...

Title ラック(シェラック)の生産・流通・消費の連関構造 Author(s)

by user

on
Category: Documents
21

views

Report

Comments

Transcript

Title ラック(シェラック)の生産・流通・消費の連関構造 Author(s)
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
ラック(シェラック)の生産・流通・消費の連関構造
渡辺, 弘之; 竹田, 晋也; 金子, 隆之
森林研究 = Forest research, Kyoto (1999), 71: 97-102
1999-12-28
http://hdl.handle.net/2433/192816
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
森林研究 7
1:97- 1
0
2,1
9
9
9
97
短 報
うック(シェラック)の生産。流通・消費の連関構造
渡辺弘之*・竹田普世判-金子隆之*
しa
c(
S
h
e
l
l
a
c
)p
r
o
d
u
c
t
i
o
ni
nt
r
o
p
i
c
a
lA
s
i
aa
n
di
t
su
t
i
l
i
z
a
t
i
o
ni
nJ
a
p
a
n
HiroyukiWATANAぉE*,ShinyaTAKEDA** and TakayukiKANEKO*
キーワード:ラック(シェラック)、非木材林滋~初、熱情林、食品五変色苧l
Keyw
o
r
d
s
:L
a
c(
S
h
e
l
l
a
c
),
n
o
nw
o
o
df
o
r
e
s
tp
r
o
d
u
c
t
s,
t
r
o
p
i
c
a
lf
o
r
e
s
t,
f
o
o
dd
y
e
岨
1
. はじめに
ろで使われており、わが国としてもぜひとも安定供給し
て欲しいものなのである。
熱帯アジアにおける森林減少・劣化はきわめて憂揺さ
なお、 L
a
c(
S
h
e
l
l
a
c
) を戦時i
jはセラックと表示してい
れる状況にある。その中で、水材の伐採・搬出に換えで
たし、セラックを社名としているところもあるが、本報
の非木材林濯物の生産が、「熱帯林の維持・再生と山村
では未綿製のスティックラック・シードラック、精製し
社会・経済の発援jに寄与するものとして注目されてい
たシェラックを含め、総称としてラック(シェラック)
る (
K
a
s
h
i
o,1
9
9
4
)。実際、熱帯林からは食線、銅料、薬
と表記する。
品、議、芳香剤、生化学工業原料、繊維、観葉植物など、
2
.調査地・調査法
植物性非水材林産物といわれるもの、あるいは野生鳥獣
額・魚類・閥虫類などからの食糧、皮革、昆虫類からの
隣接、ワックスなど、多様な産物が1
I
肝要・利用されてき
ラックカイガラムシの放虫・器組(増嫡)、ラァク
た。そのにいにはダマール、コパール、ウルシ(討さ)、オ
(シェラック)の生産の実態調査は過去、下記の地域で
レオレジン、ジュルトン、安息香など、工業涼料として
行い、また、関連の研究所・工場などを訪問した。
9
9
4
)。
先進国へ輸出されている産物も多い(渡辺, 1
インド
レ(
B
i
h
a
r
) ナト│ランチィ (
R
a
n
c
h
i
)
ビ、ハー l
T
r
i
b
a
lL
a
cD
e
v
e
l
o
p
m
e
n
tP
r
o
j
e
c
t,
K
a
l
a
m
a
t
i、
AchhrurmK
a
l
k
h
o
f& C
o
.(
S
h
e
l
l
a
c
)L
t
d
.
