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センター年報 - 武庫川女子大学

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センター年報 - 武庫川女子大学
情報教育研究センター年報
Institute for Educational Computing and Research
’98
武庫川女子大学・同短期大学部
平成10年度
Ⅰ
情報教育研究センター年報
研究活動
(1)
武庫川女子大学におけるマルチメディア環境整備の概要 ………………………………………1
情報教育研究センター長 濱谷 英次
(2)
小学校における地域教材の作成と授業展開(その1) ……………………………………………22
「社会科から総合的な学習への発展を求めて」
情報教育研究センター研究員 小野 賢太郎
地域交流研究会グループ 上月 啓史・竹下 和博・薮
稔・田中 良憲・
西橋 英樹・松本 栄次
(3)
大学生に見る就職活動に際してのインターネット利用の現状 …………………………………26
情報教育研究センター助手 岡田 由紀子
(5)
Windows95パソコン教室の管理運営について ……………………………………………………35
人間関係学科助教授 萬代
悟
(6)
学生のニーズに合わせた情報環境の整備 …………………………………………………………41
人間関係学科助手 北村 和恵
(7)
情報リテラシー教育の重要性と課題 ………………………………………………………………47
共通教育部非常勤講師 奥
正夫
Ⅱ
業務報告
1
情報教育研究センター概要
(1) 事業・組織 …………………………………………………………………………………………55
(2) 業務内容(事務室および教材準備室) …………………………………………………………56
(3) センターカレンダー ………………………………………………………………………………57
(4) センターニュース(第4−1号・第4−2号) ………………………………………………58
2
センター役職および情報処理教育委員………………………………………………………………62
3
情報処理教育委員会……………………………………………………………………………………62
4
情報処理教育
(1) 全学情報処理教育カリキュラム …………………………………………………………………65
(2) 全学情報処理教育時間割 …………………………………………………………………………68
(3) 全学情報処理教育施設・設備概要 ………………………………………………………………69
(4) 情報処理実習自習状況 ……………………………………………………………………………70
(5) 情報教育教材(ソフト)一覧 ……………………………………………………………………71
(6) 「情報処理基礎教育システム」導入について …………………………………………………72
5
学院キャンパスネットワーク
(1) ID発行状況 ………………………………………………………………………………………73
(2) IP発行状況 ………………………………………………………………………………………75
(3) 教職員ネットワーク講座 …………………………………………………………………………76
(4) 学院キャンパスネットワーク整備状況 …………………………………………………………77
6
情報機器斡旋
(1) 斡旋について ………………………………………………………………………………………78
(2) 斡旋状況 ……………………………………………………………………………………………80
(3) ワープロ・パソコン検定 …………………………………………………………………………83
(4) ワープロ検定受験対策講座 ………………………………………………………………………84
7
学外活動…………………………………………………………………………………………………85
8
学術講演会………………………………………………………………………………………………87
9
マルチメディア環境整備………………………………………………………………………………88
10
センター関係諸規程
(1) 武庫川女子大学情報教育研究センター規程 ……………………………………………………93
(2) 武庫川女子大学・武庫川女子大学短期大学部情報処理教育委員会規程 ……………………95
(3) 武庫川学院キャンパスネットワーク運営委員会規程 …………………………………………96
(4) 武庫川学院キャンパスネットワーク運用規約 …………………………………………………97
(5) 武庫川学院キャンパスネットワーク運用細則 …………………………………………………99
武庫川女子大学におけるマルチメディア環境整備の概要
濱
谷
英
次
キーワード:授業改善、自己点検、情報化、マルチメディア、遠隔授業
1.はじめに
平成10年度は、大学の授業の在り方を考える上で大きな「うねり」があった年ということができる。
大学の設置基準の大綱化以来、私立大学では様々な取り組みが具体化され、個々の大学の特色を打ち
出す試みがなされている。しかし、それらの多くは、入学者選抜方法の多様化や新学部・学科の新設、
あるいは既存学部・学科の改組であったり、新キャンパス・新校舎といった、外面的にも分かりやす
い取り組みということが言える。一方、大学の教育の現状については、学外からは見え難い部分とし
て、現在まで至っているのではなかろうか。
平成10年度の文部省私学助成において、マルチメディア環境整備が大きく打ち出されたことは、大
学の教育環境、教育インフラを整備することで大学教育の改善を強く求めたものという意味合いがあ
る。本学も、このような動きを受け、全学的にマルチメディア環境の整備を進めたが、具体的に何が
問題となり、何を目標として整備に取り組んだのかについて、そしてどのように具体化したかについ
て概要を紹介し、将来に向けての課題についてまとめる。
2.背景
2–1
学内状況
マルチメディア環境の整備をするに際して、教育の現状を考慮する必要がある。近年の学生の傾向
として、しばしば指摘されているように学生の多様化がある。多様化とは、大学生としての意識や学
習への関心、あるいは将来への目的意識など、それこそ多面的に表現することができる。いわば、現
代学生気質という意味において、授業への関わり方が以前とは変わってきている。さらに、情報への
アクセスという点で、かってないほど多様なメディアに子供の頃から関わってきた結果、感性そのも
のも変化してきたというべきであろう。こうした事を踏まえれば、授業の展開の仕方においても何ら
かの工夫が求められていることは明らかである。
さらに、学生が大学生活や大学の授業に期待する事柄も様々であり、その結果、授業の内容や進め
方、カリキュラムについても工夫が必要となっている。大学設置基準の大綱化の流れもあり、カリキ
ュラム編成において、選択科目の増加が図られた。これは、学生のニーズに応えることになってはい
るが、一方で科目の履修についての甘えの気持ちを一部の学生に生んでいる。つまり、履修を継続す
Eiji HAMATANI 情報教育研究センター長
人間関係学科教授
Summary of Multimedia Environment in Mukogawa Womens’ University
−1−
るかどうかは、履修科目の授業の表面的な面白さや、課題やレポートなどの学習努力に対する負荷の
要求度合いを重視して決める傾向が見られる。このことは、当該科目の目標とする本来の狙いを理解
する以前に学習の場から離れてしまう結果を生じる。こうした学生を如何にして学習の場に引き戻す
かについての教員側の努力が期待される状況になっている。
もう一点指摘できることは、教材の多様化が進んでいることが擧げられる。具体的には、印刷物と
しての教科書やプリントの形で提供されていた情報だけでなく、OHPやスライド、ビデオ、オーデ
ィオテープなど、テキスト形式以外の情報の利用が増加している。また、CD– ROMなどに代表され
るようなデジタル化された教材も次第に利用されるようになってきていることや、インターネットや
衛星放送を活用してライブの情報を授業場面で利用することも増えている。
このような授業場面での環境変化とともに、本学では平成10年度に大学全体として従来から行われ
ていた自己点検・自己評価を総括する意味から、大学基準協会による外部評価を受けるための取り組
みが本格的に行われた。このことは、本学での教育・研究活動の在り方を見直す大きな契機となった。
こうした動きは、平成11年度が学院創立60周年、大学開学50周年という節目に当たることを踏まえ、
将来へのさらなる発展の基礎固めという意味合いから具体化されたものである。
2–2
大学を取り巻く情勢
大学、とりわけ私立大学の在り方に大きな影響を及ぼしつつあるのは、18歳人口の急激な減少であ
ろう。応募者の激減は大学のイメージダウンを伴うだけでなく、経営そのものも危うくする。こうし
た事態を回避するには、大学が魅力あるものでなければならない。それは高校や高校生への効果的な
情報提供や、入学者選抜についての様々な創意工夫が不可欠となるが、大学における教育そのものの
見直しを行い、魅力あるカリキュラムの編成や日々の授業の一層の改善が強く期待される状況になっ
ている。こうした日本に特有の国内事情だけでなく、情報化、国際化の進展により大学評価の「グロー
バルスタンダード」化の期待がじわじわと影響を及ぼしつつある。単位認定基準の明確化やオフィス
アワーの具体化などに見られる教育サービスの強化の要求などは、単に授業改善といったレベルの発
想だけでは対応できないことは明らかである。大学が行うすべての教育研究活動を根本から見直す努
力が求められている。
こうした状況を反映し、文部省を中心とした高等教育改革の動きも急速に進みつつある。それら一
連の動きの中で特徴的なのは、複数の大学が連携し共同して授業支援環境の整備を進めようとしてい
ることにある。具体的には、交換授業や共同授業、さらには情報インフラを活用した遠隔授業あるい
は衛星通信授業などがある。こうした動きに参加するためには、大学としての特色が明確でなければ
ならない。当然、専門性や教育技量の優れた教員を有していることが重要な決め手となる。
新たな動きは、遠隔授業形式による単位取得を30単位まで認めるという形で具体化されたが、こう
した制度上の変化に追随できる大学は、相当の努力を求められることは必定である。つまり、先進的
な取り組みを可能とする学内状況、学内体制の有無が問われている。
個々の大学、とりわけ私学の取り組みを促進する大きな契機となるのは、私学助成の在り方の変化
であろう。近年、国レベルでは私立大学の高度情報化推進の支援を強化している。こうした動きは、
長期に亘る経済不況打開の方策の一貫として、社会の情報インフラ整備への資本の集中投下という意
味合いはあるが、一方で情報通信技術に見られる激烈な国際競争に期してゆける人材育成の面から、
大学の教育の質的向上、ひいては研究水準の引き上げといった狙いがある。
−2−
こうした背景を反映して、私立大学への各種の助成の在り方も社会状況を反映したものに急速に変
わりつつある。
3.取り組みの経過
マルチメディア環境整備への取り組みのきっかけとなったのは、平成10年度文部省第1次補正予算
により、私学助成の新たな枠が設けられたことによる。しかしながら、その詳細が明らかにされたの
が5月末であり、さらに申請締めきりが7月末という慌ただしいスケジュールであったため、学内で
の意志統一や関連する事務処理が間に合うかどうか危ぶまれた。6月初旬に、新規補助に対する学内
向け説明会を行い、7月初旬に学内希望の取りまとめを行った。7月中旬には計画概要を取りまとめ、
理事会等での承認を経て7月末には申請書類一式を提出した。
7月末段階で決定したのは、全学的に共用している教室等7教室、学科関係で11教室の整備である。
以後、マルチメディア環境を整備した教室を「マルチメディア教室」と呼ぶ。
全学共用教室は、機能的にはベストと考えられる仕様とし、学科関係は個々の必要性に応じた仕様
とした。
これら一連の作業で従来以上に大きな困難を伴ったのは、
1)検討期間が非常に短期間であったこと。
2)大規模な補正予算を組む必要が生じたこと。
3)助成が受けられない場合、多額の負担を大学側が負うこと。
4)申請書類の記載内容の多くが工事関係のため、業者との折衝がほぼ連日必要であったこと。
5)助成の可否に関わらず、計画を実現するには夏季休暇中から施工せねば間に合わないこと。
6)申請時に間に合わなかった計画細部の具体化を、夏季休暇中も行わねばならなかったこと。
などの点であった。しかし、学内関係部署や関連業者の全面的な協力により、ほぼ計画通りに取り組
みが進められることになった。
9月から11月の間は授業が行われているため、教室関係の工事は大規模には行えない。この間は、
計画の中心部分とも言えるマルチメディア操作卓の設計と、機器操作に伴う利用者の負担を軽減する
ために採用したタッチパネルのソフト開発を重点的に行った。特に、タッチパネルのソフト開発は、
「ユーザーインターフェース」という視点から吟味を重ねた。この作業の前段階では、複数の業者や
メーカーに呼び掛け、タッチパネルの試作版を提案させ、その中からユーザー側のニーズを踏まえて
開発できる業者を決定した。
11月には、
マルチメディア教室等が整備された以後に発生する日常的な管理運用の在り方について、
議論の受け皿となる組織を発足させ、「マルチメディア教室の管理・運用に関する連絡会」と名付け
られた。連絡会メンバーは現在、管理課、設備課、用度課、財務課、教務課、学部事務室、図書課、
情報教育研究センターから構成されている。第1回目の連絡会を11月に、第2回目を12月に、第3回
目を3月に行った。議論の中で明らかになったのは、マルチメディア環境整備は、管理運用面からは、
一部署が行うことは無理であり、複数部署が連携して対応する必要があるという点である。この点に
ついては、本格的な利用が始まった11年度以降も引き続き、検討を加える必要があろう。
平成10年12月には、マルチメディア操作卓の1号機が出来上がり、情報教育研究センター内のオー
プンフロアに設置された。この1号機を試用する中で、様々な改良点が明らかになり、2月半ば以降
に教室に設置するマルチメディア操作卓の設計に反映された。
−3−
平成10年末になると、文部省補正予算の第3次分でさらにマルチメディア環境整備に助成が追加さ
れることになり、この対応について関係部署で検討を行った結果、全学共用教室3室を追加して環境
整備することとなった。
平成11年1月には、取り組み状況を学内に周知するため、「マルチメディア教室整備の取り組み」
というカラーのパンフレットを「マルチメディア教室の管理・運用に関する連絡会」として発行した。
この結果、学内教職員の関心も高まり、以後様々な視点からの意見を集約することができ、計画内容
の改善に役立った。
平成11年3月中旬に、学内教職員向けのマルチメディア教室利用説明会を実施した。延べ百数十名
の参加者があり、学内での関心の高さが示された。併せて、平成11年度前期授業でのマルチメディア
教室利用希望が教務部で調査されたが、非常勤教員への周知は4月にずれ込んだため、前期は主とし
て専任教員の利用にとどまった。
4.マルチメディア化する教室の選定
学内においてマルチメディア化を行う教室をどのような基準で決定するかについては、様々な考え
方があり得る。例えば、
・具体的に要望の出ている教室を中心に選定する。
・建物毎に代表となる教室を決めて整備する。
・利用効率を考慮し、特定の建物に集約して整備する。
