...

季刊国民経済計算 No.150

by user

on
Category: Documents
110

views

Report

Comments

Transcript

季刊国民経済計算 No.150
I S S N 0453−4735
平成24年度第4号
No.150 季刊
国
民
経
済
計
算
第
150
号
平
成
24
年
度
第
4
号
季
刊
国民経済計算
国民経済計算における教育の
アウトプット計測についての考察
平成 17 年基準改定等における
GDP デフレーターの推計方法の
見直しとその影響について
季節調整法に関する最近の動向
SNA分布統計における消費・
貯蓄についての再推計
内
閣
府
経
済
社
会
総
合
研
究
所
国
民
経
済
計
算
部
編
定価:3,880円
(本体3,696円+税5%)
水に関する環境・経済統合勘定の
構造と拡張
内閣府経済社会総合研究所
国 民 経 済 計 算 部 編
季
刊
国
№ 1 5 0
平成25年3月
民
経
済
計
算
内閣府経済社会総合研究所
国 民 経 済 計 算 部
目 次
〔研究・論文〕
国民経済計算における教育のアウトプット計測についての考察 …………… 1
金沢星稜大学 経済学部 准教授 藤澤 美恵子
平成 17 年基準改定等における
GDP デフレーターの推計方法の見直しとその影響について
~内閣府経済社会総合研究所と日本銀行調査統計局の共同研究 ………………………15
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部価格分析課課長補佐 高山 和夫
日本銀行調査統計局物価統計課物価統計改定グループ 金田 芳子
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課政策企画調査官 藤原 裕行
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部価格分析課長 今井 玲子
季節調整法に関する最近の動向:X-12-ARIMA から X-13ARIMA-SEATS へ ……41
野村證券金融経済研究所経済調査部エコノミスト 野木森 稔
(元内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課政策調査員)
SNA 分布統計における消費・貯蓄についての再推計 ………………………………59
内閣府経済社会総合研究所 特別研究員 前田 佐恵子
内閣府計量分析室 政策企画専門職 梅田 政徳
水に関する環境・経済統合勘定の構造と拡張
―日本版 NAMWA の構築について― ……………………………………………………75
静岡産業大学 経営学部 准教授 牧野 好洋
〔研究・論文〕
国民経済計算における教育のアウトプット計測についての考察 …………… 1
平成 17 年基準改定等における
GDP デフレーターの推計方法の見直しとその影響について
~内閣府経済社会総合研究所と日本銀行調査統計局の共同研究 ………………………15
季節調整法に関する最近の動向:X-12-ARIMA から X-13ARIMA-SEATS へ ……41
SNA 分布統計における消費・貯蓄についての再推計 ………………………………59
水に関する環境・経済統合勘定の構造と拡張
―日本版 NAMWA の構築について― ……………………………………………………75
国民経済計算における教育のアウトプット計測についての考察
金沢星稜大学 経済学部
准教授 藤澤 美恵子*
ビスのアウトプットを産出量法により計測することが推
1.はじめに
奨されている。JSNA の枠組みでも、例えば義務教育が
こうした非市場サービスにあたることから、本研究では
国際連合(国連)により 1993 年になされた国民経済
計算(SNA)に関する勧告
(93SNA)では、教育に見られる
産出量法による義務教育のアウトプットの計測に焦点を
あてる。
ような非市場サービスの産出(以下、実質ベースの産出
Eurostat が提唱している授業時間数と生徒数を使用し
をアウトプットという)について、投入を産出としてき
た量的計測では、少子化が進むとともに、教育制度の変
た慣習的方法からの脱却を促している。その背景には、
更により授業時間数が短縮されてきたわが国では、長期
税金を投入して供給されているこうした公共サービスの
的なアウトプットの低下が計測される結果となった。一
生産性が問われていることがある。欧州連合
(EU)におい
方、質的指標として「全国学力・学習状況調査」の結果
ても 93SNA を受け、EU 統計局
(Eurostat)が 1995 年に
「The
データを使用し質調整をおこなったアウトプット計測も
new European System of National and Regional Accounts
試みたが、調査の実施の歴史が浅く十分な長さの時系列
(ESA95)」を発表し、産出を投入で評価するのではなく、
がないこと、調査の設計が項目応答理論(IRT)2 に基づ
量的指標により直接計測する Direct Volume Measurement
いておらず、教育の質の変化を捕捉する目的には必ずし
も向いていないことなどの限界があり、検討に十分な結
(DVM)へ移行することとしている。
このような状況下、例えばイギリスでは、達成度テス
果を得ることはできなかった。
トの伸び率を使用し、質も考慮に入れたアウトプットの
わが国においては、教育のアウトプットとは何か、そ
実態の把握に努めている。わが国においては、非市場サ
れをどのように計測すべきかの議論がこれまで必ずしも
ービスの生産性把握の重要性は認識されているものの、
十分なされてきたとはいえない。これらについて、広く
こうした方法を取り入れたアウトプットの計測の研究は
コンセンサスを得ていくことが、今後の課題である。
本研究では、データの収集には苦心したところであり、
まだ緒についたばかりである。
本研究の目的は、わが国の教育の産出量法 1 を用いた
実際十分な推計をおこなうに足るデータを収集できたと
アウトプット計測を試行し、議論の材料を提供するとと
はいいがたい。教育の生産性を計測することを通じてそ
もに、わが国の国民経済計算(JSNA)への応用可能性
の重要性を認識するためにも、まずはできるだけ厳密な
を検討することにある。すなわち、教育の生産性の計測
アウトプットの推計が必要である。そのため、
「全国学力・
に関する先行研究を踏まえ、量的指標を用いたアウトプ
学習状況調査」については、年次間でデータの比較を可
ット計測をおこなうとともに、質調整についても検討す
能にする IRT の採用と同時に、家族関係や本人の健康
る。国連が 2008 年に勧告した 08SNA では、非市場サー
状態、生活環境など多岐にわたるデータが収集されるこ
前・内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部研究協力者
本稿作成にあたっては、内閣府経済社会総合研究所の豊田欣吾前国民経済計算部長(現内閣府大臣官房審議官(大臣官房・経済社会シ
ステム担当)
)、二村秀彦企画調査課長、木滝秀彰企画調査課課長補佐をはじめとする国民経済計算部の職員から有益なコメントをいた
だいた。また、
イギリス国家統計局(ONS)
の Geoft Bright 氏(Public Sector Outputs)ら、経済協力開発機構(OECD)の Paul Schreyer 氏(Head
of National Accounts Division)らには様々な情報を提供していただいた。本稿を通じてお世話になった方々に感謝の意を表したい。なお、
本稿の内容は筆者が属する又は過去に属していた組織の公式の見解を示すものではなく、内容に関しての全ての責任は筆者にある。
1
08SNA では、非市場サービスのアウトプット計測の一手法として産出量法が挙げられている。産出量法では、量と平均加重費用(単位
コスト)に注目し、基準年のアウトプットに対し各年の量的変動を反映した指数を推計することで、価格情報が得られなくてもアウト
プットを推計することが可能になる。具体的なモデルは、4. 教育のアウトプット計測の試みを参照のこと。
2
IRT は、Item Response Theory の略である。この理論によれば、受験者の能力値とテストの項目の難易度を推計することにより、異なる
テストの結果を同じ枠組みで比較することが可能となる。
*
-1-
とが望まれる。
ウトカムと間接アウトカムに分類できる。直接アウトカ
本研究の構成は、以下のとおりである。2 章で、アウ
ムは、直接的に教育の結果として反映される効果であり、
トプットとアウトカムの違いを確認した上で、先行研究
テストのスコアや取得した学位の数などで表わされる。
について概観する。3 章で諸外国とわが国での教育のア
これに対して、間接アウトカムは、教育の範囲にとどま
ウトプット計測の現状について確認する。4 章は、義務
らない、将来の雇用状態や生涯年収、GDP への貢献度、
教育を対象に量的指標と質的指標を用いてアウトプット
成熟した市民などの形で成果が表れるものである。間接
計測の試みをおこなう。5 章では、推計結果を踏まえ教
アウトカムの一部は、アウトプットとの関係を観測する
育のアウトプット計測のために必要な検討やデータなど
ことが難しい。例えば、将来の雇用状態や生涯年収にど
を整理して考察する。6 章はまとめである。
の程度、今年の教育のアウトプットが寄与するかを検証
するためには、教育以外の多数の要因をコントロールす
2 アウトプットの考え方と先行研究
る必要がある。同時に、膨大なデータも、これらの検証
のために必要となり、実現するためのデータ制約が一段
は じ め に、 サ ー ビ ス の 効 果(effectiveness) と 効 率
と大きくなる。
(efficiency)、及びアウトプットとアウトカムの概念につ
いて確認する。その後、先行研究について整理する。
ここで注意しなればならないのは、アウトカムには教
育の成果とは異なる生徒の属性に関する要因が含まれる
点である。すなわちスコアや学位等は、教育の成果であ
2.
1 アウトプットとアウトカムの違い
る一方、本人の素質や努力にも依存するものである。
イギリスをはじめとする欧州諸国では、費用対効果
(Value For Money (VFM))
として政府サービスの効果の計
2.2 先行研究
測が注目されている。政府サービスの効果(effectiveness)
各国の教育の効果計測に係る研究動向を概観するに、
は、税金を投入してサービスが提供されていることから、 費用効果分析(Cost-Effectiveness Analysis(CE 分析))
、
明確にされることが望ましいとの認識がある。また、サ
費用便益分析(Cost-Benefit Analysis(CB 分析)
)、教育
ービスを合理的に提供することができているか否かとい
投資プロジェクト分析などの分析が主におこなわれてい
う意味での効率性(efficiency)も重要になる。
る。CE 分析では、教育を投資と考え、その教育投資が
藤澤(2012)にあるように、アウトプットもアウトカ
どのような効果を上げているかを計測するものである。
ムもインプットがはじめにあり、プロセスを経て得られ
CB 分析は、投入された費用と便益により評価をおこな
るものである。例えば、教育におけるアウトプットは、
うもので教育収益分析でもある。CB 分析では、教育の
授業の中で伝達された知識や技術である。これに対して
成果を金銭に換算して考えるが、CE 分析の場合、教育
アウトカムは、アウトプットの結果得られるさまざまな
の成果の捉え方が必ずしも金額表示ではないことが、
効果である。具体的には、テストのスコアや教育を受け
CB 分析と異なる点である。これに対して定性的な分析
た人が得る所得などがそれである。
として、教育投資プロジェクト分析のような教育投資の
教育のアウトカムは、図表 1 のように、さらに直接ア
評価がどのような影響を与えているかを事例分析するも
図表1:アウトプットとアウトカム
䉟䊮䊒䉾䊃
ᢎຬ䊶
䉴䉺䉾䊐䈱ᢙ
䊒䊨䉶䉴
᝼ᬺᤨ㑆
䉪䊤䉴䉰䉟䉵
ᢎ᝼ᴺ
䉝䉡䊃䊒䉾䊃
ᢎ⢒䊧䊔䊦೎
⍮⼂䉇ᛛⴚ
䈱⒖ォ
⋥ធ䉝䉡䊃䉦䊛
䉴䉮䉝䉇ቇ૏╬䈪
ⷰኤ䈘䉏䉎
⍮⼂䉇ᛛⴚ
㑆ធ䉝䉡䊃䉦䊛
㓹↪⁁ᘒ㪆↢ᶦᐕ෼
㪞㪛㪧ᚑ㐳₸
ᚑᾫ䈚䈢Ꮢ᳃
䈠䈱ઁ䈱
ⅣႺ
䋼 ↢ᓤ䈱ዻᕈ䋾
↢᧪䈱⚛⾰
ኅᐸⅣႺ
౉ቇᤨ䊧䊔䊦
␠ળ⊛࿾૏
ᕈ೎
出所:Schreyer(2010b)を参考に加工
-2-
のがある。
いる。このような研究の例として抽象的ではあるがアウ
本研究のアウトプット計測は、教育の効果を計測する
トプット計測の方向性を示した Atkinson(2005)やイギ
ものではないが、CE 分析が比較的分析手法が似ている
リスの国家統計局(ONS)
(2007)
、Schreyer(2010a)が
ことから、この分析の先行研究をまず確認する。この
ある。また、具体的な例として、Atkinson(2005)の批
CE 分析はさらに 2 つのタイプに分類することができる。
判を受けて改良したイギリスのアウトプット計測の推計
1 つは、教育の生産関数分析であり、もう 1 つは教育と
方法を提示した Baird et al.(2010) や、量的指標を細分化
労働市場分析である。
して質変化を反映させる手法を提言している Schreyer
(2011)がある。
① 教育の生産関数分析
教育の成果を考える場合、通常の財と同様に生産関
3 諸外国の動向とわが国の現行の推計法
数を想定することになる。教育の生産関数分析は、試
験の結果や評価などを被説明変数とし、教育時間や教
ここでは、93SNA 以降、非市場サービスの生産性の
員の質、教育環境や生活環境などを説明変数として投
把握という観点から勧告された内容と、08SNA におい
入し分析するものである。この研究は海外では多くみ
て勧告された産出量法について整理する。また、諸外国
られ、教員の質と教育効果を計測した Hanushek(2002)
の取り組みと、JSNA の推計法の現状を概観する。
や教育の質と賃金との間に正の相関があることを検証
した Card&Krueger(1992)などがある。わが国では、
3.
1 93SNA 以降の教育のアウトプット計測
データの制約から研究例は少ないが、学習塾が高校進
93SNA は、非市場サービスについて、生産性という
学に与える影響を研究した盛山・野口
(1984)
や大学入
観点からアウトプット計測に触れている初めての基準で
試での数学の選択がその後のキャリアに与える影響を
ある。中でも教育は、その典型として 93SNA において
研究した浦坂・西村・平田・八木(2002)などがある。
具体的に名前が挙がっているサービスの 1 つである。多
くの国では義務教育を始め教育に財政からの資金を投入
② 教育と労働市場の分析
教育の成果が実際に評価されるのは労働市場である
しているため、そのアウトプット、ひいては生産性を計
と考えて、人的資本モデルを中心理論として教育を分
測することは重要な課題である。Eurostat も、93SNA の
析する研究も多い。労働者が得る賃金は、過去に蓄積
後に ESA95 を策定し、DVM による推計方法を推奨して
された人的資本の水準に大きく左右されるとして、
いる。
その後、2008 年に国連が改訂した SNA(08SNA)では、
Mincer(1974)は、賃金が教育年数や勤続年数等によ
り影響を受けるとして賃金関数を推計している。この
93SNA の抽象的な内容から一歩踏み出し、具体的に産
ほか、クロスセクションデータに基づき、賃金の 1%
出量法という名称で DVM の活用を勧告している。産出
の上昇のためには何年の追加的な教育年数が必要かの
量法とは、計測対象を量的に把握しコストによる重み付
研究をした Hashimoto&Raisian(1985)や、パネルデ
けをしてアウトプットを推計する方法である。この方法
ータを利用した Jorgenson&Fraumeni(1989)などの研
は、単に産出=投入としてきた慣習的な手法から脱却す
究もある。
るもので、SNA の計数と整合性のある形でのアウトプ
このような研究は長期にわたるデータが必要であり、 ットの推計が可能となる。
しかし、08SNA においても何を量的指標とするか、
欧米では研究が進んでいるものの、わが国ではまだ研
究の数は多くない。その中で、独自のデータを収集し
また計測対象をどのように決定するかの記述はなく、各
名門大学出身者が労働市場で優位にあることを研究し
国の状況に応じた計測対象の決定と計測手法の開発が必
た樋口(1994)などがある。
要である。
以上のような研究がある中で、SNA における教育の
3.
2 諸外国の動向
アウトプット計測は、93SNA 以降、各国の国民経済計
93SNA や ESA95 を受けて、1998 年にイギリスの ONS
算部局等により産出量法による研究や試行が進められて
で General Certificate of Secondary Education(GCSE)3 の
3
GCSE は達成度を測る意味合いを持つ、中等教育終了時(16 歳)におこなわれるテストを含むイギリスの統一的な評価の枠組みである。
1988 年からおこなわれており、合格の場合は A*(最高)から G(最低)の評価となる。
-3-
結果を用いた教育のアウトプット計測の試みが始まる。
をおこなっていない国が多く、先行している国としてス
この試みに対して 2005 年には Atkinson(2005)のレポ
ウェーデン、イギリスなどが挙げられている。
ートがあり、2006 年には経済協力開発機構(OECD)主
イ ギ リ ス の ONS の 試 み に 対 し て、Atkinson(2005)
催の「教育および医療における非市場産出の計測に関す
は出席率での補正やイギリス 4 州のうちイングランド 1
4
るワークショップ」 が EU 諸国を中心とした参加により
州のみの GCSE の結果を使用する質の調整のあり方へ
開催された。
の疑問を投げかけている。ONS(2007)も、地域性の無
図表 2 は、この 2006 年段階における各国の SNA での
視や達成度テストの利用の仕方などを改善する必要があ
教育のアウトプットの計測手法状況一覧である。この時
ることを認識しており、Baird et al.(2010) で質調整をお
点では、まだ質調整を考慮した計測に関しては取り組み
こない改良したアウトプット計測を試み、その結果を公
図表2:2006 年時点の SNA における教育アウトプット推計の状況
⸘᷹ᣇᴺ
ㆡᔕ▸࿐
ᐜఽᢎ⢒ ೋ╬ᢎ⢒ ਛ╬ᢎ⢒
ዉ౉࿖
ᄢቇ
⡯ᬺᢎ⢒
㊂⊛⸘᷹
⾰⺞ᢛ
䂾
䂾
䂾
䂾
䂾
䂾
䂾
䂾
㬍
㬍
䂾
䂾
䂾
㬍
㬍
䂾
䂾
䂾
䂾
㬍
㬍
䂾
䂾
㪠㫅㫇㫌㫋㪔
㪦㫌㫋㫇㫌㫋
㬍
㬍
㪠㫅㫇㫌㫋㪔㪦㫌㫋㫇㫌㫋
䉴䉡䉢䊷䊂䊮
䉟䉩䊥䉴
䊐䊤䊮䉴
䉟䉺䊥䉝
䊤䊃䊎䉝
䊙䊦䉺
䉥䊷䉴䊃䊥䉝
䊔䊦䉩䊷
䊐䉞䊮䊤䊮䊄
䉩䊥䉲䊞
䉥䊷䉴䊃䊤䊥䉝
䉼䉢䉮౒๺࿖
䉥䊤䊮䉻
䉴䊨䊋䉨䉝౒๺࿖
ᣣᧄ
䊂䊮䊙䊷䉪
䊦䉪䉶䊮䊑䊦䉫
䉴䉟䉴
䉝䊜䊥䉦
䊊䊮䉧䊥䊷
䊦䊷䊙䊆䉝
䉴䊕䉟䊮
䊄䉟䉿
䊆䊠䊷䉳䊷䊤䊮䊄
䉦䊅䉻
㖧࿖
出所:New Zealand Statistics(2011)より加工
図表3:2011 年における SNA における教育アウトプット推計の状況
⸘᷹ᣇᴺ
㊂⊛⸘᷹䈱ㆡᔕ▸࿐
ኾ㐷
㊂⊛⸘᷹ ⾰⊛⸘᷹ ೋ╬ᢎ⢒ ਛ╬ᢎ⢒
⡯ᬺᢎ⢒
䂾
㬍
䂾
䃂
䂾
䂾
䂥
䂾
䂾
㬍
䂾
䂾
䂾
㬍
㬍
㬍
㬍
㪥㪘
䂾
ዉ౉࿖
䉟䉩䊥䉴
䉟䉺䊥䉝
䊥䊃䉝䊆䉝
䉥䊤䊮䉻
䉴䊨䊋䉨䉝
䊉䊦䉡䉢䊷
䊦䉪䉶䊮䊑䊦䉫
䊆䊠䊷䉳䊷䊤䊮䊄
䉼䉢䉮
㩷䉴䉡䉢䊷䊂䊮
㩷䉴䊕䉟䊮
㩷䊤䊃䊎䉝
㩷䊂䊮䊙䊷䉪 㩷㩷䊘䊷䊤䊮䊄
㩷䊐䊤䊮䉴
㩷㩷䊊䊮䉧䊥䊷
㩷䊙䊦䉺
㩷㪬㪪㪘
㩷䉥䊷䉴䊃䊤䊥䉝 㩷䉥䊷䉴䊃䊥䉝 㩷䊔䊦䉩䊷
㩷䉩䊥䉲䊞
㩷䊄䉟䉿
㩷㩷䉣䉴䊃䊆䉝
㩷䊐䉞䊮䊤䊮䊄
ᣣᧄ
㩷䉦䊅䉻
㩷㖧࿖㶎
㩷䉴䉟䉴
䃂䈲䇮⎇ⓥ䉇⹜ⴕ䈱䉂䈪㪪㪥㪘䈮䈲ታⵝ䈚䈩䈇䈭䈇䇯
䂥䈲䇮⎇ⓥਛ䉅䈚䈒䈲ᬌ⸛ਛ䈱⁁ᴫ䈪䈅䉎䇯
㶎㖧࿖䈲䊥䉰䊷䉼䉕ᆎ䉄䈩䈇䉎䇯
出所:New Zealand Statistics(2011)より加工
4
2006 年 10 月 3 日から 5 日までロンドンにおいて開催された。
http://www.oecd.org/document/34/0,3746,en_2649_33715_36450978_1_1_1_1,00.html
-4-
図表4:産業連関表部門分類コード表(抜粋)
䇭䇭ౝ䇭↢䇭ㇱ䇭㐷
䋲䇭䇭⛔䇭ว䇭ಽ䇭㘃
䋱䇭ၮᧄಽ㘃䇭䋨䇭ⴕ䇭㪌㪉㪊㬍೉䇭㪋㪇㪎䇭䋩
ಽ㘃䉮䊷䊄
೉䉮䊷䊄
ⴕ䉮䊷䊄
㪈㪈㪈㪐 㪄㪇㪋
㪈㪈㪈㪐 㪄㪇㪋㪈
㪈㪈㪈㪐 㪄㪇㪌
㪈㪈㪈㪐 㪄㪇㪌㪈
㪏㪉㪈㪈 㪄㪇㪈
㪏㪉㪈㪈 㪄㪇㪈㪈
㪏㪉㪈㪈 㪄㪇㪉
㪏㪉㪈㪈 㪄㪇㪉㪈
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪈
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪈㪈
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪉
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪉㪈
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪊
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪊㪈
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪋
㪏㪉㪈㪊 㪄㪇㪋㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪈㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪉
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪉㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪊
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪊㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪋
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪋㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪌
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪌㪈
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪍
㪏㪉㪉㪈 㪄㪇㪍㪈
㪏㪉㪉㪉 㪄㪇㪈
㪏㪉㪉㪉 㪄㪇㪈㪈
ㇱ䇭㐷䇭ฬ
ቇᩞ⛎㘩䋨࿖౏┙䋩䃨䃨
ቇᩞ⛎㘩䋨⑳┙䋩䃨
ቇᩞᢎ⢒䋨࿖౏┙䋩䃨䃨
ቇᩞᢎ⢒䋨⑳┙䋩䃨
␠ળᢎ⢒䋨࿖౏┙䋩䃨䃨
␠ળᢎ⢒䋨㕖༡೑䋩䃨
䈠䈱ઁ䈱ᢎ⢒⸠✵ᯏ㑐䋨࿖౏┙䋩䃨䃨
䈠䈱ઁ䈱ᢎ⢒⸠✵ᯏ㑐䋨↥ᬺ䋩
⥄ὼ⑼ቇ⎇ⓥᯏ㑐䋨࿖౏┙䋩䃨䃨
ੱᢥ⑼ቇ⎇ⓥᯏ㑐䋨࿖౏┙䋩䃨䃨
⥄ὼ⑼ቇ⎇ⓥᯏ㑐䋨㕖༡೑䋩䃨
ੱᢥ⑼ቇ⎇ⓥᯏ㑐䋨㕖༡೑䋩䃨
⥄ὼ⑼ቇ⎇ⓥᯏ㑐䋨↥ᬺ䋩
ੱᢥ⑼ቇ⎇ⓥᯏ㑐䋨↥ᬺ䋩
ડᬺౝ⎇ⓥ㐿⊒
⛔วዊಽ㘃㩷㩿㪈㪐㪉ㇱ㐷䋩
⛔วਛಽ㘃㩷㩿㪈㪇㪏ㇱ㐷㪀
⛔วᄢಽ㘃㩷㩿㪊㪋ㇱ㐷㪀
䉮䊷䊄
ㇱ䇭㐷䇭ฬ
㪈㪈㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱㘩ᢱຠ
㪇㪇㪐 㘩ᢱຠ
㪇㪊
㘶㘩ᢱຠ䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭
㪏㪉㪈㪈 ቇᩞᢎ⢒
㪇㪐㪉 ᢎ⢒
㪉㪏
ᢎ⢒䊶⎇ⓥ䇭䇭䇭䇭䇭
䉮䊷䊄
ㇱ䇭㐷䇭ฬ
䉮䊷䊄
ㇱ䇭㐷䇭ฬ
㪏㪉㪈㪊 ␠ળᢎ⢒䊶䈠䈱ઁ䈱
ᢎ⢒
㪏㪉㪉㪈 ቇⴚ⎇ⓥᯏ㑐
㪇㪐㪊 ⎇ⓥ
㪏㪉㪉㪉 ડᬺౝ⎇ⓥ㐿⊒
ᵈ㧕‫ߪڎڎ‬᡽ᐭࠨ࡯ࡆࠬ↢↥⠪ࠍ‫ߪڎޔ‬ኻኅ⸘᳃㑆㕖༡೑ࠨ࡯ࡆࠬ↢↥⠪ࠍ⴫ߔ‫ޕ‬
出所:総務省「平成 17 年(2005 年)産業連関表部門分類・コード表(基本分類・統合分類・特殊分類)
」より加工
開している。しかしながら、このアウトプットの計測方
分の推計を産出量法によるアウトプット計測の対象にす
法を SNA の推計に組み込むには至っておらず、その困
る。義務教育は、教育の範囲の中においてもまさに非市
難さを裏付けている。
場サービスであることから産出量法の検討対象となる部
Schreyer(2010b)は、2011 年時点での各国の教育ア
分である。また、図表 5 のように教育支出に占める割合
ウトプット計測に関する取り組み状況を調査し報告して
が大きく、国民全員が受けるサービスとして極めて重要
いる。図表 2 とは調査主体も調査方法も異なるため単純
な位置づけにあることも選定の理由である。
な比較はできないが、図表 3 から 2011 年においては、
義務教育のアウトプットを推計するには、適切な量的
多くの国が少なくとも量的計測に移行していることがわ
指標や質的指標を選択する必要があり、専門家や関係者
かる。Schreyer(2010b)は、SNA に実装しているか否
を含めての議論が望ましいが、ここでは現時点で入手で
かを主眼に調査をしているが、質の調整を考慮した計測
きるデータを使用してできる限りの推計をおこなう。
や、計測範囲を中等教育・大学/専門職業教育だけでな
く初等教育に拡大した国が、2006 年と比較して増加し
ていることがわかる。加えて、2006 年の段階で質調整
図表5:学校種別学校教育費(2007 年度)
を試みている国でも、SNA 実装には慎重であることも
ኾୃቇᩞ
0.3%
わかる。
ਛ╬ᢎ⢒
ቇᩞ
0.1%
3.3 わが国の現行の推計法
08SNA では、非市場サービスについて産出量法を適
用したアウトプット推計を推奨しているが、JSNA にお
いては、教育のうち政府及び非営利団体(私立学校)が
担う部分のアウトプットは、費用の積み上げから導かれ
ฦ⒳ቇᩞ
0.0%
㜞╬ቇᩞ
21.2%
․೎ᡰេ
ቇᩞ
6.3%
ᐜ⒩
࿦ 㜞╬ኾ㐷
1.7%
ቇᩞ
0.1%
ዊቇᩞ
45.3%
ਛቇᩞ
25.0%
るものであり、現状では、産出量法を用いたアウトプッ
ト推計はなされていない。
図表 4 は平成 17 年産業連関表における教育に関連す
る部門分類で、現行の JSNA では、これらのデータを基
礎として推計がおこなわれている。
本研究では、現行の推計対象の一部である義務教育部
-5-
出所:文部科学省「地方教育費調査」より加工
なるため、基準年が変化した時に CWOI の推計結果が
4 教育のアウトプット計測の試み
大きく影響を受ける可能性があることに注意する必要が
ある。
本章では、教育のアウトプット計測にあたり、政府が
(2)児童・生徒数の推移
担う教育サービスの中で最も大きな割合を占める義務教
わが国の義務教育期間は、6 歳から 15 歳までの 9 年
育に絞り計測を試行する。義務教育はこうしたサービス
間であり、前期 6 年間は小学校、後期 3 年間は中学校で
に占める支出の割合が大きいばかりでなく、その効果に
教育を受ける。この期間の生徒の数は図表 6 のように
関して広く国民の関心が寄せられているところである。
年々減少している。特に、1980 年代後半以降は、一貫
ここでは、まず量的指標を用いたアウトプット計測を
して減少傾向にあり、国立社会保障・人口問題研究所の
試み、次に質的指標を用いて質調整をおこなったアウト
「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)
」によれば
プット計測を試みる。
当面増加する見込みがない。
図表 6 の②の中学校に関しては、①の小学校とほぼ同
4.1 量的指標を用いたアウトプット計測
様の生徒数減少の傾向が一定のタイムラグをおいて見ら
量的指標を用いたアウトプット計測には、
Cost-Weighted
Output Index(CWOI)が広く用いられている。CWOI に
れるが、1980 年代後半と 2000 年前後の落ち込みなど、
若干異なる傾向が観察される。
よる教育のアウトプット計測は、児童・生徒数を量的指
まず、1980 年代初頭に公立の中学校の生徒数が減少
標とすることが一般的である。ここでは、児童・生徒数
傾向を示していることが観察される。この理由は必ずし
によるアウトプット計測と Eurostat が提唱した授業時間
も定かではないが、1980 年に出された文部省初等中等
数と生徒数によるアウトプット計測を試みる。
教育局長・文部省社会教育局長通知「児童生徒の非行の
4.1.1 児童・生徒数によるアウトプット計測
まず CWOI のモデル式を確認し、児童・生徒数によ
るアウトプット推計を試みる。
図表6:児童・生徒数の推移
①公立小学校の児童数推移
(1)CWOI のモデル式
16,000,000
CWOI は、量的指標を平均加重費用によって加重平均
14,000,000
した指数である。CWOI のモデル式は、以下のとおりで
12,000,000
ある。X は量的指標をあらわし、C は平均加重費用(以
10,000,000
䋨ੱ䋩
8,000,000
下、単位コストという)をあらわしている。また、j は
6,000,000
地域別を、t は基準年を、n は時点変化をあらわしている。
4,000,000
2,000,000
1 948
1 951
1 954
1 957
1 960
1 963
1 966
1 969
1 972
1 975
1 978
1 981
1 984
1 987
1 990
1 993
1 996
1 999
2 002
2 005
2 008
0
(1) ②公立中学校の生徒数推移
CWOI の分母は、基準年の単位コストと量的指標であ
8,000,000
る児童・生徒数を乗じた総和とする。分子は、この基準
7,000,000
年の単位コストと各時点の量的指標をそれぞれ乗じた総
6,000,000
和とする。CWOI は、基準年の単位コストを使用するこ
5,000,000
とで、価格の変化を排除し、量的指標の変化によりアウ
4,000,000
トプットの変化を捉えようとするモデルである。よって、
量的指標が増加するとアウトプットは増加し、量的指標
が減少するとアウトプットは減少する特徴がある。
䋨ੱ䋩
3,000,000
2,000,000
1,000,000
1 9 48
1 9 51
1 9 54
1 9 57
1 9 60
1 9 63
1 9 66
1 9 69
1 9 72
1 9 75
1 9 78
1 9 81
1 9 84
1 9 87
1 9 90
1 9 93
1 9 96
1 9 99
2 0 02
2 0 05
2 0 08
䋭
さらにこのモデル式では、基準年のウェイトが基準と
出所:文部科学省「学校基本調査」
5
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19801125001/t19801125001.html(アクセス月日:2012 年 3 月 29 日)
-6-
図表7:首都圏(1 都 3 県)の私立中学校の募集定員と
受験率の推移
図表8:単位コスト指数の推移
ၮḰᐕ䋽2000ᐕ
(ੱ)
(%)
20.0
18.0
16.0
14.0
12.0
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
120
45,000
44,000
43,000
42,000
41,000
40,000
39,000
38,000
37,000
36,000
35,000
100
80
60
40
20
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
0
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
൐㓸ቯຬ
(ᐕ)
ฃ㛎₸
ዊቇᩞ
出所:四谷大塚「四谷大塚調べによる資料」から加工
防止について 5」は、当時の荒れる中学校に関して非行
ਛቇᩞ
出所:総務省「地方財政統計年報」より加工推計
(3)単位コストの推計
の防止を求めており、こうした学校の状況が一つの要因
単位コストは、以下のように推計した。
になっている可能性が考えられる。他方、近年では、大
まず、総務省「地方財政統計年報」の「目的別・性質
都市部を中心に中学受験による私立学校への移行も目立
別歳出」のうち、目的別「小学校」「中学校」に含まれ
っており、首都圏の私立中学校の募集定員も年々増加し
る性質別の項目「人件費」
「物件費」
「維持補修費」の合
ている(図表 7)
。また、小学 6 年生に占める中学校受
計をそれぞれ小学校と中学校の教育に係る費用とした。
験生の割合(受験率)は、リーマンショックが発生した
厳密には、性質別の項目「学校給食」も対象とすべきで
2008 年までは上昇傾向にあり、2009 年以降も減少した
あるが、小学校と中学校の内訳が分からないことから合
とはいえ約 17%を維持しているなど、一定数が私立中
算していない。これについては、「学校給食」の費用が
学 校 を 選 択 す る 傾向にある。こうしたことが、 特 に
少額である点、その動向が「人件費」
「物件費」
「維持補
2000 年代前半の公立中学校生徒数の落ち込みの一つの
修費」の合計に比例すると仮定することができる点から、
要因となっているものと推察される。
ウェイトとして用いる目的では問題ないと考えている。
図表9:児童・生徒数による CWOI
ၮḰᐕ䋽2000ᐕ
160
140
120
100
80
60
40
20
ዊቇᩞ
-7-
2010
2008
2009
2006
2007
2005
2003
⛔ว
2004
2002
2000
ਛቇᩞ
2001
1998
1999
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1987
1988
0
これを、文科省の「学校基本調査」による小学校の児
時間数を含む具体的な教育内容を示すガイドライン「学
童数と中学校の生徒数で除して 1 人当たりの教育平均費
習指導要領・試案」が、アメリカの Course of study を参
用、すなわち単位コストを推計した。以上のような推計
考に作成された。しかし、当時の文部省(現:文部科学
の結果得られた単位コスト指数の推移は図表 8 のとおり
省(文科省)
)が打ち出した 1958 年の学習指導要領改訂
である。
により標準授業時間数は増加された。1970 年代までこ
(4)児童・生徒数による推計結果
の増加傾向が継続した後、1977 年の学習指導要領から、
量的指標に児童・生徒数を用いて、地方財政統計等よ
り推計した単位コストを使用して CWOI の推計をおこ
学習指導要領が改訂されるたびに標準授業時間数は削減
される。
なった。基準年を 2000 年として、CWOI を推計した結
2002 年には公立小・中学校の週休 2 日制実施に伴い、
果が、図表 9 である。小学校においては、1980 年後半
特定の科目では標準授業時間数の 30%削減という大幅
以降は、アウトプットは横ばいの傾向にある。一方、同
な削減がなされた。この結果、義務教育の標準授業時間
時期の中学校においては、ややアウトプット減少幅が大
数は、小学校で 5,367、中学校で 2,940 となり、最も長
きい。その結果、全体のアウトプットが比較的なだらか
かった 1970 年代より小学校で 12.5%、中学校で 16.8%
に減少している。
の削減となった。しかし、その後新たな学習指導要領の
実施に伴い、2011 年に標準授業時間数は増加に転じて
4.1.2 Eurostat 方式によるアウトプット計測
いる。その推移を表したのが、図表 10 である。
Eurostat(2001)では、学生数に授業時間数を乗じたも
(3)Eurostat 方式の推計結果
のを量的指標としてアウトプットを計測することを具体
量 的 指 標 を 児 童・ 生 徒 数 と 授 業 時 間 数 の 積 とす る
的に提言している。そこで、
上記で試みた児童・生徒数に
Eurostat 方 式 に よ る CWOI は、 図 11 の と お り で あ る。
よる推計を基礎に、標準授業時間数を考慮して計測する。
(1)Eurostat 方式のモデル
図表 10:標準授業時間数の推移
この方式では、モデル式(1)の X が、下記のように
変化する。x1 は、児童・生徒数をあらわし、x2 は、授
①小学校
業時間数をあらわす。
න ૏ᤨ㑆䋺45ಽ
7,000
X=x 1x 2
6,000
(2) 5,000
1880
2194
2126
2333
2426
4,000
この(2)式をモデル(1)式に代入した式をもとに、
2403
3,000
2,000
推計をおこなう。
3941
3941
3659
1961ᐕ䌾
1971ᐕ䌾
1980ᐕ䌾
3452
2941
3242
1992ᐕ䌾
2002ᐕ䌾
2011ᐕ䌾
1,000
(2)標準授業時間数の推移
0
授業時間数には 2 種類考えられる。1 つは授業時間数
4⑼⋡䉮䊙ᢙ
そのもの、もう 1 つは授業時間数と指導や補講などの授
業以外の教育活動の時間数を合わせた
「合算教育時間数」
䈠䈱ઁ䈱䉮䊙ᢙ
②中学校
である。
න ૏ᤨ㑆䋺50ಽ
義務教育における授業時間数については、学校教育法
4,000
施行規則により標準授業時間数が定められている。一方、
3,500
3,000
わが国では、授業以外の教育活動に費やされた時間数に
2,500
関わる包括的な調査はおこなわれておらず、合算教育時
2,000
間数を推計することは難しい。例えば、クラブ活動や修
1,500
学旅行・短期国際交流などの時間も教育の一環とみなさ
500
れるが、これらの活動時間数を知ることのできるデータ
0
1,000
は乏しい。
1295
1400
1260
1155
1995
2065
2135
1890
1962ᐕ䌾
1972ᐕ䌾
1981ᐕ䌾
5⑼⋡䉮䊙ᢙ
以上より、本研究では標準授業時間数を使用する。こ
の標準授業時間数は、時代と共に変化している。戦後、
1375
1993ᐕ䌾
1565
2002ᐕ䌾
1120
1925
2011ᐕ䌾
䈠䈱ઁ䈱䉮䊙ᢙ
̪4 ᢎ⑼ߪ࿖⺆࡮▚ᢙ࡮ℂ⑼࡮␠ળ‫ޔ‬5ᢎ⑼ߪ࿖⺆࡮ᢙቇ࡮ℂ⑼࡮
␠ળ࡮⧷⺆ࠍᜰߔ‫ޕ‬
1947 年に教育基本法と学校教育法が成立し、標準授業
-8-
出所:「学校教育法施行規則」
児童・生徒数を量的指標とした計測より一段とアウトプ
結果を教育の質の指標とする場合、図表 12 にあるよう
ットの減少幅が大きい。これは、少子化の影響により児
に複数の候補がある。
童・生徒数が減少傾向にある上に、授業時間数が減少し
(1)学力調査について
たからである。
現在わが国では、国際機関による学力調査と文科省に
よる学力調査が実施されている。図表 12 は、
わが国で調
4.2 質的指標を用いたアウトプット計測
査結果を入手できる学力調査の一覧である。
中でも他国と
ここでは、質の調整をしたアウトプット計測を考える。 の比較が可能であり、かつ参加国内での順位が発表され
まず、教育の質とは何かを鳥瞰し、本研究で取り扱う教
育の質について明確にし、質的指標を取り入れた推計を
る OECD の Programme for International Student Assessment
(PISA)6 は、一般によく知られた学力調査である。
PISA は、実施年により調査項目が変化するが、基本
おこなう。
的には総合読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシ
ーを計測している。しかしながら、実施年が 3 年に 1 度
4.2.
1 教育の質指標
教育のアウトプットの質を直接観察することは難しい。 というデータ制約がある。PISA の点数は参加国の平均
そのため、その代理指標として、それを反映すると考え
を 500 点に換算して、各国の点数を算出するという方法
られるアウトカム指標がしばしば用いられる。教育のア
を取って、比較をしやすい工夫がなされている。このよ
ウトプットは教育レベル別の知識や技術の移転であるた
うに PISA の調査設計は IRT に対応しているが、参加国
め、量的指標として児童・生徒数や授業時間数を使用す
の変動があるため、異なる実施年の PISA の結果の単純
るのは妥当と言える。一方、質的指標はそのとらえ方に
比較は難しい面もある。
一方、わが国で実施されている代表的な学力調査は、
より様々である。
図表 1 にあるように直接アウトカムである試験のスコ
「全国学力・学習状況調査」である。この学力調査は、
アや学位数のほか、間接アウトカムである雇用の状態や
歴史は浅いが毎年実施される。また、PISA をはじめと
生涯年数なども挙げられる。
する国際機関の学力調査が国レベルのデータしか得られ
本研究では、現状使用できるデータを前提に教育の質
ないのに対して、都道府県ごとの結果が得られるという
的指標として学力調査の結果を取り上げる。学力調査の
特色もある。反面、調査設計に IRT を採用していない
図表 11:Eurostat 方式による CWOI
ၮḰᐕ䋽2000ᐕ
160
140
120
100
80
60
40
20
ዊቇᩞ
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2000
ਛቇᩞ
2001
1999
1998
1996
1997
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
0
⛔ว
6
PISA は、OECD 生徒の学習到達度調査と訳され、義務教育終了段階の 15 歳を対象に各国で実施されている。「知識や技能を、実生活の
様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかどうかを評価」するもので、3 年ごとに実施されている。
-9-
図表 12:わが国で利用できる学力調査
⺞ᩏฬ
ਥ௅
ᜂᒰ
ኻ⽎ታᣉⷐ㗄
ዊቇᩞᐕ↢
ᱦ
ో࿖ቇജ࡮ቇ⠌⁁ᴫ⺞ᩏ ᢥㇱ⑼ቇ⋭
ᢥㇱ⑼ቇ⋭
ਛቇᩞᐕ↢
ᱦ
2+5#
ᢥㇱ⑼ቇ⋭
2 TQITCOOG
HQT 1'%&
+ PVGTPCVKQPCN 5 VWFGPV
# UUGUUOGPV
⺞ᩏ⚿ᨐߪ‫ޔ‬࿖┙ᢎ ᱦ㨪ᱦ
⢒᡽╷⎇ⓥᚲ߇✬➏
#*'.1
# UUGUUOGPVQH
* KIJGT 1'%&
' FWECVKQP
. GCTPKPI
1 WVEQOGU
࠺࡯࠲ߩ․ᓽ
ዊቇ↢ߪ‫ޔ‬࿖⺆࡮▚ᢙ‫ޕ‬ᐔᚑᐕ߆ࠄ
␠ળߣℂ⑼߇ㅊട‫ޕ‬
ਛቇ↢ߪ‫ޔ‬࿖⺆࡮ᢙቇ‫ޕ‬ᐔᚑᐕ߆ࠄ
␠ળ࡮ℂ⑼࡮⧷⺆߇ㅊട‫ޕ‬
࿖㓙⊛ߥ↢ᓤߩቇ⠌೔㆐ᐲ⺞ᩏߢ޽
ࠅ‫ޔ‬1'%&ട⋖࿖㑆ߢߩᲧセ߇น⢻‫ޕ‬
ᄢቇ↢ߩቇ⠌ᚑᨐߦߟ޿ߡߩ⺞ᩏ‫ޕ‬ᣣ
ᐕ ߆ ࠄ ᐕߦ
ᧄߪ1'%&ߦᎿቇߥߤߩ㒢ቯߒߚౝኈߢ
߆ߌߡ⹜ⴕ‫ޕ‬
ߩෳടࠍ⴫᣿ߒߡ޿ࠆ‫ޕ‬
ᢥㇱ⑼ቇ⋭
ዊቇᩞᐕ↢
ᱦ㧙
߆࿖ෳട
ዊቇ↢ߪ‫▚ޔ‬ᢙ࡮ℂ⑼‫ޕ‬
ᣣᧄߢߪᩞ
ਛቇ↢ߪ‫ޔ‬ᢙቇ࡮ℂ⑼‫ޕ‬
6+/55
+'#
࿖㓙ᢎ⢒㆐ᚑᐲ ࿖┙ᢎ⢒᡽╷⎇ⓥᚲ
ᐕ‫ޔ‬ᐕ‫ޔ‬ᐕߣᐕߦታ
ਛቇᩞᐕ↢
ᱦ㧙
⹏ଔቇળ
ᣉ‫ޔߒߛߚޕ‬ᐕߣᐕߦ࿖㓙ᢙ
߆࿖ෳട
ቇᢎ⢒⺞ᩏ‫ޔ‬ᐕߣᐕߦ࿖㓙ℂ
ᣣᧄߢߪᩞ
⑼ᢎ⢒⺞ᩏࠍታᣉᷣߺ‫ޕ‬
6 TGPFUKP
+ PVGTPCVKQPCN
/ CVJGOCVKEUCPF
5 EKGPEG 5 VWF[
出所:文部科学省・国立教育政策研究所の HP を参考に作成
図表 14:全国学力・学習状況調査の平均正答率の推移
という欠点もある。
SNA として教育のアウトプット推計をおこなうにあ
①小学校
たっては、毎年のデータが入手できる点、また地域性を
配慮できる点は、魅力的である。このため、IRT に未対
応という欠点はあるものの、本研究では「全国学力・学
習状況調査」を教育の質の指標として利用することとす
る。
(%)
90
80
70
60
(2)全国学力・学習状況調査とは
50
「全国学力・学習状況調査」では、小学 6 年生は国語
40
と算数、中学 3 年生は国語と数学の 2 教科の学力調査を
2007ᐕ
おこなっている。それぞれ、A 問題と B 問題に分かれ
࿖⺆㧭
2009ᐕ
▚ᢙ㧭
2010ᐕ
▚ᢙ㧮
ᐔဋ
②中学校
図表 13:わが国の PISA の結果の推移
580
2008ᐕ
࿖⺆㧮
ၮḰ䋽500ὐ
(%)
90
560
80
540
70
520
60
500
50
480
40
460
2007ᐕ
2000ᐕ
✚ว⺒⸃ജ
2003ᐕ
2006ᐕ
ᢙቇ⊛䊥䊁䊤䉲䊷
2009ᐕ
࿖⺆㧭
2008ᐕ
࿖⺆㧮
2009ᐕ
ᢙቇ㧭
2010ᐕ
ᢙቇ㧮
ᐔဋ
⑼ቇ⊛䊥䊁䊤䉲䊷
出所:OECD、PISA の結果データより加工
- 10 -
出所:文部科学省「全国学力・学習状況調査」
ており、A 問題は知識、B 問題は活用に関する問題とな
位当たりのコスト、qは質的指標をあらわしている。ま
っている。
た、j は地域別を、t は基準年を、n は時点変化をあらわ
この調査は、2005 年から悉皆調査として 2007 年まで
している。
毎年実施された。その後、サンプル調査に切り替えられ
(3) ている。しかしながら、現場での実施要望が高いため、
希望する学校には問題冊子を配布しており、多くの小学
QACWOI は、CWOI のモデル式を踏襲し、分子に質
校 6 年生と中学校 3 年生が参加している。2011 年は、
東日本大震災のため中止とされたものの、希望する学校
の変化を乗じることにより質調整している。QACWOI
には問題冊子が配布され、それを独自に調査に活用した
は、基準年の一人当たり教育費を使用することで、価格
自治体もある。2012 年には調査対象に理科が加わり、
の変化への影響を排除し、量の変化と質の変化を取り込
2013 年には再び悉皆調査にするか否かが議論されてい
んでいるモデルである。しかし、このモデルでは量の変
るところである。
化と質の変化が混在しており、量の変化率と質の変化率
この調査は、PISA のように IRT を採用していない点
が同等に扱われる。この様に、量と質が同等に扱われる
が、難点である。そのため、毎年実施されている調査の
ことの妥当性は検討する余地がある。また QACWOI は
比較が難しい。例えば、図表 14 のように、平均正答率
CWOI の拡張構造であることから、すでに上述した単位
が上下するのは調査対象の児童・生徒の特性の変化によ
コストに関わる問題も持っている。
る影響なのか、テストの難易度による影響なのかを分離
(2)全国学力・学習状況調査の結果による質調整
「全国学力・学習状況調査」は歴史が浅いため、基準
して分析することができない。
年を 2007 年として推計した。使用したデータは、質的
指標以外は CWOI と同様で、量的指標には児童・生徒
4.2.2 質的指標を用いた推計
義務教育の質を直接捉えることは難しいが、本研究で
数を用いている。推計結果は、図表 15 のとおりである。
は、教育の質の代理指標として「全国学力・学習状況調
平均正答率を質指標として用いた QACWOI の結果は、
査」の結果を使用して、Quality Adjusted CWOI(QACWOI)
推計期間が短いこともあるが、必ずしも一定の傾向を示
を推計した。ここで問題となるのが、「全国学力・学習
していない。量的指標として児童・生徒数を利用した
状況調査」が IRT に基づいていないため、異なる時点
CWOI の結果(基準年 2007 年とし再推計)と質的指標
の結果を厳密な意味で比較することが困難であることで
を用いた QACWOI の結果を比較した図が、図表 16 で
ある。本来は、IRT に基づく平均正答率を用いるべきで
ある。上述のように、分析期間が短いため、このグラフ
あるが、今回はこの問題を不問とした。
のみで推計の妥当性を判断するのは難しく、さらなる検
証が必要である。
(1)質調整のモデル式
注意しなければいけない点は、この推計結果に影響を
質的指標を用いる枠組みとして、CWOI の枠組みに質
の調整を加味した QACWOI を用いる。そのモデル式は、
与える要因として、児童・生徒の属性や家庭環境などが
以下のとおりである。X は量的指標をあらわし、C は単
考えられるが、ここではこうした教育以外の要因がコン
図表 15:全国学力・学習状況調査を用いたアウトプット
計測
図表 16:CWOI(質調整なし)と QACWOI(質調整あり)
の比較
160
140
120
100
80
60
40
20
0
ၮḰ䋽100
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2007
2008
ዊቇᩞ
2009
ਛቇᩞ
ၮḰ䋽100
2007
2010
2008
⾰⺞ᢛ䈅䉍
⛔ว
- 11 -
2009
⾰⺞ᢛ䈭䈚
2010
トロールされていないということである。今後、「全国
学校環境情報データ等について、学校単位または市町村
学力・学習状況調査」を使用する場合は、こうした要因
単位でのデータが得られることが望ましい。また、学習
をコントロールするため、回帰分析等をおこなうなどし
活動については、民間企業が実施するテストの結果の活
て質の調整を試みる必要がある。
用も考えられる。いずれにしても、アウトプットに関す
るデータの整理と公開が一層進むことを期待する。
5 教育のアウトプットの計測に向けて
「全国学力・学習状況調査」については、サンプル調
査から従来おこなわれていたような悉皆調査へ回帰する
本研究では、アウトプット計測にあたり量的指標と質
議論もなされているが、学力・学習状況のみの悉皆調査
的指標の両方を用いた計測を試みた。ここでは、試行の
よりも、それらに加えて学習環境等のデータを備えたサ
結果を踏まえながら、教育のアウトプット計測をする場
ンプル調査のほうが、教育の成果を分析する場合におい
合の課題を整理して、本格的なアウトプット計測に向け
てはデータの制約が改善する面もある。
ての提言をおこなう。
また、
「全国学力・学習状況調査」の結果を質指標と
して用いるためには、調査設計段階での IRT 対応が必
5.1 質の調整に関する課題
要となる。この調査では、PISA のような家庭環境等の
今回、教育の質の代理指標として使用した指標は、
「全
データを収集することが現在検討されている。同時に、
国学力・学習状況調査」の結果である。しかし、この結
児童・生徒の特性に関するデータが整備されると分析の
果が表す質は、教育における学習活動という、全体の活
精度が上昇する。今後のデータ整備に期待したい。
動の一部の質でしかない。これ以外にも、体力増進や社
今回、CWOI ならびに QACWOI を推計するにあたり、
会性の醸成に係る活動など、教育の質として捉えるべき
費用に関するデータとして地方財政統計を使用した。し
活動の範囲は多面にわたる。
かし、一部の項目が小学校と中学校に分割できないため
教育が含む活動は多様であるため、学習活動のような
にコストウェイトの推計上一定の仮定を置く必要がある
例を除くと、個々の活動の質を観察する、あるいはそれ
など、限界もあった。こうした費用面のデータ公開が進
に対応する代理指標を見つけることは、実際には困難で
むことも期待したい。
あるという問題がある。さらに、教育のアウトプットの
計測方法を議論すべきという考え方は、我が国ではそれ
5.
3 国民経済計算への導入に関する課題
ほど大きくなかったという経緯がある。こうしたことか
例えばイギリスでは、Baird et al. (2010) に示された産
ら、その計測に関する議論は、これまでのところ十分に
出量法による教育の質調整アウトプット計測を SNA に
なされているとは言えないのが現状である。
導入すべく推計体系を見直しており、2014 年を目標に
しかし、教育の現状を把握するためには、こうした議
SNA に実装する予定である。
論は必要であり、本研究の問題意識にも結び付くところ
JSNA における教育のアウトプットの推計については、
である。今後、教育の専門家や現場の担当者などを交え
本研究で試みたような産出量法を適用するには課題が多
て、教育のアウトプットの計測に関する議論が進むこと
い。わが国の場合、まずデータの充実に加え妥当な推計
を期待する。
法を工夫していく必要がある。次に、JSNA にどのよう
に導入するかについての検討が必要である。図表 3 にあ
5.2 データに関する課題
るように、産出量法によるアウトプット計測を SNA に
教育のアウトプットの計測については、それに必要な
導入している国も増加している現状を踏まえつつ、アウ
データ、とりわけ質に関するデータの入手が困難という
トプットの推計方法について検討していく必要がある。
問題を抱えている。
JSNA の年次推計に必要なデータを適時に得られるか
今回、質の代理指標として使用した「全国学力・学習
という観点から見ると、量的指標である児童・生徒数に
状況調査」の結果は、都道府県レベルでしか公表されて
ついては「学校基本調査」を利用できる。この統計は、
いない。同じ都道府県内でも 1 クラス当たり児童・生徒
毎年計数が公表され、また過去に遡って計数を得ること
数等で地域差があるはずだが、現状では、都道府県ごと
ができるという点で利用しやすい。原理的には、義務教
の集計データしか入手できないため十分な分析が難しい。 育の部分を現行の推計法から切り出し、この部分に産出
アウトプットの質調整を十分な精度でおこなうために
は、こうした学習活動に係るデータの他、体力テストや
量法によるアウトプット計測を量的指標のみを使用して
適用することは可能と考えられる。
- 12 -
一方、質的指標に係る統計は、多数あるものの利用し
した。しかし、「全国学力・学習状況調査」の利用可能
にくい面がある。例えば既に述べた「全国学習・学力基
期間が短いこと、IRT に基づいた調査でないため異なる
本調査」は、毎年公表されるものの、歴史が浅いため長
時点の結果を比較することは厳密には難しいことなどの
期推計には使用できない。調査方法がしばしば変更され
制約があり、必ずしも十分な結果を得ることができなか
ているために統計の性質が変わってしまうことや、IRT
った。
に対応していないことも問題である。しかし、これらの
既に述べたように、この調査結果をアウトプットの質
問題は、回帰分析等の利用等の推計上の工夫により改善
の代理指標として使用する場合は、厳密には調査設計そ
できる可能性もある。質調整を考慮したアウトプット計
のものの改善が必要である。また、平均正答率に影響を
測の試作について議論を深めることも一策である。
与える教育の質以外の要因をコントロールするためには、
JSNA での利用には、一定の内容の統計が長期にわた
同時に学習環境等のデータを収集する必要もある。
り毎年継続的に得られることが重要であるため、関係省
教育の質の代理指標として、こうした調査結果を使用
庁との連携を密にし、JSNA を前提にしたデータ収集法
することは、多様な教育活動のうち学習活動のみを質調
や加工法に関する議論をしていくことも必要である。
整の対象とするという点で不十分との意見も考えられる。
利用可能なデータの制約もあり、そうした限界があるこ
6 まとめ
とは事実であるが、学習活動の質は教育活動の質の重要
な一部であることも確かであろう。したがって、その観
本研究では、08SNA で勧告されている産出量法によ
り非市場サービスである教育のアウトプット計測を試み
測は、教育のアウトプットの計測を実施していく上で今
後も重要であるとの視点も必要だろう。
た。CWOI により 3 種類の量的指標を用いて計測を試み
教育のアウトプットの計測を検討していくためには、
たが、いずれも長期的には右肩下がりの傾向となった。
こうした質調整の方法などの論点を含め、教育の専門家
特に、Eurostat 方式では少子化の影響による児童・生徒
や現場の担当者などを交えた広い議論が必要である。ま
数の減少と学校教育法施行規則に規定される標準授業時
た、現行のデータの制約に関して整理し、改善方法を検
間数の減少の二重の要因から、推計されたアウトプット
討する必要がある。
は右肩下がりの傾向が強調された結果となった。
今回の結果を JSNA にどう組み込むかの検討や推計方
次に、質的指標として「全国学力・学習状況調査」の
結果を利用して質調整をおこなったアウトプットを推計
法の改善、データの制約に関しての回帰分析などの手法
の活用などは、今後の課題である。
- 13 -
盛山和夫・野口裕二(1984)「高校進学における学校外教育
参考文献
投資の効果」『教育社会学研究』39、p113-26
Atkinson, Anthony B. (2005)“Atkinson Review:Final report”
Baird, Allan . Haynes, Joseph Massy, Fiona & Wild, Richard (2010)
総務省(2005)
「平成 17 年(2005 年)産業連関表部門分類・
コード表(基本分類・統合分類・特殊分類)」
“Public Service Output, Inputs and Productivity: education”
樋口美雄(1994)「大学教育と所得分配」石川経夫編『日本
ONS
の所得と富の分配』東京大学出版会
Card, David&Krueger, Alan. B (1992)“Does School Quality
Matter? Returns to Education and the Characteristics ofPublic
藤澤美恵子(2012)
「国民経済計算における医療のアウトプッ
ト計測についての考察」『季刊国民経済計算』No.149、
Schools in the United States”The Journal of Political
Economy, Vol. 100, No. 1. (Feb., 1992), pp.1-40.
pp.39-65
Eurostat (1995)“The new European System of National and
Regional Accounts(95ESA)”
Eurostat (2001)“Handbook on price and volume measures in
national accounts”
ONS (2007)“The ONS Productivity Handbook”
Jorgenson&Fraumeni (1989)“The Accumulation of Human and
Nonhuman Capital”, 1948-84, p228-285
Hashimoto, Masanori & Raisian, John (1985)“Employment
Tenure and Earnings Profiles in Japan and the United States”
The American Economic Review, Vol. 82, No. 1 (Mar., 1992),
pp.346-354
Hanushek, Eric A (2002)“Publicly Provided Education.”
Handbook of Public Economics (Amsterdam: North-Holland,
2002), p2045-2141.
Mincer, Jacob A (1974)“The Human Capital Earnings Function,
in: Schooling, Experience, and Earnings”, National Bureau of
Economic Research, 83-96
New Zealand Statistics (2010)“measuring government sector
productivity in New Zealand”
Schreyer, Paul (2010a)“Output and Outcome in Health and
Education” OECD
Schreyer, Paul (2010b)“Towards Measuring the Volume Output
of Education andHealth Services”OECD Statistics Working
Papers 2010/2
Schreyer, Paul (2011)“Output, Outcome and Quality Adjustment
in Measuring Health and Education Services” OECD
浦坂純子・西村和雄・平田純一・八木 匡(2002)「数学学習
と大学教育・所得・昇進―「経済学部出身者の大学教育
とキャリア形成に関する実態調査」に基づく実証分析」
『日本経済研究』No.46, pp.22-43.
大田直子(2010)
『現代イギリス「品質保証国家」の教育改革』
世織書房
沖裕貴(2011)
「学力低下論争」を振り返って―「 現代の教育」
の講義と受講生との議論から ―『立命館高等教育研究』
11 号 P131-150
国立社会保障・人口問題研究所(2012)「日本の将来推計人
口(平成 24 年 1 月推計)
」
川口俊明(2011)
「日本の学力研究の現状と課題」『日本労働
研究雑誌』
、No.614/September, P6-15
澄田知子(2009)
「諸外国におけるアウトプット計測の検
討状況-教育の生産性はいかにして測られるか-」
『RESEARCH BUREAU 論究』第 6 号、P77-87
- 14 -
平成 17 年基準改定等における
GDP デフレーターの推計方法の見直しとその影響について*
~内閣府経済社会総合研究所と日本銀行調査統計局の共同研究を踏まえた取り組み~
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部価格分析課課長補佐 高山 和夫
日本銀行調査統計局物価統計課物価統計改定グループ 金田 芳子
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課政策企画調査官 藤原 裕行
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部価格分析課長 今井 玲子
基本単位デフレーターの作成には、主として『企業物
目次
価指数』
(日本銀行)、
『企業向けサービス価格指数』
(同)、
『消費者物価指数』(総務省)の物価指数(品目レベル)
1.はじめに
を使用している。これら物価指数はそれぞれ 5 年に一度
2.GDP デフレーター推計方法の仕組み
の基準改定の際、品目改廃や基準時点以降の計数の遡及
3.SNA 平成 17 年基準改定および『企業物価指数』
改定が実施され、これを受けて、基本単位デフレーター
2010 年基準改定(CGPI 平成 22 年基準改定)に
の作成においても、利用する品目見直しや計数の遡及改
おける GDP デフレーターの推計精度向上への取
定が実施される関係にある。
り組み内容
我が国 SNA の整備に関しては、
『公的統計の整備に関
4.GDP デフレーター推計方法見直しによる計数面
する基本的な計画』(2009 年 3 月閣議決定。以下『基本
への影響
計画』)
、『新しい年次推計方法等の確立とシステムの構
5.おわりに
築に関する工程表』(2011 年 3 月内閣府策定。以下『工
程表』)において多くの課題が列挙され、取り組みが進
1.はじめに
められている。これら課題の一つであるデフレーター推
計の精度向上については、日本銀行調査統計局との共同
『 国 民 経 済 計 算 』(System of National Accounts, 以 下
研究により、2011 年 12 月公表の SNA 平成 17 年基準改
SNA)においては、基準時点の価格で比較時点の数量を
定において、基本単位デフレーターの推計に用いる物価
評価した価額を実質値とし、「名目値=実質値×デフレ
指数(品目レベル)についてそれぞれの対応付けをより
ーター」という関係を満たすように実質値及びデフレー
適切なものに見直した。また、日本銀行作成の『企業物
ターが作成されている。デフレーターの推計には、下位
価指数』においては、2012 年 7 月公表の 2010 年(平成
デフレーターの作成とインプリシットに導出される上位
22 年)基準改定において、GDP デフレーターの精度向
デフレーターの推計の二つの段階に分けられる。具体的
上などを睨んだ改定が実施されている。
には、最初に、実質化を行うための最小単位であるコモ
本稿では、我が国 SNA における GDP デフレーターの
6 桁品目レベルでの「基本単位デフレーター」と呼ばれ
推計方法を紹介したうえで、我が国 SNA 平成 17 年基準
る価格指数等を作成する。次に、コモ 6 桁品目レベルで
改定時および『企業物価指数』2010 年(平成 22 年)基
の名目金額をそれぞれ対応する基本単位デフレーター等
準改定を受けたデフレーター推計の見直しとそれによる
により除し、品目ごとに積み上げて実質の国内総生産
(以
GDP デフレーターの計数面への影響を説明する。また、
下 GDP)を作成する。GDP デフレーターは名目 GDP を
最後に、デフレーター推計の精度向上に向けて残された
実質 GDP で除することによってインプリシットに求め
課題について述べたい。
られる。
*
本稿作成に当たっては、内閣府経済社会総合研究所の豊田欣吾前国民経済計算部長(現内閣府大臣官房審議官(大臣官房・経済社会シ
ステム担当)
)、二村秀彦企画調査課長、多田洋介企画調査課課長補佐をはじめとする国民経済計算部の職員および日本銀行調査統計局
の前田栄治局長、肥後雅博参事役、萩原佐和子企画役補佐、亀卦川緋菜氏から有益なコメントをいただいた。記して感謝したい。なお、
本稿の内容は、筆者たちが属する組織の公式の見解を示すものではなく、内容に関しての全ての責任は筆者たちにある。
- 15 -
コモ品目とは、コモ法における商品分類のことであり、
2.GDP デフレーター推計方法の仕組み
主として、23 分類の下位に、6 桁品目(約 400 品目)、8
2
が存在する。
桁品目(約 2000 品目)
一般に財貨・サービスの価額(金額)の変化は、その
このようにコモ法による名目金額はコモ 8 桁約 2000
財貨・サービスの数量の変化と価格の変化の組み合わせ
品目に及ぶ細かい商品分類を採用しているが、基本単位
によって生じる。実質化とは、時価で表示した価額(名
デフレーターではコモ 6 桁品目レベルで作成している。
目値)の動きから価格変動の影響を取り除くことであり、 これは、約 2000 の品目をカバーする物価指数が存在し
実質化された価額を実質値という。また、価格水準を表
ないためであるが、コモ 8 桁品目に可能な限り物価指数
す指数をデフレーターという。
を対応させてから、コモ 6 桁品目に統合することにより
デフレーター推計の作業は下位デフレーターの作成と
コモ 6 桁品目レベルの代表性を確保している。
インプリシットに導出される上位デフレーターの推計と
いった二つの段階に分けて考えることができる。以上の
全体像を示したのが(図表 1)である。
基本単位デフレーターは、
「生産」
(国内向け)、
「輸入」、
「輸出」
、
「家計消費」の 4 つの系統をもとに、
「生産」
、
「輸
入」
、
「輸出」
、
「家計消費」
、
「固定資本形成」
、
「中間消費」
本節では、各デフレーターの作成方法について紹介す
る。
の 6 部門について作成している。基本単位デフレーター
の作成は、①コモ 8 桁品目に物価指数を対応させる、②
①を用いてコモ 6 桁品目に統合する、③①、②の対応が
(1)下位デフレーターの作成
できないコモ 6 桁品目について投入コスト型デフレータ
ーを作成する、といった推計が行われている。以下で①
下位デフレーターについては、最初にコモディティ・
~③について詳細を示すが、物価指数と各部門との対応
フロー法(以下コモ法)におけるコモ 6 桁品目レベルに
関係については、
(図表 1)のうち、1.
