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大きな相対

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大きな相対
KHKレベル2コード
5. KHK レベル 2 コード
AutoPIPE 6.1 より、高圧ガス設備等耐震設計基準(通産省告示 515 号および 143 号)および高
圧ガス設備等耐震設計指針(レベル 2 耐震性能評価 KHK E 012-3-2000)に準拠した配管の応
力算定機能が追加されています。
KHK レベル 2 コードはアドオン機能であり、KHK レベル 2 コードを使用するに当っては、別途ラ
イセンスが必要となります。この章では、KHK レベル 2 コードの使用方法について説明します。
NOTE:
AutoPIPE ウィンドウのタイトルバーに ”AutoPIPE Plus & KHK 2 Add-on”と表示さ
れていることを確認してください。KHK-2 アドオンの使用ライセンスがあるにも関ら
ず上記のタイトルが表示されていない場合は、[ツール]/[セットアップ]/[エディション]
コマンドを実行して、ダイアログの <KHK-2 アドオン> ボタンをクリックしてください。
5.1 概要
高圧ガス設備等耐震設計基準(告示 515 号)の一部が改正され(告示 143 号)、配管系が耐震設
計の対象になっています。また、改正告示では、耐震設計地震動がレベル 1 地震動とレベル 2 地
震動の 2 段階評価になっています。KHKレベル 2 コードは、レベル 2 地震動に対する評価に対
応したコードとなります。重要度IaおよびIの配管系に関しては、レベル 2 地震動に対する耐震性
能評価を行う必要があります。
鋼管は延性に優れ大きな塑性変形能力を有し、また、一般に多点で支持されることにより不静定
次数が高いため、降伏応力を超えた変形を生じてもすぐに破壊に至ることはないと考えられます。
配管系において構造の特性から可とう性の多くは曲がり管が寄与しており、曲がり管において大き
な変位吸収能力を期待することができます。配管系のレベル 2 耐震性能評価では、曲がり管にお
ける損傷モードを想定し、曲がり部の弾塑性の影響を考慮した等価線形解析法による解析および
評価が必要になります。なお、曲がり部以外の直管部やティー部では、過度の変形を許容せず、
弾性状態として設計します。
また、レベル 1 地震動に関しては、慣性力と慣性力による支持構造物の応答変位に関する耐震性
能の評価を行いますが、レベル 2 地震動に関しては、液状化・流動化するおそれのある地盤上に
設置された配管系については、慣性力の評価に加えて、地盤の液状化に伴う基礎の移動の影響
を考慮する必要があります。
5.2 レベル 2 設計地震動
改正告示では、耐震設計の地震動がレベル 1 地震動とレベル 2 地震動の 2 段階となっています。
レベル 1 およびレベル 2 地震動の震度を求める際に使用する係数を下表に示します。なお、表中
のレベル 2 の欄において、網掛けされている項目はレベル 2 において係数が変わるものを示して
います。
バージョン9.4の補足 5-1
5
KHKレベル2コード
表 5.1 地震動の震度算出に使用する係数の比較
項目
区分
レベル 1
レベル 2
1.0
2.0
地震動レベル μk
-
Ia
1.0
1.0
重要度係数 β1
I
0.8
0.8
1.0
1.0
地域係数 β2
特A
A
0.8
0.8
B
0.6
0.7
C
0.4
0.7
1.4
1.4
表層地盤増幅係数 β3
第 1 種地盤
2.0
2.0
第 2 種地盤
2.0
2.0
第 3 種地盤
2.0
2.0
第 4 種地盤
基準応答倍率 β50
特A
告示 [図 6.1]
告示 [図 6.1] *1
A
告示 [図 6.1] *1
告示 [図 6.1]
B
告示 [図 6.1] *1
告示 [図 6.2]
C
告示 [図 6.1] *1
告示 [図 6.2]
注*1) 固有周期の長周期化により設計修正震度が増加するおそれがある場合には、当
該地盤種別の最大応答スペクトルとます。
また、レベル 2 地震動において慣性力に伴う配管支持点における応答変位は、レベル 2 指針
[9.2.1]解説(3)、(4)等により求めます。地盤変状に伴う配管支持点の移動量については、レベル
2 指針[9.3.3]等により求めます。
5.3 等価線形解析法
レベル 2 の耐震性能評価では、曲がり管の角度変形による塑性たわみ係数(kp)を用いた等価線
形解析法による解析および評価を行う必要があります。曲がり管に荷重が作用すると断面が徐々
に扁平しますが、この変形特性は変形のモードによって異なるため、指針では曲がり管の変形モ
ード別に曲がり管の変形角度と塑性たわみ係数の関係式が以下のように示されています。
AutoPIPEでは、慣性力および応答変位による解析では平均による近似式、地盤変状による解析
では面内伸展による近似式をそれぞれ使用します。
面内屈曲による近似式
k p = [(1.25h + 0.33)θ − 0.48h + 0.4] ⋅ k e
面内伸展による近似式
k p = [(1.28h + 0.03)θ − 0.66h + 0.75] ⋅ k e
面外による近似式
k p = [(1.1h + 0.24 )θ − 0.15h + 0.19] ⋅ k e
平均による近似式
k p = [0.37 + (h + 0.25)θ] ⋅ k e
S0
≥ ke
Sy
S0
≥ ke
Sy
S0
≥ ke
Sy
S0
≥ ke
Sy
(式 5.1)
(式 5.2)
(式 5.3)
(式 5.4)
ここに、
kp
h
:塑性変形時のたわみ係数。