・教室規模によって整備する優先度を決定する。
などである。さらに、教室の管理面からは、「全学的に共用する」、「複数学科で共用する」、「学科が
専用で使用する」という3つの形態がある。学科が専有する場合は、マルチメディア化の具体的内容
については、学科としての考え方が当然反映されるため、学科毎に細部において違いが生じることが
ある。例えば、教室環境や機器の仕様についても、学科としての専門性との関連や、実際に利用者が
学科の教員と学生に限られるため、特化したものであっても大きな支障は生じない。ところが、複数
学科や全学的な共用教室の場合には、利用者の幅が大きく広がるため、汎用性・一般性を備えた仕様
や機能でないと、実際には利用は進まないであろう。その意味で、共用教室のマルチメディア化につ
いては、より慎重な吟味が必要となる。
こうした議論を踏まえ、平成10年度は、学科関係は学科からの要望があった教室を対象として11室
を選定した。また、共用教室については、次の基準で検討を加えた。すなわち、
1.共用の度合いの高いこと。
2.授業等の利用頻度が高いこと。
3.教室規模(講議時の収容人数)が大きいこと。
4.経費に見合う改善効果が期待できる教室形態であること。
5.建築後の経過年数が大きいこと。
これらの観点から、学内で共用されている教室を調べた結果、文学2号館ではL2– 23教室、南館
では、S– 21、S– 22、S– 35、S– 37、情報教育研究センターのオープンフロア、演習室3(KM– 106)
の計7室を整備することとした。
−4−
これら7室の教室等の収容人数は、表1の通りである。
[表1]当初計画分の全学共用マルチメディア教室等
教室名
L2– 23
S– 21
S– 22
S– 35
S– 37
収容人数
210人
129人
129人
180人
180人
情報教育研究センター
オープンフロア
演習室3
約100人
28人
情報教育研究センターのオープンフロアについては、固定した机・椅子の配置でないため、概数で
ある。また、同センター内の演習室3はコンピュータが設置された演習室であるため、収容人数が小
さい。情報教育研究センター内のマルチメディア化については、学内の他の教室よりも2ヶ月程先に
整備を行ったが、これは本格的なマルチメディア環境整備の問題点の洗い出しを行うための一種の実
験プラントと位置付けたためである。このため、大教室並の広さを持つオープンフロア部分と、小規
模教室のモデルとしての演習室3を対象としてマルチメディア化を行った。
ここまでの計画は平成10年の7月末段階での計画であったが、平成10年末には文部省の第3次補正
予算に基づくマルチメディア環境整備の助成が追加されたため、本学においてはさらに3教室のマル
チメディア化を行うことになった。対象とした教室を表2に示す。
[表2]追加計画分の全学共用マルチメディア教室
経室名
S– 36
E– 201
E– 201
収容人数
120人
125人
125人
この結果、授業1コマ(90分)につき、マルチメディア環境で授業を受けられる学生数は、情報教
育研究センターのオープンフロアと演習室3を除く8教室の収容人数の合計の1198人となる。
学科関係の教室等のマルチメディア化については、検討の結果表3のようになった。
[表3]学科関係のマルチメディア教室等
学科等
英文・国文
(注1)
教育(注2)
体育(注3)
人間関係
生活環境
食物
幼児教育研究所
教室名
L2– 27
L2– B3
G1– 32,35,
G2– 23
L2– 43
H3– 203
H2– 13,
19,23
幼稚園棟3F
(注1)英米文学科、国文学科および諸資格関係の情報関連の授業を行うための共用教室として整備。
(注2)教育学科初等教育専攻が正式な呼称。また、この教室にはハイビジョン対応の書画カメラと
液晶プロジェクタが設置されるため、他学科も事前調整の上で使用が可能。
(注3)教育学科体育専攻が正式な呼称。
−5−
5.教室のネットワーク化
【情報コンセント付き学生机】
マルチメディア環境整備という場合、教室での教材の提示手段のマルチメディア化と教材開発環境
のマルチメディア化の意味で語られることが多い。しかし、教材を作成し提示する側のマルチメディ
ア化を進めるだけでは、十分とは言えない。何故なら、授業は教員と学生が「場」を共有することで
成立しているが、学生の受講環境も併せて改善しなければマルチメディア化の効果は期待できないで
あろう。すなわち、教授=学習過程において情報の受容、記録さらには発信が円滑に行われなければ
ならない。こうした点を考慮して、教卓だけでなく学生机にもキャンパスネットワークの情報コンセ
ントと電源コンセントを設置し、パソコン等の情報機器が接続利用できるようにした。このようにす
ることで、学習内容をノートに記録するだけでなく、直接手許のパソコンに学習する情報を記録保存
することが可能になる。このことは、講議形式の授業の在り方に多大な影響を及ぼすと予想される。
こうした教室環境を生かした授業展開は、学生がノートパソコンを用意できることや教員側の準備が
整うことが必要である。しかし、本学では既にノートパソコンを学生に斡旋していることや、平成11
年度からは一部の授業の受講生に対して、ノートパソコンを貸与することを予定しているため、比較
的実現までの道程は近いと予想される。
さらに、学生机に情報コンセントと電源コンセントが設置されたことにより、ノートパソコンを利
用した情報関連の授業も、マルチメディア教室で行えることになる。
整備に際しては、マルチメディア化する教室の机が、3人掛けまたは5人掛けの固定式になってい
る上、新築時には今回のような利用形態が想定されていなかったため、机の奥行きや幅がやや狭いと
うことを考慮せねばならなかった。このため、実際にノートパソコンを使うには、キーボードを操作
する際、隣り合う学生同士が互いに妨げにならない様、一人置きに情報コンセントと電源コンセント
を設置した。
情報コンセントと電源コンセントを設置した教室、およびノートパソコンを利用する
授業での収容定員は、表4のようになった。
[表4]ネットワーク対応のマルチメディア教室
教室名
L2– 23
S– 21
S– 22
S– 35
S– 36
S– 37
収容定員
126人
82人
82人
108人
72人
108人
表4の教室全体では、578人の収容人員となっている。
【専用サーバーの設置】
マルチメディア教室内の教卓や学生机からキャンパスネットワークに接続する場合、いわゆるIP
アドレスを割り当てる必要がある。しかし、前述の教室では、利用者は不特定多数となるため、固定
のIPアドレスを割り当てることは難しい。また、接続台数も多数に上るため、グローバルIPアドレ
スを振ることは現実的ではない。このため、建物毎に専用サーバーを設け、グローバルIPアドレス
とローカルIPアドレスの変換を行うNAT機能と、利用者側のノートパソコンに接続時にIPアドレス
を自動的に割り当てるDHCP機能を持たせた。
この結果、学生は表4の教室であれば、ネットワークケーブルを接続するだけで、インターネット
−6−
等にアクセスすることが可能になった。なお、情報教育研究センター内のオープンフロアには、無線
LANで接続されたハブが用意されているので、表4の教室と同じように、ノートパソコンでネット
ワーク利用ができる。
6.マルチメディア教室の仕様
マルチメディア教室に求められる機能を大別すると、以下のようになるであろう。
(1)
情報提示機能の改善(大きく、明るく、多様に)
(2)
コミュニケーション機能の拡充(明瞭に、動き回れ、遠方とも)
(3)
デジタル情報への対応(ネットワークへのアクセス、電子化教材の活用)
(4)
機器操作の改善(分り易く、容易に、復帰し易く)
(5)
管理運用の負担軽減(補助者なしの操作、軽微なメンテナンス)
6–1.情報提示機能の改善
最も期待されているのは、大きなスクリーンに鮮明な映像を表示できることである。技術的には、
学生机等に小型ディスプレイを装備するという方法もあるが、機器の経費、配線等の工事の煩雑さな
どから、現実的とは言えない。幸いに液晶プロジェクタの性能向上が目覚ましく、通常の教室の明る
さでも実用レベルの明るさで投影できる機器が市販されるようになってきたため、選定時点で業界最
高水準の輝度を持つ液晶プロジェクタを採用した。機器の選定に際しては、業者に候補機種を持ち込
ませ、実際に投影させて性能を検証した。この結果、教室においては、通常の講議時の照明のままで
授業を受けることが可能になった。ただ、南館については、建物自体がやや古くなってきたこともあ
り、従来から教室の照度が不足しているという指摘もあった。このためマルチメディア教室の整備計
画とは別に、教室の照度アップが行われた。その結果、当初予定していたスクリーン面での光量が確
保されない虞が生じたため、スクリーン面に最も近い天井照明のみを必要に応じオン/オフできるよ
う追加工事を行った。このような状況は他の建物についても将来起こりうるため、今回マルチメディ
ア教室として整備した教室は、全てスクリーン面に最も近い照明を独立してオン/オフできる仕様と
した。
スクリーンについては、150名から200名程度の収容人数の教室では、最後部に座る学生が投影映像
を見ることができるためには120インチの大きさのスクリーンが必要となる。また、提示する際の自
由度を確保するため、スクリーン2面を標準とした。さらに、収容人員が200人近い教室では、教室
後部の天井に、42インチのプラズマディスプレイを設け、後部座席の学生の視聴環境の改善を図った。
L2– 23教室については、従来からリア投影方式のプロジェクタがあったため、この形式も生かし
つつフロント投影方式と併用した。小規模(60人程度)の教室については、100インチスクリーンを
採用した。
次に、提示する情報源(ソース)の種類をどの程度の範囲にするかが問題となる。これまでの教材
の多くは印刷物や手書きなどに加え、オーディオテープ、ビデオテープ、スライドなど、いわゆるア
ナログ形式のものが多い。このため、こうした従来型の形式で蓄積された教材も活用できる機器環境
が必要となる。一方、音楽CDやMD、DVD、CD– ROM、あるいはパソコンのデータなど、デジタル
形式の情報が急増しており、将来的にはデジタル情報が主流を占めると予想される。
−7−
こうした点を踏まえて、当面以下の機器を利用できる仕様とした。すなわち、
VHSビデオデッキ、Hi– 8ビデオデッキ、オーディオカセットテープレコーダー
MDプレーヤー、CDプレーヤー、LDプレーヤー、DVDプレーヤー、および書画カメラ(OHC)
デジタルビデオも普及しつつあるが、教材の蓄積と言う点ではこれからという段階であることや、
必要性が高まった時点で機器を追加すれば対応可能であることを考慮して、当面の仕様には含めなか
った。
これらに加えて、各種の再生機器からの音声と映像を利用できるように、外部ビデオ入力端子、外
部オーディオ入力端子を設けた。
6–2.コミュニケーション機能の拡充
授業においては、教員から学生に向けて発信される情報が明瞭確実に届かねばならない。さらに学
生の意見や疑問は言葉として語られることで教員に届く。この意味で授業場面では、視覚情報はもち
ろんであるが、聴覚情報いわゆる音声がより重要である。
現状では、殆どの教室に有線マイク1本が設けられている。しかし、学生を積極的に学習の場へ参
加させるには、学生の中に入ってゆき直接学生の考えを聞く、あるいは学生の発言を教室の全員に聞
かせて話題を共有するなど、教員と学生のコミュニケーション行動を支援できる環境が重要になる。
このため、マルチメディア教室では、有線マイクを2本、ワイヤレスマイクを3本を用意し、多様な
授業形態に対応できるようにした。ワイヤレスマイク3本の内訳は、2本をハンド型、1本をタイピ
ン型とした。ただし、同一教室内では、周波数の割り当ての関係で、同時使用は2本までとなってい
る。
さらに、スピーカーについては、教室前方左右と天井面に配置し、音響レベルが教室内で均一にな
るように調整した。
コミュニケーション機能の拡張という意味には、今回マルチメディア化を行った教室のうち、情報
教育研究センターの演習室3を除く表1、表2の各教室間で、映像と音声を双方向で転送できるよう
にしたことも含まれる。この機能を活用すれば、複数教室への映像と音声の同時配信や、遠隔授業な
どが可能になる。これらの機能の詳細については別項で述べる。
6–3.デジタル情報への対応
授業に関連して使用される資料は、本やプリントなどの印刷物、あるいはトランスペアレンシー
(OHP)、オーディオカセットテープ、ビデオテープなどがある。しかし、パソコンなどでの情報加
工が広く行われるようになり、教材もパソコンのデータとして作成されることが増えつつある。パッ
ケージ型の素材として、音楽CD、CD– ROM、DVD、LDなどもデータがデジタル形式で記録されて
おり、パソコンとの親和性もよい。さらに、書き換え型のメディアとしてMD、CD– R、CD– RW、
あるいは今後普及すると予想されるDVD– RAMなども、パソコンを核とする情報利用を促進する。
こうした情報メディア環境の変化は、教材の作成・利用の進め方に大きな影響を及ぼしつつある。
パソコン用のプレゼンテーションソフトウェアも数多く市販されており、教材をノートパソコン上で
作成し、教室ではそのパソコンの画面出力を直接スクリーンに提示することが可能になってきた。
マルチメディア教室の操作卓には、WindowsパソコンおよびApple社のパソコンの画面信号の入力
端子が備えられている。これらの端子を介して入力された信号の形式は、操作卓の回路で自動的に判
−8−
別されるため、Windowsパソコン1台、Apple社のパソコン1台を同時に使う形態だけでなく、Windowsパソコン2台またはApple社のパソコン2台を接続して使うこともできる。
ノートパソコンがマルチメディア教室の操作卓に接続できるのであれば、キャンパスネットワーク
にノートパソコンを接続することにより、インターネットから授業に関連したサイトの情報をリアル
タイムで利用することができる。また、教材サーバーがあれば、毎回の授業に応じた資料をオンライ
ンで教室に提示できる。学生がノートパソコンを使う授業であれば、学生自身がインターネットや教
材サーバーから学習内容に応じたデータを利用することも可能になる。
こうした状況を想定して、マルチメディア教室の操作卓には、パソコンの画面信号の入力端子とキ
ャンパスネットワーク接続用の情報コンセントを設置した。
6–4.機器操作の改善
一般に、電子機器について指摘される事柄として、利用したい機能を実現するための操作手順が分
かり難いということがある。操作パネルの設計や操作マニュアル(説明書)には、技術者の発想が強
く反映されており、一般の人々の発想とミスマッチングを起こしていることが多い。最近では、操作
マニュアルは、かなり改善されてきているとはいうものの、まだ十分とはいえない。機器の操作パネ
ルについても、例えばビデオデッキであっても、メーカーによりつまみやボタンの位置が異なったり、
音量などのレベル調整を行う場合、スライド式、回転ダイアル式、ボタンを押すことで変化するデジ
タル式など、各社様々である。さらに表記も単に記号のみであったり、英語表記のみの場合など、い
わゆる素人にはとっては、機能を理解しにくいものになっている。これらは「ユーザーインターフェー
ス」という切り口で問題をとらえることができる。
マルチメディア教室では、既に述べたように複数の機器を授業の目的に応じて使えるようにしなけ
ればならない。このことは、従来の視聴覚教室にありがちな個々の機器を直接操作するという状況で
は、多くの教員にとっては、機器操作への理解に多大の神経を使うことになり、結果としてマルチメ
