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柔道部 部長 菅波 盛雄 監督 廣瀬 伸良 学外コーチ 根本 勇作,田村 昌大
順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 29 〈 年度クラブ活動指導報告書〉 柔道部 学外コーチ 1. 活動概要 根本 部長 菅波 盛雄 監督 廣瀬 伸良 勇作,田村 昌大 小川 航一 となく,持ち前の勝負強さを発揮してファイナリストにな 平成24年は新入生10名を加え29名のメンバーが揃い,ク ってくれた.今後の全日本学生や講道館杯での躍進を期待 ラブ内にも競争意識が芽生え緊張感のある厳しい練習が展 したい.今回は選手の多くが安定した試合で上位進出を果 開されるようになった.4 月の新年度最初の試合である千 たした.ただ, 6 名が出場した代表決定戦で,2 名の出場 葉県社会人大会では,順当に勝ち進んだものの準決勝で実 枠しか確保出来なかったことは大いに反省すべき.技術う 業団の強豪である京葉瓦斯に敗退を喫した.しかし,3 位 んぬんよりも気力・体力での勝負となる最後の試合での勝 決定戦では国際武道大に 4 対 1 と勝つことができ,廣瀬監 負強さが出てきて欲しい.武道館での最後の大会で代表決 督は新チームに手応えを感じたのではないだろうか.5 月 定戦まで勝ち残った 4 年生 3 名の粘りに監督として敬意を の東京学生柔道優勝大会では國學院大と対戦し,4 対 2 で 表したい.」と部を牽引してきた上級生を労った. 敗退したものの投げられてポイントを奪われたのは 2 点の この後,全日本学生体重別選手権大会,千葉県学生秋季 みであり,残りの 2 点は反則(指導)であった.しかし, 大会と試合が続き,本年度の最後を飾る全日本学生柔道体 本学が奪った 2 点は 4 年生の小林と 2 年生の横田のみであ 重別団体優勝大会が10月26日~28日,兵庫県尼崎市のベイ り,本来活躍しなければならないはずの主力である 3 年生 コム総合体育館において開催された.本学柔道部は 1 回戦 の試合内容が芳しくなかった.これらの反省を踏まえて稽 大阪体育大学(関西 6 位)を 3―0,2 回戦 古に励み 6 月の千葉県学生柔道大会では 6 階級を制し,こ 国四国 1 位)を 6― 0 で破りベスト 16に進出し最終日に駒 の勢いで全日本学生優勝大会に臨んだ.しかし,全日本で を進めた.大会最終日の 3 回戦においてはシード校である 対戦した日大の壁は厚く 5 対 1 と完敗であった.前期最後 桐蔭横浜大学との接戦を大将戦で突き放して 2― 1 で劇的 の試合は,東京都ジュニア体重別選手権大会であった.新 な勝利を収め,本大会初のベスト 8 入りを果たした.な 入生にとって大事なこの試合で73 kg 級に出場した山下雄 お,準々決勝では 明治大学に 0―7 で完敗したものの,柔 大(1 年・スポ科)は見事優勝を果たし後期の個人戦に繋 道部史に新たな 1 ページを残す記念すべき大会となった. げる大きな勝利であった. 廣瀬監督からは「昨年は部員全員で本大会に参加出来ず, 徳山大学(中 9 月 2 日,東京学生柔道体重別選手権大会が開催され, 本当に悲しく寂しい思いをした.今年は全員が昨年分も取 本学からは15名の代表選手が 7 階級に出場した.なかでも り返す気持ちで試合に臨んだ.初めて団体戦に出場した 1 81 kg 級に出場した 田一仁( 2 年・スポ科)が順当に勝 年生 3 名が臆することなく実力を発揮,要所で上級生が試 ち上がり,惜しくも決勝で敗れたものの見事準優勝を果た 合を決定づけたのが勝因.準々決勝では選手の気持ちをコ した.その他にも 6 名の選手が16強入りを果たし代表決定 ントロールすることができず,明治大の大きな波に飲み込 戦に駒を進め,下根匡騎( 3 年・スポ科)印南尊弘選手 まれた感じ.これは私の責任.来年に向けてまたしっかり ( 3 年・スポ科)も全日本学生柔道選手権大会への切符を チーム作りをしていきたい.会場まで応援にきていただい 手にした.試合後,廣瀬監督は「 田が気持ちを切らすこ た OB 諸兄や父兄の皆様に対してお礼を申し上げたい.」 順天堂スポーツ健康科学研究 30 と感謝の言葉が述べられた. 第 4 巻 Supplement (2013) かし,肝心の学生の本分である学業に関する面では問題が 柔道部は一つの壁を越え,意識の高い競技集団となって 多いことも事実である.学業において地道な取り組みがで きた感がある.そして,廣瀬監督以下学外コーチ陣と高田 きないものは柔道でもダメである.部員はこのことをしっ 新主将,日向野新副主将を中心として,より積極的な試み かりと肝に銘じて頂きたい. を実践して頂きたい.あくまでも学生であり,勉学に励む 本学柔道部に入部したからには,文武両道を目指して柔 ことが重要であり加えて柔道を学び実践する集団である. 道と勉学に全力を傾注して頂きたい.練習の相手は自ら求 積極的に活動することを念頭に置いて是非とも頑張って頂 めて行くものであり,困難な状況下で捻出する機会を最大 きたい. 限生かすという事を念頭に置いて稽古に励んで頂きたい. そのためにも,普段からのトレーニングや自己の試合の分 2. 目標の設定 析,そして本学で学ぶスポーツ科学関連領域の内容を最大 春の団体戦,秋の個人戦ともに東京予選がある.そのほ 限活用して欲しい.部としては,長期休暇中の強化合宿お かに千葉県学生大会も春と秋にそれぞれ団体および個人が よび他大学の出稽古の受け入れおよび近隣の強豪校への出 開催される.国体も開催されるので地元に帰って予選を勝 稽古などを予定している. ち抜き出場を目指して欲しい.それが就職等にもかかわっ 2013年度は下記の団体試合での上位入賞および個人戦で てくるであろう.是非,学業と競技の両立を実践するため ある全日本学生柔道体重別別選手権大会へ全階級出場を目 に努力を続けて頂きたい. 指したい. 部の目標は東京学生柔道優勝大会においてベスト 8 を狙 い,次いで全日本学生柔道優勝大会でベスト16に復帰する ことである. 5. 2013年度の大会情報 平成25年度東京学生柔道優勝大会(男子62回) 於 3. 部員の育成方針 柔道部の指導方針は,創始者である嘉納治五郎の柔道精 神を具現化し文武両道の指導者育成にある.そのためには 日本武道館 平成 32回) 考察し,強化に関する方策および競技力向上についての科 於 平成 平成25年 6 月29日(土)~30日(日) 25年度東京学生柔道体重別選手権大会(男子 柔道に関する知識の獲得,現行の競技化の方向性について 学的分析とその知見の応用など広い分野での勉学が求めら 平成25年 5 月26日(日) 平成 25年度全日本学生柔道優勝大会(男子62回) 於 日本武道館 日本武道館 平成25年 9 月 1 日(日) 25年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男 れる.そしてこれらと並行して自身の競技力の向上も図 子32回) り,斯界に於いて有為な指導者となることを目的とする. 於 日本武道館 平成25年10月 5 日(土)~6 日(日) そのほかにも,千葉県学生柔道大会や全日本学生柔道体 4. 今後の課題 本学が置かれている状況は,少しずつ改善している.し 重別団体優勝大会などがある.これらの大会での上位入賞 を目指す. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 31 ―硬式庭球部 年を顧みて― 部長 島内 憲夫 監督 田辺 正 監督に就任して,10年目になります.今年は,関東リー 分は,若い OB の方々がコートに足を運んでいただき,試 グ男子 4 部優勝, 3 部昇格,女子 5 部優勝, 4 部昇格を目 合の応援,指導,差し入れをして頂いたことです.もちろ 標に掲げ日々練習し精進してきました.残念ながら,残留 ん若い OB の方々だけではなく,いつも応援にきていただ 医学部・医療看護学部合同合宿 でした.活動内容は,◯ いている OB の方も含めて現役の試合に関心を持っていた 合同練習(月 1 回)◯ 試合応援◯ 定例会(月 (年 1 回)◯ だく事は現役の大きな励みになりました.本年創部60周年 活動報告書作成提出(月 1 回)◯ 対校戦等,様々 1 回)◯ を迎え,更に,「強い順大テニス」を目指し「不断前進」 な要素で実施してまいりました.その中で,気が付いた部 をモットーに日々練習,試合に臨んで頑張ります. 順天堂スポーツ健康科学研究 32 第 4 巻 Supplement (2013) 体操競技部 〈体制〉 指導体制としては昨年度と同様,部長に加納實教授,監 督に原田睦巳准教授,コーチに冨田洋之助教,小西康仁助 部長 加納 實 監督 原田 睦巳 コーチ 冨田 洋之 小西 康仁 構成の再構築,課題となる技の習得と完成させる目標時期 の設定を当体操競技部の伝統である「美しい体操」を念頭 においたうえで,選手とともに行った. 手の 2 名,計 4 名の指導者で強化に当たった. 〈指導理念〉 当競技部が一貫して継続している「自主性を育成」する 第66回全日本体操競技個人総合選手権大会(4 月代 々木第一体育館) ことに主眼を置き,指導に当たった.これは高校時代に顧 今年度,最初の競技会となる第66回全日本体操競技選手 問の先生や監督,コーチに徹底的な指導がなされていた指 権大会はオリンピック競技会の日本代表 2 次選考会を兼ね 導形態により自分自身の具体的な目標や,実際の練習場面 ているため非常に重要となる大会である.当該大会は昨年 において自分に何が欠けているのか,どのように練習を行 の競技成績によって出場資格が得られ,当競技部からは11 わなければならないのかを考える余地を与えられず,現在 名出場した. に至っている選手が少なくない.