Comments
Transcript
Title ラック(シェラック)の生産・流通・消費の連関構造 Author(s)
Title Author(s) Citation Issue Date URL ラック(シェラック)の生産・流通・消費の連関構造 渡辺, 弘之; 竹田, 晋也; 金子, 隆之 森林研究 = Forest research, Kyoto (1999), 71: 97-102 1999-12-28 http://hdl.handle.net/2433/192816 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 森林研究 7 1:97- 1 0 2,1 9 9 9 97 短 報 うック(シェラック)の生産。流通・消費の連関構造 渡辺弘之*・竹田普世判-金子隆之* しa c( S h e l l a c )p r o d u c t i o ni nt r o p i c a lA s i aa n di t su t i l i z a t i o ni nJ a p a n HiroyukiWATANAぉE*,ShinyaTAKEDA** and TakayukiKANEKO* キーワード:ラック(シェラック)、非木材林滋~初、熱情林、食品五変色苧l Keyw o r d s :L a c( S h e l l a c ), n o nw o o df o r e s tp r o d u c t s, t r o p i c a lf o r e s t, f o o dd y e 岨 1 . はじめに ろで使われており、わが国としてもぜひとも安定供給し て欲しいものなのである。 熱帯アジアにおける森林減少・劣化はきわめて憂揺さ なお、 L a c( S h e l l a c ) を戦時i jはセラックと表示してい れる状況にある。その中で、水材の伐採・搬出に換えで たし、セラックを社名としているところもあるが、本報 の非木材林濯物の生産が、「熱帯林の維持・再生と山村 では未綿製のスティックラック・シードラック、精製し 社会・経済の発援jに寄与するものとして注目されてい たシェラックを含め、総称としてラック(シェラック) る ( K a s h i o,1 9 9 4 )。実際、熱帯林からは食線、銅料、薬 と表記する。 品、議、芳香剤、生化学工業原料、繊維、観葉植物など、 2 .調査地・調査法 植物性非水材林産物といわれるもの、あるいは野生鳥獣 額・魚類・閥虫類などからの食糧、皮革、昆虫類からの 隣接、ワックスなど、多様な産物が1 I 肝要・利用されてき ラックカイガラムシの放虫・器組(増嫡)、ラァク た。そのにいにはダマール、コパール、ウルシ(討さ)、オ (シェラック)の生産の実態調査は過去、下記の地域で レオレジン、ジュルトン、安息香など、工業涼料として 行い、また、関連の研究所・工場などを訪問した。 9 9 4 )。 先進国へ輸出されている産物も多い(渡辺, 1 インド レ( B i h a r ) ナト│ランチィ ( R a n c h i ) ビ、ハー l T r i b a lL a cD e v e l o p m e n tP r o j e c t, K a l a m a t i、 AchhrurmK a l k h o f& C o .( S h e l l a c )L t d . しかし、これら非木材林産物の生産・流通・消費の実 態、述関構造が把躍されて、はじめて、これら産物の生 関連の視点から述べてみたい。