ディア教室が積極的に活用されることはあまり期待できない。この点は、マルチメディア環境整備に
当り、最重要課題と位置付けられるものであり、慎重かつ多角的な検討が必要となる。こうしたこと
から、個々の機器操作を一元的に行う特別仕様の操作卓を設置することにした。利用者はマルチメデ
ィア教室のいずれかで操作を覚えれば、他のマルチメディア教室でも容易に操作できる状況が実現す
ることを目標にした。
さらに、操作が一元的に行えるだけでは十分とは言えない。なぜなら、機器類を利用する環境では、
しばしば個々の利用者の使用時の機器の設定が残されたまま、次の利用者が使うことになるため、後
の利用者が自分の利用状況に応じた設定を行うことが難しいことがしばしばある。これは、前の利用
者が終了時に機器類を標準の設定に戻すことを守ればよいのであるが、現実にはすべての利用者に期
待することは難しいであろう。このような状況を防止する工夫が操作卓に求められる。
マルチメディア教室の操作卓(以下、マルチメディア操作卓と呼ぶ)の設計方針と具体的な工夫に
ついては、後述することとし、ここではマルチメディア操作卓がマルチメディア環境整備の上で、重
要な位置を占めることを指摘するに止める。
6–5.管理運用の負担軽減
一般に、パソコン実習室などのように機器を多数設置した教室は、利用に際して補助者を必要とし
たり、利用時以外にメンテナンスに人手を別途必要とする。このことがマルチメディア教室にも当て
−9−
はまるのであれば、全学的にマルチメディア教室を増やして、教育等に活用することは困難になって
くる。新たな人的配置を必要とするのであれば、拡充は一層難しくなる。
このため、マルチメディア教室の整備に際しては、まず、利用時にサポート要員が不必要であるこ
と、さらに、日常のメンテナンスも通常の教室(黒板、マイク、ビデオデッキ、OHPが装備されて
いる)程度のレベルに留まることが期待される。
これらのことを踏まえると、前述のマルチメディア操作卓により教員一人で機器全ての操作が可能
になることや個々の利用者の設定が残らないことが必須の条件となる。これらについては、最終的に
マルチメディア操作卓の仕様を工夫することで実現している。
また、マルチメディア操作卓の操作方法については、学内向けの説明会を行うとともに、利用のマ
ニュアルを作成することで利用者の理解を図っている。
日常的なメンテナンスについては、機器の故障時を除けば、ワイヤレスマイクの電池交換のみであ
る。設計段階で、マルチメディア操作卓の主電源の切り忘れをどうするかなどが議論されたが、切り
忘れたとしてもスタンバイの電力はわずかであるため、タイマー機能の追加は見送られた。むしろ、
空調や照明の切り忘れの方がエネルギーの無駄遣いという面で影響が大きい。
こうした点については、
機器に新たな機能を付加するのではなく、警備の見回りの際、チェックするなどの方策が検討された。
7.マルチメディア操作卓の設計
7–1.設計の原則
前述したように、マルチメディア環境整備において、マルチメディア操作卓は重要な位置を占め、
その仕様はマルチメディア教室の利用状況に大きな影響を及ぼすと考えられる。このため、慎重に検
討した結果、設計の原則として以下の項目を設けた。
(1)
機器の操作を一元的に行う。
多種類の電子機器を個々に操作することを避ける。このことは将来、機器の入れ替えがあっても
新たに操作を覚え直す必要がなくなる。また、一度操作手順を理解できれば、マルチメディア教
室であれば、いずれの教室であっても操作で困ることはない。
(2)
操作をソフト化する。
このことの意味は、機器の操作履歴を残さないということである。つまり、操作卓の電源を入れ
直せば、各機器について標準的な設定に戻るということである。こうすることで、どのような使
い方をしても、後に使う場合に影響することはない。
こうした原則を生かした仕様を実現するために、マルチメディア操作卓に「タッチパネル」を設け
ることにした。タッチパネルでは、画面上に表示された項目(文字や絵)の部分をタッチすることに
より、所定の機能を選択することができる。また、タッチパネルの画面およびタッチされることで入
力される信号は、すべてソフトウェアで処理されるため、機器構成、利用目的、利用状況が変化して
も柔軟に対応できるという特徴がある。つまり、マルチメディア操作卓の機能を決定し、またその使
い勝手に大きく影響するのは、タッチパネルのソフトウェアということになる。開発するソフトウェ
アの出来具合いがマルチメディア教室の評価にも反映するため、ソフトウェア開発については4社に
開発条件を示し、仕様書の提出およびデモの実演をさせた。その結果、1社がかなりの水準の提案を
−10−
行ってきたため、以後その1社に本格的な開発を依頼するとともに、共同でタッチパネルのソフトウ
ェア開発に取り組んだ。
タッチパネル方式を採用することで、
マルチメディア教室の活用に向けた技術的な目処はたったが、
さらに検討をすすめる上で、以下の事柄を考慮する必要があった。すなわち、
(1)
機器利用に際しての汎用性と高度利用の兼ね合い。
(2)
将来の発展性の確保
(3)
保有する各種資料への対応
(4)
機器の誤操作の防止と異常発生時の復帰
(5)
提示の際の補助機能の強化
(6)
ネットワーク機能の組み込み
(7)
学生の視線を遮らない配置と高さ
(2)は、タッチパネル方式にしたことで将来新しいメディアや機器が登場しても、比較的柔軟に対
応できる余地ができたと言える。
(3)については、どのような再生機器を装備させるかということであり、従来のアナログ情報のメ
ディアとデジタルメディアの両者について、現状を踏まえて機器の選定を行った。その結果は8– 1
項で述べた通りである。
(5)は、板書して講議を行う場合、教員は必要に応じて、板書した字句にアンダーラインを引いた
り、丸で囲んだりすることで、重要性を強調することがある。こうした行為は、教授=学習過程で重
要な行動であり、教室環境がマルチメディア化
されたために、こうした行動が制限されるのは
好ましくない。このため、タッチパネルとは別
に、「スキャンマーカー」と呼ばれる機器を操
作卓上面に設けた。これを使うと、現在投影さ
れている画面に手書きの字やマーク、記号など
がスーパーインポーズされて表示され、これま
での板書と同様の教授活動がほぼ可能になる。
(6)についても、既に述べたように、マルチメ
ディア操作卓に情報コンセントを設置し、ノー
トパソコンを接続できるようにした。
図1
マルチメディア操作卓全景
(7)は、教員と学生が「学びの場」を共有する
上での配慮である。説明を行う教員の表情が見
えない、あるいは学生の反応が見渡せないよう
な状況では、教育効果は期待しにくいのではな
かろうか。学生は教員が発した言葉を聞いたと
き、教員がどのような表情で発したかによって、
付加的な情報を得ていると考えられる。また、
教員も授業が進行するにつれて刻々と変化する
学生の反応を知ることで、状況に応じた言葉や
表現、仕草さなどを選択しているはずである。
この意味で、マルチメディア操作卓は教員と 図2 マルチメディア操作卓上のタッチパネルの様子
−11−
学生の視線を遮ってはならない。従って、操作
卓は教室前方中央に配置するのが望ましいが、
今回マルチメディア化の対象とした教室はスク
リーンを設置したとき、操作卓が映像を一部遮
るため、教室の形態に応じて、前方左右いずれ
かに配置した。
さらに、操作卓の高さについても前述の趣旨
から出来るだけ低くなるように設計した。当初
は、操作卓上面を平らにすることを検討したが、
スクリーンに何を投影しているかをモニターす
るディスプレイの視野角の関係から、操作卓の
図3
立った状態での操作の様子
前面(学生側)を少し高くする必要があった。
結果的にその高さを107cmにすることができた
ため、教員が立って操作する場合、学生からは
上半身が見え、椅子に座った状態でも教員の胸
から上を見ることができるようになった。(図
3∼4)
(1)と(4)については、操作卓の物理的形状やタ
ッチパネル方式を実用化するための専用ソフト
ウェアの仕様そのものに関係してくる内容であ
る。
図4
椅子に座った状態での操作の様子
【ソフトウェアでの対応】
ビデオデッキ(VHS、Hi8の2種類)、オーディオカセットプレーヤー、CDプレーヤー、MDプ
レーヤー、LDプレーヤー、DVDプレーヤーに共通している操作は、
「再生」
、
「停止」
、
「早送り」
、
「巻
き戻し」
、
「一時停止」である。従って、これらの機器の操作に対応したボタンをタッチパネル上に設
ければ、操作は一元的に行える。しかし、ビデオデッキの「コマ送り」
、
「静止画(スチル)
」の機能、
あるいは2ヶ国語によるソースの場合の音声選択、CD、MD、LD、DVDなどの「スキップ」機能な
どを、タッチパネルの画面に反映させるとなると、結局は個々の機器の操作パネルを電子的に表現し
たに過ぎなくなり、操作の一元化や容易性は実現しなくなる。また、利用者全員が、こうした応用的
な機能を使うのであれば、タッチパネルに反映することは意味があるが、そうでないならば避けるべ
き事柄になる。つまり、大多数の利用者が使う機能をどのレベルまでと考えるかが重要になる。
最終的に、共通している操作である「再生」
、
「停止」
、
「早送り」
、
「巻き戻し」
、
「一時停止」の5項
目を標準的な選択項目とし、タッチパネルの選択ボタンを割り付ける。
個々の機器についての応用的な機能については、機器に標準装備されているリモコンを活用するこ
ととした。例えば、ビデオ関係の画面のコマ送り、多重音声のビデオの音声切り替えなどはリモコン
を使うことで実現できる。
【操作卓の物理的仕様での対応】
タッチパネルを活用し、ソフトウェア的に各種機器の制御を行っても、個々の機器のつまみやスイ
−12−
ッチを自由に触れられる状態では、完全な初期化は困難である。何故なら、現状のビデオデッキやプ
レーヤー類は、内部の制御信号全てが外部に取り出せるようにはなっていないため、制御できる範囲
が限定されるためである。このままの状況では、多くの利用者が支障なく利用できることは期待でき
ない。そこで、次のような考え方で操作卓の物理的形状の検討を行った。
図5
(1)
マルチメディア操作卓の前面パネルの様子
ビデオデッキ、各種プレーヤーなどの操作パネルは、原則的に利用者に直接触れさせないも
のとし、機器収納部分には鍵付きの扉を設ける。
(2)
テープなど、メディアを出し入れする部分のみ、扉面を開口する。
この原則に従い、搭載する機器のチェックを行ったが、カセットデッキ、MD、CD、LD、Hi8の
各メディアは終了時に自動排出されるが、VHSテープはビデオデッキの取り出しボタンを手で押す
必要があることが分かったため、取り出しボタンの部分も開口した。
実際のマルチメディア操作卓前面パネルの様子を図5に示す。
7–2.ユーザーインターフェースを踏まえた画面設計
機器の操作をタッチパネルを利用することにより、ソフト的に一元化できることになったが、ユー
ザーインターフェースという視点から、より重要になるのはタッチパネルの画面のデザインである。
既存の多くのタッチパネルでは、ビデオデッキなどの機器の前面にあるボタンやスイッチを模式的
に図案化したものが多い。これでは電子機器の操作が苦手の利用者にとっては、状況は改善されない。
ユーザーインターフェースの視点から、実際にマルチメディア操作卓を使う場合の手順を分析する
と、
(1)
利用する機器の種類の選択
(2)
利用する機器の機能の指定
(3)
映像の場合、スクリーン、ブラインド、照明などの準備
(4)
投影またサウンドの再生の開始
(5)
必要に応じた機器選択の変更、利用する機能の変更
(6)
終了操作
(7)
誤操作や異常発生時の復帰操作
などの段階がある。これら全ての段階で利用者自身が、自分の利用したい状況を確実に容易に実現で
きることを保証する必要がある。
−13−
【機器の選択変更、教室環境の準備、音声・映像の出力の設定】
実際の利用に際しては、利用者の関心は「どの機器の出力」を「どこに出力するか」ということで
ある。音声や音楽の場合は、出力は室内のすべてのスピーカーからなされるため、音源の選択を正確
に行えばよい。しかし、映像の場合は、投影スクリーンが2面あるため、同一映像を投影する以外は、
慎重に映像出力と投影先スクリーンを指定する必要がある。多くの利用者はこの段階で混乱する可能
性があったため、利用者の操作に対する考え方や機器の機能に対する理解の状況に応じて、複数の指
定方法の中から選べるようにした。その結果、以下のような画面を用意した。
(1)
メニュー画面(図6)
この画面では利用する機器の写真が表示さ
れるため、直観的に目的とする機器の選択が
できる。映像機器はスクリーンが最大2面で
あるため、3つ以上選ぶことは無効になる。
機器の取り消しや選び直しは、「中止」ボ
タンをタッチすれば、選択はクリアされる。
「次へ」ボタンをタッチすると、(2)の「運
用画面」に進み、スクリーンと再生機器との
対応関係を指定することができる。
メニュー画面は、機器の操作に慣れていな
い利用者や、再生機器をまず選んでからスク
図6
タッチパネル(メニュー画面)
リーンなどの出力先を決めるという思考に慣れている場合を想定したものである。
(2)
運用画面(図7、図8)
マルチメディア教室やマルチメディア操作卓に慣れてきた場合には、メニュー画面をスキップ
して、この画面から操作することが多くなることを想定している。この画面の特徴は、現在使用
しているマルチメディア教室の様子(スクリーン、ブラインド、照明など)を操作者自身の位置
を中心にして、教室を俯瞰したものである。こうすることにより、操作者の視界に入る状況を極
力忠実に反映するように工夫したものである。この結果、操作者とスクリーンの位置関係を把握
するとき、意識的に座標を変換する必要がないので、心理的負担が少ない。また、2つのスクリー
図7
タッチパネル(運用画面)
図8
−14−
タッチパネル(運用画面での機器の選択)
ンのそれぞれに何を投影するかは、タッチパネルのスクリーンの部分にタッチすれば、利用可能
な機器のメニューがポップアップ形式のウィンドウで表示されるようになっている。一旦スク
リーンと再生機器の対応関係を決定した後でも、スクリーンの部分にタッチすれば、再び利用可
能な機器のメニューが表示される。この画面からは、教室の照明全体、スクリーンに近い部分の
照明、スピーカーからの出力を、タッチパネル画面上の絵を触れることでオン/オフできるよう
になっている。
(3)
マニュアル画面(図9)
この画面は従来から多くの操作卓で採用さ
れてきた形式であるが、基本的には機器上の
ボタンやつまみを模式的にタッチパネル上に
表現したに過ぎない。このため、個々の機器
について十分に操作に習熟した利用者には向
いている。メニュー画面や運用画面では出来
ない細かな調整が可能である。
このように、3つの形式の画面を用意したこと
図9 タッチパネル
(マニュアル画面,映影機器の設定)
により、利用者の状況に応じて設定が容易にでき
るようになった。
なお、音響機器の音量調整は、画面上の「個別」
ボタンを押すと、「有線マイク」、「ワイヤレスマ
イク」、「音響機器(カセットデッキ、MD、CD
など)」、「映像機器(ビデオデッキ、DVD、LD
など)
」のレベルを個々に設定できる。通常は、
「個
別」ボタンを押さなくても標準的なレベルに設定
されている。
(図10)
図10 タッチパネル
(マニュアル画面,音響機器の設定)
【終了時の操作】
マルチメディア教室の使用を終える際に考慮する必要があるのは、
(1)
使用機器を使用開始前の状態に戻すこと。
(2)
教室環境を使用開始前の状態に戻すこと。
(3)
使ったビデオテープなどのメディアの取り忘れを防止すること。
などである。
