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1~3月期(PDF:134KB)
総務省統計局 家計調査 平成25年(2013年)1∼3月期平均結果の概況 − 家計収支編(二人以上の世帯)− Ⅰ 家計収支の概要 1 消費支出は2期ぶりの実質増加 図2 消費支出の対前年同期実質増減率の推移 2013年1∼3月期の二人以上の世帯(平均世帯 (%) 5 人員3.06人、世帯主の平均年齢57.8歳)の消費支 消費支出 4 3 出は、1世帯当たり1か月平均291,066円で、前年 2 同期に比べ名目2.1%の増加、実質2.8%の増加と 1 0 なった。 -1 最近の消費支出の動きを対前年同期増減率でみ -2 -3 ると、2012年1∼3月期以降3期連続で名目実質 消費支出(除く住居等注1) -4 -5 共に増加となった後、10∼12月期に減少となった Ⅳ 2010年 が、2013年1∼3月期は再び名目実質共に増加と なった(図1) 。 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 2011年 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 2012年 季節調整済実質指数で消費支出の足元の動きを みると、2013年1∼3月期は101.7となり、前期 図1 消費支出の対前年同期増減率の推移 (98.0)に比べ実質3.8%の上昇となった。 また、消費支出(除く住居等注1)についてみる と、 2013年1∼3月期は100.8となり、 前期 (98.2) に比べ実質2.6%の上昇となった(図3) 。 図3 消費支出(季節調整済実質指数)の推移 (2010年=100) 104 103 消費支出 102 101 注)Ⅰは1∼3月期、Ⅱは4∼6月期、Ⅲは7∼9月期、 Ⅳは10∼12月期を表す。以下同じ。 100 99 また、消費支出(除く住居等注1)についてみる 98 と、 2013年1∼3月期は前年同期に比べ実質1.8% 97 の増加となった(図2) 。 96 消費支出(除く住居等注1) Ⅳ 2010年 Ⅰ 2011年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 注1) 「住居」のほか、 「自動車等購入」 、 「贈与金」及び「仕 送り金」を除いている。これらの見方については、 「家 計調査の結果を見る際のポイント」No.4(下記U RL)を参照されたい。 http://www.stat.go.jp/data/kakei/point/pdf/poi nt04.pdf 1 家計調査 総務省統計局 2 交通・通信、 「その他の消費支出」 、食料など また、 教養娯楽用品 (0.17) を含む教養娯楽 (0.29) が実質増加に寄与 のほか、被服及び履物(0.07) 、住居(0.06) 、教 2013年1∼3月期の消費支出の対前年同期実質 育(0.05)及び家具・家事用品(0.01)も増加に 増減率に対する寄与度(%)を、増加及び減少に 寄与している。 寄与した費目別にみると、 自動車等関係費 (1.14) 、 一方、灯油などの「他の光熱」 (-0.14)を含む 通信(0.20)などを含む交通・通信(1.46)のほ 光熱・水道(-0.15) 、保健医療(-0.04)は減少に か、仕送り金(0.36)や諸雑費(0.26)を含む「そ 寄与している(図4) 。 の他の消費支出」 (0.69) 、野菜・海藻(0.10)や 酒類(0.08)を含む食料(0.33)が増加に寄与し ている。 図4 2013 年1∼3月期における消費支出の対前年同期実質増減率に対する費目別寄与度 (%) (%) -1.5 -1 0 -0.5 0.0 00 食 料 ( ( 肉 野 類 菜 ・ 海 ) 藻 ) ( 果 物 ) ( 酒 類 ) 住 居 ( -0.47 0.5 家 賃 地 代 光 熱 ( -0 05 ( -0.14 家 ・ 電 気 他 の 具 水 0.33 0.10 0 05 0 08 0.06 ) ・ 家 ) 熱 事 用 ) 品 ( 家 庭 用 耐 久 財 ) ( -0 05 家 事 雑 貨 服 及 ( -0.04 保 び 履 0.01 0.07 ) ( 家 事 用 消 耗 品 ) 被 0 54 道 代 光 物 洋 服 ) 健 医 療 0 05 0.07 0 08 ( 保 健 医 療 サ ービ ス) -0 05 交 通 ( ・ 交 通 通 1.46 信 ) 0.11 ( 自 動 車 等 関 係 費 ) ( 通 信 ) 教 育 ( 授 教 業 料 養 等 娯 ) 1.14 0.20 0 05 0 08 楽 ( 教 養 娯 楽 用 品 ) ( 教 養 娯 楽 サ ービ ス) 0.29 0.17 0.13 そ の 他 の 消 費 支 出 ( ( -0.07 ( ( 諸 こ 雑 づ 交 仕 費 か 際 送 い 費 り 15 0 05 ( 設 備 修 繕 ・ 維 持 ) -0.15 1.0 金 0.69 ) ) 0.26 0 08 ) ) 0.36 注) 1. 