実際、ラック(シェラッ Murhu、 I L R I( I n d i a nL a cR e s e a r c hI n s t i t u t e )、 BISCOLAMP( B i h a rS t a t eCか o p e r a t i v eL a c M a r k e t i n gF e d e r a t i o n )、 DOLD ( D i r e c t o r a t eo fL a cD e v e l o p m e n t J カjレカッタ ( C u l c a t t a J ) SEPC ( S h e l l a cE x p o r tP r o m o t i o nC o u n c iI インドネシア 東ジャワナト│ プロボリンゴ ( P r o b o l i n g o )、 シツボンド ( S i t u b o n d o ) ク)が器薬品錠剤・食品の被膜・コーテイング、粘接着 中間雲南省民明 ( Kunming , Y u n n a n ) テープ、食品競色料などとして、日常生活の身近なとこ タイ 践をふまえた熱帯林の維持・再生、地域社会の経済発 展・伝統文化の継承が論議できる。その中で注目される 産物の一つがラックカイガラムシから得られるラック (シェラック)である。 著者らはこれまで熱;常アジア各国におけるラックカイ ガラムシからのラック(シェラック)生産状況を調べて きたが、本報告ではわが悶への輸入・消費の実態をふま え、生議・流通・消費の連関構造を、私たちの生活との ランパン ( L u m p a n g ) *京都大学大学院 1 ' 1 ' 1 :学研究科森林科学導攻 淀アジア・アフリカ地波研究研究科 **京都大学大学 i *D i v i s i o no fF o r e s ta n dB i o m a t e r i a l sS c i e n c e, G r a d u a t eS c h o o lo fA g r i c u l t u r e, K y o t oU n i v e r s i t y **G r a d u a t 日S c h o o lo fA s i a na n dA f r i c a nA r e aS t u d i e s,K y o t oU n i v e r s i t y 本研究は文部省科学研究費補助金 者主役研究 ( C ) r熱帯~I,木材中本産物の ~U去・流通. i 待望号の巡!鮒持法 J課題脅号 09660161 の研究員リj 成(平成 9-1 1年)を受けたものである。 FOR .R E S ., KYOTO711999 9 8 また、わが隠で、シェラックの加工・精製の実態調査 に及ぶとされる (Roonwal, M.L . ,1 9 5 8 )。 大阪・日本シェラック(株)各社また、セラック協同組 I n o c u l a t i o n ) し、ラックが収穫 しかし、実際に放虫 ( される樹木はほぼ限られ、インドではハナモツヤクノキ 合(東京)で、の聞きとりにより行った。 (Bu t e amonospelmaマメ靴、セイロンオーク ( S c h l e i c h e r a は岐卒・岐卒セラック製造所(株)、東京・興洋化学(株)、 o I e o s aムクロジ宇泊、インドナツメ ( Z i z y p h u sJ1laUritl~îna 3 .結果 = =Z . j u j u b aクロウメモドキ科)などである(渡辺 1 9 9 3 ) (鵠-1 )。 3 . 1 ラック(シェラック)の生産 タイではアメリカネムノキ (Samaneasamanマメ科) ラック(シェラック)は半勉(カメムシ)自カイガラ を主に、アセンヤクノキ ( A c a c i a .c a t e c J w マメ科)、セ ムシ科のラックカイガラムシ (Laci n s e c t )( L a c c i f e r 9 9 0 )、インドネシアではセ イロンオークなど(竹間, 1 l a c c a=K . e r r i al a c c a ) の体表から分j 必される樹路状の分 イロンオーク、ハナモツヤクノキ、 A c a c i av i l l o s a( h回 泌物のことである。本種はインド、パキスタン、バング ,1 9 9 3 )、中間ではシタン (D a l b e r g i ao b t u s i f o ! i aマメ科)、 ラデシュ、ミャンマー、タイ、南中間、台湾など熱情ア キマメ ( C a j a n u sCe(戸lJマメ科)などである(劉・石.i J 支 ジアに天然分布するとされる。 