:たわみ特性値(=tR/r2)。ここで、tは曲がり管の肉厚、Rは曲がり管の曲げ半径、
5-2 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
rは管の平均半径。
θ
:曲がり管の変形角度。
ke
:弾性時のたわみ係数(=1.65/h)。
S0
:基準降伏点(215N/mm2)。
Sy
:材料の降伏点または 0.2%耐力。
なお、曲がり部の変形角度は以下の式を使って算出します。
θ=
(θ NX − θ FX )2 + (θ NY − θ FY )2 + (θ NZ − θ FZ )2
(式 5.5)
ここに、
θ
:曲がり管の変形角度。
θNX
:曲がり管始端でのX軸周りの変位角。
θNY
:曲がり管始端でのY軸周りの変位角。
θNZ
:曲がり管始端でのZ軸周りの変位角。
θFX
:曲がり管終端でのX軸周りの変位角。
θFY
:曲がり管終端でのY軸周りの変位角。
θFZ
:曲がり管終端でのZ軸周りの変位角。
以下に、等価線形解析法のフローチャートを示します。
各ベンドの初期(弾性)たわみ係数の算出
線形解析を実行
各ベンドの変形角を算出
塑性たわみ係数を更新
変形角より各ベンドの塑性たわみ係数を算出
新旧のたわみ係数の
No
誤差が 5%以内?
Yes
終了
図 5.1 等価線形解析法の処理フロー
また、等価線形解析法では、摩擦やギャップ(クリアランス)等の配管支持部の非線形特性を考慮
しません。KHK レベル 2 コードでは、サポートに摩擦やギャップが定義されていた場合であっても、
それらを無視して解析を行います。
バージョン9.4の補足 5-3
5
KHKレベル2コード
5.4 荷重の組合せ
レベル 2 耐震性能評価において対象となる配管の荷重の組合せは、レベル 2 指針[表 9.2.3(1)]
等より以下のようになります。
表 5.2 レベル 2 耐震性能評価における荷重の組合せ
荷重の
流体の
運転
地震荷重
応力
種類
圧力
重量
慣性力
相対変位
の種類
長手方向応力
○
○
○
σl
繰り返し応力
○
○
範囲 σE
支持構造
地盤変状
○
σS
地盤変状
レベル 2 耐震性能評価を行う場合、AutoPIPE で必要とされる荷重ケースおよび組合せの一覧を
以下に示します。
表 5.3 AutoPIPE におけるレベル 2 耐震性能評価で必要となる荷重ケースと組合せ
荷重の
流体の
運転
地震荷重
応力
種類
地震方向
圧力
重量
慣性力
相対変位
の種類
GR
長手方向応力
X 方向
P1(,P2,P3)
E1 及び E3
GR
σl
Z 方向
P1(,P2,P3)
E2 及び E3
S1
繰り返し応力
X 方向
E1 及び E3
S2
範囲 σE
Z 方向
E2 及び E3
U1
地盤変状σS
-
ここで、GR
Px
E1
E2
E3
S1
S2
U1
:自重(管重量、保温材重量、内部流体重量)
:内圧
:X 方向の慣性力
:Z 方向の慣性力
:Y 方向の慣性力
:X 方向の慣性力による配管支持点の応答変位
:Z 方向の慣性力による配管支持点の応答変位
:地盤変状による基礎の移動
レベル 1 耐震評価では、個々の荷重ケースを単独で解析し、それぞれの断面力の結果を絶対値
で足し合わせて応力を算出しています。一方、レベル 2 耐震性能評価では、材料の降伏点を超え
た非線形領域での解析を行うため、断面力の単純な足し算を行うことはできません。したがって、
レベル 1 耐震性能評価では応力算出時に荷重の組合せを行いますが、レベル 2 耐震性能評価で
は解析の段階で荷重の組合せを行う必要があります。また、非線形領域では荷重のプラス・マイナ
スの方向によって解析結果が異なるため、KHK レベル 2 コードの慣性力および応答変位の解析
では、以下に示すようにすべての荷重方向の組合せについて解析できるようになっています。
5-4 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
表 5.4 AutoPIPE における慣性力および応答変位の組合せ
応力の種類
地震方向
組合せ
長手方向応力
X 方向
PW+X+Y
σl
PW+X-Y
PW-X+Y
PW-X-Y
Z 方向
PW+Z+Y
PW+Z-Y
PW-Z+Y
PW-Z-Y
+X+Y-DX
繰り返し応力範囲
X 方向
+X+Y+DX
+X-Y-DX
σE
+X-Y+DX
-X+Y-DX
-X+Y+DX
-X-Y-DX
-X-Y+DX
+Z+Y-DZ
Z 方向
+Z+Y+DZ
+Z-Y-DZ
+Z-Y+DZ
-Z+Y-DZ
-Z+Y+DZ
-Z-Y-DZ
-Z-Y+DZ
ここで、 W
:GR、自重(管重量、保温材重量、内部流体重量)
P
:Px、内圧
±X
:E1、X 方向の慣性力
±Z
:E2、Z 方向の慣性力
±Y
:E3、Y 方向の慣性力
±DX
:S1、X 方向の慣性力による配管支持点の応答変位
±DZ
:S2、Z 方向の慣性力による配管支持点の応答変位
KHK レベル 2 コードでは、解析段階にて荷重の組合せを行います。応力結果は勿論のこと、変
位・サポート作用力・拘束点作用力・配管内の力とモーメント等のすべての出力結果は、すでに組
合せを行った結果であり、ユーザにて別途組合せを定義する必要はありません。
配管系が複数の支持構造物に接続されているような場合、それぞれの支持構造物は異なった周
期で振動します。AutoPIPE の地震相対変位解析(S1 や S2 ケース)には、それぞれの配管支持
点に位相番号を割り当てることで、最大応答量を求める機能があります。しかしながら、等価線形
解析法では、慣性力による荷重と応答変位による荷重とを同時に解析する必要があるため、位相
を用いた地震相対変位解析の機能を使用することはできません。したがって、等価線形解析にお
