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第1章 農村災害復旧専門技術者制度 章 農村災害復旧専門技術者制度

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第1章 農村災害復旧専門技術者制度 章 農村災害復旧専門技術者制度
第1章
農村災害復旧専門技術者制度 について
第 1 節 農村災害復旧専門技術者制度 に 至 る 経緯
1 . 平成 16 年災害 の 災害復旧業務 に 係 る 問題点
平 成 1 6 年 の 農 地 ・ 農 業 用 施 設 の 災 害 は 、 被 害 額 で 2,600億 円 を 超 え 、 昭 和
57年 に次ぐ戦後 2番目の大きな 規模であった 。これらは、 新潟県中越地方 を
襲った 最大震度7 を記録した地震 、過去最多の 上陸数10個 を記録した台風 等
による 災害で、被 害箇所数もおよ そ12万箇所 におよぶもの であった。この よ
うな大 規模災害を 受けた場合の地 方公共団体の 問題点として 、災害対応能力 に
は自ず と限界があ ることがはっき りした。特に 地震被害の大 きかった新潟県 が
実施し たアンケー ト調査資料から 問題点を見て みると、災害 の初期にあたる 地
震発生 後1週間は 、被災市町村の 農林課関係の 約4割の担当 職員が被災住民 の
対応に 追われ、本 来業務である農 地・農業用施 設災害の情報 収集ができなか っ
たと回答している。
また 、県の職員 では、約7割の 職員が地震発 生当日又は翌 日には登庁し被 災
状 況 の 応 援 の 情 報 収 集 に 努 め た が 、 応 援 作 業 の 中 で 困 っ た こ と は 、「 宿 舎 と 現
場 が 遠 く 移 動 時 間 が 長 く 掛 か っ た 」、「 職 員 間 の 引 継 ぎ が う ま く い か ず 、 手 戻
り が 多 か っ た 」、「 災 害 用 語 が 分 か ら な か っ た 」、「 写 真 の 撮 り 方 が 分 か ら な か
った」等災害に不慣れな状況が伺われるものになっている 。
その 後の災害復 旧業務に関して は、県内の応 援職員だけで は対応できなか っ
たこと から、各都 道府県へ応援職 員の派遣依頼 を行っている が、他都道府県 か
ら多く の派遣申し 入れがあっても 、被災市町村 等において受 け入れ体制(現 地
案内者 、査定準備 作業スペース・ 機材、宿泊施 設等)が整わ ないため申し入 れ
を断わ ざるを得な い状況もあった ことが報告さ れている。一 方、他県からの 応
援職員を受け入れた市町村では、被災地近隣での宿舎確保 が困難であったため、
被災現 地からかな り遠い宿舎とな って被災調査 に長距離の移 動を強いたこと や
査 定 設 計 書 作 成 作 業 で は 、「 査 定 設 計 書 作 成 に あ た っ て の 考 え 方 が 統 一 さ れ て
い な か っ た こ と 」、「 現 地 の 土 地 勘 が な く 苦 労 し た こ と 」、「 内 業 す る 作 業 ス ペ
ースが 狭く支障に なったこと」等 の問題点が上 げられている 。なお、応援職 員
の主な 業務は、被 災現地の測量、 設計及び積算 業務等査定設 計書作成等災害 査
定に向けた業務であった。
-1 -
また 、台風23 号で甚大な被害 を受けた兵庫 県がまとめた 災害記録誌から 災
害復旧 の状況を見 てみると、応援 職員の主な業 務は新潟県と ほぼ同様査定設 計
書 作 成 作 業 の 応 援 で あ っ た が 、「 被 災 市 町 へ の 支 援 内 容 や 支 援 方 針 を 決 め る の
に 時 間 を 要 し た 」、「 災 害 担 当 の 経 験 の 無 い 職 員 を 派 遣 す る 必 要 が 生 じ た 」 こ
