報も多い。今の人はミクシィで情報を集めようとするが、心配し ている。「皆さん、どうですか?」と聞いてきたりするが、病状 は一人一人全然違う。だから危険だと思う。なぜ主治医に聞かな いのだろうと思う。私は乳がんについてネットで調べないで、疑 問点は全部主治医に確認している。 ・(ネットで調べようとする人は)主治医が忙しそうで聞けない と遠慮している部分がある。言う義務も訊く義務も権利もあるの で、かまわないのに、すごく遠慮してしまっている。 101 ・データを手にし、一番よく知っているのは主治医。素人に聞い てその治療はおかしいと言われて、不信感を持ってしまったら大 変なことになるう。医者に訊くなら良いが、なぜ同じ病気の人に 治療のことを訊くのだろうか。例えば全摘した人によい下着のこ とを訊くのはかまわないが、薬のことを訊くのはひとつもいいこ とはない。 6.家族・友人、主治医との関係 行動と気持ち ・私は親の前でも泣かなかった。一人っ子なので逆に親のことが 心配になった。私がメソメソ泣いたら、この人たちは駄目になる と思った。だから親のいないところでしか泣けなかった。 ・仲の良い友人には、医者から乳がんだと言われたと話した。で も、この気持ちはなった人でなければわからないと思う。少し鬱 っぽかったので、他人との接触が嫌な時期だった。 ・主治医をずっと嫌いだったが、10 年ぐらい世話になるので、あ る時に仲良くしないままだと来られなくなると思った。先生は真 面目で冗談を言わないので暗い人だと思っていたが、冗談を言っ てみたら結構面白い反応が返ってきた。そこからこれは?と思っ て、そこから診察の度に先生をいじっている(笑)。 ・ミクシィの皆が見たいと言うので、(主治医の写真を)撮って くるからと言ってしまった。「先生、患者さんと撮ったことがあ りますか?」と聞いたら、「あります」と言うので、「じゃあ、 私とも撮りましょうよ」とか、「先生が私を撮りたいでしょう」 と言って撮った。 ・(主治医が男性であることが)最初、すごく嫌だったのです が、今となったらどちらでも良いという感じ。もう恥ずかしさも なくなってしまった。 ・ミクシィの友人に再発してした人がいて、(主治医と)その人 のことをずっと話した。「私の話はしないのかな?」というぐら い。最近は経過が良く、その後の検査でも何も出ないので安心し ているようで、結構いろいろなことを(先生が)忘れる。「今日 は血液検査をするのでしたっけ?」とか。そのぐらいが一番良い のかなと思っている。なぜ私に聞くのという感じ。「この間やる と言ったではないですか」と。 ・父親はそれなりに心配していたと思うが、そんなに大丈夫か大 丈夫かというタイプではないので、かえって楽だった。病気につ いてはあまり話さない。 情報コミュニケーション行動 7.人生観 行動と気持ち ・今回の病気でわかったことは、受け入れることがいかに大事か ということだった。病気の自分が受けいれられなかったので苦し かった。そこである時、病気であることを受け入れることができ た。そうしたらすごく楽になった。 (受け入れられたのは)ミクシィに入ってから。(放射線治療 の)最中とか、そのころ受け入れることができ、精神的にすっと 楽になった。それまで人に言えなかったのが、今は初対面で言っ てしまうほど。 ・(乳がんは)今までの価値観を全部変えた。それは今元気だか ら言えるのかもしれない。でも死生観はすごく変わった。今まで 感謝できなかったことに感謝して、ご飯を食べることや出かける ことは今まで当たり前の事だったが、それが当たり前ではないの だなということがわかった。まさに有り難いに尽きる。 ・以前はちょっときついと思っても、やると言ってやっていた が、今はきついなと思ったら無理はしないことにしている。すご く楽になった。 ・(以前は)完璧主義というか何でもきちんとやらないと気がす まない方だった。きちんとできなかったことに対してストレスを 感じるような面があったが、今はできなくてもいいやと言う感じ で、いい加減になっている。 102 情報コミュニケーション行動 ・がん保険の CM で、「がんになってからの私が自分ら しくて好きです」と言っている CM があるが、あれがす ごくムカつくと言う友人がいる。がんになってうれしく も何でもないと。あのように言って泣き落として、ご機 嫌をとっているかと思うとムカつくと言って、すごく評 判が悪い。 資料 2 就活学生へのインタビュー 1.手続き 実施:2006 年 2 月 15 日 参加者:京都にある D 大学社会学部の 3 年生(5 名)と 4 年生(2 名) 2.インタビュー記録 A. グループ 1 参加者:3 年生(I、O、S)、4 年生(K) ●どんなところに就職したいか I 医薬品関係、不動産、食品系のメーカー。セミナーに出てみて、興味を引かれたのがこれらの業種。【共通点 は?】特にない。 O IT 系、コンサルティング、新聞・出版など活字メディア。【一見広いが?】インターネットの勉強をしているので。 社会全般を広く知りたいので、社会のありようを知ることのできるところに。 S 広告、印刷、メーカー(製紙)。活動がいつからとははっきりはわからない。3 回生になったくらいからぼんやり と意識。就職に関するオリエンテーションは 3 回生の秋。 K (就職活動期は)代理店、リクルートなどメディア系、IT 系。決まったのも IT 系。メディアに関心があった。勤務 地は東京(六本木)。 ●自分にとって就職とは I 人に喜んでもらえるような仕事がしたい。食品なら、普段から買ってもらえて、うれしさを感じられる。他人に喜 んでもらいたい。アルバイトや、サークルでもそうだった。サークルでも企画系の役職。大学に入ってからそう感じるよ うになった。2 回生の秋頃から上の立場になってそうなった。テニスサークル。 K やはりこういう質問をされる。大学で何をしてきたか。会社に入って何がしたいか。質問でも、「働くとはどうい うことか」など聞かれる。 S 自分がずっと楽しんでやれることをやりたい、優先したい。自分がやりたくなければやめてしまう。興味のあるこ とから選んでそれをずっと続けていきたい。お金よりも、自分が楽しいことにプライオリティを置いていきたい。給料は 極端に低くなければよい。 O クラブに所属していて、先輩におごってもらってきて、今は後輩におごっている、そういうことかと思う。社会か ら「おごって」きてもらったものを、今度は下に「おごって」いく、そういう、当然のことかと思う。その中で、社会全 体に役に立つようなことがしたい。社会にお世話になったものを返す。 K 自分でもまだ答えが出し切れていない。現時点では、社会に貢献できること。IT は、そういうインフラ部分を支え るものかと考えている。そういうことを会社に伝えた。自分にしかできないことを見つけたい。そういうスキルを身につ けたい。最初は、みんなが就職活動をしているからやってみるという感じだったが、活動の中で自分のやりたいことなど が見えてきた。多いときは一日 3 社くらい回っていた。合計で 30~40 社くらいか。一年目は、できるだけいい会社、大 手企業、東証一部などを狙っていた。名前ばかりで中身を見ていなかった。二年目は中身を見るようになった。【ネット 等の案内については?】どこも出しているものが同じで、差が見えにくかった。実態については話を聞きながら理解する 103 ようになった。IT 企業については、設計図を書くところ、下で部品を作るところがあるが、自分は下の方がやりたかった。 I 最初に思ったのは家族のこと。お金のかかること、勉強にもお金を出してわがままを聞いてもらって楽しい大学生 活を送ってきた。今度はそれをやってあげたい。年収の面でも安定した職に就きたい。やってあげたいから働く、働くか らには成果が目に見えることがしたい。それが業種にある共通点かと思う。 ●振り返ってみて就職活動は何だったか K 果てしない自分探し。旅に出ても何も見つからない。就職することによって自分が何をしたいのか、何十年自分が 何をして働いて、飯を食っていきたいのか、自分には何が合っているのか、適性があるのか、答えが出ないものを探して いた。【自己分析は?】リクルートの有料のものをやって細分化したものなどを受けていた。SPI は適性というよりテス ト。受けても得るものはない小手先のテクニック。【採用する方は、応募者が何をしたいかではなく、どう会社に貢献で きるかではないか?】まじめに仕事ができるとか、それくらいしか言えなかった。統計ができるかもしれません、とか。 肩肘張るのもよくないかと、周りから一歩引くのもアピールできるかと思っていた。年を取っているように見られた。若 さがない、覇気がないという風にかも。一歩引いた立ち位置を評価する企業もあるかと思っていた。相性の問題。自分の 良さをわかってくれた。 ●就職活動における情報収集や交換はどのようにしていたか I まずリクナビ、毎日ナビ、日経ナビ。この 3 つは先輩から登録するように言われた。夏明けくらい。オープンした のは 3 回生の 5 月か 6 月。 O リクナビと毎日ナビだけ。最初はリクナビだけだったが、毎日ナビでしかエントリーできないところがあったので そこにも。リクナビに登録したのはゼミの Y 先輩に言われて 6 月に。登録だけしてほったらかしだったが、使い出したの は 10 月くらい。学校のセミナーが 10 月の頭にあったので、そこから本格的に。【使い方は?】気になる企業を検索して ブックマークする、サイトからプレエントリーすると企業からメールが来て、説明会のお知らせなどがやがて来るといっ た具合。ブックマークは 70~80 くらい。エントリーは 20~30 くらい。条件を指定して検索したものを眺めて、面白し ろそうだと思ったものをブックマーク。【検索条件としてあるのは】職種、業種、企業規模、勤務地など。給与はあまり 関係ない。初期登録で自分の興味のある業種などを入れておくと、自動的に選んで送られてくる。それを見ることは多か った。そこで業種に興味を持ったものを芋づる式に見ていったりとか。情報は多いし、似たり寄ったりで差がわかりにく い。ブックマークだけして HP を見て差を探したりとか。自分が見落としているものはたくさんある気がする。名前で有 名そうとか、聞いたことのあるとかいうものはとりあえず見る。無名なものをクリックするのは、気まぐれ、偶然でたま たまという気がする。 K 決まった会社を見たのも気まぐれ。たまたま東京で説明会があったときに午後があいていたのでやっていた説明会 に入れていって見ただけ。 I ブックマークすると、「この企業をブックマークした人はこんな企業にも」という推薦が来る(毎日ナビ)。 K みんなの就職活動日記にも同じような機能がある。途中からそういう機能がついたと思う。楽天に買収された頃か ら機能充実。 O 半月前に使い始めた毎日ナビにリコメンデーションシステムがあって便利だなと思った。 I 日経にもある。順位付きで推薦がでる。下にメッセージが流れるようになっていて「業界 1 位」など表示される。 全員 かなり偶然に作用されているところがある。 I 朝起きて、昼には 1 回はネットを見るようにしている。夜は頻繁で開けるようにしている。一日見ないとメールも リクナビもたまる一方。 104 O きたときにすぐ反応しないと説明会の予約がすぐに埋まってしまう。 I アクセス数が多すぎてなかなか開かず、5 分後にはすべて埋まっていたり。 K 【アクセスするタイミングは?】リクナビとかは携帯で見られるので、時間があれば見ていた。 I パソコンだけ。携帯でアクセスできるのは知らなかった。 K パソコンの方が情報は多いけれど、リクナビのメッセージボックスの確認ができるので。昔は通数だけだったが、 説明会後にネットカフェで見たりした。 O 今は中身も見られる。 K 携帯では、説明会の生き方、ナビゲーションが見られる。 I 夜は毎日、1 時間に何回も。説明会のキャンセル待ちが前日にあることもあるので。 K ここ数年でだいぶ変わった。2005 年度からリクナビは Yahoo!の ID でアクセスできるようになった。昔は数字 12 桁。使い勝手がよくだいぶ便利になった。 I 自分は数字で覚えている。 S ほとんど他の人と同じ。登録は 6 月くらいから(プレオープン)。 O 最初は登録されている企業が少ない。9 月、10 月に増えてくる。10 月か 11 月にサイトからのエントリーが可能に。 S リクナビ、毎日ナビ、日経ナビにプレオープン段階で最初に登録。10 月くらいからすごくメールが来るようになっ た。リクナビは日に 1 回。毎日ナビは 2 桁くらい来る。リクナビは、1 回のメールに数社分入っている。 O リクナビは、メールボックスに何通来ているか通知がある。 K 毎日ナビは、就職企業側が直接送ってくる。学情に登録すると、スパム判定するほど送ってくる。一日 15 通くら い。運次第で読むか読まないか。 I とりあえず開いてみるけれど、読まない。未読はいやなので開くが。開いた瞬間に決める。 K 記憶に残るタイトルとかは特にない。富士山登山で頂上面接という企業のことは覚えているが。学生側としては何 を考えているのかという感じ。13 文字で思いを書け、などもあった。どこを見ているのかわからない。学歴フィルター があるとは聞く。学生の都市伝説として。説明会でも、東大だと説明会の空きがあるけれど、僕らの大学では空きが見え ないとかが、みんなの就活日記に書かれていたりする。大手だと学歴で切って、エントリーシートのテキストマイニング をしているところがあるという話を聞くこともある。しかし企業がほしい人物像というのはどこも変わらない。自分で問 題解決できる人とか。 O 【万が一、学歴で切っているとしたら、D 大は?】関西だったら残りそうな気がする。全国になると厳しいかもし れない。 K 学歴フィルターは落ちたときのいいわけにもなる。学歴で通過したとしたら、適性か。最初の方は、適性検査、 SPI は(学歴も)ふるい。あとは人事と合うか合わないか、社員の面接で合うか合わないか。【それに対する確信は?】 かなりある。 I 【他に参考にしているのは?】先輩の話は大きい。サークルやゼミの。また先輩の友人。そういうつながりで OB を 紹介してもらったり。本などは意識的に見ないようにしているが、知っている人の情報は重視している。 S 先輩の話も聞くが、インターネットが多い。登録したサイトや、みんなの就活日記など。先輩で仲良いのは学部が 違っていたので、参考にならなかった。自分のすすみたい業種は自分で調べなければならなかった。【公式ページの他 は?】2 ちゃんねるはあまり見ない。みんなの就活日記は見る。 I 『就職ジャーナル』とか。四季報とかも参考にする。 105 ●ニュースに敏感になったか S 接触量は増えたと思う。【ネットが多いか?】そう。暇なときに。 ●ブラウザのスタート画面はどう設定しているか S Google。 I Yahoo!。 O 以前は白紙ページ。今は infoseek の乗り換え検索(就活に関連して)。 K 3 つ設定。Gmail、Yahoo!、Google news(Firefox のタブで)。Google news は自動更新なので便利。 ●その他の情報源 K 『就職ジャーナル』はほとんど読んでいない。SPI の本や面接の本を小出しに切り売りにしている感じなので。本 を一冊買った方がよい。雑誌関係は読んでない。解説本と、後はサイト。 ●「みんなの就職活動日記」の利用(使うのが標準なのか) I 見ないけれど登録はしている。 O 登録していない。S が使っているのを一回見てみたが、あてになるのかなと。2 ちゃんねると信頼度の点でどう違 うのかと。信じられる情報の方がよい。 K 2 ちゃんねるとどっちもどっち。みんなの就活日記だと、連絡が来たかどうかの情報がわかる(自分が落ちた、と か)。そこがガセということもあるが、2~3 件は書き込みがあるので、そういう使い方。気分を切り替えることができ る、そういう手がかりとして。2 ちゃんねるに出ている情報は大手しかない。みんなの就活日記は企業ごとに掲示板が立 っているので。ネットカフェでお気に入りを見ればわかる。【ネットカフェの使い方は?】就活で移動しているとき。説 明会で、時間が空いたときに、ご飯食べるだけではなくてネットカフェに入って。東京でも。大阪には大学のサテライト センターがあったので。実家が関東なので東京はある程度わかる。 ●今振り返ってどんな情報が役に立ったか K 身近な人のアドバイス。たとえば友達から向き不向きを日常会話の中で、など。活動を通じた知り合いとの情報交 換はなかった。今の会社も説明会で一人しかいなかった。今の会社は本当に運。説明会もぎりぎりで間に合って、行って みたら一人だった。【ベストを尽くすことか?】あきらめないこと。たまたま高校の先輩がいた(人事から聞いた)。先 輩の妹が同級生だったという縁があった。面接もそういうところから広がっていった。運が大きかった。人との出会いは 大事にした方がいいと思った。 ●4 回生の K さんにたずねたいこと I SPI のテストセンターで聞かれることがあるか。 K SPI は慣れ。面接も慣れ。 I 自己 PR と学生時代にがんばったこと、志望理由以外に聞かれることは。 K それでもう 8 割くらい。そんなに変な質問はされない。自分の中で趣旨だけ決めて、丸暗記はしない。演説調にな るので。何を言いたいかだけ決めて。フランクな面接なならフランクに、堅いなら堅く。臨機応変に。 I 自己 PR と学生時代がんばったことが、結局一緒になってしまう。 K それは相関が高くないとおかしい。 I 2 つ聞かれると困る。みんなどうしているのか。 K 学生時代がんばったことは、その通りに書く。それを抽象化、一般化すればよいのでは。 I 学生時代がんばったことはエピソードを入れながら書けるのだが。 106 S 失敗した話が聞きたい。K から見て浮いていた人など。 K とりあえず説明会に行ってみたら試験があり、その後すぐ面接があった。下調べは十分に。集団面接では自分のこ とを演説するとよくない。会話が基本。演説したら面接ではない。【最初の年は】演説していたかも。やり方がよくわか らなかった。Trial & Error。後半からはスタイルが変わっていったが、自由にやりすぎて失敗した。 ●就職先に納得できなかったら留年するか。それとも、どうしても今年か。 I 就職できないと困る。兄が(資格の勉強で)家にいるので、自分はすんなり決まって親を安心させたい。 S その時点になってみないとわからないが、いまは就職したいという気持ちが強い。納得できないところを受けるの か、という気持ちもあるし、追いつめられたらわからないが、いまはそこまでに決めたい。 O 就職できないわけがないと思っている。自分よりダメな人間もたくさん就職しているし、できないわけないなあ、 と思っている。できれば就職はしたい。一つ下に妹がいるので、一緒になりたくない(大学入試の時と同じ)。就職でき ないのではないかと思わないようにしている。楽観的というよりも、楽観的に思うようにしている。 K 【悩んだ時期もあったと思うが?】ずっと、がむしゃらに動くようにしていたらいつのまにか(決まった)。4 年 生の 10 月すぎたときはまずいかなと思った。 ●景気動向、社会動向など全般に見たとき自分の就職可能性はどうか I 就職全体のセミナーに行くと「上がってきている、団塊世代の退職で」と聞かされる。 K いま就職業界が煽っている。2007 年問題。機敏に乗れと。リクルートなどが、その関係で転職業界も連動してプッ シュしている。 I 演者も、厳しかった時代には「いずれ 2007 年の波が来て転職もしやすくなるから、いまは就職しておけと言った」 とのことだった。いまはいい時期なのかなと感覚的に思っている。【転職のしやすさも考えて就職活動するのか?】でき るだけ最初から決めたい。慎重にやっている。 O【就職するにはいい時期か?】今はそういわれているし、採用予定人数は右肩上がりだけれど、個人的に景気がよく なっているとは感じられないし、人気のところが入りにくいのは変わらないのでは。【どこでもよいから就職できればい いという人にとっては?】いいかと思う。 ●活動中は日記やブログをつけていたか K 日記とかはつけていなかったが、リクナビなどで自分の活動記録が履歴として残るし、スケジュール帳を携帯で見 ることもできるので、そういう使い方をしていた。その記録は 1 年間残る(4 月いっぱいくらいでサイトは閉じる)。 mixi などで書いているのは具体的なことではなく、今日はどこに行ってアキバに行ったなど。隣の男がいけ好かない、と か。就活している人間の blog に行き当たった時にはよく読んだ。みんなの就活日記と違って、その人の活動の記録が追 えるので。自分から出すことはなかった。みんなの就活日記に匿名で書き込む方が自分と他の人が一緒に就活をしている という共感が高まるかなと思った。 I mixi には、志望業界ごとのコミュニティがある。内定している人にそういうものがあると聞いた。入っていないが。 S SNS はあまりやりたいと思わない。知り合いとしかやらないだろうし、そこで馴れ合うのも。そういうコミュニテ ィがあるなら見てみたいが。 K 就活専用の SNS があると聞いた。 O 自分は mixi に好意的でないので、登録はしているけれど。就活関係の情報があるなら見てみたい。情報の質が高い 気はする。 I 就職活動先で仲良くなって、携帯を交換したような仲ならすべてを出してもよいと思っている。 107 K 自分は連絡来た、来ない、くらいしか書かない。面接で何聞かれたとかは書かない。 O 自分もそうする気がする。親友なら別だろうが。そこまで情報を出してリターンがあるとは思えない。 K そういうところの情報を出すのは、ネット慣れしていない人のような気がする。わかっている人は書かないのでは。 よっぽど自信があるか、ネット慣れしていないか。友達は別だが。見ず知らずの人には教えたくない。 I 自分は逆。就職活動先で知り合った、目指しているという共通点がある人とならやりとりしたい。 K 【悩みを共有するという点でのコミュニケーションは?】はけ口は作っておかないと、と思う。友達と話するとか。 【ネット上では?】「就活に疲れた奴のスレ」を見るとか。 I 【そういうものを求めてネットに行くか】ネットの情報はありすぎるので。【就活をきっかけにパソコンを買った のか?】そういう人は聞く。今までレポートを書くだけだったけれど、ネットにつなげたとか。 K 【決まったのはいつ?】5 回生の 7 月上旬くらい。【その後会社の動向は調べているか?】小さすぎるのであまり 載っていない。内定者懇談会で聞いたり、とか。【内定者同士のコミュニケーションは?】3 人しかいないので、携帯で やりとりする程度。あいさつくらい。入社前研修などはないので会社からの連絡もない。本社で面接だったので現場もわ かった。 B. グループ 2 参加者:3 年生(F、Y)、4 年生(G) ●希望の就職先 F 放送関係を希望するが、やや挫折気味。 Y 証券関係一筋。一攫千金に猪突猛進。 G 4 年生。PR 関係に就職決定。大学院も考えていた。 ●就職とはどんなこと F 絶対にやらなくちゃいけないこと。働くのが普通だから。自分がやりたいからではない。就職しないのは孤立した 感じがある。社会的にニートが話題になっているが、否定的にとらえられているし、バカにしたような印象がある。ニー トにはなりたくないと感じている。 Y 大体同じだ。就職は、親に対して一人前になったと認識してもらえるようにするため。周りが就職活動は当然だと 思っている。特にみんなが就職となっていると、それに背を向けることはできない。自分の存在価値を高めたい。希望職 種は金融。 G 大学院も考えていたので、彼らとは少し違う。就職も進学と同じで、自己実現というふうに考えていた。やりたい ことと、できることを考えて、最大限それらをいかせることを考えていた。ボストン大学の PR の修士を出しているとこ ろを考えていた。社会に何かを反映させるのは PR だと思っていた。 ●意識の変化 F 放送に行きたかったが、厳しいということがわかった。自分がエントリーシートで落とされたりして感じた。絶対 にここ、というのはだんだんなくなってきた。食品やメーカーなど、中小企業もいいと思っている。このように思うよう になったのは、最初は自分で体験して、はじかれたりして、これはどうなるのかと思った。そしてネットで、2 ちゃんね る、みんなの就活日記などを見ると、「落ちた、落ちた」とたくさん書かれているのをみて、安心し、むずかしいなと思 108 うようになった。自分で考えたり、体験したのが大きいとは思うけれど、ネットでいろいろ見るうちにそんな感じになっ た。その中でもっとも影響があるのは、2 ちゃんねるの就職板。 ●自分にとって就職活動とは F ポジティブというのはあまりない。自己実現は、僕の場合は大きくない。とりあえずやること。やらなくてはいけ ないこと。 Y ネットワークがないとだめかなと思う。ネットワークを拡大する。人にたくさん会うこと。就職活動では OB 訪問 などでとても役立つ。2 ちゃんねるなどの情報の質などについては、それらを見ると、エントリーで自分が受かっていて、 落ちたという書き込みをみれば「やった」と思うし、判断の基準になる。結構自分の中では 2 ちゃんねるにふりまわされ ている感じがする。そこで書かれているのが結構重い。実際に会って一言いわれるのよりも重い。書いてある方が重い。 不特定多数に見られて支持されていると思うし、対面では言ってもらえないこともあるのに対して、ネットでは本心が書 かれているとも思う。 ●情報源 F 就職本はどの本もありきたりで、たいしたことが書かれていない。ネットで「こうしたほうがいい」なんて書いて ある方が、ずっとインパクトがある。「エントリーシートではサークルのことは書くな」とネットで書いてあれば、それ 以外のネタで書こうとなる。 G 2 ちゃんねるは、僕にとっては数勝負である。一人が、エントリーシートが来たと書いても、かすみたいなもので あるが、たくさんあるとそうなんだと思う。 F 僕は読むほう。2 ちゃんねるをよく読む。ほとんど書かない。落ちたということだけは書いた。会社のスレで書い た。誰かに言いたい。結構ショックなので、とりあえず、共有というのではないが、落ちている人全部に。感情のはけ口。 他のところでも書かない。ネットでは、どの会社もスレがあるので、周囲に受けている人がいなくても、ネットを通じて 一緒に就活をやっているという感じがする。友人とは、どこを受けているとかいう話はしない。友人とは、大学のパソコ ンの横で話をする程度。相談するということはなくて、本当に相談するというのではなくて、なんとなく聞いたりするこ とはある。同級生の行動は参考にならない。雑談程度ではいいけれど、あまり役立たない。2 ちゃんねるは自分の安心を 得るために見る。自分の知らないことが起こっていないかということを確認するためである。活用はする。本をよく利用 する。新聞は浅くて役に立たない。本は、就活のノウハウを手に入れるのに役立つ。面接の達人、SPI、これらは本から 得る。