ける相対変位の荷重ケース(S1 および S2)については、通常の強制変位と同じように扱われま
す。”強制変位”画面においても”位相番号”フィールドは入力不可になります。
5.5 許容値と応力算出式
レベル 2 地震動における慣性力および相対変位・地盤変状に対する許容塑性率は、レベル 2 指
針より、以下のようになります。
バージョン9.4の補足 5-5
5
KHKレベル2コード
表 5.5 レベル 2 地震動に対する許容塑性率
荷重
許容塑性率
内圧、自重および地震慣性力
内圧ラチェットの制限
による長手方向応力
地震荷重の繰り返し応力範囲
塑性ひずみ片振幅 2%
地盤変状
塑性ひずみ 5%
ただし、等価線形解析においては、上記を次のように置き換えて評価します。曲がり部にあっては、
曲がり管の変形角度が下表に示す許容変形角度θaを超えないこと、分岐管や直管部等にあって
は、見かけの応力を算出して下表の耐震設計用の許容応力以下であることを確認することが必要
です。なお、下表の許容変形角については、90 度エルボに対する値であり、45 度や 60 度等の曲
がり管につての許容変形角は、角度に応じて内挿します。
表 5.6 レベル 2 地震動に対する曲がり部の許容変形角
荷重
許容変形角θa (度)
内圧、自重および地震慣性力に
1.14
よる長手方向応力
h 0.46
地震荷重の繰り返し応力範囲
地盤変状
1.14
h 0.46
2.43
h 0.46
ここで、h :曲がり管のたわみ特性値
表 5.7 レベル 2 地震動に対する耐震設計用許容応力
応力の種類
耐震設計用許容応力
2S
内圧、自重および地震慣性力
による長手方向応力
4Sy
地震荷重の繰り返し応力範囲
4Sy
地盤変状
上表において、S及びSyは、それぞれ次の値を表します。
S
:耐圧部材の耐震設計用許容応力であって、告示の[表 16.2]の左欄に挙げる材料の種類に
応じ、右欄に既定する値。
Sy :材料の設計温度における降伏点または 0.2%耐力であって、特定設備検査規則例示基準別
添 1 別表第 3 に挙げる値。
なお、分岐管や直管部等における見かけの応力は以下の式を使って算出します。
内圧、運転重量および地震力に伴う長手方向応力
σl =
ここに、
5-6 バージョン9.4の補足
(i i M i )2 + (i o M o )2
Z
+
F
A
(式 5.6)
KHKレベル2コード
σl
:圧力、重量および地震力による長手方向応力。
ii
:管継手の種類に応じ、適切な方法で求める面内応力集中係数。公称厚で算出
します。
io
:管継手の種類に応じ、適切な方法で求める面外応力集中係数。公称厚で算出
します。
Mi
:配管内の流体の圧力、運転重量及び配管に作用する設計水平地震力並びに
設計鉛直地震力に伴う配管の面内曲げモーメント。
Mo
:配管内の流体の圧力、運転重量及び配管に作用する設計水平地震力並びに
設計鉛直地震力に伴う配管の面外曲げモーメント。
Z
:管の断面係数。ただし、腐れしろを除いて算出します。
F
:配管内の流体の圧力、運転重量及び配管に作用する設計水平地震力並びに
設計鉛直地震力による配管軸力。
A
:管の断面積。腐れしろを除きます。
地震力および配管支持点の相対変位に伴う繰返し応力範囲
σE = 2 ⋅
(i i M i )2 + (i o M o )2 + M 2t
Z
(式 5.7)
ここに、
σE
:設計水平地震力、設計鉛直地震力及び配管支持点の移動に伴う合成曲げ応
力の繰り返し応力範囲。
ii、io
:前記と同じ。
Z
:前記に同じ。
Mi
:配管に作用する設計水平地震力、設計鉛直地震力及び配管支持点の移動に
伴う配管の面内曲げモーメント。
Mo
:配管に作用する設計水平地震力、設計鉛直地震力及び配管支持点の移動に
伴う配管の面外曲げモーメント。
Mt
:配管に作用する設計水平地震力、設計鉛直地震力及び配管支持点の移動に
伴う配管のねじりモーメント。
地盤変状による基礎の移動に伴う応力範囲
σS =
(i i M i )2 + (i o M o )2 + M 2t
Z
(式 5.8)
ここに、
σS
:地盤変状による基礎の移動に伴う応力範囲。
ii、io
:前記と同じ。
Z
:前記に同じ。
Mi
:配管に作用する地盤変状に伴う配管の面内曲げモーメント。
Mo
:配管に作用する地盤変状に伴う配管の面外曲げモーメント。
バージョン9.4の補足 5-7
5
KHKレベル2コード
Mt
:配管に作用する地盤変状に伴う配管のねじりモーメント。
5.6 解析手順と制限
5.6.1 KHK レベル 2 コード用追加コマンド
KHK レベル 2 コードはアドオン機能として提供されます。次項に示す”システムのモデルオプショ
ン”の画面において、”応力評価コード”フィールドより KHK E 012 Level 2 を選択すると、KHK レ
ベル 2 コード専用のメニューに移行し、幾つかのコマンドが追加されます。以下に KHK レベル 2
コードにおけるメニューの変更点を示します。
表 5.8 KHK レベル 2 コード専用のコマンド
メニュー
コマンド
解析
等価線形解析
結果
ベンド変形角
フィルタ設定/ベンド変形角
反対に、KHK レベル 2 コードで使用が制限されるコマンドや機能もあります。以下にそれらを示し
ます。
・地盤特性、および関連するコマンド
・流体力学係数、および関連するコマンド
・溶接効率、および関連するコマンド
・荷重メニュー
・等価線形解析を除く解析メニューの全コマンド、および関連するコマンド
・組合せ定義、および関連するコマンド
・フランジの ANSI による相当圧力評価
5.6.2 レベル 1 およびレベル 2 の耐震性能評価手順