と や 、 被 災 市 町 で は 査 定 計 画 の 策 定 や 市 町 内 で の 体 制 整 備 が 遅 延 し 、「 査 定 最
終 日 ま で 査 定 設 計 書 作 成 に 追 わ れ た こ と 」、「 業 務 を 受 注 し た コ ン サ ル タ ン ト
では、 測量班と設 計班との連携不 足により、写 真撮影や測量 に手戻りが生じ る
事 態 が あ っ た こ と 」、「 査 定 設 計 書 の 不 備 に よ り 査 定 が ま と も に で き な い 状 況
があっ たこと」等 突然の大災害に 見舞われて被 災現地が混乱 した状況にあっ た
ことが報告されている。
2 . 農業農村整備事業 の 効率的実施 に 係 る 検討会 の 報告
平成 16年災害 を受けて災害復 旧事業に係る 上記以外のさ まざまな問題点 も
明らか になったこ とから、平成1 7年度に農林 水産省農村振 興局では災害復 旧
事業に ついて、学 識経験者等の第 三者委員に諮 り災害復旧事 業のあり方につ い
て検討を行った。
-2 -
この 中で、大規 模災害や災害が 頻発した場合 に迅速に災害 査定に対応する た
めの検 討課題とし て、査定設計書 の作成業務と 災害査定が集 中する状況の中 で
自治体の技術者の経験不足が顕在化している状況等に対する対応をどうする
か、近 年の集中豪 雨の発生頻度が 増加傾向にあ ることや東海 地震等の大地震 の
発生が 懸念されて いる状況を踏ま え、被災地へ の支援体制の 一層の充実が必 要
との議論がなされた。
-3 -
この 結果、検討 課題の支援体制 の確保として 、被災地の災 害復旧を支援す る
体 制 の 充 実 と し て 「 農 村 災 害 復 旧 支 援 士 」( 仮 称 ) 等 の 組 織 化 に 向 け た 提 言 が
なされ ており、報 告書(平成18 年2月)には 、次のように 述べられている 。
「 災害復旧事業 」 報告書 の 災害復旧 を 支援 する 体制 の 充実 の 関係部分抜粋
3.被災地の災害復旧を支援する体制の充実
(1)技術職員の応援体制
大規模災害発生時には、被災市町村の復旧に携わる技術職員が不足することから、
全国規模の自治体等の技術職員による応援派遣体制が構築されており、平成16年
には延べ2,831人・日の技術者が派遣された。
これらの自治体職員等の応援派遣は被災市町村にとって大きな支援となっている
が、膨大な災害復旧業務を円滑に行うためには長期に亘る派遣が望ましく、交替す
る場合にも十分な引き継ぎが行われるよう留意して応援派遣体制を整備する必要が
ある。
(2)農村災害ボランティア活動
阪神淡路大震災を契機として、災害対策基本法や防災基本計画の中でも「ボラン
ティアによる防災活動の環境整備」を図るよう位置付けられており、現在、自治体
の農業農村整備事業経験者を中心として「農村災害ボランティア活動」の取り組み
が 行 わ れ、 平 常時 のた め 池等 の農 業用 施 設の 点検 活動 な どを 実施 して い る。(参 考
5)
-4 -
(参考 5) 農村災 害ボ ラン ティ アの活 動状 況
「農村災害ボランティア活動」については、現在全国の14道県で取り組まれ
ており、これを早期に全国に広げるとともに、平常時だけでなく災害発生時におい
ても、被災地支援が行えるよう取り組みを強化する。
このため、まず各都道府県毎に受け入れ態勢としての事務局を早期に立ち上げ、
全国自治体の災害復旧事務経験者(都道府県:約2,900名、市町村:約9,7
00名)に農村災害ボランティア活動に取り組んでもらえるよう要請し、体制の整
備を図る。
なお、災害発生時のボランティア活動にあたっては、被災地の受け入れ態勢に十
分配慮し、上記の都道府県事務局と連携を密にとり、交通手段、食事、宿泊等の手
配を自ら行っていくこと及び被災状況の調査等において自らが二次災害に遭うこと