しかし、これら非木材林産物の生産・流通・消費の実
態、述関構造が把躍されて、はじめて、これら産物の生
関連の視点から述べてみたい。実際、ラック(シェラッ
Murhu、
I
L
R
I(
I
n
d
i
a
nL
a
cR
e
s
e
a
r
c
hI
n
s
t
i
t
u
t
e
)、
BISCOLAMP(
B
i
h
a
rS
t
a
t
eCか o
p
e
r
a
t
i
v
eL
a
c
M
a
r
k
e
t
i
n
gF
e
d
e
r
a
t
i
o
n
)、
DOLD (
D
i
r
e
c
t
o
r
a
t
eo
fL
a
cD
e
v
e
l
o
p
m
e
n
t
J
カjレカッタ (
C
u
l
c
a
t
t
a
J
)
SEPC (
S
h
e
l
l
a
cE
x
p
o
r
tP
r
o
m
o
t
i
o
nC
o
u
n
c
iI
インドネシア 東ジャワナト│ プロボリンゴ (
P
r
o
b
o
l
i
n
g
o
)、
シツボンド (
S
i
t
u
b
o
n
d
o
)
ク)が器薬品錠剤・食品の被膜・コーテイング、粘接着
中間雲南省民明 (
Kunming
,
Y
u
n
n
a
n
)
テープ、食品競色料などとして、日常生活の身近なとこ
タイ
践をふまえた熱帯林の維持・再生、地域社会の経済発
展・伝統文化の継承が論議できる。その中で注目される
産物の一つがラックカイガラムシから得られるラック
(シェラック)である。
著者らはこれまで熱;常アジア各国におけるラックカイ
ガラムシからのラック(シェラック)生産状況を調べて
きたが、本報告ではわが悶への輸入・消費の実態をふま
え、生議・流通・消費の連関構造を、私たちの生活との
ランパン (
L
u
m
p
a
n
g
)
*京都大学大学院 1
'
1
'
1
:学研究科森林科学導攻
淀アジア・アフリカ地波研究研究科
**京都大学大学 i
*D
i
v
i
s
i
o
no
fF
o
r
e
s
ta
n
dB
i
o
m
a
t
e
r
i
a
l
sS
c
i
e
n
c
e,
G
r
a
d
u
a
t
eS
c
h
o
o
lo
fA
g
r
i
c
u
l
t
u
r
e,
K
y
o
t
oU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
**G
r
a
d
u
a
t
日S
c
h
o
o
lo
fA
s
i
a
na
n
dA
f
r
i
c
a
nA
r
e
aS
t
u
d
i
e
s,K
y
o
t
oU
n
i
v
e
r
s
i
t
y
本研究は文部省科学研究費補助金
者主役研究 (
C
) r熱帯~I,木材中本産物の ~U去・流通. i
待望号の巡!鮒持法 J課題脅号 09660161 の研究員リj
成(平成 9-1
1年)を受けたものである。
FOR
.R
E
S
.,
KYOTO711999
9
8
また、わが隠で、シェラックの加工・精製の実態調査
に及ぶとされる (Roonwal,
M.L
.
,1
9
5
8
)。
大阪・日本シェラック(株)各社また、セラック協同組
I
n
o
c
u
l
a
t
i
o
n
) し、ラックが収穫
しかし、実際に放虫 (
される樹木はほぼ限られ、インドではハナモツヤクノキ
合(東京)で、の聞きとりにより行った。
(Bu
t
e
amonospelmaマメ靴、セイロンオーク (
S
c
h
l
e
i
c
h
e
r
a
は岐卒・岐卒セラック製造所(株)、東京・興洋化学(株)、
o
I
e
o
s
aムクロジ宇泊、インドナツメ (
Z
i
z
y
p
h
u
sJ1laUritl~îna
3
.結果
=
=Z
.
j
u
j
u
b
aクロウメモドキ科)などである(渡辺 1
9
9
3
)
(鵠-1
)。
3
.
1 ラック(シェラック)の生産
タイではアメリカネムノキ (Samaneasamanマメ科)
ラック(シェラック)は半勉(カメムシ)自カイガラ
を主に、アセンヤクノキ (
A
c
a
c
i
a
.c
a
t
e
c
J
w マメ科)、セ
ムシ科のラックカイガラムシ (Laci
n
s
e
c
t
)(
L
a
c
c
i
f
e
r
9
9
0
)、インドネシアではセ
イロンオークなど(竹間, 1
l
a
c
c
a=K
.
e
r
r
i
al
a
c
c
a
) の体表から分j
必される樹路状の分
イロンオーク、ハナモツヤクノキ、 A
c
a
c
i
av
i
l
l
o
s
a(
h回
泌物のことである。本種はインド、パキスタン、バング
,1
9
9
3
)、中間ではシタン (D
a
l
b
e
r
g
i
ao
b
t
u
s
i
f
o
!