重要度IaおよびIの配管系に関するレベル 1 およびレベル 2 の耐震性能評価の手順は、一般に図
5.2 のようになります。レベル 1 耐震設計評価が合格することを確認した後、レベル 2 耐震性能評
価へ進みます。
AutoPIPE の KHK コードでは、一つのモデルにおいてレベル 1 耐震性能評価とレベル 2 耐震
性能評価の両方を同時に行うことはできません。レベル 1 耐震性能評価用のモデルとレベル 2 耐
震性能評価用のモデルを別々に用意し、それぞれのモデルについて解析および評価を行います。
通常、レベル 2 耐震性能評価では、レベル 1 耐震設計評価で使用したモデルをレベル 2 用に地
震力や支持点変位のデータ修正し、等価線形法による評価を行うことになります。
5-8 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
配管の
耐震設計
基本仕様
配管仕様
耐震設計仕様
設計変更
レベル 1 地震動に係る
慣性力に関する応答解析
慣性力に関するレベ
ル 1 耐震性能評価?
不合格
合格
レベル 2 地震動に係る
慣性力に関する応答解析
慣性力に関するレベ
ル 2 耐震性能評価?
不合格
合格
レベル 2 地震動に係る
地盤変状に関する応答解析
地盤変状に関するレベ
ル 2 耐震性能評価?
不合格
合格
終了
図 5.2 配管系の耐震性能評価手順
5.6.3 システムオプション
[ツール]/[モデルオプション]/[システム]コマンドを実行し、”システムのモデルオプション”画面を表
示させます。”応力評価コード”フィールドを KHK E 012 Level 2 へ変更します。その他のフィール
ドは変更する必要はありません。
バージョン9.4の補足 5-9
5
KHKレベル2コード
表 5.9 システムのモデルオプションの設定値
項目
設定値
KHK E 012 Level 2
応力評価コード
SI
単位系ファイル名(入力および出力)
AUTOJIS
ライブラリ(部品)
AUTOKHK
ライブラリ(材料)
以下に”システムのモデルオプション”画面の入力例を示します。
5.6.4 設計修正地震力の定義
レベル 2 耐震性能評価用に求めた設計修正地震力を入力します。レベル 1 耐震性能評価時にす
でにレベル 1 用の静的地震係数が定義されているため、レベル 2 耐震性能評価では[修正]/[追加
データ]/[部材の静的地震係数]コマンドおよび[節点の静的地震係数]コマンドを使ってレベル 2 用
の地震力の値に修正していきます。
また、KHK レベル 1 コードでは、[荷重]/[静的地震]コマンドにて”重力加速度に対する乗数(G)”
の定義を行いますが、レベル 2 コードでは以下の値が自動的に設定されるため、ユーザによる入
力は必要ありません。
5-10 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
表 5.10 レベル 2 コードの重力加速度に対する乗数(G)
ケース
X 方向
Y 方向
Z 方向
E1
1.0
0.0
0.0
E2
0.0
0.0
1.0
E3
0.0
1.0
0.0
5.6.5 慣性力に伴う配管支持点の応答変位の定義
レベル 2 耐震性能評価用に求めた慣性力による支持点の応答変位を入力します。慣性力による
支持点変位についても、すでに定義されているレベル 1 用の強制変位を修正していきます。当該
節点をクリックし、[修正]/[追加データ]/[強制変位]コマンドを実行し、”強制変位”画面にレベル 2
用の変位量を入力します。なお、節点に複数の強制変位データが定義されている場合は、どの強
制変位データを修正するのかを選択する画面が表示されます。以下に強制変位の入力画面の例
を示します。
作用させる荷重ケース: X 方向地震による配管支持点の変位量を入力する場合には S1 を、Z 方
向地震による配管支持点の変位量を入力する場合には S2 を選択します。
移動量: X または Z 方向地震による配管支持点の変位量を入力します。
回転角: 必要に応じて、配管支持点の回転変位量を入力します。
5.6.6 地盤変状に伴う配管支持点の移動量の定義
地盤変状による配管基礎の移動がある場合、異なる基礎間をまたがる配管の配管支持点には、
大きな相対変位が生じます。地盤変状による配管支持点の移動量の入力には、[挿入]/[追加デー
タ]/[強制変位]コマンドを使って入力します。以下に強制変位の入力画面の例を示します。
作用させる荷重ケース: U1 を選択します。
移動量: 地盤変状によって生じる配管支持点の移動量を入力します。
バージョン9.4の補足 5-11
5
KHKレベル2コード
回転角: 必要に応じて、配管支持点の回転角を入力します。
5.6.7 等価線形解析コマンド
レベル 2 地震動による等価線形解析を行うためには、[解析]/[等価線形解析]コマンドを使用しま
す。以下の”等価線形解析”画面が表示されます。
腐食代を除いた剛性: 配管の梁要素の剛性は、公称寸法から腐れしろを除いた寸法により算出し
なければなりません。なお、重量は腐れしろを考慮しない公称寸法により算出します。
自重: 自重ケースを考慮します。
内部流体: 配管重量の中に内部流体の重量を含めます。
圧力と弾性係数のケース: 解析には運転温度における縦弾性係数を用いることが必要です。解
析に使用する温度/圧力ケースの番号を指定します。例えば、2 を指定した場合は T2 温度におけ
る縦弾性係数の値が使用されます。なお、常温時の弾性係数を用いて解析を行う場合は 0 を指定
します。
内圧膨張のケースを考慮: 内圧による膨張を考慮します。圧力値としては、上記の”圧力と弾性係
数のケース”で指定した温度/圧力ケースの値が使用されます。