の無いよう十分な安全確認を行うことを基本とする。
(3)「農村防災支援士」、「農村災害復旧支援士」(仮称)の組織化
近 年 、 記 録的 な 集 中 豪 雨が 頻 発 し 、大 規 模 地 震 の 発生 も 懸 念 され る な ど 、災 害 に
対 す る 備 え の一 層 の 強 化 が求 め ら れ てい る 。 そ こ で 、前 記 の 「 農村 災 害 ボ ラン テ ィ
ア 活 動 」 を 継続 し つ つ 、 それ を 発 展 させ る 形 と し て 、防 災 や 災 害復 旧 に 関 する 一 定
の知識、技能等を有した「支援士」を人材として登録し組織化を図る。
具 体 的 に は、 農 業 農 村 整備 事 業 の 関係 者 の 中 か ら 、防 災 や 減 災に つ い て 知識 や 技
能 を 持 つ 地 域の リ ー ダ ー とな る 人 材 を登 録 し て お き 、地 域 に 根 ざし た 防 災 ・減 災 活
動を日常的に実施する「農村防災支援士」(仮称)を組織化する。
ま た 、 全 国の 災 害 査 定 経験 者 等 の 中か ら 人 材 を 登 録し て お き 、大 規 模 災 害発 生 時
に 現 地 に 赴 いて 、 被 災 自 治体 の 災 害 復旧 担 当 者 に 災 害復 旧 事 務 につ い て の 指導 ・ 助
言を行う「農村災害復旧支援士」(仮称)を組織化する。(参考6)
-5 -
(参考6)農村防災支援士、農村災害復旧支援士(仮称)の組織化(案)
3 . 農業農村整備事業 の 効率的実施 に 係 る 検討会報告 の 具体 化
農業 農村整備事 業の効率的実施 に係る検討会 報告を受けて 、農村振興局防 災
課では 、全国9ブ ロックにおいて 、道府県等か ら要望の聞き 取り調査を実施 し
た。
この 中で、支援 体制の組織化の 実現へ向けて の要望が強か った「農村災害 復
旧 専 門 技 術 者 」( 農 村 災 害 復 旧 支 援 士 の 名 称 を 変 更 ) に つ い て 、 災 害 復 旧 に お
ける支 援体制を構 築することとし た。この支援 体制を構築す るにあたり、平 成
14年 度から実施 している「災害 支援技術強化 対策事業」に おいて整備して い
る全国 規模での災 害応援体制や農 村災害ボラン ティア等の活 用が図られるこ と
や農業 土木の基礎 技術を持ってい る会員である 都道府県土地 改良事業団体連 合
会の活 用を図るこ とが有効適切で あると判断さ れ、中央にお いて、会員の取 り
まとめ を行ってい る全国土地改良 事業団体連合 会に協力が求 められたところ で
あり、 これに対し 、全国土地改良 事業団体連合 会では、積極 的に協力し、計 画
的かつ一元的に災害復旧事業の支援強化を図ることとした ものである。
平成 18年度か ら農村災害復旧 専門技術者の 認定を行って おり、平成24 年
3月までに2,978名が認定を受けている。
また 、平成19 年度からは農林 水産省の補助 を受け、全国 土地改良事業団 体
連合会 が農村防災 ・災害復旧指導 体制強化事業 を実施してお り、モデル県で の
活動モ ニタリング 、課題抽出、対 応方針の検討 など、全国の ボランティア活 動
の強化を図っているところである。
-6 -
第 2 節 農村災害復旧専門技術者 の 役割
農地・農業用施設の災害復旧事
事業主体別申請割合
業の事業主体を調べてみると、そ
その他
(H19~
~23平均
平均)
平均 都道府
のほとんどが市町村となっている
1.7%
県
(グラフは H19~23の平均で東日本
3.8%
大 震 災 の 影 響 に よ り H18~ 22の 平
均 、 都 道 府 県 0.4%、 市 町 村 98.9%
に 比 べ 都 道 府 県 の 割 合 が 増 加 。)。
市町村等の災害復旧事業の国への