黒棒は10大費目を表す。 2. 「その他の消費支出」、こづかい、交際費及び仕送り金の増減率の実質化には、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合) を用いた。 2 家計調査 総務省統計局 図6 実収入の対前年同期実質増減率に対する 寄与度の推移 3 全ての世帯区分において支出が増加 消費支出の実質増減率を、世帯区分(世帯主が (%) 4 会社、官公庁、工場などに勤めている「勤労者世 3 帯」 、商人、個人経営者、法人経営者などの「勤労 その他 2 者以外の世帯(無職世帯を除く) 」 、無職の「無職 世帯主の配偶 者の収入 1 0 世帯」 )別にみると、2013 年1∼3月期は、全て 世帯主収入 -1 の世帯区分で、前年同期に比べ実質増加となって 社会保障給付 -2 実収入 -3 おり、特に勤労者世帯の増加幅が最も大きくなっ -4 た(図5) 。 -5 Ⅳ 2010年 図5 消費支出の世帯区分別対前年同期 実質増減率の推移 Ⅰ Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 2012年 Ⅰ 2013年 Ⅱ 最近の家計消費の特徴 (%) 6 うち勤労者以外の世帯 (無職世帯を除く) 1 全ての財・サービス区分が実質増加に寄与 うち勤労者世帯 消費支出からこづかい、贈与金、 「他の交際費」 4 及び仕送り金を除いた支出金額(以下「財・サー 2 ビス支出計」という。 )の四半期ごとの推移をみる 0 と、2013年1∼3月期は、前年同期に比べ実質 -2 うち無職世帯 2.9%の増加となり、2012年1∼3月期以降5期連 -4 続の実質増加となった。これを四つの区分(耐久 二人以上の世帯 -6 Ⅳ 2010年 Ⅰ Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ 2012年 Ⅲ Ⅳ 財、半耐久財、非耐久財及びサービス)別にみる Ⅰ 2013年 と、全ての区分が実質増加に寄与しており、寄与 が高いものから順に、耐久財、サービス、非耐久 4 勤労者世帯の実収入は実質増加 財、半耐久財となった(図7) 。 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入の推 移をみると、2013年1∼3月期は、前年同期に比 図7 財・サービス支出計の対前年同期 実質増減率に対する寄与度の推移 べ実質0.7%の増加となった。これを収入項目別 (世帯主収入、世帯主の配偶者の収入、社会保障 (%) 5 給付注2、その他注3)に実質増減率に対する寄与度 4 財・サービス支出計 3 をみると、世帯主の配偶者の収入及びその他が増 サービス 2 加に寄与している。一方、世帯主収入及び社会保 非耐久財 半耐久財 1 耐久財 0 障給付は減少に寄与している(図6) 。 -1 -2 注2)主として厚生年金などの公的年金給付。勤労者世帯 には、世帯主が勤めながら公的年金を受給している 高齢者の世帯なども含まれている。 -3 -4 Ⅳ 2010年 注3) 「実収入」から「世帯主収入」 、 「世帯主の配偶者の収 入」及び「社会保障給付」の和を差し引いた。 「他の 世帯員収入」 、 「事業・内職収入」などが含まれる。 Ⅰ Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ 2012年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 注)財・サービス区分別消費支出は、品目分類の結果から 集計しており、財・サービス支出計には、こづかい、 贈与金、 「他の交際費」 及び仕送り金は含まれていない。 3 家計調査 総務省統計局 図9 電気掃除機の四半期別支出金額及び 購入数の対前年同期増減率の推移 2 耐久財への支出は2期ぶりの実質増加 2013 年1∼3月期の耐久財への支出は、前年同 (%) 100 期に比べ実質 23.0%の増加となり、2012 年7∼ 80 9月期以来2期ぶりの実質増加となった。 支出金額 実質増減率 支出金額 名目増減率 60 耐久財の特徴的な品目の動きをみると、次のよ 40 うになっている。 