(1)については、マルチメディア操作卓の主電源をオフにした後、再度オンにする段階で自動的に
すべての機器の状態が初期化されるようになっている。
(2)については、スクリーン、ブラインド、照明、空調などが教室環境として考慮すべきものになる。
スクリーンとブラインドについては、マルチメディア操作卓で終了操作を行えば、自動的に収納され
るようになっている。照明はタッチパネル上でもオン/オフできるが、独立に壁面のスイッチによっ
てもオン/オフが可能である。空調については、教室壁面のリモコンスイッチでのみ制御可能である。
ブラインド、照明、空調は、教室のマルチメディア機能を利用しない場合にも利用することがあり、
−15−
マルチメディア操作卓での一元的な制御だけでは、利用しにくい場合があることを考慮した。したが
って、ブラインド、照明、空調の管理は、教室を使用する教員等が注意を払う必要がある。
(3)については、マルチメディア操作卓の利用と密接に関連するため、操作卓の設計の際、配慮し
ておく事項である。操作卓に装備された機器のうち、Hi– 8ビデオテープ、MD、オーディオカセッ
トテープ、CD、DVD、LDの各メディアは、電源をオフする信号を送ることで、自動的にメディア
トレイが開くため、使用者に気付かせることができる。しかし、VHSビデオテープについては、こ
の機能が効かないため、「取り出し」ボタンを手で押さねばならない。このため、タッチパネルの終
了画面に注意を喚起するメッセージを点滅表示させることにした。その後、画面上に表示されている
終了確認のボタンをタッチすると、各トレイは収納され、約10秒後に操作卓の電源が切れるようにな
っている。
【誤操作や異常発生時の復帰操作】
どのように性能の良い機器であっても、操作性の良さが保証される訳ではない。特に、通常の使用
状態から外れるような操作や、機器の異常が発生した場合、適切にその状況から復旧できる手順が明
確でないと、利用者の多くは以後の利用を控えるであろう。
マルチメディア教室の利用を促進するためには、操作卓に関わる前述のような状況への対策を講じ
■
ておくことが不可欠になる。
誤操作への対策
(1)機器などの選択誤りについては、メニュー画面では、「中止」、「次へ」のボタンを設け、「中止」
ボタンをタッチすることにより、再選択できるようになっている。運用画面やマニュアル画面では、
機器選択ボタン、操作ボタンは必要に応じてタッチすれば有効になるため、誤操作があっても復旧は
容易に行える。
誤操作の結果、大きな支障が出るのは、誤って「終了」ボタンにタッチしてしまうことである。こ
の場合、指定した機器の選択は解除され、個別に設定した音量レベルなども無効になる。さらに状況
によっては、スクリーンが収納され映像の投影が中断される。このような事態になると、使用者も冷
静に対処することが困難になる。
タッチパネルのソフトウェアの開発過程で、このような状況に対する対策を検討した結果、
「終了」
ボタンがタッチされると、直ちに機器の使用や設定を解除するのではなく、図11のように、
「システ
ムを終了しますか?」という確認を行い、
「は
い」が選択された場合にのみ、終了手順が
進行するようにした。
こうした配慮を行った結果、誤操作に伴
■
う不具合は報告されていない。
異常事態の発生や機器の異常への対策
ここでの異常事態とは、例えば、スクリー
ンやブラインドを上下している時に、何か
が挟まったり、音響出力が何らかの原因で
ハウリングを起こしてしまい、個々の機器
図11 「終了」ボタンを押すと表示される画面
−16−
操作では復帰操作に手間取るような事態を想定している。
こうした迅速な対応を必要とする状況では、処置に必要な操作は限り無く単純明解でなければなら
ない。このため、新たに「緊急停止・復旧」ボタン(図12)を設けることにしたが、タッチパネル上
に配置したのでは、不用意にこのボタンに触れたりすると、そのことが授業進行の妨げになるので、
タッチパネルとは別に独立の埋め込み式スイッチとした。
緊急時にこのボタンを押すと、図13のように緊急停止のメッセージが表示される。このとき、スク
リーン、ブラインド、映像機器、音響機器はすべて停止状態に、スピーカーはOFFに、照明はONと
いう状態になる。照明は不用意に消してしまうと、冬の夕暮れ時などは室内が真っ暗になり、2次的
なパニックを引き起こすことが予想されるからである。
緊急停止の原因を取り除いた後、
「緊急停止・復旧」ボタンを再度押すと、通常の画面に復帰する。
■
図12 「緊急停止・復旧ボタン」
(上から2つ目のボタン)
図13 タッチパネル
(「緊急停止・復旧」ボタンを押した時の画面)
原因不明の異常への対策
様々な利用状況を想定しても、マルチメディア操作卓のように多数多種類の機器が複合されたシス
テムでは、原因不明としかいいようのない事態もありうる。例えば、タッチパネルの機能が全く効か
なくなったり、
「緊急停止・復旧」ボタンすら効果を発揮しない事態もまれにあり得る。
こうした場合には、システムを初期化する以外に対処する方法はない。このための方法としては、
(1)
マルチメディア操作卓の「主電源」スイッチをOFFに一旦した後、再度ONにする。
(2)
上記(1)でも復旧しない場合は、機器ラックの電源スイッチをOFFにした後、再度ONにする。
機器ラックは、マルチメディア操作卓とは別に教室の隅の壁面に設けられており、そこには、ワイ
ヤレスマイクの受信機やマイク関係のメインアンプ、信号の切り替えを行うスイッチャー、機器全体
に対する電源回路などが納められている。
以上の対処方法でも復旧しない場合は、システムを構成している個々の機器の物理的、電気的故障
■
が原因である。
緊急放送使用時の対策
校内で火災などの非常事態が発生した場合、校内放送で緊急事態を告げる必要がある。この場合、
緊急放送による情報伝達を最優先せねばならない。現状では、緊急放送が始まると、他のマイク系統
や機器の電源が切られるという状況であったため、
マルチメディア教室使用時に緊急放送が始まると、
−17−
突然マルチメディア操作卓等の機能が一切効かなくなる。このため、状況が直ちに分からない場合に
は、学生も教員もパニックに陥る可能性があるため、適切な対策を講じる必要があった。
状況を検討した結果、当面以下のような対策をとることとした。
(1)
緊急放送が入った場合、マルチメディア関係の機器の電源はOFFにしない。
(2)
マルチメディア操作卓の設定を初期化せず、現状を維持する。
(3)
マルチメディア教室のオーディオ出力全てをOFFにし、教室内のスピーカーを緊急放送の
系統に強制的に切り替える。
(4)
緊急放送が入っていることを教員が認識できるように、マルチメディア操作卓上面に赤色ラ
ンプを点灯させる。
(図14)
図14
「緊急放送中点灯」ランプ
8.遠隔授業機能
マルチメディア教室の整備に際しては、個々の教室としての情報提示環境、情報アクセス環境の改
善が急務であるが、それらがある程度整備されれば、複数の教室を連携して教育活動に活用すること
が考えられる。想定される利用形態としては、
(1)
特定の教室の授業を他の教室にいる学生に視聴させる。
(2)
2ないし3教室間で、教員が交互に講議を行い、他教室の学生と双方向で意見交換を行う。
(3)
学内で行っている授業で、学外組織(他大学や企業など)と意見交換を行うことを試みる。
こうした利用形態を可能にするには、ビデオと音声を伝送する仕組みを用意する必要がある。技術
的には複数の選択肢があるが、選択の際に考慮すべき要素としては、次のようなものがある。
(1)
ビデオ信号を伝送する地点間の距離
(2)
ビデオ信号を利用する教室のメディア環境
(3)
ビデオ信号を利用する際の教室間の関係(親子、対等etc)
(4)
ネットワーク・通信・コンピュータ等の技術動向
今回、マルチメディア環境整備の対象となった教室等は、4つの建物に分散している。次年度以降
整備が進むにつれて、対象となる教室はさらに分散してゆくと予想される。また、技術的にはデジタ
ル化の流れが一層進むことは明らかであり、学内・学外のネットワーク環境の整備の進展状況を踏ま
える必要がある。また、複数の教室間でビデオ信号のやり取りをする場合、片方向、双方向のいずれ
を想定するかによっても、具体化の内容は異なってくる。
−18−
このような状況を踏まえ、以下のような考え方で「遠隔授業機能」を具体化した。
(1)
教室には、講義を行う教員撮影用カメラと教室内の学生の様子を撮影するカメラを設ける。
(2)
同一建物内の対象教室間は当面アナログ信号による配信とする。
(3)
同一建物内に複数の対象教室がある場合、そのうちの1室を代表教室とする。
(4)
異なる建物間は、光ファイバーケーブルによるネットワークを用いて配信する。
(5)
学外とのビデオ配信は、ISDN回線を利用する市販のビデオ会議システムを導入する。
(6)
5教室が対象となる南館(S館)については、S– 35教室に専用操作卓を設ける。
(7)
南館については、教室相互で双方向のやりとりができるようにする。
(8)
東館(E館)の2教室館では、E– 201教室が親となって配信を行う。
(9)
異なる建物の場合、各建物の代表教室間では、双方向のビデオ配信を可能とする。
(10)
ネットワーク上の設定により、個々の対象教室のビデオ信号をマルチキャストとして流し、
各教室で必要な信号を選択できるようにする。
さらに、複数教室を連携して使用する場合、マルチメディア操作卓側では、「遠隔授業」モードを
選択しておく必要がある。このとき、操作卓の遠隔授業用モニター画面は最大4画面に分割して表示
できる。4分割した個々の表示エリアに、どの教室の様子を写し出すかは自由に指定できる。しかし、
遠隔授業に関わる教員が、双方向性を生かしつつ無理をせずに運用できる程度は、同時に表示できる
範囲と考えられるので、連携する教室数は自室も含めて最大4教室を想定している。双方向性を機能
させずに、教室間のやり取りの様子を視聴するだけならば、連携する教室を増やすことは容易である。
以上述べてきたことから分かるように、本学で整備をすすめつつある遠隔授業機能は、現在から将
来にかけて行われるであろう様々な教育活動に、柔軟に対応できるシステムとして構築されている点
が特徴である。
9.現状でのマルチメディア環境の評価
教室の提示環境の改善という面では、大型スクリーン2面と高輝度液晶プロジェクターを採用した
結果、大きな進展が見られた。従来であれば、プロジェクターを使用する際には照明を消さないと画
面を見ることができなかったが、マルチメディア教室では通常の照明のまま投影された映像を見るこ
とができるため、学生がノートを取る上で全く支障がない。また、画面が120インチと大きいため、
臨場感も大きく改善された。さらに、2面が同時に使えるため、ビデオを鑑賞しながら関連資料を提
示するなど、多様な授業形態が可能になった。
利用者の感想の中で注目されるのは、
ワイヤレスマイクに対する評価が予想以上に高いことである。
これは、教員が講義する場合、有線マイクに比べ動き回れる範囲が広いことが長所として受け止めら
れたことの反映であろう。すなわち、タイピン型ワイヤレスマイクであれば、両手が自由になるため、
機器の操作もし易くなる。さらに、ハンド型ワイヤレスマイクの場合でも、学生達の傍まで移動し、
学生と身近に対話しながら授業を進めることができる上、もう1つのワイヤレスマイクを学生に渡せ
ば、質問などを教室にいる学生全員に明瞭に聞かせることができる。有線マイクとの使い分けを工夫
すれば、さらに効果的な授業進行が期待できよう。
マルチメディア操作卓の利用の仕方については、説明会を平成11年3月と4月の2回行った。
また、説明会だけでは十分な情報提供ができたとは言えないので、利用の手引き(暫定版)を作り、
−19−
マルチメディア教室に備え付けた。現在、本格的な利用手引書の作成を行っている。こうした対応の
結果、マルチメディア操作卓の利用の仕方についての問い合わせは非常に少ない。使い易い操作卓が
ほぼ実現されたものと推測される。
日常的なメンテナンスやケアについては、機器の初期不良への処置をし終えた以後は、比較的順調
に推移している。消耗品のケアという意味では、ワイヤレスマイクの電池交換のみが対象となるが、
教務部、学部事務室、情報教育研究センター等関係部署で分担して対応している。
10.今後の課題
マルチメディア環境の整備については、学内関係部署の協力により短期間に計画施工そして利用の
段階にまで漕ぎ着けることができた。しかし、工事が平成11年3月末まで行われたため、事前チェッ
クや操作に慣れるための習熟期間を持つことができなかった。このため、平成11年4月から始まった
本格的な利用に際して、初期不良や操作への不慣れからくるトラブルが発生したが、約1ヶ月経過し
た頃より、安定的な運用状態が続いている。利用している教員の評価も概ね好評で、アシスタント無
しの状況でも多く教員が利用可能になった。しかし、実際の運用が始まった結果、将来に向けていく
つかの課題も明らかになりつつある。それらの主なものを以下にまとめる。
(1)
2面1組の補助モニターの採用
大教室においては、教室前方のスクリーンだけでは、座席後方の学生が見え難いことが危惧され
たため、プラズマディスプレイを教室後方の左右に各1面を天井吊りした。この点については、検
討段階でも議論になったが、経費面から2面1対にすることを見送った。しかし、実際の授業での
様子から判断すると、補助モニターは教室正面のスクリーン2つの代替という当初の考え方に沿っ
て2面1対を実現すべきであった。機器および追加工事に対する経費が発生するが、できるだけ早
急に実現したい。
(2)
スクリーンの固定化
平成10年度に整備されたマルチメディア教室では、教室前方の大型スクリーン2面は、全て電動
式の巻き上げスクリーンになっている。これは、既存の黒板や白板のみを使用する授業も引き続き
行われることを考慮した結果である。しかし、多くの教員がマルチメディア教室の特徴を生かすこ
とに慣れてくれば、アドリブ的に黒板や白板を使う頻度は減るとともに、書画カメラが効果的に利
用されるであろう。そのような段階になれば、スクリーンを固定し、必要に応じて小黒板を使うと
いう利用形態が日常化すると予想される。
スクリーンの固定化の長所は、電動機構が不要になるとともに、吊り下げ式スクリーンのように
投影面が空調などの風によって揺らぐことが無くなること、さらに吊り下げ式よりも反射率の良い
スクリーンを採用できるため、より明るい画面が実現することなどがある。
(3)
スライドの利用
マルチメディア教室を整備するに際して、前述したように既存の素材も利用できるよう配慮した
が、結果的にスライドに対しての措置が不足していた。そのため、当面利用希望が出ている教室に
は、小型のスライドマウントを用意し、それを書画カメラで拡大投影することとした。しかし、大
量のスライドを次々と投影して見せる場合には無理があるため、別途スライドフィルムビデオコン
バーターを用意することにしている。これは持ち運びできる程度の大きさと重さであるため、必要
−20−
とするマルチメディア教室へ持参し、コンバーターの映像出力をマルチメディア操作卓の外部映像
入力端子へ送ることで、投影できるようになる。
(4)
オーディオカセットテープレコーダーのテープカウンターの表示
語学等でオーディオカセットテープを使う場合、カウンターの数値を参照しながら再生位置を選
ぶことがある。現状のマルチメディア操作卓に採用したオーディオカセットテープレコーダー(以
下、テレコ)にもカウンターは装備されているが、操作卓の下方にあるため、視認することが難し
い。機器内部の信号を取り出すことができれば、操作卓上面に表示することは可能であるが、テレ
コ本体の改造を伴うため、PL法との関連で障害発生時にテレコの製造メーカーとの間で、責任問