申請等は一括して都道府県で行わ
れるが、その災害復旧申請に係る
市町村
計画概要書等の作成業務は災害を
94.5%
受けた市町村で行われている。
近年、災害が多発する傾向にあ
るが、市町村では技術者等の不足
から、 都道府県か らの指導はある ものの大規模 災害発生時や 災害復旧経験が 少
ない市 町村の場合 には、災害復旧 に迅速かつ適 切に対応でき る体制が十分に 取
られていない状況が見受けられる。
実際 、平成16 年の梅雨前線豪 雨、台風21 号及び23号 、新潟中越地震 に
よる災 害では、災 害を受けた多く の市町村は被 害が甚大であ ったことから、 十
分な体 制で災害復 旧に対応するこ とができなか ったことは第 1節で述べたと お
りである。
この ため、災害 復旧を迅速かつ 的確に進める ための体制と して、全国土地 改
良事業 団体連合会 は、災害復旧を 経験し、災害 復旧等に関す る豊富な技術経 験
を持っ ている方を 「農村災害復旧 専門技術者」 として認定す ることとし、市 町
村の災 害復旧業務 を側面から支援 する体制を整 備することと したものである 。
なお 、従来の農 村災害ボランテ ィアについて も引き続き重 要な役割を有し て
おり、 災害復旧の 専門知識の有無 を問わず、農 業土木技術全 般の知見に基づ く
支援が期待されている。
この 「農村災害 復旧専門技術者 」は、原則的 には災害を受 けた市町村等か ら
の要請に基づき、主として次の支援活動を行うものとして いる。
1)一 般に大規模災 害発生時には、 県内外から被 災市町村に職 員の派遣等の応 援
が行わ れるケース が多いが、それ だけでは十分 に対応できな い業務や技術面 を
支援す ることとし ている。これは 、不足する人 員を補足し被 災市町村と連携 し
て迅速 に対応する という面と、災 害に不慣れな 市町村(担当 者、応援技術者 、
コンサルタント)に対して技術的助言を行う面の両方があ る。
2)ま た、被災地等 に在住する農村 災害復旧専門 技術者にあっ ては、他の都道 府
県、市 町村等から の応援技術者( 行政等の職員 及び農村災害 復旧専門技術者 )
に対し、被災地域特有の災害の状況や災害復旧工法等の情 報提供等を行う。
-7 -
第 3 節 農村災害復旧専門技術者 の 具体的活動
農村 災害復旧専 門技術者は、次 の事項に関し 、当該都道府 県・市町村の災 害
担当者等と連携を図りながら活動を行うものとする。
1 . 農地 ・ 農業用施設 の 被災状況等 に 係 る 情報提供等
被害 状況報告書 (速報)等の作 成に必要な被 災状況の把握 、写真撮影等に 関
し、市 町村災害担 当者、コンサル タント等に対 する技術面で の助言・指導を 行
うとと もに、必要 に応じ可能な範 囲でそれらを 実践し調査結 果としてとりま と
め、市町村担当者へ提供する。
具体的には、農地・農業用施設災害の現場において
①災害復旧事業採択の対象となりうる範囲
②被害状況の写真撮影
等に関 し、技術的 な助言・指導を 行うとともに 、必要に応じ 可能な範囲で写 真
撮影を支援・実践する。
2 . 応急措置 に 係 る 技術支援
被災 した農地・ 農業用施設への 応急対策や地 域の安全確保 を図るための具 体
的措置について、市町村担当者等へ技術的な助言を行う。
また 、被害拡大 ・二次災害の防 止の観点から 、専門家の派 遣要請の要否に つ
いて、市町村担当者等に対し助言を行う。
具体的には、
①応急工事の必要性・工法の検討
②専門家の派遣要請の要否
等に関し、技術的な助言を行う。
3 . 市町村 の 災害復旧業務 に 係 る 技術支援
災害 復旧業務に 係る調査・測量 ・設計書作成 等に対する技 術的な検討、災 害
復旧制度の運用等に関して、市町村災害担当者等へ助言を 行う。
具体的には、
①復旧工法の検討