競技会のように緊張した 2 月下旬より「試技会」をスタートさせ,当該大会まで 場面においても冷静な判断と普段通りの演技が行えるよう 7 回の試技会と 2 回の試技会方式の練習を実施し,強化を になるためには,裏付けられた練習が必要であり,その練 行った. 習において自主的に取り組み,自分自身で課題を克服して 結果としては,加藤凌平( 1 年),野々村笙吾( 1 年), こそ「自信」につながると考えているからである.また, 今井裕之(4 年),石川大貴(2 年),垣谷拓斗(3 年)の 5 競技生活のみならず一人の人間として社会に出た時にも必 名が第51回 NHK 杯兼オリンピック競技大会日本代表最終 要不可欠なことであると考えている. 選考会に進出した. この指導理念については,年度を問わず一貫して継続す るものである. 主な成績 男子個人総合加藤 凌平 2位 野々村笙吾 3位 今井 裕之 8位 昨年度は,田中佑典をはじめ 4 年生を中心としたチーム 石川 大貴 12位 構成で全日本インカレ団体総合優勝を 6 年ぶりに果たすこ 垣谷 拓斗 22位 〈男子について〉 とができた.この結果に満足せず新チームでの全日本イン カレ 2 連覇を第一目標とし,さらに当競技部からオリンピ ック日本代表を輩出することを目標に強化を行った. 第51回 NHK 杯兼世界体操競技選手権大会日本代表 最終選考会(5 月 代々木第一体育館) 昨年度同様,基礎体力・筋力強化に重点を置いたトレー 全日本選手権から 1 カ月しかなく,いかに完成度を高め ニング内容の検討,サーキットトレーニングの実施を行っ ることが出来るのかが一番の課題であった.加藤凌平と野 た. 々村笙吾については,オリンピック日本代表を射程圏内に 体操競技の現ルールではいかに高難度の技を演技に組み 捉えていた為,選考方法を踏まえ,加藤凌平に関してはゆ 込むことが出来るかが重要視されている.そのための演技 かの強化を重点的に行い,野々村笙吾に関しては演技価値 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 33 点を高めて個人総合で日本代表を勝ち取ることを目指して 主な成績 挑んだ.その他 3 名の選手に関しても上位12名が選ばれる 団体総合2 位 ナショナル強化選手を目指すというそれぞれの目標とモチ 男子個人総合野々村笙吾 ベーションを高めさせて競技会に挑んだ. 優勝 加藤 凌平 3位 結果としては,加藤凌平が練習の成果を発揮し,2 日間 今井 裕之 6位 大きな失敗もなく見事にロンドンオリンピック競技大会の 大槻 匠吾 6位 日本代表に選出された. 久永 将太 9位 垣谷 拓斗 14位 野々村笙吾は,非常に緊迫した状況の中,粘り強い演技 を披露していたが,2 日目の後半で大きな失敗をしてしま い,惜しくも日本代表に手が届かなかった.しかしながら 今回の経験を糧に日本を代表する選手へと成長してくれる ことを期待したい. 第66回全日本学生体操競技選手権大会(8 月 仙台 市体育館) 試技会により主力メンバーを 8 名選出し,落下の危険性 石川大貴が素晴らしい演技を披露し,順位を上げて目標 のあるあん馬と鉄棒,そして高得点の得られる種目である としていたナショナル強化選手に選出された.今井裕之と 跳馬を重点的に強化し,チームとしての纏まりを持たせる 垣谷拓斗に関しては粘り強い演技をしてくれたが,大きな ための班別練習,実際の競技会を想定した試技会をチーム 失敗があったことによりナショナル強化選手にはあと一歩 として行った.東インカレの惜敗から戦略を練り直し,想 届かなかった. 定得点,目標得点を算出し,優勝に対する意識を高めると 主な成績 同時に,オーバートレーニングといったマイナスの要素と 男子個人総合加藤 凌平 ならないように注意を払って強化を行った.しかしなが 4位 ら,キャプテンである今井裕之が膝を骨折するという思わ (オリンピック日本代表) 野々村笙吾 ぬアクシデントが起こってしまった.チームの中心選手で 5位 あり,戦力ダウンを余儀なくされたが,その穴を同じく 4 (ナショナル強化選手) 石川 大貴 9位 年の大槻匠吾が代役となり,今井裕之に関しても怪我をし (ナショナル強化選手) た状態でもチームの一員として献身的なサポートを行っ 今井 裕之 13位 た.その甲斐があって非常に連帯感のあるチームとなって 垣谷 拓斗 18位 本番を迎えることが出来た. 競技会本番では,暑さとの戦いでもあり野々村笙吾が後 第45回東日本学生体操競技選手権大会(6 月 仙台 市体育館) 当該大会は, NHK 杯の 10 日後というハードなスケジ 半に両腕が攣ってしまうアクシデントに見舞われ,動揺す る場面もあったが,チームそして部員の声援によりこの困 難を乗り越え,見事に 2 連覇,6 回目の団体総合優勝を果 ュールで開催された.本来なら主力メンバーを 8 名選出 たすことが出来た.体操度目) し,試技会を数回重ねて本番を迎えたいところだが,期間 男子個人総合加藤 凌平 優勝 がなくチームを組んでの試技会が 1 回しか行うことができ 石川 大貴 2位 なかった. 野々村笙吾 5位 結果としては,NHK 杯の疲れを隠しきれず,精彩を欠 久永 将太 7位 く演技が続いてしまった.競技会の最終種目まで悪い流れ 垣谷 拓斗 8位 か加藤 凌平 優勝 あん馬加藤 凌平 優勝 を断ち切ることができずに団体総合 2 位という結果になっ てしまった. 男子種目別 ゆ 順天堂スポーツ健康科学研究 34 第 4 巻 Supplement (2013) つり輪野々村笙吾 優勝 平行棒加藤 凌平 優勝 昨年度,チームの中心選手であった江崎真奈と横尾さや 野々村笙吾 2位 かの 2 名が卒業をし,新入生 1 名を新たに加えた 5 名での 優勝 チーム編成となった.今年度の目標としては,昨年度の全 鉄 棒石川 大貴 〈女子について〉 日本インカレを上回る成績での団体総合上位入賞を目標に 第66回全日本体操競技団体・種目別選手権大会(11 月 代々木第一体育館) この大会は,国際大会で用いられている 633 制(6 名 の選手をエントリーし,各種目 3 名の選手が演技を行い, 掲げ強化を行った. また,女子については指導者に依存する傾向が強いた め,昨年度同様「自主性の育成」を常に心がけ指導を行っ た. その得点すべてを加算してチーム得点を算出する競技方 法)であり,チーム編成も通常通りの編成ではなく,種目 に特化した選手を起用することが求められる. 第 27回東日本学生体操競技グループ選手権大会( 4 月 栃木県体育館) 当該大会に向けては,全日本インカレメンバーから 2 名 2 部校において,まずこのグループ選手権で通過をしな を変更して,中出康平(4 年)と今林開人( 1 年)を加え ければ,東日本インカレや全日本インカレに出場すること る新たなチーム編成とした. ができない. 優勝候補は全員が日本代表選手で構成されている 競技会に向けて,予選通過はもちろんのこと,5 月に行 KONAMI であり,誰もが KONAMI の優勝に何の疑いも われる東日本インカレまで時間がないことを考慮し,新し 持たないような状況であった.まずはその敵わないという い演技構成で挑戦することと安定性に重点を置いて強化を 考えを払しょくさせ,各自出場種目に特化した練習を行 行った. い,自分に課せられた責任を全うすべく,当該大会特有の 緊張感を想定させながら試技会を行った. 競技会においては,本競技部は 5 名の部員しかいないた め,ミスが許されない状況であったが,選手たちは周りの 競技会は,スタート種目から緊迫感のある戦いとなっ 雰囲気に影響されることなく,自分たちの演技を淡々とこ た.そんな状況下でも動じることなく全員が自分達の演技 なし,見事団体総合 2 位という快挙を成し遂げ,東日本イ に集中し,意気込みの感じられる演技で高得点を連発.最 ンカレに進出することができた. 後まで集中力が途切れることなく思惑以上の試合運びがで 主な成績 きた結果,KONAMI との熱戦を制し10年ぶり 3 度目の団 団体総合2 位 体総合優勝を果たすことができた. 個人総合榎本 寧々 5位 主な成績 山内 優花 12位 団体総合優勝 山口 麻美 18位 男子種目別 荒井 萌奈 23位 木村 愛里 27位 ゆ か加藤 凌平 優勝 あん馬今林 開人 優勝 加藤 凌平 2位 中出 康平 3位 つり輪野々村笙吾 6位 本競技会が全日本インカレの最終予選となる.グループ 平行棒野々村笙吾 4位 選手権において,団体総合 2 位という快挙を成し遂げた 鉄 4位 が,東日本インカレにおいても 2 部校のみでは団体総合 2 棒野々村笙吾 第45回東日本学生体操競技選手権大会(5 月 仙台 市体育館) 位という前大会の意地を見せ,全日本インカレに進出する ことができた. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 35 主な成績 また,来年度への課題を残す競技会となり,今年度すべて 団体総合2 位(全体では 9 位) の競技会を終えた. 主な成績(交流大会) 第66回全日本学生体操競技選手権大会(8 月 仙台 市体育館) 個人総合榎本 寧々 22位 また新人戦に出場した荒井萌奈においては,特に目立っ 東日本インカレから全日本インカレまで,かなりの期間 たミスもなかったが,来年度への課題が見つかる競技会と があり,また新たな演技構成での挑戦,安定性した演技を なり,今年度を終えた. 念頭に置き,当初の目標と変わらず全日本インカレ上位入 主な成績(新人戦) 賞を目指して強化を行った. 個人総合荒井 萌奈 16位 また,グループ選手権・東日本インカレでの反省を生か し,さらに 4 年生は最後の競技会であるという自覚を持た 〈総括〉 今年度は,全日本インカレ団体総合優勝とオリンピック せ,強化を行った. 競技会においては,ミスはあったもののチーム一丸とな 日本代表選手の輩出という掲げた目標を達成することがで り,またこの 5 人で戦えていることを誇りに思いながら試 き,全日本体操競技選手権大会団体総合優勝も果たすこと 合に臨んでいるように感じた.