(1)
「基本単
対応する「基本単位デフレーター」と呼ばれる価格指数
位デフレーターの作成」で示されている。
を作成する。ただし、SNA 推計の基礎統計に当たる『産
業連関表』
(総務省)の部門分類のうちコモ 6 桁品目か
① 物価指数の対応
ら除外されている「建設」
、
「政府サービス」及び「対家
まずは、
『企業物価指数』
(CGPI)(日本銀行)
、『企業
計民間非営利サービス」については、別途デフレーター
向けサービス価格指数』
(CSPI)
(同)
『消費者物価指数』
、
を推計している。
(CPI)
(総務省)、
『農業物価指数』
(API)
(農林水産省)
以下では、下位デフレーターのうち実質化を行うため
における各品目の物価指数を、「生産(国産製品の国内
の最小単位である「基本単位デフレーター」のほか、
「建
出荷)系統」
、
「輸出系統」、
「輸入系統」
、
「家計消費系統」
設デフレーター」の作成方法について紹介する 1。
といった 4 つの系統の供給(需要)段階の価格指数とし
て、可能な限り各系統のコモ 8 桁品目に対応させる。直
(1-1)基本単位デフレーター
接物価指数が得られない品目については、代替可能な他
我が国 SNA においては、実質化を行うための基本と
の物価指数、もしくは単価指数(価額・数量が得られる
なる最小単位の価格指数として基本単位デフレーターを
3
品目についてその平均価格)
を用いる。一つのコモ 8
作成している。基本単位デフレーターはコモ法の 6 桁品
桁品目に複数の物価指数が対応している場合は、当該物
目について作成している。
価指数のウエイト 4 を用いたラスパイレス式によりコモ
コモ法では、流通経路ごとに商品(財貨・サービス)
8 桁の価格指数を作成する。
の流れを追い、商品ごとの供給・需要額を推計している。
1
「政府サービスデフレーター」の作成方法などは「推計手法解説書(年次推計編)平成 17 年基準版」
(内閣府経済社会総合研究所)
、「推
計手法解説書(四半期別 GDP 速報(QE)編)平成 17 年基準版」(同)を参照。
2
6 桁、8 桁とは、品目のコード番号の桁数を示す。
3
物価指数は原則品質一定の下での価格指数となっているのに対し、単価指数の変動は品質一定の下での価格変動分と品質差の違いによ
る変動分を分離できないという問題があるため、上記の通り、適当な物価指数がない場合のみ利用している。なお、単価指数は、品質
差の要因による価格変動が大きいと判断される場合、後方移動平均を用いている。
4
企業物価指数等の各物価指数では、品目ごとのウエイトを用いて総平均など上位レベルの物価指数が作成・公表されており、ここでは
当該品目のウエイトを利用する。
- 16 -
- 17 -
ャ౉䊂䊐䊧䊷
䉺䊷
↢↥ㇱ
㐷
ਛ㑆ᶖ
⾌ㇱ㐷
✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
䊂䊐䊧䊷䉺䊷
ᧁㅧ૑ቛ䇮㕖ᧁㅧ૑ቛ䇮ᧁ
ㅧ㕖૑ቛ䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮
ᑪ⸳⵬ୃ䇮䈠䈱ઁᑪ⸳
䋨䋶ຠ⋡䋩
Ფ᦬ൕഭ
⛔⸘
䋨ቯᦼ⛎ਈ
ᜰᢙ䋩
᡽ᐭᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ
಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
ᢎ⢒䇮౏౒ਅ᳓㆏䇮ᑄ
᫈‛ಣℂ䇮ቇⴚ⎇ⓥ
ᯏ㑐䇮౏ോ
䋨䋵ᵴേ䋩
࿖ኅ䊶࿾ᣇ
౏ോຬ⛎ਈ
ታᘒ⺞ᩏ
䋨䋳䋩᡽ᐭ䉰䊷䊎䉴䊂
䊐䊧䊷䉺䊷䈱૞ᚑ
ኻኅ⸘᳃㑆㕖༡
೑࿅૕ᦨ⚳ᶖ⾌
ᡰ಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
ᢎ⢒䇮䈠䈱ઁ
䋨䋲ᵴേ䋩
Ფ᦬ൕഭ
⛔⸘
䋨⃻㊄⛎
ਈ✚㗵䋩
䋨䋴䋩ኻኅ⸘᳃㑆㕖
༡೑䉰䊷䊎䉴䊂䊐
䊧䊷䉺䊷䈱૞ᚑ
⚻ᷣᵴേ೎䋨↥ᬺ䇮᡽ᐭ䉰䊷䊎䉴↢↥⠪䇮ኻኅ⸘᳃㑆㕖༡೑䉰䊷䊎䉴䋩䈱࿖ౝ✚↢↥䇮ャ౉ຠ䈮⺖䈘䉏䉎⒢䊶㑐⒢෸䈶⾗ᧄᒻᚑ䈮ଥ䉎ᶖ⾌⒢䉕䈠䉏䈡䉏ታ
⾰ൻ䈚䈩⛔ว䇯࿖ౝ✚↢↥䊂䊐䊧䊷䉺䊷䋨↢↥஥䋩䈲䇮ฬ⋡࿖ౝ✚↢↥䋨↢↥஥䋩䉕ታ⾰࿖ౝ✚↢↥䋨↢↥஥䋩䈪㒰䈜䉎䈖䈫䈮䉋䉍ᓧ䉌䉏䉎䇯
⚻ᷣᵴേ೎࿖ౝ✚↢↥䈱ታ⾰ൻ䈲䇮⚻ᷣᵴേ೎↥಴㗵䈫⚻ᷣᵴേ೎ਛ㑆ᛩ౉㗵䈱䈠䉏䈡䉏䉕ታ⾰ൻ䈚䇮䈠䈱Ꮕ㗵䈎䉌᳞䉄䉎䉻䊑䊦䊂䊐䊧䊷䉲䊢䊮ᣇᑼ䋨ㅪ
㎮ᣇᑼ䈪䈱ടᷫ▚䈲೨ᥲᐕၮḰ䈱ታ⾰୯䈮䉋䉍ታᣉ䋩䇯↥ᬺ೎䈪䈲䇮↥಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷䈲ၮᧄන૏䊂䊐䊧䊷䉺䊷䋨↢↥ㇱ㐷䋩䉕䇮ਛ㑆ᛩ౉䊂䊐䊧䊷䉺䊷䈲ਛ㑆
ᶖ⾌䊂䊐䊧䊷䉺䊷䉕䇮䈠䉏䈡䉏೑↪䈜䉎䇯
ャ಴䊂䊐䊧䊷
䉺䊷
࿕ቯ⾗ᧄ
ᒻᚑㇱ㐷
↢↥♽
⛔
䌄䌃䌇䌐䌉
䌁䌐䌉
䌃䌓䌐䌉
䌃䌐䌉
䋨䋲䋩ᑪ⸳䊂䊐䊧䊷
䉺䊷䈱૞ᚑ
䊶 DCGPI㧦‫ޡ‬࿖ౝડᬺ‛ଔᜰᢙ‫ޔޢ‬EPI㧦‫ޡ‬ャ಴‛ଔᜰᢙ‫ޔޢ‬IPI㧦‫ޡ‬ャ౉‛ଔᜰᢙ‫ޔޢ‬CSPI㧦‫ޡ‬ડᬺะߌࠨ࡯ࡆࠬଔᩰᜰᢙ‫ޢ‬㧔એ਄‫ޔ‬ᣣᧄ㌁ⴕ૞ᚑ㧕
CPI㧦‫ޡ‬ᶖ⾌⠪‛ଔᜰᢙ‫ޢ‬㧔✚ോ⋭૞ᚑ㧕‫ޔ‬API㧦‫ޡ‬ㄘᬺ‛ଔᜰᢙ‫ޢ‬㧔ㄘᨋ᳓↥⋭૞ᚑ㧕
㩷䋨䋲䋩䌇䌄䌐䊂䊐䊧䊷䉺䊷䋨↢↥஥䋩
ኅ⸘ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ
಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
㩷䋨㪈䋩䌇䌄䌐䊂䊐䊧䊷䉺䊷䋨ᡰ಴஥䋩
䋲䋮਄૏䊂䊐䊧䊷䉺䊷
䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭৻ㇱ䈮ᡰ಴஥䈪䉅೑↪䋩䇯
ャ౉ㇱ
㐷
ኅ⸘ᶖ
⾌♽⛔
ャ಴ㇱ
㐷
ャ౉♽
⛔
ャ಴♽
⛔
䌃䌐䌉
ኅ⸘ᶖ
⾌ㇱ㐷
䌉䌐䌉
䌃䌓䌐䌉
䋨䋱䋩ၮᧄන૏䊂䊐
䊧䊷䉺䊷䈱૞ᚑ
䌅䌐䌉
䌃䌓䌐䌉
䌃䌐䌉
䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䊶䊶䊶↢↥஥䈪೑↪䋨ਛ㑆ᶖ⾌䈲
䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䇭䊶䊶䊶ᡰ಴஥䈪೑↪䇯
䉮䊝䋶ᩴ䋨⚂㪋㪇㪇ຠ⋡䋩
䉮䊝䋸ᩴ䋨⚂㪉㪇㪇㪇ຠ⋡䋩
㩷䋺‛ଔᜰᢙ䈱ኻᔕ
䋱䋮ਅ૏䊂䊐䊧䊷䉺䊷
図表1:GDPデフレーター推計の全体像
࿑⴫䋱䋺䌇䌄䌐䊂䊐䊧䊷䉺䊷ផ⸘䈱ో૕௝
② ①を用いたコモ 6 桁品目への統合
雇用者報酬(
『毎月勤労統計調査』
(厚生労働省)の定期
①で作成したコモ 8 桁品目の価格指数と対応する品目
給与指数を利用)によって、ラスパイレス連鎖式により
の名目値をウエイトとしてコモ 6 桁の価格指数(基本単
算出している。
5
位デフレーター)をフィッシャー連鎖式 により作成す
る。
(1-2)建設デフレーター
基本単位デフレーター 6 部門のうち、
「輸入部門」、
「輸
建設デフレーターは、建設業や総固定資本形成の実質
出部門」
、「家計消費部門」については、前述のそれぞれ
化に使用するために作成している。内訳として、「木造
対応する価格指数の系統で作成しているが、
「生産部門」
住宅」
「非木造住宅」
、
「木造非住宅」
、
「非木造非住宅」
、
「建
、
については、国内産出額のうち輸出額に相当する部分を
設補修」
、
「その他建設」の 6 品目を作成している。
「輸出系統」で、国内出荷額に相当する部分を「生産系統」
建設活動は他の産業と異なり、いったん建設業者が資
で対応し、コモ 6 桁品目に統合している。「固定資本形
材を受け入れて施工する。このため、資材の動きから産
成部門」及び「中間消費部門」については、輸入品部分
出額を推計するコモ法では、建設活動を把握することが
については「輸入系統」で、国内品部分については「生
できない。そこで、建設業の産出額は、資材の需要に建
産系統」で対応し、統合している。なお、「固定資本形
設活動で新たに付加される活動の付加価値分について、
成部門(または中間消費部門)」内における輸入品額に
別途加えて推計することとしている。これを「建設コモ
ついては、コモ法で推計した輸入額に、『産業連関表』
法」と呼んでおり、まずコモ法の配分比率を用いて、建
における輸入額に対する固定資本形成
(または中間需要)
設業への資材投入額を推計し、この資材投入額に別途雇
額の割合を乗じて算出している。
用者報酬、営業余剰などの付加価値額を加算することで
建設業の産出額を算出している。
③ 投入コスト型デフレーターの作成
建設デフレーターは、品目ごとに、以上の建設コモ
適当な物価指数が存在しない、あるいは単価指数での
法で推計される四半期別コモ 6 桁品目別の資材投入額
対応(価格と数量への分離)が困難である品目について
と雇用者報酬をウエイトとし、基本単位デフレーター
は、投入コスト型によりデフレーターを作成する。具体
(中間消費部門)と『毎月勤労統計』の定期給与指数(建
的には、
『産業連関表』投入表の投入品目(②で作成し
設業 5 人以上)6 を用いて、投入コスト型で作成してい
た基本単位デフレーター(中間消費部門)を利用)及び
る 7。ただし、建設コモ法では、木造・非木造の住宅・
5
連鎖式の算式は以下の通り。
࡜ࠬࡄࠗ࡟ࠬㅪ㎮ᑼ
CLDt =
∑pq
∑p q
it it−1
× CLDt−1
i
ࡄ࡯ࠪࠚㅪ㎮ᑼ
it−1 it−1
∑p q
∑p q
it it
i
× CPDt−1
it−1 it
i
ࡈࠖ࠶ࠪࡖ࡯ㅪ㎮ᑼ
CPDt =
i
CFDt = CLDt × CPDt
qit は t 年における i 財の数量、pit は t 年における i 財の価格。基本単位デフレーター(フィッシャー連鎖式で算出)は前暦年基準で作成
している。なお、当期の四半期速報(QE)の算出では名目値(ウエイト)はその時点で利用可能な年次確報値(前年または前々年値)
で固定されている。
6
このように建設業の付加価値分について、産出額の雇用者報酬のほか、営業余剰等を加算しているのに対し、建設デフレーターは雇用
者報酬をウエイトとし、上記給与指数を利用するのみとなっているのは、営業余剰等に対応する適切な物価指数がないためである。こ
のため、投入コスト型デフレーターは物価指数や単価指数で対応できない場合に作成している。
7
建設デフレーターの算式は以下の通り。
nik
Dlk
DlT
Ak
i
1
4
4
niu
u 1
4
i
u
niu
d
1 iu
nik
dik
Au
u 1
4
u
Au
d
1 au
Ak
d ak
Dlk
k
u
nik(u)
Ak(u)
dik(u)
dak(u)
:四半期の建設デフレーター(建設部門(l)別)
:T 年の四半期(1 ~ 4)
:T-1 年の四半期(1 ~ 4)
:四半期の建設コモ 6 桁品目 (i) 別資材投入額
: 雇用者報酬
:nik(u) に対応する四半期のコモ 6 桁品目中間消費デフレーター
:建設業(5 人以上)定期給与指数
- 18 -
図表2 建設デフレーターに用いられる名目金額ウェイトの作成方法
䃂ᑪ⸳䊙䊃䊥䉾䉪䉴
૑ቛ
䉮䊝㪍ᩴຠ⋡
⾗᧚ᛩ౉㗵⸘
ઃടଔ୯㗵
ᧁㅧ
㕖૑ቛ
⸘
૑ቛ
㕖ᧁㅧ
㕖૑ቛ
㧾㧭㧿㧔㧞㧕
㧾㧭㧿㧔㧞㧕
㧾㧭㧿㧔㧝㧕
㧾㧭㧿㧔㧝㧕
ᑪ⸳⵬ୃ 䈠䈱ઁᑪ⸳
⸘
↢↥㗵
‫ޓޓ‬㧔ᵈ㧕㧝㧚
ߪ‫ޔ‬ᑪ⸳ࠦࡕᴺߦࠃࠅ྾ඨᦼߏߣߦ୯߇ᓧࠄࠇࠆ‫ޕ‬
‫ޓޓޓޓޓ‬㧞㧚‫ޔߪޓޓޓޓޓ‬ᑪ⸳ࠦࡕᴺߦࠃࠆᧁㅧ࡮㕖ᧁㅧ೎ߩ↢↥㗵ࠍ✚⸘ߣߒ‫ᧁޔ‬ㅧ࡮㕖ᧁㅧ೎ߩ૑ቛಽߪ‫ޡ‬ᑪ▽‛⌕Ꮏ⛔⸘‫ޢ‬
ࠍㅴ᝞ࡌ࡯ࠬߦォ឵ߒߡផ⸘ߒ‫ᧁޔ‬ㅧ࡮㕖ᧁㅧߩ㕖૑ቛಽߪ✚⸘߆ࠄ૑ቛಽࠍᏅߒᒁߊߎߣߢ᳞߼ࠆ‫ޕ‬
‫ޓޓޓޓޓ‬㧟㧚㧾㧭㧿㧔㧝㧕ߪ‫᧚⾗ޔ‬ᛩ౉㗵⸘ߣઃടଔ୯㗵ࠍ㧾㧭㧿ᴺߢ૑ቛ࡮㕖૑ቛߦಽഀ‫ޕ‬
‫ޓޓޓޓޓ‬㧠㧚㧾㧭㧿㧔㧞㧕ߪ‫ޔ‬㧾㧭㧿㧔㧝㧕ߢ▚಴ߒߚ⾗᧚ᛩ౉㗵⸘ࠍ૶↪ߒߡ⾗᧚ᛩ౉ຠ⋡ࠍ㧾㧭㧿ᴺߢ૑ቛ࡮㕖૑ቛߦಽഀ‫ޕ‬
‫ޓޓޓޓޓ‬㧡㧚⾗᧚ᛩ౉ߦߪ‫ޔ‬࿯ᧁᑪ▽ࠨ࡯ࡆࠬߥߤࠨ࡯ࡆࠬᛩ౉ࠍ฽߻‫ޕ‬
䃂䌒䌁䌓ᴺ䈮䈧䈇䈩
㧾㧭㧿ᴺߣߪ‫ࠬࠢ࠶࡝࠻ࡑࠆ޽ޔ‬㧔ේࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ㧕ࠍᣂߒ޿೙⚂᧦ઙࠍḩߚߔࠃ߁ߥࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ㧔ᣂࡑ࠻
࡝࠶ࠢࠬ㧕ߦୃᱜߔࠆᣇᴺ‫ޕ‬ㅢᏱਈ߃ࠄࠇࠆ೙⚂᧦ઙߪ‫ޔ‬ේࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬߦኻߒߡ‫ޟߣޠⴕޟޔ‬೉‫ߩޠ‬ว⸘ᰣ
ߢ‫ߩࠄࠇߎޔ‬ว⸘ߦว⥌ߔࠆࠃ߁ߦࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬߩฦⷐ⚛ࠍ➅ࠅ㄰ߒ⸘▚ߢ᳞߼ࠆ‫↥ޡޕ‬ᬺㅪ㑐⴫‫޿↪߽ߢޢ‬
ࠄࠇߡ߅ࠅ‫ޔ‬ਈ߃ࠄࠇߚว⸘ᰣߩ࠺࡯࠲ࠍᛩ౉ଥᢙ߿↥಴ଥᢙࠍ↪޿ߡ㈩ಽߒ‫ޔ‬㈩ಽᓟߩⴕ೉ߩว⸘ࠍਈ߃ࠄ
ࠇߚว⸘ᰣߩ࠺࡯࠲ߣ࠴ࠚ࠶ࠢߒ‫ޔ‬ว⥌ߒߥߌࠇ߫෼᧤ߔࠆ߹ߢ㈩ಽࠍ➅ࠅ㄰ߔߣ޿߁ᣇᴺߢ޽ࠆ‫ޕ‬
䃂䇸ᑪ⸳ේ䊙䊃䊥䉾䉪䉴䇹䈮䈧䈇䈩
‫ޟ‬ᑪ⸳ේࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ‫ޟޔߪޠ‬ᑪ⸳ࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ‫ޠ‬૞ᚑߦ㧾㧭㧿ᴺࠍㆡ↪ߔࠆ㓙ߩೋᦼ୯ߦ૶↪ߔࠆ߽ߩߢ‫ޔ‬
‫↥ޡ‬ᬺㅪ㑐⴫䇻ߩᛩ౉⴫ߩᛩ౉ຠ⋡ࠍࠦࡕᩴຠ⋡ߦ⚵ߺᦧ߃ߡ૞ᚑߔࠆ‫ޕ‬50#ᐔᚑᐕၮḰᡷቯߦ߅޿ߡߪ‫ޔ‬
ߎߩ‫ޟ‬ᑪ⸳ේࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ‫ޔࠍޠ‬ၮḰᐕߩේࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬࠍᐕ㑆╬Ꮕ⵬㑆ߔࠆߎߣߢ‫ޔ‬ᐕߏߣߦ૞ᚑߒߡ޿
ࠆ㧔ၮḰᐕߢ޽ࠆᐕએ㒠ߪหߓ୯㧕‫ޟޕ‬ᑪ⸳ࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ‫ޟޔߪޠ‬ᑪ⸳ේࡑ࠻࡝࠶ࠢࠬ‫ࠍޠ‬ೋᦼ୯ߦ‫ޔ‬ᑪ
⸳↢↥㗵ߣ‫ޔ‬૑ቛ࡮㕖૑ቛߦಽഀߐࠇߚ↢↥㗵ࠍ೙⚂᧦ઙߣߒߡ‫ޔ‬㧾㧭㧿ᴺߦࠃࠅ྾ඨᦼߏߣߦ૞ᚑߔࠆ‫ޕ‬
‫ޟ‬ᑪ⸳࠺ࡈ࡟࡯࠲࡯‫▚ߡ޿↪ࠍ࠻ࠗࠚ࠙ߩߎޔߪޠ‬಴ߐࠇࠆ‫ޕ‬
非住宅別には推計されていないため、
『建築物着工統計』
(国土交通省)の建築着工額を進捗ベースに転換したも
GDP で除することによってインプリシットに求められ
る。
ので木造・非木造の生産額を住宅・非住宅別に分割して
いる(詳細は(図表 2)を参照)
。
現在の我が国 SNA におけるデフレーターは、パーシ
ェ型連鎖方式を基本としている。連鎖方式は、SNA 国
際基準である「93SNA」において導入が推奨されたもの
(2)上位デフレーターの作成
で、我が国では、GDP(支出側)では平成 16 年 7 ~ 9
GDP デフレーター(およびその内訳項目:支出側、
月期 2 次 QE 及び平成 15 年度確報(年次推計)より、
生産側)は、前章で求められた基本単位デフレーター等
GDP(生産側)では平成 16 年度確報(生産側は年次推
下位デフレーターと対応する品目の名目金額を用いて、
計のみ)より、それぞれ前暦年基準連鎖方式に移行して
実質値とともに算出される。実質 GDP(支出側)は、
いる(従来の固定基準年方式は年次計数で一部公表が継
各需要項目をコモ 6 桁品目レベルに分解して基本単位デ
続されている)
。
この連鎖方式の基本算式は以下の通りである 8。
フレーター等により名目値を除し、次にそれらを需要項
目ごとに積み上げて作成する。一方、
実質 GDP(生産側)
暦年デフレーター:
は、経済活動別に産出額と中間投入額をそれぞれ別々に
デフレートして、最終的に付加価値の実質額を求めるダ
∑P
=
∑P
i
t
CPt
ブルデフレーション方式によって求められる。GDP デ
⋅ Qti
i
i
t −1
⋅ Qti
× CPt −1 i
フレーターは、支出側、生産側ともに名目 GDP を実質
8
連鎖指数においては、固定基準方式と異なり、一般的に、四半期データから作成した四半期値(実質値)の暦年合計が、暦年データか
ら作成した暦年値(実質値)に一致しないという、いわゆる「時間的加法整合性の不成立」が発生する。このため、四半期速報(QE)
の際には、暦年値を四半期値の情報を用いて分割(比例デントン法を利用)し、「各四半期値の暦年計=暦年値」となる四半期値を推
計している(詳細は脚注 1「推計手法解説書」を参照)。
- 19 -
四半期デフレーター:
∑P
=
∑P
i
t ,k
⋅ Qti,k
i
t −1
⋅ Qti,k
建設デフレーターの木造住宅、木造非住宅、非木造住宅、
× CPt −1 i
CPt ,k
の固定資本形成デフレーターを使用し、建設部門では、
非木造非住宅、その他建設のデフレーターをもとに推計
する。
i
デフレーター作成に利用する品目ごとの名目値のウエ
暦年実質値:
∑P
=
∑P
イトは総固定資本形成マトリックスによる。総固定資本
i
t −1
CVt
i
i
t −1
形成マトリックスは、『産業連関表』作成作業の一環と
⋅Q
i
t
⋅ Qti−1
× CVt −1 して作成された固定資本マトリックスを SNA の概念に
沿って修正した原マトリックスをベースに、四半期ごと
i
に作成している。この総固定資本形成マトリックスの列
四半期実質値:
CVt ,k
∑P
=
∑P
の合計は、各四半期の供給側推計の総固定資本形成額を
i
t −1
⋅ Qti,k
i
t −1
⋅ Qti−1
i
前暦年確報における部門別のウエイトにより分割したも
のである。行の合計は、各四半期の供給側推計により得
× CVt −1 られるコモ 6 桁品目別の総固定資本形成額及び上記 5 品
i
目別の建設生産額である。これらを用いて、RAS 法に
CPt ,k :t年第k四半期のデフレーター(連鎖方式)
CVt ,k :t年第k四半期の実質値(連鎖方式)
よって、四半期別の総固定資本形成マトリックスを作成
する(図表 3)
。
Pt i,k :i財のt年第k四半期の価格指数
Qti,k :i財のt年第k四半期の実質値
総固定資本形成デフレーターは、この四半期ごとの総
固定資本形成マトリックスの名目値をウエイトとして、
各品目の基本単位デフレーター(固定資本形成部門)及
ただし、実際は、前述の通り、デフレーターは名目値
と実質値からインプリシットに求められており、上記算
式は結果的に対応するものである。
び建設デフレーターを用いて、パーシェ連鎖式で統合し
て求められる。具体的には、図表 3 の通り、
「民間非金融」
、
「民間金融」
、
「非営利」、
「民間住宅」
、
「公的非金融」
、
「公
GDP(支出側)需要項目別上位デフレーターのうち「総
的金融」
、「公的住宅」
、「一般政府」の 8 部門に分けて算
固定資本形成デフレーター」については、基本単位デフ
出する。さらに GDP の表章項目である「民間住宅」
「民
、
レーターだけでなく、建設デフレーターが利用され、制
間企業設備」
、
「公的固定資本形成」の実質値は、この 8
度部門別、住宅・企業設備別に算出されて、やや複雑な
部門から、対応する品目の名目値をデフレートした実質
作成方法となっており、以下で紹介する。
値を連鎖方式で集計して求められる。表章項目ごとのデ
フレーターは、項目計の名目値を項目計の実質値で除す
(2-1)総固定資本形成デフレーター
ることにより、インプリシットに求められることになる。
総固定資本形成デフレーター(制度部門別、住宅・企
業設備別)は、機械等については基本単位デフレーター
図表 3:総固定資本形成デフレーターに用いられる名目金額ウェイトの作成方法
㕖㊄Ⲣડ
ᬺ⸳஻
᳃㑆
㊄Ⲣડᬺ 㕖༡೑ડ 㕖㊄Ⲣડ
૑ቛ
⸳஻
ᬺ⸳஻ ᬺ⸳஻
౏⊛
㊄Ⲣડᬺ
૑ቛ
৻⥸᡽ᐭ ว⸘
⸳஻
ࠦࡕᩴຠ⋡
㧔⾗ᧄ⽷㧕
ᧁㅧ૑ቛ
ࠦࡕᴺ
¬
㧔㧾㧭㧿ᴺߢಽഀ㧕
㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᧁㅧ㕖૑ቛ
㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ߘߩઁᑪ⸳
- 20 -
ᑪ⸳ࠦࡕ
ᑪ▽‛
⌕Ꮏ⛔⸘
は、コモ 8 桁品目ごとに、生産、輸出入、家計消費に対
3.SNA 平成 17 年基準改定および『企業物価
指数』2010 年基準改定(CGPI 平成 22 年基
準改定)における GDP デフレーター推計精
度向上への取り組み内容
応する名目金額が推計されるに対して、使用される物価
指数の品目数は、『企業物価指数』(以下 CGPI)1286 品
目(国内 822 品目、輸出 210 品目、輸入 254 品目)
、
『企
業向けサービス価格指数』
(以下 CSPI)137 品目、
『消
費者物価指数』
(以下 CPI)588 品目、
『農業物価指数』
(以
我が国 SNA の整備に関しては、1.で述べた『基本
下 API)120 品目 10 と、コモ 8 桁品目すべてをカバーす
計画』および『工程表』に基づいて数々の課題への取り
ることはできていない。このため、実質化については、
組みが進められている。この一環として GDP デフレー
コモ 6 桁品目に対応する基本単位デフレーターを使用す
ターの推計については、内閣府経済社会総合研究所と日
ることとし、基本単位デフレーターは、可能な限りコモ
9
本銀行調査統計局との共同研究 により、2011 年 12 月
8 桁品目に物価指数を対応させた後、コモ 8 桁品目の名
に SNA 平成 17 年基準改定時(平成 23 年 7 ~ 9 月期 2
目値を使用し、コモ 8 桁品目に対応する価格指数を統合
次 QE および平成 22 年度確報から反映)において、基
することにより作成することとしている。
ここで基本単位デフレーターの作成には、①物価指数
本単位デフレーターの作成方法の見直しによるデフレー
ター推計精度向上に向けた取り組みを実施した。また、
がどのコモ 8 桁品目に対応しているか、②コモ 8 桁品目
日本銀行作成の『企業物価指数』でも、2012 年 7 月実
レベルで直接対応する物価指数が存在しない場合、他の
施の 2010 年基準改定(以下、CGPI 平成 22 年基準改定)
物価指数等にどう代用するか、が重要なポイントとなる。
において、GDP デフレーターの推計精度向上にも資す
本節では、この対応方法の仕組みについてみていくこと
る改定が実施され、平成 24 年 4 ~ 6 月期 1 次 QE に反
とする。
映された。
共同研究の内容は、前章の GDP デフレーター推計方
①物価指数によるコモ品目との紐付け方法
物価指数とコモ品目との対応関係を CGPI、CSPI を例
法のうち、SNA と一次統計との連携強化、すなわち基
本単位デフレーター作成の際のコモ品目と各物価指数と
に説明すると以下の通りである 11。
まず、コモ 6 桁品目は『産業連関表』の基本分類、コ
の対応関係の精緻化にかかわるものである。本章では、
まず、こうした見直しの背景をみるため、
(1)コモ品
モ 8 桁品目は『産業連関表』の統合品目および細品目に
目と物価指数との関係を説明する。その上で、
(2)デ
対応している。コモ 8 桁品目のうち、財の多くは『工業
フレーター推計の精度向上に向けた SNA 平成 17 年基準
統計調査(品目編)
』の 6 桁品目に対応している。CGPI
改定および、
(3)CGPI 平成 22 年基準改定における取
の品目は『工業統計調査(品目編)
』6 桁品目と対応し
り組みについて、順に説明していく。
ていることから、『産業連関表』や『工業統計調査(品
目編)
』を介して、CGPI の品目とコモ 8 桁品目との対応
(1)コモ品目と物価指数との関係について
を確認することができる。
一方、サービスについてみると、CSPI の小類別は『産
前章で示した通り、我が国 SNA におけるコモ法では、
業連関表』基本分類に対応している。すなわち、CSPI
コモ 8 桁品目(約 2000 品目)に及ぶ細かい商品分類で
の「小類別」はコモ 6 桁品目に対応するという関係にあ
名目金額を算出している。一方、実質化のための最小単
る。一方、CSPI の品目は、上記の CGPI と『工業統計
位の価格指数である基本単位デフレーターはコモ 6 桁品
調査(品目編)
』のような明確な対応関係はないが、
『産
目レベル(約 400 品目)で作成している。これは、コモ
業連関表』部門別品目別国内生産額表(前述の統合品目
8 桁レベルの品目を全てカバーする物価指数等の価格指
および細品目に該当)のほか、他の公的統計や業界統計
数が存在しないためである。すなわち、コモ法において
なども参考に設定し、小類別を細分化している。これを
9
内閣府と日本銀行では、2010 年 5 月より、我が国 SNA におけるデフレーター推計の精度向上に向けた取り組みとして、
「内閣府が作成
する GDP デフレーターと日本銀行が作成する物価指数(CGPI、CSPI)の関係深化のための検討作業」をテーマに共同研究を実施して
きた。本章はこの共同研究による取り組み内容についてまとめたものである。
10
CSPI は 2005 年(平成 17 年)基準、その他は 2010 年(平成 22 年)基準の品目数。
11
CGPI、CSPI の分類編成等の概要については後述コラム 1 を参照。
- 21 -
図表 4:コモ品目と CGPI・CSPI の、産業連関表・工業統計表との対応関係(例)
%)2+
ࠦࡕຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ᢙ୯೙ᓮᣓ⋚
㊄ዻᎿ૞ᯏ᪾
⎇೥⋚
ࡑࠪ࠾ࡦࠣ࠮ࡦ࠲
֪
↥ᬺㅪ㑐⴫
ၮᧄಽ㘃
㊄ዻᎿ૞ᯏ᪾
⚦ຠ⋡
ᢙ୯೙ᓮᣓ⋚
⎇೥⋚
ࡑࠪ࠾ࡦࠣ࠮ࡦ࠲
֪
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
ᢙ୯೙ᓮᣓ⋚
⎇೥⋚
ࡑࠪ࠾ࡦࠣ࠮ࡦ࠲
֪
%)2+
ຠ⋡
ᣓ⋚
⎇೥⋚
ࡑࠪ࠾ࡦࠣ࠮ࡦ࠲
֪
%52+
ࠦࡕຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ฃᵈ࠰ࡈ࠻࠙ࠚࠕ ࠰ࡈ࠻࠙ࠛࠕᬺ
ᬺോ↪ࡄ࠶ࠤ࡯ࠫ
֪
%52+
↥ᬺㅪ㑐⴫
ၮᧄಽ㘃
࠰ࡈ࠻࠙ࠚࠕᬺ
ዊ㘃೎
࠰ࡈ࠻࠙ࠚࠕ㐿⊒
ຠ⋡
ฃ⸤㐿⊒࠰ࡈ࠻࠙ࠛࠕ
ࡄ࠶ࠤ࡯ࠫ࠰ࡈ࠻࠙ࠛࠕ
֪
㧔ᵈ㧕ࠦࡕᩴຠ⋡ߩฃᵈ࠰ࡈ࠻࠙ࠛࠕߣᬺോ↪ࡄ࠶ࠤ࡯ࠫߪ‫ޔ‬%52+ߩฃ⸤㐿⊒࠰ࡈ࠻࠙ࠛࠕߣࡄ࠶ࠤ࡯ࠫ࠰ࡈ࠻࠙ࠛࠕߦߘࠇߙࠇኻᔕߒߡ޿ࠆ‫ޕ‬
踏まえて、CSPI の各品目のサービス内容を把握し、サ
CSPI を作成し、これまで各品目に含まれる財・サービ
ービス関連のコモ 8 桁品目について、CSPI の品目を対
スの内容に関する知識を蓄積してきた日本銀行との共同
応させている。
研究を実施することとした。次節では、内閣府と日本銀
このように、物価指数についてはコモ品目に対して、
基本的に『産業連関表』等を介して対応関係を紐付ける
行の共同研究によるこの見直しへの取り組み内容を紹介
する。
12
ことができる(図表 4 参照) 。
ただし、前述の通り、コモ 8 桁品目の全てについて、 (2)SNA 平成 17 年基準改定におけるデフレー
ター推計の精度向上に向けた取り組み
対応する物価指数を選定することはできない。4 つの系
統(「生産系統」、
「輸出系統」、
「輸入系統」、
「家計消費
系統」
)のうち、
「家計消費系統」については、原則 CPI
当該共同研究では、まず、内閣府において、コモ 8 桁
を対応させている(図表 1(1)基本単位デフレーターの
品目(生産、輸出、輸入の 3 系統)と物価指数との対応
作成を参照)が、コモ 8 桁品目数として多くを占める財に
関係について、
「コモ 8 桁品目に対応する物価指数の対
ついてみると、基本的に最終財(消費財)のみが対象で
応関係」(
「物価指数対応一覧」)を作成し、この妥当性
ある。最終財の内容は分かりやすいため、直接対応する
について、日本銀行との共同研究により、検証を実施し
CPI 品目の確認も容易で、対応する CPI 品目がない場合
た。検証の結果、「物価指数対応一覧」の 2 割近くのコ
13
に代用させる物価指数等の選定もさほど難しくない 。
一方、「生産系統」、
「輸出系統」、
「輸入系統」におい
ては、財のうち最終財(消費財)のみではなく、素原材
モ 8 桁品目について、物価指数の対応関係をより適切な
ものに変更し、この結果は、SNA 平成 17 年基準改定に
おいて反映された。
料、中間財も対象であり、中間財などは、最終財(消費
以下では、見直しの際、ポイントとなった①コモ 8 桁
財)に比べ、品目に含まれる財の内容が分かりにくいケ
品目と CGPI・CSPI との対応ルールの確立、②オーダー
ースが多い。このため、中間財などで該当する CGPI 等
メード財における投入コスト型指数の採用、③価格差別
をコモ 8 桁品目に直接対応させるのには、丁寧な確認が
が進展するサービスでの対応(CSPI、CPI 双方の取り込
必要なほか、対応する CGPI 等の品目がない場合には、
み)について、詳細を説明する。
代用させる他の物価指数等の選定が難しいケースも少な
くない。
①コモ品目と物価指数との対応ルールの確立
こうしたことから、内閣府による今般のコモ品目と物
価指数等との対応関係見直しへの取り組みでは、CGPI、
前述の通り、コモ 8 桁品目と物価指数等の対応方法と
しては、まず、1)物価指数で直接対応する品目への紐
12
CSPI の品目のほか、CGPI の非工業製品(農林水産物など)の品目については、
『工業統計調査』は対応していない。このため、
『工業
統計調査』を介した確認はできないが、日本銀行で、別途作成・公表している『製造業部門別投入・産出物価指数』
(IOPI)において、
CGPI と CSPI の採用品目と『産業連関表』の基本分類について対応表を公表しており、これによって、コモ品目との対応関係を確認で
きる。
13
具体的には国内 CGPI や API などを対応させている。なお、4 系統ともであるが、それぞれに 2000 品目全てに価格指数の作成が必要で
はない。品目によっては名目金額が僅少なため、デフレーター整備の必要性が低いと判断できる場合もある。
- 22 -
付けを行う。次に、直接対応させる物価指数が存在しな
a. 生産系統
い場合には、2)指数の動きが類似しているとみられ、
14
直接対応する物価指数が得られないコモ 8 桁品目にお
代替可能な物価指数への紐付け、3)単価指数の利用 、
いて、国内 CGPI の「品目」としては採用していないが、
4)投入コスト型指数の採用、の順で対応させている。
属性や価格動向が類似すると推測される国内 CGPI「上
このうち、1)については、存在する物価指数につい
位分類」(商品群、小類別、類別)指数が存在する場合
てコモ 8 桁品目との的確な対応関係の選定(紐付け)は、
には、それを対応させる。ここでは、属性や価格動向の
前節でみた通り『産業連関表』や『工業統計調査』(品
類似性に対する判断には不確実性が残ることから、単独
目編)等を介して比較的容易である。
の品目指数を対応させるのではなく、複数品目の集計指
次に、直接対応する物価指数が得られないコモ 8 桁品
数である上位分類指数に対応させることとしている。ど
目の中で、2)については、指数動向が類似し、代替可
の段階の上位分類を対応させるかは、基本的に日本銀行
能な物価指数を選定する判断基準として、日本銀行作成
が CGPI、CSPI 作成の際に実施しているウエイト算定方
の CGPI、CSPI の総平均指数等の算出の際のウエイト計
法などを参考に決定している。また、国内 CGPI 品目の
算における考え方(ウエイト算定ルール)を援用するこ
範囲がコモ 8 桁品目の一部に止まっている場合には、該
15
ととした 。この対応ルールについて、コモ 8 桁品目と
当する採用品目に加えて、採用品目がカバーしていない
CGPI(国内企業物価指数:国内 CGPI、輸出物価指数:
部分について、上位分類も同時に対応させる措置をとっ
EPI、輸入物価指数:IPI)との対応関係を例に、コモ 8
ている 16。これは、幅広い商品を含むコモ 8 桁品目につ
桁品目の「生産系統」
、
「輸出系統・輸入系統」の順に説
いては、より幅広い国内 CGPI を対応した方がより基本
明する。
単位デフレーター作成の精度向上に資すると考えられる
ためである(具体例は図表 5 参照)
。
図表 5:生産系統におけるコモ 8 桁品目と物価指数の対応関係
࡮࿖ౝCGPIߩ਄૏ಽ㘃ࠍኻᔕߐߖࠆࠤ࡯ࠬԘ
ࠦࡕຠ⋡㧔↢↥♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
࠲࡯ࡆࡦ
࿖ౝCGPI
ຠ⋡
ࠦࡕᩴ㧔↢↥♽⛔㧕
࠺ࡈ࡟࡯࠲࡯
ណ↪ߥߒ
໡ຠ⟲‫ޟ‬ේേᯏ࡮หㇱ
ຠ‫ߩޠ‬ଔᩰേะߢઍ↪
໡ຠ⟲‫ޟ‬ේേᯏ࡮หㇱຠ‫ޠ‬
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
⫳᳇࠲࡯ࡆࡦ
⫳᳇࠲࡯ࡆࡦ
ߘߩઁߩ࠲࡯ࡆࡦ
ߘߩઁߩ࠲࡯ࡆࡦ
㧔ᵈ㧝CGPIᐔᚑᐕၮḰᡷቯᓟߪᣂⷙຠ⋡‫ࠍޠࡦࡆ࡯࠲ޟ‬ኻᔕߐߖߡ޿ࠆ‫ޕ‬
࡮࿖ౝCGPIߩ਄૏ಽ㘃ࠍኻᔕߐߖࠆࠤ࡯ࠬԙ
ࠦࡕຠ⋡㧔↢↥♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
Ⅳᑼਛ㑆‛
ࠬ࠴࡟ࡦࡕࡁࡑ࡯
֪
ߘߩઁߩⅣᑼਛ㑆‛
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
ࠬ࠴࡟ࡦࡕࡁࡑ࡯
࿖ౝCGPI
ຠ⋡
ࠬ࠴࡟ࡦࡕࡁࡑ࡯
֪
ߘߩઁߩⅣᑼਛ㑆‛
ࠦࡕᩴ㧔↢↥♽⛔㧕
࠺ࡈ࡟࡯࠲࡯
‫ޠ࡯ࡑࡁࡕࡦ࡟࠴ࠬޟ‬
֪
֪
ࡄ࡜ࠠࠪ࡟ࡦ‫ࠚࡈࠬࡆޔ‬
ࡁ࡯࡞A
໡ຠ⟲‫ޟ‬Ⅳᑼਛ㑆‛‫ޔޠ‬
‫ࠬࡆޟޔޠࡦ࡟ࠪࠠ࡜ࡄޟ‬
ࡈࠚࡁ࡯࡞A‫ޠ‬
㧔ᵈ㧞‫࡞࡯ࡁࠚࡈࠬࡆޟޔޠࡦ࡟ࠪࠠ࡜ࡄޟ‬#‫ߩઁߩߘޟߪޠ‬Ⅳᑼਛ㑆‛‫৻ߩޠ‬ㇱ‫ޕ‬
‫ޔ߼ߚߩߎޓޓޓ‬਄૏ಽ㘃ߩ‫ޟ‬Ⅳᑼਛ㑆‛‫߽ޠ‬ኻᔕߐߖࠆ‫ޕ‬
‫ޔ߅ߥޓ‬CGPIᐔᚑᐕၮḰᡷቯᓟߪᣂⷙຠ⋡‫ޟ‬ක⮎ຠਛ㑆‛‫߽ޠ‬ኻᔕߐߖߡ޿ࠆ‫ޕ‬
14
単価指数についても、今般一部見直しを実施した。具体的には、コモ 8 桁品目の水産物類(かつお、まぐろなど)の一部については、
「生
産系統」において従来 CPI を対応させていたが、生産により近い『産地水産物流通統計』
(農林水産省)から算出した単価指数に変更
している。
15
CGPI、CSPI のウエイト算定ルールは後述コラム 2 参照。
16
前述の通り、原則、コモ 8 桁品目と CGPI の品目は対応しているが、コモ 8 桁品目の範囲が広く、国内 CGPI の品目がその範囲の一部
しか対応していない場合もある(例えば、化学製品の「その他の環式中間物」
、「その他の無機化学工業製品」など「その他の~」とい
ったコモ 8 桁品目がこれに当たる)
。一方、国内 CGPI の品目範囲がコモ 8 桁品目より広い場合も存在する。
- 23 -
b. 輸出系統・輸入系統
の割合を占めている(適当な物価指数や単価指数が存在
(ⅰ)コモ 8 桁品目で、EPI(IPI)「品目」として採用し
しない)
。この点を勘案すると、
「建設用金属製品」につ
ていないが、
「生産系統」において対応させた国内 CGPI
いて、鋼材関連の品目指数による代用は必ずしも適切で
「品目」がある場合は、同品目指数を対応させる。ここで、
はないことから、SNA 平成 17 年基準改定では、代わり
国内 CGPI「品目」を対応させるのは、同一の商品につ
に『産業連関表』における中間投入・労働投入の構成比
いては、短期的には、国内向けと輸出向けとの間で、価
率を利用し、投入コスト型指数を作成することとした 17。
格動向が乖離することがあり得るが、長期的には国内向
け価格と輸出向け価格に価格裁定が働き、国内 CGPI・
③価格差別が進展するサービスでの対応
サービス関連のコモ 8 桁品目は、企業向け、家計向け
EPI・IPI の価格動向が中長期的にはほぼ同一となること
とも対象とするが、平成 12 年基準 SNA においては、
「生
を想定している。
(ⅱ)(ⅰ)において対応する国内 CGPI「品目」が存
産系統」のサービス関連のコモ 8 桁品目について、医療
在しない場合は、属性や価格動向が類似すると推測され
サービス等一部を除き、企業向けを対象としている
る EPI(IPI)「上位分類」指数を対応させる。また、国内
CSPI のみを対応させていた。しかしながら、サービス
同様、どの段階の上位分類を対応させるかは、基本的に
の分野では価格差別が進展し、企業向けと家計向けとで
日本銀行が CGPI 作成の際に実施しているウエイト算定
価格の動きが異なる場合は少なくない。
そこで、サービス関連のコモ 8 桁品目について、当該
方法と同様である。
(ⅲ)(ⅱ)において対応する EPI(IPI)「上位分類」が
サービスが企業部門・家計部門双方で消費されているか
ない場合、
「生産系統」において対応させた国内 CGPI「上
を確認したうえ、企業向けサービスが多くを占める場合
位分類」指数を対応させる(具体例は図表 6 参照)
。
は CSPI を、家計向けサービスが多くを占める場合には
CPI を、さらに企業向け、家計向け双方に相応のウエイ
トが存在する場合は、CSPI と CPI で企業向け、家計向
②オーダーメード財における投入コスト型指数の採用
オーダーメード財とは、資本財など、取引ごとに製品
に付属するオプションが異なり、そもそも同じ製品の価
けのサービスそれぞれの生産額に占める割合で加重平均
した指数を、各々対応させることとした 18。
格を継続的に調査することができない財のことであり、
コモ 8 桁品目のうち、
「鉄骨」
「橋りょう」
「鉄塔」
「その
他の建設用金属製品」など「建設用金属製品」関連の品
目はこれに該当している。これらの品目は、市場規模の
(3)
『企業物価指数』2010 年基準改定(CGPI
19
平成 22 年基準改定)
によるデフレーター推
計のさらなる改善
大きさ(平成 17 年『産業連関表』での生産額は 2 兆円
本節では、日本銀行によるデフレーター推計の精度向
以上)にもかかわらず、価格調査が困難であることから、
平成 17 年基準 CGPI では、品目として採用されていない。 上のための CGPI の品目指数の拡充への取り組みを説明
さらに、属性や価格動向が類似すると推測される上位分
する。
日本銀行では、
『企業物価指数』2010 年基準改定(以
類も存在しない商品として、CGPI ウエイト算定上の対
下 CGPI 平成 22 年基準改定)においては、SNA 等での
象外となっていた。
一方、これらの品目については、平成 12 年基準 SNA
では、「建設用金属製品」の主な原材料である鋼材に該
デフレーターとしての利用を意識しつつ、指数精度向上
に向けて 2010 年初より改定作業に取り組んだ 20。
「鋼矢板」など)
当する国内 CGPI の品目指数(
「H 形鋼」
具体的には、前述の共同研究を通して課題が残るコモ
を対応させていた。しかしながら、「建設用金属製品」
8 桁品目を対象に、品目の新規採用ができないかを検証
の投入コストには、鋼材費用に加えて、人件費等も相応
した。
17
このうち、「鉄骨」「橋りょう」については平成 22 年基準 CGPI で新規採用となった(後述)。
電力・ガス・水道についても、従来は「生産系統」に CGPI のみを対応させていたが、CGPI だけでなく、CPI も対応させることとした。
19
詳細は、「企業物価指数・2010 年基準改定結果」(2012 年 7 月、日本銀行調査統計局)参照。
20
本節で取り上げた新規品目の採用のほかにも、デフレーター利用を意識した取り組みを実施している(詳細は後述コラム 1 参照)
。また、
基準改定実施時期を前回改定より 5 か月早めたことによって、基準時点(データ始期)から SNA への取り込みが可能となった(SNA
では、基準改定時を除いて、年次確報、確々報の 2 年間を過ぎると原則遡及改定されない:今回は基準時点の CGPI 平成 22 年分のデー
タから SNA に取り込み)。
18
- 24 -
ここで検討対象となったのは、①「コモ 8 桁品目の名
こうした検証を踏まえたうえで新規品目の選定を行い、
目金額が多いにもかかわらず、対応する物価指数が存在
結果として、平成 22 年基準 CGPI では、国内・輸出・
しない品目」
、②「コモ 8 桁品目に対応する CGPI 品目
輸入をあわせて、46 品目を新規に採用した(図表 7)。
がカバーする商品の範囲が、コモ 8 桁品目全体に及んで
いない品目」である。
①の具体的な新規品目例として、「鉄骨」「橋りょう」
があげられる。
図表 6 輸出系統・輸入系統におけるコモ 8 桁品目と物価指数の対応関係
γ࿖ౝCGPIߩណ↪ຠ⋡ࠍኻᔕߐߖࠆࠤ࡯ࠬ
ࠦࡕຠ⋡㧔ャ಴♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
⏛᳇࠺ࠖࠬࠢⵝ⟎
ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸
శ࠺ࠖࠬࠢⵝ⟎
߮⴫␜ⵝ⟎
⴫␜ⵝ⟎
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
⏛᳇࠺ࠖࠬࠢⵝ⟎
శ࠺ࠖࠬࠢⵝ⟎
⴫␜ⵝ⟎
ࠦࡕຠ⋡㧔↢↥♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸
⴫␜ⵝ⟎
߮⴫␜ⵝ⟎
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
⴫␜ⵝ⟎
EPI
ຠ⋡
ࠦࡕᩴ㧔ャ಴♽⛔㧕
࠺ࡈ࡟࡯࠲࡯
ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎
EPI‫ޟ‬ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎‫ޠ‬
ណ↪ߥߒ
࿖ౝCGPI‫ޠ⟎ⵝ␜⴫ޟ‬
࿖ౝCGPI
ຠ⋡
⴫␜ⵝ⟎
δEPIߩ਄૏ಽ㘃ࠍኻᔕߐߖࠆࠤ࡯ࠬ
ࠦࡕຠ⋡㧔ャ಴♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ᯏ᪾Ꮏౕ
․ᱶ㍑ಾ೥Ꮏౕ
⿥⎬Ꮏౕ
ⓨ᳇േᎿౕ
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
․ᱶ㍑ಾ೥Ꮏౕ
⿥⎬Ꮏౕ
ⓨ᳇േᎿౕ
EPI
ຠ⋡
ᯏ᪾Ꮏౕ
ࠦࡕᩴ㧔ャ಴♽⛔㧕
࠺ࡈ࡟࡯࠲࡯
EPI‫ޟ‬ᯏ᪾Ꮏౕ‫ޠ‬
ណ↪ߥߒ
໡ຠ⟲‫ޟ‬ᯏ᪾Ꮏౕ㘃‫ޠ‬
ߩଔᩰേะߢઍ↪
EPI໡ຠ⟲‫ޟ‬ᯏ᪾Ꮏౕ
㘃‫ޠ‬
ε࿖ౝCGPIߩ਄૏ಽ㘃ࠍኻᔕߐߖࠆࠤ࡯ࠬ
ࠦࡕຠ⋡㧔ャ౉♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ႣᎿ⚕࡮ᑪ⸳↪
ᶐㅘടᎿ⚕
ടᎿ⚕
ࠦࡕຠ⋡㧔↢↥♽⛔㧕
ࠦࡕᩴຠ⋡
ࠦࡕᩴຠ⋡
ႣᎿ⚕࡮ᑪ⸳↪
ᶐㅘടᎿ⚕
ടᎿ⚕
IPI
ຠ⋡
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
ណ↪ߥߒ
ઍ↪ߢ߈ࠆಽ㘃ߥߒ
ᶐㅘടᎿ⚕
Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ㧔ຠ⋡✬㧕
ᩴຠ⋡
ᶐㅘടᎿ⚕
࿖ౝCGPI
ຠ⋡
ណ↪ߥߒ
໡ຠ⟲‫ޟ‬ടᎿ⚕‫ߩޠ‬ଔ
ᩰേะߢઍ↪
図表 7:平成 22 年基準 CGPI の新規品目例
国内
化学製品
電池用無機化学工業製品
エチレン酢酸ビニル樹脂
吸水性樹脂、医薬品中間物、
触媒
窯業・土石製品
輸出
輸入
ガラス基板・カバーガラス
金属製品
鉄骨、
橋りょう
はん用機器
タービン
輸送用機器
航空機用原動機部品
電気・電子機器
発電機、
電動機、
太陽電池
その他産品・製品
ジェット燃料油・灯油
化学製品
炭酸リチウム、
医薬品中間物
食料品・飼料
鶏肉調製品、
たばこ
金属・同製品
白金くず
電気・電子機器
太陽電池、
空気清浄機
- 25 -
ࠦࡕᩴ㧔ャ౉♽⛔㧕
࠺ࡈ࡟࡯࠲࡯
࿖ౝCGPI໡ຠ⟲‫ޟ‬ടᎿ
⚕‫ޠ‬
これらについては、前節で述べた通りこれまで品質を
一定とした継続的な価格調査が難しいことから、CGPI
においては調査対象外として扱ってきた商品であった。
4.GDP デフレーター推計方法の見直しによる
計数面への影響
CGPI 平成 22 年基準改定では、全国各地の多数の企業か
ら協力を得て、平均価格などの調査手法を用いて、品質
本章では、前章で紹介した GDP デフレーターの推計
を固定した継続的な価格調査を実現し、「品目」として
方法の見直しすなわちコモ 8 桁品目と物価指数の対応関
採用するに至った。
係精緻化による計数面への影響を、(1)SNA 平成 17
また、②については、例えば、類別「化学製品」にお
年基準改定時と(2)CGPI 平成 22 年基準改定時のそれ
ける新規品目があげられる。これらの新規品目は、コモ
ぞれについて説明する。なお、需要項目別には、今般の
8 桁品目では、「その他の環式中間物」、「その他の無機
見直しによる影響が相対的に大きいとみられる総固定資
化学工業製品」などの「その他の~」といった品目に含
本形成デフレーター(民間企業設備、公的固定資本形成、
まれている。日本銀行では、こうした雑多な商品が混在
民間住宅)、輸出・輸入デフレーターを中心にみていく
し金額が大きくなっている「その他の~」という品目に、
こととする。
具体的にどのような商品が含まれているのかを、業界統
計や多くの業界・企業ヒアリングをもとに特定し、対象
(1)SNA平成17年基準改定時の計数面への影響
企業に調査協力を依頼した。この結果、「電池用無機化
学製品」のように先端部材等として生産金額が増加して
GDP デフレーターは、SNA 平成 12 年基準から平成
いる商品や、「医薬品中間物」のように商流や調査対象
17 年基準改定に伴い、概ね下方改定されている。暦年
企業の選定が難しかった品目の採用に至った。
前年比でみると、2002 年~ 2009 年にかけて▲ 0.1 ~▲
平成 22 年基準 CGPI で新規採用した品目については、
0.3%ポイント下方改定となっている(2010 年は+ 0.1%
新たにコモ 8 桁品目と対応関係を選定し、平成 17 年基
ポイント)。需要項目別には、民間企業設備デフレータ
準 SNA の平成 24 年 4 ~ 6 月期 1 次 QE において、平成
ーなどの下方改定が目立つ(図表 8 参照)
。
ただし、SNA の基準改定に伴い、前章の GDP デフレ
22 年基準 CGPI の 2010 年 1 月からの計数が反映されて
ーター推計方法の見直し以外に、過去に遡って名目値の
いる。
改定や FISIM の導入等概念変更も実施されている。こ
以上、今般の内閣府経済社会総合研究所と日本銀行調
のため、デフレーターの計数面への影響については、こ
査統計局との共同研究では、コモ 8 桁品目と物価指数の
れら様々な要因が合わさっており、デフレーター推計方
対応ルールを確立するため、その対応関係を検証し、見
法の見直し要因のみを抜き出すことは難しく 21、こうし
直しを実施した。また、CGPI 平成 22 年基準改定を受け
た前提でみる必要がある。
SNA 基準改定前後の前年比をみると、輸出・輸入デ
て、コモ 8 桁品目と物価指数の対応関係の深化が図られ
フレーターについては改定幅が小さい。一方、総固定資
たといえる。
こうした共同研究を通して、コモ 8 桁品目と物価指数
本形成デフレーター(民間企業設備、公的固定資本形成、
の対応関係はかなり精緻化され、GDP デフレーターの
民間住宅)については 2008 年までは下方改定が多く、
精度向上に寄与したと考えられる。次に、今般の見直し
いずれも 2009 年が上方改定されているという特徴がみ
による GDP の計数面への影響についてみていくことと
られる。(図表 9)において機械類等で固定資本形成に
する。
おいて名目金額が相応に大きく、物価指数との対応関係
を見直しした主な品目の物価指数の動きをみると、上方
改定、下方改定へとともに影響した品目があるとみられ
21
第 2 章で示した通り、名目金額の最小単位はコモ 8 桁品目であるのに対し、実質化の最小単位である基本単位デフレーターはコモ 8 桁
品目の名目金額をウエイトとしてコモ 6 桁品目に統合している。このため、基本単位デフレーターは名目値の改定の影響も受ける。また、
SNA 平成 17 年基準改定では、FISIM(間接的に計測される金融仲介サービス)の導入や自社開発ソフトウエアの導入など概念変更が実
施されている。FISIM は、近年、家計最終消費支出デフレーターの下落に寄与している。さらに、経済活動別 GDP(生産側)の算出の際、
平成 12 年基準では帰属利子方式により産業別には控除せず、一括して控除する形式であったが、平成 17 年基準では、FISIM の導入に
より帰属利子の項目はなくなり、各産業の中間投入に含まれることで、産業別生産デフレーターに影響を与えている。このように名目
値とその構成の変更が大きいとデフレーターへの影響度も大きくなる。
- 26 -
図表 8:SNA 平成 17 年基準改定前後の比較
౏⊛࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ䊂䊐䊧䊷䉺䊷
᳃㑆ડᬺ⸳஻䊂䊐䊧䊷䉺䊷
㪈㪈㪇
㪈㪇㪏
㪈㪇㪍
㪈㪇㪋
㪈㪇㪉
㪈㪇㪇
㪐㪏
㪐㪍
㪐㪋
㪐㪉
㪐㪇
(2005ᐕ䋽100)
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈 ᐕ 㪉
㪉
㪈㪅㪌
㪈
㪇㪅㪌
㪇
㪄㪇㪅㪌
㪄㪈
㪄㪈㪅㪌
㪄㪉
㪄㪉㪅㪌
㪄㪊
㪄㪊㪅㪌
㪈㪈㪇
㪈㪇㪏
㪈㪇㪍
㪈㪇㪋
㪈㪇㪉
㪈㪇㪇
㪐㪏
㪐㪍
㪐㪋
㪐㪉
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
㪏
㪐
㪈㪇
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈 ᐕ 㪉
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
㪏
㪐
(2005ᐕ䋽100)
㪈㪇
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
㪊
㪈㪇㪇
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪏㪌
㪏㪇
㪉㪇㪇㪈ᐕ 㪉
㪍
㪋
㪉
㪇
㪄㪉
㪄㪋
㪄㪍
㪄㪏
㪄㪈㪇
㪄㪈㪉
㪄㪈㪋
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
㪏
㪐
㪈㪌
㪈㪇
㪌
㪇
㪄㪌
㪄㪈㪇
㪄㪈㪌
㪄㪉㪇
㪄㪉㪌
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
㪎
㪏
㪐
㪊
㪋
㪌
㪍
㪋
㪊
㪉
㪈
㪇
㪄㪈
㪄㪉
㪄㪊
㪄㪋
㪎
㪏
㪐
㪈㪇
㪏
㪐
㪈㪇
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪋
㪌
㪍
㪎
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
㪏
㪐
㪈㪇
㪏
㪐
㪈㪇
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈 ᐕ 㪉
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
䋨ෳ⠨䋩ኅ⸘ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
(2005ᐕ䋽100)
㪊
(2005ᐕ䋽100)
㪉㪇㪇㪈ᐕ 㪉
㪈㪇
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈 ᐕ 㪉
㪈㪇
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
㪉㪇㪇㪈ᐕ 㪉
㪍
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈 ᐕ 㪉
㪈㪊㪇
㪈㪉㪌
㪈㪉㪇
㪈㪈㪌
㪈㪈㪇
㪈㪇㪌
㪈㪇㪇
㪐㪌
㪐㪇
㪏㪌
㪏㪇
㪈㪇㪌
㪐㪇
㪌
ャ౉䊂䊐䊧䊷䉺䊷
(2005ᐕ䋽100)
㪐㪌
㪋
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
ャ಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
㪈㪈㪇
㪈㪈㪇
㪈㪇㪏
㪈㪇㪍
㪈㪇㪋
㪈㪇㪉
㪈㪇㪇
㪐㪏
㪐㪍
㪐㪋
㪐㪉
ᐔᚑ㪈 㪉 ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈ᐕ 㪉
㪌
㪋
㪊
㪉
㪈
㪇
㪄㪈
㪄㪉
㪄㪊
㪄㪋
㪄㪌
᳃㑆૑ቛ䊂䊐䊧䊷䉺䊷
㪏
㪐
㪈㪇㪍
㪈㪇㪋
㪈㪇㪉
㪈㪇㪇
㪐㪏
㪐㪍
㪐㪋
㪐㪉
㪐㪇
㪈㪇
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
(2005ᐕ䋽100)
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪉㪇㪇㪈ᐕ 㪉
㪈
㪊
㪋
㪌
㪍
㪎
㪏
㪐
㪈㪇
㪎
㪏
㪐
㪈㪇
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
㪇
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪄㪈
ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ
ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ
㪄㪉
㪄㪊
㪉㪇㪇㪈 ᐕ 㪉
㪊
㪋
㪌
㪍
- 27 -
㪎
㪏
㪐
㪈㪇
㪉㪇㪇㪈ᐕ 㪉
㪊
㪋
㪌
㪍
図表 9:コモ 8 桁品目と物価指数の対応関係を見直した主な品目例
䋨ᣂ䈢䈮਄૏ಽ㘃䉕ኻᔕ䈘䈞䈢䉅䈱䋺࿖ౝ㪚㪞㪧㪠䇯䈢䈣䈚䇮䈠䈱ઁ䈱ኻ੐ᬺᚲ䉰䊷䊎䉴䈲㪚㪪㪧㪠㪀
㵪䇭ฦ࿑⴫䈱⷗಴䈚䈲䉮䊝㪍ᩴຠ⋡ฬ䋨࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ䊂䊐䊧䊷䉺䊷㑐ㅪ䋩䇯
㩷㩷㩷㩷㩷᛬䉏✢䉫䊤䊐䈲࿖ౝ㪚㪞㪧㪠ᜰᢙ䋨䉦䉾䉮ౝ䈏࿖ౝ䌃䌇䌐䌉ฬ⒓䋩䈱ផ⒖䇯
㵪䇭䈇䈝䉏䉅䇮䉮䊝㪍ᩴຠ⋡ౝ䈱䉮䊝㪏ᩴຠ⋡䈱৻ㇱ䋨䇸䈠䈱ઁ䌾䇹䈭䈬䋩䈪䇮ኻᔕ䈜䉎࿖ౝ㪚㪞㪧㪠䈏
䇭䇭ὐ✢䊶⎕✢㩿㪪㪥㪘ᐔᚑ㪈㪉ᐕၮḰ䈪೑↪㪀䈎䉌ታ✢䋨㪪㪥㪘ᐔᚑ㪈㪎ᐕၮḰ䈪೑↪䋩䈮ᄌᦝ䈘䉏䈩䈇䉎䋨䉋䉍਄૏ಽ㘃ᜰᢙ䉕೑↪䋩䇯
䈠䈱ઁ䈱㔚᳇ㅢାᯏེ
㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎
120
䋨2005ᐕ䋽100䋩
120
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ䋨㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䋩
110
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䈠䈱ઁ䈱㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䋩
110
100
100
90
90
80
80
70
70
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ䋨ㅢାᯏེ䋩
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䈠䈱ઁ䈱ㅢାᯏེ䋩
60
60
2005 ᐕ
6
7
8
9
2005 ᐕ
10
䋨2005ᐕ䋽100䋩
110
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ
䋨㔚᳇ᯏེ䋩
105
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ
䋨㕒ᱛ㔚᳇ᯏེ䋩
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
100
95
90
2005 ᐕ
6
7
8
9
6
110
108
106
8
9
10
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ䋨৻⥸ᯏེ䋩
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䈠䈱ઁ䈱৻⥸ᯏེ䋩
2005 ᐕ
6
7
8
9
10
᦭✢㔚᳇ㅢାᯏེ
䋨2005ᐕ䋽100䋩
110
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ
䋨৻⥸ᯏེ䋩
䋨2005ᐕ䋽100䋩
105
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ
䋨㚢ゞⵝ⟎䋩
100
104
95
102
90
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ䋨᦭✢ㅢାᯏེ䋩
85
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䊗䉺䊮㔚⹤ⵝ⟎䋩
100
98
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䉟䊮䉺䊷䊖䊮䋩
80
96
2005 ᐕ
6
7
8
9
2005 ᐕ
10
6
䈠䈱ઁ䈱․ᱶ↥ᬺ↪ᯏ᪾
102
10
䋨2005ᐕ䋽100䋩
䈠䈱ઁ䈱৻⥸↥ᬺᯏ᪾෸䈶ⵝ⟎
112
7
䈠䈱ઁ䈱৻⥸ᯏ᪾ౕེ෸䈶ㇱຠ
䈠䈱ઁ䈱↥ᬺ↪㔚᳇ᯏེ
115
䋨2005ᐕ䋽100䋩
7
8
9
10
䈠䈱ઁ䈱ኻ੐ᬺᚲ䉰䊷䊎䉴
䋨2005ᐕ䋽100䋩
101
101
100
100
99
99
䋨2005ᐕ䋽100䋩
98
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ䋨ኾ㐷䉰䊷䊎䉴䋩
98
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ䋨৻⥸ᯏེ䋩
97
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䈠䈱ઁ䈱․ᱶ↥ᬺ↪ᯏ᪾䋩
96
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ䋨䈠䈱ઁ䈱ኾ㐷䉰䊷䊎䉴䋩
97
96
2005 ᐕ
6
7
8
9
2005 ᐕ
10
- 28 -
6
7
8
9
10
るが、
「電子応用装置」や「その他の電気通信機器」な
a. オーダーメード財(建設用金属製品)見直しの影響
どといった品目で全体(特に機械類のウエイトが高い民
第 3 章で説明したように、
「建設用金属製品」について、
間企業設備デフレーター)を下押ししたとみられる。
平成 12 年基準 SNA では CGPI の鋼材関連の品目指数を
―― なお、総固定資本形成デフレーターの内訳を細か
対応させていたが、平成 17 年基準 SNA では人件費等を
くみると、民間企業設備に比べて公的固定資本形成は
勘案した投入コスト型指数に変更した。この結果、下図
2008 年までの下方改定幅が小さく、2009 年以降は水
の通り、2008 年から 2009 年にかけて鋼材価格の振れに
準自体やや上方改定されている。これは、公的固定資
よる変動が大幅に均されている。「建設用金属製品」に
本形成は建設関連のウエイトが高いうえに、価格が下
占める人件費比率は相応に高く、その結果、「同製品」
落している機械関連品目のウエイトが SNA 基準改定
の価格の動きは、鋼材価格の変動よりは小さいことから、
により減少したためと考えられる。
より実勢に近いものとなっているとみられる。「建設用
金属製品」の市場規模は大きく、
建設デフレーター(「建
また、総固定資本形成デフレーターにおける 2008 年
設用金属製品」等を利用して投入コスト型で算出)の動
から 2009 年の前年比の振れが均された動きは、建設デ
きを通じて、総固定資本形成デフレーターに大きな影響
フレーター(品目「非木造非住宅」
「その他建設」
)の影
を与えたと考えられる(図表 10)22。
響が大きいと考えられる。建設デフレーターは投入コス
ト型で作成され、その内訳を構成する建設用金属製品で
b. サービスでの見直しの影響(「生産系統」
)
基本単位デフレーターの作成方法の見直しが実施されて
サービスについては、第 3 章で述べたように基本単位
いる(「第 3 章(2)②オーダーメード財における投入コ
デフレーター作成用の「生産系統」について、従来は
スト型指数の採用」参照)
。以下では、
「第 3 章(2)③
CSPI のみを対応させていたものについて、家計向けに
価格差別が進展するサービスでの対応」の影響とあわせ
相応にウエイトが存在するものは CPI も対応させるこ
て紹介する。
ととした。市場規模の大きい「移動電気通信」や「有料
道路」といった品目では、CSPI の下落幅が CPI よりも
図表 10:建設用金属製品の価格指数
160
䋨2005ᐕ䋽100䋩
150
SNAᐔᚑ17ᐕၮḰ
140
SNAᐔᚑ12ᐕၮḰ
130
120
110
100
90
80
2005 ᐕ
6
7
8
9
10
22
「建設用金属製品」については、CGPI 平成 22 年基準改定により新規に品目を設定(「鉄骨」「橋りょう」)したことから、2010 年以降、
SNA においても同品目指数の利用に変更となった。これによる GDP デフレーターへの影響は次節参照。
- 29 -
大きいため、CPI も対応させることで、「生産系統」で
23, 24
上方改定に働いたとみられる(図表 11)
ターへの影響を紹介する。平成 22 年基準 CGPI のデー
タは、平成 24 年 4 ~ 6 月期 1 次 QE 公表時に 2010 年に
。
―― なお、「家計消費系統」では SNA 基準改定前後で
まで遡って利用された。ここでは、前節の SNA 平成 17
CPI 対応のまま変わらないため、
GDP デフレーター
(支
年基準改定時とは異なり、名目値は遡及改定幅が大きく
出側)への影響は小さい。一方、
GDP デフレーター(生
ないことから、デフレーターの計数面での改定は、主と
産側)では、当該運輸業、通信業等の経済活動別デフ
して CGPI 基準改定の影響と考えられる。需要項目別に、
レーターには影響を及ぼしている。なお、SNA 平成
CGPI 基準改定前後のデフレーターの動きと前年比上方
17 年基準改定では、部門分類の変更(従来:
「運輸・
改定及び下方改定に寄与した主な品目 26 を示したのが
通信業」、「サービス業」
。現行:
「運輸業」
、
「情報通信
(図表 12)である。
業」、「サービス業」
)25 もみられた。
需要項目別の改定幅を四半期ごとにみると、総固定資