②査定設計書の作成方法
等に関し、技術的な助言を行う。
4 . 応援技術者 への 技術支援
特に 、被災地等 に在住する農村 災害復旧専門 技術者にあっ ては、地域に精 通
してい ることから 、現地の地理的 な状況、被災 地域独自の復 旧工法、被災施 設
の既存 資料等当該 地域に特有の災 害復旧に関す る留意事項等 の情報を応援技 術
者に提供することにより、応援技術者が円滑に活動できる よう支援を行う。
5 . その 他派遣要請自治体 からの 要請 に 基 づく 事項
-8 -
上記の他に自治体からの要請を受けた場合は、自らの判 断により支援を行う。
第 4 節 農村災害復旧専門技術者 の 責務
農村災害復旧専門技術者は、次に掲げる責務を有する。
①被災市町村等からの要請を受けた支援活動を行うこと 。
②講習会の受講等による技術の研鑽に努めること。
③ 現地支援を行 った場合は、助 言内容(必要 に応じ日報等 の整理を含む) 等
を登録している事務局へ報告すること。
第 5 節 農村災害復旧専門技術者認定規定
全国土地改良事業団体連合会では、農村災害復旧専門技 術者を認定するため、
平成1 8年度に認 定規定を制定し ており、現在 の内容は以下 のとおりとなっ て
いる。
なお 、この規定 の第5条に基づ き、平成18 ~23年度に 認定した農村災 害
復旧専門技術者は、全国で2,971名となっている。
農村災害復旧専門技術者認定規定
制定
平成 18 年1 1月2 2日
改訂
平成 22 年
4月2 8日
(主 旨)
第 1 条
本 規 定 は 、 全 国 土 地 改 良事 業 団 体 連 合 会 ( 以 下「 全 土 連 」 とい う )が 実 施す る災
害 復 旧 技 術 向 上 の た め の 講 習 ( 以 下 「 講 習 」 と い う 。) 及 び 農 村 災 害 復 旧 専 門 技 術
者認 定(以下 「技術 者認 定」 という 。) に 必要 な基本 的事 項を 定め る。
(目 的)
第 2 条
技 術 者 認 定 は 、 大 規 模 災害 時 等 に お け る 災 害 復旧 へ の 対 応 に対 す る技 術 支援 が求
め ら れ て いる 状 況 に あ る こ と に 鑑 み、 災 害 復 旧 業 務 経 験 者を 対 象 と し た 講 習と 相 俟
っ て 、 農 地、 農 業 用 施 設 等 の 災 害 復旧 に 関 す る 制 度 、 技 術に 精 通 し 、 そ れ ら災 害 復
旧 の 実 務 に 関 す る 高 い 技 術 力 を 有 す る 者 を 農 村 災 害 復 旧 専 門 技 術 者 (以 下 「 専 門 技
術 者 」 と い う 。) と し て 認 定 し 、 も っ て 、 地 方 公 共 団 体 等 が 行 な う 災 害 復 旧 へ の 迅
速か つ的確 な対 応を 支援す る体 制の 強化 を図る こと を目 的とす る。
(専 門技術 者の 活動 )
第 3 条
専 門 技 術 者 は 、 農 地 、 農業 用 施 設 等 の 災 害 発 生時 等 に 地 方 公共 団 体等 か らの 要請
に応 じて次 に掲 げる 活動を 行う 。
1)
被災状 況調 査に 関す る支援 ・助 言
2)
災害復 旧に 関す る技 術的助 言
3)
その他 地方 公共 団体 等の災 害復 旧に 関する 支援 、助 言
(認 定委員 会)
第 4 条
全 土 連 会 長 ( 以 下 「 会 長」 と い う ) は 、 第 2 条 の 目 的を 達 成す る ため に 、学 識経
験者 等で構 成す る農 村災害 復旧 専門 技術 者認定 委員 会( 以下「 認定委 員会」と いう)
-9 -
を設 置し、 次の 事項 につい て意 見を 求め る。
1)
専門技 術者 の認 定に 関する 事項 。
2)
講習及 び技 術者 認定 の運営 及び 実施 計画に 関す る事 項。