その結果,目標であった団 ができた素晴らしい年となった.今後,追われる立場とな 体総合 3 位という過去最高の結果で競技会を終えることが り,覆いかかる重圧は計り知れない.勝ち続けることの難 できた. しさはそこにある.この重圧に押しつぶされることなく, 主な成績 勝ち続けるには気持ちをリセットし,常に現状に満足する 団体総合3 位 ことなく精進していく姿勢と継続が必要であると考えてい る. 個人総合山内 優花 7位 榎本 寧々 10位 来年度も全日本インカレ団体総合優勝はもちろん,日本 山口 麻美 15位 代表として世界に羽ばたく選手を輩出することができるよ うに日々精進していく所存である. 平成24年度関東学生体操競技交流大会・関東学生新 人体操競技選手権大会(11月 栃木県体育館) 女子については,全日本インカレでの成績は昨年度を上 回ったが,意識改革においてはあまり変わることはなかっ 全日本インカレ後,1 年生は新人戦,上級生は交流大会 たように感じる.指導者に依存する女子において,やはり へと出場し,来年度へのステップアップとなる試合であっ 個々がどうなりたいかが成績を大きく左右するように感じ た. る.来年度は個人の意識が大きく変わり,さらなる飛躍を 競技会において,交流大会に出場した榎本寧々は,試合 前に肩を痛め思うような成績を残すことができなかった. 遂げることを願っている. 順天堂スポーツ健康科学研究 36 第 4 巻 Supplement (2013) 蹴球部(男子・女子) コーチ 青葉 部長 内藤 久士 監督・女子総監督 吉村 雅文 女子監督 中庭 健一 真広,岡本 一洋 幸洋,向家 2 月 1 日にチームとして始動した.例年通り,ミーティ ングを行ない,成長する組織として,「人として」「学生と して」「サッカー選手として」といった側面から確認を行 なった. また,サッカーに関して大きく 3 つのアプローチを行な った.1 つ目は,チームコンセプトについてである.チー ムコンセプトして,ボールを奪う力の向上(効果的な戻り 方,インターセプトするためのポジショニング,対人プ レーの対応力),ボールを失わない力の向上(相手を観 る),チャンスメイク(場所の理解)の理解と共有を図っ た. 2 つ目は,ストロングポイントの強化である.これ は,各個人がこれだけは負けないという試合で通用する力 感じた.脈々と受け継がれてきた姿勢が薄れたことを感 を身につけるために,自分自身で設定した課題について年 じ,シーズンのスタート時に確認したことに追加し,その 間を通してトレーニングを行なう取り組みである.3 つ目 メンタル的な部分へのアプローチと「ニコイチ」と命名さ は,試合分析についてである.自チームの分析と相手チー れたチャンスメイクの形と失点に対する意識の変化を促 ムの分析を選手が持ち回りで担当することで,共通理解を し,夏のトレーニングを行なった. 深めるとともにサッカーを観る力の向上とプレゼンする力 を身につけることを狙いとした. リーグ戦の後期がスタートしたが,チーム状況は依然と して変わらず,2 部降格の当落線上でリーグ戦を進めるこ 練習は, 2 月~ 3 月の第 3 週までは大学のグラウンドで しゃべる ととなった.リーグも終盤に差し掛かり,再度◯ 午前と午後の 2 部練習を行なった. 3 月末には, 4 大学で Pass & Move,◯ (コミュニケーション,コーチング),◯ Akita Cup と称して行なっているリーグ戦に参加し,プレ 攻守の切り替えの 3 つを徹底することを来年に繋げる力に リーグ戦と位置づけ,練習成果の確認を行なった. しようと選手,スタッフ全員で共有した. 関東大学サッカーリーグ戦が開幕するとなかなか勝利を プレーの幅を拡げるべく取り組みを行なってきたが,そ 納めることができず,前期を11位で折り返すこととなり, の印象が色濃く優先されすぎてしまったために,選手が一 目標を 1 部残留に変更せざるを得ない状況となった.ま つのプレーの成功,失敗にこだわりすぎることになってし た,今年度からアミノバイタルカップと名称のついた総理 まった.結果的にボールの関わるプレーだけに意識を集中 大臣杯予選は,関東 2 部に所属する朝鮮大学校に 1 回戦で させてしまい,大前提である姿勢の部分の理解を薄れさせ 敗退を喫し,危機感を募らせる結果となってしまった. てしまったと感じる. 夏期の強化では,前期に数少ない勝利につながった要因 状況を好転させられることなく,2 部降格のストレスに としての,諦めない姿勢,100でプレーすることの重要 さらされた 1 年となってしまったが,なんとかしようと奮 性を再確認させた.抽象的な表現かもしれないがチームに 起した学生の粘り強さを評価するとともに感謝する 1 年で とって大前提として浸透している要因が薄れてきたことを あった. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 37 次に女子について報告する. 今年度は昨年度の経験を踏まえ,再度,チャレンジャー として,1 部昇格を目標にチーム作りをしてきました.女 子蹴球部は,高校で全国大会に出場した選手や,大学から サッカーを始めた選手など,競技レベルに大きな幅があり ますが,今年はそれを関係なく,教え合い,サポートをし ながら練習を行いました.そして,試合において,相手 コートの高い位置でボールを奪うこととシンプルにボール を動かしてサポートをし続けることをテーマにトレーニン グを行ってきました. 最も重要な大会である関東大学女子サッカーリーグ戦は 9 月からの 2 ヵ月間しか行われないため,それまでにベー スとなる力をつけていかなければなりません.そのため に,緊迫した試合の経験を積む意味で,4 月から年間を通 して行われる千葉県社会人女子サッカーリーグ,5 月には 全国の高校や社会人が集うマガジンカップ,7 月には千葉 県選手権,また,8 月の初旬につくばフェスティバル,中 旬には関東リーグへ向けての最終確認の意味を込めて強化 合宿を行いました.今年は 5 月に行われたマガジンカップ で優勝,千葉県選手権で準優勝,つくばフェスティバルで 優勝と,これまでの課題を追求し,選手がお互いに会話を していくことで解決し,それがチームの強化,成長に繋が 使いながら強度を上げていくことで強化していきました. っていきました.千葉県社会人リーグを 2 チームに分け 基本的には上手い下手関係なく,誰でも機能していけるた て,行うことで試合経験を多く積ませることは継続しなが めに「ボールを高い位置で奪うためにどんなことが必要な ら,複数ポジションを経験させ,個人のプレーの幅を増や のか」,「どんなタイミングでプレッシャーをかけて奪うの していくなど,工夫をしながら強化に取り組んでいきまし か」,「シンプルにボールを動かしていくために何をしてい た.体力面は普段の戦術的なトレーニングの中でボールを くべきなのか」,「どんなサポートをするべきなのか」など 順天堂スポーツ健康科学研究 38 第 4 巻 Supplement (2013) 戦術的な側面をベースに繰り返し,確認し合いながら選手 た.今回のリーグ戦を通して,選手同士,指導者も含めて たちが試合中に自分たちで解決できるように準備していき お互いに言い合える関係が重要であることを再認識しまし ました. た.また,今回リーグ戦を通して,本当に多くの方々に応 結果として,今年度の成績は 2 部で 3 位,入れ替え戦で 勝利し, 1 部昇格という目標を達成することができまし 援に来ていただき,支えて頂きました.心より感謝を申し 上げたいと思います.ありがとうございました. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 39 男子バスケットボール部 部長 櫻庭 景植 監督 中嶽 誠 今年度は 1 年次から主力としてチームを支えてきた 4 年 生大下内仁を主将におきチームはスタートした. 本学は関東大学バスケットボール連盟の 2 部リーグに所 属し,その所属大学の中で平均身長が低く小さなチームで ある.また昨年まで 4 年間ゴール下を支え続けた趙明の卒 業によって昨年以上に苦戦を強いられる事が予想された. そこで,昨年同様「守って走る」をスローガンとして,4 年生を中心にミーティングを重ねた.様々なフォーメーシ ョンを取り入れ,練習の中から試行錯誤を重ね組織力を強 化し,勝負していくこととした. 関東大学バスケットボール選手権大会では,群馬大学が 初戦.ベンチメンバー全員が出場し10578で勝利した.続 いてベスト16をかけて同じ関東 2 部リーグ所属の神奈川大 立てる.また 2 年生喜久山が次々と 3P シュートを決め, 学と戦ったが,後半リードを保つことができず, 6391で 2 年生千葉のアシストも冴え渡る.だが大事な場面でミス 敗退した. が相次ぎ 6571で第 1 戦を黒星で終える.第 2 戦,あとが シーズン前期の反省から,夏はもう一度基本に戻るため ない本学は 4 年大下内, 3 年泉, 3 年小川と上級生が得点 本学でトレーニング合宿を 5日間行った.心身共に限界ま を重ねていき 91 82 で勝利する.第 3 戦は,連戦の疲れ で追い込みフィジカル向上に努めた.また関西遠征を行 か,相手に翻弄され59 84で敗北し,3 部降格が決まった. い,近畿大学など強豪校と試合を行った.リーグ戦に向け 来季,本学は 1 部 2 部10チーム制になって以来初の 3 部 てのチームの課題を発見するとともに,チームとしての取 で戦うこととなった.目標はもちろん「2 部復帰」である. り組んできた成果を感じることもできた. 目標達成のために技術,体力,精神力,全てにおいてレベ 関東大学バスケットボールリーグ戦は第 2 戦に主将であ ルをあげていかなければならない.そのためにも日々の練 る 4 年生大下内仁が負傷により戦線離脱.プレー面でも精 習,トレーニングの中から厳しさを持つとともに,大学生 神面でも中心的存在であった大下内が抜けた穴を皆で補い としてのあり方を見つめ直し,日々の生活から改善してい ながら戦っていった.