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第1章 秋田港および秋田空港を利用した貿易の状況

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第1章 秋田港および秋田空港を利用した貿易の状況
第1章
秋田港および秋田空港を利用した貿易の状況
本章は、各種データによる量的推移や、貿易関連事業者に対するアンケート調査、
個別ヒアリング等により、秋田港および秋田空港を利用した貿易の状況について、的
確に捉えることを目的としている。
1.秋田港を利用した貿易の状況
(1)秋田港の貨物取扱量
平成11年からの秋田港を利用した貿易に関して、輸出では毎年10%前後の伸
びで推移しているものの、輸入では減少傾向にある。
輸出の主な取扱品目は、硫酸、紙・パルプ、金属くず、輸送機械であり、輸
入では、原木、木材チップ、亜鉛鉱である。
①品目別輸出数量
(単位:トン)
品
目
平 成11年
化 学薬 品
平成12年
平 成13年
平成14年
161,204
241,386
248,072
276,931
紙 ・パ ルプ
83,670
96,887
75,486
86,788
金 属く ず
26,646
19,343
57,357
67,960
輸 送機 械
0
9,284
12,571
14,732
非 鉄金 属
7,953
3,653
7,738
6,401
そ の他
4,494
15,004
10,019
10,428
283,967
385,557
411,243
463,240
100
135.8
144.8
163.1
計
指数
(平成14年秋田県港湾統計年報)
② 国 別 輸 出 数 量 ( 平 成 14年 実 績 )
台湾 2.9%
(単位:トン)
国 名
数
量
ロシア 3.0%
オーストラリア 4.3%
比率
中 国
263,803
57.0%
韓 国
145,176
31.3%
オーストラリア
20,013
4.3%
ロシア
14,189
3.0%
台 湾
13,404
2.9%
韓国
タ イ
6,655
1.5%
31.3%
463,240
100.0%
計
タイ 1.5%
輸 出
463,240トン
(平成14年秋田県港湾統計年報)
- 1 -
中国
57.0%
③品目別輸入数量
(単位:トン)
品
目
平 成11年
平成12年
平 成13年
平成14年
原木
921,083
914,206
817,077
768,332
そ の他 木材
625,472
746,079
657,802
712,679
そ の他 金属鉱
359,392
332,381
367,647
297,590
56,418
63,691
60,178
49,640
木 製品
1,451
18,814
37,995
48,355
そ の他
350,360
331,959
310,585
102,446
2,314,176
2,407,130
2,251,284
1,979,042
100
104.0
97.3
85.5
そ の他 非金属 鉱物
計
指数
(平成14年秋田県港湾統計年報)
④ 国 別 輸 入 数 量 ( 平 成 14年 実 績 )
その他
(単位:トン)
国
名
数
量
オーストラリア
740,915
37.4%
ロシア
244,666
12.4%
韓国
187,580
9.5%
マレーシア
164,896
8.3%
アメリカ
97,218
4.9%
ニュージーランド
83,119
4.2%
インドネシア
72,444
3.7%
その他
388,204
19.6%
計
オーストラリア
19.6%
比率
37.4%
インドネシア
3.7%
ニュージーランド
4.2%
輸 入
1,979,042トン
アメリカ
4.9%
マレーシア 8.3%
韓国 9.5%
1,979,042 100.0%
(平成14年秋田県港湾統計年報)
- 2 -
ロシア
12.4%
(2)秋田港に就航しているコンテナ航路
秋田港には、現在、韓国・釜山航路が週5便、就航している。
釜山港は東アジアを代表するハブ港の一つで、ここを中継地として、中国、
東南アジア、北米、ヨーロッパなど世界各国との貿易が可能となっている。
また、平成16年3月には、待望の中国航路も開設され、今後さらなる貿易取
扱量の増大が期待されるところである。
ポシェット航路は、不定期便であるものの、中国、ロシア、北朝鮮、3カ国
の国境近くに位置しており、中国東北部(吉林省、遼寧省、黒龍江省)の玄関
口として注目される。
① 釜山航路(興亜海運)
平成7年11月11日開設
週 1便(木)
寄港地
釜山(日)→金沢(月)→富山(火)→新潟(水)→ 秋田(木) →釜山(土)
船
社
名 興亜海運(株)(本社:韓国ソウル市)
日本総代理店 三栄海運(株)(本社:東京)
秋田港代理店 日本通運(株)秋田海運支店
② 釜山航路(汎洋商船)
平成11年12月10日開設
週1 便(金)
寄港地
釜山(火)→新潟(木)→ 秋田(金) →富山(土)→直江津(土)→釜山(月)
船
社
名 汎洋商船 (株)(本社:韓国ソウル市)
日本総代理店 泉和 海運(株)(本社:東京)
秋田港代理店 秋田海陸運送 (株)
③ 釜山航路(東京船舶)
平成15年5月17日開設
寄港地
釜山(水)→ 秋田(金) →苫小牧(日)→釜山(火)
船
社
名 東京船舶(株)(本社:東京)
秋田港代理店 秋田海陸運送(株)
週1便(金)
④ 釜山航路(東暎海運)
平成16年1月31日開設
週1 便(土)
寄港地
釜山(水)→新潟(金)→ 秋田(土) →苫小牧(日)→釜山(火)
船
社
名 東暎海運(株)(本社:韓国ソウル市)
日本総代理店 ナビックス南星 (株)(本社:東京)
秋田港代理店 秋田海陸運送 (株)
⑤ 釜山・中国航路(興亜海運)
寄港地
平成16年3月1日開設
週 1便(月)
釜山(金)→新潟(日)→ 秋田(月) →金沢(火)→敦賀(水)→蔚山(木)
→釜山(金)→中国新港(日/月)→中国青島(火/水)→釜山(木/金)
船
社
名
日本総代理店
秋田港代理店
興亜海運(株)(本社:韓国ソウル市)
三栄海運(株)(本社:東京)
日本通運(株)秋田海運支店
⑥ロシア(ポシェット)航路
平成11年8月21日開設
不 定 期
寄港地
ポシェット→ 秋田 →ポシェット
船
社
名 延辺現通海運集団有限公司(本社:中国吉林省延吉市)
日本総代理店 秋田海陸運送(株)
秋田港代理店 秋田海陸運送(株)
- 3 -
(3)秋田港のコンテナ取扱量
秋田港のコンテナ取扱量は、平成13年に初めて2万本(20フィートコンテナ
換算)を超え、平成15年には過去最高の約2万5千本の取扱量となっており、
東北地方では仙台塩釜港に次ぐ第2位の取扱量である。
主な取扱品目は、輸出では、一般機械やその他紙類、輸送用機器、クラフト
紙であり、輸入では、製材や衣類、機械・輸送用機器である。
( 単位 :TEU )
平成7年 平成8年 平 成 9 年 平 成 10年 平 成 11年 平 成 12年 平 成 13年 平 成 14年 平 成 15年
輸出
206 1,778
3,404
2,966
4,249
4,988
4,713
5,817
5,975
輸入
140 4,935
7,467
6,577 11,513 13,668 15,848 17,220 18,452
合計
346 6,713 10,871
9,543 15,762 18,656 20,561 23,037 24,427
(函館税関秋田船川税関支署発表の速報値)
TEU
25000
輸入
輸出
20000
15000
10000
5000
0
7年
8年
9年 10年 11年 12年 13年 14年 15年
(平成)
- 4 -
①品目別輸出額 (平成15年コンテナ貨物取扱実績)
(単位:千円)
品
目
価
額
一般機械
2,452,745
その他紙類及び同製品
2,412,320
輸送用機器
2,232,222
クラフト紙
1,387,595
化学製品
522,956
亜鉛及び同合金
429,761
その他の金属及び金属製品
282,180
電気機器
156,221
繊維製品及び衣類
190,558
その他
632,469
計
10,699,027
(函館税関秋田船川税関支署発表の速報値)
②国別輸出額 (平成14年コンテナ貿易取扱実績)
(単位:百万円)
国
名
額
比率
韓国
2,564
32.6%
中国
1,324
16.8%
マレーシア
930
11.8%
インドネシア
913
11.6%
アメリカ
シンガポール
549
7.0%
4.9%
アメリカ
389
4.9%
シンガポール
タイ
361
4.6%
7.0%
香港
349
4.4%
台湾
236
3.0%
インドネシア
その他
260
3.3%
11.6%
計
価
台湾 3.0% その他 3.3%
香港 4.4%
タイ 4.6%
韓国
32.6%
輸 出
7,875百万円
中国 16.8%
7,875 100.0%
マレーシア 11.8%
( 平成 14年 函 館税 関 管内 コ ンテ ナ 貿易 概 況)
- 5 -
③品目別輸入額 (平成15年コンテナ貨物取扱実績)
(単位:千円)
品
目
価
製材
額
10,810,174
