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北九州市総務企画局国際政策課 塩澤 亮介(第15期 多文化共生

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北九州市総務企画局国際政策課 塩澤 亮介(第15期 多文化共生
平成26年6月19日
国際文化研修「自治体外国人施策の実務について~はじめて担当する方へ~」
北九州市総務企画局国際政策課
塩澤 亮介(第15期 多文化共生マネージャー)
[email protected]
◆人口:967,539人
◆外国人:11,299人(約1.2%)
◆1901年の官営八幡製鉄所創業により、工業都市として発
展する。
◆1963年に当時の門司市、小倉市、
戸畑市、八幡市ならびに若松市の5
市が新設合併して発足。
◆深刻な公害問題を克服、現在では
その教訓を活かして環境問題に取り
組み、OECDより「グリーン成長モ
デル都市」として選定される。
1
北九州市の外国人登録者(住民登録者)数の推移
(人)
(各年3月末現在)
※平成24年(2012年)7月の入国管理法改正以降、短期滞在の外国人は登録数に含まれていない。
2
総人口に占める外国人人口の比率(政令指定都市の比較)
(%)
※推計人口は平成24年12月1日、外国人登録人口は平成23年12月末現在
※熊本市は2012年(平成24年)4月1日に政令指定都市に移行
3
北九州市の主な国別の外国人登録者数の推移
12,000
10,000
1,351 1,688 2,064 2,291 2,535
2,752 2,981 3,207 3,500 3,752 3,851
8,000
3,726
その他
3,219
6,000
ベトナム
インドネシア
イギリス
4,000 7,925 7,705 7,514
7,324 7,173 6,966 6,824
6,638 6,512 6,389 6,267 6,138
5,948
アメリカ
2,000
フィリピン
2 0 1 3年
2 0 1 2年
2 0 1 1年
2 0 1 0年
2 0 0 9年
2 0 0 8年
2 0 0 7年
2 0 0 6年
2 0 0 5年
2 0 0 4年
2 0 0 3年
2 0 0 2年
2 0 0 1年
0
中 国
朝鮮又は韓国
4
全国と北九州市の在留資格別の割合の比較
※平成25年12月末現在
5
本市の留学生数の推移
(人)
2000
1,801
1,761
1,718
1,737
1,622
1 ,6 2 8
1 ,5 3 8
1800
1600
1,378
1 ,1 9 6
1400
1 ,5 3 7
1,398 1,383
1200
901
1000
800
608
600
400
200
0
13年度
15年度
17年度
19年度
21年度
23年度
25年度
各年5月1日現在
6
各年5月1日現在
⇒ 7割弱が中国からの留学生
ベトナム、ネパールが急増
7