3)
その他 第2 条の目 的を 達成 するた めに 必要 な事項 。
2
委員会 は会 長が 委嘱 した者 をも って 構成す る。
3
委員長 は、 委員 の互 選によ り選 出す る。
4
認定委 員会 には 、作 業部会 を置 くこ とがで きる 。
(講 習及び 認定 )
第 5 条
2
会 長は、 認定 委員 会の意 見を 踏ま えて 、講習 及び 認定 を行う 。
講習は 、次 によ り行 うもの とす る。
1)
講習は 災害 復旧 業務 経験者 を主 たる 対象と して 実施 する。
2)
講 習 の 受 講 申し 込 み は 、 会 長 が 定 める 期 日 ま で に 「 災 害 復 旧技 術 向上 の ため の講
習会 」申込 書( 様式 1)を 会長 に提 出し て行う 。
3
会 長 は 、 都 道府 県 土 地 改 良 事 業 団 体連 合 会 等 が 、 認 定 委 員 会の 意 見を 踏 まえ て実
施す る講習 をも って 第2 項 に規 定する 講習 に代 えるこ とが でき るもの とす る。
こ の 場 合 、 前項 の 講 習 の 受 講 申 し 込み は 、 本 項 の 講 習 を 実 施す る 者が 定 める 申込
書 の 提 出 をも っ て 行 う こ と が で き るこ と と し 、 講 習 を 実 施す る 者 は 申 込 者 のリ ス ト
を全 土連に 送付 する ことと する 。
4
全 土 連 は 、 本条 第 2 項 及 び 第 3 項 の 講 習 を 受 講し た 者 に 修 了証 を 発行 す るこ とが
でき る。
5
認定は 、次 によ り行 うもの とす る。
1)
認 定 を 申 請 で き る 資 格 者 は 、 公 共 事 業 の 設 計 、 積 算 、 施 工 等 の 実 務 経 験 が 10 年
以 上 ( う ち農 業 農 村 整 備 事 業 に か かる 期 間 が 5 年 以 上 ) で、 且 つ 次 の い ず れか に 該
当し 、講習 を受 講し た者と する 。
①
災害査 定官 経験 者
②
農 地 、 農 業 用施 設 等 の 災 害 査 定 に 係る 業 務 ( 査 定 ・ 随 行 で 3日 以 上の 業 務を 1回
と する。) の経験 3回 以上 に該当 する 者
③
行 政 、 団 体 等に お け る 農 地 、 農 業 用施 設 等 の 災 害 復 旧 担 当 4年 以 上に 該 当す る者
④
農 地 、 農 業 用 施 設 等 の 災 害 復 旧 設 計 書 作 成 (技 術 士 、 農 業 土 木 技 術 管 理 士 、 R C
CM(農業土木)のいずれかの資格を持ち管理技術者として)3 件以上に該当す
る者
2)
認 定 申 請 の 申し 込 み は 、 会 長 が 定 める 期 日 ま で に 、 本 条 第 2 項 ま たは 第 3 項 の講
習修 了証の 写し、小 論文 及び 申込書 類( 様 式2、3 及び 4)を会 長に 提出し て行う 。
(認定 証の 交付及 び有 効期 間)
第 6 条
会 長 は 、 前 条 第 5 項 第 2 号 の 規 定 によ り 提 出 さ れ た 書類 を 審査 し 、認 定 委員 会の
意見 を聞い て定 める 基準以 上の 成績 を得 た者に 対し て認 定証( 様式 5)を 交付 する。
2
認 定 証 の 効 力は 、 交 付 を 受 け た 日 から 5 年間 を 経 過 し た 年 度の 末 日ま で とす る。
(認定 の更 新)
第 7 条
2
会 長は、 専門 技術 者から の申 し込 みを 受けて 認定 の更 新を行 う。
認定の 更新 は、 次に より行 うも のと する。
- 10 -
1)
認 定 の 更 新 は、 第 5 条 第 2 項 ま た は 第 3 項 の 講 習 を 2 回 以 上受 講 (現 認 定証 の有