エルボ剛性: 大口径で薄肉の曲がり管においては、圧力がたわみ係数と応力集中係数に大きな
影響を与えるため、その補正が必要になります。補正を行う場合はチェックします。
静的地震のケース E1,E2,E3: 考慮する慣性力のケースを指定します。
サポート相対変位のケース S1,S2: 考慮する支持点応答変位のケースを指定します。
地盤変状のケース U1: 地盤変状の解析を行う場合はチェックします。
自重を考慮: 通常は、地盤変状の解析に自重荷重は含めませんが、支持点の移動に伴い自重
支持機能が失われるような場合には、自重を考慮する必要があります。
たわみ係数の許容誤差(比): たわみ係数の収束判定に使用する許容誤差を比で指定します。
デフォルトは 5%になっています。
収束計算の最大反復数: 等価線形解析では、塑性たわみ係数を変えながら反復計算を行います。
5-12 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
最大の反復回数を指定します。指定した回数にて収束しなかった場合は、解析を継続するかを確
認するためのダイアログが表示されます。
上記の”等価線形解析”画面において OK ボタンを押すと、続いて以下の”荷重の組合せの選択”
画面が表示されます。
非線形領域では荷重のプラス・マイナスの方向によって解析結果が異なるため、慣性力および応
答変位の解析では、すべての荷重方向の組合せについて解析できるようになっています。なお、
GMOVE は地盤変状のケースを示しています。必要な組合せをチェックしてください。
5.6.8 結果/ベンド変形角コマンド
等価線形解析法では、ベンド部において材料の降伏応力を超えた非線形領域の解析および評
価を行います。弾性時の配管解析では評価は応力値をもって行いますが、降伏応力を超えた非
線形領域では応力による評価を行うことはできず、通常は塑性率による評価を行います。ただし、
等価線形解析法では、許容塑性率をベンドの許容変形角度に置き換えて評価を行います。
KHK レベル 2 コードでは、各ベンドの変形角度と許容変形角度を比較評価するための新たなコ
マンドが用意されています。[結果]/[ベンド変形角]コマンドを実行すると以下のダイアログが表示さ
れます。使用法については、[結果]/[コード応力]コマンドと同じです。
なお、ベンド以外の直管部やティー部については、応力による評価になるため、今までと同様に
[結果]/[コード応力]コマンドを使用します。
バージョン9.4の補足 5-13
5
KHKレベル2コード
5.6.9 バッチレポートのベンド変形角オプション
KHK レベル 2 コードでは、バッチレポートにベンドの変形角度を評価するページが追加されてい
ます。[結果]/[パッチレポート]コマンドを実行すると以下のダイアログが表示されます。新たに追加
された”ベンド変形角”フィールドをチェックしてください。
以下に、ベンド変形角の評価の出力例を示します。
ベンド変形角の評価の出力例
--------------------------------------------------------------------------------------------------KHK2
03/22/2011
BENTLEY
01:45 PM
AutoPIPE Plus 9.3.2
RESULT PAGE 20
--------------------------------------------------------------------------------------------------KHK E 012 (2000) によるベンド変形角の評価
( 角度 - deg
)
節点
荷重
たわみ係数
荷重 ベンド
線形
ベンド
許容
番号
組合せ
弾性時 塑性時 分類 曲り角 限界角 変形角 変形角
比
------ ---------------------------- ------- ---- ------ ------- ------- ------- ----*** Segment A
A01
begin ***
PW+X+Y
PW+X-Y
PW-X+Y
PW-X-Y
PW+Z+Y
PW+Z-Y
PW-Z+Y
PW-Z-Y
+X+Y+DX
+X-Y+DX
5-14 バージョン9.4の補足
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
8.031
6.718
8.039
9.223
L2-L
L2-L
L2-L
L2-L
L2-L
L2-L
L2-L
L2-L
8.773 L2-E
7.271 L2-E
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
1.676
1.311
1.678
2.049
0.488
0.477
0.488
0.555
1.908
1.501
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
0.86
0.67
0.86
1.05**
0.25
0.24
0.25
0.28
0.98
0.77
KHKレベル2コード
-X+Y+DX
-X-Y+DX
+X+Y-DX
+X-Y-DX
-X+Y-DX
-X-Y-DX
+Z+Y+DZ
+Z-Y+DZ
-Z+Y+DZ
-Z-Y+DZ
+Z+Y-DZ
+Z-Y-DZ
-Z+Y-DZ
-Z-Y-DZ
GMOVE
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
5.291
7.036
8.457
8.457
7.036
7.271
8.773
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-E