衣類及び同付属品
2,286,368
機械類及び輸送用機器
1,260,713
その他の木製品
896,981
合板
805,554
化学製品
479,520
金属及び金属製品
478,922
食料品
416,598
家具
340,833
非金属鉱物製品
213,027
織物用糸及び繊維製品
179,254
その他
1,788,659
計
19,956,603
(函館税関秋田船川税関支署発表の速報値)
④国別輸入額 (平成14年コンテナ貨物取扱実績)
(単位:百万円)
国
名
その他
額
比率
中国
5,580
28.5%
カナダ 2.0%
スウェーデン
3,297
16.9%
タイ 4.3%
インドネシア
2,278
11.6%
オーストリア
2,213
11.3%
フィンランド
価
1,051
5.4%
韓国
951
4.9%
台湾
871
4.5%
タイ
839
4.3%
カナダ
398
2.0%
その他
2,087
10.6%
計
10.6%
中国
28.5%
台湾 4.5%
輸 入
韓国 4.9%
19,565百万円
フィンランド
5.4%
オーストリア 11.3%
スウェーデン
16.9%
インドネシア 11.6%
19,565 100.0%
( 平成14年函館税関管内コンテナ貿易概況 )
- 6 -
2.秋田空港を利用した貿易の状況
(1)秋田空港の貨物取扱量
平成14年7月から貨物の取扱を開始しており、実績は以下のとおりとなって
いる。
主な取扱品目は、輸出では電気機器がほとんどであり、輸入では、雑貨、玩
具、一般機械類等である。
(単位:トン)
平成14年
平成15年
前年比
輸
出
36.5
93.0
254.8%
輸
入
2.6
7.8
300.0%
39.1
100.8
257.8%
計
(秋田県産業経済労働部産業経済政策課)
(2)秋田空港に就航している国際定期航路
平成14年4月に税関空港の指定を受け、同年7月からエアカーゴ(国際航空
貨物)の取扱が行われている。
秋田空港と結んでいる仁川国際空港は、中国、東南アジアや欧米と結ばれて
いるハブ空港であり、週3便就航している大韓航空のエアカーゴ取扱実績は、
世界ランクの上位を誇っている。
◎ ソウル(仁川)線
運航会社
KAL
平成13年10月29日就航
便数:週3往復
秋田空港→ソウル(仁川空港)
ソウル(仁川空港)→秋田空港
月・木・土
月・木 ・土
13:20発→15:50着
- 7 -
9:55発→12:10着
(3)県内の航空貨物の動向
県内の航空貨物について、平成14年度に函館税関が実施した物流動向調査に
基づき分析した。この調査は、9月と3月の2回、それぞれ1週間実施されて
おり、本項では、2回の調査の平均値で比較した。
積出空港のシェアは、成田空港が重量ベースで83.5%、金額ベースで86.7%
と圧倒的に多く、関西空港、仙台空港と続く。秋田空港のシェアは、重量ベー
スで1.3%、金額ベースで0.7%となっている。
輸出先は、アジアが最も多く、主な地域は中国、台湾、香港などとなってい
る。
90
輸出空港
%
80
輸出先
%
重量ベース
75
重量ベース
60
60
金額ベース
45
金額ベース
40
30
20
15
0
0
成田
関西
仙台
秋田
小松 名古屋
アジア
EU
北米
その他
(平成 14年度函館税関管内物流動向調査)
取卸空港のシェアは、成田空港が重量ベースで、92.2%、金額ベースで90.0
%と圧倒的に多く、関西空港、仙台空港と続く。秋田空港のシェアは、重量ベ
ースで0.5%、金額ベースで0.1%となっている。
輸入元はア ジアが大部分を占めて おり、地域は中国、韓国、タイ、フィリピ
ンなどである。
輸入空港
%
100
100
重量ベース
80
60
金額ベース
20
20
0
0
仙台
秋田
金額ベース
60
40
関西
重量ベース
80
40
成田
輸入元
%
新潟
アジア
EU
北米
その他
(平 成14年度函館税関管内物流動向調査)
- 8 -
3.県内の貿易関係組織・団体の状況
本項では、県内の貿易に関わる組織・団体等について、簡単な概要をつけて列挙し
たものである。
これらの組織等が、貿易に関する課題への対応の主体として役割を果たすことが期
待される。
(1)国関係
①財務省
函館税関秋田船川税関支署・函館税関秋田船川税関支署秋田空港出張所
貨物を輸出入する際の、書類の審査や検査および関税や船舶のとん
税、特別とん税の徴収などを行っている。
また、保税地域の許可、監督を行うほか、密輸や保税地域に出し入
れされる貨物の取締りも行っている。
②法務省
仙台入国管理局秋田出張所
外国人や日本人の出入国審査をはじめ、外国人の在留の管理、外国
人の退去強制、難民の認定および外国人登録に関する事務を行ってい
る。
③厚生労働省
仙台検疫所秋田船川出張所
海外から国内に人や船・航空機を介して、感染症等の病原体が国内
へ侵入することを防止し、輸入食品等の安全性を確保するため、検疫
や予防接種を行っている。
また、海外で流行している感染症などの情報提供や相談、および輸
入食品から国民の健康を守るために、輸入食品審査・監視も行ってい
る。
④農林水産省
ア
動物検疫所横浜本所仙台空港出張所(出張検疫)
家畜等の輸出入の際、 伝染病等の国内への 侵入を水際で防止する
ため検疫を行ったり 、家畜の疾病の病性鑑定や精密検査による診断 、
伝染性疾病研究等を行っている。
- 9 -
イ
横浜植物防疫所新潟支所秋田出張所
植物に被害をもたらす 海外からの病害虫( 検疫病害虫)の侵入を
未 然に防ぐため、港や空 港で輸入検疫を行っ たり、重要病害虫の国
内 でのまん延を防ぐため 国内検疫、諸外国の 要求に応じた輸出検疫
などの業務を行っている。
⑤国土交通省
ア
東北地方整備局秋田港湾事務所
港湾・航路・港湾に係る海岸の整備や保全、管理、および国が行
う海洋の汚染の防除を行っている。
イ
東北運輸局秋田運輸支局
海事思想の普及や港湾運送・倉庫業に関わる事業許認可、および
船員の職業安定業務、海洋環境の保護、外国船舶や水先人の監督な
どを行っている。
ウ
海上保安庁第二管区海上保安本部秋田海上保安部
海上交通安全情報の提供や海上における犯罪の予防・摘発、海難
事件の捜査、救難活動、海上工事・海上行事についての許認可など
を行っている。
(2)県関係
①産業経済労働部産業経済政策課
貿易の振興に関することをはじめとし、商工団体の育成指導、民間投
資の促進、県内の産業経済に関する調査や分析を行っている。
② 建設交通部建設交通政策課
交通体系の整備に関する調査・企画や航空路線の維持および拡充など
を行っている。
③ 建設交通部港湾空港課
港湾および空港の計画・整備および管理、市町村等の行う港湾事業の
指導および監督などのほか、港湾・空港管理事務所を所管している。
- 10 -
(3)関係団体
①独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)秋田貿易情報センター
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、諸外国との調和のとれた貿易の発
展を図るために、昭和33年、政府全額出資の特殊法人として設立され、
平成15年10月から独立行政法人になった。
秋田貿易情報センターは、地域の経済、産業・企業の国際化を支援す
るため、貿易関係情報の提供や貿易相談業務、各種セミナーや貿易実務
講座の開催などを行っている。
設
立 :平成6年10月
事 務 局 :4名(平成15年4月1日現在)
②秋田港国際化荷主協議会
秋田港および秋田空港の国際定期航路(便)の積極的な利活用を行うと
ともに、国際化を促進させるため、輸出入貨物の発掘や集約、国内外に
おける秋田港のポートセールス、国際定期航路(便)の拡充に関すること
などを行っている。
また、大連、長春、延邊に海外事務所を持っている。
設
立 :平成7年6月
会
員:正会員70企業 、賛助会員7団体( 平成15年4月1日現在 )
③秋田貿易振興会
貿易の振興を図ることにより、秋田県の経済発展に寄与することを目
的として、貿易サービスセンター(貿易情報の収集・提供、貿易に関す
る調査研究・講習会の開催や、海外取引の促進支援)を運営している。
設
立 :昭和56年12月
会
員:正会員70企業 、賛助会員18団体( 平成15年4月1日現在 )
④秋田県環日本海交流推進協議会
本県を環日本海交流の拠点として発展させることを目的に、官民が一
体となって、経済交流などの様々な交流の促進や交流基盤づくり、人材
の育成、フェリー利用促進などの活動を積極的に展開している。
設
立 :平成11年5月
会
員 :会員37団体(平成15年4月1日現在)
- 11 -
⑤秋田市貿易関連産業連絡協議会
市内企業の貿易への新規参入や既存取引の拡大を図るため、会員の貿
易に関する情報の充実、商品調達力・販売力の向上など、商社的機能を
強化することを目的として、貿易関連展示会参加に対する支援や秋田市
と共同で秋田港貿易フェアの開催などを行っている。
設
立 :平成11年8月
会
員 :会員24団体(平成15年4月1日現在)
⑥(仮称)秋田県貿易促進機構
県内の貿易関連団体の統合・一元化を図り、海外取引に意欲を有する