最近ではラオス、ミャン マ一、カンボジア、ベトナムなどでも寄主樹木で、の森林 辺 ,1 9 9 6 )。 ラックカイガラムシのついた j 支(これを T 1fIラック の再住と問時に、ラックを生産しようとしている。多様 Broodl a cという)を稲わら、布、タケかごなどにつつみ な樹種に帯生することが知られ、その寄主樹木 (タイではこれを RuangKhrang、インドネシアでは 木) (Hostp l a n t s, l a ch o s t )はインドだけでも 240種以上 Kerosoという)、これを帯主樹木の枚に接強(放虫)す る(閤 -2)0 o 隊化したばかりの幼良は体長 0.5mm、ボ… ト型のきわめて小さなものであるが、 J1 : i Jをもち移動・分 S e t t l e m e n t ) し 、 散 (Swarming) できる。小枝に定着 ( 立体長 1cmになる。 I I 肢は移 樹液を吸い生育する。成虫で、 l 動できないが、雄は成虫になると)仰をもち移動できる 分泌物はからだのまわりで閉まり、雌雄で異なった巣 ( C e U ) をつくる (Mukhopadhyay, B .&M.S .Muthaana, 1962)。蛾の産卵数は 300~ 1, 000f 聞とされる (CSIR, 1 9 6 2 )。 カイガラムシの分 i 必物を枚から取り外したものを S t i c kl a c、分泌物を砕き、死体・樹木のかけら・砂など をとり除き、水洗い・乾燥したものを Seedlac、さらに、 熱、ソーダ、アルコールに溶かし色素分などを分離・ ハナモツヤクノキ ( B u t e am o n o s p e n n a ) (インド、ランチイ) h e l l a cといっている。なお、シ二エにラヅク 製したものを S を7 天 ミ 然 按符得.られるもので l はまなく、あくまで昆虫の分泌物であ る 。 1 眼 古来、インド、中間、インドシナなどではえんと ( 目白)色の染料として衣料を染めていたし、現在でも染め られているが、わが闘にも古く立合 i 誌はじ倉)にラック が f 紫鉱j として保存されていることが知られている。 ラックカイフゲラムシの -j世代は、ほほ 6ヶ月で、ある。 インド、インドネシアでは接種後 6ヶ月でラックを収議 しているが、タイでは 2出:代後、すなわち 1年後に JI引を している(部… 3 )。 セイロンオーク ( S c h J e i c h e r ao J e o s a )(インドネシア、プロボリンゴ) 図…1. ラック ~iì安本,,~ F i g .圃 1 .L a cp r o d u c i n gf o r e s t s . タイ北部におけるラックカイガラムシの管理、街 については竹田 ( 1 9 9 0 )、インドネシアにおける生縁状 況については竹田 ( 1 9 9 3 )、中閣議 N i i i ぎでの生政状況に 9 9 森林研究 7 11 9 9 9 関 -2. インドネシアでクロソとよばれる縫うックを入れる竹製 間一 3 . アメリカネムノキの枚に掛けられた磁ラ y クと校 j 容とし (タイ、ランノ fン) の容怨と稜ラック F i g . 2 . Bamboomadec o n t a i n e r so fb r o o dl a c( c a l l e dKerosoi n I n d o n e s i a )a n db r o o dl a c . F i g .3 .C o n t a i n e r sh a n g e ddownf r o mb r a n c h e so fh o s tt r 巴e s ( S a l η8nen l n )a n dl o p p i n go fb r a n c h e sw i t hl a ci n s巴c t s S i lnJi ついては劉・石・渡辺 ( 1 9 9 6 ) ですでに報告した。 3 . 