i
aマメ科)、
ラデシュ、ミャンマー、タイ、南中間、台湾など熱情ア
キマメ (
C
a
j
a
n
u
sCe(戸lJマメ科)などである(劉・石.i
J
支
ジアに天然分布するとされる。 最近ではラオス、ミャン
マ一、カンボジア、ベトナムなどでも寄主樹木で、の森林
辺
,1
9
9
6
)。
ラックカイガラムシのついた j
支(これを T
1fIラック
の再住と問時に、ラックを生産しようとしている。多様
Broodl
a
cという)を稲わら、布、タケかごなどにつつみ
な樹種に帯生することが知られ、その寄主樹木
(タイではこれを RuangKhrang、インドネシアでは
木) (Hostp
l
a
n
t
s,
l
a
ch
o
s
t
)はインドだけでも 240種以上
Kerosoという)、これを帯主樹木の枚に接強(放虫)す
る(閤 -2)0 o
隊化したばかりの幼良は体長 0.5mm、ボ…
ト型のきわめて小さなものであるが、 J1
:
i
Jをもち移動・分
S
e
t
t
l
e
m
e
n
t
) し
、
散 (Swarming) できる。小枝に定着 (
立体長 1cmになる。 I
I
肢は移
樹液を吸い生育する。成虫で、 l
動できないが、雄は成虫になると)仰をもち移動できる
分泌物はからだのまわりで閉まり、雌雄で異なった巣
(
C
e
U
) をつくる (Mukhopadhyay,
B
.&M.S
.Muthaana,
1962)。蛾の産卵数は 300~ 1,
000f
聞とされる (CSIR,
1
9
6
2
)。
カイガラムシの分 i
必物を枚から取り外したものを
S
t
i
c
kl
a
c、分泌物を砕き、死体・樹木のかけら・砂など
をとり除き、水洗い・乾燥したものを Seedlac、さらに、
熱、ソーダ、アルコールに溶かし色素分などを分離・
ハナモツヤクノキ (
B
u
t
e
am
o
n
o
s
p
e
n
n
a
) (インド、ランチイ)
h
e
l
l
a
cといっている。なお、シ二エにラヅク
製したものを S
を7
天
ミ
然
按符得.られるもので l
はまなく、あくまで昆虫の分泌物であ
る
。
1
眼
古来、インド、中間、インドシナなどではえんと (
目白)色の染料として衣料を染めていたし、現在でも染め
られているが、わが闘にも古く立合 i
誌はじ倉)にラック
が f
紫鉱j として保存されていることが知られている。
ラックカイフゲラムシの -j世代は、ほほ 6ヶ月で、ある。
インド、インドネシアでは接種後 6ヶ月でラックを収議
しているが、タイでは 2出:代後、すなわち 1年後に JI引を
している(部… 3
)。
セイロンオーク (
S
c
h
J
e
i
c
h
e
r
ao
J
e
o
s
a
)(インドネシア、プロボリンゴ)
図…1.
ラック ~iì安本,,~
F
i
g
.圃
1
.L
a
cp
r
o
d
u
c
i
n
gf
o
r
e
s
t
s
.
タイ北部におけるラックカイガラムシの管理、街
については竹田 (
1
9
9
0
)、インドネシアにおける生縁状
況については竹田 (
1
9
9
3
)、中閣議 N
i
i
i
ぎでの生政状況に
9
9
森林研究 7
11
9
9
9
関 -2. インドネシアでクロソとよばれる縫うックを入れる竹製
間一 3
. アメリカネムノキの枚に掛けられた磁ラ
y クと校 j
容とし
(タイ、ランノ fン)
の容怨と稜ラック
F
i
g
.
2
. Bamboomadec
o
n
t
a
i
n
e
r
so
fb
r
o
o
dl
a
c(
c
a
l
l
e
dKerosoi
n
I
n
d
o
n
e
s
i
a
)a
n
db
r
o
o
dl
a
c
.
F
i
g
.3
.C
o
n
t
a
i
n
e
r
sh
a
n
g
e
ddownf
r
o
mb
r
a
n
c
h
e
so
fh
o
s
tt
r
巴e
s
(
S
a
l
η8nen
l
n
)a
n
dl
o
p
p
i
n
go
fb
r
a
n
c
h
e
sw
i
t
hl
a
ci
n
s巴c
t
s
S
i
lnJi
ついては劉・石・渡辺 (
1
9
9
6
) ですでに報告した。
3
.