本の評判を 2 ちゃんねるなどで見てから購入する。企業研究は Web を見てやる。 Y OB 訪問は大事と書いてあるので、普通にやっている。 F 自分で電話をかけてコンタクトをとるのはちょっと。 ●メディア接触との関係 全員 マスコミ就職読本、新聞ダイジェスト、WBS(大阪の人間は見ている)。日経新聞は去年の 10 月ぐらいから読 み始めた。日経ビジネス系の雑誌。就職の時期と、読む雑誌や新聞と関連が高い。 マスコミを受けるつもりの人は、マスコミセミナーみたいなものに行く。そこで教えてくれる。そこから読むメディア が変わる可能性はある。 ●就職活動が占める割合 1 月の真ん中くらいから、朝起きて、パソコンを立ち上げ、エントリーシートを書いて夜中に出すというような生活。 就職活動のブログなどもある。最初は元気がよくて、企業名なども書いているが、時間がたつと、○菱に行くなどと書 き、さらに進むと○○などと変化していく。 109 家にいるとやらないので、8 時におきて、10 時前に大学へいき、エントリーシートを書いて、2 ちゃんねるを見る。こ れは息抜きみたいなもの。だいたい 8 時までやっている。大学のコンピュータセンターみたいなところで。一緒にやって いる奴がいる。受ける業界も、やりたいことも違うので、話し相手というだけで相談相手ではない(時期によって変わる だろうという。何をやりたいかを探しているときは、相談のしようがない。試験が近くなれば違うだろう。 12 月にはコンピュータが重くなる。コンピュータを使うのは常識だが、内容的に悪くなる。誤字脱字が多い。手書き だとチェックが入る。携帯は画面が小さいので、必要なことしか書かない。それをもとにして丁寧に書くとよい。 携帯は就職活動にとても便利。リクナビが使える。携帯から会社説明会の予約やキャンセルが随時できる。どこにいて もリクナビにアクセスできる。会社の近くに行ったときに説明会の有無をチェックできる。 ●景気動向 いろいろな人に聞いてみてもみな同じ…。OB 訪問などで景気動向はどうなりますかなどと聞く。すると、その回答が ほとんど同じ。それらの話をもとに景気動向について話した。 ●採用状況 証券を回っているが、今後よくなっていくと思う。ニュースからそう思う。 Y 証券系の就職は見通し明るい。今がチャンス。教育してくれるところ。自分の能力を高める。 F マスメディアは基本的に衰退しない。新聞であったとしても生き残っていく。3 回生の調査でも新聞の信頼は高い という結果が出ている。速報性は、テレビが高い。ゆるやかな上昇だと思う。マスコミは、常に入り時ではないかと思う。 入って損するとか、衰退するということはない。 ●自己分析 自己分析のつもりで他人の意見をきいている。他人の意見がとても重要である。ふだん一緒にいる奴は自分がどんな奴 か分かっているので参考にするが、親から言われても参考にしない。言われないし、住んでいるところが違うので参考に ならない。親は就職活動に対して放任主義である。親の影響は皆無。反面教師にはなるけれど…。 ●自分の就職意欲偏差値 Y 70 くらい。 F 就職そのものは 50。でも、放送業界に限っては 70。 ●採用側の求めていること。決め手は… テレビ業界ではユニークさ。おもしろいことをいう。がちがちではいけない。新聞では、論理的でなくてはいけない。 このように考えるのはイメージである。しかし、2 ちゃんねるでも同じことを言っている。TBS の質問に対して、ありふ れた回答ではいけないと書いてあった。 Y コミュニケーション能力と忍耐力だと思う。実際に話を聞いてもそうだし、根性あるかときかれる…。 ●情報コミュニケーション行動 Y メールを打ったり。競馬が好きなので、競馬ジャーナルとかを読んで調教の情報を仕入れる。2 ちゃんねるもある。 そこでは書き込みもしている。好きな馬、好きな騎手について書く。ブログも競馬について書いている。そこでは、就職 活動についてちょこっと書くこともある。「今日就職活動にいってきます」程度。競馬関係の友達が見ている。ミクシー もやっている。これまでの中高の友達のつながりで作っている。高校時代などの友人関係の維持のため(自宅と離れて住 んでいるから)自分では日記は書かない。就職のことも書かない。 就職の話は、特定の人としか、しない。親に対しても、聞かれない限り言わない。いい話はするけれど、悪い話はしな い。お互いに、どうだったなどと聞かないようにしている。 110 F サッカーが好き。ふだんはサッカー関係をみていたが、就職活動が始まって、お気に入りにリクナビが入り、大学 の Active mail があって一日に 2、3 回チェック。それまでは、好きなサッカーチームがあって、そこのページを毎日チェ ックしていた。ブログは書いていないし、コメントをつけたこともない。2 ちゃんねるは高校 2 年くらいからで、大学生 になってからは、好きなチームのスレッドに張り付いている。言いたいこともいえる。 就職ブログなどで、同じところを就職した奴を検索すると当たる。ブックマークしたりする。「青山学院生がめざす電 通への道」などというのがある。落ちると自然消滅。毎年こんなのがある。 G 小 6 の時マック、大学に入ってウィンドウズ。新聞や雑誌を読め、流行っているものは追え、と教えられ実行して きた。テレビ番組も必ず見る。テレビを見るときには、かならずパソコンを立ち上げておく。なにかあると、ウィキペデ ィアで検索をかける。ブログなどは書かない。情報をとるのに忙しくて、提供するヒマはない。ネットにまで人間関係を 持ち込むことはない。人間関係は、携帯電話でいいじゃないか。 就職活動で 2 ちゃんねるに踊らされるというけれど、どこかで見切りをつけて、時期が進むと、使い分けができるよう になる。 2 ちゃんねるは、特殊な奴が使っている。数で勝負。リアルタイム。笑われるのがオチ。経験の少ない領域だと信じて しまうこともある。 みんなの就職サイトは登録制(2 ちゃんねるは悪の巣窟と思っている)。実名制を保っている。まったりとした空気が 流れている。みんなでやろうとしている。管理者の検閲が入る。励ましが返ってくる。就活中の人はみんな使っている。 情報にならないことがある。たとえば「落ちた」という情報をみんなが書く。 111 資料 3 第 1 回調査票 「就職活動と情報コミュニケーション行動に関する調査」 ご協力のお願い わたしたちは、日本学術振興会(文部科学省)科学研究費補助金の助成を受け、「多メディア社会におけ る情報チャネル選好と社会的現実の形成との関連」に関する研究を行っています。その活動の一環として、 このたび就職活動中の情報コミュニケーション行動に関する調査を企画いたしました。つきましては、ぜひ ともみなさんのご協力をあおぎたくお願いする次第です。 調査の主な目的は、就職活動におけるインターネットや対人コミュニケーションの役割、それらの情報コ ミュニケーション行動と就職観や就職活動との関連を明らかにすることです。調査は、今回と第 2 回(来年 2 月の実施予定)で完結するようになっていますので、2 回目の調査にも必ずご協力ください。2 回目の調査 票は、直接郵送しますので、お手数でも、本調査票末尾の所定欄に、ご住所とお名前をお書きください。も ちろん個人情報の扱いには厳重を期し、2 回目の調査票を受け取り次第、みなさんのお名前と住所は責任を 持って破棄いたします。 本調査は以下の要領で行っています。 (1)調査対象者は大学 3 年生で、就職希望かつ再来年(2008 年)3 月に卒業予定の方です。 (2)お答えいただいた内容は回答者がわからないよう統計的に処理され、個々の方の回答がそのまま公表 されることは一切ありません。 (3)今回と第 2 回の調査にお答えいただくお礼として、今回の調査をお願いする際に薄謝をお渡ししてい ます。 (4)調査結果は、最終的には報告書としてまとめ、来年 6 月以降、概要をホームページ(http:// www.tku.ac.jp/~ykawa/survey/)で公開する予定です。 お忙しいところ誠に恐縮ですが、調査の趣旨をご理解の上、なにとぞご協力賜りますようお願いいたしま す。ご不明な点などございましたら、下記までご連絡いただければ幸いです。 研究メンバー 川浦 康至(東京経済大学 コミュニケーション学部 教授:代表) 川上 善郎(成城大学 文芸学部 教授) 柴内 康文(同志社大学 社会学部 助教授) 北山 聡 (東京経済大学 コミュニケーション学部 助教授) 連絡先 185-8502 国分寺市南町 1-7-34 東京経済大学 川浦康至研究室 メール:[email protected] なお、本調査の実施業務は、(株)マーケッティング・サービスに委託しております。調査実施上のお問 い合わせ等は下記にお願いいたします。 株式会社マーケッティング・サービス 東京都中野区本町 4-44-13 電話 03-3382-2361 マーケッティング・サービス 112 「就職活動と 就職活動と情報コミュニケーション 情報コミュニケーション行動 コミュニケーション行動に 行動に関する調査 する調査」 調査」 ◆進路や就職活動の状況についてうかがいます 問1 あなたが現時点で予定している就職先を教えてください。以下のうち、最も近いものはどれですか。(○はひとつ) 1.民間企業に就職(派遣・契約を含む) 4.就職することしか決めていない 2.公務員・教員 5.その他〔 〕 3.自営業・家業を継ぐ、手伝う 問2 あなたの就職活動はどのような状況ですか。仮に就職活動のスタート地点からゴールまでの距離を10としたら、 あなたは現在どのあたりにいるでしょうか。あてはまる数字に○をしてください。 (○はひとつ) ス タ ー ト 0 ― 1 ― 2 ― 3 ― 4 ― 5 ― 6 ― 7 ― 8 ― 9 ― 10 ゴ ール 問3 あなたは就職活動や就職準備として、以下のようなことをこれまでにどの程度やりましたか。 (a)~(h)それぞれについて、あてはまる数字を記入してください。 (やっていない場合は「0」) (a)インターンシップに参加する 社 (e)エントリーシートを提出する 件 (b)大学主催のガイダンスに参加する 回 (f)インターネットなどから資料請求をする 社 (c)(就職活動のための)自己分析をする 回 (g)企業説明会やセミナーに出席する 社 (d)就職支援サイト(リクナビなど)に登録する 件 (h)OB・OGに会う 人 問4 あなたは就職状況や業界動向など就職に関連する情報を、主にどこから得ていますか。 以下の中から、よく利用するものすべてに○を付けてください。 (○はいくつでも) 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 15.就職希望先のサイト 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 17.ポータルサイトのニュース 18.新聞社・放送局サイトのニュース 19.友人の話 20.家族の話 21.先輩、OB・OGの話 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.セミナーでの話 24.アルバイト先 25.その他〔 1.NHKのテレビニュース 2.NHKのテレビ番組 3.民放のテレビニュース 4.民放のテレビ番組 5.ラジオのニュース 6.新聞のニュース 7.新聞の連載・特集記事 8.ビジネス雑誌 9.就職関連の雑誌(就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 12.就職関連の掲示板(就職@2ch掲示板など) 13.「みんなの就職活動日記」 〕 問5 就職状況や業界動向など就職に関連することがらを知るのに、あなたが最も役立っていると思う情報源はどれですか。 以下の中から3つ以内で選び、その数字に○を付けてください。(○は3つ) 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 15.就職希望先のサイト 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 17.ポータルサイトのニュース 18.新聞社・放送局サイトのニュース 19.友人の話 20.家族の話 21.先輩、OB・OGの話 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.セミナーでの話 24.アルバイト先 25.その他〔 1.NHKのテレビニュース 2.NHKのテレビ番組 3.民放のテレビニュース 4.民放のテレビ番組 5.ラジオのニュース 6.新聞のニュース 7.新聞の連載・特集記事 8.ビジネス雑誌 9.就職関連の雑誌(就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 12.就職関連の掲示板(就職@2ch掲示板など) 13.「みんなの就職活動日記」 113 〕 問6 あなたは、インターネットの就職支援サイトに用意されているサービスを利用していますか。ある程度利用する(した)ものに○を 付けてください。(○はいくつでも) 1.セミナーや説明会のエントリーをする 2.セミナーや説明会の日程を確認する 3.業務内容に関する情報を確認する 8.他学生の活動内容(日記やレポート)を読む 9.業界情報・業界レポートを見る 10.先輩の就職体験談を読む 11.就職活動の進め方に関する情報を見る 4.資料を請求する 5.採用方針に関する情報を確認する 12.掲示板を見る 13.エントリーシートや履歴書の書き方を見る 6.人事担当の話を読む 7.先輩新入社員の日頃の仕事体験談を読む 14.その他〔 〕 問7 あなたは、この1か月間、インターネットの就職支援サイトにどのくらいアクセスしましたか。(○はひとつ) 1.アクセスしていない 3.週に1~2日くらい 5.週5~6日くらい 2.月に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 6.毎日 問8 あなたは、この1か月間、自分の「就職」や「就職活動」について、どのくらい人と話したり、ネットを利用しましたか。 (a)~(g)それぞれについて、あてはまる数字に○を付けてください。(a~gまでそれぞれ○はひとつ) しなかった たまにした ときどきした (a)友人や先輩と就職に関する話をした 1 2 3 よくした 4 (b)家族と就職に関する話をした 1 2 3 4 (c)大学の教職員と就職に関する話をした 1 2 3 4 (d)ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ 1 2 3 4 (e)ネットの掲示板で就職に関することを書いた 1 2 3 4 (f)ブログや日記で就職に関する発言を読んだ(mixi を含む) 1 2 3 4 (g)ブログや日記で就職に関すること書いた(mixi を含む) 1 2 3 4 問9 上記の(a)から(g)の中で、やってよかったと思うのはどれですか。あてはまるものすべてに○を付けてください。(○はいくつでも) 1.友人や先輩と話したこと 5.ネットの掲示板に書いたこと 2.家族と話したこと 6.ブログや日記を読んだこと 3.大学の教職員と話したこと 7.ブログや日記に書いたこと 4.ネットの掲示板を読んだこと 問10 あなたは、就職活動をめぐって就職活動中の人々がインターネットの掲示板などに書いている活動内容(日記やレポート)に ついてどう思いますか。(a~jまでそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)希望する就職先に関する悪い記述がないか気になる 1 2 3 4 5 (b)大半の内容は信用できない 1 2 3 4 5 (c)事実が書かれることもある 1 2 3 4 5 (d)読み手の反応を楽しみながら書く人が多い 1 2 3 4 5 (e)読み手を混乱させる意図で書く人が多い 1 2 3 4 5 (f)他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い 1 2 3 4 5 (g)自分と同じような人がいることがわかり安心する 1 2 3 4 5 (h)他の学生の本音がわかる 1 2 3 4 5 (i)ときどき自分の就活体験や悩みを書きたいと思う 1 2 3 4 5 (j)書き込むことで有意義な情報が得られると思う 1 2 3 4 5 114 ◆就職に対する考え方をうかがいます 問11 あなたは就職についてどのような考えを持っていますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~hまでそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)自分にとって職業選択は重要な問題である 1 2 3 4 5 (b)人生において職業選択は重大な分岐点である 1 2 3 4 5 (c)職業の選択は自分の責任が重い選択である 1 2 3 4 5 (d)なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい 1 2 3 4 5 (e)当分の間は職業決定するのを避けたい 1 2 3 4 5 (f)職業を決定するにはもう少し時間がほしい 1 2 3 4 5 (g)自分の就きたい仕事に就くことを優先したい 1 2 3 4 5 (h)就職すること自体が重要である 1 2 3 4 5 問12 企業は一般に、新規大卒者のどんな条件を重視していると思いますか。最も重視していると思うものを2つまで選んでください。 (○は2つまで) 1.専門的知識・技能 5.語学力・国際感覚 9.コミュニケーション能力 2.一般常識・教養 6.理解力・判断力 10.協調性・バランス感覚 3.学業成績 7.行動力・実行力 11.健康・体力 4.創造性・企画力 8.熱意・意欲 問13 今年度の求人倍率(学生1人に対する求人件数)は、どのくらいだと思いますか。0.5件から2.0件の範囲の数字で、 お答えください。 おおよそ . 件 問14 来春卒業を予定している大学生の就職内定率は、10月現在、何%ぐらいだと思いますか。 おおよそ % 問15 あなたは、就職活動と関連する以下のことがらについて、どの程度自信がありますか。 それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~fまでそれぞれ○はひとつ) 自信がない どちらかといえ ば自信がない どちらとも いえない どちらかといえ ば自信がある 自信がある (a)自分の性格や興味を理解する 1 2 3 4 5 (b)自分がどのような職業分野に向いているかを理解する 1 2 3 4 5 (c)自分の長所と短所を理解する 1 2 3 4 5 (d)現在の新規大卒者の雇用状況を把握する 1 2 3 4 5 (e)自分の学部の卒業生の就職先を把握する 1 2 3 4 5 (f)現在の国内の求人動向を把握する 1 2 3 4 5 115 問16 あなたは、以下のことがどの程度あてはまりますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~iまでそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)仕事に生かせることなら何でも学ぶつもりだ 1 2 3 4 5 (b)将来仕事で活用できる知識や技術を身につけたい 1 2 3 4 5 (c)仕事で成功するためには決して努力を惜しまない 1 2 3 4 5 (d)地位や名誉をもたらす職業に就きたい 1 2 3 4 5 (e)人より優れた仕事をすることが重要だ 1 2 3 4 5 (f)昇格や昇進の機会がある仕事を得ることは重要だ 1 2 3 4 5 (g)職場では周りの人々との調和が何よりも大切だ 1 2 3 4 5 (h)職場では一生つき合える友人を作りたい 1 2 3 4 5 (i)周囲の人々とコミュニケーションしながら仕事を進めたい 1 2 3 4 5 問17 あなたは就職活動について気がかりなことがありますか。以下の各項目について、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~jまでそれぞれ○はひとつ) まったく 気にならない どちらかといえば 気にならない どちらと もいえない どちらかといえば 気になる 非常に 気になる (a)就職活動のやり方がわからない 1 2 3 4 5 (b)情報収集のやり方がわからない 1 2 3 4 5 (c)どの情報を信用すればいいのかわからない 1 2 3 4 5 (d)内定が本当にもらえるか 1 2 3 4 5 (e)自分の所属大学に対する評価 1 2 3 4 5 (f)自分の専攻に対する評価 1 2 3 4 5 (g)自分の就職希望先に対する評価 1 2 3 4 5 (h)自分に向いた仕事に就けるかわからない 1 2 3 4 5 (i)就職活動が人より遅れているかもしれない 1 2 3 4 5 (j)人にくらべ就職意識が低い 1 2 3 4 5 ◆インターネット利用についてうかがいます 問18 あなたはインターネットについてどのように感じていますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~l までそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う 1 2 3 4 5 (b)本当に知りたい情報はネット上にない 1 2 3 4 5 (c)インターネットが使えなくなったら寂しく感じる 1 2 3 4 5 (d)インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う 1 2 3 4 5 (e)インターネットは情報を得る手段である 1 2 3 4 5 (f)ネット上の情報は基本的に信頼できない 1 2 3 4 5 (g)ネット上は欲求不満を解消する場である 1 2 3 4 5 (h)インターネットを利用するのは楽しい 1 2 3 4 5 (i)ネットは世間一般の考え方や意見を知る場である 1 2 3 4 5 (j)ネット利用は生活の大切な一部になっている 1 2 3 4 5 (k)何か知りたいことがあると、すぐネットで調べる 1 2 3 4 5 (l)ネットは人とコミュニケーションする場である 1 2 3 4 5 116 ◆メディア利用全般についてうかがいます 問19 あなたはふだん以下のメディアにどの程度接していますか。(各項目ごと○はひとつ) A.新聞 1.読まない 2.月に 1~2回 4.週に 3~4日くらい 5.週5日以上見る 3.週に 1~2日くらい B.週刊誌・月刊誌 1.読まない 4.週に 3~4日くらい 2.月に 1~2回 5.週5日以上見る 3.週に 1~2日くらい ⇒最もよく読む新聞(ひとつだけに○をつけてください) 1.読売 5.産経 2.朝日 6.地元紙〔 〕 3.毎日 7.スポーツ紙 4.日経 8.その他〔 〕 ⇒最もよく読む雑誌(ひとつだけに○をつけてください) 1.一般・総合・時事雑誌 5.マンガ雑誌 2.情報誌 6.その他〔 〕 3.女性誌 4.趣味の雑誌 C.テレビニュース 1.見ない 4.週に 3~4日くらい 2.月に 1~2回 5.週5日以上見る 3.週に 1~2日くらい ⇒最もよく見るニュースのチャンネル(ひとつだけに○をつけてください) 1.NHK 5.テレビ朝日系 2.日本テレビ系 6.テレビ東京系 3.TBS系 4.フジテレビ系 7.その他〔 〕 D.テレビの総視聴時間(平日 1日あたり) 1.1時間未満 4.3時間以上 2.1時間以上 5.4時間以上 3.2時間以上 E.Yahoo!などポータルサイトのニュース (ニュース配信を含む) 1.見ない 4.週に 3~4日くらい 2.月に 1~2回 5.週5日以上見る ⇒最もよく見るサイト(ひとつだけに○をつけてください) 2.M SN 6.infoseek(楽天) 7.excite 3.週に 1~2日くらい 3.Livedoor 4.Google 8.プロバイダーのトップページ 9.その他〔 〕 1.Yahoo!Japan 5.goo F .新聞社・放送局サイトのニュース (ニュース配信を含む) 1.見ない 4.週に 3~4日くらい ⇒最もよく見るサイト(ひとつだけに○をつけてください) 1.読売 8.NHK 2.月に 1~2回 2.朝日 9.日本テレビ 3.毎日 10.TBS 11.フジテレビ 5.週5日以上見る 3.週に 1~2日くらい 4.日経 5.その他の新聞社〔 〕 6.スポーツ紙 7.その他の新聞〔 〕 12.テレビ朝日 13.テレビ東京 14.その他のテレビ局〔 〕 15.ラジオ局〔 〕 G.2ちゃんねるなど掲示板(見る) 1.見ない 2.月に 1~2回 G.2ちゃんねるなど掲示板(書き込む) 1.書き込まない 2.月に 1~2回 3.週に 1~2日くらい 3.週に 1~2日くらい 4.週に 3~4日くらい 4.週に 3~4日くらい 5.週5日以上見る 5.週5日以上書き込む 117 H.個人のブログや日記(mixi を含む) (見る) H.個人のブログや日記(mixi を含む) (書く) 1.見ない 1.書かない 2.月に1~2回 2.月に1~2回 3.週に1~2日くらい 3.週に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 4.週に3~4日くらい 5.週5日以上見る 5.週5日以上書く I.インターネットの口コミサイト(見る) I.インターネットの口コミサイト(書き込む) 1.見ない 1.書き込まない 2.月に1~2回 2.月に1~2回 3.週に1~2日くらい 3.週に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 4.週に3~4日くらい 5.週5日以上見る 5.週5日以上書き込む J.メールに費やす時間 (携帯とパソコンの合計、平日1日あたり) 1.15分未満 2.15分以上 3.30分以上 4.1時間以上 5.2時間以上 K.メール以外でインターネットに費やす時間 (携帯とパソコンの合計、平日1日あたり) 1.1時間未満 2.1時間以上 3.2時間以上 4.3時間以上 5.4時間以上 問20 あなた自身がふだん情報源としてよく利用しているものは何ですか。あてはまるものに○を付けてください。(○は3つ以内) 1.新聞 2.週刊誌・月刊誌 3.テレビニュース 4.テレビ番組 5.ポータルサイトのニュース 6.新聞社・放送局サイトのニュース 7.2ちゃんねるなど掲示板 8.個人のブログや日記 9.口コミサイト 10.その他〔 〕 問21 あなた自身がふだん情報源として信頼しているものは何ですか。あてはまるものに○を付けてください。(○は3つ以内) 1.新聞 2.週刊誌・月刊誌 3.テレビニュース 4.テレビ番組 5.ポータルサイトのニュース 6.