しかし白星を多く重ねることは出来 くことが必要である.それと同時に,これからも続く本学 ず入れ替え戦となった. バスケットボール部にとって輝かしい未来への始まりとな 入れ替え戦の相手は 3 部リーグ 1 位の江戸川大学であっ た.第 1 戦は,大下内が怪我をおして出場しチームを盛り る 1 年を選手・スタッフと一丸となって築き上げていきた い. 順天堂スポーツ健康科学研究 40 第 4 巻 Supplement (2013) 女子バスケットボール部 部長 櫻庭 景植 監督 中嶽 誠 コーチ 竹内 敏康 今シーズンは念願の 1 部の舞台での挑戦の年となった. 昨シーズンまでのチームのスタイルである「激しく つこく し 粘る」から,強い気持ちと強い身体をも って戦っていこうという想いを込め,「強く 激しく 粘る」というスタイルへ進化させた.また,スタイル を含め,伝統を変えていくからこそ感謝の気持ちを強くも ち続け,応援されるチームを目指した.そして,より勝ち にこだわり「1 部リーグ上位(ベスト 4)」を目標に,高さ に負けない粘り強いチーム作りに取り組んできた.さらに, OG 一期生の佐藤亜紀子さんにアシスタントコートとして 尽力してもらった. 他チームに比べると身長の低いチームであるため,ディ け,「 1 部残留」を果たした.続く全日本インカレでは, フェンス・オフェンス共に「強さ」を強調し,オールコー 初戦の奈良産業大学を下し,2 回戦では早稲田大学と対戦 トで勝負を仕掛け,スピードで相手を圧倒することを念頭 したが敗退となった. に置き練習を行った.1 ゲームを通して,激しいディフェ 「関東選手権 5 位入賞」と歴史を変え,「1 部残留」と歴 ンスからブレイクでの得点を増やすよう指導した.またト 史を繋いだシーズンとなった.今シーズンを通し,多くの レーニングにおいても,ディフェンスのための脚力強化, 先生方や OB ・ OG・保護者の方々が遠方の会場にも関わ 当たり負けないための体幹の強化を目的として,試合期を らず,足を運んで頂いた.全日本インカレではホームゲー 軸として,期間ごとのメニューを編成し取り組んだ. ムのような,暖かい声援に勇気づけられ,全国の舞台で順 5 月の関東選手権大会では,ディフェンスやルーズボー ルでの粘り強さ,ブレイクのスピードを武器に,過去最高 天堂のバスケットをお見せすることが出来たことを大変嬉 しく思う. 成績となる「5 位入賞」を果たした.9 月から始まったリー 来シーズンは,今シーズンでチームの主力であった 4 年 グ戦では,1 部の強豪校を前に苦しい戦いが続いた.チャ 生が引退し,より厳しいシーズンになる.しかし,「順天 レンジャー精神を忘れることなく全力で戦い抜いたが,1 堂はこれからだ」という自信とともに,1 部リーグで思い 部の壁は厚く,1 部リーグ最下位という結果となった.そ 切り戦い抜き,全日本総合選手権(オールジャパン)まで して入れ替え戦ではリーグ戦での悔しい想い全てをぶつ 進めるよう更なる成長に繋げていきたいと思う. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 41 バレーボール部 蔦宗 浩二 本年度は 2 月からシーズンが開幕し,春・秋のリーグ 園児から高校生,ママさんなどの大人の方も一緒に参加し 戦,東日本インカレ,全日本インカレで優勝を目指した. ている.総勢100名を超える幅広い年齢層の方々と接する 結果は不本意に終わることが多かったが,選手が人間的に ことで,ボランティア活動としての地域との交流や人間 成長している場面を多く感じた.特に 4 年生のチームを引 力,選手の指導者になるための指導力を向上させることが っ張るリーダーシップはとても素晴らしいものであった. できた. 5 年目に入った地域のバレーボール教室も,多くの幼稚 毎週火曜日 1900~2030 参加者・幼稚園児約20名,小学生約60名, 中学生約20名,大人約20名 順天堂スポーツ健康科学研究 42 第 4 巻 Supplement (2013) また参加者約600人ほどの学内バレーボール大会では部 を育む機会を作ることができた.特に企画運営を行った各 員が企画運営を行い,バレーボールの楽しさを共有し,懇 係のリーダーは10月から企画を始め細かな計画を立てて, 親会などでは部活の枠を超えた交流により豊かな人間関係 積極的に活動してくれた. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 43 フットサル部 部長細見 修 監督渡邉 貴裕 コーチ久保田洋一 2012年 FIFA フットサルワールドカップがタイ王国で開 催され,本学フットサル部 OB の高橋健介選手も日本代表 に選出された.近年,日本のフットサル競技人口は200万 人を超えていると言われ,競技レベルも着実に上がってい る.その一方で,子供から大人までが楽しめる生涯スポー ツとしても注目されている. 本学フットサル部は設立以来,部員たちが自ら練習メニ ューを考え,日々トレーニングに励んでいる.練習は平日 の朝 7 時から 9 時まで,コスモホールを利用して約 2 時間 行っている.朝の限られた時間,しかも大会とは異なる床 面での練習ということもあり,練習環境は決して恵まれて いるとは言えないが,4 年生が中心となりチームをまとめ ている.特に実戦形式の練習では一つひとつのプレーにつ のではなく,学生生活ひいては社会で生きていくうえで欠 いて確認し合う等,常にコミュニケーションを取りながら かせない精神ともいえる.その意味ではこうした賞を受賞 非常に密度の濃い練習が行われている. できたことは,喜ばしいことであり学生たちにとっても自 そうした日々の練習の成果が実を結び,今年度は悲願の 信になったのではないか. インカレ初優勝を果たした.大会が行われた大阪・豊洲ア 今後はたくさんの先輩たちが作ってきた,「自主性を重 リーナには前日まで社会人リーグに参加していた部員をは んじ,感謝の気持ちを忘れない」という雰囲気を大切にし じめ,保護者, OB 等たくさんの人たちが応援にかけつ ながら,新しいメンバーでさらなる伝統を築き上げていき け,まさに部員一丸となっての優勝であった.大会の様子 たい. は「順大スポーツ」の一面で取り上げていただいた.その 今年度の戦績は以下の通りである. 文面で印象的だったのは,選手たちが皆,周囲の人たちに 対する感謝の気持ちを述べていたことである.特に今回の 全日本大学フットサル大会(インカレ)優勝 大会では,同時にフェアプレー賞も受賞することができ 関東大学フットサルリーグ優勝 た.これはフットサルをプレーすることだけにあてはまる 千葉県フットサルリーグ(1 部)8 位 順天堂スポーツ健康科学研究 44 第 4 巻 Supplement (2013) 陸上競技部 コーチ 【はじめに】 陸上競技部の最大の目標は関東インカレ・日本インカ レ・箱根を含む三大駅伝に対し最高の戦績を目指すことと 部長 佐久間和彦 監督 越川 一紀 女子監督 鯉川なつえ 駅伝監督 仲村 明 ヘッドコーチ 青木 和浩 雄太,長門 俊介 高梨 や教養を身に着ける機会ができ非常に有意義な合宿であっ た.さらに例年実施している沖縄合宿も実施し,昨年度以 上の良い仕上がりでシーズンを迎えることとなった. 良き指導者を目指すという創部以来続いている陸上競技部 しかし,4 月下旬に越川監督が病に倒れ,佐久間部長が の伝統を継承していくことである.しかしながら,昨年度 監督代行となり,危機的な状況を迎えながら関東インカレ は箱根駅伝では予選会校からシード権を確保したものの関 に臨んだ.関東 IC では十種競技で千葉大喜(スポ科 4 東 IC が 7 位,日本 IC が 6 位と陸上競技部においては歴 年),円盤投で知念豪(スポ科 3 年),走幅跳で西海亮(ス 史的な惨敗となった.部全体の反省会やコーチングスタッ ポ科 2 年)が優勝, 800 m で岡昇平(スポ科 4 年),ハン フの反省会の中で練習方法や部員の意識の改善はもちろん マー投で知念雄(スポ科 4 年),走高跳で山豊(スポ科 であるが,コーチングスタッフの再生が急務であった.そ 3 年)が 2 位入賞,十種競技で松下祐樹(スポ科 3 年)が のような背景の中,本年度は金子前部長の退職に伴い,陸 3 位入賞するなどの活躍を見せるも下位得点が拾えず,総 上競技部は新体制となり佐久間前副部長が部長に就任し 合 4 位と実力不足を認めざるを得ない結果となった.しか た.また,監督のサポートをするポストとして従来置いて し,越川監督が不在にもかかわらず跳躍陣が奮起して,続 いたヘッドコーチ制を取り入れ青木が就任,さらに高梨雄 く日本インカレへの手応えを感じた.そして,関東 IC で 太助教が新任教員として採用され,投擲コーチに就いた. の惨敗から反省会を基に練習を積み,2 年ぶりの総合優勝 以下,男子陸上競技部,男子駅伝,女子部(含駅伝)か を目標に部員一丸となって迎えた日本 IC ではハンマー投 ら活動報告をしたい. で知念雄(スポ科 4 年),走幅跳で西海亮(スポ科 2 年) が優勝を果たし長距離種目では 1500 m で田中秀幸(スポ 【男子陸上競技部】 科 4 年)が 2 位とチームを勢いづけたが,他の種目でなか 昨年度の惨敗を踏まえ,本年度は精力的に合宿を取り入 なか得点を重ねることができず,総合 4 位という結果とな れた.特に陸上競技部の大きな合宿として昨年 3 月には文 ってしまった.その中でも走高跳で山豊(スポ科 3 年), 部科学省の「大学スポーツ研究活動資源事業」に本学が採 円 盤 投 で 知 念 豪 ( ス ポ 科 3 年 ), 10000 mW で 木 村 洋 介 択され,主に陸上競技部と体操競技部が対象となり事業を (スポ科 2 年)が 2 位入賞を果たすなど 3 年生以下の活躍 進めることとなった.その事業の一つとして海外への研修 も目立ち,来年度の日本 IC に繋がる結果となった. 