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平成20年度

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平成20年度
ISSN 0916-6777
平 成 20 年 度
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長野県林業総合センター
長野県塩尻市片丘
はじめに
本県は106万haの森林をもつ日本有数の森林県です。森林は、災害防止や水資源かん養な
ど県民の生活を守る面から重要であるとともに、近年はCO2吸収機能が地球温暖化防止効果
として評価され、頻発する土砂災害等の防止機能にも大きな期待が寄せられています。
県は「活力と安心、人・暮らし・自然が輝く信州」の創造を目標とし、森林には、「広葉
樹林・針葉樹林・針広混交林がバランス良く配置され、多様性と力強さに富んだ森林」を
求めています。そして、森林と深く関わり継続する地域社会の形成を図るため「長野県森
林づくり県民税(平成 20 年度)」を導入し、里山の森林整備を進めつつあります。
県内素材生産量は減少を続けてきましたが、平成16年からやや増加傾向となり18年には
267千㎥となりました。しかし、今後とも、価格競争力強化や木材需要拡大に向けて、素材
生産システムの効率化、需要に柔軟に対応できる供給体制の整備などが必要です。中山間
地では野生動物による被害が顕在化の一途をたどっています。また森林病虫害も増加傾向
が続いており防除対策の研究が必要です。本県は、きのこ生産額日本一を誇ってきました
が、各種競合が激化しており、今後、GAP(適正農業規範)の導入、高付加価値化やコ
スト低減等の研究開発が必要となっています。木材利用では、カラマツ等間伐材の建築用
材としての利用技術開発、ならびに屋外利用・土木用としての利用技術の開発あるいはバ
イオマスエネルギー利用に関する研究開発も早急に解決を要する課題です。
こうした背景のもと、林業総合センタ-は平成21年3月に「長野県林業総合センタ-研究
基本計画」を改訂し、各種課題に対する迅速な対応を目指しています。また、各種の講習・
研修等によって、地域林業の中核的人材の養成、高度林業技術者の養成、あるいは基礎的
森林林業知識・技術の普及を図るとともに、森林学習展示館と体験学習の森により、県民
の皆様に森林・林業に対するご理解をいただけるように努力しています。
ここでは、平成20年度の担い手養成業務、指導業務ならびに試験研究業務等について業
務報告としてとりまとめました。研究期間が終了した研究課題につきましては、今後、研
究報告として取りまとめながら、技術情報、パンフレットならびにホームページ等により
広く公表してまいります。
最後に、日頃より、林業総合センタ-の運営と業務遂行にあたり、懇切なご協力とご指
導を賜っております関係者の皆様に心より御礼を申し上げます。
平成21年6月
長野県林業総合センター
所長 片倉正行
目
次
はじめに
Ⅰ 教育指導等の内容
1 林業の担い手の養成
1.1 林業の後継者等の養成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1.2 林業機械技術者の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
1.3 林業技能作業士の育成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
2 指導
2.1 研修会及び講習会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
2.2 林業相談等の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
2.3 海外技術研修員研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
2.4 国内技術研修員研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
2.5 研究発表等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
3 森林・林業の普及啓発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
4 要請された業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Ⅱ 試験研究の内容
育林・森林保護部門
1
高性能林業機械等による作業システムの開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
2
低コスト作業システム構築事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
-沢地形での信州型搬出法の労働生産性-
3
針広混交林の造成管理技術の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
4
森林吸収源インベントリ情報整備事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
5
過密人工林管理技術の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
6 ニホンジカの食害による森林被害の実態把握と防除技術の開発 ・・・・・・・・・・38
7
カシノナガキクイムシ等広葉樹類の昆虫被害防除技術に関する研究 ・・・・・・・・40
-カシノナガキクイムシによるナラ類枯損被害-
8
森林の洪水防止機能と施業効果に関する研究 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
-森林と水プロジェクト-
9
ツキノワグマによる樹幹剥皮被害防除技術の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・44
10
健全な広葉樹林整備のための地域集団における遺伝的多様性の研究 ・・・・・・・・46
11
里山林保全を目的とした山林火災跡地における森林整備技術の開発 ・・・・・・・・48
12
広葉樹林化のための更新予測及び誘導技術の開発 ・・・・・・・・・・・・・・・・50
13
天然性広葉樹林の大量被害をもたらす昆虫の拡大予測と早期防除法の開発 ・・・・・52
14 ナラ類集団枯損の予測方法と環境低負荷型防除システムの開発 ・・・・・・・・・・54
15
立木の引き倒し抵抗力と根系形状の関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
-災害に強い森林づくり基礎試験-
特用林産部門
1
高品質きのこの育種と持続的生産技術の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・58
2
機能性を活用した木炭及び木酢液の効果的な利用に関する試験・・・・・・・・・・60
3
マツタケ発生林施業法の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
4
森林空間の高度利用のための特用林産物生産・流通システムの開発(1)・・・・・・64
-きのこ-
5
森林空間の高度利用のための特用林産物生産・流通システムの開発(2)・・・・・・66
-山菜-
6
施設転用による菌床シイタケの効率的栽培法の開発・・・・・・・・・・・・・・・68
7
安全性の高い原木シイタケ栽培法に関する試験・・・・・・・・・・・・・・・・・70
8 関東・中部の中山間地域を活性化する特用林産物の生産技術の開発・・・・・・・・72
9
クリタケ菌床栽培技術の効率化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
10
マツタケの養分獲得に関する生物間相互作用の解明・・・・・・・・・・・・・・・76
-マツタケのシロ形成における窒素固定機能の評価-
11
マツタケの養分獲得に関する生物間相互作用の解明・・・・・・・・・・・・・・・78
-ミニライゾトロン(根カメラ)によるシロ成長過程の観察-
12
マツタケ・イグチ等有用菌根菌の現地適応化調査試験・・・・・・・・・・・・・・80
13
新規培地素材を使用したきのこ栽培条件の確立に関する研究・・・・・・・・・・・82
14
長野県におけるマツタケ優良菌株選抜、マツタケ山管理施業、マツタケのシロ増殖に
関する研究 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84
15
里山を利用し殺菌原木を利用したきのこ生産技術の確立・・・・・・・・・・・・・86
16
マツタケ菌根の生理生態の解明とマツタケのシロ内部の微生物相に関する研究・・・88
17
有用微量金属の含有量を高めるヤマブシタケ生産技術の開発・・・・・・・・・・・90
木材利用部門
1
カラマツ間伐材を主とする土木用構造物・木橋等への利用技術の開発 ・・・・・・・92
-木製法面保護工法部材の強度-
2
カラマツ間伐材を主とする土木用構造物・木橋等への利用技術の開発 ・・・・・・・94
-各種製材品の初期強度-
3
地域材による耐力壁の開発と実用化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
-県産カラマツ斜め半割り合板及び合板落し込み式の耐力壁の面内せん断試験-
4
カラマツ桁材の効率的乾燥技術の開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・98
-熱風・圧力乾燥法の乾燥特性―
5 木製道路施設の耐久設計・維持管理指針策定のための技術開発・・・・・・・・・・100
-長野県における木製道路施設の調査(5)-
6 木製道路施設の耐久設計・維持管理指針策定のための技術開発・・・・・・・・・・102
-長野県における木製道路施設の調査(6)-
7
公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(1)
・・・・・・・・・・・・104
-カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の曲げ強度性能-
8 公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(2) ・・・・・・・・・・・106
-カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の圧縮・めり込み強度性能-
9
公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(3)
-カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の引張り・せん断強度性能-・・108
10
公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(4)
・・・・・・・・・・・・110
-接着力試験―
11
公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(5)
・・・・・・・・・・・・112
-接着重ね梁の構造性能試験(3)-
12
国産材住宅等における高耐震・高信頼性接合部の開発・・・・・・・・・・・・・・114
-柱脚接合部の補強方法の検討(2)-
13
スギ耳付き材の乾燥試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116
14
窒素ガス熱処理材の材質特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
-平衡含水率・寸法安定性・材色-
試験地管理部門
楢川試験地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120
Ⅲ 関連業務
1 林木育種事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・122
2 病虫獣害等の鑑定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・123
3 依頼分析試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
Ⅳ 組織・予算
1 組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126
2 予算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126
3 施設状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126
4 図書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・127
5 職員調書・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・127
Ⅴ 気象観測
1 気象観測・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・130
Ⅰ 教育指導等の内容
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1 林業の
の担い手の養成
担当 指 導 部
1.1 林業の後継者等の養成
次代の林業生産活動を担う者を対象に、林業士等養成事業を実施した。
1.1.1 森林・林業セミナー
将来、地域林業の中核的人材となり得る者及び森林・林業に関心の高い者等を対象
とし、研修内容及び実施期間は次のとおりである。
参加人数32名(うち修了者29名)
区 分
期
第1期 平成20年
間
主 な 研 修 内 容
開講式、講話(日本林業の現状と課題)、森
林管理 (Ⅰ)、森林管理 (Ⅱ)、森林管理
実習、樹木学、刃物の手入れ、関係法令・保
安林、
研修場所
当所
刈払い機の操作方法、伐木造材(関係法令、
チェーンソーの知識、振動障害予防、操作・
点検整備、目立て実技、伐倒・造材実技)
当所
測量・測樹、測量・測樹の実習、枝打ち・枝
打実習、間伐、間伐実習(Ⅰ)、間伐実習
(Ⅱ)
当所
第4期 11月25日~11月28日 森林生態と動植物、森林保護、特用林産概
(4日間)
論、栽培キノコ、木材の性質、木造住宅と
木質環境、修了式
当所
5月27日~5月30日
(4日間)
第2期 6月23日~6月26日
(4日間)
第3期 9月2日~9月5日
(4日間)
合計
16日間
―
2―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1.1.2 林業士養成セミナー
将来、地域林業の中核的人材となり得る者及び森林・林業に関心の高い者で、森
林・林業セミナーの課程を修了した者を対象とし、研修内容及び実施期間は次のとお
りである。
区 分
期
第1期 平成20年
間
5月13日~5月16日
(4日間)
参加人数11名(うち修了者10名)
主 な 研 修 内 容
研修場所
開講式、林業士の意義、森林保護(専門)、
特産部長の講話、マツタケ・菌根性キノコ、
原木キノコ栽培実習、育林部長講話、森林土
壌
大断面集成材利用と製造過程(現地研修)
国有林の森林管理(現地研修)
第2期 6月17日~6月20日
(4日間)
第3期 7月9日~7月11日
(3日間)
第4期 8月7日~8月9日
(3日間)
第5期 9月 4日~9月7日
(4日間)
第6期 10月14日~10月17日
(4日間)
第7期 11月11日~11月14日
(4日間)
第8期 12月9日~12月12日
(4日間)
合計
当 所
長和町
御代田町
レポート作成、林業税制・金融・森林税、施
業の集約化、造林補助制度、山菜・特用樹、
当 所
木材市場の現状(現地研修)
特用林産物の販売(現地研修)
アカマツ利用とプレカット工場(現地研修)
安曇野市
塩尻市
林業機械、高性能林業機械、特産を生かした
地域振興、地域の課題、森林施業計画
(Ⅰ)、
当 所
複層林、炭焼き実習、森林計画(Ⅱ)、人を
動かすための手法、労働安全・救急法、
当 所
広葉樹林、地域の人々との連携、地域の課
題、
森林セラピー基地(現地研修)
木質燃料による発電(現地研修)
スギ列状間伐施業(現地研修)
木材流通加工システム研修(現地研修)
当 所
信濃町
長野市
飯綱町
長野市
レポート中間発表、作業道開設、作業道開設
実習
当 所
地元森林資源活用(現地研修)
優良材生産と自力作業道の開設(現地研修)
林業振興と地域材生産の加工利用(現地研
修)
飯田市
(南信濃)
天龍村
根羽村
木材部長講話、木材加工Ⅰ・Ⅱ(製材の規格、
乾燥の基礎と各種木材乾燥)、森林施業計画
(Ⅲ)、
当 所
国産材針葉樹ベニアの製造(現地研修)
森林組合による施業の集約化(現地研修)
京都府
森林施業計画(Ⅳ)、マツタケシンポジュウ
ム、木材利用Ⅰ・Ⅱ(改良木材、木材の化学
加工と防腐・防虫)、レポート発表と講評、
修了式
当 所
30日間
―
3―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1.1.3 研修生の概要
森林・林業セミナー、林業士養成セミナーの職業別・年齢階層別修了者は表‐1のとおりである。
地方事務所別修了者は表‐2のとおりである。
表‐1 職業別・年齢階層別修了者数
森林・林業セミナー
研修種別
職 業
年 齢
~10代
20代
30代
40代
50代
60代~
小計
累 計
林業関係
市 森 自
町 林
組 営
村
合 者
職 職
員 員 他
3
3
2
2
5
3
1
8 11
520 414 336
他産業
(単位:人)
林業士養成セミナー
林業関係
市 森 自
町 林
組 営
村
合 者
職 職
員 員 他
そ
建 そ
設 の
の
計
業 他 他
2
1
1
1
1
1
3
4 1 5
32 19 35
5
1
11
4
6
4
3
29
1 4
1,356 201 288 183
H12まで
519 386 302
15 15 14 1,251 200
*表中の自営他は林業関係の会社員団体職員等を集計した。
表‐2 地方事務所別修了者数
研修種別
森林・林業セミナー
年 度
35
地方事務所
~
19
277 167
他産業
計
そ
建 そ
設 の
の
計
業 他 他
林業関係
市 森 自
町 林
組 営
村
合 者
職 職
員 員 他
1
4
9
2
3
5
4 22
5
4
12
4
3
2
他産業
設 の
48
2
9
3
1
2
1
1
1
1
18
18
3
6
4 1 10
41 23 57
49
計
~
19
20
計
~
19
20
計
146
91
59
176
228
96
194
82
183
101
88
46
28
74
106
55
83
61
94
62
3
2
91
48
28
77
106
56
84
61
94
62
52
27
19
52
66
31
55
38
55
34
3
2
55
29
19
55
66
32
56
38
55
34
1,356
697
10
429
10
143
89
54
172
224
95
186
82
181
101
3
2
5
4
4
1
8
計
1,327
29
2
3
1
1
3
1
1
*1
*1 ゼミナール修了者
山村・専門修了者
林業士養成修了者
267 人(48~2)
318 人(48~11)
122 人(12~ )
―
4―
707
25
(単位:人)
林業士認定
20
佐 久
上 小
諏 訪
上伊那
下伊那
木 曽
松 本
北安曇
長 野
北 信
の
計
業 他 他
2
3
10
9 15
707 721 702 519
665 717 655 461
林業士養成セミナー
そ
建 そ
439
6
15
6
6
6
39
2,063
1894
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1.2 林業機械技術者の育成
担当 指 導 部
林業技術者養成要綱に基づき、次のとおり養成講座を実施した。
1.2.1 林業架線課程
林業架線作業に従事するための技術、知識を修得させる講習で、講習修了者は一定期間実務
を経験することにより作業主任者として労働安全衛生法施行令第6条の規定に基づく業務につ
くことができる。
実施内容
日 数
実 施 期 間
前期 平成20年 9月 8日~平成20年 9月12日
中期 平成20年10月6日~平成20年10月10日
後期 平成20年11月4日~平成20年11月 7日
人 数
14日
17人
平成13~19年度
林業関係
森
市
林
町
組
村
年齢
~10代
20代
30代
40代
50代
60代~
計
当所
合
1
1
平成20年度
他産業
建
そ
営
設
の
他
業
他
1
11
27
17
12
1
69
11
28
10
2
51
林業関係
そ
自
林業架線課程修了者数
年度 S49~H12年度
職別
森
そ
自
昭和
林
地方
の 計
48年
事務 度ま
組
営
所別
で
他
合
佐
久
上
小
諏
訪
上伊那
下伊那
木
曽
松
本
北安曇
長
野
北
信
合
計
所
(単位:人)
受講者の年齢階層
研修種別
職 業
場
市
の
計
7
8
2
3
2
3
20
5
2
2
他産業
そ
自
建
そ
営
設
の
他
業
他
の
計
他
1
2
1
5
2
2
2
4
7
2
2
1
11
3
2
2
2
17
(単位:人)
平成13~19年度*
林業関係
他産業
そ
市 森 自 建 そ
林
の 計
営 設 の
町
組
村 合 他 業 他 他
7
9
34
2
3
1
12
2
8
10
5
8
3
5
1
4
10
6
3
55
15
2
36
53
9
9
1
38
46
12
5
63
18
5
22
30
3
17
50
2
7
2
20
29
13
8
50
7
11
5
37
6
13
12
31
20
18
3
7
28
4
5
20
61 104
351
11
合
1
31
67
31
17
1
148
18
186
組
村
11
8
林
町
他
13
227
森
1
平成20年度
林業関係
他産業
市 森 自
林
営
町
組
村 合 他
建 そ
設 の
そ
の
計
業 他 他
16
1
1
1
13
1
1
1
10
1
1
20
1
23
1
28
64
37
23
11
4
総
数
3
131
1
3
127
1
84
1
4
102
2
1
1
2
1
1
8
1
10
1
1
79
1
4
5
4
14
2
2
64
1
51
69
1
17
743
3
3
20
5
2 148
4
7
1
2
2
*平成13年度より分類区分を変えたため再掲した。 なお、表中の自営他は林業関係の会社員、団体職員等を集計した。
―
5―
2
32
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1.2.2 伐木造材課程
安全かつ能率的な伐木造材を行う為の技術、知識を修得させる講習で、講習修了者は労働
安全衛生規則第36条第8号に基づく業務につくことができる。
実施内容
実
受 講 区 分 人 数
一般受講者
151
森林整備技術者養成講座受講者
103
林業技能作業士及森林林業セミナー
20
合計
274
受講者の年齢階層
研修種別
市
町
村
職
員
年 齢
~10代
20代
30代
40代
50代
60代~
計
期
間 等
場
所
当所
平成20年4月22日~平成21年3月5日
(全7回、3日/回、延べ21日)
(単位:人)
平成13から19年度
林業関係
職 業
施
森
林
組
合
7
91
72
49
50
19
288
6
25
17
20
5
73
平成20年度
他産業
自
建
そ
営
設
の
他
業
他
13
119
115
72
133
127
579
24
370
353
306
271
80
1,404
林業関係
そ
の
市
町
村
職
員
計
他
6
80
107
117
141
66
517
2
52
88
754
116
788
106
667
192
807
207
504
711 3,572
森
林
組
合
3
1
2
1
7
他産業
そ
自
建
そ
営
設
の
他
業
他
1
13
20
13
20
8
75
2
8
6
4
1
21
2
8
24
16
21
7
78
の
計
他
2
2
3
5
1
13
4
9
13
21
33
80
3
32
63
52
73
51
274
伐木造材課程修了者数
職別
(単位:人)
市
森
林
自
町
村
地方事務所別
伊
伊
安
の
久
小
訪
那
那
曽
本
曇
野
信
他
計
そ
市
の
組
佐
上
諏
上
下
木
松
北
長
北
そ
合
平成13~19年度*1
林業関係
他産業
S49~H12年度
年度
営
合
計
他
町
村
10
65
7
11
93
9
42
6
5
62
5
44
21
56
126
20
60
10 110
200
7
森
林
組
合
平成20年度
林業関係
そ
自
建
市
そ
営
設
の
他
業
他
の
計
他
町
村
32
53
158
49
31
330
10
42
167
75
23
317
16
4
83
106
61 102
372
7
40
77
156
98 123
501
2
2
森
林
組
合
他産業
総
数
そ
自
建
そ
営
設
の
他
業
他
の
計
他
11
8
1
3
27
450
3
14
2
2
21
400
2
13
14
2
23
56
554
8
11
1
14
34
735
2
8
52
18
16
94
3
93 119
257
51
48
571
2
19
6
2
29
694
12
39
9
8
68
2
20
52
31
10
14
129
2
1
1
1
5
202
27
132
20
77
256
16
32
83
251
86 159
627
9
14
21
49
932
3
32
12
26
73
1
10
41
117
28
40
237
1
6
13
7
27
337
4
2
7
25
465
1
132
274
5,010
35
80
5
17
137
19
17
28
128
54
57
303
2
40
7
6
55
2
30
1
33
5
5
76
3
6
5
3
1
109 *2 109
131
586 115 332
1,164
73 288 579 1,404 517 711
3,572
109
7
21
75
78
*1 平成13年度より分類区分を変えたため再掲した。 なお、表中の自営他は林業関係の会社員、団体職員等を集計した。
*2 他県からの参加者を認めた就業前研修は、その他に分類した。
―
6―
13
80
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1.3 林業技能作業士の育成
将来、地域林業労働の中核となるのにふさわしい、幅広い専門的な技能を持つ林業技能作
業士を養成するため、事業実施主体である林業労働力確保支援センターの要請により表-1
の実施内容について研修を実施した。受講生は14名であり、すべての研修を修了した。
なお、地方事務所別、職業別受講者は、表-2のとおりである。
表-1 実施内容
期 間
日数
学科
実技
3日
5日
1日
2日
4日
8日
2日
8日
1日
2日
7日
7日
合計50日間
研修項目
林業一般
伐木造材
林業機械
森林施業
森林土木
林業架線
平成20年5月26日
~
平成21年1月23日
場 所
当所及び現地
(単位:人)
表-2 林業技能作業士育成課程修了者数
年度
職別 森
林
組
地方事務所別
佐
上
諏
上
下
木
松
北
長
北
合
伊
伊
安
平成13~19年度 *
S56~H12年度
自
の
営
合
久 16
5
小
5
訪
5
那
27
那
曽 13
本 22
3
曇
野 15
7
信
計 118
2
林業関係
市 森 自
林
町
営
組
村 合 他
そ
計
他
3
21
2
7
2
9
他産業
建
そ
設
の
業
他
1
平成20年度
そ
の
他
1
5
1
計
林業関係
市 森 自
林
町
営
組
村 合 他
設
の
業
他
の
他
1
35
1
1
13
1
2
38
1
3
49
1
4
56
2
31
1
16
14
292
2
9
6
2
23
6
7
13
1
2
4
33
10
3
13
1
9
3
16
2
3
1
1
4
27
7
11
4
2
2
7
6
1
7
2
4
21
3
4
1
8
1
5
13
13
46
177
18
1
6
3
2
25
22
2
1
14
2
2
3
101
1
4
6
2
2
*平成13年度より分類区分を変えたため再掲した。 なお、表中の自営他は林業関係の会社員、団体職員等を集計した。
―
計
1
17
9
そ
7―
総
数
5
1
52
建
そ
13
2
36
他産業
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2 指 導
2.1 研修会及び講習会
分野
指
導
小計
年月日
指導内容
主催者
AG研修(新任者) 【各部対応】
県林務部
当所
9
H20.5.13
緑の研修(基礎研修①)
県林業労働財団
〃
117
H20.5.22~5.23
林務部職員研修 【各部対応】
県林務部
〃
11
H20.6.5~6.6
AG研修(特産) 【特産部対応】
〃
〃
14
H20.6.10~6.11
林道研修
〃
〃
35
H20.6.12~6.13
県有林研修
〃
〃
17
H20.6.27
林業普及指導員受験資格講習会
〃
〃
22
H20.7.25
きこり講座(森林管理Ⅰ・Ⅱ)
〃
〃
40
H20.7.29~7.31
高校生林業体験研修 【各部対応】
〃
〃
46
H20.7.30
塩尻市内教頭会研修
塩尻市教頭会
〃
14
H20.8.29
きこり講座(森林管理実習・樹木学)
県林務部
〃
41
H20.10.6~10.7
森林環境教育
総合教育センター
〃
16
H20.10.8
木曽山林高校林業研修 【各部対応】
木曽山林高校
〃
28
H20.10.9
塩尻市丘中学校職場体験 【各部対応】
塩尻市丘中学校
〃
10
H20.10.31
きこり講座(関係法令)
県林務部
〃
30
H20.12.18
長野県退職者連合研修会
県退職者連合
〃
23
H21.1.9
カラマツ林業等研究発表会
カラマツ林業等研究会
〃
169
H21.1.29~1.30
AG全体研修
県林務部
〃
57
H21.2.17
長野県生産森林組合等団体有林連絡協議会 県生産森林組合等団体有林
〃
研修会
連絡協議会
68
H21.2.19~3.6
就労前事前研修
46
延べ 34日
県林業労働財団
育
林
〃
20件
767
森林整備専門技術者試験
H20.5.26~21.1.23 林業技能作業士育成研修
小計
参加人員
H20.5.7~5.9
H20.5.23
林
業
機
械
開催地
県林務部
当所
16
県林業労働財団
当所他
14
H20.7.7~7.11
高性能林業機械オペレター研修(GM)
〃
〃
10
H20.7.14~7.16
高性能林業機械メンテナンス研修
〃
〃
32
H20.7.16~7.18
AG研修(伐木造材)
県林務部
当所、塩尻市
12
H20.7.22~7.25
高性能林業機械オペレター研修(一般)
県林業労働財団
当所他
22
H20.8.21
きこり講座(刃物の手入れ)
県林務部
当所
40
H20.8.22
きこり講座(林業機械・林業機械実習)
〃
〃
40
H20.9.1
森林整備専門技術者試験
〃
〃
5
H20.10.15
きこり講座(刃物の手入れ)
〃
〃
59
H20.10.16
きこり講座(林業機械・林業機械実習)
〃
〃
62
H20.12.1
森林整備専門技術者試験
〃
〃
28
延べ 62日
12件
340
H20.4.25
広葉樹植栽指導
諏訪地方事務所
岡谷市
20
H20.4.30
信州大学キャリアアップ講座
信州大学
南箕輪村
100
H20.5.8
広葉樹の森づくり
塩尻南ロータリークラブ
塩尻市
30
H20.6.6
信州大学農学部 森林計測・計画学実習
信州大学
当所
15
80
H20.8.26
地域材利用研修会
(財)日本住宅・木材技術センタ- 水戸市
H20.9.7
松本市本郷山火事跡地再生シンポジウム
松本市
松本市
100
H20.9.9
地域材利用研修会
(財)日本住宅・木材技術センタ- 岐阜市
92
H20.10.6
野外教育に関する研修
総合教育センター
30
―
8―
当所
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
育
林
小計
保
護
小計
特
産
年月日
指導内容
主催者
開催地
H20.10.26
広葉樹苗木の生産流通実態
(社)日本植木協会
H20.11.5
茅野低炭素地域つくり研修会
茅野低炭素地域づくり推進調
当所
査委員会
5
松本市
参加人員
30
H20.11.20
針広混交林育成技術講習会
佐久地方事務所
望月町
20
H20.12.23~12.24
低コスト作業システム現地検討会
日本林業技士会
静岡県
200
H21.1.14
信大農学部講義:県産材の利用
信州大学
伊那市
34
H21.2.3
種苗生産者講習会
県林務部
当所
5
H21.2.6~2.7
複層林シンポジウム
(財)古橋会
愛知県
150
H21.2.6
外来種問題講習会
戸隠を知る会
長野市
40
H21.2.16
養苗講習会
県山林種苗協同組合
松本合庁
40
H21.3.7~3.9
秋山の自然と人間を考えるシンポジウム
総合地球環境学研究所
栄村
100
延べ 22日
18 件
1,091
H20.4.22
諏訪集落ぐるみ獣害対策研修会
諏訪市鳥獣被害対策協議会 諏訪市
20
H20.5.8
長野野生鳥獣被害対策チーム現地検討会
長野地方事務所
須坂市
30
H20.5.19~21
野生鳥獣保護管理研修会
県野生鳥獣対策本部
当所
40
H20.5.28
ナラ枯損予防樹幹注入処理研修
北信地方事務所
野沢温泉村
20
H20.6.19
〃
全国森林組合連合会
栄村
15
H20.6.18
野生鳥獣害対策リーダー研修会
木曽地方事務所
木曽町
100
H20.9.25~26
松林防除実践講座
(財)日本緑化センター
小諸市
50
全国猿害対策協議会
長野地方事務
所
12
上田市
40
H20.11.10
全国猿害対策協議会現地検討会
H20.11.20
長野大学講義
長野大学
H21.1.21
松くい虫対策研修会
長野地域松くい虫被害対策協
当所
議会
13
H21.1.28
野生鳥獣に負けない集落づくり事例発表会
県野生鳥獣対策本部
40
延べ 14日
県庁
11 件
380
H20.4.25
山菜栽培講習会
根羽村
根羽村
20
H20.4.25
マツタケ増産研修会
本郷財産区
松本市本郷
34
H20.5.27
〃
上田市農林課
上田市
27
H20.6.8
〃
県特用林産振興会
安曇野市豊科
76
H20.6.28
「里山を活用したきのこ栽培−きのこ簡易接種
法−」研修会
県林務部・県特用林産振興会 佐久市
50
H20.7.10
ナメコ栽培研修会
JA信州うえだ
上田市
10
H20.7.14
中南信地区きのこGAP説明会
県農政部
伊那市
50
H20.7.15
東北信地区きのこGAP説明会
〃
長野市
60
H20.7.16
信州きのこマイスター認定講座
信州きのこマイスター認定委
員会
中野市
20
H20.7.18
「里山を活用したきのこ栽培と増殖」研修会
JA全農長野
松本市
60
H20.7.27
信州きのこマイスター認定講座
信州きのこマイスター認定委
員会
中野市
20
H20.7.29
「里山を活用した簡易接種法によるきのこ栽
培」研修会
松本地方特用林産振興会、松
松本市
本地区林業経営者協会
50
H20.8.28
「きのこ簡易接種法」研修会
JA全農長野
〃
15
H20.8.28~29
マツタケ生産振興全国交流長野大会
長野大会実行委員会
諏訪市
216
H20.8.29
信濃町木炭研修会
信濃町
信濃町
20
H20.9.3
「里山を活用したきのこ栽培−クリタケの簡易接
県林務部・県特用林産振興会 木曽町
種法−」研修会
50
H20.9.3~4
シイタケ生産者研修会
県特用林産振興会
木曽町
30
H20.9.5.
マツタケ増産研修会
諏訪神宮寺組合
諏訪市
23
―
9―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
特
産
年月日
木
材
主催者
開催地
参加人員
H20.9.19
教員理科研修会
総合教育センター
塩尻市、松本市
28
H20.10.1
職員研修会
〃
〃
22
H20.10.28
「里山を活用したきのこ栽培及び販売法」研修
JA全農長野
会
佐久市
10
H20.11.1
県女性林研研修会
県林研グループ
塩尻市
40
H20.11.8
山菜栽培研修会
県特用林産振興会
〃
50
H20.11.11
「きのこ簡易接種法」研修会
北信地方事務所
栄村
50
H20.11.13
〃
下伊那地方事務所
飯田市
30
H20.12.9
県マツタケシンポジウム
県特用林産振興会
当所
91
H21.2.4
きのこ生産振興研修会
県林務部・農政部
長野市
100
H21.2.17
H21.2.26
小計
指導内容
長野県生産森林組合等団体有林連絡協議会
県生産森林組合等団体有林
リーダー研修「里山を活用したきのこ栽培・きの
当所
連絡協議会
こ簡易接種法」
「里山の活用 楽しい原木きのこのつくり方」研
農事組合法人「わんさか市」 中条村
修会
80
60
H21.2.5
キノコ生産振興研修会
県林務部、農政部
長野市
60
H21.2.20
上小地区山菜栽培講習会
JA信州うえだ
上田市
50
H21.2.22
北熊井地区きのこ教室
塩尻市
塩尻市
40
H21.2.27
辰野町山菜栽培講習会
上伊那地方事務所
辰野町
20
H21.2.28~3.1
ドラム缶製炭講習会
県特用林産振興会
塩尻市
50
H21.3.11
佐久きのこ振興会研修会
佐久きのこ振興会
佐久市
10
H21.3.13
諏訪椎茸組合研修会
諏訪椎茸組合
諏訪市
10
H21.3.19
山菜栽培研修会
JA松本ハイランド
松本市
60
述べ 41日
38件
1,692
H20.4.15
境界確認講習会
諏訪地方事務所
茅野市
6
H20.5.8
〃
〃
岡谷市
50
H20.5.27
乾燥講習会
山梨県庁
当所
23
H20.9.6~7
信州木造塾(接合部試験)
県建築士会
〃
80
52
H20.9.9
乾燥講習会
(財)日本住宅・木材技術センタ- 岐阜
H20.10.3~4
乾燥士事前講習会
(社)日本木材加工技術協会
東京都
64
H20.11.3~4
乾燥講習会
(財)日本住宅・木材技術センタ- 愛媛県
56
H20.12.3
〃
(財)日本木材総合情報センター
旭川
18
H21.128~29
〃
(財)日本住宅・木材技術センタ- 富山
47
H21.2.13
〃
信州木材認証製品センター
43
当所
小計
延べ 14日
10件
439
合計
延べ 187日
109件
4,709
―
10 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2.2 林業相談等の内容 自平成20年4月 1日
至平成21年3月31日
来訪者
部門
文書
電話 件数計
備 考
件数
人数
林業機械
72
88
林業相談
42
51
4
76
122 研修、資格、就職
造林緑化
20
42
18
93
131
森林保護
45
80
12
120
177
経
118
190
林業機械、機器の取扱い、
啓発ビデオ
48
74
育苗、育林技術、環境緑化
等
40
91
森林病害虫獣害、緑化木
病害虫
78
99
18
0
16
28 特用林産、きのこ
特用林産
14
20
0
32
46
き の こ
276
291
2
50
148
253
26
314
合
計
629
843
62
819
口頭
146
12
材
資料提供
44
営
木
指導方法
18
10
木炭、木酢液、山菜、
特用樹
22
26
シイタケ、ナメコ、マツタケ、
328 クリタケ等の栽培、害虫対
策、野生きのこ鑑定
102
224
木材の乾燥・加工、強度、
488 耐久・耐候性、接着重ね
梁、難燃材等
1,510
―
11 ―
96
392
448
1,062
その他
2
2
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2.3 海外技術研修員研修
該当なし
2.4 国内技術研修員研修
該当なし
―
12 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2.5 研究発表等
2.5.1 論文
年月日
H20.5
H20.5
H20.5
H20.5
課題名
発表者
掲載図書
針葉樹人工林を対象とした林内照度のゆらぎと男 藤沢翠・高山範理・小山泰弘・ ランドスケープ研究
子学生の心理的評価との関係
加藤正人
71(5)
岡田充弘・近藤道治・小山泰
カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害予防方法 弘・山内仁人・尾崎伸行・芳沢
中部森林研究56
雅行・松尾一穂・河野恵里・武
の検討
田芳夫
森林火災が発生したアカマツ林の植生変化につ
〃
いて(Ⅳ) ~被災後20年後の林分構造と菌類層 小山泰弘・片倉正行
~
〃
森林の音環境と人の心理的効果への影響
政木志帆・小山泰弘・北原曜
H20.5
アカマツ・カラマツ・コナラ林の地下部バイオマス
量
H20.5
土石流で現れた埋没性黒色土層の生成年代と古 片倉正行・岡本透・富樫均・清 〃
代の山地利用
水靖久・妹尾洋一・松澤義明
H20.5
列状間伐と残存木の偏心
H20.7
岡田充弘・齊藤正一・衣浦晴
カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害対策の検
生・野崎愛・山内仁人・小山泰 樹木医学研究vol.12(3)
討
弘・近藤道治・小林正秀
H20.7
長野県におけるニホンジカの盛衰
H20.10
オオゾウムシSipalinus gigas(Fabricius)のアカマツ
岡田充弘 ・中村克典
製材面への加害
H20.12
酒井佳美・高橋正通・石塚成
材密度変化による主要な針葉樹人工林における
宏・稲垣善之・松浦陽次郎・山 森林立地vol.50(2)
枯死木の分解速度推定
内仁人ほか
H20.12
複層林の上木間伐により受傷した下木ヒノキの5成 近藤道治・今井 信・山内仁
長期後の生育状況
人・佐々木達也
森林利用学会誌23(3)
H21.2
森林浴における唾液中コルチゾール濃度と主観
評価の関係
小山泰弘・高山範理・宮崎良
文ほか
生理人類学会誌14
H21.3
「オオゾウムシ、74年目の真実」オオゾウムシ
Sipalinus gigas(Fabricius)のアカマツ製材面への
加害
岡田充弘 ・中村克典
森林防疫vol.58(2)
H21.3
カラマツ林の下木として萌芽更新したミズナラの成
小山泰弘・古川仁
長
H21.3
カツラマルカイガラムシによる広葉樹被害対策の
検討
H21.3
スギ・ヒノキ・カラマツ林の引き倒し抵抗力
育林部計
山内仁人・片倉正行
近藤道治・今井 信・山内仁
人・佐々木達也
小山泰弘
〃
〃
信濃60
日林誌vol.90(5)
中部森林研究57
岡田充弘・近藤道治・小山泰
弘・山内仁人・尾崎伸行・芳沢 〃
雅行・松尾一穂・河野恵里・武
田芳夫
深見悠矢・北原 曜 ・小野
裕・宮崎隆幸・山内仁人・片倉 〃
正行・松澤義明
17 件
H20.5
マツタケの子実体発生に及ぼす散水の影響
H20.9
Ueda, K., Tsujimori, M.,
An endoplasmic reticulum (ER) stress-suppressive
Kodani, S., Chiba, A., Kubo,
compound and its analogues from the mushroom
M., Masuno, K., Sekiya, A.,
Hericium erinaceum
Nagai, K., and Kawagishi, H.
特産部計
2件
合計
19 件
竹内嘉江
―
13 ―
中部森林研究56
Bioorganic & Medicinal
Chemistry, 16, 9467–
9470
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2.5.2 研究発表
年月日
発表テーマ
発表者
場所
発表大会名
掲載図書
H20.5.24
針葉樹人工林を対象とした林内照
藤沢翠・高山範理・小山
度のゆらぎと男子学生の心理的評
泰弘・加藤正人
価との関係
札幌市
平成20年度日本造
園学会大会
ランドスケープ研究71
(5)
H20.6.13
ニセアカシアの除去方法の検討
小山泰弘・井出政次・戸
田堅一郎・三村徳義
長野市
第35回長野県環境
科学研究会
同 研究会講演要旨集
H20.6.13
ニホンジカによる林業被害とササ類 岡田 充弘・小山泰弘・山
の食害程度の関係
内仁人ほか
〃
〃
〃
H20.6.13
平成19年台風9号による風倒被害
山内仁人・片倉正行
の特徴
〃
〃
〃
H20.8.25
集合フェロモン剤を用いたナラ類の
斉藤正一・中村人史・衣
生立木によるカシノナガキクイムシ
浦晴生・岡田充弘
誘殺の試み
福島市
H20.9.10
保安林内に侵入したアレチウリの駆 宮本奈穂子・竹内玉来・
除
小山泰弘
第45回関東・中部地
栃木県 区治山林道研究発 同 発表会講演要旨集
表会
H20.9.13
岡田充弘・小山泰弘 ・遠
長野県中部の山地におけるニホン
山育・亀井利活・竹田謙
ジカの土地利用実態
一 ・山内仁人
山口市
2008年度日本哺乳
類学会
同 学会要旨集
H20.9.25
獣害防止資材の設置から5年以上 三澤美菜・小山泰弘・岡
が経過した植栽木の生育状況
田充弘・間島達哉
東京都
第48回治山研究発
表会
同 発表会要旨集
岡田充弘・近藤道治・小
カツラマルカイガラムシによる広葉 山泰弘・山内仁人・尾崎
H20.10.11
伸行・芳沢雅行・松尾一
樹被害対策の検討
穂・河野恵里・武田芳夫
岐阜市
第57回日本林学会
中部支部大会
同 大会要旨集
H20.10.11
カラマツ林の下木として萌芽更新し
小山泰弘・古川仁
たミズナラの成長
第13回東北森林科
学学会
同 学会講演要旨集
〃
〃
〃
〃
〃
〃
深見悠矢・北原 曜 ・小
スギ・ヒノキ・カラマツ・コナラ立木の
野 裕・片倉正行・宮崎隆
引き倒し抵抗力
幸・山内仁人・松澤義明
長野県北部のスキー場跡地におけ
H20.10.12
小山泰弘・上田岳義
る緑化事例
2種樹木成分のカシノナガキクイム
衣浦晴生・所雅彦・岡田
H20.10.18 シ合成フェロモン剤に及ぼす協力
充弘・齊藤正一・市原優
効果の検討
カシノナガキクイムシ集合フェロモ 所雅彦・市原優・齊藤正
H20.10.24 ンの誘引効果を高めるナラ類揮発 一・岡田充弘・小山泰弘・
衣浦晴生
性成分の探索
林内での経時間における「気づき」 清水裕子・小山泰弘・伊
H20.11.8
の変化について
藤精晤
東京都
第13回植生学会大
会
同 大会要旨集
高知市
第59回日本森林学
会関西支部大会
〃
横浜市
第60回日本森林学
会関東支部大会
〃
岐阜県
第5回日本造園学会
〃
中部支部大会
岡田充弘・窪野高徳・升
屋勇人・吉武孝・片倉正
行・山内仁人・小山泰弘・
大矢信次郎・小田切貴子
水戸市
第13回樹木医学会
大会
〃
〃
H20.10.11
長野県南部で発生したヒノキ集団
H20.11.14
枯損被害
H20.11.14
2007年台風9号による長野県佐久
山内仁人・片倉正行
地方の立木風倒被害
盛岡市
全国林業技術発表
大会inいわて
H21.1.9
平成19年台風9号災における風倒
山内仁人・片倉正行
被害の特徴
塩尻市
平成20年度カラマツ
同 発表会要旨集
林業等研究発表会
H21.3.7
秋山郷のカラマツが教えてくれた里
小山泰弘
山の実態
H21.3.15
異なる地域に成立するブナの枝の 小山泰弘・高橋誠・岡田
強度特性(予報)
充弘・橋爪丈夫ほか
H21.3.15
長野県におけるカラマツ材の利用
橋爪丈夫
開発の歴史と利用の実際
H21.3.19
複数産地由来の苗木が植栽された
ブナ造林地における生育状況の比
小山泰弘・陶山佳久
較 -地域性種苗を用いる必要性
を示す実例として-
盛岡市
第56回日本生態学
会大会
H21.3.26
深見悠矢・北原曜・小野
立木の引き倒し抵抗力の樹種間比
裕・宮崎隆幸・山内仁人・
較
片倉正行・松澤義明
京都市
第120回日本森林学
同 大会講演集
会大会
H21.3.26
複層林の上木伐採にともなう下木
損傷軽減法の検討-上木の山側
伐倒-
栄村
松本市
〃
近藤道治・宮崎隆幸・今
井信
―
14 ―
〃
総合地球研究所プロ
同 秋山報告会要旨集
ジェクト 秋山報告会
第59回日本木材学
会松本大会
〃
〃
同 大会発表要旨集
〃
〃
〃
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
H21.3.27
H21.3.27
H21.3.27
H21.3.27
H21.3.27
岡田充弘・加賀谷悦子・
カシノナガキクイムシの捕獲好適条 所雅彦・山内仁人・橋爪
丈夫・小山泰弘・濱口京
件の検討
子・齊藤正・衣浦晴生
ケルキボロールを装着したナラ類 斉藤正一・中村人史・衣
立木トラップよるカシノナガキクイム 浦晴生・所 雅彦・岡田充
弘
シの大量誘殺
所雅彦・衣浦晴生・市原
カシノナガキクイムシの誘引効果を
優・齊藤正一・岡田充弘・
高めるナラ類揮発性成分の探索
小山泰弘
浦野 忠久・北島 博・牧野
カツラマルカイガラムシの天敵昆虫
俊一・在原 登志男・大澤
の採集と寄生バチによる寄生状況
正嗣・齊藤 正一・岡田 充
の調査
弘
山内仁人・片倉正行・深
立木の引き倒し抵抗力と根系形状
見悠矢・北原曜・松澤義
の関係
明・仙石鐵也
京都市
第120回日本森林学
同 大会講演集
会大会
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
H21.3.28
ブナの地理的変異と種苗配布
高橋誠・平岡宏一・小山
泰弘ほか
〃
〃
〃
H21.3.28
ケヤキにおける系統地理学的解析 武津英太郎・高橋誠・小
と種苗配布
山泰弘ほか
〃
〃
〃
H21.3.28
長野県の事例から見たブナの種苗
小山泰弘
配布にあたっての課題
〃
〃
〃
育林部計
32 件
H20.6.12
里山を活用したきのこの栽培及び
増野和彦
増殖システムの開発
平成20年度長野県
塩尻市 林業総合センター研 同 大会講演要旨集
究成果発表会
H20.6.14
里山を活用したきのこの栽培及び
増野和彦
増殖システムの開発
長野市
信州きのこの会平成
−
20年度きのこ講演会
H20.6.20
木酢液のナメクジ類に対する忌避
高木 茂
効果 その1
弘前市
木質炭化学会第6回
同 大会講演要旨集
研究発表会
諏訪市
マツタケ生産振興全
〃
国交流長野大会
福岡市
日本きのこ学会第12
〃
回大会
H20.8.28
H20.9.16
長野県におけるマツタケ増産試験
竹内嘉江
について
増野和彦・西澤賢一・吉
里山を活用したきのこ簡易接種法 村智之・細川奈美・山本
郁勇・市川正道・福田正
の開発
樹
H20.9.30
里山を活用したきのこの栽培及び
増野和彦
増殖システムの開発
東京都
平成20年度先端技
術を活用した農林水
同 大会講演要旨集
産研究高度化事業
成果発表会
H20.10.11
菌床シイタケの簡易栽培法の検討
竹内嘉江
(Ⅲ)
岐阜市
第57回日本森林学
会中部支部大会
H20.11.21
里山を活用したきのこ簡易接種法
増野和彦
の開発
平成20年度長野県き
長野市 のこ試験研究機関連 〃
絡協調会議
H20.11.21
菌床シイタケの低コスト栽培法の開
竹内嘉江
発
〃
H20.11.27
里山を活用したきのこ簡易接種法
増野和彦
の開発
盛岡市
H20.12.4
H21.3.16
H21.3.16
H21.3.17
H21.3.17
H21.3.20
里山を活用したきのこ簡易接種法
増野和彦
の開発
増野和彦・市川正道・細
菌床栽培と原木栽培を融合したクリ
川奈美・吉村智之・西澤
タケ栽培法の開発
賢一・福田正樹
梅田美希・北林ひとみ・福
クリタケ単一ジェネットのテリトリー 田正樹・増野和彦・細川
奈美・西澤賢一
増野和彦・市川正道・細
里山を活用したきのこの栽培及び
川奈美・吉村智之・西澤
増殖システムの開発
賢一・福田正樹
伊藤恵理・岩永愛子・福
AFLP分析による日本産クリタケの
田正樹・増野和彦・細川
遺伝的類縁関係の解析
奈美・西澤賢一
マツタケの豊凶指数―地温変化と
降水量による発生量の予測(長野 竹内嘉江
県豊丘村の事例)―
―
15 ―
〃
全国林業技術研究
発表大会inいわて
宮崎県 九州地区林試協特
美里町 産部会
松本市
〃
−
同 大会講演要旨集
−
第59回 日本木材学
同 大会発表要旨集
会大会
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
東京都
日本菌学会関東支
部大会
同 大会発表要旨集
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
特産部計
16件
塗装処理したスギ遮音壁の耐候性
(Ⅲ) -塗り替え時期について-
Strength properties of glued buildup timber beams made from large
H20.6.2-5
square timbers of Japanease
conifer
Constructions and Researches
H20.6.2-5 after the Project of Developing
Hybrid Timber Buildings
H20.6.2
片岡 厚・木口 実・
吉野安里・柴田直明
池田潔彦・吉田孝久・
伊東嘉文・鈴木修治・
松元浩・他3名
Nobuyoshi
YAMAGUCHI, Naoaki
SHIBATA and three
others
東京都
〃
GPS・GISを利用した森林所有境
戸田堅一郎・清水靖久
界の確認方法
東京都
H20.9.24
ゼロ次谷における、水分環境・林相 清水靖久・向山繁幸・
と災害発生の関係について
戸田堅一郎
〃
H20.11.13
柴田直明・北田正司・
長尾博文・加藤英雄・
井道裕史・張日紅
加藤英雄・長尾博文・
井道裕史・柴田直明・
張日紅
信州型木製ガードレールの劣化過 戸田堅一郎・吉野安里・
程解明に向けた現地調査の結果 柴田直明
間伐材利用開発の切札になれる 吉田孝久・柴田直明・
H20.11.26 か!?-接着重ね梁の製造と性能 伊東嘉文・吉野安里・
他6名
評価柴田直明・橋爪丈夫・
長野県産間伐材の構造材利用へ
伊東嘉文・吉田孝久・
H20.12.2
の取組み
吉野安里・戸田堅一郎
H21.1.9
H21.3.16
H21.3.16
高信頼性接着重ね梁の開発
吉田孝久
同 大会研究発表論文
集
同 発表要旨集
10th World
及びCD-ROM版論文
宮崎市 Conference on
Timber Engeneering 集
H20.9.24
横梁にスギ・カラマツを用いた木製
H20.10.23-24 防護柵の強度特性 (1)試験の概
要と静的曲げ特性
横梁にスギ・カラマツを用いた木製
H20.10.23-24 防護柵の強度特性 (2)衝撃曲げ
強度性能
日本木材保存協会
第24回年次大会
〃
第48回治山研究発
表会
〃
〃
同 論文集
〃
日本木材加工技術
東京都 協会 第26回年次大 同 講演要旨集
会
〃
〃
〃
岐阜県 2008年度 日本木材
〃
大垣市 学会 中部支部大会
全国林業試験研究
盛岡市 機関協議会シンポジ 同 研究発表要旨集
ウム
東京都
第12回 木質構造研
同 技術報告集
究会 技術発表会
塩尻市 カラマツ林業研究会 同 研究発表要旨集
設置後20年を経過したカラマツ製
柴田直明・吉野安里・
遮音壁の性能評価(3)形状の変化
橋爪丈夫・戸田堅一郎
と曲げ強度性能
伊東嘉文・村井勇睦・
高強度アカマツ接着重ね梁の開発 近藤正・中島健夫・
遠藤博二
松本市
第59回 日本木材学
同 大会発表要旨集
会大会
〃
〃
〃
H21.3.16
木製の法面保護工法の部材の残
存強度 -ピロディンによる評価-
吉野安里・戸田堅一郎・
柴田直明
〃
〃
〃
H21.3.16
信州型木製ガードレールの劣化過
戸田堅一郎・吉野安里・
程解明に向けて -3年経過ビー
柴田直明
ムの強度特性-
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
〃
H21.3.16
H21.3.16
H21.3.16
H21.3.17
能登ヒバの高温乾燥材の内部割れ
に及ぼす高温セット時間の影響
接着重ね梁のめり込み強度-材中
間部加圧におけるひずみの分布Ⅱ
-
松元浩・吉田孝久
鈴木修治・松元浩・
中谷浩・池田潔彦・
伊東嘉文・吉田孝久
池田潔彦・吉田孝久・
接着重ね梁の実大ブロックせん断 伊東嘉文・吉野安里・
鈴木修治・松元浩・中谷
試験による接着・強度性能評価
浩
信州型木製ガードレールの劣化過
程解明に向けて -現地調査と強 戸田堅一郎
度試験の結果-
H21.3.20
接着重ね梁の各種性能
H21.3.26
国産材住宅等における高耐震・高 柴田直明・小松幸平・
信頼性接合部の開発 -柱脚接合 森拓郎・伊東嘉文・
戸田堅一郎・他7名
部の補強方法の検討-
木材部計
21 件
合計
69 件
伊東嘉文
―
16 ―
第59回 日本木材学
会大会 生物劣化研
究会
2009.3木の文化と環
松本市 境フォーラム研究発
表会
第123回 生存圏シン
京都府 ポジウム 木質材料実
宇治市 験棟全国共同利用
研究報告会
〃
同 発表要旨集
平成21年度「ウッディ
ハイランド」掲載予定
同 報告書
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2.5.3 機関誌投稿
年月
H20.4
H20.4
H20.4
H20.5
H20.7
H20.7
H20.7
H20.9
発表テーマ
執筆者
掲載図書
発行機関
花崗岩地帯の崩壊地における自然植
清水香代・山崎昭典・小山 治山研究発表会論文
生回復~簡易治山施設による植生回
治山研究会
泰弘ほか
集47
復の検討
森林利用学会誌23
森林利用学会現地検討会報告
近藤道治
森林利用学会
(1)
森林利用学会現地検討会シンポジウ
近藤道治
ム報告
〃
森林施業研究会・森林計画学会合同
小山泰弘
森林技術794
シンポジウム 計画と施業を結ぶ
衣浦晴生・ 斉藤正一・岡
平成20年度森林総合
おとり木トラップによるカシノナガキクイ
田充弘・小林正秀・阿部豊
研究所研究成果選集
ムシの捕殺技術を開発
・所雅彦・ 中島忠一
大井徹・岡田充弘・小金沢
サルを山に帰して被害を防止、「追い
正昭・羽山伸一・安富舞・
〃
上げ」マニュアルを作成
川路則友
総合地球研究所プロ
栄村にブナが多いわけ
小山泰弘
ジェクト 秋山報告会
報告書
「森林鳥獣研究最近の動向」―第119
岡田充弘
森林防疫vol.57(5)
回日本森林学会大会よりー
〃
(社)日本森林技術協会
(独)森林総合研究所
〃
総合地球環境研究所
全国森林病虫獣害防
除協会
H20.11
風致林施業を語る技術者の輪 書簡
小山泰弘
No.2 (回答)
H21.1
新春座談会 広葉樹種苗配布のあり
方について
H21.2
江戸時代の伊那谷には野生獣類があ
小山泰弘・岡田充弘
ふれていた
伊那谷の自然141
伊那谷自然友の会
H21.3
刈払いだけでニセアカシアを防除でき
小山泰弘
るか?