題などが発生するため、マルチメディア操作卓の開発を担当する業者にとっては負担が大きい。
しかし、テープカウンターの利用については、引き続き希望があるため、将来的に何らかの解決
策を見出す必要がある。
(5)
マルチメディア操作卓の小型化、可搬化
今後の課題の中では、最も大きな課題といえる。平成10年度に整備したマルチメディア教室は、
情報教育研究センターの演習室1室を除き、全て中規模、および大規模教室であった。このため、
高さ107㎝、横幅216㎝、奥行き85㎝のマルチメディア操作卓を設置することが可能であった。しか
し、今後マルチメディア化の対象となる教室は中規模以下の教室となるため、現状の操作卓では設
置することが難しい。少なくとも現在教室に備えられている教卓(約横幅110㎝)程度のものにす
る必要がある。そのためには、装備する機器類をどの程度に抑えるかを検討する必要がある。
さらに、小型になるのであれば必要に応じて移動できることが望ましい。そのためには、操作卓
にキャスターを付ける必要があるが、これは操作卓の重量を考える上で重要な要素となる。
いずれにせよ、今後開発されるであろう小型操作卓でも、本稿で述べてきた開発の原則は生かさ
れるべきである。特に、個々の機器操作の一元化は、利用者、サポート担当者の負担軽減という面
で非常に効果的である。また、操作のソフト化により、どの操作卓であっても利用手順が統一され
るため、利用者が習熟することが容易になる。
要は、どのような規模の操作卓であっても、ユーザーインターフェースの良否が設計のポイント
になることを忘れてはならない。
11.終わりに
マルチメディア環境の整備という取り組みを始めてようやく1年であるが、授業等での利用が広が
っていることは嬉しい限りである。大学での授業改善ということが話題になる昨今であるが、授業改
善の第一歩は、学生に分かりやすい授業の実現であろう。「分かりやすい」という意味は、まず「見
える」
、
「読める」
、
「聞こえる」といった知覚レベルでの適正値を保障することであろう。板書した字
が教室後方の学生には読めないというのであれば、授業で提供される内容の良否以前で学習障害を引
き起こしていることになる。
さらに、授業成立のためのこうした基礎段階の要件をクリアした上で、学習内容を如何に多様な表
現で提供するかが意味を持ってくる。多様さの適否は、受講する学生の理解度や感性などに対し、ど
の程度まで教員が思慮できるかに関わってくる。
マルチメディア環境整備は、こうした教育の基本的課題について改めて見直す良い機会であると考
えられる。
−21−
小学校における地域教材の作成と授業展開(その1)
「社会科から総合的な学習への発展を求めて」
上月啓史・竹下和博・薮 稔・田中良憲・西橋英樹・
松本栄次・小野賢太郎(地域交流研究会グループ(*1))
小学校3年生の社会科において利用できる地域教材を作成した。地域教材は各地域ごとに必要であ
るが、各学校・教師の力だけでは、十分用意できていないのが現状である。そこで、地域教材のあり
方を考え作成提案した。この教材は新学習指導要領の「総合的な学習」を視野に入れて開発した。
キーワード:小学3年生
地域教材 CD–ROM
総合的な学習
教材のデジタル化
1.はじめに
現行の学習指導要領(平成4年度実施)では、中学年社会科は低学年の生活科との接続と高学年社
会科への接続を考え、「地域社会における社会的事象を具体的に観察させるとともに、さまざまな資
料を効果的に活用することを通して、地域社会の成員としての自覚を育てる」をねらいと言い換える
ことができる。ここで、「さまざまな資料」とは、教師があらかじめ準備したものであったり、児童
が校区内見学などをして入手した情報や資料と考えられる。この「資料収集」をもう少しふくらませ
て考えると、新学習指導要領(平成14年度実施)での「総合的な学習」で例示されている「地域や学
校の特色に応じた課題」の発見や、「情報」といった横断的・総合的な課題学習へと発展させること
ができる。
2.背景
西宮市教育委員会では西宮市立総合教育センターが中心となって、社会科の副読本「わたしたちの
西宮」(3年生版・4年生版)(*2)を作成し使用している。また、副読本の手引き(*3)も充実した
ものが作成されており、各種資料も紹介してある。しかし実際の指導において、児童が利用できる絵
図・写真は非常に不足している。これまでにも、資料不足を補うため、学校図書館に各種資料を配備
したり、教師が自ら写真を用意したりして授業を進めていた。
西宮市では、各小学校にコンピュータは配置されているが、ほとんどがいまだに8ビット機であっ
Development and Use of multimedia Titles as teaching materials in Social Studies of Elementary Schools
Keiji Kouzuki(西宮市立神原小学校教諭)・Kazuhiro Takeshita( 西宮市立用海小学校教諭)・
Minoru Yabu(西宮市立甲陽園小学校教諭)・Yoshinori Tanaka(西宮市立南甲子園小学校教諭)・
Hideki Nishihashi(西宮市立南甲子園小学校教諭)・Eiji Matsumoto(西宮市立小松小学校教諭)・
Kentarou Ono(武庫川女子大学
情報教育研究センター 研究員
−22−
共通教育部助教授)
たり、ハードディスクがないDOSマシンであったりする(*4)。今年の3月に図書管理を目的とする、
インターネット接続されたコンピュータが全小学校(図書室)に2台ずつ(*5)配置され、授業の中
でのいろいろな活用が考えられている。しかし、インターネット上には、小学3年生社会科の地域学
習で「資料」として利用できるものは非常に少ない。また、著作権の問題もあり、絵図・写真を著作
者に確認を取りながらの授業は不可能である。
この2台のコンピュータ導入の際に、デジタルカメラ(2台)・液晶プロジェクター(1台)も同
時に配備され、教材作成環境・プレゼンテーション環境も格段に向上した。
そこで今回は、次の点を重視しデジタル教材を準備することとした。
1.小学3年生社会科で教師も児童も自由に利用できるものであること
これは、画像を必要に応じて自由に加工でき、利用することを目指した。
2.地域に密着した絵図・写真であること
各学校ごとに地域の様子は変わるので、本来は学校ごとに付近の様子を収める必要があるが、今回
はプロトタイプのため、いくつかの学校に絞ることとした。
3.各学校のコンピュータ環境を考え、現時点ではCD– ROM化すること
インターネット接続での利用は、現在のところ使用時間の制限を受けていることと、十分な台数が
確保されていないため児童が自由に利用することはできない。そこで、FM– TOWNS系が導入さ
れている学校ではCD– ROMが利用できるため、教材をCD– ROM化することとした。
デジタル教材の内容としては、
1.西宮市全体の主要な施設の写真を含むこと
「市内巡り」などで辿るコースの主要な施設の写真を含んだ。市内巡りはほとんどの学校が企画
実行しているので、これらの画像は学校が異なっても同じように利用でき、今後充実させやすいも
のである。
2.特定の学校については、より詳細な画像を準備すること
メンバーの学校などで、支障のない限りいろいろな地域行事の写真も掲載した。これも、今後各
学校で地域教材作成の際に、児童の写真の掲載の方法(個人が特定されないような加工)などにつ
いても実例として掲載している。
3.副読本に含まれている写真はできるだけ含むこと
副読本に掲載された写真のうち、メンバーが新たに撮影できるものについてのみ掲載した。航空
写真やイラストなどは除外した。
今回作成した教材は、本来、インターネット上のサーバにデータベース化して蓄積し、いつでも、
どの学校からでも利用できるようにしていく必要があると考えている。また地域教材は、各学校の児
童や教師だけでなく、PTAや地域の人たちの協力を得て、積極的に作成する必要がある。作成され
た教材は、サーバに蓄積・共有していくことも重要だと考えている。そのプロトタイプとして今回作
成した教材をCD– ROM化し、各学校に配布し教材作成の参考にしていただく予定である。
ここで作成した教材は、各教師の学習指導の中でいろいろな使い方ができるように「データ素材集」
的なものに踏みとどめている。児童がコンピュータを利用してCD– ROMを検索させる授業展開でも
利用できるし、教師があらかじめ必要な部分のみを印刷して授業に使用することもできる。
−23−
3.教材の内容
グループのメンバーが、平成10年の夏より時間を見つけて、西宮市内の各種の施設をデジタルカメ
ラで撮影した。撮影画像は数百枚にものぼり、教材化する画像を取捨選択した。また、画像の不要な
部分をレタッチソフトで1枚ずつ修正した。画像はJPEG形式とし、HTML化したインデックスを付
属させることにした。これにより、ブラウザが使用できるコンピュータで表示できるようになる。
今回は建物を中心に撮影した。一部、メンバーが所属する学校などでは「夏祭りの様子」なども含め
ることとした。
4.授業研究
平成11年11月にこの教材を利用した提案授業を予定している。この教材は、新学習指導要領の「総
合的な学習」を視野に入れて作成提案するため、3年生社会科の少し発展的な学習を行うものとする。
現行の社会科での利用を考えると、
・第二単元「わたしたちの市
西宮」の「1.校区のようす」のまとめ
・第二単元「わたしたちの市
西宮」の「2.西宮市のようす」のまとめ
・第五単元「くらしのうつりかわり」の「1.むかしからのこっているもの」
等が適切であろう。
5.まとめにかえて
地域教材は、どの学校でも必要でありながら、なかなか準備できないものである。インターネット
上では、徐々に地域教材をデータベース化する動きが進んでいる。教師だけが用意するのは時間的に
も不可能に近い。新学習指導要領の総合的な学習への発展を考えると、新鮮な地域教材のデータベー
ス化は必要であろう。児童が活動の中で教材を作成することも考えられるし、PTAなど地域の人た
ちの協力を要請することもできるはずである。
今回は第一報として、教材作成の意図を中心に述べた。提案授業を受けて、今後の課題等を第二報
として述べたいと思う。
(*1)地域交流研究会:学校と地域を結ぶ活動を模索して平成7年度発足。平成7年度から3年間
は、西宮市地域研究助成を受けて、パソコン通信を利用して学校間の交流と地域の連携を模
索した(武庫川女子大学
情報教育研究センター年報‘97「学校間交流を支援するシステム
の試作」
)。メンバーは西宮市内の公立小学校教諭を中心とした以下の7名。上月啓史(神原
小学校教諭)・竹下和博(用海小学校教諭)・薮稔(甲陽園小学校教諭)・田中良憲(南甲
子園小学校教諭)・西橋英樹(南甲子園小学校教諭)・松本栄次(小松小学校教諭)・小野
賢太郎(武庫川女子大学
(*2)副読本:「3年
会
助教授)
わたしたちの西宮」「4年
発行所:西宮市立総合教育センター
(*3)手引き:『小学校第3学年
西宮市立総合教育センター
わたしたちの西宮」著作者:西宮市教育委員
平成4年4月1日初版発行
社会科「わたしたちの西宮」指導計画作成の手引き』 発行所:
発行者:所長
−24−
神吉正雄
平成10年4月1日
『小学
校第4学年
社会科「わたしたちの西宮」指導計画作成の手引き』
合教育センター
発行者:所長
神吉正雄
発行所:西宮市立総
平成11年4月1日
(*4)小学校のコンピュータ環境は機種・台数で違いがある。機種はFM77AV系、FM– TOWNS
系に分かれる。FM– TOWNS系はTOWNS– OS系とWindows系に分かれる。導入台数は、
5,10,20台のところがある。
(*5)Windows
NT
と
Windows98
各1台ずつ。この2台はLAN接続されており、ISDN回
線を利用してダイヤルアップ接続(接続先は限定)でインターネットが利用できる。
−25−
大学生に見る就職活動に際してのインターネット利用の現状
岡
田
由紀子
ここ数年インターネットの普及により、学生の就職活動の形態に大きな変化が生じている。
本稿では、本学のインターネットを利用した就職活動の現状を把握し、アンケート結果を基に、今
後の課題について考察する。
キーワード:就職活動、インターネット、電子メール、情報倫理
1.はじめに
本学は、早くから独自の就職データーベース(*1)を構築し、学生の就職活動の支援を行ってきた。
しかし、インターネットが一般化し、多くの企業が求人情報の提供やメールエントリー(学生のプロ
フィールをインターネットで送信する方法)を採用した結果、本学でも就職活動にインターネットを
利用する学生が増加し、電子メールで企業とのやり取り(資料請求や会社説明会の予約)をする学生
も多くなった。
また、インターネットのホームページには、就職に関するあらゆる情報が網羅された就職情報サイ
ト(*2)が立ち上がり、その登録は、今や学生の常識になりつつある。さらに、学生自身が情報を発
信し、就職相談や情報交換(企業の採用態度や面接でのやりとり)を行うホームページも現われ、就
職活動でのインターネット利用は様々な展開を見せている。
しかし、インターネットを利用した就職活動には便利さの反面、
「情報量が多すぎる」
「情報の不確
かさ」「個人情報の流出」など問題点も多く、学生の情報倫理を含む情報活用能力の育成が課題とな
っている。
(*1)1991年(平成3年)12月から始まった武庫川学院教育ネットワーク(通称MIET)は、本学
の学生・教職員を対象とした学内に閉じたネットワーク(パソコン通信)で、就職情報の
他、教務情報、電子掲示板、電子メールなどが利用できる。但し、取り扱える情報は現状
では文字情報のみ。
(*2)代表的なものにリクルートナビ、日経就職ナビがある。最新の企業情報や説明会情報が入手
できるほか、企業検索や適性検査など自分に合った業種や職種を選ぶためのサービスも行っ
ている。サイトに会員登録することで、個人専用の画面(就職活動の記録簿)が活用できる
という特典もある。サービスは無料。
Yukiko,OKADA
情報教育研究センター助手
Research for the Internet Use of College Students for the Job Search
−26−
そこで、本学の現状を把握し、今後の学生支援の方向を探るため、卒業学年の学生に「就職活動の
インターネット利用」についてのアンケート調査を実施した。
2.調査概要
実施時期
1999年(平成11年)4月15日∼5月11日
調査方法
アンケート用紙(情報教育研究センターにてアンケート協力を依頼)
調査対象
本学の2000年春卒業予定の学生
有効回答数 180名
図1
所属
N=180
3.調査結果
大学院・専攻科
0.0%
図1∼19のNの値は回答者数(無回答・非該当
短大
35.0%
を省く)
。
■回答者の所属
大学
65.0%
所属では、
「大学」が65%、
「短大」が35%とな
り、4年制大学の学生の回答が、短大の約2倍と
なった。
「大学院・専攻科」の回答はなかった。
(図
1)
また、表1で、2000年春卒業予定者が「短大」
より「大学」が少ないことからも、4年制大学の
学生の回答(利用)が多いことがわかる。
表1
本学の2000年春卒業予定者数(H11.6.1現在)
大学
1,484名
大学院 修士課程
48名
短大
1,739名
博士後期課程
11名
専攻科
2001年春卒業予定者数
11名
合計
3,293名
合計
3,170名
図2
学部・学科(略称)
22.3
大学 大英
14.9
大国
大教
大食
大環
大体
大人
大薬
大情
大音
短大 短食
短英
短生
短国
短教
短人
短体
10.1
4.7
3.4
2.7
2.0