新聞社・放送局サイトのニュース 7.2ちゃんねるなど掲示板 8.個人のブログや日記 問22 あなたにとって「就職活動」とはどのようなものか、ご記入ください。 わたしにとって、就職活動とは 118 9.口コミサイト 10.その他〔 〕 ◆統計的に分析するため、あなた自身のことを教えてください F1 あなたが在籍する大学 1.国立大学・公立大学 2.私立大学 F2 あなたの所属する学部・学科 1.文・人文・外国語系 4.経済・経営・商学系 7.総合・環境・人間・情報学系 2.社会・社会福祉・国際学系 5.教員養成課程・教員養成系 8.芸術・体育学系 3.法・政治学系 6.家政・生活科学系 9.その他〔 〕 F3 あなたの性別 1.男 2.女 F4 あなたの生まれた年月 西暦 19 年 月 生まれ F5 携帯電話のアドレス帳に登録されている件数(おおまかな数字でもかまいません) 1.およそ 件 2.携帯電話を持っていない F6 次の中に、あなたが移動中やひまなときによくすることがありましたらすべてお知らせください。 (○はいくつでも) 1.携帯メール 7.マンガ以外の雑誌・本を読む 2.携帯通話 8.新聞を読む 3.携帯インターネット 9.車内の(中吊り)広告を見る 4.ゲームやパズル(携帯や任天堂DS、雑誌や本) 10.ラジオを聴く 5.音楽(携帯やiPodなど) 11.テレビを見る 6.マンガを読む 12.この中にはない・何もしない F7 あなたの住んでいる場所は、就職活動にとって便利な場所ですか、それとも不便な場所ですか。 (○はひとつ) 1.便利な場所である 3.どちらかと言えば不便な場所である 2.どちらかと言えば便利な場所である 4.不便な場所である ~~長時間ありがとうございました~~ 来年2月に実施予定の第2回調査もご協力いただきますよう、お願いいたします。 第2回調査の調査票は直接郵送しますので、以下に送付先をご記入ください。 なお、記入いただいた内容は、調査票を受け取り次第、責任をもって処分いたします。 〒 電話番号 住所 氏名 119 資料 4 第 2 回調査票 第2回 2007.2. 就職活動と 就職活動と情報コミュニケーション 情報コミュニケーション行動 コミュニケーション行動に 行動に関する調査 する調査 昨年11月に実施しました第1回目の調査にご協力いただき、ありがとうございました。大変貴重なデータを得ることができ 研究メンバー一同感謝いたしております。 前回調査時にお願いいたしましたように、第2回目の調査を実施いたしますのでご協力ください。 今回調査の締め切りは3月20日です。なるべく早めにご回答のうえ、ご返送ください。 なお、今回の調査結果を第1回目と比較するために、同じ設問がいくつかありますが、今の心境でお答えください。 「多メディア社会における情報チャネル選好と社会的現実の形成との関連」研究チーム 代表 東京経済大学 コミュニケーション学部 教授 川浦 康至 問1 あなたが現時点で予定している就職先を教えてください。以下のうち、最も近いものはどれですか。(○はひとつ) 1.民間企業に就職(派遣・契約を含む) 4.就職することしか決めていない 2.公務員・教員 5.その他〔 〕 3.自営業・家業を継ぐ、手伝う 問2 あなたの就職活動はどのような状況ですか。仮に就職活動のスタート地点からゴールまでの距離を10としたら、 あなたは現在どのあたりにいるでしょうか。あてはまる数字に○をしてください。 (○はひとつ) ス タ ー ト 0 ― 1 ― 2 ― 3 ― 4 ― 5 ― 6 ― 7 ― 8 ― 9 ― 10 ゴ ール 問3 あなたは就職活動や就職準備として、以下のようなことをこれまでにどの程度やりましたか。前回調査の回答もあわせた これまでの就職活動の合計で、(a)~(k)それぞれについて、あてはまる数字を記入してください。 (やっていない場合は「0」) (a)インターンシップに参加する 社 (g)企業説明会やセミナーに出席する 社 (b)大学主催のガイダンスに参加する 回 (h)OB・OGに会う 人 (c)(就職活動のための)自己分析をする 回 (i)筆記試験を受けた 社 (d)就職支援サイト(リクナビなど)に登録する 件 (j)面接試験を受けた 社 (e)エントリーシートを提出する 件 (k)内(々)定をもらった 社 (f)インターネットなどから資料請求をする 社 問4 あなたは、この1か月間、自分の「就職」や「就職活動」について、どのくらい人と話したり、ネットを利用しましたか。 (a)~(h)それぞれについて、あてはまる数字に○を付けてください。(a~hまでそれぞれ○はひとつ) しなかった たまにした ときどきした よくした (a)友人や先輩と就職に関する話をした 1 2 3 4 (b)家族と就職に関する話をした 1 2 3 4 (c)就職活動中に知り合った学生と就職に関する話をした 1 2 3 4 (d)大学の教職員と就職に関する話をした 1 2 3 4 (e)ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ 1 2 3 4 (f)ネットの掲示板で就職に関することを書いた 1 2 3 4 (g)ブログや日記で就職に関する発言を読んだ(mixi を含む) 1 2 3 4 (h)ブログや日記で就職に関すること書いた(mixi を含む) 1 2 3 4 問5 上記の(a)から(h)の中で、この1ヶ月間でやってよかったと思うのはどれですか。 あてはまるものすべてに○を付けてください。(○はいくつでも) 1.友人や先輩と話したこと 5.ネットの掲示板を読んだこと 2.家族と話したこと 6.ネットの掲示板に書いたこと 3.就職活動中に知り合った学生と話したこと 7.ブログや日記を読んだこと 4.大学の教職員と話したこと 8.ブログや日記に書いたこと 120 問6 あなたは、インターネットの就職支援サイトに用意されているサービスを利用していますか。 ある程度利用したものに○を付けてください。(○はいくつでも) 1.セミナーや説明会のエントリーをする 2.セミナーや説明会の日程を確認する 3.業務内容に関する情報を確認する 8.他学生の活動内容(日記やレポート)を読む 9.業界情報・業界レポートを見る 10.先輩の就職体験談を読む 11.就職活動の進め方に関する情報を見る 4.資料を請求する 5.採用方針に関する情報を確認する 12.掲示板を見る 13.エントリーシートや履歴書の書き方を見る 6.人事担当の話を読む 7.先輩新入社員の日頃の仕事体験談を読む 14.その他〔 〕 問7 あなたは、この1か月間に、インターネットの就職支援サイトにどのくらいアクセスしましたか。(○はひとつ) 1.アクセスしていない 3.週に1~2日くらい 5.週5~6日くらい 2.月に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 6.毎日 問8 あなたは、就職活動をめぐって就職活動中の人々がインターネットの掲示板などに書いている活動内容(日記やレポート)に ついてどう思いますか。(a~jまでそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)希望する就職先に関する悪い記述がないか気になる 1 2 3 4 5 (b)大半の内容は信用できない 1 2 3 4 5 (c)事実が書かれることもある 1 2 3 4 5 (d)読み手の反応を楽しみながら書く人が多い 1 2 3 4 5 (e)読み手を混乱させる意図で書く人が多い 1 2 3 4 5 (f)他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い 1 2 3 4 5 (g)自分と同じような人がいることがわかり安心する 1 2 3 4 5 (h)他の学生の本音がわかる 1 2 3 4 5 (i)ときどき自分の就活体験や悩みを書きたいと思う 1 2 3 4 5 (j)書き込むことで有意義な情報が得られると思う 1 2 3 4 5 問9 就職状況や業界動向など就職に関連することがらを知るのに、あなたが現時点で最も役立っていると思う情報源はどれですか。 以下の中から3つ以内で選び、その数字に○を付けてください。(○は3つ) 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 15.就職希望先のサイト 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 17.ポータルサイトのニュース 18.新聞社・放送局サイトのニュース 19.友人の話 20.家族の話 21.先輩、OB・OGの話 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.セミナーでの話 24.アルバイト先 25.その他〔 1.NHKのテレビニュース 2.NHKのテレビ番組 3.民放のテレビニュース 4.民放のテレビ番組 5.ラジオのニュース 6.新聞のニュース 7.新聞の連載・特集記事 8.ビジネス雑誌 9.就職関連の雑誌(就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 12.就職関連の掲示板(就職@2ch掲示板など) 13.「みんなの就職活動日記」 121 〕 問10 就職に必要な情報を得るのに役立っているとあなたが思う情報源はどれですか。 a~hの情報ごとに、当てはまる数字に○を付けてください。 (a~hまでそれぞれ○はいくつでも) 3 4 5 6 7 8 9 10 家 族 ・ 親 戚 大 学 の 教 職 員 セ ミ ナ 就 職 支 援 サ イ ト 企 業 サ イ ト ネ ト 掲 示 板 ブ ロ グ ・ 日 記 新 聞 ・ 雑 誌 テ レ ビ (a)就職活動の方法に関する情報 (服装、マナー、自己PR仕方など) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (b)就職活動の進行状況に関する情報 (他の学生の進み具合など) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (c)採用面接に関する情報 (質問内容、面接方法など) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (d)個別企業・組織に関する情報 (給与、労働条件、動向など) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (e)個別企業・組織に関する非公式情報 (職場の雰囲気、企業風土など) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (f)就職活動する自分に関する情報 (能力、性格、適性など) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (g)就職活動する自分への励まし 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 (h)互いの人生観や将来の夢 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ・ 講 演 会 ッ 2 友 人 ・ 先 輩 な ど ー 1 問11 あなたは就職についてどのような考えを持っていますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~hまでそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)自分にとって職業選択は重要な問題である 1 2 3 4 5 (b)人生において職業選択は重大な分岐点である 1 2 3 4 5 (c)職業の選択は自分の責任が重い選択である 1 2 3 4 5 (d)なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい 1 2 3 4 5 (e)当分の間は職業決定するのを避けたい 1 2 3 4 5 (f)職業を決定するにはもう少し時間がほしい 1 2 3 4 5 (g)自分の就きたい仕事に就くことを優先したい 1 2 3 4 5 (h)就職すること自体が重要である 1 2 3 4 5 問12 現時点で、あなたは就職活動について気がかりなことがありますか。以下の各項目について、あてはまる数字に○を付けて ください。 (a~jまでそれぞれ○はひとつ) まったく 気にならない どちらかといえば 気にならない どちらと もいえない どちらかといえば 気になる 非常に 気になる (a)就職活動のやり方がわからない 1 2 3 4 5 (b)情報収集のやり方がわからない 1 2 3 4 5 (c)どの情報を信用すればいいのかわからない 1 2 3 4 5 (d)内定が本当にもらえるか 1 2 3 4 5 (e)自分の所属大学に対する評価 1 2 3 4 5 (f)自分の専攻に対する評価 1 2 3 4 5 (g)自分の就職希望先に対する評価 1 2 3 4 5 (h)自分に向いた仕事に就けるかわからない 1 2 3 4 5 (i)就職活動が人より遅れているかもしれない 1 2 3 4 5 (j)人にくらべ就職意識が低い 1 2 3 4 5 122 問13 あなたは就職活動を通してどのような経験をしましたか。以下の各項目について、それぞれあてはまる数字に○を付けて ください。 (a~oまでそれぞれ○はひとつ) あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらと もいえない どちらかといえば あてはまる あてはまる (a)自分には他人にない能力があると気づいた 1 2 3 4 5 (b)自分のよさに気づいた 1 2 3 4 5 (c)自己理解が深まった 1 2 3 4 5 (d)就職活動は楽しい 1 2 3 4 5 (e)就職活動で知り合いが増えた 1 2 3 4 5 (f)いろいろな人がいることを知った 1 2 3 4 5 (g)就職とは、なるようにしかならないものと思った 1 2 3 4 5 (h)人間に対する理解が深まった 1 2 3 4 5 (i)働くことの理解が深まった 1 2 3 4 5 (j)人づき合いが上手になった 1 2 3 4 5 (k)働いている自分を想像出来るようになった 1 2 3 4 5 (l)学生生活のありがたみに気づいた 1 2 3 4 5 (m)企業や組織の厳しさを知った 1 2 3 4 5 (n)残りの1年間を有意義にすごそうと思った 1 2 3 4 5 (o)自己が成長した 1 2 3 4 5 問14 あなたは、この数ヶ月の就職活動をとおして、自分にとって「就職活動」とはどのようなものであると考えていますか、 ご記入ください。 わたしにとって、就職活動とは ◆インターネットやメディアの一般的な利用についてうかがいます 問15 あなたはインターネットについてどのように感じていますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a~l までそれぞれ○はひとつ) まったく あてはまらない どちらかといえば あてはまらない どちらとも いえない どちらかといえば あてはまる 非常に あてはまる (a)インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う 1 2 3 4 5 (b)本当に知りたい情報はネット上にない 1 2 3 4 5 (c)インターネットが使えなくなったら寂しく感じる 1 2 3 4 5 (d)インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う 1 2 3 4 5 (e)インターネットは情報を得る手段である 1 2 3 4 5 (f)ネット上の情報は基本的に信頼できない 1 2 3 4 5 (g)ネット上は欲求不満を解消する場である 1 2 3 4 5 (h)インターネットを利用するのは楽しい 1 2 3 4 5 (i)ネットは世間一般の考え方や意見を知る場である 1 2 3 4 5 (j)ネット利用は生活の大切な一部になっている 1 2 3 4 5 (k)何か知りたいことがあると、すぐネットで調べる 1 2 3 4 5 (l)ネットは人とコミュニケーションする場である 1 2 3 4 5 123 問16 あなたは、この1ヶ月に以下のメディアにどの程度接しましたか。(各項目ごと○はひとつ) ⇒最もよく読んだ新聞(ひとつだけに○をつけてください) A.新聞 1.読まない 4.週に3~4日くらい 1.読売 5.産経 2.月に1~2回 5.週5日以上 2.朝日 6.地元紙〔 〕 3.毎日 7.スポーツ紙 4.日経 8.その他〔 〕 3.週に1~2日くらい ⇒最もよく読んだ雑誌(ひとつだけに○をつけてください) B.週刊誌・月刊誌 1.読まない 4.週に3~4日くらい 1.一般・総合・時事雑誌 5.マンガ雑誌 2.月に1~2回 5.週5日以上 2.情報誌 6.その他〔 〕 3.週に1~2日くらい 3.女性誌 4.趣味の雑誌 ⇒最もよく見たニュースのチャンネル(ひとつだけに○をつけてください) C.テレビのニュース 1.見ない 4.週に3~4日くらい 1.NHK 2.月に1~2回 5.週5日以上 2.日本テレビ系 6.テレビ東京系 3.TBS系 7.その他〔 〕 3.週に1~2日くらい 5.テレビ朝日系 4.フジテレビ系 D.テレビの総視聴時間(平日1日あたり) 1.1時間未満 4.3時間以上 2.1時間以上 5.4時間以上 3.2時間以上 E.Yahoo!などポータルサイトのニュース (ニュース配信を含む) ⇒最もよく見たサイト(ひとつだけに○をつけてください) 1.見ない 4.週に3~4日くらい 1.Yahoo!Japan 6.infoseek(楽天) 2.月に1~2回 5.週5日以上 2.MSN 7.excite 3.週に1~2日くらい 3.Livedoor 8.プロバイダーのトップページ 4.Google 9.その他〔 〕 5.goo F.新聞社・放送局サイトのニュース (ニュース配信を含む) ⇒最もよく見たサイト(ひとつだけに○をつけてください) 1.見ない 4.週に3~4日くらい 1.読売 8.NHK 2.月に1~2回 5.週5日以上 2.朝日 9.日本テレビ 3.週に1~2日くらい 3.毎日 10.TBS 4.日経 11.フジテレビ 5.その他の新聞社〔 〕 12.テレビ朝日 6.スポーツ紙 13.テレビ東京 7.その他の新聞〔 〕 14.その他のテレビ局〔 〕 15.ラジオ局〔 〕 G-1.2ちゃんねるなど掲示板(見る) G-2.2ちゃんねるなど掲示板(書き込む) 1.見ない 1.書き込まない 2.月に1~2回 2.月に1~2回 3.週に1~2日くらい 3.週に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 4.週に3~4日くらい 5.週5日以上 5.週5日以上 124 H-1.個人のブログや日記(mixi を含む) (見る) H-2.個人のブログや日記(mixi を含む) (書く) 1.見ない 1.書かない 2.月に1~2回 2.月に1~2回 3.週に1~2日くらい 3.週に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 4.週に3~4日くらい 5.週5日以上 5.週5日以上 I-1.インターネットの口コミサイト(見る) I-2.インターネットの口コミサイト(書き込む) 1.見ない 1.書き込まない 2.月に1~2回 2.月に1~2回 3.週に1~2日くらい 3.週に1~2日くらい 4.週に3~4日くらい 4.週に3~4日くらい 5.週5日以上 5.週5日以上 J.メールに費やした時間 (携帯とパソコンの合計、平日1日あたり) K.メール以外でインターネットに費やした時間 (携帯とパソコンの合計、平日1日あたり) 1.15分未満 1.1時間未満 2.15分以上 2.1時間以上 3.30分以上 3.2時間以上 4.1時間以上 4.3時間以上 5.2時間以上 5.4時間以上 問17 あなたの携帯電話のアドレス帳に登録されている件数(おおまかな数字でもかまいません) 1.およそ 件 2.携帯電話を持っていない 問18 mixiやGREEのマイミク(友達)の人数(おおまかな数字でもかまいません) 1.およそ 人 2.入っていない 問19 あなたが登録している就職支援サイト(○はいくつでも) 1.毎日就職ナビ 6.就活ナビ 2.リクナビ 7.文化放送就職ナビ 3.日経ナビ 8.みんなの就職活動日記 4.[en]学生の就職情報(エンジャパン) 9.その他( ) 5.学情ナビ 10.なし 問20 そのうち役立っている就職支援サイト(○はいくつでも) 1.毎日就職ナビ 6.就活ナビ 2.リクナビ 7.文化放送就職ナビ 3.日経ナビ 8.みんなの就職活動日記 4.[en]学生の就職情報(エンジャパン) 9.その他( ) 5.学情ナビ 10.なし 125 資料 5 単純集計 A. 第 1 回調査単純集計 ※以下の表では、第 1 回調査の単純集計結果に加え、第 2 回調査回答者のみに限定した第 1 回調査の集計結果 (第 1 回∩第 2 回)、および第 2 回調査の項目で第 1 回調査と同一設問のデータ(第 2 回)を併記している。 ◆進路や就職活動の状況についてうかがいます 問 1 あなたが現時点で予定している就職先を教えてください。 第1回 第 1 回∩第 2 回 481 65.2% 294 65.6% 132 17.9% 91 20.3% 5 0.7% 2 0.4% 96 13.0% 51 11.4% 23 3.1% 9 2.0% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 1.民間企業に就職(派遣・契約を含む) 2.公務員・教員 3.自営業・家業を継ぐ、手伝う 4.就職することしか決めていない 5.その他 不明・無回答 全体 第2回 305 68.1% 80 17.9% 3 0.7% 42 9.4% 12 2.7% 6 1.3% 448 100.0% 問 2 あなたの就職活動はどのような状況ですか。仮に就職活動のスタート地点からゴールまでの距離を 10 とした ら、あなたは現在どのあたりにいるでしょうか。 第1回 第 1 回∩第 2 回 92 12.5% 47 10.5% 282 38.2% 173 38.6% 196 26.6% 133 29.7% 92 12.5% 51 11.4% 33 4.5% 18 4.0% 23 3.1% 14 3.1% 7 0.9% 3 0.7% 5 0.7% 3 0.7% 1 0.1% 1 0.2% 2 0.3% 2 0.4% 1 0.1% 0 0.0% 4 0.5% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 0(スタート) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10(ゴール) 不明・無回答 全体 第2回 11 2.5% 31 6.9% 56 12.5% 93 20.8% 66 14.7% 75 16.7% 59 13.2% 26 5.8% 12 2.7% 9 2.0% 8 1.8% 2 0.4% 448 100.0% 問 3 あなたは就職活動や就職準備として、以下のようなことをこれまでにどの程度やりましたか。(a)~(h)それぞれ について、あてはまる数字を記入してください。(やっていない場合は「0」) (a)インターンシップに参加する(社) 第1回 第 1 回∩第 2 回 567 76.8% 347 77.5% 120 16.3% 75 16.7% 51 6.9% 26 5.8% 738 100.0% 448 100.0% 0 社 0 社 6 社 5 社 0.26 社 0.26 社 0.67 社 0.66 社 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 126 第2回 335 74.8% 85 19.0% 28 6.3% 448 100.0% 0 社 20 社 0.34 社 1.21 社 (b)大学主催のガイダンスに参加する(回) 0回 1 回以上 不明・無回答 全体 参加した回数: 最小値 参加した回数: 最大値 参加した回数: 平均 参加した回数:標準偏差 第1回 第 1 回∩第 2 回 137 18.6% 72 16.1% 582 78.9% 366 81.7% 19 2.6% 10 2.2% 738 100.0% 448 100.0% 0 回 0 回 24 回 24 回 2.83 回 2.97 回 2.94 回 3.00 回 第2回 54 12.1% 385 85.9% 9 2.0% 448 100.0% 0 回 30 回 4.23 回 4.69 回 第1回 第 1 回∩第 2 回 248 33.6% 137 30.6% 453 61.4% 291 65.0% 37 5.0% 20 4.5% 738 100.0% 448 100.0% 0 回 0 回 20 回 20 回 1.31 回 1.43 回 1.96 回 2.15 回 第2回 76 17.0% 339 75.7% 33 7.4% 448 100.0% 0 回 100 回 3.81 回 6.96 回 第1回 第 1 回∩第 2 回 118 16.0% 67 15.0% 608 82.4% 374 83.5% 12 1.6% 7 1.6% 738 100.0% 448 100.0% 0 件 0 件 50 件 50 件 2.66 件 2.71 件 3.01 件 3.05 件 第2回 46 10.3% 392 87.5% 10 2.2% 448 100.0% 0 件 95 件 4.50 件 8.55 件 第1回 第 1 回∩第 2 回 537 72.8% 332 74.1% 161 21.8% 94 21.0% 40 5.4% 22 4.9% 738 100.0% 448 100.0% 0 件 0 件 81 件 81 件 1.19 件 1.17 件 5.73 件 6.05 件 第2回 110 24.6% 325 72.5% 13 2.9% 448 100.0% 0 件 50 件 5.97 件 7.50 件 第1回 第 1 回∩第 2 回 461 62.5% 286 63.8% 231 31.3% 137 30.6% 46 6.2% 25 5.6% 738 100.0% 448 100.0% 0 社 0 社 130 社 130 社 2.34 社 2.25 社 8.56 社 8.81 社 第2回 189 42.2% 237 52.9% 22 4.9% 448 100.0% 0 社 120 社 5.58 社 13.38 社 (c) (就職活動のための)自己分析をする(回) 0回 1 回以上 不明・無回答 全体 行った回数: 最小値 行った回数: 最大値 行った回数: 平均 行った回数:標準偏差 (d)就職支援サイト(リクナビなど)に登録する(件) 0件 1 件以上 不明・無回答 全体 登録した件数: 最小値 登録した件数: 最大値 登録した件数: 平均 登録した件数:標準偏差 (e)エントリーシートを提出する(件) 0件 1 件以上 不明・無回答 全体 提出した件数: 最小値 提出した件数: 最大値 提出した件数: 平均 提出した件数:標準偏差 (f)インターネットなどから資料請求をする(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 請求した件数: 最小値 請求した件数: 最大値 請求した件数: 平均 請求した件数:標準偏差 127 (g)企業説明会やセミナーに出席する(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 第1回 第 1 回∩第 2 回 371 50.3% 234 52.2% 333 45.1% 195 43.5% 34 4.6% 19 4.2% 738 100.0% 448 100.0% 0 社 0 社 50 社 30 社 1.72 社 1.58 社 3.60 社 3.16 社 第2回 67 15.0% 368 82.1% 13 2.9% 448 100.0% 0 社 70 社 10.85 社 11.40 社 第1回 第 1 回∩第 2 回 540 73.2% 338 75.4% 155 21.0% 86 19.2% 43 5.8% 24 5.4% 738 100.0% 448 100.0% 0 人 0 人 30 人 30 人 0.62 人 0.58 人 1.99 人 2.13 人 第2回 272 60.7% 154 34.4% 22 4.9% 448 100.0% 0 人 30 人 1.45 人 3.43 人 (h)OB・OG に会う(人) 0人 1 人以上 不明・無回答 全体 会った人数: 最小値 会った人数: 最大値 会った人数: 平均 会った人数:標準偏差 問 4 あなたは就職状況や業界動向など就職に関連する情報を、主にどこから得ていますか。