2000年以降、登録者数は増加したが、近年は減少傾向。人口に占め
る割合は全国平均の1.6%を下回る(人口に占める割合1.2%)。
国籍・地域別で見ると、特別永住者の大半を占める韓国・朝鮮籍が
10年前までは約8割であったが、年々、減少傾向にあり現在は5割弱
である。一方、中国籍は10年間で約1.5倍に増加している。近年は、
ベトナムやネパール籍が急増している。
外国人市民は、一部の地域に集住することなく、市内全域に居住し
ている。
留学生が日本の他の地域と比べて多く、ベトナム・ネパールからの
留学生が増加傾向にある。
特別永住者を除く永住者が増加しており、外国人の定住化傾向が強
まっている。
8
北九州市の多文化共生政策の位置づけ
アジアのゲートウェイを目指
した経済産業振興策の推進
アジアとの都市間連携基盤の強化、環黄海ACTIONの推
進、国際競争力のある産業の振興、交通・物流基盤のネッ
トワーク化の推進、アジアをリードする頭脳拠点の形成、
アジアからの人材・企業・投資の集積促進
世界に貢献し本市の国際競争
力を強化する国際協力の推進
アジアの低炭素化実現を目指した環境国際戦略の推進、ア
ジアとの絆を深める多様な分野での国際協力の推進、国際
協力に携わる人材の育成
アジアにおける多文化共生先
進都市を目指したまちづくり
多言語などによる効果的な情報提供の推進、外国人市民の
ニーズに応じた生活支援の充実、互いの違いを認め合う多
文化共生の地域づくり、外国人市民の社会参加と活躍の促
進、多文化共生施策の推進体制の強化
9
北九州市では、外国人市民一人一人を見ると、日本
語の習得や就職などの課題を抱えている方もいるが
、集住都市のように「派遣切り」や「不就学」など
の社会問題としては未だに顕在化していない…。
では、なぜ北九州市は多文化共生を国際政策の柱の
1つとして位置づけ、力を入れるのか?
10
グローバル化・少子高齢化
人口減少
市税収入の減少、労働力減少、市場縮小
などによる経済産業活動の停滞化
今後、継続的に社会活力を維持するためには
海外からの活力を導入することが不可欠
11
本市の人口の推移
単位 :人
1,080,000
1,065,078
1,060,000
1,056,402
1,040,000
1,026,455
1,019,598
1,020,000
1,011,471
1,000,000
993,525
980,000
976,846
960,000
940,000
昭和55年
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
【出所】総務省「国勢調査」(各年10月1日現在)
12
高齢化率の政令市比較
単位 :%
札幌
仙台
さい
たま
千葉
横浜
川崎
相模原
新潟
静岡
浜松
20.5
18.6
19.2
21.4
20.1
16.8
19.4
23.2
24.7
22.9
名古屋
京都
大阪
神戸
岡山
広島
福岡
北九州
21.2
23.0
22.5
23.1
21.5
20.0
17.6
25.2
堺
22.6
※ 平成22年国勢調査より(平成22年10月1日現在)
13
本市の出生数・出生率・合計特殊出生率の推移
昭和45年
◆出生数 19,564人
◆出生率 18.8
◆合計特殊出生率 2.00
平成24年
◆出生数 8,213人
◆出生率 8.5
◆合計特殊出生率 1.53
【出典】「人口動態統計(北九州市分)」
(北九州市保健福祉局)
14
【単位:千人】
平成22年までは国勢調査
平成27年以降は、国立社会保障・人口問題研究所
『日本の地域別将来推計人口』(平成25年3月推計)
15
【単位:億円】
1,584
1,593
1,686
1,675
1,609
1,576
1,598
1,556
⇒若干回復傾向にあるが、ピーク時に比べ、依然として低迷状況
16
地域の活性化
●外国人市民が住みや
すいまちづくり
●日本人市民の異文化
理解の向上
●地域の魅力づくり
地域に外国人が増加
地
⇒域づくりの新たな担い手へ
交流・滞在人口、
産業の集積
日本人市民と外国人市
民がともに地域をつくる
⇒多文化共生社会
17

多文化共生のまちづくりは、本市在住の外国人市民が安
心して暮らしていけるという視点に留まらず、新たに本
市を訪問し、生活する外国人が快適に滞在できるための
「受け皿」づくりとしての視点が重要である。

