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マニラの学会に参加して 学会の感じが違う

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マニラの学会に参加して 学会の感じが違う
マニラの学会に参加して
今回フィリピンの学会に呼ばれてマニラで学会に参加した。11 月 16 日の朝に臨床神経生
理学会で講演をして、19 日の午後に神経学会で講演をするという事になり、15 日の夜にマ
ニラに到着して、20 日の朝に帰国するという予定になった。2 回しか話さないのに、同じ
ホテルに 5 泊するのである。ノボテルは、世界各地にあるが、マニラのノボテルは 2 年前
にできたもので、かなり居心地の良いホテルである。ただし、相変わらず交通渋滞は悲惨な
状態で、空港からホテルまで 1 時間以上かかった。そこで、時間があるので車の中で、コン
ピュータを見ながらメールをしていたら、車酔いをした。道が平らでなく、渋滞していて運
転が荒いと、僕の前庭機能でも耐えられなかったようで、長い滞在に暗雲が立ちこめた。
学会の感じが違う
学会初日に、磁気刺激の話をしたが、全く質問が出ないで、驚いた。ただ、私の講演以外で
も、質問が出ないのは、フィリピンでの普通の事だと解った。質問がある人は、後から個人
的に質問に来た。20 年、30 年前の日本を思わせた。30 年くらい前に学会で質問した時に、
当時の教授の萬年先生に、公衆の前で質問せず、後で個人的に聞きなさいと注意された事を
思い出す。当時の東大の医局員で、この教えに必ずしも従わなかったのは、私と村山君かも
しれない。
吉良先生は偉い
16 日の朝ホテルで食事をして
いると、九州大学の吉良先生に
お会いした。吉良先生は、マニ
ラにすでに 5,6 回来ていると言
うことで、フィリピンに関して
教えていただいた。今年の学会
の学会長が吉良先生の所に留学
経験がある Arnold Angelo M.
Pineda と言う事で、吉良先生は
Gilbert
Gomez
Memorial
Lecture と言う特別講演での講
演で、写真のように、講演の後
フィリピンの神経学会の父とも
言える方の写真の前で、写真に収まっていた。吉良先生がアジア方面の若い人を学会に呼ぶ
時に、日本神経学会で大いに働いていらっしゃるひとつの理由を見たと思う。私の招待は、
普通の講演であり、講演の後少しだけ写真を撮ることがあっただけである。
皆さんの一年に一回の社交場
学会そのものより、みんな元気
学会長
司会の先生
学会長
木村淳先生
のお弟子さん
吉良先生の
お弟子さん
私の講演の司会の先生
Fellows night と言う催し物があり、審査員に
なってほしいと言うことで参加した。それまで
学会をやっていた会場が上に示すように変わ
り、皆さんが楽しみしているようであった。紅
白歌合戦を思わせる司会が登場して、4 つの団
体(2,3 の大学、病院がひとつのチームにな
る)それぞれ作成のビデオ(約 10 分)を見せ
て、できばえを競うものである。すべて、医師、
医療関係者が出演して、踊り満載のビデオで度
肝を抜かれる。今年の最優秀は、クロット・バ
スターズという題名の血栓溶解が出来る様に
なったと言うビデオで、良くできていた。さすがにアメリカ文化に彩られた雰囲気を出して
いた。審査委員長として、ここは日本も負けてはいけないと思い、We are the world を少し
だけ歌った。受けは良かった。学会場での質問のなさ、静かさに比べて、このイベントでエ
ネルギーの大きさは驚くものであった。そこで、審査委員長としての挨拶では、エネルギー
をイベントの準備に使って学会では元気がないのだろうと言う事と、舞踏病という病気を
良く研究している学会だと納得したと述べてみた。一応受けた。そして翌日のミオクローヌ
スの講演では、私のビデオを少し紹介した。内容は、全く前日のものとは事なり、京都の学
会の宣伝でしたので、意味はあったと思う。
伊勢丹が違う
ノボテルは、左上にあるようなホテルで新しくて、素晴らしいものである。そしてその隣に
は、大きな店がたくさん入るモールがあり、中国系フィリピン人のお金持ちのもちもので、
シンガポールなどにあるものと同様で近代化されていて、素晴らしい。そのすぐそばに、も
うひとつ“いせたん”という名の店があった。日本の伊勢丹があるのかと思い入ってみると、
なんと服を床の上に置いて販売していて、お客がそれに群がっていた。なにかおかしいと思
い、よく見てみると、ISETANN と N がひとつ多いのである。ひとつの文化を感じた。
病院訪問
講演のない間の日に、フィリピンの臨床神経生理学会長の病院を訪問した。新しい病院で、
最新の機械などがたくさん有り、外国からの入院する人もたくさん来る、かなり差別化され
た病院で、部屋はホテルのようにきれいで、病院の中にスターバックスを始め、様々な店も
入っていた。さらに、健康診断をするセクションもあり、そこは右下にしめすように待合室
はとても近代的である。
韓国製磁気刺激
韓国製の磁気刺激装置があるということで、試してみた。私自身を刺激して見たが、単発刺
激装置としては、使えるものであった。実は、2 相性刺激しかできないもので、治療器とし
て売っているようである。単発で、MEP を誘発できて、検査機器としても使えると確認し
た。ただし、刺激電流の方向に関しては、理解が十分とはいえないので、それに関して説明
してきた。今回フィリピンに来て、最も私が役立った出来事かもしれない。
日本料理
訪問した病院は、多くの銀行、会社の本社、大使館などがある霞ヶ関のようなとこにある。
そこで、昼ご飯をいただいたが、なんと日本食で良いかと聞かれた。確かに、中国人、韓国
人がやっている日本食ではなく、本物であり、昼から寿司、鉄板焼きをいただいた。
大統領は偉い
正直さ ロドリゴ・ドゥテルテ大統領とマルコス大統領
フィリピンの大統領に対する一般の人の感想は僕らが持っているものとは、かなり違う。
第二次大戦後にアメリカ文化に染められたフィリピン固有の文化を取り戻す事を実行して
いて、それなりの評価がある。一番驚いたのは、彼の発言は正直で良くて、嘘を言ったりし
ないと言う評価である。アメリカ大統領に選出されたトランプに通じるものがある。驚いた。
そういうことなら、僕のように何でも言ってしまう人でも大統領になれるかもしれない。言
いたいことを言ってしまうために、政治家でなくてもデメリットを受けてきた私には興味
深い感想であった。そして、なんと新聞にあるように大統領がペルーを訪問している間に、
冷凍保存されていた前大統領のマルコス大統領の遺体がお墓に葬られたようだ。知らない
間に起きれば、良いでしょうと言う現大統領の態度でしょう。今の大統領の管理能力を感じ
た。ただし、かなりの人を殺戮しているという事実を、もちろん見逃すわけにはいかない。
スペイン、フランス、英国、日本、アメリカに影響された多くの歴史を少しだけ学んだ。小
学校から英語を学ぶようになり、世界に出て行く時のメリットを感じつつも、もともとの言
語を話せない若者が増えていくデメリット、自国の文化が失われていくなどの問題がある。
この状況の中で、アメリカの思うようにはならないぞと言う意思表示と、海洋での中国との
関連と多くの側面を持っている国の難しさがあるのであろう。
さすがに5泊も外国にいると、早く日本、福島に帰りたいと思う。帰国後に多くの仕事が残
っているのが心配でならない。
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