0.0
0.0
0.0
8.8
7.4
6.8
6.8
5.4
2.7
2.0
0
学部・学科では、
「大英」が約22%、
「大国」が
約15%、それに「短英」「短国」を合わせると全
体の半分となり、語学系学科の回答が多かった。
一方、大学・短大とも「人間関係」「体育」の回
N=146
5
10
20
25 %
図3 就職活動にインターネットを利用していますか
N=180
就職活動を
していない
2.2%
利用していない
8.3%
答は少なく、「大情」「大音」「大薬」の回答がな
いなど、学部・学科によるばらつきがあった。学
科専用教室(演習室)を持っている、学習エリア
が情報教育研究センター(以下、センター)から
遠いなどが原因と思われる。
(図2)
−27−
15
利用している
89.5%
■就職活動のインターネット利用
大学 (N=100)
短大 (N= 49)
図4 メールアドレス(ID)を取得した学年
インターネット利用では、「利用している」が
%
100
89.8
約9割を占め、センターを利用している学生につ
いては、就職活動にインターネットを使用する率
80
が非常に高いことが読み取れる。「利用していな
60
い」「就職活動をしていない」では、大教(教員
40
短大
50.0
大学
25.0
採用試験受験者)の学生が多かった。
(図3)
18.0
20
10.2
0
■メールアドレス取得時期
1年
7.0
2年
3年
4年
学年について調べたところ、「短大」では約9
大学 (N= 63)
短大 (N= 45)
割が「1年」で取得し、「大学」では「3年」の 図5 メールアドレス(ID)を取得した月は
終りまでに約9割が取得していた。「3年」で全
体の半数が取得していることから、就職活動のた
めの取得も多いと推測される。
(図4)
%
30
20
月について調べたところ、「4・5月」と「9
・10月」で「大学」「短大」とも約6割の取得が
27.0
大学
25
15
22.2
15.6
6.7
5
3.2
3.2
0
めに多数取得されることがわかった。前・後期の
9.5
8.9
10
あった。このことから、メールアドレスが学期始
4
短大
13.3
11.1
14.3
5
7
6.7
9.5
1.6
7.9
2.2
2.2
8
9
6.3
8.9
0.0
6
11.1
2.2 0.0
10 11 12
1
3月
2
授業(メールアドレスが必要な科目)が取得を増
図6 就職活動でインターネットを利用しようと思ったきっかけは(複数回答)
N=157
したと思われる。
(図5)
41.4
先輩・友人・家族
■インターネット利用のきっかけ
きっかけでは、「先輩・友人・家族」が全体の
インターネットを
以前から使っていたから
4割以上を占め、周りの人たちからの口伝えの影
大学の広報
(就職ガイダンス)
15.9
響が大きいことがわかった。「インターネットを
大学の授業
15.9
以前から使っていたから」も4人に一人いた。一
新聞・雑誌・TV
方、
「大学の広報(就職ガイダンス)
」や「大学の
26.1
14.0
3.2
その他
授業」がきっかけとなった学生は、全体の3割と
0
10
20
30
40
50%
意外に少なかった。その他では、「インターネッ
トでしか受付をしていなかった」「企業のアドレ 図7 就職活動をインターネットで開始した時期は(大学)
スを見て」など、企業の積極的な利用の様子が表
れていた。
(図6)
N=99
%
35
31.9
就職活動を開始した時期
30
29.3
25
■就職活動開始時期
就職活動の開始時期と就職活動をインターネッ
トで開始した時期では、
「大学」
「短大」とも山型
になり、「就職活動」と「インターネット」の両
20
15
12.9
10
5
者に区別がないことが見てとれる。
就職活動をインターネットで
開始した時期
15.5 13.8
0
「大学」の活動者は、早い者は3年の9月から
−28−
7.8
0.0
0.0 0.9
1・2年 3年4-8月 9月
2.6
10.3
13.8
8.6
6.9
3.4
10月 11月 12月
9.5
0.0
1月
2月
3月 4年4月 5月
現れ始め、3年の2月がピークなっている。「短 図8 就職活動をインターネットで開始した時期は(短大)
インターネット (N=55)
郵便はがき (N=52)
大」の活動者は、早い者は1年の11月から現れ始
め、2年の4月がピークになっている。「大学」
は「短大」に比べて、開始時期が2ヶ月早いが、
%
50
開始時期に個人差(9ヶ月間)があるようだ。
「短
40
大」は開始時期が「大学」に比べて遅いが短い期
30
間に集中している。求人状況(4年制大学生の採
用は厳しい)の違いや在籍年数の違いによると思
50.9
就職活動をインターネットで
開始した時期
42.3
就職活動を開始した時期
23.6 25.0
20
19.2
われる。また、大学の休みの時期(1・3月)の利
10
用の減りは、まだまだ大学でしかインターネット
0
11.5
0.0
1.9 0.0
12.7
10.9
0.0
0.0
1年4-10月 11月 12月
1月
2月
1.8
3月 2年4月 5月
が使えない学生の多さを表している。
(図7)
(図8) 図9 就職活動でインターネットを利用する場所は(複数回答)
N=160
■利用場所
本学の情報教育研究センター
利用場所では、調査を行った「情報教育研究セ
自宅
ンター」が約96%とほとんどを占め、学生がセン
本学の就職課
31.9
23.8
本学の教室
ターと他の場所を併用していることがわかった。
学内では、
「就職課」を4人に一人が併用していた
が「教室」
「研究室」は少なかった。
「自宅」が約
95.6
8.1
友人・知人の家
1.9
本学の研究室
0.6
機器を持ち歩いているのでどこでも 0.0
32%あることから、3人に一人が自宅にインター
その他
ネット環境を持っていることがわかった。
しかし、
2.5
0
20
40
60
80
100%
センターのみを利用している学生も多かった。
「機 図10 就職活動でインターネットを利用する頻度は(複数回答)
N=157
器を持ち歩いているのでどこでも」の回答は皆無
その他
7.0%
であり、学生の所有機器のモバイル化は進んでい
ないようである。その他の回答には、「インター
ほとんど毎日
19.7%
ネットカフェ」
「ショールーム」
「パソコン教室」
があった。
(図9)
週に1・2回
42.7%
週に3・4回
30.6%
■利用頻度
利用する頻度を調べたところ、
「週に1・2回」
が約43%、
「週に3・4回」約31%、
「ほとんど毎
日」は約20%で、一人の学生の累積延べ利用回数
図11 就職活動でインターネットを利用する内容は(複数回答)
N=157
が非常に多くなることがわかる。特に企業からの
就職情報サイト(リクルート・日経)への登録
メールチェックを頻繁に行わなければ意味が無
ホームページなどでの企業の研究
く、大学以外に機器を持っていない学生は毎日大
会社説明会やセミナーの予約
学に通わなければならなくなる。忙しい時期にな
ると企業との行き違いによる失敗も多くなる可能
82.8
60.5
54.1
資料請求
51.0
企業との電子メールのやりとり
企業のホームページへの書き込み
性が大きい。また、就職活動がピークの時期には
MIETでの本学の就職情報の検索
授業の課題を行っている自主学習者との競合現象
就職活動中の人たちとの情報交換
19.7
15.3
11.5
8.9
その他 0.6
も起こっている。
(図10)
0
−29−
20
40
60
80
100%
■利用内容
利用内容では、
「就職情報サイト(リクルート・日経)への登録」約83%、
「ホームページなどでの
企業の研究」約61%と高い値となり、「会社説明会やセミナーの予約」「資料請求」は2人に一人が利
用している。しかし、「MIETでの本学の就職情報の検索」は11.5%と意外に少なく、インターネッ
トの利用が本学の就職データベースに大きな影響を与えている。また、「就職活動中の人たちとの情
報交換」
「企業との電子メールのやりとり」
「企業のホームページへの書き込み」は、企業との接触後
増えると予想される。
(図11)
■入力内容
「氏名∼大学名」は9割以上、
「生年月日∼メール
アドレス」は8割以上、
「卒業学年∼研究室(ゼミ)
」
は半分以上の入力があった。このことより、本学
の学生の個人情報が、インターネット上にかなり
大量に流されている実態が浮かび上がる。また、
「資格取得(見込)
」が約6割おり、何らかの資格
をとって就職活動に臨む学生が増えている現状が
把握でき、ダブルスクール(大学に通いながら専
図12 就職情報サイト(リクルートナビや日経就職ナビ)や企
業のホームページに入力した内容は(複数回答)
N=136
氏名
住所
電話番号
学部・学科
大学名
生年月日
学年
メールアドレス
卒業学年
希望職種
希望業種
資格取得(見込)
研究室(ゼミ)
クラブ
サークル
趣味
よく利用するURL
その他
生の組織離れ(個人主義)を表している可能性が
70.6
69.9
61.0
61.0
55.9
26.5
23.5
20.6
3.7
1.5
0
修学校などへ通う現象)利用者も多いことが予想
される。
「クラブ」
「サークル」の値は、最近の学
95.6
94.1
94.1
92.6
91.2
85.3
83.1
82.4
20
40
60
80
100%
図13 資料請求したのは何社ですか インターネット (N=140)
郵便はがき (N=147)
%
60
ある。
(図12)
54.3
50
■資料請求と返信
資料請求では、「インターネット」と「郵便はが
き」のNの値は「郵便はがき」が若干多いがほと
んど差はない。このことから、資料請求は半分が
「インターネット」で済まされていることが読み
とれる。また、「インターネット」にはメールを
40
インターネット
38.1
郵便はがき
27.2
30
21.8
20
0
10.7
16.4
10
10.7
4.3
9.5
3.4
∼10
∼20
∼50
∼100
∼150
3.6
0.0
150∼ 社
一括送信できる便利な機能があるが、使い過ぎに
よる弊害もある。「インターネット」で「∼10」 図14 資料請求した企業からの返信は何社ありましたか
インターネット (N=128)
郵便はがき (N=133)
が約54%と多数を占めていることは、学生が目的
意識を持って企業への資料請求を行っていること
を意味するだろう。しかし、
「150∼」の約4%の
%
70
64.8
60 63.2
学生には注意が必要である。
(図13)
50
郵便はがき
40
資料請求に対して返信があった率は「インター
30
ネット」約91%「郵便はがき」約90%と差はなか
20
った。すなわち、企業の「インターネット」の返
10
信が予想以上に確実に送付されている。しかし、
0
「∼100」で「インターネット」が「郵便はがき」
−30−
24.1
インターネット
12.5
17.2
5.5
9.8
3.0
∼10
∼20
∼50
∼100
0.0
∼150
0.0
150∼ 社
の約2倍おり、「インターネット」の情報収集のしやすさがわかった。沢山の企業と連絡を密に取り
合うことは難かしく、情報倒れにならないよう気を付けなければならない。
(図14)
■よい点
よい点では、
「速効性がある」約82%、
「知りた
図15
よい点は何ですか(複数回答)
N=157
速効性がある
い情報をいつでも引き出せる」約71%、「多くの
知りたい情報をいつでも引き出せる
情報量を短時間で得られる」約53%、「コストが
多くの情報量を短時間で見られる
かからない」約36%となり、学生はインターネッ
インターネットやパソコン通信ができた
トのメリットを〈時間の制約を受けずに迅速に多
70.7
52.9
コストがかからない
36.3
11.5
個人レベルで企業とやりとりできる
10.8
コンピュータの操作が上達した
10.2
くの情報を安く手に入れる楽さ〉と感じているこ
とがわかる。また、「個人レベルで企業とやりと
81.5
地方の就職情報が数多く見れる
就職活動中の人たちと情報交換ができる
8.9
7.0
就職活動中の人たちと悩み相談ができる 1.9
その他 0.6
りできる」約11%から、大学を頼らず自分だけの
0
力で就職先を見つけたいと考えている学生が少な
20
40
60
80
100%
からず存在する。
(図15)
■困っている点
困っている点では、「大学でしかアクセスでき
ない」が約59%、「就職ナビにつながらない時が
図16
困っている点は何ですか(複数回答)
大学でしかアクセスできない
58.9
就職情報サイトにつながらない時がある
34.4
ホームページを持っていない企業の情報がない
ある」約35%、「ホームページを持っていない企
郵便よりも信頼性がない
業の情報がない」約32%などの値を示しており、
企業からの電子メールの返事が遅い
学生が今以上にインターネットの利用を希望して
いることが理解できる。しかし、「郵便よりも信
N=151
31.8
23.2
多くの情報にまどわされる
16.6
12.6
コンピュータの操作がわからない
12.6
具体的な業務内容がわからない
10.6
その情報が最新かどうかわからない
8.6
就職情報サイトの操作がわからない
6.6
間違った情報が多い 1.3
デマ情報が多い 0.0
頼性がない」「多くの情報にまどわされる」とい
その他
う、インターネットのデメリットも生じていた。
4.0
0
「間違った情報が多い」「デマ情報が多い」の値
10
20
30
40
50
60%
は低く、一見問題がないように思われるが、インターネットの情報を他の手段によって信頼性を検証
しているか否かが重要であろう。その他では、「インターネットのしすぎで目が悪くなった」という
回答もあった。
(図16)
■インターネットのリスク
センター作成「安全なネットワーク利用のため
に」
(資料1)を読んだかどうかでは、
「読んだ」
図17 情報教育研究センターの作成した「安全なネットワーク
利用のために」を読みましたか
N=166
約52%、
「読んでいない」約48%と回答がほぼ2分
され、広報が十分でなかったことがわかった。
(図
17)
読んでいない
48.2%
「見知らぬ企業から添付ファイル付きのメール
が送られてきたらどうするか」では、「とりあえ
ず添付ファイルを開いてみる」が一番多く、学生
がコンピュータウイルスなどの認識に乏しいこと
−31−
読んだ
51.8%
が判明した。「相手を就職課の資料で確認する」 図18 見知らぬ企業から添付ファイル付きのメールが送られて
きました。あなたならどうしますか(複数回答)
では、「読んだ」が「読んでいない」の約2.5倍を
占め資料の効果が見られた。しかし、「読んだ」
とりあえず添付ファイルを
開いてみる(N=85)
学生の「添付ファイルを開く」「メールを返信し
N=166
40.0
60.0
読んだ
読んでいない
確認する」の回答から、郵便のダイレクトメール
相手にメールを返信し確認する
(N=15)
は封を切らずに捨てても電子メールはつい見てし
まうという人が多く、情報倫理教育の難しさを感
53.3
46.7
読んだ
読んでいない
相手を就職課の資料で確認する
(N=70)
じる。
(図18)
0%
インターネットに個人情報を流すリスク
(危険)
71.4
28.6
読んだ
読んでいない
20%
40%
60%
80%
100%
では、
「あまり考えていない」が全体の6割以上を 図19 画面上のエントリーシートやアンケートを返信すると、個人
占めた。
「十分に考えている」で「読んだ」が「読 情報が知らない所に流されることがあります。このことについてメー
んでいない」の約1.8倍あり資料の効果が表れた。
ルを送る前にリスク(危険)を考えていますか