合宿を計画し,部員の中でもトップ選手を北京体育大学の 本年度は,越川監督の不在というアクシデントがあった 地で合宿することができた.この合宿では,中国のトップ が,部員やコーチングスタッフが一枚岩になり,最低限の コーチや研究者,さらに国立室内トレーニングセンターの 結果を残すことができた.しかしながら,日本 IC 27回の 利用など,学生たちにとって競技力向上はもとより国際性 優勝を誇る伝統校として,常に優勝争いができるチームで 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 45 あることと大学生として教養や品格のある全人教育も図っ て,箱根駅伝と本学が目標としている試合において最高の ていくことが必要であることを肝に銘じて精進していく覚 成果を出すべく,より一層の精進を積んでいく所存である. 悟である. ○総括,次年度に向けて 【男子駅伝】 ○年次目標,取り組み 結果的には,記録や成果の面等で,他大学に圧倒された 1 年であった.両インカレの決定力不足があり,全日本大 箱根駅伝のシード権を獲得した恩恵をトラックで成果を 学にも駒を進めることができず,また,他大学の競技記録 挙げたいと考えた.インカレにおいて結果を残し,その勢 向上等の状況からも本学が取り組まなければならない課題 いを駅伝に繋げ,前年度以上の成績を収めることに目標に は山積している.しかしながら,光明もある.本年度箱根 おいた.伝統的な個別でのトレーニングを重要視し,クロ 駅伝で優勝した日本体育大学から学ぶべき点は多く,本学 スカントリーを多く取り入れた練習スケジュールの立案を も下馬評を覆す走りで 2 年連続シード権を獲得した.記録 した.加えて栄養やケアの部分でも管理栄養士やトレー の優劣だけではなく,自分たちの力を大会当日に発揮する ナーを入れて学生のサポートを充実させた. ことが出来れば実力上位校とも渡り合えることが確認でき 学生に対しては,実践力をつけさせるために,「考えた た.来年度は,目標としている競技会を選別し,より集中 ら,気が付いたら,まず実行」を心がけさせ,指示待ち, 力を高めることで個々の学生の力を引き出す取り組みをし 受け身の体質改善を図った. たいと考える.本年度,箱根駅伝を走った選手 6 名が卒業 競技結果においては,関東インカレと日本インカレの得 し,厳しい戦いが予想されるが,今回出場できず,悔しい 点争いに貢献,全日本大学駅伝出場権獲得,箱根駅伝 3 位 想いをした学生達,新たな力である新入生を育成し,頂点 を目標に置き取り組んだ. を目指し取り組む決意を新たにした. ○成果 【女子部】 今年度の中心的な存在である的野遼大(スポ科 2 年)が 女子部は,関東 IC において走高跳の前田愛純(スポ科 シーズン前半で怪我をし,長距離ブロック全体が波に乗れ 4 年)とやり投の川述優(スポ科 3 年)が優勝を果たした なかった感がある.結果的に関東および日本インカレにお が,昨年同様,総合 6 位という結果に終わった.そして迎 いては田中秀幸(スポ科 4 年)の入賞のみに留まった.今 え た 日 本 IC で は , 1500 m で 望 月 晴 佳 ( ス ポ 科 4 年 ), 一つ覇気の無い前半のシーズンとなった.駅伝関連では, 3000 mSC で後潟華奈子(スポ科 4 年),走高跳で前田愛 全日本大学駅伝予選会において,大池達也(スポ科 4 年) 純が優勝を果たし,4 年生が最上級生としての役割を果た が 3 組40人中 1 位と好走を見せるも,本戦出場にわずかに し,過去最高となる総合 4 位という成績を収めた.駅伝で 及ばない総合 7 位という結果に終り,本戦出場に至らなか は関東大学女子駅伝において,後潟華奈子,伊澤菜々花 った.一方, 5 年ぶりの出雲大学駅伝においては,1 区大 (スポ科 3 年)が区間 2 位の好走を見せるも, 7 位という 池達也が区間 3 位と続く 2 区田中秀幸が区間賞を獲得,首 結果に終わった.続く全日本大学女子駅伝では,序盤から 位に躍り出る序盤の好走を見せ,第 7 位という結果を収め 流れに乗れず,次の年に課題の残る10位という結果に終わ た.以降,秋には多くの学生が自己記録を更新し,チーム った. 全体の力がついていることを実感できた.最大の目標とし 女子部は関東 IC,日本 IC,関東大学女子駅伝,全日本 ている箱根駅伝本戦では,昨年の順位を 1 つ上回る 6 位入 大学女子駅伝において過去最高の総合成績を収めることが 賞でシード権を獲得し,「順大復活」へ確実に近づくこと 目標である.目標達成のために,まずは多種目でインカレ ができた. 出場を目指したい.特に短距離種目(リレーを含む)は力 しかし,今回の結果に満足することなく,関東インカ のある選手が実力を発揮できていない.女子は少人数では レ,日本インカレ,全日本大学駅伝,出雲大学駅伝,そし あるが,女子部員一人一人が緊張感を持って一層努力して 順天堂スポーツ健康科学研究 46 第 4 巻 Supplement (2013) いきたい.また長距離種目においては,トップの者はユニ を疎かにすることなく,部員全員が文武両道を実践してい バーシアード日本代表を目指し,またインカレにおいても く.そして学内においても範を示せる存在になるよう努力 複数の者が優勝・入賞争いができるよう日々のトレーニン していく. グで競争心を高めていきたい.また駅伝に関しては,関東 では優勝,全日本ではシード権獲得を目標とし,過去最高 【終わりに】 順位を目標に掲げていく.そのためにも,チームの中での 来年度は,陸上競技部全体として目標を達成すべく,上 自分の役割を明確にし,強固な結束力を持ちながら,選手 級生が率先してチームを牽引し,部員全員が誇りをもって 一人一人が自己管理を怠らず切磋琢磨していかなければな 行動をする部にすること.また競技だけでなく順天堂大学 らない. の学生という自覚を持ち,人として尊敬される人物になれ 陸上競技部女子部は,少人数であるがゆえ,個々人が目 るよう,自他共に見直しを図っていきたい.より強い集団 標と達成意欲を高く持ち,トレーニングを立案,実践して を形成すべく一人ひとりの内面からの変えていき,新たな いかなければならない.特にウエイトコントロール等の自 歴史をつくりあげていきたい. 己管理が最も重要である.また学生の本分である「学業」 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 47 自転車競技部における 年度の指導方針と今後の課題 形本 夫1,手嶋 敏光2,鈴木 良雄3,岸本 中務 博司6,松本 整7,河合 目標 直樹4,村出真一朗5 祥雄8,広沢 正孝9 ントに不可欠な一瞬の切れ味(加速の良さ)がまだ身につ 指導の効果をあげるためには,選手に目標を持たせるこ いておらず,勝ち上がることができなかった.しかし,そ とが大切であるので,一人一人に今年の目標を設定させ, の資質の高さには見るべきものがあり,時間をかけて育 そのためにはどうすればいいのか,を考えさせ書き記させ 成・強化することとした. た.それをもとに,部員一人一人に対して,指導者の目か インカレでは,スプリントで栗田選手(1 年)が 6 位, ら見た長所と改善点を指摘し,トレーニングに対する自覚 タンデムスプリントで木村・村上( 4 ・ 2 年)ペアが 3 位 と意識の向上を図った. に入賞した.栗田・吉川・村上の 1・ 2 年生トリオで臨ん それとともに,組織としての部の中で,一人一人が果た だチームスプリントは,1 分17秒703(1,200 m)の好記録 さなければならない役割についても考えさせた.また,部 を出すも僅差で 6 位に終わった.しかし,まだ若いチーム としての目標は,男子についてはこれまで果たせなかった だけに,彼らには「チームスプリントの順天堂」の復活を インカレ総合 2 位以上の成績をあげることとした.女子に 期待できそうである.25年度の活躍を楽しみとしたい.幸 ついては,総合上位入賞の基盤固めをする年とし,特定の いにも,次年度は 3 名の力のある新入生を迎えることが決 順位設定は行わなかった. 定している.他のグループの力を借りなくても戦いに臨め そうである. 指導内容と競技実績 ) 短距離 ) 中距離 今年の短距離は 4・2・1 年生各 1 人の計 3 人となり,戦 今年は 4 年生 2 人, 2 年生および 1 年生 1 人の 4 人体制 力ダウンは避けられず,一部中距離陣からの補強を行って で臨むことになった.団体追抜は 4 人で走るのがふつうで 戦わざるを得なかった.これまで 1 km タイムトライアル あるから,だれ一人として欠くことができない.しかし, で実績を残してきた 1 年の栗田選手は即戦力として期待さ 2 人の 4 年生は就職活動と重複して,練習参加が少なくな れたが,将来のことを考え,当分はスプリント種目に専念 り,本人たちにもそれを補う気力と工夫に欠けていたのが させることとした.本人は卒業後も競技を続ける意思が固 残念であった.全員が揃っての合わせ練習も限られ,非常 く,五輪を目指すことも可能な資質を感じさせたからであ にきつい状態でインカレを迎えることになった.そこで, る.高校時代にスプリントの経験はなかったが,レースで 窮余の策として,ロードの中尾選手を補強してメンバーを は予選をトップタイムで通過するなど,非凡なところを見 構成し直すなど,指導者としてはつらい選択を迫られた. せてくれた.しかし,対戦によるレース経験不足とスプリ インカレでは本学記録の更新をしたが,9 位に終わった. 4 km 個人追抜は 1 年生の吉川選手が活躍したが, 9 位と 監督代行(非常勤講師), 助監督(先任准教授,スポーツ栄養・生化学),4 コー チ・中距離(日本自転車普及協会),5 コーチ・ロード (非常勤助手,運動生理学),6 コーチ・メカニック(タ キサイクル),7 コーチ・短距離(協力研究員,クラブ コング),8 部長(教授,スポーツ医学内科),9 副部長 (教授,精神保健学) 1 監督(教授,運動生理学),2 インカレ入賞を果たすことはできなかった. 