関中林試連情報33
研究情報
関東中部林業試験連
絡協議会
H21.3
ニセアカシア駆除方法の検討
長野県環境科学技術 県環境科学技術者協
者協議会会報87
議会
H21.3
Control of japanese oak wilt using
aggregation pheromone of Platypus
querciorus(Coleoptera:Platypodidae)
H21.3
森林技術800
津村義彦・戸丸信弘・小山
林木の育種230
泰弘ほか
小山泰弘
Haruo Kinuura,Masahiko
Tokoro,Shoichi
Saito,Mitsuhiro
Okada,Masahide
Kobayashi,Masaaki Ino
ナラ類生立木を利用した合成フェロモ 斉藤正一・中村人史・岡田
ンによるカシノナガキクイムシの大量誘 充弘・小林正秀・衣浦晴
生・阿部 豊・所雅彦
引技術
育林部計
CHEMICAL
ECOLOGY OF
WOOD-BORING
INSECTS
(社)日本森林技術協会
林木育種協会
(独)森林総合研究所
公立林業試験研究機
(独)森林総合研究所
関研究成果選集6
15 件
H20.4
ヤマブシタケ
増野和彦
H20.4
ヤマブシタケ経営指標
増野和彦
〃
〃
H20.4
生シイタケ(原木)経営指標
竹内嘉江
〃
〃
H20.4
生シイタケ(菌床)経営指標
竹内嘉江
〃
〃
H20.4
マツタケ経営指標
竹内嘉江
〃
〃
H20.5
生産振興研修会より−ナメコ−
増野和彦
信州のそ菜 No.634
JA全農長野
H20.5
原木シイタケ栽培 ~活着検査と本伏
高木 茂
せ~
農業と生活 5月号
県農業改良協会
H20.6
きのこ栽培技術「菌床シイタケ」
竹内嘉江
信州のそ菜 No.635
JA全農長野
H20.7
里山を活用したきのこの栽培と増殖
増野和彦
信州きのこマイスター 信州きのこマイスター認
通信 vol.3
定協議会
H20.7
原木しいたけ栽培と有機JAS
高木 茂
信州のそ菜 No.636
JA全農長野
H20.7
原木シイタケ栽培 ~ホダ場の夏季管
高木 茂
理と害菌対策~
農業と生活 7月号
県農業改良協会
2008年度版きのこ年鑑 (株)プランツワールド
―
17 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
H20.7
クリタケ及びヤマブシタケの菌床栽培
増野和彦
技術とナメコ安定生産技術の開発
ウッディエンス・メール
日本木材学会
マガジン No.8
H20.8
きのこシーズンに向けた安定生産技術
増野和彦
−ナメコー
信州のそ菜 No.637
H20.8
きのこシーズンに向けた安定生産技術
竹内嘉江
「菌床シイタケ」
H20.8
フラッシュニュース「日本菌学会」
増野和彦
信州のそ菜 No.637
JA全農長野
H20.9
里山を活用したきのこ栽培技術−きの
増野和彦
この簡易接種法−
信州のそ菜 No.638
〃
H20.9
里山を活用したきのこ栽培
増野和彦
長野の林業 No.237
県林業改良普及協会
H20.9
原木キノコ栽培用の原木確保
高木 茂
農業と生活 9月号
〃
H20.10
里山を活用したきのこの栽培及び増殖
増野和彦
システムの開発
全林試協会誌第42号
全国林業試験研究機
関協議会
H20.11
きのこ 生理・生態を学ぶ−チャナメツ
増野和彦
ムタケ−
信州のそ菜 No.640
JA全農長野
H20.11
ドラム缶炭窯による製炭
農業と生活 12月号
県農業改良協会
H20.12
第31回信州きのこ祭りきのこ品評会農
増野和彦
林大臣賞受賞者紹介 −ナメコ−
信州のそ菜 No.641
JA全農長野
H20.12
〃
- 乾しいたけ -
高木 茂
〃
〃
H20.12
〃
- 生しいたけ -
竹内嘉江
〃
〃
H21.1
わりばし種菌でラクラク里山キノコ栽培 増野和彦
現代農業(1月号)
農山漁村文化協会
H21.1
原木キノコ栽培の種菌選定
高木 茂
農業と生活 1月号
県農業改良協会
H21.2
原木キノコ栽培 ~植菌と仮伏せ~
高木 茂
農業と生活 2月号
〃
H21.2
特用林産物生産による里山活用のす
高木 茂
すめ
長野の林業239号
県林業改良普及協会
H21.2
長野県におけるマツタケ増産試験に
ついて
竹内嘉江
長野大会報告書
マツタケ生産振興全国交
流長野大会実行委員会
H21.3
趣味と実益を兼ねて山菜販売!
~農産物直売所の活用~
高木 茂
長野の林業240号
県林業改良普及協会
H21.3
里山を活用したクリタケの簡易接種法
増野和彦
の開発
公立林業試験研究機
(独)森林総合研究所
関研究成果選集No.6
H21.3
平成21年長野県きのこ基本計画
生産技術対策-ナメコ・シイタケ-
高木 茂
信州のそ菜No.644
柴田直明
平成19年度 林野庁
補助事業 木製道路
(社)日本木材加工技術
施設普及促進のため
協会
の技術開発事業 成
果報告書
特産部計
高木 茂
1.2.2 円柱材の強度特性
(1) 静的曲げ試験
H20.7
地域の産学官連携による間伐材の屋
柴田直明
外新用途の開発と普及
H21.1
〃
JA全農長野
32 件
H20.
H20.9
〃
JA全農長野
ウッディエンス・メール
日本木材学会
マガジン No.8
木材の高温乾燥研究の変遷 -高温
高湿スケジュールから高温低湿スケ 吉田孝久
ジュールへ第7回 大熊幹章賞を受賞して
橋爪丈夫・柴田直明・
(長野県における県産材を用いた横架
吉田孝久
材の開発と普及)
H21.3
高信頼性接着重ね梁の開発
H21.3
ゼロ次谷における水分環境・林相と災 清水靖久・向山繁幸・
害発生の関係について
戸田堅一郎
木材部計
6 件
合計
53 件
吉田孝久
―
18 ―
木材工業
Vol.63,No.9,2008
(社)日本木材加工技術
協会
Journal of Timber
Engineering 87
東京大学大学院
木質構造研究会
公立林業試験研究機
関研究成果選集
(独)森林総合研究所
No.6
砂防学会誌
第61巻 第6号(通巻 (社)砂防学会
281号)
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
2.5.4 当所(林業総合センター)刊行物
年月
発表テーマ
執筆者
掲載図書
H20.10
作業路企画者に求められるもの
白石 立
技術情報 No.131
H20.12
目立てのこだわり
宮崎隆幸
技術情報 No.132
H21.2
森(自然)と親しむ営み
大原均
技術情報 No.133
H21.3
森林管理総合情報整備提供のための間伐
支援ソフト用データ収集
白石立・今井 信・宮崎隆
研究報告 第23号
-列状間伐による伐出作業システムの生
幸・青栁智司・近藤道治
産性及び林地残材(未利用材)の生産に
関する調査-
指導部計
4件
複層林の上木間伐により損傷を受けた下
木はどうなるのか
-5年後の成育状況について-
近藤道治
技術情報 No.131
H20.12
カラマツ林における下層広葉樹の成長
小山泰弘
技術情報 No.132
H21.2
森林のCO2吸収量評価のしくみ
山内仁人
技術情報 No.133
H21.3
平成19年台風9号災における風倒被害の
特徴
山内仁人
技術情報 No.134
H20.8
H21.3
H21.3
H21.3
ナラ類集団枯死被害防止技術と評価法の
開発
獣害回避のための難馴化忌避技術と生息
適地への誘導手法の開発
-加害初期のサル群に対する被害対策の
検討-
平成18年7月豪雨により岡谷市等で発生し
た土石流の発生状況と自然環境要因
育林部計
H20.8
備 考
H20 カラマツ林業等
研究会特集
岡田充弘・山内仁人・加
研究報告 第23号
賀谷悦子・近藤道治
岡田充弘・山内仁人・小
〃
山泰弘
片倉正行・小山泰弘・山
〃
内仁人
7件
木酢液のナメクジ忌避効果
高木茂
技術情報 No.131
H20.12
原木シイタケ栽培の歴史と基礎知識
竹内嘉江
技術情報 No.132
H21.2
きのこの簡易接種法-電動ドリルを用いな
増野和彦
いクリタケ栽培-
技術情報 No.133
H21.3
里山を活用したきのこの栽培及び増殖シス
増野和彦
テムの開発
里山を活用したきのこ 先端技術を活用した
栽培-クリタケの簡易 農林水産研究高度
化事業成果報告書
接種法-
H21.3
里山を活用した特用林産物(きのこ)の生
産技術の開発
研究報告 第23号
H21.3
里山を活用した特用林産物(山菜)の生産 高木茂・
技術の開発
増野和彦
〃
H21.3
里山を活用したきのこの栽培及び増殖シス
増野和彦他
テムの開発
〃
H21.3
原木シイタケ栽培の品質向上と安定生産
に関する研究
〃
H21.3
自然環境を活用した菌床シイタケ栽培法の 竹内嘉江・高木茂・小坂
〃
開発
信行・松瀬収司
特産部計
増野和彦・高木茂
竹内嘉江・高木茂・
小坂信行
9件
H20.10
屋外・外壁における木材利用の課題と展望 吉野安里
技術情報 No.131
H20.12
カラマツ材の人工乾燥と新用途開発への
取組み
柴田直明
技術情報 No.132
H21.2
木は腐る!?
戸田堅一郎
技術情報 No.133
H21.3
接着重ね梁の強度性能について
吉田孝久
技術情報 No.134
H21.3
スギ及びカラマツによる異樹種積層集成材 橋爪丈夫・伊東嘉文・
の製造と強度性能
吉田孝久
研究報告 第23号
H21.3
公的認証取得を可能とする高信頼性接着
吉田孝久・他
重ね梁の開発
先端技術を活用した
接着重ね梁の製造マ
農林水産研究高度
ニュアル
化事業成果報告書
木材部計
6 件
合計
26 件
―
19 ―
H20 カラマツ林業等
研究会特集
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
3 森林・林業の普及啓発
自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日
森林学習展示館の主な行事
啓
発 内 容
共催者
森林教室
長野県緑の基金
(草木染め、きのこ教室、木工教室等 30回開催)
林業作業体験講座
(植栽、除伐、炭焼き等12回開催)
市民講座「森林・林業と人間の物語」
(森林・林業事始、地球環境時代の森林・林業等
4回開催)
計
参加人員(人)
1,193
当所
399
当所
68
1,660
体験学習の森利用状況
施
設
利 用 者
幼児(保育園、幼稚園)
青少年(小・中・高・大)
林業関係者
その他一般
計
体験学習の森
森林学習展示館利用者
内 木工教室
緑の体験(キャンプ等)
施
施
設
の
利
用
設
245
599
684
1,528
青少年
その他一般
計
3,547
2,474
6,021
状
況
林務部職員
他部課職員
森林・林業セミナー等
林業技能作業士研修生
林業技術者養成研修
その他一般
計
各種研修生
内 宿泊棟利用者
視 察
施
設
研 究 施 設 等
幼児
青少年
その他一般
計
利 用 者
研 修 室
見
学
の
利用者数(人)
886
3,797
1,207
10,096
15,986
状
利用者数(人)
938
56
808
672
2,182
1,651
6,307
1,993
況
利用者数(人)
212
30,186
延べ利用者計
―
20 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
4 要請された業務
分野
年月日
~
年月日
要請事項
林業
機械
H20.5.2
特県搬出方法検討指導
県林務部
大鹿村・平谷村
H20.9.2
作業路開設現地検討会
下伊那地方事務所
根羽村
H20.9.3
間伐材搬出研修会
〃
阿智村
H20.10.16
高性能林業機械測尺精度試験
県林務部
信濃町
H20.10.17
高度間伐技術者集団育成事業研修会
諏訪地方事務所
茅野市
H20.12.9
低コスト間伐搬出システム現地検討会
佐久林業振興協議会
佐久市
H21.2.26
林業機械化推進シンポジウム
林野庁研究・保全課
東京都
H21.3.17
低コスト間伐材搬出システム研究会
佐久林業振興協議会
佐久市
H20.4.10 ~ H20.12.16 森と水プロジェクトにかかる調査指導
県林務部
松本市、下諏訪町
H20.4.23 ~ H20.5.1
台風災害被害対策調査指導
佐久地方事務所
佐久市
H20.5.14
低コスト作業システム打ち合せ
林野庁
東京
松本シニア大学講義
松本地方事務所
松本市
H20.5.28
森林利用学会常務理事会
森林利用学会
東京大学
H20.5.30
フクジュソウ自生地指導
上田市
上田市
計
育林
要請者
場 所
8件
H20.5.22 ~
H20.6.5
H20.6.3
~ H20.11.30 アレチウリ対策指導
長野地方事務所
長野市
H20.6.9
~ H20.6.10 広葉樹種苗利用状況調査
富山県林業技術センター
波田町ほか
H20.6.16 ~ H20.11.28 風衝地における樹木の成長調査
(独)森林総合研究所
塩尻市
H20.6.17
建設環境研究所来所
建設環境研究所
当所
H20.6.24
少花粉スギ打ち合せ
(独)森林総合研究所
H20.7.4
森林利用学会編集委員会
森林利用学会
東京大学
H20.7.9
低コスト作業システム幹事会
日本林業技士会
東京
H20.7.14
治山事業植栽樹種指導
北安曇地方事務所
大町市
H20.7.22
ニセアカシア遺伝資源調査
(独)森林総合研究所
波田町、山形村
H20.7.28 ~ H20.7.29 低コスト作業システム幹事会・部会
日本林業技士会
東京
H20.7.29
諏訪地方事務所
諏訪市
H20.8.25 ~ H20.8.26 赤沢天然ヒノキ林長期観測協力
名古屋大学
上松町
H40.8.26
複層林の上木間伐方法指導
県林業公社
千曲市
H20.8.27
長野県山林種苗組合総会
県山林種苗組合
長野市
H20.8.28
低コスト作業システム現地調査
日本林業技士会
松本市
H20.9.17
小谷村ミズナラ推定樹齢調査
小谷村
小谷村
H20.9.18
採種園の管理指導
県林務部
須坂市
H20.9.19
低コスト作業システム幹事会
日本林業技士会
東京都
H20.10.10
関中林試連実務者会議
関中林試連
〃
H20.10.21
利用学会編集委員会
森林利用学会
〃
H20.10.22
カツラ地域差検討会
千葉大学
千葉県
H20.10.28
林木の育種座談会
林木育種協会
東京都
H20.10.29 ~ H20.11.30 林業苗畑コンクール
県林務部
山形村ほか
H20.11.7
林木育種協会
長野市
霧ケ峰森林化にかかる調査指導
ヒメバラモミ検討委員会
―
21 ―
〃
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
年月日
~
年月日
要請事項
要請者
場 所
育林
H20.11.10
ブナ保育管理に関する現地指導
上伊那地方事務所
箕輪町
H20.11.11
森林利用学会常務理事会
森林利用学会
東京都
H20.11.14
低コスト作業システム幹事会
日本林業技士会
H20.11.27
山林種苗需給調整協議会
県林務部
長野市
H20.12.8
保安林改良事業実行に関する指導
上小地方事務所
上田市
H21.2.18
森林利用学会常務理事会
森林利用学会
東京都
〃
H21.2.25 ~ H21.2.26 低コスト作業システム部会
日本林業技士会
〃
H21.2.27
利用学会編集委員会
森林利用学会
〃
H21.3.9
アカマツ材チップ含水率測定
松本地方事務所
当所
一般
県内
小計
40件
育林
H20.4.1
~ H21.3.31 樹木病虫獣害診断
(保護)
H20.4.1
マツ材線虫病鑑定
県林務部
当所
H20.4.4
野生鳥獣被害対策支援チーム会議
〃
県庁
H20.4.14 ~ H20.11.28 松くい虫発生消長調査
〃
当所
H20.4.16
松本地方事務所
安曇野市
安曇野市スギカミキリ被害調査
H20.4.24 ~ H20.10.20 緑のコンサルタント事業事例集指導
県林務部
H20.5.16 ~ H20.11.10 ニホンジカ被害対策にかかる調査指導
上小地方事務所
H20.6.3
(独)森林総合研究所北海道支所 須坂市他
~ H20.8.29 トウヒ虫こぶ調査
上田市ほか
H20.6.4
松くい虫被害対策としてのアカマツ林施業
指針の改訂
県林務部
H20.6.23
信州大学手良沢山演習林ニホンジカ被害
対策指導
信州大学
伊那市
H20.7.14
クマ剥皮被害打ち合せ
県林務部
当所
H20.8.4
中山カラマツ異常調査
松本地方事務所
松本市
H20.8.19
特定鳥獣保護管理検討委員会ニホンジカ部会
県林務部
長野市
H20.8.28
美ヶ原ニホンジカ個体数調整広域行政連絡
松本地方事務所
協議会
H20.9.9
ブナ科樹木堅果豊凶調査(夏季)取りまとめ 県林務部
H20.9.11
ナラ枯れ空中調査
松本地方事務所
〃
飯山市、野沢温泉
村、栄村
H20.9.16 ~ H20.9.17 木曽ヒノキ枯損原因調査事業
(社)日本森林技術協会
上松町
H20.9.30
(独)森林総合研究所
東京都
H20.10.2 ~ H20.10.3 カツラマルカイガラムシ被害現地調査
〃
飯山市、中野市
H20.10.18
狩猟を考えるシンポジウム
県林務部
松本合庁
H20.10.22
特定鳥獣保護管理検討委員会ツキノワグマ
〃
部会
H20.11.4
特定鳥獣保護管理検討委員会カモシカ部会
〃
H20.11.6
塩尻アカマツ・ヒノキ異常調査
松本地方事務所
塩尻市
H20.11.11
野生鳥獣対策室打ち合せ
県林務部
畜産試験場
H20.12.3
カツラマルカイガラムシ薬剤防除打ち合わせ (株)ニッソ-グリーン
当所
H20.12.12
ニホンジカ捕獲試験打ち合せ
県林務部
畜産試験場
H20.12.19
特定鳥獣保護管理検討委員会サル部会
〃
県庁
〃
畜産試験場
カシノナガキクイムシ実用化課題設計会議
H21.1.23 ~ H21.3.25 ニホンジカ捕獲試験
H21.2.4
カツラマルカイガラムシ薬剤防除打ち合わせ 山形県森林研究研修センター
―
22 ―
長野市
〃
東京都
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
年月日
~
年月日
要請事項
育林
(保護)
H21.2.5
ナラ枯れ被害の総合的防除技術高度化調
(財)林業科学技術振興所
査事業
当所
H21.2.25
木曽サル保護管理計画ヒアリング
木曽地方事務所
木曽合庁
H21.2.28
長野県松くい虫防除対策協議会
県林務部
県庁
H21.3.3
特定鳥獣保護管理検討委員会サル部会
〃
〃
H21.3.5
特定鳥獣保護管理検討委員会
〃
〃
H21.3.23
野生鳥獣対策打ち合せ
〃
H21.3.24
安曇野市スギ異常調査
松本地方事務所
小計
36 件
計
76 件
特産
要請者
場 所
安曇野市
〃
H20.4.5
信州のそ菜編集会議
JA全農長野
長野市
H20.4.8
県版きのこGAP策定会議
県林務部
H20.4.16
全国マツタケシンポジウム打合せ
諏訪マツタケ振興会
H20.4.17
長野県きのこ消費拡大協議会幹事会
きのこ消費拡大協議会実行委員会 長野市
H20.4.17
ナメコ栽培指導
上小地方事務所
H20.4.25
日本木材学会大会運営委員会
日本木材学会大会実行委員会 松本市
H20.4.28
菌床シイタケ栽培指導
北信地方事務所
飯山市
H20.5.9
きのこ振興部会打合せ
県林務部・農政部
長野市
H20.5.16
ヤマブシタケ栽培指導
JAちくま
千曲市
H20.5.21
実用技術開発事業ヒアリング審査
(独)森林総合研究所
東京都
H20.5.27
ヤマブシタケ栽培指導
JAちくま
千曲市
H20.5.29
マツタケ研修会打合せ
松本地方事務所
安曇野市豊科
H20.6.3
きのこGAP研修会
県林務部・農政部
長野市
H20.6.10
長野県きのこ消費拡大協議会幹事会
きのこ消費拡大協議会実行委員会
H20.6.10
きのこ簡易接種法指導
JA全農長野中信事業所
H20.6.11
きのこ栽培指導
協和化成(株)
H20.6.20
機能性食品研究会
伊那テクノバレー地域センター 伊那市
〃
諏訪市
上田市
〃
当所
〃
H20.6.23 ~ H20.6.25 高度化事業(地方研究領域)現地検討会
(独)森林総合研究所
山形県
H20.6.26
長野県園芸作物振興協議会総会
県園芸作物振興協議会
長野市
H20.6.27
菌床シイタケ栽培指導
長野地方事務所
中条村
H20.6.30
坂城町きのこトンネル栽培指導
坂城町「おーい原木会」
坂城町
H20.7.2
きのこGAP検討会
県林務部・農政部
長野市
関中林試連「施設栽培きのこ研究会」
栃木県
栃木県那珂町
H20.7.3
全国マツタケシンポジウム委員会
大会実行委員会
当所
H20.7.4
菌床シイタケ栽培指導
松本地方事務所
筑北村
H20.7.8
きのこ振興部会「液体種菌検討会」
県林務部・農政部
長野市
H20.7.8
コシアブラ栽培指導
北信地方事務所
木島平村
H20.7.9
信州のそ菜編集会議
JA全農長野
長野市
H20.7.10
ナメコ栽培研修会
JA信州うえだ
上田市
H20.7.10
菌床シイタケ栽培研修会
北研産業(株)
高山市
H20.7.18
新潟県南魚沼農改センター山菜研修
新潟県
当所
H20.7.23
マツタケ委託試験打合せ
(独)森林総合研究所
豊丘村
H20.7.3
~
H20.7.4
―
23 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
年月日
特産
H20.7.23
~
年月日
要請事項
要請者
新潟県十日町農協山菜研修
場 所
JA十日町
当所
H20.7.24 ~ H20.7.25 関西林試協特産部会
愛媛県林業研究センター
京都市
H20.7.31
全国マツタケシンポジウム委員会
大会実行委員会
諏訪市
H20.8.1
木材学会大会運営実行委員会
〃
松本市
H20.8.7
全国マツタケシンポジウム委員会
〃
飯田市
H20.8.20
全国マツタケシンポジウム幹事会
〃
諏訪市
H20.9.3
長野県きのこ消費拡大協議会幹事会
きのこ消費拡大協議会実行委員会 長野市
H20.9.4
マツタケ山調査
松本市農林課
松本市四賀
H20.9.16
農業経営指標作成会議
県農政部
長野市
H20.10.6
長野県きのこ消費拡大協議会幹事会
きのこ消費拡大協議会実行委員会
H20.10.7
群馬県JAあがつまきのこ簡易接種法指導
JAあがつま
当所
H20.10.8
委託試験現地調査
(独)森林総合研究所
豊丘村
H20.10.10
ヤマブシタケ栽培指導
JAちくま
千曲市
H20.10.14
液体種菌調査
県林務部・農政部
H20.10.15
信州のそ菜編集会議
JA全農長野
〃
〃
長野市
H20.10.17 ~ H20.10.19 信州きのこ祭り
信州きのこ祭り推進協議会
〃
H20.10.22
ヤマブシタケ栽培指導
JAちくま
千曲市
H20.10.24
愛知県豊田農協山菜視察
愛知県豊田農協
当所
H20.10.28
長野県きのこ基本計画策定会議
県林務部・農政部
長野市
H20.11.7
ナメコ栽培指導
JA信州うえだ
上田市
H20.11.19
きのこ振興部会「液体種菌検討会」
県林務部・農政部
長野市
H20.11.21
きのこ研究機関連絡協調会議
県林務部
H20.12.4
マツタケ山調査
松本市農林課
松本市四賀
H20.12.10
菌床シイタケ栽培指導
長野地方事務所
中条村
H20.12.16
きのこ栽培指標編集会議
県林務部
長野市
H20.12.16
長野県きのこ基本計画策定会議
〃
H20.12.18
きのこ胞子飛散状況調査
JA松本ハイランド
H20.12.19
入山辺舞茸生産振興研修会
〃
H20.12.24
きのこ栽培指導
農事組合法人「もんじゅ山」
当所
H20.12.25
ナメコ栽培指導
JAグリーンながの
中条村
H21.1.13
信州のそ菜編集会議
JA全農長野
長野市
H21.1.14
長野県きのこ基本計画策定会議
県林務部
〃
H21.1.19
日本木材学会大会運営委員会
日本木材学会大会実行委員会 松本市
〃
〃
松本市
〃
H21.1.27 ~ H21.1.28 実用技術開発事業研究推進会議
(独)森林総合研究所
つくば市
H21.1.29
野菜花き試験場研究推進会議
野菜花き試験場
長野市
H21.2.4
信州きのこマイスター認定講座講師会議
信州きのこマイスター認定委員会
中野市
H21.2.6
きのこ経営改善研修会
県林務部・農政部
長野市
H21.2.6
経営指標編集会議
〃
H21.2.6
菌床シイタケ栽培指導
松本地方事務所
筑北村
H21.2.13
マツタケ委託試験推進会議
(独)森林総合研究所
つくば市
H21.2.24
全国マツタケシンポジウム委員会
大会実行委員会
諏訪市
―
24 ―
〃
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
年月日
~
年月日
要請事項
特産
H21.3.6
マツタケ共同研究打合せ
東京大学農学部
東京都
H21.3.11
県版GAP推進会議
県林務部
長野市
H21.3.11
きのこ振興部会
県林務部・農政部
〃
場 所
H21.3.14 ~ H21.3.17 日本木材学会 松本大会 準備・運営等
日本木材学会大会実行委員会 松本市
H21.3.17 ~ H21.3.18 日本木材学会きのこ研究会
日本木材学会
伊那市
H21.3.24
実用技術開発事業研究打合せ
(独)森林総合研究所
茨城県那珂市
H21.3.27
きのこ胞子飛散状況調査
JA松本ハイランド
松本市
計
木材
要請者
82 件
H20.4.21
認証検査
信州木材認証製品センター
中野市
H20.4.21
木材普及担当者会議
県林務部
長野市
H20.4.22
接着重ね梁検討会議
征矢野建材
塩尻市
H20.4.25
松本大会会場調査
日本木材学会大会実行委員会 松本市
H20.5.1
コカリナ材乾燥
上田小学校
当所
H20.5.7
認証検査
信州木材認証製品センター
駒ヶ根市
H20.5.13
乾燥指導
〃
信濃町
H20.5.16
日本木材学会理事会
日本木材学会
東京都
H20.5.21
木造施設調査
北信地方事務所
野沢温泉村
H20.5.22
松本木工団地総会
松本木工団地事業協同組合
松本市
H20.5.23
認証センター総会
信州木材認証製品センター
長野市
H20.5.26
認証検査
〃
長和町
H20.6.10
信州の木推進課情報交換会
県林務部
当所
H20.6.16 ~ H20.6.17 木質材料評価方法標準化委員会
(独)産業技術総合研究所
名古屋市
H20.6.17 ~ H20.6.19 石川県ヒバ乾燥試験
石川県林業試験場
当所
H20.6.18
認証検査
信州木材認証製品センター
佐久市
H20.6.20
情報提供企画委員会
(財)日本住宅・木材技術センタ-
東京都
H20.6.26
乾燥等技術協力
北安曇地方事務所
大町市
H20.7.1
木製ガードレール委員会
(社)日本木材加工技術協会
東京都
認証センター工場指導
信州木材認証製品センター
南信
乾燥材情報委員会
(財)日本住宅・木材技術センタ-
東京都
木材学会常任委員会
日本木材学会大会実行委員会
当所
H20.7.9
木橋・木製ガードレール調査
上伊那地方事務所
伊那市
H20.7.11
信州木材製品認証審査委員会
信州木材認証製品センター
長野市
H20.7.12
木材学会大会運営検討委員会
日本木材学会
東京都
H20.7.15
木製ガードレール委員会
(社)日本木材加工技術協会
〃
H20.7.22
アカマツ乾燥検討会
征矢野アークス
松本市
H20.7.22
工場認証
信州木材認証製品センター
長野市
H20.7.26
木材学会理事会
日本木材学会
京都市
H20.7.29
林道木橋調査
木曽地方事務所
木曽
H20.8.1
木材学会大会運営実行委員会
日本木材学会大会実行委員会
松本市
H20.8.7
木材関係担当者会議
県林務部
当所
H20.8.8
カラマツ桁材乾燥試験検討会
松本地方事務所
〃
H20.7.2
~
H20.7.3
H20.7.4
H20.7.5
~
H20.7.6
―
25 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
年月日
木材
H20.8.8
木材利用検討会
北信地方事務所
〃
H20.8.19
信州木造塾事前会議
県建築士会
〃
H20.8.23
信州木造塾
〃
〃
H20.8.26
林道木橋調査
佐久地方事務所
佐久市
H20.8.27
工場認証検査
信州木材認証製品センター
木曽
木質バイオマス研究会
関中林試連
長岡市
H20.9.1
乾燥材情報委員会
(財)日本住宅・木材技術センタ-
東京都
H20.9.5
木製ガードレール委員会
(社)日本木材加工技術協会
〃
H20.9.12
特殊林県行造林事業協議会 視察
県林務部
当所
H20.9.20
信州木造塾
県建築士会
当所
H20.9.25
乾燥材情報委員会
(財)日本住宅・木材技術センタ-
東京都
H20.9.26
針葉樹家具開発研究会
針葉樹家具開発研究会
松本市
H20.9.29
認証検査
信州木材認証製品センター
中野市
H20.10.1
高崎ペレットボイラー調査
県林務部
高崎市
H20.10.2
コカリナ乾燥
上田小学校
当所
H20.10.5 ~ H20.10.9 木製道路施設推進会議、同研修
(独)森林総合研究所
宮崎県
H20.10.8
木材実験棟見学
木曽山林高校
当所
H20.10.9
木材実験棟見学
丘中学校
〃
H20.10.9
高温乾燥材の材質試験
ランバーテック
〃
H20.10.11
木材学会プログラム委員会
日本木材学会
名古屋市
H20.10.17
木製ガードレール委員会
(社)日本木材加工技術協会
東京都
H20.10.18
木材学会理事会
日本木材学会
〃
H20.10.20 ~ H20.10.22 接着重ね梁せん断試験
静岡県林業技術センター
当所
H20.10.22
水分管理委員会
(財)日本住宅・木材技術センタ-
東京都
H20.10.23
木材部視察
熊本県
当所
H20.10.24
スギ44mm耳付き材の乾燥指導
ウッドリンク
〃
H20.10.27
実用化技術開発検討会議
石川県林業試験場
つくば市
H20.10.31
針葉樹家具開発研究会
針葉樹家具開発研究会
松本市
H20.11.6
木質材料評価方法標準化委員会
産業技術総合研究所
富山市
H20.11.12
葉枯らし測定
長野地方事務所
当所
H20.11.14
木製ガードレール委員会
(社)日本木材加工技術協会
東京都
H20.11.15
乾燥士試験採点
H20.11.20
スギ44mm耳付き材の乾燥指導
ウッドリンク
富山
H20.12.2
乾燥事情調査
(財)日本木材総合情報センター
旭川市
H20.12.2
木橋診断
下伊那地方事務所
喬木村
H20.12.3
学位論文審査委員会
信州大学工学部
長野市
H20.12.15
葉枯らし測定
長野地方事務所
当所
H20.12.17
中信地区アカマツ利用意見交換会
県林務部
〃
H20.12.17
北安産材の利用検討会
北安曇地方事務所
〃
H20.12.19
信州木材製品認証審査委員会
信州木材認証製品センター
長野市
H20.12.24
木橋診断
木曽地方事務所
上松町、木曽町
H20.9.1
~
~
年月日
H20.9.2
要請事項
要請者
〃
―
26 ―
場 所
〃
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
分野
年月日
~
年月日
要請事項
要請者
木材
H20.12.25
松本大会合同会議
日本木材学会大会実行委員会 松本市
H21.1.13
乾燥指導委員会
(財)日本住宅木材技術センタ-
東京都
H21.1.15
学位論文審査委員会
信州大学工学部
長野市
H21.1.15
コカリナ材乾燥
上田神明小学校
当所
H21.1.15
高温乾燥材の材質測定
ランバーテック
〃
H21.1.19
松本大会合同委員会
日本木材学会大会実行委員会
松本市
H21.1.20 ~ H21.1.21 接着重ね梁試験
石川県林業試験場
当所
H21.1.20 ~ H21.1.21 木製ガードレール委員会
(社)日本木材加工技術協会
宮崎県
H21.1.23
針葉樹家具開発研究会
針葉樹家具開発研究会
松本市
H21.1.24
木材学会理事会
日本木材学会
東京都
H21.1.26
木製ガードレール会議
建設部道路管理課
長野市
H21.2.5
木材部視察研修
東御市滋野
当所
H21.2.5
葉枯らし測定
長野地方事務所
〃
H21.2.9
接着重ね梁WG会議
木質構造研究会
東京都
H21.2.18
アカマツ利用検討会
県林務部
当所
H21.2.19 ~ H21.2.20 木製道路施設推進会議,打合せ
(独)森林総合研究所
つくば市
H21.2.24
接着重ね梁試験
石川県林業試験場
当所
H21.2.27
技術指導
北安曇地方事務所
〃
H21.3.3
木材乾燥研究会
(社)日本木材乾燥施設協会
東京都
H21.3.5
松本大会アルバイト説明会
日本木材学会大会実行委員会
松本市
H21.3.13
道路関係WG会議
日本木材学会
東京都
H21.3.13
乾燥情報委員会
(財)日本木材総合情報センター
〃
H21.3.14 ~ H21.3.17 日本木材学会 松本大会 準備・運営
日本木材学会大会実行委員会
松本市
H21.3.18 ~ H21.3.19 接着重ね梁試験
石川県林業試験場
当所
H21.3.23
信州木材認証製品センター
長野市
H21.3.24 ~ H21.3.25 林野庁視察
林野庁
当所
H21.3.27
含水率委員会
(財)日本住宅・木材技術センタ-
東京都
H21.3.30
情報提供企画委員会
信州木材製品認証審査委員会
計
102 件
合計
268 件
〃
―
27 ―
場 所
〃
Ⅱ 試験研究の内容
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
高性能林業機械等による作業システムの開発
指導部
宮崎隆幸
白石立
スイングヤーダによる木寄せ作業の生産性の比較を行なった。時間解析により得られた回帰式を用いて、
単木材積を0.4m 3、木寄せ距離60mとした平均生産性は、6.3m 3/hだった。
キーワード:木寄せ、生産性、労働生産性
1
試験の目的
県下各地で高性能林業機械の導入が進み、効率的な林業活動を目指した取り組みがなされている
が、現実の森林は地形、樹種、林齢など多様であり、現地に適した機械化作業システムが充分に確
立しているとはいえない。このため現地では、低コスト間伐・搬出技術や複層林などの循環林型森
林施業の開発が求められている。本研究は、現地で活用されている作業システムの検証を行なうと
ともに低コスト間伐施業システムの確立を目的とする。ここでは、伐倒、木寄せ、造材、集材の工
程について時間観測調査と分析を行なった。なお、本研究は県単研究課題(平成 19~21 年度)に
より実施した。
2
調査の方法
調査地:県林務部による「森林づくりアクションプランの推進」により間伐材搬出システムの確
立に向けて地方事務所が実施した6箇所(表-1)で工程調査を行なった。調査は、ビデオ撮影影像
により時間観測調査を行い、作業工程を分析した。
3
結果と考察
3.1
作業功程調査結果
木寄せ作業の調査結果を表-2 に示した。スイングヤーダの木寄せ方向は、上げ荷、下げ荷、水
平で、それぞれの生産性は、上げ荷の平均が 18.6m 3 /h、下げ荷が 9.1m 3 /h、水平では、6.3
m 3 /hだった。また、グラップルによる直取りは、13.6m 3 /hだった。労働時間を6時間とし
て労働生産性を比較すると、上げ荷の平均が 55.9m 3 /人・日、下げ荷が 27.3m 3 /人・日、水平で
は 19.4m 3 /hだった。木寄せ方向の違いによる差は、最大で 2.9 倍だった。グラップルによる直
取りは、81.8m 3 /人・日で、最も高い労働生産性を示した。なお、作業人員は、スイングヤーダ
は2名、グラップルは 1 名だった。
3.2
生産性と労働生産性の比較
分析結果を表-2 に示した。説明変数を木寄せ距離と1回当りの木寄せ材積として検討した回帰
式は下記のとおりである。
S=V・h/T
S:生産性(m3/h)
h:単位時間(60min・60sec)
T:サイクルタイム(sec/回)
T=L・α1+V・α+K
V:材積(m3/回) L:木寄せ距離(m)
α1 、α、Kは回帰分析で得られる係数
調査地毎に木寄せ材積を 0.4m 3 /本、木寄せ距離を 60mとし
たときのスイングヤーダの生産性を調査地毎に比較すると(表3)、上げ荷2箇所で、3.8m 3 /hと 8.5m 3 /hで、約5m 3 の
差があった。下げ荷が 6.6m 3 /h、水平では 6.5m 3 /hで、下
げ荷と水平方向では差がなかった。グラップルの直取りは、木寄
せ材積を同じにして、木寄せ距離を 10mとした場合は、15.7m 3
/hだった。スイングヤーダに比べてグラップルの直取りは、2.4 倍の生産性といえた。
―
30 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
回帰式から得られる木寄せ距離と生産性の関係を図に示した。なお、木曽は、笹地で見通しが悪
く、長野は見通しが良く単木材積が大きく、現場技術員が工夫した作業手順で行なっていた。北信
は、他の箇所に比べると急傾斜で先柱付近では見通しが悪く、上伊那は、ほとんど水平地形で見通
しも良かったが、現場経験の少ない技術員との組合せで行なっていた。佐久は、見通しが良い現場
だった。以上のように現場条件や技術員の経験年数が大きく異なり、長野と木曽では、距離によっ
て 2.1~2.5 倍の差が生じた。北信と上伊那は、中間の値を示した。現場の植生や地形などが、材
の移動や技術員の行動に影響を与え、特に見通しが悪いと、材の状況が確認できず、スイングヤー
ダのオペレーターは、先山作業者の指示を受け、慎重な運転を行なわなければならない。木曽の木
寄せ平均速度は、スイングヤーダの4箇所の中で一番遅い速度で、見通しの悪さも作業に大きく影
響する一例だった。
表-1 調査地の林況と作業システム
調査箇所
樹種
林齢
(年)
平均樹高
(m)
上伊那
ヒノキ
36
20.7
平均DBH 平均材積
間伐方法
(cm)
(m3/本)
17.1
0.30
作業システム
木寄せ方向
列状
伐
採
木
寄 せ
材
集
材
フォワーダ
木曽
カラマツ
50
19.4
25.5
0.58
列状
上げ荷
長野
カラマツ
44
27.9
30.9
1.10
列状
上げ荷
北信
スギ
29.3
0.81
列状
下げ荷
カラマツ
17.8
19.4
0.49
列状
直取り
北安曇
スギ
広葉樹
45
55
46~63
39
34~43
55
23.2
佐久
―
水平・上げ荷
スイングヤーダ
-
プロセッサ
フォワーダ
フォワーダ
チェーンソー
-
グラップル
短幹のため計測なし
造
水平
チェーンソー
林内作業車
表-2 木寄せ工程の分析結果
1
サ
イ
ク
ル
1サイクル
生産性 セット人員 労働生産性
当り材積 木寄せ本 木寄せ材
所要時間
(人)
(m3/人・日)
(m3 /h)
積
数
(m3 /回)
(秒)
(本)
(m3 )
調査箇所
使用機械
サイクル数
(回)
木寄せ
距離
(m)
木寄せ
材積
(m3)
上伊那
スイングヤーダ
(キャタピラージャパン 312C-GMZ-T5)
21
24
6.66
0.32
1
0.32
177
6.46
2
19.36
木曽
スイングヤーダ
(キャタピラージャパン 312C-GMZ-T5)
14
46
9.19
0.66
1
0.66
171
13.84
2
41.52
長野
スイングヤーダ
(キャタピラージャパン 312C-GMZ-T5)
18
28
20.03
1.11
1
1.11
171
23.42
2
70.26
北信
スイングヤーダ
(日立建機EX-100M イワフジTW-252)
29
32
16.21
0.56
1
0.56
218
9.09
2
27.27
22
12
10.99
0.50
1
1~3
0.50
132
13.63
1
81.78
佐久
グラップル
(キャタピラージャパン 308CCR
グラップル 南星)
1日の労働時間は6時間とした
表-3 調査毎の生産性比較(木寄作業)
上伊那
水平
木曽
上げ荷
長野
上げ荷
北信
下げ荷
比較条件
木寄せ距離:60m
木寄せ材積:0.40m3
生産性
(m3/h)
セット人員
(人)
労働生産性
(m3/人・日)
18
6.27
2
18.81
14
3.76
2
11.28
8.49
2
25.47
6.56
2
19.68
6.27
2
18.81
15.70
1
94.20
木曽(上げ荷)
長野(上げ荷)
北信(下げ荷)
上伊那(水平)
佐久(直取り)
16
12
事例が多い木寄せ距離
3
木寄せ
方向
生産性(m /h)
調査箇所
20
10
8
6
4
平均
佐久
直取り
木寄せ距離:10m
木寄せ材積:0.40m3
1日の労働時間は6時間とした
2
0
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
木寄せ距離(m)
図 木寄せ距離と生産性の関係
―
31 ―
200
220
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
低 コスト作業システム構築事業
-沢地形での信州型搬出法の労働生産性-
指導部
白石
立・宮崎
育林部
近藤
道治・橋爪
隆幸・青栁
智司
丈夫・山内
仁人
カラマツ壮齢林の間伐において、信州型搬出法(タワーヤーダ・ハイリード方式)による伐倒から小運搬まで
の労働生産性を調査した。
キーワード:信州型搬出法、台付けワイヤー、索の張替、労働生産性
1
はじめに
森林の多面的機能発揮の推進や木材安定供給体制の整備を行うため、林業コストの低減を図る
ことが必要不可欠となっている。本事業では、高性能林業機械を用いた低コスト・高効率な作業
システムを開発し普及促進することを目的とした。ここでは、信州型搬出法(タワーヤーダを使
用したハイリード方式)の凹型複合地形内における労働生産性を調査した。なお、本事業は、日
本林業技士会委託事業「平成 20 年度低コスト作業システム構築事業」によるものである。