しかし、僅かだが「まったく考えていない」と回
十分に考えている(N=53)
答した学生があった。このことから、学生がイン
N=160
64.2
35.8
読んだ
読んでいない
ターネットというオープンスペースに個人情報を
流すことの危険性を十分認識していないことが明
あまり考えていない(N=100)
50.0
50.0
読んだ
読んでいない
らかになった。
(図19)
まったく考えていない(N=7)
100.0
読んでいない
0%
■回答者のその他の意見
20%
40%
60%
・センターが満席で使えない時がある
・利用時間を延長してほしい
・コンピュータの操作がわからない
・カラーで画面の印刷がしたい
・電話代などのコストがかかる
・自宅のパソコンは遅く、接続が悪い
80%
100%
・個人情報が他に漏れることは心配だが就職活動の早期化で気にしていられない
・今回のアンケートを読んでインターネットのリスク(危険)が心配になった
4.考
察
【ネットワーク環境の整備】
今回の調査結果から、インターネットは就職活動の大きな武器になっていた。本学では学内のネッ
トワーク環境(実習教室、センター、就職部、図書館に加え、1999年春から複数のマルチメディア教
室に情報コンセントを設けた)を整備し、学生の就職活動を支援してきたが、求人者数や使用頻度か
ら見て、大学の設備だけで全てをサポートすることは難しい。今後、機器の個人所有は進むものの、
大学でも引き続き、低コスト軽量のノートパソコンの斡旋や貸出、インターネット端末の機能を持つ
新しい携帯情報機器(PDA)
の研究が必要である。
【情報倫理教育の徹底指導】
今回の調査結果から、就職情報サイトへの登録は、活動の第一歩となっていた。また、電子メール
での企業とのやり取りも頻繁で、学生同士の情報交換もますます増えることが予想される。その一方、
−32−
学生の情報倫理に対する関心は低く、「就職活動ではリスクなど考えていられない」に見られるよう
な短絡的な意見も多い。センターは、これまで、資料配布やガイダンスを実施し、ネットワークの危
険性を訴えてきたが、まだまだ広報が十分でないことや、一度の学習では理解しにくい内容であるこ
ともわかった。就職情報サイトによっては、2001年春卒業予定者の登録受付が既に始まっている所も
あり、下級学年の情報倫理教育が急務となった。
【就職サポート体制の活用】
今回の調査結果は、回答者が、本学の就職データベースを約1割しか利用していない現実を浮き彫
りにした。理由はいくつか考えられるが、最も大きな理由は、学生がインターネットの情報の波に溺
れ、有効な情報のありかを探せていないためと思われる。ちなみに、本学の就職データベースには延
べ14,000社の最新の企業情報と求人情報があり、就職部には約6,000社の企業ファイルがあり、経験
豊富な専門スタッフも揃っている。冷静に考えれば、日本中の求職者のほとんどが検索できるオープ
ンな情報より、本学のクローズされた情報の方が具体性があり、コストもかからない。今後、大学側
の取り組み(アピールの仕方など)と学生の行動とのギャップを埋めるためには、常に社会(企業や
就職情報サイト)の動きや学生のニーズを把握すると共に、近い将来、本学のホームページで就職に
関するあらゆる情報を発進し、それらを学生が利用しやすい環境に整え、魅力あるコンテンツ(内容)
を提供し続けることが重要と考える。
5.まとめ
就職活動のインターネット利用には、さまざまな問題もあるが、今後ますます利用は進むだろう。
また、長引く不況の中で企業は一握りの即戦力を求めており、新卒者には厳しい時代といえよう。イ
ンターンシップ制度(*3)の導入など、大学にとって新しい試みが始まりつつあり、学習への影響が
懸念されるが、学内における就職活動のあり方は新たな検討を迫られている。
(*3)学生が在学中に、業務内容の把握と適性の見極めのため、企業に一時的に体験入社する制度。
単位認定、報酬、企業による新たな「青田買い」
、などの問題を含んでいる。
6.謝
辞
最後に本研究にご協力下さいました、情報教育研究センターのスタッフの皆さん、本研究に際して
ご指導、ご助言下さいました、情報教育研究センターの濱谷英次教授に感謝いたします。
【参考文献】
「知恵蔵」1998・1999年
朝日新聞社
「就職ジャーナル」1999年7月
リクルート
「日経アドレ」1998年11月
日本経済新聞社
「PRESIDENT」
1999年3月
プレジデント社
「内定の達人2000年版」1999年
「教育と情報」1999年3月
(株)二期出版
第一法規出版株式会社
−33−
「現代用語の基礎知識」1998・1999年
「女性情報」1999年4.5.6月
自由国民社
パド・ウィメンズ・オフィス
「就職のための会社案内2000」1999年3月
「情報教育研究センター年報」’95
内外学生センター
武庫川女子大学・同短期大学部
資料1 安全なネットワーク利用のために
−34−
情報教育研究センター
Windows95パソコン教室の管理運営について
萬
代
悟
はじめに
人間関係学科では、インターネットの普及と共に、インターネット利用が可能な実習教室(Win
dows95、MacOS)の利用率が大幅に増えつつある。それに伴ってハードの故障やソフトの実
行トラブルも多く発生する傾向が見られる。本稿では、DOS/V機(Windows95)の実習教
室L2−42における管理運営についての試みについて報告する。
1.現状について
現在L2−42教室には、学生用60台と教師用1台(DOS/V機。エプソン製。Windows95)
の計61台のパソコンが配置されている。また、これらはNTサーバー(Windows NT3.51)に接続
され、ネットワークプリンタ8台(レーザープリンタ7台、カラーインクジェットプリンタ1台)の
利用が可能である。
年間を通して情報関係の授業によるパソコンの稼働率は高く、特に後期に集中する傾向がある。昨
年度後期は60名定員一杯の授業がいくつか存在したため、機械の故障による代替機の充当等に奔走さ
せられることも度々であった。
実際に発生した故障をハード面とソフト面に分けると次のようである。
ハード面の故障
導入当初から毎年ディスプレイの表示不良が何件かあったが、最近では経年変化のためかフロッ
ピーディスク、CD−ROMドライブ等の故障も見られる。修理に要する日数は平均して2週間程度
だが、上述のように故障中の代替機の補充の可否が大きな問題である。
ソフト面の故障
ハード的な故障以外に、特に昨年等では授業時にWord、Excelなどのアプリケーションが正しく
利用できないトラブルが頻発している。
例えば、①実行ファイルがフォルダ毎削除されてしまったため全く起動しない場合や、②MS–
IMEのツールバーが削除され日本語入力が不可能といったようなソフトの機能が一部使用できない
場合など様々なパターンの障害が報告されている。また、③ハードディスクの空き容量の問題で動作
が不安定になりハングアップしたケースも見られた。
これらの障害の原因は、主に学生の誤った操作によるものと思われるが、これに対する直接的な対
策法は、次のようである。
Satoru MANDAI 人間関係学科助教授
Management of Windows95 Personal Computer Room
−35−
①②の場合、復旧には再インストールが必要となり労力が大きい。導入当初から、学生用の機械で
はシステムの変更ができないよう、コントロールパネルを不可視化する等の対策を講じているが、さ
らに大切なフォルダには読み取り専用の属性を付け、ごみ箱に捨てる(削除)等の学生の誤操作から
システムを防御するというような対処法が必要であろう(完全に防げるわけではない)
。
③の場合、とりあえずは学生が授業外に勝手にインストールしたファイルやインターネット用のキ
ャシュファイルをこまめに削除すること等で、ワークスペースの十分な確保を行うことで対応可能で
ある。現在ハードディスクの容量は、Cドライブ500MB、Dドライブ2GBと、本来Cドライブの
容量が不足している(この対策については後述する)
。
これまで、上記のような対処的な方法で復旧を行ってきたが、昨年度後期のようにトラブルが同時
に多発してくると即座の復旧が困難となり、授業ができないという最悪の結果に至ることも考えられ
る。
そこで、情報教室の管理運営の観点からはその場だけの対応でなく根本的に解決する方法ついて次
に論じてみたい。また教室の利用状況の把握についての工夫についても合わせて解説したい。
2.システムバックアップについて
ハードディスク(以下HDDと記述)が起動できない場合には、最悪OSも含めてすべてのソフト
を再インストールする必要が生じる。すなわち、
・まず最初にOS(Windows)の再インストールを行う(グラフィックボードやネットワークカー
ド等用の必要ドライバソフトのインストールも必要)
。
・次にインストールされていたアプリケーションソフトをすべて元通りに再インストールする(細
かい設定などチューニングも必要)
。
・さらにネットワークやプリンタ等の各種再設定を行う。
という手順を踏んだ結果、やっと他の機械と同じ状態に戻せる。この面倒な作業に要する時間と労力
はかなりのものとなる。
そこで、これらの労力を軽減する手段として、HDDのバックアップを作成し、必要時に即座に復
元(複製)する方法が考えられる。特に教室内の学生用パソコン60台はハードウェア、HDDの内容
(OS、アプリケーションソフト)共に完全にすべて同一なので、1台の機械のHDDのバックアッ
プを1つ作成すれば、60台の機械に共通に複製が可能となり、管理上極めて便利である。
そして、運用面ではシステムクラッシュというような緊急時には、さらにできれば簡単な操作で、
短時間で元通りにシステムを復元できることも望まれる。
こういった要求に答えてくれるHDDのバックアップ・複製用の市販ソフトには、Drive Image
(ネ
ットジャパン社製)やNorton Gohst(シマンテック社製)等がある。ここではDrive Imageについて
紹介する(Norton Gohstは3月に新発売され、内容的にはDrive Imageとほぼ同じである)
。
Drive
Image
概要
Drive Imageは、HDDのクローン(バックアップ)を作成し、オリジナルと同じ環境を簡単に複
−36−
製するソフトで、ネットワーク機能を用いて企業や学校などで同一仕様のパソコンを大量にセットア
ップする場合専用の「Drive Image Professional 3.0日本語版」(4月28日発売)と、個人ユースに
おいてシステムが不安定になった場合にすばやく元の状態に復元する用途に利用できる「Drive Image 2.0日本語版」の2種類がある。
Drive ImageではオリジナルとなるマシンのHDD上のファイルをブートレコードの情報なども含
めて、HDD単位あるいはパーティション単位で、保存しておくことが可能である。保存先はHDDは
もちろんMOやZip、Jazなどのリムーバブルメディアを始め、CD– Rやテープデバイスなど幅広いメ
ディアに対応している。ディスクイメージは圧縮して保存でき、最大では50%程度まで小さくできる。
作成したオリジナルなディスクイメージはイメージ丸ごとだけでなくティレクトリ単位やファイル
単位での復元も可能である。
マルチキャスト機能
ネットワーク環境においてLAN接続した複数台(100台まで)のパソコンに一回の作業で同時に
復元を行える機能のことで、Drive Image Professional 3.0で始めて実現された。教室等の同一仕様
のパソコンに一斉にセットアップするような用途には必須といえよう。
Drive Image Professional 3.0 日本語版アカデミック
大学などの教育機関の場合はアカデミック版の利用が便利である。Drive Image Professional 3.0
の場合アカデミック版は、決められた管理者一人のみにライセンスされ、学校内の無制限のパソコン
で使用することができる(定価100,000円 税別。製品にはメディア、マニュアル1式、Partition
Magic Professional4.0が含まれる)
。
以上のことから、L2−42教室の60台の学生用パソコンに対しては、Drive Image Professional
3.0 日本語版アカデミックが最適なバックアップソフトと思われるので、本年度の予算ですでに導入
を決定している。今年の夏期休暇期間を利用してマルチキャスト機能を用いたバックアップ・復元の
実験を試す予定である。
3.教室利用状況の調査方法について
人間関係学科の情報研究室では、従来から情報教室の利用状況を調査するために各教室に利用記録
簿を設置して、授業時間外の機器利用者全員に所属、氏名、利用時刻の記入を義務付けているが、残
念ながら完全に守られているとはいえない。特に昨年教室内からインターネット利用が直接可能とな
ってからは、個人的にホームページ閲覧、Eメール、チャットを行う学生が非常に増加し、課外利用
のためか記録簿への記入も忘れられがちである。その結果、集計結果が実際の利用状況と一致しない
可能性も否めなくなっている。
そこで管理担当者としては正確な利用状況を把握するために、従来の人手に頼る記録簿の方式を改
め、機器の利用時刻のログを自動記録してくれる管理ソフトを導入して自動管理を行うのが最も有効
なのではないかと考える。このことは省力化という点でも担当者の労力の削減につながり、望ましい
ことである。
Windows用の市販ソフト、フリーウェアソフトにはこのような用途に利用可能なものは数種類存
−37−
在する。ここでは、特に導入の容易さを考慮してインターネットでダウンロード可能なフリーウェア
を紹介する。
ソフト「サル録Ver1.1」
(川上勝文氏作http://www.venus.dti.ne.jp/∼baku)
サル録Ver1.1
サル録は、このソフトが起動した時間と終了した時間の記録をとり、その間の経過時間を計算する
ソフトで、スタートアップに登録するとWindowsパソコンの電源ONと電源OFFの時刻を毎
回自動的にログに記録することが可能である。月単位のログを残すことが可能なため、Excelを
利用すると月間自動集計処理も可能である。なお、サル録の実行にはVisual Basic5.0 SP3のラン
タイムライブラリが別途必要である。
4.考察
システムのバックアップ・復元については、春休み中にシングルライセンスのDrive Image Ver
2.0を用いた実験結果でも実用上十分な性能が確かめられたことから(下記【資料1】参照)
、新バー
ジョンのDrive Image Professional 3.0では性能アップと新しいマルチキャスト機能によって例え60
台という台数であっても高速で強力な効果が得られることが期待される。この実験結果については次
回に報告したい。
先述のように、現在L2– 42教室の各学生用パソコンのHDDの容量は、Cドライブ500MB、D
ドライブ2GB(増設)と、Cドライブの容量が不足している状態である。さらに増設したDドライ
ブの方がより高速でもあるので、システムを安定させるには、各々C,Dドライブの交換が望まれる。
この作業のためには、まずジャンパの変更(マスター、スレイブの変更)を行ってから、Drive Imageでシステムを復元すればよい。
サル録によるWindowsの起動・終了のログ管理を6月から試験的に開始する予定をしている。こ
の運用結果については次回報告をする。またMac用のログ管理ソフトについては現在見当たらないよ
うであるが、もし使用できる機会があれば積極的に活用してみたい。
5.今後の課題
今回は、特にWindows教室の管理方法について論じてきたが、総合的にみた場合にはMac教室に