2 生産譲とわが器への輸入議
0倍
、
インドでは故虫時につけた檎ラックに対し最大 1
働
9
7
4タイでのラックの生産殺は年変動が大きく、 1
9
3
7
)、インド
普通 3倍の収議;になるといわれ (Glover,1
1
9
7
5年には 24,
0
0
0tであったが、 1
9
8
0-8
1年にはわ
ネシアにおいても接種最の3
情のラックが収穫できると
か 600 t、最近 1
0年間の王子均も年 600 t税度である
される(竹田, 1
9
9
3
)。なお、離ラック、すなわち僻化
CSubansenee,
W.1
9
9
5
)。
した幼虫がでたあとの殻は油収、利用する。
朗被あたりではハナモツヤクノキなど高木では 200~
2
50k
g
!
h
a
、M
o
g
h
a
n
i
am
a
c
r
o
p
h
y
l
l
aなどの紙水では 450g
!
h
aであるという (
C
S
I
R,1
9
6
2
)。インドではラッ
5
0
0k
クカイガラムシの一品犠 Rangeeni;
f
m
.
で
は 1雌あたり
インドネシア林業公社 (PerumPerhutani) のプロボ
リンゴ工場での生産量は、 1
9
8
4-1
9
9
1年で、ほほ 2
0
1
-280t税皮である(竹-開, 1
9
9
3
) インドネシアでの生
ほほこの穏度とみていい。
中間では放虫している間績は 5万 ha、総本数 7
,
00075
0
.
0
2
9g、Kusumi磁で 0
.
0
6
9gのラックを生産するとさ
本、ラックの生産最は 5
,
9
0
0tにも速する(劉・石・渡
C
S
I
R,
1
9
6
2
)。
れる (
9
9
6
) とされるが、近年のわが│主!への輸入増 1
]
1
1(
ま
こ
辺
,1
のことを反映しているのであろう。
7
3
4t、
インドからの輸出金は 1991-1992年の年間 5,
FOR.RES.,
KYOTO7
11
9
9
9
1
0
0
な輸出先はドイツ 1,
089t、インドネシア 1,
392t、ア
メリカ合衆間 767 t、アラブ連邦(エジプト) 714 tな
あることはまちがいない。
これら輸入されたラック(シェラック)は興洋化学
どで、日本へは 68 tになっている。この年、わが国の
(本社・東京)、岐阜セラック(本社・岐主料、日本シェ
輸入最をみるとシードラックで 10 t、シェラックで 66
ラック(本社・大阪)の大手 3社によって、加工・精製
tとなっており、数設的にはほぼ対応しているといって
されている。また、生産地での作柄・市況調査、原料の
共同 E
寄付け、関税率・税制についての具申、製品規格の
し
、
し
ミ
。
日本セラック協同組合による大蔵省環易統計(コード
.
10-100:セラックその協の精製ラック
名 1301
1301
.
10
欄
統ーなどのため、セラック協同組合(事務所:東京)を
設立している。
200:シードラック)からの輸入状況によれば、 1980年
800 tに対し、
いずれにしろ、 1980年度の総輸入:設 1,
j
支にはシードラックとして、タイから 1,
297 t、インド
1998年度にはわずか 537t、約 1
1
4にまで減少している。
697 t、シェラック(セラック)と
から 400 t、合計 1,
シェラックの輸入量は 1980年度の 109 tに対し、 1998
してインドから 107 t、中国から 2 t、ドイツから 0.1
年 72tとこの 20年間で大きな変化はないが、シード
t、合計 109 t、シードラック・シェラックを合わせて
1,
806 tが輸入されていた(表 -1)。
ラックについては、インドネシア、中悶からの車命入カ'(ま
ぼ安定しているのに対し、タイからの輸入設が 1/20に
しかし、 1998年 j
交にはシードラックとしてタイから
も減少していることが目立つ。また、インドからの輸入
108 t、インド 192 t、インドネシア 24t、中間 142 t、
合計 466 t、シェラックとしてインドから 72t、その
蚤の年変動の大きいこと、不安定がみてとれる。
これら車命入されたシードラック、シェラックは名
横浜、東京、神戸、大 j
渡海から臨掲げされている。
他ドイツから 500旬、フランスから 3kg、合わせて 537
tと、次第に減少していることがよくわかる。
シードラックの輸入はタイを主にインド、インドネシ
ア、中国、これにミャンマ一、香港からであり、シェラッ
クはインドを主に、中関、ベトナム、ドイツ、アメリカ
輸入価措はタイ産シードラックで 280~378 円!kg、イ
ンド躍のシ…ドラックで 237-263丹、シェラックで 313
- 400円!k
g
(
C
I
F
) である。
1998年のタイにおいても、タイラック協会
(
T
L
A
)に
合衆閣などであるが、香港で、は生産されているはずはな
よればエルニーニョの影響!と思われる 40Cを超える
いので、中間などで生産されたものであろう。
期の高 i
鼠により、ラックカイガラムシが死滅し、 850 t
0
問様にシェラックについても、ドイツ、アメリカ合衆
(
M
T
)程度の生産でないかと予想されていたが、このこ
国からの輸入は、インドで生産されたものが、ドイツ、
とを反映したものであろうわが国への輸入も、わずか
アメリカ合衆閣で精製、シェラックに加工されたもので
108 tと激減している。
茨-1. わが到のラック(シードラックおよび精製シェラック)の輸入畿の変化(主別立;kg)
Amounto
fi
m
p
o
r
t
e
dl
a
c(
s
記巴d
l
a
c
)a
n
dr
e
f
i
n
e
ds
h
邑l
l
a
ct
oJ
a
p
a
n
.