2 生産譲とわが器への輸入議 0倍 、 インドでは故虫時につけた檎ラックに対し最大 1 働 9 7 4タイでのラックの生産殺は年変動が大きく、 1 9 3 7 )、インド 普通 3倍の収議;になるといわれ (Glover,1 1 9 7 5年には 24, 0 0 0tであったが、 1 9 8 0-8 1年にはわ ネシアにおいても接種最の3 情のラックが収穫できると か 600 t、最近 1 0年間の王子均も年 600 t税度である される(竹田, 1 9 9 3 )。なお、離ラック、すなわち僻化 CSubansenee, W.1 9 9 5 )。 した幼虫がでたあとの殻は油収、利用する。 朗被あたりではハナモツヤクノキなど高木では 200~ 2 50k g ! h a 、M o g h a n i am a c r o p h y l l aなどの紙水では 450g ! h aであるという ( C S I R,1 9 6 2 )。インドではラッ 5 0 0k クカイガラムシの一品犠 Rangeeni; f m . で は 1雌あたり インドネシア林業公社 (PerumPerhutani) のプロボ リンゴ工場での生産量は、 1 9 8 4-1 9 9 1年で、ほほ 2 0 1 -280t税皮である(竹-開, 1 9 9 3 ) インドネシアでの生 ほほこの穏度とみていい。 中間では放虫している間績は 5万 ha、総本数 7 , 00075 0 . 0 2 9g、Kusumi磁で 0 . 0 6 9gのラックを生産するとさ 本、ラックの生産最は 5 , 9 0 0tにも速する(劉・石・渡 C S I R, 1 9 6 2 )。 れる ( 9 9 6 ) とされるが、近年のわが│主!への輸入増 1 ] 1 1( ま こ 辺 ,1 のことを反映しているのであろう。 7 3 4t、 インドからの輸出金は 1991-1992年の年間 5, FOR.RES., KYOTO7 11 9 9 9 1 0 0 な輸出先はドイツ 1, 089t、インドネシア 1, 392t、ア メリカ合衆間 767 t、アラブ連邦(エジプト) 714 tな あることはまちがいない。 これら輸入されたラック(シェラック)は興洋化学 どで、日本へは 68 tになっている。この年、わが国の (本社・東京)、岐阜セラック(本社・岐主料、日本シェ 輸入最をみるとシードラックで 10 t、シェラックで 66 ラック(本社・大阪)の大手 3社によって、加工・精製 tとなっており、数設的にはほぼ対応しているといって されている。また、生産地での作柄・市況調査、原料の 共同 E 寄付け、関税率・税制についての具申、製品規格の し 、 し ミ 。 日本セラック協同組合による大蔵省環易統計(コード . 10-100:セラックその協の精製ラック 名 1301 1301 . 10 欄 統ーなどのため、セラック協同組合(事務所:東京)を 設立している。 200:シードラック)からの輸入状況によれば、 1980年 800 tに対し、 いずれにしろ、 1980年度の総輸入:設 1, j 支にはシードラックとして、タイから 1, 297 t、インド 1998年度にはわずか 537t、約 1 1 4にまで減少している。 697 t、シェラック(セラック)と から 400 t、合計 1, シェラックの輸入量は 1980年度の 109 tに対し、 1998 してインドから 107 t、中国から 2 t、ドイツから 0.1 年 72tとこの 20年間で大きな変化はないが、シード t、合計 109 t、シードラック・シェラックを合わせて 1, 806 tが輸入されていた(表 -1)。 ラックについては、インドネシア、中悶からの車命入カ'(ま ぼ安定しているのに対し、タイからの輸入設が 1/20に しかし、 1998年 j 交にはシードラックとしてタイから も減少していることが目立つ。また、インドからの輸入 108 t、インド 192 t、インドネシア 24t、中間 142 t、 合計 466 t、シェラックとしてインドから 72t、その 蚤の年変動の大きいこと、不安定がみてとれる。 これら車命入されたシードラック、シェラックは名 横浜、東京、神戸、大 j 渡海から臨掲げされている。 他ドイツから 500旬、フランスから 3kg、合わせて 537 tと、次第に減少していることがよくわかる。 