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脳や体を動かす電気信号で ロボットアームを動かして

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脳や体を動かす電気信号で ロボットアームを動かして
第1版
2012/09/10
簡易筋電計による理科体験授業
脳や体を動かす電気信号で
ロボットアームを動かしてみよう!
マッスルセンサー®で体験するブレイン・マシン・インターフェイス
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第1版
2012/09/10
マッスルセンサー®の回路構成と動作(筋電位の処理手順)
■マッスルセンサー®は筋肉の電圧変化(筋電位)を感知し、デジタルのオンオフ信号として出力
します。回路内部での処理は、次の順番でおこなわれていきます。
① 差動増幅回路とカットオフフィルタ
筋肉の電圧変化を増幅し、カットオフフィルタで、直流成分と低周波のノイズ成分を除去します。
この波形は、筋電位の生波形で、振幅の大きなと
ころが筋電位が発生しているところです。
②
反転増幅回路とハイパスフィルタ
信号の振幅を調整し、環境ノイズを除去します。
③ 全波整流&平滑化回路
信号のマイナス部分をプラス側に変換することで、信号の絶対値をとります。
④
非反転増幅回路
信号強度の微調整をおこないます。
⑤
比較演算回路(コンパレータ)
信号の強度により、1Vを閾値として Low と High に切り分け、出力をデジタル変換します。
⑥
出力ドライブ回路(出力電流増幅)
増幅された筋電位をうけて、出力端子に接続した豆電球やDCモーターなど(直流3Vで動作可能
なもの)の機器をON、OFFします。
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パート1
マッスルセンサー®で筋電位を見てみよう
■マッスルセンサー®は、筋肉の動きによって誘起する電圧の変化(筋電位)を検知し、デジタル
信号として出力することができます。実験には以下の機材を用意してください。
1
マッスルセンサー®本体
1台
2
電極ケーブル
1本
写真は製品版マッスルセンサーに使用されてい
るものですので、ヒラトキに使用しているものと形
状が異なりますが、扱い方は同様です。
3
ディスポーザブル電極
3枚(1人分)
4
出力端子ケーブル
1本
5
豆電球(ソケットつき)
1個
3
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■マッスルセンサー®の準備
下の図のように筋肉の上に電極を3カ所取り付けます。
① 筋電位の信号をとるための電極を貼りつけます(図は前腕の筋肉につけた例
です)。筋肉の上に 5cm ぐらい離して信号をとるための電極を2枚とアース
用の電極をすこし離れた筋肉の無い場所(肘など)に1枚を貼り付けます。
このとき、汗などの汚れを消毒用アルコールなどでふき取った後、よく乾か
してから電極を貼りつけると綺麗な信号がとれます。
②電極にケーブルをとりつけます。赤色と黄色のケーブルを、クリップにはさ
んでとめます。アースの電極には緑色のケーブルをとりつけます。
③電極ケーブルは、増幅度調整ツマミの右端子に差し込みます。このとき、増
幅度調整ツマミが最小位置(一番左)になっていることを確認してください。
電源スイッチをオンにして、LED が点灯しないことを確認してください。LED
が点灯する場合は、電極がしっかり貼れていないので、皮膚に密着するよう
にしっかり貼ってください。
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第1版
版
2012/09/100
マッスルセンサー®に豆電球
球を接続して
て筋電位で点
点灯させてみ
みる。
① 腕に電極を取
腕
取り付けてマッ
ッスルセンサ
サー®に接続し
したら、腕の筋
筋肉を動かし
した時にLED
Dが点
灯
灯する位置ま
まで増幅度調整ツマミを右
右方向に回しま
ます。
*図は電極が
がついていませ
せんが、電極を
をつけてから増幅度の調整
整をしてくださ
さい。
個人差がありますが、平均
均的には、ほ
ほぼレベル4ぐ
ぐらいで点灯し
します。
マ
サー®の出力
力端子(PC)に、
、豆電球を接
接続します。
② マッスルセンサ
の筋肉に力を
を入れた時に
に豆電球が点
点灯することを
を確認します。
。
③腕の
この
のとき、自分で
で力を入れず
ず他の人に腕
腕を動かしても
もらうと、豆電
電球は点灯し
しません。これ
れは筋
肉が
が弛緩していないので筋電
電位が発生し
していないため
めです。
注意!