3 このように十分な成績は残させなかったが,選手たちは 追抜競走に不可欠な感覚的なペース配分をしっかり身に付 け,ほとんどの選手が 1 周 333 m ~ 400 m のラップを 1 秒 以内の誤差で刻めるようになった. 順天堂スポーツ健康科学研究 48 ペース配分は物理的なものではなく,主観的な強度配分 が大切と考えている.スタート直後は疲れもなく,同じ感 第 4 巻 Supplement (2013) 激を与えることが必要になる.そのため,ロード種目で は,月3,000 km ほど走り込みがどうしても欠かせない. 覚強度で走るとどうしてもオーバーペースになり,後半に 毎週 6 日トレーニングするとして,平均 120 km/日ほど 必ず速度低下が起きることになる.序盤は感覚的には楽に の走り込みになる.トレーニングは公道上で行うので,信 走っても,終盤全力で走るときと同じ物理的速度が出る. 号待ち等を入れると,練習時間は 4 時間前後になる.しか レースの進行に伴い主観的努力感と物理的強度との関連性 し,授業終了後に確保できる時間は 2 時間程度であり,生 が異なってくることをどのようにコントロールするのか, 理的適応に十分なトレーニング刺激を期待するができな そのノウハウを身に付けることがペース配分スキル獲得の い.どうしても+a の練習が必要であり,その多くは学修 要点となる.今年も,レースや日々のトレーニングにおい への影響が少ない早朝練習に求めるしかない.早朝練習に て徹底的にその指導してきたが,その意図が長い年月を経 よって日中眠くなってしまい,学修に影響を与えることも てやっと選手に浸透し,理解され始めたことを実感するこ 懸念されるが,自分自身で実行してみた範囲では, 2 ~ 3 とができた. 週もすれば体は適応し,そのようなことは起こらなくな 今後は,中枢循環能力を高めるためのレペティション・ る.また,若い者にありがちな夜型生活スタイルを改善さ トレーニングを中心としながら,スピード維持能力の改善 せる効果も期待できる.折を見てその必要性を繰り返し話 をいかにして図るかが課題となると思われる.これが達成 したが,その意図を選手に十分に理解させることができな されたとき,個人追抜も団体追抜もインカレでの上位入賞 いまま,インカレを迎えてしまった.残念であった.しか を果たすことができるはずである.不安材料は,抜ける 2 し,選手たちは最近になり,レース結果からその重要性を 名の 4 年生の後釜として現在 1 名の補強しかできていない 理解し,納得するに至ったようである.次年度に期待した ことである.団体追抜で戦うには, 1 ~ 2 名,他ブロック い. また,日ごろの栄養管理の重要性を改めて思い知らされ から補強することが必須となりそうである. た年でもあった.5 月に入って,エースの中尾選手から, ) ロード 「最近,思うように走れない.特に,得意の坂が思うよう 今年は当初から授業が始まってからの走り込み不足が懸 に登れず,みんなに遅れてしまうこともある.」,という相 念された.昨年は,震災による電力不足の懸念から授業終 談を受けた.そこで,トレーニングの内容,競技に対する 了時間が 1 時間ほど早まり,結果として走り込みの時間が 意欲,睡眠時間などいろいろチェックしてみたが,特に問 増えた.それが,インカレでの部門優勝につながったこと 題になるようことはなかった.3 度の食事もきちんと摂っ は否定できなかった.しかし,今年はそのようなことはな ているようであった.しかし,自炊が中心ということだっ いことから,走り込み距離不足をどのようにして回避する たので,内容を聞いてみると,ほとんど毎回同じようなも かが課題となることを指摘し,そのためには始業前のト の作って食べていることが分かった.自炊がゆえに食事に レーニングが欠かせないことを再三話してきたが,理解さ 極端な片寄りが見られた.そこで,自炊をやめさせ,多少 せ納得させるまでには至らなかった.その結果が,今年の 費用はかさむが外食に切り替えさせ,さらに毎回同じ物を ロード班の成績に表れたと感じている. 食べることのないように指導した.その後,上記のような ロードレースは学生の大会でも走行距離が 160 km~ 190 km になるのが普通で,レース時間は 4 時間以上になる. ことはなくなり,体調の回復も見られた.食事を大切にす る指導が疎かになっていたことを反省させられた. したがって,トレーニングでは心拍出量を中心とした中枢 循環能力もさることながら,筋の酸化能力を徹底的に鍛え さらなる飛躍を目指して る必要がある.レースの後半になれば,エネルギー供給に 本競技部では,自転車競技を愛好する心をもとに,日ご おける脂質代謝の役割も増大してくるので,日常のトレー ろのトレーニングを通して心身の鍛錬を図るとともに,イ ニングの中でそのような状況を作り出して,筋の代謝に刺 ンカレで優れた成績をあげることを目的に活動させてき 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 49 た.しかし,最終目的は,その過程を通して,自らの競技 導者が何を考えどのように指導しようとしているのか,ま 力を向上させることにあることは言うまでもない.その実 た選手がコーチに何を期待しているかを知ることは,競技 現のため,指導は,選手一人一人の記録更新の手助けとす 経験のない私にとって極めて大切なことであった. ることを第一としてきた.選手はそれに応えて競技力を向 中でも,シドニー,アテネの 2 回のオリンピックを自転 上させ,インカレでの活躍が注目を浴びるまでになった. 車強国オーストラリアのナショナルコーチであったゲー しかし,できれば,活躍の場を海外に求められるまでに成 リーウエスト氏とともに迎えたことは,コーチングに対す 長してもらいたいと考えてきた.これまでに, 6 名(男 4 る私の眼を肥やすのに大きな役割を果たした.氏は常々 名,女子 2 名)の者か日本代表として海外に出かけ夢を果 コーチングは education なのだと言って,必要なことは, たしているが,今年もロードの中尾選手(U23日本自転車 選手がその背景と意義を理解し納得するまで,何度も繰り 競技連盟強化指定選手)が,日本代表としてツール・ド・ 返し選手に伝えていた. そこでの経験を通して,部員に少しでもいい指導を行う 台湾に参加しチームの総合優勝に貢献した. 25 年度は,ロードの布施選手が U23 強化選手,短距離 には,絶えず指導者は学び続け,「教育できる」知識と知 の栗田選手が強化育成選手の指定を受け,海外へのチャン 恵を持つ大切さを思い知らされた.もちろん,自分が専門 スが与えられた.2 人にはそのチャンスを必ずや生かして とする学問分野が,運動によって身体の機能や構造に生ず もらいたいと思う.2 人とも,高校時代にチャンピオンの る適応現象を扱うものであったことが役立ったことは言う 経験はない.身近な仲間に大きなチャンスが与えられたこ までもない. とは,日ごろの精進の大切を理解させるうえで大きな力と なった. ) コーチは科学者でなければならない また,ゲーリーウエスト氏は,選手の指導は一般理論だ 定年にあたって~指導方針の概要 けではできないが,それを知らずして選手を育成し強化す 25年 3 月をもって,私の21年に及んだ監督業は終わりと ることはできない,とよく私に話した.要するに基本的な なる.その間,実にいろいろな方にお世話になりながら, 知識なしに,応用的な知恵など浮かぶはずがない,まして なんとか選手を指導することができた.部は女子選手 1 名 やトップアスリートを育成し強化することなどできるわけ の同好会から出発したが,現在は20名近い部員を抱え,イ がない,と言わんばかりであった.氏は,高度なコーチン ンカレで総合上位争いに顔を出す強豪校までに成長した. グ能力を身に付けるためには,スポーツ生理学やスポーツ その過程で,いろいろと考え,また学ばされた.その中に 心理学,スポーツ栄養学,バイオメカニクス,体力トレー はコーチングの専門家から見ればごく当たりえのこともあ ニング等に関する基本的な知識を修得が不可欠であり,そ るが,今後,私と同じような立場で部の指導に当たる人も れが満足されていなければ,専門的な医科学サポートを受 出てくると思われる.参考になればと,これまでの指導方 けても意味がない,よく話していた. 考えてみると,スポーツ運動は自然界に生ずる現象であ 針と留意すべき点の一部を記すことにした. り,その取扱いはまさに経験科学といえよう.科学の対象 ) 「教育」が大切 となるなら,それは実験(実習・実践),観察,数理を通 前述のように,私はコーチングの専門家ではない.一人 して法則性を定立し,実証することが可能なはずである. の体育学部生として,その基本を学ぶ機会があったが,自 したがって,程度に差はあっても,科学者の眼をコーチも 転車競技の経験はまったくなかった.したがって,日本自 持つ必要ではないか,それにはどうしたらよいのかと考え 転車競技連盟の医科学部会の委員や部会長として,強化合 ながら指導しててきた. 宿・世界選手権・オリンピックに帯同し,その中でトップ レベルの指導やトレーニングを実際に見る機会を持てたこ とは,部活でのコーチングに大いに役立った.トップの指 ) 刺激のマンネリ化を避ける 人間の体の機能は与えられたトレーニング刺激に対して 順天堂スポーツ健康科学研究 50 第 4 巻 Supplement (2013) 敏感に反応し,それが継続されれば,時間的・空間的な加 選手に向けられ,その他の者は「蚊帳の外」となってしま 重現象が起き,機能や構造に永続性のある拡大現象が生 いがちになる.そうなると,選手強化が目前の結果にとら じ,トレーニング効果(適応)が得られる.