本形成デフレーター(民間企業設備、公的固定資本形成、
(2)CGPI 平成 22 年基準改定時の計数面への
影響
民間住宅)
の水準が下方改定されている。また、
前年比で
みると、2010 年度中は下方改定されているが、2011 年
度中は下方改定幅が縮小し、上方改定に転じてきている
次に、CGPI 平成 22 年基準改定による GDP デフレー
ことが目立つ。この前年比の動きは、前述の建設用金属
図表 11:サービス価格・企業向けと消費者向け(図表の見出しは CSPI 小類別名称)
移動電気通信
120
有料道路
䋨2005ᐕ䋽100䋩
120
䋨2005ᐕ䋽100䋩
CSPI䋨ᐔᚑ17ᐕၮḰ䋩
110
CPI䋨ᐔᚑ22ᐕၮḰ䋩
100
CSPI䋨ᐔᚑ12ᐕၮḰ䋩
110
100
90
90
80
80
70
70
CSPI䋨ᐔᚑ17ᐕၮḰ䋩
CPI䋨ᐔᚑ22ᐕၮḰ䋩
CSPI䋨ᐔᚑ12ᐕၮḰ䋩
60
60
2005 ᐕ
6
7
(注)CPI は携帯電話通信料。
8
9
2005 ᐕ
10
6
7
8
9
10
(注)CPI は高速道路料金。
23
ただし、CSPI は CGPI より基準改定時期が遅く、SNA 平成 12 年基準では 2007 年までは CSPI 平成 12 年基準のデータが、2008 年以降
は CSPI 平成 17 年基準のデータが利用されていた。SNA 平成 17 年基準改定時に 2005 年以降のデータが CSPI 平成 17 年基準のものに
入れ替わった(この間、CSPI は下方改定)ため、「移動電気通信」や「有料道路」の場合、2007 年までは「生産系統」のデフレーター
に下方改定の方向に働いたとみられる。
24
なお、CPI の基準改定時期は、CGPI より早く、平成 22 年基準は SNA 平成 17 基準改定実施前の 2011 年 8 月から公表されている。
25
従来の「運輸・通信業」が分割され、「運輸業」、「情報通信業」が新設された。また、「情報通信業」には、従来の「通信業」に加え、
製造業に含まれていた「出版業」
、サービス業のうちの「対事業所サービス」に含まれていた「情報サービス業」
、「対個人サービス」
に含まれていた「放送業」等が含まれる。
26
コモ 6 桁品目及び建設コモ法による品目。
- 30 -
図表 12:CGPI 平成 22 年基準改定前後の比較①
᳃㑆ડᬺ⸳஻䊂䊐䊧䊷䉺䊷
97
౏⊛࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ䊂䊐䊧䊷䉺䊷
(2005ᐕ䋽100)
105
᳃㑆૑ቛ䊂䊐䊧䊷䉺䊷
(2005ᐕ䋽100)
105
(2005ᐕ䋽100)
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
96
104
95
103
94
102
93
101
104
103
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
10.1Q
0
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
10.1Q
2
-1
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
101
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
10.1Q
2
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
1
1
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
102
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
0
0
-2
-1
-3
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
-1
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
-2
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
-2
10.1Q
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
-3
10.1Q
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
10.1Q
2
3
4
䊶ਥ䈭೨ᐕᲧነਈᐲຠ⋡
䊶ਥ䈭೨ᐕᲧነਈᐲຠ⋡
䊶ਥ䈭೨ᐕᲧነਈᐲຠ⋡
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ൻቇᯏ᪾䇮䊗䉟䊤䇮䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ᡷቯ ㄘᬺ↪ᯏ᪾
౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱ઃዻⵝ⟎
ਅᣇ ㊄ဳ䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮䈠䈱ઁᑪ⸳
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱ャㅍᯏ᪾䇮ㆇ៝ᯏ᪾
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ㊄ဳ䇮㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮㊄ዻടᎿᯏ᪾
ᡷቯ ㄘᬺ↪ᯏ᪾䇮䉰䊷䊎䉴↪ᯏེ
䇭
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮ㆇ៝ᯏ᪾䇮䈠䈱ઁᑪ⸳
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱੐ോ↪ᯏ᪾
ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾䇮ㄘᬺ↪ᯏ᪾
ᡷቯ ㊄ဳ䇮㊄ዻടᎿᯏ᪾
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮䈠䈱ઁᑪ⸳䇮ㆇ៝ᯏ᪾
ᡷቯ ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾䇮ਸ਼↪ゞ
ᡷቯ 䉰䊷䊎䉴↪ᯏེ䇮㊄ዻᎿ૞ᯏ᪾
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮䈠䈱ઁᑪ⸳䇮ㆇ៝ᯏ᪾
ᡷቯ ή✢㔚ᯏㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䈠䈱ઁ䈱੐ോ↪ᯏ᪾
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ㊄ဳ䇮ൻቇᯏ᪾䇮㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱৻⥸ᯏ᪾ౕེ෸䈶ㇱຠ
䉰䊷䊎䉴↪ᯏེ䇭
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮䉺䊷䊎䊮䇮ㆇ៝ᯏ᪾
ᡷቯ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
䈠䈱ઁᑪ⸳
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ㄘᬺ↪ᯏ᪾䇮ൻቇᯏ᪾䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ ਸ਼↪ゞ䇮㊄ዻᎿ૞ᯏ᪾
ਅᣇ ㊄ဳ䇮䉺䊷䊎䊮䇮䊎䊂䉥ᯏེ
ᡷቯ ᦭✢㔚᳇ㅢାᯏེ
䈠䈱ઁ䈱㔚᳇ㅢାᯏེ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮䈠䈱ઁᑪ⸳
ᡷቯ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ㄘᬺ↪ᯏ᪾
ൻቇᯏ᪾
ਅᣇ 䊎䊂䉥ᯏེ䇮䉺䊷䊎䊮䇮䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱৻⥸↥ᬺᯏ᪾෸䈶ⵝ⟎
䈠䈱ઁ䈱⵾ㅧᎿᬺ⵾ຠ
䋨㪉㪇㪈㪉ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮ᑪ⸳䊶㋶ጊᯏ᪾䇮䊗䉟䊤
ᡷቯ ㄘᬺ↪ᯏ᪾䇮䈠䈱ઁᑪ⸳
ਅᣇ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮㊄ဳ䇮ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸䈶⴫␜ⵝ⟎
ᡷቯ ౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱㒝ዻⵝ⟎
䈠䈱ઁ䈱㔚᳇ㅢାᯏེ
䇭䋨ᵈ䋩
਄ᣇ ൻቇᯏ᪾䇮㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎
ᡷቯ ౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱ઃዻⵝ⟎
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮㔚᳇ᾖ᣿ౕེ
ਅᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ 㔚ሶ⸘▚ᯏᧄ૕䋨㒰䊌䉸䉮䊮䋩
ㆇ៝ᯏ᪾䇮ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
11.1Q
2
਄ᣇ ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾
ᡷቯ ౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱ઃዻⵝ⟎
䊘䊮䊒෸䈶࿶❗ᯏ䇮ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
ਅᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮ㆇ៝ᯏ᪾
ᡷቯ ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
㔚ሶ⸘▚ᯏᧄ૕䋨㒰䊌䉸䉮䊮䋩
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾䇮䊘䊮䊒෸䈶࿶❗ᯏ
ᡷቯ ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱ઃዻⵝ⟎
ਅᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ䇮ㆇ៝ᯏ᪾
ᡷቯ ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ૑ቛ䇮ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾
ᡷቯ 㐿㐽೙ᓮⵝ⟎෸䈶㈩㔚⋚
ਸ਼↪ゞ䇮䊘䊮䊒෸䈶࿶❗ᯏ
ਅᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ ㆇ៝ᯏ᪾䇮ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
ਅᣇ 㕖ᧁㅧ૑ቛ䇮ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾䇮㔚ሶ⸘▚ᯏᧄ૕䋨㒰䊌䉸䉮䊮䋩
ᡷቯ 㐿㐽೙ᓮⵝ⟎෸䈶㈩㔚⋚
ಽᨆེ䊶⹜㛎ᯏ䊶⸘㊂ེ䊶᷹ቯེ
ਅᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ ㆇ៝ᯏ᪾䇮䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ή✢㔚᳇ㅢାᯏེ䋨㒰䈒៤Ꮺ㔚⹤ᯏ䋩
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
ਅᣇ ᧁㅧ૑ቛ䇮㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ ൻቇᯏ᪾䇮㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎
ಽᨆེ䊶⹜㛎ᯏ䊶⸘㊂ེ䊶᷹ቯེ
ਅᣇ ᦭✢㔚᳇ㅢାᯏེ䇮䈠䈱ઁ䈱⵾ㅧᎿᬺ⵾ຠ
ᡷቯ ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
䈠䈱ઁ䈱㔚᳇ㅢାᯏེ䇮䊎䊂䉥ᯏེ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
ਅᣇ ᧁㅧ૑ቛ䇮㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ 㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾
䈠䈱ઁ䈱ኻ੐ᬺᚲ䉰䊷䊎䉴
ਅᣇ 䈠䈱ઁ䈱⵾ㅧᎿᬺ⵾ຠ䇮䊎䊂䉥ᯏེ
ᡷቯ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮㔚ሶ⸘▚ᯏᧄ૕䋨㒰䊌䉸䉮䊮䋩
ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸䈶⴫␜ⵝ⟎
䋨㪉㪇㪈㪉ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
ਅᣇ ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䋨㪉㪇㪈㪉ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 䈠䈱ઁᑪ⸳䇮㕖ᧁㅧ㕖૑ቛ
ᡷቯ ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
㔚ሶᔕ↪ⵝ⟎䇮ൻቇᯏ᪾
ਅᣇ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸䈶⴫␜ⵝ⟎
ᡷቯ ౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱㒝ዻⵝ⟎
㔚ሶ⸘▚ᯏᧄ૕䋨㒰䊌䉸䉮䊮䋩
਄ᣇ 㕖ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
ਅᣇ ᧁㅧ૑ቛ
ᡷቯ
䉝䊮䉻䊷䊤䉟䊮䈲䇮㪚㪞㪧㪠ᐔᚑ㪉㪉ᐕၮḰᡷቯ䈪ᣂⷙ䈮⸳ቯ䈚䈢ຠ⋡䉕೑↪䈚䈩૞ᚑ䋨ᛩ౉䉮䉴䊃ဳ䈪૞ᚑ䈜䉎ᑪ⸳䊂䊐䊧䊷䉺䊷䈮⹥ᒰ䈜䉎ຠ⋡䉕฽䉃䋩䇯
- 31 -
3
4
12.1Q
2
図表 12:CGPI 平成 22 年基準改定前後の比較②
ャ಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
92
ャ౉䊂䊐䊧䊷䉺䊷
(2005ᐕ䋽100)
115
90
(2005ᐕ䋽100)
97
(2005ᐕ䋽100)
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
96
110
88
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
95
86
105
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
84
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
80
94
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
100
82
93
95
10.1Q
2
䋨ෳ⠨䋩ኅ⸘ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴䊂䊐䊧䊷䉺䊷
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
10
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴ QE
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
1
6
-1
4
-2
2
-3
0
-4
-2
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
10.1Q
2
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
0
2
2
3
4
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮䉄䈦䈐㍑᧚
ᡷቯ ⥄േゞ↪ౝΆᯏ㑐䊶หㇱຠ
㊄ዻᎿ૞ᯏ᪾䇮ൻቇᯏ᪾
ਅᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮⥄േゞㇱຠ
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱㔚ሶㇱຠ䇮䉺䊷䊎䊮
࿁ォ㔚᳇ᯏ᪾
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮㊄ዻᎿ૞ᯏ᪾
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱੐ോ↪ᯏ᪾䇮ൻቇᯏ᪾
⥄േゞ↪ౝΆᯏ㑐䊶หㇱຠ
ਅᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮䉺䊷䊎䊮
ᡷቯ ᧼䉧䊤䉴䊶቟ో䉧䊤䉴䇮ඨዉ૕⵾ㅧⵝ⟎
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮㔚᳇⸘ེ᷹
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱੐ോ↪ᯏ᪾䇮㌃
りㄝ⚦⽻ຠ
ਅᣇ ᧼䉧䊤䉴䊶቟ో䉧䊤䉴䇮㓸Ⓧ࿁〝
ᡷቯ 䉺䊷䊎䊮䇮䈠䈱ઁ䈱䉧䊤䉴⵾ຠ
䊒䊤䉴䉼䉾䉪⵾ຠ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮䈠䈱ઁ䈱੐ോ↪ᯏ᪾
ᡷቯ ᑪ⸳䊶㋶ጊᯏ᪾
䈠䈱ઁ䈱㕖㋕㊄ዻ࿾㊄
ਅᣇ ᧼䉧䊤䉴䊶቟ో䉧䊤䉴䇮㓸Ⓧ࿁〝
ᡷቯ 䊒䊤䉴䉼䉾䉪⵾ຠ
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮䉺䊷䊎䊮
䋨㪉㪇㪈㪉ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮䉄䈦䈐㍑᧚䇮಄㑆઀਄㍑᧚
ᡷቯ ඨዉ૕⵾ㅧⵝ⟎
䈠䈱ઁ䈱੐ോ↪ᯏ᪾
ਅᣇ ᧼䉧䊤䉴䊶቟ో䉧䊤䉴䇮㓸Ⓧ࿁〝
ᡷቯ 䊒䊤䉴䉼䉾䉪⵾ຠ
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮䈠䈱ઁ䈱䉧䊤䉴⵾ຠ
3
4
12.1Q
2
-2
2
3
4
11.1Q
2
3
4
12.1Q
2
10.1Q
2
3
4
䊶ਥ䈭೨ᐕᲧነਈᐲຠ⋡
ਅᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮䈠䈱ઁ䈱㔚ሶㇱຠ
ᡷቯ ࿁ォ㔚᳇ᯏ᪾䇮วᚑ᮸⢽
౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱ઃዻⵝ⟎
2
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
10.1Q
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮䉄䈦䈐㍑᧚䇮㔚᳇⸘ེ᷹
ᡷቯ ൻቇᯏ᪾䇮㍑▤
12.1Q
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
䊶ਥ䈭೨ᐕᲧነਈᐲຠ⋡
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
4
ᐔᚑ24ᐕ1-3᦬ᦼੑᰴQE
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ਸ਼↪ゞ䇮ᾲ㑆࿶ᑧ㍑᧚䇮䉄䈦䈐㍑᧚
ᡷቯ ⢽⢌ᣖਛ㑆‛
䈠䈱ઁ䈱శቇᯏ᪾
ਅᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮࿁ォ㔚᳇ᯏ᪾
ᡷቯ ౉಴ജⵝ⟎෸䈶䈠䈱ઁ䈱ઃዻⵝ⟎
⥄േゞㇱຠ䇮Ⅳᑼਛ㑆‛
3
-1
䊶ਥ䈭೨ᐕᲧነਈᐲຠ⋡
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
2
ᐔᚑ24ᐕ4-6᦬ᦼ৻ᰴQE
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ⢽⢌ᣖਛ㑆‛䇮㌃䇮䉳䉢䉾䊃Άᢱᴤ
ᡷቯ ᾲ㑆࿶ᑧ㍑᧚
⍹ᴤൻቇၮ␆⵾ຠ
ਅᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮಄㑆઀਄㍑᧚䇮䉄䈦䈐㍑᧚
ᡷቯ 䊒䊤䉴䉼䉾䉪⵾ຠ
䈠䈱ઁ䈱㕖㋕㊄ዻ࿾㊄
11.1Q
(೨ᐕᲧ䇮䋦)
8
0
10.1Q
92
10.1Q
2
਄ᣇ 䈠䈱ઁ䈱㕖㋕㊄ዻ࿾㊄䇮䉝䊦䊚䊆䉡䊛䋨฽ౣ↢䋩
ᡷቯ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴䇮᳃↢↪䉣䉝䉮䊮䊂䉞䉲䊢䊅
ਅᣇ ⢽⢌ᣖਛ㑆‛䇮⍹὇䇮❱‛⵾⴩᦯
ᡷቯ 䊐䉢䊨䉝䊨䉟
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
11.1Q
2
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ㊄ዻ㋶‛䇮㪙㊀ᴤ䊶㪚㊀ᴤ䇮㤈㘃
ᡷቯ ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
ᶧൻ⍹ᴤ䉧䉴
ਅᣇ ⍹὇䇮㔚✢䊶䉬䊷䊑䊦䇮❱‛⵾⴩᦯
ᡷቯ ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪇ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮㊄ዻ㋶‛䇮㪙㊀ᴤ䊶㪚㊀ᴤ
ᡷቯ ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
⡺ടᎿຠ
ਅᣇ ⍹὇䇮䈢䈳䈖䇮ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴
ᡷቯ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮㪙㊀ᴤ䊶㪚㊀ᴤ䇮⡺ടᎿຠ
ᡷቯ 䈠䈱ઁ䈱㕖㋕㊄ዻ࿾㊄
วᚑ᮸⢽
ਅᣇ ⍹὇䇮䈢䈳䈖䇮ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴
ᡷቯ Ⅳᑼਛ㑆‛
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪋㪄㪍᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㪙㊀ᴤ䊶㪚㊀ᴤ䇮㓸Ⓧ࿁〝䇮⡺ടᎿຠ
ᡷቯ 㕖㋕㊄ዻድ
Ⴎ䊶ᐓ䊶䈒䉖⵾ຠ
ਅᣇ 䈢䈳䈖䇮䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ᡷቯ Ⅳᑼਛ㑆‛
ක≮↪ᯏ᪾ౕེ䇮ㄘ↥଻ሽ㘩ຠ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪎㪄㪐᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮⍹὇䇮Ⴎ䊶ᐓ䊶䈒䉖⵾ຠ
ᡷቯ 䉝䊦䊚䊆䉡䊛䋨฽ౣ↢䋩
䈠䈱ઁ䈱㕖㋕㊄ዻ࿾㊄
ਅᣇ 䈢䈳䈖䇮䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ᡷቯ ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴䇮ㄘ↥଻ሽ㘩ຠ
ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪈ᐕ㪈㪇㪄㪈㪉᦬ᦼ䋩
਄ᣇ 㓸Ⓧ࿁〝䇮Ⴎ䊶ᐓ䊶䈒䉖⵾ຠ
ᡷቯ ⢽⢌ᣖਛ㑆‛䇮⍹὇
䉝䊦䊚䊆䉡䊛䋨฽ౣ↢䋩
ਅᣇ ㄘ↥଻ሽ㘩ຠ䇮䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
ᡷቯ ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴䇮ක≮↪ᯏ᪾ౕེ
ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸䈶⴫␜ⵝ⟎
䋨㪉㪇㪈㪉ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
䋨㪉㪇㪈㪉ᐕ㪈㪄㪊᦬ᦼ䋩
਄ᣇ ක≮↪ᯏ᪾ౕེ䇮ᶧൻ⍹ᴤ䉧䉴
ᡷቯ ⢽⢌ᣖਛ㑆‛䇮㓸Ⓧ࿁〝
Ⴎ䊶ᐓ䊶䈒䉖⵾ຠ
ਅᣇ 䈠䈱ઁ䈱㕖㋕㊄ዻ࿾㊄䇮ㄘ↥଻ሽ㘩ຠ
ᡷቯ 䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺䇮ේᴤ䊶ᄤὼ䉧䉴
ᄖㇱ⸥ᙘⵝ⟎෸䈶⴫␜ⵝ⟎
- 32 -
਄ᣇ
ᡷቯ
㵪
ਅᣇ
ᡷቯ
㵪
製品の見直し(CGPI における
「鉄骨」
、
「橋りょう」
の新規
品目設定)の影響が大きい(図表 13。前節「a. オーダ
27
一方、輸出デフレーターについては、前年比をみると、
2011 年 1Q、2Q が下方改定されたが、同年 3Q、4Q は
ーメード財(建設用金属製品)見直しの影響」参照) 。
上方改定されている。これを品目別にみると、乗用車が
全体的な水準の下方改定は、タービン(新規品目設定)
、
上方改定された一方、「集積回路」、
「板ガラス・安全ガ
パーソナルコンピュータ(輸入財の価格下落の影響。固
ラス」が下方改定されている。このうち、
「乗用車」では、
定資本形成デフレーターで輸入財のウエイトが相応に占
CGPI 基準改定に伴う輸出先構成の見直し(新興国向け
める品目)などが寄与している(図表 14)
。
の調査比率の引き上げ)が上方改定に寄与している。一
図表 13:建設用金属製品(コモ 6 桁品目)の価格指数
ᜰᢙ᳓Ḱ䋨྾ඨᦼ䋩
115
೨ᐕᲧ䋨྾ඨᦼ䋩
䋨2010ᐕ1Q䋽100䋩
15
䋨೨ᐕᲧ䇮䋦䋩
CGPIᐔᚑ22ᐕၮḰᡷቯ෻ᤋᓟ
110
10
CGPIᐔᚑ22ᐕၮḰᡷቯ෻ᤋ೨
105
5
100
95
0
90
CGPIᐔᚑ22ᐕၮḰᡷቯ෻ᤋᓟ
85
-5
CGPIᐔᚑ22ᐕၮḰᡷቯ෻ᤋ೨
80
-10
1Q
2
3
2010
4
1
2
3
2011
4
1
2012
1Q
2
3
2010
4
1
2
3
2011
4
1
2012
図表 14:固定資本形成デフレーター関連:下方改定品目(見出しはコモ 6 桁品目名 )
䊌䊷䉸䊅䊦䉮䊮䊏䊠䊷䉺
䉺䊷䊎䊮
105
䋨2010ᐕ1Q䋽100䋩
110
䋨౞䊔䊷䉴䇯2010ᐕ1Q䋽100䋩
100
100
95
90
90
80
85
70
䉰䊷䊋䋨IPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI䋩
60
䊉䊷䊃䊑䉾䉪ဳ䋨IPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI䋩
80
䉺䊷䊎䊮䋨࿖ౝCGPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI䋩
75
䊂䉴䉪䊃䉾䊒ဳ䋨IPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI䋩
50
ේേᯏ䊶หㇱຠ䋨࿖ౝCGPI䋺ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI䋩
㔚ሶ⸘▚ᯏᧄ૕䋨IPI䋺ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI䋩
40
70
1Q
2
3
2010
4
1
2
3
2011
4
1Q
1
2012
2
3
2010
4
1
2
3
2011
4
1
2012
27
「企業物価指数・2010 年基準改定結果」
(2012 年 7 月、日本銀行調査統計局)によると、
『品目指数をみると、
「鉄骨」は、震災後に一
時中断されていた首都圏での大型開発案件の再開などから、また「橋りょう」は、関係官庁が価格積算時に使用する労務単価見積もり
の上昇などから、それぞれ 2011 年後半以降、上昇』としている。
- 33 -
方、「板ガラス・安全ガラス」では、価格下落が目立つ
製品」
、
「その他の有機化学工業製品」では「医薬品中間
先端部材(「ガラス基板・カバーガラス」
)の取り込みに
物」といった新規品目設定により、平成 17 年基準 CGPI
28
よりも下方改定され、市況商品の価格変動の影響による
輸入デフレーターについては、品目によって上方改定、
振れが小さくなっている(図表 17)。QE で公表してい
。
よる下方改定が寄与している (図表 15)
下方改定の両方の動きがみられ、全体では若干の下方改
る支出側の需要項目別デフレーターには多くは最終需要
定となった。新規品目では、
「たばこ」が下方改定に、
「肉
財の物価指数が対応するため、輸出入デフレーターを除
29
加工品」が上方改定に寄与している(図表 16) 。
いて、これら中間財が支出面から推計される GDP デフ
なお、今回の CGPI 基準改定では、先端部材など中間
レーターに与える影響は限定的に止まっている。一方で、
財において新規品目の採用が目立っている。具体的には、 中間投入デフレーター等を通じて経済活動別(生産側)
「その他の無機化学工業製品」の「電池用無機化学工業
デフレーターには影響を及ぼしているとみられる 30。
図表 15:輸出デフレーター関連:改定品目(見出しは EPI 商品群名)
ਸ਼↪ゞ
䉧䊤䉴䊶ห⵾ຠ
㓸Ⓧ࿁〝
䋨౞䊔䊷䉴䇯2010ᐕ1Q䋽100䋩
䋨౞䊔䊷䉴䇯2010ᐕ1Q䋽100䋩
䋨౞䊔䊷䉴䇯2010ᐕ1Q䋽100䋩
105
115
100
110
95
105
90
100
90
85
95
85
80
90
105
100
95
80
75
75
EPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
EPI䋺ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI
85
EPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
70
EPI䋺ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI
65
60
70
1Q 2 3
2010
4
1
2 3
2011
4 1
2012
80
EPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
75
EPI䋺ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI
70
1Q 2
3 4
2010
1
2 3
2011
4 1
2012
1Q 2
3 4
2010
1
2 3
2011
4 1
2012
28
詳細は、「企業物価指数・2010 年基準改定結果」(2012 年 7 月、日本銀行調査統計局)を参照。
(図表 12)にみられる通り、脂肪族中間物などの化学製品で前年比の改定に寄与しているが、これは「医薬品中間物」の新規品目設定
の影響が大きい。
30
中間財は、産出デフレーター、中間投入デフレーターともに反映されるため、産出デフレーターと中間投入デフレーターのダブルデフ
レーションで算出される付加価値ベース(全体)のデフレーターの影響は相殺される。ただし、同じ部門内で投入されず他部門の経済
活動に投入される場合は、その中間投入デフレーターの変動が経済活動別には付加価値ベースのデフレーターに影響を及ぼす。
29
- 34 -
図表 16:輸入デフレーター関連:改定品目
(IPI 新規品目)
(見出しはコモ 6 桁品目名。点線は従来利用していた価格指数)
䈢䈳䈖
⡺ടᎿຠ
䋨౞䊔䊷䉴䇯2010ᐕ1Q䋽100䋩
䋨౞䊔䊷䉴䇯2010ᐕ1Q䋽100䋩
120
150
140
110
130
120
100
110
100
90
90
IPI䇸㢚⡺⺞⵾ຠ䇹䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
IPI䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
80
⾏ᤃ⛔⸘䋨䇸䉸䊷䉶䊷䉳╬䇹නଔᜰᢙ䋩
ャ౉ຠ䋺ᐔᚑ22ᐕၮḰCPI
80
70
1Q
2
3
2010
4
1
2
3
2011
4
1Q
1
2012
2
3
2010
4
1
2
2011
3
4
1
2012
図表 17:CGPI 新規品目設定の影響(国内化学製品。見出しは CGPI の上位分類名)
― CGPIᐔᚑ22ᐕၮḰᡷቯᓟ䈲䇮࿖ౝCGPI䇸㔚ᳰ↪ήᯏൻቇᎿᬺ⵾ຠ䇹╬䈏䉮䊝8ᩴຠ⋡䇸䈠䈱ઁ䈱ήᯏൻቇᎿᬺ⵾ຠ䇹䋨࿖ౝ
CGPI䈫ห䈛ฬ⒓䋩䈮ኻᔕ䇯࿖ౝCGPI䇸ක⮎ຠਛ㑆‛䇹╬䈏䉮䊝8ᩴຠ⋡䇸䈠䈱ઁ䈱Ⅳᑼਛ㑆‛䇹䇮䇸䈠䈱ઁ䈱⢽⢌ᣖ♽ਛ㑆‛䇹䈭䈬䈮
ኻᔕ䈜䉎䈖䈫䈫䈭䈦䈢䋨䇸ක⮎ຠਛ㑆‛䇹䈱ຠ⋡▸࿐䈲䉮䊝8ᩴຠ⋡䉋䉍ᐢ䈇䋩䇯
䈠䈱ઁ䈱ήᯏൻቇᎿᬺ⵾ຠ
125
䈠䈱ઁ䈱᦭ᯏൻቇᎿᬺ⵾ຠ
䋨2010ᐕ1Q䋽100䋩
120
120
ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
115
ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI
䋨2010ᐕ1Q䋽100䋩
ᐔᚑ22ᐕၮḰCGPI
115
ᐔᚑ17ᐕၮḰCGPI
110
110
105
105
100
100
95
95
90
90
1Q
2
3
2010
4
1
2
3
2011
4
1
2012
1Q
2
3
2010
- 35 -
4
1
2
2011
3
4
1
2012
といった品目や、一見異なる商品と思われる品目に分類
5.おわりに
されている場合が少なくない。この結果、コモ 8 桁品目
と CGPI の対応関係について、名称などからは判断が難
本稿では、平成 17 年基準改定等における GDP デフレ
しい場合がある。こうした財については、商品の生産規
ーター推計方法の見直しとその計数面への影響について、
模拡大と連動して、価格の下落テンポが大きいケースも
詳細にみてきた。GDP デフレーター推計には、
『企業物
少なくないと考えられる。また、「その他の~」に対応
価指数(CGPI)』など一次統計の作成と協調して、概念
するコモ 8 桁品目については名目金額が大きい品目が多
の整合性を確保しつつ品目ごとの丁寧な作りこみ作業が
いことから、実質化の精度を高めるとの観点からは、そ
必要とされる。今般の内閣府経済社会総合研究所と日本
の取り扱いは重要である。「その他の~」をより適切に
銀行調査統計局の共同研究により、コモ 8 桁品目と物価
実質化するためには、①『工業統計調査』における品目
指数との対応関係の精緻化を通じて、デフレーター推計
コードの見直し(細分化)、② CGPI など物価指数にお
の精度向上を図ることができたと考えられる。これは、
ける「その他~」に対応する品目の新規採用、各々が望
『基本計画』、『工程表』にかかげられている【デフレー
まれるが、「その他~」の具体的な内容についての確認
ター推計についての見直し】に対応したものである。ま
が難しい場合が多く、各々の実現に向けて、ハードルは
た、
『基本計画』や『工程表』では、SNA にかかわる数々
低くない。
の課題がかかげられ、統計拡充や推計精度向上が進めら
第 2 に、SNA にかかわる統計間の統一した商品分類
れている。精度の高い実質値推計にも必要なデフレータ
の作成である。例えば、本文で述べたように、基本単位
ー推計の見直し、精度向上については、こうした動きに
デフレーターの作成においては、
国内品部分(生産系統)
あわせて、さらには経済構造等の変化に対応するかたち
と輸出品部分(輸出系統)を別々に作成している。この
で不断の取り組みが必要である。今般の共同研究では、
ため、国内品の金額規模を正確に把握することや、国内
コモ 8 桁品目と物価指数との対応関係でみた改善の取り
品と輸出品の対応がわかりやすいことが望まれる。しか
組みを紹介したが、ここでは、この点について筆者たち
し、現在は、統一的な商品分類がないため、実務的には、
が考える、なお残された課題を挙げて結びとしたい。
各種統計の商品分類コードについて、一つずつ内容を確
その課題は、統計上の商品分類に関するもので、以下
の二つが挙げられる。
認し、対応付けていくという地道な作業を実施せざるを
得ないうえ、その対応付けの判断も難しいケースがみら
第 1 に、
『工業統計調査』や『日本標準産業分類』な
れる。このように、統計作成の実務効率化や、対応関係
どにおける「その他の~」といった品目についての内容
の判断を容易にするために、また、商品の生産規模を正
把握および新規品目の作成である。前述したように、コ
確に把握するためにも、統計分類を改善していくことが
モ 8 桁品目の財部分は、
『工業統計調査』(品目編)にお
望ましい。
ける 6 桁品目に対応している。しかし、近年生産規模が
以上の課題への取り組みには、引き続き各統計作成機
拡大している先端部材などの商品については、『工業統
関の間の情報共有や意見交換などによる連携が一層重要
計調査』における品目コード改定にラグが生じやすいこ
と考えられる。
とから、直接対応する 6 桁品目が存在せず、
「その他の~」
- 36 -
(コラム1)
企業物価指数(CGPI)
、企業向けサービス価格指数(CSPI)
の沿革、目的・機能、分類編成について 31
1. 企業物価指数(CGPI)
企業物価指数(CGPI)は、前身である 1887 年 1 月基準「東京卸売物価指数」の公表を 1897 年に開始し
て以来、116 年の歴史がある統計である。これまで基準改定ごとに、産業・貿易構造の変化に対応して新規
品目を積み増し、同時に、指数体系や分類編成の整備・拡充を進めてきている。その沿革を簡潔に述べると、
1952 年基準では統計名称を「卸売物価指数」(WPI)に改称、1980 年基準では「国内卸売物価指数」「輸出
物価指数」
「輸入物価指数」
「総合卸売物価指数」から成る指数体系に変更、2000 年基準では生産者段階で
の調査が大宗を占めている状況を踏まえ統計名称を「企業物価指数」(CGPI)に改称の上、
「国内企業物価
指数(国内 CGPI)
」
「輸出物価指数(EPI)
」「輸入物価指数(IPI)
」からなる指数体系に変更し、現在に至っ
ている。
企業物価指数の目的・機能としては、企業が取引(生産、輸出入)する財の需給動向を把握し、景気動向
ひいては金融政策を判断するための情報を提供することのほか、デフレーターや企業間の値決めの参考指標
と用いられることがあげられる。このうち、デフレーター機能については、統計法改正を背景に、今般実施
された 2010 年(平成 22 年)基準改定の重点テーマとしてより一層の機能強化に取り組んだ。
具体的には、本節で紹介したコモ 8 桁品目と対応する新規品目の採用のほかに、①「価格調査における調
査段階・調査時点の統一」
、②「他の公的統計と整合的な品目分類編成の作成」などがあげられる。
①では、デフレーターの対象となる生産額(輸出額、輸入額)の調査段階・調査時点にあわせるよう、国
内企業物価指数では「生産者段階における出荷時点の価格」
、「輸出物価指数・輸入物価指数では通関段階に
おける船積み・荷降ろし時点の価格」を、原則として調査するよう基準を統一したものである。
②について、国内企業物価指数の分類編成を例として説明する。国内企業物価指数は、
「総平均」
「大類別」
「類別」「小類別」
「商品群」および「品目」の 6 段階で構成している。
これまでも、『日本標準産業分類』や『工業統計調査』等を参考に、商品の属性に応じ分類を編成してい
たが、2010 年基準では、「大類別」は『日本標準産業分類』大分類に、「類別」は『日本標準産業分類』中
分類に、「品目」は『工業統計調査』(品目編)6 桁品目に原則対応することを明確にした 32。特に「品目」
については、対応する『工業統計調査』6 桁品目の範囲を調査の対象範囲とし 33、ほぼ全品目にわたり、調
査価格構成の適正化を図った 34。
31
詳細は、「2010 年基準企業物価指数の解説」(日本銀行調査統計局)、「2005 年基準企業向けサービス価格指数(CSPI)の解説」(同)を
参照。
32
輸出物価指数・輸入物価指数は「総平均」「類別」
「小類別」「商品群」「品目」の 5 段階で構成。輸出物価指数・輸入物価指数の「類別」
は貿易統計の新聞発表資料掲載品目を参考に編成しているが、
「小類別」
「商品群」
「品目」の分類編成・対象範囲は、国内企業物価指
数の分類編成・対象範囲に対応するよう作成している。
33
品目と『工業統計調査』6 桁品目の対応については、日本銀行「品目-工業統計調査・貿易統計コード対応表」参照。
34
「小類別」「商品群」については、従来どおり、商品の属性や価格動向を鑑みつつ、『日本標準産業分類』小分類・細分類や『工業統計
調査』4 桁品目を参考に編成している。また、企業物価指数の非工業製品については、
『工業統計調査』
(品目編)との対応関係がなく、
『日
本標準産業分類』や『産業連関表』に準拠し、分類を編成している。
- 37 -
図表 18:国内企業物価指数の分類編成
‫ޣ‬ᄢ㘃೎‫ޤ‬
(5)
‫ޣ‬㘃೎‫ޤ‬
(23)
‫ޣ‬ዊ㘃೎‫ޤ‬
(93)
‫ޣ‬໡ຠ⟲‫ޤ‬
(241)
‫ޣ‬ຠ⋡‫ޤ‬
(822)
ዊ㤈☳
☳㘃
ടᎿේᢱ㘩ຠ
㘩ᢱຠ࡮㘶ᢱ࡮
ߚ߫ߎ࡮㘺ᢱ
Ꮏᬺ⵾ຠ
✚
ߘߩઁᎿᬺ⵾ຠ
ᐔ
ဋ
ࠬࠢ࡜࠶ࡊ㘃 ֣
ࠬࠢ࡜࠶ࡊ㘃
ฎ⚕
֣
ฎ⚕
֣
ฎ⚕
ᵈ㧦
‫ޔߪޓ‬ᐕၮḰ࿖ౝડᬺ‛ଔᜰᢙߩฦಽ㘃ߦ߅ߌࠆ㗄⋡ᢙ‫ޕ‬
2. 企業向けサービス価格指数(CSPI)
企業向けサービス価格指数(CSPI)は、企業間で取引されるサービスの価格を調査対象とし、1991 年 1
月に 1985 年基準指数の公表を開始した統計である。
企業物価指数と同様、これまで基準改定ごとに、新規品目を積み増し、指数体系や分類編成の整備・拡充
を進めてきている。また、目的・機能についても、企業物価指数と同様であり、そのうちデフレーター機能
については、前述の制度面での変化等に対応するべく、現行 2005 年(平成 17 年)基準改定(2009 年 10 月
公表)において、新規品目の採用を実施した 35。
企業向けサービス価格指数は、
「総平均」
「大類別」
「類別」
「小類別」
「品目」の 5 段階で構成している。「類
別」は『産業連関表』統合中分類・小分類を、
「小類別」は『産業連関表』基本分類を、
「品目」は『産業連
関表』部門別品目別国内生産額表や他の公的統計、業界統計を参考に、編成している。
図表 19:企業向けサービス価格指数の分類編成
‫ޣ‬ᄢ㘃೎‫ޤ‬
‫ޣ‬㘃೎‫ޤ‬
‫ޣ‬ዊ㘃೎‫ޤ‬
ຠ⋡
(7)
(20)
(49)
(137)
ౝ࿖ὑᦧᚻᢙᢱ
㊄‫Ⲣޓ‬
֣
㊄Ⲣᚻᢙᢱ
㊄Ⲣ࡮଻㒾
✚
଻‫ޓ‬㒾
ᐔ
ဋ
ਅ᳓㆏࡮ᑄ᫈‛ಣℂ
⻉ࠨ࡯ࡆࠬ
ߘߩઁ⻉ࠨ࡯ࡆࠬ
ᵞ‫ޓ‬ữ
࡝ࡀࡦࠨࡊ࡜ࠗ
ᵈ㧦
‫ޔߪޓ‬ᐕၮḰᜰᢙߩฦಽ㘃ߦ߅ߌࠆ㗄⋡ᢙ‫ޕ‬
35
なお、サービスの場合、財と異なり、一般的に卸売段階は存在しない。また、生産と消費は同時性をもつ。このため、企業向けサービ
ス価格指数の調査段階、調査時点は、国内企業物価指数と同様(生産者段階の出荷時点)となる。
- 38 -
(コラム2)
企業物価指数(CGPI)
、企業向けサービス価格指数(CSPI)
の対象範囲とウエイト算定ルール
日本銀行作成の企業物価指数(CGPI)
、企業向けサービス価格指数(CSPI)において、実際に価格調査の
対象としているのは、品目として採用している商品である。採用品目は、原則として、一定以上の取引金額
があり、継続的な価格調査が可能なことを重視して、選定している。調査対象範囲のうち、品目として採用
していない商品については、その商品の属性や市場における価格動向などを鑑みて、非採用商品と対象外商
品の 2 種類に分類している。
非採用商品とは、価格の継続調査が困難などの理由により品目として採用できなかった商品のうち、属性
や価格動向からみて採用品目(または品目の集計指数である上位分類指数)の価格動向で代用しうると判断
される商品である。非採用商品については、商品ごとにどの商品または上位分類の価格動向で代用できるか
を決定している。また、総平均指数等の計算に利用する品目ごとのウエイト算定においても、非採用商品の
取引額は、代用する商品または上位分類の取引額に含め、算定を実施している。
一方、対象外商品とは、属性や価格動向の類似する採用品目または上位分類が見当たらない商品であり、
企業物価指数、企業向けサービス価格指数の対象範囲から除外している。例えば、対象外商品としては、企
業物価指数では土地、建物、武器、弾薬などが、企業向けサービス価格指数では帰属利子、医療などがあげ
られる。対象外商品の取引額は、ウエイト算定において、範囲に含めない扱いとしている。
図表 20:企業物価指数、企業向けサービス価格指数の対象範囲とウエイトとの関係
ડᬺ㑆ߢขᒁߐࠇߥ޿໡ຠ
ડᬺ㑆ߢขᒁߐࠇࠆ໡ຠ
ડᬺ‛ଔᜰᢙ‫ޔ‬ડᬺะߌࠨ࡯ࡆࠬଔᩰᜰᢙߩኻ⽎▸࿐
໡ຠߣ
‛ଔᜰᢙߩኻ⽎▸࿐࡮
⺞ᩏߣߩ㑐ଥ
⺞ᩏߩኻ⽎▸࿐ߦ฽߼ࠆ໡ຠ
ታ㓙ߦ
⺞ᩏߔࠆ໡ຠ
⺞ᩏߪߒߥ޿߇
ណ↪໡ຠߩଔᩰേะߢ
ઍ↪น⢻ߥ໡ຠ
⺞ᩏߪߒߥ޿߇
ណ↪໡ຠߩଔᩰേะߢ
ઍ↪ਇน⢻ߥ໡ຠ
ណ↪໡ຠ
㕖ណ↪໡ຠ
ኻ⽎ᄖ໡ຠ
࠙ࠛࠗ࠻▚ቯߩኻ⽎▸࿐
㧔ଔᩰേะࠍઍ↪ߔࠆ໡ຠ
ߩขᒁ㗵ߣߒߡ▚ቯ㧕
࠙ࠛࠗ࠻▚ቯߩ
ኻ⽎▸࿐ߦ฽߼ߥ޿
ડᬺ‛ଔᜰᢙ‫ޔ‬ડᬺะߌ
ࠨ࡯ࡆࠬଔᩰᜰᢙ
ߦ߅ߌࠆ᭎ᔨ
࠙ࠛࠗ࠻▚ቯ਄
ߩ⠨߃ᣇ
࠙ࠛࠗ࠻▚ቯߩኻ⽎▸࿐
ઁߩ‛ଔᜰᢙߩኻ⽎▸࿐
⺞ᩏߩኻ⽎▸࿐ߦ
฽߼ߥ޿໡ຠ
日本銀行調査統計局(2009)「2005 年基準企業向けサービス
参考文献
価格指数(CSPI)の解説」
内閣府経済社会総合研究所(2012)「推計手法解説書(年次
日本銀行調査統計局(2012)「企業物価指数・2010 年基準改
推計編)」
(平成 17 年基準版)
内閣府経済社会総合研究所(2012)「推計手法解説書(四半
期別 GDP 速報(QE)編)」(平成 17 年基準版)
日本銀行調査統計局(2012)「2010 年基準企業物価指数の解
説」
- 39 -
定結果」
季節調整法に関する最近の動向:X-12-ARIMA から X-13ARIMA-SEATS へ
野村證券金融経済研究所経済調査部エコノミスト
(元内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課政策調査員)
野木森 稔 1
レベルシフト(Temporary level shift)
要約
2-2-2.制約付きストック曜日要因回帰変数
(Constrained Stock Trading Day Regressors)
2012 年、
米国センサス局が独自に作成、
配布を行ってい
【補論:Genhol について】
る季節調整プログラムを X-12-ARIMA から X-13ARIMA-
2-3.新たな検定方法など
SEATS へ更新した。X-13ARIMA-SEATS はスペイン中
2-3-1.SEATS に利用される新たな診断方法
央銀行の協力を得て米国センサス局が開発したものであ
2-3-2.spectrum スペックの追加
り、特筆すべき特徴は SEATS の導入である。SEATS を
2-3-3. ユ ー ザ ー 定 義 の 回 帰 変 数(User-defined
加えたことで、X-12-ARIMA と SEATS を両方使えるよ
holiday regression)のグループ検定
うになり、これまでできなかった両者の比較、共通の診
2-3-4.AICC 検定での lom や loq の追加
断を可能にしている。こうした季節調整法の発展は、国
2-3-5.安定した季節性の存在に関するモデルベ
民経済計算の四半期季節調整系列の推計精度をさらに高
ース F 検定
めていく可能性を持つものと考えられる。ただ一方で、
3.国民経済計算の四半期系列における X-13ARIMA-
この SEATS が導入されたことでこれまでの調整法が一
SEATS の利用
変してしまうということはないことには注意すべきであ
ろう。基本は X-12-ARIMA と変わらず、SEATS を含め
1.X-13ARIMA-SEATS への進化とその背景
いくつかの追加的な要素が加わったにすぎない。本稿で
は、X-13ARIMA-SEATS が国内ではあまり紹介されてい
1-1. X-12-ARIMA と基本は変わらない
2012 年、米国センサス局が独自に作成、配布を行っ
ないことを踏まえ、X-12-ARIMA の機能の拡張を中心に、
ている季節調整プログラムを X-12-ARIMA Version 0.3 か
その特徴について紹介する。
ら X-13ARIMA-SEATS Version 0.1( 以 下、X-13A-S) へ
目次
更新した。数多くの米国統計を取り扱う米国センサス局
内でも、X-12-ARIMA の利用から X-13A-S の利用への
1.X-13ARIMA-SEATS への進化とその背景
移行が進んでいるという。X-13A-S はスペイン中央銀行
1-1.X-12-ARIMA と基本は変わらない
の協力を得て米国センサス局が開発したものであり、ウ
1-2.他国の季節調整について - SEATS を利用する
ェブサイト 2 ではその特徴として、以下の 4 つのポイン
トが挙げられている。
国は意外に多い
2.X-13ARIMA-SEATS の詳細
2-1.X-12-ARIMA<Version 0.3> での変更点
広 範 囲 に わ た る 時 系 列 モ デ ル の 作 成、 誤 差 項 が
2-2.regARIMA における新たな回帰変数
ARIMA モデルに従う線形回帰モデルのモデル選択
2-2-1.季節性外れ値(Seasonal Outlier)と一時的
機能(regARIMA モデルの利用)
1
本稿作成に当たっては、内閣府経済社会総合研究所の豊田欣吾前国民経済計算部長(現内閣府大臣官房審議官(大臣官房・経済社会シ
ステム担当))、二村秀彦企画調査課長、木滝秀彰企画調査課課長補佐、茂呂賢吾国民支出課長、植松洋史国民支出課課長補佐、三谷将
大国民支出課課長補佐、松本雅子国民支出課研究専門職をはじめとする国民経済計算部の職員、高部勲氏(内閣府経済社会総合研究所
特別研究員)、Craig McLaren 氏(OECD、Office for National Statistics)から有益なコメントをいただいた。また、2012 年 3 月の米国セン
サス局訪問の際には、David Findley 氏、Brian Monsell 氏、Demetra Lytras 氏に季節調整に関する様々な情報を提供していただいた。本稿
を通じてお世話になった方々に感謝の意を表したい。なお、本稿の内容は筆者が属する組織の公式の見解を示すものではなく、内容に
関しての全ての責任は筆者にある。
2
http://www.census.gov/srd/www/x13as/
- 41 -
X11 のノンパラメトリック手法による調整とともに、
る 6。また欧州では Eurostat の推奨する Demetra(詳細
SEATS によるモデルベース(パラメトリック手法)
は United Nations (2012)、 高 部(2009)、Eurostat (2002)
による調整を行う機能
などを参照)という季節調整ソフトが多くの国で利用さ
オプション別の調整値における質と安定性の診断
れ て き て い た。 同 ソ フ ト は TRAMO-SEATS も X-12-
効率的に素早く多くの系列を作る機能
ARIMA が同時に利用でき、いわば X-13A-S の機能を先
取りして提供されていたと言える。欧州では Demetra の
X-13A-S の公表に当たって、特筆すべき特徴は 2 つ目
普及とともに、プログラムの容易さとスペイン中央銀行
にある SEATS(Signal Extraction in ARIMA Time Series)3 の
の活動により、SEATS を利用する国が増えていったと
導入である。SEATS は、X11 のような移動平均ではな
見られる。
く、モデルによる調整であることが大きな違いであり、
しかし、日本のように X-12-ARIMA を長期にわたっ
スペイン中央銀行の Victor Gómez 氏と Agustín Maravall
て使い続けてきた国にとって SEATS の利用はほとんど
氏によって開発された TRAMO-SEATS に含まれる季節
メリットがないと言える。Monsell(2009a) では、
「X-13A-S
調整法である(詳細は Gómez and Maravall(1997)、高部
= X-12-ARIMA + SEATS」と示され、同じインターフェ
(2009)などを参照)。ただし、これが導入されたことで
イスで X-12-ARIMA と SEATS が利用でき、共通の診断
これまでの調整法が一変してしまうということはない。
が利用できることを強調しているに過ぎない。SEATS
基本は X-12-ARIMA と変わらず、SEATS を含めいくつ
は X-12-ARIMA よりも良いパフォーマンスの季節調整
かの追加的な要素が加わったにすぎないことには注意さ
値が作成できることがあることもあるようだが、はっき
れたい。
りした優位性があるとは示してない 7。
ち な み に、 図 表 2 は フ ラ ン ス 国 立 統 計 経 済 研 究 所
1-2. 他国の季節調整法 - SEATS を利用する国は意外に
(INSEE)の Dominique Ladiray 氏が示した季節調整手法
の開発の系譜であるが、X-12-ARIMA 以外にもたくさん
多い
センサス局の X-13A-S の開発の理由には、SEATS の
の方法があることが分かる 8。移動平均法を利用した
機能や性能面の評価もあるが、いくつかの国(特に欧州
X11 は手法の一つに過ぎず、ARIMA モデルをベースと
諸国)で SEATS を利用して公的統計が作成されている
し た SEATS、 日 本 で 開 発 さ れ た BAYSEA (Akaike and
現状を意識した可能性が高い。欧州連合統計局
(Eurostat)
Ishiguro (1983)) や DECOMP ( 北川 (1997)) をはじめとし
の示すガイドライン(Eurostat (2009))では、TRAMO-
たベイズモデルや状態空間モデル等の高度な統計手法を
4
SEATS と X-12-ARIMA の二つを取り上げており、両者
主体とする方法が開発されている。ここで、「ノンパラ
に性能の優劣は考えず、どちらの利用も構わないという
メトリック(またはセミパラメトリック)」と「パラメ
考えが見て取れる 5。
トリック」という大きな枠組みが示されているが、前者
実際、図表 1 に示されるように、各国の状況を見ると、 はシンプルでユーザー自身が調整に関する設定を行いや
欧州では多くの国が SEATS を利用し、今後も SEATS の
すいが、移動平均など単純な方法が中心となるため十分
利用を続ける可能性が高い国がたくさんあることが分か
な調整ができない可能性があるという欠点を持つ。一方、
3
ちなみに、2012 年 12 月現在では、最新バージョンである SEATS+ は反映されていないとのこと。
TRAMO と SEATS についてはスペイン中央銀行のウェブサイトに詳細がある
(http://www.bde.es/bde/en/secciones/servicios/Profesionales/Programas_estadi/Notas_introduct_3638497004e2e21.html)。
5
p6:“These guidelines focus the technical framework on two approaches: TRAMO-SEATS (supported by Banco de España) and X-12-ARIMA
(supported by the Bureau of Census in the US) which are the most commonly used within the ESS. This document does not discuss their relative
merits as both can be considered equally valuable (as is reflected in their widespread use).”
6
欧州各国の統計局に関する季節調整方法の利用状況については Hungarian Central Statistical Office (2007) の中の調査結果に、2006 年時点
と少し前ではあるが、非常に詳しく示されている。United Nations (2010) の p62 によれば、アジア諸国は X-12-ARIMA を使っている国
4
が多いようである。
SEATS の理論では無限観測値の仮定をおいており、ややこの定式化は強すぎるとの指摘もある(高部(2009))。また、特に四半期デー
タを利用するときは、時系列が長期になると構造が変化する可能性も高くなるため、ある程度短い系列に X-12-ARIMA を利用する方が、
安定性が高まる場合も考えられる。
8
国友(2004)の「付録 B. 季節調整法小史」にも示されるように、日本の EPA 法や MITI 法は同じ移動平均法を利用したもので、図表 2
では X11 法と同じ系統として扱われていることになる。
7
- 42 -
オーストリア
ベルギー
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
ギリシャ
アイルランド
イタリア
ルクセンブルグ
オランダ
ポルトガル
スペイン
スウェーデン
英国
ブルガリア
キプロス
チェコ
エストニア
ハンガリー
ラトビア
リトアニア
マルタ
ポーランド
ルーマニア
スロバキア
スロベニア
クロアチア
アイスランド
ノルウェイ
スイス
トルコ
国数
32
100%
図表 1:欧州における季節調整方法の利用状況(2006 年時点)
現在利用している方法
将来利用する計画の方法
TRAMO回答数 TRAMOX11
X12
Other
X11
X12
X13
SEATS
SEATS
4
✓
✓
✓
✓
✓
1
3
8
1
1
1
2
1
1
2
2
1
1
2
1
2
1
1
1
1
1
1
1
9
1
3
1
1
1
1
31
97%
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
Dainties
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
25
78%
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
✓
BV4.1
✓
Other
✓
6
19%
16
50%
2
6%
21
66%
2
6%
8
25%
9
28%
1
3%
(注)ベルギー以外は各国の統計局が回答している。また、回答に統計局以外の研究機関が含まれ、一か国当たりで複数回答
になっているものもある。
(出所)Hungarian Central Statistical Office(2007)
後者には高度な統計的な手法を多く含むことでより精緻
際的な公的統計における季節調整方法は更なる改善に
な調整が可能となるが、自動化されることでユーザーに
向けて動き出したと見るべきであろう。こうした季節
とってブラックボックス化する傾向がより顕著になる、
調整法の発展は、国民経済計算の四半期季節調整系列
と い っ た 問 題 が あ る。 両 者 に は 一 長 一 短 が あ る が、
の推計精度をさらに高めていく可能性を持つものと考
X-13A-S の開発は、前者にあたる X11 と X-12-ARIMA、
えられる。
後者にあたる SEATS の融合という形をとっており、国
- 43 -
図表 2:手法開発のフローチャート
(出所)Hungarian Central Statistical Office(2007)
- 44 -
スペック、集計季節調整法を中心に X12A-ver0.3 の重要
2.X-13ARIMA-SEATS の詳細
な変更点の内容をつかみ、X-13A-S の解説の入り口とし
たい。
X-13A-S は X-12-ARIMA に SEATS を 加 え た こ と で、
X-12-ARIMA と SEATS を両方使えるようになり、これ
A) モデル選択における新たな自動識別手法の導入
までできなかった両者の比較、共通の診断を可能にして
X12A-ver0.3 での ARIMA モデルの自動選択プロシジ
いる。SEATS については、高部(2009)などの非常に
ャ に は、TRAMO (Time Series Regression with ARIMA
詳しい解説が存在する。先にも示したように SEATS に
Noise, Missing Observations and Outliers) を基にした手法
明らかな優位性があるわけではない。この新たに導入し
が導入されている 10。具体的には以下の 5 つのステップ
た SEATS を使わないとなれば、X-13A-S での変化は、
からなる。
スペクトラム・スペックやストック系列に関する営業日、 1.
デフォルト・モデルの推計 : デフォルト・モデル
イースターの処理といったものが X-12-ARIMA に加わ
(airline モデル 11)の推計に加え、最初の外れ値の
った程度で、新たな特徴はそれほど多くない。そこで、
識別と回帰変数のテストが行われ、残差の診断が示
X-12-ARIMA の最新バージョンを含め、SEATS そのも
される。
のの機能を除く X-13A-S の特徴を以下で紹介する。
2.
階差の次数の識別:モデルに必要な階差の次数を決
定するために経験的単位根検定が行われる。
2-1. X-12-ARIMA<Version 0.3> での変更点
3.
ARMA モデルの次数の識別:SBIC (Schwartz's Bayes
Information Criterion) に基づいて ARMA のパラメー
タの次数を決定するために反復プロシジャを適用す
X-13A-S で 使 わ れ る X-12-ARIMA の バ ー ジ ョ ン は
る。
2007 年にリリースされた X-12-ARIMA の Version 0.3(以
下、X12A-ver0.3)である。X12A-ver0.3 での最も重要な
4.
デフォルト・モデルと識別されたモデルの比較:識
別されたモデルをデフォルト・モデルと比較して、
特徴は Monsell (2007b) にて以下のように示されている。
結果に応じて変更する。
A) モデル選択における新たな自動識別手法の導入
5.