ンエフ yク
シードラック
矧
名
年
!
支
タ
イ
インド インドネシ 7 中間
'
8
01
,
297,
1
1
3 400,
225
'
8
11
,
0
3
8,
347 1
4
3,
4
5
0
'
8
21
,
2
7
2,
0
9
6 1
3,
8
6
5
'
8
31
,
342,
2
6
1 2
0,
000
'
8
41
,
1
6
4,
1
1
1 5,
0
0
0
'
8
51
,
4
0
5,
487
,
045,
9
4
3
'
8
61
'
8
71
,
1
2
5,
1
4
8
9
0
0
8
81
,
246,
887 9
8,
7
2
5
,
1
1
6,
620 1
2,
0
0
0
'
8
91
1,
3
0
0
'
9
01
,
007,
529 6
8
0
2 1
0,
0
0
0
'
9
1 7
2
3,
940 1
1
7,
0
0
0
'
9
2 6
4
6,
1
6
0 8
9,
5
0
0
'
9
3 6
5
6,
6
3,
'
9
4 5
5
0
0
9
4
01
6
5,
'
9
5 317,
9
2
41
3
9,
250
'
9
6 379,
9
3
4 9
9,
0
0
0
'
9
7 4
5
8,
44
8 307
,
5
0
0
9
2,
'
9
8 1
000
,
8
3
91
0
7
害
その他
言
十
インド
l
i
その 1
語
1
"
合言i
0
0
0
(中間)
,
8
0
6,
3
2
1
0
6,
875 2,
1
0
8,
9
7
41
(強)
1
,
6
9
7,
3
3
81
9
5
0
(
ベ
ト
十L
) 2
38(USA) 1
0,
2
8
81
,
290,
0
8
5
0
8,
7,
1
0
02
1
,
1
8
1,
7
9
7 8
,
0
0
0
(中間)
5
7,
8
0
01
,
378,
7
6
1
6,
800 1
1
,
320,
9
6
1 5
3
5,
0
0
0
5
4,
7
2
51
,
44
1,
9
8
6
4
,
7
2
5
0
0
0
1
,
387,
2
6
1 5
2
5,
9,
9
5
0
(
ベ
ト
ナ
ム
) 272(USA) 5
,
2
6
6,
7
3
3
4
0
01
6
2
21
7,
1
,
2
0
9,
1
1
1 37,
4
0
,
0
0
0
0
0
0
(ベ
ト
ナ
ム
) 260(USA)
3
2
5 8,
5
8
51
,
4
6
9,
0
7
2
2
6,
8,
1
,
4
4
2,
4
8
7 1
37
,
000
,
1
5
1,
6
7
0
0
2
(
U
S
A
)
5,
6
2
51
6
5,
7
2
71
4
0,
000
1
,
0
8
5,
9
4
3 6
0
0
(中国) 362(USA)
1,
1
0
05
1
,
16
3,
2
4
8 7
37,
200
45
0
1
1,
4
9
5,
0
6
2
7
4,
,
4
2
0,
6
1
2
!7
4,
45
0
1
7
5,
000
9
5
0i
7
2
4
(
U
S
A
)
7
9,
6
7
4
1
1,
2
5
8,
2
9
4
8,
5
0,
0
0
0
1
,
1
7
8,
6
2
0 7
6
3,
0
2
5
1
1,
324,
8
2
9
3,
0
2
5
5
0,
0
0
01
4
2,
9
7
5
1
,
2
6
1,
8
0
4 6
,