そのためには, われただぼハゼ的なものになり,多くの場合,「育成」が 与えられる負荷はその人の持つ能力を刺激するものでなく おろそかになって選手が育たないことが多い. これまでの経験から,組織としての部の活性化は,ただ てはならない(過負荷の原理). しかし,負荷の大きさが過負荷の原理に従っていたとし 強い選手がいれば図れるものではなく,「あいつは強くな ても,同じことを繰り返していたのでは刺激の陳腐化(ス ったな」と言われる選手が複数いることが必要だと感じて テレオタイプ化)が起きてしまい,十分なトレーニング効 いる.部を強くしようとするならば,どうしても「育成」 果が得られなくなることが知られている.ご存知の方も多 のプロセスを欠かすことができない.それには,指導者と いと思うが,スピードスケート500 m の五輪銅メダリスト 選手の間に 1 対 1 の関係を成立させることが不可欠だと考 黒岩 えている.その点からいえば,1 人の指導者が複数の選手 彰選手を指導していたのが,かつて研究室で共に助 手として働いていた前嶋 孝先生(元専修大学教授)であ を相手になければならい現状は,極めて過酷な状況にある る.黒岩選手はサラエボ五輪の前年の世界選手権では圧倒 のかもしれない.しかし,選手に常に指導者の眼を意識さ 的な強さで勝利し,五輪での金が大いに期待されていた. せることにより,心理的に 1 対 1 に近い関係を構築するこ 先生は,世界選手権での成功をもとに,五輪にはトレーニ とが可能だと気付いた.それは,指導者の選手に対する ングやテーパーリングの内容をほとんど変えずに臨むこと 「平等な気配り」なのかもしれない. にしたという.しかし,10位という成績が示す通り,それ 「本学部におけるクラブ活動の指導は教育的意味合いが は完全な失敗に終わってしまった.先生は,私に,刺激の 強い,だから…」という主張を多くの指導者の方々から聞 マンネリ化が身心のコンディションを微妙に狂わせている いてきた.それを実現するにはどうしたらよいのか,自分 と気付いたときは,もう手遅れでどうにもできなかったと なりに考え,経験して達したのが上記の結論である.一人 話してくれた.この話は,トレーニング計画を立案すると 一人の選手には,それぞれに固有な潜在能力が隠されてい きに,大変参考となった. るはずである.指導者がこれを開花させる努力をしなけれ 今年の箱根駅伝では,日本体育大学が前年の最下位(除 ば,選手の育成と強化はできないと思われる. く学連先発)から,今年は優勝という離れ業を演じた.し かし,布陣からみて,特に大きな補強が行われたようには ) おわりに~暴力による指導の排除 思えない.3 年生を主将にするなど,旧態依然とした身心 クラブ活動の指導において,絶対忘れてはならないのが のトレーニングを根底から見直し,斬新な刺激を注入した 暴力による指導の否定である.時と場合によっては殴るこ 結果ではないかと受け止めている.スポーツの指導者とし とも意味を持つとの意見もあるが,決してそれに与しては て,また研究者として,私が今年の箱根駅伝から得たもの ならないと,常に自戒すべきである. は実に大きい. スポーツの指導は,経験をもとに組み立てられることが 換言すれば,「不断前進」の気持ちを忘れたとき,指導 多い.私も,経験知は大切であると考えているが,それを 者としての命は,まさに風前の灯となるのかもしれない. 他人に教授するときには,「あーしろ,こーしろ」だけで は駄目である.指導内容の根拠を説明できる研究成果がな ) 対の指導 い場合でも,その内的妥当性を論理的に説明できることが いうまでもなく,スポーツの指導における究極の姿は, 大切である.特に,我々には,それが必須のこととして求 指導者と指導を受ける者の関係が 1 対 1 になることであ められていると得心する必要があろう.本来言葉で説明し る.しかし,現実のクラブ活動においては,一人の指導者 なくてはいけないことを,暴力によって解決しようする行 が複数の選手を見なければならないのが常である.試合で 為は,現に慎まなくてはならない. よい成績をあげることが求められると,指導者の眼は強い 私が大学に入学してクラブ活動を開始するとき,当時の 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) マネージャーから新入生に対して 「我々上級生は,君たちに文句があるときは口で言う.君 たちも文句があるときは口を使え.権威や体力ではなく, 頭で勝負しようじゃないか.」 51 と,生涯忘れることのない言葉が投げかられた.この言葉 が,私のクラブ活動指導における原点の一つとなったこと は言うまでもない. 順天堂スポーツ健康科学研究 52 第 4 巻 Supplement (2013) クラブ活動の指導内容 年度のトライアスロン競技部の活動 部長 今関 豊一 2012年度(平成24年度)のトライアスロン競技部の活動 日頃のトレーニングがあってこそ成り立つものと強く思 の中で,特筆すべきは,「 2012日本学生トライアスロン選 う.決して多くはない部員の活動は,ひとりひとりはもと 手権観音寺大会」選手権女子における酒井美貴の 3 位入賞 より,結束を強くして,お互いを支えている.酒井の結果 であろう.初めのスイムでは中間に位置し,バイクでやや は,本人の努力はもちろんのこと,お互いの良さを引き出 上位になったものの入賞からはほど遠い位置にいた.本人 し,日々のトレーニングに,また競技に,立ち向かうこと にとっては,いつもどおりの位置にいると思われた.しか を可能にしている部員の支えによるところも大きいと感じ し,周回コースのランに入ってからは,4 周する間に着実 た. に順位を上げていったのである.9 月 2 日とはいえ灼熱の ご家族の皆様の支えも大きいと強く思う.我が部のアッ 中の競技は,過酷であった.しかし,上位を行く他の選手 トホームな雰囲気は,厳しくてもトレーニングに立ち向か がオーバーペース気味にレースを運んだのに対し,自分の い,大会で自己の目標とする結果を出すということを支え ペース,リズムを守り通した酒井は,歓喜の 3 位入賞を果 ているのだと思う.また, OB・ OG の支えも大きい.卒 たした.自分の力に合った最高のペースを守り抜くことの 業後,何年も経ってから,仕事の合間を縫って,子育てが 難しさと,それを着実に守り抜くことが結果に結びつくこ 一段落して,現役生たちを励ましに来てくれるのである. とをまざまざと教えてくれた.日頃のトレーニングの取り たくさんの人に支えられ,見守られながら,学生たちは 組みが実を結んだ結果でもある. 着実に成長している.そのような部員の成長に,間近でか 順天堂大学トライアスロン競技部の学生たちは,大会に かわることができる私はしあわせだと思う.部長として 参加している選手の中では身体的な面で決して恵まれてい も,どんな指導・支援ができるか,どんな条件整備ができ るわけではない.また,近年は練習場の確保にも様々な課 るかを模索しながら今年度を振返り,次年度を展望したい 題を抱えている.そのような中にあって,競技の結果は, と思うところである. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 53 剣道部 部長・監督 コーチ 高瀬 武志,中野 【目標・課題】 雅貴,原田 中村 充 竜郎,鷹見由紀子,清水 千聖 《3 月~5 月≫ 2011年11月に学生幹部とミーティングを行い,2011年を 3 月上旬から中旬にかけては学生個々がそれぞれ母校を 総括したうえで2012年度の目標設定ならびに課題の抽出を 中心としながら,警察や実業団への出稽古期間とした.2 行った.特に男子は全日本大会出場を逃しただけに,様々 月の打ち込み稽古で培った勢いある動きや技能を,普段あ な見直しを図った. まり剣を交えない相手と対戦することによって実戦感覚を 男女とも全日本大会出場,関 具体的な目標としては,◯ 養い,個々の課題を抽出させた. 専門的知識と技術を学び指導者と 東大会シード権確保,◯ 3 月中旬からはさくらキャンパスにて三学部合同(スポ しての素養を身につける,とした.また課題としては,な 健・医学・医療看護)の強化合宿を行った.その後,選抜 るべく竹刀を多く振る,試合戦術の向上,など様々な点が 選手のみで千葉県警への出稽古を行った. 挙げられた. 4 月以降は, 5 月の関東大会(個人戦)に向けての調整 を中心としながら,選手以外の者への地固め,あるいは新 【計画の立案】 入生の大学剣道への対応等を配慮しながらの練習を行った. 学生にとっては学業が本分であり,学業を最優先したう 5 月前半は,13日(男子関東大会)および19日(女子関 えで活発なクラブ活動を行っていくことをまず確認した. 東大会)に開催された大会への調整を中心とした.大会直 剣道の競技力ピーク時期へ向かう基盤づくりとともに,高 前まで他大学との練習試合を繰り返しながら,各個人の調 校剣道から大人剣道への脱皮を図る.一方で,当面の競技 整をうながした.大会結果としては,男子・女子ともに入 成績を狙うことも学生にとっては重要であり,そういった 賞こそならなかったが,1 名ずつが全日本学生選手権大会 背景を踏まえながら練習計画・内容を組んでいくこととし への出場権を獲得できた. た. 《6 月~8 月≫ 5 月の関東大会を終えて抽出された全体の課題につい 【活動の内容】 て,いくつか考えられる練習メニューを提示・実践し,学 《12月~2 月》 生個々が自分の課題に合わせて考えて練習を組み立てるよ 1 年後あるいはそれ以後の自分が目指す姿を見据えて, うにしていった.また,1 年生に対しては自分で課題を抽 技能とともに意識のうえでも見直し,自己改革を目指させ 出し,周囲に左右されずに自分の練習の組み立てを行う素 た.特に各自の技能体系を再度構築し直すよう促した.2 地を身につけさせる内容を展開した. 月上旬に行った寒稽古では,剣道の伝統的稽古法を取り入 7 月 7 日(全日本女子学生剣道選手権大会),8 日(全日 れて,試合を視野に入れながらも競技面だけではない武道 本学生剣道選手権大会)に出場した男女 1 名ずつの選手 的な幅を広げるようにした.