シードラックの輸入はタイを主にインド、インドネシ ア、中国、これにミャンマ一、香港からであり、シェラッ クはインドを主に、中関、ベトナム、ドイツ、アメリカ 輸入価措はタイ産シードラックで 280~378 円!kg、イ ンド躍のシ…ドラックで 237-263丹、シェラックで 313 - 400円!k g ( C I F ) である。 1998年のタイにおいても、タイラック協会 ( T L A )に 合衆閣などであるが、香港で、は生産されているはずはな よればエルニーニョの影響!と思われる 40Cを超える いので、中間などで生産されたものであろう。 期の高 i 鼠により、ラックカイガラムシが死滅し、 850 t 0 問様にシェラックについても、ドイツ、アメリカ合衆 ( M T )程度の生産でないかと予想されていたが、このこ 国からの輸入は、インドで生産されたものが、ドイツ、 とを反映したものであろうわが国への輸入も、わずか アメリカ合衆閣で精製、シェラックに加工されたもので 108 tと激減している。 茨-1. わが到のラック(シードラックおよび精製シェラック)の輸入畿の変化(主別立;kg) Amounto fi m p o r t e dl a c( s 記巴d l a c )a n dr e f i n e ds h 邑l l a ct oJ a p a n . ンエフ yク シードラック 矧 名 年 ! 支 タ イ インド インドネシ 7 中間 ' 8 01 , 297, 1 1 3 400, 225 ' 8 11 , 0 3 8, 347 1 4 3, 4 5 0 ' 8 21 , 2 7 2, 0 9 6 1 3, 8 6 5 ' 8 31 , 342, 2 6 1 2 0, 000 ' 8 41 , 1 6 4, 1 1 1 5, 0 0 0 ' 8 51 , 4 0 5, 487 , 045, 9 4 3 ' 8 61 ' 8 71 , 1 2 5, 1 4 8 9 0 0 8 81 , 246, 887 9 8, 7 2 5 , 1 1 6, 620 1 2, 0 0 0 ' 8 91 1, 3 0 0 ' 9 01 , 007, 529 6 8 0 2 1 0, 0 0 0 ' 9 1 7 2 3, 940 1 1 7, 0 0 0 ' 9 2 6 4 6, 1 6 0 8 9, 5 0 0 ' 9 3 6 5 6, 6 3, ' 9 4 5 5 0 0 9 4 01 6 5, ' 9 5 317, 9 2 41 3 9, 250 ' 9 6 379, 9 3 4 9 9, 0 0 0 ' 9 7 4 5 8, 44 8 307 , 5 0 0 9 2, ' 9 8 1 000 , 8 3 91 0 7 害 その他 言 十 インド l i その 1 語 1 " 合言i 0 0 0 (中間) , 8 0 6, 3 2 1 0 6, 875 2, 1 0 8, 9 7 41 (強) 1 , 6 9 7, 3 3 81 9 5 0 ( ベ ト 十L ) 2 38(USA) 1 0, 2 8 81 , 290, 0 8 5 0 8, 7, 1 0 02 1 , 1 8 1, 7 9 7 8 , 0 0 0 (中間) 5 7, 8 0 01 , 378, 7 6 1 6, 800 1 1 , 320, 9 6 1 5 3 5, 0 0 0 5 4, 7 2 51 , 44 1, 9 8 6 4 , 7 2 5 0 0 0 1 , 387, 2 6 1 5 2 5, 9, 9 5 0 ( ベ ト ナ ム ) 272(USA) 5 , 2 6 6, 7 3 3 4 0 01 6 2 21 7, 1 , 2 0 9, 1 1 1 37, 4 0 , 0 0 0 0 0 0 (ベ ト ナ ム ) 260(USA) 3 2 5 8, 5 8 51 , 4 6 9, 0 7 2 2 6, 8, 1 , 4 4 2, 4 8 7 1 37 , 000 , 1 5 1, 6 7 0 0 2 ( U S A ) 5, 6 2 51 6 5, 7 2 71 4 0, 000 