125,
077
5,
5
2
5
6
5,
5
2
51
,
0
5
9,
5
5
2 6
1
5
0,
0
0
02
7
5,
7
5
0
1,
0
0
0 181(USA) 5
0
(独)
5
6
1
4
5
0
9
4
3,
330 5
5
1,
2
3
1 994,
4
2,
3
6,
9
4
01
5,
0
0
0
(;
り 7回
)
5
8
,
4
0
0 9
8
3,
2
2
5
8,
4
0
0
6
6,
5
6
5 9
7,
6
0
01
9
2
4,
8
2
5 5
4,
0
0
0
4
4,
0
0
0 9
5
5,
8
7
0
7,
0
0
0
9
1
1,
8
7
0 4
4
3
0 9
8
5,
0
0
0
(
;tン7-)1
5,
5
0
0
(香港) 697,
6
3
4 6
2,
5
0
0
6
2,
5
0
0 7
6
0,
1
3
4
1
0,
710 2
0
9,
2
5
05,
2
1
(
U
S
A
)
8,
5
0
02
6
8,
7
2
1 7
3
5,
4
7
5
5
3,
8
2
01
3
4,
0
0
0
6
6
6,
7
5
4 6
8
1
(
U
S
A
)
7,
0
0
01
1
3,
7
9
3,
0
5
0 1
9
9
8 5
0
0
0
5,
飢問
4
6
5,
46
9 7
1,
5
0
0 500(独) 3
(仏)
2
4,
0
0
01
4
1,
6
3
0
7
2,
0
0
3
i 5
3
7,
4
7
2
i
s
w
l
f
1
0
1
森林研究 7
11
9
9
9
4
. 考察
ラックカイガラムシの増摘が大きく天候に左右される
ことは確かであるが、シードラック自体は保存できるも
ので、生産者が値上がりを期待して貯蔵していることも
ラック(シェラック)の生産は相手が小さな昆虫だけ
o
l
dc
r
o
pと
ある。不作のときにもこの貯蔵されたもの (
却
に、天候の影響を大きく受け、年変動が大きい。わが i
いっている)カすでできている。
など先進酪では大きな需要があり、その安定供給が認ま
れている。 逆に、需要の不安定と価格の高騰は、代替品
たってしまう。熱帯アジア
への転換を促進し、供給先を 5
3
.
3 シェラックの利用・用途
戦前までシェラックの最大の利用はニス(ワニス)と
の農山村-の生活環境の保全、さらには忠治維持のため村
S
P.
L
Pレコード盤であったが、戦後は粘・接着剤、医
落周辺などに薪炭用・飼料用として樹木の植級、森林の
薬・食品のコーテイング、フルーツワックス、さらには
再生をはかつているが、その宵・収穫まではかなり長
色潔が食品精急料として利用されるなど、その利用・用
い年月がかかる。しかし、これら樹木にラックカイ力、ラ
途は大きく広がっている。
ムシを古文虫・噌 F
遣することで、ラック(シェラック)と
1
9
9
7年のわが閣でのシェラックの加工・出荷設は塗
料に 1
9
4t、電機 3
2t、粘・接着 7
4t、器薬 4
7t、そ
の他に 1
9
3t、計 5
4
0t、1
9
9
8年度は絵本H
こ1
5
9t,
機2
6t、粘・接議 6
4t、医薬 5
1t、その他に 1
5
9t、
計4
5
9tである。
炎… 2
. ラック(シェラック)の::Eな用途(岐阜セラ
M
a
i
nu
t
i
l
i
z
a
t
i
o
no
fl
a
c(
s
h
e
l
l
a
c
)
.