企業への実効性のある支援を行うため、平成16年5月に設立予定。
当該団体の設立にあたっては、前述の秋田港国際化荷主協議会、秋田
貿易振興会は、発展的に解消される予定。
(4)関係地元金融機関
L/C開設および外為業務のほか、取引先企業を中心とした、貿易関
連情報の提供、貿易実務に関する相談を行っている。
(5)海運貨物取扱業・通関業者
荷主や船社からの委託を受けて、港湾で海運貨物の受け渡し、船内荷
役、艀運送、沿岸荷役などの業務を一貫して行う。
また、税関官署に対して輸出又は輸入の申告、関税の納付、不服申立
て等の手続を、輸出入者に代わって代理・代行している。
(6)秋田市
秋田港臨港地区内での貿易関連施設の新増設する際、税・財政面での
支援や融資あっせんなどを行っており、秋田市貿易関連産業連絡協議会
に対して、輸出入関連展示会参加支援事業の補助も行っている。
また、個別訪問型ポートセールスを行うと共に、秋田港を利用した輸
出入の商品の展示販売のイベントも行っている。
さらに、貿易関連団体の活動を支援しているほか、港湾の利便性を高
めるために、国などへ施設整備要望を行っている。
- 12 -
4.市内貿易関連企業を対象としたアンケート調査の結果
本ビジョン策定のための重要な基礎資料とすべく、市内貿易関連企業368社を対象とし
て、アンケート調査を実施した。その結果は以下のとおりである。
(1)アンケート実施要領
(1)実施時期
(2)実施方法
(3)調査対象
(4)回 答 数
平成15年11月~12月
郵送によるアンケート調査
秋田市内の貿易関連企業368事業所
回答数188、回答率51.1%
(2)業種別内訳(問2)
選択肢
1 建設業
2 製造業
3 運輸・通信業
4 卸売業
5 小売業
6 飲食業
7 不動産業
8 サービス業
9 その他
※ 無回答
合 計
8 サービ
ス業
9 その他
※ 無回
答
回答数 構成比
28
14.9% 7 不動産
業
35
18.6%
10
5.3%
6 飲食業
42
22.3%
41
21.8%
4
2.1%
8
4.3% 5 小売業
15
8.0%
4
2.1%
1
0.5%
188 100.0%
1 建設業
2 製造業
3 運輸・
通信業
4 卸売業
アンケート調査は、ジェトロ秋田が作成した「秋田県貿易関連企業名簿」の掲載企業のう
ち市内企業210社と、秋田市が独自に把握している貿易関連企業158社を加えた合計368社を
対象とした。
回答のあった業種の主な内訳は、卸売業22.3%、小売業21.8%、製造業18.6%、建設業
14.9%となっている。
3 その他
(3)事業所形態(問3)
選択肢
1 本社
2 支社・支店・工場
3 その他
※ 無回答
合 計
回答数 構成比
165
87.8%
19
10.1%
2
1.1%
2
1.1%
188 100.0%
2 支社・
支店・工
場
※ 無回
答
1 本社
事業所の形態は、本社が全体の87.8%と最も多く、支社・支店・工場が10.1%、その他と
無回答がともに1.1%だった。
- 13 -
(4)事業所の概要(問4) 4 3億以
上
①資本金
選択肢
1 5,000万未満
2 5,000万以上1億未満
3 1億以上3億未満
4 3億以上
5 個人経営
※ 無回答
合 計
5 個人経
営
※ 無回答
回答数 構成比
3 1億以
137
72.9%
上3億未満
20
10.6%
10
5.3%
15
8.0%
5
2.7% 2 5,000万
以上1億未
1
0.5%
満
188 100.0%
1 5,000万
未満
資本金5千万円未満の事業所が全体の72.9%と圧倒的に多くなっている。
個人経営と資本金5千万円未満の合計は75.6%、資本金5千万円以上の企業の合計は
23.9%となっている。
②従業員数
選択肢
1 50人未満
2 50人以上100人未満
3 100人以上300人未満
4 300人以上
※ 無回答
合 計
回答数 構成比
130
69.1%
26
13.8%
18
9.6%
13
6.9%
1
0.5%
188 100.0%
4 300人
以上
3 100人
以上300
人未満
※ 無回
答
2 50人以
上100人
未満
1 50人未
満
従業員数50人未満の事業所が全体の69.1%と圧倒的に多くなっている。資本金とあわせて
分析すると、回答企業のうち8割以上が中小企業となっている。
【参考】
中小企業の定義(中小企業基本法第2条)
業 種
資本金又は出資金
卸売業
1億円以下
サービス業
1億円以下
小売業
5千万円以下
製造業、建設業、運輸業
3億円以下
その他の業種
- 14 -
従業員数
100人以下
100人以下
50人以下
300人以下
(5)貿易を行っているか(問5)
※ 無回
答
1 行って
いる
①貿易実施状況
選択肢
1 行っている
2 行っていない
※ 無回答
合 計
回答数 構成比
44
23.4%
139
73.9%
5
2.7%
188 100.0%
2 行って
いない
貿易の実施状況に関しては、「貿易を行っている」が44事業所(23.4%)、「貿易を行って
いない」が139事業所(73.9%)となっている。
無回答
輸出入
②輸出入の別
(貿易を行っていると答えた企業44社中)
選択肢
輸入
輸出
輸出入
無回答
合 計
回答数 構成比
30
68.2%
7
15.9%
5
11.4%
2
4.5%
44 100.0%
輸出
輸入
貿易を行っている企業44社の輸出入の別に関しては、輸入が68.2%、輸出が15.9%、輸出
入が11.4%となっている。
建設業
その他
③貿易を行っている企業の業種
(貿易を行っていると答えた企業44社中)
選択肢
建設業
製造業
卸売業
小売業
その他
合 計
回答数
4
9
16
9
6
44
製造業
構成比
9.1%
20.5%
36.4%
20.5%
13.6%
100.0%
小売業
卸売業
貿易を行っている企業の業種は、卸売業が16社(36.4%)、小売業が9社(20.5%)、製造業
が9社(20.5%)、建設業が4社(9.1%)となっている。
- 15 -
(6)貿易の形態(問6)
(貿易を行っている企業44社中、44社回答(複数回答あり))
選択肢
1 事業所独自
2 本社・親会社を通じて
3 系列会社を通じて
4 卸売業者・商社を通じて
5 その他
合 計
回答数
28
6
4
12
2
52
1 事業所独自
28
2 本社・親会社を通じて
6
3 系列会社を通じて
4
4 卸売業者・商社を通じて
12
5 その他
2
0
5
10
15
20
25
30
貿易の形態については、「事業所独自」が28と最も多く、回答の半数を超えている。
ついで、「卸売業者・商社を通じて」が12、「本社・親会社を通じて」が6と続いてい
る。
(7)貿易を行っていない理由(問7)
(貿易を行っていない企業139社中、134社回答(複数回答あり))
選択肢
1 業務の性質上関係ない
2 貿易実務の知識がない
3 相談先がわからない
4 情報入手が困難
5 品質面で不安
6 代金決済面で不安
7 コストが合わない
8 貨物量がまとまらない
9 外国語での交渉が困難
10 決定権が本社にある
11 その他
合 計
回答数
94
18
8
9
9
8
7
26
9
5
11
204
- 16 -
1 業務の性質上関係ない
2 貿易実務の知識がない
3 相談先がわからない
4 情報入手が困難
5 品質面で不安
6 代金決済面で不安
7 コストが合わない
8 貨物量がまとまらない
9 外国語での交渉が困難
10 決定権が本社にある
11 その他
18
8
9
9
8
7
26
9
5
11
0
5
10
15
20
25
30
貿易を行っていない理由としては、業務の性質上関係ないという回答が94と最も多かっ
た。
それ以外の理由としては、「貨物量がまとまらない」が26、「貿易実務の知識がない」が
18と続く。
総じて、「情報・ノウハウの不足」、「採算面での問題」が貿易参入の障害となってい
る。
(8)今後、貿易を行う可能性(問8)
(貿易を行っていない企業139社中)
選択肢
1 具体的に検討している
2 可能性はある
3 可能性ない
※ 無回答
合 計
回答数
3
28
104
4
139
※ 無回
答
構成比
2.2%
20.1%
74.8%
2.9%
100.0%
1 具体的
に検討し
ている
2 可能性
はある
3 可能性
ない
現在貿易を行っていない事業所のうち、今後、貿易を行う可能性については、「可能性な
し」が104事業所となっている。
「可能性はある」、「具体的に検討している」をあわせると、31事業所(22.3%)が、今
後、貿易を行う可能性があるとしている。
その他
(9)貿易実績(問9)
機械、部
品等
(貿易を行っている企業44社中、42社回答)
①輸出実績
輸出品目
機械、部品等
中古車・中古機械等
化学品等
食品
その他
合 計
食品
回答数
4
4
2
2
2
14
構成比
28.6%
28.6%
14.3%
14.3%
14.3%
100.0%
- 17 -
化学品等
中古車・
中古機械
等
その他
輸出相手国
中国
東南アジア
台湾
北米
ロシア
その他
合 計
回答数
5
5
3
3
3
3
22
構成比
22.7%