(MA) 第1回 第 1 回∩第 2 回 113 15.3% 75 16.7% 56 7.6% 32 7.1% 189 25.6% 126 28.1% 91 12.3% 57 12.7% 10 1.4% 2 0.4% 215 29.1% 137 30.6% 118 16.0% 81 18.1% 94 12.7% 57 12.7% 160 21.7% 107 23.9% 36 4.9% 21 4.7% 526 71.3% 332 74.1% 38 5.1% 30 6.7% 96 13.0% 66 14.7% 101 13.7% 65 14.5% 282 38.2% 184 41.1% 114 15.4% 65 14.5% 37 5.0% 25 5.6% 31 4.2% 17 3.8% 364 49.3% 224 50.0% 170 23.0% 113 25.2% 327 44.3% 205 45.8% 345 46.7% 243 54.2% 220 29.8% 136 30.4% 129 17.5% 80 17.9% 15 2.0% 12 2.7% 738 100.0% 448 100.0% 01.NHK のテレビニュース 02.NHK のテレビ番組 03.民放のテレビニュース 04.民放のテレビ番組 05.ラジオのニュース 06.新聞のニュース 07.新聞の連載・特集記事 08.ビジネス雑誌 09.就職関連の雑誌(就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 12.就職関連の掲示板(就職@2ch 掲示板など) 13.「みんなの就職活動日記」 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 15.就職希望先のサイト 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 17.ポータルサイトのニュース 18.新聞社・放送局サイトのニュース 19.友人の話 20.家族の話 21.先輩、OB・OG の話 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.セミナーでの話 24.アルバイト先 25.その他 全体 128 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 問 5 就職状況や業界動向など就職に関連することがらを知るのに、あなたが最も役立っていると思う情報源はどれで すか。(MA:3 つ以内) 第1回 第 1 回∩第 2 回 48 6.5% 26 5.8% 23 3.1% 10 2.2% 64 8.7% 39 8.7% 18 2.4% 7 1.6% 7 0.9% 3 0.7% 118 16.0% 71 15.8% 46 6.2% 26 5.8% 47 6.4% 29 6.5% 80 10.8% 55 12.3% 13 1.8% 7 1.6% 447 60.6% 281 62.7% 15 2.0% 9 2.0% 33 4.5% 21 4.7% 37 5.0% 16 3.6% 151 20.5% 90 20.1% 77 10.4% 51 11.4% 15 2.0% 9 2.0% 8 1.1% 5 1.1% 141 19.1% 81 18.1% 53 7.2% 37 8.3% 246 33.3% 148 33.0% 175 23.7% 114 25.4% 127 17.2% 78 17.4% 31 4.2% 19 4.2% 14 1.9% 9 2.0% 738 100.0% 448 100.0% 01.NHK のテレビニュース 02.NHK のテレビ番組 03.民放のテレビニュース 04.民放のテレビ番組 05.ラジオのニュース 06.新聞のニュース 07.新聞の連載・特集記事 08.ビジネス雑誌 09.就職関連の雑誌(「就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 12.就職関連の掲示板(就職@2ch 掲示板など) 13.「みんなの就職活動日記」 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 15.就職希望先のサイト 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 17.ポータルサイトのニュース 18.新聞社・放送局サイトのニュース 19.友人の話 20.家族の話 21.先輩、OB・OG の話 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.セミナーでの話 24.アルバイト先 25.その他 全体 第2回 38 8.5% 12 2.7% 62 13.8% 18 4.0% 7 1.6% 111 24.8% 45 10.0% 34 7.6% 64 14.3% 6 1.3% 247 55.1% 11 2.5% 78 17.4% 33 7.4% 134 29.9% 26 5.8% 14 3.1% 6 1.3% 146 32.6% 50 11.2% 135 30.1% 72 16.1% 134 29.9% 18 4.0% 9 2.0% 448 100.0% 問 6 あなたは、インターネットの就職支援サイトに用意されているサービスを利用していますか。(MA:ある程度 利用する(した)もの) 第1回 第 1 回∩第 2 回 380 57.8% 233 52.0% 401 60.9% 251 56.0% 333 50.6% 216 48.2% 173 26.3% 106 23.7% 248 37.7% 169 37.7% 207 31.5% 145 32.4% 177 26.9% 122 27.2% 49 7.4% 30 6.7% 196 29.8% 127 28.3% 171 26.0% 109 24.3% 207 31.5% 140 31.3% 73 11.1% 38 8.5% 113 17.2% 79 17.6% 15 2.3% 14 3.1% 738 100.0% 448 100.0% 01.セミナーや説明会のエントリーをする 02.セミナーや説明会の日程を確認する 03.業務内容に関する情報を確認する 04.資料を請求する 05.採用方針に関する情報を確認する 06.人事担当の話を読む 07.先輩新入社員の日頃の仕事体験談を読む 08.他学生の活動内容(日記やレポート)を読む 09.業界情報・業界レポートを見る 10.先輩の就職体験談を読む 11.就職活動の進め方に関する情報を見る 12.掲示板を見る 13.エントリーシートや履歴書の書き方を見る 14.その他 全体 129 第2回 351 78.3% 351 78.3% 302 67.4% 146 32.6% 284 63.4% 197 44.0% 188 42.0% 90 20.1% 121 27.0% 131 29.2% 142 31.7% 94 21.0% 173 38.6% 10 2.2% 448 100.0% 問 7 あなたは、この 1 か月間、インターネットの就職支援サイトにどのくらいアクセスしましたか。 第1回 第 1 回∩第 2 回 118 16.0% 61 13.6% 70 9.5% 50 11.2% 220 29.8% 135 30.1% 144 19.5% 88 19.6% 68 9.2% 44 9.8% 110 14.9% 68 15.2% 8 1.1% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 1.アクセスしていない 2.月に 1~2 日くらい 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5~6 日くらい 6.毎日 不明・無回答 全体 第2回 47 10.5% 30 6.7% 54 12.1% 69 15.4% 61 13.6% 186 41.5% 1 0.2% 448 100.0% 問 8 あなたは、この 1 か月間、自分の「就職」や「就職活動」について、どのくらい人と話したり、ネットを利用し ましたか。 (a)友人や先輩と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 38 5.1% 11 2.5% 166 22.5% 97 21.7% 253 34.3% 159 35.5% 278 37.7% 180 40.2% 3 0.4% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 4 0.9% 73 16.3% 114 25.4% 256 57.1% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 165 22.4% 96 21.4% 246 33.3% 145 32.4% 213 28.9% 133 29.7% 109 14.8% 72 16.1% 5 0.7% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 31 6.9% 128 28.6% 149 33.3% 140 31.3% 0 0.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 438 59.3% 265 59.2% 186 25.2% 114 25.4% 76 10.3% 50 11.2% 29 3.9% 16 3.6% 9 1.2% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 218 48.7% 121 27.0% 72 16.1% 34 7.6% 3 0.7% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 379 51.4% 238 53.1% 173 23.4% 102 22.8% 117 15.9% 68 15.2% 60 8.1% 36 8.0% 9 1.2% 4 0.9% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 147 32.8% 104 23.2% 97 21.7% 99 22.1% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 618 83.7% 393 87.7% 66 8.9% 30 6.7% 31 4.2% 12 2.7% 17 2.3% 10 2.2% 6 0.8% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 355 79.2% 52 11.6% 25 5.6% 15 3.3% 1 0.2% 448 100.0% (b)家族と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (c)大学の教職員と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (d)ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (e)ネットの掲示板で就職に関することを書いた 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 130 (f)ブログや日記で就職に関する発言を読んだ(mixi を含む) 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 401 54.3% 247 55.1% 153 20.7% 86 19.2% 112 15.2% 75 16.7% 68 9.2% 38 8.5% 4 0.5% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 177 39.5% 85 19.0% 96 21.4% 88 19.6% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 550 74.5% 345 77.0% 91 12.3% 52 11.6% 64 8.7% 32 7.1% 28 3.8% 17 3.8% 5 0.7% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 277 61.8% 72 16.1% 48 10.7% 51 11.4% 0 0.0% 448 100.0% (g)ブログや日記で就職に関すること書いた(mixi を含む) 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 問 9 上記の(a)から(g)/(h)の中で、やってよかったと思うのはどれですか。あてはまるものすべてに○を付けてくださ い。(MA) 第1回 第 1 回∩第 2 回 629 85.2% 393 87.7% 293 39.7% 188 42.0% ― ― ― ― 146 19.8% 96 21.4% 114 15.4% 70 15.6% 10 1.4% 3 0.7% 83 11.2% 56 12.5% 21 2.8% 13 2.9% 41 5.6% 16 3.6% 738 100.0% 448 100.0% 1.友人や先輩と話したこと 2.家族と話したこと (3.就職活動中に知り合った学生と話したこと) 3.大学の教職員と話したこと 4.ネットの掲示板を読んだこと 5.ネットの掲示板に書いたこと 6.ブログや日記を読んだこと 7.ブログや日記に書いたこと 不明・無回答 全体 第2回 389 86.8% 216 48.2% 140 31.3% 79 17.6% 124 27.7% 2 0.4% 76 17.0% 27 6.0% 0 0.0% 448 100.0% 問 10 あなたは、就職活動をめぐって就職活動中の人々がインターネットの掲示板などに書いている活動内容(日記や レポート)についてどう思いますか。 (a)希望する就職先に関する悪い記述がないか気になる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 112 15.2% 66 14.7% 104 14.1% 55 12.3% 154 20.9% 85 19.0% 280 37.9% 187 41.7% 77 10.4% 52 11.6% 11 1.5% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 61 13.6% 65 14.5% 95 21.2% 174 38.8% 51 11.4% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 52 7.0% 29 6.5% 181 24.5% 113 25.2% 363 49.2% 215 48.0% 113 15.3% 79 17.6% 19 2.6% 9 2.0% 10 1.4% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 21 4.7% 112 25.0% 246 54.9% 56 12.5% 12 2.7% 1 0.2% 448 100.0% (b)大半の内容は信用できない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 131 (c)事実が書かれることもある 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 25 3.4% 10 2.2% 32 4.3% 18 4.0% 203 27.5% 103 23.0% 402 54.5% 270 60.3% 62 8.4% 43 9.6% 14 1.9% 4 0.9% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 4 0.9% 15 3.3% 102 22.8% 266 59.4% 59 13.2% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 50 6.8% 29 6.5% 112 15.2% 68 15.2% 342 46.3% 202 45.1% 187 25.3% 124 27.7% 35 4.7% 20 4.5% 12 1.6% 5 1.1% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 28 6.3% 83 18.5% 215 48.0% 98 21.9% 22 4.9% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 67 9.1% 43 9.6% 213 28.9% 125 27.9% 332 45.0% 204 45.5% 95 12.9% 63 14.1% 18 2.4% 8 1.8% 13 1.8% 5 1.1% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 35 7.8% 134 29.9% 221 49.3% 45 10.0% 12 2.7% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 33 4.5% 18 4.0% 91 12.3% 55 12.3% 303 41.1% 164 36.6% 262 35.5% 182 40.6% 35 4.7% 24 5.4% 14 1.9% 5 1.1% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 13 2.9% 39 8.7% 185 41.3% 183 40.8% 27 6.0% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 36 4.9% 18 4.0% 70 9.5% 37 8.3% 204 27.6% 112 25.0% 320 43.4% 213 47.5% 95 12.9% 65 14.5% 13 1.8% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 20 4.5% 42 9.4% 98 21.9% 222 49.6% 64 14.3% 2 0.4% 448 100.0% (d)読み手の反応を楽しみながら書く人が多い 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)読み手を混乱させる意図で書く人が多い 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (f)他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (g)自分と同じような人がいることがわかり安心する 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 132 (h)他の学生の本音がわかる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 33 4.5% 13 2.9% 70 9.5% 41 9.2% 223 30.2% 133 29.7% 329 44.6% 215 48.0% 69 9.3% 41 9.2% 14 1.9% 5 1.1% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 17 3.8% 34 7.6% 139 31.0% 200 44.6% 54 12.1% 4 0.9% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 213 28.9% 132 29.5% 148 20.1% 103 23.0% 192 26.0% 101 22.5% 144 19.5% 92 20.5% 30 4.1% 17 3.8% 11 1.5% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 140 31.3% 91 20.3% 97 21.7% 94 21.0% 25 5.6% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 122 16.5% 75 16.7% 166 22.5% 102 22.8% 276 37.4% 159 35.5% 145 19.6% 98 21.9% 18 2.4% 11 2.5% 11 1.5% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 83 18.5% 113 25.2% 166 37.1% 73 16.3% 11 2.5% 2 0.4% 448 100.0% (i)ときどき自分の就活体験や悩みを書きたいと思う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (j)書き込むことで有意義な情報が得られると思う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 ◆就職に対する考え方をうかがいます 問 11 あなたは就職についてどのような考えを持っていますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a)自分にとって職業選択は重要な問題である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 13 1.8% 3 0.7% 22 3.0% 10 2.2% 40 5.4% 18 4.0% 206 27.9% 129 28.8% 452 61.2% 286 63.8% 5 0.7% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 3 0.7% 15 3.3% 25 5.6% 137 30.6% 268 59.8% 0 0.