最終モデルチェック:最終モデルにおける妥当性チ
ェックする。
B) force スペックの導入:原系列の年合計値と季節調
整値の年合計値を一致させる新たなオプション
これらについては、Census (2011) にプロシジャの概
C) 集計季節調整法(composite seasonal adjustment)の
要が示され、高部(2009)に理論的な詳細が示されてい
修正
D) 診断のファイルの統合
る。ステップ 2. では選択が可能であり、ユーザーは
E) metadata スペックの導入:ユーザー自身が診断のフ
automdl スペックの diff を利用して階差の次数を特定化
することができる。また、maxdiff では非季節階差と季
ァイルにメタデータを組み込むことが可能に
F) X-12-ARIMA のアウトプットへのアクセスに関する
節 階 差 の 最 大、maxorder で は 非 季 節 ARMA と 季 節
ARMA の次数の最大を決めることもできる。デフォル
新たなオプション
トはともに(2 1)となっている。
G) 名前にスペースのあるファイルも適用可能に
automdl スペックによる ARIMA モデルの自動選択プ
X12A-ver0.3 より前のバージョン
(以下、
旧バージョン)
については、国友 (2004)、日本銀行(1997)など、和文
9
ロシジャは TRAMO ベースに変更されたわけだが、旧
バージョンの自動選択モデルも利用可能である。もし利
で も 優 れ た 解 説 が 既 に 存 在 す る 。 本 稿 で は Monsell
用したい場合は、pickmdl スペックを利用することにな
(2007a) を参照し、まず以下で、自動モデル選択、force
るが、デフォルトの設定 12 を利用するのに必要であっ
9
英文の手法解説では、優れた文献として ONS(2007) などがある。
これは TRAMO プロシジャとかなり似たものだが、regARIMA のモデリングのオプション、変換、外れ値識別プロシジャ、モデル診断
など X-12-ARIMA のモデル推計プロシジャを使うための修正が施された X12A-ver0.3 独自のものとなっている。結果として、X12Aver0.3 で選択されたモデルは TRAMO の選択とは異なることがある。
11
松本・松本・森本 (2010) では、airline モデルは次数 (0 1 1)(0 1 1) であり、ヨーロッパ諸国の経済統計データのうち 50%のものをモデル
化することができ、ロバストであると示されている(より詳細は奥本 (2000)、Gómez and Maravall(1997) を参照)
。
12 (
0, 1, 1)(0, 1, 1)s、(0, 1, 2)(0, 1, 1)s、(2, 1, 0)(0, 1, 1)s、(0, 2, 2)(0, 1, 1)s、(2, 1, 2)(0, 1, 1)s の 5 つのモデルからなる(s は季節周期を表す)。
10
- 45 -
た x12a.mdl というファイルは必要ない(これらの自動
では Regression-based 法を指定する regress となっている
選択プロシジャの比較については奥本 (2010) などを参
が、
デントン法を指定する denton に変えることができる)。
照)。もちろんのことだが、pickmdl スペック、automdl
一方、force スペックを利用することで合計値を一致させ
スペック、さらに arima スペックは同時に利用できない。
ることは、ときに便利ではあるが、不安定な季節パター
ン を 持 つ 上 で 乗 法 型 分 解(multiplicative decompositon)
B) force スペックの導入
を用いた場合などでは、季節調整値の質を低下させる可
次に、「季節調整値の暦年合計値」と「原系列の暦年
合計値」が一致するように季節調整を行いたい場合に有
能 性 が あ る こ と に は 注 意 す る 必 要 が あ る(Census
(2011))。
用なスペックの導入についてである。旧バージョンにお
いても、その調整を可能にするために比例デントン法
・force スペックに関連したその他のオプション
その他、force スペックに引数 (arguments) がいくつか
(Denton(1971)、国友・川崎(2011)など)が利用でき
るようになっていた(x11 スペックの force)
。しかしな
組み込まれることで、新たな特徴が加わっている。
がら、この方法は、第 4 四半期と第 1 四半期の間での変
化に問題が生じたり、データが加わることで大きな修正
【target】季節調整値の合計を一致させるターゲットを
が生じる可能性があるという問題を持つ。これに対応す
以下のように設定できる。
るため、カナダ統計局がいくつかのベンチマーク法を開
①原系列(target=original)<デフォルトでの設定>
発している。その一つが Regression-based 法
13
であり、
これは λ(回帰方程式のウェイト行列を決めるために利
②曜日要因調整済み原系列(target=calendaradj)
③永続的な事前調整因子
(permanent prior adjustment factors)
用される)、ρ(AR(1) パラメータ)という二つのパラメ
について調整された原系列(target = permprioradj)
ータを利用する。 ρ = 1 となる特別なケースでは、比例
④曜日要因と永続的な事前調整因子の両方について調整
された原系列(target = both)
デントン法と同じ式になるため、1 に近い ρ を選ぶこと
は比例デントン法に近い結果をもたらすが、新しい観測
値が加わっても修正をより小さくすることができる。
【usefcst】季節調整系列の年合計を調整した上で、そ
この機能を X12A-ver0.3 に組み込むために、新たに
の系列に予測を加えるかどうかを決める(usefcst = yes
force スペックが導入された(デフォルトでは λ = 0、月
がデフォルトでの設定)
。これは forecast スペックでも
。もちろん、こ
次で ρ = 0.9、四半期で ρ =0.729(=0.9 ))
使われる予測値の修正因子を提供する。
3
のスペックでは、比例デントン法と Regression-based 法
の両方を選択できるようになっている(図表 3 の type
【indforce】間接的季節調整値を調整する方法を選択す
図表 3:X12A-ver0.3 インプットファイルでの force スペックの実行例
series{
title= "Retail Shoe Store Sales"
# show how to specify force spec
format="datevalue"
file="shoers.dat"
name="shoers" }
x11 { }
force { type = regress
lambda = 1.0
rho = 0.95
save = saa
}
䋨಴ᚲ䋩Monsell(2007a)
13
Dagum and Cholette (2006)、野木森・林 (2012) の補論などを参照。
- 46 -
る。もし indforce = yes(デフォルトでの設定)としたら、
factors)と調整値がプログラムから導出できるかどうか
間接的季節調整値は合計したものを年合計値に一致させ
を特定化することができる(indoutlier = yes がデフォル
ることになる。もし indforce = no としたら、年合計値に
トでの設定)。これは、広範囲に影響力のある外れ値が
ついて調整を行った構成要素となる季節調整値を最後に
間接的トレンド要素の抽出、間接的季節調整の診断など
合成することになる。
に問題を起こす場合に有用であろう。
これらの間接的外れ値因子は間接的季節因子と似た方
C) 集計季節調整法(composite seasonal adjustment)の
法で計算される。
は時点 t の構成要素系列 i におけ
修正
るレベルシフト調整系列とすると、間接的レベルシフト
カ ナ ダ 統 計 局 で 開 発 さ れ た X-11-ARIMA(Dagum
因子(indirect level-shift factors)は
(1980)) の よ う に、X-12-ARIMA は 直 接 的 季 節 調 整 値
(3)
(Direct Seasonally Adjusted Series)と間接的季節調整値
(Indirect Seasonally Adjusted Series)の計算、そして比較
で得られる。もし、レベルシフト外れ値が構成要素系列
を可能にしている。前者は系列の合計値に直接季節調整
i で特定されない、見つからないなら、
を行う方法であり、後者はそれぞれ季節調整を行った系
ということである。
列を合成する方法である。X12A-ver0.3 ではいくつか発
同様に、
となる、
を時点 t の構成要素系列 i における加
法的外れ値調整系列とすると、
加法的外れ値因子
(indirect
展がある。
AO factors)は
・間接的季節因子(Indirect Seasonal Factors)
(4)
旧バージョンの X-12-ARIMA では、乗法季節調整で
の各間接的季節因子は、原系列の合計を季節調整系列の
となる。
これらを使う時に注意すべき点は、これらの間接的外
合計で割ったものとして計算されていた。すなわち、
:時点 t の構成要素系列 i
れ値因子が一致性のある効果であると言えるような、構
の季節調整系列、n:集計した調整値の構成要素の数、T:
成要素系列が同じような外れ値効果を持っているかどう
系列の時系列の長さ、とすると、
かを検討すべきである。例えば、ほとんどか全ての構成
:時点 t の構成要素系列 i、
要素が同じ観測期間ではレベルシフトを持つというとき
(1)
となる。このとき、
が理想的な状況となる。もしそうでない場合、ユーザー
が持っていない曜日要因効果
(calendar effects)と事前調整因子(prior factors)を
が
は間接的外れ値効果を特定できない(つまり、indoutlier
= no とすべき)。
は季節因子(seasonal factors)と
含んでいる場合は
は言えなくなってしまう。そこで、季節因子を得るため、 D) 診断のファイルの統合
旧バージョンでは、季節調整診断は .xdg ファイルに、
(2)
というように、
モデル診断は .mdg ファイルに保存されていた。しかし、
を曜日要因効果、事前調整因子を調
整した構成要素系列
X12A-ver0.3 では、これらの診断は統合された診断ファ
に置き換えた。この方法では、 イルである .udg ファイルに保存される。
曜日要因効果、事前調整因子を取り除くことができてい
る。
E) metadataスペックの導入
X12A-ver0.3 で は、 式 (2) の 因 子 が 間 接 的 季 節 因 子
metadata スペックを使って、ユーザー自身が診断ファ
(Indirect Seasonal Factors)となり、式 (1) の因子は間接
イルにメタデータ(データのタイトル等)を組み込むこ
的合成調整因子(indirect combined adjustment factors)と
とが可能になった。
なっている(composite スペックの引数 save などで表示
できる)。
F) X-12-ARIMAのアウトプットへのアクセスに関する
新たなオプション
・間接的外れ値因子(Indirect outlier factors)
連邦政府関係機関の電子情報は障害者にもアクセスで
X12A-ver0.3 では、composite スペックの引数 indoutlier
きるようにする必要があるとする米国のリハビリテーシ
を 使 う こ と で、 間 接 的 外 れ 値 因 子(indirect outlier
ョン法第 508 条に基づき、公表物に関するアクセスの改
- 47 -
s は時系列の周期になる(月次なら 12、四半期なら 4)。
善を行った。
G) 名前にスペースのあるファイルも適用可能に
この回帰変数は季節パターンの突発的な変化を捉え、
X12A-ver0.3 で は、
「x12a "c:\export specs\xuu1"」 と い
その他の期における対照的な変化をそのままにして系列
うように、引用符 (") を利用することで、名前にスペー
のレベルを維持する。なお、現時点では、outlier スペッ
スのあるファイルも適用可能になっている。
クでの自動検出はできない。
Monsell (2007b) では、突発的な変化が起きたら、次の
2-2.regARIMA における新たな回帰変数
期は逆の動きで相殺するような動きが出ることも想定さ
れ、そうした場合はこの回帰変数を二つ連続させること
以上に見たように、X-13A-S で使われる X-12-ARIMA
で対応する例も示されている(図表 5)。また、この回
部分については、X12A-ver0.3 での変更が大きく影響し
帰変数の動きは他のレベル変化に適用する回帰変数と似
て い る。 本 節 以 降 で は、Monsell(2007b) と Monsell
ているため、それらを同時に利用するとうまく推計でき
(2009b) を参照し、X-13A-S へのアップデートにおける
ない可能性があるとしている。
新しいオプションの紹介を行う。SEATS を使わないと
なれば、以下に示される新たなダミー変数の導入などが
・一時的レベルシフト(Temporary Level Shift)
X-13A-S の特徴の重要なポイントとなる。
次に、一時的レベルシフト(temporary level shift)に
ついてである。レベルシフトが一定期間続いていること
2-2-1.季節性外れ値(Seasonal Outlier)と一時的レベ
ルシフト(Temporary level shift)
が疑われた場合、これまでは、
・その影響についてのユーザー定義の回帰変数(user-
・季節性外れ値(Seasonal Outlier、SO)
defined regressor)を作成する
まずは regARIMA モデルにおける新たな回帰変数で
・その期間について加法的外れ値
(additive outliers)を特
ある「季節性外れ値効果(seasonal outlier effect)」であり、
定化する
時系列が t0 から開始とするとき、以下のように定義さ
といった対応が考えられていた。しかし、X-13A-S では、
れる。
あらかじめ定義された回帰変数の一つとして一時的レベ
ルシフト
(temporary level shift)
が加わった。
Monsell (2009b)
では、
2 つ以上のレベルシフト(LS)や加法的外れ値(AO)
ߩߣ߈
‫ߣ ߇ ޔߟ߆ޔ‬หߓ᦬㧔྾ඨᦼ㧕ߩߣ߈
ߘߩઁ
などの回帰変数で対応するのではなく、一つの回帰変数
を特定化するだけでよいことが示されている。
図表 4:季節性外れ値
図表 5:季節性外れ値(逆の動きを同時に利用した場合)
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4
T
T+1
(出所)Monsell (2007b)
T+2
T+3
Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4 Q1 Q2 Q3 Q4
T
T+4
T+1
(出所)Monsell (2007b)
- 48 -
T+2
T+3
T+4
を t0 から t1 のレベル変化期間をもつ一時的レ
このはずれ値は regression スペックの引数 variables で
ベルシフト(temporary level shift)とすると、この回帰
特定化できるが、outlier スペックで自動的には識別され
変数は以下のようになる。
ない。
ߩߣ߈
ߩߣ߈ (6)
ߩߣ߈
࠙ᅗ⾲
ᤄධࠚ࠙ᅗ⾲
ᤄධࠚ
図表 ୍᫬ⓗࣞ࣋ࣝࢩࣇࢺࢆ฼⏝ࡍࡿ᫬࡜ࡋ࡞࠸᫬ࡢ࢖ࣥࣉࢵࢺࣇ࢓࢖ࣝ
6:一時的レベルシフトを利用する時としない時のインプットファイル
ᅗ⾲
୍᫬ⓗࣞ࣋ࣝࢩࣇࢺࡀ࡞࠸࡜ࡁ
୍᫬ⓗࣞ࣋ࣝࢩࣇࢺࡀ࠶ࡿ࡜ࡁ
series{
series{
title= "Import m12000"
title= "Import m12000"
format="datevalue"
format="datevalue"
file="m12000.dat"
file="m12000.dat"
name="m12000" }
name="m12000" }
arima {
arima {
model = (0 1 1)(0 1 1)
model = (0 1 1)(0 1 1)
}
}
regression {
regression {
variables = (
variables = (
LS1996.Jun
TL1996.Jun-1996.Sep
LS1996.Oct
TC1999.Apr
TC1999.Apr
)
)
}
}
check { }
check { }
outlier { }
outlier { }
forecast {
forecast {
maxlead = 24
maxlead = 24
}
}
㸦ฟᡤ㸧Monsell(2009b)
図表 7:一時的レベルシフトなど外れ値の形状
䊧䊔䊦䉲䊐䊃(Level Shi )
৻ᤨ⊛ᄌൻ
(Temporary
Change)
1
3
5
7
ടᴺ⊛䈲䈝䉏୯
(Addi ve Outlier)
৻ ᤨ⊛䊧䊔䊦䉲䊐䊃
(Temporary Level
ShiŌ)
௑ᢳᄌൻ
䋨Ramp䋩
9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39
- 49 -
2-2-2.制約付きストック曜日要因回帰変数
(Constrained
した制約付きストック曜日要因回帰変数を以下のように
式 (8) から作れることを示した。
Stock Trading Day Regressors)
・ 係 数 タ イ プ ス ト ッ ク 曜 日 要 因(One Coefficient Stock
(9)
Trading day)
を月次\四半期 t の平日の数、
は月次\四半
これは X-13A-S に組み込まれており、regression スペッ
期 t の土曜日、日曜日の数、としたとき、
クの引数 variables で使うことができる(tdstock1coef[d]、
(7)
d は在庫が棚卸された日)
。
というように、フロー系列の曜日要因については一つ
の回帰変数を使うことができる。この制約は全ての平日
・月末ストックイースター変数
(End-of-month Stock Easter)
が同一の効果を持ち、土曜日と日曜日が同一の効果を持
X-13A-Sでは、
月末ストックイースター変数
(End-of-month
つと仮定することになる。
Stock Easter)についての回帰変数も組み込まれている。
を m 月 y 年の月次フロー系列のイースター回
一方、これまでストックについては一つの回帰変数を
使うことができず、ストック曜日要因についての回帰変
帰変数を示すとする。月末ストックイースター変数、
は以下のように定義される。
数は以下のように定義された。
ߩߣ߈
ߩߣ߈
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇᦬ᦐᣣߩᤨ
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇ᣣᦐᣣߩᤨ
0
ߩߣ߈
0
ߘߩઁ
1 ≤ w ≤ 21 の と き、
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇࿯ᦐᣣߩᤨ
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇ᣣᦐᣣߩᤨ (8)
0
(10)
は 2 月 に ゼ ロ に な り、
は 3 月だけがゼロにならない。
ߘߩઁ
ストックイースターとストック曜日要因で利用された
棚卸された日は同じにすることが推奨されるが、現時点
はwとt
では月末ストックイースター変数しか X-13A-S には導
月の長さより小さい日数である。w = 31 は棚卸が月の最
入されていない。月末ではないストックイースター変数
後にあったことを仮定することになる。
は補論にある Genhol などを利用して作成する必要があ
ここで、w を在庫が棚卸された日とし、
Findley and Monsell (2009) では、フロー系列の曜日要
る。
因の動きの式 (7) のような曜日要因の制約をどうやって
ストック系列に課すのかを示し、式 (7) の制約を基礎と
- 50 -
【補論:Genhol について】
X-13A-S では、米国経済に重要な影響を持つイースター、レイバー・デー、感謝祭という三つの毎年移動する
移動祝日(moving holidays)に関する回帰変数を持っているが、他の移動祝日(旧正月やラマダン)については、
ユーザー定義の回帰変数で regARIMA モデルに取り込む必要がある。その場合、米国センサス局が開発した
Genhol を利用することで効率的に変数を作成できることがある。
Genhol は米国のイースターのように月をまたぐ可能性がある休日要因の変数を作るためのソフトウェアであ
る。単純に 10 日間休日があったとすると、それが 3 月に 10 日間、4 月に 10 日間とすべてまとまっていればい
いが、3 月に 2 日、4 月に 8 日とまたがってしまう場合は、それぞれ効果を 2/10、8/10 と割らなければならない
ときなどに有効に利用することができる。
必要となるのは毎年移動する祝日の日付(連休等の場合は最終日など)であり、この日付のファイル 14 を
XXX.txt とする。もし、その日付の前の 7 日間に影響があるとした場合、図表 8 のような XXX.inp というインプ
ットファイルを作る(XXX.dat が結果を出力するファイル、begbefore =-8、endbefore =-1 は期間が 8 日前から
1 日前までという意味)
。
図表 8 Genhol のインプットファイル例
global{
numhol = 1
outfile = "XXX.dat"
outspec = "XXX.reg"
first = 1990
last = 2015
period = 12
}
holiday1{
name = XXX
begbefore = -8
endbefore = -1
infile = "easter500.txt"
center = calendar
}
そして、Windows であれば MS-DOS を起動させるなどして、
Genhol のあるファイルを指定し、genhol XXX.inp
と す れ ば、 月 を ま た い だ こ と を 考 慮 し た 休 日 要 因 ダ ミ ー 変 数 を XXX.dat に 作 る こ と が で き、XXX.reg で は
regression スペックでこのダミー変数を利用するための引数 user などに関するコードを提供してくれる。また、
begafter = X を入れれば、休日後の影響も追加することができる。
Genhol はイースター、ラマダン、アジア旧正月 15 を意識して作られたものである。日本の統計においては、
国内休日要因を勘案しての直接の適用はやや難しいと考えられるが、輸出、輸入などへの適用は有用であると考
えられる。既に、アジア旧正月などの影響は大きいとみられるが、今後さらにグローバル化が進むことで、ラマ
ダンによる輸出入への影響なども考える必要が出てくれば非常に有用であろう。
14
イースターについては http://www.census.gov/srd/www/genhol/genhol_examples.html 参照。ちなみに、休日日数の長期平均が必要とな
るため、米国センサス局のウェブサイトでは 1600 年代からとかなりの長期のデータが公表されている(http://www.census.gov/srd/
www/genhol/easter500.html)。
15
Findley, Monsell and Hou (2012) では、Genhol で作成された中国の旧正月変数を使ったストック系列の調整が示されている。
- 51 -
2-3-3.ユーザー定義の回帰変数(User-defined holiday
2-3.新たな検定方法など
regression)のグループ検定
もし regARIMA モデルにユーザー定義の回帰変数と
2-3-1.SEATS に利用される新たな診断方法
して複数の移動祝日(moving holidays)などを取り入れ
X-13A-S では、SEATS によりデータの無限期間を仮
ようとしたならば、過去の X-12-ARIMA では、合成し
定した Wiener-Kolmogorov フィルターを使って季節調整
た効果として検定する必要があり、個々の祝日要因を
を計算することもできるが、有限のフィルターを使った
別々に検定することはできなかった。しかし、X-13A-S
診断もできるようになっている。マニュアルによれば、
では、5 つまでユーザー定義の回帰変数のグループを検
SEATS スペックにおいて、out = 1 とした場合(デフォ
定できるようにしている。これらのグループはプログラ
ルト)
、無限フィルターによる診断結果が示されるが、
ムのアウトプットにそれぞれリストにされ、
out = 0 とした場合、有限サンプルに関する診断が示さ
計量のような診断がグループごとに作られ、ユーザーは
れる(out = 2 とした場合は有限サンプルに関する診断
その効果を外すべきか決めることができる。
検定統
regARIMA モデルにおけるユーザー定義の回帰変数の
の要約が示される)。
また、slidingspans スペックによるスライディングス
グループについては、regression スペックの chi2test が検
パン分析(重複する期間を持つ複数のデータの季節調整
定に利用される。chi2test = yes とすれば、
値を比較して安定性を分析するもの)による診断におい
はすべてのユーザー定義の回帰変数のグループに対し作
ても、x11 スペックで季節調整を行ったときと、SEATS
られ、その結果(chi2testcv で与えられる)が有意でな
スペックで季節調整を行ったときの両方についての期間
いなら、regARIMA モデルから外されることになる。回
の自動選択が用意されている。x11 スペックを利用した
帰変数のグループの推計された係数ベクトルを とする
場合は、診断期間は季節フィルターによって選ばれ(3
と x2 検定統計量は以下のようになる。
× 3 であれば 6 年、3 × 5 であれば 8 年、3 × 7 であれば
検定統計量
(11)
11 年など)
、SEATS スペックでの期間はモデルの MA パ
ラメータによって選択される。length でユーザーが設定
2-3-4.AICC 検定での lom や loq の追加
することもできる。
X-12-ARIMA では AICC (Akaike’s Information Criterion,
bias Corrected) を基にした自動検定が過去から行われて
2-3-2.spectrum スペックの追加
スペクトル解析
16
は原系列から季節変動を十分に取
いる。
り除けているのかどうかを検証するのに有用である。参
(12)
考図表 2 にあるように spectrum スペックは seats スペッ
regression スペックの aictest は曜日要因、イースター、
クとともに加わった X-13A-S の新たなスペックとなる。
旧 バ ー ジ ョ ン の X-12-ARIMA で は、series と composite
ユーザー定義の回帰変数をそれぞれあるとき、ないとき
スペックにスペクトルの特定化が可能であり、series、
で推計し、最も低い AICC をもつモデルを選ぶ。
composite、x11、check スペックなどでは結果の出力形式に
X-13A-S では、aictest で特定化できる回帰変数として、
関して利用できた。X-13A-S では新たに spectrum スペ
新たに月の長さ (lom)、四半期の長さ (loq)、閏年 (lpyear)
ックが入り、これらの機能がそこに含まれるようになっ
が加えられている。回帰変数が検定される順序は、
ている。図表 9 のように、引数 spectrumstart は spectrum
①曜日効果変数
スペックの start に変わるなどしている。
②月の長さ、四半期の長さ、閏年変数
③イースター変数
④ユーザー定義の回帰変数
となっている。
16
理論的な内容は山本(1998)などが詳しい。
- 52 -
図表 9 スペクトルに関するインプットファイルの新旧比較
X-12-ARIMA Version 0.3
X-13ARIMA-SEATS Version 0.1
series{
series{
title= "Shoe store sales"
title= "Shoe store sales"
format="datevalue"
format="datevalue"
file="shoe.dat"
file="shoe.dat"
name="shoe"
name="shoe"
spectrumstart = 1995.jan
}
savelog = peaks
arima {
save = sp0
model = (0 1 1)(0 1 1)
}
}
arima {
regression {
model = (0 1 1)(0 1 1)
variables = (td easter[8])
}
save = td
regression {
}
variables = (td easter[8])
check { }
save = td
outlier { }
}
forecast {
check { save = spr }
maxlead = 24
outlier { }
}
forecast {
x11 { }
maxlead = 24
spectrum{
}
savelog = peaks
x11 {
start = 1995.jan
save = ( sp1 sp2 )
save = (sp0 sp1 sp2 spr )
}
}
(出所)Monsell(2009b)
2-3-5. 安定した季節性の存在に関するモデルベース F 検
観測値の数、d は階差の数、k は検定されたグループの
回帰変数の数であり、この検定統計量は Fk,n-d-k の分布
定
X-13A-S では、原系列に安定した季節性があるか見る
に従う。regression スペックの variables で固定的季節性
ためのモデルベース F 統計量が新たに加わっている。こ
を指定した上で、check スペックの中で savelog = sft と
の F 検定は参考図表 1 の 2、3 にあるような固定的季節
すれば実行できる。Lytras, Feldpausch and Bell (2007) で
性 (Fixed Seasonal) を回帰変数グループとした
検定(式
は、シミュレーションにより、
統計量が従来の診断
(11) に該当、旧バージョンでもあった regARIMA モデル
(出力ファイル D8 にある季節性の安定性に関する F 検
の回帰パラメータのあるグループが合計でゼロであるか
定やカナダ統計局 X-11-ARIMA の M 検定統計量の M7
を決めるのに使われる)から作成される。regARIMA モ
など)よりも推奨されるものであることが示されている。
デルに固定的季節性回帰変数のグループを加えると、そ
れに関する x2 検定が作成され、系列の安定した季節性
の指標として提供されることになる。回帰変数に関する
x2 検定は、検定統計量
3.国民経済計算の四半期系列における
X-13ARIMA-SEATS の利用
を利用すれば、分散の推定に
以上のように、X-13A-S では X-12-ARIMA の機能が
おける誤差を考慮した形に修正することが可能であり、
以下のように導出される。
いくつか拡張されている。何度も述べるように、新たに
加わった SEATS には X-12-ARIMA に対し明らかな優位
(13)
ここで、
は式 (11) の
性があるわけではない。また、SEATS は安定した推計
統計量であり、n は系列の
を行うためにできるだけ長い時系列を必要とする。国民
- 53 -
経済計算で利用する場合は四半期データへの適用となり、 ザー定義の回帰変数のグループ検定などはリーマン・シ
データが長くなるほど構造が変化する可能性も高くなり、 ョックを含め経済に対する様々なショックの影響を取り
月次に比べ不安定になるリスクもある。結果的にある程
除く処理の判定をこれまで以上に細かにできるようにし
度短い系列に X-12-ARIMA を適用するという選択が多
てくれている。ときに季節性が存在しないと考えられる
くなることが予想される。SEATS の導入は高度な統計
系列もあり、安定した季節性の存在に関するモデルベー
的な手法を多く含むパラメトリック・アプローチの導入
ス F 検定はそうした判定の精度を高めてくれる。また、
の第一歩であり、長い目で見た四半期季節調整系列の精
X12A-ver0.3 での変更点にはなるが、集計季節調整法の
度向上に向けた発展と見るべきかもしれない。
改善は、GDP の構成要素となる個別の項目を対象とし
SEATS を 使 わ な け れ ば、X-13A-S の 基 本 は X-12-
て季節調整をおこなってそれを合計するのか、それとも
ARIMA であり、これまでの調整法が一変してしまうと
その和である GDP 全体に季節調整を直接おこなうのか、
いうことはない。とはいえ、regARIMA における新たな
どちらが良いのかを考えるのに非常に有用である。この
回帰変数における一時的レベルシフトなどは制度変更な
ような新たな機能が上手に活用されることになれば、
どが一定期間経済に影響を与えてしまう場合の処理を簡
X-13A-S は国民経済計算四半期系列の改善に資する可能
単にしてくれるものであるし、新たな検定方法でのユー
性があるのではないだろうか。
- 54 -
参考図表 1:X-13ARIMA-SEATS に組み込まれている回帰変数
ᄌᢙฬ17
1
ቯ⟵ߣ⺑᣿
࠻࡟ࡦ࠼(Trend Constant)
const
2
࿕ ቯ ⊛ ቄ ▵ ᕈ (Fixed
1
ߩߣ߈
1
㧝᦬
Seasonal)18
㧝㧞᦬
seasonal
3
ߩߣ߈
ߚߛߒ‫ޔ‬
0
㧝㧝᦬
㧝㧞᦬
0
ߘߩઁ
ߘߩઁ
࿕ ቯ ⊛ ቄ ▵ ᕈ (Fixed
Seasonal)
⁄
ߚߛߒ‫ޔ‬
sincos[ ]
4
ᦐᣣലᨐᄌᢙ(Trading Day)
᦬ᦐߩᢙ
tdnolpyear, td19
5
ᣣᦐߩᢙ
⋯ ,
(᦬ᰴ‫ߪߚ߹ޔ‬྾ඨᦼ)
࿯ᦐߩᢙ
ᣣᦐߩᢙ
ଥᢙ࠲ࠗࡊᦐᣣലᨐᄌᢙ
(One Coefficient Trading Day)
5
࿯ᦐߣᣣᦐߩᢙ
2
ᐔᣣߩᢙ
(᦬ᰴ‫ߪ޿ࠆ޽ޔ‬྾ඨᦼ)
td1nolpyear, td1coef20
6
᦬ߩ㐳ߐ(Length-of-Month)
ߚߛߒ‫ޔ‬
(᦬ᰴ)
߅ࠃ߮
᦬ߩ㐳ߐ ᣣᢙ
᦬ߩᐔဋ㐳
lom
7
྾
ඨ
ᦼ
ߩ
㐳
ߐ
ߚߛߒ‫ޔ‬
(Length-of-Quarter)
߅ࠃ߮
྾ඨᦼߩ㐳ߐ ᣣᢙ
྾ඨᦼߩᐔဋ㐳
(྾ඨᦼ)
loq
8
㑃ᐕ(Leap Year)
0.75
㑃ᐕߩ㧞᦬ ߹ߚߪ╙㧝྾ඨᦼ
(᦬ᰴ߅ࠃ߮྾ඨᦼ)
ઁߩ㧞᦬ ߹ߚߪ╙㧝྾ඨᦼ
lpyear
9
0
ߘߩઁ
ࠬ ࠻ ࠶ ࠢ ᦐ ᣣ ല ᨐ (Stock
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇᦬ᦐᣣߩߣ߈
Trading Day)
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇ᣣᦐᣣߩߣ߈
(᦬ᰴࠬ࠻࠶ࠢ)
0
ߘߩઁ
tdstock[w]
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇࿯ᦐᣣߩᤨ
᦬ߩ ⇟⋡ߩᣣ߇ᣣᦐᣣߩᤨ
0
ߘߩઁ
ߪ ߣ ᦬ߩ㐳ߐࠃࠅዊߐ޿ᣣᢙߢ޽ࠆ‫ᧃ᦬ޕ‬࿷ᐶߦߟ޿ߡߪ ߪ 31 ߣߥࠆ㧔ߔߥࠊߜ
tdstock[31]㧕
‫ޕ‬
17
制約がある場合には括弧に記した。regression スペックでの引数 variables において、それぞれの項目に回帰変数として用いられる変数
名が与えられている(regression { variables=XXX })。
18
ここでは月次系列に対する変数が示されている。他の季節周期に対しても利用可能である。
19
td は、これらの 6 つの変数に加えて、変換のない系列に対して回帰変数 lpyear を含み、変換される原系列に対しては 2 月の数値 Yt を
20
(
=28.25、2 月の平均日数)に調整する。四半期も同様である。
td1coef は、この変数に加え、変換のない系列に対して回帰変数 lpyear を含み、変換される原系列に対しては 2 月の数値 Yt を
(
=28.25、2 月の平均日数)に調整する。四半期も同様である。
- 55 -
10
ଥᢙ࠲ࠗࡊࠬ࠻࠶ࠢᦐᣣല
3
5
ᨐ ᄌ ᢙ (One Coecient Stock
Trading Day)21
(᦬ᰴࠬ࠻࠶ࠢ)
1
5
1
5
3
5
ߪ᫜෈ᣣࠍ ߣߒߡ 9 ߢቯ⟵ߐࠇߚ ⇟⋡ߩࠬ࠻࠶ࠢᦐᣣലᨐ‫ᧃ᦬ޕ‬࿷ᐶߦߟ޿ߡߪ
ߪ 31 ߣߥࠆ㧔ߔߥࠊߜ tdstock1coef [31]㧕
‫ޕ‬
tdstock1coef [w]
11
1
ࠗ ࡯ ࠬ ࠲ ࡯ ᄌ ᢙ (Easter
22
Holiday)
(᦬ᰴ‫ߪ޿ࠆ޽ޔ‬྾ඨᦼ)
ᣣߩ߁ߜ ᦬ ྾ඨᦼ ߦࠗ࡯ࠬ࠲࡯߇޽ࠆᣣᢙ
(ᵈ㧦ߎߩᄌᢙߪ 2 ᦬࡮3 ᦬࡮4 ᦬㧔╙ 1 ྾ඨᦼ޽ࠆ޿ߪ╙ 2 ྾ඨᦼ㧕એᄖߪ 0 ߣߥࠆ‫ޕ‬2 ᦬
ߪ
> 22 ߩᤨߦ㒢ࠅ࠯ࡠߢߪߥ޿‫)ޕ‬
easter[w]
12
ࠍ㐳ᦼᐔဋࠍ㒰޿ߚࡈࡠ࡯ߩ࿁Ꮻᄌᢙ easter[w]ߢ޽ࠆߣߔࠆ‫ޔ߈ߣߩߎޕ‬
᦬ᧃࠬ࠻࠶ࠢࠗ࡯ࠬ࠲࡯ᄌ
ᢙ(End-of-Month
᦬
Stock Easter)23
᦬
(᦬ᰴ‫ߪ޿ࠆ޽ޔ‬྾ඨᦼ)
easterstock[w]
0
ߘߩઁ
ߣߥࠆ‫(ޕ‬ᵈ㧦ߎߩᄌᢙߪ 2 ᦬࡮3 ᦬㧔߹ߚߪ╙ 1 ྾ඨᦼ㧕એᄖߪ 0 ߣߥࠆ‫ޕ‬2 ᦬ߦߪ
> 22
ߩᤨߦ㒢ࠅ࠯ࡠߢߪߥ޿‫)ޕ‬
13
ࠞ࠽࠳࡮ࠗ࡯ࠬ࠲࡯ᄌᢙ
ࠗ࡯ࠬ࠲࡯߇㧠᦬ߩ೨߆ࠄᆎ߹ࠆߣ߈‫ޔ‬
(Statistics Canada Easter)
ࠆߣ‫ޔ‬
ࠍ w ᣣߩ߁ߜ 3 ᦬ߦࠗ࡯ࠬ࠲࡯߇޽ࠆᣣᢙߣߔ
(᦬ᰴ޽ࠆ޿ߪ྾ඨᦼ)
3᦬
sceaster[ w ]
4᦬
0
ߣߥࠆ‫߇࡯࠲ࠬ࡯ࠗޕ‬㧠᦬એ㒠ߦ޽ࠆߣ߈‫ޔ‬
ߘߩઁ
ߣߥࠆ‫ޕ‬
(ᵈ㧦ߎߩᄌᢙߪ㧟᦬ߣ㧠᦬㧔޽ࠆ޿ߪ╙㧝྾ඨᦼߣ╙㧞྾ඨᦼ㧕ࠍ㒰޿ߡ 0 ߢ޽ࠆ‫)ޕ‬
14
࡟ࠗࡃ࡯࡮࠺࡯ᄌᢙ(Labor
1
Day)
࡟ࠗࡃ࡯࡮࠺࡯ߩ w ᣣߩ߁ߜ ᦬ߩᣣᢙ
(ᵈ㧦㧤᦬ߣ㧥᦬ࠍ㒰߈ 0 ߣߥࠆ‫)ޕ‬
(᦬ᰴ)
labor[w]
15
ᗵ⻢⑂ߩ w ᣣߩ߁ߜ 12 ᦬ 24 ᣣ߹ߢߦ౉ࠆ ᦬ߩ
ᗵ⻢⑂ᄌᢙ(Thanksgiving)
(᦬ᰴ)
ᣣᢙߩᲧ₸ ⽶୯ߪᗵ⻢⑂ᓟߩᣣᢙࠍᗧ๧ߔࠆ
thank[w]
16
(ᵈ㧦ߎߩᄌᢙߪ 11 ᦬ߣ 12 ᦬ࠍ㒰߈ 0)
ᤨߩടᴺ⊛ߪߕࠇ୯
ߩߣ߈
(Additive Outlier)
ߩߣ߈
ᣣઃ ߪᤨὐ
ߦኻᔕߔࠆᣣઃ
ao ᣣઃ
17
ᤨ ߩ ࡟ࡌ ࡞ࠪ ࡈ ࠻ (Level
ߩߣ߈
Shift)
ߩߣ߈
ls ᣣઃ
18
ᤨ ߩ ৻ ᤨ ⊛ ᄌ ൻ
ߩߣ߈
(Temporary Change)
ߩߣ߈
tc ᣣઃ
ߚߛߒ‫ߪ ޔ‬೨ߩ᳓Ḱ߳ᚯࠆഀวࠍ⴫ߔ
12
ߢᄌᦝน⢻㧦࠺ࡈࠜ࡞࠻ߪ0.7
‫ޔ‬ᒁᢙ
᦬ᢙ
4
߹ߚߪ0.7 ྾ඨᦼᢙ
21
この回帰変数の導出の詳細は Findley and Monsell (2009) を参照。
22
月次のイースター効果で実際に用いられる変数は
である。
は
の長期月次平均であり、グレゴリオ暦 1600
年 -2099 年の 500 年で計算されている。これはイースターの日付における長期間のサイクルのから計算される平均の近似である。詳し
くは Montes (2001) を参照。これらは2月、3月、4月のみゼロではない。同様の変数がレイバー・デー変数、感謝祭変数、四半期イ
ースター変数に使われる。
23
ここでは月次ストック系列に対する変数が示されている。同じ変数が四半期ストック系列に利用可能であり、Findley(2009) の 4.2 節に
公式が示されている。
- 56 -
19
ቄ ▵ ᕈ ᄖ ࠇ ୯ (Seasonal
ߩߣ߈
Outlier)
‫ߣ ߇ ޔߟ߆ޔ‬หߓ᦬‫ޔ‬หߓ྾ඨᦼߩߣ߈
so ᣣઃ
20
ߘߩઁ
௑ᢳᄌൻ㧔Ramp㧕( ߆ࠄ ߹
ߩߣ߈
ߢ)
ߩߣ߈
rp ᣣઃ -ᣣઃ
ߩߣ߈
21
৻ ᤨ ⊛ ࡟ ࡌ ࡞ ࠪ ࡈ ࠻
ߩߣ߈
(Temporary Level Shift)
ߩߣ߈
( ߆ࠄ ߹ߢ)
ߩߣ߈
t1 ᣣઃ -ᣣઃ
(注)網掛けのものは X-13A-S で新たに加わった回帰変数。
(出所)Census (2012)、国友 (2004)
参考図表 2:スペックの比較
X-12-ARIMA Version 0.3
X-13ARIMA-SEATS Version 0.1
1
ARIMA
1
ARIMA
2
AUTOMDL
2
AUTOMDL
3
CHECK
3
CHECK
4
COMPOSITE
4
COMPOSITE
5
ESTIMATE
5
ESTIMATE
6
FORCE
6
FORCE
7
FORECAST
7
FORECAST
8
HISTORY
8
HISTORY
9
METADATA
9
METADATA
10
IDENTIFY
10
IDENTIFY
11
OUTLIER
11
OUTLIER
12
PICKMDL
12
PICKMDL
13
REGRESSION
13
REGRESSION
14
SEATS
14
SERIES
15
SERIES
15
SLIDINGSPANS
16
SLIDINGSPANS
17
SPECTRUM
16
TRANSFORM
18
TRANSFORM
17
X11
19
X11
18
X11REGRESSION
20
X11REGRESSION
(出所)Census (2011)、Census (2012)
- 57 -
Monsell, B. (2007a)“Release Notes for Version 0.3 of X-12-
<参考文献>
ARIMA,”U. S. Census Bureau
Akaike, H. and Ishiguro, M (1983)“Comparative Study of the
Monsell, B. (2007b),“The X-13A-S Seasonal Adjustment
X-11 and BAYSEA Procedure of Seasonal Adjustment”, in
Applied Time Series Analysis of Econcmic Data (Zellner,
Program,”Proceedings of the 2007 Federal Committee On
Statistical Methodology Research Conference
A.), pp.17-53, U.S.Department of Commerce, Bureau of the
Monsell, B. (2009a)“A Painless Introduction to Seasonal
Census.
Adjustment,”
Census (2011)“X-12-ARIMA Reference Manual, Version 0.3,”
www.stat.fsu.edu/50th/Monsell.ppt
U.S. Census Bureau, U.S. Department of Commerce.
Census (2012)“X-13ARIMA-SEATS Reference Manual Version
Monsell, B. (2009b)“Update on the development of X-13ARIMASEATS”, Joint Statistical Meetings Proceedings, Alexandria:
1.0,”U.S. Census Bureau, U.S. Department of Commerce.
VA.
http://www.census.gov/ts/x13as/docX13AS.pdf
Dagum, E. B. (1980)“The X-11-ARIMA Seasonal Adjustment
Montes, M. J. (2001)“Calculation of the ecclesiastical calendar.”
http://www.smart.net/~mmontes/ec-cal.html
Method,”Statistics Canada.
ONS (2007)“Guide to Seasonal Adjustment with X-12-ARIMA
Dagum, E., and Cholette, P. (2006), Benchmark, Temporal
**DRAFT**,”
Distribution, and Reconciliation Methods for Time Series,
http://www.ons.gov.uk/ons/guide-method/method-quality/
Lecture Notes in Statistics, Vol. 186, Springer publisher
Denton, F.T. (1971)“Adjustment of Monthly to Quarterly
general-methodology/time-series-analysis/guide-to-seasonal-
Series to Annual Totals: An approach based on Quadratic
Minimization,”Journal of the American Statistical Association
66 (333), 99-102.
adjustment.pdf
United Nations (2010)“Seasonal Adjustment and Time Series
Issues,”http://unstats.un.org/unsd/industry/meetings/
eclac2011/AC229-20.PPS
Eurostat (2002)“Demetra User Manual, Seasonal Adjustment
United Nations (2012)“Practical Guide to Seasonal Adjustment
Interface for Tramo/Seats and X-12-Arima, Release Version
2.0 (Service Pack 1),”Luxembourg.
With Demetra+,”http://www.unece.org/fileadmin/DAM/stats/
publications/Practical_Guide_to_Seasonal_Adjustment_final_
Eurostat (2009)“ESS Guidelines on Seasonal Adjustment, 2009
web.pdf
edition”.
奥本佳伸(2000)
『季節調整法の比較研究』、経済分析 第
http://epp.Eurostat.ec.europa.eu/portal/page/portal/research_
methodology/methodology/seasonal_adjustment
Findley, D. F. (2009).“Stock Series Holiday Regressors Generated
17 号、経済企画庁
奥本佳伸(2010)
『季節調整法プログラム センサス局法
X-12-ARIMA の version0.3 について』、千葉大学経済研
究 24(3-4), 99-117
By Flow Series Holiday Regressors”, SRD Research Report
RRS 2009-4, U. S. Census Bureau http://www.census.gov/srd/
北川源四郎(1997)
『季節調整プログラム DECOMP とその
papers/pdf/rrs2009-04.pdf
後の展開』統計数理、45、217-232
Findley, D. F. and B. C. Monsell (2009),“Modeling Stock Trading
国友直人編(2004)『解説 X-12-ARIMA(2002)』、CIRJE-R-1
Day Effects Under Flow Day-of-Week Constraints,”Journal
(研究報告)、東京大学日本経済国際共同研究センター
of Official Statistics
(CIRJE)
Findley, D. F., B. C. Monsell and Chieh-Tse Hou (2012)“Stock
国友直人、川崎能典(2011)
『ベンチマーク問題と経済時系列 :
Series Holiday Regressors Generated from Flow Series
GDP 速報と GDP 確報を巡って』経済学論集、東京大学
経済学部、77(1), 1-20
Holiday Regressors”、臺灣經濟預測與政策 第 43 卷第 1
期(2012 年 10 月、「季節調整─理論與實務」特刊)、
http://www.kunitomo.e.u-tokyo.ac.jp/X-12-ARIMA2004.pdf
中央研究院經濟研究所、http://www.econ.sinica.edu.tw/
高部勲(2009)
『季節調整法 TRAMO-SEATS 法の分析』、統
academia-02.php
Gómez, V. and Maravall, A. (1997)“Programs TRAMO and
SEATS : Instructions for the User (Beta Version: June 1997),”
計研究彙報 第 66 号
日本銀行(1997)『「X-12-ARIMA」操作マニュアル 概要編』
http://www.boj.or.jp/statistics/outline/ref/ron9702c.htm/
Working Paper 97001, Ministerio de Economía y Hacienda,
Dirrectión General de Análisis y Programación Presupuestaria,
野木森稔、林恵子(2012)
『多変量デントン法による四半期
GDP 調整の効率化-オランダでの事例を基にしたサー
Madrid.
ベイ』、季刊国民経済計算 149 号、pp 67–81
Hungarian Central Statistical Office (2007)“Seasonal Adjustment
Methods and Practices,”www.ksh.hu/hosa
松本正博、松本雅子、森本聡(2010)
『家計調査季節調整法
の変更について』、統計研究彙報 第 67 号
Lytras, D. P., Feldpausch, R. M., and Bell, W. R. (2007),
“Determining Seasonality: A Comparison of Diagnostics
山本拓(1987)
『経済の時系列分析』、創文社
From X-12-ARIMA,”Proceedings of the Third International
Conference on Establishment Surveys
- 58 -
SNA 分布統計における消費・貯蓄についての再推計
内閣府経済社会総合研究所 特別研究員 前田 佐恵子
内閣府計量分析室 政策企画専門職 梅田 政徳 *
目的別(品目別)支出についての分布統計も重要となる。
1.はじめに(意義、分析の内容)
このような問題意識から、坂井(2010)は、浜田(2010)
を参考に 2004 年の全国消費実態調査を用いて、SNA で
SNA 分布統計とは、国民経済計算(System of National
区分されている 12 項目の目的別家計消費支出について、
Accounts:以下、SNA)の家計勘定の項目について所得・
世帯主年齢階級別、年収階級別で分布統計を推計するこ
資産の階級別等にその内訳を提示する手法である。この
とを試みている。本稿では、坂井(2010)に倣い、最新
ような家計勘定の内訳を示すデータについての関心が高
データとなる平成 21 年の全国消費実態調査のデータを
まっており、最近の動きでは、いわゆるスティグリッツ
用い、目的別支出の SNA 分布統計を作成する。また、
委員会がまとめた『経済業績と社会進歩の計測に関する
新たな取組として、消費税の課税対象支出額を算定した。
委員会の報告書』において、家計の視点や分配の視点を
2 点目は、純貯蓄についての推計である。貯蓄につい
重視すべきと勧告している。こうした指摘も踏まえ、
OECD では統計関連部局によって家計の細分化に関する
プロジェクトが進められ、この中に日本も参加している
ところである。
ては、浜田(2012)で貯蓄及び貯蓄率の推計が行われて
いるが、
これは固定資本減耗を含んだ(除去していない)
「総(グロス)」の概念の貯蓄(率)である。
「国民経済
計算年報」で示される貯蓄率は、可処分所得から固定資
これまで、日本の研究としては、浜田(2003)
、
(2005)
、 本減耗を差し引いた上で計算された「純貯蓄率」である
(2010)、(2012)が、5 年ごとに公表される全国的な消
費 統 計 調 査 で あ る「 全 国 消 費 実 態 調 査 」 を 用 い て、
1
ことから、分布統計においても純概念の貯蓄率を求める
ことが有益だと考えられる。そのため、本稿では、可処
93SNA の枠組みに従い 、我が国の家計の所得支出勘定
分所得(営業余剰)に含まれる固定資本減耗を推計し、
の分布統計を推計・分析している。浜田 (2012) 等にお
分布統計における純概念の貯蓄率を求めることを試みた。
いて示された SNA 分布統計では、家計の所得支出勘定
本稿の構成は次のとおりである。次節においては、分
の項目を網羅する統計が作成されているが、さらに工夫
布統計作成に用いたデータを紹介する。第 3 節において
の余地がある。本稿では、消費及び貯蓄の推計について、 は、世帯主年齢別、所得階級別の目的別消費支出の推計
以下の 2 点の課題について取り組む。
結果を示す。第 4 節では、固定資本減耗及び純貯蓄の推
1 点目は、消費について家計の目的別支出の推計であ
る。浜田(2012)等では目的別支出については簡易な分
計結果を説明する。最後に、今回の推計を振り返って今
後の課題を示す。
類での推計は示されているが、国民経済計算年報で示さ
れるような 12 の項目に分けた目的別支出は取り組まれ
2.データについて
ていない。所得や世帯員の年齢構成等、世帯の属性によ
本稿の推計は、
総務省「全国消費実態調査」の 2009(平
り、世帯の消費内容は大きく異なる。特に、消費課税等、
家計の支出内容(品目)によって課税・非課税(場合に
成 21)年調査の個票を用いている。
「全国消費実態調査」
よっては税率)が変わる制度を議論する際、家計負担の
は 5 年ごとに行われる全国規模の消費調査で、標本が 5
実態に関するデータや分析を求められる可能性があり、
万世帯を超える(2009(平成 21)年は 5 万 6,806 世帯、う
*
本稿作成に当たっては、内閣府経済社会総合研究所の浜田浩児総括政策研究官のほか、豊田欣吾前国民経済計算部長(現大臣官房審議