22.7%
13.6%
13.6%
13.6%
13.6%
100.0%
中国
ロシア
北米
東南アジ
ア
台湾
輸出実績について、主な輸出品目は、「機械、部品等」が4、「中古車・中古機械等」も
4となっている。
輸出相手国としては、中国、東南アジア、台湾などのアジアが13(59.0%)と最も多い。環
日本海という括りで見ると、中国・ロシアが8(36.3%)となっている。
②輸入実績
木製品
その他
輸入品目
木製品
雑貨
原材料等
食品
機械・部品等
その他
合 計
回答数
9
9
6
6
6
8
44
構成比
20.5%
20.5%
13.6%
13.6%
13.6%
18.2%
100.0%
機械・部
品等
雑貨
食品
輸入相手国
中国
東南アジア
北米
欧州
韓国
その他
合 計
回答数 構成比
17
39.5%
6
14.0%
6
14.0%
5
11.6%
4
9.3%
5
11.6%
43 100.0%
原材料等
その他
韓国
中国
欧州
北米
東南アジ
ア
輸入実績について、主な輸入品目は、「木製品」が9、「雑貨」も9となっている。
輸入相手国としては、中国、東南アジア、韓国などのアジアが27(62.8%)と最も多い。環
日本海という括りで見ると、中国・韓国が21(48.8%)となっている。
- 18 -
(10)輸送手段(問10)
(貿易を行っている企業44社中、43社回答(複数回答あり))
選択肢
1 コンテナ貨物船
2 バラ積み貨物船
3 航空貨物
4 その他
5 わからない
合 計
回答数 構成比
27
50.0%
12
22.2%
9
16.7%
3
5.6%
3
5.6%
54
100.0%
1 コンテナ貨物船
27
2 バラ積み貨物船
12
9
3 航空貨物
4 その他
3
5 わからない
3
0
5
10
15
20
25
30
海外との輸送手段について、「コンテナ貨物船」が27(50.0%)と最も多くの事業者が利
用している。
(11)海上貨物の主要ルート(問11)
(貿易を行っている企業44社中、32社回答(複数回答あり))
①輸出
積出港
中継港
荷揚げ港
秋 田
釜山
釜山
→
釜山
→
釜山
横 浜
→
東 京
→
神 戸
→
ハイメン
香港・キルン他
ポシェット
シンガポール
ウラジオストク
タイ・バンコク
ロサンゼルス
台湾
東南アジア
ロングビーチ
香港
ホノルル
輸出の場合、積出港が秋田港のルートが6件と最も多く、国別で見ると香港港を含む中
国が3件と最も多かった。
秋田→ウラジオストクについては、バルクカーゴである。
- 19 -
②輸入
積出港
上 海(7社)
上 海
青 島(2社)
大 連
大連、上海、ロシア
マレーシア
スペイン
メキシコ
スリランカ・コロンボ
ポシェット・羅津・釜山
台 湾(2社)
中 国
ブラジル・ベネズエラ
ナホトカ
ロサンゼルス
バンコク
バンクーバー
中継港
荷揚げ港
釜 山
→
釜 山
釜 山
釜 山
釜 山
釜 山
→
釜 山
釜 山
秋 田
→
横 浜
→
東 京
輸入の場合、積出港は上海港を含む中国が13件と最も多かった。
荷揚げ港は秋田港が17件で最も多かった。
上海・メキシコ→秋田については、バルクカーゴである。
(12)航空貨物の主要ルート(問12)
(貿易を行っている企業44社中、9社回答(複数回答あり))
①輸出
積出空港
成 田
中継空港
荷揚げ空港
→
台 北
高 雄
上 海
ハノイ
オスロ
輸出の場合、積出空港で記入があったのは成田空港のみ。荷揚げ空港は、アジア方面が
4空港となっている。
②輸入
積出空港
仁 川
サンフランシスコ
上 海
高 雄
ハノイ
仁 川
仁 川
中継空港
荷揚げ空港
→
仁 川
秋 田
→
成 田
→
大 阪
輸入の場合、積出空港は仁川空港が3件と最も多かった。
荷揚げ空港は成田空港が4件で最も多かった。
- 20 -
(13)輸出入の見通し(問13)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、52社回答(複数回答あり))
その他
①今後輸出が増加すると思われる国
国 名
中国
ロシア
韓国
北米
東南アジア
その他
合 計
東南アジ
ア
回答数 構成比
16
42.1%
6
15.8%
4
10.5%
4
10.5%
3
7.9%
5
13.2%
38
100.0%
中国
北米
韓国
ロシア
今後輸出が増加すると思われる国については、中国が回答数16(42.1%)と最も多く、以
下ロシア、韓国、北米と続いている。
環日本海地域で見ると、中国・ロシア・韓国の合計で回答数26(68.4%)と7割近くを占
める。
その他
②今後輸入が増加すると思われる国
中国
国 名
中国
ロシア
韓国
ベトナム
欧州
北米
その他
合 計
回答数 構成比
34
37.8%
11
12.2%
11
12.2%
6
6.7%
10
11.1%
7
7.8%
11
12.2%
90
100.0%
北米
欧州
ベトナム
韓国
ロシア
今後輸入が増加すると思われる国については、中国が回答数34(37.8%)と最も多く、以
下ロシア、韓国、ベトナムと続いている。
環日本海地域で見ると、中国・ロシア・韓国の合計で回答数56(62.2%)と6割以上を占
める。
(14)海運貿易における港別の利用割合(問14)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、31社回答)
①輸出
②輸入
回答数
主に秋田港を利用
主に東京・横浜港を利用
主に神戸・大阪港を利用
合 計
8
5
2
15
主に秋田港を利用
主に東京・横浜港を利用
その他
合 計
回答数
16
7
1
24
主な使用港に関して、輸出・輸入ともに秋田港という回答が最も多くなっている。
- 21 -
(15)今後の利用を検討している港(問15)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、26社回答(複数回答あり))
秋田港
八戸港
その他
合 計
回答数
22
2
9 ※その他の内訳
33 東京・横浜港、仙台港、酒田港、境港、舞鶴港、ポシェット、ボストチーヌイ
今後の利用を検討している港については、秋田港が最も多くなっている。
(16)航空貨物における空港別の利用割合(問16)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、10社回答)
①輸出
②輸入
回答数
主に秋田空港を利用
主に成田空港を利用
合 計
回答数
1
3
4
主に秋田空港を利用
主に成田空港を利用
合 計
4
4
8
主な利用空港に関して、輸出は成田空港の方が多く、輸入は秋田空港と成田空港が同数
となっている。
(17)今後の利用を検討している空港(問17)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、12社回答(複数回答あり))
秋田空港
青森空港
合 計
回答数
12
1
13
今後の利用を検討している空港については、秋田空港が最も多くなっている。
(18)利用する港・空港の決定方法(問18)
※無回答
(貿易を行っている、または今後可能性の
ある企業75社中)
選択肢
1 事業所で決定
2 本社等が決定
3 商社等が決定
4 取引先の指示
5 その他
※無回答
合 計
回答数 構成比
24
32.0%
16
21.3%
5
6.7%
9
12.0%
6
8.0%
15
20.0%
75
100.0%
1 事業所
で決定
5 その他
4 取引先
の指示
3 商社等
が決定
2 本社等
が決定
利用する港・空港の決定方法については、「事業所独自で決定」が24(32.0%)と最も多
くなっている。「本社が決定」と「商社が決定」を合計すると21(28.0%)となる。
- 22 -
(19)釜山航路の認知度(問19)
2 知らな
い
(貿易を行っている、または今後可能性の
ある企業75社中)
選択肢
1 知っている
2 知らない
合 計
回答数 構成比
67
89.3%
8
10.7%
75
100.0%
1 知って
いる
釜山航路については、貿易を行っている、または今後可能性のある企業の約9割が
「知っている」と答えた。
(20)今後必要な新規航路(問20)
(貿易を行っている、または今後可能性の
ある企業75社中、47社回答(複数回答あ
選択肢
1 図們江周辺
2 中国
3 韓国
4 東南アジア
5 北米
6 欧州
7 オセアニア
8 その他
合 計
回答数 構成比
11
16.2%
28
41.2%
8
11.8%
6
8.8%
9
13.2%
6
8.8%
0
0.0%
0
0.0%
68
100.0%
6 欧州
1 図們江
周辺
5 北米
4 東南ア
ジア
2 中国
3 韓国
今後、必要と思われる航路については、「中国」が28(41.2%)と最も多かった。ついで
多かったのが「図們江周辺地区」の11(16.2%)。
環日本海地域で見ると、「図們江周辺」「中国」「韓国」の合計で47(69.2%)となる。
また、回答のあった具体的な港名は以下のとおり。
地区名
図們江周辺
中国
韓国
東南アジア
北米
欧州
具体的な港名
ウラジオストク(2)、ポシェット、ボストチーヌイ、ハバロフスク、図們