1 , 0 8 5, 9 4 3 6 0 0 (中国) 362(USA) 1, 1 0 05 1 , 16 3, 2 4 8 7 37, 200 45 0 1 1, 4 9 5, 0 6 2 7 4, , 4 2 0, 6 1 2 !7 4, 45 0 1 7 5, 000 9 5 0i 7 2 4 ( U S A ) 7 9, 6 7 4 1 1, 2 5 8, 2 9 4 8, 5 0, 0 0 0 1 , 1 7 8, 6 2 0 7 6 3, 0 2 5 1 1, 324, 8 2 9 3, 0 2 5 5 0, 0 0 01 4 2, 9 7 5 1 , 2 6 1, 8 0 4 6 , 125, 077 5, 5 2 5 6 5, 5 2 51 , 0 5 9, 5 5 2 6 1 5 0, 0 0 02 7 5, 7 5 0 1, 0 0 0 181(USA) 5 0 (独) 5 6 1 4 5 0 9 4 3, 330 5 5 1, 2 3 1 994, 4 2, 3 6, 9 4 01 5, 0 0 0 (; り 7回 ) 5 8 , 4 0 0 9 8 3, 2 2 5 8, 4 0 0 6 6, 5 6 5 9 7, 6 0 01 9 2 4, 8 2 5 5 4, 0 0 0 4 4, 0 0 0 9 5 5, 8 7 0 7, 0 0 0 9 1 1, 8 7 0 4 4 3 0 9 8 5, 0 0 0 ( ;tン7-)1 5, 5 0 0 (香港) 697, 6 3 4 6 2, 5 0 0 6 2, 5 0 0 7 6 0, 1 3 4 1 0, 710 2 0 9, 2 5 05, 2 1 ( U S A ) 8, 5 0 02 6 8, 7 2 1 7 3 5, 4 7 5 5 3, 8 2 01 3 4, 0 0 0 6 6 6, 7 5 4 6 8 1 ( U S A ) 7, 0 0 01 1 3, 7 9 3, 0 5 0 1 9 9 8 5 0 0 0 5, 飢問 4 6 5, 46 9 7 1, 5 0 0 500(独) 3 (仏) 2 4, 0 0 01 4 1, 6 3 0 7 2, 0 0 3 i 5 3 7, 4 7 2 i s w l f 1 0 1 森林研究 7 11 9 9 9 4 . 考察 ラックカイガラムシの増摘が大きく天候に左右される ことは確かであるが、シードラック自体は保存できるも ので、生産者が値上がりを期待して貯蔵していることも ラック(シェラック)の生産は相手が小さな昆虫だけ o l dc r o pと ある。不作のときにもこの貯蔵されたもの ( 却 に、天候の影響を大きく受け、年変動が大きい。わが i いっている)カすでできている。 など先進酪では大きな需要があり、その安定供給が認ま れている。 逆に、需要の不安定と価格の高騰は、代替品 たってしまう。熱帯アジア への転換を促進し、供給先を 5 3 . 3 シェラックの利用・用途 戦前までシェラックの最大の利用はニス(ワニス)と の農山村-の生活環境の保全、さらには忠治維持のため村 S P. L Pレコード盤であったが、戦後は粘・接着剤、医 落周辺などに薪炭用・飼料用として樹木の植級、森林の 薬・食品のコーテイング、フルーツワックス、さらには 再生をはかつているが、その宵・収穫まではかなり長 色潔が食品精急料として利用されるなど、その利用・用 い年月がかかる。しかし、これら樹木にラックカイ力、ラ 途は大きく広がっている。 ムシを古文虫・噌 F 遣することで、ラック(シェラック)と 1 9 9 7年のわが閣でのシェラックの加工・出荷設は塗 料に 1 9 4t、電機 3 2t、粘・接着 7 4t、器薬 4 7t、そ の他に 1 9 3t、計 5 4 0t、1 9 9 8年度は絵本H こ1 5 9t, 機2 6t、粘・接議 6 4t、医薬 5 1t、その他に 1 5 9t、 計4 5 9tである。 炎… 2 . ラック(シェラック)の::Eな用途(岐阜セラ M a i nu t i l i z a t i o no fl a c( s h e l l a c ) . 