豆電球
球は筋電位の
の電圧で点灯しているわけではありません。
マッス
スルセンサー®に入っている
る乾電池の電圧で豆電球を
を点灯させてい
いますが、筋電
電位で ON or OFF
を制御
御しています。
。
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第1版
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パート2
センサーボードを使ってキャラクターを動かしてみよう
■マッスルセンサー®でPC上のキャラクターを制御することができます。
PCに市販のセンサーボードを接続して、スクラッチというコントロールプラグラムを使用する準備
をします。
実験には、パート1で使用した機材に加えて、PC1台と以下の機材を用意してください。
1
センサーボード
1個
(ナノボード)
2
アイソレーターボード
1個
3
接続用ケーブル
1本
*マッスルセンサーで使用する出力端子ケーブルと同じものです
ので、パート1で使用したものに加えてもう1本用意します。
4
USBケーブル
1本
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センサーボードにマッスルセンサー®を接続します
■マッスルセンサー®とセンサーボードを接続して、PCでコントロールする準備をします。
①マッスルセンサー®はアイソレーターボードを介してセンサーボードへ接続します。
アイソレーターボードにはマッスルセンサー®を4台まで接続でき、接続端子はセンサーボード
側と同じ表示の、それぞれAとA、BとB、CとC、DとDをペアになるように使用します。
リード線は赤いマークがついている側がプラスですので、アイソレーターボードの赤い線に接
続してください。端子は相互に接触しないように注意してください。
センサーボードと
同じA∼Dに端子
に接続します。
マッスルセンサー®Ⅱ
はA∼Dに各1台接続
できます。
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■センサーボードとPCを接続してスクラッチの動作を確認します。
①スクラッチを起動します。
②スクラッチがセンサーボードを認識しているかどうかを、次の手順で確認します。
左上の機能欄から
③表示された機能メニューから
を選択します。
上で右ボタンを2秒ぐらい押します。
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④表示されたメニューから 【Scratch Board 監視板を表示】 を選択します。すると、右上のネコの
左あたりに、Scratch Board 監視板が表示されます。
・下図左のように数値が表示されていればセンサーボードの準備は完了です。
・右図のように数値がすべて 0 の場合はセンサーボードがスクラッチに認識されていませんの
で次の手順で認識させる必要があります。
■スクラッチにセンサーボードを認識させる
スクラッチにセンサーボードがどこにつながっているかを、ポートの番号で教えてあげる
必要がありますので、次の手順で接続されているポートの番号を調べます。
ここでご紹介する方法は windowsXP の画面ですが、windows7 でも同様の方法で設定します。
①コントロールパネルを開きます。
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②システムをダブルクリックして開き、上のタブからハードウエアを選択します。
③デバイスマネージャをクリックすると下の様なウインドウが開きます。
ポート(COM と LPT)の左にある+を押すとポート番号が表示されます。
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④表示された中から Prolific USB-to-Serial Comm Port(COM*)の表示をさがします。
例では COM3 なのでポート3に接続されていますが、別の番号の場合もあります。
これでポート番号がわかりましたので、これをスクラッチに教えてあげます。
⑤スクラッチにポート番号を設定するには、Scratch Board 監視板の上で、右ボタンを 2∼3
秒押すと下の図の様な表示が出ますので、いちばん上の「シリアルか USB のポートを選
択」を選択します。
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⑥ポートの一覧表が表示されますので、先程のポート番号を選択します。
⑦Scratch Board 監視板に数値が表示されるようになれば接続完了です。
これで、センサーボードが使用できるようになりました。
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■PCとセンサーボード、スクラッチの準備ができたら、センサーボードの動きを確認してみよう。
1.センサーボードには、マッスルセンサー®の接続端子(A∼D)以外にも次の様なセンサーが搭
載されています。
2.それぞれのセンサー入力は、true か false または1∼100までの数値としてスクラッチに送ら
れます。
①スイッチボタン
押している(true)かいない(false)かを知らせます
②スライダー
左右に移動させると数値が変化します
③音センサー
音で数値が変化します
④光センサー
まわりの明るさで数値が変化します
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画面上のネコを、マッスルセンサー®で左右に動かしてみよう!