上海(6)、大連(5)、香港(3)、天津、寧波、深セン
仁川
バンコク(3)、シンガポール(2)、香港・広州
ロングビーチ、シアトル、バンクーバー、サンフランシスコ、ロサンゼルス
ロッテルダム(2)、バレンシア
- 23 -
(21)秋田港の利用可能性(問21)
※無回答
①今後、秋田港の取り扱いが増える可能性
(貿易を行っている、または今後可能性の
ある企業75社中)
選択肢
1 可能性ある
2 可能性なし
※無回答
合 計
回答数 構成比
42
56.0%
22
29.3%
11
14.7%
75
100.0%
1 可能性
ある
2 可能性
なし
今後、秋田港を利用した取り扱いが増える可能性については、42事業所(56.0%)が「あ
る」と答えた。
そのための条件として、「秋田ならではの輸出商品開発」、「商品の単価・リスクが不
明」、「荷役機械の充実」、「定期航路開設」などがあげられた。
②「可能性なし」と答えた理由
(「可能性なし」と答えた企業22社中(複数回答あり))
選択肢
1 海上運賃が高い
2 航路・便数が少ない
3 輸送時間が長い
4 小口貨物が不便
5 使用港の変更手続が面倒
6 本社やグループの方針
7 秋田港の内容不明
8 その他
合 計
回答数
構成比
6.7%
13.3%
16.7%
16.7%
0.0%
10.0%
20.0%
16.7%
100.0%
1 海上運賃が高
2
4
5
5
0
3
6
5
30
2
4
5
7 秋田港の内容不明
5
0
3
6
5
0
1
2
3
4
5
6
7
秋田港を利用する可能性がない理由については、「秋田港の内容不明」が6件と最も多
くなっている。具体的には「関心がない」「使ったことがないので分からない」というも
のであった。以下「輸送時間が長い」、「小口貨物が不便」と続く。
- 24 -
(22)秋田港への要望事項(問22)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、40社回答(複数回答あり))
①ハード面での要望事項
1 防波堤、岸壁等
整備
選択肢
1 防波堤、岸壁等の整備
2 コンテナヤードの拡張
3 CFS設置
4 荷役機械等設置
5 公共上屋等の増設
6 民間倉庫等の増設
7 秋田港へのアクセス改善
8 展示場等の施設設置
9 その他
合 計
回答数
5
4
2
6
4
6
4
9
6
46
構成比
10.9%
8.7%
4.3%
13.0%
8.7%
13.0%
8.7%
19.6%
13.0%
100.0%
5
4
2
6
4
6
4
9
6
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
ハード面での要望事項としては、「展示場等の施設設置」が9件と最も多くあげられ
た。
続いて、「荷役機械等設置」、「民間倉庫等の増設」、「防波堤、岸壁等の整備」が多
くあげられた。
具体的に記述のあった内容の、主なものについては以下のとおり。
選択肢
1 防波堤、岸壁等の整備
2 コンテナヤードの拡張
3 CFS設置
4 荷役機械等設置
5 公共上屋等の増設
6 民間倉庫等の増設
7 秋田港へのアクセス改善
8 展示場等の施設設置
9 その他
具体的内容
静穏度の向上(2)、大浜の充実
専用埠頭・ヤードの整備、大浜の拡張
大浜にガントリークレーンを
雨対策、PFIによる増設と集中を検討してはどうか
公共倉庫の整備、保冷倉庫、危険物保管庫、PFIによる
増設と集中を検討してはどうか
高速道路までのアクセス(3)、向浜を含めた全体改善
日本中からバイヤーが集まるような施設、サービス業・
フード関連施設、卸売施設
くん蒸設備向上、港の利用方法がわかるガイドブック
- 25 -
②ソフト面での要望事項
選択肢
回答数
構成比
1 既存航路の寄港回数
6
6.3%
2 新規航路の開設
13
13.7%
3 既存航路の曜日・時間改善
1
1.1%
4 海上運賃低減
11
11.6%
5 荷役料など手数料の低減
13
13.7%
6 倉庫料など保管費用の低減
6
6.3%
7 陸送費用の低減
8
8.4%
8 小口貨物の利便性向上
14
14.7%
9 手続き時間の短縮
6
6.3%
10 商社機能の強化
4
4.2%
11 規制緩和による権限撤廃
2
2.1%
12 リードタイム短縮
7
7.4%
13 その他
4
4.2%
合 計
95
100.0%
6
1 既存航路の寄港回数
13
2 新規航路の開設
1
3 既存航路の曜日・時間改善
11
4 海上運賃低減
13
5 荷役料など手数料の低減
6
6 倉庫料など保管費用の低減
8
7 陸送費用の低減
14
8 小口貨物の利便性向上
6
9 手続き時間の短縮
4
10 商社機能の強化
2
11 規制緩和による権限撤廃
7
12 リードタイム短縮
4
13 その他
0
2
4
6
8
10
12
14
16
ソフト面での要望事項としては、「小口貨物の利便性向上」が最も多くあげられた。
続いて、「新規航路の開設」、「荷役料など手数料の軽減」、「海上運賃の低減」が多
くあげられている。
具体的に記述のあった内容の、主なものについては以下のとおり。
選択肢
1 既存航路の寄港回数
2 新規航路の開設
3 既存航路の曜日・時間改善
4 海上運賃低減
5 荷役料など手数料の低減
6 倉庫料など保管費用の低減
7 陸送費用の低減
8 小口貨物の利便性向上
9 手続き時間の短縮
10 商社機能の強化
11 規制緩和による権限撤廃
12 リードタイム短縮
13 その他
具体的内容
ポシェット航路の定期化、毎日出港
中国(4)、台湾、北米、シンガポール、地の利をいかした航路
毎日出港、24時間荷役
パッキング費用、輸入消費税
混載(2)、ポテンシャルあるNVOCCの立ち上げ
生鮮品の検査体制
中国に強い輸出運送業者
縦割り行政の撤廃
あらゆる輸出梱包に対応可能な施設と能力
- 26 -
(23)秋田空港の利用可能性(問23)
選択肢
1 可能性ある
2 可能性なし
※無回答
合 計
1 可能
性ある
※無回答
①今後、秋田港の取り扱いが増える可能性
(貿易を行っている、または今後可能性の
ある企業75社中)
回答数 構成比
19
25.3%
30
40.0%
26
34.7%
75
100.0%
2 可能
性なし
今後、秋田空港を利用した取り扱いが増える可能性については、19事業所(25.3%)が
「ある」と答えた。
そのための条件として、「搬入の利便性向上」、「貨物取り扱いが可能であることが周
知されていないのでは」などがあげられた。
②「可能性なし」と答えた理由
(「可能性なし」と答えた企業30社中(複数回答あり))
選択肢
1 航空運賃が高い
2 航路・便数が少ない
3 輸送時間が長い
4 積載能力が小さい
回答数
構成比
14
40.0%
4
11.4%
0
0.0%
5
14.3%
2
5.7%
2
5.7%
4
11.4%
4
11.4%
35
100.0%
5 使用空港の変更手続が面倒
6 本社やグループの方針
7 秋田空港の内容不明
8 その他
合 計
14
1 航空運賃が高い
4
2 航路・便数が少ない
3 輸送時間が長い
0
5
4 積載能力が小さい
5 使用空港の変更手続が面倒
2
6 本社やグループの方針
2
7 秋田空港の内容不明
4
8 その他
4
0
2
4
6
8
10
12
14
16
秋田空港を利用する可能性がない理由については、「航空運賃が高い」が14件と最も多
くなっており、以下「積載能力が小さい」、「航路・便数が少ない」、「秋田空港の内容
不明」と続いている。
- 27 -
(24)秋田空港への要望事項(問24)
(貿易を行っている、または今後可能性のある企業75社中、20社回答(複数回答あり))
①ハード面での要望事項
選択肢
1 滑走路等の整備
2 荷捌き施設の設置
3 荷役機械等の設置
4 民間倉庫等の増設
5 秋田空港へのアクセス改善
6 展示場等の施設設置
7 その他
合 計
回答数
1
4
3
5
1
7
0
21
構成比
4.8%
19.0%
14.3%
23.8%
4.8%
33.3%
0.0%
100.0%
1
1 滑走路等の整備
2 荷捌き施設の設置
4
3
3 荷役機械等の設置
5
4 民間倉庫等の増設
1
5 秋田空港へのアクセス改善
7
6 展示場等の施設設置
7 その他0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
ハード面での要望事項としては、「展示場等の施設設置」が7件と最も多くあげられ
た。
続いて、「民間倉庫等の増設」、「荷捌き施設の設置」が多くあげられた。
具体的に記述のあった内容の、主なものは以下のとおり。
選択肢
具体的内容
1 滑走路等の整備
A300Fクラスへの対応
2 荷捌き施設の設置
3 荷役機械等の設置
4 民間倉庫等の増設
保冷倉庫、危険物保管庫、ストックヤード
5 秋田空港へのアクセス改善
6 展示場等の施設設置
アンテナショップ
7 その他
- 28 -
②ソフト面での要望事項
選択肢
1 既存航路の寄港回数
2 既存航路の曜日・時間拡大
3 積載能力の増大
4 新規航路の開設
5 航空運賃の低減
6 荷役料など手数料の低減
7 倉庫など保管費用の低減