守 主i 二トランス 小恕トランス シードラックは樹脂(ワックス)分と色素(ラッカイ 守合滋機 ン駿)に分ける。樹脂分は ( 9 5 % )で、アレウリチン酸 モ-7- ( C 1 6 H 3 2 0 5 )など 1 5種以上の樹服駿でできているとさ れる ( D e v,S .1 9 7 4 )。比重1.1~ 1 .2 、軟化点 6 5~ 8 0C、 熱硬化 1 7 0Cである。 浴磁コイ ) v マイカさ李総然キイ 司 i f 託絶縁Hl 0 よ 認 さ 去 後 電球 0 ( 1 )任意の温度で搭解・硬 化する熱硬化特性、 ( 2 )i l u t油性、 ( 3 ) アルコール系の i 容 斉J Iにのみ溶ける耐溶性 . i 容解性、 ( 4 )吹付け、捌毛按り フォトレジスト エyチノグI パインダ目 半 Hlベースト 淡兵 t 長銀 ベンキブシJt. シェラックの特性として m での皮膜、 ( 5 )精密な成裂のできる成型性・研溶性、 ( 6 ) 粘・接潜性、 ( 7 )電気絶縁性、 ( 8 ) アルカ 1 )水溶液に可 待 、 j 闘機ニス 」主主ギ. I H l ( 9 ) 無難性があげられている。 シェラック 材)、塗料用(酒精ニス)、粘・接潜荊(粘穀テープ、接 水償援:半 1 着剤)、印刷用(インキ)、医薬・食品用(錠剤、食品の l P J 総斉J I コーテイング、フルーツワックス)、その他(ヘアーラッ す占.~安達費用 建材 粘縫テープ 1 長波紋 JW~rï欝jIJ:波高1) J 主務殉i カ…、トランプカード表面コーティング)など多様な用 工~ illÆ~ 1 住総箔 ゴム i 製品 自動 l l i i 訓告 f l塗事│ 絵i 到補修 シェラックの利用・用途は表 2に示した(岐阜セラッ ク製造所パンフレットより)ように、電気絶縁用(絶縁 y クK.K. 製品案内資料より) テラゾ-!i l H ヨ 大3 笠石力1工 3 r 石J t l I I 途に利用されている。色素(赤色のラッカイン酸、黄色 ガラス加 I のエ 1 )スロラクシンなどからなる)は γ控 カfないとさ R i tほ 1 : i れ、食品着色料(表示は「ラック色素Jr議色 ~q・(ラッ ふラス紙石 アニリンインキ 水性インキ 修j Eイシキ ク) J ) として利用されている。色調は pH調節で、また クチナシ黄色索、アナト一色紫などと混ぜて貯みのもの 在宅務斉J I 印稿用 合没約 が得られる。菓子、あん、ハム、ソーセージ、麹、水綾 加工品、ジャム、ゼ 1 )一、清涼飲料、冷菜、キャンデー E 霊 祭 . f i ε R uHl-コーティン などに利用されている。かまぼこの赤もラック急畿を塗 パインダー 布したものがある。食品の涼材料表示を見れば、ラック の名をみつけることカfできる。 その他 l l i ! 紙 銭高J I チョコレートその{出 ブルーツワックス ブェ:1-トボザソシャー ヘヤーラッカー トランプ等カード 路子、紙記モ 花火 î~l/{ íill \:í1 n パインダー ìr互 ;/i~ パ y キング KYOTO711999 FOR .RES., 1 0 2 いう副議物が得られる。スティックラックの放虫・収機 Calcut 旬、 S ecretar て yMr.R.N .Banerzee, Council(SEPC), 時賜は農作業と競合しない。 lndianResearchI n s t i t u t e( ILRI ) 、 DirectorMr.Shravan また、マメ軒の Moghaniamacrophyllaなど怯木での増 Kumar , Bihar ・S t a t eCooperativeLacMarketingFederation、 殖は高木での作業と異なり、作業がしやすく、植栽後 2 ManagingDirector ・Mr.T .Prasad,DirectorateofLac 年で 1 文京でき、増殖準もいいとされるので、これら樹磁 Development(DOLD)、SeniorS c i e n t i s tMr.A .R.Rao. を植栽してのラック生産専用林をつくるといった試みも 有効であろう。 