購入数増減率 20 0 ① 「他の冷暖房用器具」 -20 消費者物価指数変化率 -40 空気清浄機などの「他の冷暖房用器具」は、イ Ⅱ 2011年 ンフルエンザの流行、花粉の大量飛散、 「PM2.5」 Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 ③ 移動電話 による大気汚染などへの懸念が広がったことで、 移動電話は、 スマートフォン (高機能携帯電話) 空気清浄機への需要が高まったことなどもあり、 への人気が高まっていることに加え、2012 年秋に 2013 年1∼3月期の支出金額は、前年同期に比べ 高速データ通信サービス対応のスマートフォンが 実質 50.8%の増加となり、 2012 年7∼9月期以降 相次いで発売されたことなどもあり、 2012 年 10∼ 3期連続の実質増加となった(図8) 。 12 月期の支出金額は、前年同期に比べ大幅増加と なった。続く 2013 年1∼3月期も、増加幅は縮小 図8 「他の冷暖房用器具」の四半期別 支出金額の対前年同期増減率の推移 したものの、実質 40.0%の増加となり、2012 年 7∼9月期以降3期連続の実質増加となっている (%) 100 (図 10) 。 80 実質増減率 60 名目増減率 40 図 10 移動電話の四半期別 支出金額の対前年同期増減率の推移 20 (%) 0 120 実質増減率 -20 100 消費者物価指数変化率 -40 名目増減率 80 60 -60 Ⅱ Ⅲ Ⅳ 2011年 Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 40 20 0 ② 電気掃除機 -20 電気掃除機は、サイクロン式への切替えやロ -40 消費者物価指数変化率 -60 ボット型の需要などもあり、2013 年1∼3月期の Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 支出金額は、前年同期に比べ実質 52.1%の増加と なり、2012 年4∼6月期以来3期ぶりの実質増加 となった(図9) 。 4 家計調査 総務省統計局 図 12 宿泊料の四半期別 支出金額の対前年同期増減率の推移 3 サービスへの支出は5期連続の実質増加 2013 年1∼3月期のサービスへの支出は、前年 (%) 30 同期に比べ実質 1.8%の増加となり、2012 年1∼ 実質増減率 名目増減率 3月期以降5期連続の実質増加となった。 20 サービスの特徴的な品目の動きをみると、次の 10 ようになっている。 0 ① 移動電話通信料 -10 消費者物価指数変化率 移動電話通信料は、スマートフォン(高機能携 -20 Ⅱ 帯電話)が普及したことなどもあり、2013 年1∼ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2011年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 2012年 3月期の支出金額は、前年同期に比べ実質 4.1% の増加となり、2012 年4∼6月期以降4期連続の 4 その他の注目される品目の動き 実質増加となった(図 11) 。 ① 保健用消耗品 マスクなどの保健用消耗品は、 インフルエンザ、 図 11 移動電話通信料の四半期別 支出金額の対前年同期増減率の推移 花粉、 「PM2.5」への対策として需要が高まったこ 8 となどもあり、2013 年1∼3月期の支出金額は、 6 前年同期に比べ実質 6.9%の増加となり、2012 年 (%) 10∼12 月期以降2期連続の実質増加となった(図 消費者物価指数変化率 4 13) 。 2 0 図 13 保健用消耗品の四半期別 支出金額の対前年同期増減率の推移 -2 -4 名目増減率 (%) 実質増減率 12 -6 Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ 10 Ⅰ 2013年 実質増減率 8 ② 宿泊料 名目増減率 6 宿泊料は、年末年始の休日の日並びが良かった 4 2 ことや、景気回復への期待感による消費者マイン 0 ドの改善などもあり、2013 年1∼3月期の支出金 -2 額は、前年同期に比べ実質 13.8%の増加となり、 -4 消費者物価指数変化率 -6 2012 年 10∼12 月期以降2期連続の実質増加と Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 なった(図 12) 。 5 家計調査 総務省統計局 図 15 電気使用量の対前年同月増減率の推移 ② ワイン ワインは、ペットボトル入りワインなどの低価 (%) 20 格商品の普及や、ワインへの人気が高まっている 15 ことなどもあり、2013 年1∼3月期の支出金額は、 10 5 前年同期に比べ実質 23.5%の増加となり、 2011 年 0 1∼3月期以降9期連続の実質増加となった(図 -5 14) 。 -10 電気使用量 対前年同月増減率 -15 -20 図 14 ワインの四半期別支出金額及び 購入量の対前年同期増減率の推移 注)家計調査では、電気代等の支払金額及び使用量につい ては、請求やメーターの検針があった日ではなく、調 査世帯が実際に支払った日(口座振替の場合は口座振 替日)に家計簿に記入される。したがって、利用(購 入)月と支払月に違いがあるため、月次の変化をみる 際は注意が必要である。 (%) 40 支出金額 実質増減率 支出金額 名目増減率 30 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 (月) 2013年 2012年 2011年 購入量増減率 20 10 2 灯油の購入量の推移 0 灯油の購入量の推移を月別にみると、円安によ 消費者物価指数変化率 -10 Ⅱ 2011年 Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2012年 Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ 2013年 り日本に輸入する原油の価格が上昇したこともあ り、2013 年1月は 43.396ℓ、2月は 40.249ℓ、3月 は 27.901ℓと、前年、前々年の同じ月に比べ、全 ての月で減少となった。特に3月は気温が高かっ た影響も重なり、前年同月に比べ 23.6%の減少と Ⅲ 最近の家計をめぐる事象 なった(図 16) 。 1 電気使用量の推移 電気使用量の増減率の推移を月別にみると、 図 16 灯油の月別購入量の推移 2013 年1月は、 前年同月に比べ 1.7%の増加、 2月 は 3.0%の減少、3月は 3.3%の減少となった。 (2010年=100) 140 消費者物価指数2013年(右目盛) 消費者物価指数2012年(右目盛) 2012 年 12 月及び 2013 年1月は例年に比べ気温が 120 低かったことなどもあり、1月の電気使用量は増 消費者物価指数2011年(右目盛) 100 (ℓ) 購入量2011年(左目盛) 加となった(図 15) 。 購入量2012年(左目盛) 60 購入量2013年(左目盛) 40 20 0 1 6 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 (月) 家計調査 総務省統計局 3 価格上昇・下落に伴う生鮮野菜の動き 4 値上げの発表により駆け込み需要があったと 2013 年1∼3月期は、天候の影響により、レタ 思われる品目 スやだいこんなど一部の生鮮野菜の価格が、1月 経済政策「アベノミクス」に伴う円安の影響な は上昇し、2月下旬から下落していった。 どにより原材料が高騰していることもあり、食用 この価格上昇・下落の影響があったと思われる 油、魚介の缶詰、ティッシュペーパー、トイレッ レタス及びだいこんについて、購入量の推移を月 トペーパーなどが4月以降値上げされることが各 別にみると、 価格が上昇していた 2013 年1月は前 社から発表された。 年同月に比べ減少しており、価格が下がっていっ 値上げの発表により駆け込み需要があったと思 た2月及び3月は増加している(図 17、18) 。 われる主な品目について、2013 年3月の結果をみ てみると次の表のようになっている(表) 。 図 17 レタスの月別購入量の推移 表 (2010年=100) 200 消費者物価指数2013年(右目盛) 4月以降の値上げの発表により駆け込み需要が 消費者物価指数2011年(右目盛) 150 消費者物価指数2012年(右目盛) あったと思われる主な品目(2013 年3月) 100 50 (g) 1,000 (%) 購入量2011年(左目盛) 購入量2012年(左目盛) 800 購入量2013年(左目盛) 品 600 目 名 400 支出金額 対前年同月 実質増減率 200 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10 9 11 12 (月) 図 18 だいこんの月別購入量の推移 (2010年=100) 200 魚介の缶詰 22.3 食用油 12.1 ティッシュペーパー 21.7 トイレットペーパー 11.7 消費者物価指数2011年(右目盛) 消費者物価指数2012年(右目盛) 消費者物価指数2013年(右目盛) 150 100 (g) 2,000 50 購入量2011年(左目盛) 購入量2012年(左目盛) 購入量2013年(左目盛) 1,500 1,000 500 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 (月) 7 家計調査