官(経済社会システム担当))、河越正明特別研究員、二村秀彦企画調査課長、多田洋介企画調査課課長補佐をはじめ内閣府経済社会総
合研究所の職員から有益なコメントをいただいた。本稿を通じてお世話になった方々に感謝の意を表したい。なお、本稿の内容は筆者
が属する組織の公式の見解を示すものではなく、内容に関してのすべての責任は筆者にある。
1
なお、浜田、佐藤(1992)、佐藤(1993)では旧基準である 68SNA の体系で分布統計が示されている。
- 59 -
ち単身世帯は 4,402 世帯)調査である 2。この規模は、
このことから、所得の階級と消費の具体的内容をリンク
ほかの消費や所得についての調査
(
「家計調査」
(総務省)
:
させた分析が可能となる。
(図表 1)
約 8000 世帯、
「国民生活基礎調査」
(厚生労働省)所得票:
本稿では、目的別消費支出及び貯蓄について、世帯主
約 9000 世帯)と比較しても大きい。また、
「全国消費実
年齢階級別と所得階級別の分布統計を作成する。区分に
態調査」における質問項目は、消費については家計調査
ついては、浜田(2012)と同じく、世帯主年齢階級別は
と同程度に詳細な品目、用途ごとの支出金額を把握でき
30 歳未満、30 歳以上 70 歳までの 5 歳階級、70 歳以上
るほか、所得については、勤務先から得られる所得だけ
の 10 区分、所得階級別では世帯の第 1 次所得で 10 分位
ではなく、事業収入等についても把握することができる。 に分けた階級を用いることとしている 3。
図表1 各種統計の調査対象の違い
ㄪᰝᐇ᪋
୺య
ㄪᰝᑐ㇟
ୡᖏ
඲ᅜᾘ㈝ᐇែㄪᰝ
ᐙィㄪᰝ
ᅜẸ⏕άᇶ♏ㄪᰝ
⥲ົ┬
⥲ົ┬
ཌ⏕ປാ┬
඲ᅜࡢୡᖏ
࠙஧ே௨ୖࡢୡᖏࠚ
ձᩱ⌮㣧㣗ᗑཪࡣ᪑㤋ࢆႠࡴే⏝ఫ
Ꮿࡢୡᖏ
ղୗᐟᒇཪࡣ㈥࠸௜ࡁࡢྠᒃேࡢ࠸
ࡿୡᖏ
ճఫࡳ㎸ࡳࡢ㞠⏝⪅ࡀே௨ୖ࠸ࡿ
ୡᖏ
մእᅜேୡᖏ
୺࡞ㄪ
ᰝ㝖እ ࠙༢㌟ୡᖏࠚ
ୡᖏ ձṓᮍ‶ࡢே
ղ஧ே௨ୖࡢୡᖏࡢձղմ࡟ヱᙜࡍ
ࡿே
ճ㞠⏝⪅ࢆྠᒃࡉࡏ࡚࠸ࡿே
մᏛ⏕
յ♫఍᪋タཬࡧ▹ṇ᪋タࡢධᡤ⪅
඲ᅜࡢୡᖏ
඲ᅜࡢୡᖏ
ձᩱ⌮㣧㣗ᗑ㸪᪑㤋ཪࡣୗᐟᒇ㸦ᐤ
ᐟ⯋ࢆྵࡴࠋ㸧ࢆႠࡴే⏝ఫᏯࡢୡ
ᖏ
ղ㈥࠸௜ࡁࡢྠᒃேࡀ࠸ࡿୡᖏ
ճఫࡳ㎸ࡳࡢႠᴗୖࡢ౑⏝ேࡀே
௨ୖ࠸ࡿୡᖏ
մୡᖏ୺ࡀ㛗ᮇ㛫㸦࠿᭶௨ୖ㸧୙
ᅾࡢୡᖏ
յእᅜேୡᖏ
ձఫࡳ㎸ࡳཪࡣࡲ࠿࡞࠸௜ࡁࡢᑅ࣭
ᐤᐟ⯋࡟ᒃఫࡍࡿ༢㌟⪅ୡᖏ㸦ᡤᚓ
⚊ㄪᰝ࡟࠾ࡅࡿ㝖እୡᖏ㸧
ղఫẸⓏ㘓ࡢሙᡤࢆ⑓㝔࡟⛣ࡋ࡚࠸
ࡿ༢㌟⪅ୡᖏ
ճ♫఍⚟♴᪋タ࡟ධᡤࡋ࡚࠸ࡿ༢㌟
⪅ୡᖏ
մฮົᡤ࣭ᣊ⨨ᡤ࡟཰┘ࡉࢀ࡚࠸ࡿ
༢㌟⪅ୡᖏ
஧ே௨ୖୡᖏ㸸ୡᖏ
༢㌟ୡᖏ㸸ୡᖏ
ୡᖏ⚊㸸ୡᖏ
ᡤᚓ⚊㸸ୡᖏ
ն⑓㝔ཬࡧ⒪㣴ᡤࡢධ㝔⪅
ㄪᰝᑐ㇟
ୡᖏᩘ
஧ே௨ୖୡᖏ㸸ୡᖏ
༢㌟ୡᖏ㸸ୡᖏ
㸦ᖹᡂᖺㄪᰝ㸧
ㄪᰝ࿘ᮇ
㸦ᖹᡂᖺㄪᰝ㸧
ᖺࡈ࡜
ẖᖺ㸦ᖺࡈ࡜࡟኱つᶍㄪᰝ㸧
ͤ┤㏆ࡢ኱つᶍㄪᰝࡣᖺᗘ
ẖ᭶
䕿୺䛺ㄪᰝ஦㡯
඲ᅜᾘ㈝ᐇែㄪᰝ
ᇶᮏⓗ࡞஦㡯
♫఍ಖ
㞀㛵ಀ
බⓗᖺ㔠࣭ᜠ⤥ࡢཷ⤥≧ἣࠊຍධ≧
ἣ
་⒪ಖ㝤ࡢຍධ≧ἣ
せ௓ㆤᗘࡢ≧ἣࠊᒃᏯࢧ࣮ࣅࢫࡢ฼
⏝≧ἣࠊᐙ᪘➼࡜஦ᴗ⪅࡟ࡼࡿ௓ㆤ
ෆᐜ➼
̿
̿
せ௓ㆤㄆᐃ⪅ࡢ᭷↓
̿
̿
་⒪
̿
ᑡᏊ໬
཰ධ࡟㛵ࡍࡿ஦㡯
ᅜẸ⏕άᇶ♏ㄪᰝ
ᖺ㔠
௓ㆤ
ᐙィㄪᰝ
ୡᖏᵓᡂࠊୡᖏဨᖺ㱋ࠊ⫋ᴗࠊఫᒃ ୡᖏᵓᡂࠊୡᖏဨᖺ㱋ࠊ⫋ᴗࠊఫᒃ ୡᖏᵓᡂࠊୡᖏဨࡢฟ⏕ᖺ᭶ࠊᑵᴗ
࡟㛵ࡍࡿ஦㡯ࠉ➼
࡟㛵ࡍࡿ஦㡯ࠉ➼
≧ἣࠉ➼
̿
̿
ᖺ㛫཰ධ㸦໅ࡵඛ཰ධࠊ㈈⏘཰ධࠊ
ᖺ㛫཰ධࠉ➼
♫఍ಖ㞀⤥௜ࠊ≉ู཰ධ➼ࡢศ㢮㸧
ᨭฟ࡟㛵ࡍࡿ஦㡯 ရ┠࣭⏝㏵ูᨭฟࠉ
ရ┠࣭⏝㏵ูᨭฟࠊ㉎ධᩘ㔞
̿
ᖺ㛫ࡢᡤᚓࡢ✀㢮ู㔠㢠࣭ㄢ⛯➼
㸦ᡤᚓ⛯ࠊఫẸ⛯ࠊ♫఍ಖ㝤ᩱ➼㸧
ࡢ≧ἣ
̿
㈓⵳࡟㛵ࡍࡿ஦㡯 ㈓⵳࣭㈇മࡢ≧ἣ
㈓⵳࣭㈇മࡢ≧ἣ
㈓⵳⌧ᅾ㧗࣭೉ධ㔠ṧ㧗
኱つᶍㄪᰝᖺࡢࡳᐇ᪋
ရ┠ูᨭฟ࡟࠾࠸࡚ࠊᖺ㔠ಖ㝤ᩱࠊಖ೺་⒪ࢧ࣮ࣅࢫࠊ௓ㆤࢧ࣮ࣅࢫࠊಖ⫱ᡤ㈝⏝➼ࡢศ㢮ࡀ࡞ࡉࢀ࡚࠸ࡿࠋ
2
今回の分析では、単身世帯を含む総世帯のうち、世帯属性について一部回答に不足などがある世帯を除いた 4 万 9150 世帯のサンプル
を用いている。
3
所得別の分布統計を作成する際、税や保険料の支払と年金等の現金による社会保障給付の受取の再分配を終えた「可処分所得」やさら
に現物社会給付等を分配した後の「調整可処分所得」で区分けすることも考えられるが、「第 1 次所得」で区分けすることで所得の源
泉の分布状況やその後の再分配の状況等を明らかにすることができる。(浜田 (2012))
- 60 -
即した分布統計を作成するには、
「全国消費実態調査」
3.分布統計における目的別最終消費支出の推計
の収支項目区分を SNA に合わせて整理しなおす必要が
ある。坂井(2010)では、図表 2 のような整理を図って
坂井(2010)に倣い、目的別最終消費支出における分
おり、本稿もこれに従っている。
布統計を推計し、その推計内容を分析する。まず、項目
特に、SNA において「住居・電気・ガス・水道」に
の区分や手順など、本稿における推計手法を説明する。
分類される「持ち家の帰属家賃」は、
「全国消費実態調査」
次に、推計結果について、SNA の公表値との比較を行
においては、
「消費支出」には含まれない。SNA では、
うほか、推計における課題を検討する。また、世帯属性
実際には家賃の受払を伴わない住宅(自宅等)について、
(世帯主年齢、所得階級)別の家計の消費支出の特徴を
通常の借家や貸間同様にサービスを産出しているとみな
し、居住する世帯がその分の家賃を消費(負担)してい
分析する。
ると見なすため、最終消費支出に含める。
なお、本稿における推計では、平成 23 年 12 月に公表
(1)推計手法について
①概念の整理(SNA の目的別支出項目と「全国消費実
された「平成 17 年基準改定」により取り入れられた
態調査」の支出項目の違い)
FISIM(間接的に計測される金融仲介サービス)につい
SNA では、家計の最終消費支出について 12 の目的別
ては、「全国消費実態調査」はデータが不足することか
4
項目ごとの値を示している 。もちろん、「全国消費実
ら考慮していない 5。
態調査」の項目区分は、SNA と異なっており、SNA に
図表2 国民経済計算の目的別支出項目と全国消費実態調査の支出項目
ᅜẸ⤒῭ィ⟬㸦ᐙィࡢ᭱⤊ᾘ㈝ᨭฟ࡟
࠾ࡅࡿ┠ⓗูᨭฟ㸧
㣗ᩱ࣭㠀࢔ࣝࢥ࣮ࣝ㣧ᩱ㸦Food and
non-alcoholic beverages㸧
඲ᅜᾘ㈝ᐇែㄪᰝ㸦཰ᨭ⾲㸧
㣗ᩱ(㓇㢮ࠊእ㣗➼ࡣ㝖ࡃ㸧ࠊ⌧≀ᾘ㈝㸦㣗ᩱ㸧ࠊ஺㝿
㈝㸦㣗ᩱ㸧
඲ᅜᾘ㈝ᐇែㄪᰝ㸦ಶே
཰ᨭ⡙㸧
㣗ᩱ㸦㓇㢮ࠊእ㣗ࢆ㝖ࡃ㸧
࢔ ࣝ ࢥ ࣮ ࣝ㣧ᩱ ࣭ ࡓ ࡤ ࡇ㸦Alcoholic
beverages and tabacco㸧
⿕᭹࣭ᒚ≀㸦Clothing and footwear㸧
㓇㢮ࠊࡓࡤࡇ
㓇㢮ࠊࡓࡤࡇ
⿕᭹ཬࡧᒚ≀ࠊ஺㝿㈝㸦⿕᭹ཬࡧᒚ≀㸧
⿕᭹ཬࡧᒚ≀
ఫ ᒃ ࣭ 㟁 Ẽ ࣭ ࢞ ࢫ ࣭ Ỉ 㐨 㸦 Housing,
electricity, gas and water supply㸧
ᐙල࣭ᐙᗞ⏝ᶵჾ࣭ᐙ஦ࢧ࣮ࣅࢫ
㸦Furnishings, household equipment and
house hold services㸧
ಖ೺࣭་⒪㸦Health㸧
ᐙ㈤ࠊග⇕࣭Ỉ㐨ࠊᣢࡕᐙࡢᖐᒓᐙ㈤
ఫᒃࠊග⇕࣭Ỉ㐨
ᐙල࣭ᐙ஦⏝ရ
㏻ಙ㸦Communication㸧
ᐙᗞ⏝⪏ஂ㈈ࠊᐊෆ⿦ഛ࣭⿦㣭ရࠊᐷල㢮ࠊᐙ஦㞧
㈌ࠊᐙ஦⏝ᾘ⪖ရࠊᐙ஦ࢧ࣮ࣅࢫࠊ஺㝿㈝㸦ᐙල࣭
ᐙ஦⏝ရ㸧
་⸆ရ➼ࠊಖ㝤་⒪ࢧ࣮ࣅࢫ㸦ฟ⏘ධ㝔ᩱࢆ㝖ࡃ㸧ࠊ
௓ㆤࢧ࣮ࣅࢫ
஺㏻ࠊ⮬ື㌴࣭⮬㌿㌴㉎ධࠊ㕲㐨࣭ࣂࢫ࣭㣕⾜ᶵ➼
ࡢ㐠㈤ࠊ⮬ື㌴➼⥔ᣢ㈝㸦ಖ㝤ᩱࢆ㝖ࡃ㸧ࠊᏯ㓄౽㐠
㏦ᩱ
㒑౽ᩱࠊ㟁ヰ㏻ಙᩱ➼
ፗᴦ࣭ࣞࢪ࣮࣭ࣕᩥ໬㸦Recreation and
culture㸧
ᩍ⫱㸦Education㸧
ᩍ㣴ፗᴦࠊᩍ⛉᭩࣭Ꮫ⩦ཧ⪃ᩍᮦ➼㸦ᐟἩᩱ➼ࡣ㝖
ࡃ㸧ࠊ஺㝿㈝㸦ᩍ㣴ፗᴦ㸧ࠊ⿵⩦ᩍ⫱㸦ሿ➼㸧
ᤵᴗᩱࠊᏛᰯ⤥㣗➼
ᩍ㣴ፗᴦ㸦ᐟἩᩱ➼ࡣ㝖
ࡃ㸧
ᩍ⫱
እ㣗࣭ᐟἩ㸦Restaurants and hotels㸧
እ㣗ࠊᐟἩᩱ
እ㣗ࠊᐟἩᩱ➼
ࡑ ࡢ ௚ 㸦 Miscellaneous goods and
services㸧
ࠕ⌧≀ᾘ㈝㸦㝖ࡃ㣗ᩱ㸧ࠊ஺㝿㈝ࡢ࠺ࡕୖグ㡯┠࡟ศ
㢮࡛ࡁ࡞࠸ࡶࡢࠊࡑࡢ௚ᾘ㈝ᨭฟࡢ࠺ࡕ SNA ࡢᐃ⩏
࡟ᙜ࡚ࡣࡲࡿࡶࡢ㸦⌮⨾ᐜࢧ࣮ࣅࢫࠊ⌮⨾ᐜ⏝ရࠊ
㌟ࡢᅇࡾ⏝ရࠊෙ፧ⴿ⚍㈝ࠊಖ⫱ᡤ㈝⏝➼㸧
ࡑࡢ௚㸦ࡓࡤࡇࢆ㝖ࡃ㸧
஺㏻㸦Transport㸧
ಖ೺་⒪
஺㏻
㏻ಙ
(備考)内閣府「国民経済計算 平成 22 年度確報」
、坂井(2010)
、総務省「平成 21 年全国消費実態調査」個人収支項目分
類表より作成
4
5
国連分類登録(UN Classification Registry)の COICOP(Classification of Individual Consumption According to Purpose) による。
浜田 (2012) では、分布統計の基本的な推計で FISIM の推計を行っていないが、参考表として FISIM の配分を試みた推計を付している。
- 61 -
②こづかい(個人的な支出)補正
終消費支出額から除き、消費税対象課税支出としている。
通常、家計における個人的な支出(いわゆる「こづか
い」)については、「全国消費実態調査」の支出項目では、
・食料・非アルコール飲料のうち、現物消費中の食料
・住居・電気・ガス・水道のうち、家賃及び持ち家の帰
「その他の消費支出」のうち「こづかい(使途不明)
」と
属家賃
して集計されている。しかし、実際は「こづかい」で各
・保健・医療のうち、
保健医療サービス
世帯員は SNA における「その他」の項目だけではなく、
・娯楽・レジャー・文化のうち、
教科書・学習参考教材
「食料」や「娯楽」等の消費を行っているはずである。
坂井(2010)は、この点に注目し、SNA における四半
・教育のうち、
授業料等
・その他の支出のうち、現物消費
(食料以外)
6
期別 GDP 速報の需要側推計方法 と整合的に、「個人収
支簿 7」の集計データを用いて、各世帯の「こづかい」
(2)推計の精度について(SNA 統計との比較)
を上記の 12 の目的別項目に配分する手法を取っている。
以上の作業により、家計の目的別最終消費支出の推計
個人収支簿における収支分類と SNA 統計における 12 の
した結果と、SNA 統計による実績値と比較したものが、
目的別支出の分類については図表 2 の第 3 列に記載して
図 表 3( 1) で あ る 8。 第 1 列 目 に は 2009( 平 成 21)
いる。本稿でもこの手法に倣った。さらに精緻にするた
年の実績値(確々報値(平成 23 年 12 月)
)
、第 2 列目に
め、坂井(2010)では、個人収支簿の集計データにおけ
は今回の推計値を示している。第 3 列目には実績値(1
る世帯主の年齢階級別の収支項目の配分を用いているの
列目)に対する今回の推計値(2 列目)の割合を示して
に対して、本稿ではさらに世帯主の年齢階級及び大まか
おり、この割合が 100%に近い(かい離が小さい)ほど
ではあるが年間収入階級別で分けたセミマクロの再集計
推計の精度が高いといえる。
この割合は、支出全体では 9 割となったが、目的別支
データによって配分を行っている。
出項目ごとに差が生じている。かい離が大きい(上記割
合が 75%以下また 125%以上と、25%以上のかい離のあ
③年率・経常補正
「全国消費実態調査」は毎年 9 ~ 11 月の 3 か月間(単
る)項目としては、
「食料・非アルコール飲料」
(+27.1%)、
(-35.4%)
「交通」
、
(-26.5%)
「外
、
身世帯は 10 ~ 11 月の 2 か月間)に行われる調査である。 「アルコール飲料・たばこ」
季節性がある商品については、消費額が過小ないし、過
食・宿泊」
(-25.3%)
、
「その他」
(-56.0%)がある。なお、
「こ
大に推計されていると考えられる。そのため、「全国消
づかい補正」を行うことで全体ではかい離が 10%以上
費実態調査」から得られたそれぞれの項目の消費額にお
縮まり、特に、「アルコール飲料・たばこ」、
「娯楽レジ
、「外食・宿泊」等の項目で大きく SNA の
ける「家計調査」
(平成 21 年)の 1 ~ 12 月の支出合計と、 ャー・文化」
9 ~ 11 月(単身世帯については 10 ~ 11 月)の平均月
値に近づいており、
「こづかい(使途不明)」がこれらの
額との比率を乗じた。さらに、浜田(2012)に倣い、家
分野に多く使用されている様子がわかる(図表3
(2))。
計が過小に消費を申告する可能性を考慮して、年間収入
上記のようなかい離については、
「全国消費実態調査」
の経常収入に対する比率を掛け合わせることにより、消
や SNA の特性、本稿で用いた推計方法等により以下の
費の上乗せを行っている。
事柄が影響している。
まず、
「全国消費実態調査」のような需要側の統計と
SNA で概念調整が十分に行えない点があげられる。例
④消費税課税対象支出
坂井 (2010) では、消費税対象支出額の算定は行って
えば、「食料・非アルコール飲料」が実績値を超えた大
いないが、各世帯属性にかかる税の負担を算定が可能と
きな値となり、「外食・宿泊」が実績値よりも小さい値
なるよう、目的別支出を利用した消費税課税対象支出を
となるといった特徴がみられる。これは、「全国消費実
推計する。非課税品目は以下の通りであり、これらを最
態調査」では、
「外食」に定義されるのは、「飲食店にお
6
推計手法解説書(四半期別 GDP 速報 (QE) 編)「Ⅱ . 需要項目別名目値の推計方法 1.民間最終消費支出(1)家計最終消費支出にお
ける需要項目側推計」を参照。
7
個人収支簿とは、平成 11 年の全国消費実態調査から「こづかい帳」に替わって導入された調査票で、世帯員ごとに個人の自由裁量に
よる収支を記入してもらうことにより、「こづかい(使途不明)」の内訳を解明すること等を目的としている。ただし、標本数が少なく、
同年の 8 ~ 10 月に家計調査に回答した 2 人以上世帯のうち、673 世帯(平成 21 年調査)のみを抽出して調査したものとなっている。
8
(1)における推計で 1 世帯あたりの消費支出の平均額を求めており、これに世帯数(5111 万世帯。2009(平成 21)年)を乗じることで
全世帯計の値としている。
- 62 -
ける飲食費」に限られるため、宅配サービスや惣菜店で
消費する物品及びサービスを把握し、12 分類の目的別
提供される中食などは「食料」として計上されうるが、
支出に集計している 9 ことから、本分析で用いる需要側
SNA においては産業として「外食」にカウントされる
統計で作成した推計とは乖離が生じる。
など調整できない定義の違いが存在するためである。ま
次に、ミクロデータの不足がある。例えば、
「その他」
た、SNA 年次推計では、本分析のような需要側からの
についてはかい離が著しいが、これは浜田(2012)でも
推計ではなく、生産に関する供給側の統計を基に家計の
指摘されているように、金融保険サービス、不動産斡旋
図表3 家計の目的別最終消費支出との比較
(1)推計値と推計の精度
SNA公表値10
(兆円)
(A)
推計値
(兆円)
(B)
38.5
7.4
9.5
70.0
10.7
11.9
29.4
8.1
28.3
6.3
18.3
37.7
276.2
46.7
食料・非アルコール飲料
アルコール飲料・たばこ
被服・履物
住居・電気・ガス・水道
家具・家庭用機器・家事サービス
保健・医療
交通
通信
娯楽・レジャー・文化
教育
外食・宿泊
その他
最終消費支出
(再掲)持ち家の帰属家賃
比較
(%)
(B÷A)
48.9
4.8
10.1
79.2
8.2
10.2
21.6
8.8
28.7
6.7
13.7
16.6
257.4
47.9
127.1
64.6
106.4
113.1
76.5
86.0
73.5
108.9
101.4
106.4
74.7
44.0 11
93.2 12
102.5
(2)こづかい補正を行った場合と行わない場合の推計精度(%)比較
140.0
127.1
113.1 108.9
120.0
122.2
100.0
113.0
107.2
80.0
106.4 106.4
100.0
101.4
93.2
86.0
105.9
76.5 74.7 73.5
90.0
79.2
60.0
74.0
67.9
䈖䈨䈎䈇⺞ᢛ䈅䉍
44.0
58.3
40.0
䈖䈨䈎䈇⺞ᢛ䈭䈚
44.0 41.8
20.0
0.0
93.2
64.6
㘩
ᢱ
࡮
㕖
ࠕ
࡞
ࠦ
䳦
࡞
㘶
ᢱ
૑
ዬ
࡮
㔚
᳇
࡮
ࠟ
ࠬ
࡮
᳓
㆏
ㅢ
ା
ⵍ
᦯
࡮
ጁ
‛
ᢎ
⢒
ᇅ
ᭉ
࡮
࡟
ࠫ
䳠
䳦
࡮
ᢥ
ൻ
଻
ஜ
࡮
ක
≮
ኅ
ౕ
࡮
ኅ
ᐸ
↪
ᯏ
ེ
࡮
ኅ
੐
ࠨ
䳦
ࡆ
ࠬ
ᄖ
㘩
࡮
ኋ
ᴱ
੤
ㅢ
ࠕ
࡞
ࠦ
䳦
࡞
㘶
ᢱ
࡮
ߚ
߫
ߎ
ߘ
ߩ
ઁ
ᦨ
⚳
ᶖ
⾌
ᡰ
಴
9
推計手法解説書(年次推計編)「第 6 章 国内総生産(支出側)の推計」参照。
2009(平成 21)年(暦年)値
11
FISIM を導入した家計最終消費支出は、導入しない場合と比べて、約 5.3 兆円増加する。この分を目的別最終消費支出の「その他」か
ら差し引いた額は 32.4 兆円となり、これを FISIM を考慮しない場合の「その他」の支出額と定義して比較すれば、推計精度は 51.2%
に高まる。
12
前注同様、FISIM を導入した場合とそうでない場合の家計最終消費支出の差を差し引くと、SNA の数値は 270.9 兆円となり、推計精度
は 95%に高まる。
10
- 63 -
サービス等について「全国消費実態調査」の範囲外であ
い離は 7%以上縮まる。
ることから、当該部分の推計が行われていないことが大
3 点目として掲げられるのは、「全国消費実態調査」
きな要因である。さらに、前節において指摘した通り、
の回答の特性である。同調査を用いた先行研究でも指摘
本稿の推計は、FISIM 分に関する情報が十分に得られな
されているように、ストックに対する記載、外食代やサ
い。FISIM に関する支出は「その他」に含まれることか
ービス消費等を中心に記入漏れ、誤記入、概算記入、分
ら、FISIM を含む SNA 統計の数値と本稿の推計とのか
類ミスの可能性がある(高山他(1989)等)ことから、
「外
い離を大きくしていると考えられる。なお、SNA 統計
食・宿泊」、
「家具・家庭用機器・家事サービス」等につ
の「その他」から FISIM 調整前後の家計最終諸費支出
いてはかい離が大きくなる(主に過小推計となる)と考
の差を引いたものと本稿の推計結果を比べると、そのか
えられる。
図表4 所得階級別(第 1 次所得 10 分位別)の目的別最終消費支出の構成
(1)推計値(世帯当たり平均)
(1 世帯当たり、単位:万円)
⋡⊛೎
䇭㩷㩷ᐔဋ
㪐㪌㪅㪍
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
㪐㪅㪋
ⵍ᦯䊶ጁ‛
㪈㪐㪅㪏
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
㪈㪌㪌㪅㪇
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
㪈㪍㪅㪈
଻ஜ䊶ක≮
㪈㪐㪅㪐
੤ㅢ
㪋㪉㪅㪉
ㅢା
㪈㪎㪅㪉
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
㪌㪍㪅㪈
ᢎ⢒
㪈㪊㪅㪉
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
㪉㪍㪅㪐
䈠䈱ઁ
㪊㪉㪅㪋
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
㪌㪇㪊㪅㪍
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪐㪊㪅㪏
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
㸇
㪏㪌㪅㪏
㪍㪅㪐
㪈㪈㪅㪈
㪈㪉㪋㪅㪊
㪈㪋㪅㪈
㪈㪐㪅㪉
㪈㪐㪅㪐
㪈㪈㪅㪋
㪊㪎㪅㪊
㪉㪅㪍
㪈㪉㪅㪌
㪉㪉㪅㪋
㪊㪍㪎㪅㪌
㪋㪐㪅㪎
㸈
㪈㪇㪇㪅㪏
㪎㪅㪍
㪈㪊㪅㪍
㪈㪌㪐㪅㪍
㪈㪍㪅㪈
㪉㪇㪅㪐
㪉㪍㪅㪈
㪈㪉㪅㪐
㪋㪍㪅㪈
㪉㪅㪐
㪈㪋㪅㪎
㪉㪋㪅㪐
㪋㪋㪍㪅㪇
㪈㪇㪋㪅㪋
㸉
㪈㪇㪇㪅㪊
㪏㪅㪇
㪈㪌㪅㪍
㪈㪎㪊㪅㪌
㪈㪍㪅㪉
㪉㪉㪅㪈
㪉㪐㪅㪐
㪈㪊㪅㪏
㪌㪈㪅㪍
㪊㪅㪍
㪈㪐㪅㪇
㪉㪐㪅㪇
㪋㪏㪉㪅㪋
㪈㪈㪎㪅㪉
㸊
㪏㪍㪅㪇
㪏㪅㪈
㪈㪋㪅㪏
㪈㪌㪎㪅㪏
㪈㪊㪅㪉
㪈㪏㪅㪉
㪊㪋㪅㪈
㪈㪊㪅㪐
㪋㪍㪅㪌
㪋㪅㪊
㪉㪇㪅㪊
㪉㪍㪅㪈
㪋㪋㪊㪅㪋
㪈㪇㪇㪅㪈
㸋
㪎㪏㪅㪏
㪏㪅㪉
㪈㪋㪅㪍
㪈㪊㪍㪅㪍
㪈㪊㪅㪈
㪈㪎㪅㪉
㪊㪐㪅㪉
㪈㪌㪅㪊
㪋㪍㪅㪉
㪍㪅㪏
㪉㪊㪅㪇
㪉㪊㪅㪊
㪋㪉㪉㪅㪋
㪎㪏㪅㪇
㸌
㪏㪈㪅㪊
㪏㪅㪍
㪈㪎㪅㪍
㪈㪊㪏㪅㪉
㪈㪊㪅㪏
㪈㪌㪅㪍
㪊㪎㪅㪐
㪈㪎㪅㪈
㪌㪇㪅㪏
㪐㪅㪍
㪉㪎㪅㪊
㪉㪍㪅㪏
㪋㪋㪋㪅㪎
㪎㪍㪅㪏
㸍
㪐㪇㪅㪈
㪈㪇㪅㪇
㪈㪐㪅㪉
㪈㪌㪇㪅㪐
㪈㪋㪅㪐
㪈㪎㪅㪉
㪋㪈㪅㪌
㪈㪐㪅㪈
㪌㪎㪅㪎
㪈㪍㪅㪇
㪉㪏㪅㪉
㪊㪇㪅㪏
㪋㪐㪌㪅㪐
㪐㪇㪅㪇
㸎
㪐㪌㪅㪎
㪈㪇㪅㪍
㪉㪊㪅㪉
㪈㪌㪉㪅㪇
㪈㪍㪅㪌
㪈㪏㪅㪍
㪌㪇㪅㪌
㪈㪐㪅㪐
㪌㪐㪅㪐
㪉㪈㪅㪌
㪊㪊㪅㪌
㪊㪌㪅㪐
㪌㪊㪎㪅㪏
㪐㪈㪅㪐
㸏
㪈㪇㪎㪅㪈
㪈㪈㪅㪏
㪉㪎㪅㪏
㪈㪍㪌㪅㪏
㪈㪏㪅㪐
㪉㪈㪅㪎
㪍㪉㪅㪐
㪉㪉㪅㪈
㪎㪇㪅㪇
㪉㪏㪅㪏
㪊㪏㪅㪌
㪋㪉㪅㪌
㪍㪈㪎㪅㪐
㪈㪇㪋㪅㪋
(2)全所得階級の各項目平均= 100%とした場合の各所得階級の支出
250%
㣗ᩱ䞉㠀䜰䝹䝁䞊䝹㣧ᩱ
䜰䝹䝁䞊䝹㣧ᩱ䞉䛯䜀䛣
⿕᭹䞉ᒚ≀
200%
ఫᒃ䞉㟁Ẽ䞉䜺䝇䞉Ỉ㐨
ᐙල䞉ᐙᗞ⏝ᶵჾ䞉ᐙ஦䝃䞊䝡䝇
150%
ಖ೺䞉་⒪
஺㏻
㏻ಙ
100%
ፗᴦ䞉䝺䝆䝱䞊䞉ᩥ໬
ᩍ⫱
50%
እ㣗䞉ᐟἩ
䠄෌ᥖ䠅ᣢ䛱ᐙ䛾ᖐᒓᐙ㈤
0%
ϩ
Ϭ
ϰ
(参考)第1次所得10分位別世帯人員数(人)
ୡᖏேဨ
ᖹᆒ
㻞㻚㻡
䊠
㻝㻚㻣
䊡
㻝㻚㻤
䊢
㻝㻚㻥
䊣
㻞㻚㻜
䊤
㻞㻚㻟
- 64 -
䊥
㻞㻚㻣
䊦
㻟㻚㻜
䊧
㻟㻚㻝
䊨
㻟㻚㻟
䊩
㻟㻚㻠
㸐
㪈㪊㪇㪅㪊
㪈㪋㪅㪌
㪋㪇㪅㪇
㪈㪐㪈㪅㪇
㪉㪊㪅㪏
㪉㪏㪅㪇
㪎㪐㪅㪏
㪉㪍㪅㪉
㪐㪋㪅㪌
㪊㪌㪅㪏
㪌㪈㪅㪐
㪍㪉㪅㪍
㪎㪎㪏㪅㪌
㪈㪉㪌㪅㪉
最後に、今回用いた推計方法では、耐久財消費が過大
ないし過小に推計されていることが考えられる。本来、
ら耐久財の特性を考慮すれば 13、さらなる精度向上の可
能性がある。
目的別支出項目毎に耐久財支出額(割合)は異なるが、
ここではその額(割合)の違いを考慮せずに経常補正を
(3)世帯属性(所得階級、世帯主年齢階級)別の支出
行っている。そのため、特に経常支出が中心となる支出
の違い
項目(食料等)においては過大な推計となり、耐久財で
ある家具やリフォーム、自動車といった製品を含む割合
以上の目的別消費支出をさらに所得階級別、世帯主年
齢階級別に示した。
が多い「家具・家庭用機器・家事サービス」や「交通」
については過小の推計となっていると考えられる。これ
所得階級別でみると(図表4)、どの階級の平均を見
ても、最も大きい支出は「住居・電気・ガス・水道」、「食
図表5 世帯主年齢階級別の目的別最終消費支出
(1)推計値(世帯当たり平均)
(1 世帯当たり、単位:万円)
┠ⓗู
㣗ᩱ䞉㠀䜰䝹䝁䞊䝹㣧ᩱ
䜰䝹䝁䞊䝹㣧ᩱ䞉䛯䜀䛣
⿕᭹䞉ᒚ≀
ఫᒃ䞉㟁Ẽ䞉䜺䝇䞉Ỉ㐨
ᐙල䞉ᐙᗞ⏝ᶵჾ䞉ᐙ஦䝃䞊䝡䝇
ಖ೺䞉་⒪
஺㏻
㏻ಙ
ፗᴦ䞉䝺䝆䝱䞊䞉ᩥ໬
ᩍ⫱
እ㣗䞉ᐟἩ
䛭䛾௚
᭱⤊ᾘ㈝ᨭฟ
䠄෌ᥖ䠅ᣢ䛱ᐙ䛾ᖐᒓᐙ㈤
ᖹᆒ 㻟㻜ṓᮍ‶ 㻟㻜䡚㻟㻠ṓ 㻟㻡䡚㻟㻥ṓ 㻠㻜䡚㻠㻠ṓ 㻠㻡䡚㻠㻥ṓ 㻡㻜䡚㻡㻠ṓ 㻡㻡䡚㻡㻥ṓ 㻢㻜䡚㻢㻠ṓ 㻢㻡䡚㻢㻥ṓ 㻣㻜ṓ௨ୖ
㻥㻡㻚㻢
㻟㻞㻚㻞
㻡㻢㻚㻠
㻣㻜㻚㻢
㻤㻟㻚㻝
㻥㻤㻚㻝
㻝㻜㻜㻚㻡
㻝㻜㻞㻚㻢
㻝㻜㻣㻚㻜
㻝㻝㻤㻚㻜
㻝㻝㻠㻚㻟
㻥㻚㻠
㻠㻚㻟
㻢㻚㻣
㻣㻚㻢
㻤㻚㻢
㻝㻜㻚㻠
㻝㻝㻚㻢
㻝㻞㻚㻤
㻝㻝㻚㻝
㻝㻜㻚㻡
㻤㻚㻞
㻝㻥㻚㻤
㻝㻡㻚㻢
㻝㻢㻚㻡
㻝㻥㻚㻜
㻞㻜㻚㻢
㻞㻡㻚㻤
㻞㻤㻚㻜
㻞㻞㻚㻞
㻞㻜㻚㻠
㻝㻣㻚㻡
㻝㻡㻚㻤
㻝㻡㻡㻚㻜
㻢㻥㻚㻜
㻝㻜㻢㻚㻟
㻝㻞㻣㻚㻣
㻝㻠㻠㻚㻜
㻝㻡㻡㻚㻢
㻝㻡㻜㻚㻜
㻝㻡㻞㻚㻤
㻝㻢㻝㻚㻤
㻝㻤㻜㻚㻜
㻝㻥㻟㻚㻝
㻝㻢㻚㻝
㻡㻚㻜
㻝㻜㻚㻝
㻝㻟㻚㻢
㻝㻞㻚㻞
㻝㻠㻚㻡
㻝㻥㻚㻞
㻝㻤㻚㻝
㻞㻜㻚㻟
㻝㻤㻚㻣
㻝㻣㻚㻤
㻝㻥㻚㻥
㻡㻚㻤
㻝㻜㻚㻡
㻝㻞㻚㻠
㻝㻠㻚㻟
㻝㻣㻚㻝
㻞㻝㻚㻝
㻝㻥㻚㻤
㻞㻟㻚㻟
㻞㻣㻚㻞
㻞㻢㻚㻟
㻠㻞㻚㻞
㻟㻣㻚㻞
㻞㻠㻚㻡
㻟㻢㻚㻝
㻠㻟㻚㻣
㻡㻞㻚㻜
㻣㻟㻚㻠
㻡㻠㻚㻤
㻠㻜㻚㻢
㻠㻡㻚㻡
㻞㻣㻚㻝
㻝㻣㻚㻞
㻝㻞㻚㻟
㻝㻣㻚㻡
㻝㻤㻚㻞
㻝㻤㻚㻥
㻞㻟㻚㻝
㻞㻡㻚㻟
㻝㻥㻚㻝
㻝㻢㻚㻡
㻝㻠㻚㻣
㻝㻞㻚㻡
㻡㻢㻚㻝
㻟㻢㻚㻞
㻠㻠㻚㻠
㻡㻝㻚㻞
㻢㻞㻚㻞
㻢㻜㻚㻤
㻢㻟㻚㻢
㻡㻣㻚㻠
㻡㻥㻚㻤
㻢㻞㻚㻡
㻡㻟㻚㻟
㻝㻟㻚㻞
㻞㻚㻟
㻥㻚㻡
㻝㻤㻚㻝
㻞㻟㻚㻢
㻠㻞㻚㻜
㻟㻠㻚㻡
㻝㻢㻚㻤
㻠㻚㻟
㻜㻚㻤
㻝㻚㻟
㻞㻢㻚㻥
㻞㻟㻚㻠
㻞㻥㻚㻤
㻟㻝㻚㻜
㻟㻜㻚㻜
㻟㻠㻚㻠
㻟㻠㻚㻞
㻟㻟㻚㻢
㻞㻡㻚㻝
㻞㻠㻚㻤
㻝㻣㻚㻝
㻟㻞㻚㻠
㻝㻡㻚㻝
㻞㻡㻚㻠
㻞㻣㻚㻝
㻟㻟㻚㻤
㻠㻜㻚㻣
㻠㻟㻚㻞
㻟㻤㻚㻣
㻞㻥㻚㻡
㻟㻞㻚㻠
㻟㻝㻚㻣
㻡㻜㻟㻚㻢
㻞㻡㻤㻚㻡
㻟㻡㻣㻚㻢
㻠㻟㻞㻚㻡
㻠㻥㻡㻚㻜
㻡㻣㻠㻚㻡
㻢㻜㻠㻚㻡
㻡㻠㻤㻚㻤
㻡㻝㻥㻚㻣
㻡㻡㻞㻚㻠
㻡㻝㻤㻚㻠
㻥㻟㻚㻤
㻥㻚㻥
㻟㻥㻚㻤
㻢㻠㻚㻣
㻤㻜㻚㻜
㻤㻣㻚㻡
㻥㻜㻚㻟
㻥㻤㻚㻢
㻝㻜㻢㻚㻡
㻝㻝㻥㻚㻢
㻝㻞㻥㻚㻡
(2)全年齢階級の各項目平均= 100%とした場合の各年齢階級の支出額
300%
㣗ᩱ䞉㠀䜰䝹䝁䞊䝹㣧ᩱ
250%
䜰䝹䝁䞊䝹㣧ᩱ䞉䛯䜀䛣
⿕᭹䞉ᒚ≀
200%
ఫᒃ䞉㟁Ẽ䞉䜺䝇䞉Ỉ㐨
ᐙල䞉ᐙᗞ⏝ᶵჾ䞉ᐙ஦䝃䞊䝡䝇
ಖ೺䞉་⒪
150%
஺㏻
㏻ಙ
100%
ፗᴦ䞉䝺䝆䝱䞊䞉ᩥ໬
ᩍ⫱
እ㣗䞉ᐟἩ
50%
䠄෌ᥖ䠅ᣢ䛱ᐙ䛾ᖐᒓᐙ㈤
0%
35䡚39ṓ
50䡚54ṓ
65䡚69ṓ
(参考)世帯主年齢階級別世帯人員数(人)
ୡᖏேဨ
ᖹᆒ 㻟㻜ṓᮍ‶ 㻟㻜䡚㻟㻠ṓ 㻟㻡䡚㻟㻥ṓ 㻠㻜䡚㻠㻠ṓ 㻠㻡䡚㻠㻥ṓ 㻡㻜䡚㻡㻠ṓ 㻡㻡䡚㻡㻥ṓ 㻢㻜䡚㻢㻠ṓ 㻢㻡䡚㻢㻥ṓ 㻣㻜ṓ௨ୖ
㻞㻚㻡
㻝㻚㻢
㻞㻚㻢
㻟㻚㻝
㻟㻚㻠
㻟㻚㻟
㻟㻚㻝
㻞㻚㻣
㻞㻚㻟
㻞㻚㻝
㻝㻚㻤
13
宇南山(2010)によれば、家計調査における自動車や家財等の消費額は家計消費状況調査の約半分となっている。
- 65 -
図表6 消費額のうち消費税課税対象消費額の割合
料・非アルコール飲料」となっており、前者は最終消費
支出の約 3 割、後者は約 2 割を占める。特に、「住居」
(1)所得階級別
の中には、
「持ち家の帰属家賃」が含まれており、この
74.0
ことが、
「住居・電気・ガス・水道」の項目を大きくす
る要因となっている。消費の総額を比べると、高い所得
72.0
71.3
階級では、消費総額も大きくなる傾向がみられるが、所
得階級第 2 ~ 4 分位については、中位の所得階級である
70.0
69.5
68.9
第 5 分位の消費よりも多く消費していることがわかる。
68.0
上記で述べた通り、この大きな原因は「住居・電気・ガ
ス・水道」について、2 ~ 4 分位階級の世帯が多く消費
67.5 67.4
66.5
66.4
66.0
していることに起因していることが確認できる。
64.5
世帯主の年齢階級別目的別消費支出の結果をみると
64.0
(図表5)、世帯主年齢が高くなるにつれて帰属家賃の額
63.5 63.6
が上昇しており、このことが消費額を押し上げている。
62.0
退職後で稼得所得が少ないために低めの所得階級(2 ~
4 分位階級)に属する高齢者が、持ち家率が高いことを
60.0
Σ
反映している。
その他、所得階級別が高くなるにつれ、また 30 代後
Τ
Υ
Φ
Χ
Ψ
Ω
Ϊ
Ϋ
ά
(2)世帯主年齢階級別
半~ 50 代前半にかけて教育にかかる費用が大きい。所
74.0
得階級の高い世帯ほど世帯人員が多く子供を持っていた
72.4
り、40 代後半から 50 代にかけては子供の大学進学等高
72.0
等教育にかかる費用がかかることが影響していると考え
70.7
られる。
70.0
70.0
最終消費支出額における課税対象支出額の割合を見る
68.3
68.2
と(図表6)、所得階級別では、所得が高い世帯ほど、
68.0
67.8
67.4
67.5
67.1
支出全体に占める課税対象支出額の割合は高くなってお
66.0
り、最も消費税課税対象支出額が最終消費支出に占める
割合が低いのは第 3 分位であった。これは、所得が高い
64.0
世帯ほど、支出全体に占める「保健・医療」や「帰属家
62.7
賃」といった非課税品目にかかる支出の割合が小さいこ
62.0
とが要因となっている。また、世帯主年齢階級別では、
30 歳未満や 50 代の子育て世帯では、課税対象支出額の
60.0
支出全体額に占める割合が約 7 割となっているのに対し
て、高齢者の世帯主世帯ではその割合が低く、70 歳以
上の世帯では約 6 割であり、最も割合が高い年齢階級と
比べて 1 割以上低くなっている。これは、高齢者ほど目
的別消費支出の中の「保健・医療」が多く、持ち家比率
(備考)最終消費支出のうち、消費税課税対象の消費額の割合(と
もに税抜き)。なお、図表4~5で示した消費支出額につ
いてはいずれも消費税を含んだ額となっていることから、
以下のように計算した。
が高いことから「持ち家の帰属家賃」の額が大きくなる
など、消費税の非課税対象支出が多くなることが影響し
ていると考えられる。
- 66 -
(最終消費支出のうち、消費税課税対象品目の額)/1.05
0.05
)
最終消費支出-(消費税課税対象品目の額×
1.05
有する複数の住居についても尋ねており、これらについ
4.純貯蓄率の分布統計
ても現居住住宅と同様に推計する。
次に、それぞれの住居について、平成 16 年及び平成
(1)純貯蓄・総貯蓄(純可処分所得・総可処分所得)
21 年の「全国消費実態調査」の「住宅及び耐久消費財
の単価、耐用年数及び単価率」により建物の坪単価 16
と固定資本減耗
家計の所得支出勘定の所得の使用勘定では、可処分所
及び建築時期からの経過年数、償却率 17 から 2004 年、
得に年金基金年金準備金の変動を加えたものから最終消
2009 年時点の減価償却費用の額を求める。なお、木造
費支出(個別消費支出)を差し引いたものを「貯蓄」と
については 23 年以上、鉄筋・鉄骨造については 48 年以
定義づけ、貯蓄を可処分所得と年金基金年金準備金の変
上、その他(ブロック造等)については 39 年以上の建
動の和で除したものを貯蓄率としている。可処分所得に
築年数がたっている場合、家屋の住宅価格をゼロとし、
ついては、固定資本減耗を含めた所得を可処分所得
各年における償却額もゼロとした。これらを各世帯で所
(総)、控除したものを可処分所得(純)とし、それぞれ
有するすべての住宅についての減価償却費用を足し合わ
の可処分所得から求められる「貯蓄(率)
」は、それぞ
せ、固定資本減耗額としている。
れ「貯蓄(率)
(総)
」
「貯蓄(率)
(純)
」となる。浜田(2012)
貯蓄率(純)については、浜田(2012)における 2004、
等では「貯蓄(総)
」で示された貯蓄率を用いているが、
2009 年それぞれの可処分所得(総)、貯蓄(総)から、
一般にマクロで「貯蓄率」として指標に用いられ、「国
それぞれ固定資本減耗額を差し引き、可処分所得(純)、
民経済計算年報」でも表示されるのは「貯蓄率(純)」
貯蓄(純)を求める。貯蓄(純)を可処分所得(純)で
である。この純概念の貯蓄率を分布統計において推計す
割り、純貯蓄率を求める。
るためには、各世帯特性別に固定資本減耗を除した可処
(3)推計の精度(SNA 統計との比較)
分所得を算定する必要がある。
図 表 7 は、 本 分 析 の 固 定 資 本 減 耗 の 推 計 額 と 浜 田
固定資本減耗は固定資産に対して発生するものであり、
14
生産にかかる費用ととらえることができる 。SNA 上
(2012)
の推計結果を用いて求めた貯蓄
(純)等である。
「開
の「家計」において、住宅の他、
「家計」に含まれる個
差」とは SNA 統計(実績値・暦年)との差を示し、こ
人企業等が業務に用いる自動車や店舗・設備等
15
が当
の絶対値が小さいほど推計の精度が高いといえる。
たるが、ここでは、住宅についてのみ固定資本減耗を求
固定資本減耗は 2004 年では 1 世帯あたり平均で 34.3
め、純貯蓄率の推計を試みる。また、ここでは平成 21
万円、2009 年では 32.9 万円となった。それぞれ全世帯
年の「全国消費実態調査」に加え、平成 16 年の調査も
数(2004 年:4915 万世帯、2009 年:5111 万世帯)を掛
用い、2004、2009 年の 2 カ年に関する推計を示す。
け合わせるとそれぞれ 16.9 兆円、
16.8 兆円となる。民間・
公的別の固定資本減耗のうち、民間の住宅分はそれぞれ
(2)固定資本減耗及び貯蓄(純)
、貯蓄率(純)の推計
16.6 兆円、17.0 兆円であり、ほぼ近しい値となった。
固定資本減耗を推計するにあたり、住居の特定や減耗
これを浜田 (2012) における可処分所得(総)及び貯
率等を計測する。住居については、各世帯の住まう現住
蓄(総)から差し引いて求めた貯蓄率(純)は 2004 年
居が持ち家である場合、それを 1 件目として数える。ま
で 3.3%、2009 年で 2.8%となった。国民経済計算の確々
た、
「全国消費実態調査」では、現在の住居以外に、所
報によれば貯蓄率(純)は 2004 年で 2.1%、2009 年で
14
通常の使用に基づく摩損及び損傷(減価償却)に加え、予見される火災、風水害、自己等に伴う滅失(資本偶発損)を評価した額。
我が国の SNA では、「家計」に個人企業を含んでいる。そのため、たとえば、農家の使用する農機具等の固定資本減耗も家計の固定資
本減耗と考えられる。しかし、ここでは、家計の固定資本減耗の大部分である住居に関する固定資本減耗のみの計測を試みた。なお、
農家の使用する農機具についての固定資本減耗も計測する場合は、農林水産省「農業経営統計調査」を用いて、全国消費実態調査にお
いて職業が「農家」である世帯について、その(住居以外の)延床面積と農業経営統計調査の農機具の現在価格を用いて、個人経営農
家の各世帯の固定資本減耗を計測する等の工夫が考えられる。
16
建物構造が木造、防災木造、鉄筋・鉄骨の場合は各都道府県及び構造毎に、その他(ブロック造、レンガ造)については全国一律の坪
単価を示している。なお、現居住住宅以外の住宅については、建築場所の特定がなかったため、居住地と同一の都道府県にあるものと
仮定した。この坪単価は工事費予定額等から算出されているため、固定資本減耗の時価評価と近いものになっていると考えられる。
17
「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」
(昭和 40 年大蔵省令第 15 号)に定められた定率法による償却率。なお、SNA 統計において
は、主に内閣府「民間企業投資・除却調査」による。(「新たな資本統計の整備について」(統計委員会第 11 回国民経済計算部会 資料 1)
参照)。
15
- 67 -
2.4%であり、これらの値と比べると 2004 年については
5.むすび:今後の課題について
ややかい離が大きい。
今回求めたのは家計の所有する住宅についての固定資
本減耗のみであり、農家等の「個人企業」が保有する生
本稿では、世帯属性別に目的別の消費支出や、固定資
産資産分が考慮されていないため、固定資本減耗が過小
本減耗の推計を試み、支出の細部や純概念の貯蓄率を推
な推計となっている可能性があることに留意が必要だが、
計・分析した。今回の試みにより発見されたことがあっ
概ね貯蓄(総)と貯蓄(純)の差を説明することができ
たが、推計手法等について改善すべき点も見られた。
ている。
消費については、坂井(2010)の手法に倣い、2009 年
の目的別支出項目について推計を行うとともに、消費税
(4)世帯の属性別固定資本減耗と貯蓄率の変化
課税対象支出の計算を試み、所得階級が低い世帯や高齢
固定資本減耗について世帯の属性(ここでは所得階級
世帯においては、帰属家賃や「医療・保険」等により所
と世帯主年齢階級別)ごとに再推計を行い、所得階級別、 得の割に消費額が大きくなっており、消費支出に占める
世帯主年齢階級別にも貯蓄率(純)を求めた。
(図表8)
課税対象支出額が低いことが分かった。本稿の推計では、
貯蓄率(純)を所得階級別でみた場合、第Ⅰ分位の貯
個人の支出(いわゆる「こづかい」)を各支出項目に配
蓄率が大きくマイナスとなっている他、所得階級が向上
分し直す点において工夫し SNA 統計の数値に近づけた
するごとに貯蓄率はプラスになるという傾向や、世帯主
ことや、消費税の課税対象消費支出額を算定したことが
年齢階級別でみた場合、50 代までの世帯ではプラスと
新たな取組みであった。しかし、目的別支出の推計の精
なり 60 歳以上の世帯ではマイナスの貯蓄率となるとい
度を高めるためには、耐久財の推計について他の統計を
う傾向は、総貯蓄と同じである。貯蓄率(総)と貯蓄率
用いる等の工夫をする余地がある。また、消費税課税に
(純)の差に注目すると、所得階級別の第 1 分位におい
ついては、最終消費支出以外の住宅投資にも課税されて
ては 8%以上、第 2 ~ 4 分位も 4 ~ 7%程度、
貯蓄率(純)
いることを踏まえれば、今回の推計だけでは消費税収の
が低くなり、低い所得階級ほど差が大きい。また、世帯
属性別負担全体を説明することはできない。
主年齢階級別でも世帯主年齢が 60 代以上の世帯の貯蓄
貯蓄については、固定資本減耗の額の算定を試み、浜
率も純概念の方が 6 ~ 8%程度低く、年齢層が高いほど
田(2012)では算出されていない「純」の概念に基づく
差が大きい。これは、稼得所得は低いが持家率が高い退
貯蓄率を推計した。結果、
2004 年から 2009 年にかけては、
職した年齢階層の世帯が、第 1 ~ 4 分位の低い所得階級
世帯属性別の貯蓄率がほぼ「総」概念の貯蓄と同様の傾
に多く含まれ、所得の割に固定資本減耗が大きくなって
向をもつものの、低所得階級や高齢世帯では、総貯蓄と
いることが影響していると考えられる。
純貯蓄の差(固定資本減耗)が大きいことが確認できた。
ただし、この固定資本減耗については持ち家分だけに限
定された推計であり、個人企業(例えば、農家等)の生
産資産については推計をしていないため、SNA の家計
の概念とかい離を残していることに留意が必要である。
また、今回の推計の範囲は、2004、2009 年となって
いる。少子高齢化等に伴う世帯構造変化が消費や貯蓄の
行動の変化にどのように影響しているのかを分析するに
は、経年での比較が欠かせない。今回の方法を改良しな
がら、過去の数値についても同様の推計を進めることが
こうした分析に貢献できるのではないかと考える。
- 68 -
図表7 固定資本減耗及び貯蓄率(純)を含めた分布統計集計表
㻞㻜㻜㻠ᖺ
Ⴀᴗవ๫䞉ΰྜᡤᚓ䠄⥲䠅
㞠⏝⪅ሗ㓘
㈈⏘ᡤᚓ䠄ཷྲྀ䠅
➨୍ḟᡤᚓཷྲྀ
㈈⏘ᡤᚓ䠄ᨭᡶ䠅
➨䠍ḟᡤᚓ䝞䝷䞁䝇䠄⥲䠅
⌧㔠䛻䜘䜛♫఍ಖ㞀䞉♫఍ᢇຓ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ཷྲྀ㻕
➨஧ḟᡤᚓཷྲྀ
ᡤᚓ䛻ㄢ䛥䜜䜛⛯
ᙉไⓗ⌧ᐇ♫఍㈇ᢸ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ᨭᡶ㻕
ྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
⌧≀♫఍⛣㌿
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
᭱⤊ᾘ㈝ᨭฟ䠄ಶูᾘ㈝ᨭฟ䠅
㈓⵳䠄⥲䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄䠂䠅
⌧ᐇ᭱⤊ᾘ㈝䠄⌧ᐇಶูᾘ㈝䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳⋡䠄䠂䠅
ᅛᐃ㈨⏘ῶ⪖
ྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
㈓⵳䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳⋡䠄⣧䠅
㻞㻜㻜㻥ᖺ
Ⴀᴗవ๫䞉ΰྜᡤᚓ䠄⥲䠅
㞠⏝⪅ሗ㓘
㈈⏘ᡤᚓ䠄ཷྲྀ䠅
➨୍ḟᡤᚓཷྲྀ
㈈⏘ᡤᚓ䠄ᨭᡶ䠅
➨䠍ḟᡤᚓ䝞䝷䞁䝇䠄⥲䠅
⌧㔠䛻䜘䜛♫఍ಖ㞀䞉♫఍ᢇຓ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ཷྲྀ㻕
➨஧ḟᡤᚓཷྲྀ
ᡤᚓ䛻ㄢ䛥䜜䜛⛯
ᙉไⓗ⌧ᐇ♫఍㈇ᢸ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ᨭᡶ㻕
ྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
⌧≀♫఍⛣㌿
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
᭱⤊ᾘ㈝ᨭฟ䠄ಶูᾘ㈝ᨭฟ䠅
㈓⵳䠄⥲䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄䠂䠅
⌧ᐇ᭱⤊ᾘ㈝䠄⌧ᐇಶูᾘ㈝䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳⋡䠄䠂䠅
ᅛᐃ㈨⏘ῶ⪖
ྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
㈓⵳䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳⋡䠄⣧䠅
䠄඙෇䚸䠂䚸䠂䝫䜲䞁䝖䠅
㻿㻺㻭
ศᕸ⤫ィ
㛤ᕪ䠍
㛤ᕪ䠎
㛤ᕪ䠏
㻔㻠㻕㻌㻩㻌㻔㻟㻕㻌㻙㻌㻔㻞㻕 㻔㻡㻕㻌㻩㻌㻔㻞㻕㻌㻙㻌㻔㻝㻕 㻔㻢㻕㻌㻩㻌㻔㻟㻕㻌㻙㻌㻔㻝㻕
㻔㻟㻕
බ⾲್㻔㻝㻕 ᴫᛕㄪᩚᚋ㻔㻞㻕
㻢㻝㻚㻠㻡
㻣㻜㻚㻞㻟
㻣㻜㻚㻥㻤
㻜㻚㻣㻡
㻤㻚㻣㻤
㻥㻚㻡㻟
㻞㻡㻞㻚㻡㻠
㻞㻟㻟㻚㻢㻢
㻞㻞㻠㻚㻤㻡
㻙㻤㻚㻤㻝
㻙㻝㻤㻚㻤㻤
㻙㻞㻣㻚㻢㻥
㻞㻞㻚㻡㻝
㻝㻢㻚㻢㻥
㻝㻢㻚㻥㻝
㻜㻚㻞㻞
㻙㻡㻚㻤㻞
㻙㻡㻚㻢㻜
㻟㻟㻢㻚㻡㻜
㻟㻞㻜㻚㻡㻤
㻟㻝㻞㻚㻣㻠
㻙㻣㻚㻤㻠
㻙㻝㻡㻚㻥㻞
㻙㻞㻟㻚㻣㻢
㻟㻚㻞㻡
㻝㻠㻚㻠㻝
㻝㻠㻚㻡㻢
㻜㻚㻝㻡
㻝㻝㻚㻝㻢
㻝㻝㻚㻟㻝
㻟㻟㻟㻚㻞㻡
㻟㻜㻢㻚㻝㻣
㻞㻥㻤㻚㻝㻤
㻙㻣㻚㻥㻥
㻙㻞㻣㻚㻜㻤
㻙㻟㻡㻚㻜㻣
㻡㻟㻚㻟㻜
㻡㻜㻚㻥㻝
㻡㻜㻚㻟㻠
㻙㻜㻚㻡㻣
㻙㻞㻚㻟㻥
㻙㻞㻚㻥㻢
㻝㻠㻚㻤㻝
㻝㻠㻚㻤㻝
㻝㻡㻚㻡㻝
㻜㻚㻣㻜
㻜㻚㻜㻜
㻜㻚㻣㻜
㻠㻞㻝㻚㻟㻥
㻟㻣㻝㻚㻤㻥
㻟㻢㻠㻚㻜㻟
㻙㻣㻚㻤㻢
㻙㻠㻥㻚㻡㻜
㻙㻡㻣㻚㻟㻢
㻞㻝㻚㻟㻡
㻞㻝㻚㻟㻡
㻞㻜㻚㻣㻞
㻙㻜㻚㻢㻟
㻜㻚㻜㻜
㻙㻜㻚㻢㻟
㻠㻥㻚㻝㻠
㻠㻣㻚㻠㻤
㻠㻡㻚㻟㻣
㻙㻞㻚㻝㻝
㻙㻝㻚㻢㻢
㻙㻟㻚㻣㻣
㻝㻤㻚㻢㻟
㻝㻤㻚㻠㻢
㻝㻥㻚㻟㻜
㻜㻚㻤㻠
㻙㻜㻚㻝㻣
㻜㻚㻢㻣
㻟㻝㻜㻚㻠㻡
㻞㻤㻠㻚㻢㻜
㻞㻣㻤㻚㻢㻠
㻙㻡㻚㻥㻢
㻙㻞㻡㻚㻤㻡
㻙㻟㻝㻚㻤㻝
㻡㻡㻚㻢㻡
㻠㻠㻚㻣㻞
㻟㻥㻚㻡㻤
㻙㻡㻚㻝㻠
㻙㻝㻜㻚㻥㻟
㻙㻝㻢㻚㻜㻣
㻟㻢㻢㻚㻝㻜
㻟㻞㻥㻚㻟㻞
㻟㻝㻤㻚㻞㻞
㻙㻝㻝㻚㻝㻜
㻙㻟㻢㻚㻣㻤
㻙㻠㻣㻚㻤㻤
㻞㻤㻞㻚㻥㻣
㻞㻢㻞㻚㻟㻡
㻞㻡㻞㻚㻥㻝
㻙㻥㻚㻠㻠
㻙㻞㻜㻚㻢㻞
㻙㻟㻜㻚㻜㻢
㻞㻣㻚㻟㻢
㻞㻞㻚㻞㻡
㻞㻡㻚㻣㻟
㻟㻚㻠㻤
㻙㻡㻚㻝㻝
㻙㻝㻚㻢㻟
㻤㻚㻤㻝
㻣㻚㻤㻞
㻥㻚㻞㻟
㻝㻚㻠㻞
㻙㻜㻚㻥㻥
㻜㻚㻠㻞
㻟㻟㻤㻚㻢㻞
㻟㻜㻣㻚㻜㻣
㻞㻥㻞㻚㻠㻥
㻙㻝㻠㻚㻡㻤
㻙㻟㻝㻚㻡㻡
㻙㻠㻢㻚㻝㻟
㻣㻚㻠㻣
㻢㻚㻣㻢
㻤㻚㻜㻥
㻝㻚㻟㻟
㻙㻜㻚㻣㻝
㻜㻚㻢㻞
㻞㻝㻚㻟㻢
㻝㻢㻚㻢㻜
㻝㻢㻚㻤㻢
㻜㻚㻞㻢
㻙㻠㻚㻣㻢
㻙㻠㻚㻡㻜
㻞㻤㻥㻚㻜㻥
㻞㻢㻤㻚㻜㻜
㻞㻢㻝㻚㻣㻤
㻙㻢㻚㻞㻞
㻙㻞㻝㻚㻜㻥
㻙㻞㻣㻚㻟㻝
㻟㻠㻠㻚㻢㻝
㻟㻝㻞㻚㻣㻞
㻟㻜㻝㻚㻟㻢
㻙㻝㻝㻚㻟㻢
㻙㻟㻝㻚㻤㻥
㻙㻠㻟㻚㻞㻡
㻢㻚㻜㻜
㻡㻚㻢㻡
㻤㻚㻤㻣
㻟㻚㻞㻞
㻙㻜㻚㻟㻡
㻞㻚㻤㻣
㻞㻚㻜
㻞㻚㻝㻝
㻟㻚㻟㻠
㻝㻚㻞㻟
㻜㻚㻜㻤
㻝㻚㻟㻝
㻝㻚㻣
㻝㻚㻤㻝
㻞㻚㻥㻜
㻝㻚㻜㻥
㻜㻚㻝㻜
㻝㻚㻞㻜
㻿㻺㻭
ศᕸ⤫ィ
㛤ᕪ䠍
㛤ᕪ䠎
㛤ᕪ䠏
㻔㻠㻕㻌㻩㻌㻔㻟㻕㻌㻙㻌㻔㻞㻕 㻔㻡㻕㻌㻩㻌㻔㻞㻕㻌㻙㻌㻔㻝㻕 㻔㻢㻕㻌㻩㻌㻔㻟㻕㻌㻙㻌㻔㻝㻕
බ⾲್㻔㻝㻕 ᴫᛕㄪᩚᚋ㻔㻞㻕
㻔㻟㻕
㻡㻣㻚㻥㻟
㻢㻡㻚㻟㻤
㻢㻥㻚㻠㻞
㻠㻚㻜㻠
㻣㻚㻠㻡
㻝㻝㻚㻠㻥
㻞㻠㻟㻚㻟㻝
㻞㻞㻢㻚㻥㻢
㻞㻞㻡㻚㻥㻠
㻙㻝㻚㻜㻞
㻙㻝㻢㻚㻟㻡
㻙㻝㻣㻚㻟㻣
㻞㻠㻚㻜㻤
㻝㻠㻚㻥㻜
㻝㻠㻚㻥㻥
㻜㻚㻜㻥
㻙㻥㻚㻝㻤
㻙㻥㻚㻜㻥
㻟㻞㻡㻚㻟㻝
㻟㻜㻣㻚㻞㻠
㻟㻝㻜㻚㻟㻡
㻟㻚㻝㻝
㻙㻝㻤㻚㻜㻣
㻙㻝㻠㻚㻥㻢
㻟㻚㻢㻤
㻝㻝㻚㻣㻞
㻝㻝㻚㻡㻠
㻙㻜㻚㻝㻤
㻤㻚㻜㻠
㻣㻚㻤㻢
㻟㻞㻝㻚㻢㻠
㻞㻥㻡㻚㻡㻞
㻞㻥㻤㻚㻤㻝
㻟㻚㻞㻥
㻙㻞㻢㻚㻝㻞
㻙㻞㻞㻚㻤㻟
㻢㻝㻚㻤㻟
㻡㻤㻚㻤㻡
㻡㻢㻚㻥㻟
㻙㻝㻚㻥㻞
㻙㻞㻚㻥㻤
㻙㻠㻚㻥㻜
㻝㻡㻚㻝㻥
㻝㻡㻚㻝㻥
㻝㻡㻚㻟㻤
㻜㻚㻝㻥
㻜㻚㻜㻜
㻜㻚㻝㻥
㻠㻝㻤㻚㻝㻜
㻟㻢㻥㻚㻡㻢
㻟㻣㻝㻚㻝㻞
㻝㻚㻡㻢
㻙㻠㻤㻚㻡㻠
㻙㻠㻢㻚㻥㻤
㻞㻠㻚㻡㻢
㻞㻠㻚㻡㻢
㻞㻢㻚㻥㻥
㻞㻚㻠㻟
㻜㻚㻜㻜
㻞㻚㻠㻟
㻡㻞㻚㻞㻥
㻡㻜㻚㻤㻠
㻠㻤㻚㻞㻤
㻙㻞㻚㻡㻢
㻙㻝㻚㻠㻡
㻙㻠㻚㻜㻝
㻝㻡㻚㻠㻤
㻝㻡㻚㻟㻝
㻝㻡㻚㻡㻞
㻜㻚㻞㻝
㻙㻜㻚㻝㻣
㻜㻚㻜㻠
㻟㻜㻢㻚㻢㻠
㻞㻣㻤㻚㻤㻡
㻞㻤㻜㻚㻟㻞
㻝㻚㻠㻣
㻙㻞㻣㻚㻣㻥
㻙㻞㻢㻚㻟㻞
㻡㻥㻚㻞㻞
㻠㻤㻚㻞㻥
㻟㻥㻚㻞㻣
㻙㻥㻚㻜㻞
㻙㻝㻜㻚㻥㻟
㻙㻝㻥㻚㻥㻡
㻟㻢㻡㻚㻤㻢
㻟㻞㻣㻚㻝㻠
㻟㻝㻥㻚㻢㻜
㻙㻣㻚㻡㻠
㻙㻟㻤㻚㻣㻞
㻙㻠㻢㻚㻞㻢
㻞㻣㻣㻚㻞㻞
㻞㻡㻣㻚㻥㻟
㻞㻡㻢㻚㻞㻤
㻙㻝㻚㻢㻡
㻙㻝㻥㻚㻞㻥
㻙㻞㻜㻚㻥㻠
㻞㻣㻚㻟㻥
㻞㻜㻚㻥㻞
㻞㻠㻚㻜㻠
㻟㻚㻝㻞
㻙㻢㻚㻠㻣
㻙㻟㻚㻟㻡
㻤㻚㻥㻟
㻣㻚㻡㻜
㻤㻚㻢㻜
㻝㻚㻝㻜
㻙㻝㻚㻠㻟
㻙㻜㻚㻟㻟
㻟㻟㻢㻚㻠㻠
㻟㻜㻢㻚㻞㻞
㻞㻥㻡㻚㻡㻡
㻙㻝㻜㻚㻢㻣
㻙㻟㻜㻚㻞㻞
㻙㻠㻜㻚㻤㻥
㻣㻚㻠㻥
㻢㻚㻟㻥
㻣㻚㻡㻜
㻝㻚㻝㻝
㻙㻝㻚㻝㻜
㻜㻚㻜㻝
㻞㻜㻚㻢㻤
㻝㻣㻚㻜㻠
㻝㻢㻚㻤㻟
㻙㻜㻚㻞㻝
㻙㻟㻚㻢㻠
㻙㻟㻚㻤㻢
㻞㻤㻡㻚㻥㻡
㻞㻢㻝㻚㻤㻝
㻞㻢㻟㻚㻠㻥
㻝㻚㻢㻤
㻙㻞㻠㻚㻝㻠
㻙㻞㻞㻚㻠㻢
㻟㻠㻡㻚㻝㻤
㻟㻝㻜㻚㻝㻜
㻟㻜㻞㻚㻣㻣
㻙㻣㻚㻟㻟
㻙㻟㻡㻚㻜㻤
㻙㻠㻞㻚㻠㻜
㻢㻚㻣㻜
㻟㻚㻤㻤
㻣㻚㻞㻝
㻟㻚㻟㻟
㻙㻞㻚㻤㻞
㻜㻚㻡㻝
㻞㻚㻠
㻝㻚㻠㻤
㻞㻚㻣㻢
㻝㻚㻞㻤
㻙㻜㻚㻥㻞
㻜㻚㻟㻢
㻞㻚㻜
㻝㻚㻞㻡
㻞㻚㻠㻜
㻝㻚㻝㻡
㻙㻜㻚㻣㻡
㻜㻚㻠㻜
(備考)浜田(2012)表 2-1、内閣府「国民経済計算年報 平成 24 年版」より作成。
- 69 -
図表8 世帯属性別の固定資本減耗及び貯蓄(率)(2009 年)
(1)所得階級別
Ⴀᴗవ๫䞉ΰྜᡤᚓ䠄⥲䠅
㞠⏝⪅ሗ㓘
㈈⏘ᡤᚓ䠄ཷྲྀ䠅
➨୍ḟᡤᚓཷྲྀ
㈈⏘ᡤᚓ䠄ᨭᡶ䠅
➨䠍ḟᡤᚓ䝞䝷䞁䝇䠄⥲䠅
⌧㔠䛻䜘䜛♫఍ಖ㞀䞉♫఍ᢇຓ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ཷྲྀ㻕
➨஧ḟᡤᚓཷྲྀ
ᡤᚓ䛻ㄢ䛥䜜䜛⛯
ᙉไⓗ⌧ᐇ♫఍㈇ᢸ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ᨭᡶ㻕
ྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
⌧≀♫఍⛣㌿
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
᭱⤊ᾘ㈝ᨭฟ䠄ಶูᾘ㈝ᨭฟ䠅
㈓⵳䠄⥲䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄䠂䠅
⌧ᐇ᭱⤊ᾘ㈝䠄⌧ᐇಶูᾘ㈝䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳⋡䠄䠂䠅
ᅛᐃ㈨⏘ῶ⪖
ྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
㈓⵳䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳䠄⣧䠅
ᖹᆒ
㻝㻟㻡㻤
㻠㻠㻞㻝
㻞㻥㻟
㻢㻜㻣㻞
㻞㻞㻢
㻡㻤㻠㻢
㻝㻝㻝㻠
㻟㻜㻝
㻣㻞㻢㻝
㻡㻞㻤
㻥㻠㻡
㻟㻜㻠
㻡㻠㻤㻡
㻣㻢㻤
㻢㻞㻡㻟
㻡㻜㻝㻠
㻠㻣㻜
㻤㻚㻢
㻡㻣㻤㻟
㻣㻚㻡
㻟㻞㻥
㻡㻝㻡㻢
㻡㻥㻞㻠
㻝㻠㻝
㻞㻚㻣
㻞㻚㻠
➨䠍ศ఩
㻞㻣㻣
㻞㻡㻟
㻝㻝㻠
㻢㻠㻟
㻠㻟㻣
㻞㻜㻢
㻝㻤㻡㻞
㻡㻞㻟
㻞㻡㻤㻞
㻝㻟㻝
㻝㻟㻝
㻞㻟㻢
㻞㻜㻤㻟
㻣㻠㻢
㻞㻤㻞㻤
㻟㻢㻟㻡
㻙㻝㻡㻡㻞
㻙㻣㻠㻚㻡
㻠㻟㻤㻜
㻙㻡㻠㻚㻥
㻥㻣
㻝㻥㻤㻢
㻞㻣㻟㻝
㻙㻝㻢㻠㻥
㻙㻤㻟㻚㻜
㻙㻢㻜㻚㻠
➨䠎ศ఩
㻝㻜㻤㻟
㻞㻢㻠
㻝㻡㻝
㻝㻠㻥㻤
㻠㻤
㻝㻠㻡㻜
㻞㻜㻢㻤
㻢㻝㻡
㻠㻝㻟㻞
㻥㻞
㻝㻡㻣
㻞㻤㻞
㻟㻢㻜㻝
㻤㻞㻞
㻠㻠㻞㻟
㻠㻟㻢㻢
㻙㻣㻢㻡
㻙㻞㻝㻚㻞
㻡㻝㻤㻥
㻙㻝㻣㻚㻟
㻝㻟㻠
㻟㻠㻢㻣
㻠㻞㻤㻥
㻙㻤㻥㻥
㻙㻞㻡㻚㻥
㻙㻞㻝㻚㻜
➨䠏ศ఩
㻝㻟㻜㻜
㻢㻟㻣
㻞㻣㻝
㻞㻞㻜㻤
㻤㻜
㻞㻝㻞㻤
㻝㻥㻟㻝
㻢㻜㻜
㻠㻢㻡㻥
㻝㻞㻣
㻞㻠㻜
㻞㻤㻝
㻠㻜㻝㻝
㻣㻢㻠
㻠㻣㻣㻡
㻠㻣㻟㻠
㻙㻣㻞㻟
㻙㻝㻤㻚㻜
㻡㻠㻥㻣
㻙㻝㻡㻚㻝
㻞㻞㻡
㻟㻣㻤㻢
㻠㻡㻡㻜
㻙㻥㻠㻤
㻙㻞㻡㻚㻜
㻙㻞㻜㻚㻤
➨䠐ศ఩
㻝㻞㻣㻞
㻝㻡㻡㻥
㻟㻝㻤
㻟㻝㻡㻜
㻝㻜㻤
㻟㻜㻠㻞
㻝㻠㻝㻤
㻠㻤㻡
㻠㻥㻠㻡
㻝㻡㻥
㻠㻝㻜
㻞㻠㻢
㻠㻝㻟㻜
㻢㻠㻠
㻠㻣㻣㻠
㻠㻟㻣㻤
㻙㻞㻠㻤
㻙㻢㻚㻜
㻡㻜㻞㻞
㻙㻡㻚㻞
㻞㻡㻢
㻟㻤㻣㻠
㻠㻡㻝㻤
㻙㻡㻜㻠
㻙㻝㻟㻚㻜
㻙㻝㻝㻚㻞
➨䠑ศ఩
㻝㻝㻠㻥
㻞㻤㻟㻢
㻞㻣㻣
㻠㻞㻢㻞
㻝㻟㻥
㻠㻝㻞㻟
㻤㻥㻝
㻞㻤㻣
㻡㻟㻜㻜
㻞㻜㻥
㻢㻠㻣
㻞㻜㻞
㻠㻞㻠㻞
㻢㻜㻡
㻠㻤㻠㻣
㻠㻜㻤㻝
㻝㻢㻝
㻟㻚㻤
㻠㻢㻤㻢
㻟㻚㻟
㻞㻠㻣
㻟㻥㻥㻡
㻠㻢㻜㻜
㻙㻤㻢
㻙㻞㻚㻞
㻙㻝㻚㻥
➨䠒ศ఩
㻝㻝㻥㻣
㻟㻥㻤㻤
㻞㻣㻜
㻡㻠㻡㻡
㻝㻥㻜
㻡㻞㻢㻠
㻢㻥㻝
㻝㻜㻤
㻢㻜㻢㻠
㻞㻤㻞
㻤㻢㻥
㻞㻜㻥
㻠㻣㻜㻠
㻢㻣㻡
㻡㻟㻣㻥
㻠㻠㻠㻝
㻞㻢㻟
㻡㻚㻢
㻡㻝㻝㻢
㻠㻚㻥
㻟㻝㻣
㻠㻟㻤㻣
㻡㻜㻢㻞
㻙㻡㻠
㻙㻝㻚㻞
㻙㻝㻚㻝
➨䠓ศ఩
㻝㻟㻜㻢
㻡㻟㻜㻡
㻞㻢㻟
㻢㻤㻣㻠
㻞㻡㻥
㻢㻢㻝㻡
㻡㻤㻢
㻝㻟㻞
㻣㻟㻟㻟
㻟㻢㻝
㻝㻝㻞㻤
㻞㻡㻜
㻡㻡㻥㻠
㻣㻢㻞
㻢㻟㻡㻢
㻠㻥㻞㻡
㻢㻣㻜
㻝㻞㻚㻜
㻡㻢㻤㻢
㻝㻜㻚㻡
㻠㻜㻞
㻡㻝㻥㻞
㻡㻥㻡㻠
㻞㻢㻤
㻡㻚㻞
㻠㻚㻡
➨䠔ศ఩
㻝㻠㻝㻥
㻢㻣㻥㻤
㻞㻡㻢
㻤㻠㻣㻟
㻞㻣㻠
㻤㻝㻥㻥
㻠㻤㻣
㻝㻟㻜
㻤㻤㻝㻢
㻡㻞㻞
㻝㻠㻟㻣
㻞㻥㻝
㻢㻡㻢㻡
㻤㻠㻠
㻣㻠㻜㻥
㻡㻟㻤㻠
㻝㻝㻤㻜
㻝㻤㻚㻜
㻢㻞㻞㻥
㻝㻡㻚㻥
㻠㻤㻞
㻢㻜㻤㻟
㻢㻥㻞㻣
㻢㻥㻤
㻝㻝㻚㻡
㻝㻜㻚㻝
䠄༓෇䚸䠂䚸䠂䝫䜲䞁䝖䠅
➨䠕ศ఩ ➨㻝㻜ศ఩
㻝㻢㻡㻥
㻞㻥㻝㻣
㻤㻡㻥㻥
㻝㻟㻥㻢㻣
㻟㻟㻥
㻢㻣㻟
㻝㻜㻡㻥㻤
㻝㻣㻡㻡㻣
㻞㻤㻡
㻠㻟㻤
㻝㻜㻟㻝㻞
㻝㻣㻝㻝㻤
㻠㻡㻜
㻣㻢㻟
㻤㻣
㻠㻞
㻝㻜㻤㻡㻜
㻝㻣㻥㻞㻟
㻤㻜㻥
㻞㻡㻤㻥
㻝㻣㻣㻥
㻞㻢㻠㻤
㻠㻜㻤
㻢㻟㻜
㻣㻤㻡㻠
㻝㻞㻜㻡㻢
㻥㻝㻞
㻥㻝㻜
㻤㻣㻢㻢
㻝㻞㻥㻢㻢
㻢㻞㻢㻟
㻣㻥㻟㻠
㻝㻡㻥㻝
㻠㻝㻞㻟
㻞㻜㻚㻟
㻟㻠㻚㻞
㻣㻝㻣㻡
㻤㻤㻠㻠
㻝㻤㻚㻝
㻟㻝㻚㻤
㻠㻥㻝
㻢㻠㻟
㻣㻟㻢㻟
㻝㻝㻠㻝㻟
㻤㻞㻣㻡
㻝㻞㻟㻞㻟
㻝㻝㻜㻜
㻟㻠㻤㻜
㻝㻠㻚㻥
㻟㻜㻚㻡
㻝㻟㻚㻟
㻞㻤㻚㻞
(2)世帯主年齢階級別
Ⴀᴗవ๫䞉ΰྜᡤᚓ䠄⥲䠅
㞠⏝⪅ሗ㓘
㈈⏘ᡤᚓ䠄ཷྲྀ䠅
➨୍ḟᡤᚓཷྲྀ
㈈⏘ᡤᚓ䠄ᨭᡶ䠅
➨䠍ḟᡤᚓ䝞䝷䞁䝇䠄⥲䠅
⌧㔠䛻䜘䜛♫఍ಖ㞀䞉♫఍ᢇຓ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ཷྲྀ㻕
➨஧ḟᡤᚓཷྲྀ
ᡤᚓ䛻ㄢ䛥䜜䜛⛯
ᙉไⓗ⌧ᐇ♫఍㈇ᢸ
௚䛻ศ㢮䛥䜜䛺䛔⤒ᖖ⛣㌿㻔ᨭᡶ㻕
ྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
⌧≀♫఍⛣㌿
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⥲䠅
᭱⤊ᾘ㈝ᨭฟ䠄ಶูᾘ㈝ᨭฟ䠅
㈓⵳䠄⥲䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄䠂䠅
⌧ᐇ᭱⤊ᾘ㈝䠄⌧ᐇಶูᾘ㈝䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳⋡䠄䠂䠅
ᅛᐃ㈨⏘ῶ⪖
ྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
ㄪᩚྍฎศᡤᚓ䠄⣧䠅
㈓⵳䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅㈓⵳⋡䠄⣧䠅
䠄ཧ⪃䠅ㄪᩚ㈓⵳䠄⣧䠅
䠄༓෇䚸䠂䚸䠂䝫䜲䞁䝖䠅
ᖹᆒ
㻟㻜ṓᮍ‶ 㻟㻜䡚㻟㻠ṓ 㻟㻡䡚㻟㻥ṓ 㻠㻜䡚㻠㻠ṓ 㻠㻡䡚㻠㻥ṓ 㻡㻜䡚㻡㻠ṓ 㻡㻡䡚㻡㻥ṓ 㻢㻜䡚㻢㻠ṓ 㻢㻡䡚㻢㻥ṓ 㻣㻜ṓ௨ୖ
㻝㻟㻡㻤
㻝㻟㻟
㻡㻤㻥
㻤㻢㻞
㻝㻝㻞㻠
㻝㻞㻤㻜
㻝㻡㻣㻝
㻝㻡㻣㻣
㻝㻢㻠㻞
㻝㻢㻠㻟
㻝㻣㻞㻜
㻠㻠㻞㻝
㻟㻥㻡㻜
㻡㻞㻠㻥
㻢㻟㻜㻟
㻣㻜㻟㻥
㻣㻢㻜㻟
㻣㻥㻟㻞
㻢㻥㻠㻥
㻟㻡㻡㻡
㻝㻢㻤㻜
㻢㻡㻝
㻞㻥㻟
㻞㻟
㻢㻢
㻝㻜㻠
㻝㻣㻝
㻞㻝㻝
㻞㻢㻞
㻟㻟㻠
㻠㻡㻟
㻠㻢㻢
㻟㻥㻣
㻢㻜㻣㻞
㻠㻝㻜㻢
㻡㻥㻜㻠
㻣㻞㻣㻜
㻤㻟㻟㻟
㻥㻜㻥㻠
㻥㻣㻢㻡
㻤㻤㻢㻜
㻡㻢㻠㻥
㻟㻣㻤㻥
㻞㻣㻢㻤
㻞㻞㻢
㻤㻢
㻝㻥㻥
㻟㻜㻜
㻟㻢㻜
㻟㻟㻞
㻟㻤㻠
㻞㻣㻜
㻞㻞㻝
㻝㻣㻞
㻥㻢
㻡㻤㻠㻢
㻠㻜㻞㻜
㻡㻣㻜㻢
㻢㻥㻣㻜
㻣㻥㻣㻟
㻤㻣㻢㻞
㻥㻟㻤㻝
㻤㻡㻥㻜
㻡㻠㻞㻥
㻟㻢㻝㻣
㻞㻢㻣㻞
㻝㻝㻝㻠
㻣㻜
㻝㻤㻝
㻞㻝㻡
㻞㻟㻞
㻞㻢㻝
㻞㻥㻡
㻠㻥㻡
㻝㻞㻟㻟
㻞㻟㻡㻣
㻞㻡㻣㻣
㻟㻜㻝
㻣㻤
㻝㻡㻢
㻟㻞㻞
㻢㻜㻥
㻤㻟㻟
㻢㻤㻜
㻟㻝㻝
㻝㻡㻢
㻤㻥
㻝㻜㻥
㻣㻞㻢㻝
㻠㻝㻢㻤
㻢㻜㻠㻟
㻣㻡㻜㻣
㻤㻤㻝㻠
㻥㻤㻡㻢
㻝㻜㻟㻡㻡
㻥㻟㻥㻢
㻢㻤㻝㻣
㻢㻜㻢㻟
㻡㻟㻡㻤
㻡㻞㻤
㻞㻡㻢
㻟㻣㻜
㻡㻜㻞
㻢㻜㻝
㻣㻞㻞
㻤㻥㻟
㻣㻣㻠
㻡㻠㻥
㻠㻝㻤
㻟㻟㻢
㻥㻠㻡
㻣㻡㻞
㻝㻜㻞㻡
㻝㻞㻟㻝
㻝㻠㻜㻠
㻝㻠㻥㻡
㻝㻢㻝㻜
㻝㻠㻜㻢
㻣㻣㻜
㻡㻜㻝
㻟㻝㻡
㻟㻜㻠
㻤㻡
㻥㻡
㻤㻣
㻝㻝㻠
㻟㻢㻞
㻡㻡㻤
㻠㻞㻢
㻟㻠㻟
㻟㻠㻡
㻟㻡㻞
㻡㻠㻤㻡
㻟㻜㻣㻡
㻠㻡㻡㻟
㻡㻢㻤㻤
㻢㻢㻥㻡
㻣㻞㻣㻢
㻣㻞㻥㻠
㻢㻣㻥㻜
㻡㻝㻡㻡
㻠㻣㻥㻤
㻠㻟㻡㻠
㻣㻢㻤
㻞㻝㻟
㻠㻤㻣
㻤㻡㻞
㻝㻝㻣㻝
㻝㻝㻝㻡
㻣㻥㻞
㻠㻣㻞
㻠㻝㻥
㻡㻞㻜
㻝㻝㻟㻤
㻢㻞㻡㻟
㻟㻞㻤㻤
㻡㻜㻠㻜
㻢㻡㻠㻜
㻣㻤㻢㻢
㻤㻟㻥㻝
㻤㻜㻤㻢
㻣㻞㻢㻝
㻡㻡㻣㻠
㻡㻟㻝㻣
㻡㻠㻥㻟
㻡㻜㻝㻠
㻞㻢㻣㻢
㻟㻣㻤㻜
㻠㻟㻥㻝
㻡㻜㻜㻤
㻡㻢㻡㻞
㻡㻣㻤㻥
㻡㻠㻠㻠
㻡㻞㻟㻢
㻡㻡㻟㻥
㻡㻜㻢㻥
㻠㻣㻜
㻟㻥㻥
㻣㻣㻟
㻝㻞㻥㻢
㻝㻢㻤㻣
㻝㻢㻞㻡
㻝㻡㻜㻡
㻝㻟㻠㻡
㻙㻤㻞
㻙㻣㻠㻝
㻙㻣㻝㻠
㻤㻚㻢
㻝㻟㻚㻜
㻝㻣㻚㻜
㻞㻞㻚㻤
㻞㻡㻚㻞
㻞㻞㻚㻟
㻞㻜㻚㻢
㻝㻥㻚㻤
㻙㻝㻚㻢
㻙㻝㻡㻚㻠
㻙㻝㻢㻚㻠
㻡㻣㻤㻟
㻞㻤㻤㻥
㻠㻞㻢㻤
㻡㻞㻠㻠
㻢㻝㻣㻥
㻢㻣㻢㻢
㻢㻡㻤㻝
㻡㻥㻝㻢
㻡㻢㻡㻢
㻢㻜㻡㻥
㻢㻞㻜㻣
㻣㻚㻡
㻝㻞㻚㻝
㻝㻡㻚㻟
㻝㻥㻚㻤
㻞㻝㻚㻠
㻝㻥㻚㻠
㻝㻤㻚㻢
㻝㻤㻚㻡
㻙㻝㻚㻡
㻙㻝㻟㻚㻥
㻙㻝㻟㻚㻜
㻟㻞㻥
㻥㻣
㻟㻞㻟
㻠㻢㻞
㻠㻥㻞
㻠㻠㻡
㻟㻣㻜
㻟㻡㻢
㻟㻠㻝
㻞㻥㻤
㻞㻝㻟
㻡㻝㻡㻢
㻞㻥㻣㻤
㻠㻞㻟㻜
㻡㻞㻞㻢
㻢㻞㻜㻟
㻢㻤㻟㻝
㻢㻥㻞㻠
㻢㻠㻟㻠
㻠㻤㻝㻠
㻠㻡㻜㻜
㻠㻝㻠㻝
㻡㻥㻞㻠
㻟㻝㻥㻝
㻠㻣㻝㻣
㻢㻜㻣㻤
㻣㻟㻣㻠
㻣㻥㻠㻢
㻣㻣㻝㻢
㻢㻥㻜㻡
㻡㻞㻟㻟
㻡㻜㻝㻥
㻡㻞㻤㻜
㻝㻠㻝
㻟㻜㻞
㻠㻡㻜
㻤㻟㻠
㻝㻝㻥㻡
㻝㻝㻤㻜
㻝㻝㻟㻡
㻥㻤㻥
㻙㻠㻞㻟
㻙㻝㻜㻟㻥
㻙㻥㻞㻣
㻞㻚㻣
㻝㻜㻚㻝
㻝㻜㻚㻢
㻝㻢㻚㻜
㻝㻥㻚㻟
㻝㻣㻚㻟
㻝㻢㻚㻠
㻝㻡㻚㻠
㻙㻤㻚㻤
㻙㻞㻟㻚㻝
㻙㻞㻞㻚㻠
㻞㻚㻠
㻥㻚㻡
㻥㻚㻡
㻝㻟㻚㻣
㻝㻢㻚㻞
㻝㻠㻚㻥
㻝㻠㻚㻣
㻝㻠㻚㻟
㻙㻤㻚㻝
㻙㻞㻜㻚㻣
㻙㻝㻣㻚㻢
貯蓄率(推計)
(%)
(所得階級別)
60.0
40.0
30.0
✚⾂⫾