非常に単純ながら激しい練習 は,ともに現段階での持てる力を発揮し,ベスト16まで勝 の繰り返し時期であるが,モチベーションを失わないよう ち上がったが,ともに 3 年生ということもあり次年度へ大 に監督と学生幹部ならびに学生間ミーティングを繰り返し きく期待を持たせる内容であった. て行った. 7 月の前期試験が終了した後に全体活動を一旦休止し, それぞれが帰省するとともに各地へ個人的に出稽古に行く 順天堂スポーツ健康科学研究 54 よう指導した.様々な場所へ足を運ぶ学生と,自主的に活 動でき 第 4 巻 Supplement (2013) 年度への手応えを得る大会でもあった. 10月28日の全日本学生剣道優勝大会に向け,調整ではな ない学生がそれぞれ見受けられ自覚の促し方に課題が残る. く一段上の力をつけるべく取り組んだ.特に抽選の結果, 8 月中旬には茨城県水戸市にて集合し,まずは 5 日間の 1 回戦を勝ち上がれば鹿屋体育大学と筑波大学の勝者と対 夏季強化合宿を行った.非常に暑い中ではあったが,全員 戦することとなり,まずは初戦に向け気持ちを作り,大会 がしっかりとやりきることが出来たように感じる.その に臨むよう促した.初戦は辛くも制し,鹿屋体育大学とは 後,男子の12名は茨城県警へ,女子および男子下級生は土 終盤まで縺れる展開となったが,最後に振り切られる結果 浦市内の高校へ移動し,2 日間の出稽古をこなした.特に に終わってしまった.勝機がなかった展開ではないだけ 茨城県警では練習試合とともに,様々な練習法にも触れる に,しっかりと勝利をものにする強さをチームとしても身 ことができ充実しかつ刺激を得られた 2 日間であった.ま につけなければならないと痛感した. た,8 月末には数大学との練習試合を組んだ. 《9 月~11月≫ 11月末には男女の関東新人戦大会がされたが,大会に向 けて他大学との練習試合を積極的に行った.その前哨戦と 9 月は 9 日(関東学生剣道優勝大会), 15 日(関東女子 も位置づけられる千葉県大会では,準決勝で国際武道大学 学生剣道優勝大会)に向けて,夏季合宿ならびに練習試合 を振り切ったものの,決勝で清和大学に不覚をとる脆さも で得られた課題を中心に最終調整を行った.大会目標とし 見受けられた.男女ともに本大会では 2 回戦で男子は日本 ては,男女とも最低限全日本大会出場権獲得とし,16枠の 体育大学,女子は法政大学に敗れ,来年度以降に役立てる シード権に閲し男子は“堅持”,女子は“奪還”も重要な 指針作成が最重要課題となった. 課題であった.男子は序盤から安定した戦いを繰り広げ, 全日本大会出場権ならびに16シード権を堅持した.しかし 【総括】 その後,上位校との対戦となった時に気持ちを上手く切り 大会結果に関しては,男子は最低限の目標は達成でき新 替えることが出来ず,あっけなく敗れたことは,全日本大 たな伝統も出来つつある.しかしここ数年続いている,一 会に向けて大きな課題を残すこととなった.一方で女子は つの壁を破る事が出来ないジレンマを解消しなくては,次 初戦を順当に乗り切り,2 回戦で優勝候補の一角と対戦し のステージに進めないであろう.女子はトーナメント戦の た.大勢の見方は圧倒的に不利とも思われたが,序盤リー 組み合わせにも左右されたが,それは言い訳に過ぎず,ど ドする場面もあり善戦するものの最後の最後に振り切られ こと対戦しても勝利できる地力をつけることが最大課題で て敗れ去ることとなった.主力が 3 年生以下でもあり,来 ある. 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 55 水泳部 【指導計画と理念】 部長 野川 春夫 副部長 内田 佳吉 総監督 鈴木 陽二 監督 鈴木 大地 コーチ 高橋 祐太 ために例年,冬季には選手が寒さでトレーニングが十分積 学生が自発的に部活動に取り組み,競技に対する理解を めなくなってしまうという現状がある.そこでこの期間だ 深め,競技力向上につなげられるよう指導を行っている. け民間のスポーツクラブに通う形態を数年前から導入して メニューや練習方法はコーチが作成しているが,学生に細 いる.これも学生の立場になって考えれば,施設使用料を かなアレンジすることを容認し一人一人にフィットしたト 払って入学してきてもらっているにも関わらず,交通費と レーニングの提供を試みている.競技力を高めることのみ スポーツクラブの利用料を払うということで負担も大き ならず,アスリートとして一学生として社会的規範を身に く,学生によっては経済的事情で部の練習をすべてこなす つけてもらえるよう教育もしている. ことが出来なくなる者もおり気の毒であり,指導者として 指導計画は年間計画を立て,それを主に週間計画および は頭の痛いところである.1 部校で屋内室内プールが存在 一日一日の計画作りをしている.冬シーズン(10月~3 月) しない大学は本学だけという状況であり改善が望まれる. は短水路シーズンと呼ばれ, 25 m プールでの世界選手権 やワールドカップ,日本選手権が行われているが,トップ 【活動及び成績】 の選手たちはそこに出場し活躍することを目標にトレーニ 平成24年度は,関東学生選手権で男子 1 部残留,女子が ングをしている.夏シーズンは( 4 月~9 月)オリンピッ 2 部 4 位で,インカレでは総合16位という成績であった. クを始めとする国際大会や日本選手権およびインカレなど 昨年とほぼ同じ結果であった.来年度は,強豪校がひしめ の50メートルプールで行われる競技会が開催されるが,こ きあい厳しい戦いとなることが予想されるが,個人個人の うした大会に出場し,活躍できるようトレーニング計画を さらなる成長に期待しトレーニングに励んでいる. 立て実践している.一年の最大の目標は 9 月上旬に開催さ 1) 大会報告 れるインカレであるが,最もレベルの高い 4 月の日本選手 1. 1月9日 権でも活躍できるよう年間計画を作成している. 2. 1 月 21 ~ 22 日 新年フェスティバル(千葉県国際水泳場) 千葉県短水路選手権(千葉県国際水 泳場) 【活動環境】 3. 当部は基本的に校内の温水プールで活動をしている. 1 出場男子 1 名が決勝進出し,7 位 4. 中練習となるが,それに加えてトレーニング場にて陸上ト レーニングを行っている. また,本学のプールの水温は温水で一定に保たれてはい るものの,屋内プールの室温が外気温とほとんど差がない 第 51 回日本短水路選手権(辰巳国際 水泳場) 月~3 月は午前 6 時半から 2 時間,夕方は 4 時半から 2 時 間の 1 日 2 回の水中練習を行っている.週 8 回~9 回の水 2 月 25 ~ 26 日 3月1日 千葉県ジュニアチャレンジ大会(千葉県 国際水泳場) 5. 4 月 9~11日 日本選手権水泳競技大会(辰巳国際水 泳場) 男子 3 名,女子 1 名出場, 順天堂スポーツ健康科学研究 56 6. 5月8日 セントラル招待(千葉県国際水泳場) 7. 5 月15~16日 千葉県春季大会(千葉県国際水泳場) 8. 5 月 20 ~ 22 日 ジャパンオープン 2012 長水路(辰巳 14. 15. 9. 6 月12日 千葉県ジュニア大会(千葉県国際水泳場) 10. 6 月 26 日 関東学生夏季公認記録会(平塚総合体育 館) 7 月 25 日 ウィンターカップ(相模原グリーンプー 12 月 6 日 千葉県ディスタンス大会(千葉県国際水 泳場) 合宿報告 千葉県選手権(千葉県国際水泳場) 5月 ゴールデンウィーク合宿玉川大学 千葉県ジュニアチャレンジ大会(千葉県 8月 夏季合宿日ガイシ子アリーナプール(名古屋) 12月 冬季合宿台北市立体育学校(台湾) 3月 春季合宿館山自衛隊プール 国際水泳場) 13. 16. 2) 12. 12 月 6 日 ル) 男子 3 名出場. 7 月 9~10日 日本学生選手権(辰巳国際水泳場)男 子総合16位 国際水泳場) 11. 9 月 2~4 日 第 4 巻 Supplement (2013) 8 月 1~3 日 関東学生選手権(辰巳国際水泳場)男 子 1 部 9 位,女子 2 部 4 位 順天堂スポーツ健康科学研究 第 4 巻 Supplement (2013) 57 スキー部 1) 活動環境 本年度は新入部員が一人も入らず,フリースタイルブロ ックの部員 1 名でスタートした. 監督 辻川比呂斗 馬杉 茜 45位 女子 2 部回転 馬杉 茜 途中棄権 男子 3 部大回転 木村洋介 19位 森川嵩大 途中棄権 宮崎 途中棄権 学部の他の部活から力添えして貰う形で乗り切ることとな 男子 3 部回転 体力を向上させるトレーニングを,医学部と合同で行った. フリースタイルの和田野々花(スポ科 2 年・全日本ス 松山 女子 2 部大回転 本年度インカレは女子 2 部,男子 3 部で,参加選手は本 った.オフシーズンにおいては,スキーに必要となる基礎 部長 輝 木村洋介 20位 森川嵩大 途中棄権 毅 男子 3 部クロスカントリー キー連盟 SAJ ナショナルチームジュニアメンバー)がひ 1.2 km スプリントクラシカル ざの故障で昨シーズンから不調であったが,今年のオフ 15 km フリー シーズンはリハビリトレーニングや夏季合宿等で順調に回 塚本 博幸 19位 塚本 博幸 12位 長瀬 駿介 負傷のため出場辞退 復してきており,シーズン初盤より国内で合宿・試合など を重ね,2 月中旬より北米遠征を行い国際試合に出場して いる状況である. 3) 25年度の抱負 部員は今シーズンは 5 月 GW まで活動予定である.来 年度の目標は,更に上を目指すべく,男子インカレ 3 部総 2) 平成24年度戦績 合入賞,女子インカレ 2 部ポイント獲得,フリースタイル 秩父宮杯・秩父宮妃杯・寛仁親王杯 ブロックとしては,個人的ではあるが膝の故障より復帰し 第86回全日本学生スキー選手権大会 た和田にも更なる活躍を期待している. (岩手県八幡平市・安比高原スキー場)