8 陸送費用の低減
9 手続き時間の短縮
10 商社機能の強化
11 規制緩和による権限撤廃
12 リードタイム短縮
13 その他
合 計
回答数
構成比
3.1%
3.1%
3.1%
9.4%
31.3%
15.6%
6.3%
3.1%
9.4%
6.3%
3.1%
6.3%
0.0%
100.0%
1
1
1
3
10
5
2
1
3
2
1
2
0
32
1
1
1
1 既存航路の寄港回数
2 既存航路の曜日・時間拡大
3 積載能力の増大
3
4 新規航路の開設
10
5 航空運賃の低減
5
6 荷役料など手数料の低減
2
7 倉庫など保管費用の低減
1
8 陸送費用の低減
3
9 手続き時間の短縮
2
10 商社機能の強化
1
11 規制緩和による権限撤廃
2
12 リードタイム短縮
13 その他
0
0
2
4
6
8
10
12
ソフト面での要望事項としては、「航空運賃の低減」が最も多くあげられた。
続いて、「荷役料など手数料の軽減」、「新規航路の開設」、「手続き時間の短縮」が
多くあげられている。
具体的に記述のあった内容の、主なものは以下のとおり。
選択肢
具体的内容
1 既存航路の寄港回数
2 既存航路の曜日・時間拡大
3 積載能力の増大
4 新規航路の開設
中国、北米
5 航空運賃の低減
仙台空港レベルまで安く
6 荷役料など手数料の低減
7 倉庫など保管費用の低減
8 陸送費用の低減
9 手続き時間の短縮
10 商社機能の強化
中国に強い輸出運送業者
11 規制緩和による権限撤廃
12 リードタイム短縮
国内6番目の24時間空港の認可を得て中型フレイターが運
13 その他
行すれば、様々な問題が必然的に検討される。
- 29 -
5.アンケートを基に実施した個別ヒアリングの概要
本項では、前項で実施したアンケート調査を基に、貿易の実施状況別に3つに類型化し、
直接個別に訪問して、アンケート調査の補完的意味合いも含めてヒアリング調査を実施した。
訪問社数は、「貿易を行っていないが、今後可能性がある・具体的に検討している」と答
えた企業9社。「貿易を行っているが、秋田港を利用していない事業所」3社。
「貿易を行っ
ており秋田港を利用している事業所」8社である。
訪問社数の偏りは、貿易参入の促進を図るための施策立案の参考とすべく、今後可能性が
ある事業所に対してのヒアリングに重点を置いたためである。
(1)貿易を行っていないが、可能性がある・具体的に検討している事業所(9社)
①A社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、今後行う可能性がある
小売業
本社
5,000万円未満
50人未満
・貿易実務知識がない ・貿易に関する情報入手困難 ・品質面で不安
・代金決済の面で不安 ・外国語での交渉困難
ヒアリング概要
・高級婦人服や服飾品の小売を行っている。
・貿易は行っていないが、過去に商社を通してイタリアからハンドバックを輸入したことがあ
る。(製品の数が少なかったことや、品物が小さいため、輸送に飛行機を利用した)
・ビジネスショウなどの展示会に行ったことがあるが、取引量が少ないため商談には至らない。
また、各種ダイレクトメールがくるが、アパレル関係のものが少なく、カタログには仕入れ
価格が入っていないことが多くて参考にならない。
(輸入するには自らが品物を手にとって、
素材を確かめ決断する必要がある)
・小口貨物での輸入について、同業者同士での仕入れは会社独自のノウハウなどが知られてし
まうことから行いたくない。(業種が違う企業となら可能である)
・韓国では、ファッションに関してはまだまだ後進国であり、日本のブランドや生地等が欲し
いと思っている人はたくさんいるはずで、その人達をターゲットに、衣料品等を秋田から韓
国に輸出したい。
- 30 -
②B社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、具体的に検討している
小売業
本社
5,000万円未満
50人未満
・貿易に関する情報入手困難 ・代金決済面で不安
・外国語での交渉困難
ヒアリング概要
・製材および建材の販売を行っている。
・過去に、商社経由でロシアから原木を輸入したことがあるが、工場の生産能力が小さいため
要求に応えることができず、一時的なことで終わった。(買入する企業は大量に安定供給で
きることを条件としていた)
・県内木材企業と共同で秋田特産の秋田杉だけを使用した木材会社を計画している。販売先・
材料の供給ルートは大方確保できている。
・新会社は、秋田港から中国へ秋田杉を輸出し、県経済や港の活性化にも役立てたいと考えて
おり、輸出ルートとして中国直行便が必要。
③C社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、今後行う可能性がある
製造業
本社
5,000万円未満
50人以上100人未満
・品質面で不安 ・代金決済の面で不安
・貨物量がまとまらない
ヒアリング概要
・各種ロープ、ネット、漁業資材(漁網、浮子)などを製造販売しており、全国シェアの1割
を占めている。
・魚の消費が落ちていることから、漁網などの需要が少なくなっている。
・過去に市内の業者を通じて、ロシア(サハリン)に漁業資材を輸出したことがある。
・韓国でも同様の製品を製造販売しているが、日本製の半額ほどの値段で売られており、秋田
から輸出しても、価格で太刀打ちできないことから、国内にのみ販売をしている。(ロープ
は、受注生産で長さ、太さ、織り方は様々で、使用する漁協組合等で個々に違うが、ロシア
船は、種類にこだわらず値段の安い韓国から買っていく)
・現在、ロープ等の原材料は、全て国内からの調達で行っているが、安い中国製の輸入も考慮
しており、受入港を秋田港にしたい。
- 31 -
④D社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、具体的に検討している
建設業
本社
5,000万円未満
50人未満
・貿易に関する情報が入手できない
・貨物量がまとまらない。
ヒアリング概要
・過去に住宅資材を商社を通して、北欧からフローリング材、中国から石材を輸入したことが
あり、荷揚げ港は仙台港で、秋田まで陸送した。
・不定期であるが貿易をしており、輸入の際は共同輸入という形で行っている。(どんな材料
をどこから・どのくらい等、企業秘密的なことを市内業者に知られたくないため、共同輸入
については、市内業者とは組まない。)
・一部商品は、韓国に自社の設計図を送り、秋田港を使用して輸入している。(直接貿易には
関わっていない。輸入元企業は別)
・安く質の良い輸入品を使って、建物の質を落とさないで家を造るために、自分で輸入取引(流
通のコストダウン)をしたい。東京などで行われる輸入展示会へ行くものの、商社の介在か
ら、中間マージンが発生することになり、輸入のメリットが少ないので利用しない。
・市内でも具体的な商談会が欲しい。(具体的とは、製品の現物をその場に持ってきて商談を
進めることで、製品の質感やバラツキなどパンフや画面では知ることができないことを得る
ことができるから)
⑤E社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、具体的に検討している
小売業
本社
5,000万円未満
50人未満
・貿易実務の知識がない ・相談先がわからない
・貿易に関する情報入手困難
ヒアリング概要
・福祉に関連する様々な商品販売や事業を行っている。
・韓国や中国にはよく出かけ、介護につながるような商品を探している。
・貿易に関しては直接、会社が行うことはしないで商社か関連企業を使用し、受入港を秋田港
に指定して利用したい。(貿易リスクや手間を考え、間接貿易を行いたい)
・社員に対して貿易に関する研修を受けさせたい。
・貿易関連のパンフレットなどが送られてくるが、内容が業種に合ったものが少ない。
- 32 -
⑥F社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、今後行う可能性がある
卸・小売業
本社
5,000万円未満
50人未満
・貨物量がまとまらない
ヒアリング概要
・酒類および食品の小売をやっている。
・以前、ヨーロッパからワインを輸入したことがあるが、現在は経済状況が厳しく、小売店ど
うしの競争も激しいため輸入は行っていない。
・ジェトロから輸入についてのアドバイスを受けて、新潟の同業者と共同で輸入したこともあ
る(新潟港を使用)。
・販路拡大のため、中国へ日本酒を輸出できないかと考えている。大連へ行ったとき、訪問し
たところには、酒を造るための精米機(日本から中古品)があった。
・瓶はきれいなものはなく、使い古しがほとんどで、一升瓶のような大きなものもなく、日本
のようなリサイクルシステムも確立されていないため、輸出するには課題が多いと感じた。
・秋田港については、コンテナヤードが、他の国際港と比べて小さいのでないか。また、コン
テナヤードのそばを生活道路が通っているが、保税地区としての観点から見るとあまり相応
しい環境とは言えないのではないか。
⑦G社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、今後行う可能性がある