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 12 1.6% 6 1.3% 23 3.1% 6 1.3% 59 8.0% 34 7.6% 229 31.0% 152 33.9% 409 55.4% 248 55.4% 6 0.8% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 2 0.4% 14 3.1% 42 9.4% 145 32.4% 245 54.7% 0 0.0% 448 100.0% (b)人生において職業選択は重大な分岐点である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 133 (c)職業の選択は自分の責任が重い選択である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 10 1.4% 5 1.1% 29 3.9% 14 3.1% 78 10.6% 41 9.2% 272 36.9% 169 37.7% 340 46.1% 216 48.2% 9 1.2% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 3 0.7% 11 2.5% 45 10.0% 167 37.3% 219 48.9% 3 0.7% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 137 18.6% 87 19.4% 148 20.1% 89 19.9% 167 22.6% 95 21.2% 156 21.1% 98 21.9% 123 16.7% 77 17.2% 7 0.9% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 114 25.4% 102 22.8% 81 18.1% 86 19.2% 61 13.6% 4 0.9% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 177 24.0% 109 24.3% 205 27.8% 124 27.7% 163 22.1% 99 22.1% 108 14.6% 74 16.5% 79 10.7% 40 8.9% 6 0.8% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 150 33.5% 115 25.7% 99 22.1% 45 10.0% 37 8.3% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 68 9.2% 36 8.0% 86 11.7% 52 11.6% 132 17.9% 82 18.3% 255 34.6% 166 37.1% 186 25.2% 107 23.9% 11 1.5% 5 1.1% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 74 16.5% 79 17.6% 56 12.5% 152 33.9% 85 19.0% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 9 1.2% 1 0.2% 28 3.8% 13 2.9% 120 16.3% 63 14.1% 253 34.3% 161 35.9% 322 43.6% 207 46.2% 6 0.8% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 5 1.1% 16 3.6% 55 12.3% 176 39.3% 196 43.8% 0 0.0% 448 100.0% (d)なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)当分の間は職業決定するのを避けたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (f)職業を決定するにはもう少し時間がほしい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (g)自分の就きたい仕事に就くことを優先したい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 134 (h)就職すること自体が重要である 第1回 第 1 回∩第 2 回 43 5.8% 21 4.7% 120 16.3% 64 14.3% 206 27.9% 130 29.0% 207 28.0% 132 29.5% 155 21.0% 97 21.7% 7 0.9% 4 0.9% 738 100.0% 448 100.0% 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第2回 35 7.8% 69 15.4% 123 27.5% 136 30.4% 85 19.0% 0 0.0% 448 100.0% 問 12 企業は一般に、新規大卒者のどんな条件を重視していると思いますか。最も重視していると思うものを 2 つま で選んでください。(MA) 第1回 第 1 回∩第 2 回 第2回 01.専門的知識・技能 55 7.5% 25 5.6% ― ― 02.一般常識・教養 111 15.0% 75 16.7% ― ― 03.学業成績 10 1.4% 7 1.6% ― ― 04.創造性・企画力 96 13.0% 56 12.5% ― ― 05.語学力・国際感覚 19 2.6% 9 2.0% ― ― 06.理解力・判断力 108 14.6% 57 12.7% ― ― 07.行動力・実行力 221 29.9% 121 27.0% ― ― 08.熱意・意欲 328 44.4% 208 46.4% ― ― 09.コミュニケーション能力 436 59.1% 285 63.6% ― ― 10.協調性・バランス感覚 114 15.4% 64 14.3% ― ― 11.健康・体力 35 4.7% 20 4.5% ― ― 全体 738 100.0% 448 100.0% ― ― 問 13 今年度の求人倍率(学生 1 人に対する求人件数)は、どのくらいだと思いますか。0.5 件から 2.0 件の範囲の数 字で、お答えください。 第1回 第 1 回∩第 2 回 第2回 回答あり 731 99.1% 443 98.9% ― ― 不明・無回答 7 0.9% 5 1.1% ― ― 全体 738 100.0% 448 100.0% ― ― 予想求人倍率: 最小値 0.1 件 0.1 件 予想求人倍率: 最大値 5.0 件 5.0 件 予想求人倍率: 平均 1.25 件 1.25 件 予想求人倍率:標準偏差 0.46 件 0.44 件 問 14 来春卒業を予定している大学生の就職内定率は、10 月現在、何%ぐらいだと思いますか。 第1回 第 1 回∩第 2 回 727 98.5% 442 98.7% 11 1.5% 6 1.3% 738 100.0% 448 100.0% 1 % 1 % 99 % 99 % 62.58 % 63.64 % 21.26 % 20.30 % 回答あり 不明・無回答 全体 予想就職内定率: 最小値 予想就職内定率: 最大値 予想就職内定率: 平均 予想就職内定率:標準偏差 第2回 ― ― ― ― ― ― 問 15 あなたは、就職活動と関連する以下のことがらについて、どの程度自信がありますか。それぞれ、あてはまる 数字に○を付けてください。 (a)自分の性格や興味を理解する 第1回 第 1 回∩第 2 回 第2回 1:自信がない 25 3.4% 12 2.7% ― ― 2:どちらかといえば自信がない 125 16.9% 72 16.1% ― ― 3:どちらともいえない 160 21.7% 95 21.2% ― ― 4:どちらかといえば自信がある 348 47.2% 228 50.9% ― ― 5:自信がある 78 10.6% 40 8.9% ― ― 不明・無回答 2 0.3% 1 0.2% ― ― 全体 738 100.0% 448 100.0% ― ― 135 (b)自分がどのような職業分野に向いているかを理解する 1:自信がない 2:どちらかといえば自信がない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば自信がある 5:自信がある 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 33 4.5% 21 4.7% 161 21.8% 113 25.2% 248 33.6% 137 30.6% 238 32.2% 143 31.9% 56 7.6% 33 7.4% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 17 2.3% 10 2.2% 111 15.0% 75 16.7% 190 25.7% 113 25.2% 327 44.3% 201 44.9% 89 12.1% 47 10.5% 4 0.5% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 95 12.9% 59 13.2% 259 35.1% 164 36.6% 251 34.0% 145 32.4% 104 14.1% 65 14.5% 25 3.4% 13 2.9% 4 0.5% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 93 12.6% 59 13.2% 225 30.5% 142 31.7% 227 30.8% 125 27.9% 156 21.1% 102 22.8% 32 4.3% 17 3.8% 5 0.7% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 118 16.0% 74 16.5% 252 34.1% 165 36.8% 257 34.8% 156 34.8% 87 11.8% 45 10.0% 21 2.8% 6 1.3% 3 0.4% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― (c)自分の長所と短所を理解する 1:自信がない 2:どちらかといえば自信がない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば自信がある 5:自信がある 不明・無回答 全体 (d)現在の新規大卒者の雇用状況を把握する 1:自信がない 2:どちらかといえば自信がない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば自信がある 5:自信がある 不明・無回答 全体 (e)自分の学部の卒業生の就職先を把握する 1:自信がない 2:どちらかといえば自信がない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば自信がある 5:自信がある 不明・無回答 全体 (f)現在の国内の求人動向を把握する 1:自信がない 2:どちらかといえば自信がない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば自信がある 5:自信がある 不明・無回答 全体 136 問 16 あなたは、以下のことがどの程度あてはまりますか。それぞれ、あてはまる数字に○を付けてください。 (a)仕事に生かせることなら何でも学ぶつもりだ 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 17 2.3% 5 1.1% 50 6.8% 25 5.6% 124 16.8% 79 17.6% 353 47.8% 222 49.6% 192 26.0% 115 25.7% 2 0.3% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 4 0.5% 1 0.2% 28 3.8% 13 2.9% 72 9.8% 31 6.9% 364 49.3% 236 52.7% 268 36.3% 166 37.1% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 6 0.8% 1 0.2% 55 7.5% 30 6.7% 174 23.6% 102 22.8% 329 44.6% 206 46.0% 171 23.2% 106 23.7% 3 0.4% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 69 9.3% 44 9.8% 151 20.5% 99 22.1% 262 35.5% 169 37.7% 185 25.1% 107 23.9% 68 9.2% 28 6.3% 3 0.4% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 60 8.1% 38 8.5% 178 24.1% 117 26.1% 272 36.9% 164 36.6% 166 22.5% 98 21.9% 59 8.0% 30 6.7% 3 0.4% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― (b)将来仕事で活用できる知識や技術を身につけたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (c)仕事で成功するためには決して努力を惜しまない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (d)地位や名誉をもたらす職業に就きたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)人より優れた仕事をすることが重要だ 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 137 (f)昇格や昇進の機会がある仕事を得ることは重要だ 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 36 4.9% 22 4.9% 110 14.9% 78 17.4% 227 30.8% 141 31.5% 274 37.1% 156 34.8% 89 12.1% 50 11.2% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 7 0.9% 4 0.9% 26 3.5% 11 2.5% 106 14.4% 62 13.8% 323 43.8% 204 45.5% 273 37.0% 166 37.1% 3 0.4% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 13 1.8% 4 0.9% 55 7.5% 34 7.6% 176 23.8% 102 22.8% 252 34.1% 160 35.7% 240 32.5% 146 32.6% 2 0.3% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 5 0.7% 2 0.4% 19 2.6% 9 2.0% 65 8.8% 25 5.6% 300 40.7% 184 41.1% 344 46.6% 225 50.2% 5 0.7% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― (g)職場では周りの人々との調和が何よりも大切だ 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (h)職場では一生つき合える友人を作りたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (i)周囲の人々とコミュニケーションしながら仕事を進めたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 問 17 あなたは就職活動について気がかりなことがありますか。以下の各項目について、あてはまる数字に○を付け てください。 (a)就職活動のやり方がわからない 第1回 第 1 回∩第 2 回 31 4.2% 15 3.3% 132 17.9% 81 18.1% 156 21.1% 88 19.6% 288 39.0% 189 42.2% 130 17.6% 74 16.5% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 138 第2回 93 20.8% 117 26.1% 95 21.2% 122 27.2% 20 4.5% 1 0.2% 448 100.0% (b)情報収集のやり方がわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 26 3.5% 14 3.1% 155 21.0% 102 22.8% 169 22.9% 84 18.8% 291 39.4% 189 42.2% 96 13.0% 58 12.9% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 83 18.5% 119 26.6% 77 17.2% 146 32.6% 22 4.9% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 22 3.0% 9 2.0% 94 12.7% 61 13.6% 189 25.6% 104 23.2% 288 39.0% 177 39.5% 144 19.5% 96 21.4% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 60 13.4% 82 18.3% 100 22.3% 158 35.3% 47 10.5% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 27 3.7% 12 2.7% 46 6.2% 22 4.9% 82 11.1% 46 10.3% 204 27.6% 119 26.6% 375 50.8% 247 55.1% 4 0.5% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 36 8.0% 24 5.4% 40 8.9% 125 27.9% 223 49.8% 0 0.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 69 9.3% 43 9.6% 118 16.0% 83 18.5% 170 23.0% 92 20.5% 246 33.3% 152 33.9% 134 18.2% 77 17.2% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 78 17.4% 103 23.0% 83 18.5% 128 28.6% 54 12.1% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 70 9.5% 45 10.0% 143 19.4% 94 21.0% 196 26.6% 104 23.2% 221 29.9% 140 31.3% 107 14.5% 64 14.3% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 86 19.2% 113 25.2% 94 21.0% 118 26.3% 36 8.0% 1 0.2% 448 100.0% (c)どの情報を信用すればいいのかわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (d)内定が本当にもらえるか 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (e)自分の所属大学に対する評価 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (f)自分の専攻に対する評価 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 139 (g)自分の就職希望先に対する評価 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 52 7.0% 29 6.5% 89 12.1% 53 11.8% 185 25.1% 108 24.1% 281 38.1% 178 39.7% 128 17.3% 77 17.2% 3 0.4% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 48 10.7% 69 15.4% 100 22.3% 158 35.3% 72 16.1% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 28 3.8% 12 2.7% 57 7.7% 32 7.1% 107 14.5% 65 14.5% 286 38.8% 179 40.0% 257 34.8% 158 35.3% 3 0.4% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 33 7.4% 42 9.4% 67 15.0% 158 35.3% 146 32.6% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 42 5.7% 22 4.9% 84 11.4% 56 12.5% 135 18.3% 71 15.8% 228 30.9% 140 31.3% 246 33.3% 156 34.8% 3 0.4% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 54 12.1% 61 13.6% 60 13.4% 140 31.3% 133 29.7% 0 0.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 78 10.6% 49 10.9% 127 17.2% 84 18.8% 199 27.0% 116 25.9% 185 25.1% 113 25.2% 147 19.9% 85 19.0% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 91 20.3% 87 19.4% 104 23.2% 95 21.2% 71 15.8% 0 0.0% 448 100.0% (h)自分に向いた仕事に就けるかわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (i)就職活動が人より遅れているかもしれない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (j)人にくらべ就職意識が低い 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 ◆インターネット利用についてうかがいます 問 18 あなたはインターネットについてどのように感じていますか。それぞれあてはまる数字に○を付けてください。 (a)インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う 第1回 第 1 回∩第 2 回 22 3.0% 11 2.5% 71 9.6% 43 9.6% 147 19.9% 68 15.2% 352 47.7% 233 52.0% 143 19.4% 91 20.3% 3 0.4% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 140 第2回 16 3.6% 64 14.3% 87 19.4% 208 46.4% 72 16.1% 1 0.2% 448 100.0% (b)本当に知りたい情報はネット上にない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 39 5.3% 19 4.2% 189 25.6% 103 23.0% 307 41.6% 206 46.0% 138 18.7% 79 17.6% 60 8.1% 37 8.3% 5 0.7% 4 0.9% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 33 7.4% 111 24.8% 185 41.3% 90 20.1% 28 6.3% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 42 5.7% 25 5.6% 74 10.0% 46 10.3% 136 18.4% 74 16.5% 253 34.3% 151 33.7% 230 31.2% 150 33.5% 3 0.4% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 11 2.5% 32 7.1% 60 13.4% 171 38.2% 173 38.6% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 21 2.8% 10 2.2% 122 16.5% 75 16.7% 297 40.2% 171 38.2% 232 31.4% 154 34.4% 62 8.4% 35 7.8% 4 0.5% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 17 3.8% 83 18.5% 164 36.6% 151 33.7% 32 7.1% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 9 1.2% 5 1.1% 24 3.3% 14 3.1% 82 11.1% 29 6.5% 356 48.2% 228 50.9% 258 35.0% 168 37.5% 9 1.2% 4 0.9% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 2 0.4% 16 3.6% 35 7.8% 218 48.7% 176 39.3% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 28 3.8% 14 3.1% 216 29.3% 138 30.8% 360 48.8% 222 49.6% 107 14.5% 64 14.3% 21 2.8% 7 1.6% 6 0.8% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 24 5.4% 134 29.9% 228 50.9% 51 11.4% 9 2.0% 2 0.4% 448 100.0% (c)インターネットが使えなくなったら寂しく感じる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (d)インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)インターネットは情報を得る手段である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (f)ネット上の情報は基本的に信頼できない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 141 (g)ネット上は欲求不満を解消する場である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 156 21.1% 99 22.1% 227 30.8% 141 31.5% 216 29.3% 128 28.6% 104 14.1% 64 14.3% 32 4.3% 14 3.1% 3 0.4% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 103 23.0% 135 30.1% 116 25.9% 75 16.7% 18 4.0% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 9 1.2% 7 1.6% 48 6.5% 28 6.3% 160 21.7% 85 19.0% 327 44.3% 213 47.5% 189 25.6% 111 24.8% 5 0.7% 4 0.9% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 5 1.1% 19 4.2% 71 15.8% 203 45.3% 149 33.3% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 25 3.4% 14 3.1% 93 12.6% 54 12.1% 273 37.0% 170 37.9% 273 37.0% 169 37.7% 68 9.2% 38 8.5% 6 0.8% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 14 3.1% 62 13.8% 145 32.4% 173 38.6% 53 11.8% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 40 5.4% 25 5.6% 90 12.2% 54 12.1% 170 23.0% 98 21.9% 292 39.6% 179 40.0% 141 19.1% 90 20.1% 5 0.7% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 12 2.7% 45 10.0% 71 15.8% 190 42.4% 129 28.8% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 20 2.7% 8 1.8% 55 7.5% 32 7.1% 108 14.6% 61 13.6% 322 43.6% 204 45.5% 228 30.9% 140 31.3% 5 0.7% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 6 1.3% 25 5.6% 44 9.8% 185 41.3% 187 41.7% 1 0.2% 448 100.0% (h)インターネットを利用するのは楽しい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (i)ネットは世間一般の考え方や意見を知る場である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (j)ネット利用は生活の大切な一部になっている 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (k)何か知りたいことがあると、すぐネットで調べる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 142 (l)ネットは人とコミュニケーションする場である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 108 14.6% 71 15.8% 212 28.7% 128 28.6% 238 32.2% 137 30.6% 136 18.4% 89 19.9% 40 5.4% 20 4.5% 4 0.5% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 67 15.0% 115 25.7% 154 34.4% 87 19.4% 24 5.4% 1 0.2% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 188 25.5% 8 1.8% 116 15.7% 32 7.1% 133 18.0% 61 13.6% 146 19.8% 204 45.5% 154 20.9% 140 31.3% 1 0.1% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 89 19.9% 68 15.2% 75 16.7% 83 18.5% 133 29.7% 0 0.0% 448 100.0% 150 20.3% 175 23.7% 19 2.6% 99 13.4% 11 1.5% 69 9.3% 17 2.3% 14 1.9% 184 24.9% 738 100.0% 87 106 11 85 4 55 5 4 91 448 ◆メディア利用全般についてうかがいます 問 19 あなたはふだん以下のメディアにどの程度接していますか。 