2
調査の方法
調査地は、平均傾斜 24°の山腹に成立する 47 年生カラマツ林で(松本市入山辺県有林 33 林
班ほ小班)、調査対象作業面積は 1.28ha である。林況を表-1 に示した。なお、調査地中心部に
沢地形が存在し、上流部ではさらに二叉に分岐しているため、林地は沢を挟んだ両側山腹に対面
存在している。
また、タワーヤーダの設置位置は、更に下流の沢を挟んだ対岸となったため、タワーヤーダ
から 100m ほどの区間は、木寄せ作業の無い、搬送のみの区間となった。
間伐は、等高線に対して挟角 60°~90°の山腹上部方向に対して、木寄せ距離約 40m、伐倒幅
約 6m で実施した(本数間伐率 27.8%の帯状間伐)。間伐木は全て谷側に伐倒した。木寄せ集材
作業はタワーヤーダから 100~240m の 140m 区間で実施した。
作業システムは、チェーンソー伐倒、タワーヤーダによるハイリード木寄せ集材(信州型搬
出法)、プロセッサ造材、フォワーダ小運搬で構成した(表-2)。なお、搬出木の平均材積が大き
く(1.18m 3 /本)、また枝も太かったため、プロセッサ枝払いが不可能で、チェーンソー枝払い
を行った。伐倒から小運搬までの一連の作業について時間観測調査を行い、労働生産性を取りま
とめた(表-2)。
3
結果と考察
3-1
労働生産性
システム全体の労働生産性は 4.6m 3 /人・日だった。各作業工程別の労働生産性は差が大きく、
伐倒と木寄せ集材作業に比べて造材と小運搬作業が高かった。木寄せ集材と造材作業の労働生産
性には約 14 倍の差があった。
3-2
木寄せ集材作業
立木を谷側に向けて伐倒したことにより、索張りの荷掛け位置が樹高分(約 25m)谷側に狭く
なり総延長 516mになった。尾根に索張りした場合(推定索張り延長 652m)と比較すると約
80%に短縮された。なお、平均スパン長は 234mだった。また、索の張替は 3 回で平均張替時間
―
32 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
は、39 分/回(2,334 秒/回)だった。
木寄せ本数の少ない場合は、索を張り替えず、台付けワイヤー(長さ 15m程度のワイヤーロ
ープの両端をアイ加工したもの)による木寄せを行ってから集材した。木寄せ作業について、索
の張替えを行った場合と、索張りを変えず台付けワイヤーによった場合の時間を比較したところ、
木寄せ本数 3 本で距離 14mまでなら台付けワイヤー使用が効率的だった(図-2)。これは現場技
術員が「3本以内であれば、索の張替よりも有利である」としていることに一致した。
表-1 調査林分の概要
面積
樹種
(ha)
カラマツ 1.28
林齢
(年)
47
平均樹高 平均胸高直径 間伐前本数 林分材積 単木材積 傾斜
(m)
(㎝)
(本/ha)
(m3/ha) (m3/本) (度)
26.5
33.5
326
384.8
1.18
24
調査地内の架設状況
当初の索張り
立木
本調査の索張り
張替え 1回目
索
台付け使用箇所
シグザグ滑車
滑車
従来の索張り
索
シグザグ滑車
滑車
木寄せ集材を行わない区域
張替え 3回目
L= 100 m
張替え 2回目
図-1 索張りの状況
表-2 システムの労働生産性
工 程
機 械
伐倒
チェーンソー
労働生産性
11.25
単位:m3/人・日
木寄せ集材
造材
タワーヤーダ
プロセッサ
イワフジTY-U3B イワフジGP35T
10.08
137.82
小運搬
フォワーダ
イワフジU-4BG
48.60
システム全体
4.63
注1)1日当たりの実労働時間は6時間とした。
注2)作業システムは完全直列作業として算出した。
所要時間(秒)
2,000
1,500
y = 18.263x + 909.75
1,000
y = 28.244x
索の張替無し
500
0
0
5
10
15
20
25
30
木寄せ本数:1本
木寄せ本数:2本
木寄せ本数:3本
索の張替
索の張替距離及び木寄せ平均距離(m)
図-2 索の張替距離及び木寄せ平均距離と所要時間との関係
―
33 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
針広混交林の造成管理技術の開発
育林部
山内仁人・小山泰弘
林冠閉鎖前の除伐実施後、約 20 年間除間伐を行わなかったヒノキ林分は、高木性広葉樹が侵入・成
立し、混交林化していた。一方、林冠閉鎖後に除伐を行い、以後間伐等の施業を行わなかった林分は過
密化し、広葉樹の侵入がなく、林床植生も乏しかった。林冠閉鎖後の除伐に加え、植栽後 29 年目に間
伐を行った林分は、高木性広葉樹の稚樹を含めた林床植生が維持されていた。
キーワード:ヒノキ林、施業歴、林床植生、針広混交林
1
はじめに
長野県は、平成 17 年 11 月に針広混交林施業指針を出し、針葉樹林の間伐による針広混交林化を
進めている。しかし、針葉樹人工林を針広混交林・広葉樹林へ誘導するための手法については未解
明な側面が多いため、針葉樹人工林から針広混交林へ誘導するための施業技術と、針広混交林成立
後の森林管理方法などについて検討を行う。本研究は県単課題(H17~21)として実施した。
2
調査地及び調査方法
昭和 51 年にヒノキを植栽し、以後の施業が異なる林業総合センター楢川試験地(塩尻市)のヒ
ノキ林4林分に、平成 20 年 8 月に 10m×10m の試験区を各1区設置し、林況調査を行った(表)。
3
結果と考察
昭和63年(植栽後13年目)に除伐を行って以降、現在まで施業を行わなかった林分(A)では、亜
高木層以上に広葉樹が混在し、林床植被率は低下していたものの、高木性広葉樹の稚樹の発生が認
められた。同様に、昭和63年以降近年まで施業を行わず、平成18年に除伐を実施した林分(B)では、
高木層の半数を広葉樹が占め、林床植生の植被率と高木性広葉樹の発生数が上昇していた。
また、昭和63・平成9年に除伐を実施した林分(C)は、枯死木が発生するなど過密化が進み、
林床植生の植被率が低下し、高木性広葉樹の発生も認められなかった。除伐2回(S63・H11)と間伐
(H16)を実施した林分(D)は、林床の植被率が比較的高く、高木性広葉樹の発生も認められた。
植栽後13年目の除伐時は林冠が閉鎖しておらず、除伐後も広葉樹が侵入・発生したためA・Bは
混交林化し、2度目の除伐時(H9)には林冠が閉鎖していたCでは、除伐後に間伐を行わなかったこ
とで照度低下が進み、広葉樹の稚樹発生も無くなったと考えた。
一方、Dでは、除伐後に間伐を行ったことで照度が確保され、林床植被率と高木性広葉樹の稚樹
発生が維持できていたが、既に広葉樹が侵入しているAで林床植被率の低下が観察されたことから、
広葉樹導入後も、密度管理施業の必要性があることが示唆された。
表
調査区名 植栽樹種
(林班番号) (植栽年)
楢川試験地ヒノキ林の施業歴および林況調査結果(H20.8)
森林現況
調査地
施業履歴
成立
平均
本数
DBH
(本/ha) (cm)
階層構造
平均
樹高
(m)
除伐
枝打ち
間伐
試験区
面積
A
(ロ-18)
ヒノキ
(S51)
S63
-
-
10×10m
3200
10.2
14.7
B
(ロ-17)
ヒノキ
(S51)
S63,
H18
-
-
10×10m
2600
12.0
14.5
C
(ロ-3)
ヒノキ
(S51)
S63,
H9
H3,
H9
-
10×10m
2300
16.5
14.5
D
(ロ-15)
ヒノキ
(S51)
S63,
H11
H11
H16
10×10m
1800
17.4
15.0
林床植生
高木層
優占種
(植被率)
亜高木層
優占種
(植被率)
低木層
優占種
(植被率)
優占種
ヒノキ
(70%)
ヒノキ・
広葉樹
(70%)
ヒノキ
(90%)
ミズナラ
(20%)
イロハモミジ
(5%)
クロモジ
18
(10%)
400
欠落
(-)
欠落
(-)
スズタケ
クロモジ
22
(40%)
1500
欠落
(-)
欠落
(-)
オクノカンスゲ
8
(15%)
なし
欠落
(-)
オクノカンスゲ
クロモジ
コムラサキ
23
(70%)
700
ヒノキ
(70%)
欠落
(-)
備考:ロ-17林班で実施したH18の除伐では、直径10cm以上の広葉樹は伐採せずに残し、10cm未満の樹木を刈り払った。
―
34 ―
確認 うち高木性
種数
広葉樹
(植被率) (本/ha)
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
森林吸収源インベントリ情報整備事業
育林部
山内仁人・小山泰弘
県内3箇所の森林で、森林土壌に蓄積された炭素量を把握するため土壌断面調査等を行った。
キーワード:土壌炭素、二酸化炭素、温室効果ガス
1
はじめに
京都議定書では、1990 年の排出量を基準に、2008 年からの5年間の温室効果ガス排出削減目標
を定め、さらに、温室効果ガスの排出量等を正確に把握し、目録(インベントリ)化して報告する
ことを各国に義務づけた。本研究は(独)森林総合研究所委託事業により、県内森林土壌に蓄積さ
れた炭素量を把握するために実施した。
2
試験地および調査方法
調査地は、森林資源モニタリング調査で林分調査及び植生調査が行われた塩尻市宗賀、千曲市森、
上高井郡高山村湯沢の3箇所の林分である(図)。各調査地では、4地点の深さ 5、15、30cm の土
壌から、容積重測定用試料(400ml 採土円筒)と炭素濃度分析用試料(約 1kg)を採取した。また、
各調査地を代表する1地点に深さ約 1m の土壌断面を掘削し、土壌型を判定し、層位毎に容積重測
定用試料と炭素濃度分析用試料を採取した。
炭素濃度分析用試料は根・礫を除き、乾燥後(独)森林総合研究所へ送付し、分析に供した。
3
結果
土壌断面調査と炭素量の分析結果は表のとおりである。
表
調査地名
(ID番号)
土壌断面調査・炭素量分析結果
塩尻市宗賀
200330
千曲市森
200590
高山村湯沢
200750
カラマツ
1255m
カラマツ
963m
クロベ
1827m
山腹凹型斜面
N
36
BD-(BE)
山腹凸型斜面
SW
25°
BD(d)
山腹凸型斜面
SE
20°
dBD
主要樹種
標高
微地形
山腹方位
傾斜
土壌型
A1
層位・
層厚(cm)
(炭素量 :
t/ha)
A2
B1
B2
炭素量計
備考
高山村湯沢
15.0
(48.4)
15.0
(37.4)
30.0
(59.7)
40.0
(21.0)
166.6 t/ha
A1
A2
B1
B2C
20.0
(80.0)
15.0
(44.4)
17.0
(23.0)
28.0
(9.0)
156.4 t/ha
80cmで基岩到達
A1
千曲市森
塩尻市宗賀
16.0
(49.5)
19.0
B
(93.5)
2A
7.5
(28.0)
37.5
C
国 土 地 理 院 承 認平 14 総 複第 149 号
白 地 図 KenMap を 使 用 し 作 成
凡 例
○
(128.4)
299.5 t/ha
80cm~90cmで
基岩到達
―
35 ―
図
調査地位置図
調 査 地
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
過密人工林管理技術の開発
育林部
近藤道冶
大鹿村有林の過密スギ林と高森町有林の過密ヒノキ林に間伐試験地を設定した。間伐後 1 年経過した入山辺
カラマツ試験地で幹周囲の成長量を試験区ごとに比較した。対照区に比べ間伐を実施した3区の成長量が有意
に大きく、間伐効果が確認できた。
キーワード:過密人工林、気象災害、間伐
1
はじめに
県内にはカラマツを中心に過密化した人工林が多くみられる。こうした人工林で強度な間伐を実
施すると気象害が発生する危険性が指摘されている。しかしながら、弱度の間伐を繰り返すのは現
実的には難しい。そこで、強度間伐を実施した場合に発生する気象害や強度間伐が残存木の肥大成
長や樹冠成長に及ぼす影響を明らかにするとともに、気象害に対して安全で、かつ間伐効果のあが
る間伐手法を開発する。なお、本研究は県単課題(平成 19~23 年)として実施した。
2
研究の方法
2.1
試験地の設定
過密人工林で間伐を実施することにより発生する気象災害や、残存木の肥大成長効果などを
解析するため、大鹿村有林の過密スギ林と高森町有林の過密ヒノキ林に、間伐率を異にする4
種の試験区(強度間伐区、普通間伐区、列状間伐区、無間伐区)を設定した。
2.2 既設間伐試験地の調査
間伐後 1 年経過した入山辺カラマツ試験地で胸高部の幹周囲長を測定し,1年間の成長量を試験
区ごとに比較した。
3
結果と考察
3.1
試験地の設定
大鹿試験地は小渋川支流の中ノ沢左岸に位置した標高 720m、46 年生の林分で、間伐などの管理
がほとんどに行われずに過密状態になっていて、立木間の競争による枯死木や気象災害による倒木
が発生していた。また、過去の気象害により二股となった立木もみられた。一方、高森試験地は中
央アルプス山麓の東斜面に位置した標高 950m、41 年生の林分である。間伐などの管理が行われず
に放置状態になっていて、立木間の競争による枯死木が発生していた(表-1)。
両試験地ともに、強度間伐区では材積間伐率 40%程度の間伐を、普通間伐区では材積間伐率 15
~20%程度の間伐を実施した。なお、間伐木は小径木や不良木を優先的に選択した。一方、列状間
伐区では 3 残1伐の列状間伐を実施した。
大鹿試験地の強度間伐区と普通間伐区の間伐木の直径階分布を図-1~2 に示した。この図に示す
ように強度間伐区では中径階にまで間伐が及び上層木も間伐対象となったが、普通間伐区では小径
階にかたよる下層間伐であった。
3.2
既設間伐試験地の調査
入山辺カラマツ試験地の一年間の胸高部の幹周囲の成長量を試験区間で比較した。各区の成長量
を一元配置分散分析で確認したところ(危険率 5%)有意であったため、tukey-kramer 検定で評価
―
36 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
した。その結果、間伐を行った 3 区(強度間伐区、列状間伐区、普通間伐区)の成長量が無間伐区
に比べて有意に大きく(危険率 1%、図-3)、間伐効果が確認できた。なお、入山辺カラマツ試験
地では気象害の発生はみられなかった。
表-1
試験地名 設定年月
林齢
樹種
新規に設定した試験地
試験区
(年)
大鹿
(7林班ろ
小班12)
8.12
スギ
46
高森
(34林班へ
小班8)
8.11
ヒノキ
41
強度間伐
普通間伐
列状間伐
無間伐
強度間伐
普通間伐
列状間伐
無間伐
成立本数(本/ha)
間伐前
2,145
2,100
2,091
1,863
2,130
1,960
2,127
1,870
本数間伐率 材積間伐率
間伐後
855
1,250
1,627
-
950
1,300
1,564
-
(%)
60.2
40.5
22.2
-
55.4
33.7
26.5
-
(%)
40.1
17.7
21.4
-
43.6
19.9
25.5
-
平均胸高
直径
上層樹高
試験区
面積
(cm)
21.4
20.1
22.4
21.8
18.8
19.1
17.9
19.4
(m)
22.4
22.3
22.9
22.4
20.1
19.1
19.1
19.1
(ha)
0.11
0.12
0.11
0.08
0.10
0.10
0.11
0.10
備考)林齢、平均胸高直径、上層樹高、は試験地設定直後の数値である。
80
間伐木
残存木
60
60
本数(本)
40
20
40
20
0
胸高直径(cm)
図-2
4
2
0
図-3
40-44
36-40
32-36
直径階別の間伐木分布(大鹿・普通間伐区)
6
普通間伐区
28-32
24-28
20-24
胸高直径(cm)
直径階別の間伐木分布(大鹿・強度間伐区)
胸高周囲成長(cm)
図-1
16-20
8-12
40-44
36-40
32-36
28-32
24-28
20-24
16-20
12-16
8-12
0
12-16
本数(本)
80
列状間伐区
強度間伐区
無間伐区
直径成長量の比較(入山辺カラマツ試験地・各区全立木)
―
37 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
ニ ホンジカの食害による森林被害の実態把握と防除技術の開発
育林部
小山泰弘・岡田充弘・山内仁人
塩尻市東山周辺で平成 15 年より継続してニホンジカのスポットライトセンサスを行ったところ、年
間の最大視認数が平成 15 年度の 162 頭から平成 20 年度には 441 頭となり、塩尻市東山周辺ではニホン
ジカの生息密度が上昇し続けていると判断した。スポットライトセンサスで毎回多数頭のニホンジカを
確認できるような区域では、ほぼすべての樹種で幹剥皮被害が発生していたが、あまり確認できない区
域ではヒノキの幹剥皮が発生していなかった。
キーワード:ニホンジカ、個体数把握、立木幹剥皮
1
はじめに
長野県では、ニホンジカ(以下、シカとする)による農作物被害等が拡大し現在、特定鳥獣保護管
理計画により対策を進めている。被害軽減のためには、生息密度を適正に抑えることが重要で、こ
のためには捕獲による個体数管理が必要である。しかし、生息密度を把握する手法が未確立である
とともに、個体数と被害実態の関係把握が不十分である。また捕獲によって、適正密度に導くまで
には時間もかかるため、捕獲によらない被害防除対策も検討する必要がある。
本年は個体数の把握と県下全体の被害実態把握を行った。なお、本研究は県単研究課題(平成
16~20 年度)である。
2
調査地及び調査方法
2.1
個体数の年変動
シカによる被害が増えつつある塩尻市東山地域で、夜間に普通乗用車で低速走行をしながらサー
チライトを照射して、シカを確認するスポットライトセンサス法を実施したところ、ニホンジカの
視認ができた。平成 15 年 4 月から平成 20 年 3 月までの5年間にわたって年4回以上の頻度で調査
を行ったところ、春に個体数が多く、冬期に最も少ない傾向が観察された。そこで本年は、個体数
変動の傾向を観察するため、春夏秋冬の季節ごとに 1 回のみ調査を実施した。調査ルートは標高
750mの山麓部から 1,600mの山頂部までの延長 35km としたが、積雪期は道路が通行不能のため山
麓部のみ(15km)とした。
2.2
森林被害の実態把握調査
スポットライトセンサスを行っていると、毎回多数頭のニホンジカを視認する箇所と、ほとんど
見かけない箇所がある。塩尻市東山地域では、ニホンジカの視認頭数が非常に多い山頂部と、毎回
ニホンジカを視認するものの 1 ヶ所で数頭以下しか見られない山麓部、ニホンジカを視認すること
が少ない中腹部と大きく 3 区域に分ける事が出来る。
そこで、それぞれの区域ごとに、これまでのスポットライトセンサスの結果から平均的にニホン
ジカが視認できた場所を対象として、立木の幹剥皮被害ならびにササ類の食害を対象として、森林
被害実態調査を行った。
立木の幹剥皮は、それぞれの区域内で出来るだけ多くの樹種がある場所を選定し、1ha 程度の範
囲内に成立する全立木を対象として、ニホンジカによる主幹部の剥皮被害を食害・角こすり被害別
に調査し、樹種別の被害率をとりまとめた。
ササ類の食害調査は、調査地周辺を出来るだけ広域的に踏査しながら、ササ類が生育していた
30 箇所程度の地点を調査地点とした。調査地点では 5×5m の方形枠を設け、ササ類の種名、平均
―
38 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
桿高、植被率、食害強度の 3 点を調査した。平均桿高、植被率、食害強度について、健全な場合を
100 としてそれぞれを指数化し、さらに三者の平均値をササの食害程度を示す「ササ類健全度」と
して指標化した。(参考:ササ類健全度=(平均桿高+植被率+食害強度)/3)
3
結果と考察
3.1
個体数の把握
平成 20 年度は、4 月 25 日、8 月 22 日、11 月 8 日、1 月 24 日の 4 回調査を行なったが、シカの
確認頭数(以下、頭数とする)は 22~441 頭で、これまでと同様に毎回シカが確認できた。平成 15
年から 20 年までの個体数の 6 年間の確認頭数の推移を見ると、図に示したように右肩上がりの状
況が続いており、当地域では、生息密度が上昇していると判断した。
3.2
森林被害の実態把握調査
ササの桿高と植被率、食害強度の 3 点から算出されたササ類健全度は、表に示したように生息密
度を反映して、山頂部で低く、中腹部で高かった。立木の主幹部の剥皮被害は、ニホンジカの視認
頭数が多い山頂部では、カンバ類など被害率が低い樹種があったものの、確認されたほぼすべての
樹種で被害を受けていた。一方、確認頭数が少ない中腹部では、ヒノキの幹剥皮が認められなかっ
たが、トウヒ類、モミ類、ミズキ、リョウブなどは被害率が高くなっており、ニホンジカの嗜好性
はヒノキに比べてこれらの樹種の方が高いと考えられた。
500
H15
H16
H17
400
H18
H19
H20
300
200
100
0
4月
図
8月
11月
1月
塩尻市東山地域における夜間のシカ確認頭数(平成 15~20 年度)
表
塩尻市東山地域の森林被害状況
立木 主幹部剥皮被害発生率(数字は被害率(%) 調査区域内に5本以上の立木があった樹種を対象)
立木 主幹部剥皮被害発生率(数字は被害率(%) 調査区域内に 5 本以上の立木があった樹種を対象)
ササ類
場所
健全度
針葉樹
アカマツ カラマツ トウヒ類
広葉樹
場所の
スギ カンバ類 カエデ類 サクラ類 ナラ類 ミズキ リョウブ 平均
モミ類 ヒノキ
山頂部
50.8
11
28
84
80
-
-
4
88
37
43
100
95
52
中腹部
64.2
0
3
44
85
0
-
0
7
3
6
36
58
27
山麓部
56.8
0
4
38
0
11
0
0
50
14
6
41
0
14
―
39 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
カシノナガキクイムシ等広葉樹類の昆虫被害防除技術に関する研究
―カシノナガキクイムシによるナラ類枯損被害―
育林部
岡田充弘・橋爪丈夫・近藤道治
平成20年は、カシノナガキクイムシによるナラ類枯損が北安曇郡小谷村で新たに21本が確認された。前年
までの被害地域内では、被害の拡大と激害化する箇所がみられ、南部の天龍村でも、新たな被害木1本が確認
された。キルパーによる被害木伐倒くん蒸処理では、枯死木内幼虫の90%以上が死滅し、高い防除効果が得
られた。
キーワード:カシノナガキクイムシ、ナラ枯損、伐倒駆除
1
はじめに
日本海側を中心に大きな被害が発生している「カシノナガキクイムシによるナラ類枯損被害」が
平成 16(2004)年8月に飯山市、信濃町で確認された。被害は、本県における新たな森林被害で
あり、周辺森林への被害拡大の危険性が高いと考えられるが、本県のように高標高地域のミズナラ
林の被害に関する知見はほとんどない。また、被害が拡大した場合、枯損木の増加が森林植生に及
ぼす影響も明らかになっていない。
そのため、本県における被害状況、被害拡大速度、および被害が森林に及ぼす影響などを把握す
るとともに、被害拡大防除技術を検討することを目的とする。なお本研究は、県単課題(平成 17
(2005)年度~21(2009)年度)として実施している。
2
調査の方法
2.1
被害発生状況調査
平成 20 年の被害発生状況を把握するため、被害発生前の 6 月から発生終期の 10 月までの間、県
北部を中心として県下全域で、地上ならびにヘリコプターからの目視により、被害木の本数、被害
発生箇所の位置を記録した。
また未被害地域の新規被害についても、現地機関などから情報収集を行った。
2.2
被害木伐倒駆除試験
県北部の栄村平滝の被害林分で伐倒した被
害材(長さ1m)を試験材とし、殺虫剤による
カシノナガキクイムシ防除試験を行った。供
試 薬 剤 は キ ル パ ー 40( 成 分 : カ ー バ ム ナ ト
リウム塩 40%)とし、対照薬剤は登録農薬
のNCS(成分:カーバムアンモニウム塩
50%)とした。試験材が末口径 30cm未満
の場合は材の半周に、30cm以上は材の全周
にチェーンソーで辺材に達する傷を 3 箇所ず
つつけはい積みした後、生分解性シートで被
覆した。被覆後NCSを被覆容積1m 3 あた
写真
り1L 投薬し、くん蒸処理を行った(写真)。
被害木伐倒駆除試験
また、対照として無処理材をはい積みして設置した(処理年月日:平成 20 年 10 月 16 日)。
平成 20 年 11 月 4 日(処理 18 日後)に処理区から各3本、無処理材から5本の試験材を抽出し、
―
40 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
材中央部から円板試料(厚さ:5cm以上)を採取して,カシノナガキクイムシの死亡状況などを
調査した。
3
結果と考察
3.1
1)
被害発生状況調査
既被害地
平成 20(2008 年)年は、既被害地域の飯山市、栄村などでは、7 月下旬から衰弱異常木がみら
れはじめ、8 月上旬から被害木(枯死木)が発生し、8月中旬から被害木が急増した。被害木の発
生状況をみると、既被害箇所周辺での被害の拡大、激害化がみられた。また、南部の天龍村では、
2 年ぶりに枯損木 1 本が確認された。
2)
新規被害地
平成 20 年 10 月に新潟県境に接する北安曇郡小谷村(県境から大字北小谷までの姫川の東側)
で被害木が 21 本確認された。被害状況は、すべて単木被害であり、集団化した被害はみられず、
新潟県側から侵入した新規被害と考えられた。また、周辺地域の調査から白馬村野平において、フ
ラスの排出がみられるコナラ伐根がみられ、カシノナガキクイムシの生息範囲が白馬村まで拡大し
ている可能性があった。
3.2
被害木伐倒駆除試験
表に示したとおり、処理 18 日後の平均幼虫死亡率はキルパー、NCSともに 100%であった。
処理と無処理の幼虫死亡率をみると、無処理では約 5%と低かった。キルパーによる伐倒くん蒸処
理は、対照薬剤と同等の殺虫効果があると判断された。
供試薬剤
薬剤量
キルパー40
1L/m3
キルパー40
1L/m3
NCS
対照(無処理)
3
1L/m
表. ナラ枯損木伐倒くん蒸処理試験結果(栄村平滝)
殺虫数/供試虫数(殺虫率%)
平均厚さ
№
長径(㎝)
短径(㎝)
(㎝)
成虫
幼虫
1
19
18
5
2
21.5
16
5.2
17/17 (100)
3
43
47.5
5
53/53 (100)
1
26.5
25.5
5.7
2/2 (100) 109/109 (100)
2
25.7
21.5
4.8
1/1 (100) 58/58 (100)
3
31
16
5
1/1 (100) 63/63 (100)
1
50
42
5
26/26 (100)
2
24
21.2
5
16/16 (100)
3
25
23
4.8
60/60 (100)
1
24
20
4
0/1
(0)
0/82
0
2
31
29.5
4
0/3
(0)
2/151
(1)
3
26.5
25.8
5
5/73
(7)
4
29
29
5
0/2
(0)
10/65
(15)
5
29.5
29.6
5
0/3
(0)
2/161
(1)
注 )調 査試 料は、 試験 材中央 部か ら採 取した円板
―
41 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
森 林の洪水防止機能と施業効果に関する研究
-森林と水プロジェクト-
育林部
山内仁人・小山泰弘・橋爪丈夫
平成 14 年から水文観測を行っている松本市薄川の寒沢小流域で、森林施業が水流出に及ぼす影響を
調査するために間伐を実施したカラマツ林(H19 間伐実施)とヒノキ林(H20 間伐実施)で、立木及び
下層植生の現況調査を実施した。カラマツ林では間伐とともに下層に成立していた高木性広葉樹のほと
んどが刈り払われており、今後針広混交林施業を進める上での課題となった。
キーワード: 水土保全機能、水文観測、カラマツ林、ヒノキ林、下層植生
1
はじめに
長野県では、信濃川水系薄川の大仏ダム計画の中止を受け、平成 12 年に「森林と水プロジェク
ト」を立ち上げ、松本市薄川及び下諏訪町砥川流域を対象として、森林管理を積極的に進めるとと
もに、河川の流量及び雨量観測を行い、森林の洪水防止機能と、その機能を高度に維持・発揮する
ための施業について検討を行っている。
本研究は、1)洪水防止機能評価のため、観測データを整理蓄積して流出解析を行うこと、2)
「森林と水プロジェクト」で示された「壊れにくい森林」の造成に向けた森林管理手法について検
討を行うこと、を目的とし、実施する県単研究(H17~21)である。
2
調査方法
2.1
調査地観測データの整理蓄積
松本市薄川流域及び下諏訪町砥川流域で実施された流量及び雨量の観測データを収集した。
2.2
天然林施業試験
平成 13 年に松本市薄川流域内の天然林(55 林班い小班)で、強度間伐を実施したが、ニホンジ
カによる食害が激しく、下層植生の発達が認められなかったため、平成 19 年6月に松本地方事務
所が試験流域内の林相タイプ別に面積 0.06ha の植生保護柵を5箇所設置した。その保護柵の内外
で、植生調査を行った。
2.3
人工林施業試験
松本市薄川流域内の寒沢試験流域(面積 22.41ha)で、平成 14 年から5年間、試験流域内で森
林施業は行わず、水文観測を実施した。この間、平成 16 年秋や平成 18 年7月に大きな降雨イベン
トが数回あり、流出特性が把握出来たことから、森林施業が流域の水流出に及ぼす影響を検討する
ため、平成 19 年度冬期に流域下部のカラマツ林で伐り捨て間伐(下層間伐)を、平成 20 年冬期に
流域上部のヒノキ林で搬出間伐を実施した。
カラマツ林では、間伐前の平成 19 年 10 月に設置した試験区(約 0.1ha)で、平成 20 年8月に
間伐後の現況調査を行った。
また、ヒノキ林に平成 20 年 6~8 月に試験区(約 0.1ha)を設置し、間伐前の現況調査を行うと
ともに、試験区内に間伐後の下層植生の回復と土壌流亡の関係を検討するための土砂受け箱(25cm
×15cm×20cm)を 10 基設置し、表土移動量の観測を開始した。
3
結果と考察
3.1
水文観測データの整理蓄積
薄川流域・砥川流域ともに、高水の検討対象となるような、連続雨量が 100mm を大きく越える降
―
42 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
雨イベントは無かった。
3.2
天然林施業試験
植生保護柵の設置直後(平成 19 年8月)は柵の内外で植生に顕著な差は見られなかったが、設
置後1年余り経過した 20 年8月には、柵外に比べて柵内は植生の種・量ともに多く、柵の設置効
果が確認できた(表-1)。また、クマイチゴ、モミジイチゴなど平成 13 年の間伐前の植生調査では
記載が無かった種の発生が認められ、間伐による光環境の改善効果も確認できた。
3.3
人工林施業試験
カラマツ林では、間伐の実施により下層植生の植被率は回復していた。しかし、間伐前に 900 本
/ha ほど成立していた中・高木性の広葉樹は、大半が胸高直径 15cm 以下であったことから、下層
間伐の伐採対象となり、失われていた(表-2)。今後、針広混交林化を進める上で留意すべき課題
と考えられる。
ヒノキ林の間伐前の状況は、収量比数は 0.87 で、被圧による枯死が 310 本/ha 発生しており、
近年施業が行われず過密化が進んだ状態だった。また、下層植生の植被率も 10%と低かった。しか
し、ミズナラの大径木が試験区内に1本認められるなど林分内には広葉樹の大径木が点在しており、
下層植生の中にも 50 本/ha 程度とわずかではあったが高木性広葉樹の稚樹が存在していた(表-3)。
表-1
植生保護柵内外の植生(天然林施業試験)
1年後の下層植生(H20.9)
柵設置直後(H19.8)
の下層植生
林況
番号
タイプ
(柵外)
(柵内)
(優占種)
主要発生種
植被率
主要発生種
植被率
(種数)
なし
5.5%
(7)
1
針葉樹林
ウラジロモミ・
ツガ・ヒノキ
なし
1.5%
2
針広混交林
ミズナラ・ヒノキ
ウダイカンバ・ブナ
ウラジロモミ
ウワミズザクラ
ミズナラ
35.0%
3
亜高木種優占
リョウブ
ソヨゴ
11.0%
4
ササ型林床
ウラジロモミ
シラカンバ
スズタケ
40.0%
スズタケ
5
広葉樹林
ブナ・ミズナラ
クロモジ
16.5%
クロモジ
ソヨゴ
ミヤマメシダ
サワラ
ソヨゴ
レンゲツツジ
リョウブ
主要発生種
サラサドウダン
ソヨゴ
コミネカエデ
クロモジ・サワラ
ツガ・コミネカエデ
ミヤマメシダ
ソヨゴ・リョウブ
ウワミズザクラ
サワラ
58.3%
(29)
43.3%
(1)
スズタケ
90%
(1)
11.7%
(16)
クロモジ・チョウセンゴミシ
リョウブ・ミヤマガマズミ
ヤマブドウ・ハクウンボク
44%
(36)
21.3%
(19)
36.7%
(5)
表-3
表-2
寒沢流域カラマツ林の間伐前後の林況
間伐前(H19.8)
樹種名
カラマツ
アカマツ
ヒノキ
ミズナラ
その他中・
高木性広葉樹
合計
成立本数 平均樹高
(本/ha)
(m)
間伐後(H20.8)
平均
DBH(cm)
成立本数
(本/ha)
間伐率
(%)
21.9
24.0
14.0
9.2
27.5
58.2
25.5
10.1
388.9
11.1
11.1
44.4
38.6
0.0
50.0
76.5
700.0
4.0~8.4
3.2~8.6
11.1
98.4
466.6
70.0
備考:胸高直径(DBH)2cm以上を対象に調査を実施
―
43 ―
17.7%
(15)
45%
(19)
寒沢流域ヒノキ林の
間伐前の林況(H20.8)
633.3
11.1
22.2
188.9
1555.6
植被率
(種数)
上
層
木
下
層
植
生
樹種
平均DBH
平均樹高
成立本数
枯死木本数
地位
収量比数
植被率
植生高
発生種数
優占種
ヒノキ
25.6cm
19.8m
1290本/ha
310本/ha
Ⅲ
0.87程度
10%
30cm
45種
キバナアキギリ
クリ・イタヤカエデ
高木性樹種 エノキ・コナラなど
(50本/ha程度)
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
ツキノワグマによる樹幹剥皮被害防除技術の開発
育林部 近藤道治・岡田充弘
清内路村調査地でツキノワグマによる新たな剥皮被害が発生した。剥皮被害は、無処理立木とともに「間伐材等積み上
げ処理」を行った立木にも発生した。
「間伐材等積み上げ処理」は山側に行ったが、剥皮被害は間伐材を積んでいない方向
からの被害であった。飯田下伊那地方で発生したツキノワグマによるヒノキ剥皮被害木を伐倒し、被害部分からの変色の
広がりについて調査したところ、上方への広がり速度はカラマツに比べて小さい傾向がみられた。
キーワード:ツキノワグマ、剥皮被害、被害回避技術
1 はじめに
近年、ツキノワグマが集落内の農耕地や住宅地などに出没し、トウモロコシなどの農業被害ばかりで
なく人身被害も発生し問題となっている。こうした中、県南部を中心に「くまはぎ」といわれるツキノ
ワグマによる針葉樹剥皮被害が多発し問題になっている。これまで「くまはぎ」の被害実態はほとんど
把握されておらず、被害発生箇所での個体捕獲やテープ巻きなどの対策がとられてきた。こうした被害
対策により効果が上がる場合も認められるが、加害個体以外の移動個体を捕獲するなど必ずしも効果が
上がらない場合があり、効果的な防除技術を検討する必要がある。本研究では、長野県における「くま
はぎ」被害の実態を把握するとともに、被害を回避するための効果的な技術開発を行うことを目的とし
た。なお、本研究は県単課題(平成 18~20 年)として実施した。
2 調査地及び調査方法
2.1 効果的な被害防除技術の開発
2.1.1 清内路村調査地
平成 18 年(2006 年)5 月に下伊那郡清内路村のヒノキ被害林分に設定した防除効果試験地で調査を行っ
た。清内路村試験地では「バンド処理」と「間伐材等積み上げ処理」を行った。
2.1.2 豊丘調査地
平成 19 年(2007 年)11 月下伊那郡豊丘村のヒノキ被害林分に設定した防除試験地で調査を行った。豊丘
試験地では「バンド処理」と「バンド処理」+「間伐材等積み上げ処理」を行った。
2.1.3 クマ剥ぎ防止具の効果調査
林業公社が管理する塩尻市小曽部赤倉団地のヒノキ林でクマ剥ぎ防止具の効果調査を行った。ここでは平
成 12 年からテープ(レコード巻き)を巻き付けるとともに、平成 18 年秋に「アミティ」
、
「ミキガード」
、
「ザ
バーン」などのクマ剥ぎ防止具を設置した。
2.2 剥皮被害部分からの変色や腐朽の広がり
下伊那郡泰阜村の林業公社造林地で発生したヒノキ剥皮被害木 3 本と、飯田市の林業公社造林地で発生し
たヒノキ剥皮被害木を 2 本伐倒し、被害部分からの変色や腐朽の広がりについて計測した。
3 調査結果
3.1 効果的な被害防除技術の開発
3.1.1 清内路村調査地
試験地内に新たなヒノキ樹皮剥皮被害が 3 本発生した。3 本中 1 本は防除対策を行っていない立木、残り
の 2 本は「間伐材等積み上げ処理」を実施した立木であった。ツキノワグマが山側から剥皮を行う場合は多
いことから、
「間伐材等積み上げ処理」は山側に行ったが、今回のクマ剥ぎ被害は間伐材を積んでいない方向
―
44 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
からの被害であった(写真)
。今後、
「間伐材等積み上げ処理」を行う場合は、立木の全周囲を対象とする必
要があると考えられる。
3.1.2 豊丘調査地
試験地内に設置した赤外線センサー付きカメラに、ツキノワグマが写っていたが(平成 20 年 6 月 15 日)
、
新たな剥皮被害は発生していなかった。
3.1.3 クマ剥ぎ防止具の効果調査
平成 12 年に巻き付けたテープ(レコード巻き)がちぎれて防除効果が発揮できなくなったため、平成 19
年秋に再度テープ巻きを行っていた。このことからテープの防除効果は 5 年程度と考えられる。なお、平成
18 年秋に各種クマ剥ぎ防止具を設置して以降、クマ剥ぎ被害が発生していないため効果の確認ができなかっ
た。
3.2 剥皮被害部分からの変色や腐朽の広がり
調査結果は表のとおりである。剥皮被害から 10 年~15 年間経過した泰阜村のヒノキ被害木では、剥皮部
分から内部に腐朽が広がっていたが、上方への広がりは 0.4~1.1m程度であった。過去に行った間伐作業時
のカラマツ剥皮被害で発生した変色・腐朽が 16 年間に 2m程度上方まで広がっていたのに比べて、ヒノキの
上方への変色・腐朽の広がりは小さい傾向がみられた。
また、クマ剥ぎ被害から 2~3 年経過した飯田市のヒノキ被害木では、剥皮部分は内部に変色が広がり、
根元附近では円板面積の 10%~40%に及んでいたが、変色の程度(色)は軽度で、上方へは変色は広がって
いなかった。
クマ剥ぎ被害
間伐材を利用し
た防除
写真 「間伐材等積み上げ処理」で発生した剥皮被害(清内路調査地)
表 ヒノキの樹幹剥皮部分から発生した変色・腐朽
被害の大きさ等
立木
番号
調査地
林齢
胸高直径
経過年数
(年)
(cm)
(年)
発生方向
クマ剥ぎ上端か
円板に対する
ら上部方向への
腐朽面積率
変色の広がり
被害高
剥皮幅/円周
円板に対する
変色面積率
(m)
(%)
(%)
(%)
(m)
1
泰阜村
30
25.8
14
山側のみ
0-1
40
36.5
36.5
0.4
2
〃
30
25.2
9
山側のみ
0-2.2
30
27.2
27.2
1.0
3
〃
30
30.4
15
山側のみ
0-2.4
50
42.7
42.7
1.1
4
飯田市
19
18.3
3
ほぼ全周囲
0-2.0
70
41.0
0
0.0
5
〃
19
15.3
2
山側のみ
0.3-2.2
20
11.2
0
0.0
―
45 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
健 全な広葉樹林整備のための
地域集団における遺伝的多様性の研究
育林部
小山泰弘
橋爪丈夫
長野県松本市にあるブナ人工林で開葉時期を調べたところ、葉緑体DNAの系統が異なる個体で開葉時期が
異なっていた。長野県内のブナ枝曲げ試験を行ったところ、日本海側の個体は、太平洋側の個体に比べて最大
荷重点変位が大きい傾向が観察され、地理的変異がある可能性が指摘された。
キーワード:ブナ、葉緑体DNAハプロタイプ、開葉フェノロジー、曲げ強度、地理的変異
1
はじめに
近年、多様な森林づくりなどへの関心の高まりから、ブナなどの広葉樹造林が積極的に行われて
いる。ブナなどの広葉樹種子は豊凶周期が長いなどの理由で安定供給が難しいうえ、広葉樹苗木は、
林業種苗法の対象外のため、全国各地からの移入が恒常的に行われている場合が多い。地域外から
種苗を導入すると、遺伝的な攪乱が発生するだけでなく、成長不良などが起きる可能性が懸念され
るが、これまでに知見がない。そこで本研究ではブナを主体とする広葉樹を対象として、遺伝子多
様性に関する必要な情報を蓄積し、健全な広葉樹林施業を進めていくための基礎資料を明らかにす
ることを目的とする。
なお本研究は、環境省地球環境保全等試験研究「自然再生事業のための遺伝的多様性の評価技術
を用いた植物の遺伝的ガイドラインに関する研究(平成 17~21 年)」により実施したものである。
2
調査地及び調査方法
2.1
ブナ人工林の生育状況調査
松本市入山辺にあるブナ人工林で、ランダムに 100 個体を抽出して葉緑体DNAの解析を森林総
合研究所林木育種センターに依頼して実施した。確認された葉緑体DNAのハプロタイプは、2 種
類(A及びB)あり、これらのハプロタイプは、日本海側の多雪地域で天然分布しているタイプで、
松本市入山辺周辺に自生するタイプとは異なっていた。またAタイプは、長野県内には分布してい
ないタイプだった。そこで日本海側の個体群を太平洋側の寡雪寒冷地域へ導入した場合の生育状況
を確認するため、平成 18 年~20 年までの 3 年間にわたり、開葉途上の時期に当たる 5 月中旬に開
葉状況調査を行い、ハプロタイプと開葉時期の関係を検討した。