多文化共生を進めることは、外国人への支援が重要であ
るが、外国人自身が日本社会で自立する視点が重要であ
る。

外国人も地域社会の構成員として、支援される対象にと
どまることなく、地域社会を支える主体であるとの認識
を持ってもらい、地域づくりへ参画してもらう視点が重
要である。
18
■防災ハンドブック(4ヵ国語)の作成・配布
日本に住むうえで基礎的な防災知識などを盛り込んだハンドブックを、
振り仮名つきの日本語、英語、中国語、ハングルで作成
19
■多言語によるごみ出し分別大辞典(環境局業務課)
市外から転入してきた人(外国人も含む)に各区役所市民課窓口において
ゴミ袋とともに無料配布(英語・中国語・ハングル)
20
■外国語版自治会加入促進チラシ(市民文化スポーツ局区政課)
自治会加入を勧める外国語版のチラシを、各区役所の市民課窓口で配布
(2010年度~)
21
■外国人相談員による外国人インフォメーションセンターの開設
北九州国際交流協会(八幡西区)と小倉北区役所において、4ヵ国語(英語、
中国語、ハングル、日本語)による窓口を開設
■行政通訳ボランティアの派遣
区役所での相談や学校での面談などに行政通訳ボランティアを派遣
22
■外国人市民のための防災対策
外国人市民に対する防災意識の啓発と災害時に適切な行動が取れるよう知識
の普及をはかるために、外国人市民を対象とした防災講習会を開催。2013年
度は、起震車での地震体験、119番通報体験を実施。
23
■日本語教室の充実
●日本語教室ボランティアグループ開設のための支援
⇒日本語教室ボランティアグループが不足している地域を対象に、日本語教
育ボランティアの養成講座を開催し、新規の日本語教室ボランティアグル
ープの設置・運営の支援を展開(2012年度で新規開設は終了)
24
■医療通訳派遣事業
日本語でのコミュニケーションが難しい外国人市民が安心して医療機関を
受診できるように、専門的な通訳能力を持つ医療通訳スタッフを養成し、
医療機関へ派遣
■災害時通訳サポーターの養成
災害時に外国人が直面する問題や東日本大震災などの過去の災害時におけ
る実施の取組み、通訳ボランティアとしての役割などを学び、コミュニケ
ーション支援を担う人材の確保と養成
25
■市職員向け多文化共生研修会の開催
多文化共生に関する市職員向けの研修を実施し、現在の業務または今後携
わる業務において、外国人市民に配慮した事業の企画・実施が行えるよう
実践能力を身につけた職員の育成を図る
2013年度は、「やさしい日本語」をテーマに研修を実施(参加者数71名)
26
■日本人市民への意識啓発の推進
全ての日本人市民が外国人市民に対する誤解や差別、偏見をなくして、外国人
市民の人権も日本人市民の人権と同様に尊重される社会の形成を目的として、
毎年10月を「多文化共生推進月間」として設定し、啓発イベント等を実施
27
■ボランティア養成講座の開催
コミュニティ通訳(行政通訳や医療通訳などの通訳)や日本語教室ボランティ
アを養成する講座の開催
28
■外国人市民の声を市政に反映する仕組みづくり
外国人市民が抱える生活上の課題やニーズを把握するとともに、北九州市が
取り組むべき多文化共生施施策の課題について定期的に意見を求め、市政運
営に役立てることを目的として、「北九州市外国人市民懇話会」を開催
29
■国際ブリッジ人材支援事業(留学生支援)
30
■庁内横断的な推進体制の強化
外国人市民施策に関する全庁的な会議(国際戦略会議 多文化共生グループ)
を開催し、関係各課の事業の調整を図るとともに、連携して行う施策を検討
多文化共生G
国際戦略会議
庁内各課が実施する国際政策の
総合調整、新たな国際施策の企
画・立案などを所管する、関係
課長をメンバーとした連絡調整
会議
経済産業振興G
国際協力G
外国人市民が安心して暮
らすことができるまちづ
くりの推進に向けた、連
絡調整や企画立案などを
所管
海外からの企業・人材・観光客
の誘致、投資促進、海外ビジネ
ス支援などの経済産業振興の推
進に向けた、連絡調整や企画立
案などを所管
世界貢献だけでなく、海外にお
ける本市の認知度とブランド力
を高め、さらには本市の国際競
争力の強化や地域の活性化・人
材育成に繋がっていく国際協力
の推進に向けた、連絡調整や企
画立案などを所管
31
■地域におけるNPO団体等との連携
地域で国際化に向けた活動を行っているNPOやボランティア団体と、そ
れぞれの団体の特色ある活動を尊重しながら、多文化共生の推進のための
事業を協働して実施
32





多文化共生に関する日本人市民への意識啓発の
推進(外国人市民の人権尊重)
外国人児童への学習支援の充実
災害時などにおけるタイムリーな多言語情報提
供の仕組みづくり
外国人市民同士のコミュニティネットワークの
充実・強化
外国人市民の地域活動参加の促進
33
☆多文化共生を推進するためのキーワード☆
①「ニーズを把握する」
②「先進事例を参考にする」
③「関係者を巻き込む」
④「組織的に動く」
34
「ニーズを把握にする」
限られた財源やマンパワーの中では、自分の街の外国人市民の
ニーズや課題を的確につかみ、課題解決の優先順位をつけ、「でき
るところからコツコツと積み重ねていく」という意識で取り組む
(但し、社会経済情勢の急激な変化によって外国人住民の急増もあ
りうることを見据え、準備は不可欠)。
「先進事例を参考にする」
多言語による冊子やパンフレットなどは、参考となる他の地域で
の取組み事例が必ずあるため、一から力を注がずに、使えるものは
積極的に活用し、効率的に取り組む(もちろん担当者には相談を)。
35
「関係者を巻き込む」
「多文化共生」は住民施策の視点として取り組むものであり、行
政各部署を巻き込んでいくことが不可欠(行政内部において国際部
署だけの取組みでないことの意識付けが重要)。
さらに、費用対効果(安い費用で高い効果を生む)の視点から、
知恵と工夫を出していくとともに、全てを行政が担うのでなく、国
際交流協会、NPO、ボランティア、外国人コミュニティグループ
などの関係者と一緒に取り組む(特に国際交流協会と行政は車の両
輪)。
「組織的に動く」
人と人の繋がりで事業を進めていくことは重要だが、担当者が異
動になっても事業は継続するように、組織的に動く視点を持って取
り組む(外国人施策は法的根拠に基づくものでないことから、担当
者1人が頑張って事業を立ち上げても、その職員が異動になると、
事業が立ち消えることが多々ある)。
36
ご清聴ありがとうございました。
37
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