守
主i
二トランス
小恕トランス
シードラックは樹脂(ワックス)分と色素(ラッカイ
守合滋機
ン駿)に分ける。樹脂分は (
9
5
%
)で、アレウリチン酸
モ-7-
(
C
1
6
H
3
2
0
5
)など 1
5種以上の樹服駿でできているとさ
れる (
D
e
v,S
.1
9
7
4
)。比重1.1~ 1
.2
、軟化点 6
5~ 8
0C、
熱硬化 1
7
0Cである。
浴磁コイ )
v
マイカさ李総然キイ
司
i
f
託絶縁Hl
0
よ
認
さ
去
後
電球
0
(
1
)任意の温度で搭解・硬
化する熱硬化特性、 (
2
)i
l
u
t油性、 (
3
) アルコール系の i
容
斉J
Iにのみ溶ける耐溶性 .
i
容解性、 (
4
)吹付け、捌毛按り
フォトレジスト
エyチノグI
パインダ目
半 Hlベースト
淡兵
t
長銀
ベンキブシJt.
シェラックの特性として
m
での皮膜、 (
5
)精密な成裂のできる成型性・研溶性、 (
6
)
粘・接潜性、 (
7
)電気絶縁性、 (
8
) アルカ 1
)水溶液に可
待
、
j
闘機ニス
」主主ギ.
I
H
l
(
9
) 無難性があげられている。
シェラック
材)、塗料用(酒精ニス)、粘・接潜荊(粘穀テープ、接
水償援:半 1
着剤)、印刷用(インキ)、医薬・食品用(錠剤、食品の
l
P
J
総斉J
I
コーテイング、フルーツワックス)、その他(ヘアーラッ
す占.~安達費用
建材
粘縫テープ
1 長波紋 JW~rï欝jIJ:波高1)
J
主務殉i
カ…、トランプカード表面コーティング)など多様な用
工~
illÆ~
1
住総箔
ゴム i
製品
自動 l
l
i
i
訓告 f
l塗事│
絵i
到補修
シェラックの利用・用途は表 2に示した(岐阜セラッ
ク製造所パンフレットより)ように、電気絶縁用(絶縁
y クK.K.
製品案内資料より)
テラゾ-!i
l
H
ヨ
大3
笠石力1工
3
r
石J
t
l
I
I
途に利用されている。色素(赤色のラッカイン酸、黄色
ガラス加 I
のエ 1
)スロラクシンなどからなる)は γ控
カfないとさ
R
i
tほ
1
:
i
れ、食品着色料(表示は「ラック色素Jr議色 ~q・(ラッ
ふラス紙石
アニリンインキ
水性インキ
修j
Eイシキ
ク)
J
) として利用されている。色調は pH調節で、また
クチナシ黄色索、アナト一色紫などと混ぜて貯みのもの
在宅務斉J
I
印稿用
合没約
が得られる。菓子、あん、ハム、ソーセージ、麹、水綾
加工品、ジャム、ゼ 1
)一、清涼飲料、冷菜、キャンデー
E
霊
祭 .
f
i
ε
R
uHl-コーティン
などに利用されている。かまぼこの赤もラック急畿を塗
パインダー
布したものがある。食品の涼材料表示を見れば、ラック
の名をみつけることカfできる。
その他
l
l
i
!
紙
銭高J
I
チョコレートその{出
ブルーツワックス
ブェ:1-トボザソシャー
ヘヤーラッカー
トランプ等カード
路子、紙記モ
花火
î~l/{ íill \:í1 n パインダー
ìr互 ;/i~ パ y キング
KYOTO711999
FOR
.RES.,
1
0
2
いう副議物が得られる。スティックラックの放虫・収機
Calcut
旬、 S
ecretar
て
yMr.R.N
.Banerzee,
Council(SEPC),
時賜は農作業と競合しない。
lndianResearchI
n
s
t
i
t
u
t
e(
ILRI
)
、 DirectorMr.Shravan
また、マメ軒の Moghaniamacrophyllaなど怯木での増
Kumar
,
Bihar
・S
t
a
t
eCooperativeLacMarketingFederation、
殖は高木での作業と異なり、作業がしやすく、植栽後 2
ManagingDirector
・Mr.T
.Prasad,DirectorateofLac
年で 1
文京でき、増殖準もいいとされるので、これら樹磁
Development(DOLD)、SeniorS
c
i
e
n
t
i
s
tMr.A
.R.Rao.