2.2
ブナ枝の曲げ試験
太平洋側由来のブナを日本海側多雪地域へ植栽すると、雪圧害により多幹化して成長停滞する事
例が報告されている。そこで、ブナは自生する地域により雪圧に対する抵抗性に差があるのではな
いかと考え、ブナ枝の曲げ強度特性を検討した。日本海側の多雪環境 4 地点、太平洋側の寡雪環境
4 地点の、ブナ2~5個体、合計 25 個体を対象木として、直径 10~25mm の比較的通直な枝を採取
し、試験体を作成して中央集中荷重による曲げ試験を実施した。スパンは直径 10~15mm の場合は
140mm、15~25mm の場合は 200mm とした。
3
3.1
結果と考察
ブナ人工林の生育状況調査
平成 18 年~20 年まで 5 月中旬に開葉状況を確認したところ、図 1 に示すように、Aタイプ
―
46 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
の個体はBタイプに比べて開葉時期が早く、その差はおよそ一週間程度と推定された。ブナの開葉
時期は、地域によって異なり、東北・北海道と北陸産の個体間では、およそ一週間のずれがあると
されている。このことから、今回持ち込まれたAタイプのブナは、Bタイプとは異なる遠隔地から
の移入個体である可能性が高いと考えられた。
3.2
ブナ枝の曲げ試験
太平洋側の寡雪環境で採取した枝と、日本海側の多雪環境で採取した枝の曲げ試験を行ったとこ
ろ、曲げヤング係数と曲げ強度には地域差が認められなかったが、最大荷重点変位と破断形状が異
なる傾向が観察された。
最大荷重点変位は、図-2 に示すようにスパン長 140mm の試験体でも 200mm の試験体でも差があ
り、日本海側の枝は、太平洋側の枝に比べて、最大荷重点変位が大きかった。また破断形状につい
ては個体差があるものの、太平洋側の枝では破断後に荷重が一気に低下する試験体が多く、日本海
側の枝は、漸減する試験体が多かった。
今回の結果から、日本海側のブナの枝は最大荷重点変位が大きく、破断後も一定の強度を維持す
ることで、幹あるいは枝の折損などの雪圧害などが起こりにくい形質を獲得している可能性が考え
られた。
2006年5月15日
2008年5月9日
2007年5月9日
冬芽
芽鱗はが
れる
葉が見え
る
展開中
Bタイプ
Aタイプ
展葉終了
0%
50%
図-1
0%
50%
100%
0%
50%
100%
松本市入山辺ブナ人工林における開葉フェノロジー
スパン長140mmの試験体
スパン長200mmの試験体
30
太平洋側
30
25
最大荷重点変位(mm)
最大荷重点変位(mm)
100%
20
15
10
5
日本海側
25
線形 (日本海側)
日本海回帰直線
太平洋回帰直線
線形 (太平洋側)
20
15
10
5
0
0
10
15
20
10
25
図-2
15
20
直径(mm)
直径(mm)
ブナ枝の直径と最大荷重点変位の関係
―
47 ―
25
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
里 山林保全を目的とした
山林火災跡地における森林整備技術の開発
育林部
小山泰弘
平成 14 年 3 月に発生した山火事跡地で、高密度に発生したニセアカシアを除去するため、平成 15 年から刈
払いを続けたところ、16 回目の刈払いを終えた平成 20 年でもニセアカシアは根絶しなかった。しかし、林内で
はコナラが多く再生し、樹種転換に成功した。さらに再生したコナラは 4 年生時から毎年 20~30%が結実して
いた。
キーワード:山林火災、ニセアカシア、コナラ、結実
1
はじめに
人家周辺の里山地域では、山林火災などによって、大規模な森林喪失が発生する場合がある。近
年、ニセアカシアの勢力が拡大し、山林火災跡地にも侵入して、在来植生の回復が遅れている事例
が認められる。ニセアカシアは、30 年程度で倒伏するおそれがあることから、山地復旧の樹種と
して最適とは言えないが、繁殖力が強大なため、生理生態を理解した上で適正な管理を進めていく
必要もある。そこで本研究では、山林火災跡地における森林復旧実態を把握するとともに、自然植
生であるコナラを主体とする在来植生へ緩やかに転換するための技術開発を行うことを目的とする。
なお本研究は、(独)森林総合研究所交付金プロジェクト(平成 19~20 年)により実施したもので
ある。
2
調査地及び調査方法
2.1
ニセアカシア刈払い効果調査
調査は、松本市本郷の山火事跡地とした。当地では、平成 14 年 3 月 21 日に山火事が発生し山
林約 170ha が焼失した。焼失後に全体の約 5ha の場所でニセアカシアが高密度に発生したことか
ら平成 15 年 1 月に全刈りしたのち、平成 15 年度から 20 年度まで、季節を変えて年 1~3 回のニ
セアカシア刈払いを継続実施した。実施回数は平成 15~17 年度が年 3 回、平成 18 と 19 年は年 2
回、平成 20 年は 9 月の 1 回とした。
植生調査は、被災直後から平成 20 年末まで随時行い、毎回枠法によりランダムに 2×2m の調
査枠を 10 箇所程度設置した。
2.2
コナラの結実状況調査
ニセアカシアが高密度に発生した場所で平成 17 年にコナラの結実が観察されたため、平成 17
年 11 月に表に示した山火事跡地内の 2 箇所に固定調査地を設け、平成 17 年 11 月 1 日から平成
20 年 10 月8日まで秋に開花結実状況を調査した。
3
結果と考察
3.1
ニセアカシア刈払い効果調査
刈払いによるニセアカシアの樹高変化を図-1 に示す。刈払いを始めた平成 14 年は刈払い後 1 ヶ
月で樹高 1m 以上に回復したが、3 年間継続して刈払いした平成 16 年からは樹高 1m 以上にまで
成長することはなくなり、平成 20 年には 9 月初旬に 1 回の刈払いしか行わなかったが、12 月の
平均樹高は 12cm と抑えられ、現存量で比較すると無処理区の 1%以下にまで減少できた。
―
48 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
一方で、コナラを中心とする在来種が順調に生育し、コナラを主体とする自然植生の平均樹高が
253cm、植被率 70%とニセアカシアを完全に追い越し、コナラ林を形成していた。
このように、6 年間で計 16 回の刈払いを行うことで、ニセアカシアの平均樹高は大きく抑制さ
れ、ニセアカシア林からコナラ林への樹種転換を図ることが出来たが、根絶させることはできなか
った。
3.2
コナラ開花結実状況調査
平成 17 年から 20 年までのコナラの結実状況は図-2 のとおりで、4 年生から結実していた。コナ
ラの結実本数率を見ると、およそ 20~30%のコナラで結実がみられる年が多く、試験区により差
があったものの、尾根区でも斜面下部区でも毎年結実していた。
表
試験区名
場所
斜面下部区 松本市
本郷
尾根区
コナラ結実調査地の概要
林班名
調査面積
標高
(m)
方位
165-イー2
10×50m
720
W
164-ホ-8ヘ 10×30m
925
W
4
ニセアカシア
コナラ
2
1
0
H14/3
H15/3
H16/3
H17/3
H18/3
H19/3
H20/3
H21/3
(年/月)
図-1
刈払いを行ったニセアカシアとコナラの樹高成長
50%
斜面下部区
尾根区
40%
結実本数率
樹高(m)
3
30%
20%
10%
0%
2005年
2006年
図-2
2007年
調査年別のコナラ結実本数率の推移
―
49 ―
2008年
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
広 葉樹林化のための更新予測及び誘導技術の開発
育林部
小山泰弘
山内仁人
橋爪丈夫
昭和 61 年にカラマツを強度間伐した林分で下層に天然更新したミズナラは、発生当初は良好に成長
したものの、更新 20 年生時の平均樹高 5~7m,平均胸高直径 5cm 前後で、予想よりも成長は悪かった。
また、強度間伐から 9 年目に試験区の一部で除伐を実施したが、その後 10 年が経過したことでミズナ
ラ下木間の競争により自然枯死が発生し、林床植生も欠如していたことから、除伐効果が失われていた。
キーワード:カラマツ、針広混交林、ミズナラ
1
はじめに
長野県では、平成 17 年に「針広混交林施業指針」を作成し、針葉樹人工林を強度間伐して広葉
樹の侵入・成長を促し、針広混交林化を図る取り組みが進められている。これは、カラマツ林の強
度間伐によってミズナラの萌芽再生が良好に行われたという過去の研究事例などに基づいている。
しかし、カラマツ林の中には高木性広葉樹が認められない林分も観察されており、カラマツ林から
広葉樹林化を図るための基準は定まっていない。
そこで、本研究では長野県に多いカラマツ林を対象として、天然生広葉樹の発生判断基準と、多
様な高木性広葉樹が混交する広葉樹林化にむけた施業体系の整備を進めることを目的としている。
本年度は、カラマツ人工林の樹下に萌芽更新したミズナラの成長について検討した。
なお、本研究は「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(平成 19~23 年度)」により実施
したものである。
2
調査地及び調査方法
調査は、昭和 29 年に植栽された長野県南佐久郡川上村所並のカラマツ林で行った(表-1)。本林
分は 32 年生時の昭和 61 年に林床整理を行ったのちに間伐率を変えた 2 種類の間伐を行い、間伐後
の収量比数が Ry=0.45(間伐区 1)、Ry=0.60(間伐区 2)となるように調整した。その後、ミズナラ
が主体となる下木層が形成されたため、平成 7 年に各試験区の半分でミズナラの除伐を行い、30m
四方の方形区を 4 区設定した(図-1)。
その後平成 9 年に除伐の影響を検討するための調査を行ったが、前回調査から 10 年が経過した
平成 20 年 6 月に、方形区内に成立した樹高 1.3m 以上の木本を対象に樹高と胸高直径を測定した。
あわせて、高さ 1.3m 以下の植物についても植生調査を行い、出現種別に被度と植生高を調査した。
3
結果と考察
試験区を設定した平成 7 年と今回の調査結果を表-2 に示す。上木のカラマツはこの 13 年間に平
均 2m 程度の樹高成長をしており、成長予測に沿った順調な成長をしていた。なお、間伐区の収量
比数は、間伐直後の Ry=0.45 と Ry=0.60 から、Ry=0.51 と Ry=0.74 に上昇していた。
特に、間伐直後に Ry=0.60 に調整した間伐区 2 では、施業から 20 年が経過したことで、収量比
数が上昇していた。間伐区 2 では、間伐区1に比べてミズナラの直径成長ならびに樹高成長が低く
なっており、下層木を育成させるためには、通常の間伐よりも強度な間伐を実施し、明るい環境に
することが必要といえた。
なお、良好な光環境を与えていた間伐区 1 でも、20 年生時の樹高は 7m に届かず、収量比数 0.50
程度の明るさでも、下層木の樹高成長を考えるとまだ光不足である可能性が考えられた。
また、平成 7 年に実施したミズナラの除伐区と、無施業区の間には、樹高と胸高直径の差が認め
―
50 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
られず、下木のミズナラの成立本数はどの調査地でも 3,900 本/ha 程度と揃っており、林床の植被
率も、通常のカラマツ林より低かった。平成 9 年の調査では除伐による成長促進効果が認められて
いたが、除伐から 10 年経過することで、下木による林冠閉鎖が発生して自然枯死が起き、除伐の
効果が失われたと判断された。
表-1
試験地の概要
調査地
林班名
標高
(m)
斜面位置
地形
土壌型
年平均
降水量
(mm)
年平均
気温
(℃)
最深
積雪深
(cm)
温量指数
南佐久郡川上村所並
202-へ-1イ
203-イ-1
1,520
山腹上部
凸型~
平衡斜面
BD(d)
1439
6.6
48
54.6
間伐区1(Ry=0.45)
ミズナラ
除伐
ミズナラ
無施業
試験区1A 試験区1B
林道
間伐区2(Ry=0.60)
ミズナラ
除伐
ミズナラ
無施業
試験区2A 試験区2B
図-1 試験区配置図
表-2
調査結果
上木カラマツの状況
樹高(m)
plot 胸高直径(cm)
H7年 H20年 H7年 H20年
1A
25.4 30.9
19.0 21.7
1B
24.1 31.1
19.0 21.6
2A
22.7 28.0
22.0 24.0
2B
21.6 25.3
22.0 24.0
成立本数
H7年 H20年
300 300
300 300
467 444
489 444
林齢
H7年 H20年
41
53
41
53
41
53
41
53
収量比数
H7年 H20年
0.48 0.56
0.48 0.55
0.70 0.74
0.71 0.74
下木ミズナラの状況
樹高(m)
plot 胸高直径(cm)
H7年 H20年 H7年 H20年
1A 2.8
6.5
4.4
6.6
1B 2.5
6.8
3.7
6.8
2A 2.2
4.4
3.4
4.8
2B 1.9
5.5
3.2
5.2
成立本数
H7年 H20年
5,700 3,900
10,100 3,900
7,800 3,733
9,300 3,889
林齢
H7年 H20年
8
20
8
20
8
20
8
20
高さ2m以下の
高木性広葉樹発生状況
ミヤマザクラ・ミズナラ 400本/ha
ミズナラ・ミヤマザクラ 1000本/ha
ミヤマザクラ・ミズナラ 300本/ha
なし
下層植生の繁茂状況
plot 植被率
優占種
(%)
1A
1B
2A
2B
20
25
10
15
優占種
植被
率
(%)
オクノカンスゲ
5
ノガリヤス
10
コバノトネリコ
2
ヤブレガサ
5
出現 最大高
種数
(cm)
36
40
28
29
45
50
30
40
―
51 ―
1%以上の植被率をもつ植物種
タチツボスミレ・ノガリヤスなど計10種
オクノカンスゲなど計10種
マユミなど計9種
オクノカンスゲ・アキカラマツなど計9種
備考
H7除伐
H7除伐
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
天然性広葉樹林の大量被害をもたらす昆虫の拡大予測と早期防除法の開発
育林部
岡田充弘・山内仁人・橋爪丈夫・小山泰弘
カツラマルカイガラムシによる被害林分において、しょうこう病(天敵糸状菌)、ならびにツヤコバチ科
の1種(寄生蜂)によるカツラマルカイガラムシの死亡が確認され、これらの天敵類が被害の終息に関与して
いると考えられた。カツラマルカイガラムシ被害林分にナラ枯れ被害が発生した場合、カツラマルカイガラ
ムシによる立木衰弱がナラ類を枯死しやすくさせていることが示唆された。
キーワード:カツラマルカイガラムシ、ナラ枯れ、天敵
1
はじめに
平成 14 年に飯山市で確認されたカツラマルカイガラムシによる広葉樹林被害は、枝枯れを生じ
させ、激害の場合は立木枯損が発生し、重大な問題となっている。本被害は、近年の調査で山形県、
福島県、および山梨県でも発生、拡大しており、不連続に広域化している。しかし、被害発生要因
ならびに拡大要因は明らかになっておらず、効果的な防除法も確立されていない。このため、被害
発生要因を解明するとともに、被害防除方法を確立することを目的とする。なお,本課題は,独)
森林総合研究所交付金プロジェクト「天然性広葉樹林の大量被害をもたらす昆虫の拡大予測と早期
防除法の開発」(平成 20~22 年度)で実施した。
2
調査の方法
2.1
被害状況・被害要因調査
平成 20 年 7 月に県北部の被害程度が異なるコナラなどを中心とする被害林分計 5 箇所(飯山市
2 箇所、中野市 2 箇所、須坂市 1 箇所)に固定調査地を設定し、被害状況(カツラマルカイガラム
シ寄生状況、立木の状態など)、被害の発生・拡大などに関与すると考えられる昆虫類などの生息
調査などを実施した(表-1)。
また、飯山市北畑では、カツラマルカイガラムシによる被害林分でカシノナガキクイムシによる
ナラ枯れ被害が発生したため、被害木へのカシノナガキクイムシの穿孔状況などを調査した(調査
年月日:平成 20 年 11 月 21 日)。
3
結果と考察
3.1
被害状況・被害要因調査
調査地の被害状況とカツラマルカイガラムシの寄生密度の関係をみると、被害が進行している林
分ほどカツラマルカイガラムシの寄生密度が高かった。また中野市東山、須坂市臥竜の被害木では、
カツラマルカイガラムシの寄生密度の高い部分で、しょうこう病(天敵糸状菌)、ならびにツヤコ
バチ科の 1 種(寄生蜂)による幼虫の死亡が確認され、これらの天敵類が被害の終息に関与してい
るものと考えられた。
飯山市北畑では、カツラマルカイガラムシの被害を受けたミズナラ、コナラがカシノナガキクイ
ムシの穿孔を受け、「ナラ枯れ」による被害が発生した。被害木に対するカシノナガキクイムシの
穿孔状況をみると、コナラに比べてミズナラに多くの穿入孔が認められた(表-2)。しかし、ミ
ズナラに比べ多数の穿孔(100~200 孔以上)を受けても枯れにくいとされるコナラでも、少数の
穿孔(最小穿孔数 15)で枯損していた。
コナラ枯損被害木は、カツラマルカイガラムシ激害木が多く、カツラマルカイガラムシによる立
―
52 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
木衰弱が、カシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害を助長し枯死しやすくさせていることが示唆
された(表-2)。
表-1. 被害調査地の概況
上層
調査地
下層
カツラマルカイ 被害木の
ガラ寄生状況 状況
樹種
樹種
カツラマルカイ
ガラ寄生状況
飯山市其綿
コナラ、クリ、ブ
ナ、ホウなど
少
微害
オオバクロモジ、コナラ、ク
リ、ウリハダカエデなど
少
飯山市北畑
コナラ、クリ、アカ
マツなど
中
中害
コナラ、クワ、ウリハダカエ
デ、オオヤマザクラなど
中
中野市田上
コナラ、アカマツ、
イヌエンジュなど
少
微害
オオバクロモジ、コナラ、ク
リ、ガマズミなど
少
中野市東山
コナラ、クヌギ、ア
カマツなど
多
激害
コナラ、クリ、ウリハダカエ
デ、ガマズミなど
多
須坂市臥竜
コナラ、アカマツ、
クリなど
多
激害
コナラ、ケヤキ、ガマズミな
ど
多
表-2.カツラマルカイガラムシ被害林分におけるカシノナガキクイムシ穿入状況(飯山市北畑)
カツラマル カシノナガ
胸高直径
樹高
立木
plot №
樹種
カイガラ キクイムシ 状態
備考
(cm)
(m)
被害状況
穿孔数
A
B
A1
A2
A3
A4
A5
A6
A7
A8
A9
A10
A11
A12
A13
A14
B1-1
B1-2
B2
B3
B4-1
B4-2
B5
B6-1
B6-2
B7
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
コナラ
ミズナラ
ミズナラ
コナラ
コナラ
ミズナラ
ミズナラ
コナラ
ミズナラ
ミズナラ
ミズナラ
29.5
22.0
28.7
31.6
23.5
25.4
32.0
22.4
32.3
32.6
18.9
32.6
26.0
17.2、18.3、21.4
29.5
22.0
28.7
31.6
23.5
25.4
32.0
22.4
32.3
32.6
19
14
14
17
16
12
18
22
20
20
13
20
18
19
19
14
14
17
16
12
18
22
20
20
―
53 ―
中
中
中
中
中
激
激
中
中
中
中
中
激
激
中
中
中
中
激
激
中
中
激
激
15
7
27
8
28
15
87
29
95
17
11
7
28
41
90
98
46
6
36
15
67
5
7
57
生
生
生
衰
枯
枯
枯
生
生
生
生
生
枯
枯
枯
枯
生
生
枯
枯
生
生
生
衰
株立
株立
株立
株立
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
ナラ類集団枯損の予測方法と環境低負荷型防除システムの開発
育林部
岡田充弘・山内仁人・橋爪丈夫
新規薬剤による殺菌剤樹幹注入処理は、カシノナガキクイムシの穿孔履歴のある立木でも薬剤が注入しや
すく、枯損予防効果も既存登録薬剤と同等以上であった。カシノナガキクイムシの捕獲に適した人工トラッ
プの設置条件は、樹冠層で天頂方向からの光が遮蔽されて、横方向からの光が入るような林縁、ギャップ縁
と考えられた。
キーワード:カシノナガキクイムシ、殺菌剤樹幹注入、光環境
1
はじめに
カシノナガキクイムシが病原菌を媒介するナラ類集団枯損(ナラ枯れ)は、県北部での被害の拡
大とともに、県南部でも隔離的な被害発生が確認され、問題となっている。これまでの調査から拡
大防止には、被害初期にカシノナガキクイムシの個体数を激減させることが最も効果的と考えられ
るが、単木的な処理では防除コストがかかり、林分全体の面的防除が困難である。
そこで、初期被害のうちにカシノナガキクイムシの個体数を激減させる環境負荷の少ない防除シ
ステムを開発することを目的とする。なお,本課題は,新たな農林水産政策を推進する実用技術開
発事業研究領域設定型研究「ナラ類集団枯損の予測手法と環境低負荷型防除システムの開発」(平
成 20~22 年度)で実施した。
2
試験の方法
2.1
殺菌剤樹幹注入処理による枯損予防試験
既存登録薬剤であるベノミル水和剤は、カシノナガキクイムシの穿孔履歴があると、薬剤が注入
しにくく、効果が期待しにくくなることから、予備試験で穿孔履歴があっても注入しやすいと考え
られたサプロール乳剤の枯損予防効果を検討した。
試験地は、栄村当部、および飯山市柄山のナラ枯れ被害林分の 2 箇所とした。栄村では、穿孔
履歴がほとんどないナラ生立木に殺菌剤(ベノミル水和剤 500 倍液(以下、ベノミルという)、な
らびにサプロール乳剤 500 倍液(以下、サプロールという))を所定量(例:胸高直径 20cm まで
800ml)樹幹注入した。また、飯山市では、供試木のすべてに穿孔履歴があり、すべてサプロール
処理とした。処理後、供試木へのカシノナガキクイムシ穿孔状況、供試木の変化などを調査した
(表)。
2.2
カシナガキクイムシ捕獲条件調査
これまでの調査結果から、トラップ設置位置の開空度に表現される光環境が,捕獲数に影響して
いることが示唆されたため、好適な捕獲条件について検討した。
栄村北信のブナ,ミズナラ,スギなどが混交する被害林分を試験地とした。トラップは,透明サ
ンケイ式昆虫誘引器に,誘引剤(カシナガコールH、成分:ケルキボロールラセミ体 96%)1 本を
取り付け使用した。試験地内のギャップ周辺(直径約 30m、林縁からの距離約 50m)の 5m格子
点 12 箇所にトラップ各1基を設置し,1週間置きにトラップ捕獲虫を回収し,カシノナガキクイ
ムシの捕獲状況を調査した。(試験期間:2008 年6月 13 日~8月 19 日)。
トラップ設置位置の光環境条件を把握するため,設置位置の開空度を調査した。
3
結果と考察
―
54 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
3.1
殺菌剤樹幹注入処理による枯損予防試験
ベノミルとサプロールの薬剤注入率をみると、栄村ではほぼ同等程度であった。また飯山では、
穿孔履歴のある立木にサプロール処理を行ったが、その平均注入率は、2007 年に行った穿孔履歴
のある立木にベノミル処理を行った場合の約 73%に比べ、約 87%と高くばらつきも少なかった。
栄村の供試木の状況は、サプロールでは穿孔数の多かった 33 本中6本が、ベノミルでは 20 本
中 7 本が枯損したが、同様の穿孔を受けた無処理木では7本すべてが枯損した(表)。
これらのことから、サプロール処理は、登録薬剤のベノミルに比べ、穿孔履歴があっても注入処
理がしやすく、同等の枯損予防効果があると判断された。
3.2
カシナガキクイムシ捕獲条件調査
トラップ設置位置別の捕獲数をみると,林縁に位置したトラップでの捕獲数が多い傾向がみられ
た。天頂方向の開空度(天頂から 20°以内)とトラップ毎の総捕獲数の関係では,ギャップ内か
ら林縁までは,開空度が低いほど捕獲数が多い傾向があった(図)。この変化をもたらす要因とし
ては、樹冠層による遮蔽があげられる。このことは、林縁の大径木は樹冠の大きいこと、被害木を
除去したギャップ周辺で被害が発生しやすいこととほぼ合致した。これらのことから、トラップの
設置条件は、天頂方向からの光が遮蔽されて、横方向からの光が入るような林縁、ギャップ縁がよ
いと考えられた。
表 殺菌剤樹幹注入処理試験結果
試験地
栄村当部
飯山市柄山
試験区
樹種
平均胸
平均樹
供試
高直径
高(m)
本数
(cm)
注入 注入
本数 率(%)
サプロール乳
剤500倍
ミズナラ
49
28.2
17.5 247
94.6
ベノミル水和
剤500倍
ミズナラ
28
21.3
17 148
99.5
無処理
ミズナラ
10
20.6
17
サプロール乳
剤500倍
ミズナラ
26
23.6
無処理
ミズナラ
10
29.8
-
17.2 140
17
-
86.9
-
-
立木
状況
カシノナガキクイムシ穿孔状況(本)
無
健全
異常
枯死
健全
異常
枯死
健全
異常
枯死
健全
異常
枯死
健全
異常
枯死
少
14
0
0
5
0
0
3
0
0
15
0
0
5
0
0
0
0
0
3
0
0
0
0
0
2
0
0
0
0
0
注) 穿孔状況 無:穿孔無し、少:穿孔数10未満、多:穿孔数10以上
60
捕獲数(頭)
50
40
30
20
10
0
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
開空度(天頂~20°)
図 カシノナガキクイムシ捕獲数と開空度の関係(栄村)
林縁
開放
―
55 ―
林内
多
0.7
25
2
6
13
0
7
0
0
7
9
0
0
0
0
5
枯死率
(%)
12.8
25
70
0
50
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
立 木の引き倒し抵抗力と根系形状の関係
-災害に強い森林づくり基礎試験-
育林部
山内仁人・橋爪丈夫・近藤道治
管理部
指導部
田中功二
宮崎隆幸・白石立
所長
片倉正行
林業総合センター構内で 22 年生スギ、ヒノキ、カラマツと 19 年生コナラの引き倒し試験を実施した。
胸高直径 20cm での最大引き倒し抵抗力は、コナラ>ヒノキ>カラマツ>スギの順に大きかった。根系
の広がりに顕著な樹種間差は見られなかったが、コナラは直径 0.5~1.0cm 程度の根数が非常に多く、
また太根同士が交差した箇所で組織が融合し、ネット状になったものが目立った。
キーワード: 根系形状、引き倒し抵抗力、コナラ、針葉樹、土石流
1
はじめに
長野県では、平成 18 年7月に岡谷市などでおきた土石流災害を契機に、「森林の土砂災害防止機
能に関する検討委員会」を設置し、その検討結果として、平成 20 年1月に「災害に強い森林づく
り指針」が出された。同指針は、「適地適木・適正管理」を進めることで「災害に強い森林」の造
成・維持向上をはかるとするが、土砂災害を抑止・減衰するのに適した樹種・密度管理等について
は、不明な点が多い。
そこで、本研究では、立木の引き倒し抵抗力の樹種間比較等を行うことを目的に、「災害に強い
森林づくり基礎試験」(H20~21)として、林業総合センター、信州大学農学部、(社)長野県林業
コンサルタント協会の共同で試験を実施した。
2
調査方法
2.1
調査地
調査地は塩尻市片丘(林業総合センター構内)の標高約 900m、適潤性黒色土壌(Bl D)、斜面方位
西南西、傾斜約6°の同一斜面上に隣接して成立する 22 年生スギ林、ヒノキ林、カラマツ林と、
19 年生コナラ林とした。それぞれの林分の立木密度は、スギ、ヒノキ、コナラが 2,000 本/ha、カ
ラマツが 1,200 本/ha であった。
2.2
立木引き倒し試験
平成 20 年8月 7、8 日に、スギ 17 本、ヒノキ 19 本、カラマツ 20 本、コナラ 25 本(うち8本
が2本ずつの株立ち)を対象に引き倒し試験を実施した。試験は、幹の地上高 1m 位置にワイヤを
かけ、林業用トラクタ(イワフジ CT-35)のウインチで牽引し、徐々に荷重を加えながら、立木と
ウインチのワイヤの間に取り付けたロードセル(98kN 用荷重変換機)で連続的に抵抗力を測定す
る方法で行い、抵抗力がピークに達し、減少に転じた点を最大抵抗力とした。
2.3
根系形状調査
引き倒し試験実施後、供試木は伐倒し、樹高を測定するとともに、スギ・ヒノキ・コナラは各3
本、コナラ 12 本(うち6本は、2本ずつの株立ち)の根株を平成 20 年 10~11 月に、ミニ油圧シ
ョベル(CAT MM20CR)で掘り起こし、高圧洗浄機等を用いて根系に付着した土砂を洗い流した後、根
系の形状を調べた。なお、掘り起こす根株(根系調査木)は、各樹種の引き倒し最大抵抗力の値の
分布(大~中~小)指標に、偏りがないようにした(図)。
3
3.1
結果と考察
立木引き倒し試験
―
56 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
各樹種の引き倒し最大抵抗力は、胸高直径と相関が高く、最大抵抗力と胸高直径の関係は、表の
式で示された。また、最大抵抗力が最も大きかった樹種はコナラで、胸高直径 20cm では、スギ・
ヒノキ・カラマツの、約2倍の値を示した(図)。
3.2
根系形状調査
根系の形状は、最大抵抗力の値が大きいものほど、太根が発達し、水平方向への根系の広がりも
大きい傾向が見られた。いずれの樹種も、垂下根の最大深さは 1m 程度までで、根系の広がりに顕
著な樹種間差は見られなかった。ただし、コナラは、根株中心付近(半径 1m 以内程度)で直径
0.5~1cm 程度の根数が非常に多く、根間土壌が緊密で根に固着した土壌が剥がれにくかった(写
真)。また、分岐した太根同士が交差点で融合し、ネット状になったものが、コナラでは目立った。
表
引き倒し試験結果概要
樹種
胸高直径
D
(cm)
樹高
(m)
最大抵抗力
F
(kN)
DとFの関係
の回帰式
(深見ら2009)
スギ
7.8 ~ 31.4
7.2 ~ 20.2
0.3 ~ 67.3
F=5.71×10 D
ヒノキ
8.9 ~ 20.7
8.7 ~ 14.1
2.7 ~ 53.4
F=3.49×10 D
カラマツ
9.1 ~ 24.0
12.1 ~ 20.4
1.6 ~ 50.2
F=2.20×10 D
コナラ
7.6 ~ 22.0
9.4 ~ 15.1
2.3 ~ 73.3
F=5.52×10 D
-4 3.57
-3 3.08
-3 3.19
-3 3.08
写真
コナラの根系形状
凡 例
80.0
○
●
□
■
△
▲
×
*
+
60.0
F
ス ギ
スギ
〃 (根系調査木)
コナラ
ヒ ノ キ
〃 (根系調査木)
カラマツ
カラマツ
〃 (根系調査木)
コナラ
〃 (根系調査木)
〃 (株立ち木)
ス ギ 回帰式
最
大
抵
抗 40.0
力
ヒ ノ キ 回帰式
カ ラ マ ツ 回帰式
ヒノキ
コナラ(株立ち木以外)回帰式
(kN)
20.0
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
D
図
25.0
30.0
胸高直径(cm)
スギ・ヒノキ・カラマツ・コナラの引き倒し最大抵抗力と胸高直径の関係
―
57 ―
35.0
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
高品質きのこの育種と持続的生産技術の開発
特産部
増野和彦・高木
茂
ナメコ野生株の栽培試験による一次選抜株について、栽培試験を行い、優良育種素材としての適性を持つ
ことを確認した。
キーワード:ナメコ空調栽培、大型ナメコ、発生不良
1
はじめに
高品質きのこ栽培用品種の育種のために、自然界からの有用遺伝資源の検索を進める。野生に近
い「大型ナメコ」などの高品質きのこ栽培のために、収集した遺伝資源を素材として品種開発を図
る。また、低コスト化、ロス率の低減など持続的経営に必要な技術革新を図る。本研究は平成 16
~20 年度に国補交付金研究として実施した。
2
試験の方法
2.1
菌株の収集と保存
遺伝資源を収集するため、長野県内及び宮崎県、熊本県、鹿児島県において野生菌株の採集と分
離培養を行い保存に供した。
2.2
ナメコ一次選抜株の栽培試験
これまで、収集したナメコ野生株の栽培試験により菌床栽培適性を調べ、「大型ナメコ」として
の優良系統を一次選抜してきた。今年度は、一次選抜した優良 5 系統について、供試数を増やして
栽培試験を行い、栽培適性を確認した。栽培は、800ml 広口ビンを用いたナメコ空調栽培の定法で
行った。培地組成はブナオガコ・フスマ培地(容積比 10:2)、含水率 65%、培地重量 600g とし
た。培養は 20℃60 日間、発生は 15℃湿度 95%以上で行った。供試数は、一次選抜では1系統各 3
本であったが、今回は 12 本とした。
2.3
ナメコ発生不良原因の解明
北信地方のナメコ生産者において、培地発生面の中心部で子実体が発生しない発生不良現象が起
ったため、原因の解明を行った。生産者は、一般的なナメコ栽培用の広口ビン(口径 77m)ではな
く、特注ビン(口径 65m)を使用していたため、発生不良原因に特注ビンが関係するか検討するた
め、林業総合センターにおいて両者のビンによる栽培試験を行った。栽培試験の概要を表-2 に示
した。
3
結果と考察
3.1
菌株の収集と保存
宮崎県美郷町鬼神野、熊本県八代市樅の木、鹿児島県紫尾山のブナ林及び長野県内において、ブ
ナシメジ 3 系統、シイタケ 1 系統、エノキタケ 1 系統、クリタケ 1 系統、ムキタケ 5 系統、ヌメリ
スギタケ 1 系統、ヌメリスギタケモドキ 1 系統、ヤマブシタケ 2 系統、アラゲキクラゲ 2 系統を採
集し、組織分離を行った。
3.2
ナメコ一次選抜株の栽培試験
栽培試験の結果を表-1 及び図-1 に示した。ナメコの空調施設栽培用品種として、重要な性質は
原基形成所要日数が短いこと、収量が十分にあることである。供試系統の全てが 10 日間前後で原
基形成し、1 ビン当たり 150g を超える収量があった。したがって、一次選抜時と同等の適性を示
しており、今後「大型ナメコ」用の品種開発の育種素材として利用できることを確認した。
―
58 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
3.3
ナメコ発生不良原因の解明
栽培試験の結果を図-2 に示した。特注ビンを用いても、生産現場で起こった培地表面の中心部
で子実体が発生しない現象は発現しなかった。また、発生処理後の原基形成所要日数も 9 日間と両
ビンとも同じであり、収量も同等であった。したがって、ビンの形態が直接的な発生不良の原因と
見なすことはできなかった。
表-1 ナメコ一次選抜株の栽培試験結果
系統名
原基形成所要日数
収穫所要日数
個数
(個/ビン)
収量
(g/ビン)
a7-1
10
21
144.1
168.3
a12-1
9
18
145.1
168.7
a12-2
11
17
137.8
180.4
a15-1
12
18
176.6
192.9
a外-3
12
18
150.6
183.8
250
収量(g/ビン)
200
150
a12-1
a12-2
a15-1
a7-1
a外-3
100
50
0
10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 55 58 61 64
発生処理後日数
図-1 ナメコ一次選抜株の試験栽培発生経過
表-2 ナメコ菌床栽培方法(ビン形態の比較)
項目
内容
品種
キノックス127号
培地組成
ブナオガコ:フスマ=10:2(容積比)、含水率65%
培養
20℃75日間
発生
15℃湿度95%以上
収穫
2番収穫まで(発生処理後35日間)
供試数
各24本
200
収量(g/ビン)
150
47.1
57.9
二番収穫
一番収穫
100
137.5
124.4
50
0
一般ビン
特注ビン
ビン種類
図-2 ナメコ菌床栽培ビン形態の比較試験結果
―
59 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
機能性を活用した木炭及び木酢液の効果的な利用に関する試験
特産部
高木
茂・小坂信行
粉炭の土壌施用は、コマツナ実生およびカラマツ苗木の生育を促進した。なおコマツナの生育促進効果は
粒炭より粉炭が大きかった。道路の路側緑化帯で木炭の地表敷設が雑草抑制効果を示した。木酢液含浸ろ紙
がナメクジに対して忌避効果を示した。
キーワード:木炭、粒度、木酢液、忌避効果
1
はじめに
木炭は、木質バイオマスの一分野として注目されている。近年は、燃料用途以外でも農業、緑化
関係等多方面で利用が行われている。また、木酢液についても農業用を中心に多方面で利用されつ
つある。しかしながら、木炭や木酢液については、植物成長促進効果や調湿機能などで報告がある
ものの、その機能性については不明な点も多い。特に木炭は炭材や炭化温度などによりその機能に
相違があり、今後、木炭、木酢液の需要拡大を図るためにも、その機能を検証し、より効果的な利
用法を提示する必要がある。そこで、機能性木炭や木酢液の利用が多い農業・緑化分野と水質浄化
機能などを中心に木炭、木酢液の機能を解明し、より効果的な利用法を検討する。なお、本研究は
県単課題(平成 18~22 年度)として実施したものである。
2
試験の方法
2.1 土壌への木炭添加による植物成長促進試験(コマツナ)
500mℓ 容のポットに、粒度の異なる木炭を添加した土壌を入れ(表-1)、平成 20 年 7 月 30 日
にコマツナを播種して屋外で栽培した。対照区として木炭無添加区を設けた。播種 29 日後に草丈
及び地上部と根の絶乾重量を測定した。
2.2
土壌への木炭添加による植物成長促進試験(カラマツ)
構内森林の B 層土壌(15ℓ )に、粒度 3.35mm 以下の木炭 550g を添加混合し 15ℓ 容プラポット
に充填して、平成 19 年 11 月にカラマツ2年生苗木を各1本植栽した(以下、木炭区という。)。
対照として木炭無添加ポットを設けた(対照区)。ポット数ならびに供試苗木本数は 5 である。1 年
後に苗木の樹高及び根元径を測定して木炭施用効果を検討した。
2.3
木炭敷設による雑草発生抑制効果試験
ナナカマドとキリシマツツジが植栽された路側緑化帯(県道下諏訪辰野線:岡谷市川岸上)で木
炭敷設による雑草発生抑制効果を調査した。
供試した木炭は、粒度 5mm 未満の木炭(以下、粉炭という)と、5~30mm の木炭(以下、粒
炭という)の 2 種類とした。木炭の敷厚は 5cm 及び 10cm とし、平成 17 年 12 月に試験区を設定
した。試験区内に 30×30cm の方形プロットを 2 箇所ずつ設け、平成 18 年 6~9 月に月 1 回ずつ
発生植物個体数を調査した。
2.4
木酢液のナメクジ忌避効果試験
木酢液含浸ろ紙に対するナメクジの忌避効果を試験した。供試材料は次のとおりである。
木酢液:林業総合センタ-製(表-2)。ろ紙:Whatman
No.3(φ110mm)
を内径 60mm 切除し
ドーナツ型とした。ナメクジ:下伊那郡松川町の民家で採取した 45 頭。飼育容器:白色半透明ポ
リプロピレン角形容器(W:380,D:240,H:120mm)。木酢液含浸ろ紙(以下、ろ紙という)は、浸漬回
数別に 4 種類とした(表-3)。なお、水に浸漬したろ紙を対照とした。
―
60 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
8 月上旬に、容器内に一枚のろ紙を置いた後、そのドーナツ円内に 15g ほどの新鮮なキュウリ輪
切り片を静置するとともに、ろ紙の外部にナメクジ 3 頭を放した。容器は 1mm メツシュの樹脂ネ
ットで被覆した。ナメクジの放虫は 20:00 頃とし、12 時間後に調査を行った。試験は各処理で個
体を変えて 3 回ずつ行った。忌避効果の判定は、ナメクジがキュウリに向かって、木酢液ろ紙へ
の侵入行動をとった頭数(粘液痕跡数)の比較によった。
3
結果と考察
3.1 土壌への木炭添加による植物成長促進試験(コマツナ)
草丈の測定結果を図-1 に示した。木炭無添加区では、発芽後本葉展開前にすべて枯死した。木
炭施用区では、木炭添加量の増加に従い、草丈と乾燥重量が大きくなり、粒炭より粉炭で成長が良
かった。木炭無添加区でコマツナが本葉展開前に枯死した原因が不明なため、今後検討する。
3.2
土壌への木炭添加による植物成長促進試験(カラマツ)
植栽 1 年後の樹高成長量を図-2 に示した。対照区に比べ木炭区で成長量が大きく、木炭の土壌
添加がカラマツ苗の成長促進に効果を示したと考えた。
3.3
木炭敷設による雑草発生抑制効果試験
木炭敷設後 3 年目でも、木炭敷設区の植物本数が対照区の約 30%であり、一定の雑草抑制効果
が認められた。
3.4
木酢液のナメクジ忌避効果試験
結果を表-3 に示した。5、10、20 回の浸漬を繰り返した木酢液含浸ろ紙では、ナメクジの侵入
行動が見られず、忌避効果と判断した。
40
構内の森林土壌B層
500ml
土壌容積
1.7mm以下
(粉炭)
木炭の粒度
木炭添加量(g
2
4
3.35~4.75mm
(粒炭)
8
2
4
30
20
10
0
8
cont.
各10
供試ポット数
表-2 供試木酢液
炭 窯 ドラム窯
コナラ
排煙口温度 80-150℃
採 取 日
2006,2,18
比 重
1.022
pH
2.03
酸 度
8.50%
粒炭
粉炭
表-3 木酢液のナメクジ忌避試験結果
木酢液浸漬回数 cont.
円内移動数
(3回平均)
2g
4g
8g
木炭添加量(g)
図-1 粒度別木炭添加コマツナ栽培 草丈
9
20
1
5
10
20
3
0
0
0
木酢液浸漬方法:浸漬後70℃の乾燥機内で20分
乾燥させ、再び木酢液に浸漬するという方法
で、所定の回数だけ浸漬を繰り返した。
成長量(cm)
土壌の種類
炭 材
草丈(mm)
表-1 試験設計
15
10
5
0
cont.