小売業
本社
5,000万円未満
50人未満
・業務の性質上関係がない ・実務に関する知識がない
・相談先がわからない
ヒアリング概要
・食品の製造販売を行っている。
・いままで、貿易は一度も行ったことはないが、小麦粉や栗など原材料については、組合から
外国製品の引き合い情報がくる。ただ、原材料は同じように見えても、小麦粉に関しては、
ブレンドした品物を使用しているので、簡単には使えない。
・国産の小豆が不作のとき、中国天津の小豆のセールスがあったが、大きさが不揃いで割れて
いる豆が多くあって使用できなかった。
・栗は国内産は高いため、韓国産のものを使用している(原材料屋が商社を通じて輸入して
いる。皮を剥く人件費が高くつくので、中国で剥いて韓国に持ってきている)。
・原材料を個々で輸入しようとした場合、1年分とかまとめて購入することになり、今度はそ
の保管場所をどうするかが問題となってくる。
・貿易についても、宅急便感覚のようにできたら、もっと利用者が増えるのではないか。その
ための港利用の仕方や、初心者向けの貿易方法を書いたたガイドブックなどがあったらいい。
- 33 -
⑧H社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、今後行う可能性がある
建設業
本社
5,000万円未満
50人以上100人未満
・業務の性質上関係がない ・品質面で不安
・貨物量がまとまらない
ヒアリング概要
・設備関係の設計施工をしている。
・以前、中国へ行ったことがあり、大型空調機やポンプにはフランス資本が多く入っていたが、
日本の国内で使用できるレベルのものはなかった。
・海外の安くて良い製品を資材として取り入れることができないか研究会をつくって活動して
いるが、電化製品のように売って終わりというわけにはいかず、工事完了後もメンテナンス
を行わなければならないことから、製品に精通している必要があることと、行政が発注する
工事仕様書は日本製となっているために、海外製品を使用できないことがネック。
・現在、ロシアのコージェネレーションシステムに注目しており、気候の関係からその分野で
は日本より進んでいるのではないか。
・今は、小口で海外製品を購入するには、インターネットを使用したり、商社を通したりして
いくらでもオーダーできる時代であり、貿易に頼らなくても可能でないか。
・秋田港の利用促進からは、例えば、ある特定の分野に興味のある会社が集まって共同で輸入
できるような場があれば、一括で安く輸入できるので需要があるのではないか。
⑨I社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易をしてい
ない理由
貿易を行っていないが、今後行う可能性がある
建設業
本社
5,000万円未満
50人未満
・業務の性質上関係がない ・コスト的に合わない
・貨物量がまとまらない
ヒアリング概要
・今年、ある設計事務所の依頼で床材に輸入品を使用した(ブラジル産の板をデンマークで二
次加工したものを東京港に荷揚げ、秋田まで陸送)。
・輸入品は、価格的には相当割安であるが、今回の床材のとき、サンプルを取り寄せて製品の
確認をしていたが、一部、乾燥の不備なものがあった。
・会社は、大量に在庫を持って、それが適度にはけるというような大企業とは違って、いくら
でも在庫を減らして、会社自体を軽くするようにして経営している。
・よほど大きな商談があれば別だが、普段の仕事の上で輸入品をどんどん使用していくという
ようなことはほとんど無いが、発注者側のニーズがあれば、積極的に使用したい。
・ただ、不良品があった場合のことを考えると、相手が交換や補償などのアフターケアがしっ
かりしているかどうか不安であるため、貿易を行うときは自ら行うのでなく、商社経由での
取引となる。
- 34 -
(2)貿易を行っているが秋田港を利用していない事業所(3社)
①J社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っているが、秋田港は利用していない
製造業
本社
5,000万円以上1億円未満
50人以上100人未満
卸売業者・商社経由、コンテナ貨物利用
ヒアリング概要
・バルブを始めとする各種鋳物を製造している。
・輸入しているのは完成品であり、納入先の建設機械企業の指示で製品を検査・補修して製品
として納入している。(タイからの製品は、完成度が低くそのままでは国内で製品として出
せない。コストは日本の2/3程度)
・タイからの受入港は東京港となっていることについて、受入港を秋田港にしてもらいたかっ
たが、商社から秋田港にコンテナから荷物を引き出す機械がないため、秋田港は使用できな
いといわれ、そのまま東京港となった。
・注文について、今は昔と違って在庫を持たない経営方法からか、顧客企業の注文は余裕を持
って来ることがなく、受注から納期までが短くて短期間での処理が求められる時代である。
したがって、検査・補修時間を確保するために、トランジットタイムの短縮が必要で、受入
港を東京港から秋田港にできないか陸送費用も考えて、商社に再度聞いてみる。
②K社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っているが、秋田港を利用していない
建設業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自&系列会社経由、コンテナ貨物を利用
ヒアリング概要
・以前はヘルシンキからスエズ運河を通って横浜港まで3ヶ月以上かかったが、現在はシベリ
ア鉄道を使ってナホトカから横浜港にあげている。
・釜山経由では1週間長くかかることになるし、積み替えに不安がある。ナホトカから秋田港
への直行があれば安心だし使いたいが、積み替えはさけたい。
・秋田港は詳しくは知らないが、ヤードが狭いのではないか。大王跡地などの広い場所にヤー
ドを持って行って、ストックヤードのような使い方をしてはどうか。
・秋田港を利用しての全国への販売を考えた場合、ヤードの狭さと港からの輸送が問題になる。
・当社としてはコストよりも確実性が重要と考えているが、ノウハウを蓄積していけばコスト
も抑えられる。
- 35 -
③L社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っているが、秋田港を利用していない
製造業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自&本社・親会社経由、バラ積み貨物・航空貨物を利用
ヒアリング概要
・以前は輸出ロットが大きかったのでコンテナを使ったこともあったが、現在は小口なのでエ
アカーゴを使っている。
・陸送で成田空港まで送って、そこから積んでいる。エアカーゴの場合、積み替えは考えにく
いので、目的地までの直行便があるかどうかが重要。
・納期が厳しく、アメリカでも発注から1週間~10日で届けなければならない。
・秋田空港のエアカーゴを使うとすれば、便数が少ないのがネックとなる。
・今後、大口の貨物が出てくれば、コンテナの利用もあるかもしれない。
- 36 -
(3)貿易を行っており、秋田港を利用している事業所(8社)
①M社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
建設業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自で実施、コンテナ貨物利用
ヒアリング概要
・住宅・土木建築を行っている。
・最近のロシアの状況として、日本に対して原木より製材の輸出拡大をねらっているが、中国
とは仲が良く、中国にはどんどん原木を供給している。
・輸入している建材は、ロシアの原木が中国の黒竜江省へ運ばれ、そこで加工を行い、大連か
ら釜山経由で秋田港に来ている。
・秋田港の問題については、中国との直行便がないこと。
・中国への買い付けで、11月29日に寧波を出た船が秋田港に到着したのが12月16日で輸送に18
日も要したことから、釜山経由でなく直接の航路が是非とも欲しい。
・会社の工場をストップできないことから、時間が勝負である(在庫を持たない経営)。船社
および船社代理店は、輸送日数を確実に守って欲しい。
・混載の利用については、中国側に取りまとめをやってくれる人や仕組みがあれば需要はある
のではないか。
・空輸については、品物より輸送費の方が高くつくので(割高)で使用できない。
②N社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
小売業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自&卸売業者・商社経由、コンテナ貨物利用
ヒアリング概要
・家具の小売を行っており、製品の8割位は海外製となっている。
・貿易は共同で行うことが多く、県内の家具店と一緒に海外へ行き、輸入している。(共同で
の買入は、年間20コンテナ以上にのぼり、秋田港の利用に貢献している)
・不良品等のクレーム処理や代金の決済事務などの点で、商社が介入した商談のほうが何かと