を植栽してのラック生産専用林をつくるといった試みも
有効であろう。
引用文献
いずれにしろ、法楽・食品コ…テイング、食品紫色料、
粘・接藷郁などとして、大きな需要があるのに、わが留
への輸入査をは大きく減少している。このことはすでの述
べたように、代替のコーティング剤、粘.1
妾務部、ある
いは合成藷色料の出現・転換を促進することになる。し
かし、合成務位料に対する不信の強い現在、ラック
(シェラック)など、天然藷急 ~SI.の需要は大きい。熱帯
アジア諸国においても、この事実を十分に把揺し、その
安定供給・マーケティングルートの確立が必要であろ
う。また、わが国においても、これら天然産物が熱帯ア
ジ‘アの鹿山村で生産されていることを理解し、その生産
に援助できる方法を考えるべきであろう。
謝 辞
CSIR(
C
o
u
n
c
i
lo
fS
c
i巴n
t
i
f
i
c&l
n
d
u
s
t
r
i
a
lR巴s
e
a
r
c
h
:l
n
d
i
a
)(
1
9
6
2
) The
w
e
a
l
t
ho
f
l
n
d
i
a
.Vo
.
l6
,1
1
2,1
6
2
1
7
4
.
巴
。v,Sukhi(1974)Chemicalnatureofl
a
cr
e
s
i
n
.J
.lndianChem.Soc.
L
1
,1
4
9
1
5
5
.
G
l
o
v
e
r,
P
.M.(
19
3
7
)L
a
cc
u
l
t
i
v
a
t
i
o
ni
nl
n
d
i
a
. ILRL
e
d
.
)(
1
9
9
4
) Noか woodf
o
r
e
s
tp
r
o
d
u
c
t
si
nA
s
i
a
. FAOI
K
a
s
h
i
o,M.(
RAP
A
.
Mukhopadhyay,
B
.&M.S.Muthana巴
(d
s
.
)(
19
6
2
) Amonographon
l
a
c
.I
L
R
I
.
Roonwal,
M.L
.e
ta
l(
1
9
5
8
)D
e
s
c
r
匂t
i
v
ea
c
c
o
u
n
to
ft
h
桔 h
o
s
t
p
l
a
n
t
so
f
l
a
ci
n
s
e
c
t,
L
a
c
c
i
f
e
rl
a
c
ω
(
K
e
r
r
.
),
a
n
dt
h
ea
l
l
i
e
dp
l
a
n
t
si
nt
h
eI
n
d
i
a
n
t1
,
,
!
I 1LCC.
r
e
g
i
o
n
.P担r
劉怒R;.::{5ヰま功・渡辺弘之 (
1
9
9
6
)中関・渓南省の特別(非木材)
若林業 36,
5
9
6
6
材、援物について. 熱f
W.(
1
9
8
6
)S
t
i
c
k
l
a
cp
r
o
d
u
c
t
i
o
n
ld
e
v
e
l
o
p
m
e
n
ti
nT
h
a
i
l
a
n
d
S
u
b
a
n
s
e
n
e
e,
Ac
a
s
es
t
u
c
l
y
.ReviewP
a
p
e
rN
o
.1
5
. FAOFOI
u¥S
I
78
/
0
1
0
.
竹田苦手i!L(
1
9
9
0
)北タイ地方におけるうツク作りの技術と術主木に
ついて.米潟アジア研究 2
ふ2
,1
8
2・2
0
5
竹悶昔日l!l(
1
9
9
3
)インドネシアのラァク作りと議主 i
三.熱幣林議 2
6,
5
5
6
0
渡辺弘之 (
1
9
9
3
) インドのラック研究所合訪ねて.熱÷校生立出会会
ニューズレター N
o
.
1
0,
1
3
1
5
渡辺弘之 (
1
9
8
9
) 策溺アジアの森林と毒事し.1
6
1
p
p
.人文書I
.
f
l
淀
渡辺弘之 (
1
9
9
4
)主!目指非木材林援物.1
0
9
p
p
.k
前際緑化1
4
をi
鐙-¥:ンター
幽
本研究において、資料の提供、有益なご教示をいただ
いた下記の方々に摩く謝意を述べたい。
興洋化学(株)社長高檎{富男氏、営業部長矢柴俊成氏、
(株)岐阜セラック製造所会長尾木信蔵氏、社長尾木喬
氏、日本シェラック工業(株)社長武田麗之助氏、セラッ
ク共舟組合問中公一氏、また、 ShellacExportPromotion
Fly UP