試験区
木炭区
図-2 カラマツの1年間の
樹高成長量
―
61 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
マツタケ発生林施業法の開発
特産部
竹内嘉江・小坂信行・増野和彦
今年は全県で3,7月の気温が高く、6,8月の気温が低い傾向がみられた。降水量は4~6,8月が多く、7,9~
10月は少なかった。豊丘村試験地は平年作、松川町・辰野町試験地では豊作となった。辰野町試験地に植栽
したアカマツ自然感染苗木は4本中1本が枯死し、生存している3本の根圏からマツタケ菌根が消滅した。
キーワード:胞子散布、自然感染苗木、シロ、ツガ、コメツガ
1
はじめに
山村・中山間地では、放置されたアカマツ過密林分が増加しマツタケ山としての整備の遅れが問
題となっている。一方で、標高 800m 以下の地域では松くい虫被害地が拡大しており、マツタケ発
生林分減少への対応が急がれている。ここでは、農林家の重要な所得源となっている林産物として
のマツタケを増産するため、新しいマツタケ発生林施業法の開発をするものである。本研究は、県
単課題(平成 17~21 年度)として実施した。
2
試験の方法
上伊那郡辰野町雨沢(標高 950m)、下伊那郡豊丘村神稲(標高 780m)、及び下伊那郡松川町生田(標
高 750m)に試験地を設け、林内気温(地上 10cm)、地温(地下 10cm)、降水量の観測を行い、マツタ
ケ子実体の発生量・発生位置を把握してマツタケの生理生態、豊凶因子、環境改善施業による増産
効果等について調査した。
(1)辰野町試験地(胞子散布試験・感染苗木植栽試験)
新鮮な子実体を 16 時間静置(11 箇所)し
て胞子散布によるシロ形成試験を行うとともに、アカマツ自然感染苗木4本の移植とその根圏への
胞子散布試験を行った。
(2)豊丘村試験地(ツガ苗木植栽試験・胞子懸濁液散布試験)
シロ前線 20cm 部へ 10 本のツガ幼
木を植栽(3箇所)してマツタケ菌感染試験を行った。対照区内で胞子懸濁液散布(6箇所)試験を行
った。
(3)松川町試験地(コメツガ苗木植栽試験・胞子散布試験)
シロ前線 20cm 部へ 25 本のコメツガ
幼木を植栽(6箇所)してマツタケ菌感染試験を行った。ツガ根圏へ子実体静置(3箇所)による胞子
散布試験を行った。
3
結果と考察
(1) 辰野町試験地
胞子散布箇所で、11 月に一部土壌を掘り起こし観察したがマツタケの菌根は
見られなかった。移植した自然感染苗木は、冬期に1本が枯死した。生存している3本の苗木根圏
を部分的に掘り取って観察したところ、マツタケ菌根は4年目で消滅していた。
試験地では、環境改善施業後 10 年目に新シロが誕生した。現在、施業後 29 年目で、試験区内に
3個、試験区周囲に4個のシロがあり、子実体発生量が増えている。今年は7個のうち3個のシロ
で 19 本のマツタケ発生が認められた(表-1参照)。
(2) 豊丘村試験地
植栽したツガは6か月間生存しているが、シロが進んできておらずマツタケ
菌に感染には至っていない。胞子懸濁液散布試験区で、マツタケの菌根形成は認められていない。
試験地内の子実体発生本数は施業区 191 本、対照区 13 本で、施業区が平年比の 100%、対照区
が 29%だった。収穫期間は 9/23~11/4 で中期集中発生型を示した。8/21~8/31 の降雨を伴った地
温低下と 9/1~9/8 の地温再上昇により、昨年のような豊作にはならなかったといえる(図-1)。
―
62 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
(3) 松川町試験地
植栽したコメツガ 25 本のうち3本が枯損した。生存している 22 本にマツタ
ケ菌の感染はまだ見られない。胞子散布によるマツタケ菌根形成は認められない。
試験地では、7個のシロから 59 本の子実体が確認され、平年比 193%だった。収穫期間は 9/29
~10/16 で中期集中発生型を示した。
(4)全県的気象とマツタケ生産量
平年と比べて、気温は 3、7 月が高く、6、8 月は低かった。降水量は、4、5、6、8 月が多く、7、
9、10 月は少なかった。県南部地域の一部では、ぶり返し残暑による地温再上昇が生じ平年作だっ
た。中部地域では地温推移と降雨の状況が良く豊作の地区が多かった。県下の生産量は 34.5 トン
となり、10 年間の平均値を上回った。
表-1
試験地
豊
丘
村
試験地のマツタケ発生経過
年度
シロ数
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
(個 )
8
8
8
8
8
8
8
8
8
8
平均
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
辰
野
町
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
対照区
本数
生重量
シロ数
(個 )
22
22
22
22
22
22
22
22
23
23
(本 )
52
104
55
46
89
40
6
17
26
13
(kg)
2
3.7
2.6
1.9
3.3
1.4
0.2
0.6
1.1
0.5
(g)
39
36
47
41
37
34
37
38
42
38
4 4.8
1.7
38 .9
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.05
0
0
0
45
-
1(3)
1(3)
1(3)
1(3)
1(3)
1(3)
1(3)
1(5)
1(5)
1(5)
45 .0
-
6
6
7
平均
0 .1
0.0
松
川
町
平均
注 ) ( )内 の 数 値 は 試 験 地 隣 接 部 の シ ロ 数 。
17
18
19
20
24
個重
施業区
本数 生重量
個重
備考
長野県生産量
(本 )
120
304
82
150
329
272
35
65
368
191
(kg)
4
12.3
4
6.8
13.5
9.7
1.5
2.6
14.6
7.9
(g)
34
40
49
45
41
36
42
40
40
42
(ton)
27.1
27.9
9.7
11.3
11.5
50.6
5.0
26.9
26.1
34.5
1 91.6
7.7
40 .9
23.1
15
8
6
15
3
30
9
13
1
19
0.46
0.27
0.11
0.30
0.12
0.89
0.22
0.32
0.07
0.56
30
34
18
20
41
30
24
25
66
29
11.9
0.3
31 .7
9
30
24
59
0.4
1.5
1.0
3.1
43
51
42
52
30.5
1.5
47 .0
(℃)
㪟㪅㪈㪐
22
㪟㪅㪉㪇
20
ೝỗ᷷ᐲ䊤䉟䊮
18
16
14
12
㪟㪅㪈㪐⊒↢ᦼ㑆
㪟㪅㪉㪇⊒↢ᦼ㑆
10
8.1.
9.1.
10.1.
࿑㧙㧝 ⼾ਐ᧛⹜㛎࿾ߩ࿾᷷ផ⒖
―
63 ―
11.7.
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
森 林空間の高度利用のための特用林産物生産・流通システムの開
発(1)− きのこ−
特産部
増野和彦・高木
茂
「わりばし種菌」による簡易接種法のナメコ栽培への適応性を検討するため、栽培試験を開始した。カラ
マツなど針葉樹を利用した栽培に適するクリタケの系統を作出するため、クリタケ野生株の栽培により子実
体を発生させ、子実体からの単胞子分離により、交配に用いる1核菌糸体を取得した。
キーワード:里山、簡易接種法、間伐材、クリタケ、ナメコ
1
はじめに
里山などの森林空間を、きのこや山菜などの特用林産物の生産の場として活用していくことは、
地域の活性化及び森林整備の推進にとって重要である。そこで、森林空間を利用した新たな特用
林産物の生産技術を開発するとともに、生産された特用林産物を流通・販売させるために、流通
調査を行い商品アイテムの提案を行う。なお、本研究は、平成 20~24 年度の県単課題である。
2
試験の方法
2.1
きのこ類の簡易栽培技術の開発
高度化事業「里山を活用したきのこの栽培及び増殖システムの開発」(平成 17~19 年度)にお
いて、「わりばし種菌」を用いたクリタケ簡易接種技術の開発を行い、長野県林業総合センター
研究報告第 23 号(2009)で報告した。この研究で設定した試験地の子実体発生状況を引き続き
調査するとともに、クリタケ以外のきのこに対して簡易接種技術の応用を図る。
クリタケ「わりばし種菌」による栽培試験(表-1)の子実体収量を継続調査した。ナメコ野生
株1系統を用いて「わりばし種菌」を作成し、2007 年 8 月 27 日にコナラ伐根に接種した佐久穂
町千代里試験地(標高 800m)において子実体の発生状況を調査した。同じ系統のナメコ「わり
ばし種菌」を、2008 年 11 月 11 日に栄村さかえ試験地(さかえ倶楽部スキー場内のブナ二次
林・標高 900m)において、ブナの除間伐木に接種し栽培試験に供した。
2.2
里山利用のきのこ新品目の開発
マイタケは菌床栽培が可能であるが、原木に種駒等を接種する普通原木栽培法では栽培できず、
現在は菌床栽培と普通原木栽培を融合した殺菌原木法を用いている。マイタケは、ナラ類の大木
の根際に子実体を発生する心材腐朽菌であり、根から菌糸体が心材に繁殖していると考えられる。
そこで林地の伐根(根株)の根元にマイタケ種菌を直接接種することによるマイタケ栽培の可能
性を検討した。2007 年 8 月 28 日にコナラ伐根の根元にマイタケ野生株1系統についてオガコ種
菌を塗り付けて接種した。試験地である佐久穂町千代里において子実体の発生状況を調査した。
2.3
きのこの増殖による森林空間の活性化技術の開発
カラマツなど針葉樹の切り捨て間伐木の腐朽促進と林内でのきのこ生産に関する技術開発と実
証試験を実施する。今年度は、クリタケ野生株の栽培により子実体を発生させ、子実体からの単
胞子分離を行い、交配に用いる1核菌糸体の取得を図った。
3
結果と考察
3.1
きのこ類の簡易栽培技術の開発
クリタケ「わりばし」種菌試験①(小規模実証):2008 年秋の収穫調査結果を加えた子実体収
量の経過を図-1 に示した。接種後、3 年 6 か月間で原木1本当たり 522g の収量が得られた。
―
64 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
クリタケ「わりばし」種菌試験②(栽培条件の検討):2008 年は子実体発生 3 年目に当たる。
原木の径、原木の長さ、接種までの原木伐採後の期間、落葉による被覆の有無の栽培条件による
収量は前年度までと同じ傾向を示した。原木の径は細い程、原木の長さは短い程、収量が多かっ
た。伐採直後の原木を用いた場合は収量が少なく、接種後に落葉で被覆した試験区では収量が多
かった。
クリタケ「わりばし」種菌試験③(大規模実証):2008 年は発生2年目になるが、収量は小規
模実証での結果と同じ増加傾向を示した。
クリタケ「わりばし」種菌試験④(伐根):2008 年秋の収穫調査結果を加えた収量の経過を
図-2 に示した。種菌を接種した 9 か所の伐根の内、前年度までに 7 か所の伐根で子実体の発生
が確認されている。新たに子実体の発生を確認した伐根はなかったが、全体の子実体収量は年々
増加している。
佐久穂町千代里試験地において、前年度にナメコ「わりばし種菌」を接種した伐根1か所から
2 株 35g の子実体発生が見られた。栄村さかえ試験地において接種したナメコ原木は今後経過を
観察する。
3.2
里山利用のきのこ新品目の開発
2007 年 8 月にマイタケを接種した佐久穂町千代里試験地を調査したが、2008 年の子実体発生
はなかった。今後も調査を継続する。
3.3
きのこの増殖による森林空間の活性化技術の開発
クリタケ野生株 18 系統を栽培に供して、9 系統から子実体が発生した。子実体からの単胞子
分離を信州大学と共同で行い、野生株 9 系統の1核菌糸体を取得した。今後、交配の素材として
カラマツ等針葉樹を利用した栽培に適する系統の作出に活用する。
表-1「わりばし種菌」による実証試験
試験名
試験概要
接種対象
原木等の形状
接種日
供試数
「わりばし」種菌試験①
小規模実証
原木
直径10㎝、長さ1m
2005.6.14
13本
長さ、直径各種
2005.11.28
全61本
クリタケ
C
佐久市平
直径10㎝、長さ1m 2006.3~2006.8 全615本
クリタケ
C
佐久市平
原木
大規模実証
原木
「わりばし」種菌試験④
伐根
伐根
ー
2005.6.14
500
2,500
400
2,000
260.4
300
200
100
収量(g)
収量(g/本)
「わりばし」種菌試験② 栽培条件の検討
「わりばし」種菌試験③
161.9
100.1
クリタケ 臼田A-1(23) 佐久市平
1,000
824
537
39
2005
2008年
試験地
1,500
0
2007年
年
菌株名
1,940
500
0
2006年
9か所
種名
クリタケ 臼田A-6(27) 佐久市平
2006
20007
2008
年
図-2 クリタケ「わりばし種菌」接種による収量
(伐根栽培・全伐根計・佐久市平試験地)
図-1 クリタケわりばし種菌接種による
収量(原木1本当り)
―
65 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
森林空間の高度利用のための特用林産物生産・流通システムの開発(2)
- 山菜 -
特産部
高木
茂・増野和彦
コシアブラを地上高1.0mで断幹した個体で2~3本の新梢発生を得た。イヌドウナの塊茎を分割して増殖し
たところ、得苗率は100%であった。またイヌドウナのさし木増殖で、半数で発根が見られた。農産物直売所
での販売状況調査では、山菜・キノコ類は需要が高いが、入荷量の安定確保が課題であった。
キーワード:コシアブラ、イヌドウナ、塊茎増殖、直売所
1
はじめに
里山など森林空間を活用したキノコや山菜などの栽培に関する関心が高まってきており、今後、
森林空間を特用林産物生産の場として活用していくことは、地域の活性化や森林整備の推進にとっ
ても重要な課題であると考えられる。また、特用林産物の流通販売先として直売所が利用されてき
ているが、直売所などでより有利に販売するための商品アイテムや販売形態の開発が必要である。
そこで、森林空間を利用した新たな特用林産物の生産技術を開発するとともに、生産された特用
林産物を流通・販売させるため、直売所等における流通システムの提案を行なう。
なお、本研究は県単研究課題(平成 20~24 年度)として実施したものである。
2
試験の方法
2.1
2.1.1
コシアブラ栽培試験
断幹高別新梢発生試験
高木となるコシアブラを、断幹して樹高 2~3m 以下で毎年の新梢発生が維持できれば、山菜とし
ての若芽収穫が容易になる。そこで断幹高の相違による新梢発生の状況やその継続性を検討するた
め試験を行った。平成 17,18 及び 20 年に異なる地上高(表-2 参照)で断幹した個体について、そ
れぞれ断幹翌年から、前年枝を側芽を 2~3 芽残して毎年春季に剪定した(図-1 参照)。これらにつ
いて平成 20 年の新梢発生本数を調査した。
2.2
2.2.1
イヌドウナ栽培試験
自生地土壌調査
北安曇郡小谷村にある北小谷県有林内の自生地 1 箇所において A 層土壌を 3 地点で採取し、風乾
土のpH と EC(電気伝導度)値を測定した。
2.2.2
塊茎増殖試験
平成 20 年 10 月上旬に北小谷県有林内の自生地で 6 個体を採取し、当センター構内のスギ林床に
仮植した。12 月中旬に塊茎を掘り出し、表-1 のとおり塊茎を分割して、山土あるいは鹿沼土を用
土とした 30ℓ の角形プランター内に深さ約 3cm で植えつけ、当センター構内のスギ林床で管理し
た。これらについて、翌春に発芽した塊茎数を調査した。
2.2.3
さし木増殖試験
平成 20 年 6 月下旬に北小谷県有林内の自生地で 4 個体を採取してさし穂を 16 本調整し、市販の
用土(鹿沼土 50%、バーミキュライト 50%)を、容積 10ℓ のプランターに入れてさし木を行った。さ
し穂として、葉を一枚付けた茎を長さ約 15cm に切り、茎下部を斜め切りし、発根促進剤(1-ナフチ
ルアセトアミド 0.4%)を塗布したのちさし木した。プランターは構内のアカマツ林床に置き、周囲
を農業用透明ビニル(0.1mm 厚)で覆い、さらにその上部を遮光ネット(遮光率 85%)で覆って、用
―
66 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
土表面が乾燥しないよう 9 月下旬まで適宜散水管理した。同年 8 月下旬に発根調査を行った。
2.3
農産物直売所での山菜・キノコ類販売状況調査
県下 11 箇所の農産物直売所において、経営形態、手数料や山菜・キノコ類の販売状況などにつ
いて聞き取り調査を行った。
3
結果と考察
3.1 コシアブラ栽培試験
3.1.1 断幹高別新梢発生試験
年度別断幹高別の平均新梢数を表-2 に示した。いずれも断幹高が高いものほど平均新梢発生数
が多かった。断幹高が高いほど新梢数が多くなるのは、断幹高が高くなるほど幹の側芽数が多いこ
とに起因した。
3.2
3.2.1
イヌドウナ栽培試験
自生地土壌調査
3 地点の平均pH は 3.88、平均 EC 値は 54μS/cm で、調査地はpH が非常に低いことがわかった。
次年度も他の自生地について調査を行う。
3.2.2
塊茎増殖試験
分割した塊茎すべてにおいて翌春に発芽が見られ(得苗率 100%)、分割した塊茎による増殖が可
能であることがわかった。写真-1 に塊茎からの発芽状況を示した。
3.2.3
さし木増殖試験
さし木を行った 16 本のさし穂のうち、8 月下旬の調査では 9 本で発根が見られ(発根率 56%)、さ
し木増殖が可能と考えられた。
3.3
農産物直売所での山菜・キノコ類販売状況調査
運営形態は、農協 3、農事組合法人 3、みなし法人
3、公社 1、その他法人 1 箇所であった。販売手数料
は 5~20%で、平均 15%。山菜・キノコ類については、
いずれの直売所も需要が高く、重要な販売品目であっ
た。入荷量の安定確保が課題であった。
表-1 増殖試験に用いた分割塊茎
分割塊
塊茎
分割
塊茎
茎重量 用土
重量
番号
番号
(g)
(g)
1
1
22.02 山土
2
18.97 山土
3
21.83 鹿沼土
2
56.96 1
19.94 鹿沼土
2
34.74 鹿沼土
3
39.87 1
12.9 山土
2
25.23 山土
4
23.46 1
11.26 鹿沼土
2
11.72 鹿沼土
5
29.86 1
11.92 山土
2
18.89 山土
6
33.3 1
13.67 鹿沼土
2
18.1 鹿沼土
*山土は北小谷県有林内自生地の
A層土壌を用いた。
表-2 コシアブラの年度別断幹高別平均新梢発生数
断幹年度 断幹高(m) 供試個体数 平均新梢数
0.1
5
1.0
H17
1.0
5
4.2
0.1
5
1.6
H18
1.0
5
4.0
0.1
6
1.7
H20
0.5
17
1.9
1.0
11
2.4
断幹に供したコシアブラ
70.76
平均樹高:290m
平均根元径:27mm
写真-1 イヌドウナ分割塊茎
の発芽状況
―
67 ―
図-1 断幹及び新梢剪定模式図
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
施 設転用による菌床シイタケの効率的栽培法の開発
特産部
竹内嘉江・高木茂・小坂信行
生産者施設と当所施設で比較栽培試験を行い、生産者施設での発生不良の原因が、発生室内照度、CO 2濃度、
落下害菌密度、培地含水率にあることが認められた。
キーワード:ビン栽培、害菌汚染、照度、CO 2濃度、培地含水率
1
はじめに
きのこ市場価格の低迷により、生産現場では他のビン栽培きのこから転換して菌床シイタケ栽培
を開始する件数が増えている。しかし、目標収量が得られない、奇形子実体が発生する、害菌汚染
が蔓延する等の事例が見られ、期待通りの経営が展開できないのが現状である。
ここでは、そのような原因となっている技術的な問題点を明らかにして、施設転用による菌床シ
イタケ栽培の安定化、効率化を進めるために試験を行う。なお本研究は、県単課題(平成 20~24 年
度)として実施した。
2
試験の方法
2.1
栽培環境調査
栽培環境を把握するため、北信地方のナメコ栽培を行っていた施設を利用した菌床シイタケ生産
施設と当所施設で、培養~収穫期間における室温・培地温度の推移、水分管理、光・ガス環境、害
菌密度の比較調査を行った。
2.2
発生比較試験
当所で作成した 1.4kg の袋培地 2 種類(A 培地組成は広葉樹オガコ:ナバチップ:フスマ:米ヌカ
=5:5:1:0.8(v/v)、B 培地組成は広葉樹オガコ:ナバチップ:フスマ:コーンヌカ=3:5:1:0.8(v/v)、
供試品種 H600)を、生産者施設と当所の 2 か所で培養して、その後各々の施設で散水管理をして発
生状況を比較した。
3
結果と考察
3.1
栽培環境調査
結果を表-1に示した。生産者の施設では、平均室内照度 330lux.(当所比 62%)で、照明の陰に
なっている棚部分では暗く発生にムラがみられた。CO2 濃度は 0.65%(当所比 163%)で室内空気循環
が良好でなく、落下害菌密度 247 個/100cm 2(当所比 35 倍)とトリコデルマ・ペニシリウム等の汚
染を受けている培地数が非常に多かった。廃棄前培地含水率は 58%(当所比 88%) と低く、発生収穫
中の水分管理が良くないことが明らかになった。総合的にみて発生室が適正環境にないことが確認
された。培養~収穫期間における室温・培地温度については、2か所で大きな差は認められなかっ
た。
表-1
項
栽培環境調査の結果(2008.6.27.調査)
目
生産者施設
室内照度(Lux.)
当
所
330
530
0.65
0.40
落下害菌密度(個/100cm )
247
7
廃棄前培地含水率(%)
58
66
発生室CO 2 濃度(%)
2
―
68 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
3.2
発生比較試験
結果を表-2,図-1に示した。生産者施設では、害菌汚染により収穫期間が 45 日間しかとれ
ず、当所では 5~7 か月収穫 (A 培地組成 208 日間、B 培地組成 146 日間) できたのと比べて、収穫
期間が著しく短かった。一般的にエノキタケ・ナメコ等のビン栽培きのこでは散水管理を行わない
が、菌床シイタケ栽培では露出した培地の水分保持と害菌繁殖防止のために頻繁に散水管理を行わ
なければならず、このような基本的管理方法が理解できていないことが害菌汚染拡大による収量低
下につながっているものと考えられた。
A 培地組成では発生個数が少なく個重が重くなる傾向がみられ、B 培地組成では発生個数が多く
個重が軽くなる傾向がみられた。B 培地組成ではトウモロコシ系栄養材を添加したが、これまでに
認められている一般的状況と同じで、フスマ・米ヌカを主体とした栄養材添加と比べると発生個数
が多くなり個重が軽くなった。
発生経過からみると、45 日までの発生初期にはほぼ同様の子実体発生状況を示したが、生産者
施設では害菌汚染により収穫期間を長くすることができないため途中で培地を廃棄せざるを得ない
状況にあり発生量は低い値になった。初期の発生状況に大差がないので、菌床シイタケ特有の散水
管理方法を習得して、発生室内の害菌密度を低くすることができれば収量は向上するものと考えら
れた。
表-2
発生比較試験の結果(1培地あたり平均値、n=50)
区 分
発 生 量
個数(個) 発生量(生g)
A組成
B組成
㪍㪇㪇
当所
生産者
当所
生産者
29.1
20.5
91.1
37.8
466
252
565
360
個重(g) 収穫期間(日間)
16.0
12.3
6.2
9.5
208
45
146
45
⊒↢㊂䋨↢㪾䋩
㪌㪇㪇
㪋㪇㪇
䌁ᒰᚲ
㪊㪇㪇
䌁↢↥⠪
䌂ᒰᚲ
㪉㪇㪇
䌂↢↥⠪
㪈㪇㪇
㪇
㪇
㪌㪇
㪈㪇㪇
㪈㪌㪇
࿑㧙㧝 ⊒↢Ყセ⹜㛎ߩ⊒↢⚻ㆊ
―
69 ―
㪉㪇㪇 䋨ᣣ㑆䋩
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
安全性の高い原木シイタケ栽培法に関する試験
特産部
竹内嘉江・高木茂・小坂信行
オガ種菌接種で、発泡スチロール栓、パラフィン栓、ダンボール紙栓を比較したが、1年目2回浸水処理の
発生状況では大きな差はみられなかった。
キーワード:有機きのこ栽培法、発泡スチロール、パラフィン、農薬、増収剤
1
はじめに
輸入シイタケの増加による市場価格低迷や生産者の高齢化等により、原木シイタケ栽培は生産量
が減少してきており、また輸入きのこから有害物質が検出される事例が多く見られるようになり、
安全で安定した栽培技術の確立が求められている。
ここでは、地域資源を活用した原木シイタケ栽培を推進するため、有機きのこ栽培法に基づく安
全性を明確にした差別化栽培法(発泡スチロール栓、パラフィン栓、農薬、増収剤を使用しない栽
培)について調査検討する。本研究は、県単課題(平成 20~24 年度)として実施した。
2
試験の方法
2.1
種菌栓の改善
現在生産現場でオガ種菌使用時に広く用いられている発泡スチロール栓、パラフィン栓の代替材
料として、石油化学製品でない蜜ロウ栓について調べるため、オガ種菌をコナラ原木に接種し試験
を開始した。試験内容は表-1のとおりである。
昨年予備試験として準備した、オガ種菌に発泡スチロール栓、パラフィン栓、ダンボール紙栓を
使用したコナラほだ木を夏期に2回浸水発生させてシイタケの発生状況を比較調査した。
2.2
農薬等を使用しない栽培法の検討
農薬取締法により原木シイタケ栽培に使用が許可されているベンレート水和剤(トリコデルマ菌
繁殖防止用)とゼンターリ顆粒水和剤(シイタケオオヒロズコガ被害防止用)、及び食品添加剤とし
て認められている原料(硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、燐酸カリウム)により作られている
増収剤(ほだ木浸水処理時用)を使用しない栽培法について調査するため、成型オガ種菌をコナラ原
木に接種し仮伏せ・本伏せ管理した。試験内容は表-2のとおりである。
3
結果と考察
3.1
種菌栓の改善
予備試験の結果を表-3に示した。子実体の発生個数、発生量、個重ともに3区間で有意差は認
められなかった。傘径4~6cm のM級及び6cm 以上のL級の個数割合は、発泡スチロール栓区で
67%、ダンボール紙栓区で 68%、パラフィン栓区で 92%となり、1年目ではパラフィン栓区で大
型子実体が発生する傾向が見られた。
―
70 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-1
種菌栓試験設計
区 分
(ほだ木1本当り平均値)
品種
孔深(cm) 孔数(個) 原木直径(cm) 供試数(本)
発泡スチロール栓 697,602オガ菌
2.5
30.8
8.7
30
パラフィン栓
697,602オガ菌
2.5
32.1
9.3
30
蜜ロウ栓
697,602オガ菌
2.5
31.1
8.8
30
注) 供試木は松本市岡田産の購入コナラ原木、L= 92cm、平均年輪数 14.3。 接
種日は 2009.2.16.、仮伏せ管理 2.16.~5.10.、林内本伏せ管理 5.11.~。
表-2
農薬等を使用しない栽培試験設計
(ほだ木 1 本当り平均値)
区 分
品種
孔深(cm) 孔数(個) 原木直径(cm) 供試数(本)
ベンレート使用区
697成型菌
2.5
30.7
8.6
30
ゼンターリ使用区
697成型菌
2.5
31.8
9.1
30
増収剤使用区
697成型菌
2.5
31.3
8.9
30
対照区
697成型菌
2.5
31.0
8.8
30
注) 供試木は松本市岡田産の購入コナラ原木、L= 92cm、平均年輪数 15.6。 接
種日は 2009.2.16.、仮伏せ管理 2009.2.16.~5.10.、林内本伏せ管理 5.11.~。ベン
レート施用 2009.5.11.、ゼンターリ施用 3.24.。
表-3
種菌栓の予備試験結果
区 分
発泡スチロール栓
ダンボール紙栓
パラフィン栓
原木直径 個数
(ほだ木 1 本当り平均値)
発生量
個重
個数割合(個%)
(cm)
(個)
(生g)
(生g)
S級
M級
L級
8.7
8.7
7.5
16.0
19.1
14.0
337
386
327
21.0
20.2
23.3
33
32
18
26
24
34
41
44
48
注)1年目の夏期2回浸水発生分、品種706、接種孔数は直径の3倍、孔深2.5cm、n=20。
―
71 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
関東・中部の中山間地域を活性化する特用林産物の生産技術の開発
特産部
増野和彦・高木
茂
ムラサキシメジについて落葉マウンド法を改変して、簡易施設内での増殖を組み合わせる方法及び2系統
を隣り合わせて埋設する方法、により子実体を発生させることができた。ヘリセノン類高含有を指標に前年
度までに一次選抜したヤマブシタケ交配株の二次選抜を行い、優良育種素材4系統を得た。
キーワード:野外栽培、林床活用、ムラサキシメジ、ヤマブシタケ、ヘリセノン類
1
はじめに
関東・中部地方は、大消費地へのきのこや山菜等の特用林産物供給産地であり、中山間地域の家
族労働を主体とする中小規模生産者がその中核を担ってきた。しかし、近年、大規模企業のきのこ
市場への参入等により、中小規模生産者の経営環境は極めて厳しい。そのため、消費地である首都
圏等を対象に、大規模生産体系では実現できない、中小規模生産者による多品目の特用林産物を長
期に渡って生産する技術を開発する。本研究は、農林水産省「先端技術を活用した農林水産研究高
度化事業」により、平成 18~22 年度まで(独)森林総合研究所を中核機関として、関東・中部地
域の 11 県及び静岡大学が共同して実施するものである。
2
試験の方法
2.1
自然活用型特用林産物生産技術の開発
(1)林床等野外を活用し、長期に渡り多品目を安定的に生産する技術の開発
殺菌原木法(マイタケ、ヤマブシタケ)と培養菌床埋設法(サケツバタケ、ムラサキシメジ、チ
ャナメツムタケ、キナメツムタケ、シロナメツムタケ)について栽培試験を行った。
ムラサキシメジ:培養菌床を直接、林床に置き、落葉を用いてマウンド様に高く被覆する「落葉
マウンド法」(玉田克志:公立林業試験研究機関研究成果選集 No.4(2007))に対して、培養菌床
を一旦、鹿沼土、バーク堆肥、落葉を用いてプランターに埋設してパイプハウス内で複合培養物を
作成した後に、林内で落葉マウンドを作成する方法(以下、「落葉マウンド改変法」と呼ぶ)を考
案し栽培試験を行った。また、異なる2系統による 2 員培養区を設けて、菌糸間の相互作用による
効果を検証した。
チャナメツムタケ、キナメツムタケ、シロナメツムタケ:培養菌床を作成し、パイプハウス内で
プランターに埋設して子実体の発生状況を調査して栽培の容易な系統の選抜を図った。
マイタケ、ヤマブシタケ、サケツバタケ:前年度に継続して子実体の発生状況を調査した。
里山を活用したきのこ栽培グループの収支状況を比較して、問題点の摘出と改善策の検討を行っ
た。
(2)安全・安心な害虫防除技術の開発
林床等の野外でのきのこ栽培では、ナメクジ等の害虫が多く発生するため、野外における病害虫
発生状況調査を行った。
2.2
特用林産物の高付加価値化技術の開発
機能性成分の増強による特用林産物の高付加価値化技術を開発するため、ヤマブシタケ栽培条件
がヘリセノン類の含有量に及ぼす影響の解析と優良素材の選抜を図る。
今年度は、平成 19 年度に一次選抜した交配株について、ヘリセノン類含有量と収量を基準とし
て優良素材の二次選抜を行った。なお、ヘリセノン類の定量及び分析は静岡大学農学部が担当した。
栽培条件はヘリセノン類含有量評価のための標準栽培法(平成 18 年度業務報告 p78)によった。
―
72 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
3
結果と考察
3.1
自然活用型特用林産物生産技術の開発
(1)林床等野外を活用し、長期に渡り多品目を安定的に生産する技術の開発
ムラサキシメジ:子実体の発生状況を写真-1 に示した。2008 年 6 月 16 日に林内(林業総合セン
ター内アカマツ・コナラ混交林)で複合培養物を落葉マウンドした。2008 年 10 月 17 日から 12 月
10 日まで子実体が発生し、落葉マウンド改変法によりムラサキシメジを栽培することができた。
落葉マウンド法に対する改変法のメリットは、培養菌床の作成が適期を逃してもパイプハウス等で
時期調整が可能なことと、鹿沼土・バーク堆肥・落葉と菌床が一体となった大きな培養物を作成で
きることにある。また、2 員培養区の収穫時期が単独培養区に対して 3 日~5 日間早まるとともに
早期に集中発生した。
チャナメツムタケ、キナメツムタケ、シロナメツムタケ:2008 年 7 月 31 日から 2008 年 12 月 16
日まで 20℃で培養した後、鹿沼土、バーク堆肥、落葉を用いてプランターに埋設し、一日おきに
散水しながら、5℃以下にはならないよう暖房を設定したパイプハウス内で子実体の発生を図った。
なお、現在までに収穫は得られておらず、継続して調査中である。
マイタケ:塩尻市及び大町市において収穫時期を中心に調査を行った。両試験地とも収量の多い
時期は 9 月下旬から 10 月上旬であった。
ヤマブシタケ:2006 年 12 月埋設分については 2008 年の子実体の発生はなく、2007 年の春及び
秋の 2 回で発生が終了した。2007 年 9 月埋設分については、2007 年秋に続いて、2008 年の春及び
秋にも発生があった。
サケツバタケ:2007 年にパイプハウス内において、培養菌床を鹿沼土によりプランターに埋設
することによって子実体の発生に成功した。2008 年も継続して調査したが子実体発生はなかった。
坂城町及び松本市の里山を活用した2つのきのこ栽培グループの活動と連携して、必要経費を把
握しながら収穫調査を行い、今年度の収支計算を行った。会としての活動における労務に費用をど
こまで支払うかが、会としての収支のバランスを決定する重要なポイントになっていることを昨年
度に続き確認した。
(2)安全・安心な害虫防除技術の開発
長野県における野外きのこ栽培における病害虫発生状況の情報を、1 品目について 1 例収集した。
3.2
特用林産物の高付加価値化技術の開発
1 次選抜したヤマブシタケ交配株のヘリセノン類高含有の優良育種素材について、栽培試験とヘ
リセノン類含有量調査を行い、2 次選抜を行った。その結果、ヘリセノン含有量と収量から他殖系
3 系統、自殖系 1 系統の計 4 系統を選抜した(写真-2)。
写真-2
写真-1 落葉マウンド改変法によるムラサキシメジの発生
(長野県林業総合センター試験地・塩尻市)
―
73 ―
2 次選抜したヘリセノン類高含有株
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
ク リタケ菌床栽培技術の効率化
特産部
増野和彦・高木
茂
空調施設におけるクリタケ菌床栽培の効率化を図るため、発生処理後に林内の地温変化を模倣した変温発
生管理を行ったところ、収穫所要日数の短縮効果があることが示された。
キーワード:クリタケ、菌床栽培、変温管理
1
はじめに
クリタケ菌床栽培技術については、林業総合センターにおいて栽培適性を有する品種を選抜して、
簡易施設を用いた粗放的な栽培方法では実用性を確認している。しかし、長野県内において普及し
ている空調施設栽培方式での実用化には、さらに効率を高める必要がある。そこで、クリタケ菌床
栽培における期間の短縮化と収量性向上のための技術開発を行う。なお、本研究は平成 20~21 年
度に(社)長野県農村工業研究所と共同で実施するものである。
2
試験の方法
発生温度管理による効率化の検討
林内における原木栽培で発生期間が集中することを確認したクリタケの菌株を用いて、空調施設
による菌床栽培を行っても発生が集中しないが、同一の菌株を用いた培養菌床を林内に埋設する栽
培試験を行ったところ、発生時期が集中した。この結果から、菌床栽培において発生時期を集中さ
せるためには、温度、湿度等の林内環境の模倣が重要であることが考えられた(増野他 2006 日本
木材学会大会講演要旨集)。そこで今年度は、林内における地温変化をシュミレートした発生処理
後の変温管理が、原基の形成を促進し、子実体収穫所要日数を短縮する効果があるか検討した。菌
床栽培用として選抜された野生株を用いて袋栽培を行い、培養後発生処理をしてから 25 日間変温
管理した試験区と 15℃で一定に管理した試験区について、子実体収穫所要日数と収量を比較した。
栽培条件を表-1 に示した。また、林内の地温推移とこれを模倣して設定した発生処理後の温度条
件を図-1 及び図-2 にそれぞれ示した。
3
結果と考察
発生温度管理による効率化の検討
発生処理後 73 日間までに、供試した 5 系統中 4 系統で子実体が発生した。
子実体の発生した 4 系統中 3 系統で、変温管理区が、発生処理後の子実体収穫所要日数が 7 日〜
19 日間短くなった。収量は、系統により変温管理区が多い場合と定温区が多い場合に結果が分か
れた。収穫所要日数が短くなった系統が多数あったことから、自然の温度推移をシュミレートした
温度管理法に栽培期間短縮効果があると考えられた。次年度は、変温パターンを変化させて、さら
に短縮効果のある温度管理法を検索する。
表-1 クリタケ変温管理試験の栽培条件
項 目
内 容
供試菌株
No.1538、No.2107、No.2421、No.2424、菌床クリタケ(C)
培地組成
ブナオガコ:ホミニフィード:マメカワ=10:1:1(容積比)、含水率65%
栽培容器
600g詰めポリプロピレン製袋
培養条件
20℃4か月間
発生条件
発生処理(袋上面切開)後、2つの発生室(15℃定温、変温管理)、湿度90%以上
供試数
1試験区5~7袋
―
74 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
25
2007
2006
温度(℃)
20
15
10
5
11/10
11/3
10/27
10/20
10/13
10/6
9/29
9/22
9/15
9/8
9/1
0
日付
図-1 子実体発生期の日平均地温の推移
(塩尻市アカマツ・コナラ混交林)
25
温度(℃)
変温管理
定温
20
15
10
5
0
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 26 17 18 19 20 21 22 23 24 25
発生処理後日数
図-2 クリタケ変温発生管理試験の設定温度
表-2 クリタケ変温管理試験の結果(発生処理後73日間) 発生
供試菌
菌床
床数
数
発生処理
後の収穫
所要日数
平均茎数(本)
平均収量(g)
菌株№
栽培条件
1538
15℃定温
5
0
変温管理
6
2
43
1.7
5.0
46.8
140.5
15℃定温
6
2
62
5.2
15.5
31.0
93.0
変温管理
7
6
43
18.3
21.3
92.4
107.8
15℃定温
5
5
59
47.2
47.2
136.4
136.4
変温管理
6
5
48
15℃定温
5
0
-
-
-
-
-
変温管理
6
0
-
-
-
-
-
15℃定温
5
3
62
2.2
3.7
37.2
62.0
変温管理
5
1
69
0.6
3.0
19.2
96.0
2107
2421
2424
菌床クリタケ
(C)
-
―
75 ―
全菌床
平均
-
16.0
発生菌床
平均
-
19.2
全菌床
平均
-
69.3
発生菌床
平均
-
83.2
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
マ ツタケの養分獲得に関する生物間相互作用の解明
―マツタケのシロ形成における窒素固定機能の評価―
特産部
竹内嘉江、増野和彦
マツタケのシロ付近土壌の窒素固定活性が、20℃,24時間のアセチレン還元法で測定可能であることが分
かった。広葉樹立木密度の低いマツタケ山試験区では、マツタケ菌と競合するチチタケ属・セノコッカム属
等の外生菌根菌の生息密度が低いことが分かった。
キーワード:マツタケ、シロ、窒素固定活性、pH、外生菌根菌
1
はじめに
マツタケは、アカマツの根に感染して樹木の光合成産物を獲得し、土壌中に同心円状菌糸塊のシ
ロを発達させて子実体を発生させる菌根菌で、人工的に発生させるためにはマツタケ菌を感染させ
たアカマツ苗木を林地へ植栽しシロを発達させることが一方法であると考えられている。しかし、
これまでシロ発達に成功した例はなく、その原因としては導入したマツタケ菌が土着の微生物群集
と競合すると考えられており、マツタケ菌の感染からシロ発達、子実体形成に至るメカニズム等の
解明が必要である。シロの成長に必要な窒素は、土壌中有機物とシロ周辺の窒素固定細菌を含む微
生物群集から得ているため、ここではシロ成長と窒素循環に関わる微生物の働きを調査し、シロ成
長メカニズムの解明、子実体形成促進技術開発を進める。なお本試験は、森林総合研究所(森林微
生物研究領域)の交付金プロジェクト委託研究(平成 20~22 年)として実施した。
2 試験の方法
2.1 窒素固定活性測定条件の検討
豊丘村試験地でマツタケのシロ分布と成長特性を調査し、マツタケのシロ活性帯の内側及び外
側 30cm 部で A~B 層土壌 200ml を 9,10,11 月に 3 回採取し、アセチレン還元測定法で生成エチレン
量をガスクロマトグラフィーにより測定し、窒素固定活性を間接法により求めた。分析は、森林総
合研究所が行った。
シロ付近土壌では根粒や落葉に比べて窒素固定活性が低いことが予想され、根粒菌を対象とし
た一般的測定方法を改良する必要があるため、サンプルサイズや温度、反応時間が活性量へ及ぼす
影響を調べ、マツタケ発生地土壌を試料とした場合の窒素固定活性測定条件を検討した。
2.2 外生菌根菌調査
マツタケ山として環境改善施業され 29 年間管理されている豊丘村試験地の施業区と放置対照区
で、土壌中の微生物環境を把握するため、マツタケのシロ活性帯の外側 30cm 部で A~B 層土壌
100ml を採取し、その中に含まれるマツタケ以外の菌根チップ数、菌根チップ乾燥重量、直径 2mm
以下のアカマツ細根乾燥重量を測定した。
3
結果と考察
3.1 窒素固定活性測定条件の検討
根粒や落葉の場合よりも多量の試料を用いて、野外条件に近い 20℃で、24 時間のアセチレン還
元測定法によりマツタケのシロ付近の土壌活性が測定可能であると分かったので、これを本試験の
測定条件とした。
この条件により得られた測定結果を表-1に示した。窒素固定活性及び pH は、マツタケ菌糸活
性帯のシロ部で低い値を示した。全窒素量はサイト NO.7 でシロ部の値が低くなり、サイト NO.5,9
と傾向が異なったが、この原因は NO.7 のシロが不整円だったことにあると推測された。
―
76 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-1 シロにおける窒素環境測定結果 (豊丘試験地、2008年11月13日採取)
サイトNO.