A.新聞 1.読まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 ⇒最もよく読む新聞 1.読売 2.朝日 3.毎日 4.日経 5.産経 6.地元紙 7.スポーツ紙 8.その他 非該当・不明・無回答 全体 94 112 10 67 4 49 6 10 96 448 21.0% 25.0% 2.2% 15.0% 0.9% 10.9% 1.3% 2.2% 21.4% 100.0% 19.4% 23.7% 2.5% 19.0% 0.9% 12.3% 1.1% 0.9% 20.3% 100.0% B.週刊誌・月刊誌 1.読まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 ⇒最もよく読む雑誌 1.一般・総合・時事雑誌 2.情報誌 3.女性誌 4.趣味の雑誌 5.マンガ雑誌 6.その他 非該当・不明・無回答 全体 143 第1回 第 1 回∩第 2 回 238 32.2% 142 31.7% 258 35.0% 168 37.5% 135 18.3% 83 18.5% 85 11.5% 41 9.2% 20 2.7% 13 2.9% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 157 35.0% 146 32.6% 83 18.5% 49 10.9% 13 2.9% 0 0.0% 448 100.0% 58 7.9% 75 10.2% 186 25.2% 86 11.7% 104 14.1% 5 0.7% 224 30.4% 738 100.0% 47 28 98 44 57 7 167 448 35 40 121 53 59 3 137 448 7.8% 8.9% 27.0% 11.8% 13.2% 0.7% 30.6% 100.0% 10.5% 6.3% 21.9% 9.8% 12.7% 1.6% 37.3% 100.0% C.テレビニュース 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 ⇒最もよく見るニュースのチャンネル 1.NHK 2.日本テレビ系 3.TBS 系 4.フジテレビ系 5.テレビ朝日系 6.テレビ東京系 7.その他 非該当・不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 25 3.4% 10 2.2% 20 2.7% 7 1.6% 93 12.6% 50 11.2% 210 28.5% 121 27.0% 387 52.4% 257 57.4% 3 0.4% 3 0.7% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 11 2.5% 9 2.0% 46 10.3% 133 29.7% 248 55.4% 1 0.2% 448 100.0% 126 17.1% 81 11.0% 70 9.5% 322 43.6% 85 11.5% 27 3.7% 8 1.1% 19 2.6% 738 100.0% 91 47 59 165 50 11 2 23 448 82 48 38 185 62 19 5 9 448 18.3% 10.7% 8.5% 41.3% 13.8% 4.2% 1.1% 2.0% 100.0% 20.3% 10.5% 13.2% 36.8% 11.2% 2.5% 0.4% 5.1% 100.0% D.テレビの総視聴時間(平日 1 日あたり) 1.1 時間未満 2.1 時間以上 3.2 時間以上 4.3 時間以上 5.4 時間以上 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 139 18.8% 77 17.2% 204 27.6% 121 27.0% 177 24.0% 120 26.8% 144 19.5% 83 18.5% 72 9.8% 46 10.3% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 57 12.7% 105 23.4% 136 30.4% 88 19.6% 62 13.8% 0 0.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 186 25.2% 113 25.2% 90 12.2% 55 12.3% 134 18.2% 80 17.9% 148 20.1% 93 20.8% 178 24.1% 106 23.7% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 111 24.8% 45 10.0% 72 16.1% 75 16.7% 145 32.4% 0 0.0% 448 100.0% 459 62.2% 34 4.6% 2 0.3% 44 6.0% 6 0.8% 7 0.9% 0 0.0% 7 0.9% 3 0.4% 176 23.8% 738 100.0% 279 62.3% 26 5.8% 1 0.2% 14 3.1% 1 0.2% 3 0.7% 0 0.0% 7 1.6% 1 0.2% 116 25.9% 448 100.0% E.Yahoo!などポータルサイトのニュース(ニュース配信を含む) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 ⇒最もよく見るサイト 1.Yahoo!Japan 2.MSN 3.Livedoor 4.Google 5.goo 6.infoseek(楽天) 7.excite 8.プロバイダーのトップページ 9.その他 非該当・不明・無回答 全体 144 284 63.4% 21 4.7% 2 0.4% 18 4.0% 2 0.4% 2 0.4% 0 0.0% 4 0.9% 2 0.4% 113 25.2% 448 100.0% F.新聞社・放送局サイトのニュース(ニュース配信を含む) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 ⇒最もよく見るサイト 1.読売 2.朝日 3.毎日 4.日経 5.その他の新聞社 6.スポーツ紙 7.その他の新聞 8.NHK 9.日本テレビ 10.TBS 11.フジテレビ 12.テレビ朝日 13.テレビ東京 14.その他のテレビ局 15.ラジオ局 非該当・不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 472 64.0% 292 65.2% 92 12.5% 61 13.6% 69 9.3% 41 9.2% 61 8.3% 27 6.0% 42 5.7% 26 5.8% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 284 63.4% 46 10.3% 42 9.4% 37 8.3% 38 8.5% 1 0.2% 448 100.0% 38 5.1% 48 6.5% 23 3.1% 53 7.2% 3 0.4% 21 2.8% 3 0.4% 12 1.6% 10 1.4% 5 0.7% 37 5.0% 8 1.1% 4 0.5% 3 0.4% 1 0.1% 469 63.6% 738 100.0% 23 5.1% 27 6.0% 13 2.9% 34 7.6% 2 0.4% 10 2.2% 2 0.4% 3 0.7% 9 2.0% 4 0.9% 20 4.5% 6 1.3% 2 0.4% 2 0.4% 1 0.2% 290 64.7% 448 100.0% 20 4.5% 32 7.1% 11 2.5% 52 11.6% 5 1.1% 7 1.6% 1 0.2% 4 0.9% 0 0.0% 5 1.1% 14 3.1% 2 0.4% 4 0.9% 0 0.0% 0 0.0% 291 65.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 546 74.0% 336 75.0% 113 15.3% 64 14.3% 36 4.9% 21 4.7% 17 2.3% 9 2.0% 22 3.0% 16 3.6% 4 0.5% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 321 71.7% 52 11.6% 37 8.3% 17 3.8% 21 4.7% 0 0.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 621 84.1% 377 84.2% 13 1.8% 6 1.3% 5 0.7% 2 0.4% 3 0.4% 1 0.2% 3 0.4% 3 0.7% 93 12.6% 59 13.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 373 83.3% 5 1.1% 4 0.9% 2 0.4% 1 0.2% 63 14.1% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 237 32.1% 146 32.6% 80 10.8% 48 10.7% 111 15.0% 73 16.3% 94 12.7% 54 12.1% 215 29.1% 126 28.1% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 132 29.5% 44 9.8% 64 14.3% 71 15.8% 136 30.4% 1 0.2% 448 100.0% G.2 ちゃんねるなど掲示板(見る) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 G.2 ちゃんねるなど掲示板(書き込む) 1.書き込まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上書き込む 不明・無回答 全体 H.個人のブログや日記(mixi を含む)(見る) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 145 H.個人のブログや日記(mixi を含む)(書く) 1.書かない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上書く 不明・無回答 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 352 47.7% 218 48.7% 148 20.1% 91 20.3% 118 16.0% 70 15.6% 61 8.3% 41 9.2% 39 5.3% 18 4.0% 20 2.7% 10 2.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 207 46.2% 105 23.4% 75 16.7% 26 5.8% 26 5.8% 9 2.0% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 444 60.2% 270 60.3% 179 24.3% 111 24.8% 79 10.7% 46 10.3% 25 3.4% 14 3.1% 10 1.4% 6 1.3% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 242 54.0% 91 20.3% 61 13.6% 31 6.9% 21 4.7% 2 0.4% 448 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 660 89.4% 409 91.3% 32 4.3% 13 2.9% 7 0.9% 4 0.9% 7 0.9% 4 0.9% 0 0.0% 18 4.0% 32 4.3% 0 0.0% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 410 93.6% 11 2.5% 7 1.6% 0 0.0% 3 0.7% 7 1.6% 438 100.0% 第1回 第 1 回∩第 2 回 141 19.1% 90 20.1% 172 23.3% 108 24.1% 210 28.5% 127 28.3% 134 18.2% 76 17.0% 79 10.7% 45 10.0% 2 0.3% 2 0.4% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 77 17.2% 91 20.3% 131 29.2% 97 21.7% 51 11.4% 1 0.2% 448 100.0% I.インターネットの口コミサイト(見る) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 I.インターネットの口コミサイト(書き込む) 1.書き込まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上書き込む 不明・無回答 全体 J.メールに費やす時間(携帯とパソコンの全体、平日 1 日あたり) 1.15 分未満 2.15 分以上 3.30 分以上 4.1 時間以上 5.2 時間以上 不明・無回答 全体 K.メール以外でインターネットに費やす時間(携帯とパソコンの全体、平日 1 日あたり) 第1回 第 1 回∩第 2 回 274 37.1% 160 35.7% 248 33.6% 154 34.4% 127 17.2% 78 17.4% 50 6.8% 32 7.1% 32 4.3% 19 4.2% 7 0.9% 5 1.1% 738 100.0% 448 100.0% 1.1 時間未満 2.1 時間以上 3.2 時間以上 4.3 時間以上 5.4 時間以上 不明・無回答 全体 146 第2回 100 22.3% 130 29.0% 106 23.7% 59 13.2% 45 10.0% 8 1.8% 448 100.0% 問 20 あなた自身がふだん情報源としてよく利用しているものは何ですか。あてはまるものに○を付けてください。 (MA:3 つ以内) 第1回 第 1 回∩第 2 回 328 44.6% 211 47.2% 125 17.0% 71 15.9% 536 72.9% 353 79.0% 344 46.8% 212 47.4% 211 28.7% 128 28.6% 49 6.7% 28 6.3% 37 5.0% 20 4.5% 119 16.2% 70 15.7% 34 4.6% 18 4.0% 19 2.6% 12 2.7% 738 100.0% 448 100.0% 01.新聞 02.週刊誌・月刊誌 03.テレビニュース 04.テレビ番組 05.ポータルサイトのニュース 06.新聞社・放送局サイトのニュース 07.2 ちゃんねるなど掲示板 08.個人のブログや日記 09.口コミサイト 10.その他 全体 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 問 21 あなた自身がふだん情報源として信頼しているものは何ですか。あてはまるものに○を付けてください。 (MA:3 つ以内) 第1回 第 1 回∩第 2 回 460 62.6% 303 67.6% 79 10.7% 46 10.3% 476 64.8% 310 69.2% 187 25.4% 116 25.9% 141 19.2% 91 20.3% 56 7.6% 25 5.6% 13 1.8% 7 1.6% 33 4.5% 16 3.6% 23 3.1% 8 1.8% 19 2.6% 10 2.2% 738 100.0% 448 100.0% 1.新聞 2.週刊誌・月刊誌 3.テレビニュース 4.テレビ番組 5.ポータルサイトのニュース 6.新聞社・放送局サイトのニュース 7.2 ちゃんねるなど掲示板 8.個人のブログや日記 9.口コミサイト 10.その他 全体 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 問 22 あなたにとって「就職活動」とはどのようなものか、ご記入ください。 -自由記述- ◆統計的に分析するため、あなた自身のことを教えてください F1 あなたが在籍する大学 1.国立大学・公立大学 2.私立大学 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 315 42.7% 198 44.2% 423 57.3% 250 55.8% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 221 29.9% 136 30.4% 67 9.1% 56 12.5% 83 11.2% 36 8.0% 204 27.6% 116 25.9% 63 8.5% 44 9.8% 1 0.1% 0 0.0% 35 4.7% 21 4.7% 33 4.5% 19 4.2% 15 2.0% 11 2.5% 15 2.0% 8 1.8% 1 0.1% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― F2 あなたの所属する学部・学科 1.文・人文・外国語系 2.社会・社会福祉・国際学系 3.法・政治学系 4.経済・経営・商学系 5.教員養成課程・教員養成系 6.家政・生活科学系 7.総合・環境・人間・情報学系 8.芸術・体育学系 9.コミュニケーション系 10.その他 不明・無回答 全体 147 F3 あなたの性別 1.男 2.女 全体 第1回 第 1 回∩第 2 回 319 43.2% 162 36.2% 419 56.8% 286 63.8% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― 第1回 第 1 回∩第 2 回 1 0.1% 0 0.0% 1 0.1% 1 0.2% 3 0.4% 2 0.4% 3 0.4% 1 0.2% 1 0.1% 0 0.0% 3 0.4% 2 0.4% 18 2.4% 9 2.0% 127 17.2% 73 16.3% 460 62.3% 281 62.7% 119 16.1% 78 17.4% 2 0.3% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― F4 あなたの生まれた年月 1977 年生まれ 1978 年生まれ 1979 年生まれ 1980 年生まれ 1981 年生まれ 1982 年生まれ 1983 年生まれ 1984 年生まれ 1985 年生まれ 1986 年生まれ 不明・無回答 全体 F5 携帯電話のアドレス帳に登録されている件数(おおまかな数字でもかまいません) 1.登録している 2.携帯電話を持っていない 不明・無回答 全体 登録件数: 最小値 登録件数: 最大値 登録件数: 平均 登録件数:標準偏差 第1回 第 1 回∩第 2 回 第2回 724 98.1% 442 98.7% 447 99.8% 6 0.8% 1 0.2% 1 0.2% 8 1.1% 5 1.1% 0 0.0% 738 100.0% 448 100.0% 448 100.0% 10 件 10 件 15 件 700 件 700 件 1000 件 185.03 件 177.94 件 191.51 件 106.42 件 99.91 件 113.02 件 F6 次の中に、あなたが移動中や暇なときによくすることがありましたらすべてお知らせください。(MA) 第1回 第 1 回∩第 2 回 539 73.2% 325 72.7% 82 11.1% 42 9.4% 231 31.4% 138 30.9% 125 17.0% 70 15.7% 393 53.4% 239 53.5% 134 18.2% 84 18.8% 315 42.8% 203 45.4% 62 8.4% 42 9.4% 235 31.9% 159 35.6% 24 3.3% 18 4.0% 157 21.3% 106 23.7% 19 2.6% 9 2.0% 738 100.0% 448 100.0% 01.携帯メール 02.携帯通話 03.携帯インターネット 04.ゲームやパズル(携帯や任天堂 DS、雑誌や本) 05.音楽(携帯や iPod など) 06.マンガを読む 07.マンガ以外の雑誌・本を読む 08.新聞を読む 09.車内の(中吊り)広告を見る 10.ラジオを聴く 11.テレビを見る 12.この中にはない・何もしない 全体 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― F7 あなたの住んでいる場所は、就職活動にとって便利な場所ですか、それとも不便な場所ですか。 第1回 第 1 回∩第 2 回 135 18.3% 68 15.2% 259 35.1% 165 36.8% 217 29.4% 140 31.3% 122 16.5% 74 16.5% 5 0.7% 1 0.2% 738 100.0% 448 100.0% 1.便利な場所である 2.どちらかと言えば便利な場所である 3.どちらかと言えば不便な場所である 4.不便な場所である 不明・無回答 全体 148 第2回 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― B. 第 2 回調査単純集計 第 1 回調査との対応 問 1 あなたが現時点で予定している就職先を教えてください。 1.民間企業に就職(派遣・契約を含む) 2.公務員・教員 3.自営業・家業を継ぐ、手伝う 4.就職することしか決めていない 5.その他 不明・無回答 全体 ⇒問 1 を参照 305 80 3 42 12 6 448 問 2 あなたの就職活動はどのような状況ですか。仮に就職活動のスタート地点からゴールまで の距離を 10 としたら、あなたは現在どのあたりにいるでしょうか。 0(スタート) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10(ゴール) 不明・無回答 全体 ⇒問 2 を参照 11 31 56 93 66 75 59 26 12 9 8 2 448 問 3 あなたは就職活動や就職準備として、以下のようなことをこれまでにどの程度やりました か。前回調査の回答もあわせたこれまでの就職活動の全体で、(a)~(h)それぞれについて、あて はまる数字を記入してください。