効期 間の前 期( 第1 から3 年度)と後 期( 第4 及 び5 年 度)に各 1 回以 上、ただ し、
同 一 年 度 の 受 講 は 、 そ の 回 数 に か か わ ら ず 、 受 講 回 数 1 回 と す る 。) し た 専 門 技 術
者を 資格者 とす る。
た だ し 、 上 記に か か わ ら ず 、 認 定 期間 中 に 次 の い ず れ か に 該当 す る者 は 認定 の更
新の 資格者 とみ なす 。
①
専門技 術者 とし て第 3 条 1) ま たは 2) の活動 を行 った 者
②
災 害 復 旧 を 行う 際 に 必 要 な 知 識 等 に関 す る 研 修 テ キ ス ト を 全土 連 また は 全土 連が
指定する者に請求して入手し自己学習(現認定証の有効期間の前期(第1から3
年 度 ) 並 び に 後 期 ( 第 4 及 び 5 年 度 ) の 区 分 ご と に 各 1 回 以 上 。) を 継 続 し た 者
2)
認 定 の 更 新 申請 の 申 し 込 み は 、 認 定証 の 有 効 期 間 が 終 了 す る年 度 にお い て会 長が
定 め る 期 日ま で に 、 申 込 書 類 ( 様 式6 ) に 前 号 の 講 習 の 修了 証 の 写 し ま た は受 講 を
証 す る 書 類を 添 え て ( 前 号 た だ し 書き の 資 格 者 に あ っ て は該 当 す る 活 動 等 の内 容 を
記載 して)、 会長に 提出 して 行う 。
3
専 門 技 術 者 が、 や む を え な い 事 由 によ り 本 条 第 2 項 第 1 号 の講 習 を受 講 でき なか
っ た 場 合 にお い て は 、 そ の 理 由 を 記し た 書 面 を 会 長 に 提 出し 、 会 長 の 指 定 する 期 間
内に 講習を 受講 する ことに より 、認 定の 更新を 申請 する ことが でき る。
4
会 長 は 、 認 定の 更 新 申 請 に 不 備 が ある と 認 め ら れ る 場 合 を 除い て これ を 受理 し、
本 条 第 2 項 第 1 号 の更 新 の 資 格 を 満 た す 者 につ い て 、 認 定 証 の 効 力を 5 年間 延長
する 。
(事務 局)
第 8 条
本 事 業 の 円 滑 な 推 進 を 図る た め 、 全 土 連 内 に 事務 局 を 設 け 、次 に 掲げ る 事務 を行
う。
1)
認定委 員会 及び 作業 部会の 開催 に関 する事 務
2)
講習及 び技 術者 認定 に関す る事 務
3)
その他 本事 業を 円滑 に推進 する ため に必要 な事 務
(規定 に定 めのな い事 項の 処理 )
第 9 条 規 定に 定め のない 事項 及び 疑義を 生じ た事項 につ いて は、会 長が 処理 する。
付
則
(経過 措置 )
第 1 条
平 成 18 及び 19 年 度 に 専 門 技 術 者 の 認 定を 受 け た 者 につ い ては 、 既認 定 証の 有効
期 間 の 4 ま た は 5 年 度 に 1 回 、 ま た 、 平 成 20 年 度 の 認 定 者 に つ い て は 、 既 認 定 証
の 有 効期 間 に 2 回 ( 第 2 か ら 4 年 度 に 1 回 、 並 び に、 第 4 ま た は 5 年 度 に1 回 )の
講 習 (第 7 条 第 2 項 1 号 に 掲 げ る 講 習 (た だ し 書 き を 含 む ) に 限る ) を 受 講 す るこ
と に より 、 第 7 条 に 掲 げ る 回 数 の 規定 に か か わ ら ず 、 認 定の 更 新 に 要 す る 資格 を え
るこ とがで きる こと とする 。
- 11 -
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