利便性が良く、直接交渉はリスクや手間がかかるのであまりしない。
・秋田港についての要望は以下。
①コンテナの荷物を仕分ける施設がないので是非ほしい。(現在は通関業者の倉庫を借り
りて凌いでいる=有料)
②港湾使用料が他港に比べ割高である。(荷物の量にもよるが、輸入港を新潟港にして
陸送した方が安い場合もある)
- 37 -
③O社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
貿易業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自に実施、コンテナ貨物・バラ積み貨物を利用
ヒアリング概要
・現在は主に中国から輸入している。日数の問題(10日~15日かかる)はあるが、中国からの
輸入は積み替えでも何とかなる。今後、必要な新規航路としては、ウラジオストック等ロシ
アとの航路だろう。
・ロシアからの輸入では、木材や海産物などが考えられる。生活レベルも高いので、日本から
の輸出も可能性がある。
・大きな流れとして日本が食品を輸入していくという流れは変わらないと思う。そのとき、秋
田港に燻蒸施設がないと輸入の目が絶たれることになる。現在の実績は少ないかもしれない
が、貿易港として燻蒸施設を整備することは必要。
・小口貨物については、混載というよりも、商社的な会社がまとめて受注する方式の方が責任
の問題もクリアになる。
④P社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している。
製造業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自&共同輸入、コンテナ貨物・バラ積み貨物を利用
ヒアリング概要
・ポシェット航路を利用したことがあるが、入荷が予定より遅くなったことがあった。納期に
余裕があるものは少なく、物流に安定性は不可欠。不定期が一番困る。
・貿易をするうえでの秋田のメリット、優位性を見極めて行政でしっかりとした方向付けをし
て欲しい。秋田の場合は、中国東北部、ロシアなどの対岸諸国に対して優位性がある。
・釜山航路は便利だが、時間がかかる。中国東北部や北朝鮮、ロシアから秋田までは1日で着
く。いずれも今後の可能性の高い地域なので、今のうちに布石を打っておいても良いのでは。
・先日、合同で買い付けにいったが、中小企業が共同で輸出入する場合のマニュアルのような
ものを作れたらと思っている。
・買い付けの際、事前に行政レベルなどできちんとしたパイプを作っておけば、もっとスムー
ズにいったのではないかと感じた。
・エアカーゴも利用する可能性はあるが、機材の関係もあり、数量的に中途半端。どちらが先
というわけではないが、物流が増えれば人流も増える。
- 38 -
⑤Q社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
製造業
本社
3億円以上
50人以上100人未満
本社・親会社経由&卸売業者商社経由、コンテナ貨物・バラ積み貨物を利用
ヒアリング概要
・亜鉛を主体にした加工品を製造している。全体の製造量の約3分の1を輸出しており、15年
度下期からほぼ全面的に秋田港利用にシフトした。
・輸入に関しては、横浜港にまとめてあげている商社から買っている。こちらも輸送コストが
下がるのであれば秋田港を利用したい。
・秋田港にシフトした理由はコスト。海上フレートは高く付くが、陸送代と倉庫保管料分でカ
バーできる。
・釜山港経由は納期的に厳しいときがあるので、リードタイム短縮のため、直接香港、台湾に
向かう航路が欲しい。
・秋田港の保税倉庫が小さいため、ハンドリングに支障をきたすときがある。
・目的の船に乗せるためには、1週間くらい前に倉庫に入れなくてはならず、ちょっと厳しい。
全体的な荷役機械の改善などで時間効率を良くできないか。
⑥R社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
卸売業
本社
5,000万円未満
50人以上100人未満
事業所独自で実施、コンテナ貨物を利用
ヒアリング概要
・中国から、主に内装やフロアーに使うFJボードを輸入している。納品先の関係で8割を苫小
牧港に降ろし、残りは秋田港に入れている。
・品質・値段・納期、この3つが揃えば、もっと輸入は増える。
・ロシアからの木材・木製品輸入も、相当検討したが、品質の面で納得できなかったため実現
していない。当面は中国から輸入を続ける。
・ごくまれに横浜港を使うこともあるが、海上運賃、荷役料、デバンニング料など全て秋田よ
り安い。また為替手数料も東京は50銭くらいが普通だが、秋田は1円取られる。
・一般論だが、貿易手続きや取引相手の紹介について、もっと具体的に相談に乗ってくれると
ころがあれば、貿易をしようという会社はもっとあるのではないか。
・ジェトロに貿易アドバイザーという資格があるが、秋田は一人しかいないと聞いている。こ
ういう人をもっと増やして、取引のきっかけや情報の提供をしてくれればいいと思う。
- 39 -
⑦S社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
卸売業
本社
5,000万円未満
50人未満
事業所独自で実施、コンテナ貨物を利用
ヒアリング概要
・秋田空港をこれまでも利用しているが、航空運賃が高いので、高価なものしか利用できない。
・秋田港に新規航路を作るならば、上海との航路が必要。
・秋田が対岸諸国と北日本(北東北3県)のマーケットを結ぶ卸売市場的な役割を果たすよう
になって欲しい。
・先日、共同輸入で上海からコンテナ1本を入れたが、検疫等の関係で港に着いてから1週間
以上通関を通せないでいる。中身の把握等共同輸入のとりまとめには苦労が多い。
・中国から輸出するための手続きも、貿易免許の関係など複雑で、現地でアドバイスしてくれ
るような機関があれば良かった。
・みんなで使える月1本の定期混載コンテナのような制度があれば便利ではないか。
・来年設立する貿易促進機構では、大連に事務所を置く予定と聞いているが、当社としては、
上海に置いていただいた方が助かる。
⑧T社
貿 易 状 況
業
種
事業所の形態
資
本
金
従 業 員 数
貿易の詳細
貿易を行っており、秋田港を利用している
製造業
本社
5,000万円以上1億円未満
100人以上300人未満
自社独自で実施、コンテナ貨物を利用
ヒアリング概要
・香港から釜山経由で衣類を輸入している。
・広東省にある自社工場で完成品を作っており、それを秋田工場で検査している。
・秋田港を利用した当初は輸送に2週間かかっていたが、最近は10日くらいで届くようになっ
た。通関も2・3日かかっていたのが1日で終わるようになった。
・納期はいくらでも短縮したいので、香港からの直通便があると助かる。
・輸出は、以前はあったが、現在は行っていない。また、航空貨物もほとんど無い。
・秋田港利用に関して、特に不便は感じていないが、望むこととしては、海上運賃や荷役手数
料等コストの削減。
・中国が脅威と見られているが、企画力や開発力があれば、競争はできる。全ての製造が海外
に流出することはないと思う。
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第2章から第3章にかけての流れ
指摘事項等
指摘事項等の整理
(第2章の1)
1
アンケート調査の指摘事項
A.貿易を行っていない理由
(第2章の2)
1
貿易参入の障害となっている問題点
1
集約した課題
対応
(第2章の3)
(第2章の4)
貿易参入の促進
A.貿易情報関係
A.貿易情報の提供
B.貿易コスト関係
B.小口貨物の利便性向上
C.貿易実務関係
C.実務面でのサポート体制充実
秋田市貿易振興計画
(第3章)
1
貿易参入の促進
2
秋田港の利用拡大
3
対岸諸国との交流推進
4
秋田空港の利用拡大
5
貿易インフラの整備
B.秋田港を使わない理由
C.秋田港に対するハード面での要望
2
秋田港を利用した貿易を拡大するた
めの問題点等
2 秋田港の利用拡大
D.秋田港に対するソフト面での要望
E.秋田空港を使わない理由
A.航路関係
A.コンテナ航路充実
B.荷役・検疫等関係
B.荷役サービスの充実
C.ソフト面でのサービス向上
C.取引拡大への支援
D.対岸経済交流の推進
D.対岸諸国との経済交流推進
F.秋田空港に対するハード面での要望
G.秋田空港に対するソフト面での要望
3
2
秋田空港を利用した貿易を拡大する
ための問題点等
3
秋田空港の利用拡大
A.航路関係
A.航路の充実
B.荷役・検疫等関係
B.荷役サービスの充実
C.ソフト面でのサービス向上
C.取引拡大への支援
個別ヒアリングの指摘事項
A.貿易を行っていない事業所からの
指摘事項等
B.貿易を行っているが、秋田港を利
用していない事業所からの指摘事項等
C.貿易を行っている事業所からの指
摘事項等
4
貿易インフラの整備に関する問題点等
4 貿易インフラの整備
A.港湾・空港施設関係
A.港湾・空港施設整備促進
B.周辺施設関係
B.周辺施設整備促進
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