5
7
9
3.2
測定項目
シロ外側
シロ部
シロ内部
窒素固定活性 (C2H4 nmoles/日/g乾重)
pH(H2O)
全窒素 (mgN/g 乾重)
窒素固定活性 (C2H4 nmoles/日/g乾重)
pH(H2O)
全窒素 (mgN/g 乾重)
窒素固定活性 (C2H4 nmoles/日/g乾重)
pH(H2O)
全窒素 (mgN/g 乾重)
0.29
4.79
0.68
0.38
5.36
0.83
0.18
5.06
0.93
0.06
4.75
0.84
0.04
4.55
0.41
0.09
4.57
1.03
0.15
4.90
0.27
0.42
4.92
1.37
0.17
5.08
0.48
外生菌根菌調査
結果を図-1に示した。ソヨゴ、コナラ、サクラ、ネジキ等の広葉樹が少ない施業区内では、対
照区と比較してマツタケ以外の外生菌根菌の生息密度が低かった。昭和 55 年からアカマツ以外の
樹木を除間伐して環境管理している施業区内では、マツタケ菌と競合する外生菌根菌が少ないと考
えられた。サンプル土壌中の菌根は、形態から判断するとチチタケ属、セノコッカム属、キツネタ
ケ属のきのこが多かった。
アカマツ細根密度は両区とも同程度だった。これは、両区のアカマツ立木密度が 1,300 本/ha、
平均樹高 21m、平均 DBH 25cm で差がないためと考えられた。
500
豊丘村試験地
(100ml, n=12)
400
300
200
100
0
菌根チップ数(個)
菌根乾重(×10mg)
アカマツ細根乾重(mg)
菌根チップ数(個)
対照区
図-1
菌根乾重(×10mg)
アカマツ細根乾重(mg)
施業区
外生菌根菌とアカマツ細根の状態(2008 年 7 月 1 日採取)
―
77 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
マ ツタケの養分獲得に関する生物間相互作用の解明
− ミニライゾトロン(根カメラ)によるシロ成長過程の観察−
特産部
増野和彦・竹内嘉江
CCDカメラを搭載した「ミニライゾトロン」(根カメラ)を用いて、アカマツ林土壌中の外生
菌根及びマツタケのシロ動態を経時的に撮影し、菌根相の消長を観察した。
キーワード:外生菌根、マツタケ、根カメラ
1
はじめに
長野県においてマツタケは地域の重要な産物であり、人工栽培技術の確立に対する期待は大きい。
しかしながら、菌根菌であるマツタケの生理・生態については未解明な点が多く、人工栽培技術の
開発は十分に進んでいない。本研究では、感染苗木による人工栽培技術の開発を目標として、マツ
タケのシロにおけるマツタケ外生菌根の消長を観察してシロ形成メカニズムの解明を図る。なお、
(独)森林総合研究所交付金プロジェクトとして平成 20~22 年度に、広島大学総合科学大学院及
び信州大学農学部と協力して実施するものである。
2
試験の方法
CCD カメラを搭載し、アカマツ林土壌中の外生菌根及びマツタケのシロなどの動態を直接的に撮
影できるミニライゾトロン(写真-1、通称「根カメラ」)による観察を試みた。
2005 年 5 月 31 日に長野県佐久市のアカマツ林において、透明アクリル管(φ=6cm、L=80cm)を
2 本埋設した(No.1、No.2)。埋設は、過去のマツタケ子実体発生の記録をもとにシロ先端部付近
を推測し、林床に対してほぼ水平に土壌深約 20cm にアクリル管を設置した(写真-2)。2006 年 5
月 1 日より、毎年 2〜4 回アクリル管に沿ってミニライゾトロンにより 1cm ずつビデオ撮影した。
撮影に当っては、アクリル管ごとに、土壌面を基準として 90 度計 4 列あるいは 45 度計 8 列の画像
を取得し、さらに,外生菌根や菌糸束などについて倍率を上げて撮影を行った。低倍率で取得した
ビデオ画像はコンピューターに取り込み、Photoshop を用いて合成した。アクリル管の設置状況及
び撮影方法を模式図に示した(図)。
2008 年は、10 月 2 日と 11 月 22 日の 2 回観察を行った。また、試験地の環境調査として、気温
及び地中 10 ㎝における地温調査を行った。
3
結果と考察
2008 年のビデオ画像を静止画像に変換して、2005 年よりの過去の画像と比較したところ、土壌
中に発達した白色の菌糸の束,菌糸塊,及び外生菌糸を伴う外生菌根が観察された。また、菌糸体
が増加及び減少している箇所、菌根の変色の状況、同一箇所における菌根相の消長を画像として観
察、保存した(写真-3、4)。
写真-1
ミニライゾトロン
(根カメラ)
照明
―
78 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
写真-2
ミニラゾトロン撮影用
アクリル管設置状況
20cm
上
右
左
下
図
ミニラゾトロンによる撮影方法
右下はアクリル管の横断面から見た撮影方向の区分(8 列)
写真-3
外生菌根の消長(同一箇所、No.2)
左:2007 年 12 月 10 日
右:2008 年 10 月 2 日
左円内には菌根が多数見られるが、
右円内の菌根は僅かになっている。
L=60 ㎝
写真-4 外生菌根の消長(No.2左)
上:2007 年 12 月 10 日、下:2008 年 10 月 2 日
枠で囲った範囲の菌糸の束の濃さに、上下で差が見られた
―
79 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
マツタケ・イグチ等有用菌根菌の現地適応化調査試験
特産部
竹内嘉江・小坂信行・高木茂・増野和彦
平成20年のマツタケ発生状況は、上田市試験地で不作、松川町・塩尻市試験地で豊作となった。塩尻市試
験地で地温再上昇防止試験を実施し、地温変化を緩慢にする効果が認められた。ハナイグチ試験地では、胞
子散布区で子実体発生が多かった。
キーワード:マツタケ、シロ、ツガ、胞子散布、ハナイグチ
1
はじめに
長野県のマツタケ山施業に関する技術については、「つくるマツタケへ(まつたけ増産のてびき
改訂Ⅲ版)」として基本事項を示しているが、県下主要産地に試験地を設けて、各地域で継続的デ
ータ収集を行うとともに普及啓発の拠点として活用を図る。また、イグチ科の菌根菌についても林
地で増産・栽培化を実証する。本研究は、長野県特用林産振興会との共同研究(平成 17~21 年度)
として実施した。
2
試験の方法
(1)上田市試験地
マツタケ子実体発生調査を行い、試験地中央部のシロ先端部で、林内気温(地
上 10cm)と地温(地下 10cm)の変化について気象観測を行った。また、重なって消滅しかかっている
シロの前線へツガ幼木を植栽し菌根感染試験を実施した。
(2)塩尻市試験地
マツタケ子実体発生調査、シロ位置の調査、林内気温と地温の気象観測を行
った。また、直径 3.8m の円形シロで寒冷紗を利用した地温再上昇防止試験、シロ前線 20cm 部への
10 本のツガ幼木植栽試験、7箇所に子実体静置による胞子散布試験を行った。
(3)松川町試験地
マツタケ子実体発生調査を 14 個のシロについて行い、発生位置を記
録した。試験地中央部で林内気温と地温の変化について気象観測を行った。
(4)諏訪市試験地
ハナイグチ試験地で、林内整備をして胞子散布効果を測定する4試験区
(表-2)を設定し調査した。
3
結果と考察
(1)上田市試験地
子実体は発生せず不作であった(表-1)。試験地は高齢林で下り山状態にあ
ることに加えて、マツノザイセンチュウ被害によりアカマツの枯死が進行している。
(2)塩尻市試験地
収穫期間は 9/1~10/25 で、子実体発生本数は平均値の 168%となった。
地温再上昇防止試験:シロ外部林地との地温差が最大 1.2℃あり日較差が小さくなり、地温変化
を緩慢にすることが認められ(図-1)、このシロの子実体発生本数は昨年1本であったのに対して、
今年は 31 本となり効果が現れたものと考えられた。
ツガ幼木植栽試験:シロがツガ根圏にまだ達していない。
胞子散布試験:今年はアカマツ細根部に菌根を確認できない。
(3)松川町試験地
収穫期間は 9/27~10/20 で、子実体発生本数は平均値の 187%となり3年連
続の豊作となった。
(4)諏訪市試験地
ハナイグチの収穫期間は 9/5~10/26 で、胞子を散布したB,C区で多く発生
したが豊作とはいえなかった(表-2)。
―
80 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-1
各試験地のマツタケ発生経過
区 分 月 ・旬
年度
13
14
上 15
16
17
田 18
19
20
平 均
13
14
松 15
16
17
川 18
19
20
平 均
塩 18
19
尻 20
平 均
9月
上 中 下
5
10月
上 中 下
2
2
9
5
2
5
11
33
2
1
11
12
2
1
4
12
5
47
16
4
56
8
28
94
表-2
3
30
55
42
6
52
19
60
71
23
2
146
45
2
56
83
24
22
11月
合計
発生シロ数
上 中 本 数 生 重 (k g / 現 存 シ ロ 数
9
0 .5
3/6
14
0 .8
3/6
7
0 .3
3/6
56
5 .4
4/6
3
0 .2
1/6
25
1 .1
3/6
5
0 .1
2/6
0
0
0/6
1 4 .9
1 .1
5
1
9
0 .6
5/13
4
86
3 .5
9/13
9
80
1 .7
11/13
23
69
2 .3
9/14
12
2
14
0 .7
5/14
2
1
78
3 .1
11/14
27
87
2 .8
11/14
129
5 .0
12/14
6 9 .0
2 .5
56
16
231
9 .5
29/40
15
1
44
1 .8
6/40
2
348
1 4 .1
35/40
2 0 7 .7
8 .5
ハナイグチ試験地の概要
区 分
整備内容
H.20子実体発生数(本)
A
広葉樹・草本除伐区
0
B
間伐+胞子散布区
13
C
間伐+2倍量胞子散布区
19
D
放置対照区
2
注) 諏訪市後山 H.1,200m、林齢28年生のカラマツ林に15×15mの4区を設
置。収穫時期は、9/5~10/26。
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―
81 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
新規培地素材を使用したきのこ栽培条件の確立に関する研究
特産部
増野和彦・高木
茂
チーズ製造過程で発生する「チーズホエイ」のきのこ栽培での利用方法を検討した。ナメコ菌床栽培の微
量添加材として利用するため、無添加区を対照として、培地重量に対して0.01%、0.1%、1%の濃度になる
ように、それぞれチーズホエイ水溶液を添加した培地を調製して栽培試験を行った。1%添加区が無添加区と
同等の収量を示したが、0.01%及び0.1%添加区は、収穫所要日数、収量とも無添加区より劣っており、ナメ
コ菌床栽培試験におけるチーズホエイ添加の効果を見いだすことができなかった。
キーワード:チーズホエイ、きのこ栽培、ナメコ、廃棄物利用
1
はじめに
チーズ製造過程で大量に発生する廃棄物であるチーズホエイに関して、きのこ栽培への利用方法
を検討する。チーズホエイ添加と菌糸体生育の関係を明らかにし、添加効果が期待されるきのこ種
を選抜する。また、子実体栽培試験を実施し、チーズホエイのきのこ栽培における有効利用技術を
開発する。本研究は、信州大学農学部との共同研究(平成 19~21)である。
2
試験の方法
昨年度の菌床栽培試験では、エノキタケ、ブナシメジ、マイタケ、ナメコ、ヌメリスギタケにつ
いて、フスマなどの栄養材の代替品としてチーズホエイが利用できるか検討した。しかし、いずれ
の品目とも、フスマと比較して菌糸伸長が極めて遅く、チーズホエイをフスマなどの栄養材と全量
を代替することは困難であった。そこで今年度は、より低濃度添加における利用の可能性を検討し
た。
信州大学農学部で、チーズホエイ水溶液を添加したオガコ培地による菌糸体生育試験を、エノキ
タケ、ブナシメジ、マイタケ、ナメコ、ヌメリスギタケ、シイタケ、ヒラタケについて実施し、菌
糸体の生育がチーズホエイの微量添加により向上する品目と条件を検索した。その結果、ナメコの
0.05%及び 0.1%添加区とエノキタケの 0.01%添加区で菌糸体生育が良好であった。
このため、林業総合センターでは、ナメコについて菌床栽培試験を行い、子実体生産における添
加効果を検討した。栽培条件は、表-1 に示したとおりである。
3
結果と考察
チーズホエイを添加したナメコ菌床栽培試験の結果を表-2 及び図に示した。1%添加区は、収穫
所要日数、収量性とも無添加区と同等の結果を示した。しかし、信州大学における菌糸体生育試験
では、無添加区より菌糸体生育が優れていた 0.1%添加区が、栽培試験では、収穫所要日数が長く
なり収量も減少した。このため、ナメコ菌床栽培試験におけるチーズホエイ添加の効果を見いだす
ことができなかった。
なお、今回の検討では、供試品種は 1 系統、培養期間も 70 日間のみであったため、今後は複数
の品種について培養日数を変化させ、チーズホエイ利用の可能性をさらに検索する。
―
82 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-1 チーズホエイ添加ナメコ菌床栽培条件
項 目
菌株
条 件
キノックス N008
容器
800mlナメコ用広口ビン
基本培地
ブナオガコ:ホミニフィード:マメカワ=10:1:1(容積比)、含水率65%
チーズホエイ添加
培地重量に対して0.01%、0.1%、1%になるよう水溶液にして添加、無添加区を対照
培養
20℃、70日間
発生
菌掻き後、15℃、湿度90%以上
収穫調査
2㎝の足切り収穫後の生重量、発生処理後45日間
供試数
1試験区20本
表-2 チーズホエイを添加したナメコ栽培試験結果
一番収穫
添加濃度
0%
0.01%
二番収穫
個数
収量
(本/ビン) (g/ビン)
個数
(本/ビン)
収量
(g/ビン)
77.5
41.2
123.6
82.5
24.4
32.5
44.4
66.5
合計
個数
収量
(本/ビン) (g/ビン)
収穫所要日数
(日/ビン)
101.9
73.7
168.0
149.0
19.1
21.6
0.1%
45.4
79.3
22.1
45.9
67.5
125.2
21.8
1%
82.8
110.8
26.2
45.1
109.0
155.9
19.0
収量(g/ビン)
200
150
100
50
0
0%
0.01%
0.1%
添加濃度
1%
図 チーズホエイを添加したナメコ栽培
平均値±標準偏差
―
83 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
長野県におけるマツタケ優良菌株選抜、マツタケ山管理施業、
マツタケのシロ増殖に関する研究
特産部
竹内嘉江・小坂信行
環境改善施業をしていない放置対照区内では、マツタケ以外の外生菌根菌の密度が環境改善施業区の3.4
倍であった。マツタケ保存菌株の核相観察を行ったところ、1核菌糸体はなくほとんどは2核菌糸体である
ことがわった。自然形成のマツタケのシロ移植試験を行ったが、15か月目に菌根は消滅していた。
キーワード:優良菌株、シロ、胞子、外生菌根菌、アカマツ細根
1
はじめに
マツタケ人工栽培技術の開発研究を推進するために、マツタケ菌根の生理生態調査、マツタケ菌
株の収集と選抜、人工的菌根合成試験、及びマツタケの人工的シロ増殖試験を行う。
本試験は、信州大学農学部(応用生命科学科菌根菌研究室山田明義准教授)との共同研究(平成 19
~23 年)として実施する。菌株の保存・分析・選抜と人工的菌根合成試験は信州大学が行う。
2
試験の方法
(1) マツタケ山管理施業がアカマツ菌根に及ぼす影響調査
豊丘村試験地の環境改善施業区(1980 年から広葉樹と枯損木除伐、A 0 層除去を繰り返した区)
と放置対照区の各 0.25ha 内で、シロ外側 30cm 部A~B層土壌内のマツタケ以外の外生菌根菌と、
直径2mm 以下のアカマツ細根について調査した。また、シロ内部の広葉樹細根とマツタケ菌糸と
の関係について調査した。
(2) 県内産マツタケ菌株の収集と選抜
上田市別所(標高 760m)、諏訪市後山(標高 1,270m)、塩尻市洗馬(標高 870m)、辰野町雨沢(標高
950m)、松川町生田(標高 750m)、ならびに豊丘村神稲(標高 780m)の各試験地で採取したマツタケ子
実体と、伊那市、駒ヶ根市、中川村、木曽町開田等他の県内産マツタケ子実体から多胞子分離、組
織分離により 154 菌株を保存した。シイタケ等では1核菌糸体が分離されており、それをもとに交
配や分類が進んでいる。これまでマツタケに1核菌糸体は認められていないが、ここでは DAPI 蛍
光染色法で細胞核内の DNA を発光させて保存菌株の核相を調べた。
(3) マツタケの人工的シロ増殖試験
塩尻市試験地の 29 年生アカマツ林分で、他のマツタケ山で自然形成されたシロの一部をヤマツ
ツジ、オトコヨウゾメ、マルバアオダモの広葉樹根圏を保持材として移植する試験を7箇所で行い、
マツタケ菌糸体成長について調査した。
3
結果と考察
(1) マツタケ山管理施業がアカマツ菌根に及ぼす影響調査
放置対照区内におけるマツタケ以外の外生菌根菌チップ(菌鞘端)数は、施業区の 3.4 倍となって
おり、マツタケ菌と競合するチチタケ属、セノコッカム属、無胞子不完全菌目等の外生菌根菌の生
息密度が高くなっていた(表-1)。アカマツ細根乾重は2区間で有意差は認められなかった。こ
れは、2区ともにアカマツ立木密度が約 1,300 本/ha であるためと考えられた。
また、シロ内部に進入しているソヨゴ・トウゴクミツバツツジ・ヤマツツジ・コナラの細根を調
―
84 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
べたところ、ハルティヒネットを形成しているマツタケ菌根は認められなかったが、それぞれの細
根表面にマツタケ菌糸が付着繁殖していた(写真-1,2)。
(2) 県内産マツタケ菌株の収集と選抜
多胞子分離により得られた76保存菌株の核相を観察したところ、ほとんどの株は2核菌糸体と判
断された(写真-3)。一部の菌株では核相を明確に判定できなかったが、確実に1核と判断でき
る菌株はなかった。なお、これら菌株間でコロニーの性状に顕著な差異は見られなかった。
(3) マツタケの人工的シロ増殖試験
広葉樹は全て生存しているが、シロ移植後 15 か月目に広葉樹根圏のマツタケ菌糸体は消滅して
いた。今後、周囲のアカマツ根圏への菌根感染状況について調査する。
表-1
外生菌根菌とアカマツ細根の調査結果
区 分
対照区
施業区
平均
標準偏差
平均
標準偏差
外生菌根チップ数(個)
菌根乾重(mg)
アカマツ細根乾重(mg)
212.2
136.8
61.7
50.2
15.8
17.6
1.8
1.5
52.8
25.1
51.3
38.3
注) 2008.8.12.豊丘村試験地で 100ml土壌採取、n=6。
写真-1
写真-2
トウゴクミツバツツジ細根表面のマツタケ菌糸
写真-3
マツタケ菌根のチップ
DAPI 蛍光染色法による核相観察(2核菌糸体)
―
85 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
里山を利用し殺菌原木を使用したきのこ生産技術の確立
特産部
増野和彦・高木
茂
里山を活用したきのこ栽培技術実証のため、中野市及び山ノ内町に4試験地を設置してマイタケ殺菌原木
栽培、ナメコ及びクリタケの原木栽培を行った。遊休農地を活用した試験地を中心に、ナメコ、マイタケを
収穫することができた。
キーワード:里山、観光農林業、マイタケ、ナメコ、クリタケ
1
はじめに
JA 中野市管内は空調施設を利用した有数のきのこ産地であるが、近年の供給過剰等により単価
が下落し生産構造の転換が必要になっている。こうした状況下で自然味に溢れたきのこ生産と里山
を利用した観光農林業の発展を模索するため、きのこの殺菌原木栽培法を中心に、里山を活用した
きのこ栽培技術の現地適応性を検討する。本研究は JA 中野市との共同研究(平成 19~21)として
実施する。
2
試験の方法
里山におけるきのこ栽培技術実証のため、中野市草間、同市大俣、同市柳沢、山ノ内町志賀の4
ヶ所に栽培試験地を設定した。各試験地における概要は、表のとおりである。なお、ナメコ、クリ
タケについては、2006 年に佐久市で種菌を接種し、仮伏せを終了した原木を試験地に埋設した。
3
結果と考察
草間試験地
遊休農地に前年度埋設した原木ナメコの試験箇所では、牧草を栽培して日陰と保湿を図った。子
実体の発生直前の秋に牧草を刈り取った。その結果、埋設2年目の原木からナメコが 11 月 25 日〜
12 月 15 日に発生し(写真-1)、240 本の原木から 206.8g/本の収量が得られた。収穫されたナメコ
を直販所「オランチェ」(中野市)で、一袋に 150g 入れて販売した(写真-2)。208 袋が販売され、
売り上げ合計は 17,680 円で、販売単価は一袋当たり 85 円であった。
殺菌原木マイタケは、ダイオシェードで遮光したハウス内の土壌中に昨年度に埋設した。収穫調
査を行ったところ、2008 年 10 月に 200 本の原木から 7 ㎏の収量が得られた(写真-3)。
原木クリタケの発生はなかった。この原因は前年度、クリタケ原木の埋設前にきのこ栽培の廃菌
床を土壌中に鋤き込んだため、廃菌床に集まってきたカブトムシ幼虫が、原木に侵入して食害した
ためと考えられる。
大俣試験地
原木ナメコ、原木クリタケとも収穫があったが、クリタケはナメクジの食害を受けた(写真-4)。
柳沢試験地・山ノ内町志賀試験地
原木ナメコの収穫は得られなかった。原因としては、原木埋設の翌年であり、まだ原木が未成熟
であることが考えられる。しかし、種菌の活着と原木内の菌糸の蔓延が確認できたので、今後、発
生環境の改善を図って継続して調査する。
―
86 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表 試験地の概要
試験地名
草間
場所
中野市草間
試験内容
形態、供試数
調査内容
マイタケ殺菌原木 原木直径約10㎝長さ20㎝、200本
発生期間、収量、栽培環境
マイタケ菌床埋設 2.2木㎏詰め、400袋
発生期間、収量、栽培環境
ナメコ原木栽培
原木直径約10㎝長さ90㎝、240本
発生期間、収量、栽培環境
クリタケ原木栽培 原木直径約10㎝長さ90㎝、460本
発生期間、収量、栽培環境
ナメコ原木栽培
原木直径約10㎝長さ90㎝、20本
発生期間、収量
クリタケ原木栽培 原木直径約10㎝長さ90㎝、20本
発生期間、収量
大俣
中野市大俣
柳沢
中野市柳沢
ナメコ原木栽培
原木直径約10㎝長さ90㎝、40本
発生期間、収量
志賀
山ノ内町志賀 ナメコ原木栽培
原木直径約10㎝長さ90㎝、20本
発生期間、収量
写真-1 原木ナメコの発生
(草間試験地)
写真-2 原木ナメコの販売
(直販所「オランチェ」)
写真-3 殺菌原木マイタケの発生
(草間試験地)
写真-4 ナメクジに食害を受けた原木クリタケ
(大俣試験地)
―
87 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
マツタケ菌根の生理生態の解明とマツタケの
シロ内部の微生物相に関する研究
特産部
竹内嘉江・小坂信行
マツタケのシロ付近で土壌調査を行い、シロ内側では外生菌根菌の生息密度が低いことが明らかになった。
マツタケ4菌株を供試して菌根合成試験を行ったところ、シラカシ、コナラ、スダシイ、アカマツでハルティ
ヒネットの形成が確認され、その菌根はマツタケであることがDNA分析で確認できた。
キーワード:マツタケ、菌根、ブナ科広葉樹、ハルティヒネット、DNA分析
1
はじめに
マツタケ子実体の新しい増産方法、マツタケのシロの新しい増殖方法を開発するために、マツタ
ケ子実体と菌根及びシロに関する調査及び研究を行う。
マツタケ山の土壌微生物環境を把握するため、シロ付近での外生菌根菌調査を行った。また、中
国南西部では、マツタケはブナ科広葉樹と共生して発生することが知られている。松枯れ被害が進
行している中で、日本産マツタケがブナ科樹種と共生する能力を有していれば人工栽培で宿主の選
択肢が拡がることになるので、ブナ科樹種に対するマツタケの菌根形成能力を調査する。
研究は、東京大学大学院農学生命科学研究科(森林植物学研究室松下範久准教授)との共同研究(平
成 20~24 年)として実施し、菌根合成試験は東京大学が行った。
2
試験の方法
2.1
マツタケのシロ付近の菌根調査
シロ付近土壌中の微生物環境を調査するために、塩尻試験地においてマツタケの円形シロ活性菌
糸帯の内側・外側 30cm 部の A~B 層土壌を 100ml ずつ採取し、その中に含まれるマツタケ以外の菌
根チップ数、菌根チップ乾燥重量、直径 2mm 以下のアカマツ細根乾燥重量を測定した。
2.2
広葉樹を宿主とした菌根合成試験
中国雲南省産 3 菌株(TmY1、TmY6、TmY11)と長野県産 1 菌株(T2)を供試し、シラカシ、コナラ、
スダジイ、アカマツの種子をプラスチック製平箱内滅菌土に播き、自然光室で 7 ヶ月~1 年間栽培
し、各菌株の培養菌糸体を苗木細根に接種して 4 週間栽培した。その後、接種部付近の菌根と推測
される根毛を欠く細根の有無を実体顕微鏡で観察し、ハルティヒネットがあった場合には DNA 分析
を行った。
3
結果と考察
3.1 マツタケのシロ付近の菌根調査
マツタケの活性菌糸帯が通過したシロ内側では、マツタケ以外の外生菌根菌の生息密度が低く、
またアカマツの細根密度が低くなっていることが分かった(図-1)。マツタケ菌糸が成長拡大して
いくシロ外側の土壌内には、チチタケ属、セノコッカム属、イボタケ属、無胞子不完全菌目の外生
菌根菌が多く生息していることが認められた。
3.2
広葉樹を宿主とした菌根合成試験
ブナ科樹種の接種部付近で菌根と推測される細根が観察され、一部の菌根は棒状で基部が膨らん
だ形態をしていた(写真-1A)。アカマツでは接種源の中に細根が進入し、分岐している様子がしば
しば観察された(写真-1B)。
―
88 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
シラカシ、アカマツでは全菌株で、コナラでは TmY1 菌株を除く 3 菌株で、スダジイでは TmY1 と
T2 でハルティヒネットが観察され、形態的特徴から菌根と推測された細根が菌根であることを確認
した。さらに DNA 分析の結果、これらの菌根は、全てマツタケのものであることが明らかになった。
このことから、日本産マツタケは、ブナ科とマツ科の両樹種を宿主にできる可能性が示唆された。
350
300
塩尻試験地 (100ml, n=6)
250
200
150
100
50
シロ内側区
シロ外側区
図-1 シロ内外の外生菌根生息状況
写真-1 マツタケ培養菌糸体接種 4 週間後に観察された菌根
(A:シラカシ-TmY1 菌株、B:アカマツ-TmY11 菌株、バー = 2 mm)
―
89 ―
アカマツ細根乾重(mg)
菌根乾重(×10mg)
菌根チップ数(個)
アカマツ細根乾重(mg)
菌根乾重(×10mg)
菌根チップ数(個)
0
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
有用微量金属の含有量を高めるヤマブシタケ生産技術の開発
特産部
増野和彦・高木
茂
「ミネラル複合体」と「光合成細菌」を培地に添加することによる、ヤマブシタケ子実体の有用微量金属
高濃度化の可能性を検討した。クリプトキサンチンをマーカーとした簡易分析法では、高濃度化は確認され
なかった。
キーワード:ミネラル複合体、光合成細菌、ヤマブシタケ、有用微量金属
1
はじめに
ヤマブシタケは認知症予防効果や免疫賦活化作用が期待できる機能性きのこである。
ヤマブシタケにさらに機能性を付加するため、ヒトの生活習慣病に予防効果のある微量金属を子実
体に高含有させる方法を検討した。そのために、「ミネラル複合体(仮称:セレン)」や農業生産に
おいて微量金属の吸収を促進する効果のある「光合成細菌」の添加培地でヤマブシタケを栽培し、
微量金属を豊富に含むヤマブシタケを生産する可能性を調査した。
本研究は信州大学農学部(辻井弘忠教授)との共同研究(平成 20 年度)で実施した。
2
試験の方法
「セレン」(Na、K、Ca、P 等各種ミネラル複合体:信州大学農学部開発、仮称)と微量金属の吸
収促進効果をもつ「光合成細菌」(信州大学農学部提供)を培地に添加して、ヤマブシタケを栽培
し、得られた子実体を分析して微量金属類の移行吸収状態を検討した。
ヤマブシタケ栽培を林業総合センターが担当し、子実体の成分分析を信州大学農学部が行った。
表-1 に栽培条件、表-2 に試験区の設定条件を示した。基本培地は一括して高圧殺菌し、無菌
室内で所定量の「セレン」及び「光合成細菌」を混合した。これらを別途殺菌した栽培用袋に詰め
たのち、ヤマブシタケの種菌を接種した。添加濃度は、農業生産における事例に基づく信州大学農
学部の設計に従った。
発生したヤマブシタケ子実体の収量調査を行うとともに、子実体を信州大学農学部に送付し、高
速液体クロマトグラフ法によりクリプトキサンチンを分析した。
3
結果と考察
栽培試験結果を図及び写真に示した。全ての試験区で子実体が収穫されたが、③-4 区(セレン
0.04%+光合成細菌 0.4%)では収量が著しく少なかった。
採取した子実体は 60℃で乾燥し、分析試料とした。簡易検定方法として、クリプトキサンチン
(色素)をマーカーとして「セレン」及び「光合成細菌」に混合して分析を行ったが、全ての試験
区で、クリプトキサンチンは検出されず(検出限界 6μg/100g)、本方法によるヤマブシタケ子実
体への微量金属高濃度化の可能性は低いと考えられた。
表-1 ヤマブシタケ栽培条件
項目
内容
系統
ヤマブシタケY6(長野県林業総合センター保存株)
基本培地(K)組成
ブナオガコ:ホミニフィード:大豆種皮=10:1:1(容積比)、含水率65%
基本培地重量
600g
栽培容器
ポリプロピレン製きのこ栽培袋
培養
温度20℃35日間
発生
温度12℃、湿度95%以上
―
90 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-2 試験区の設定条件
試験区名
接種時培地pH
供試数
K+セレン0.04%
4.2
3
②-1
K+光合成細菌0.1%
4.2
3
②-2
K+光合成細菌0.2%
4.2
3
②-3
K+光合成細菌0.3%
4.2
3
②-4
K+光合成細菌0.4%
4.3
3
③-1
K+セレン0.04%+光合成細菌0.1%
4.3
3
③-2
K+セレン0.04%+光合成細菌0.2%
4.3
3
③-3
K+セレン0.04%+光合成細菌0.3%
4.3
3
③-4
K+セレン0.04%+光合成細菌0.4%
5.2
3
K
4.1
3
①
C
培地組成
K:基本培地、添加濃度は基本培地重量に対する比率
200
平均収量(g/袋)
175.3
164.0
169.7
162.0
150
122.7
119.0
119.3
101.3
100
92.7
50
3.3
0
①
②-1 ②-2 ②-3
②-4 ③-1 ③-2 ③-3
試験区名
図 ヤマブシタケ栽培試験結果
写真
ヤマブシタケの発生状況
(試験区③-2〜4)
―
91 ―
③-4
C
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
カラマツ間伐材を主とする土木用構造物・木橋等への利用技術の開発
-木製法面保護工法部材の強度-
木材部
吉野安里・戸田堅一郎・柴田直明
木製法面保護工法の部材(カラマツ剥皮丸太)の強度を調査した。接地場所の環境によって、試験材の腐
朽部分に含有する水分量にかなりの差が生じたと考えられる。曲げ強度試験データの蓄積を図ることで、新
材から経年材に至るまでの回帰を決定できれば、曲げ強度を推定する根拠が得られる。
キーワード:カラマツ、木製法面保護工法、剥皮丸太、曲げ強さ
1
はじめに
木材を土木用に使用する場合、一般的には、構造上の耐力を要求される。その場合、初期強度の
ほか設置後の強度(残存強度)も重要な情報である。さらに、現場で適応し得る非破壊的な方法
によって「診断」が可能であるか否かについても関心が高い。そこで、竣工後の相当の時間を経
過した土留工の部材の強度について調査した。本試験は県単研究課題(平成 16~20 年)により実
施した。
2
試験の方法
2.1
調査対象
木製法面保護工法の部材(カラマツ剥皮丸太)を調査対象とした。本工法は、2mスパンのH鋼
(H形鋼)に部材をはめこみ、法面の崩落を防止する工法である。対象地は、林道渡沢鳥居峠線
(木曽郡木曽町)の 2004 (平成 16)年施工(A 地点)と 2005(平成 17)年施工(B 地点)とした。
2.2
試験材
2地点から、それぞれ1列(28 本)ずつ、計 56 本(強度試験では 55 本)の部材を採取した。
長さはおおむね 2m であった。さらに強度の比較対照用として、長さ2m の新材(未使用材)49
本を用意した。これらの部材は、当所において非破壊試験(縦振動法による動的ヤング係数の測
定)後にスパン 1,800mm の3等分点4点荷重による曲げ強度試験に供した。
3
結果と考察
試験材の概要を表 ‐ 1~2 に、曲げ強度の概要を図 ‐ 1~2 に示す。比較対照の新材は既往の新材
と比較して、細いものであったにもかかわらず、曲げ強度、曲げヤング係数共にほとんど同一の強
度分布であった。一方、採取した試験材については、高含水率の試験材では、腐朽した部分に水分
が滞留し、強度試験時に水滴がしたたるほどであった。接地場所の環境によって含有する水分量に
かなりの差が生じたと考えられる。しかしながら、ほとんどの材の含水率は繊維飽和点以上である
ので、曲げ強度に与える影響は軽微であると判断した。曲げ強度は、A の方が B よりもやや低く
バラツキも大であったが、ほぼ同一とみなせる程度の差であった。A と B ともに約1/3 の数が基
準強度(26.7kN/mm2 )を下回る結果であった。しかし曲げヤング係数については、結果として A と
B では差異があり、A の方が明らかに低くくかつバラツキも大きかった。
現場での部材強度の非破壊的な推定方法としては、腐朽深度から間接的に推定する方法や、縦振
動法による動的ヤング係数の測定による方法がある。前者についは、測定点を適正に選定する必要
があるほか、元の強度が既知でなければならない。後者については、精度よく推定可能であると考
えられるが(図 - 3)、測定のために部材を取りはずしたうえに、密度を正確に求める必要がある。
今回の曲げ強度試験(図 - 4)の結果によると、曲げヤング係数(曲げ剛性)は現場の劣化の進
―
92 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
行具合によってバラツキがある。しかし、試験データの蓄積を図ることで、新材から現場材に至る
までの回帰線を決定できれば、曲げ強度を推定する根拠が得られることになる。今後、荷重-たわ
みの関係を現場で容易に求める方法も検討する必要がある。
表-1
試験材の平均直径
表-2
平均直径(単位:mm)
試験体数(本)
最小値
最大値
平均値
標準偏差
既往新材
192
157.5
238.5
187.5
11.7
09新
49
109.0
154.0
127.6
10.5
含水率(単位:%)
09A
27
143.5
208.5
167.7
13.8
09B
28
141.0
192.5
162.9
14.0
既往新材
192
24.1
84.0
38.1
10.3
試験体数(本)
最小値
最大値
平均値
標準偏差
09新
49
22.0
42.9
29.5
3.7
09A
28
24.9
94.4
36.1
13.3
09B
28
33.3
89.2
57.9
18.2
16
80
14
曲げヤング係数(kN/mm2)
70
曲げ強度(N/mm2 )
試験材の含水率
60
←最大値
50
40
←75%点
←中央値
30
←25%点
20
←最小値
(◇平均値)
10
12
10
09新
図-1
09A
09B
←75%点
←中央値
←25%点
6
4
←最小値
(◇平均値)
2
0
既往新材
←最大値
8
0
凡例
既往新材
曲げ強度
09新
図-2
09A
09B
凡例
曲げヤング係数
80
80
70
70
60
60
曲げ強度(N/mm2 )
曲げ強度(N/mm2)
(凡例)既往新材:本課題における既往の新材(長さ3m、末口径 16~20cm の生材時のカラマツ剥皮丸太材)
09 新:今回測定の新材、09A:A 地点、09B:B 地点
50
40
◆ 新材(241本)
■ 09A(27本)
△ 09B(28本)
30
20
10
50
40
◆ 新材(241本)
■ 09A(27本)
△ 09B(28本)
30
20
10
0
0
0
5
10
15
20
0
動的ヤング係数(kN/mm2 )
5
10
15
曲げヤング係数(kN/mm 2)
図-3 非破壊試験(縦振動法)による
動的ヤング係数と曲げ強度の関係
図-4 破壊試験による
曲げヤング係数と曲げ強度の関係
(注) 図中の「新材」とは、既存の新材のデータに今回測定した新材を加えたものである。
―
93 ―
20
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
カラマツ間伐材を主とする土木用構造物・木橋等への利用技術の開発
-各種製材品の初期強度-
木材部
吉野安里・戸田堅一郎・柴田直明
木曽地方産カラマツの土木用の剥皮丸太、タイコ落とし材の初期強度を調査した。建築基準関係法令によ
るカラマツ無等級材の基準強度26.7N/mm2を下回るものはなく、また、曲げヤング係数の中央値は日本建築学
会の基準ヤング係数8.0 kN/mm2を満たしていた。剥皮丸太と比較して、タイコ材は強度の低下は少なく、強
度的に見れば有利な使い方であるといえる。
キーワード:カラマツ、丸太、タイコ落とし材、曲げ強度
1
はじめに
近年、現場で伐採した材を土木用に使用する例が増えている。簡易製材機の普及により現場で製
材して角材やタイコ落とし材(タイコ材)として利用する例もある。一般に、製材品は(木材の繊
維を切断されて)目切れを有するために、曲げ強度は下がると言われている。加えて、非破壊検査
で求めた動的ヤング係数と、実際の曲げ強度値の関係も異なると考えられる。
タイコ落とし材は、梁のように丸身の面から載荷する場合(以下、タイコ梁)とデッキ床版のよ
うに平らな面からの載荷する場合(以下、タイコ床版)とがある。そこで 2008(平成 20)年度は、
剥皮丸太(以下、丸太)、タイコ梁、タイコ床版の初期強度を求めた。本試験は林野庁国庫補助
「林業普及情報活動システム化事業」によった。
2
試験の方法
2.1
試験材
木曽地方産のカラマツ素材 90 本(長さ3m、末口径 180mm を前後とする)から、土木用の剥皮
丸太 30 本、タイコ材(タイコ厚さ 130mm)60 本を作製した。
2.2
非破壊試験
縦振動法により動的ヤング係数を求めた。あらかじめ試験材の寸法および質量を測定して生材時
の密度(生材密度)を求めた。丸太およびタイコ材は、末口と元口の直径を求め、その平均値を
部材の直径とみなした。次に部材の木口面をハンマーでたたいて縦振動を発生させ、その縦振動
数を測定し、動的ヤング係数を算出した。さらにタイコ材は、縦振動法によって求めた動的ヤン
グ係数がなるべく等しく分布するように 30 本ずつ2分し、それぞれタイコ梁用とタイコ床版用と
した。試験材の概要を表-1 に示す。
2.3
破壊試験(曲げ強度試験)
3等分点4点荷重、スパン 2,700mm による曲げ強度試験を実施し、生材状態での曲げ強度と曲げ
ヤング係数を求めた。節等の欠点の多く存在する面を下面(部材の引張側に相当する面)とした。
3
試験の結果
3.1
強度試験の結果
試験結果の概要を表-2、図-1~2 に示す。中央値、5%下限値は、順位統計的に求めたが、試験
体数が少ないためにやや厳密性に欠ける。同一の素材ロットからの製材であること、試験時の密度
も大差なかったので、丸太とタイコ材とは強度的にほぼ同一の分布であったと考えられた。なお、
試験材の含水率は繊維飽和点以上のため強度的な影響は軽微であると考えられた。
タイコ梁:曲げ強度、曲げヤング係数ともにおおむね丸太と同一と判断できた。
タイコ床版:曲げ強度は丸太よりもやや低下した(5%下限値で約 10%減)ものの、曲げヤン
グ係数の中央値は丸太と変わらなかった。強度に対する製材による目切れの影響は、角材の場合で
―
94 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
は顕著に表れると考えられた(平成 19 年度業務報告)。今回の製材条件に関する限り、タイコ材は、
強度的には丸太の性質をかなり保持していた。タイコ材の強度データは極めて少なく、5%下限値
の算出のためには、今後もデータの蓄積が必要である。
3.2
非破壊検査(縦振動法)による強度の推定
縦振動法によって求めた動的ヤング係数は、曲げ強度と比較的高い相関を有していた(図-3)。
あらかじめいくつかの曲げ強度試験(破壊試験)を行い、動的ヤング係数と曲げ強度との関係を求
めておくことで、非破壊的に部材の初期強度を推定することができると考えられる。
表-1 試験材の概要
試験体数(本)
最小値
中央値
最大値
標準偏差
含水率(%)
タイコ梁
タイコ床版
30
30
26.6
27.0
32.2
30.9
46.5
45.9
3.4
3.8
丸太
30
27.0
33.1
55.3
6.5
最小値
中央値
最大値
標準偏差
2
試験時密度(g/cm )
丸太
30
0.519
0.626
0.684
0.039
細り率(単位:cm/m) 丸太
タイコ梁
タイコ床版
30
30
30
0.3
0.3
0.3
0.6
0.8
0.8
1.3
1.7
1.7
0.2
0.4
0.3
試験体数(本)
表-2 強度試験結果の概要
3
タイコ梁
30
0.558
0.640
0.716
0.039
タイコ床版
30
0.536
0.633
0.711
0.044
試験体数(本)
最小値
中央値
最大値
標準偏差
5%下限値
2
平均年輪幅(mm)
丸太
30
1.9
2.5
3.9
0.4
タイコ梁
30
2.1
2.9
4.9
0.7
タイコ床版
30
2.3
3.0
4.8
0.6
試験体数(本)
最小値
中央値
最大値
標準偏差
(5%下限値)
80
←最大値
14
50
←75%点
←中央値
←25%点
40
←最小値
30
(◇平均値)
曲げヤング係数(kN/mm 2)
←最大値
60
20
12
←75%点
←中央値
←25%点
10
←最小値
8
(◇平均値)
6
4
2
10
0
0
丸太
タイコ梁
タイコ床版
丸太
凡例
60
20
タイコ梁
y = 3.5722x + 10.783
R2 = 0.5288
0
0
5
タイコ床版
凡例
丸太
y = 3.6078x + 9.7525
R2 = 0.6389
丸太
y = 3.6078x + 9.7525
R2 = 0.6389
40
タイコ梁
図-2 各部材の曲げヤング係数
図-1 各部材の曲げ強度
80
曲げ強度(N/mm )
曲げ強度(N/mm 2)
曲げヤング係数(単位:kN/mm )
丸太
タイコ梁
タイコ床版
30
28
30
7.62
7.01
8.35
10.66
10.72
11.06
14.46
15.03
14.75
1.86
1.82
1.45
8.0
8.1
9.2
16
70
2
曲げ強度(単位:N/mm )
丸太
タイコ梁
タイコ床版
30
30
30
43.7
42.1
39.2
56.0
55.8
52.6
67.7
69.3
66.4
6.7
6.7
6.6
45.3
46.0
41.2
10
タイコ床版
y = 3.5974x + 8.5195
R2 = 0.5098
20 0
15
5
10
2
動的ヤング係数(kN/mm )
図-3 各部材の曲げ強度
―
95 ―
15
20
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
地域材による耐力壁の開発と実用化
-県産カラマツ斜め半割り合板及び合板落し込み式の耐力壁の面内せん断試験-
木材部
伊東嘉文・吉田孝久
斜めに 2 分割した長野県産カラマツ構造用合板(24mm 厚)を 105mm,120mm 角の軸材に貼った耐力壁の
内面せん断試験を行った。壁倍率は、前者で 1.6 倍、後者で 2.0 倍であった。また、12mm,24mm 厚の合
板を落し込み式とした耐力壁の面内せん断試験も行った。前者の壁倍率は 0.8 倍で、変位が大きくなる
と合板が湾曲し、荷重が低下した。後者の壁倍率は 1.2 倍で、横桟と柱との接合部の破壊が課題である
ことがわかった。
キーワード:壁倍率、カラマツ構造用合板、面内せん断試験、耐力壁
1
はじめに
長野県産カラマツ構造用合板の耐力壁への活用を図るため、開口部を有する耐力壁と、釘を殆ど
使用しない耐力壁の、大別して2つのタイプの耐力壁を考案し、その面内せん断試験を行った。
本研究は新技術研究成果現地実証事業の交付金課題(H18~22)によった。
2
試験の方法
建築基準法施行令第 46 条第4項表1の(八)に基づく木造軸組耐力壁の試験法及び評価法(以下、
定法と記す)に準拠して試験を行った。試験体の模式図を図-1、図-2 に示す。
න૏䋺㫄㫄
㪫㪙
㪏㪊㪌
䉝䉪䉼䊠䉣䊷䉺 䊷
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㪐㪈㪇
㪍㪇
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化と採光や通
㪫㪙
䋸䋱㪇
䉝䉪䉼䊠䉣䊷䉺䊷
㪐㪈㪇
の節約・軽量
න૏䋺㫄㫄
㪈㪏㪇
験体は、合板
㪈㪏㪇
図 -1 の 試
㪈㪎㪈㪌
㪈㪇㪌෸
䈶 㪈㪉㪇
㪈㪇㪌
㪋㪇㪉
㪋㪇㪉
㪉㪏㪎㪉㪅㪌
㪉㪎㪊㪇
㪉㪌㪏㪎㪅㪌
㪈㪏㪉㪇
㪈㪎㪌㪏
㪉㪎㪊㪇
㪈㪏㪉㪇
たもので、軸
と 120mm 角を
㪈㪏㪉㪇
㪈㪏㪉㪇
力壁を意図し
材は 105mm 角
㪏㪊㪌
㪉㪏㪎㪉㪅㪌
㪉㪎㪊㪇
窓を有する耐
㪉㪌㪏㪎㪅㪌
風のための小
㪈㪎㪈㪌
㪏㪇㪌
㪊㪌㪇
㪊㪌㪇
図-1
斜め半割り合板試験体(H 試験体)
㪉㪍㪉㪌
図-2
㪈㪇㪌
㪉㪍㪉㪌
種類で、ヒノ
キの土台以外
㪈㪇㪌
෸䈶
㪈㪉㪇
基準とした2
合板落し込み式試験体(D 試験体)
はカラマツである。これに県産カラマツ構造用合板(24mm 厚)を斜めに切断した合板を 150mm ピッチ
で釘打ちした試験体(以下、H 試験体と記す)とし、105mm 軸材仕様、120mm 軸材仕様各3体の計6
体とした。図-2 の試験体は、釘を極力使用しない耐力壁を志向したもので、105mm 角仕様である。
柱・梁・横桟下部に幅 14mm,26mm で深さ概ね 16mm の溝加工を施し、そこに 12mm,24mm 厚の合板を
落し込んで各3体、計6体の試験体(以下、D 試験体と記す)とした。土台と横桟の上部には溝加
工を行わず、横桟と柱との接合に釘を各2本使用した以外は釘を使用していない。
面内せん断試験は㈱巴技研製壁せん断試験機 TH20D6002 を用い、定法により柱脚固定式で行った。
加力方法は正負交番 3 回繰返し加力とし、繰返しは見かけのせん断変形角が 1/450、1/300、1/200、
1/150、1/100、1/75、1/50rad の正負変形時とした。その後、1/15rad(182mm)をやや上回る、190mm
程度まで変形させ、終了とした。
―
96 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
3
試験の結果と考察
表-1 に 12 体の試験体の各種耐力、壁倍率等と柱の Efr の平均値を示した。図-3 は H 試験体、図
-4 は D 試験体の面内せん断試験において、荷重-変位曲線の3回繰返しのピークの正の部分を結ん
だ包絡線である。
図-3
斜め半割り合板試験体(H 試験体)の包絡線
図-4
表-1 県産カラマツ合板を面材料とした耐力壁の各種耐力,壁倍率等
No.