20.0
20.0
0.0
(年齢階級別)
(%)
10.0
⚐⾂⫾
0.0
-20.0
-10.0
-40.0
✚⾂⫾
-20.0
- 70 -
70ᱦએ਄
55䌾59ᱦ
50䌾54ᱦ
40䌾44ᱦ
45䌾49ᱦ
35䌾39ᱦ
Σ Τ Υ Φ Χ Ψ Ω Ϊ Ϋ ά
30䌾34ᱦ
30ᱦᧂḩ
-100.0
65䌾69ᱦ
⚐⾂⫾
-30.0
-80.0
60䌾64ᱦ
-60.0
【参考文献】
宇南山卓(2010)
「SNA と家計調査における貯蓄率の乖離
-日本の貯蓄率低下の要因―」、RIETI Discussion Paper
Series(経済産業研究所)10-J-003、2010 年 1 月。
厚生労働省大臣官房統計情報部(2010)「国民生活基礎調査
(2009 年)
」
坂井潤子(2010)「SNA ベースと整合的な家計分布統計の推
計」
、
『季刊国民経済計算』(内閣府経済社会総合研究所)
No.142、pp.15-38、2010 年 7 月。
佐藤勢津子(1993)「マイクロデータセットの開発とその問
題点について―SNA 調整済分布統計の開発」『季刊国民
経済計算』
(経済企画庁経済研究所)No.99、pp.81-134、
1993 年 5 月。
総務省統計局(2010)「家計調査年報(平成 21 年)」
―(2011)「全国消費実態調査報告(平成 21 年)」
高山憲之・船岡史雄・大竹文雄・関口昌彦・澁谷時幸(1989)
「日本の家計資産と貯蓄率」、『経済分析』(経済企画庁経
済研究所)第 116 号、1989 年 9 月。
高山憲之・白石浩介(2010)「わが国世帯における消費税の
負担水準」
、一橋大学経済研究所世代間問題研究機構ワー
キングペーパー、No.491。
浜田浩児(2003)
「SNA 家計勘定の分布統計」
『経済分析』
(内
閣府経済社会総合研究所)第 167 号、2003 年 3 月。
―(2005)「1990 年代における SNA ベースの所得・資産分
布」
『季刊国民経済計算』(内閣府経済社会総合研究所)
No.131.、pp.131-187、2005 年 7 月。
―(2010)
「2004 年 SNA 分布統計の推計―国民経済計算ベー
スの所得・資産分布」『季刊国民経済計算』(内閣府経済
社会総合研究所)No.141、pp.51-93、2010 年 3 月。
―(2012)
「2009 年 SNA 分布統計の推計―2000 年代後半に
おける国民経済計算ベースの所得・資産分布」『季刊
国民経済計算』
(内閣府経済社会総合研究所)No.148、
pp.1-60、2012 年 6 月。
浜田浩児・佐藤勢津子(1992)
「分布統計の試算について」
『季
刊国民経済計算』(経済企画庁経済研究所)No.95. pp.3749、1992 年 11 月。
- 71 -
補表1 世帯主年齢別・第 1 次所得階級別の世帯あたり消費支出構成(万円)
㧔30 ᱦᧂḩ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
ᐔဋ
㪊㪉㪅㪉
㪋㪅㪊
㪈㪌㪅㪍
㪍㪐㪅㪇
㪌㪅㪇
㪌㪅㪏
㪊㪎㪅㪉
㪈㪉㪅㪊
㪊㪍㪅㪉
㪉㪅㪊
㪉㪊㪅㪋
㪈㪌㪅㪈
㪉㪌㪏㪅㪌
㪐㪅㪐
㸇
ᐔဋ
㪌㪍㪅㪋
㪍㪅㪎
㪈㪍㪅㪌
㪈㪇㪍㪅㪊
㪈㪇㪅㪈
㪈㪇㪅㪌
㪉㪋㪅㪌
㪈㪎㪅㪌
㪋㪋㪅㪋
㪐㪅㪌
㪉㪐㪅㪏
㪉㪌㪅㪋
㪊㪌㪎㪅㪍
㪊㪐㪅㪏
㸇
ᐔဋ
㪎㪇㪅㪍
㪎㪅㪍
㪈㪐㪅㪇
㪈㪉㪎㪅㪎
㪈㪊㪅㪍
㪈㪉㪅㪋
㪊㪍㪅㪈
㪈㪏㪅㪉
㪌㪈㪅㪉
㪈㪏㪅㪈
㪊㪈㪅㪇
㪉㪎㪅㪈
㪋㪊㪉㪅㪌
㪍㪋㪅㪎
㸇
ᐔဋ
㪏㪊㪅㪈
㪏㪅㪍
㪉㪇㪅㪍
㪈㪋㪋㪅㪇
㪈㪉㪅㪉
㪈㪋㪅㪊
㪋㪊㪅㪎
㪈㪏㪅㪐
㪍㪉㪅㪉
㪉㪊㪅㪍
㪊㪇㪅㪇
㪊㪊㪅㪏
㪋㪐㪌㪅㪇
㪏㪇㪅㪇
㸇
㪉㪊㪅㪋
㪋㪅㪌
㪏㪅㪋
㪌㪌㪅㪌
㪉㪅㪉
㪈㪅㪏
㪐㪅㪍
㪈㪈㪅㪋
㪈㪌㪅㪇
㪐㪅㪈
㪈㪌㪅㪏
㪌㪅㪏
㪈㪍㪉㪅㪍
㪌㪅㪍
㸈
㪉㪐㪅㪋
㪇㪅㪏
㪈㪎㪅㪍
㪎㪊㪅㪋
㪉㪅㪏
㪊㪅㪍
㪈㪊㪅㪊
㪏㪅㪈
㪉㪋㪅㪌
㪇㪅㪋
㪈㪋㪅㪋
㪈㪇㪅㪌
㪈㪐㪏㪅㪐
㪌㪅㪋
㸉
㸊
㪉㪋㪅㪊
㪉㪅㪌
㪈㪈㪅㪉
㪌㪋㪅㪋
㪊㪅㪊
㪊㪅㪐
㪈㪏㪅㪋
㪏㪅㪏
㪈㪍㪅㪈
㪈㪅㪇
㪈㪌㪅㪌
㪍㪅㪌
㪈㪍㪌㪅㪏
㪇㪅㪏
㪉㪌㪅㪌
㪋㪅㪇
㪈㪉㪅㪎
㪌㪌㪅㪋
㪊㪅㪊
㪊㪅㪏
㪉㪇㪅㪈
㪈㪇㪅㪊
㪉㪋㪅㪉
㪈㪅㪈
㪈㪍㪅㪐
㪈㪇㪅㪉
㪈㪏㪎㪅㪌
㪉㪅㪌
㸋
㪊㪈㪅㪇
㪋㪅㪉
㪈㪈㪅㪌
㪍㪊㪅㪋
㪋㪅㪋
㪏㪅㪉
㪍㪋㪅㪇
㪈㪉㪅㪐
㪊㪋㪅㪎
㪉㪅㪇
㪉㪍㪅㪇
㪈㪌㪅㪋
㪉㪎㪎㪅㪎
㪏㪅㪋
㸌
㪊㪐㪅㪎
㪍㪅㪈
㪉㪎㪅㪎
㪎㪐㪅㪌
㪏㪅㪐
㪌㪅㪍
㪊㪉㪅㪊
㪈㪌㪅㪇
㪌㪎㪅㪇
㪊㪅㪉
㪊㪋㪅㪋
㪉㪋㪅㪋
㪊㪊㪊㪅㪏
㪈㪊㪅㪌
㸍
㪋㪏㪅㪋
㪍㪅㪉
㪉㪋㪅㪉
㪈㪇㪏㪅㪍
㪎㪅㪏
㪏㪅㪍
㪍㪇㪅㪏
㪈㪏㪅㪎
㪐㪈㪅㪎
㪌㪅㪉
㪊㪉㪅㪊
㪉㪍㪅㪉
㪋㪊㪏㪅㪍
㪉㪎㪅㪎
㸎
㪌㪈㪅㪇
㪍㪅㪏
㪈㪍㪅㪌
㪈㪉㪈㪅㪊
㪏㪅㪍
㪏㪅㪊
㪌㪍㪅㪎
㪈㪋㪅㪌
㪌㪈㪅㪎
㪋㪅㪊
㪉㪎㪅㪌
㪉㪋㪅㪋
㪊㪐㪈㪅㪍
㪋㪋㪅㪉
㸏
㪍㪈㪅㪉
㪐㪅㪉
㪊㪉㪅㪈
㪈㪉㪎㪅㪎
㪈㪉㪅㪉
㪏㪅㪍
㪍㪈㪅㪎
㪈㪐㪅㪍
㪌㪎㪅㪍
㪊㪅㪍
㪋㪈㪅㪇
㪋㪎㪅㪐
㪋㪏㪉㪅㪋
㪍㪈㪅㪎
㸐
㪍㪌㪅㪋
㪍㪅㪈
㪈㪋㪅㪉
㪈㪈㪈㪅㪎
㪈㪈㪅㪉
㪈㪌㪅㪍
㪊㪋㪅㪐
㪈㪐㪅㪉
㪋㪍㪅㪊
㪇㪅㪋
㪊㪋㪅㪇
㪈㪎㪅㪌
㪊㪎㪍㪅㪋
㪋㪊㪅㪇
㧔30㨪34 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪋㪌㪅㪏
㪋㪅㪋
㪎㪅㪋
㪎㪏㪅㪏
㪋㪅㪍
㪋㪅㪏
㪈㪈㪅㪈
㪈㪈㪅㪉
㪈㪊㪅㪌
㪋㪅㪌
㪈㪋㪅㪍
㪈㪍㪅㪌
㪉㪈㪎㪅㪊
㪌㪅㪇
㸈
㪊㪋㪅㪐
㪊㪅㪐
㪈㪈㪅㪊
㪐㪌㪅㪍
㪎㪅㪍
㪋㪅㪊
㪈㪉㪅㪏
㪈㪊㪅㪐
㪉㪎㪅㪋
㪉㪅㪎
㪈㪍㪅㪍
㪎㪅㪌
㪉㪊㪏㪅㪋
㪉㪊㪅㪐
㸉
㸊
㪊㪏㪅㪋
㪍㪅㪍
㪍㪅㪊
㪎㪎㪅㪈
㪍㪅㪊
㪌㪅㪍
㪏㪅㪎
㪈㪊㪅㪉
㪉㪋㪅㪉
㪋㪅㪏
㪈㪋㪅㪏
㪈㪋㪅㪏
㪉㪉㪇㪅㪏
㪈㪎㪅㪋
㪊㪏㪅㪈
㪌㪅㪋
㪈㪇㪅㪉
㪎㪌㪅㪏
㪌㪅㪎
㪍㪅㪉
㪈㪉㪅㪎
㪈㪊㪅㪊
㪉㪎㪅㪏
㪍㪅㪍
㪈㪏㪅㪎
㪈㪊㪅㪎
㪉㪊㪋㪅㪉
㪈㪇㪅㪏
㸋
㪌㪇㪅㪊
㪌㪅㪉
㪈㪉㪅㪎
㪏㪋㪅㪍
㪎㪅㪈
㪏㪅㪐
㪈㪍㪅㪊
㪈㪍㪅㪈
㪊㪈㪅㪐
㪍㪅㪎
㪉㪉㪅㪊
㪉㪊㪅㪎
㪉㪏㪌㪅㪐
㪈㪐㪅㪊
㸌
㪌㪉㪅㪌
㪍㪅㪌
㪈㪌㪅㪌
㪈㪇㪏㪅㪌
㪐㪅㪎
㪐㪅㪌
㪉㪈㪅㪈
㪈㪎㪅㪎
㪋㪊㪅㪏
㪎㪅㪏
㪊㪌㪅㪍
㪉㪉㪅㪍
㪊㪌㪇㪅㪐
㪋㪇㪅㪏
㸍
㪍㪎㪅㪈
㪏㪅㪈
㪈㪏㪅㪏
㪈㪈㪋㪅㪏
㪈㪉㪅㪇
㪈㪊㪅㪏
㪉㪐㪅㪎
㪉㪇㪅㪊
㪌㪐㪅㪍
㪈㪊㪅㪎
㪊㪈㪅㪌
㪊㪇㪅㪈
㪋㪈㪐㪅㪌
㪌㪌㪅㪇
㸎
㪎㪈㪅㪎
㪏㪅㪌
㪉㪉㪅㪈
㪈㪊㪍㪅㪈
㪈㪌㪅㪎
㪈㪌㪅㪐
㪊㪎㪅㪐
㪈㪐㪅㪏
㪌㪏㪅㪇
㪈㪏㪅㪍
㪊㪌㪅㪎
㪊㪌㪅㪏
㪋㪎㪍㪅㪇
㪎㪏㪅㪇
㸏
㪎㪎㪅㪎
㪎㪅㪌
㪉㪐㪅㪊
㪈㪊㪍㪅㪏
㪈㪊㪅㪋
㪈㪊㪅㪎
㪋㪏㪅㪐
㪉㪇㪅㪈
㪍㪊㪅㪌
㪈㪈㪅㪍
㪊㪏㪅㪎
㪋㪇㪅㪈
㪌㪇㪈㪅㪊
㪍㪉㪅㪈
㸐
㪐㪇㪅㪇
㪈㪉㪅㪊
㪊㪍㪅㪋
㪈㪎㪎㪅㪍
㪉㪇㪅㪈
㪉㪇㪅㪈
㪍㪉㪅㪏
㪉㪍㪅㪎
㪏㪋㪅㪇
㪈㪇㪅㪊
㪍㪊㪅㪇
㪌㪉㪅㪈
㪍㪌㪌㪅㪋
㪍㪋㪅㪊
㧔35㨪39 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪍㪊㪅㪇
㪋㪅㪐
㪈㪋㪅㪉
㪈㪈㪎㪅㪉
㪈㪇㪅㪈
㪏㪅㪎
㪈㪋㪅㪊
㪈㪐㪅㪍
㪉㪍㪅㪏
㪉㪉㪅㪈
㪐㪅㪍
㪊㪍㪅㪈
㪊㪋㪍㪅㪍
㪋㪉㪅㪌
㸈
㪍㪈㪅㪊
㪌㪅㪉
㪈㪊㪅㪋
㪈㪈㪉㪅㪋
㪈㪇㪅㪏
㪐㪅㪋
㪊㪉㪅㪍
㪈㪋㪅㪐
㪊㪈㪅㪈
㪉㪇㪅㪉
㪈㪈㪅㪊
㪈㪎㪅㪐
㪊㪋㪇㪅㪎
㪋㪍㪅㪏
㸉
㸊
㪌㪊㪅㪎
㪊㪅㪐
㪈㪈㪅㪎
㪐㪏㪅㪏
㪐㪅㪊
㪏㪅㪊
㪈㪏㪅㪏
㪈㪍㪅㪏
㪉㪐㪅㪉
㪈㪋㪅㪌
㪈㪊㪅㪐
㪈㪏㪅㪎
㪉㪐㪎㪅㪍
㪋㪌㪅㪌
㪌㪇㪅㪋
㪍㪅㪎
㪐㪅㪎
㪏㪋㪅㪏
㪎㪅㪇
㪎㪅㪐
㪊㪈㪅㪊
㪈㪌㪅㪌
㪊㪉㪅㪊
㪐㪅㪇
㪈㪍㪅㪋
㪈㪌㪅㪊
㪉㪏㪍㪅㪉
㪉㪌㪅㪈
㸋
㪌㪍㪅㪋
㪎㪅㪋
㪈㪉㪅㪇
㪈㪇㪊㪅㪉
㪈㪋㪅㪌
㪐㪅㪊
㪉㪊㪅㪌
㪈㪏㪅㪉
㪊㪌㪅㪉
㪈㪈㪅㪐
㪉㪇㪅㪊
㪈㪊㪅㪍
㪊㪉㪌㪅㪋
㪉㪐㪅㪊
㸌
㪍㪊㪅㪐
㪎㪅㪎
㪈㪊㪅㪏
㪈㪈㪊㪅㪏
㪈㪈㪅㪏
㪈㪇㪅㪐
㪊㪊㪅㪌
㪈㪎㪅㪊
㪋㪎㪅㪋
㪈㪋㪅㪎
㪉㪐㪅㪋
㪉㪇㪅㪈
㪊㪏㪋㪅㪋
㪌㪈㪅㪇
㸍
㪎㪇㪅㪋
㪍㪅㪐
㪈㪏㪅㪎
㪈㪉㪌㪅㪍
㪈㪈㪅㪏
㪈㪉㪅㪈
㪊㪋㪅㪊
㪈㪏㪅㪊
㪌㪇㪅㪍
㪈㪐㪅㪊
㪉㪐㪅㪋
㪉㪋㪅㪊
㪋㪉㪈㪅㪏
㪍㪍㪅㪋
㸎
㪎㪐㪅㪇
㪏㪅㪍
㪉㪉㪅㪌
㪈㪋㪍㪅㪎
㪈㪌㪅㪇
㪈㪋㪅㪋
㪋㪋㪅㪇
㪈㪏㪅㪉
㪌㪎㪅㪋
㪉㪇㪅㪍
㪊㪐㪅㪉
㪊㪉㪅㪇
㪋㪐㪎㪅㪎
㪏㪇㪅㪋
㸏
㪏㪍㪅㪍
㪏㪅㪎
㪉㪐㪅㪈
㪈㪌㪋㪅㪊
㪈㪏㪅㪐
㪈㪎㪅㪇
㪋㪏㪅㪊
㪈㪐㪅㪊
㪎㪉㪅㪊
㪉㪊㪅㪐
㪋㪌㪅㪍
㪋㪍㪅㪌
㪌㪎㪇㪅㪌
㪐㪏㪅㪎
㸐
㪐㪏㪅㪍
㪈㪇㪅㪊
㪊㪌㪅㪐
㪈㪏㪊㪅㪐
㪉㪈㪅㪇
㪈㪏㪅㪈
㪌㪉㪅㪊
㪉㪉㪅㪇
㪏㪋㪅㪊
㪉㪌㪅㪈
㪌㪇㪅㪇
㪋㪌㪅㪋
㪍㪋㪎㪅㪇
㪈㪉㪈㪅㪉
㧔40㨪44 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪍㪇㪅㪍
㪌㪅㪌
㪈㪌㪅㪇
㪈㪈㪋㪅㪉
㪍㪅㪌
㪍㪅㪏
㪉㪏㪅㪉
㪈㪉㪅㪌
㪍㪊㪅㪇
㪉㪈㪅㪐
㪈㪋㪅㪋
㪈㪏㪅㪐
㪊㪍㪎㪅㪋
㪉㪏㪅㪏
㸈
㪎㪌㪅㪇
㪋㪅㪊
㪈㪊㪅㪐
㪈㪉㪇㪅㪌
㪈㪇㪅㪌
㪈㪇㪅㪎
㪈㪐㪅㪐
㪈㪎㪅㪏
㪊㪐㪅㪎
㪉㪈㪅㪐
㪈㪊㪅㪇
㪉㪏㪅㪐
㪊㪎㪍㪅㪈
㪍㪍㪅㪇
㸉
㸊
㪍㪊㪅㪉
㪍㪅㪈
㪈㪈㪅㪊
㪈㪈㪇㪅㪐
㪏㪅㪇
㪈㪊㪅㪋
㪈㪏㪅㪏
㪈㪎㪅㪍
㪊㪋㪅㪏
㪈㪐㪅㪈
㪈㪌㪅㪇
㪉㪌㪅㪉
㪊㪋㪊㪅㪍
㪌㪋㪅㪎
㪌㪌㪅㪐
㪍㪅㪈
㪈㪇㪅㪏
㪐㪍㪅㪋
㪍㪅㪐
㪏㪅㪈
㪉㪈㪅㪊
㪈㪊㪅㪎
㪉㪐㪅㪊
㪈㪉㪅㪐
㪈㪍㪅㪇
㪈㪎㪅㪏
㪉㪐㪌㪅㪇
㪊㪌㪅㪎
- 72 -
㸋
㪍㪉㪅㪍
㪍㪅㪉
㪈㪊㪅㪎
㪈㪈㪎㪅㪉
㪏㪅㪌
㪏㪅㪋
㪉㪋㪅㪉
㪈㪍㪅㪈
㪊㪐㪅㪇
㪈㪍㪅㪊
㪉㪇㪅㪊
㪈㪏㪅㪍
㪊㪌㪈㪅㪉
㪌㪉㪅㪉
㸌
㪎㪇㪅㪎
㪏㪅㪈
㪈㪊㪅㪇
㪈㪉㪊㪅㪍
㪐㪅㪏
㪈㪈㪅㪍
㪊㪋㪅㪏
㪈㪎㪅㪍
㪋㪊㪅㪌
㪈㪏㪅㪉
㪉㪇㪅㪎
㪉㪇㪅㪋
㪊㪐㪉㪅㪇
㪍㪈㪅㪌
㸍
㪎㪍㪅㪇
㪏㪅㪌
㪈㪍㪅㪌
㪈㪊㪍㪅㪋
㪈㪈㪅㪉
㪈㪈㪅㪎
㪊㪊㪅㪍
㪈㪏㪅㪋
㪌㪎㪅㪏
㪉㪈㪅㪋
㪉㪎㪅㪍
㪉㪏㪅㪌
㪋㪋㪎㪅㪍
㪎㪍㪅㪇
㸎
㪏㪍㪅㪉
㪐㪅㪋
㪉㪇㪅㪐
㪈㪋㪊㪅㪎
㪈㪉㪅㪉
㪈㪌㪅㪌
㪌㪇㪅㪇
㪈㪐㪅㪐
㪍㪉㪅㪐
㪉㪊㪅㪐
㪊㪊㪅㪐
㪊㪉㪅㪏
㪌㪈㪈㪅㪊
㪏㪈㪅㪎
㸏
㪐㪎㪅㪌
㪈㪇㪅㪇
㪉㪋㪅㪌
㪈㪍㪐㪅㪈
㪈㪌㪅㪏
㪈㪎㪅㪏
㪌㪊㪅㪉
㪉㪇㪅㪊
㪎㪎㪅㪈
㪉㪎㪅㪊
㪊㪍㪅㪎
㪋㪌㪅㪋
㪌㪐㪋㪅㪍
㪈㪇㪋㪅㪎
㸐
㪈㪈㪊㪅㪍
㪈㪇㪅㪏
㪋㪇㪅㪋
㪈㪐㪊㪅㪉
㪈㪎㪅㪎
㪉㪉㪅㪊
㪎㪍㪅㪋
㪉㪉㪅㪍
㪈㪇㪉㪅㪋
㪊㪍㪅㪏
㪋㪏㪅㪍
㪍㪈㪅㪊
㪎㪋㪍㪅㪈
㪈㪉㪇㪅㪎
㧔45㨪49 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
ᐔဋ
㪐㪏㪅㪈
㪈㪇㪅㪋
㪉㪌㪅㪏
㪈㪌㪌㪅㪍
㪈㪋㪅㪌
㪈㪎㪅㪈
㪌㪉㪅㪇
㪉㪊㪅㪈
㪍㪇㪅㪏
㪋㪉㪅㪇
㪊㪋㪅㪋
㪋㪇㪅㪎
㪌㪎㪋㪅㪌
㪏㪎㪅㪌
㸇
ᐔဋ
㪈㪇㪇㪅㪌
㪈㪈㪅㪍
㪉㪏㪅㪇
㪈㪌㪇㪅㪇
㪈㪐㪅㪉
㪉㪈㪅㪈
㪎㪊㪅㪋
㪉㪌㪅㪊
㪍㪊㪅㪍
㪊㪋㪅㪌
㪊㪋㪅㪉
㪋㪊㪅㪉
㪍㪇㪋㪅㪌
㪐㪇㪅㪊
㸇
ᐔဋ
㪈㪇㪉㪅㪍
㪈㪉㪅㪏
㪉㪉㪅㪉
㪈㪌㪉㪅㪏
㪈㪏㪅㪈
㪈㪐㪅㪏
㪌㪋㪅㪏
㪈㪐㪅㪈
㪌㪎㪅㪋
㪈㪍㪅㪏
㪊㪊㪅㪍
㪊㪏㪅㪎
㪌㪋㪏㪅㪏
㪐㪏㪅㪍
㸇
ᐔဋ
㪈㪇㪎㪅㪇
㪈㪈㪅㪈
㪉㪇㪅㪋
㪈㪍㪈㪅㪏
㪉㪇㪅㪊
㪉㪊㪅㪊
㪋㪇㪅㪍
㪈㪍㪅㪌
㪌㪐㪅㪏
㪋㪅㪊
㪉㪌㪅㪈
㪉㪐㪅㪌
㪌㪈㪐㪅㪎
㪈㪇㪍㪅㪌
㸇
㪏㪇㪅㪈
㪍㪅㪌
㪈㪏㪅㪏
㪈㪉㪍㪅㪏
㪈㪇㪅㪍
㪈㪇㪅㪉
㪉㪋㪅㪌
㪈㪐㪅㪍
㪋㪌㪅㪊
㪉㪍㪅㪉
㪈㪍㪅㪍
㪉㪋㪅㪇
㪋㪇㪐㪅㪉
㪊㪉㪅㪉
㸈
㪎㪎㪅㪏
㪏㪅㪌
㪈㪋㪅㪏
㪈㪈㪉㪅㪐
㪈㪇㪅㪉
㪈㪇㪅㪏
㪉㪋㪅㪏
㪈㪏㪅㪏
㪋㪈㪅㪉
㪊㪏㪅㪋
㪈㪋㪅㪋
㪉㪌㪅㪋
㪊㪐㪏㪅㪇
㪌㪐㪅㪍
㸉
㸊
㪎㪌㪅㪌
㪎㪅㪍
㪈㪌㪅㪏
㪈㪊㪋㪅㪍
㪈㪇㪅㪋
㪈㪉㪅㪇
㪊㪎㪅㪉
㪈㪐㪅㪐
㪊㪋㪅㪊
㪋㪈㪅㪍
㪈㪎㪅㪏
㪉㪎㪅㪎
㪋㪊㪋㪅㪊
㪎㪋㪅㪏
㪍㪋㪅㪐
㪎㪅㪌
㪈㪈㪅㪏
㪈㪉㪍㪅㪇
㪈㪇㪅㪋
㪈㪉㪅㪎
㪉㪌㪅㪋
㪈㪌㪅㪊
㪊㪊㪅㪎
㪉㪊㪅㪇
㪈㪋㪅㪊
㪈㪎㪅㪉
㪊㪍㪉㪅㪌
㪌㪇㪅㪊
㸋
㪎㪋㪅㪎
㪍㪅㪍
㪈㪋㪅㪉
㪈㪉㪋㪅㪇
㪐㪅㪎
㪈㪈㪅㪉
㪊㪇㪅㪍
㪈㪎㪅㪍
㪊㪐㪅㪍
㪉㪋㪅㪍
㪈㪍㪅㪇
㪉㪉㪅㪍
㪊㪐㪈㪅㪌
㪌㪈㪅㪌
㸌
㪎㪎㪅㪋
㪏㪅㪈
㪈㪎㪅㪇
㪈㪉㪐㪅㪍
㪏㪅㪏
㪈㪈㪅㪐
㪊㪌㪅㪋
㪈㪐㪅㪉
㪋㪇㪅㪌
㪉㪈㪅㪈
㪉㪊㪅㪌
㪉㪋㪅㪉
㪋㪈㪍㪅㪏
㪍㪌㪅㪍
㸍
㪏㪐㪅㪎
㪈㪇㪅㪈
㪈㪐㪅㪍
㪈㪋㪎㪅㪎
㪈㪊㪅㪈
㪈㪋㪅㪋
㪋㪊㪅㪊
㪉㪊㪅㪇
㪌㪇㪅㪉
㪊㪇㪅㪊
㪉㪋㪅㪐
㪊㪍㪅㪍
㪌㪇㪉㪅㪐
㪏㪈㪅㪈
㸎
㸏
㪈㪇㪌㪅㪊
㪈㪈㪅㪇
㪉㪐㪅㪐
㪈㪍㪋㪅㪐
㪈㪌㪅㪏
㪈㪎㪅㪋
㪌㪎㪅㪎
㪉㪋㪅㪇
㪍㪋㪅㪋
㪋㪏㪅㪐
㪋㪉㪅㪉
㪋㪋㪅㪌
㪍㪉㪍㪅㪇
㪐㪌㪅㪏
㸐
㪈㪉㪏㪅㪋
㪈㪋㪅㪇
㪋㪉㪅㪊
㪈㪐㪊㪅㪋
㪉㪈㪅㪇
㪉㪍㪅㪉
㪏㪋㪅㪈
㪉㪏㪅㪇
㪐㪎㪅㪎
㪍㪉㪅㪋
㪌㪎㪅㪐
㪍㪎㪅㪇
㪏㪉㪉㪅㪋
㪈㪉㪊㪅㪈
㪏㪐㪅㪈
㪈㪇㪅㪋
㪉㪍㪅㪎
㪈㪊㪇㪅㪊
㪈㪎㪅㪎
㪈㪏㪅㪍
㪍㪉㪅㪍
㪉㪈㪅㪇
㪌㪍㪅㪐
㪉㪊㪅㪈
㪊㪌㪅㪇
㪊㪎㪅㪐
㪌㪉㪐㪅㪋
㪎㪎㪅㪇
㸏
㪈㪇㪍㪅㪋
㪈㪉㪅㪋
㪉㪐㪅㪍
㪈㪌㪌㪅㪏
㪉㪈㪅㪉
㪉㪊㪅㪊
㪐㪋㪅㪇
㪉㪏㪅㪈
㪍㪍㪅㪉
㪋㪉㪅㪌
㪊㪍㪅㪌
㪋㪌㪅㪍
㪍㪍㪈㪅㪍
㪐㪍㪅㪈
㸐
㪈㪊㪉㪅㪐
㪈㪌㪅㪊
㪋㪋㪅㪊
㪈㪏㪏㪅㪇
㪉㪍㪅㪊
㪉㪏㪅㪍
㪈㪇㪊㪅㪎
㪊㪉㪅㪐
㪐㪎㪅㪉
㪌㪍㪅㪍
㪌㪊㪅㪊
㪍㪐㪅㪏
㪏㪋㪐㪅㪇
㪈㪉㪈㪅㪋
㪐㪏㪅㪈
㪈㪇㪅㪌
㪉㪊㪅㪊
㪈㪌㪉㪅㪊
㪈㪊㪅㪐
㪈㪎㪅㪇
㪋㪎㪅㪏
㪉㪋㪅㪊
㪌㪎㪅㪈
㪋㪊㪅㪇
㪊㪇㪅㪎
㪊㪍㪅㪏
㪌㪌㪋㪅㪎
㪏㪏㪅㪋
㧔50㨪54 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪎㪈㪅㪈
㪋㪅㪎
㪈㪈㪅㪏
㪈㪈㪍㪅㪊
㪈㪇㪅㪉
㪈㪎㪅㪌
㪉㪏㪅㪏
㪈㪏㪅㪏
㪊㪍㪅㪌
㪈㪈㪅㪊
㪈㪍㪅㪊
㪉㪎㪅㪍
㪊㪎㪈㪅㪇
㪌㪌㪅㪈
㸈
㪍㪇㪅㪊
㪊㪅㪌
㪈㪋㪅㪋
㪈㪇㪐㪅㪈
㪈㪋㪅㪎
㪈㪈㪅㪎
㪉㪊㪅㪊
㪈㪉㪅㪋
㪉㪐㪅㪈
㪉㪎㪅㪌
㪐㪅㪏
㪈㪎㪅㪍
㪊㪊㪊㪅㪌
㪋㪐㪅㪈
㸉
㸊
㪍㪐㪅㪋
㪍㪅㪋
㪈㪇㪅㪍
㪈㪉㪊㪅㪋
㪈㪋㪅㪇
㪈㪈㪅㪉
㪉㪏㪅㪐
㪈㪍㪅㪎
㪊㪋㪅㪌
㪉㪈㪅㪏
㪈㪌㪅㪇
㪊㪇㪅㪎
㪊㪏㪉㪅㪊
㪎㪈㪅㪌
㪎㪉㪅㪌
㪏㪅㪈
㪈㪎㪅㪐
㪈㪉㪌㪅㪌
㪈㪉㪅㪏
㪈㪈㪅㪐
㪊㪍㪅㪊
㪉㪇㪅㪋
㪊㪎㪅㪊
㪈㪐㪅㪉
㪈㪍㪅㪍
㪉㪎㪅㪈
㪋㪇㪌㪅㪎
㪎㪇㪅㪌
㸋
㪎㪎㪅㪌
㪐㪅㪋
㪈㪌㪅㪈
㪈㪊㪇㪅㪇
㪈㪈㪅㪊
㪉㪊㪅㪇
㪊㪋㪅㪎
㪈㪐㪅㪈
㪊㪐㪅㪋
㪈㪊㪅㪋
㪈㪍㪅㪋
㪈㪎㪅㪌
㪋㪇㪍㪅㪏
㪎㪏㪅㪏
㸌
㪏㪊㪅㪈
㪐㪅㪋
㪈㪌㪅㪏
㪈㪉㪐㪅㪌
㪈㪊㪅㪇
㪈㪉㪅㪏
㪌㪌㪅㪇
㪉㪇㪅㪏
㪋㪋㪅㪌
㪈㪌㪅㪍
㪈㪏㪅㪎
㪉㪌㪅㪍
㪋㪋㪊㪅㪎
㪎㪉㪅㪐
㸍
㪐㪇㪅㪋
㪈㪉㪅㪊
㪈㪐㪅㪉
㪈㪊㪎㪅㪐
㪈㪍㪅㪊
㪈㪍㪅㪊
㪌㪐㪅㪊
㪉㪋㪅㪇
㪋㪏㪅㪋
㪉㪊㪅㪈
㪉㪍㪅㪇
㪉㪏㪅㪐
㪌㪇㪉㪅㪇
㪎㪋㪅㪎
㸎
㧔55㨪59 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪎㪋㪅㪍
㪎㪅㪇
㪈㪇㪅㪍
㪈㪈㪍㪅㪍
㪈㪋㪅㪋
㪈㪊㪅㪍
㪉㪉㪅㪈
㪈㪈㪅㪌
㪊㪈㪅㪈
㪊㪅㪍
㪈㪊㪅㪏
㪊㪏㪅㪌
㪊㪌㪎㪅㪍
㪋㪍㪅㪇
㸈
㪍㪏㪅㪋
㪏㪅㪋
㪉㪊㪅㪈
㪈㪈㪍㪅㪊
㪈㪈㪅㪋
㪈㪈㪅㪇
㪉㪈㪅㪏
㪈㪈㪅㪇
㪊㪐㪅㪇
㪋㪅㪍
㪈㪌㪅㪉
㪈㪏㪅㪎
㪊㪋㪐㪅㪇
㪍㪏㪅㪍
㸉
㸊
㪎㪈㪅㪏
㪌㪅㪍
㪈㪈㪅㪐
㪈㪉㪇㪅㪐
㪈㪊㪅㪇
㪈㪊㪅㪇
㪉㪍㪅㪊
㪈㪉㪅㪊
㪊㪋㪅㪌
㪋㪅㪍
㪈㪊㪅㪋
㪉㪎㪅㪐
㪊㪌㪌㪅㪉
㪎㪍㪅㪌
㪎㪊㪅㪇
㪈㪇㪅㪋
㪈㪉㪅㪊
㪈㪊㪈㪅㪋
㪈㪇㪅㪎
㪈㪉㪅㪎
㪉㪋㪅㪇
㪈㪉㪅㪊
㪉㪏㪅㪋
㪊㪅㪈
㪈㪈㪅㪈
㪉㪋㪅㪋
㪊㪌㪊㪅㪎
㪏㪉㪅㪉
㸋
㪎㪏㪅㪇
㪈㪈㪅㪏
㪈㪈㪅㪌
㪈㪌㪊㪅㪋
㪈㪊㪅㪍
㪈㪍㪅㪏
㪊㪏㪅㪈
㪈㪊㪅㪐
㪋㪌㪅㪍
㪈㪋㪅㪉
㪉㪎㪅㪋
㪊㪇㪅㪌
㪋㪌㪋㪅㪐
㪈㪇㪉㪅㪎
㸌
㪏㪏㪅㪉
㪈㪈㪅㪍
㪈㪊㪅㪇
㪈㪉㪏㪅㪉
㪈㪋㪅㪊
㪈㪋㪅㪌
㪋㪉㪅㪋
㪈㪍㪅㪊
㪊㪏㪅㪌
㪈㪈㪅㪍
㪉㪉㪅㪉
㪊㪇㪅㪍
㪋㪊㪈㪅㪋
㪎㪊㪅㪐
㸍
㪐㪉㪅㪐
㪈㪉㪅㪊
㪈㪎㪅㪊
㪈㪋㪏㪅㪌
㪈㪌㪅㪉
㪈㪐㪅㪊
㪋㪌㪅㪍
㪈㪎㪅㪎
㪋㪋㪅㪎
㪈㪋㪅㪌
㪊㪇㪅㪌
㪉㪐㪅㪈
㪋㪏㪎㪅㪎
㪐㪍㪅㪈
㸎
㪈㪇㪋㪅㪐
㪈㪉㪅㪍
㪉㪇㪅㪊
㪈㪋㪌㪅㪍
㪈㪏㪅㪐
㪈㪏㪅㪊
㪌㪐㪅㪐
㪉㪇㪅㪌
㪌㪇㪅㪊
㪉㪇㪅㪈
㪊㪊㪅㪈
㪊㪎㪅㪌
㪌㪋㪈㪅㪏
㪐㪊㪅㪌
㸏
㪈㪈㪌㪅㪋
㪈㪋㪅㪈
㪉㪌㪅㪏
㪈㪌㪎㪅㪋
㪉㪈㪅㪈
㪉㪉㪅㪎
㪍㪊㪅㪇
㪉㪈㪅㪊
㪍㪎㪅㪏
㪉㪋㪅㪈
㪊㪐㪅㪈
㪊㪏㪅㪏
㪍㪈㪇㪅㪎
㪈㪇㪊㪅㪐
㸐
㪈㪊㪌㪅㪐
㪈㪍㪅㪐
㪊㪎㪅㪈
㪈㪏㪎㪅㪊
㪉㪋㪅㪎
㪉㪎㪅㪊
㪏㪍㪅㪌
㪉㪍㪅㪈
㪐㪇㪅㪉
㪉㪊㪅㪐
㪌㪋㪅㪇
㪌㪐㪅㪉
㪎㪍㪐㪅㪉
㪈㪉㪎㪅㪊
㸌
㪈㪇㪌㪅㪐
㪈㪇㪅㪉
㪈㪏㪅㪌
㪈㪌㪏㪅㪌
㪈㪐㪅㪋
㪉㪊㪅㪐
㪋㪏㪅㪋
㪈㪍㪅㪎
㪌㪌㪅㪎
㪉㪅㪍
㪉㪋㪅㪍
㪉㪎㪅㪋
㪌㪈㪈㪅㪐
㪈㪇㪏㪅㪊
㸍
㪈㪈㪌㪅㪉
㪈㪊㪅㪏
㪉㪈㪅㪉
㪈㪍㪌㪅㪊
㪉㪉㪅㪍
㪉㪊㪅㪈
㪋㪎㪅㪈
㪈㪏㪅㪈
㪍㪊㪅㪎
㪏㪅㪉
㪉㪍㪅㪉
㪊㪉㪅㪏
㪌㪌㪎㪅㪊
㪈㪇㪐㪅㪐
㸎
㪈㪉㪊㪅㪈
㪈㪋㪅㪉
㪉㪏㪅㪎
㪈㪎㪋㪅㪍
㪉㪊㪅㪎
㪉㪌㪅㪎
㪌㪊㪅㪌
㪈㪏㪅㪐
㪎㪍㪅㪉
㪍㪅㪌
㪊㪊㪅㪈
㪋㪉㪅㪍
㪍㪉㪇㪅㪎
㪈㪈㪐㪅㪏
㸏
㪈㪉㪎㪅㪍
㪈㪌㪅㪏
㪉㪎㪅㪎
㪈㪏㪊㪅㪇
㪉㪋㪅㪋
㪉㪏㪅㪇
㪌㪍㪅㪇
㪈㪐㪅㪊
㪏㪇㪅㪎
㪎㪅㪌
㪊㪌㪅㪈
㪊㪏㪅㪇
㪍㪋㪊㪅㪈
㪈㪉㪊㪅㪐
㸐
㪈㪋㪈㪅㪋
㪈㪋㪅㪐
㪋㪈㪅㪊
㪈㪐㪇㪅㪉
㪉㪏㪅㪇
㪊㪊㪅㪋
㪌㪍㪅㪏
㪉㪉㪅㪈
㪈㪇㪉㪅㪍
㪈㪈㪅㪊
㪋㪎㪅㪈
㪋㪏㪅㪌
㪎㪊㪎㪅㪍
㪈㪊㪈㪅㪏
㧔60㨪64 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪎㪐㪅㪇
㪎㪅㪇
㪈㪉㪅㪉
㪈㪉㪇㪅㪉
㪈㪏㪅㪈
㪈㪐㪅㪍
㪉㪉㪅㪈
㪈㪉㪅㪊
㪊㪋㪅㪋
㪇㪅㪍
㪈㪊㪅㪏
㪈㪎㪅㪎
㪊㪌㪎㪅㪉
㪋㪏㪅㪐
㸈
㪐㪎㪅㪌
㪐㪅㪌
㪈㪊㪅㪇
㪈㪌㪉㪅㪇
㪉㪇㪅㪈
㪈㪐㪅㪍
㪉㪊㪅㪋
㪈㪌㪅㪇
㪋㪌㪅㪋
㪇㪅㪎
㪈㪋㪅㪇
㪉㪌㪅㪉
㪋㪊㪌㪅㪌
㪐㪍㪅㪋
㸉
㪐㪍㪅㪐
㪏㪅㪌
㪈㪌㪅㪏
㪈㪌㪏㪅㪋
㪈㪍㪅㪎
㪉㪇㪅㪏
㪉㪊㪅㪏
㪈㪋㪅㪍
㪌㪇㪅㪎
㪉㪅㪇
㪈㪎㪅㪐
㪉㪈㪅㪐
㪋㪋㪎㪅㪐
㪈㪇㪊㪅㪈
㸊
㪈㪇㪈㪅㪈
㪈㪇㪅㪍
㪈㪍㪅㪎
㪈㪎㪎㪅㪎
㪈㪎㪅㪎
㪉㪉㪅㪊
㪊㪌㪅㪎
㪈㪌㪅㪐
㪌㪌㪅㪈
㪊㪅㪏
㪉㪌㪅㪍
㪉㪍㪅㪏
㪌㪇㪐㪅㪇
㪈㪉㪌㪅㪇
- 73 -
㸋
㪐㪐㪅㪍
㪈㪇㪅㪈
㪈㪎㪅㪌
㪈㪋㪍㪅㪍
㪈㪎㪅㪍
㪉㪇㪅㪍
㪋㪐㪅㪋
㪈㪌㪅㪉
㪌㪈㪅㪈
㪉㪅㪌
㪉㪈㪅㪏
㪉㪋㪅㪎
㪋㪎㪍㪅㪎
㪈㪇㪇㪅㪊
㧔65㨪69 ᱦ㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
ᐔဋ
㪈㪈㪏㪅㪇
㪈㪇㪅㪌
㪈㪎㪅㪌
㪈㪏㪇㪅㪇
㪈㪏㪅㪎
㪉㪎㪅㪉
㪋㪌㪅㪌
㪈㪋㪅㪎
㪍㪉㪅㪌
㪇㪅㪏
㪉㪋㪅㪏
㪊㪉㪅㪋
㪌㪌㪉㪅㪋
㪈㪈㪐㪅㪍
㸇
ᐔဋ
㪈㪈㪋㪅㪊
㪏㪅㪉
㪈㪌㪅㪏
㪈㪐㪊㪅㪈
㪈㪎㪅㪏
㪉㪍㪅㪊
㪉㪎㪅㪈
㪈㪉㪅㪌
㪌㪊㪅㪊
㪈㪅㪊
㪈㪎㪅㪈
㪊㪈㪅㪎
㪌㪈㪏㪅㪋
㪈㪉㪐㪅㪌
㸇
㪐㪉㪅㪇
㪏㪅㪉
㪈㪉㪅㪇
㪈㪉㪍㪅㪌
㪈㪌㪅㪇
㪉㪈㪅㪍
㪉㪎㪅㪇
㪈㪈㪅㪐
㪋㪊㪅㪇
㪇㪅㪌
㪈㪍㪅㪎
㪉㪉㪅㪐
㪊㪐㪎㪅㪌
㪌㪇㪅㪇
㸈
㪈㪈㪉㪅㪍
㪐㪅㪍
㪈㪊㪅㪌
㪈㪍㪌㪅㪐
㪈㪍㪅㪍
㪉㪋㪅㪊
㪋㪇㪅㪎
㪈㪋㪅㪌
㪌㪌㪅㪏
㪇㪅㪈
㪈㪏㪅㪏
㪉㪌㪅㪋
㪋㪐㪎㪅㪏
㪈㪈㪉㪅㪍
㸉
㪈㪉㪈㪅㪌
㪐㪅㪎
㪈㪎㪅㪈
㪈㪐㪍㪅㪊
㪈㪐㪅㪌
㪉㪐㪅㪐
㪋㪊㪅㪈
㪈㪌㪅㪈
㪍㪌㪅㪐
㪇㪅㪉
㪉㪊㪅㪉
㪊㪌㪅㪐
㪌㪎㪎㪅㪊
㪈㪊㪐㪅㪊
㸊
㪈㪈㪍㪅㪎
㪐㪅㪐
㪈㪎㪅㪉
㪉㪇㪉㪅㪉
㪈㪏㪅㪍
㪉㪎㪅㪌
㪍㪍㪅㪍
㪈㪋㪅㪈
㪍㪋㪅㪌
㪇㪅㪋
㪉㪌㪅㪋
㪊㪏㪅㪈
㪍㪇㪈㪅㪈
㪈㪋㪎㪅㪊
㸋
㪈㪉㪇㪅㪌
㪈㪈㪅㪇
㪈㪍㪅㪋
㪈㪐㪋㪅㪋
㪈㪐㪅㪋
㪉㪌㪅㪎
㪋㪇㪅㪐
㪈㪋㪅㪍
㪍㪋㪅㪏
㪇㪅㪍
㪉㪍㪅㪇
㪉㪎㪅㪋
㪌㪍㪈㪅㪎
㪈㪊㪌㪅㪈
㸌
㪈㪊㪊㪅㪏
㪈㪊㪅㪊
㪉㪈㪅㪋
㪈㪏㪏㪅㪌
㪉㪉㪅㪊
㪊㪈㪅㪏
㪋㪐㪅㪍
㪈㪍㪅㪋
㪎㪊㪅㪉
㪈㪅㪌
㪊㪇㪅㪎
㪋㪉㪅㪉
㪍㪉㪋㪅㪎
㪈㪊㪇㪅㪈
㸍
㪈㪊㪏㪅㪋
㪈㪉㪅㪍
㪉㪋㪅㪐
㪈㪐㪌㪅㪈
㪉㪉㪅㪌
㪊㪇㪅㪏
㪋㪐㪅㪇
㪈㪍㪅㪋
㪎㪋㪅㪈
㪉㪅㪈
㪊㪊㪅㪉
㪋㪊㪅㪋
㪍㪋㪉㪅㪍
㪈㪊㪌㪅㪏
㸎
㪈㪊㪋㪅㪇
㪈㪋㪅㪐
㪉㪉㪅㪌
㪈㪏㪐㪅㪎
㪉㪈㪅㪉
㪉㪏㪅㪇
㪋㪉㪅㪋
㪈㪍㪅㪐
㪍㪎㪅㪋
㪈㪅㪊
㪊㪊㪅㪇
㪊㪊㪅㪊
㪍㪇㪋㪅㪌
㪈㪉㪋㪅㪌
㸏
㪈㪊㪍㪅㪍
㪈㪊㪅㪍
㪉㪌㪅㪎
㪈㪐㪐㪅㪍
㪈㪐㪅㪊
㪉㪐㪅㪐
㪍㪏㪅㪊
㪈㪎㪅㪇
㪏㪋㪅㪊
㪉㪅㪋
㪊㪎㪅㪈
㪊㪈㪅㪎
㪍㪍㪌㪅㪍
㪈㪊㪍㪅㪐
㸐
㪈㪋㪌㪅㪉
㪈㪊㪅㪐
㪊㪊㪅㪇
㪉㪈㪈㪅㪉
㪉㪉㪅㪐
㪊㪎㪅㪉
㪌㪏㪅㪊
㪈㪏㪅㪈
㪏㪎㪅㪇
㪊㪅㪏
㪋㪍㪅㪋
㪋㪋㪅㪐
㪎㪉㪉㪅㪇
㪈㪋㪎㪅㪎
㸈
㪈㪈㪈㪅㪌
㪎㪅㪊
㪈㪉㪅㪐
㪈㪎㪎㪅㪇
㪈㪎㪅㪉
㪉㪊㪅㪏
㪉㪉㪅㪏
㪈㪈㪅㪏
㪋㪍㪅㪎
㪇㪅㪏
㪈㪊㪅㪌
㪉㪎㪅㪈
㪋㪎㪉㪅㪊
㪈㪉㪉㪅㪎
㸉
㪈㪈㪐㪅㪍
㪏㪅㪎
㪈㪎㪅㪉
㪉㪈㪋㪅㪍
㪈㪏㪅㪐
㪉㪍㪅㪌
㪉㪐㪅㪎
㪈㪉㪅㪐
㪌㪐㪅㪈
㪇㪅㪌
㪈㪐㪅㪍
㪊㪊㪅㪏
㪌㪍㪈㪅㪉
㪈㪌㪍㪅㪊
㸊
㪈㪉㪎㪅㪋
㪏㪅㪋
㪈㪎㪅㪋
㪉㪋㪋㪅㪇
㪈㪏㪅㪋
㪉㪏㪅㪏
㪊㪈㪅㪋
㪈㪊㪅㪌
㪍㪉㪅㪊
㪇㪅㪊
㪉㪈㪅㪐
㪊㪌㪅㪎
㪍㪇㪐㪅㪌
㪈㪏㪉㪅㪇
㸋
㪈㪉㪋㪅㪎
㪈㪇㪅㪇
㪈㪐㪅㪊
㪉㪊㪈㪅㪈
㪉㪇㪅㪈
㪊㪉㪅㪎
㪊㪐㪅㪍
㪈㪋㪅㪋
㪍㪍㪅㪋
㪇㪅㪎
㪉㪊㪅㪏
㪊㪊㪅㪊
㪍㪈㪍㪅㪊
㪈㪍㪐㪅㪎
㸌
㪈㪊㪋㪅㪍
㪏㪅㪈
㪉㪌㪅㪉
㪉㪌㪏㪅㪋
㪉㪊㪅㪉
㪊㪇㪅㪌
㪋㪏㪅㪈
㪈㪌㪅㪉
㪎㪇㪅㪈
㪉㪅㪇
㪉㪊㪅㪎
㪋㪇㪅㪐
㪍㪏㪇㪅㪈
㪈㪐㪇㪅㪐
㸍
㪈㪊㪏㪅㪊
㪈㪇㪅㪎
㪈㪎㪅㪏
㪉㪏㪏㪅㪋
㪈㪐㪅㪐
㪊㪈㪅㪍
㪊㪍㪅㪐
㪈㪌㪅㪎
㪎㪎㪅㪌
㪊㪅㪊
㪉㪉㪅㪇
㪊㪎㪅㪎
㪍㪐㪐㪅㪎
㪉㪈㪍㪅㪌
㸎
㪈㪊㪈㪅㪈
㪐㪅㪐
㪉㪊㪅㪍
㪉㪉㪎㪅㪏
㪉㪇㪅㪋
㪊㪊㪅㪎
㪊㪏㪅㪌
㪈㪋㪅㪋
㪍㪍㪅㪏
㪌㪅㪎
㪉㪉㪅㪐
㪊㪐㪅㪐
㪍㪊㪋㪅㪎
㪈㪍㪋㪅㪍
㸏
㪈㪊㪇㪅㪊
㪐㪅㪍
㪉㪐㪅㪈
㪉㪊㪋㪅㪌
㪈㪎㪅㪍
㪋㪈㪅㪐
㪊㪇㪅㪇
㪈㪌㪅㪌
㪍㪍㪅㪈
㪏㪅㪇
㪉㪎㪅㪊
㪊㪎㪅㪌
㪍㪋㪎㪅㪊
㪈㪎㪇㪅㪎
㸐
㪈㪋㪎㪅㪏
㪈㪊㪅㪐
㪊㪏㪅㪉
㪉㪈㪈㪅㪋
㪉㪎㪅㪎
㪊㪐㪅㪍
㪋㪇㪅㪐
㪈㪐㪅㪉
㪏㪌㪅㪋
㪈㪍㪅㪉
㪊㪎㪅㪌
㪈㪇㪏㪅㪉
㪎㪏㪌㪅㪐
㪈㪋㪊㪅㪊
㧔70 ᱦએ਄㧕
⋡⊛೎
㘩ᢱ䊶㕖䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ
䉝䊦䉮䊷䊦㘶ᢱ䊶䈢䈳䈖
ⵍ᦯䊶ጁ‛
૑ዬ䊶㔚᳇䊶䉧䉴䊶᳓㆏
ኅౕ䊶ኅᐸ↪ᯏེ䊶ኅ੐䉰䊷䊎䉴
଻ஜ䊶ක≮
੤ㅢ
ㅢା
ᇅᭉ䊶䊧䉳䊞䊷䊶ᢥൻ
ᢎ⢒
ᄖ㘩䊶ኋᴱ
䈠䈱ઁ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
䋨ౣឝ䋩ᜬ䈤ኅ䈱Ꮻዻኅ⾓
㪐㪉㪅㪎
㪍㪅㪐
㪈㪇㪅㪊
㪈㪊㪇㪅㪋
㪈㪋㪅㪍
㪉㪈㪅㪊
㪈㪍㪅㪐
㪈㪇㪅㪈
㪊㪎㪅㪉
㪇㪅㪊
㪈㪇㪅㪈
㪉㪉㪅㪉
㪊㪎㪊㪅㪈
㪌㪌㪅㪉
補表2 世帯主年齢別、所得階級別の消費税課税対象消費額(1 世帯あたり、万円)
30歳未満
30~34歳
35~39歳
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70歳以上
平均
平均
180.5
234.4
282.1
326.6
375.3
412.8
371.0
343.4
358.4
315.1
328.0
Ⅰ
99.2
133.0
217.1
234.0
261.5
235.8
232.9
230.8
263.7
237.6
236.3
Ⅱ
125.0
145.2
211.2
234.3
250.3
197.7
228.5
275.8
323.3
289.6
278.8
Ⅲ
109.3
138.4
185.1
214.4
258.8
237.4
224.4
278.8
365.7
336.9
297.0
Ⅳ
128.6
148.6
191.1
189.3
215.9
262.4
215.7
317.9
382.7
349.5
273.1
Ⅴ
202.5
189.2
208.9
222.9
243.0
254.4
281.3
318.0
355.3
372.7
271.7
Ⅵ
238.7
229.1
251.3
253.1
270.6
299.9
288.3
339.5
413.8
405.9
290.4
Ⅶ
316.2
282.3
273.1
290.2
327.9
340.1
319.9
374.6
427.1
391.6
323.4
Ⅷ
256.6
300.2
323.8
342.2
359.5
369.6
370.2
428.8
405.4
392.6
358.1
Ⅸ
340.9
342.2
378.2
394.9
411.6
455.2
418.4
440.4
447.2
384.4
414.8
Ⅹ
250.5
449.1
430.3
507.2
553.9
589.7
542.5
515.9
477.2
529.1
536.0
Ⅸ
Ⅹ
補表3 世帯主年齢別、所得階級別の固定資本減耗(1 世帯あたり、万円)
平均
30歳未満
30~34歳
35~39歳
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70歳以上
平均
9.7
32.3
46.2
49.2
44.5
37.0
35.6
34.1
29.8
21.3
32.9
Ⅰ
Ⅱ
8.4
3.0
21.7
28.0
16.9
20.8
36.9
14.1
9.3
5.2
9.7
Ⅲ
2.6
12.3
29.6
31.0
24.2
14.3
12.5
16.1
16.0
11.1
13.4
Ⅳ
0.7
10.7
21.2
24.6
20.6
19.9
22.1
22.2
29.5
23.8
22.5
Ⅴ
3.4
38.6
13.8
19.6
25.3
22.7
29.3
31.4
32.4
29.2
25.6
- 74 -
Ⅵ
12.4
18.0
21.2
29.8
22.7
21.9
19.6
30.0
38.2
33.5
24.7
Ⅶ
9.3
27.8
38.9
37.8
29.1
31.4
25.5
39.1
39.8
32.4
31.7
Ⅷ
26.3
48.3
52.7
44.0
37.6
29.9
29.9
31.9
39.9
40.6
40.2
25.4
52.1
61.9
54.1
52.2
30.5
31.4
55.7
54.1
49.9
48.2
67.7
38.1
58.4
61.6
49.5
44.6
37.3
47.0
51.1
65.3
49.1
42.3
38.2
84.8
79.0
64.3
51.2
57.2
68.2
73.4
99.2
64.3
水に関する環境・経済統合勘定の構造と拡張
―日本版 NAMWA の構築について― *
静岡産業大学 経営学部
准教授 牧野 好洋
経済活動の関連を示さない。
はじめに
国連統計局が 2012 年に公表した『水に関する環境・
経済統合勘定』2 は 2008SNA を基礎とし、「経済活動」
「水」1、特に淡水は動植物の生命維持や成長だけでな
く、食料品を始めとする工業製品の生産、電力などエネ
と「水」に関する情報を統合的に捉えようとする勘定体
系である。
日本では内閣府が 2009 年度および 2011 年度、
「水に
ルギーの生産などにも使われる。私たちの生活や経済活
関する環境・経済統合勘定の推計作業」を実施した。3
動は水と深い関連を持つ。
水については今日、需要の増加と供給の制約が見られ
そこでは SEEA-Water を作成するための基礎統計の整備
る。前者は世界各国の経済成長および途上国を中心とし
状況の確認、各種基礎統計から見る日本の水資源の現状、
た人口増加、後者は気候の変化や水質の悪化などによる。
2006 年および 2008 年を対象とする日本版 SEEA-Water
今日、水は無制限に存在し、自由に使用できる財では
4
の試算、今後の課題の検討などを行った。
本 稿 の ね ら い は 以 下 の 3 点 で あ る。 第 一 は SEEA-
なく、その賦存量を把握し、経済活動との関連を十分に
検討しなければならない財である。私たちは
「経済活動」
Water を構成する各勘定表の見方や構造を整理すること
と「水」に関する情報(水の使用量や他部門への供給量、
である。第二はそれら勘定表のいくつかを行列上に整理
水質の変化、降水量やストック量など)を統合的に捉え
し、SEEA-Water が「体系」として経済活動、水の循環、
る統計、および両者の相互依存性を記述した経済モデル
汚染物質の排出・処理を捉える様子を示すことである。
を必要とする。
第三は SNA のサテライト勘定として整備される SEEA-
既存の SNA 中枢体系や産業連関表は上水道、下水道
Water の特性、および勘定行列の伸縮性 5 を生かし、経
サービスの生産や需要、食料品としての飲料水の生産額
済モデルの構築に向け、SEEA-Water の経済活動の記録
や消費額などを捉えるものの、水に関する情報を捉えな
対象を
「財・サービスの投入・産出」
から「経済循環」へ
い。また水の汲み上げや他部門への供給など水の流れと
と拡張し、日本版 NAMWA(National Accounting Matrix
*
1
2
3
4
5
本稿は内閣府「水に関する環境・経済統合勘定の推計作業」等の研究成果のひとつである。本稿の作成においてはご関係の多くの先生
方より数々の有益なコメントをいただいた。心よりお礼申し上げる。なお本稿の問題点、不備等はすべて筆者に帰すものである。
以下では断りのない限り、
「水」は淡水をさす。ここで主に淡水を取り上げるのは、それが生命維持や経済活動により重要だからである。
原 著:United Nations Statistics Division(2012)System of Environmental-Economic Accounting for Water(http://unstats.un.org/unsd/
envaccounting/seeaw/seeawaterwebversion.pdf)。その作成経緯は同書の Preface に述べられている。
以下、本稿では同書が述べる水に関する環境・経済統合勘定(System of Environmental-Economic Accounting for Water)を SEEA-Water
と記述する。また同書における章、パラグラフ、表などをそれぞれ SEEA-Water Chapter #、同 para.#.#、同 table#.# などと示す。
SEEA-Water Chapter 9 は各国の水勘定を例示する。それによれば、デンマークは 1994 年を対象に「目的別水勘定」
(SEEA-Water
para.9.16 および table 9.1)を、オーストラリアは 2000 ~ 01 年を対象に「資源別水使用」(SEEA-Water para.9.16 および table 9.2)を作成
した。またオーストラリア、フランス、オランダ、スウェーデンなどは水勘定を地域基盤で作成する(SEEA-Water para.9.10)。
2009 年度の作業内容は、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2010)『季刊 国民経済計算 水に関する環境・経済統合勘定
の推計作業 報告書』No.143 に公表されている。2011 年度の作業内容は、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2012)『水に
関する環境・経済統合勘定の推計作業 報告書』
(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/kankyou/kankyou_top.html)に公表されて
いる。
ここで「勘定行列の伸縮性」とは、全体の体系を崩すことなく、分析目的に応じて、部門を分割・統合できる(また記録対象を拡張・
縮小できる)勘定行列の性質をいう。
- 75 -
6
including Water Accounts)
の構造を提案することである。
第 1 章 物的水供給使用表
本稿の構成は以下の通りである。
ま ず SEEA-Water の 見 方 や 構 造 を 整 理 す る。SEEAWater は「物的水供給使用表」「水排出勘定」
「ハイブリ
物的水供給使用表は各産業、家計が環境や他の経済単
ッド経済勘定」「水資産勘定」などから成り、それらを
位からどれだけ取水をし、環境や他の経済単位にどれだ
通し、一国・地域における経済活動、水の循環、汚染物
けの水を供給したのかを示す。また前者の水量から後者
質の排出・処理を捉える。同書は SEEA-Water-land とい
の水量を引き、各部門の水の消費量を求める。
う仮設国を設け、仮設値を入れた勘定表によりそれらを
物的水供給使用表は「物的水供給使用詳細表」と「経
示す。本稿ではそれら仮設値表を用い、各勘定表を考察
済内の水のフロー表」
「分配中の損失の参考表」から成る。
する(第 1 ~ 4 章)
。7
また物的水供給使用詳細表は「物的使用表」と「物的供
SEEA-Water の勘定群は、SNA 中枢体系と同様に、取
給表」から成る。
引を通じて互いに関連を持つ。すなわち SEEA-Water は
ひとつの体系として前述の 3 つの事項(経済活動、水の
以下では SEEA-Water が用いる産業分類を整理し、そ
の後、各勘定表の構造を考察する。
循環、汚染物質の排出・処理)を捉える。しかし各々を
T 型勘定などにより切り離して示すため、体系全体を鳥
第 1 節 産業分類
瞰しにくい。そこで SEEA-Water を構成する各勘定表の
SEEA-Water-land 表では国際標準産業分類
(International
関連を図に整理し、いくつかの勘定をひとつの行列上に
Standard Industrial Classification;ISIC)に基づき、表 1.1
整理する(第 5 章)
。同行列により、SEEA-Water が捉え
の 6 産業を設定する。
る 3 つの事項を一表に体系的に示せるようになる。
各事業所を主たる活動によって分類する。ただしその
また SEEA-Water の経済活動部分は、財・サービスの
事業所の副次的活動が主たる活動と同程度に重要である
投入・産出を主に記録する。今後、SEEA-Water に基づ
場合、それぞれの活動を個別に分類する(SEEA-Water
く経済モデルを構築するためには、それに加え、付加価
para.2.51)。
値と最終需要の間にある所得循環などの記述が必要と思
この産業分類は「水に関する物的な情報」と「経済活動
われる。そこで SEEA-Water の経済活動の記録対象を「財・
の情報」において共通に使用されており、それが SEEA-
サービスの投入・産出」からそれを含む「経済循環」へ
Water のひとつの特徴である(SEEA-Water para.3.1)
。
と拡張することを提案する(第 6 章)。当該部分の拡張
を比較的容易に行えることが、経済循環を体系的に捉え
第 2 節 物的使用表
た SNA のサテライト勘定として水を捉える SEEA-Water
物的水供給使用詳細表は「物的使用表」と「物的供給
の大きな利点である。その結果、本稿で日本版 NAMWA
表」から成る。本節では物的使用表の構造を考察する。
と呼ぶひとつの勘定行列上に、SNA 中枢体系が捉える
物的使用表は各産業および家計が使用した水量を表わ
「経済循環」、SEEA-Water が捉える「水の循環」
「汚染物
質の排出・処理」をリンクして示せるようになる。
す。
「環境から」欄は汲み上げ合計をまず示し、次にそれ
6
経済循環、水の循環、汚染物質の排出・処理を記録する勘定行列を一般に「水勘定を含む国民勘定行列(National Accounting Matrix
including Water Accounts;NAMWA)」という(SEEA-Water para.2.80)。
de Haan, M.(1998)は 1991 年のオランダを対象とする NAMWA を掲載する。van der Veeren, R. et al.(2004)は 1996 ~ 2000 年のオラ
ンダを対象とする NAMWA の構造を示す。同論文は一国レベルの NAMWA に加え、河川水系ごとの NAMWA を用いて、オランダの経
済活動、水の循環などを考察する。
同国の NAMWA は経済勘定、水収支勘定、排出勘定から成り、ひとつの勘定行列上でそれらを整合的に関連付ける。その基本的構造
は日本版 NAMWA と同様である。本稿では SNA 中枢体系と SEEA-Water の勘定群に基づき、日本版 NAMWA の構造を検討する。
7
水使用を考えれば、水資源のストックの品質を扱う「水質勘定」はもちろん重要であり(SEEA-Water Chapter 7)、水を含む経済モデル
の構築を考えれば、「水資源の評価」も同様に重要である(SEEA-Water Chapter 8)。
しかし水が多様な用途に使用されているもとで、品質を定義する困難さなど(SEEA-Water para.7.7)があり、
SEEA-Water は「水質勘定」
の構造を示し、他表のような仮設値表を示さない。また「水資源の評価」についても多様な方法を提示する。
SEEA-Water の Preface は「SEEA-Water の概要および物的水供給使用表から水資産勘定まで(SEEA-Water Chapter 2-6)は国際的合意
をみたが、水質勘定、2008SNA が対象としない水資源の経済的評価、SEEA-Water の適用例(SEEA-Water Chapter 7-9)は国際的に受け
入れられた成功事例がなく実験的なものである」とする。
したがって本稿では水質勘定を扱わなかった。また水資源の評価方法についても論じていない。これらは今後の課題である。
- 76 -
表 1.1 産業分類
ISIC
部門名
1-3
農林水産業
5-33, 41-43
鉱業、
製造業、
建設業
35
電力・ガス・熱供給業
36
上水道・簡易水道、
工業用水
37
下水道業
38, 39, 45-99
サービス業
(出所)SEEA-Water para.3.22 および内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2010)『季刊 国民
経済計算 水に関する環境・経済統合勘定の推計作業 報告書』No.143、p.12 に基づき筆者作成。
表 1.2 物的使用表
⴫‫⴫↪૶⊛‛ޓ‬
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
108.4
114.5
404.2
428.7
100.1
2.3
1,158.2
10.8
C‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ
108.4
114.6
404.2
23.0
100.1
2.3
752.6
10.8
ἠṴ↪᳓
300.0
108.4
㋶᳓
100.0
ㇺᏒᵹ಴᳓
100.0
಄ළ᳓
ߘߩઁ
4.2
23.0
114.5
304.2
427.6
0.1
2.3
0.1
2.3
405.7
108.4
ว⸘
ᶏᄖ
1,169.0
763.4
300.0
300.0
108.4
108.4
0.0
0.0
100.0
100.0
100.0
114.6
D‫ޓ‬ಽ㈩ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ
K᳓⾗Ḯ߆ࠄ
144.2
100.0
10.8
155.0
9.8
966.9
405.7
957.1
405.7
K‫ޓ‬࿾⴫᳓
55.3
79.7
301.0
4.5
0.1
0.0
440.6
0.0
440.6
K‫ޓ‬࿾ਅ᳓
3.1
34.8
3.2
423.1
0.0
2.3
466.5
9.8
476.3
K‫ޓ‬࿯ფ᳓
50.0
100.0
0.0
100.0
1.0
101.0
427.1
51.1
618.5
239.5
858.0
50.0
KK㒠᳓෼㓸
KKK‫ޓ‬ᶏ߆ࠄߩ᳹ߺ਄ߍ
‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
⚻
ᷣ
ౝ
ኅ⸘
‫ޓ‬᳹ߺ਄ߍว⸘㧔㧩C㧗D㧩K㧗KK㧕
᳓ജ⊒㔚
Ⅳ
Ⴚ
߆
ࠄ
ว⸘
50.7
85.7
12.0
40.7
159.1
200.2
100.0
1.1
3.9
0.0
50.0
101.1
101.1
߁ߜ
C‫ޓ‬ౣ૶↪ߩ᳓
52.7
52.7
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳ߩᑄ᳓
E‫ޓ‬⣕Ⴎ᳓
‫ޓ‬᳓ߩ૶↪ว⸘㧔㧩㧗㧕
408.1
428.7
527.2
53.4
1,776.7
250.3
2,027.0
(注)灰色のセルは定義により 0 であることを示す。空白のセルは 0 でないが、小さい数値であることを示
す。斜体は水の流れを部門分割した値である。
(出所)SEEA-Water table 3.3
を「用途別」と「資源別」に示す。用途は「自己使用の
「1-3. 農林水産業」列は同部門が灌漑用水の用途に
8
ための汲み上げ」と「分配のための汲み上げ」から成り、 108.4 の水を汲み上げたことを示す。
これを水資源別に
前者をさらに水力発電、灌漑用水などに区分する。資源
見ると、地表水が 55.3、地下水が 3.1、土壌水が 50.0 で
は「水資源から」「降水収集」「海からの汲み上げ」から
あった。農業はさらに他の経済単位から 50.7 の水の提
成り、水資源をさらに地表水、地下水、土壌水に区分す
供を受けている。そのうち 12.0 は再使用の水であった。
る。
以上、農業は合計 159.1 の水を使用する。
「経済内」欄は「他の経済単位から受けた水の使用」
を示す。また内数として再使用の水などを示す。
以下、4 つの産業と家計を例にとり、物的使用表の構
造を整理する。
「35. 電力・ガス・熱供給業」列は同部門が水力発電の
用途に 300.0、冷却水の用途に 100.0、その他の用途に
4.2、水を汲み上げたことを示す。これを水源別に見ると、
地 表 水 が 301.0、 地 下 水 が 3.2、 海 か ら の 汲 み 上 げ が
8 本稿において水量の単位は 100 万 m3。以下、水量の単位を省略する。
- 77 -
100.0 であった。9 同部門はさらに他の経済単位から 3.9
に組み込む。そこでは産業および家計による地表水、地
の水の提供を受けている。以上、電力・ガス・熱供給業
下水、土壌水の汲み上げにより、それぞれの期首ストッ
は合計 408.1 の水を使用する。
クが減少し、期末ストックに変動する様子を記録する。
「36. 上水道・簡易水道、工業用水」列は同部門が分配
のために 405.7、水を汲み上げたことを示す。その他の
第 3 節 物的供給表
本節では物的水供給使用詳細表のうち「物的供給表」
用途は 23.0 であった。同部門の特性上、前者の水量は
大きい。これを水源別に見ると、地表水が 4.5、地下水
の構造を考察する。
が 423.1、海からの汲み上げが 1.1 であった。ここから
物的供給表は各産業および家計が供給した水量を表わ
同部門は多くを地下水から得ていることが分かる。他の
し、使用量と供給量の差から各部門の水の消費量を求め
経済単位から受けた水の使用は 0 であり、同部門は再使
る。
用の水を含め、他の経済単位から水の提供を受けていな
物的供給表における「経済内」欄は他の経済単位への
い。以上、上水道・簡易水道、工業用水は合計 428.7 の
水の供給を示す。例えば「1-3. 農林水産業」は 17.9、下
水を使用する。
水道への廃水を行った。
「家計」は 235.5、下水道への廃
10
を 100.0、
水を行った。産業および家計から下水道に廃水された合
収集したことを示す。また同部門がその他の用途に 0.1、
計 427.1 を、表 1.2「物的使用表」の「37. 下水道業」に
水を汲み上げたことを示す。これを水源別に見ると、降
他の経済単位から受けた水として計上する。
「37. 下水道業」列は同部門が都市流出水
水収集が 100.0、地表水が 0.1 であった。前者は都市流
一方「37. 下水道業」は 42.7、再使用の水を供給した。
出水と等しい。同部門はさらに他の経済単位から 427.1
「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」も 10.0、再使用の
の水の提供を受けている。これは下水の回収分であり、
水を供給しており、両者の合計は 52.7 であった。表 1.2
「物
同部門の特性上、この水量は大きい。以上、下水道業は
的使用表」では、それの使用を「他の経済単位から受け
合計 527.2 の水を使用する。
た水の使用」欄の内数として記録する。
「家計」列はその他の用途に 10.8、水を汲み上げたこ
他の経済単位への水の供給合計は 858.0 であった。こ
とを示す。これを水源別に見ると、地下水が 9.8、降水
れは表 1.2「物的使用表」の「他の経済単位から受けた
収集が 1.0 であった。また同部門は他の経済単位から
水の使用」欄と同値である。
239.5 の水の提供を受ける。以上、家計は合計 250.3 の
水を使用する。
なお物的使用表は他の表と以下の関係を持つ。
物的供給表における「環境へ」欄は環境へのリターン
合計をまず示し、次にそれを「用途別」と「資源別」に
11
示す。用途を水力発電、灌漑用水、鉱水 12 などに区分
物的使用表における「水の使用合計」およびその内訳
する。資源は「水資源へ」と「その他の資源へ(海水な
である「汲み上げ合計」「他の経済単位から受けた水の
ど)」から成り、前者をさらに地表水、地下水、土壌水
使用」を、表 3.2「ハイブリッド使用表」下段に組み込む。
に区分する。
以下、4 つの産業と家計を例にとり、物的供給表の構
同様にそれらを表 3.3「水の供給使用ハイブリッド勘定」
下部に組み込む。それにより経済活動と水の使用の関係
造を整理する。
を明示する。「自己使用のための汲み上げ」欄は表 3.4「自
「1-3. 農林水産業」列は同部門が下水道に 17.9 廃水を
己使用向け水供給と自己による水処理のハイブリッド勘
し、環境に水を 65.0 リターンしたことを示す。この水
定」の「自己使用のための汲み上げ」欄と一致する。そ
は灌漑用水に用いられており、地下水として環境に戻さ
こでは各部門が水を自己使用するために行った経済活動
れた。水の供給合計は 82.9 である。表 1.2「物的使用表」
を示す。
によれば同部門の使用合計は 159.1 であり、他の経済単
また物的使用表における「水資源から」を、表 4.1「資
産勘定」における「ストックの減少」のうち「汲み上げ」
位へ供給した分と環境にリターンした分は合計 82.9 で
ある。両者の差 76.2 を同部門が消費した水とする。
9
海からの汲み上げは冷却用の直接使用、脱塩目的などを含む(SEEA-Water para.3.6)。
「都市流出水」は居住地域も含む都市部における降水が地表流、地下水、管等を経由して下水道業に収集されたものである(SEEA-Water
para.3.56)。
11
本稿では第 5 章において、SEEA-Water を構成する各勘定表の関連を図上に整理し、SEEA-Water の構造を考察する。
12
「鉱水」とは石炭、鉱石などの採取に関連する水であり、例えば鉱山が地下水面下にあるとき、そこにある水を取り除くことなどを含
む(SEEA-Water para.3.55)。
10
- 78 -
表 1.3 物的供給表
⴫‫⊛‛ޓ‬ଏ⛎⴫
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߳ߩ᳓ߩଏ⛎
⚻
ᷣ
ౝ
5.6
379.6
42.7
17.9
127.6
17.9
117.6
5.6
1.4
65.0
29.4
400.0
47.3
ว⸘
49.1
622.5
49.1
191.6
0.7
1,026.2
ኅ⸘
ᶏᄖ
ว⸘
235.5
858.0
235.5
427.1
4.8
1,031.0
߁ߜ
10.0
C‫ޓ‬ౣ૶↪ߩ᳓
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳ߩᑄ᳓
42.7
52.7
1.0
E‫ޓ‬⣕Ⴎ᳓
‫ࡦ࡯࠲࡝ޓ‬ว⸘㧔㧩C㧗D㧕
ἠṴ↪᳓
1.0
483.8
300.0
᳓ജ⊒㔚
65.0
㋶᳓
99.7
ㇺᏒᵹ಴᳓
100.0
಄ළ᳓
Ⅳ
Ⴚ
߳
24.5
ṳࠇߦࠃࠆಽ㈩ߩ៊ᄬ
10.0
ಣℂᑄ᳓
300.0
300.0
65.0
65.0
0.0
0.0
99.7
99.7
100.0
100.0
24.5
384.1
0.5
24.5
394.6
1.5
396.1
19.4
0.0
22.9
0.2
42.5
3.3
45.8
23.5
300.0
47.3
227.5
0.7
664.0
4.6
668.6
52.5
0.2
352.7
0.5
353.2
65.0
23.5
47.3
175.0
0.5
311.3
4.1
315.4
362.2
0.2
362.4
300.0
C‫ޓ‬࿾⴫᳓
C‫ޓ‬࿾ਅ᳓
1.0
65.0
ߘߩઁ
C‫ޓ‬᳓⾗Ḯ߳㧔㧩C㧗C㧗C㧕
52.7
0.0
C‫ޓ‬࿯ფ᳓
D‫⾗ߩઁߩߘޓ‬Ḯ߳㧔ᶏ᳓ߥߤ㧕
5.9
100.0
256.3
0.0
‫ޓ‬᳓ߩଏ⛎ว⸘㧔㧩㧗㧕
82.9
157.0
405.6
426.9
526.5
49.8
1,648.7
240.3
1,889.0
‫ޓ‬ᶖ⾌㧔㧩㧙㧕
76.2
43.2
2.5
1.8
0.7
3.6
128.0
10.0
138.0
߁ߜ
0.5
C‫ޓ‬ṳࠇߦࠃࠆಽ㈩ߩ៊ᄬ
0.5
0.5
(注)灰色のセルは定義により 0 であることを示す。空白のセルは 0 でないが、小さい数値であることを示
す。斜体は水の流れを部門分割した値である。
(出所)SEEA-Water table 3.3
「35. 電力・ガス・熱供給業」列は同部門が下水道に
「37. 下水道業」列は同部門が再使用の水を 42.7、他の
5.6 廃水をし、環境に水を 400.0 リターンしたことを示す。 経済単位に供給したことを示す。一方、環境へのリター
この水は水力発電と冷却水に用いられており、そのうち
ンは 483.8 と大きく、特に処理廃水が 384.1 と大きい。
300.0 が地表水に、100.0 が海水などその他の資源に戻さ
これは同部門の特性である。また 99.7 は都市流出水で
れた。表 1.2「物的使用表」によれば水力発電、冷却水
あった。これらの水は海水などその他の資源に 256.3、
に使用した水はそれぞれ 300.0、100.0、表 1.3「物的供
地下水に 175.0、地表水に 52.5 リターンされた。同部門
給表」によればそれらからリターンされた水もそれぞれ
の水の使用合計は 527.2、水の供給合計は 526.5 であり、
300.0、100.0 である。したがってそこに水の消費はない。
両者の差 0.7 を同部門が消費した水とする。
表 1.2「物的使用表」によれば同部門の使用合計は
「家計」列は同部門が下水道への廃水を 235.5 行った
408.1 であり、他の経済単位へ供給した分と環境にリタ
ことを示す。一方、環境へのリターンは 4.8 と小さい。
ーンした分は合計 405.6 である。両者の差 2.5 を同部門
そのうち 1.5 は処理廃水、3.3 はその他である。それら
が消費した水とする。同部門の特性上、この水量は小さ
は地下水に 4.1、地表水に 0.5、海水などその他の資源に
い。
0.2 リターンされた。同部門の水の使用合計は 250.3、水
「36. 上水道・簡易水道、工業用水」列は同部門が他の
経済単位に 379.6 の水を供給したことを示す。同部門の
の供給合計は 240.3 であり、両者の差 10.0 を同部門が消
費した水とする。
特性上、この水量は大きい。そのうち 1.4 は下水道への
廃水、1.0 は脱塩水
13
であった。一方、環境へのリター
ンは 47.3 と小さい。そのうち 24.5 は漏れによる分配の
損失
14
なお物的供給表は他の表と以下の関係を持つ。
であった。22.9 はその他の理由による。それら
物的供給表における「水の供給合計」およびその内訳
である「他の経済単位への水の供給」
「リターン合計」を、
表 3.3「水の供給使用ハイブリッド勘定」下部に組み込む。
は地下水にリターンされた。同部門の水の使用合計は
同様にそれらのうち産業による分を、表 3.1「ハイブリ
428.7、水の供給合計は 426.9 であり、両者の差 1.8 を同
ッド供給表」下段に組み込む。それにより経済活動と水
部門が消費した水とする。
の供給の関係を明示する。
13
「脱塩水」とは表頭部門が脱塩をして他の経済単位に供給した水である(SEEA-Water para.3.65)。
「漏れによる分配の損失」とは開水路により水を分配する際の蒸発、管から地面への水の漏れ、分配ネットワークからの違法な水の抜
き取りなどである(SEEA-Water para.3.13)。
14
- 79 -
「漏れによる分配の損失」欄は表 1.5「分配中の損失の
が家計に使用される。
参考表」の「分配中の損失 漏れ」欄と一致する。また
以下同様に、経済内の水のフロー表の各行は、各部門
下水道業を除く「処理廃水」欄は表 3.4「自己使用向け
が他の経済単位に供給した水を示す。水を供給した部門
水供給と自己による水処理のハイブリッド勘定」の「処
を行、水を使用した部門を列にとり、交点に水量を記録
理水のリターン」欄と一致する。そこでは各部門が水を
する。
処理し、環境にリターンするため行った経済活動を示す。
同 様 に 物 的 供 給 表 に お け る「 水 資 源 へ 」 を、
表 4.1「資産勘定」における「ストックの増加」のうち「リ
第二に、経済内の水のフロー表の列は表 1.2「物的使
用表」
、
「経済内」欄において各部門が使用した水が、他
の経済単位によってどのように供給されたのかを示す。
ターン」に組み込む。そこでは産業および家計による地
例えば表 1.2「物的使用表」、
「1-3. 農林水産業」列で
表水、地下水、土壌水のリターンにより、それぞれの期
は同部門が 50.7 の水を、他の経済単位から受ける。表
首ストックが増加し、期末ストックに変動する様子を記
1.4「経済内の水のフロー表」はそれを「1-3. 農林水産業」
録する。
列に記録する。その水を「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、
建設業」
「36. 上水道・簡易水道、工業用水」などが供給
するため、「1-3. 農林水産業」列とそれら部門の行の交
第 4 節 経済内の水のフロー表
本節では物的水供給使用表のうち「経済内の水のフロ
点に記録する。
同様に表 1.2「物的使用表」
、「37. 下水道業」列では同
ー表」の構造を考察する。
経済内の水のフロー表は、物的使用表、物的供給表の
部門が 427.1 の水を、
他の経済単位から受ける。表 1.4
「経
「経済内」欄が示す水の使用、供給を経済単位間の流れ
済内の水のフロー表」、
「37. 下水道業」列によれば 17.9
を「1-3. 農 林 水 産 業 」 が、117.6 を「5-33, 41-43. 鉱 業、
として記録する。具体的には以下の通りである。
第一に、経済内の水のフロー表の行は表 1.3「物的供
製造業、建設業」が、235.5 を家計が廃水する。同列は
給表」、「経済内」欄において各部門が供給した水が、他
表 1.3「物的供給表」における「経済内」欄、
「下水道へ
の経済単位によってどのように使われたのかを示す。
の廃水」と等しい。
例えば表 1.3「物的供給表」、
「1-3. 農林水産業」列で
以下同様に、経済内の水のフロー表の各列は、各部門
は同部門が 17.9 の水を、下水道への廃水として他の経
が他の経済単位から受けた水を示す。水を供給した部門
済単位に供給する。表 1.4「経済内の水のフロー表」は
を行、水を使用した部門を列にとり、交点に水量を記録
それを「1-3. 農林水産業」行に記録する。それを「37.