(やっていない場合は「0」) 68.1% 17.9% 0.7% 9.4% 2.7% 1.3% 100.0% 2.5% 6.9% 12.5% 20.8% 14.7% 16.7% 13.2% 5.8% 2.7% 2.0% 1.8% 0.4% 100.0% ⇒問 3 を参照 (a)インターンシップに参加する(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 335 85 28 448 0 20 0.34 1.21 74.8% 19.0% 6.3% 100.0% 社 社 社 社 54 385 9 448 0 30 4.23 4.69 12.1% 85.9% 2.0% 100.0% 回 回 回 回 (b)大学主催のガイダンスに参加する(回) 0回 1 回以上 不明・無回答 全体 参加した回数: 最小値 参加した回数: 最大値 参加した回数: 平均 参加した回数:標準偏差 149 (c)(就職活動のための)自己分析をする(回) 0回 1 回以上 不明・無回答 全体 行った回数: 最小値 行った回数: 最大値 行った回数: 平均 行った回数:標準偏差 76 339 33 448 0 100 3.81 6.96 17.0% 75.7% 7.4% 100.0% 回 回 回 回 46 392 10 448 0 95 4.50 8.55 10.3% 87.5% 2.2% 100.0% 件 件 件 件 110 325 13 448 0 50 5.97 7.50 24.6% 72.5% 2.9% 100.0% 件 件 件 件 189 237 22 448 0 120 5.58 13.38 42.2% 52.9% 4.9% 100.0% 社 社 社 社 67 368 13 448 0 70 10.85 11.40 15.0% 82.1% 2.9% 100.0% 社 社 社 社 (d)就職支援サイト(リクナビなど)に登録する(件) 0件 1 件以上 不明・無回答 全体 登録した件数: 最小値 登録した件数: 最大値 登録した件数: 平均 登録した件数:標準偏差 (e)エントリーシートを提出する(件) 0件 1 件以上 不明・無回答 全体 提出した件数: 最小値 提出した件数: 最大値 提出した件数: 平均 提出した件数:標準偏差 (f)インターネットなどから資料請求をする(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 請求した件数: 最小値 請求した件数: 最大値 請求した件数: 平均 請求した件数:標準偏差 (g)企業説明会やセミナーに出席する(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 150 (h)OB・OG に会う(人) 0人 1 人以上 不明・無回答 全体 会った人数: 最小値 会った人数: 最大値 会った人数: 平均 会った人数:標準偏差 272 154 22 448 0 30 1.45 3.43 60.7% 34.4% 4.9% 100.0% 人 人 人 人 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 161 266 21 448 0 30 2.51 3.72 35.9% 59.4% 4.7% 100.0% 社 社 社 社 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 190 239 19 448 0 50 2.11 3.83 42.4% 53.3% 4.2% 100.0% 社 社 社 社 参加した社数: 最小値 参加した社数: 最大値 参加した社数: 平均 参加した社数:標準偏差 385 37 26 448 0 5 0.13 0.50 85.9% 8.3% 5.8% 100.0% 社 社 社 社 (i)筆記試験を受けた(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 (j)面接試験を受けた(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 (k)内(々)定をもらった(社) 0社 1 社以上 不明・無回答 全体 問 4 あなたは、この 1 か月間、自分の「就職」や「就職活動」について、どのくらい人と話した りネットを利用しましたか。(a)~(g)それぞれについて、あてはまる数字に○を付けてください。 ⇒問 8 を参照 (a)友人や先輩と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 4 73 114 256 1 448 151 0.9% 16.3% 25.4% 57.1% 0.2% 100.0% (b)家族と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 全体 31 128 149 140 448 6.9% 28.6% 33.3% 31.3% 100.0% 146 114 112 76 448 32.6% 25.4% 25.0% 17.0% 100.0% 218 121 72 34 3 448 48.7% 27.0% 16.1% 7.6% 0.7% 100.0% 147 104 97 99 1 448 32.8% 23.2% 21.7% 22.1% 0.2% 100.0% 355 52 25 15 1 448 79.2% 11.6% 5.6% 3.3% 0.2% 100.0% 177 85 96 88 2 448 39.5% 19.0% 21.4% 19.6% 0.4% 100.0% 277 72 48 51 448 61.8% 16.1% 10.7% 11.4% 100.0% (c)就職活動中に知り合った学生と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 全体 (d)大学の教職員と就職に関する話をした 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (e)ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (f)ネットの掲示板で就職に関することを書いた 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (g)ブログや日記で就職に関する発言を読んだ(mixi を含む) 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 不明・無回答 全体 (h)ブログや日記で就職に関すること書いた(mixi を含む) 1:しなかった 2:たまにした 3:ときどきした 4:よくした 全体 152 問 5 上記の(a)から(h)の中で、この1ヶ月間でやってよかったと思うのはどれですか。あては まるものすべてに○を付けてください。(MA) 1.友人や先輩と話したこと 2.家族と話したこと 3.就職活動中に知り合った学生と話したこと 4.大学の教職員と話したこと 5.ネットの掲示板を読んだこと 6.ネットの掲示板に書いたこと 7.ブログや日記を読んだこと 8.ブログや日記に書いたこと 全体 ⇒問 9 を参照 389 216 140 79 124 2 76 27 448 問 6 あなたは、インターネットの就職支援サイトに用意されているサービスを利用しています か。ある程度利用したものに○を付けてください。(MA) 1.セミナーや説明会のエントリーをする 2.セミナーや説明会の日程を確認する 3.業務内容に関する情報を確認する 4.資料を請求する 5.採用方針に関する情報を確認する 6.人事担当の話を読む 7.先輩新入社員の日頃の仕事体験談を読む 8.他学生の活動内容(日記やレポート)を読む 9.業界情報・業界レポートを見る 10.先輩の就職体験談を読む 11.就職活動の進め方に関する情報を見る 12.掲示板を見る 13.エントリーシートや履歴書の書き方を見る 14.その他 全体 ⇒問 6 を参照 351 351 302 146 284 197 188 90 121 131 142 94 173 10 448 問 7 あなたは、この 1 か月間に、インターネットの就職支援サイトにどのくらいアクセスしま したか。 1.アクセスしていない 2.月に 1~2 日くらい 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5~6 日くらい 6.毎日 不明・無回答 全体 78.3% 78.3% 67.4% 32.6% 63.4% 44.0% 42.0% 20.1% 27.0% 29.2% 31.7% 21.0% 38.6% 2.2% 100.0% ⇒問 7 を参照 47 30 54 69 61 186 1 448 問 8 あなたは、就職活動をめぐって就職活動中の人々がインターネットの掲示板などに書いて いる活動内容(日記やレポート)についてどう思いますか。 86.8% 48.2% 31.3% 17.6% 27.7% 0.4% 17.0% 6.0% 100.0% 10.5% 6.7% 12.1% 15.4% 13.6% 41.5% 0.2% 100.0% ⇒問 10 を参照 (a)希望する就職先に関する悪い記述がないか気になる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 61 65 95 174 51 2 448 153 13.6% 14.5% 21.2% 38.8% 11.4% 0.4% 100.0% (b)大半の内容は信用できない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 21 112 246 56 12 1 448 4.7% 25.0% 54.9% 12.5% 2.7% 0.2% 100.0% 4 15 102 266 59 2 448 0.9% 3.3% 22.8% 59.4% 13.2% 0.4% 100.0% 28 83 215 98 22 2 448 6.3% 18.5% 48.0% 21.9% 4.9% 0.4% 100.0% 35 134 221 45 12 1 448 7.8% 29.9% 49.3% 10.0% 2.7% 0.2% 100.0% 13 39 185 183 27 1 448 2.9% 8.7% 41.3% 40.8% 6.0% 0.2% 100.0% 20 42 98 222 64 2 448 4.5% 9.4% 21.9% 49.6% 14.3% 0.4% 100.0% (c)事実が書かれることもある 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (d)読み手の反応を楽しみながら書く人が多い 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)読み手を混乱させる意図で書く人が多い 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (f)他の学生に役立ちたいと思って書く人が多い 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (g)自分と同じような人がいることがわかり安心する 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 154 (h)他の学生の本音がわかる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 17 34 139 200 54 4 448 3.8% 7.6% 31.0% 44.6% 12.1% 0.9% 100.0% 140 91 97 94 25 1 448 31.3% 20.3% 21.7% 21.0% 5.6% 0.2% 100.0% 83 113 166 73 11 2 448 18.5% 25.2% 37.1% 16.3% 2.5% 0.4% 100.0% (i)ときどき自分の就活体験や悩みを書きたいと思う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (j)書き込むことで有意義な情報が得られると思う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 問 9 就職状況や業界動向など就職に関連することがらを知るのに、あなたが最も役立っている と思う情報源はどれですか。(MA:3 つ以内) ⇒問 5 を参照 1.NHK のテレビニュース 2.NHK のテレビ番組 3.民放のテレビニュース 4.民放のテレビ番組 5.ラジオのニュース 6.新聞のニュース 7.新聞の連載・特集記事 8.ビジネス雑誌 9.就職関連の雑誌(「就職ジャーナル」など) 10.その他の雑誌 11.就職支援サイト(リクナビなど) 12.就職関連の掲示板(就職@2ch 掲示板など) 13.「みんなの就職活動日記」 14.個人のブログや日記(mixi を含む) 15.就職希望先のサイト 16.Yahoo!などポータルサイトの企業・業界情報 17.ポータルサイトのニュース 18.新聞社・放送局サイトのニュース 19.友人の話 20.家族の話 21.先輩、OB・OG の話 22.大学の主催する就職関連行事や授業 23.セミナーでの話 24.アルバイト先 25.その他 38 12 62 18 7 111 45 34 64 6 247 11 78 33 134 26 14 6 146 50 135 72 134 18 9 8.5% 2.7% 13.8% 4.0% 1.6% 24.8% 10.0% 7.6% 14.3% 1.3% 55.1% 2.5% 17.4% 7.4% 29.9% 5.8% 3.1% 1.3% 32.6% 11.2% 30.1% 16.1% 29.9% 4.0% 2.0% 全体 448 100.0% 155 問 10 就職に必要な情報を得るのに役立っているとあなたが思う情報源はどれですか。a~h の 情報ごとに、当てはまる数字に○を付けてください。 (a)就職活動の方法に関する情報(服装、マナー、自己 PR 仕方など) 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 221 74 87 153 196 25 26 19 62 9 448 49.3% 16.5% 19.4% 34.2% 43.8% 5.6% 5.8% 4.2% 13.8% 2.0% 100.0% 315 14 41 41 86 14 88 86 16 7 448 70.3% 3.1% 9.2% 9.2% 19.2% 3.1% 19.6% 19.2% 3.6% 1.6% 100.0% 191 20 63 130 150 92 91 40 39 2 448 42.6% 4.5% 14.1% 29.0% 33.5% 20.5% 20.3% 8.9% 8.7% 0.4% 100.0% 68 19 21 127 208 276 21 7 34 12 448 15.2% 4.2% 4.7% 28.3% 46.4% 61.6% 4.7% 1.6% 7.6% 2.7% 100.0% (b)就職活動の進行状況に関する情報(他の学生の進み具合など) 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 (c)採用面接に関する情報(質問内容、面接方法など) 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 (d)個別企業・組織に関する情報(給与、労働条件、動向など) 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 156 (e)個別企業・組織に関する非公式情報(職場の雰囲気、企業風土など) 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 170 35 26 150 77 89 92 36 24 11 448 37.9% 7.8% 5.8% 33.5% 17.2% 19.9% 20.5% 8.0% 5.4% 2.5% 100.0% (f)就職活動する自分に関する情報(能力、性格、適性など) 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 233 114 55 56 162 33 12 13 18 2 448 52.0% 25.4% 12.3% 12.5% 36.2% 7.4% 2.7% 2.9% 4.0% 0.4% 100.0% 354 174 46 32 22 11 20 57 6 12 448 79.0% 38.8% 10.3% 7.1% 4.9% 2.5% 4.5% 12.7% 1.3% 2.7% 100.0% 388 104 19 34 18 15 13 45 10 9 448 86.6% 23.2% 4.2% 7.6% 4.0% 3.3% 2.9% 10.0% 2.2% 2.0% 100.0% (g)就職活動する自分への励まし 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 (h)互いの人生観や将来の夢 1.友人・先輩など 2.家族・親戚 3.大学の教職員 4.セミナー・講演会 5.就職支援サイト 6.企業サイト 7.ネット掲示板 8.ブログ・日記 9.新聞・雑誌 10.テレビ 全体 157 問 11 あなたは就職についてどのような考えを持っていますか。それぞれ、あてはまる数字に○ を付けてください。 ⇒問 11 を参照 (a)自分にとって職業選択は重要な問題である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 全体 3 15 25 137 268 448 0.7% 3.3% 5.6% 30.6% 59.8% 100.0% 2 14 42 145 245 448 0.4% 3.1% 9.4% 32.4% 54.7% 100.0% 3 11 45 167 219 3 448 0.7% 2.5% 10.0% 37.3% 48.9% 0.7% 100.0% 114 102 81 86 61 4 448 25.4% 22.8% 18.1% 19.2% 13.6% 0.9% 100.0% 150 115 99 45 37 2 448 33.5% 25.7% 22.1% 10.0% 8.3% 0.4% 100.0% 74 79 56 152 85 2 448 16.5% 17.6% 12.5% 33.9% 19.0% 0.4% 100.0% (b)人生において職業選択は重大な分岐点である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 全体 (c)職業の選択は自分の責任が重い選択である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (d)なるべくなら職業決定するのを先延ばししたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)当分の間は職業決定するのを避けたい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (f)職業を決定するにはもう少し時間がほしい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 158 (g)自分の就きたい仕事に就くことを優先したい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 全体 5 16 55 176 196 448 1.1% 3.6% 12.3% 39.3% 43.8% 100.0% 35 69 123 136 85 448 7.8% 15.4% 27.5% 30.4% 19.0% 100.0% (h)就職すること自体が重要である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 全体 問 12 現時点で、あなたは就職活動について気がかりなことがありますか。以下の各項目につい て、あてはまる数字に○を付けてください。 ⇒問 17 を参照 (a)就職活動のやり方がわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 93 117 95 122 20 1 448 20.8% 26.1% 21.2% 27.2% 4.5% 0.2% 100.0% 83 119 77 146 22 1 448 18.5% 26.6% 17.2% 32.6% 4.9% 0.2% 100.0% 60 82 100 158 47 1 448 13.4% 18.3% 22.3% 35.3% 10.5% 0.2% 100.0% 36 24 40 125 223 448 8.0% 5.4% 8.9% 27.9% 49.8% 100.0% (b)情報収集のやり方がわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (c)どの情報を信用すればいいのかわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (d)内定が本当にもらえるか 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 全体 159 (e)自分の所属大学に対する評価 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 78 103 83 128 54 2 448 17.4% 23.0% 18.5% 28.6% 12.1% 0.4% 100.0% 86 113 94 118 36 1 448 19.2% 25.2% 21.0% 26.3% 8.0% 0.2% 100.0% 48 69 100 158 72 1 448 10.7% 15.4% 22.3% 35.3% 16.1% 0.2% 100.0% 33 42 67 158 146 2 448 7.4% 9.4% 15.0% 35.3% 32.6% 0.4% 100.0% 54 61 60 140 133 448 12.1% 13.6% 13.4% 31.3% 29.7% 100.0% 91 87 104 95 71 448 20.3% 19.4% 23.2% 21.2% 15.8% 100.0% (f)自分の専攻に対する評価 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (g)自分の就職希望先に対する評価 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (h)自分に向いた仕事に就けるかわからない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 不明・無回答 全体 (i)就職活動が人より遅れているかもしれない 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 全体 (j)人にくらべ就職意識が低い 1:まったく気にならない 2:どちらかといえば気にならない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえば気になる 5:非常に気になる 全体 160 問 13 あなたは就職活動を通してどのような経験をしましたか。以下の各項目について、それぞ れあてはまる数字に○を付けてください。 (a)自分には他人にない能力があると気づいた 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 69 89 149 113 26 2 448 15.4% 19.9% 33.3% 25.2% 5.8% 0.4% 100.0% 40 63 114 184 45 2 448 8.9% 14.1% 25.4% 41.1% 10.0% 0.4% 100.0% 16 28 83 237 82 2 448 3.6% 6.3% 18.5% 52.9% 18.3% 0.4% 100.0% 77 87 131 112 39 2 448 17.2% 19.4% 29.2% 25.0% 8.7% 0.4% 100.0% 90 90 104 115 46 3 448 20.1% 20.1% 23.2% 25.7% 10.3% 0.7% 100.0% 17 20 73 206 130 2 448 3.8% 4.5% 16.3% 46.0% 29.0% 0.4% 100.0% (b)自分のよさに気づいた 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (c)自己理解が深まった 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (d)就職活動は楽しい 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (e)就職活動で知り合いが増えた 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (f)いろいろな人がいることを知った 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 161 (g)就職とは、なるようにしかならないものと思った 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 37 90 159 116 44 2 448 8.3% 20.1% 35.5% 25.9% 9.8% 0.4% 100.0% 26 64 172 142 42 2 448 5.8% 14.3% 38.4% 31.7% 9.4% 0.4% 100.0% 18 34 105 210 79 2 448 4.0% 7.6% 23.4% 46.9% 17.6% 0.4% 100.0% 29 60 202 116 39 2 448 6.5% 13.4% 45.1% 25.9% 8.7% 0.4% 100.0% 24 56 126 174 66 2 448 5.4% 12.5% 28.1% 38.8% 14.7% 0.4% 100.0% 16 24 60 144 201 3 448 3.6% 5.4% 13.4% 32.1% 44.9% 0.7% 100.0% (h)人間に対する理解が深まった 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (i)働くことの理解が深まった 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (j)人づき合いが上手になった 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (k)働いている自分を想像出来るようになった 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (l)学生生活のありがたみに気づいた 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 162 (m)企業や組織の厳しさを知った 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 7 27 113 168 131 2 448 1.6% 6.0% 25.2% 37.5% 29.2% 0.4% 100.0% 5 13 38 125 265 2 448 1.1% 2.9% 8.5% 27.9% 59.2% 0.4% 100.0% 15 30 125 161 115 2 448 3.3% 6.7% 27.9% 35.9% 25.7% 0.4% 100.0% (n)残りの1年間を有意義にすごそうと思った 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 (o)自己が成長した 1.