壁 倍 率 算 出 評 価 値
降伏耐力 Pu(0.2/D s) 2/3Pmax 1/120rad 壁倍率 最大荷重 柱Efr
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN) (kN/mm2)
H105-1
H105-2
H105-3
平均値
6.4
5.6
8.6
5.8
8.3
6.4
7.8
5.9
ばらつき係数 0.9409
0.9730
Pa(kN)
7.3
5.8
2.0 ◎1.6
3体の壁倍率
9.1
10.3
11.9
10.4
0.9482
9.9
2.8
5.5
6.3
6.7
6.2
0.9619
5.9
1.7
(1.5)
(1.6)
(1.8)
12.3
12.0
11.8
12.0
0.9920
11.9
3.3
8.0
7.6
7.2
7.6
0.9798
7.4
2.1
(2.2)
(2.0)
(1.9)
5.5
4.9
3.2
4.5
0.8988
4.1
1.1
9.3
10.3
8.3
9.3
0.9586
8.9
2.5
5.1
3.6
2.0
3.6
0.8328
3.0
◎0.8
(1.4)
(1.0)
(0.6)
5.2
5.3
4.7
5.1
0.9756
4.9
1.4
11.5
5.2
13.1
4.6
11.9
4.0
12.2
4.6
0.9737 0.9498
11.8
4.4
3.3 ◎1.2
(1.5)
(1.3)
(1.1)
H120-1
H120-2
H120-3
平均値
9.0
7.7
9.2
7.2
8.8
6.8
9.0
7.2
ばらつき係数 0.9915
0.9760
Pa(kN)
8.9
7.1
2.5 ◎2.0
3体の壁倍率
D12-1
D12-2
D12-3
平均値
6.9
7.3
6.5
6.9
ばらつき係数 0.9777
Pa(kN)
6.7
1.9
3体の壁倍率
D24-1
D24-2
D24-3
平均値
8.7
9.5
9.0
9.1
ばらつき係数 0.9829
Pa(kN)
8.9
2.5
3体の壁倍率
13.8
15.4
17.8
15.6
10.36
10.51
12.23
合板落し込み式試験体(D 試験体)の包絡線
H 試験体は表-1、図-3 のように 105mm
軸材試験体の壁倍率が平均で 1.6 倍、
120mm 軸材試験体のそれが 2.0 倍であ
り、120mm 軸材が高い倍率を示した。
破壊は三角形の角の部分の釘の曲が
りやせん断として発生し、合板自体の
1.6
損傷は極めて僅かであった。1/15rad
18.5
18.0
17.7
18.1
10.99
10.18
9.55
付近まで荷重が増加し続け、ある程度
の粘り強さを有していた。
D 試験体は表-1、図-4 のとおり、12mm
合板試験体では壁倍率が 1 倍に達せず、
2.0
13.9
15.4
12.5
13.9
11.75
10.82
8.73
24mm 合板試験体では 1.2 倍であった。
釘で固定されていないため初期剛性が
低く、壁倍率算定の基準となる短期許
容せん断耐力 Pa が 1/120rad 時の耐力
0.8
17.1
19.6
17.9
18.2
10.69
10.98
10.79
で決定された。12mm 合板試験体は変位
が大きくなると湾曲し、終局間際では、
枠から離脱寸前の状態に達した。24mm
合板試験体では湾曲することなく、横
1.2
2/3Pmax:最大荷重の2/3, 1/120radP:1/120ラジアン時の荷重, Pa:短期許容せん断耐力
1
Pu(0.2/Ds):終局耐力×(0.2/構造特性係数), Ds 1/ 2μ
- , μ=δu/δv, μ:塑性率
δu:終局変位, δv:降伏変位, 柱Efr:柱3本の動的ヤング係数の平均値
壁倍率=Pa/1.96/L (L:壁長=1.82m) ◎各算出評価値の最小値から算出
*耐力壁No.のH105,H120は軸材の寸法(mm)、D12,D24は落し込みの合板厚(mm)
*( )内は各試験体の壁倍率で、ばらつき係数・低減係数を考慮せずに算出した。
―
97 ―
桟の柱との接合部の破壊で終局を迎え
た。このことから、横桟の接合を更に
強固にすれば、耐力の向上が期待でき
ることが示唆された。
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
カラマツ桁材の効率的乾燥技術の開発
-熱風・圧力乾燥法の乾燥特性-
木材部
吉田孝久・伊東嘉文
19年度に引き続きカラマツ桁材の熱風・圧力乾燥試験を行い、蒸気式高温乾燥材との比較でその乾燥特性
を把握した。その結果、乾燥時間は高温乾燥では全工程14日間(平均仕上がり含水率16.7%)、熱風・圧力
乾燥では7日間(平均仕上がり含水率15.6%)で大幅な時間短縮となった。また、仕上がり状態の形質や曲げ
強度性能では、両者の間に大きな差は見られなかった。
キーワード:カラマツ桁材、高温乾燥、熱風・圧力乾燥、乾燥時間
1
はじめに
県下では、今後カラマツの高齢級林分が増加し中大径材が生産されることから、心持ち桁材への
利用拡大が期待される。そこで、カラマツ心持ち桁材の乾燥が効率的に行われるよう、これまで一
般に行われてきた蒸気式高温乾燥に比べ、短時間で乾燥が可能とされる過熱蒸気を利用した熱風・
圧力乾燥方法について検討した。なお、本研究は中部山岳流域林業活性化センターの補助事業及び
県単研究課題「カラマツ円柱加工材及び心持ちカラマツ平角材の乾燥技術の開発」(H16~20)で
実施した。
2
試験の方法
仕上がり寸法を 120×240×4000mm に設定して、 140×270×4000mm に製材したカラマツ桁
材 16 本を供試材とした。この内 8 本は熱風・圧力乾燥機で乾燥し、残り 8 本は蒸気式高温乾燥機
で乾燥した。試験を実施した乾燥スケジュールを表-1 に示した。両乾燥法において各々1 本の材
に、狭い材面からの深さ 10mm、68mm、135mm の位置に熱電対を埋め込み、乾燥中における材
温を測定した(写真-1)。乾燥を終了した材は形質調査を行い、その後、曲げ強度試験を実施した。
3
結果と考察
3.1
熱風・圧力乾燥と高温乾燥での材温(図-1)
両乾燥法で割れ防止のために採用している 120℃高温セット過程での表層部の材温は、高温乾燥
では高温セット終了時に 117℃に達したのに対し、熱風・圧力乾燥では 110℃であった。また、材
中心部の材温は、高温乾燥では高温セット終了時に 110℃に達したのに対し、熱風・圧力乾燥では
98℃であり、表層部、中心部共に高温乾燥に比べ熱風・圧力乾燥の方が低かった。
高温セット後の材中心部の材温は、両乾燥の設定温度が 90℃であったにも関わらず、熱風・圧
力乾燥では減圧過程に入り沸点が低下したため材温は 77~82℃を維持した。
3.2
仕上がり含水率
熱風・圧力乾燥法は、全工程 167 時間(7 日)の乾燥で平均仕上がり含水率が 15.6%(最小~
最大:12.4~24.0%)となった。また、高温乾燥は、全工程 336 時間(14 日)の乾燥で、平均仕
上がり含水率は 16.7%(最小~最大:10.3~23.3%)になった。熱風・圧力乾燥の乾燥時間は、
高温乾燥に比べ 1/2 以下に短縮され、桁材の乾燥方法として効果的と思われた。
3.3
材面割れと内部割れ
両乾燥法ともに材面割れは少なく、高温セット処理の効果が大きいものと思われた。また、内部
割れは、熱風・圧力乾燥の材 1 本に確認された。
3.4
曲げ強度
乾燥方法の違いによる強度性能の差は見られず、曲げ強度は標準的な値であった(図-2)。なお、
強度が低かった高温乾燥の 2 本の材は、目回りによるせん断破壊と大きな集中節での破壊であり、
これらの材は外観上で確認ができ、目視による強度等級区分の重要性が示唆された。
―
98 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
⴫ ੇ῎ࠬࠤࠫࡘ࡯࡞
ੇ῎ᣇᴺ
試験本数
Step1:蒸煮
乾燥スケジュール Step2:高温セット
Step3:仕上げ乾燥
備 考
ᾲ㘑࡮࿶ജੇ῎ᴺ
カラマツ桁:8 本
120℃/120℃/100kPa 7h
120℃/90℃/-30kPa 24h
90℃/60℃/-80kPa 137h
全工程 7 日間
⫳᳇ᑼ㜞᷷ੇ῎ᴺ
カラマツ桁:8 本
95℃/95℃ 7h+α ※
120℃/90℃ 24h
90℃/60℃ 305h
全工程 14 日間
α ※ …機内温度が 90℃までに上昇する時間
温度センサー
10mm
68mm
135mm
写真-1
乾球温度
湿球温度
熱電対による材温測定の様子
深さ10㎜温度
深さ68㎜温度
深さ135mm中心温度
㪈㪊㪇
130
ੇ⃿᷷ᐲ
120
ੇ⃿᷷ᐲ
㪈㪉㪇
⴫ጀᷓ OO ᧚᷷
᷷ᐲ䋨㷄䋩
温度(℃)
⴫ጀᷓ OO ᧚᷷
110
ਛᔃㇱ᧚᷷
100
90
㪈㪈㪇
ਛᔃㇱ᧚᷷
㪈㪇㪇
Ḩ⃿᷷ᐲ
80
70
㪐㪇
Ḩ⃿᷷ᐲ
㪏㪇
㪎㪇
༏᫘∝‫ן‬щʑ༞‒
60
ᔕൢࡸ᭗ภʑ༞‒
㪍㪇
0
12
24
36
48
60
72
㪇
乾燥時間(h)
図-1
㪈㪉
㪉㪋
㪊㪍
㪋㪏
㪍㪇
㪎㪉
ੇ῎ᤨ㑆䋨䌨䋩
乾燥温度と材温の変化(乾燥開始から 72 時間経過まで)
70
㪉
ᦛ䈕ᒝ䈘䋨㪥㪆㫄㫄 䋩
60
50
40
30
20
䉴䉩ᾲ㘑䊶࿶ജੇ῎
䉦䊤䊙䉿ᾲ㘑䊶࿶ജੇ῎
䉦䊤䊙䉿㜞᷷ੇ῎
10
A:目回りによる破壊
0
3
4 5
6
7
8 9 10 11 12 13 14 15
B:集中節での破壊
㪉
ᦛ䈕䊟䊮䉫ଥᢙ䋨䌫㪥㪆㫄㫄 䋩
࿑ ᦛߍᒝᐲ⹜㛎ߩ⚿ᨐ㧔ߎࠇ߹ߢߩ⹜㛎⚿ᨐࠍ฽߼ߡ⴫␜㧕
―
99 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
木 製道路施設の耐久設計・維持管理指針策定のための技術開発
- 長野県における木製道路施設の調査(5) -
木材部
戸田堅一郎・柴田直明・吉野安里
信州型木製ガードレールの一部の横梁に木材腐朽菌の子実体(きのこ)が発生していた。子実体の発生は、
温暖・高湿度の環境下で多い傾向であった。静的曲げ試験による残存強度の調査では、腐朽による強度の低下
が認められた。横梁の子実体発生位置は設置時の上部に多い傾向にあった。
キーワード:木製ガードレール、腐朽、劣化、残存強度、維持管理
1
はじめに
本 県 で は 、 平 成 16 年 度 か ら 実 車 衝 突 試 験に 合 格 し た 信 州 型 木 製ガ ー ド レ ー ル 1 ~ 3 号型 の
設 置 が 始 ま っ た 。 信 州 型 木 製 ガ ー ド レ ー ル の需要を定着・拡大させるには、「木製道路施設の耐
久設計・維持管理指針策定のための技術開発」が急務である。そこで、既設の信州型木製ガードレ
ールを中心に、設置環境での劣化度の現地調査、及び静的曲げ試験による残存強度等の調査を実施
し、上記の技術開発に資する。
なお、本調査は先端技術を活用した農林水産研究高度化事業(平成 16~20 年度)の一部として
実施した。事業の中核機関は(独)森林総合研究所で、共同機関として宮崎県木材利用技術センター、
群馬県林業試験場、和光コンクリート工業㈱及び当センターが参画している。
2
調査方法
2.1
現地調査
1~3号型と未認証タイプの木製ガードレールを調査対象とした。徒歩で目視調査を行って、子
実体発生の有無を記録し、設置後の経過月数、1~3号型等のビーム仕様の別、標高などの環境条
件別に、子実体発生率を集計した。
2.2
強度試験
1~3号型の横梁を静的曲げ試験の試験体とした(写真)。1 号型は安曇野市で採取した8本と
比較用の新品 10 本(共にスギ材)、2号型は諏訪市霧ヶ峰で採取した 10 本(カラマツ材)、3号型
は木曽郡南木曽町で採取した 10 本(カラマツ材)、上田市丸子で採取した 16 本(カラマツ材8本、
スギ材8本)と、比較用の新品12本(カラマツ材)を試験体とした。なお、各試験体とも防腐処
理は行っていない。
試験は、3点曲げ(中央集中荷重)方式で設置時の車道側から載荷した。スパンは 1 号型と3号
型は 1,800mm、2号型は 1,700mm で行った。1号型は1ビーム長が 4.0mであるので、試験条件を
揃えるために中央部で 2.0mずつに鋸断した。
2.3
腐朽度の観察
曲げ試験前に試験体毎に子実体の発生位置と大きさを記録し、曲げ試験後に非破壊部分を鋸断し
て切断面の腐朽範囲を観察した。また、デジタルマイクロプローブにより穿孔調査を実施し、得ら
れたグラフと切断面との対比を行った。
3
結果と考察
3.1
現地調査の結果
総延長約 14km(11,538 本)について調査を行った。木材腐朽菌の子実体(きのこ)が発見さ
れたビーム数は 321 本(2.8%)で、キカイガラタケ、キチリメンタケ、スエヒロタケ、ツノマタ
―
100 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
タケの 4 種が確認された。ビームの仕様別では、1 号型、3号型に子実体が発生し、2号型では子
実体の発生は確認されなかった。上下段ビームの別では、上段:下段≒3:1で上段の方が多かっ
た。設置後経過月数別では 40 ヶ月程度経過すると子実体の発生率が高くなる傾向があった。標高
別では、標高が低い場所では子実体の発生率が高かった。周囲の河川や用水路の有無により比較す
ると、河川等が有る場合の方が発生率は高く、温暖・高湿度の環境下では多い傾向にあった。また、
防腐処理を実施した箇所では子実体の発生は極めて少なかった。
3.2
強度試験結果
静的曲げ試験結果を表に示す。腐朽による強度の低下は、( 仕事量 > )曲げ強さ(MOR) >
静的曲げヤング係数(MOE)の順となっていた。なお、仕事量は最大荷重(Pmax)までの荷重
の積分で表し、計測可能であった試験体のみの比較である。
3.3
腐朽度の観察結果
子実体の発生位置は、設置時の上部に多い傾向にあった。曲げ試験後の断面観察でも、腐朽によ
る変色は上部から進んでいた。デジタルマイクロプローブの穿孔調査結果は、切断面の腐朽状況と
一致しており(図)、今後の非破壊調査への応用の可能性が示唆された。
写真
木製ガードレール設置状況写真
左から1号型(安曇野市)、2号型(諏訪市)、3号型(南木曽町)
新品・使用品
試験体数
横梁(木部)の曲げ強度特性等
設置場所
経過月数
密度
3
1号型
(スギ)
(スギ)
2号型
(カラマツ)
3号型
(カラマツ)
(カラマツ)
(カラマツ)
(スギ)
新品
20体
-
設置品
15体
(10体)
設置品
10体
(0体)
新品
12体
-
設置品
10体
(10体)
設置品
8体
(6体)
設置品
8体
(5体)
<記号の説明>
-
-
安曇野市
35ヶ月
諏訪市
50ヶ月
-
-
南木曽町
34ヶ月
上田市
44ヶ月
上田市
58ヶ月
平均
最大
最小
平均
最大
最小
平均
最大
最小
平均
最大
最小
平均
最大
最小
平均
最大
最小
平均
最大
最小
腐朽範囲
MOE
2
kg/m
(うち子実体発生)
*
Efr
kN/mm
kN/mm
2
Pmax
MOR
kN
N/mm
Rotations×Force/Δd (n・N/mm)
表
タイプ別
(樹種)
2
3 60
414
330
3 77
426
331
508
601
459
5 34
574
473
4 71
522
399
5 62
621
488
4 17
532
357
7.24
6.35
13.16
35.1
9.59
8.65
17.76
47.4
4.18
3.56
8.19
21.9
6.93
6.23
11.65
31.1
9.80
8.98
18.06
48.2
5.10
4.20
7.53
20.1
10.49
8.53
51.78
44.0
13.48
10.62
69.21
58.6
7.71
6.62
32.52
27.6
11.91
9.68
73.86
58.0
13.28
10.96
85.86
67.5
10.27
8.29
54.39
42.7
9.39
7.85
53.43
42.0
12.64
10.32
76.68
60.3
7.30
6.29
34.57
27.2
12.10
7.58
79.24
62.3
15.30
9.08
97.69
76.8
9.38
5.09
41.99
33.0
7.24
6.49
40.57
31.9
9.47
9.73
63.25
49.7
6.15
3.75
22.61
17.8
*
1号型はすべて2mに鋸断した状態での数量
Efr :縦振動法による動的ヤング係数
MOE :静的曲げヤング係数
Pmax:最大荷重
MOR :曲げ強さ
健全範囲
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
0
20
40
60
80
0mm
図
38mm
87mm
デジタルマイクロプローブに
よる穿孔試験結果と断面写真
(1号型横梁の例)
―
101 ―
100
distance(mm)
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
木 製道路施設の耐久設計・維持管理指針策定のための技術開発
- 長野県における木製道路施設の調査(6) -
木材部
柴田直明・吉野安里・戸田堅一郎
20年間使用したカラマツ製遮音壁の部材50本を対象にして、部材の断面寸法と静的曲げ強度性能を測定した。
その結果、断面寸法は約3~4%減少していた。これは、主として乾燥による収縮が原因であると思われる。
また、曲げヤング係数や曲げ強さには、顕著な低下は生じていなかった。これは、一部の部材に局所的な軽微
な腐朽が認められた程度で、大きな断面欠損は発生していなかったためと考えられる。なお、曲げヤング係数
と曲げ強さ、あるいは密度と曲げ強さの間には、高い相関関係は認められなかった。
キーワード:木製遮音壁、カラマツ、腐朽、劣化、残存強度
1
はじめに
本県には、1985 年度末に施工された、日本初の本格的な木製遮音壁が存在する。
このような木製道路施設は、県産材の需要拡大、間伐材利用対策、自然環境にマッチした道路施
設づくり等のため、今後大きな需要が見込まれる。ただし、これらの需要を定着・拡大させるには、
「木製道路施設の耐久設計・維持管理指針策定のための技術開発」が急務である。
そこで、この木製遮音壁を対象にして、耐久処理方法、劣化外力、腐朽度、性能劣化度等の調査
を実施し、上記の技術開発に資する。
なお、本調査は先端技 術を活用した農林水産 研究高度化事業(課題 名:標記,2004~2008 年
度)の一部として実施された。事業の中核機関は(独)森林総合研究所で、共同機関として宮崎県木
材利用技術センター、群馬県林業試験場、和光コンクリート工業㈱及び当センターが参画している。
2
調査の方法
カラマツ製遮音壁部材の残存強度を求めるため、19 年度末に静的曲げ試験を実施した。19 年度
の業務報告には速報値(概算値)のみを掲載したので、改めて曲げヤング係数(MOE)と曲げ強さ
(MOR)を計算し直し、その結果を報告する。試験体と試験方法の概要は、以下の通りであった。
2.1
試験体
設置後 20 年経過時に取り外して持ち帰ったカラマツ製遮音壁部材の内、音響性能試験で鋸断し
たものを除く、2スパン分 50 本を試験対象とした。これらの部材の断面形状は、図-1 のようであ
った。防腐処理は、PF3の加圧注入であった(インサイジング処理はなし)。
2.2
試験方法
静的曲げ試験は、スパン 1,875 mm の3等分点4点荷重方式で実施した。ここで、スパンは施工
現場におけるH型鋼の縁間距離とした。載荷方向は高速道路側の側面からとし、図-1 の状態から
90°回転させた状態で下部支点上にセットした。部材を原形のままで供試するため、下部支点や上
部荷重点には先端角の異なる複数枚の木製クサビを差し込み、載荷時における部材の安定を図った
(写真-1)。
MOE と MOR の算出に当たっては部材の断面を長方形とみなし、各部材の実測値(図-1)から幅=
(h1+h2)/2、高さ=(b1+b2)/2 とした。MOE の算出に当たっては、最大荷重(Pmax)の約 1/10 と
4/10 に相当する荷重データと、それぞれの変位データを用いた。
3
結果と考察
試験時の部材断面寸法、密度、動的ヤング係数(Efr)及び静的曲げ試験の結果を、表-1 に示す。
―
102 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
部材の平均長さは 1,957 mm であった。
表-1 の断面寸法は割れを含んだものであったが、それでも製造時よりは減少していた。これは、
主として乾燥による収縮が原因であると思われる。
MOR の最小値は 20.0 N/mm2 とやや小さめであったが、全体では MOE、MOR の値とも顕著な低下は
生じていなかった。これは、一部の部材に局所的な軽微な腐朽が認められた程度で、大きな断面欠
損は発生していなかったためと考えられる。
MOE と MOR の関係を図-2 に、密度と MOR の関係を図-3 に示す。いずれにおいても、高い相関関
係は認められなかった。
h2
h1
b1
b2
図-1
部材の断面形状と寸法測定方法
設計図面では b1=90、b2=107、
h1=h2=101.6 (mm)
写真-1
静的曲げ試験の方法
表-1 部材の断面寸法と曲げ強度性能(n=50) ※
中央部の断面寸法 (mm)
密度
Efr
MOE
3
2
b1
b2
h1
h2
(kg/m ) (kN/mm ) (kN/mm 2)
測 定
項 目
Pmax
(kN)
MOR
(N/mm 2)
平 均
87.01
104.42
97.00
97.46
503
10.98
11.00
19.23
40.5
最 大
最 小
標準偏差
94.88
83.79
2.29
109.60
99.17
2.55
103.76
90.45
2.70
104.08
91.47
2.89
590
392
43
14.24
7.26
1.54
14.37
8.18
1.47
30.28
9.37
5.20
66.5
20.0
10.9
密度、Efr、Pmax の値は、19 年度の業務報告と同じ。
70
70
60
60
MOR (N/mm )
50
2
2
MOR (N/mm )
※
40
30
y=4.27x-6.53
R2=0.330
20
10
6
8
10
12
14
50
40
30
20
10
350
16
400
450
500
550
600
3
2
密 度 (kg/m )
MOE (kN/mm )
図-2
y=0.0933x-6.78
R2=0.137
部材の MOE と MOR の関係(n=50)
―
図-3
103 ―
部材の密度と MOR の関係(n=50)
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(1)
-カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の曲げ強度性能-
木材部
伊東嘉文・吉田孝久
カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキによる接着重ね梁を作製し、曲げ強度試験を行った。その結果、
カラマツ接着重ね梁は曲げ強さが構造用製材の JAS 機械等級の基準強度を満たさないものが多かった。ア
カマツ(上段)+ヒノキ(下段)の接着重ね梁はそれを上回っており、アカマツをヒノキで補うことで強度性
能を向上・安定させることができた。両接着重ね梁とも、曲げヤング係数と曲げ強さとの間に有意な相関
も認められた。
キーワード:アカマツ、ヒノキ、カラマツ、異樹種複合、接着重ね梁
1
はじめに
本試験では、カラマツ+カラマツ接着重ね梁、及びアカマツ+ヒノキ接着重ね梁を作製し、曲げ
強度性能等を把握することを目的とした。
本研究は農林水産省「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」(H18~20)で実施した。
2
試験の方法
2-1
試験体の製造
長さ4mの長野県産カラマツ、アカマツ、ヒノキの原木から、製材工場で正角材に製材し、上伊
那森林組合伊南工場(駒ヶ根市)、及び一部は長野県林業総合センター(塩尻市)で、主に 120℃で高
温乾燥した。
乾燥後、上伊那森林組合伊南工場で 125mm 角に調整して接着重ね梁のエレメントとした。
これらエレメントを、縦振動法により動的ヤング係数(Efr)を測定し、Efr が同程度となるよう2
本のエレメントを組合せて積層接着し、幅 120mm、梁せい 240mm に仕上げて接着重ね梁とした。
2-2
曲げ強度試験
カラマツ+カラマツ接着重ね梁 81 体、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁 45 体を試験体として、実大
材曲げ試験機「㈱島津製作所製 UH-1000kNA」を用い、下部支点間距離 3900mm、上部荷重点間距離
1020mm の4点荷重条件、載荷速度 15mm/min で曲げ強度試験を行った。
荷重-変位曲線の比例域内の荷重と変位の関係から曲げヤング係数(MOE)を、最大(破壊)荷重から
曲げ強さ(MOR)を計測した(写真-1)。
なお、曲げ試験を行う前に、接着重ね梁を単一の平角材と見なし、針葉樹構造用製材の日本農林
規格(JAS)の目視等級区分の方法を準用して節径比を測定した。
更に、下部エレメントについては、1020mm 区間、及び 3900mm 区間の節径比を測定した。
3
試験の結果と考察
表-1 に曲げ強度試験等の測定結果を示した。上下エレメント Efr 平均値、MOE、密度ともアカマ
ツ+ヒノキ接着重ね梁の方が若干高い程度であった。しかし、MOR はカラマツ+カラマツ接着重ね
梁の平均値が 34.2N/mm2 であったのに対し、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁のそれは節径比がやや大
きいのにも拘らず 45.4 N/mm2 で、大きく上回った。
図-1 に MOE と MOR との関係を示した。カラマツ+カラマツ接着重ね梁は両者に相関が認められる
ものの、バラツキが大きく、MOE が高くても MOR が高くない試験体が多く見られ、カラマツ製材の
無等級材の基準強度(建設省告示 1452 号・平成 12 年)の 26.7 N/mm2 に満たない試験体が 81 体中 14
体あった。高温乾燥による強度低下がうかがわれたが、一方で高温乾燥材であっても高い MOR の試
―
104 ―
の状況
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
験体もあり、高温乾燥の影響が少ない
60
る。
(**:1%水準で有意 )
(○:アカマツ+ ヒノキ )
材の見極め方の検討が今後の課題であ
y = 3.8013x + 6.6097
R2 = 0.4665** n=45
50
MOR(N/mm2)
アカマツ+ヒノキ接着重ね梁では、
上記基準強度を下回る試験体はなく、
ヒノキがアカマツの輪生節等の欠点を
効果的に補っていた。MOE と MOR の相
40
30
カラマツ,ヒ ノキ無等 級材 基準 強度
関もカラマツ+カラマツ接着重ね梁よ
20
y = 3.1773x + 3.5713
n=81
り高かった。
(◆ :カラマツ+ カラマツ) R2 = 0.3648**
図-2 に2本のエレメントの Efr の平
10
6
均値と MOE との関係を示した。両接着
8
10
2
MOE(kN/mm )
12
14
図-1 カラマツ+カラマツ,アカマツ+ヒノキ接着重ね梁
のMOEとMORとの関係(H18,19,20計)
重ね梁とも、Efr の平均値と MOE との
間の相関は高く、製造時のエレメント
の Efr の組合わせで、接着重ね梁の MOE
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を推定し得ることが確認された。
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写真-1
㪍
曲げ強度試験の状況
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図-2 エレメントEfr平均値とMOEとの関係
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樹種及
び上下
段
組合せ
䉣 䊧䊜䊮䊃
試験時
㪤㪦㪩 密度
਄ਅ㪜㪽㫉 㪤㪦㪜
ᐔဋ୯
2
2
kN/mm kN/mm
平均値 10.34
6.95
カラマツ 最小値
最大値 14.61
+
カラマツ 標準偏差 1.70
変 動係数 (%)
(K+K) 試験体数
5%下限値
平均値
アカマツ 最小値
最大値
+
ヒノキ 標準偏差
変 動係数 (%)
(A+H) 試験体数
5%下限値
16.4
61
7.30
11.08
8.09
15.30
1.53
13.9
45
8.28
9.63
6.76
13.63
1.52
15.7
81
6.94
10.20
7.94
13.34
1.34
13.2
45
7.75
2
N/mm
広い材面材縁部 下部 エレメント荷 重点 間
集中
単独
集中
単独
集中
%
%
%
%
%
%
500
420
601
44
8.8
81
23.9
13.3
58.3
6.6
27.6
61
44.8
10.0
69.2
12.6
28.1
61
11.9
7.5
20.4
2.8
23.5
61
18.8
7.9
33.3
5.8
30.9
61
20.2
11.7
40.8
5.4
26.7
61
34.7
0.0
67.5
11.0
31.7
61
505
460
607
31
6.1
45
29.3
14.2
65.8
9.7
33.1
45
49.4
25.0
85.8
14.5
29.4
45
14.9
7.5
27.1
4.7
31.5
45
20.0
0.0
42.5
8.1
40.5
45
23.3
12.5
40.8
5.6
24.0
45
39.0
12.5
85.8
15.2
39.0
45
3
注)試 験体数は一部欠測 があり、 同数ではない。
―
狭い材面
単独 kg/m
34.2
19.0
57.2
8.0
23.4
81
20.0
45.4
29.6
56.7
7.5
16.5
45
31.8
節 径 比
105 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
公 的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(2)
-カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の圧縮・めり込み強度性能-
木材部
伊東嘉文・吉田孝久
カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキによる接着重ね梁を作製し、圧縮及びめり込み強度試験を行った。
カラマツ+カラマツ接着重ね梁は、圧縮については無等級材の基準強度を満たしたが、めり込みについて
は大部分が満たさなかった。アカマツ+ヒノキ接着重ね梁では同基準強度を、ともに大部分が上回った。
キーワード:接着重ね梁、圧縮強さ、めり込み強さ
1
はじめに
カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の圧縮強度試験、めり込み強度試験を行い、
これらの強度性能を把握することを目的とした。
本研究は「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」(H18~20)として行った。
2
試験の方法
2.1
試験体
接着重ね梁の製造については、本業務報告 P.104「公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね
梁の開発(1)」と同様である。長さ4mのカラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁から、
圧縮試験用として長さ 720mm の試験体、めり込み試験用として長さ 1440mm(H18)、1159~1190mm(H19)、
1386mm(H20)の試験体を切出した。試験体数は両接着重ね梁とも、圧縮試験用、めり込み試験用、各々
35 体である。
2.2
圧縮(縦圧縮)試験
実大材圧縮強度試験機「㈱島津製作所製 CCM-2000kNA」を用い、破壊荷重を断面積で除して圧縮
強さを算出した(写真-1)。試験の前に密度及び4材面の節径と位置を計測した。
2.3
めり込み(部分横圧縮)試験
実大材圧縮強度試験機「㈱島津製作所製 CCM-2000kNA」を用い、(財)日本住宅・木材技術センタ
ーの「構造用木材の強度試験法」に準拠し、できる限り節を避け、材長の中央部付近を上下に金属
製加圧板を介し、加圧速度5mm/min で加圧した(写真-2)。加圧しても明確な破壊が生じなかった場
合は、試験体に 20mm の変位が生じた時の荷重から、めり込み強さを求めた。
また、荷重-変位曲線の比例部分の直線を変位の増加方向に2mm ずらした直線と、同曲線との交
点における荷重からめり込み降伏強さを求め、更に、荷重-変位曲線の比例(直線)部分における荷
重と変位の比を加圧面積で除してめり込み剛性を算出した。
試験の前に密度、及び4材面の節径、加圧部と節との距離を計測した。
3
試験の結果と考察
3.1
圧縮(縦圧縮)試験
表‐1 に試験結果を示した。圧縮強さの平均値は、カラマツ+カラマツ接着重ね梁が 29.1N/mm2
で、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁のそれは 31.6 N/mm2 であった。5%下限値でも前者が 22.5N/mm2、
後者が 25.6 N/mm2 であり、無等級材の基準強度(建設省告示 1452 号・平成 12 年)の 20.7N/mm2 を
上回っていた。
図‐1 に縦振動法による動的ヤング係数(Efr)と圧縮強さとの関係を示した。カラマツ+カラマツ
接着重ね梁では両者に弱い相関が見られた。アカマツ+ヒノキ接着重ね梁では、平成 18、19 年度の
試験結果で 1%水準で有意な相関を報告 1) したが、平成 20 年度を含めたところ、無相関であった。
―
106 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
これは、試験体数が 35 体と少なく、平成 20 年度試験体に、Efr が低い割に圧縮強さが高いもの
が含まれていたためと思われた。
圧縮による皺曲は無垢の製材品と同様な破壊形態を示し、節や目切れ付近から始っており、接着
層が起因したものではなかった。
3.2
めり込み(部分横圧縮)試験
表-1 に試験結果を、図-2 に密度とめり込み強さとの関係を示した。カラマツ+カラマツ接着重ね
梁は大部分が無等級材のめり込み基準強度 7.8N/mm2 を満たさなかった。アカマツ+ヒノキ接着重ね
梁は、殆どがヒノキの基準強度 7.8N/mm2 を満たしていたが、35 体中 10 体がアカマツの基準強度
9.0N/mm2 には達しなかった。
アカマツとヒノキではアカマツの方が高い基準強度が与えられているが、基準強度とは逆に、ア
カマツ+ヒノキ接着重ね梁ではアカマツのめり込み量がヒノキより大きい傾向にあった(写真-3)。
表-1 圧縮及びめり込み試験結果(H18~20)
圧縮試験
樹 種
上下段
組合わせ
縦圧縮
強さ
2
(N/mm )
平均値
カラマツ
最小値
+
最大値
カラマツ
標準 偏差
5%下 限値
平均値
アカマツ
最小値
+
ヒノキ 最大値
標準 偏差
写真-1
㪋㪌
n=35
5%下 限値
29.1
23.9
38.0
3.6
22.5
31.6
25.6
39.8
3.3
25.6
㪊㪌
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(mm)
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圧縮試験の状況
最大単 最大集 めり込 めり込み めり込み
独節径 中節径 み剛性 降伏強さ 強さ
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㫅㪔㪊㪌
(mm)
28
12
40
7
55
25
74
11
35
20
77
11
64
31
126
23
2
3
(N/mm ) (N/mm )
2.78
2.18
3.59
0.34
2.15
3.14
2.06
4.44
0.55
2.12
試験時
含水率
密度
Efr
(N /mm 2) (kN/mm 2)
5.14
4.16
7.36
0.65
3.94
6.62
5.08
8.95
1.03
4.72
7.69
6.10
10.42
1.01
5.82
9.57
7.42
13.13
1.21
7.33
䉝䉦 䊙䉿 䋫䊍䊉 䉨
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(kg/m 3)
11.06
7.95
13.98
1.53
8.23
10.48
7.45
13.20
1.38
7.93
(%)
494
421
572
34
15.0
11.7
18.9
1.4
490
440
545
25
15.0
12.5
17.4
1.2
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両試験共通
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䉄䉍ㄟ䉂ᒝ䈘㩿㪥㪆㫄㫄㪉㪀
皺曲
n=35
めり込み試験
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㪏
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㪈㪈
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アカマツ
ヒノキ
写真-2
めり込み試験の状況
写真-3
参考文献:1)平成 19 年度長野県林業総合センター業務報告,P117
―
107 ―
めり込み量の違い
㪍㪇㪇
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
公 的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(3)
-カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁の引張り・せん断強度性能-
木材部
伊東嘉文・吉田孝久
カラマツ+カラマツ、アカマツ+ヒノキによる接着重ね梁を作製し、引張り及びせん断強度試験を行った。
引張り強さは両接着重ね梁とも殆どが無等級材の基準強度を満たしていた。せん断強さは平均値で、JIS
ブロック法の値に対する比が、5点荷重法では 0.5 強、実大ブロック法では 0.6 強の値であった。5点荷
重法でせん断破壊した試験体のせん断強さは、実大ブロック法によるそれと近似することが確認された。
いずれの試験法においても、両接着重ね梁のせん断強さは、無等級材の基準強度を満たしていた。
キーワード:接着重ね梁、引張り強さ、せん断強さ、5点荷重法、実大ブロック法
1
はじめに
カラマツ+カラマツ、及びアカマツ+ヒノキ接着重ね梁の引張り強度試験、せん断強度試験を行
い、両強度性能を把握することを目的とした。これらの試験は H19,20 の2年間で行った。
本研究は「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」(H18~20)として行った。
2
試験の方法
2.1
試験体
接着重ね梁の製造方法は、本業務報告 P.104「公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の
開発(1)」と同様である。
引張り試験体は H19 は長さ3mで5体、H20 は長さ4mで5体とした。
せん断試験体は4m接着重ね梁 10 体から、4等分点5点荷重法(以下、5点荷重法と記す)用に長
さ 2600mm を各1体ずつ、実大ブロック法用に長さ 150mm の試験片を各2体ずつ、JIS ブロック法用
に長さ 30mm の試験片を各2体ずつ採取した。
2.2
引張り強度試験
(独)森林総合研究所(茨城県つくば市)の引張り強度試験機を用い、チャック間距離 2160mm で引張
り載荷した(写真-1)。破壊荷重を断面積で除して引張り強さを、荷重-変位曲線の直線部分の変位
及び荷重から、引張りヤング係数を算出した。
2.3
(森林総合研究所)
せん断強度試験
<5点荷重法>:試験体長さ 2600mm、せん断スパン長 600mm(材せ
いの 2.5 倍)とし、上部荷重点2箇所、下部支点3箇所の4等
分点5点荷重条件で行った(写真-2)。
<実大ブロック法>:接着層がせん断面となるように、いす型に
写真-1
引張り試験
切断・調整したブロックを実大いす型せん断治具(写真-3)に
セットし、実大材圧縮試験機「㈱島津製作所製 CCM-2000kNA」
を用いて加圧した。破壊荷重をせん断面積 120×120mm で除し
て、せん断強さを算出した。
<JIS ブロック法>:JIS のブロックせん断試験法に準拠し、JIS
対応いす型せん断治具を用い、破壊荷重をせん断面積 25×
25mm で除して、せん断強さを算出した。
3
3.1
試験の結果と考察
引張り強度
―
108 ―
(5点荷重法)
写真-2
せん断試験
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-1 に試験結果を示した。引張り強さの平均値はカラマツ+カラ
マツ接着重ね梁が 24.7N/mm2 で、アカマツ+ヒノキ接着重ね梁のそれは
25.8 N/mm2 であった。図-1 に引張りヤング係数と引張り強さとの関係
を示した。両接着重ね梁とも比較的高い相関が認められた。また、カ
ラマツ+カラマツ接着重ね梁は 10 体中 2 体、アカマツ+ヒノキ接着
重ね梁は 10 体中 1 体を除き、無等級材の基準強度(建設省告示 1452
号・平成 12 年)の 16.2N/mm2 を満たしていた。
3.2
写真-3
表-2 に3種類のせん断試験法による試験結果
表-1 引張り試験結果(H19,20)
を示した。せん断強度の平均値は JIS ブロック法
樹種・上下
段組合わせ
に比して、実大ブロック法は 0.6 強、5点荷重法
密度
最大荷重
(kg/m3)
(kN)
平均値
最小値
最大値
は 0.5 強であった。
507
457
543
26
5.2
508
467
544
26
5.0
カラマツ
+
カラマツ 標準偏差
(n=10) 変動係数(%)
図-2 は2種の接着重ね梁 20 体の5点荷重法で
の試験において、せん断を生じて破壊した試験体
平均値
と、せん断が生じる前に曲げ破壊(この値もせん断
強さと見做した)した試験体とに分けて、試験法別に
せん断強さを比較したものである。せん断を生じ
アカマツ 最小値
+
最大値
ヒノキ
標準偏差
(n=10) 変動係数(%)
た5点荷重法による値と実大ブロック法による値が
㪋㪇
727
443
1056
206
28.4
760
397
1073
201
26.5
11.18
9.02
13.06
1.53
13.7
11.44
9.35
14.43
1.43
12.5
㪉
2
無等級材の基準強度 2.1 N/mm (建設省告示 1452
号・平成 12 年)は、全ての試験体が満たしてた。
✢ᒻ㩷㩿䉦䊤䊙䉿䋫 䉦䊤䊙䉿 㪀
㪊㪇
(アカマ ツ+ヒ ノキ n=10)
(カラマツ+ カラマ ツ n=10)
㫐㩷㪔㩷㪊㪅㪉㪎㪈㪊㫏㩷㪄㩷㪈㪇㪅㪋㪈㪊
㪉
㪩 㩷㪔㩷㪇㪅㪏㪈㪏㪋㪁㪁
㫐㩷㪔㩷㪋㪅㪋㪎㪋㪉㫏㩷㪄㩷㪉㪈㪅㪊㪈㪐
㪉
㪩 㩷㪔㩷㪇㪅㪍㪌㪌㪎㪁㪁
㪉㪌
㪉㪇
無等級 材の 基準強 度(カラマ ツ,ヒ ノキ)
㪈㪌
表-2 せん断試験結果(H19,20)
AH1
AH2
AH3
アカマツ AH4
+
AH5
ヒノキ AH6
AH7
n=10 AH8
AH9
AH10
平均値
標準偏差
㪍
せん断強さ 5P/JB FB/JB
N/mm2
2
6.41
8.00
8.09
6.73
5.99
6.24
5.95
5.28
5.44
7.02
6.52
0.91
11.43
11.97
10.60
9.44
9.57
10.27
10.82
11.54
8.67
12.05
10.64
1.09
0.41
0.43
0.59
0.51
0.39
0.40
0.50
0.54
0.75
0.58
0.51
0.11
0.56
0.67
0.76
0.71
0.63
0.61
0.55
0.46
0.63
0.58
0.62
0.08
7.30
5.83
5.22
6.58
6.97
6.97
6.66
7.30
4.93
5.61
6.34
0.83
7.23
7.03
5.74
7.80
6.87
7.57
5.75
7.47
7.79
6.20
6.95
0.75
12.81
11.39
10.70
10.75
7.87
11.31
11.02
12.24
13.38
12.80
11.43
1.49
0.57
0.51
0.49
0.61
0.89
0.62
0.60
0.60
0.37
0.44
0.57
0.13
0.56
0.62
0.54
0.73
0.87
0.67
0.52
0.61
0.58
0.48
0.62
0.11
注 )ブロックせ ん断は2つの 試験片 の平 均値
―
109 ―
㪏
㪈㪇
㪈㪉
ᒁᒛ䉍䊟䊮䉫ଥᢙ㩿㫂㪥㪆㫄㫄㪉㪀
㪈㪋
㪈㪍
࿑㪄㪈㵘ᒁᒛ䉍䊟䊮䉫ଥᢙ䈫ᒁᒛ䉍ᒝ䈘䈫䈱㑐ଥ
㪈㪋
䈞 䉖ᢿᒝ䈘㩿㪥㪆㫄㫄㪉 㪀
せん断強さ
N/mm2
4.68 曲げ
5.19 曲げ
6.31 曲げ
4.77 曲げ
3.76 曲げ
4.13 曲げ
5.38 せん断
6.25 曲げ
6.46 曲げ
7.05 せん断
5.40
1.03
せん断
せん断
せん断
せん断
せん断
せん断
曲げ
せん断
曲げ
曲げ
16.2 N/mm
㪈㪇
実 大ブロック(F B) JISブロ ック(JB)
㪈㪉
㪈㪇
㪏
㪍
㪋
ᦛ䈕⎕უ䈚䈢⹜㛎૕
㪉
㪢㪢㪈
㪢㪢㪉
㪢㪢㪊
㪢㪢㪋
㪢㪢㪌
㪢㪢㪍
㪢㪢㪏
㪢㪢㪐
㪘㪟㪎
㪘㪟㪐 㪘㪟㪈㪇
14
せん断強さ(N/mm2)
平均値
標準偏差
24.7
14.7
36.4
7.3
29.7
25.8
13.2
37.0
7.0
27.1
線形 (ア カマツ+ヒ ノキ)
ん断強さを反映すると推測された。
5点荷重法(5P)
樹種
試験
組合わ
せん断強さ
破壊
体No.