する。
下水道業」が使用するため、
「1-3. 農林水産業」行と「37.
第 5 節 分配中の損失の参考表
下水道業」列の交点に記録する。
本節では物的水供給使用表のうち「分配中の損失の参
同様に表 1.3「物的供給表」
、
「36. 上水道・簡易水道、
工業用水」列では同部門が 379.6 の水を供給する。表
考表」の構造を考察する。
1.4「経済内の水のフロー表」
、
「36. 上水道・簡易水道、
分配中の損失の参考表は、産業および家計が他の経済
工業用水」行によれば 38.7 が「1-3. 農林水産業」に、
単位に供給した水量と、その際に漏れや蒸発などで失っ
45.0 が「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」に、239.5
た水量を示す。この表により経済内に供給された水の総
表 1.4 経済内の水のフロー表
⴫‫⚻ޓ‬ᷣౝߩ᳓ߩࡈࡠ࡯⴫
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
૶↪⠪ψ
ଏ⛎⠪ω
↥
ᬺ
䐳
+
5
+
%
ࠞ
࠹
ࠧ
࡝
䏚
೎
䐴
10.0
38.7
45.0
2.0
40.7
3.9
50.7
85.7
3.9
0.0
ઁߩ
⚻ᷣන૏
߳ߩ
᳓ߩଏ⛎
17.9
17.9
127.6
127.6
5.6
51.1
140.1
5.6
239.5
379.6
0.0
42.7
42.7
49.1
49.1
49.1
191.6
51.1
235.5
ኅ⸘
ᶏᄖ
17.9
1.4
ว⸘
ኅ⸘
117.6
5.6
ว⸘
383.0
239.5
235.5
622.5
235.5
ᶏᄖ
ઁߩ⚻ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
50.7
85.7
3.9
0.0
427.1
51.1
618.5
239.5
858.0
(出所)SEEA-Water table 3.4
⴫‫ޓ‬ಽ㈩ਛߩ៊ᄬߩෳ⠨⴫
- 80 -
ว⸘
ว⸘
/純供給量と分配中の損失を把握し、分配ネットワーク
第 2 章 水排出勘定について
の効率性を捉える(SEEA-Water para.3.68)
。
表 1.3「物的供給表」における「経済内」欄、「他の経
済単位への水の供給」は列部門が他の経済単位に供給し
排出勘定は化学的酸素要求量
(chemical oxygen demand;
た水量を示す。この値は列部門から他の経済単位に届い
COD)を用いて、産業および家計が排出する汚染物質
⴫‫⚻ޓ‬ᷣౝߩ᳓ߩࡈࡠ࡯⴫ 1.5「分配中の損失の参考表」はそ
た供給量である。表
の量を把握する。水へ直接排出する分については「処理
れを「他の経済単位への水の(純)供給」として示す。
の有無」と「排出先」を示す。下水道に排出する分につ
ઁߩ
⚻ᷣන૏
その分配中に漏れや蒸発などで一部の水が失われる。
いては「37. 下水道業」が処理後に汚染物質をどれだけ
߳ߩ
ว⸘
表 1.5「分配中の損失の参考表」はそれを「分配中の損失」
排出するかを示すとともに、それが各産業、家計の活動
として示す。そのうち「漏れ」は表 1.3「物的供給表」
にどれだけ起因するかを示す。
᳓ߩଏ⛎
における「漏れによる分配の損失」と等しい。
「他の経済単位への水の(純)供給」に「分配中の損失」
第 1 節 排出勘定
ว⸘
を加えた値が、列部門から経済内に供給された総水量で
本節では排出勘定の構造を考察する。
ある。
排出勘定は「表 A 総排出と純排出」と「表 B 下水
ઁߩ⚻ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
道業による排出」から成る。
表 1.5 分配中の損失の参考表
⴫‫ޓ‬ಽ㈩ਛߩ៊ᄬߩෳ⠨⴫
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
ว⸘
ኅ⸘
ᶏᄖ
ว⸘
17.9
127.6
5.6
379.6
42.7
49.1
622.5
235.5
858.0
0.0
0.0
0.0
25.0
0.0
0.0
25.0
0.0
25.0
C‫ޓ‬ṳࠇ
0.0
0.0
0.0
24.5
0.0
0.0
24.5
0.0
24.5
D‫ઁߩߘޓ‬㧔⫳⊒‫ޔ‬᣿ࠄ߆ߥ៊ᄬߥߤ㧕
0.0
0.0
0.0
0.5
0.0
0.0
0.5
0.0
0.5
17.9
127.6
5.6
404.6
42.7
49.1
647.5
235.5
883.0
‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߳ߩ᳓ߩ㧔⚐㧕ଏ⛎
‫ޓ‬ಽ㈩ਛߩ៊ᄬ㧔㧩C㧗D㧕
‫⚻ޓ‬ᷣౝߩ✚ଏ⛎㧔㧩㧗㧕
(出所)SEEA-Water table 3.5
⴫‫ޓ‬ឃ಴ൊቯ‫⴫ޓ‬#‫✚ޓ‬ឃ಴ߣ⚐ឃ಴
表 2.1 排出勘定
表 A 総排出と純排出
⴫‫ޓ‬ឃ಴ൊቯ‫⴫ޓ‬#‫✚ޓ‬ឃ಴ߣ⚐ឃ಴
㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
‫✚ޓ‬ឃ಴㧔㧩C㧗D㧕
ᳪᨴ‛⾰%1&
CKKᶏ߳
‫ޓ‬ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴ߩౣ㈩ಽ
‫⚐ޓ‬ឃ಴㧔㧩C㧗㧕
ว⸘
7,405.1
1,851.0
498.5
1,973.7
19,925.9
11,663.6
2,470.0
390.1
7,313.2
1,797.8
0.0
27.7
11,998.8
2,712.7
14,711.5
2,470.0
257.4
7,313.2
1,797.8
7.9
11,846.3
1,865.0
13,711.3
132.7
0.0
0.0
19.8
152.5
847.7
1,000.2
2,470.0
311.8
5,484.9
1,797.8
27.7
10,092.2
2,599.7
12,691.9
0.0
78.3
1,828.3
‫ޓ‬ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴ߩౣ㈩ಽ
680.2
4,657.3
91.9
‫⚐ޓ‬ឃ಴㧔㧩C㧗㧕
213.6
1,403.2
66.8
0.0
1,906.6
113.0
2,019.6
53.2
498.5
1,946.0
7,927.1
8,950.9
16,878.0
16.7
498.5
585.9
2,784.7
2,810.1
5,594.8
1,814.5
498.5
613.6
14,783.5
5,522.8
20,306.3
C‫⃻ޓ‬࿾ಣℂᓟ
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳㧔+5+%㧕
ᶏᄖ
5,047.4
C‫ޓ‬᳓߳ߩ⋥ធឃ಴㧔㧩C㧗C㧩CK㧗CKK㧕
CK‫ޓ‬᳓⾗Ḯ߳
ว⸘
ኅ⸘
3,150.2
‫✚ޓ‬ឃ಴㧔㧩C㧗D㧕
C‫ᧂޓ‬ಣℂ
ว⸘
2,683.6
1,793.3
7,380.0
0.0
31,589.5
表 B 下水道業による排出
⴫‫ޓ‬ឃ಴ൊቯ‫⴫ޓ‬$‫ޓ‬ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴
㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
⴫‫ޓ‬ឃ಴ൊቯ‫⴫ޓ‬$‫ޓ‬ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴
+5+%
ᳪᨴ‛⾰%1&
‫ޓ‬᳓߳ߩឃ಴㧔㧩C㧗D㧕
‫ޓ‬᳓߳ߩឃ಴㧔㧩C㧗D㧕
5,594.8
5,096.3
C‫ޓ‬ಣℂᓟ
᳓⾗Ḯ߳
2,396.4
ᶏ߳
2,699.9
498.5
D‫ᧂޓ‬ಣℂ
᳓⾗Ḯ߳
234.4
ᶏ߳
264.1
(注)下水道業の総排出 498.5t は、下水道が収集した都市流出水の汚染物質含有量と同じ。この数値例では、都市流出水は下
水道業により収集され、未処理で放出される。したがって下水道業の総排出と純排出は一致する。
(出所)SEEA-Water table 4.2
- 81 -
表 2.1「表 A 総排出と純排出」では列部門が排出す
「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」からは 4,657.3t
る汚染物質の量を捉える。まずそれを水へ直接排出した
の汚染物質が下水道に排出された。そこには産業および
分と下水道に排出した分に大別する。次に後者を「1.b
家計から計 16,878.0t の汚染物質が流入するが、一部が
下水道へ」欄に記録する。前者をさらに「処理の有無」
処理され、下水道業からは 5,594.8t の汚染物質が排出さ
と「排出先」で区分する。
れる。そのうち 1,403.3t は「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、
下水道業は下水道に排出された汚染物質を処理し、そ
建設業」に起因していた。
の後それを水資源や海に排出する。それを表 2.1「表 B
したがって「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」か
下水道業による排出」に記録する。同表では「37. 下
ら排出された汚染物質は水へ直接排出した 390.1t と下水
水道業」が汚染物質を処理後、水資源や海にどのように
道業を経由して排出した 1,403.3t、あわせて 1,793.3t で
排出したか、または未処理のまま水資源や海にどのよう
あった。
に排出したかを示す。
同様に「家計」列は同部門が 11,663.6t の汚染物質を
下水道業が処理後に排出した分のうち、各産業や家計
排出したことを示す。そのうち 2,712.7t が水への直接排
の活動に起因する分を表 2.1「表 A 総排出と純排出」
出、8,950.9t が下水道への排出であった。前者のうち未
における「2. 下水道業による排出の再配分」欄に記録す
処理で排出された分は 1,865.0t、現地で処理後に排出さ
る。
れた分が 847.7t であった。排出先は水資源が 2,599.7t、
表 2.1 の注にあるように、
表 A における「37. 下水道業」
海が 113.0t であった。
列には下水道で収集した都市流出水が含む汚染物質の量
「家計」からは 8,950.9t の汚染物質が下水道に排出さ
を記録する。さらにそれを「1.b 下水道へ」欄に記録し、
れた。先ほどと同様、そこには計 16,878.0t の汚染物質
表 2.1「表 A 総排出と純排出」でそれを未処理のまま
が 流 入 す る が、 一 部 が 処 理 さ れ、 下 水 道 業 か ら は
水資源や海に排出する。
5,594.8t の汚染物質が排出される。そのうち 2,810.1t は「家
表 2.1「表 A 総排出と純排出」における産業の総排
計」に起因していた。
出量は、表 3.1「ハイブリッド供給表」における COD
総排出と一致する。
したがって「家計」から排出された汚染物質は水へ直
接排出した 2,712.7t と下水道業から排出した 2,810.1t、
以下、産業 1 つと家計を例にとり、排出勘定の構造を
あわせて 5,522.8t であった。
整理する。
一方、表 2.1「表 B 下水道業による排出」は、下水
「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」列は同部門が
道業が流入した計 16,878.0t の汚染物質を処理し 5,594.8t
5,047.4t の汚染物質を排出したことを示す。そのうち
にし、それを同部門から水資源や海に排出したことを示
390.1t が水への直接排出、4,657.3t が下水道への排出で
す。処理後に排出された分は 5,096.3t であり、そのうち
あった。前者について「処理の有無」を考察すると、未
2,396.4t は水資源に、2,699.9t は海に排出された。都市
処理で排出された分が 257.4t、現地で処理後に排出され
流出水に含まれる汚染物質 498.5t は未処理のまま排出さ
た分が 132.7t であった。同様に「排出先」を考察すると、 れる。そのうち 234.4t は水資源に、264.1t は海に排出さ
水資源が 311.8t、海が 78.3t であった。
れた。
- 82 -
第 1 節 ハイブリッド供給表
第 3 章 ハイブリッド経済勘定について
本節ではハイブリッド供給表の構造を考察する。
ハイブリッド供給表は各産業による財・サービスの供
ハイブリッド経済勘定は財・サービスの供給および需
給という経済活動を上段に、水の供給および汚染物質の
要、付加価値の生産など経済活動とそれらに伴い生じる
排出を下段に示し、それらをリンクして示す。
水の供給や汚染物質の排出、水の使用をリンクして示す。
前者を貨幣単位で、後者を物量単位で記録する。
ハイブリッド供給表の上段は「貨幣単位」であり、輸
入財を含む財・サービスの供給額を購入者価格で示す。
15
欄は「36. 上水道・簡易水道、工業用水」な
「自然水」
ハイブリッド経済勘定は財・サービスの需給と水の使
用・供給の関係を記録した「ハイブリッド供給表」「ハ
どにより供給された自然水の金額、
「下水道サービス」
イブリッド使用表」「水の供給使用ハイブリッド勘定」、
欄は「37. 下水道業」により供給された下水道サービス
自己使用のための汲み上げや水の自己処理に伴う経済活
の金額である。上段の供給額は表 3.2「ハイブリッド使
動を記録した「自己使用向け水供給と自己による水処理
用表」上段の需要額と総額が一致する。
のハイブリッド勘定」、廃水管理などに関する政府の役
ハイブリッド勘定の下段は「物量単位」であり、産業
割を記録した「水関連集合消費サービスに関する政府勘
による他の経済単位への水の供給量および環境への水の
定」
、廃水管理に関する各部門の支出とその負担をそれ
リターン量、汚染物質の排出量を示す。第 1 章第 3 節「物
ぞれ記録した「廃水管理に関する国民支出勘定」「廃水
的供給表」において述べた通り、下段のうち、前二者は
管理に関する金融勘定」から成る。
物的供給表における「他の経済単位への水の供給」「リ
以下ではハイブリッド経済勘定を構成する各勘定表の
ターン合計」のうち産業による分と一致する。同様に第
2 章第 1 節「排出勘定」において述べた通り、
下段のうち、
構造を考察する。
汚染物質の排出量は排出勘定における「総排出」と一致
⴫‫࠼࠶࡝ࡉࠗࡂޓ‬ଏ⛎⴫
表 3.1 ハイブリッド供給表
↥ᬺߩ↥಴㗵㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
ၮḰଔᩰ
⴫␜ߩ
↥಴㗵
ว⸘
3.3
1.7
9.0
367.0
1,286.4
0.0
0.0
1.7
0.2
0.0
1.9
0.0
0.0
0.0
8.8
0.0
8.8
157.0
405.6
300.0
426.9
526.5
49.8
1,648.7
17.9
127.6
5.6
0.0
379.6
42.7
49.1
622.5
17.9
117.6
5.6
0.0
1.4
0.0
49.1
191.6
65.0
29.4
400.0
300.0
47.3
483.8
0.7
1,026.2
3,150.2
5,047.4
7,405.1
0.0
1,851.0
498.5
1,973.8
19,925.9
ว⸘
137.6
749.0
22.1
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.0
0.0
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.0
0.0
82.9
‫↥ޓ‬಴㗵ว⸘߅ࠃ߮ଏ⛎㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
߁ߜ
᳓ജ⊒㔚
߁ߜ
‫ޓ‬᳓ߩଏ⛎ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߳ߩ᳓ߩଏ⛎
߁ߜ
C‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳ߩᑄ᳓
D‫ࡦ࡯࠲࡝ޓ‬ว⸘
‫ޓ‬%1&✚ឃ಴㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం‫ޕ‬᳓㊂‫ਁޔ‬ণ‫ޕ‬%1&‫ޔ‬V㧕
ャ౉
↢↥ߦ⺖
ߐࠇࠆ⒢
㧙⵬ഥ㊄
363.0
70.0
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.0
-0.1
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.0
‫↥ޓ‬಴㗵ว⸘߅ࠃ߮ଏ⛎㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
ㆇャ
࡮໡ᬺ
ࡑ࡯ࠫࡦ
⾼౉⠪
ଔᩰ⴫␜
ߩ✚ଏ⛎
0.0
1,719.4
0.0
1.8
߁ߜ
‫ޓ‬᳓ߩଏ⛎ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߳ߩ᳓ߩଏ⛎
0.0
8.8
0.0
1,648.7
0.0
622.5
߁ߜ
C‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳ߩᑄ᳓
0.0
191.6
D‫ࡦ࡯࠲࡝ޓ‬ว⸘
1,026.2
‫ޓ‬%1&✚ឃ಴㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
19,925.9
(注)灰色のセルは定義により 0 であることを示す。
(出所)SEEA-Water table 5.1
15
ここでいう「自然水」は非常に幅が広い。自然環境にある水だけでなく、経済内で供給・使用される水や環境へ戻す水なども含む
(SEEA-Water para.2.67)。
- 83 -
する。
別消費支出を「政府及び NPISH からの現物社会移転」
以下、産業 2 つを例にとり、ハイブリッド供給表の構
に計上し、それに家計の最終消費支出を加え、家計の現
造を整理する。
実最終消費とする。
「自然水」
欄は自然水に対する需要額、
「36. 上水道・簡易水道、工業用水」列は同部門が貨幣
「下水道サービス」欄は下水道サービスの需要額である。
単位で 17 億の自然水を供給したことを示す。それに伴
前述の通り、上段の需要額は表 3.1「ハイブリッド供給表」
い下水道への廃水も含め他の経済単位に 379.6 の水を供
上段の供給額と総額が一致する。
給し、環境に 47.3 の水をリターンした。また経済活動
ハイブリッド勘定の下段は「物量単位」であり、産業
に伴い 1,851.0t の汚染物質を排出した。
による水の使用量を示す。第 1 章第 2 節「物的使用表」
「37. 下水道業」列は同部門が貨幣単位で 0.2 億の自然
において述べた通り、下段は物的使用表における「水の
水と 8.8 億の下水道サービスを供給したことを示す。そ
使用合計」およびその内訳である「汲み上げ合計」「他
れに伴い他の経済単位に 42.7 の水を供給し、環境に
の経済単位から受けた水の使用」と一致する。
483.8 の水をリターンした。また経済活動に伴い 498.5t
以下、産業 1 つと家計を例にとり、ハイブリッド使用
の汚染物質を排出した。
表の構造を整理する。
「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」列は同部門が貨
第 2 節 ハイブリッド使用表
幣単位で 4,194 億の財・サービスを中間需要したことを
本節ではハイブリッド使用表の構造を考察する。
示す。そのうち 3 億は自然水、24 億は下水道サービス
ハイブリッド使用表は財・サービスの中間需要や最終
であった。それと同時に 114.5 の水を汲み上げ、85.7 の
需要など経済活動を上段に、水の使用を下段に示し、そ
水を他の経済単位より得た。
れらをリンクして示す。
「家計」の合計列は同部門が貨幣単位で 4,528 億の財・
ハイブリッド使用表の上段は「貨幣単位」であり、輸
サービスを現実最終消費したことを示す。そのうち 10
入財を含む財・サービスの需要額を購入者価格で示す。
億は自然水、49 億は下水道サービスであった。それと
「産業」列は列部門の中間投入計であり、
各産業による財・
同時に 10.8 の水を汲み上げ、239.5 の水を他の経済単位
より得た。
サービスの中間需要を表わす。また最終需要を現実最終
消費で示す。一般政府や対家計民間非営利団体による個
⴫‫⴫↪૶࠼࠶࡝ࡉࠗࡂޓ‬
表 3.2 ハイブリッド使用表
↥ᬺߩਛ㑆ᶖ⾌㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
ว⸘
߁ߜ
↥ᬺ
ว⸘
1.7
157.8
664.0
0.8
᳓ജ⊒㔚
72.9
419.4
11.1
1.5
1.1
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.2
0.3
0.0
0.0
0.0
0.2
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.4
2.4
0.1
0.0
0.0
1.0
3.9
159.1
200.2
408.1
300.0
428.7
527.2
53.4
1,776.7
108.4
114.5
404.2
300.0
428.7
100.1
2.3
1,158.2
108.4
114.6
404.2
300.0
23.0
100.1
2.3
752.6
50.7
85.7
3.9
-
0.0
427.1
51.1
618.5
‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘߅ࠃ߮૶↪㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
߁ߜ
‫ޓ‬᳓ߩ૶↪ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫ޓ‬᳹ߺ਄ߍว⸘
߁ߜ
C‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ
D‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం‫ޕ‬᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
⃻ታᦨ⚳ᶖ⾌
᡽ᐭ
ว⸘
✚⾗ᧄ
ᒻᚑ
ャ಴
⾼౉⠪
ଔᩰ⴫␜
ߩ✚૶↪
53.6
506.4
146.0
403.0
1,719.4
0.0
ኅ⸘
ᦨ⚳ᶖ⾌
‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘߅ࠃ߮૶↪㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
ᡰ಴
᡽ᐭ߅ࠃ߮
02+5*߆ࠄߩ
⃻‛␠ળ⒖ォ
ว⸘
321.4
131.4
452.8
߁ߜ
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.6
0.4
1.0
-
1.0
0.0
1.8
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
2.4
2.4
4.9
-
4.9
0.0
8.8
250.3
250.3
0.0
2,027.0
10.8
10.8
‫ޓ‬᳓ߩ૶↪ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫ޓ‬᳹ߺ਄ߍว⸘
1,169.0
߁ߜ
C‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ
D‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
(注)灰色のセルは定義により 0 であることを示す。
(出所)SEEA-Water table 5.2
- 84 -
10.8
10.8
239.5
239.5
763.4
0.0
858.0
第 3 節 水の供給使用ハイブリッド勘定
する。
本節では水の供給使用ハイブリッド勘定の構造を考察
⴫‫ޓ‬᳓ߩଏ⛎૶↪ࡂࠗࡉ࡝࠶࠼ൊቯ
水の供給使用ハイブリッド勘定の上段は表 3.1「ハイ
表 3.3 水の供給使用ハイブリッド勘定
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
ว⸘
߁ߜ
↥ᬺ
ว⸘
᳓ജ⊒㔚
137.6
749.0
22.1
3.3
1.7
9.0
367.0
1,286.4
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.0
0.0
0.0
0.0
1.7
0.2
0.0
1.9
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
8.8
0.0
8.8
72.9
419.4
11.1
1.5
1.1
1.7
157.8
664.0
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.2
0.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.2
0.8
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.4
2.4
0.1
0.0
0.0
0.0
1.0
3.9
64.7
329.6
11.0
1.8
0.6
7.3
209.2
622.4
6.6
65.7
13.1
11.8
10.5
23.7
131.4
‫↥ޓ‬಴㗵ว⸘߅ࠃ߮ଏ⛎㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
߁ߜ
‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘߅ࠃ߮૶↪㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
߁ߜ
‫ޓ‬ઃടଔ୯ว⸘㧔✚㧕㧔㧩㧙㧕㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
‫✚ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
߁ߜ
C‫ޓ‬᳓ଏ⛎ߦ㑐ߒߡ
0.3
D‫ޓ‬᳓ⴡ↢ߦ㑐ߒߡ
0.2
11.8
5.2
‫ޓ‬᳓ଏ⛎ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞
1.3
9.2
197.1
13.4
0.0
22.2
9.4
224.4
‫ޓޓ‬㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
2.4
‫ߦ↢ⴡⴐ౏ޓ‬㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞
115.7
0.1
118.2
‫ޓޓ‬㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
159.1
200.2
408.1
300.0
428.7
527.2
53.4
1,776.7
108.4
114.5
404.2
300.0
428.7
100.1
2.3
1,158.2
108.4
114.6
404.2
300.0
23.0
100.1
2.3
752.6
50.7
85.7
3.9
-
0.0
427.1
51.1
618.5
82.9
157.0
405.6
300.0
426.9
526.5
49.8
1,648.7
17.9
127.6
5.6
0.0
379.6
42.7
49.1
622.5
17.9
117.6
5.6
0.0
1.4
0.0
49.1
191.6
65.0
29.4
400.0
300.0
47.3
483.8
0.7
1,026.2
3,150.2
5,047.4
7,405.1
1,851.0
498.5
1,973.7
19,925.9
ᶏᄖ
↢↥ߦ⺖
ߐࠇࠆ⒢
㧙⵬ഥ㊄
ㆇャ
࡮໡ᬺ
ࡑ࡯ࠫࡦ
363.0
70.0
1,719.4
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.0
-0.1
1.84
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.0
0.0
‫ޓ‬᳓ߩ૶↪ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫ޓ‬᳹ߺ਄ߍว⸘
߁ߜ
C‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ
D‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
‫ޓ‬᳓ߩଏ⛎ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߳ߩ᳓ߩଏ⛎
߁ߜ
C‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳ߩᑄ᳓
D‫ࡦ࡯࠲࡝ޓ‬ว⸘
‫ޓ‬%1&✚ឃ಴㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం‫ޕ‬᳓㊂‫ਁޔ‬ণ‫ޕ‬%1&‫ޔ‬V㧕
‫↥ޓ‬಴㗵ว⸘߅ࠃ߮ଏ⛎㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
⃻ታᦨ⚳ᶖ⾌
ኅ⸘
᡽ᐭ
✚⾗ᧄ
ᒻᚑ
ว⸘
߁ߜ
‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘߅ࠃ߮૶↪㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
403.0
8.80
452.8
53.6
146.0
1,719.4
߁ߜ
C‫⥄ޓ‬ὼ᳓㧔%2%㧕
0.0
1.0
-
1.8
D‫ޓ‬ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ㧔%2%㧕
0.0
4.9
-
8.8
‫ޓ‬ઃടଔ୯ว⸘㧔✚㧕㧔㧩㧙㧕㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
622.4
‫✚ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
131.4
߁ߜ
13.4
C‫ޓ‬᳓ଏ⛎ߦ㑐ߒߡ
9.4
D‫ޓ‬᳓ⴡ↢ߦ㑐ߒߡ
224.4
‫ޓ‬᳓ଏ⛎ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞
‫ޓޓ‬㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
118.2
‫ߦ↢ⴡⴐ౏ޓ‬㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞
‫ޓޓ‬㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
‫ޓ‬᳓ߩ૶↪ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
0.0
C‫ޓ‬᳹ߺ਄ߍว⸘
250.3
2,027.0
10.8
1,169.0
10.8
763.4
߁ߜ
C‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ
D‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߆ࠄฃߌߚ᳓ߩ૶↪
‫ޓ‬᳓ߩଏ⛎ว⸘㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
C‫⚻ߩઁޓ‬ᷣන૏߳ߩ᳓ߩଏ⛎
0.0
239.5
858.0
0.0
240.3
1,889.0
0.0
235.5
858.0
0.0
235.5
427.1
4.8
1,031.0
11,663.6
31,589.5
߁ߜ
C‫ޓ‬ਅ᳓㆏߳ߩᑄ᳓
D‫ࡦ࡯࠲࡝ޓ‬ว⸘
‫ޓ‬%1&✚ឃ಴㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
(注)灰色のセルは定義により 0 であることを示す。
(出所)SEEA-Water table 5.3
- 85 -
ブリッド供給表」、表 3.2「ハイブリッド使用表」が示す
列部門の産業が保有する同種の固定資産の残高を示す。
財・サービスの供給および需要、さらには付加価値の生
部門の特性上、
「36. 上水道・簡易水道、工業用水」の水
産、水供給や水衛生などに関連する総固定資本形成の額、 供給に関する固定資産の残高は大きく、
「37. 下水道業」
同種の固定資産の残高を記録する。下段は水の使用量・
の公衆衛生に関する固定資産の残高は大きい。
供給量、汚染物質の排出量を物量単位で示す。同勘定は
経済活動と水の使用・供給、汚染物質の排出をリンクし
一方、以下では水の供給使用ハイブリッド勘定の下段
の構造を整理する。
て示す。
下段は表 3.1「ハイブリッド供給表」
、表 3.2「ハイブ
以下、水の供給使用ハイブリッド勘定の上段の構造を
整理する。
リッド使用表」が示す水の供給量、汚染物質の排出量、
水の使用量をそれぞれ示す。数値および見方は表 3.1、
「産出額合計および供給」欄は産業による財・サービ
表 3.2 と同様である。なお他の経済単位への水の供給量
スの供給を示す。これは表 3.1「ハイブリッド供給表」
および環境への水のリターン量、汚染物質の排出量につ
上段と等しい。
いて、表 3.1 は産業による分を示すのに対し、表 3.3「水
「中間消費合計および使用」欄は産業および家計によ
る財・サービスの需要を示す。これは表 3.2「ハイブリ
の供給使用ハイブリッド勘定」は産業および家計による
分を示す。
ッド使用表」に等しい。
「付加価値合計(総)」欄は列部門の財・サービスの生
第 4 節 自己使用向け水供給と自己による水処理のハ
産額から、当該部門の中間投入計を引いた付加価値額を
イブリッド勘定
示す。「総固定資本形成」欄は列部門の産業が水供給や
16
「総
水衛生に関し行った粗投資を示す。 なお同表の行は
本節では自己使用向け水供給と自己による水処理のハ
イブリッド勘定の構造を考察する。
固定資本形成」であるため在庫品増加を含まないが、同
表 1.2「物的使用表」の「自己使用のための汲み上げ」
表の列は「総資本形成」であり、在庫品増加を含む。そ
欄によれば、各産業、家計は自己使用のため水を汲み上
のため前者の値(131.4)と後者の値(146.0)は一致し
げる。表 3.4「自己使用向け水供給と自己による水処理
ない。
のハイブリッド勘定」上段は各部門が水を自己使用する
「水供給/公衆衛生に関する固定資産の期末残高」は
ため行った経済活動を示す。
表 3.4 自己使用向け水供給と自己による水処理のハイブリッド勘定
⴫‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ะߌ᳓ଏ⛎ߣ⥄Ꮖߦࠃࠆ᳓ಣℂߩࡂࠗࡉ࡝࠶࠼ൊቯ
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం‫ޕਁޔ‬᳓㊂‫ਁޔ‬ণ‫ޕ‬%1&‫ޔ‬V㧕
↥ᬺ㧔+5+%ࠞ࠹ࠧ࡝࡯೎㧕
߁ߜ
ว⸘
ኅ⸘
ว⸘
᳓ജ⊒㔚
336.0
355.3
1,253.0
930.0
71.3
310.3
7.1
2,333.1
33.5
2,366.5
171.9
606.3
450.0
34.5
150.2
3.5
1,128.9
16.2
1,145.1
D‫ޓ‬ઃടଔ୯ว⸘㧔✚㧕
173.4
183.4
646.7
480.0
36.8
160.2
3.7
1,204.2
17.3
1,221.4
D‫ޓ‬㓹↪⠪ႎ㈽
104.1
73.3
258.7
192.0
14.7
64.1
1.5
516.4
0.0
516.4
D‫ߩઁߩߘࠆࠇߐ⺖ߦ↥↢ޓ‬⒢㧙⵬ഥ㊄
-1.7
-1.8
-6.5
-4.8
0.4
1.6
0.0
-8.0
0.5
-7.5
D‫ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᷫ⠻
71.1
111.8
394.5
292.8
21.7
94.5
2.2
695.8
16.8
712.6
‫✚ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ਁޔ‬㧕
672.1
781.6
1,503.6
1,116.0
2.9
2,960.1
70.3
3,030.4
‫ޓ‬࿕ቯ⾗↥ߩᱷ㜞㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
11.2
13.1
25.1
18.6
0.0
49.4
1.2
50.6
108.4
114.6
404.2
300.0
2.3
752.6
10.8
763.4
145.3
C‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘
‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ߩߚ߼ߩ᳹ߺ਄ߍ㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
23.0
100.1
121.0
6.1
127.1
18.2
C‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘
30.0
1.5
31.5
4.5
36.0
D‫ޓ‬ઃടଔ୯ว⸘㧔✚㧕
91.0
4.6
95.6
13.7
109.2
32.8
‫↪⾌↥↢ޓ‬㧔㧩C㧗D㧕㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ਁޔ‬㧕
⥄
Ꮖ
ߦ
ࠃ
ࠆ
᳓
ಣ
ℂ
ว⸘
162.6
‫↪⾌↥↢ޓ‬㧔㧩C㧗D㧕㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ਁޔ‬㧕
⥄
Ꮖ
૶
↪
ะ
ߌ
᳓
ଏ
⛎
D‫ޓ‬㓹↪⠪ႎ㈽
27.3
1.4
28.7
4.1
D‫ߩઁߩߘࠆࠇߐ⺖ߦ↥↢ޓ‬⒢㧙⵬ഥ㊄
-0.9
0.0
-1.0
-0.1
-1.1
D‫ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᷫ⠻
64.6
3.2
67.8
9.7
77.5
‫✚ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ਁޔ‬㧕
266.2
2.4
268.6
38.1
306.7
‫ޓ‬࿕ቯ⾗↥ߩᱷ㜞㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ਁޔ‬㧕
3,354.1
30.5
3,384.6
480.2
3,864.9
10.0
0.5
10.5
1.5
12.0
‫ޓ‬ಣℂ᳓ߩ࡝࠲࡯ࡦ㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
(出所)SEEA-Water table 5.4
⴫‫ޓ‬᳓㑐ㅪ㓸วᶖ⾌ࠨ࡯ࡆࠬߦ㑐ߔࠆ᡽ᐭൊቯ
16
水の供給使用ハイブリッド勘定で計上する総固定資本形成、固定資産は、社会的基盤(infrastructure)に関連する(SEEA-Water
para.5.30)。一方、自己使用向け水供給と自己による水処理のハイブリッド勘定で計上する総固定資本形成、固定資産は、自己使用のた
めに水を汲み上げる設備や自身で水処理を行うための設備に関連する(SEEA-Water para.5.37)。
- 86 -
例えば「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」は自己
付加価値を雇用者報酬、生産に課されるその他の税-補
使用のため 114.6 の水を汲み上げた。そのために貨幣単
助金、固定資本減耗に分配し、ここでは営業余剰を計上
位で 3 億 5,530 万の経済活動を行った。そのうち 1 億
しない。また同部門は水処理のために貨幣単位で 2 億
7,190 万は中間投入、1 億 8,340 万は付加価値であった。
6,620 万の総固定資本形成を行い、期末に同種の固定資
付加価値を雇用者報酬、生産に課されるその他の税-補
産を 33 億 5,410 万保有する。
助金、固定資本減耗に分配し、ここでは営業余剰を計上
⴫‫⥄ޓ‬Ꮖ૶↪ะߌ᳓ଏ⛎ߣ⥄Ꮖߦࠃࠆ᳓ಣℂߩࡂࠗࡉ࡝࠶࠼ൊቯ
しない。また同部門は水を自己使用するために貨幣単位
第 5 節 水関連集合消費サービスに関する政府勘定
で 7 億 8,160 万の総固定資本形成を行い、期末に同種の
固定資産を 131 億保有する。
本節では水関連集合消費サービスに関する政府勘定の
ว⸘
構造を考察する。
同様に表 1.3「物的供給表」の「処理廃水」欄によれば、
水関連集合消費サービスに関する政府勘定は、政府が
各産業、家計は自己で水を処理し、環境にリターンする。
行った廃水管理、土壌水・地下水の保護、環境保護、水
表 3.4「自己使用向け水供給と自己による水処理のハイ
供給等を示す。
ブリッド勘定」下段は各部門が水を処理し、環境にリタ
例えば政府の廃水管理の生産額は貨幣単位で 38 億で
ーンするため行った経済活動を示す。ただし専業生産者
あった。そのうち 28 億は中間投入、10 億は付加価値で
である「37. 下水道業」の処理廃水およびそれに伴う経
あった。付加価値を雇用者報酬と固定資本減耗に区分す
済活動を記録しない。
る。
例えば「5-33, 41-43. 鉱業、製造業、建設業」は 10.0
の処理水を環境にリターンした。そのために貨幣単位で
第 6 節 廃水管理に関する国民支出勘定
1 億 2,100 万の経済活動を行った。そのうち 3,000 万は
中間投入、9,100 万は付加価値であった。上段と同様、
本節では廃水管理に関する国民支出勘定の構造を考察
する。
表 3.5 水関連集合消費サービスに関する政府勘定
⴫‫ޓ‬᳓㑐ㅪ㓸วᶖ⾌ࠨ࡯ࡆࠬߦ㑐ߔࠆ᡽ᐭൊቯ
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
᡽ᐭ㧔᡽ᐭߩᯏ⢻೎㧕
ᑄ᳓▤ℂ
㧔৻ㇱ㧕
࿯ფ᳓࡮
࿾ਅ᳓ߩ
଻⼔
ߘߩઁߩ
ⅣႺ଻⼔
᳓ଏ⛎
3.8
0.6
1.6
0.2
C‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌ว⸘
2.8
0.4
0.9
0.0
D‫ޓ‬ઃടଔ୯ว⸘㧔✚㧕
1.0
0.1
0.7
0.2
D‫ޓ‬㓹↪⠪ႎ㈽
0.4
0.1
0.7
0.1
D‫ޓ‬࿕ቯ⾗ᧄᷫ⠻
0.6
0.0
0.0
0.1
‫↪⾌↥↢ޓ‬㧔㧩C㧗D㧕㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
(出所)SEEA-Water table 5.5
表 3.6 廃水管理に関する国民支出勘定
⴫‫ޓ‬ᑄ᳓▤ℂߦ㑐ߔࠆ࿖᳃ᡰ಴ൊቯ
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
૶↪⠪ฃ⋉⠪
↢↥⠪
ᦨ⚳ᶖ⾌⠪
ኾᬺ↢↥⠪
ߘߩઁߩ
㧔+5+%㧕
↢↥⠪
4.1
‫ޓ‬ᑄ᳓ࠨ࡯ࡆࠬߩ૶↪㧔%2%‫ޔ‬%2%㧕
C‫⚳ᦨޓ‬ᶖ⾌
D‫ޓ‬ਛ㑆ᶖ⾌
E‫ᧄ⾗ޓ‬ᒻᚑ
‫ᧄ⾗✚ޓ‬ᒻᚑ
ኅ⸘
᡽ᐭ
4.9
3.8
4.9
3.8
ᶏᄖ
ว⸘
12.7
8.6
4.1
4.1
n/r
n/a
n/a
9.2
0.5
9.7
0.0
0.0
9.2
4.6
4.9
3.8
0.0
22.4
4.6
4.9
3.8
0.0
21.4
‫ޓ‬㑐ㅪ⵾ຠߣㆡว⵾ຠߩ૶↪
‫․ޓ‬ቯ⒖ォ
‫ޓ‬࿖ౝ૶↪ว⸘㧔㧩㧗㧗㧗㧕
‫ޓ‬ᶏᄖ߆ࠄߩ⾗㊄ឭଏ
1.0
‫ޓ‬࿖᳃ᡰ಴㧔㧩㧙㧕
8.2
0.0
1.0
(注)灰色のセルは関係のない項目、または定義により 0 であることを示す。n/r は二
重計上を避けるために記録しないことを、n/a は、廃水管理の場合には適用できな
⴫‫ޓ‬ᑄ᳓▤ℂߦ㑐ߔࠆ㊄Ⲣൊቯ
いことを示す。
(出所)SEEA-Water table 5.6
ว⸘
- 87 -
‫ޓ‬࿖᳃ᡰ಴
廃水管理は表 3.5「水関連集合消費サービスに関する
第 7 節 廃水管理に関する金融勘定
政府勘定」が示す政府だけでなく、産業や家計によって
本節では廃水管理に関する金融勘定の構造を考察する。
も行われる。表 3.6「廃水管理に関する国民支出勘定」
廃水管理に関する金融勘定は、生産者、家計、政府が
では、生産者や家計、政府が行った廃水管理を記録する。 行う廃水管理の費用をどの部門がどれだけ負担するかを
例えば表 3.5「水関連集合消費サービスに関する政府
示す。
勘定」では政府が 38 億の廃水管理を行った。表 3.6「廃
例えば表 3.6「廃水管理に関する国民支出勘定」は、
水管理に関する国民支出勘定」
、「政府」列では政府の自
専業生産者である「37. 下水道業」が 92 億の総資本形成
己消費としてそれを記録する。
を行うことを示す。そのうち 10 億は海外からの資金提
表 3.2「ハイブリッド使用表」および表
3.3「水の供給
⴫‫ޓ‬ᑄ᳓▤ℂߦ㑐ߔࠆ࿖᳃ᡰ಴ൊቯ
供であった。表 3.7「廃水管理に関する金融勘定」によ
使用ハイブリッド勘定」では家計が 49 億の下水道サー
れば、残りの 82 億のうち 16 億は一般政府が、66 億は
ビスを現実最終消費した。表 3.6「廃水管理に関する国
専業生産者である下水道業が負担をした。
ว⸘
民支出勘定」、「家計」列ではそれを記録する。
同様に表 3.6 によれば、家計は 49 億の下水道サービ
表 3.6
「廃水管理に関する国民支出勘定」
「専業生産者」
、
スを現実最終消費した。表 3.7 によればそのうち 24 億
列では「37. 下水道業」の総資本形成および海外からの
は一般政府の個別消費支出、24 億は家計自身による最
資金提供を記録する。前者には表 3.3「水の供給使用ハ
終消費支出であった。これらは表 3.2「ハイブリッド使
イブリッド勘定」の「総固定資本形成 水衛生に関して」
用表」の家計現実最終消費の内訳と等しい。
‫ޓ‬࿖ౝ૶↪ว⸘㧔㧩㧗㧗㧗㧕
欄が示す 92 億を記録する。そのうち海外からの資金提
‫ޓ‬࿖᳃ᡰ಴㧔㧩㧙㧕
供が 10 億であり、国民支出は
82 億であった。
⴫‫ޓ‬ᑄ᳓▤ℂߦ㑐ߔࠆ㊄Ⲣൊቯ
表 3.7 廃水管理に関する金融勘定
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
૶↪⠪ฃ⋉⠪
↢↥⠪
㊄Ⲣㇱ㐷
‫⥸৻ޓ‬᡽ᐭ
ᦨ⚳ᶖ⾌⠪
ኾᬺ↢↥⠪
ߘߩઁߩ
㧔+5+%㧕
↢↥⠪
1.6
0.0
6.6
4.4
ኅ⸘
᡽ᐭ
2.4
3.8
ᶏᄖ
ว⸘
7.9
‫ޓ‬ኻኅ⸘᳃㑆㕖༡೑࿅૕
‫ޓ‬ᴺੱડᬺ
C‫ޓ‬ኾᬺ↢↥⠪
6.6
D‫↥↢ߩઁߩߘޓ‬⠪
0.0
‫ޓ‬ኅ⸘
‫ޓ‬࿖᳃ᡰ಴
8.2
‫ޓ‬ᶏᄖ
1.0
‫ޓ‬࿖ౝ૶↪
9.2
11.0
6.6
4.4
4.4
0.2
2.4
4.6
4.9
3.8
0.0
21.4
4.6
4.9
3.8
0.0
22.4
2.6
1.0
(注)灰色のセルは関係のない項目、または定義により 0 であることを示す。
(出所)SEEA-Water table 5.7
- 88 -
の「水資源へ 地表水」欄の計上値に等しい。さらに降
第 4 章 水資産勘定について
水 に よ り 420、 上 流 領 域 や 領 域 内 そ の 他 の 資 源 か ら
21,530 の水が加わった。一方、期中には 441 の水が経済
水資産勘定は「資産勘定」と「水資源間のフロー表」
活動により汲み上げられた。これは表 1.2「物的使用表」
から成る。前者は水の期首ストック、期中の変動、期末
の「水資源から 地表水」欄の計上値に等しい。さらに
ストックを整合的に示す。そこには表 1.2「物的使用表」
蒸発等により 349 の水が失われ、下流領域や海への流出、
が記録する水の汲み上げ、表 1.3「物的供給表」が記録
領域内その他の資源への流出によりあわせて 21,873 の
する水のリターンなどを組み込む。後者は期中の変動に
水が失われた。期首ストック 9,200 に、期中の増加分
おいて「領域内その他の資源より流入」として記録され
22,303、減少分 22,663 を加算、減算することより、期末
た水の源泉、同様に「領域内その他の資源へ流出」とし
ストック 8,840 を得る。
て記録された水の行き先を行列上に示す。
以下では水資産勘定を構成する各勘定表の構造を考察
第 2 節 水資源間のフロー表
する。
本節では水資源間のフロー表の構造を考察する。
水資源間のフロー表は期中に生じた水資源間の水の移
第 1 節 資産勘定
動を行列上に示す。表の構造は以下の通りである。
本節では資産勘定の構造を考察する。
表 4.2「水資源間のフロー表」の各列は、領域内その
資産勘定は水の期首ストックと期中の変動、期末スト
他の資源より流入した水の源泉を示す。例えば人工貯水
ックを整合的に示す。第一に地表水、地下水、土壌水そ
池は 1,054 の水を領域内その他の資源より得ているが、
れぞれの期首ストックを示す。第二にそれが経済活動か
その内訳は河川が 1,000、土壌水が 54 であった。表下部
らのリターン、降水、他から流入などにより期中にどれ
の「領域内その他の資源より流入」欄の値は、表 4.1「資
だけ増加したか、逆に経済活動による汲み上げ、蒸発等、 産勘定」における「領域内その他の資源より」欄の値と
他への流出などによりどれだけ減少したかを示す。第三
等しい。
に期首ストックに期中の変動分を加算、減算し、期末ス
表 4.2「水資源間のフロー表」の各行は、領域内その
トックを算出する。
他の資源へ流出した水の行き先を示す。例えば人工貯水
例えば「地表水」は以下の通りであった。期首には人
池は 1,000 の水を領域内その他の資源へ流出させている
工貯水池、湖、河川、雪・氷・氷河をあわせて 9,200 の
が、それは河川に流出していた。表右側の「領域内その
水が存在していた。期中ではそれに 353 の水が経済活動
他の資源へ流出」欄の値は、表 4.1「資産勘定」におけ
から環境にリターンされた。これは表 1.3「物的供給表」
る「領域内その他の資源へ」欄の値と等しい。
⴫‫↥⾗ޓ‬ൊቯ
表 4.1 資産勘定
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
'#‫ޓ‬࿾⴫᳓
‫ᦼޓ‬㚂ࠬ࠻࠶ࠢ
'#
ੱᎿ
⾂᳓ᳰ
'#
ḓ
'#
ᴡᎹ
'#
㔐‫ޔ‬᳖
᳖ᴡ
'#
࿾ਅ᳓
'#
࿯ფ᳓
ว⸘
1,500.0
2,700.0
5,000.0
0.0
100,000.0
500.0
109,700.0
ࠬ࠻࠶ࠢߩჇട
‫ࡦ࡯࠲࡝ޓ‬
300.0
0.0
53.2
‫ޓ‬㒠᳓
124.0
246.0
50.0
‫ޓ‬ᵹ౉
1,054.0
339.0
20,137.0
0.0
668.6
23,015.0
23,435.0
437.0
0.0
21,967.0
437.0
0.0
17,650.0
C‫ޓ‬਄ᵹ㗔ၞࠃࠅ
D‫ޓ‬㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯࠃࠅ
315.4
1,054.0
339.0
2,487.0
280.0
20.0
140.6
80.0
215.0
54.0
1,000.0
100.0
20,773.0
17,650.0
0.0
4,317.0
ࠬ࠻࠶ࠢߩᷫዋ
‫ޓ‬᳹ߺ਄ߍ
‫⊒⫳ޓ‬ታ㓙ߩ⫳⊒ᢔ
‫ޓ‬ᵹ಴
C‫ޓ‬ਅᵹ㗔ၞ߳
D‫ޓ‬ᶏ߳
E‫ޓ‬㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯ߳
476.3
0.0
87.0
50.0
966.9
21,125.0
21,474.0
1,787.0
23,747.0
9,430.0
9,430.0
10,000.0
10,000.0
1,000.0
100.0
1,343.0
1,618.0
2,950.0
4,272.6
0.0
87.0
1,787.0
4,317.0
100,189.1
553.0
109,582.7
0.0
‫ߩઁߩߘޓ‬㊂ߩᄌേ
‫ࠢ࠶࠻ࠬᧃᦼޓ‬
(注)灰色のセルは定義により 0 であることを示す。
(出所)SEEA-Water table 6.1
⴫‫ޓ‬᳓⾗Ḯ㑆ߩࡈࡠ࡯⴫
- 89 -
㗔ၞౝ
ߘߩઁߩ
⾗Ḯ߳
ᵹ಴
‫ࠢ࠶࠻ࠬᧃᦼޓ‬
⴫‫ޓ‬᳓⾗Ḯ㑆ߩࡈࡠ࡯⴫
表 4.2 水資源間のフロー表
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
'#‫ޓ‬࿾⴫᳓
'#
ੱᎿ
⾂᳓ᳰ
'#
ḓ
'#
ᴡᎹ
'#
㔐‫ޔ‬᳖
᳖ᴡ
'#
࿾ਅ᳓
'#
࿯ფ᳓
1,000.0
'#‫ੱޓ‬Ꮏ⾂᳓ᳰ
1,000.0
100.0
'#‫ޓ‬ḓ
1,000.0
'#‫ޓ‬ᴡᎹ
㗔ၞౝ
ߘߩઁߩ
⾗Ḯ߳
ᵹ಴
100.0
293.0
50.0
1,343.0
0.0
'#‫ޓ‬㔐‫ޔ‬᳖‫ޔ‬᳖ᴡ
87.0
'#‫ޓ‬࿾ਅ᳓
54.0
46.0
1,300.0
1,054.0
339.0
2,487.0
'#‫ޓ‬࿯ფ᳓
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯࠃࠅᵹ౉
87.0
387.0
0.0
437.0
1,787.0
0.0
4,317.0
(出所)SEEA-Water table 6.2
リンクする。さらにそれらを統合し、表 3.3「水の供給
第 5 章 SEEA-Waterの構造とSEEA-Water行列
17
使用ハイブリッド勘定」を作成する。そこでは財・サー
ビスの需要および供給に加え、付加価値の生産、水供給
第 1 節 各勘定表と勘定体系
などに関する総固定資本形成や固定資産の残高を記録す
SEEA-Water は「物的水供給使用表」
「水排出勘定」
「ハ
る。
イブリッド経済勘定」「水資産勘定」などから成り、各
上記のハイブリッド勘定には、表 2.1「排出勘定」に
勘定表は経済活動や水の使用・供給、汚染物質の排出・
基づき、汚染物質の排出量を記録する。表 2.1A「総排
処理をそれぞれ示す。さらに各勘定表は互いに関連し、
出と純排出」で各産業および家計が排出した汚染物質は、
SEEA-Water 全体で「経済活動」
「水の循環」
「汚染物質
一部が水資源へ直接排出され、一部が下水道へ排出され
の排出・処理」を示す。
る。下水道業は表 2.1「表 B 下水道業による排出」に
しかし、SEEA-Water はそれらを記録した多数の勘定
おいて、それを処理し、水資源に排出する。下水道業か
表をそれぞれ切り離して表示するため、体系の全体を示
らの排出分を各産業、家計に配分し、それぞれの部門の
しにくい。
純排出量を記録する。
そこで本章では、SEEA-Water を構成する勘定表の関
表 1.2「物的使用表」
、表 1.3「物的供給表」における
係 を 図 に 整 理、 そ れ ら 勘 定 表 を ひ と つ に ま と め た
自己使用のための汲み上げ、処理廃水(自己による水処
「SEEA-Water 行列」を作成する。SEEA-Water 行列により、 理・環境へのリターン)には、財・サービスの投入や関
SEEA-Water が捉える経済活動、水の循環、汚染物質の
連する固定資産が必要である。それを表 3.4「自己使用
排出・処理をリンクしながら鳥瞰できる。
向け水供給と自己による水処理のハイブリッド勘定」は
示す。
第 2 節 SEEA-Water の構造
また表 1.3「物的供給表」では各部門から下水道への
図 5.1 は SEEA-Water の各勘定表の関連を示す。
廃水を記録する。表 1.2「物的使用表」では下水道業が
SEEA-Water はおよそ以下の構造を持つ。
それを受け取り、一部を再使用の水として供給する。再
表 1.2「物的使用表」
、表 1.3「物的供給表」はそれぞ
使用の水は下水道業に加え、製造業なども供給する。そ
れ水の使用量、供給量を示す。それらを表 3.2「ハイブ
れは製造業自身に加え、農林水産業などで利用される。
リッド使用表」、表 3.1「ハイブリッド供給表」に組み込
それら水の使用、環境へのリターンは水資源のストッ
み、それぞれ財・サービスの需要、供給など経済活動と
クを変化させる。それを表 4.1「資産勘定」は記録する。
17
第 5 章は、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2012)『水に関する環境・経済統合勘定の推計作業 報告書』(http://www.esri.
cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/kankyou/kankyou_top.html)における拙著「「経済循環と水の循環」表の作成について―SEEAW の構造と
SEEAW 勘定行列の作成―」を本稿の内容に即し一部修正し、再掲したものである。
上記は 2 種類の SEEA-Water 行列を構築する。ひとつは「SEEA-Water Framework」(SEEA-Water Figure 2.3)に基づく勘定行列、もう
ひとつは水の循環、汚染物質の排出・処理をより詳細に記録した勘定行列である。
本稿第 5 章では前者を一部修正し、再掲する。
本稿第 6 章では後者が記録する「財・サービスの投入・産出」を「経済循環」へと拡張する。さらに水の循環、汚染物質の排出・処
理を勘定行列上により分かりやすく示す。
- 90 -
- 91 -
䊶䈠䈱ઁ䈱⾗Ḯ䈻
䇼⴫㪊㪅㪌䇭᳓㑐ㅪ㓸วᶖ⾌䉰䊷䊎䉴䈮㑐䈜䉎᡽ᐭൊቯ䇽
䈠䈱ઁ䈱↢↥⠪䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
ኅ⸘䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
᡽ᐭ䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
ಽ㈩ਛ䈱៊ᄬ
䊶ṳ䉏
ઁ䈱⚻ᷣන૏䈻䈱᳓䈱䋨⚐䋩ଏ⛎
ਅ᳓㆏ᬺ䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
⚻ᷣౝ䈱✚ଏ⛎
䇼⴫㪊㪅㪎䇭ᑄ᳓▤ℂ䈮㑐䈜䉎㊄Ⲣൊቯ䇽
ᑄ᳓▤ℂ䈮઻䈉⚻ᷣᵴേ䋨⽶ᜂㇱ㐷䋩
ಽ㈩ਛ䈱៊ᄬ
䋨ਅ᳓㆏ᬺ䉕㒰䈒䋩
⥄Ꮖ䈮䉋䉎᳓ಣℂ䊶ⅣႺ䈻䈱䊥䉺䊷䊮㊂
ઁ䈱⚻ᷣන૏䈻䈱᳓䈱✚䋯⚐ଏ⛎
䇼⴫㪈㪅㪌䇭ಽ㈩ਛ䈱៊ᄬ䈱ෳ⠨⴫䇽
ኅ⸘䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
㑐ㅪ䈜䉎࿕ቯ⾗↥䈱ᱷ㜞
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈻䈱᳓䈱ଏ⛎
᡽ᐭ䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
䈠䈱ઁ䈱↢↥⠪䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
ਅ᳓㆏ᬺ䈮䉋䉎ᑄ᳓▤ℂ
ᑄ᳓▤ℂ䈮઻䈉⚻ᷣᵴേ䋨ᡰ಴㗄⋡䋩
䇼⴫㪊㪅㪍䇭ᑄ᳓▤ℂ䈮㑐䈜䉎࿖᳃ᡰ಴ൊቯ䇽
䊶࿯ფ᳓䊶࿾ਅ᳓䈱଻⼔䈭䈬
䊶ᑄ᳓▤ℂ
᡽ᐭ䈮䉋䉎᳓㑐ㅪ䈱㓸วᶖ⾌ᡰ಴
᡽ᐭ䈮䉋䉎᳓㑐ㅪ䈱㓸วᶖ⾌ᡰ಴䈫ᛩ౉᭴ㅧ
㑐ㅪ䈜䉎✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
ᛩ౉᭴ㅧ䋨ਅ᳓㆏ᬺ䉕㒰䈒䋩
⥄Ꮖ૶↪䈱䈢䉄䈱᳹䉂਄䈕
㑐ㅪ䈜䉎࿕ቯ⾗↥䈱ᱷ㜞
㑐ㅪ䈜䉎✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
ᛩ౉᭴ㅧ
䋨ਅ᳓㆏ᬺ䉕㒰䈒䋩
⥄Ꮖ䈮䉋䉎᳓ಣℂ䊶ⅣႺ䈻䈱䊥䉺䊷䊮䈫䈠䉏䈮઻䈉⚻ᷣᵴേ
⥄Ꮖ૶↪䈱䈢䉄䈱᳹䉂਄䈕䈫䈠䉏䈮઻䈉⚻ᷣᵴേ
䇼⴫㪊㪅㪋䇭⥄Ꮖ૶↪ะ䈔᳓ଏ⛎䈫⥄Ꮖ䈮䉋䉎᳓ಣℂ䈱䊊䉟䊑䊥䉾䊄ൊቯ䇽
䊶㪚㪦㪛✚ឃ಴
ᳪᨴ‛⾰䈱ឃ಴㊂䋨↥ᬺಽ䈱䉂䋩
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈻䈱᳓䈱ଏ⛎
䊶⚻ᷣౝ
䊶ⅣႺ䈻
᳓䈱ଏ⛎㊂䋨↥ᬺಽ䈱䉂䋩
ᳪᨴ‛⾰䈱ឃ಴㊂
䊶㪚㪦㪛✚ឃ಴
䊶ਅ᳓㆏䉰䊷䊎䉴
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈻䈱᳓䈱ଏ⛎
䊶⚻ᷣౝ
䊶ⅣႺ䈻
᳓䈱ଏ⛎㊂
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈎䉌ฃ䈔䈢᳓䈱૶↪
䊶⚻ᷣౝ
䊶ⅣႺ䈎䉌
᳓䈱૶↪㊂
਄⸥䈫ห⒳䈱࿕ቯ⾗↥䈱ᱷ㜞
᳓ଏ⛎䈭䈬䈮㑐䈜䉎✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
䊶⥄ὼ᳓
ฦ↥ᬺ䈮䉋䉎⽷䊶䉰䊷䊎䉴䈱ଏ⛎
᳓䈱ଏ⛎㊂䇯ᳪᨴ‛⾰䈱ឃ಴㊂䋨↥ᬺಽ䈱䉂䋩
ฦ↥ᬺ䈮䉋䉎⽷䊶䉰䊷䊎䉴䈱ଏ⛎䈭䈬
䇼⴫㪊㪅㪈䇭䊊䉟䊑䊥䉾䊄ଏ⛎⴫䇽
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈎䉌ฃ䈔䈢᳓䈱૶↪
䊶⚻ᷣౝ
䊶ⅣႺ䈎䉌
᳓䈱૶↪㊂
䊶ਅ᳓㆏䉰䊷䊎䉴
ઃടଔ୯䈱↢↥
⽷䊶䉰䊷䊎䉴䈱㔛ⷐ䈍䉋䈶ଏ⛎
⚻ᷣౝ
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈎䉌ฃ䈔䈢᳓䈱૶↪
⚻ᷣౝ
⚻ᷣන૏㑆䈱᳓䈱ᵹ䉏
䇼⴫㪈㪅㪋䇭⚻ᷣౝ䈱᳓䈱䊐䊨䊷⴫䇽
᳓䈱ᶖ⾌㊂
䊶ౣ૶↪䈱᳓
䊶ਅ᳓㆏䈻䈱ᑄ᳓
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈻䈱᳓䈱ଏ⛎
⚻ᷣౝ
䊶᳓⾗Ḯ䈻
䊶ḓ䈭䈬
䊶⾗Ḯ೎
䊶䈠䈱ઁ䈭䈬
䊶ಣℂᑄ᳓
䊶ṳ䉏䈮䉋䉎ಽ㈩䈱៊ᄬ
䊶↪ㅜ೎
ⅣႺ䈻
ฦ↥ᬺ䈍䉋䈶ኅ⸘䈱᳓䈱ᶖ⾌㊂
ฦ↥ᬺ䈍䉋䈶ኅ⸘䈏ଏ⛎䈚䈢᳓㊂
䇼⴫㪈㪅㪊䇭‛⊛ଏ⛎⴫䇽
‛⊛᳓ଏ⛎૶↪⹦⚦⴫
䊶ౣ૶↪䈱᳓
䊶ੱᎿ⾂᳓ᳰ
䊶ᵹ಴䋨㗔ၞౝ䈠䈱ઁ䈱⾗Ḯ䈻䋩
䊶ḓ䈭䈬
䊶ੱᎿ⾂᳓ᳰ
䊶ᵹ౉䋨㗔ၞౝ䈠䈱ઁ䈱⾗Ḯ䉋䉍䋩
ᦼਛ䈮㗔ၞౝ䈪↢䈛䈢᳓⾗Ḯ㑆䈱᳓䈱⒖േ
䇼⴫㪋㪅㪉䇭᳓⾗Ḯ㑆䈱䊐䊨䊷⴫䇽
ᦼᧃ䉴䊃䉾䉪
䈠䈱ઁ䈱㊂䈱ᄌേ
䊶ᵹ಴䋨㗔ၞౝ䈠䈱ઁ䈱⾗Ḯ䈻䋩
䊶ᵹ಴䋨ᶏ䈻䋩
䊶ᵹ಴䋨ਅᵹ㗔ၞ䈻䋩
䊶ઁ䈱⚻ᷣන૏䈎䉌ฃ䈔䈢᳓䈱૶↪
䊶䈠䈱ઁ䈱⾗Ḯ䈎䉌
䊶⫳⊒╬
䊶᳓⾗Ḯ䈎䉌
⚻ᷣౝ
䉴䊃䉾䉪䈱ᷫዋ
䊶᳹䉂਄䈕
䊶ᵹ౉䋨㗔ၞౝ䈠䈱ઁ䈱⾗Ḯ䉋䉍䋩
䊶⾗Ḯ೎
䊶ಽ㈩䈱䈢䉄䈱᳹䉂਄䈕
䊶ᵹ౉䋨਄ᵹ㗔ၞ䉋䉍䋩
䊶⥄Ꮖ૶↪䈱䈢䉄䈱᳹䉂਄䈕
䊶㒠᳓
䉴䊃䉾䉪䈱Ⴧട
䊶䊥䉺䊷䊮
⽷䊶䉰䊷䊎䉴䈱ਛ㑆㔛ⷐ䉇ᦨ⚳㔛ⷐ
䊶⥄ὼ᳓
ⅣႺ䈎䉌
䊶↪ㅜ೎
ᦼ㚂䉴䊃䉾䉪
᳓䈱૶↪㊂䇮ଏ⛎㊂䇯ᳪᨴ‛⾰䈱ឃ಴㊂
᳓䈱૶↪㊂
ฦ↥ᬺ䈍䉋䈶ኅ⸘䈏૶↪䈚䈢᳓㊂
᳓䈱ᦼ㚂䉴䊃䉾䉪䈫ᦼਛ䈱ᄌേ䇮ᦼᧃ䉴䊃䉾䉪
䇼⴫㪊㪅㪊䇭᳓䈱ଏ⛎૶↪䊊䉟䊑䊥䉾䊄ൊቯ䇽
⽷䊶䉰䊷䊎䉴䈱㔛ⷐ䈍䉋䈶ଏ⛎䈭䈬
䇼⴫㪊㪅㪉䇭䊊䉟䊑䊥䉾䊄૶↪⴫䇽
⽷䊶䉰䊷䊎䉴䈱ਛ㑆㔛ⷐ䉇ᦨ⚳㔛ⷐ䈭䈬
╙㪊┨䇭䊊䉟䊑䊥䉾䊄⚻ᷣൊቯ
䇼⴫㪈㪅㪉䇭‛⊛૶↪⴫䇽
‛⊛᳓ଏ⛎૶↪⹦⚦⴫
╙㪈┨䇭‛⊛᳓ଏ⛎૶↪⴫
䇼⴫㪋㪅㪈䇭⾗↥ൊቯ䇽
╙㪋┨䇭᳓⾗↥ൊቯ
࿑㪌㪅㪈䇭㪪㪜㪜㪘㪄㪮㪸㫋㪼㫉䈱᭴ㅧ
図 5.1 SEEA-Water の構造
䋨಴ᚲ䋩United Nations Statistics Division䋨2012䋩System of
䇭䇭䇭䇭 Environmental-Economic Accounting for Water
䇭䇭䇭䇭 䋨http://unstats.un.org/unsd/envaccounting/seeaw/seeawater
䇭䇭䇭䇭webversion.pdf䇮2012ᐕ10᦬20ᣣ䉝䉪䉶䉴䋩䈮ၮ䈨䈐
䇭䇭䇭䇭╩⠪૞ᚑ䇯
䋨ᵈ㪉䋩┨䇮⴫⇟ภ䈲䈠䉏䈡䉏ᧄⓂ䈮䈍䈔䉎┨䇮⴫⇟ภ䉕
䇭䇭䇭䇭␜䈜䇯
䋨ᵈ㪈䋩ੑ㊀ᨒ䈲⚻ᷣᵴേ䉕䇮ᄢ䈐䈭ታ✢ᨒ䈲᳓䈱૶↪䊶ଏ⛎䇮
䇭䇭䇭䇭ᳪᨴ‛⾰䈱ឃ಴䊶ಣℂ䉕␜䈜䇯
䊶ᧂಣℂ
䊶ಣℂᓟ
᳓䈻䈱ឃ಴
ਅ᳓㆏ᬺ䈏ឃ಴䈚䈢ᳪᨴ‛⾰䈱㊂
䇼⴫㪉㪅㪈䇭ឃ಴ൊቯ䇭⴫㪙䇭ਅ᳓㆏ᬺ䈮䉋䉎ឃ಴䇽
⚐ឃ಴
ਅ᳓㆏ᬺ䈮䉋䉎ឃ಴䈱ౣ㈩ಽ
䊶ਅ᳓㆏䈻
䊶᳓䈻䈱⋥ធឃ಴
✚ឃ಴
ฦ↥ᬺ䈍䉋䈶ኅ⸘䈏ឃ಴䈚䈢ᳪᨴ‛⾰䈱㊂
䇼⴫㪉㪅㪈䇭ឃ಴ൊቯ䇭⴫㪘䇭✚ឃ಴䈫⚐ឃ಴䇽
╙㪉┨䇭᳓ឃ಴ൊቯ
また水量の変化の一部は領域内その他の資源からの流入、 は互いに関連を持ち、全体で経済活動、水の循環、汚染
領域内その他の資源への流出に基づく。表 4.2「水資源
物質の排出・処理をリンクして示す。
間のフロー表」は期中に領域内で生じた水資源間の水の
移動を示す。
しかし SEEA-Water は各勘定表をひとつずつ提示して
おり、そのままでは体系を鳥瞰できない。そこで SEEA-
同様に表 1.2「物的使用表」
、表 1.3「物的供給表」に
Water の各勘定表を一表上に整理し、それを可能にする。
おける他の経済単位から受けた水の使用、他の経済単位
表示方法には「勘定行列」を用いる。勘定行列は部門
への水の供給も、経済単位間の水のフローである。それ
間の取引を行部門と列部門の交点に記録し、財・サービ
を表 1.4「経済内の水のフロー表」に記録する。
スや所得、資源などの循環を行列上に示す。この表示方
また他の経済単位に水を供給する際には漏れや蒸発な
法は社会会計行列(Social Accounting Matrix;SAM)や
ど、分配中の損失が発生する。それを表 1.3「物的使用表」
環境・経済統合勘定などで用いられている。勘定行列は
における「漏れによる分配の損失」欄、
および表 1.5「分
循環を明示しやすい、全体の体系を崩すことなく必要に
配中の損失の参考表」に記録する。
応じた部門の分割・統合が可能、行列を用いた乗数モデ
政府や家計による下水道サービスの購入は、前述のハ
ルに展開しやすいなどの特徴を持つ。
イブリッド勘定において経済活動のひとつとして記録さ
SEEA-Water の各勘定表をひとつにまとめた勘定行列
れる。これは廃水管理に関する国民支出のひとつである。 は、SEEA-Water が捉える経済活動、水の循環、汚染物
そこで表 3.6「廃水管理に関する国民支出勘定」ではそ
質の排出・処理をリンクし、一表上に体系的に示す。
れぞれの部門の支出を、表 3.7「廃水管理に関する金融
この勘定行列はそれらの相互依存性を分析するための
勘定」ではそれぞれの部門の負担を記録する。また政府
データベースとして、また作成した SEEA-Water の整合
については廃水管理に加え、土壌水や地下水の保護など
性のチェックに有用である。
のために行った集合消費支出を表 3.5「水関連集合消費
サービスに関する政府勘定」で記録する。
第 4 節 対象とする勘定表
本稿では SEEA-Water の体系を鳥瞰できるよう勘定行
第 3 節 勘定行列
列を構築する。そのため SEEA-Water の勘定表のうち、
図 5.1 が示すように SEEA-Water を構成する各勘定表
全体像を捉えた表を対象とし、「自己使用向け水供給と
表 5.1 勘定行列が対象とする勘定表
SEEA-Waterの勘定表
物的
水供給
使用表
水排出勘定
ハイブリッド
経済勘定
水資産勘定
水質勘定
物的使用表
物的供給表
経済内の水のフロー表
分配中の損失の参考表
排出勘定
ハイブリッド供給表
ハイブリッド使用表
水の供給使用ハイブリッド勘定
自己使用向け水供給と自己による水処理のハイブリッド
勘定
水関連集合消費サービスに関する政府勘定
廃水管理に関する国民支出勘定
廃水管理に関する金融勘定
資産勘定
水資源間のフロー表
品質勘定
勘定行列への組み込み
SEEA-Water行列
日本版NAMWA
△
△
△
△
×
△
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
×
×
×
×
○
×
―
×
×
×
○
○
―
(注)勘定行列への組み込みを行った勘定表を「○」
、行わなかった勘定表を「×」で示す。一部のみ組み込んだ勘定
表を「△」で示す。
「―」は SEEA-Water が枠組みのみを提示し、仮設値を設定していない勘定表である。それも勘定行列への組み込み
を行っていない。
(出所)筆者作成。
- 92 -
自己による水処理のハイブリッド勘定」など全体のなか
第 6 節 SEEA-Water 行列の構造
の特定の活動に着目した勘定表を対象としない。
SEEA-Water 行列の構造を以下に示す。
SEEA-Water の各勘定表と勘定行列への組み込みの有
無を整理し、表 5.1 に示す。18
【全体の構造】
1 ~ 4 行は期首ストックを示す。1 ~ 3 行と 9 列の交
第 5 節 SEEA-Water 行列の概要
点に固定資産の残高を計上する。9 列はストックの残高
表 5.2 は「SEEA-Water Framework」(SEEA-Water
とその増減を記録する。同様に 4 行と 12 ~ 15 列の交点
Figure 2.3)に基づく勘定行列である。本稿ではこれを
に地表水、地下水、土壌水の水量を計上する。12 ~ 15
「SEEA-Water 行列」と呼ぶ。
列は水資産の残高とその増減を記録する。
20
5~47 行はフローを示す。後にその構造を考察する。
SEEA-Water 行列は財・サービスの総供給と総需要、
48 ~ 51 行は期首ストックと同様の構造で、期末スト
それらの生産に伴う水の使用と環境への廃水、汚染物質
の排出・処理、経済資産や水資源の変動などを一表上に
ックを示す。
示す。
1 ~ 6 列は産業による財・サービスの産出など経済活
SEEA-Water 行 列 の 構 造、 お よ び そ れ と SEEA-Water
を 構 成 す る 各 勘 定 表 の 関 連 を 示 す た め、 表 5.2 に は
動、水の使用・供給、汚染物質の排出・処理をリンクし
て表す。以下ではそれらをひとつずつ整理する。
SEEA-Water の仮設値を記録した。SEEA-Water の仮設値
と同様に、経済活動部分の単位は 10 億、水の循環部分
【経済活動】
の単位は 100 万㎥である。汚染物質の排出・処理を示す
部分を COD で記録し、その単位は t である。
1 ~ 6 列と 5 ~ 7 行との交点は財・サービスの産出を
負値で示す。5 ~ 7 行にはさらに、生産に課される税-
経済活動部分では、列部門による行部門に対する支払
を正値で、列部門による行部門からの受取を負値で示
補助金、運輸・商業マージン、輸入財を負値で計上し、
行和に総供給を負値で記録する。
19
す。 水の循環部分では、列部門による行部門からの水
同様に 1 ~ 6 列と 22 ~ 24 行との交点は中間取引を正
の使用を正値で、列部門による行部門に対する水の供給
値で示す。22 ~ 24 行はさらに、家計・政府による最終
を負値で示す。同様に汚染物質に関する部分では、列部
消費支出、総資本形成、輸出を正値で計上し、行和に総
門による汚染物質の処理を正値で、列部門による汚染物
需要を記録する。
質の排出を負値で示す。
5 ~ 7 行から得られる総供給と、22 ~ 24 行から得ら
このように SEEA-Water 行列はある部門の支払と受取、
れる総需要はそれぞれ等しい。
水の使用と供給、汚染物質の処理と排出をひとつの列に
それぞれ正値、負値で記録する。
表の大きさは合計部門を含め 54 行× 19 列であり、
SEEA-Water の情報をコンパクトにまとめる。
また 1 ~ 6 列の経済活動部分の列和を T1 行に記録す
る。これらは産出額と中間投入の差であり、各列部門の
付加価値を負値で表す。同様に 7 ~ 16 列の経済活動部
分の列和を T1 行に記録する。これらは最終需要を表
す。21 付 加 価 値 の 合 計 と 最 終 需 要 の 合 計 は 等 し い が、
SEEA-Water はその間の所得循環を記録しない。
18
第 6 章で日本版 NAMWA を述べる。
勘定行列上に正値、負値で取引を記録する方法は Godley, W. and M. Lavoie(2007)Monetary Economics: An integrated Approach to Credit,
Money, Income, Production and Wealth(New York: Palgrave Macmillan),p.101 における Transactions-flow matrix などで見られる。
Transactions-flow matrix はフローの経済循環を勘定行列上に記録する(ストックを別途、Balance sheet に記録する)。列部門は取引主体、
行部門は取引項目を示し、列部門による行部門からの受取を正値で、列部門による行部門に対する支払を負値で示す。列が当該主体の
収支バランスを示し、列和は 0、行が当該項目の収支バランスを示し、行和は 0 である。
一方、SEEA-Water 行列は SEEA-Water Framework の構造に従い、SEEA-Water が捉える経済活動や水の循環などを記録する。
SEEA-Water Framework の構造上、各部門の列和や行和は 0 にならず、後述するように、それぞれが付加価値や水の消費など意味を持
つ。また SEEA-Water 行列はストックをも含む勘定行列であり、一表上にフローとストックを整合的に記録する。
そのため Transactions-flow matrix とは逆に、列部門による行部門に対する支払を正値で、列部門による行部門からの受取を負値で示
した。フローをこのように記述することにより、列方向に期首ストック、フローの蓄積を正値で記録し、同列にそれらの和として期末
ストックを記録できる。
20
37 ~ 39 行は固定資産に関する調整勘定である。
21
ただし 10 列は生産に課される税-補助金を、11 列は運輸・商業マージンを負値で示す。
19
- 93 -
表 5.2 SEEA-Water 行列
⸘
㧔න૏㧦
⽻ᐊ‫ޔ‬
ం㧕
⸘
㧔න૏㧦
᳓㊂‫ޔ‬
ਁণ㧕
⸘
↥ᬺ
㧔න૏㧦
%1&‫ޔ‬V㧕
㋶ᬺ‫ޔ‬
⵾ㅧᬺ‫ޔ‬
ᑪ⸳ᬺ
ㄘᨋ
᳓↥ᬺ
6
࿕ቯ⾗↥ߩᦼ㚂ᱷ㜞
6
6
᳓⾗↥ൊቯ ᦼ㚂ࠬ࠻࠶ࠢ
⥄ὼ᳓
⽷࡮
ࠨ࡯ࡆࠬ ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ
ߘߩઁ
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
‛⊛
᳓ଏ⛎
૶↪⴫
↥ᬺ
✚ឃ಴
‛⊛
᳓ଏ⛎
૶↪⴫
-1.7
-0.2
0.0
0.0
-8.8
0.0
-137.6
-749.0
-22.1
-367.0
-10.0
᳓⾗Ḯ
ਅ᳓㆏
0.0
-2.0
-40.7
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
ਅ᳓㆏ᬺ
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
࿾⴫᳓
࿾ਅ᳓
࿯ფ᳓
-17.9
᡽ᐭ
-117.6
-5.6
0.0
-49.1
-235.5
-52.5
-0.2
-0.5
-175.0
-0.5
-4.1
-7.9
-1,865.0
-239.5
-300.0
-65.0
-23.5
-5.9
-100.0
-2,470.0
-257.4
-7,313.2
-132.7
0.0
0.0
-680.2
-4,657.3
-91.9
-53.2
-1.4
-51.1
᳓߳ߩ ᧂಣℂ
⋥ធឃ಴ ⃻࿾ಣℂᓟ
-47.3
-256.3
-1,797.8
-498.5
-0.2
-19.8
-847.7
-1,946.0
-8,950.9
0.2
0.3
0.0
0.0
0.2
1.0
0.4
2.4
0.1
0.0
1.0
4.9
72.3
416.7
11.0
1.1
156.6
446.9
51.1
239.5
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
1.7
10.0
117.6
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
38.7
45.0
ਅ᳓㆏ᬺ
2.0
40.7
5.6
3.9
1.4
0.0
49.1
235.5
࿾⴫᳓
55.3
79.7
301.0
4.5
0.1
0.0
0.0
࿾ਅ᳓
3.1
34.8
3.2
423.1
0.0
2.3
9.8
࿯ფ᳓
50.0
㒠᳓
ᵹ౉
㧔ߘߩઁ㧕
㧔ߘߩઁ㧕
1.1
100.0
3,254.1
25.1
36.5
0.0
1,360.1
6,140.8
ᵹ಴
1.0
਄ᵹ㗔ၞࠃࠅ
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯࠃࠅ
⫳⊒㧛ታ㓙ߩ⫳⊒ᢔ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ
100.0
466.6
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆಣℂ
53.6
17.9
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
࿕ቯ⾗↥ߩ⺞ᢛൊቯ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ 㧔߁ߜ᳓ଏ⛎ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩ⺞ᢛൊቯ㧕
㧔߁ߜ౏ⴐⴡ↢ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩ⺞ᢛൊቯ㧕
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇട
0.0
-38.7
-3.9
ߘߩઁߩ⾗Ḯ
᳓⾗↥
ൊቯ
0.0
0.0
-45.0
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
ឃ಴ൊቯ
0.0
0.0
ኅ⸘
᳓⾗↥
ൊቯ
0.0
0.0
⥄ὼ᳓
⽷࡮
ਅ᳓㆏ࠨ࡯ࡆࠬ
ࠨ࡯ࡆࠬ
ߘߩઁ
↥ᬺ
ኅ⸘
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ਅ᳓㆏߳
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
᳓⾗Ḯ
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
ߘߩઁߩ⾗Ḯ
ឃ಴ൊቯ
ࠨ࡯ࡆࠬ
ᬺ
ኅ⸘
᳓⾗↥
ൊቯ
਄᳓㆏࡮
◲ᤃ᳓㆏‫ ޔ‬ਅ᳓㆏ᬺ
Ꮏᬺ↪᳓
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ 㧔߁ߜ᳓ଏ⛎ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼ㚂ᱷ㜞㧕
㧔߁ߜ౏ⴐⴡ↢ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼ㚂ᱷ㜞㧕
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
㔚ജ࡮
ࠟࠬ࡮
ᾲଏ⛎ᬺ
ਅᵹ㗔ၞ߳
ᶏ߳
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯ߳
ߘߩઁߩ㊂ߩᄌേ
࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ 㧔߁ߜ᳓ଏ⛎ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞㧕
㧔߁ߜ౏ⴐⴡ↢ߦ㑐ߔࠆ࿕ቯ⾗↥ߩᦼᧃᱷ㜞㧕
᳓⾗↥ൊቯ ᦼᧃࠬ࠻࠶ࠢ
6
⸘
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
6
-64.7
-329.6
-11.0
-0.6
-7.3
-209.2
452.8
6
⸘
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
6
76.2
43.2
2.5
1.8
0.7
3.6
10.0
6
⸘
㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
6
-2,683.6
-1,793.3
-7,380.0
-1,814.5
-498.5
-613.6
-5,522.8
㧔ᵈ㧕✂ដߌߪߘࠇߙࠇએਅࠍᗧ๧ߔࠆ‫ޕ‬
̖⚻ᷣᵴേ
̖᳓ߩᓴⅣ
̖ᳪᨴ‛⾰ߩឃ಴࡮ಣℂ
㧔಴ᚲ㧕United Nations Statistics Division㧔2012㧕System of Environmental-Economic Accounting for Water 㧔http://unstats.un.org/unsd/envaccounting/seeaw/seeawaterwebversion.pdf ‫ޔ‬
2012ᐕ10᦬20ᣣࠕࠢ࠮ࠬ㧕ߦၮߠ߈╩⠪૞ᚑ‫ޕ‬
- 94 -
53.6
᳓⾗↥ൊቯ
᳓⾗Ḯ
↢↥ߦ
⺖ߐࠇࠆ
⒢
㧙⵬ഥ㊄
✚⾗ᧄ
ᒻᚑ
ㆇャ࡮
໡ᬺ
ࡑ࡯ࠫࡦ
࿾⴫᳓
࿾ਅ᳓
࿯ფ᳓
9,200.0
0.1
-70.1
100,000.0
ᶏᄖ
⸘
㧔න૏㧦
⽻ᐊ‫ޔ‬
ం㧕
⸘
㧔න૏㧦
᳓㊂‫ޔ‬
ਁণ㧕
6
6
ߘߩઁߩ
⾗Ḯ
500.0
⸘
㧔න૏㧦
%1&‫ޔ‬V㧕
6
109,700.0
0.0
0.0
-1.8
0.0
0.0
-8.8
0.0
-363.0
-1,708.8
-50.7
-85.7
-3.9
0.0
-427.1
-51.1
-239.5
353.2
0.0
315.4
0.0
0.0
0.0
362.4
0.0
-13,711.3
-1,000.2
-16,878.0
0.0
146.0
0.0
1.8
0.0
8.8
403.0
1,708.8
17.9
127.6
5.6
379.6
42.7
49.1
235.5
-440.6
0.0
-476.3
0.0
-50.0
0.0
-202.1
0.0
11,283.2
420.0
23,015.0
23,435.0
17,650.0
3,880.0
17,650.0
437.0
-349.0
0.0
4,317.0
-21,125.0
-21,474.0
-9,430.0
-9,430.0
-10,000.0
-10,000.0
-2,443.0
-87.0
-1,787.0
-4,317.0
0.0
8,840.6
146.0
-70.0
100,189.1
553.0
109,582.7
0.0
40.0
-87.4
-160.9
-50.0
160.3
- 95 -
【水の使用・供給】
汚染物質の排出を負値で示す。
1 ~ 6 列と 8 ~ 14 行の交点および同列と 25 ~ 31 行
の交点は、経済内の水のフロー表を示す。
1 ~ 6 列と 36 行の交点は、上記のうち下水道業が処
理し減らした排出量を、産業ごとに配分し正値で記録す
前者の交点では、列部門から行部門への水の供給(ま
る。
たは列部門からの水の行部門による使用)を負値で示す。
また 1 ~ 6 列の汚染物質の排出・処理部分の列和を
部門の特性上、「上水道・簡易水道、工業用水」は他の
T3 行に記録する。これらは汚染物質の総排出量と下水
経済単位より多くの水を供給し、「下水道業」は他の経
道業による処理分の差であり、汚染物質の蓄積を負値で
済単位から多くの水を受け入れる。8 ~ 14 行の行和は、
表す。
行部門が他の経済単位から受け入れた水量である。
7 列は家計による汚染物質の排出を示し、その構造は
後者の交点では、逆に行部門からの水の列部門による
1 ~ 6 列と同様である。
使用(または行部門から列部門への水の供給)を正値で
示す。この部分は前者の交点の行列を転置し、正値で表
【期首ストックとフロー、期末ストックのつながり】
9 列は 1~3 行との交点に期首ストックを、22~24 行
したものである。25 ~ 31 行の行和は、行部門が他の経
との交点に総資本形成を、37 ~ 39 行との交点に調整勘
済単位に供給した水量である。
25 ~ 31 行の行和の合計(行部門が他の経済単位に供
給した水量の合計)は、8 ~ 14 行の行和の合計(行部
定を記録、48 ~ 50 行との交点にそれらの合計として期
末ストックを計上する。
12 ~ 15 列は 4 行との交点に期首の水量を水資産ごと
門が他の経済単位から受け入れた水量の合計)と等しい。
1 ~ 6 列と 15 ~ 18 行の交点は、列部門から環境への
に記録する。
廃水を負値で示す。15 ~ 18 行はそこにそれらを負値で
15 ~ 18 行との交点には産業・家計による環境への廃
記録するとともに、12 ~ 15 列との交点にそれらを水資
水量を正値で、32 ~ 35 行との交点には産業・家計によ
産ごと正値で記録する。したがって行和は 0 である。
る環境からの取水量を負値で記録する。さらに 40 ~ 42
1 ~ 6 列と 32 ~ 35 行の交点は、列部門による環境か
行で降水量、上流領域や領域内その他の資源からの流入
らの取水を正値で示す。32 ~ 35 行はそこにそれらを正
量を加算、43 ~ 46 行で蒸発量、下流領域や海、領域内
値で記録するとともに、12 ~ 15 列との交点にそれらを
その他の資源への流出量を減算、さらに 47 行でその他
水資産ごと負値で記録する。したがって行和は 0 である。 の量の変動を加える。
51 行との交点にそれらの合計として期末の水量を計
また 1 ~ 6 列の水の使用・供給部分の列和を T2 行に
記録する。これらは他部門からの水の使用および環境か
上する。
また 15 ~ 18 行との交点に記録される環境への廃水量
らの取水と、他部門への水の供給および環境への廃水の
と、32 ~ 35 行との交点に記録される環境からの取水量
差であり、各列部門の水の消費を正値で表す。
7 列は家計による水の使用・供給を示し、その構造は
の差を 12 ~ 15 列と T2 行の交点に記録する。それらは
経済活動に伴う水量の変動であり、それらの和は 1 ~ 7
1 ~ 6 列と同様である。
列と T2 行の交点に記録される産業・家計による水の消
【汚染物質の排出・処理】
費量の和と等しい。
1 ~ 6 列と 19 ~ 21 行の交点は、列部門から環境への
- 96 -
を対象とし、付加価値と最終需要の間にある所得循環な
第 6 章 日本版 NAMWA の構築
どを対象としない。したがって、それを含む経済モデル
に適用できない。
第 1 節 SEEA-Water 行列の特徴と限界
SEEA-Water 行列は SEEA-Water が捉えるストックと
第 2 節 SEEA-Water 行列の拡張
フローのつながり、フローにおける財・サービスの投入・
産出、水の使用・供給、汚染物質の排出・処理をリンク
そこで SEEA-Water 行列を以下のように拡張し、日本
版 NAMWA を構築する。
して一表上にコンパクトに表す。一方、それは以下の 3
つの課題を有する。
第一に、水資源間のフローおよび汚染物質の排出先を
勘定行列に記録し、水の循環、汚染物質の排出・処理を
第一に、SEEA-Water 行列は SEEA-Water が捉える以
より詳細に把握できるようにする。22
第二に、日本版 NAMWA では原則として、対応する行・
下の項目を記述しない。
・用途別(水力発電、灌漑用水など)の水の使用・供
列にそれぞれ同一の部門を設定、23 行と列の交点に部門
間の取引額や水の使用・供給量、汚染物質の排出・処理
給
・水資源(地表水、地下水、土壌水)間の水のフロー
量を記録する。24 行に当該部門の受取や水の供給、汚染
・汚染物質の排出先(水資源であるか、海であるか)
物質の排出を、列に当該部門の支払や水の使用、汚染物
第二に、SEEA-Water 行列は各部門の収支をひとつの
質の処理を記録する。対応する一組の行と列で当該部門
列に正値、負値で記録するため、行と列が対応しない。
の収支を示す。対応する一組の行・列において、経済活
例えば表 5.2 における 1 ~ 6 列の経済活動部分では、産
動に関する計上値の行和(受取計)・列和(支払計)は
出額を負値で、中間投入を正値で記録し、列和に付加価
等しく、水に関する計上値の行和(供給・消費計)・列
値を負値で記録する。一方、5 ~ 7 行では、産出額や生
和(使用計)も等しい。25
産に課される税などを負値で記録し、行和に総供給を負
第三に SEEA-Water の経済活動の記録対象を「財・サ
値で記録する。したがって、産業分類と財・サービス分
ービスの投入・産出」から、それを含む「経済循環」へ
類が一対一で対応する場合にも、行和と列和が一致せず、
と拡張する。ここでいう経済循環は SNA 中枢体系が記
行和と列和の一致から導出される乗数モデルに展開でき
録するものであり、26 以下から成る。
・期首ストック
ない。
第三に、SEEA-Water および SEEA-Water 行列の経済
活動部分は主に水に関連する財・サービスの投入・産出
・フロー(財・サービスの投入・産出、所得循環、資
金循環、国際収支)
22
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2012)
『水に関する環境・経済統合勘定の推計作業 報告書』(http://www.esri.cao.go.jp/
jp/sna/sonota/satellite/kankyou/kankyou_top.html)における拙著では、水の使用・供給を「用途別」「資源別」の両面で記述する勘定行列
を作成した。同勘定行列は水の循環をより詳細に記録するが、構造が複雑である。本稿では水の循環をより分かりやすく記録するため、
用途別の水の使用・供給を勘定行列に記録しないことにした。
23
ただし日本版 NAMWA は、一部の部門を行または列のみに設定する。
例えば、水資産勘定における期首ストック(O-W 行)、ストックの増加および減少(FW1 ~ FW5 行)、期末ストック(C-W 行)、排
出勘定における下水道が収集した都市流出水の汚染物質含有量(F-E 行)を行のみに設定する。それらは水資産の期首・期末の水量、
降水や蒸発などによる水量の変化などを記録し、対応する列は存在しない。
同様に、水資産勘定における水資源など(W01 ~ W05 列)、排出勘定における純排出(E01 ~ E03 列)を列のみに設定する。前者は
期首から期末にかけての水資源の変化を、後者は各産業から水資源や海への汚染物質の排出を記録し、対応する行は存在しない。
日本版 NAMWA では、行または列のみに設定するこれらの部門をそれぞれ行列の上、右に配置した。
24
経済循環部分では支払部門を列、受取部門を行とする交点に各取引を示す。水の循環部分では、水の使用部門を列、供給部門を行とす
る交点に水量を示す。同様に汚染物質に関する部分では、その排出量を排出部門の行に、処理量を処理部門の列に示す。
25
ここでは「完全接合性を持つ T 型勘定群は行列で表すことができる」という性質を用いて、SEEA-Water を行列表示する。完全接合性
とは、当該の勘定体系において、ある勘定の支払いは他の勘定に受け取られる、またある勘定の受取は他の勘定により支払われるとい
う性質である。
例えば SNA 中枢体系は完全接合性を持つ T 型勘定群から成る。そのため、それを元に国民勘定行列(National Accounting Matrix;
NAM)や社会会計行列(Social Accounting Matrix;SAM)を作成できる。勘定行列は循環を多数の勘定表に切り離して表示するのでは
なく、ひとつの行列上にまとめて表示するため、体系や循環を示しやすい。
第 1 ~ 5 章で述べたように、SEEA-Water は互いに整合的な多数の勘定表から成り、体系的に水の循環や汚染物質の排出・処理を記
録する。そのため、第 6 章で述べるように、循環を行列上に示すことができる。
26
ただし産業連関表を用いて産業を分割、水に関連する財・サービスの投入・産出を記録している。
- 97 -
・調整勘定
まず期首部分の構造を考察する。
・期末ストック
各制度部門が保有する非金融資産の期首残高を F39 ~
こ れ ら を 整 合 的 に勘定行列上に記録する。 日 本 版
F43 列と O01 行の交点に、金融資産の期首残高を同列と
NAMWA は経済循環、水の循環、汚染物質の排出・処
O02 ~ O08 行の交点に項目ごと計上する。同様に、海
27
理の三者を一表上に示す。
外が当該国で保有する金融資産の期首残高を F55 列と
O02 ~ O08 行の交点に項目ごと計上する。定義により、
第 3 節 日本版 NAMWA の構造
海外は他国で非金融資産を保有しない。
表 6.1 は「日本版 NAMWA」である。表の大きさは合
28
計部門を含め 123 行× 123 列である。
一方、各制度部門が保有する正味資産の期首残高を
F39 ~ F43 行と O01 列の交点に、負債の期首残高を同
行と O02 ~ O08 列の交点に項目ごと計上する。海外に
【全体の構造】
ついても同様である。
日本版 NAMWA は 5 つの部分から成る。
次にフロー部分の構造を考察する。
第一に、行列の左上の部分は、各制度部門が保有する
F01 ~ F06 列は各産業の投入構造を、F01 ~ F06 行は
非金融資産、金融資産、負債、正味資産の期首残高(O01
産出構造を示す。産業連関表と同様に同行、同列の交点
~ O08 行・列)
、水資産の期首ストック(O-W 行)を示
は中間取引を表す。また同列と F45 行の交点は統計上
29
の不突合を産業別に配分した値を表す。33
す。
第二に、行列の中心部は、経済循環のうちフロー(F01
各産業が生み出す付加価値を項目別に F01 ~ F06 列
~ F55 行・列)、水の循環(F56 ~ F76 行・列)
、汚染物
と F10 ~ F14 行の交点に記録する。同行では、F36 ~
30
質の排出・処理(F77 ~ F88 行・列)を示す。 これら
F37 列との交点で消費税投資控除を負値で、F39 ~ F43
行列の中心部は正方行列である。
列との交点で固定資本減耗を負値で、また F53 列との
第三に、行列の中心部よりやや右下の部分は、期首残
交点で海外からの雇用者報酬を正値で記録する。
これら付加価値を F10 ~ F14 列で各部門に分配する。
高と同様の構造で、各制度部門が保有する非金融資産、
金融資産、負債、正味資産の調整勘定の計上値(R01~
R08 行・列)
、期末残高(C01~C08 行・列)を示す。
31
F16 ~ F20 行との交点は各制度部門への分配、F53 行と
の交点は海外への雇用者報酬である。
第四に、行列の下の部分は、降水や蒸発などによる水
F16 ~ F20 行において、各制度部門はそれら付加価値
資産の増加・減少(FW1~FW5 行)
、水資産の期末スト
を F10 ~ F14 列から受け取り、さらに財産所得を F15
ック(C-W 行)
、下水道が収集した都市流出水の汚染物
列から受け取る。各制度部門はそれらを F16 ~ F20 列
32
で支出する。F15 行との交点は財産所得の支払い、F25
質含有量(F-E 行)を示す。
第五に、行列の右側の部分は、水資産の期首・期末ス
~ F29 行との交点は第 1 次所得バランスである。
トックおよび経済活動や自然現象に伴う水資産の変化
各制度部門は F25 ~ F29 行で第 1 次所得バランスを
(W01 ~ W05 列)を、各産業から水資源や海への汚染
F16 ~ F20 列から受け取り、さらに経常移転項目を F21
物質の排出(E01 ~ E03 列)を示す。
~ F24 列から受け取る。各制度部門はそれらを F25 ~
F29 列で支出する。F21 ~ F24 行との交点は経常移転項
【経済循環】
目の支払い、F31 ~ F35 行との交点は可処分所得である。
日本版 NAMWA では、SNA 中枢体系に基づき経済循
環を記録する。
各制度部門は F31 ~ F35 行で可処分所得を受け取り、
それを同列で支出する。同列と F07 ~ F09 行の交点は
27
本稿「はじめに」で述べたように、当該部分の拡張を比較的容易に行えることが、経済循環を体系的に捉えた SNA のサテライト勘定
として、水を捉える SEEA-Water の大きな利点である。
また SEEA-Water を行列表示することにより、「勘定行列の伸縮性」を用いて、全体の体系を崩すことなく、記録対象を拡張できる。
28
経済循環部分は仮設値がないため、空白である。水の循環部分、汚染物質に関する部分では、SEEA-Water の仮設値を記録している。
29
ここで O、W はそれぞれ opening、water の略である。
30
ここで F は flow の略である。
31
ここで R、C はそれぞれ reconciliation、closing の略である。
32
ここで E は emission の略である。
33
国民経済計算では統計上の不突合を産業別に配分しないため、この値を推計することが必要である。
- 98 -
表 6.1 日本版 NAMWA
ࡂࠗࡉ࡝࠶࠼⚻ᷣൊቯ
ࡂࠗࡉ࡝࠶࠼⚻ᷣൊቯ
ᦼ㚂ࠬ࠻࠶ࠢ
㕖㊄Ⲣ
⾗↥࡮
ᱜ๧⾗↥
1
᳓⾗↥ൊቯ ᦼ㚂ࠬ࠻࠶ࠢ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
(
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
(
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
㧔ઃടଔ୯㗄⋡㧕
(㨪(
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
㧔⚻Ᏹ⒖ォ㗄⋡㧕
(㨪(
นಣಽᚲᓧߩ૶↪ൊቯ 㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
(
(
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
⾗ᧄ⒖ォ╬
ᶏᄖ
⚻Ᏹขᒁ
(
ᶏᄖ
⾗ᧄขᒁ
(
ᶏᄖ
㊄Ⲣขᒁ
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
0.0
427.1
51.1
239.5
(
(
(
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
108.4
114.5
404.2
(
428.7
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
ኅ⸘
(
᳓ߩᶖ⾌
100.1
2.3
10.8
(
᳓⾗Ḯ㑆
ߩࡈࡠ࡯
᳓⾗Ḯ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇᷫ
࿾⴫᳓
(
࿾ਅ᳓
(
࿯ფ᳓
(
ᵹ౉
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯࠃࠅ
(
ᵹ಴
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯ߳
(
᳓߳ߩ ᧂಣℂ
⋥ធឃ಴ ⃻࿾ಣℂᓟ
ਅ᳓㆏߳
(
(
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
(
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
(
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆಣℂ
(
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴ߩౣ㈩ಽ
(
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
4
㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
ᦼᧃ
ࠬ࠻࠶ࠢ 㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
ࠬ࠻࠶ࠢ 㒠᳓
ߩჇട
ᵹ౉
਄ᵹ㗔ၞࠃࠅ
㧔ߘߩઁ㧕
⫳⊒㧛ታ㓙ߩ⫳⊒ᢔ
㧔ߘߩઁ㧕
ᵹ಴
16,379.5
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
ኅ⸘
ਅᵹ㗔ၞ߳
ᶏ߳
᳓⾗↥ൊቯ ᦼᧃࠬ࠻࠶ࠢ
ឃ಴ൊቯ
3.9
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
ኅ⸘
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ
85.7
(
ਅ᳓㆏ᬺ
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ ਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
᳓⾗↥ൊቯ
50.7
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇട ਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
⺞ᢛ
ൊቯ
(㨪(
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
(
㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
⚻ᷣౝߩ᳓ࡈࡠ࡯⴫
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
(㨪(
㊄Ⲣขᒁ
ਅ᳓㆏
(㨪(
(
⾗㊄ㆊਇ⿷㧙⾂⫾ᛩ⾗Ꮕ㗵
⚐ឃ಴
(
㧔೙ᐲ
‫ޓ‬ㇱ㐷㧕
㧔ઃട
‫ޓ‬ଔ୯
‫ޓ‬㗄⋡㧕
(
࿯࿾ߩ⾼౉㧔⚐㧕
⾗ᧄ⺞㆐ൊቯ
ឃ಴ൊቯ
(
ઃടଔ୯
(
࿷ᐶຠჇട
✚ឃ಴
(
ᦨ⚳ᶖ⾌
ᡰ಴
(㨪(
ࡂࠗࡉ࡝࠶ ᚲᓧߩ╙ᰴಽ㈩ൊቯ 㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
࠼⚻ᷣൊቯ ᐕ㊄ၮ㊄ᐕ㊄Ḱ஻㊄ߩᄌേ
᳓⾗↥
ൊቯ
(
ࠨ࡯ࡆࠬ
ᬺ
(
╙ᰴᚲᓧߩ㈩ಽൊቯ
㧔᳹ߺ਄ߍ㧕
(
਄᳓㆏࡮
◲ᤃ᳓㆏‫ ޔ‬ਅ᳓㆏ᬺ
Ꮏᬺ↪᳓
1
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
⽷↥ᚲᓧ
‛⊛
᳓ଏ⛎
૶↪⴫
(
㔚ജ࡮
ࠟࠬ࡮
ᾲଏ⛎ᬺ
1㨪1
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
ઃടଔ୯
㧔࡝࠲࡯ࡦ㧕
1㨪1
㋶ᬺ‫ޔ‬
⵾ㅧᬺ‫ޔ‬
ᑪ⸳ᬺ
ㄘᨋ
᳓↥ᬺ
19
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
ᦼ㚂
ࠬ࠻࠶ࠢ 㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
↢↥ൊቯ
㧔㊄Ⲣ
‫࡮↥⾗ޓ‬
‫⽶ޓ‬ௌ
‫ޓ‬㗄⋡㧕
↢↥ൊቯ
-11,283.2
4㨪4
%
%㨪%
(9
(9
(9
(9
(9
%9
ਅ᳓㆏߇෼㓸ߒߚㇺᏒᵹ಴᳓ߩᳪᨴ‛⾰฽᦭㊂
('
⸘
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
6
⸘
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
6
⸘
㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
6
498.5
159.1
200.2
408.1
428.7
527.2
5,594.8
- 99 -
53.4
250.3
(㨪(
╙ᰴᚲᓧ
ߩ㈩ಽൊቯ
⽷↥ᚲᓧ
㧔೙ᐲ
‫ޓ‬ㇱ㐷㧕
(
(㨪(
ᚲᓧߩ╙ᰴ
ಽ㈩ൊቯ
㧔⚻Ᏹ
‫ޓ‬⒖ォ
‫ޓ‬㗄⋡㧕
(㨪(
㧔೙ᐲ
‫ޓ‬ㇱ㐷㧕
(㨪(
ᐕ㊄ၮ㊄
ᐕ㊄Ḱ஻
㊄ߩᄌേ
(
นಣಽᚲᓧ
ߩ૶↪ൊቯ
㧔೙ᐲ
‫ޓ‬ㇱ㐷㧕
(㨪(
表 6.1 日本版 NAMWA
ࡂࠗࡉ࡝࠶࠼⚻ᷣൊቯ
✚࿕ቯ
⾗ᧄᒻᚑ
(
᳓⾗↥ൊቯ ᦼ㚂ࠬ࠻࠶ࠢ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
ᶏᄖ
⚻Ᏹ
ขᒁ
⾗ᧄ
ขᒁ
㊄Ⲣ
ขᒁ
(㨪(
(
(
(
⚻ᷣౝߩ
᳓ࡈࡠ࡯
⴫
(
1
17.9
127.6
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
(
5.6
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
379.6
ਅ᳓㆏ᬺ
(
42.7
(
49.1
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
235.5
ઃടଔ୯
㧔ઃടଔ୯㗄⋡㧕
(㨪(
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
(
(㨪(
(㨪(
นಣಽᚲᓧߩ૶↪ൊቯ 㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
(
(
࿷ᐶຠჇട
(
࿯࿾ߩ⾼౉㧔⚐㧕
(
⾗ᧄ⺞㆐ൊቯ
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
⾗ᧄ⒖ォ╬
(㨪(
(
⾗㊄ㆊਇ⿷㧙⾂⫾ᛩ⾗Ꮕ㗵
(
㊄Ⲣขᒁ
㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
ᶏᄖ
⚻Ᏹขᒁ
(
ᶏᄖ
⾗ᧄขᒁ
(
ᶏᄖ
㊄Ⲣขᒁ
⚻ᷣౝߩ᳓ࡈࡠ࡯⴫
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
(
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
ኅ⸘
(
(
᳓⾗Ḯ㑆
ߩࡈࡠ࡯
᳓⾗Ḯ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇᷫ
࿾⴫᳓
(
࿾ਅ᳓
(
࿯ფ᳓
(
ᵹ౉
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯࠃࠅ
(
ᵹ಴
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯ߳
(
᳓߳ߩ ᧂಣℂ
⋥ធឃ಴ ⃻࿾ಣℂᓟ
ਅ᳓㆏߳
⚐ឃ಴
⺞ᢛ
ൊቯ
(
(
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
(
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
(
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆಣℂ
(
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴ߩౣ㈩ಽ
(
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
ᦼᧃ
ࠬ࠻࠶ࠢ 㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
ࠬ࠻࠶ࠢ 㒠᳓
ߩჇട
ᵹ౉
਄ᵹ㗔ၞࠃࠅ
㧔ߘߩઁ㧕
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
ኅ⸘
ਅ᳓㆏
(
(
ਅ᳓㆏ᬺ
᳓ߩᶖ⾌
✚ឃ಴
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ ਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
㧔᳹ߺ਄ߍ㧕
(
(
ਅ᳓㆏ᬺ
ኅ⸘
‛⊛
᳓ଏ⛎
૶↪⴫
(
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇട ਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
㧔࡝࠲࡯ࡦ㧕
(㨪(
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
⫳⊒㧛ታ㓙ߩ⫳⊒ᢔ
㧔ߘߩઁ㧕
ᵹ಴
ਅᵹ㗔ၞ߳
ᶏ߳
᳓⾗↥ൊቯ ᦼᧃࠬ࠻࠶ࠢ
ឃ಴ൊቯ
ᶏᄖ
(
㧔⚻Ᏹ⒖ォ㗄⋡㧕
᳓⾗↥ൊቯ
(
ᶏᄖ
1㨪1
ࡂࠗࡉ࡝࠶ ᚲᓧߩ╙ᰴಽ㈩ൊቯ 㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
࠼⚻ᷣൊቯ ᐕ㊄ၮ㊄ᐕ㊄Ḱ஻㊄ߩᄌേ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
(
(㨪(
㊄Ⲣขᒁ
㧔㊄Ⲣ
‫࡮↥⾗ޓ‬
‫⽶ޓ‬ௌ
‫ޓ‬㗄⋡㧕
(
╙ᰴᚲᓧߩ㈩ಽൊቯ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
(
⾗㊄
ㆊਇ⿷
㧙
⾂⫾
ᛩ⾗
Ꮕ㗵
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
⽷↥ᚲᓧ
ឃ಴ൊቯ
(
㧔೙ᐲ
‫ޓ‬ㇱ㐷㧕
⾗ᧄ
⒖ォ╬
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
᳓⾗↥
ൊቯ
࿯࿾ߩ
⾼౉
㧔⚐㧕
19
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
ᦼ㚂
ࠬ࠻࠶ࠢ 㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
↢↥ൊቯ
࿷ᐶຠ
Ⴧട
⾗ᧄ⺞㆐
ൊቯ
4
4㨪4
%
%㨪%
(9
(9
(9
(9
(9
%9
ਅ᳓㆏߇෼㓸ߒߚㇺᏒᵹ಴᳓ߩᳪᨴ‛⾰฽᦭㊂
('
⸘
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
6
⸘
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
6
⸘
㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
6
858.0
- 100 -
‛⊛᳓ଏ⛎૶↪⴫
ࠬ࠻࠶ࠢߩჇട㧔࡝࠲࡯ࡦ㧕
㋶ᬺ‫ޔ‬
⵾ㅧᬺ‫ޔ‬
ᑪ⸳ᬺ
ㄘᨋ
᳓↥ᬺ
(
(
㔚ജ࡮
ࠟࠬ࡮
ᾲଏ⛎ᬺ
(
਄᳓㆏࡮
◲ᤃ᳓㆏‫ ޔ‬ਅ᳓㆏ᬺ
Ꮏᬺ↪᳓
(
(
ࠬ࠻࠶ࠢߩᷫዋ㧔᳹ߺ਄ߍ㧕
ࠨ࡯ࡆࠬ
ᬺ
(
㋶ᬺ‫ޔ‬
⵾ㅧᬺ‫ޔ‬
ᑪ⸳ᬺ
ㄘᨋ
᳓↥ᬺ
ኅ⸘
(
(
(
㔚ജ࡮
ࠟࠬ࡮
ᾲଏ⛎ᬺ
(
਄᳓㆏࡮
◲ᤃ᳓㆏‫ ޔ‬ਅ᳓㆏ᬺ
Ꮏᬺ↪᳓
(
(
ࠨ࡯ࡆࠬ
ᬺ
(
᳓ߩᶖ⾌
ኅ⸘
(
(
65.0
76.2
29.4
43.2
400.0
2.5
47.3
1.8
483.8
0.7
0.7
3.6
4.8
65.0
29.4
400.0
47.3
483.8
0.7
4.8
10.0
0.0
0.0
0.0
0.0
- 101 -
0.0
0.0
0.0
138.0
表 6.1 日本版 NAMWA
ឃ಴ൊቯ
᳓⾗↥ൊቯ
᳓⾗Ḯ㑆ߩࡈࡠ࡯
ࠬ࠻࠶ࠢߩჇᷫ
᳓⾗Ḯ
࿾⴫᳓
࿾ਅ᳓
(
᳓⾗↥ൊቯ ᦼ㚂ࠬ࠻࠶ࠢ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
257.4
132.7
4,657.3
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
(
7,313.2
0.0
91.9
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
1,797.8
0.0
53.2
ਅ᳓㆏ᬺ
(
7.9
19.8
1,946.0
1,865.0
847.7
8,950.9
(
(㨪(
(㨪(
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
นಣಽᚲᓧߩ૶↪ൊቯ 㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(㨪(
✚࿕ቯ⾗ᧄᒻᚑ
(
(
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
(
680.2
(㨪(
(
㊄Ⲣขᒁ
㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
ᶏᄖ
⚻Ᏹขᒁ
(
ᶏᄖ
⾗ᧄขᒁ
(
ᶏᄖ
㊄Ⲣขᒁ
(
⚻ᷣౝߩ᳓ࡈࡠ࡯⴫
(㨪(
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇട ਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
(
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
ኅ⸘
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ ਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
ኅ⸘
(
᳓ߩᶖ⾌
(
᳓⾗Ḯ㑆
ߩࡈࡠ࡯
࿾⴫᳓
(
2,393.0
࿾ਅ᳓
(
87.0
࿯ფ᳓
(
ᵹ౉
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯࠃࠅ
(
ᵹ಴
㗔ၞౝߘߩઁߩ⾗Ḯ߳
(
᳓⾗Ḯ
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩჇᷫ
᳓߳ߩ ᧂಣℂ
⋥ធឃ಴ ⃻࿾ಣℂᓟ
(
(
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
(
㔚ജ࡮ࠟࠬ࡮ᾲଏ⛎ᬺ
(
਄᳓㆏࡮◲ᤃ᳓㆏‫ޔ‬Ꮏᬺ↪᳓
(
ਅ᳓㆏ᬺ
(
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
(
1,400.0
387.0
-1,787.0
-3,880.0
-437.0
-87.0
2,470.0
257.4
7,313.2
1,797.8
7.9
1,865.0
132.7
0.0
0.0
19.8
847.7
213.6
1,403.2
66.8
16.7
498.5
585.9
2,810.1
2,683.6
1,793.3
7,380.0
1,814.5
498.5
613.6
5,522.8
(
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆಣℂ
(
ਅ᳓㆏ᬺߦࠃࠆឃ಴ߩౣ㈩ಽ
(
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
4
㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
ᦼᧃ
ࠬ࠻࠶ࠢ 㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
ࠬ࠻࠶ࠢ 㒠᳓
ߩჇട
ᵹ౉
਄ᵹ㗔ၞࠃࠅ
㧔ߘߩઁ㧕
⫳⊒㧛ታ㓙ߩ⫳⊒ᢔ
ᵹ಴
-2,443.0
(
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
㧔ߘߩઁ㧕
50.0
(
ਅ᳓㆏߳
ኅ⸘
ਅᵹ㗔ၞ߳
ᶏ߳
᳓⾗↥ൊቯ ᦼᧃࠬ࠻࠶ࠢ
ឃ಴ൊቯ
(
(
⾗㊄ㆊਇ⿷㧙⾂⫾ᛩ⾗Ꮕ㗵
ࠬ࠻࠶ࠢ
ߩᷫዋ
(
(
࿯࿾ߩ⾼౉㧔⚐㧕
⾗ᧄ⒖ォ╬
᳓⾗↥ൊቯ
(
ኅ⸘
(
࿷ᐶຠჇട
⾗ᧄ⺞㆐ൊቯ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
(
ࠨ࡯ࡆࠬ
ᬺ
(㨪(
(㨪(
⺞ᢛ
ൊቯ
(
਄᳓㆏࡮
◲ᤃ᳓㆏‫ ޔ‬ਅ᳓㆏ᬺ
Ꮏᬺ↪᳓
(㨪(
ࡂࠗࡉ࡝࠶ ᚲᓧߩ╙ᰴಽ㈩ൊቯ 㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
࠼⚻ᷣൊቯ ᐕ㊄ၮ㊄ᐕ㊄Ḱ஻㊄ߩᄌേ
ࡂࠗࡉ࡝࠶
࠼⚻ᷣൊቯ
㔚ജ࡮
ࠟࠬ࡮
ᾲଏ⛎ᬺ
(
㧔⚻Ᏹ⒖ォ㗄⋡㧕
ਅ᳓㆏
㋶ᬺ‫ޔ‬
⵾ㅧᬺ‫ޔ‬
ᑪ⸳ᬺ
(
2,470.0
㧔೙ᐲㇱ㐷㧕
⚐ឃ಴
(
(
╙ᰴᚲᓧߩ㈩ಽൊቯ
ឃ಴ൊቯ
(
ㄘᨋ
᳓↥ᬺ
1
㧔ઃടଔ୯㗄⋡㧕
✚ឃ಴
(
(
⽷↥ᚲᓧ
᳓⾗↥
ൊቯ
(
ਅ᳓㆏߳
⃻࿾
ಣℂᓟ
ᧂಣℂ
㋶ᬺ‫⵾ޔ‬ㅧᬺ‫ޔ‬ᑪ⸳ᬺ
ࠨ࡯ࡆࠬᬺ
㧔᳹ߺ਄ߍ㧕
(
⚐ឃ಴
1㨪1
ઃടଔ୯
‛⊛
᳓ଏ⛎
૶↪⴫
(
㗔ၞౝ
ߘߩઁߩ
⾗Ḯ߳
✚ឃ಴
᳓߳ߩ⋥ធឃ಴
ㄘᨋ᳓↥ᬺ
ᦨ⚳ᶖ⾌ᡰ಴
㧔࡝࠲࡯ࡦ㧕
㗔ၞౝ
ߘߩઁߩ
⾗Ḯࠃࠅ
࿯ფ᳓
(
ᵹ಴
19
㕖㊄Ⲣ⾗↥࡮ᱜ๧⾗↥
ᦼ㚂
ࠬ࠻࠶ࠢ 㧔㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡㧕
↢↥ൊቯ
ᵹ౉
4㨪4
%
%㨪%
(9
(9
(9
(9
(9
%9
ਅ᳓㆏߇෼㓸ߒߚㇺᏒᵹ಴᳓ߩᳪᨴ‛⾰฽᦭㊂
('
⸘
㧔න૏㧦⽻ᐊ‫ޔ‬ం㧕
6
⸘
㧔න૏㧦᳓㊂‫ਁޔ‬ণ㧕
6
⸘
㧔න૏㧦%1&‫ޔ‬V㧕
6
0.0
0.0
0.0
0.0
-4,317.0
13,711.3
1,000.2
16,379.5
㧔ᵈ㧕✂ដߌߪߘࠇߙࠇએਅࠍᗧ๧ߔࠆ‫ޕ‬
̖⚻ᷣᵴേ
̖᳓ߩᓴⅣ
̖ᳪᨴ‛⾰ߩឃ಴࡮ಣℂ
㧔ᵈ㧕⴫ౝߩ㧔㧕ౝߪ‫ࠇߙࠇߘޔ‬એਅߩ೙ᐲㇱ㐷‫ޔ‬㗄⋡ࠍᗧ๧ߔࠆ‫ޕ‬
ઃടଔ୯㗄⋡
೙ᐲㇱ㐷
೙ᐲㇱ㐷
⚻Ᏹ⒖ォ㗄⋡
㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ㗄⋡
࡮㓹↪⠪ႎ㈽
࡮ኻኅ⸘᳃㑆㕖༡೑࿅૕
࡮ኻኅ⸘᳃㑆㕖༡೑࿅૕
࡮ᚲᓧ࡮ን╬ߦ⺖ߐࠇࠆ
࡮⃻㊄࡮㗍㊄
࡮༡ᬺ૛೾࡮ᷙวᚲᓧ
࡮ኅ⸘㧔୘ੱડᬺࠍ฽߻㧕
࡮ኅ⸘㧔୘ੱડᬺࠍ฽߻㧕
‫⚻ޓ‬Ᏹ⒢
࡮⾉಴࡮୫౉
࡮࿕ቯ⾗ᧄᷫ⠻
࡮৻⥸᡽ᐭ
࡮৻⥸᡽ᐭ
࡮␠ળ⽶ᜂ
࡮ᩣᑼએᄖߩ⸽೛
࡮↢↥࡮ャ౉ຠߦ⺖ߐࠇࠆ⒢
࡮㕖㊄Ⲣᴺੱડᬺ
࡮⃻‛␠ળ⒖ォએᄖߩ
࡮ᩣᑼ࡮಴⾗㊄
࡮㧔ប㒰㧕⵬ഥ㊄
࡮㊄Ⲣᯏ㑐
‫␠ޓ‬ળ⛎ઃ
࡮㊄Ⲣᵷ↢໡ຠ
࡮ߘߩઁߩ⚻Ᏹ⒖ォ
࡮଻㒾࡮ᐕ㊄Ḱ஻㊄
࡮ߘߩઁߩ㊄Ⲣ⾗↥࡮⽶ௌ
㧔಴ᚲ㧕United Nations Statistics Division㧔2012㧕System of Environmental-Economic Accounting for Water 㧔http://unstats.un.org/unsd/envaccounting/seeaw/seeawaterwebversion.pdf‫ޔ‬2012ᐕ10᦬20ᣣࠕࠢ࠮ࠬ㧕
‫߮ࠃ߅ޓޓޓޓ‬ౝ㑑ᐭ⚻ᷣ␠ળ✚ว⎇ⓥᚲ࿖᳃⚻ᷣ⸘▚ㇱ✬㧔㧕‫ޡ‬ᐔᚑᐕ ‫ޓ‬࿖᳃⚻ᷣ⸘▚ᐕႎ‫࠼ࡦ࡜ࠕࠖ࠺ࡔޢ‬ᩣᑼળ␠ߦၮߠ߈╩⠪૞ᚑ‫ޕ‬
- 102 -
ឃ಴ൊቯ
ࡂࠗࡉ࡝࠶࠼⚻ᷣൊቯ ࡂࠗࡉ࡝࠶࠼⚻ᷣൊቯ
⺞ᢛൊቯ
ਅ᳓㆏
ਅ᳓㆏ᬺ
ߦࠃࠆ
ឃ಴ߩ
ౣ㈩ಽ
ਅ᳓㆏ᬺ
ߦࠃࠆ
ಣℂ
(
(
㕖㊄Ⲣ
⾗↥࡮
ᱜ๧⾗↥
4
㧔㊄Ⲣ
‫࡮↥⾗ޓ‬
‫⽶ޓ‬ௌ
‫ޓ‬㗄⋡㧕
4㨪4
᳓⾗↥ൊቯ
㕖㊄Ⲣ
⾗↥࡮
ᱜ๧⾗↥
%
㧔㊄Ⲣ
‫࡮↥⾗ޓ‬
‫⽶ޓ‬ௌ
‫ޓ‬㗄⋡㧕
%㨪%
ឃ಴ൊቯ
᳓⾗Ḯ
ᦼᧃࠬ࠻࠶ࠢ
࿾ਅ᳓
࿾⴫᳓
9
ߘߩઁߩ
⾗Ḯ
࿯ფ᳓
9
9,200.0
⸘
㧔න૏㧦
⽻ᐊ‫ޔ‬
ం㧕
⚐ឃ಴
9
100,000.0
9
᳓ߩᶖ⾌
9
᳓⾗Ḯ߳
'
⸘
㧔න૏㧦
᳓㊂‫ޔ‬
ਁণ㧕
⸘
㧔න૏㧦
%1&‫ޔ‬V㧕
ਅ᳓㆏
߆ࠄ
ᶏ߳
'
6
'
500.0
6
6
109,700.0
-466.6
159.1
2,683.6
-3,254.1
200.2
1,793.3
-25.1
408.1
7,380.0
428.7
1,814.5
527.2
5,594.8
-36.5
0.0
5,594.8
-1,360.1
53.4
613.6
-6,140.8
250.3
5,522.8
0.0
858.0
65.0
65.0
23.5
300.0
5.9
29.4
100.0
400.0
47.3
52.5
175.0
0.2
0.5
0.5
4.1
-55.3
-3.1
-79.7
-34.8
-301.0
-3.2
-4.5
-0.1
0.0
-2.3
0.0
-9.8
47.3
256.3
483.8
0.7
0.2
4.8
-50.0
0.0
0.0
-100.0
0.0
-423.1
-1.1
0.0
0.0
-100.0
0.0
0.0
-1.0
0.0
138.0
138.0
0.0
0.0
0.0
3,880.0
437.0
0.0
0.0
-2,443.0
-87.0
-1,787.0
-4,317.0
13,711.3
1,000.2
16,379.5
2,470.0
213.6
2,683.6
311.8
78.3
1,403.2
1,793.3
5,484.9
1,828.3
66.8
7,380.0
1,797.8
0.0
16.7
1,814.5
498.5
498.5
27.7
0.0
585.9
613.6
2,599.7
113.0
2,810.1
5,522.8
-11,283.2
5,594.8
420.0
23,015.0
23,435.0
-21,125.0
-21,474.0
553.0
109,582.7
17,650.0
17,650.0
-349.0
-9,430.0
-9,430.0
-10,000.0
8,840.6
-10,000.0
100,189.1
498.5
-11,283.2
5,594.8
12,691.9
- 103 -
2,019.6
5,594.8
最終消費支出、F39 ~ F43 行との交点は貯蓄である。ま
融資産に対する投資を F36 ~ F38 行との交点に、調整
た F35 列(金融機関)は F30 行との交点で年金基金年
勘定の内容を R01 行との交点に記録する。これらを合
金準備金の変動を支払い、F32 行(家計)はそれを F30
計した値を期末残高として C01 行との交点に記録する。
同様に金融資産の期首残高を O02 ~ O08 行との交点
列との交点で受け取る。
F07 ~ F09 行は最終消費支出を受け取り、それを同列
に項目ごと記録する。金融資産に対する投資を F46 ~
から F01 ~ F06 行に支出する。これは最終需要を構成
F52 行との交点に、調整勘定の内容を R02 ~ R08 行と
する。
の交点に記録、これらを合計した値を期末残高として
F39 ~ F43 行は貯蓄を受け取る。各制度部門は同行と
C02 ~ C08 行との交点に記録する。
一方、F39 ~ F43 行は各制度部門が保有する正味資産、
F44 列の交点で資本移転等を、F45 列との交点で資金過
不足と貯蓄投資差額の差 34 を受け取り、さらに F46 ~
負債の期首・期末残高および蓄積を示す。
F52 列との交点で金融取引により資金を調達する。各制
度部門はこれらの合計を投資資金とする。
正味資産の期首残高を O01 列との交点に記録する。
貯蓄を F31 ~ F35 列との交点に、資本移転等を F44 列
各制度部門は F39 ~ F43 列において、それを投資に
との交点に、資金過不足と貯蓄投資差額の差を F45 列
まわす。F36 ~ F38 行との交点は非金融資産に対する投
との交点に、調整勘定の内容を R01 列との交点に記録
資、F46 ~ F52 行との交点は金融資産に対する投資であ
する。これらを合計した値を期末残高として C01 列と
る。F10 ~ F14 行との交点は固定資本減耗を負値で表す。
の交点に記録する。
F36 ~ F37 行は前者に対する投資を受け取り、それを
同列から F01 ~ F06 行に支出する。これらは最終需要
同様に負債の期首残高を O02 ~ O08 列との交点に項
目ごと記録する。負債の増加を F46 ~ F52 列との交点に、
を構成する。F38 行に記録される土地の購入(純)は制
調整勘定の内容を R02 ~ R08 列との交点に記録、これ
度部門間の取引であるため、行和は 0 である。
らを合計した値を期末残高として C02 ~ C08 列との交
F46 ~ F52 行は後者に対する投資を受け取り、F55 列
点に記録する。
との交点で海外から流入した資金を受け取る。それら資
金は前述のように、F46 ~ F52 列と F39 ~ F43 行の交点
F55 列、F55 行は海外が保有する資産、正味資産・負
債の期首・期末残高および蓄積をそれぞれ示す。
において各制度部門の資金調達に用いられる。同列と
F55 行の交点は海外へ流出した資金を示す。
【水の循環】
F53 列は経常取引に伴う海外の支払いを示し、F53 行
F01 ~ F06 列は各産業の生産構造を示す。同列は中間
は同様に海外の受取を示す。同列と F01 ~ F06 行の交
投入などに加え、他の経済単位から受けた水の使用を
点は純輸出、F54 行との交点は経常対外収支である。経
F56 行との交点に、環境からの水の汲み上げを F64 ~
常対外収支に資本移転等の受け払いを加えた値は、資本
F69 行 と の 交 点 に 記 録 す る。F64 ~ F69 行 は W01 ~
取引の収支を示す。それを正味資産の変動として F54 列
W04 列との交点において、水を地表水、地下水、土壌水、
と F55 行の交点に示す。
その他の資源から汲み上げる。
F01 ~ F06 行は各産業の産出構造を示す。同行は中間
次に調整勘定、期末部分の構造を考察する。
資産価格の変化など、各制度部門が保有する資産、負
需要、最終需要に加え、他の経済単位への水の供給を
債、正味資産の価値の変化分を R01 ~ R08 列および行
F56 列との交点に、環境への水のリターンを F57 ~ F62
に記録する。またそれぞれの期末残高を C01 ~ C08 列
列との交点に記録する。各産業は前者を F56 行で使用
および行に記録する。これらの部分の構造は期首部分と
する。後者を F57 ~ F62 行と W01 ~ W04 列の交点に記
同じである。
録、水を地表水、地下水、土壌水、その他の資源へとリ
ターンさせる。
最後に資産、負債、正味資産の蓄積を考察する。
また各産業が F01 ~ F06 列で使用した水量と、同行
F39 ~ F43 列は各制度部門が保有する資産の期首・期
で供給・リターンした水量の差を、同行と F71 列の交
末残高および蓄積を示す。
非金融資産の期首残高を O01 行との交点に記録する。
固定資本減耗を負値で F10 ~ F14 行との交点に、非金
点に記録、水の消費量とする。なお、F71 行と W05 の
交点に水の消費量合計を記録する。
34
この差の制度部門間合計は統計上の不突合の産業間合計と等しい。
- 104 -
家計の水の使用を F08 列(家計)に、水の供給・リ
ターン、消費を F08 行に記録する。環境からの水の汲
それらの合計が期末の水量であり、それを C-W 行と
の交点に記録する。
み上げ、環境への水のリターン、経済内の水のフローの
【汚染物質の排出・処理】
記述は産業と同様である。
領域内における地表水、地下水、土壌水など水資源間
前述のように F01 ~ F06 行は各産業の産出構造、水
のフローを記述するため、F72 ~ F76 行、F72 ~ F76 列
の供給・リターン、消費を示す。同様に F08 行は家計
を設ける。F72 ~ F74 行と F72 ~ F74 列の交点で、行部
の最終消費支出、水の供給・リターン、消費を示す。さ
門の水資源から列部門の水資源への水のフローを記述す
らにそれらの行は F77 ~ F79 列との交点で汚染物質の
る。
総排出を記録する。
例えば F72 行に示される河川など地表水では、資源
未処理または現地処理後、水に直接排出された汚染物
が人工貯水池や湖など他の地表水へ 2,393.0、地下水へ
質を F01 ~ F06 行、F08 行と F77 ~ F78 列の交点に記録
50.0 流出する。それらの合計は 2,443.0 である。それを
するとともに、F77 ~ F78 行と F80 ~ F87 列の交点にも
同行と F76 列の交点に負値で記録する。同行の行和は 0
記録する。これらは後に純排出の一項目となる。
下水道に排出された汚染物質を F01 ~ F06 行、F08 行
である。さらに F76 行と W01 列の交点に 2,443.0 を、地
と F79 列の交点に記録するとともに、その合計を F05
表水から他の資源への流出として負値で記録する。
一方、F72 列に示される地表水には、資源が他の地表
列と F79 行の交点にも記録、それを下水道業に投入する。
水から 2,393.0、地下水から 87.0、土壌水から 1,400.0 流
下水道業はそれを処理し、汚染物質を減少させる。また
入する。それらの合計は 3,880.0 である。それを同列と
下水道業が収集した都市流出水に含まれる汚染物質含有
F75 行の交点に負値で記録する。同列の列和は 0 である。 量を F05 列と F-E 行の交点に記録する。それもまた下
さらに F75 行と W01 列の交点に 3,880.0 を、他の資源か
水道業に投入される。
下水道業による減少量を F05 列と F87 行の交点に負
ら地表水への流入として正値で記録する。F75 行の行和
値で記録するとともに、減少量を各産業・家計に配分、
も 0 である。
W01 ~ W04 列は期首・期末の水量、経済活動・自然
F87 列と F01 ~ F06 行、F08 行の交点に負値で記録する。
下水道業による処理後の汚染物質の量を F05 行と F88
現象に伴う水量の変動を示す。
同列と O-W 行の交点に期首の水量を水資産ごとに記
列の交点に記録する。これはもともと各産業・家計が下
水道に排出した汚染物質であるので、産業・家計別に再
録する。
F57 ~ F63 行との交点に産業・家計による環境への水
のリターン量を正値で、F64 ~ F70 行との交点に産業・
配分し、それらを F88 行と F80 ~ F86 列の交点に記録
する。
F80 ~ F86 列と F77、F78 行、F88 行の交点は汚染物
家計による環境からの水の汲み上げ量を負値で記録する。
さらに F75 行との交点で領域内その他の資源からの流
質の純排出を示す。
入量を加算、F76 行との交点で領域内その他の資源への
F80 ~ F86 行と E01 ~ E02 列の交点に、水に直接排
流出量を減算する。FW1 および FW2 行で降水量、上流
出された汚染物質を排出先別に記録する。同行と E03
領域からの流入量を加算、FW3 ~ FW5 行で蒸発量、下
列の交点には、下水道業を通じて各産業・家計が排出し
流領域や海への流出量を減算する。
た汚染物質を記録する。これらは環境に蓄積される。
- 105 -
参考文献
おわりに
de Haan, M.(1998)“Water in the Dutch national accounts: a
‘NAMWA’ for 1991”Netherlands Official Statistics, Vol.13,
pp.10-pp.23(http://www.cbs.nl/NR/rdonlyres/DB55BFBF-
私たちの生活や経済活動は水と深い関連を持つ。今日、
230D-45B9-85FA-EB2E9ADB8FDE/0/nos983.pdf、2012 年
水には需要の増加、供給の制約がより一層生じており、
水を考慮に入れた統計、経済分析が必要である。
11 月 8 日アクセス)
European Commission(2010)“Economic and Social Analysis
SEEA-Water は SNA 中枢体系や産業連関表が捉えない
for the Initial Assessment for the Marine Strategy Framework
①経済活動に伴う水の使用・供給など、②自然現象であ
Directive: A Guidance Document”
(http://www.havochvatten.
る降水、蒸発散など、③水のストックおよび経済活動・
se/download/18.64f5b3211343cffddb2800021986/13286040
自然現象に伴う水のフローを捉え、
「経済活動」「水の循
82289/Final+report+WG+ESA+Guidance+Document+no+1.
環」
「汚染物質の排出・処理」の三者を統合的に捉える
勘定体系である。
pdf、2012 年 11 月 8 日アクセス)
Godley, W. and M. Lavoie(2007)Monetary Economics: An
integrated Approach to Credit, Money, Income, Production
本稿では SEEA-Water を構成する各勘定表の見方・構
造を整理し、それら勘定表が互いに関連を持ち、SEEA-
and Wealth(New York: Palgrave Macmillan)
Hoekstra, R.(2006)“Present Status and Future Developments of
Water が「体系」として上記の事項を捉えていることを
the Dutch NAMEA(オランダの NAMEA の現状と展開。
明らかにした。さらに SNA サテライト勘定であるという
要旨)”(http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou020/hou20-
統計の特性および行列の伸縮性を生かし、SEEA-Water
を拡張、
SNA 中枢体系が捉える
「経済循環」
、SEEA-Water
2b-2.pdf、2012 年 11 月 8 日アクセス)
Schenau, S.(2006)
“NAMWA: The Dutch system of Water
Accounts”(http://unstats.un.org/unsd/environment/envppt/
が捉える「水の循環」
「汚染物質の排出・処理」を、本
稿が日本版 NAMWA と呼ぶひとつの勘定行列上にリン
wasess5b4schenau.ppt、2012 年 11 月 8 日アクセス)
Schenau, S., R. Delahaye, B. Edens, I. van Geloof, C. Graveland
and M. van Rossum(2010)“The Dutch environmental
クして示した。
accounts: present status and future developments”(http://
水の重要性を鑑みれば、日本においても SEEA-Water
www.cbs.nl/NR/rdonlyres/2A3C5F8B-1920-4497-BC81-
をより一層整備し、分析に活用することは意義深いと考
769A03BB6DBE/0/2010Presentstateandfuturedevelopmentsof
える。今後、統計の整備を進めるとともに、SEEA-Water
体系の検討、それに基づく経済モデルの構築が必要であ
theDutchenviron.pdf、2012 年 11 月 8 日アクセス)
United Nations Statistics Division(2012)System of
る。
Environmental-Economic Accounting for Water(http://unstats.
un.org/unsd/envaccounting/seeaw/seeawaterwebversion.pdf、
2012 年 10 月 20 日アクセス)
van der Veeren, R., R. Brouwer, S Schenau and R. van der Stegen
(2004)“NAMWA: A new integrated river basin information
system”(http://www.helpdeskwater.nl/publish/pages/5396/an
ewintegratedriverbasininformationsystem.pdf、2012 年 11 月
8 日アクセス)
van Rossum, M. and M. van de Grift(2009)“Regional Analysis:
Differences in Emission-Intensity Due to Differences
in Economic Structure or Environmental Efficiency?”
Journal of Sustainable Development, Vol.2, No.3, pp.4356(http://www.ccsenet.org/journal/index.php/jsd/article/
download/3297/3684、2012 年 11 月 8 日アクセス)
河野正男(2011)「ハイブリッド型統合勘定への水に関する
環境・経済統合勘定の組み込みについて」『中央大学経
済研究所年報』第 42 号、pp.275-299。
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2010)『季刊
国民経済計算 水に関する環境・経済統合勘定の推計
作業 報告書』No.143。
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2012)
『平成
24 年版 国民経済計算年報』メディアランド株式会社。
- 106 -
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部編(2012)『水に
関する環境・経済統合勘定の推計作業 報告書』(http://
www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/kankyou/kankyou_
top.html)
。
福石幸生(2009)
「日本水利用産業連関表の作成と課題―生
産活動によって誘発される淡水取水量―」『産業連関』
第 17 号第 3 号、pp.57-73。
牧野好洋(2010)「『水に関する環境・経済統合勘定』の構造
と推計の試み―水に関する環境・経済統合勘定の構造に
ついて―」会計と社会研究会(中央大学)・国民経済計
算研究会(専修大学)合同研究会報告論文。
宮近秀人(2010)「『水に関する環境・経済統合勘定』の構造
と推計の試み―水に関する環境・経済統合勘定の推計結
果―」会計と社会研究会(中央大学)・国民経済計算研
究会(専修大学)合同研究会報告論文。
- 107 -
季
刊
国 民 経 済 計 算 №150
平成 25 年 3 月 27 日 発行
編 集
内閣府経済社会総合研究所
国
民
経
済
計
算
部
〒100-8970
東京都千代田区霞が関3-1-1
TEL 03
(3581)
0631
発 行
メディアランド株式会社
〒103-0012
東京都中央区日本橋堀留町1-9-2 ICSTビル6F
TEL 03(5649)7070
落丁、乱丁本はおとりかえします。
Fly UP