引用文献 いずれにしろ、法楽・食品コ…テイング、食品紫色料、 粘・接藷郁などとして、大きな需要があるのに、わが留 への輸入査をは大きく減少している。このことはすでの述 べたように、代替のコーティング剤、粘.1 妾務部、ある いは合成藷色料の出現・転換を促進することになる。し かし、合成務位料に対する不信の強い現在、ラック (シェラック)など、天然藷急 ~SI.の需要は大きい。熱帯 アジア諸国においても、この事実を十分に把揺し、その 安定供給・マーケティングルートの確立が必要であろ う。また、わが国においても、これら天然産物が熱帯ア ジ‘アの鹿山村で生産されていることを理解し、その生産 に援助できる方法を考えるべきであろう。 謝 辞 CSIR( C o u n c i lo fS c i巴n t i f i c&l n d u s t r i a lR巴s e a r c h :l n d i a )( 1 9 6 2 ) The w e a l t ho f l n d i a .Vo . l6 ,1 1 2,1 6 2 1 7 4 . 巴 。v,Sukhi(1974)Chemicalnatureofl a cr e s i n .J .lndianChem.Soc. L 1 ,1 4 9 1 5 5 . G l o v e r, P .M.( 19 3 7 )L a cc u l t i v a t i o ni nl n d i a . ILRL e d . )( 1 9 9 4 ) Noか woodf o r e s tp r o d u c t si nA s i a . FAOI K a s h i o,M.( RAP A . Mukhopadhyay, B .&M.S.Muthana巴 (d s . )( 19 6 2 ) Amonographon l a c .I L R I . Roonwal, M.L .e ta l( 1 9 5 8 )D e s c r 匂t i v ea c c o u n to ft h 桔 h o s t p l a n t so f l a ci n s e c t, L a c c i f e rl a c ω ( K e r r . ), a n dt h ea l l i e dp l a n t si nt h eI n d i a n t1 , , ! I 1LCC. r e g i o n .P担r 劉怒R;.::{5ヰま功・渡辺弘之 ( 1 9 9 6 )中関・渓南省の特別(非木材) 若林業 36, 5 9 6 6 材、援物について. 熱f W.( 1 9 8 6 )S t i c k l a cp r o d u c t i o n ld e v e l o p m e n ti nT h a i l a n d S u b a n s e n e e, Ac a s es t u c l y .ReviewP a p e rN o .1 5 . FAOFOI u¥S I 78 / 0 1 0 . 竹田苦手i!L( 1 9 9 0 )北タイ地方におけるうツク作りの技術と術主木に ついて.米潟アジア研究 2 ふ2 ,1 8 2・2 0 5 竹悶昔日l!l( 1 9 9 3 )インドネシアのラァク作りと議主 i 三.熱幣林議 2 6, 5 5 6 0 渡辺弘之 ( 1 9 9 3 ) インドのラック研究所合訪ねて.熱÷校生立出会会 ニューズレター N o . 1 0, 1 3 1 5 渡辺弘之 ( 1 9 8 9 ) 策溺アジアの森林と毒事し.1 6 1 p p .人文書I . f l 淀 渡辺弘之 ( 1 9 9 4 )主!目指非木材林援物.1 0 9 p p .k 前際緑化1 4 をi 鐙-¥:ンター 幽 本研究において、資料の提供、有益なご教示をいただ いた下記の方々に摩く謝意を述べたい。 興洋化学(株)社長高檎{富男氏、営業部長矢柴俊成氏、 (株)岐阜セラック製造所会長尾木信蔵氏、社長尾木喬 氏、日本シェラック工業(株)社長武田麗之助氏、セラッ ク共舟組合問中公一氏、また、 ShellacExportPromotion