L2-S
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.840
0.694
1.420
1.809
1.809
1.420
1.501
1.908
0.508
0.467
0.482
0.524
0.524
0.482
0.467
0.508
0.194
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
1.948
4.153
0.73
0.93
0.93
0.73
0.77
0.98
0.26
0.24
0.25
0.27
0.27
0.25
0.24
0.26
0.05
5.7 地盤変状時に支持条件が変わるモデルの解析
地盤変状において、解放サポートを有する配管系や鉛直方向の基礎の移動による自重支持機能
が喪失する配管系等では、慣性力による解析とは支持条件が異なります。このような場合、KHK
レベル 2 コードでは慣性力による解析と地盤変状による解析とを同時に行うことはできません。
最初に慣性力による解析のみ行い、その後、支持条件を変更して地盤変状による解析を別途行う
必要があります。
5.8 代替評価法による評価
配管系のレベル 2 耐震性能評価のうち慣性力および応答変位に係わる評価は、代替評価法によ
っても良いと告示で規定されています。レベル 2 耐震性能の評価は、レベル 2 地震動に 0.5 を乗
じた値に対してレベル 1 耐震性能評価を行うことにより替えることができます。代替評価法の計算
方法および評価方法はレベル 1 耐震性能評価に準じるため、従来の KHK レベル 1 コードによっ
て計算および評価することができます。ただし、次の点は異なるため注意が必要です。
①基準応答倍率は、地域区分にかかわらずレベル 1 耐震性能評価における特 A および A 地区
のものを採用します。
②基準応答倍率は短周期側で、レベル 1 基準応答倍率を修正し、レベル 2 指針の[図 7.3-1]によ
ります。
③BおよびC地区の地域係数β2は、レベル 1 地震動のそれぞれ 0.6 および 0.4 に対して、レベル
2 地震動ではそれぞれ 0.7 および 0.7 となります。
④配管支持構造物の地震慣性力に係わる応答変位を代替評価法により算出する場合は、当該
計算値を配管支持点の相対変位量として設定しますが、応答変位をレベル 2 指針[9.2.1]解説
(4)または(5)により算出する場合は、当該計算値に 0.5 を乗じた値を配管支持点の相対変位
量として設定します。
なお、地盤変状についての代替評価法はないため、地盤変状に係わる評価については等価線形
解析法によることになります。
バージョン9.4の補足 5-15
5
KHKレベル2コード
5.9 レベル 2 計算例
AutoPIPE による「高圧ガス設備等耐震設計指針 レベル 2 耐震性能評価 計算例編」の”評価例
E:塔廻り配管”を以下に示します。ここでは、4.4 節のレベル 1 計算例で作成したモデルに関して、
レベル 2 の耐震性能評価を行います。
A01
A00
A02
A03
A04
A14
A15
A05
A07
A13
A06
A08
A11
A09
A10
A12
図 5.3 塔廻り配管のモデル図
5-16 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
(1) レベル 1 のモデルのオープン
4.4 節のレベル 1 計算例で作成したモデルをオープンします。[ファイル]/[名前を付けて保
存]/[AutoPIPE Database]コマンドを実行し、レベル 2 用のファイルを作成します。新しく作成した
このファイルを修正し、レベル 2 耐震性能評価を行います。
(2) システムオプション
[ツール]/[モデルオプション]/[システム]コマンドを実行し、”システムのモデルオプション”画面を表
示させます。”応力評価コード”フィールドを KHK E 012 Level 2 へ変更します。(KHK レベル 2
コードの使用ライセンスがない場合は KHK E 012 Level 2 を選択することはできません)。その他
のフィールドは変更する必要はありません。
NOTE:
AutoPIPEのSI単位では、バルブ・フランジ・付加重量等の単位はkg、圧力の単位
はN/mm2になっていますが、これらの単位をNやMPaに変更したSIJPという単位
系ファイルも用意されています。
(3) モデル作成
レベル 2 指針の塔廻り配管のモデルでは、点 A0-14-A1 の部分の配管が追加されています。した
がって、この部分の配管ラインを追加作成します。
(4) 設計修正地震力の定義
AutoPIPE の地震データの入力は、βやμ等の係数を与えるのではなく、これらの係数を掛け合
わせて最終的に求められる設計修正地震力を入力します。以下に節点 A00 の設計修正地震力
の算出例を示します。
バージョン9.4の補足 5-17
5
KHKレベル2コード
重要度: β1 = 1.0 (Ia)
地域係数: β2 = 1.0 (特A)
表層地盤増幅係数: β3 = 2.0 (第 3 種地盤)
地震動レベルの係数: μk = 2.0
設計水平震度: KH = 0.150μkβ1β2β3 = 0.150×2.0×1.0×2.0 = 0.60
設計鉛直震度: KV = 0.075μkβ1β2β3 = 0.075×2.0×1.0×2.0 = 0.30
配管支持点(節点A00)の震度分布係数: μ = 1.5×(H / Ht) = 1.5×(27.2 / 27.2) = 1.50
塔の水平方向の応答倍率: β5 = (基準応答倍率×補正係数) = 2.6×1.18 = 3.068