せ
形態
N/mm2
10.72
8.06
15.16
2.02
18.9
10.54
8.91
13.02
1.27
12.0
䉦䊤䊙䉿䋫䉦䊤䊙䉿
㪊㪌
ᒁᒛ䉍ᒝ䈘㩿㪥㪆㫄㫄 㪀
小試験片で行う JIS ブロック法よりも、実大材のせ
縦振動ヤ 引張りヤ 引張り
ング係数 ング係数
強さ
(kN/mm2) (kN/mm2) (N/mm2)
䉝䉦䊙䉿䋫 䊍䊉䉨
近似しており、実大ブロック法による試験結果は、
KK1
KK2
KK3
カラマツ KK4
KK5
+
カラマツ KK6
KK7
n=10 KK8
KK9
KK10
せん断試験
(実大ブロック法)
せん断強度
12
10
8
6
4
䋵ὐ⩄㊀ᴺ
ታᄢ䊑䊨䉾䉪ᴺ
㪡㪠㪪䊑䊨䉾䉪ᴺ
䈞䉖ᢿ⎕უ䈚䈢⹜㛎૕
2
KK7
KK10
AH 1
AH2
AH3
AH4
AH5
AH6
図-2 5点荷重法での破壊形態別の各試験法による比較
AH8
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
公 的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(4)
-接着力試験-
木材部
吉野安里・吉田孝久
接着重ね梁について、集成材の日本農林規格(JAS)に準拠して接着力試験を行った。接着剤の選定、
製造方法および養生を厳守することにより、難接着樹種での成績が向上した。製造にあたっては、製造条件
を厳守することの重要性をマニュアルに明記するとともに、いかにそれを実行させるか、またその担保とな
る製造記録の徹底を図ることが望ましいと考えられる。
キーワード:接着重ね梁、接着力試験、集成材の日本農林規格
1
はじめに
本試験の目的は、接着重ね梁の接着に関する品質が一定の水準にあるかを確認するとともに、品
質の向上に資することにある。前年度に引き続き接着重ね梁の品質を評価し、問題点の抽出と工程
の改善を行った。
平成 18 年度の接着不成績原因として試験体の製造工程、製造時期、資材管理等があると考えら
れたため、平成 19 年度は、これらの点について確認をとりながら試作した。しかし、静岡県以外
の試験体の多くは品質水準に及ばなかった。そこで、長野県で人工乾燥したカラマツ材を用いて静
岡県の製造業者において接着重ね梁を4体試作し、煮沸はく離試験と減圧加圧試験を行った。その
結果、すべてが JAS 基準を満たしていた。
そこで平成 20 年度は、1)接着剤:静岡県と同じ接着剤を使用する、2)製造方法:接着剤を塗
布した材の運搬距離および堆積時間(塗布からプレス圧締までの時間)を極力短縮する、3)養
生:温度保持と時間確保の厳格化を図る、ことを重点に試験を実施した。
本試験は、「新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」の「公的認証取得を可能とする
高信頼性接着重ね梁の開発」参加機関において分担して実施した。本報告は中核機関である当所で
とりまとめたものである。
2
試験の方法
平成 19 年 9 月改正の「集成材の日本農林規格(以下JASと記す)」の構造用集成材の接着試
験方法を準用し、「浸せきはく離試験」「煮沸はく離試験」「減圧加圧はく離試験」および「ブロッ
クせん断試験」を実施した。目標とする接着性能については、使用環境 C(構造物の耐力部材とし
て、接着剤の耐水性、耐候性又は耐熱性について通常の性能が要求される使用環境をいう)とした。
3
結果と考察
本接着重ね梁は 120mm 正角材2本を重ねて接着したものである。「浸せきはく離試験」「煮沸は
く離試験」および「減圧加圧試験」についてJASの適合基準に準拠すれば、
1)「はく離率5%以下」・・・試験片の両面の計で 12mm 以下を許容する
2)「同一接着層のはく離 1/4 以下」・・・試験片の片面ごとの計で 30mm 以下を許容する
こととなり、ゆえに 12mm を超えるはく離が生じれば、2)の結果にかかわらず不適合というこ
とになる(厳なる基準を適用する)。表‐1 に総合的な結果を、表‐2~5に試験項目ごとの結果の
内訳を、表-6 に今年度までの試験結果の概要を示す。富山県ではプレス機器の不具合のため、開
放堆積時間を 30 分程度も要した。試験条件のゆるい浸漬はく離試験は、各県ともに全数が適合し
------------------------------------------------------------------------------------------------*「平成 20 年度新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業」、研究課題名「公的認証取得を可能とする高
信頼性接着重ね梁の開発」接着力試験の実施機関および担当者は以下のとおりである。(富山県農林水産総合
技術センター 木材試験場)中谷 浩、(静岡県農林技術研究所 森林・林業研究センター)池田潔彦、(石川
県林業試験場 石川ウッドセンター)鈴木修治、松元 浩、(長野県林業総合センター)吉野安里
―
110 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
た。煮沸はく離試験は、静岡県、富山県を除いて成績が向上し、特にねじれが大きく難接着樹種と
考えられるカラマツ、ヒバでは、著しかった。試験条件の厳しい減圧加圧はく離試験では、20 年
度でも適合率は低く、接着重ね梁では基準を満たすことは困難であると考えられた。ただし、浸漬
はく離試験と煮沸はく離試験の基準に適合すれば減圧加圧はく離試験は要しないことになっている。
ブロックせん断試験は、(不適合でも再試験が認められる場合に該当し)ほぼ通常の品質水準であ
ると考えられる。製造条件を厳守することの重要性をマニュアルに明記するとともに、いかにそれ
を実行させるか、またその担保となる製造記録の徹底を図ることが望ましいと考えられる。
表-1
接着力試験のまとめ
総合判定
個別試験項目ごとのJAS基準適合数
担当県 1 )
エレメントの構成
浸 漬
は く離
カラマツ+カラマツ 長野
アカマツ+ヒノキ 長野
スギ低ヤング+スギ高ヤング 静岡
ヒノキ+ヒノキ 静岡
ヒバ+ヒバ 石川
カラマツ+ヒバ 石川
スギ+スギ 富山
表-2
5
5
5
5
5
5
5
2)
煮 沸
はく 離
5
4
3
3
4
3
0
3)
4)
減圧 加圧 ブ ロッ ク
はく 離
せ ん 断
0
2
3
4
3
0
0
基準適合数
担当県 a)
は く離
率
5
5
5
5
5
5
5
カラマツ+カラマツ 長野
アカマツ+ヒノキ 長野
スギ低ヤング+スギ高ヤング 静岡
ヒノキ+ヒノキ 静岡
ヒバ+ヒバ 石川
カラマツ+ヒバ 石川
スギ+スギ 富山
b)
はく離
長さ計
5
5
5
5
5
5
5
判定
a), b)
に 適合
5
5
5
5
5
5
5
担当県 a)
は く離
率
スギ低ヤング+スギ高ヤング 静岡
ヒノキ+ヒノキ 静岡
ヒバ+ヒバ 石川
カラマツ+ヒバ 石川
スギ+スギ 富山
スギ低ヤング+スギ高ヤング 静岡
ヒノキ+ヒノキ 静岡
ヒバ+ヒバ 石川
カラマツ+ヒバ 石川
スギ+スギ 富山
0
2
3
4
3
0
0
b)
はく離
長さ計
1
5
3
5
4
3
2
判定
a), b)
に 適合
0
2
3
4
3
0
0
表-5
表-6
エレメント構成
長野
2006
カラマツ+カラマツ
アカマツ+ヒノキ
カラマツ+カラマツ
アカマツ+ヒノキ
カラマツ+カラマツ**
アカマツ+ヒノキ**
低スギ+高スギ
低ヒノキ+高ヒノキ
低スギ+高スギ
低ヒノキ+高ヒノキ
低スギ+高スギ
低ヒノキ+高ヒノキ
2007
2008*
静岡
2006
2007
2008
5
4
3
3
4
3
0
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
ブロックせん断試験のまとめ
担当県 a)
エレメントの構成
判定
木部
破 断率
カラマツ+カラマツ 長野
アカマツ+ヒノキ 長野
スギ低ヤング+スギ高ヤング 静岡
ヒノキヤング+ヒノキヤング 静岡
ヒバ+ヒバ 石川
カラマツ+ヒバ 石川
スギ+スギ 富山
b)
せん断
強さ
5
5
5
5
5
5
5
試験
体数
a), b)
に 適合
5
5
5
5
4
4
5
5
5
5
5
4
4
5
5
5
5
5
5
5
5
注 a)木部破断率:65%以上、ただしスギ70%以上
2
今年度までの試験結果の概要
80
95
100
70
100
100
90
100
100
100
100
100
85
90
60
50
100
100
90
60
100
100
100
100
2
b)せん断強さ:7.2N/mm 以上、ただしスギ5.4N/mm 以上
試験体数 浸漬はく離 煮沸はく離 減圧加圧
(本)
試験
試験
はく離試験
16
19
10
7
5
5
18
20
6
5
5
5
5
5
5
5
4
5
3
基準適合数
試験
体数
b)同一接着層におけるはく離の長さの計30mm以下
年度
5
4
3
3
4
3
0
アカマツ+ヒノキ 長野
試験
体数
a), b)
に 適合
b)同一接着層におけるはく離の長さの計30mm以下
注 a)両木口面におけるはく離率5%以下
担当県
は く離
率
判定
b)
はく離
長さ計
注 a)両木口面におけるはく離率5%以下
基準適合数
アカマツ+ヒノキ 長野
担当県 a)
カラマツ+カラマツ 長野
減圧加圧はく離試験のまとめ
カラマツ+カラマツ 長野
5
5
5
5
5
5
5
0
40
60
80
60
0
0
煮沸はく離試験のまとめ
エレメントの構成
b)同一接着層におけるはく離の長さの計30mm以下
エレメントの構成
試験
体数
基準適合数
試験
体数
5
5
5
5
5
5
5
0
2
3
4
3
0
0
100
80
60
60
80
40
0
表-3
注 a)両木口面におけるはく離率5%以下
表-4
5
4
3
3
4
2
0
5
5
5
5
4
4
5
浸せきはく離試験のまとめ
エレメントの構成
1),2)
適合 率 3),4) 適合率
4)
(% ) に 適合 (%)
に 適合
0
10
0
0
100
80
90
50
67
80
60
60
ブロック
せん断
40
80
20
40
0
40
95
40
100
60
60
80
―
(適合率,単位:%)
担当県
年度
エレメント構成
石川
2006
カラマツ+ヒバ
ヒバ+ヒバ
カラマツ+ヒバ
ヒバ+ヒバ
カラマツ+ヒバ
ヒバ+ヒバ
スギ+スギ
スギ+スギ
スギ+スギ***
2007
2008*
富山
2006
2007
2008*
試験体数 浸漬はく離 煮沸はく離 減圧加圧
(本)
試験
試験
はく離試験
16
15
8
10
4
4
16
10
5
80
75
80
100
80
80
80
100
100
* 2008年度に接着剤を変更
** 製造工場を変更
*** プレスの故障により開放堆積時間が守られなかった。
111 ―
25
70
0
0
100
100
90
90
100
5
35
0
0
60
80
55
10
0
ブロック
せん断
0
5
0
0
0
60
75
30
0
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
公的認証取得を可能とする高信頼性接着重ね梁の開発(5)
- 接着重ね梁の構造性能試験(3)-
木材部
柴田直明・伊東嘉文・吉田孝久
「カラマツ+カラマツ」及び「スギ+スギ」接着重ね梁について、次の結果を得た。(1) クリープ試験で
は、50年後の推定たわみが「スギ+スギ」で初期たわみの2倍、「カラマツ+カラマツ」で3倍前後となり、
後者については今後の検討が必要であった。(2) ボルト接合部を想定した円形面圧試験では、乾燥割れによ
る強度低下は認められなかった。(3) 梁材に接着重ね梁を用いた構造用合板壁及びすじかい壁の壁試験では、
同仕様の通常の耐力壁と同等の構造性能が示され、乾燥割れによる強度低下も認められなかった。
キーワード:接着重ね梁、構造性能試験、クリープ試験、円形面圧試験、耐力壁せん断試験
1
はじめに
本研究では、一般住宅での接着重ね梁の具体的な使用方法を想定し、クリープ試験や接合部の強
度試験、さらには耐力壁の強度試験を行い、住宅内での用途の確立を目指した。初年度にクリープ
試験を始め、次年度より接合部強度試験と耐力壁強度試験を行い、構造性能の評価を行った。
なお、本研究は先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「公的認証取得を可能とする高信頼
性接着重ね梁の開発」(2006~2008 年度)の一部として実施した。中課題「接着重ね梁の構造性能
試験」は、中課題責任者である信大工学部の五十田博准教授を中心に進められた。
2
試験の方法
2.1
クリープ試験
試験体は「カラマツ+カラマツ」及び「スギ+スギ」接着重ね梁(120×240×4,000 mm)で、そ
の詳細と試験方法は平成 18 年度業務報告における当該課題の記載の通りであった。
本年度は「カラマツ+カラマツ」接着重ね梁のクリープ特性をより詳細に検討するため、「スギ
+スギ」接着重ね梁1体を取り外し、代わりに「カラマツ+カラマツ」接着重ね梁1体を追加して、
クリープ試験を継続した。
2.2
接合部強度試験
昨年度に引き続き、「カラマツ+カラマツ」及び「スギ+スギ」接着重ね梁のボルト接合部を想
定した円形面圧試験を実施した。本年度は、試験体として乾燥割れを有する接着重ね梁を使用した。
試験体の詳細と試験方法は、平成 19 年度業務報告における当該課題と同様にした。
2.3
耐力壁強度試験
昨年度に引き続き、国土交通省告示 1100 号業務報告書に準拠した構造用合板壁の壁試験を実施
した。また、すじかい壁の壁試験も実施した。梁材は「カラマツ+カラマツ」及び「スギ+スギ」
接着重ね梁とし、構造用合板壁には乾燥割れを有する接着重ね梁を使用した。試験体数は、いずれ
も1体とした。
3
結果と考察
3.1
クリープ試験
全期間におけるクリープたわみの測定結果を、図-1 に示す。
ここで、相対クリープは次式における yc/y0 である。
全たわみ(y)=載荷直後の初期たわみ(y0)+クリープたわみ(yc)
通常環境下における建築物の構造計算では、50 年後のたわみを y/y0 の形で推定し、「初期たわ
―
112 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
みの2倍」としている。
そこで、図-1 を基に 50 年後のたわみを推定すると、「スギ+スギ」接着重ね梁では「初期たわ
みの2倍」(図-1 の相対クリープで 1.0 以下)とみなしてよいことが確認された。これに対し、
「カラマツ+カラマツ」接着重ね梁では「初期たわみの3倍」前後との評価が望ましいと考えられ
た。
「カラマツ+カラマツ」接着重ね梁については、さらに追加試験も実施する予定である。
3.2
接合部強度試験
円形面圧試験の結果を、図-2 に示す。
昨年度の試験結果(平成 19 年度業務報告)と比較したところ、乾燥割れが直接接合部に当たる
場合を除き、乾燥割れによる強度低下はないことが確認された。
3.3
耐力壁強度試験
試験結果から壁倍率を求めると、構造用合板壁で 2.5 以上、すじかい壁で 3.5 程度となった。
昨年度の試験結果も含めて評価すると、梁材に接着重ね梁を使用した耐力壁についても、建築基
準法施行令第 46 条第 4 項表 1(1)項から(7)項までに掲げる軸組の数値や昭和 56 建告第 1100 号同
等以上の耐力を有する軸組の数値を用い得ることが明らかにされた。
相対クリープ
また、接着重ね梁に乾燥割れがあっても、同等の強度特性を示し得ることが確認された。
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0
100
200
300
400
500
600
700
経過日数(day)
図-1
全期間における接着重ね梁の相対クリープ曲線
黒線:カラマツ+カラマツ、灰色線:スギ+スギ
スギ+スギ(乾燥割れ有)
⩄㊀
M0
⩄㊀
M0
カラマツ+カラマツ(乾燥割れ有)
図-2
߼ࠅㄟߺ
OO
߼ࠅㄟߺ
OO
円形面圧試験の荷重-めり込み曲線(黒線:接着層部、灰色線:非接着層部)
―
113 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
国 産材住宅等における高耐震・高信頼性接合部の開発
※
- 柱脚接合部の補強方法の検討(2)-
木材部
柴田直明・伊東嘉文・戸田堅一郎
カラマツ集成材の鋼鈑挿入型接合部[直径d=16(mm)のドリフトピン1本使用]を2mm厚のガラス繊維(G
F)板0~3枚で補強して引張り、その補強効果を検討した。端距離7dの試験体ではGF補強枚数の増大に
従って初期剛性・終局耐力・仕事量が確実に向上し、より優れた接合部を造り得ることが明らかになった。
また、端距離5d-GF板3枚補強の試験体では、初期剛性・終局耐力が向上すると共に仕事量が比較対象の
端距離7d-GF板0枚補強と同程度となり、接合部のコンパクト化の可能性が示唆された。
キーワード:カラマツ集成材、鋼鈑挿入型接合、ドリフトピン、ガラス繊維補強、縦引張型二面せん断試験
1
はじめに
循環型社会の構築に向け、再生産可能な国産間伐材を活用した長寿命・高耐震性・高信頼性木造
住宅や木質構造物の開発が急務となっている。そこで、昨年度に引き続き、ガラス繊維(GF)板
による接合部のみの補強効果を検討した。特に、本年度はGF板補強の効果を明確にするため、試
験体を単純にし、縦引張型二面せん断試験を試みた。
なお、本研究は京都大学生存圏研究所との平成 20 年度共同研究(木質材料実験棟共同利用研
究)として実施した。
2
試験の方法
試験体の概要を、図-1 に示す。
集成材はスギ製の L60 同一等級構成とし、下部に鋼鈑挿入型ドリフトピン接合部を設けた。
補強用のGF板は、昨年度と同様、AGCマテックス製 F75 とした。このGF板は断面寸法が 2
×75 mm で、GF配向は内層で長さ方向、外層でランダムであった。今回の補強では、GF板内層
のGF配向を試験体長軸方向と平行にして積層接着した。GF板同士及びGF板と木材との接着に
は、昨年度と同様、鋼材-木材接着用のエポキシ樹脂接着剤(アイカ工業製 JBX-28D)を使用した。
試験対象となるドリフトピン接合部は、直径 d=16(mm)、長さ=150(mm)のドリフトピン1本で
固定した。端距離は 7d、5d、3d の 3 条件、GF板積層枚数は 0~3 枚の4条件で、n=3 とした。
試験条件は「端距離」を 7d 等、「GF板積層枚数」を 0s 等、両者の組合せを 7d-0s 等と表記する。
性能評価試験は単調引張りとし、クロスヘッドスピードは 7d で 5 mm/分、5d と 3d では原則とし
て 3 mm/分とした。試験結果は、完全弾塑性近似で評価した。この近似に際し、荷重値が最大荷重
の 80%を瞬間的に下回ったのみの場合は、それを無視した。
3
結果と考察
試験の結果を、図-2 及び表-1 に示す。図-2 の上段では、7d について全試験体の荷重-変位曲線
を例示した。図-2 の下段では、完全弾塑性近似の結果を試験条件ごとにまとめ、それぞれの平均
値を用いて図示した。
7d では、補強を 0s から 3s に増やすに従い、初期剛性、終局耐力及び仕事量が大幅に増大した。
5d では、0s のねばりがかなり減少した。補強を 0s から 3s に増やすに従い、初期剛性、終局耐
※ 本研究は、以下のメンバーによって実施された(敬称略)
。
京都大学生存圏研究所 小松幸平、森拓郎; 京都大学名誉教授 石原茂久; 齋藤木材工業 齋藤健、齋藤潔;
AGCマテックス 田澤仁; アイカ工業 月東秀夫;リグナイト 井出勇、樋口尚登; 長野県林業総合
センター 柴田直明、伊東嘉文、戸田堅一郎
―
114 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
力、塑性率、仕事量ともに増大した。この傾向は特に 3s において顕著であった。
3d でも、GF板補強によって初期剛性、終局耐力、塑性率、仕事量の増大傾向が認められた。しかし、
いずれの場合もねばりはほとんど見られず、仕事量は 7d-0s と比較してかなり小さかった。
また、7d-1s~7d-3s、5d-3s では、ドリフトピン貫通部のGF板において、かなりの面圧破壊が確認
された。これに対し、3d では面圧破壊がほとんど認められなかった(写真-1)
。
以上より、7d においては補強を 3s まで増やすことにより、接合性能を大幅に向上させ得ることが明
らかになった。また、5d-3s の仕事量は 7d-0s と同程度であり、接合部のコンパクト化の可能性が示唆
された。
PL-9 φ32
168
37.5
4-M24
249
75
GF補強部
(斜線部)
ドリフトピン
φ16, L=150
PL-9 φ32
50
凡例
上から
黒線:3s
灰線:2s
黒線:1s
灰線:0s
5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
平均変位(mm)
○:試験許
容応力
45
1面当りの平均荷重(kN)
168
96
37.5(2.3d)
7d
0
スギ L60
同一等級
ラミナ積層
100 100
112(7d), 80(5d), 48(3d)
75
1面当りの平均荷重(kN)
100 100
(mm)
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
40
3d
35
30
25
20
15
7d
5d
5 10 15 20 25 30 0
5 10 15 20 0
10
5
0
0
5
平均変位(mm)
図-1
試験体の概要
7d-0s
7d-3s
3d-0s
3d-3s
写真-1
図-2
荷重-変位曲線の例(上)と完全弾塑性近似の結果
表-1 完全弾塑性近似の結果 (n=3 の平均値)
接合部内側の様子
(試験後に鋸断・割裂し、内側を上にして観察)
―
試験
初期剛性 終局耐力 塑性率 仕事量
条件
kN/mm
kN
kN・mm
7d-0s
10.3
23.6
13.6
663
7d-1s
10.9
32.8
7.28
680
7d-2s
13.5
38.2
7.96
810
7d-3s
14.9
41.7
10.8
1190
5d-0s
(11.3)
(19.9)
(3.70) (105)
5d-1s
12.3
26.0
4.57
220
5d-2s
13.4
33.1
3.99
286
5d-3s
14.2
39.2
7.22
712
3d-0s
8.83
16.2
1.58
29.7
3d-1s
13.7
17.3
3.01
55.5
3d-2s
15.3
25.6
2.46
85.4
3d-3s
19.0
29.2
2.15
73.2
( )内の数値は、2試験体の平均値である。
115 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
ス ギ耳付き材の乾燥試験
木材部 吉田孝久、伊東嘉文
厚さ 44mm のスギ耳付き材の乾燥スケジュールを確立するため、3 種類の乾燥スケジュールで乾燥試験を
実施した。どの乾燥においても、初期含水率のバラツキが大きかったため,仕上がり含水率のバラツキも
大きかった。乾燥時間の短縮には,100℃以上の高温乾燥が必要であり、高温乾燥で乾燥した場合の調湿時
間は,できる限り長めに設定した方が仕上がり含水率のバラツキが少なくなると思われた。
キーワード:スギ、乾燥スケジュール、高温乾燥、仕上がり含水率、調湿
1
はじめに
今後、φ20~30cm の中径間伐材生産が増大することが見込まれる中、これらの素材から生産さ
れる製材品の乾燥方法を確立しておく必要がある。ここでは,小割による羽柄材の生産を目的とし
た厚さ 44mm のスギ耳付き材の乾燥スケジュールについて検討を行った。現在、乾燥現場で一般
的に採用されている乾燥スケジュールは低中温域での乾燥で、1 週間程度の乾燥時間を要している。
本試験では、クーリング時間を含めた乾燥時間を全 5 日間とし、仕上がり含水率を 15±3%に仕上
げることを目標とした。なお、本試験は(財)日本住宅・木材技術センター依頼による技術協力と
して実施した。
2 試験の方法
厚さ 44mm,幅 300~500mm,長さ 4000mm の耳付きのスギ板材を供試材とした(写真-1)。
乾燥スケジュールは、95℃中温乾燥スケジュール(以下「乾燥 A」)、一部高温乾燥を含めた 120℃
→90℃乾燥スケジュール(以下「乾燥 B」)、及び高温乾燥を通しで行う 110℃乾燥スケジュール
(乾燥「C」)の 3 条件とした(図-1 内にも表示)。初期蒸煮時間は、乾燥AとBを 12 時間、乾燥
Cを 10 時間に設定した。また、調湿時間は乾燥AとBを 24 時間、乾燥Cを 6 時間に設定した。
乾燥に当たって,それぞれの供試材の中から適当な 3 枚を抜き取り,長さ方向の中央部付近か
らおよそ 800mm 長の試験材を切り出し,両木口をシリコンとラップでコーティングした。これら
の試験材は、桟積みの木口側に立て掛け,定期的に重量を計ることで乾燥経過を測定した。
3
結果と考察
3.1
乾燥経過
図-1 に乾燥スケジュールと乾燥経過を示した。試験材の中で最も乾燥の遅れた材を除いて、含
水率が 15%を下回る時間をグラフ上から推測して比較すると,乾燥 A(95℃)では 60 時間,乾
燥 B(120℃→90℃)では 58 時間,乾燥 C(110℃)では 34 時間であった。したがって、通しで
行う高温乾燥(乾燥 C)は,乾燥時間の短縮に効果的であった。
3.2
仕上がり含水率
乾燥後の含水率(含水率計)の平均で最も高かったのは乾燥 A で約 17%であった。乾燥 B と乾
燥 C ではほぼ同程度の約 13%であった(表-1)。
乾燥後の含水率の頻度分布を図-2 に示した。乾燥 B で含水率 10~15%に頻度が高かったのは調
湿時間を 24 時間と長めに設定したためと思われる。乾燥 C では,乾燥時間と調湿処理をさらに延
長した方が、仕上がり含水率のばらつきを抑えることが可能と思われる。
目標の乾燥日数と含水率(15±3%)に仕上げることが可能である乾燥方法は乾燥 C であった。
3.3
乾燥後の水分傾斜(写真-2、図-3)
乾燥後の材内の水分傾斜は、仕上がり含水率の高い材ほど大きく、極端に大きな材を除いた他の
材では水分傾斜の少ない乾燥材に仕上がった。水分傾斜が最も大きかったのは乾燥 A であった。
乾燥 A と乾燥 B については,羽柄材としての利用のため小割を行ったが,「曲がりが少なく真っ
直ぐな材が多い」との評価であった。これは、十分な調湿処理のため乾燥仕上がり後の残留応力が
―
116 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
少なかったものと思われた。
3.4
乾燥後の形質
材面割れは,乾燥 B で 3 本の材にそれぞれ 39cm,57cm,145cm の割れが確認された。また、
内部割れは,全乾法による含水率を調べる際に,乾燥 B で 1 本の材に約1cm の割れが確認された
程度でほとんど発生しなかった。黒心材には落ち込みの見られた材もあった。試験材についてカッ
プ(幅反り)を測定したが、大きいもので測定スパン 270mm でおよそ 3mm 程度あった。乾燥 C
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湿球温度
㪇
㪉㪋
㪋㪏 㪎㪉 㪐㪍 㪈㪉㪇 㪈㪋㪋
ᤨ㑆䋨䌨䋩
㪥㪦㪅㪈
㪥㪦㪅㪉
㪥㪦㪅㪊
ੇ⃿᷷ᐲ
Ḩ⃿᷷ᐲ
㪇
図-1
表-1
㪉㪋
㪋㪏
㪎㪉 㪐㪍 㪈㪉㪇 㪈㪋㪋
ᤨ㑆䋨䌨䋩
乾燥前と乾燥後の含水率
乾燥 A
(95℃)
4.75 日
85.6(51.5~134.0)
17.2(10.0~44.0)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
5~10
10~15
15~20
ੇ⃿᷷ᐲ
Ḩ⃿᷷ᐲ
㪇
㪉㪋
乾燥 B
(120℃→90℃)
5.25 日
80.7(45.5~134.5)
13.3(10.0~33.5)
20~25
25~30
30以上
乾燥後の含水率の頻度分布
㪋㪇
㪊㪌
㪊㪇
㪉㪌
㪉㪇
㪈㪌
㪈㪇
㪌
㪇
乾燥 C
(110℃)
3.00 日
82.0(29.5~133.0)
12.9(7.5~34.5)
㪋㪇
㪊㪌
㪊㪇
㪉㪌
㪉㪇
㪈㪌
㪈㪇
㪌
㪇
写真 2
材内水分傾斜の測定
―
117 ―
㪍
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⴫ጀ㵘
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㪈
㪉㵘㵘㵘ਛᔃ㵘
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㪋 㵘⴫ጀ
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図-3
乾燥の様子
㪎㪉 㪐㪍 㪈㪉㪇 㪈㪋㪋
ᤨ㑆䋨䌨䋩
⴫ጀ㵘㵘㵘㵘ਛᔃ㵘㵘㵘⴫ጀ
㪈
㪉
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㪋
㪌
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写真 1
㪋㪏
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㪇
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図-2
㪥㪦㪅㪈
㪥㪦㪅㪉
㪥㪦㪅㪊
平均(最小~最大)
ੇ῎㪘
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0~5
ੇ῎㪚䋨㪈㪈㪇㷄ੇ῎䋩
乾燥スケジュールと乾燥経過
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乾燥日数(クーリング無)
含水率計での
乾燥前
含水率(%)
乾燥後
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㪈㪏㪇
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฽᳓₸䋨䋦䋩
฽᳓₸䋨䋦䋩䊶᷷ᐲ䋨㷄䋩
(110℃)での厚さ方向の収縮量は,平均で 2.4mm(最小値 1.7mm~最大値 3.4mm)であった。
乾燥後の材内水分傾斜
㪍
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
窒素ガス熱処理材の材質特性
-平衡含水率・寸法安定性・材色-
木材部 吉田孝久
窒素ガス環境下で180℃処理、195℃処理、215℃処理を行った熱処理材の温湿度変化に対する寸法安定性に
ついて、天然乾燥材との比較で検討した。2週間置きに温湿度環境を平衡含水率(EMC)で10%⇔5%の範囲で
変化させたところ、幅・厚さ寸法の変化量は天然乾燥材が最も大きく、熱処理材ではこれよりはるかに小さ
かった。さらに、熱処理材では処理温度が高いほど変化量は小さかった。また、各熱処理材の処理温度が高
いほど平衡含水率は低く、材色は濃い茶色を呈した。
キーワード:ヒートウッド、熱処理材、寸法安定性、平衡含水率、材色
1
はじめに
近年、床暖房を設備した床材に無垢材を使用するケースが多くなり、含水率の不調整から隙間や
割れ等が発生するなどトラブルの発生も散見される。床暖房を使用するフローリングには温湿度の
変化に対する寸法安定性が求められるが、この対策として現在、熱処理材(窒素ガスによる高温処
理や高温蒸気処理)や WPC(Wood-Plastic Composite)の使用が実用化されている。
本試験は、技術協力により実施したもので,高温で処理された熱処理材(商品名:ヒートウッ
ド)の寸法安定性を始めとした材質について調査し、床暖房用フローリングとしての適応性につい
て検討した。
2
試験の方法
2.1
試験材
試験材は、スギ材(厚さ 15×幅 120×長さ 450mm:プレーナー仕上げ)とし、窒素ガスを利用
した木材改質処理装置(ヒートコンディショナー:(株)ヒルデブランド社製)により 180℃、
195℃、215℃の 3 条件を与えた。また、比較対照として天然乾燥材を準備した。なお、各処理に
供した試験材数は 5 枚とした。
2.2
試験方法
全ての試験材は、試 験 開始時の含水率を揃 え るため、いすゞ製作 所 製の恒温恒湿装置 HPAV210-20 内で温度 30℃、湿度 60%、温湿度環境に対する EMC(平衡含水率)10.5%の雰囲気内に
2 週間放置した。
その後、表-1 に示したように 2 週間毎に温湿度を変化させ、試験材の重量と寸法(幅・厚さ)
を測定した。また、試験終了後に色彩色差計 CR-300(コニカミノルタ製)により材色を測定した。
3
結果と考察
3.1
含水率変化
試験材の含水率変化(処理別平均値)を EMC とともに図-1 に示した。
一般に熱処理木材は、平衡含水率が低下すると言われている。
各 処 理 材 の 平 衡 含 水 率 は 、 215℃ 処 理 材 < 195℃ 処 理 材 < 180℃ 処 理 材 < 天 然 乾 燥 材 の 順 で 、
215℃処理材が最も低く、天然乾燥材が最も高かった。
3.2
寸法変化
試験材の測定開始寸法を基準とした時の、幅方向の寸法変化量を図-2 に示した。
熱処理材は、天然乾燥材に比べ寸法変化が少なく、最終測定 2 週間の EMC10%から 5%の変化
に つ い て 比 較 する と 、180℃ 処 理材 が -0.56mm、195℃ 処 理 材 が -0.49mm、215℃ 処 理 材 が -
0.35mm の寸法変化であった。これに対して天然乾燥材は-1.16mm の寸法変化であった。
以上のように、熱処理材は、処理温度が高いほど寸法変化量が小さい傾向にあり、天然乾燥材は
―
118 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
熱処理材に比べて寸法変化はかなり大きかった。
3.3 材色
試験材の明度(L*)を図-3 に、また、その材色の様子を写真-1 に示した。
熱処理材は、天然乾燥材に比べ明度が低下し、赤みと黄みが増加する傾向にあった。特に明度は、
処理温度が高いほど低下し、215℃処理材は天然乾燥材の約 1/2 であった。
以上のように、熱処理材の視覚的色合いは、全体に茶系統が強くなり、処理温度が高いほどその
色も濃く変化した。
表-1
開始(2009.8.4)
※:EMC:温湿度に対する平衡含水率
初期 2 週間
2 週間
2 週間
2 週間
2 週間
2 週間
温度:30℃
湿度:60%
EMC:10.5%
温度:40℃
湿度:47%
EMC:8%
温度:40℃
湿度:27%
EMC:5%
温度:40℃
湿度:47%
EMC:8%
温度:40℃
湿度:60%
EMC:10%
温度:40℃
湿度:27%
EMC:5%
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装置内EMC
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含水率(%)
温湿度環境の変化
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㪈㪐㪌㷄ಣℂ᧚
㪏㪋
㪈㪏㪇㷄ಣℂ᧚
㪉㪈㪌㷄ಣℂ᧚
配置日数(日)
図-1
図-2
含水率変化の経過
幅方向の寸法変化量
L*(明度)
白
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
黒
天然乾燥材
180℃処理材
図-3
195℃処理材
天然乾燥材
215℃処理材
180℃ 処 理 材
写真-1
処理別 L*(明度)
―
119 ―
195℃ 処 理 材
各試験材の材色
215℃ 処 理 材
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
試 験地管理
担当
楢川試験地
平成20年度に実施した楢川試験地に関する施業は次のとおりである。
表-1
施業種別
歩道維持
平成 20 年度施業実施内容
数量
520m
間伐
0.33ha
計
ろ-四
ろ-五
84,000
松本広域森林組合
63,000
木曽森林組合
備考
147,000
表-2
ろ-三、九
受託者
1,250m
作業道維持
箇所
事業費
(円)
樹種
(林齢)
ヒノキ
(33)
〃
(33)
スギ
(33)
箇所別施業内容
施業種別
面積
(ha)
間伐
0.17
〃
0.11
〃
0.05
―
120 ―
備考
育林部
Ⅲ 関連業務
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
林木育種事業
担当 育 林 部
県営種子採取事業による種子発芽試験
長野県林業用種子採取事業により依頼されたスギ1件、ヒノキ5件、アカマツ1件、カラマツ
2件、の計9件について発芽試験を実施した(表)。
発芽試験は、農林水産省林業試験場による林木種子の検査方法細則(1980年)に準じて実施し、
純量率(純正種子重量/供試種子重量×100)、1,000粒重、1g当り粒数、発芽率(国際法)を求
めた。また、試験を行った結果から発芽効率(発芽率×純量率)を求めた。
なおヒノキ及びカラマツの作柄が不良であり、種子の採取量が少なかった。そのため、ヒノキ
ならびにカラマツの発芽率が低く、バラツキも大きかった。
表 種子発芽試験結果
樹種
採種林所在地
アカマツ 上伊那郡箕輪町
ヒノキ
〃
採種源番号
中箕輪採種園
〃
1000粒 1g当り 発芽
重(g)
発芽
採種
粒数 率(%) 効率(%) 年月
8.33 120.1
96.3
95.1 08/10
2.28 439.4
13.5
13.5
〃
〃
木曽郡南木曽町
大原採種園
1.48 676.0
2.8
2.7
〃
〃
上伊那郡箕輪町
中箕輪採種園
2.41 415.1
25.0
24.8
〃
〃
下伊那郡高森町
高森採種園
2.27 441.4
3.0
〃
〃
2.81 356.4
37.0
36.9
4.04 247.7
15.3
15.0 08/10
4.19 238.8
23.0
22.7
〃
4.24 236.0
32.3
31.7
〃
カラマツ 松本市安曇4307-1
〃
スギ
〃
〃
長野普46-31
〃
須坂市米子字硯原1154-1他 米子採種園
―
122 ―
備考
3.0 08/11 無袋
〃
袋かけ
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
病虫獣害等の鑑定
育林部
地方事務所などから送付された林木、苗木、緑化木、及び木材の被害標本 222 件について、その
原因を鑑定した。結果は表に示すとおりで、防除方法等についてはその都度指導を行った。
マツの立ち枯れ
マツの立ち枯れ(松くい虫)の鑑定件数は 87 件で、マツ材線虫病と鑑定された件数は 45 件だっ
た。平成 21 年(2009 年)3月末現在の被害発生地域は 45 市町村である。
ミズナラなどのナラ類集団枯損被害
「カシノナガキクイムシが媒介するブナ科樹木萎凋病」によるナラ類枯損被害は、新たに小谷村
で被害木 21 本が確認された。これまでの被害地域である飯山市、野沢温泉村、栄村、信濃町では、
被害量が 8700 本以上と平成 19 年度の約 2.3 倍に増加した。
カツラマルカイガラムシによる広葉樹被害
カツラマルカイガラムシによる広葉樹被害は、上田市などで被害が終息傾向にみられる箇所もあ
るものの、新規に被害が拡大した箇所も存在した。平成 21 年(2009 年)3 月現在の被害発生地域
は、新たに被害が確認された松本市を含め、11 市村となった。
表 病虫獣害鑑定の内訳(平成20年4月1日~平成21年3月31日)
区分
地域
佐久
上小
諏訪
上伊那
下伊那
木曽
松本
北安曇
長野
北信
計
件
数
マツ枯損
マツ材
線虫病
11
1
22
8
13
50
24
4
4
64
2
35
7
14
3
5
222
45
森林・苗木
原因
不明
庭木・緑化木ほか
病害 虫害 獣害 気象害 病虫害 その他
1
8
9
3
3
18
2
1
1
42
3
23
26
1
―
1
123 ―
4
2
1
13
1
2
5
1
1
14
虫害
3
1
1
3
1
病害
2
5
2
22
病虫害 その他
4
1
1
1
1
1
22
2
7
40
2
1
4
11
1
1
9
2
2
15
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
依頼分析試験
依頼分析
件 数
土
壌
理
化
学
試
験
林
木
種
子
発
芽
試
験
木材の含水率試験(全乾重量法による)
木 材 の 強 度 試 験 ( 圧 縮 試 験 )
〃
( 曲 げ 試 験 )
〃
( せ ん 断 試 験 )
〃
(実大材曲げ試験)
〃
( 壁 せ ん 断 試 験 )
集成材の接着力試験(浸せきはくり試験)
〃
(煮沸はくり試験)
〃
(ブロックせん断試験)
合 計
0
1
11
4
7
1
75
4
4
4
4
115
―
124 ―
備 考
Ⅳ 組織・予算
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
1 組 織
管理部
庶務及び会計
指導部
森林・林業の普及啓発及び指導、試験研究の企画及び連絡調整、
及び林業担い手の養成、森林作業の調査研究及び指導
森林学習展示館
緑の体験学習施設
所長
育林部
林木の品種改良、育苗、育林、森林立地、森林の病虫獣害防除
の試験研究及び指導、林木の種子の依頼分析
特産部
特用林産に関する試験研究及び指導
林業経営の調査研究
木材部
木材の利用開発、製材技術の試験研究及び指導、木材の依頼分析
2 予 算
(単位:千円)
種 目
人
件
金 額
費
181,871
管理運営費
34,185
林業総合センター管理運営費等
試験研究費
31,733
国補及び県単試験研究費等
普及指導・
事
業
費
計
5,350
林業後継者育成対策等事業、林業技能指導費等
体験学習の森事業、種子採取事業等
253,139
3 施設状況
建 物
設置年度
S62
S63
H9
H10
H11
合計
建物名称
土 地
棟数 面積(㎡)
土地名称
面積(㎡)
433,975.74
本館
1
1,355.37
林業総合センター
その他
12
1,999.66
楢川実験林
森林学習展示館
1
499.98
研修宿泊棟
1
954.07
その他
6
356.98
乾燥・強度試験棟
1
163.15
実習用施設
1
29.81
その他
2
33.32
その他
1
22.35
26
5,414.69
―
126 ―
合計
99,600.00
533,575.74
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
4 図 書
(単位:冊)
冊数
分類
総記 歴史
年度末
うち20年度分
14年度末
産業
社会 自然
工学
科学 科学
産業 農業
林業
小計 報告書類
計
227
86
298
925
262
215
239
3,519
5,771
15,213
20,984
-
3
1
10
3
-
1
34
52
140
192
217
76
258
819
224
211
197
3,139
5,141
13,761
18,902
5 職員調書
職
名
氏
名
備
考
所長
片倉 正行
管理部長
深井 和豊
主査
向井 佐智子
主査庁務技師兼運転技師
田中 功二
主事
嶋崎 仁
副参事兼指導部長林業専門技術員
小松 大八
担当係長兼林業専門技術員
宮崎 隆幸
主査林業専門技術員
白石 立
主査林業専門技術員
青栁 智司
育林部長
橋爪
丈夫
主任研究員
近藤
道治
研究員
岡田
充弘
研究員
小山 泰弘
研究員
山内 仁人 特産部長
小坂 信行
担当係長兼林業専門技術員
高木
茂 林業大学校兼務
主任研究員
増野
和彦
林業大学校兼務
主任研究員
竹内
嘉江
木材部長
柴田
直明
専門研究員
伊東
嘉文
主任研究員
吉田
孝久
主任研究員
吉野
安里
研究員
戸田 堅一郎
―
127 ―
兼出納員
林業大学校兼務
林業大学校兼務
林業大学校兼務
Ⅴ 気象観測
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
気象観測
-
担当
1
育林部
観測位置
長野県塩尻市大字片丘字狐久保 5739
東
経
137°59′51″ *
北
緯
36°8′38″ *
海抜高
2
870 m
観測方法と観測値
観測は、気温・地温は白金抵抗型、湿度は静電容量式、降水量は転倒マス型、風向風速は三杯型
センサで行い、データはPCで処理している。
気温・地温・湿度・風速は観測瞬時値から、10 分毎に平均値を算出し、最大値、最小値等とと
もに記録している。最高・最低気温は1日の最大及び最小瞬時値の月平均である。降水量は1日の
積算降水量である。なお、降水量 0.5mm 未満は記録されない。
平年値は平成元年から平成 10 年の平均値である。
3
観測の結果
平成20年の観測結果を表-1~3、図-1、2に示す。
4
平成20年の気象
概要
年平均気温と年間降水量はともに平年並みであった。また、台風の上陸・接近や記録的な豪雨も
なく、大規模な気象災害の発生はなかった。
冬(1、2月)
1月の上旬は比較的暖かな日が多く、11日には1月としては観測開始以来最も高い14.4℃を記録
したが、以後は2月にかけて気温の低い日が続いた。1月・2月ともに降水量は少なかったが、本
州南岸を通過した低気圧の影響で降雪は多く、最深積雪深は36cmを記録した。
春(3~5月)
3月は高気圧に覆われ暖かい日が多く、月平均気温(3.9℃)は観測開始以来2番目に高く、降
水量は平年より少なかった。4月は平均気温は平年並で降水量は多かった。5月は平年並みの平均
気温であったが寒暖の差が激しく、降水量も多かった。また、梅雨入りが5月29日頃と平年より早
かった。
夏(6~8月)
6月上・中旬は梅雨前線の活動は弱かったが、下旬に前線の活動が活発化し、降水量が多くなり、
気温は低かった。梅雨明けは7月19日頃と平年並みで、7月の降水量も平年並みであったが、気温
は平年より高かった。8月は太平洋高気圧に覆われ、上旬から中旬にかけて晴れて気温が高い日が
続いたが、月の半ばから寒気が南下しやすく大気が不安定な状態となり、月平均気温は平年並みで
あった。にわか雨や雷雨も多く、県内では落雷・降ひょうによる被害が発生した。
秋・冬(9~12月)
9月は太平洋高気圧の勢力が強く、降水量は平年より少なかったが、気温は平年並だった。10月
*GARMIN 社 GPSMAP76S-J による測定値(2004.4 世界測地系)
―
130 ―
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
は天候が安定し、気温はやや高く降水量は少なかった。11月の気温・降水量は平年並みであった。
12月は強い寒気の南下が少なく、暖かい日が多かった。5日に寒冷前線の影響でまとまった降雨が
あったが、降水量は平年並みであった。
表-1
月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
全年
平均
-2. 2
-3. 1
3. 9
9. 0
13. 9
17. 4
22. 8
22. 4
17. 9
12. 2
5. 9
2. 8
10. 2
平年
10. 1
気温( ℃)
最高
3. 2
2. 7
11. 0
16. 4
21. 4
24. 4
30. 1
29. 1
23. 9
18. 5
11. 2
8. 1
16. 7
16. 0
表-2
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
全年
降水量
( mm)
32. 5
39. 5
73. 5
132. 0
193. 5
194. 5
142. 5
141. 0
75. 0
71. 0
52. 5
37. 0
1184. 5
平年
1179. 6
月
気温
平成20(2008)年
最低
-6. 4
-7. 9
-1. 5
3. 2
8. 3
12. 8
18. 2
18. 5
14. 0
7. 9
1. 9
-1. 8
5. 6
5. 3
観測所 長野県林業総合センタ ー
最高気温の極
最低気温の極
起日
起日
( ℃)
( ℃)
14. 4
11
-12. 6
26
10. 5
22
-11. 3
18
19. 2
16
-8. 6
6
27. 7
30
-3. 5
1
29. 0
4
3. 3
12
29. 6
18
8. 9
13
34. 4
25
12. 0
1
34. 0
15
15. 6
18
29. 9
6
2. 8
28
23. 7
10
1. 7
31
18. 9
6
-3. 8
20
14. 6
9
-7. 7
26
34. 4
8. 15
-12. 6
1. 26
96. 2. 22
37. 0
94. 8. 16
-14. 2
97. 2. 23
降水、相対湿度、地温
降水日数
( 日)
7
8
9
11
13
14
15
15
15
7
8
5
127
120
最大降水量
( mm)
起日
15. 0
12
18. 0
3
15. 5
20
32. 0
18
56. 5
25
77. 0
22
51. 0
26
35. 0
6
15. 5
22
33. 5
6
24. 0
28
17. 5
5
77. 0
6. 22
130. 5
91. 10. 1
―
131 ―
平成20(2008)年
観測所 長野県林業総合セン タ ー
相対湿度
地温( ℃)
( %)
10cm深
30cm深
72. 8
1. 8
2. 9
71. 3
1. 2
2. 1
68. 6
5. 3
4. 9
68. 3
10. 1
9. 3
69. 3
15. 6
14. 4
77. 6
19. 1
18. 0
77. 2
24. 3
22. 9
79. 2
24. 9
23. 9
84. 0
21. 5
21. 4
80. 6
15. 7
16. 2
73. 4
9. 0
10. 3
67. 9
4. 3
5. 6
74. 2
12. 7
12. 7
74. 1
12. 4
12. 8
長野県林業総合センター業務報告(2009.7)
表-3
風速、風向
平成20(2008)年
観測所 長野県林業総合セン タ ー
平均風速
最大瞬間風速
最多風向
( m/秒)
( m/秒)
起日
1. 0
NW
11. 5
6
1. 0
NW
12. 8
26
1. 1
SSE
11. 5
14
1. 0
NW
11. 0
24
0. 8
NW
11. 1
20
0. 6
NW
12. 0
29
0. 7
SSE
11. 1
3
0. 7
SSE
12. 1
9
0. 6
NW
10. 2
25
0. 6
ENE
11. 4
14
1. 0
SSE
11. 6
23
1. 4
SSE
15. 7
21
0. 9
SSE
15. 7
12. 21
月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
全年
4.0
℃
2.0
0.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
月
-2.0
-4.0
図-1
月平均気温の平年偏差
平成20(2008)年
mm
100
50
0
-50
-100
月
-150
1
2
図-2
3
4
5
6
月降水量の平年偏差
―
132 ―
7
8
9
10
平成20(2008)年
11
12
平成20年度
長野県林業総合センター業務報告
平成21年6月発行
発行
長野県林業総合センター
〒399-0711
長野県塩尻市大字片丘 5739
TEL (0263) 52-0600
FAX (0263) 51-1311
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