■スクラッチでネコの動きを設定します。
①スクラッチはスクリプトという簡単なプログラムを作って動かします。
コントロールにはセンサーボード上のボタンと明るさセンサーを使用します。
②スクリプトは
をクリックすると動き始め、●をクリックすると止まります。
下のスクリプトは、センサーボードのスイッチと明るさのセンサーでキャラクター(ネコ)を動か
すスクリプトです。
スイッチを1回押すと、ネコが右へ、光センサーを少し暗くすると左へ動いていきます。
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■マッスルセンサー®でネコの動きを制御するには・・。
センサーボードのセンサーを【抵抗-A】、と【抵抗-B】に変更します。
マッスルセンサー®はセンサーボードのAとBに接続します。
*同様にCとDを使用する場合は【抵抗-C】と【抵抗-D】に変更し、マッスルセンサー®Ⅱも、CとD
に接続します。
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パート3
モーターを動かしてみよう
マッスルセンサー®でレゴ(WeDo)のモーターをコントロールしてみよう。
■最初は1個のモーターで動く観覧車を動かしてみよう。
①レゴでつくった観覧車にモーター1個とUSBハブを接続します。
②スクラッチで設定する機能は、モーターのオン/オフと回転方向です。
② いろいろな制御パターンを試してみましょう。
例:左右の手にマッスルセンサー®をつけて、右手に力を入れると右回転、左手に力を入れると
左回転になるプログラムを考える。
【スクラッチのスクリプト例】
このスクリプトは、マッスルセンサー®を2台使って観覧車の左右回転をコントロールす
るスクリプトの例で、Aセンサーの筋電位で右回転、Bセンサーの筋電位で左回転となり、
両方同時に入力があると動きません。
*この他にもいろいろアイデア次第で、様々なスクリプトができると思いますので、
いろいろと考えてみてください。
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■4軸のクレーンロボットを8台のマッスルセンサー®で動かしてみよう。
レゴで4個のモーターを使った4軸制御のクレーンロボットを作りました。このロボ
ットは下の図のように前後、上下、回転の動きに加えて、物をつかむこともできます。
ロボットには USB ハブを介して A∼D の4個のモーターが接続されていますので、1
個のモーターを2人で操作し、8人の共同作業で1つのタスクをこなすことになります。
観覧車のスクリプト等を参考にして、ロボットアームがうまく動作するスクリプトを考え
てみましょう。
スクリプトは、モーターAとモーターBの2軸を1台のハブとPCで制御しますので、
2台のPCで4軸分のモーターを制御することになります。
マッスルセンサー®は1軸で2台必要なので、4軸で8台必要になります。
*クレーンロボットのデザインは、日本科学未来館よりご提供いただきました。
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・この理科実験仕様のマッスルセンサー®は、生理学研究所において日本科学未来館との
共同で開発されました。
・マッスルセンサー®は生理学研究所の登録商標です。
・スクラッチは、全米科学財団、マイクロソフト、インテル財団、ノキア、アイオメガ、MIT メディアラ
ボ研究コンソーシアムの資金援助により、MIT メディアラボのライフロングキンダーガーテング
ループにより開発されました。
謝辞
2軸制御センサーボード(ナノボード)については、津田塾大学非常勤講師 阿部和広先生、
ちっちゃいものくらぶ 新村とも氏の多大な技術協力をいただきました。この場を借りて感
謝いたします。
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