配管支持点(節点A00)の設計水平震度: μKMH = μβ5KH = 1.50×3.068×0.60 = 2.762
鉛直方向の応答倍率: β6 = 2.0
設計鉛直震度: KMV = β6KV = 2.0×0.30 = 0.60
配管の支持構造物に対する水平方向応答倍率: β8 = 2.0
配管の支持構造物に対する鉛直方向応答倍率: β9 = 2.0
設計修正水平地震力: FMH = β8μKMHWH = 2.0×2.762WH = 5.524 WH
設計修正鉛直地震力: FMV = β9KMVWV = 2.0×0.6WV = 1.2 WV
各配管支持点に作用する設計修正地震力は指針の計算例より以下のようになります。
節点
A00
A03
A04
A10
A13
A15
設計水平修正地震力
5.524 WH
4.896 WH
3.680 WH
3.838 WH
3.308 WH
3.308 WH
設計鉛直修正地震力
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
AutoPIPE では、支持点間の設計水平修正地震力の分布を線形分布として入力できないため、
両支持点間の設計水平修正地震力はその平均値を入力します。AutoPIPE に入力する設計修
正地震力は以下のようになります。
A00
A02
A03
A04
A05
A11
A12
領域
~ A02
F ~ A03
~ A04
~ A05
F ~ A11
F ~ A12
F ~ A15
F
F
F
F
設計水平修正地震力
5.524 WH
5.210 WH
4.288 WH
3.759 WH
3.838 WH
3.573 WH
3.308 WH
設計鉛直修正地震力
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
1.20 WV
以下に A00~A02 F 区間の設計修正地震力の入力例を示します。すでに定義されているレベル
1 用の静的地震係数を修正していきます。最初に[選択]/[領域]コマンド等を使って、A00~A02 F
の領域を赤く表示させます。次に[修正]/[追加データ]/[部材の静的地震係数]コマンドを実行し、
以下のように各方向の設計修正地震力を再入力します。他の領域についても設計修正地震力を
修正していきます。
5-18 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
フランジや付加重量については、[修正]/[追加データ]/[節点の静的地震係数]コマンドを使って、
設計修正地震力を再入力します。以下にフランジ節点 A07 の入力例を示します。
(5) 慣性力による配管支持点変位の定義
地震時の慣性力による各配管支持点の応答変位は指針の計算例より以下のようになります。[修
正]/[追加データ]/[強制変位]コマンドを使って、これらのデータを修正します。
節点
A00
A03
A04
A10
A13
A15
X 方向変位
(mm)
250
209
84
-11
-11
Y 方向変位
(mm)
0
0
0
0
0
Z 方向変位
(mm)
250
209
84
-11
-11
以下に、節点 A00 の強制変位の入力例を示します。慣性力による支持点変位についても、すで
に定義されているレベル 1 用の強制変位を修正していきます。最初に X 方向地震による変位量を
入力します。節点 A00 をクリックし、[修正]/[追加データ]/[強制変位]コマンドを実行すると、”追加
データの選択”画面が表示されます。”修正する追加データ”から”1=Displac”を選択し、続いて表
示される”強制変位”画面に、レベル 2 用の X 方向の変位量を入力します。
次に Z 方向地震による変位量を入力します。[修正]/[追加データ]/[強制変位]コマンドを実行し、”
バージョン9.4の補足 5-19
5
KHKレベル2コード
修正する追加データ”画面から”2-Displac”を選択し、続いて表示される”強制変位”画面にレベル
2 用の Z 方向の変位量を入力します。
節点 A03、A04、A13 についても同様に変位量を修正していきます。節点 A15 については、[挿
入]/[追加データ]/[強制変位]コマンドを使って新規に応答変位を入力します。
(6) 地盤変状による配管支持点移動量の定義
地震時の地盤変状による各配管支持点の移動量は指針の計算例より以下のようになります。[挿
入]/[追加データ]/[強制変位]コマンドを使って、これらのデータを入力します。
節点
A00
A03
A04
A10
A13
A15
X 方向変位
(mm)
0
0
0
500
500
Y 方向変位
(mm)
0
0
0
-500
-500
Z 方向変位
(mm)
0
0
0
0
0
以下に、節点 A13 の強制変位の入力例を示します。節点 A13 をクリックし、[挿入]/[追加デー
タ]/[強制変位]コマンドを実行します。以下のように、”作用させる荷重ケース”から”U1”を選択し、
X 方向と Y 方向の変位量を入力します。
節点 A15 についても同様に移動量を入力します。
(7) 等価線形解析析の実行
[解析]/[等価線形解析]コマンドを選択します。以下に実行例を示します。必要な項目をセットして
5-20 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
ください。
NOTE:
大口径で薄肉のエルボと曲がり管においては、圧力がたわみ係数と応力集中係数
に大きな影響を与えるため、その補正が必要になります。補正を行う場合は”エルボ
剛性”オプションの設定が必要になります。
上記の”等価線形解析”画面において OK ボタンを押すと、続いて以下の”荷重の組合せの選択”