あてはまらない 2.どちらかといえばあてはまらない 3.どちらともいえない 4.どちらかといえばあてはまる 5.あてはまる 不明・無回答 全体 問 14 あなたは、この数ヶ月の就職活動をとおして、自分にとって「就職活動」とはどのような ものであると考えていますか。ご記入ください。 ⇒問 22 を参照 -省略- ◆インターネットやメディアの一般的な利用についてうかがいます 問 15 あなたはインターネットについてどのように感じていますか。それぞれ、あてはまる数字 に○を付けてください。 ⇒問 18 を参照 (a)インターネットは情報が多すぎて、判断に迷う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 16 64 87 208 72 1 448 3.6% 14.3% 19.4% 46.4% 16.1% 0.2% 100.0% 33 111 185 90 28 1 448 7.4% 24.8% 41.3% 20.1% 6.3% 0.2% 100.0% (b)本当に知りたい情報はネット上にない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 163 (c)インターネットが使えなくなったら寂しく感じる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 11 32 60 171 173 1 448 2.5% 7.1% 13.4% 38.2% 38.6% 0.2% 100.0% 17 83 164 151 32 1 448 3.8% 18.5% 36.6% 33.7% 7.1% 0.2% 100.0% 2 16 35 218 176 1 448 0.4% 3.6% 7.8% 48.7% 39.3% 0.2% 100.0% 24 134 228 51 9 2 448 5.4% 29.9% 50.9% 11.4% 2.0% 0.4% 100.0% 103 135 116 75 18 1 448 23.0% 30.1% 25.9% 16.7% 4.0% 0.2% 100.0% 5 19 71 203 149 1 448 1.1% 4.2% 15.8% 45.3% 33.3% 0.2% 100.0% (d)インターネットは矛盾する情報が多く、判断に迷う 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (e)インターネットは情報を得る手段である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (f)ネット上の情報は基本的に信頼できない 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (g)ネット上は欲求不満を解消する場である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (h)インターネットを利用するのは楽しい 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 164 (i)ネットは世間一般の考え方や意見を知る場である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 14 62 145 173 53 1 448 3.1% 13.8% 32.4% 38.6% 11.8% 0.2% 100.0% 12 45 71 190 129 1 448 2.7% 10.0% 15.8% 42.4% 28.8% 0.2% 100.0% 6 25 44 185 187 1 448 1.3% 5.6% 9.8% 41.3% 41.7% 0.2% 100.0% 67 115 154 87 24 1 448 15.0% 25.7% 34.4% 19.4% 5.4% 0.2% 100.0% (j)ネット利用は生活の大切な一部になっている 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (k)何か知りたいことがあると、すぐネットで調べる 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 (l)ネットは人とコミュニケーションする場である 1:まったくあてはまらない 2:どちらかといえばあてはまらない 3:どちらともいえない 4:どちらかといえばあてはまる 5:非常にあてはまる 不明・無回答 全体 問 16 あなたは、この 1 ヶ月に以下のメディアにどの程度接しましたか。 ⇒問 19 を参照 A.新聞 1.読まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 全体 89 68 75 83 133 448 19.9% 15.2% 16.7% 18.5% 29.7% 100.0% ⇒最もよく読んだ新聞(SA) 1.読売 2.朝日 3.毎日 4.日経 5.産経 6.地元紙 7.スポーツ紙 8.その他 非該当・不明・無回答 全体 87 106 11 85 4 55 5 4 91 448 19.4% 23.7% 2.5% 19.0% 0.9% 12.3% 1.1% 0.9% 20.3% 100.0% 165 B.週刊誌・月刊誌 1.読まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 全体 157 146 83 49 13 448 35.0% 32.6% 18.5% 10.9% 2.9% 100.0% ⇒最もよく読んだ雑誌(SA) 1.一般・総合・時事雑誌 2.情報誌 3.女性誌 4.趣味の雑誌 5.マンガ雑誌 6.その他 非該当・不明・無回答 全体 47 28 98 44 57 7 167 448 10.5% 6.3% 21.9% 9.8% 12.7% 1.6% 37.3% 100.0% 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 11 9 46 133 248 1 448 2.5% 2.0% 10.3% 29.7% 55.4% 0.2% 100.0% ⇒最もよく見たニュースのチャンネル(SA) 1.NHK 2.日本テレビ系 3.TBS 系 4.フジテレビ系 5.テレビ朝日系 6.テレビ東京系 7.その他 非該当・不明・無回答 全体 91 47 59 165 50 11 2 23 448 20.3% 10.5% 13.2% 36.8% 11.2% 2.5% 0.4% 5.1% 100.0% 57 105 136 88 62 448 12.7% 23.4% 30.4% 19.6% 13.8% 100.0% 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 111 45 72 75 145 24.8% 10.0% 16.1% 16.7% 32.4% 全体 448 100.0% C.テレビニュース D.テレビの総視聴時間(平日 1 日あたり) 1.1 時間未満 2.1 時間以上 3.2 時間以上 4.3 時間以上 5.4 時間以上 全体 E.Yahoo!などポータルサイトのニュース(ニュース配信を含む) 166 ⇒最もよく見たサイト(SA) 1.Yahoo!Japan 2.MSN 3.Livedoor 4.Google 5.goo 6.infoseek(楽天) 7.excite 8.プロバイダーのトップページ 9.その他 非該当・不明・無回答 全体 279 26 1 14 1 3 0 7 1 116 448 62.3% 5.8% 0.2% 3.1% 0.2% 0.7% 0.0% 1.6% 0.2% 25.9% 100.0% 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 284 46 42 37 38 1 448 63.4% 10.3% 9.4% 8.3% 8.5% 0.2% 100.0% ⇒最もよく見たサイト(SA) 1.読売 2.朝日 3.毎日 4.日経 5.その他の新聞社 6.スポーツ紙 7.その他の新聞 8.NHK 9.日本テレビ 10.TBS 11.フジテレビ 12.テレビ朝日 13.テレビ東京 14.その他のテレビ局 15.ラジオ局 非該当・不明・無回答 全体 20 32 11 52 5 7 1 4 0 5 14 2 4 0 0 291 448 4.5% 7.1% 2.5% 11.6% 1.1% 1.6% 0.2% 0.9% 0.0% 1.1% 3.1% 0.4% 0.9% 0.0% 0.0% 65.0% 100.0% 321 52 37 17 21 448 71.7% 11.6% 8.3% 3.8% 4.7% 100.0% F.新聞社・放送局サイトのニュース(ニュース配信を含む) G.2 ちゃんねるなど掲示板(見る) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 全体 167 G.2 ちゃんねるなど掲示板(書き込む) 1.書き込まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上書き込む 不明・無回答 全体 373 5 4 2 1 63 448 83.3% 1.1% 0.9% 0.4% 0.2% 14.1% 100.0% 132 44 64 71 136 1 448 29.5% 9.8% 14.3% 15.8% 30.4% 0.2% 100.0% 207 105 75 26 26 9 448 46.2% 23.4% 16.7% 5.8% 5.8% 2.0% 100.0% 242 91 61 31 21 2 448 54.0% 20.3% 13.6% 6.9% 4.7% 0.4% 100.0% 410 11 7 0 3 17 448 91.5% 2.5% 1.6% 0.0% 0.7% 3.8% 100.0% 77 91 131 97 51 1 448 17.2% 20.3% 29.2% 21.7% 11.4% 0.2% 100.0% H.個人のブログや日記(mixi を含む)(見る) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 H.個人のブログや日記(mixi を含む)(書く) 1.書かない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上書く 不明・無回答 全体 I.インターネットの口コミサイト(見る) 1.見ない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上見る 不明・無回答 全体 I.インターネットの口コミサイト(書き込む) 1.書き込まない 2.月に 1~2 回 3.週に 1~2 日くらい 4.週に 3~4 日くらい 5.週 5 日以上書き込む 不明・無回答 全体 J.メールに費やした時間(携帯とパソコンの全体、平日 1 日あたり) 1. 15 分未満 2. 15 分以上 3. 30 分以上 4. 1 時間以上 5. 2 時間以上 不明・無回答 全体 168 K.メール以外でインターネットに費やした時間(携帯とパソコンの全体、平日 1 日あたり) 1. 1 時間未満 2. 1 時間以上 3. 2 時間以上 4. 3 時間以上 5. 4 時間以上 不明・無回答 全体 100 130 106 59 45 8 448 問 17 携帯電話のアドレス帳に登録されている件数(おおまかな数字でもかまいません) 1.登録している 2.携帯電話を持っていない 全体 登録件数: 最小値 登録件数: 最大値 登録件数: 平均 登録件数:標準偏差 22.3% 29.0% 23.7% 13.2% 10.0% 1.8% 100.0% ⇒F5 を参照 447 1 448 15 1000 191.51 113.02 99.8% 0.2% 100.0% 件 件 件 件 294 154 448 1 500 49.12 48.86 65.6% 34.4% 100.0% 人 人 人 人 312 381 260 176 88 79 45 131 20 52 448 69.6% 85.0% 58.0% 39.3% 19.6% 17.6% 10.0% 29.2% 4.5% 11.6% 100.0% 214 341 96 46 13 25 5 96 9 68 448 47.8% 76.1% 21.4% 10.3% 2.9% 5.6% 1.1% 21.4% 2.0% 15.2% 100.0% 問 18 mixi や GREE のマイミク(友達)の人数(おおまかな数字でもかまいません) 1.マイミク(友達)がいる 2.入っていない 全体 マイミク(友達)の数: 最小値 マイミク(友達)の数: 最大値 マイミク(友達)の数: 平均 マイミク(友達)の数:標準偏差 問 19 あなたが登録している就職支援サイト(MA) 1.毎日就職ナビ 2.リクナビ 3.日経ナビ 4.[en]学生の就職情報(エンジャパン) 5.学情ナビ 6.就活ナビ 7.文化放送就職ナビ 8.みんなの就職活動日記 9.その他 10.なし 全体 問 20 そのうち役立っている就職支援サイト(MA) 1.毎日就職ナビ 2.リクナビ 3.日経ナビ 4.[en]学生の就職情報(エンジャパン) 5.学情ナビ 6.就活ナビ 7.文化放送就職ナビ 8.みんなの就職活動日記 9.その他 10.なし 全体 169 資料 6 学会発表 A. 日本心理学会第 70 回大会発表論文集(2006), p.244 乳がん経験者の情報コミュニケーション行動 ―インタビューによる分析― 川浦康至 Key words: 乳がん、インターネット、インタビュー 目 的 2001 年、イギリスで DIPEx(Database of Individual Patient Experiences)という、がん経験者の体験 記サイトが開設された(http://www.dipex.org/、http://homepage2.nifty.com/dipex-j/)。発起人は自ら乳が んになった女性医師である。乳がんに関する専門知識を持つ彼女にとって「最も必要な情報は、『乳がん によって、どういう現実がもたらされるのか。自分の人生はどう変わっていくのか』ということだった。 しかし(彼女は)誰に話を聞けばよいのか、わからない」状態だったという(藤森, 2006)。NBM (Narrative Based Medicine)はじめ、現在、患者自身の経験談が持つ各種の効用が認識されつつある。 都立中央図書館の「闘病記文庫」(http://www.library.metro.tokyo.jp/1n/1n05.html)、連想出版の「闘病記 ライブラリー」(http://toubyoki.info/)の開設もこうした動きの中に位置づけられよう。 普及とともに、インターネットは医療において、ますます重要な情報源となっている。病気にかかった とき、最初にアクセスする先がインターネットという人は少なくないであろう。検索エンジンでヒットす る情報は、医療機関などによる医学情報サイトと、冒頭でふれたような患者・経験者による体験記(ブロ グや個人ホームページ、掲示板)などの当事者情報とに分けられる。これらの情報はどのように利用され ているのだろう。本研究では、がんを情報ニーズ(授受)が質・量ともに高まるクリティカルな場面と位 置づけ、そこにおける情報コミュニケーション行動やコミュニケーション行動の過程を明らかにする。 方 法 乳がん手術を受けた女性、A さん(30 代前半)にインタビューを行った(2006 年 3 月)。彼女はイン タビュー当時、休職中で、夫は研修で米国に単身赴任中だった。5 歳と半年の 2 人の子どもがいる。イン タビューに先立ち、研究の意義やインタビューの趣旨、インタビュー記録の扱いについて説明を行い、了 解を得た。インタビューでは、病状の進行に合わせて、その際、自身のとった情報コミュニケーション行 動やコミュニケーション行動(以下、情報コミュニケーション行動と総称する)、それに対する評価を中 心にたずねた。 結 果 病状の段階ごとに情報コミュニケーション行動のようすを中心にインタビュー内容をまとめる。 1.病気の疑い期(3 月-4 月) 胸部のしこりを自覚し、産婦人科を訪れる。妊娠中のため、そのせい 170 と言われるが、納得がいかず、検診専門クリニックに行く。そこで、悪性腫瘍の可能性を示唆された。 「『ああ、そうなのか』と思ったとき、最初にしたことが、インターネットで情報を調べることでした。 ところが『乳がん』で検索すると、期待に反し、病気の進んでいる人のようすが写真付きで出てきて、 『わあっ』という感じになりました。切り取った跡の傷の写真があって、赤ちゃんのことや病気のことが 一気に押し寄せて、急に怖くなり、それからはインターネットが見られなくなりました。私としては、産 みたかったので、乳がんの情報はシャットアウトすることにしました」。 2.疾病確定・入院期(5 月-6 月) 「夫は仕事で海外に出かけていて、仕事に影響があっても困るの で、検査の結果はあえて伝えませんでした。母は娘であるわたしのことを優先して、出産をあきらめるよ う言ってくるので、精神的にも混乱してしまいました。その後、勤務を終えて戻った夫と診断結果を聞き に行き、出産できることを確認しました。安心したら、手術後のことが知りたくなり、恐る恐るインター ネットで情報を探したのですが、わたしと同じような妊娠中の乳がんに関する情報は見つからなかったの です」。「『妊娠中に乳がんになった女性はみんなどうやって乗り切ったのだろう』か、知りたかったの ですが、恐怖をあおる情報が大半でした」。 近所という条件付きで、信頼できる医師をクリニックで紹介してもらい、そこで手術を受けることにし た。その医師の著書はオンラインの書店でも評価が高く、それを「バイブルのように読みました」。アメ リカの乳がん情報は新しく参考になったが、「なぜ日本ではできないのだろうと思いました」。仕事で多 忙な看護師の励ましもうれしかったと教えてくれた。6 月下旬、乳がん手術、7 月上旬、退院。 3.治療開始(7 月) 出産を控えた彼女は、同じ産婦人科病室での会話で、「わたしもはじめは他人事 だったけど、乳がんの検査をしたほうがいい」と勧めたりした。9 月、無事出産。その間も「ネットで新 薬情報を探しましたが、それらはすべて先生の著書に載っていたので、医師と著書に対する信頼がいっそ う高まりました。読んでもわからないことがらは、治療の合間を縫って、その医師の講演会に出かけたり して、理解するよう務めました。講演会では、質問するなど患者の積極的な姿勢(患者力)が大事である こともわかりました」。「抗がん剤でがんばっている患者の姿にも勇気付けられました」。 4.治療終了(12 月) 海外赴任中の夫に会うため、渡米する。「日本では病気を隠すし、私も少しそう だったのですが、向こうは逆に『私は大きな病気をしたのよ』という感じで、普通に自己紹介のような感 じになっています。どのように反応したらよいかわからないくらいでした」。しばらく滞在する。 5.社会復帰 「家にいたら情報発信できないと思い、職場の女性たちに検診の重要性を説明しました。 すると、やがて検診に行った同僚から電話で相談を受ける場合もでてきました」。「休職者同士で年 2 回 交流会を開いています」。 まとめ これまでのようすを振り返り、ネット情報の意義を語ってもらった。「最初の入り口ではイン ターネットに頼らざるをえません。本屋さんに行きたくても、こういう状態だと、それもままなりません から」。ネットの「良くない点は、自分ひとりでどんどんマイナス思考になってしまうことです。『私は 軽くすみました』という情報は載っていないのです」「『いい先生』は最も知りたかった情報の 1 つです が、今回はたまたま行ったクリニックの先生の知り合いだったのです」。「いい先生といわれる人でも、 ネットに全然情報が載っていないと、不安になります」。「自分と同じ状況にいる人の話がないことがわ 171 かったので、余裕ができたら、ネットで書きたいと思っています」。インターネット上の情報に対する不 満は、発信することで改善できる部分も多い。 引用文献 藤森克彦 2006 患者の体験談が患者を救う http://www.mizuho-ir.co.jp/column/shakai060530.html B. 日本心理学会第 71 回大会発表論文集(2007), ページ未定 就職活動における社会的リアリティの形成過程 ○川浦康至・柴内康文 Key words: 就職活動 インターネット 情報コミュニケーション行動 目 的 就職希望の学生が、就職活動(就活)を効果的に進めるためには、個別企業に関する情報や全般的な求 人動向、業界動向、景気動向など、多様な手がかりを入手し、それらにもとづく的確な判断と、「就活」 および「就職」という実感を醸成することが欠かせない。必要な情報は就活の進展につれ、主要な情報源 も「一般」(マスメディアなど)から「個別」(対人メディアなど)へと変化すると考えられる。そうし た変化の中で、インターネットは一般的な情報源(ニュースサイトなど)にも、個別的な情報源(掲示板 など)にもなりうる。就活の進展によって就活イメージはどう変わるのか、進展の著しい学生ほど個別的 な情報源に接するようになっているのか、を明らかにする。 方 法 調査手続き パネル調査。第 1 回は 2006 年 11 月、第 2 回は 2007 年 3-4 月にそれぞれ実施された (留置・集団配布、回収は郵送による)。回答者は、東日本地区の 45 大学に通う、文系専攻の学生 383 名 (第 1 回調査時の 3 年生)。 主な質問項目 2 回とも、以下の質問項目が用意された(本報告でふれる設問)。(a)就活の主観的 進行度:スタート地点を 0、ゴールを 10 とする 11 件法、(b)就活に対するイメージ:「あなたにとっ て就職活動とは何ですか」(自由記述)、(c)就職関連情報の入手経路(第 2 回調査分のみ用いる、404 名)。 結果と考察 就活の主観的進行度 第 1 回調査時点における平均値は 11 段階中 1.85(SD=1.42)で、多くの学生は 就活のスタートを切ったばかりと言えよう(図 1)。それから数ヶ月後の時点(第 2 回調査)では、同じ く平均値は 4.15(SD=2.04)と、有意に進展している(t=-20.96, df=382, p<.001)。また分散は第 2 回調 査の方が有意に大きく、個人差が広がっている(F(382,382) =2.15, p<.001)。 172 就活に対するイメージ 自由記述による回答を形態素解析(松村, 2006)にかけたところ、表 1 のよう な結果になった(上位 10 位まで)。「自分」と「人生」が 1 位、2 位を占めていることに変わりはない が、第 2 回において「自己」「成長」「考える」が上位に来ている点で異なる。就活経験によって、自己 について考える機会が学生たちの間で増えていることをうかがわせる。なお、表中の「探す」は実際には 動詞ではなく、「自分探し」の構成要素として用いられている。 就職関連情報の入手経路 第 2 回調査における「就活の主観的進行度」の平均値(4.15)を基準に回答 者を「遅い群」230 名と「速い群」174 名とに分けた(それぞれの進行度は 4 以下と 5 以上)。その 2 群 を用いて就職関連情報の入手経路に関する検討を行う。「この 1 か月、就職や就活について、どのくらい 人と話し、ネットを利用したか」を 8 項目 4 件法でたずねたところ、以下の 4 項目で有意な差が見られ、 いずれも「速い群」の方がよく行っていた。「a.友人や先輩と就職に関する話をした」「c.就活中に知り 合った学生と就職に関する話をした」「e.ネットの掲示板で就職に関する発言を読んだ」「g.ブログや日 記で就職に関する発言を読んだ(mixi を含む)」。有意な差が見られなかった項目は、以下の 4 つである。 「b.家族と就職に関する話をした」「d.大学の教職員と就職に関する話をした」「f.ネットの掲示板で就職 に関する発言を書いた」「h.ブログや日記で就職に関する発言を書いた(mixi を含む)」。これらの結果 から、「速い群」は、より就活に身近な人との対人コミュニケーションを積極的に図り、ネット利用に関 しても個別的な利用(掲示板やブログの閲覧)をさかんに行っているようすがうかがえる。とりわけ、就 活中の学生との会話(上記の c)がリアリティ形成に貢献している(追加で尋ねた「役立った情報」に対 する回答から)。 表 1 就活のイメージに対する回答の 160 2006年11月 140 2007年3月 120 100 人 80 数 60 40 20 0 0 1 2 3 4 5 6 就活の進行度 7 8 9 10 図 1 就活の主観的進行度(第 1 回調査と第 2 回調査) 形態素解析 第1回調査 % 形態素 人数 125 32.64 自分 74 19.32 人生 32 8.36 決める 32 8.36 社会 31 8.09 将来 31 8.09 重要 24 6.27 機会 23 6.01 知る 20 5.22 活動 20 5.22 探す 引用文献 松村真宏 2006 Tiny Textmining http://fieldmining.com/~matumura/ttm/ 173 第2回調査 % 形態素 人数 145 37.86 自分 40 10.44 人生 34 8.88 自己 32 8.36 成長 31 8.09 機会 27 7.05 社会 27 7.05 探す 26 6.79 知る 20 5.22 考える 18 4.70 将来 多メディア社会における情報チャネル選好と 社会的現実の形成との関連 平成 17-18(2005-06)年度 科学研究費補助金(基盤研究 C) 研究成果報告書 17530453 2007 年 7 月 著者 発行 川浦康至(研究代表者) 川上善郎 柴内康文 北山 編集・発行 聡 東京経済大学コミュニケーション学部 川浦康至 185-8502 東京都国分寺市南町 1-7-34 電話 042-328-7924 [email protected] 印刷・製本 東経大生協