画面が表示されます。
レベル 2 指針で計算されているケースに合わせ、今回は、PW+X-Y、PW+Z-Y、+X-Y+DX、
+Z-Y+DZ、GMOVE の 5 つの組合せを解析します。上記のように該当する組合せ以外の組合せ
のチェックを消し、OK ボタンを押してください。解析作業が開始します。
(8) レポートの作成
[結果]メニューの各コマンドを使って、レポートの出力、変位図の表示、応力の分布図の表示等を
行って、解析結果の確認を行います。以下にバッチレポート([結果]/[バッチレポート])の実行例を
示します。
バージョン9.4の補足 5-21
5
KHKレベル2コード
バッチレポートの出力例(ベンド変形角)
--------------------------------------------------------------------------------------------------MODEL2
01/20/2009
BENTLEY
02:59 PM
AutoPIPE Plus 9.1.1
RESULT PAGE 31
--------------------------------------------------------------------------------------------------KHK E 012 (2000) によるベンド変形角の評価
( 角度 - deg
)
節点
荷重
たわみ係数
荷重 ベンド
線形
ベンド
許容
番号
組合せ
弾性時 塑性時 分類 曲り角 限界角 変形角 変形角
比
------ ---------------------------- ------- ---- ------ ------- ------- ------- ----A05
PW+X-Y
PW+Z-Y
+X-Y+DX
+Z-Y+DZ
GMOVE
13.425
13.425
13.425
13.425
13.425
L2-L
L2-L
L2-E
L2-E
13.767 L2-S
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
1.689
1.689
1.689
1.689
1.768
0.066
0.058
0.327
0.554
1.860
2.990
2.990
2.990
2.990
6.374
0.02
0.02
0.11
0.19
0.29
A06
PW+X-Y
PW+Z-Y
+X-Y+DX
+Z-Y+DZ
GMOVE
13.425
13.425
13.425
13.425
13.425
L2-L
L2-L
L2-E
L2-E
14.504 L2-S
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
1.689
1.689
1.689
1.689
1.768
0.132
0.281
0.253
0.220
2.233
2.990
2.990
2.990
2.990
6.374
0.04
0.09
0.08
0.07
0.35
A11
PW+X-Y
PW+Z-Y
+X-Y+DX
+Z-Y+DZ
GMOVE
13.425
13.425
13.425
13.425
13.425
L2-L
L2-L
L2-E
L2-E
15.344 L2-S
90.0
90.0
90.0
90.0
90.0
1.689
1.689
1.689
1.689
1.768
0.158
0.075
0.215
0.304
2.717
2.990
2.990
2.990
2.990
6.374
0.05
0.03
0.07
0.10
0.43
5-22 バージョン9.4の補足
KHKレベル2コード
バッチレポートの出力例(最大応力)
--------------------------------------------------------------------------------------------------MODEL2
01/20/2009
BENTLEY
02:59 PM
AutoPIPE Plus 9.1.1
RESULT PAGE 31
--------------------------------------------------------------------------------------------------解 析 結 果 の 要 約
-------------------最大の長手方向[PW+X+Y <L2>]応力
節点番号
:
応力
N/mm2 :
許容値
N/mm2 :
比
:
荷重の組合せ
:
A15
50
374
0.13
PW+X-Y
最大の長手方向[PW+Z+Y <L2>]応力
節点番号
:
応力
N/mm2 :
許容値
N/mm2 :
比
:
荷重の組合せ
:
A13
53
374
0.14
PW+Z-Y
最大の繰返し[2*(X+Y+DX) <L2>]応力
節点番号
:
応力
N/mm2 :
許容値
N/mm2 :
比
:
荷重の組合せ
:
A13
107
860
0.12
+X-Y+DX
最大の繰返し[2*(Z+Y+DZ) <L2>]応力
節点番号
:
応力
N/mm2 :
許容値
N/mm2 :
比
:
荷重の組合せ
:
A13
361
860
0.42
+Z-Y+DZ
節点番号
:
応力
N/mm2 :
許容値
N/mm2 :
比
:
荷重の組合せ
:
A15
445
860
0.52
GMOVE
最大の地盤変状[<L2>]応力
バージョン9.4の補足 5-23
5
KHKレベル2コード
Blank Page
5-24 バージョン9.4の補足
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