ついても同様に考える必要がある。ただしMacの場合、ソフトウェアの本数の点でも少ないため、フ
リーウェアの利用も期待しにくく、価格面でもWindowsの場合より高額になりやすい。
6.終りに
以上、Windows95パソコン教室の管理運営上有効と思われる2つの手法について提案をして
きた。実際の試験結果については次回の第2報にて報告をしたい。
【参考文献】
PowerQuest Corporation「Drive Image Ver2.0日本語版 ユーザーズガイド第2版」1998年11月
(株)ネットジャパン
「Drive Image Pro 3.0日本語版 カタログ」1999年4月
−38−
【資料1】システムバックアップ・復元の実験例(スタンドアロン)
使用ソフト:Drive Image 2.0日本語版(シングルライセンス)
使用機
:DOS/V機(PentiumⅡ400MHz。エプソンダイレクト製、SCSIカード:AHA– 2920)
使用OS
:Windows98(Cドライブ。容量590.6MB)
バックアップメディア:MOディスク(230MB)2枚
バックアップ作成時間:1時間32分
イメージの復元時間
:9分
バックアップ処理によって、HDD(IDE、SCSI)やリムーバブルメディアの媒体にディス
クイメージが作成される(標準で元の60%の大きさに圧縮される)。MOディスクに保存すると、シ
ステムが完全にクラッシュして再起動も不可能となったような時でも作成したブート用FDからDO
Sプロンプトで起動してDrive Imageを立ち上げ、MOディスクにバックアップしたイメージを9分
間で元通りに復元できるため、システムが不安定な場合から不意のシステムクラッシュといった深刻
な場合にまで完全に対応できる。またMOディスクでなく内蔵のHDDにバックアップをする場合に
は、少し面倒なDOS用のドライバー(MO、SCSIボード用)の組み込み作業等も不要で、バッ
クアップ時間も数分程度とかなり短縮され、操作は簡単となる。
【資料2】Drive Image Professional 3.0 日本語版について
以下は、ネットジャパン社のホームページ(http://www.netjapan.co.jp)の説明を要約したも
のである。
基本機能
①
ディスクを丸ごとバックアップ、再び復元
OSも、アプリケーションも、データも、ハードディスクを丸ごとあるいはパーティション単位で、
イメージファイルとしてバックアップをとり、それをまた簡単に高速に復元可能(イメージファイル
は、コピー元と同じ状態のオペレーティングシステム、アプリケーション、データとして復元できる)
。
②
大容量HDDに対応
8GBを超える大容量ハードディスク(IDEで16GB、SCSIで23GBまで検証済み)に対応し、幅広
いファイルシステムをサポートしている。すなわちFAT16, FAT16X,FAT32, FAT32X,
NTFS, HPFS に加え、Windows 2000 (NTFS 5)をサポート。また、Windows NT Workstation Service Pack4にも対応。UNIX(Linux, Solaris 86), NetWareのファイルシステムにつ
いては、セクター単位でのコピーをサポート。
③
メジャーなOSのバックアップ/復元を実現
Windows 98、Windows95、Windows NT
Workstation、Windows 3.x、DOS、OS/2がイン
ストールされているパーティションをバックアップし、それをまた復元できる。
−39−
コピー先のハードディスクの大きさに合せ、パーティションを自動的にリサイズする。元のパーテ
ィションサイズではなく、実使用容量以上の空きがあればイメージファイルを復元可能。また、現在
のディスク上にある他のパーティションに影響を与えずに特定のパーティションだけを復元すること
も可能。
④
リムーバブルメディアにも保存可能
イメージファイルは、ハードディスク、JAZ、 Zip、MO、PD、SyQuest等のリムーバブルメディ
アやネットワークドライブに保存することができます。また、一旦作成したイメージファイルは、
CD– Rライタを使ってCD– Rに焼き付けたり、DAT等のテープに移すこともできる。
⑤
PowerCastTM機能(マルチキャスト機能)で同時に複数のクローン作成
ネットワークを利用して同時に100台までのクローンPCを高速に作成できるPowerCastTM機能を
搭載した。これまでインストールにかかっていた膨大な時間が劇的に削減できる。PowerCastTM機
能を使えば実容量600MBの複数のクローンをわずか6分で(100 Base使用)同時に作成することも
可能。
図
Drive Image Pro3.0実行画面
−40−
学生のニーズに合わせた情報環境の整備
北
村
和
恵
情報社会のなかで、学生のコンピュータを始めとする情報環境へのニーズが高まってきている。特
に近年、インターネットの急速な普及に伴いそのニーズは広がり、コンピュータは就職活動や研究に
欠かせない存在となってきた。
本稿では、学生のニーズの変化に対応した情報環境の整備について、人間関係学科専用実習室の現
状を背景に、今後取り組むべき問題を考察する。
キーワード:情報環境、実習室環境整備、情報社会、学生ニーズ、コンピュータ・リテラシー
1.はじめに
社会の情報化が進み、教育の分野でも情報社会に対応できる能力の育成が盛んに行われている。情
報社会では、複雑な仕組みの中で膨大な情報が流通しており、複数のメディアを通して情報を扱う能
力が求められている。情報教育では、そのカリキュラムの殆どがコンピュータ教育に限定されており、
そのことが問題の1つとなっている。しかしコンピュータは、近年急速に普及し、学生にとって最も
身近で、多くのことを学べる興味深いメディアといえる。
そのコンピュータを使った学習が行われているのは授業の中だけではない。より実践レベルに近い
学習は、課外に行われる自主利用の中で行われている。ここでは課外の自主利用に焦点を当て、学生
が個人的にコンピュータを利用する際に必要とされる情報環境がどのようなものかを学生の立場から
考えるとともに、情報社会に生きる上で必要な能力を養える環境づくりを考察していく。
2.教育機関におけるコンピュータの役割
教育機関におけるコンピュータの位置付けには、2つの立場がある。それは、「コンピュータを道
具としてみる立場とコンピュータを使いこなすための基礎を培う立場」1)である。前者の場合は学
習の目標がどのようなものか、後者の場合はコンピュータ・リテラシーが何であるかを考えることが
重要である。ここでは、学生の利用という視点からこれらの立場を考えていく。
Kazue KITAMURA 人間関係学科助手
The maintenance of the information environment corresponding to the student’s needs
−41−
2–1.目標達成のためのコンピュータ
コンピュータを使用すると、多くのことを実行できる。特にインターネットに代表される情報通信
を利用するとその幅は広がる。しかしコンピュータは学習の質を高めてくれる補助用具であり、学習
そのものの目的ではない。マルチメディアを使い、表現したいことが何かをつきつめることがコンピ
ュータの役割である。特に文系の大学生にとってコンピュータは研究などの知的活動を支援する道具
である。教育の場では、「与えられる情報そのものに対応するだけでなく、自らの学びに役立つ情報
を自分で選び取る能力」2)の促進が求められる。つまり、補助用具であるコンピュータを使って考
えることにより、考える働きを発展させることが望まれている。
ただし、道具も使い方を知らないとその役割を果たすことができない。そこで、コンピュータを使
いこなす能力である「コンピュータ・リテラシー」が必要となる。
2–2.求められるコンピュータ・リテラシー
リテラシーとは「Literate(able to read and write)+cy」のことであり、本来の意味は「読み書き
ができる能力」である。その前にコンピュータをつけ、コンピュータを使いこなす能力という意味を
持たせている。多くの人が何らかの形でコンピュータ・システムと関わりをもつ社会において、コン
ピュータを使いこなせる人が少数であると、情報システムは十分に活用されるない。そのような事態
を避けるため、コンピュータ・リテラシー教育が必要とされている。ただし、この教育はただコンピ
ュータの操作を学ぶだけでは十分ではない。学んだ内容が、他の分野や社会の中でどのような意味を
もつかを認識できるよう、実務レベルとの関連性を明示することが重要となる。
3.学生のニーズの変化
情報化が進む社会の中で、前述したような役割を担うコンピュータに対する学生のニーズも変化し
てきた。ここでは、人間関係学科専用実習室を管理し、そこで学生指導を行う立場からみた学生の情
報環境やコンピュータ教育に対するニーズについて考えていく。
3–1.学生指導の中で見たこと
学生の実習室の利用状況を見ていると、コンピュータ利用者の傾向が大きく変わってきたことが分
かる。利用内容としては、インターネットの利用が大半を占め、インターネットに接続できるパソコ
ンが増加した平成10年度後期より利用者数も大幅に増加した。
インターネットの利用においては、
メー
ルやチャットでコミュニケーションを行う学生が最も多いが、時期により就職活動のツールとして利
用する学生も目立つ。また、趣味や研究として情報検索を行う姿を見かけることも多い。インターネ
ットを体験してみたいが特に目的はないという学生も、ホームページを閲覧して楽しんでいる。イン
ターネット以外では、レポートや課題の作成・ワープロ検定対策としてワープロ・表計算ソフトを組
み合わせて文書作成している姿を見かける。以前は情報関係の課題が殆どであったが、最近は他の授
業やゼミのレポートなどを作成しに来る学生の比率が高く、今年度に入って、就職活動における志望
理由書などをワープロで作成する学生も出てきた。
これらの状況から、コンピュータ利用者の目的が明確化しており、コンピュータに対する興味より
は必要性の高さから利用していることが分かる。利用内容もコンピュータの操作そのものを学ぶとい
うより、目的達成のための道具としてコンピュータを扱う傾向が伺える。
−42−
最近、学院全体として授業が選択化の傾向にあり、今年度は人間関係学科における情報関連の全科
目が選択となった。このことは、学生のコンピュータ・リテラシーの格差を生み、「レポートでしか
コンピュータを使用しない」「就職活動で始めてインターネットを利用する」といった学生の出現が
予想される。そこで、コンピュータを必要な時にのみ使用する学生が、必要なときにすぐ使える環境
の整備が望まれる。
「今後どのような講座を希望しますか」(複数回答可)
3–2.学生の学習に対するニーズ
右のグラフは、人間関係学科の学生を
対象に平成10年に行った「インターネッ
ト講座」の受講者115名に回答してもらっ
たアンケート結果を示している。受講希
望講座の上位3項目を「ホームページ作
成」「インターネット」「メール」とイン
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
57.9%
51.4% 47.7%
43.9%
18.7% 17.8%
9.3%
ト
作成 ネッ
ージ ター
ペ
ム
イン
ホー
ル
メー
ック
ィア
フィ
メデ
ラ
チ
グ
マル
ム
ゲー
算
表計
3.7%
プロ
ワー
0.0%
他
その
ターネットに関連する内容が占めている。これは、インターネットそのものに対する興味とともに、
インターネットの需要の高さや、情報の送り手となる意欲の高さを表わしている。
インターネットは「ネットワークにまたがるネットワーク」といわれ、世界中の人と情報交換を行
える。この数年でブームを起こし、インターネット人口は激増してきた。インターネットは個人の利
用に限らず、企業や団体においても高い割合で活用されており、社会的に大きな注目を集めている。
そういった社会の動きに敏感に反応した学生の学習ニーズがアンケートの結果に感じ取られる。
またインターネット関係に続き、
「グラフィック」
「マルチメディア」と続いており、ワープロや表
計算に留まらない、より高度で特殊な能力が求められているといえる。
4.実習室整備状況
以上のような学生がもつニーズに対応するためには、授業による指導に加え、実習室環境の整備が
大きな役割を担う。実習室整備における問題点を考えるため、ここではまず現時点における人間関係
学科専用実習室の状況と、これまで行ってきた実習室整備内容について報告する。
4–1.学科専用実習室とその利用方法
人間関係学科専用実習室は5教室あり、以下のようなコンピュータが設置されている。
教室名(通称)
台数
グ
ラ
ネイ
ッン
トタ
ー
作フ
成ィ
ワ
ー
プ
ロ
表
計
算
ス
キ
ャ
ナ
白
黒
印
刷
カ
ラ
ー
印
刷
ッ
ク
① Windows95教室
61
○
□
○
○
□
○
○
② Macintosh教室
61
○
○
○
○
□
○
○
③
61
×
×
○
□
×
○
×
④ MS– DOS教室
41
×
×
○
○
×
○
×
⑤
20
□
□
○
○
□
□
□
ワープロ(書院)教室
ゼミ専用教室
○=全ての機械から行える
□=一部の機械から行える、専門のソフトではないが行える
−43−
×=行えない
今回はこの中でも①・②の2実習室を中心に実習室整備について考えていく。これらの実習室は、
平成10年度後期よりインターネットに接続され、利用者数が大幅に増加し、利用者や利用目的が多様
化しているため、よりニーズに応じた実習室整備が求められているからである。それに対し、③の実
習室は、タイピング練習やワープロ検定対策に多く利用されているが、利用者が限定している。残り
④・⑤の実習室はゼミの研究で使われることが多く、一般学生の利用は少ない。
実習室の自主利用は、授業による使用時間外は自由利用の形式をとっており、利用後に出入り口付
近に設置された利用台帳に利用日と利用時間を記入するシステムをとっている。開室時間は平日8時
30分から18時まで、土曜日のみ13時までとなっている。
4–2.実習室整備における基本姿勢
学生が実習室を利用する際に、「利用しやすい」、「役に立つ」実習室だと感じてもらえるよう、以
下の3点を心がけ、整備を行っている。
①
始めて使う学生やコンピュータが苦手な学生でも、すぐ使い出せる環境を作る。
②
トラブルが発生した場合、自分で対処できるシステムを作る。
③
コンピュータを利用して何が出来るかを認知させ、幅広い活用を促す。
これらを実践することは学生にコンピュータを使いたいという動機を促し、学生がコンピュータを
理解し、コンピュータ・リテラシーを獲得することにつながると考えている。
4–3.実習室整備の内容とその目的
前述した基本姿勢をもとに過去2年間に、Windows95教室、Macintosh教室に対し実施した教室整
備の内容を次に挙げる。
①
パソコンへの貼り紙(起動/終了方法)
②
カードによるガイド(エラーへの対処、インターネット関連の設定方法、よくある質問)
③
Q&Aファイルによるガイド(1教室に1冊 ②に入りきらなかった応用的な操作)
④
プリンタへの貼り紙(エラー時の対処)
⑤
不良機器台帳(故障した機械の報告と管理者による修理状況の報告)
⑥
起動・終了画面によるマナーの呼びかけ(Windows教室のみ)
⑦
教室内の掲示によるマナーの呼びかけ
⑧
各教室の紹介(掲示やプリント配布により教室の特徴やハード・ソフトを紹介、マナー等の注
意)
⑨
ブラウザ(フリーソフト)のアップグレード
⑩
開室時間の延長(平日の閉室時間を5時から6時へ)
この内、①から③は、操作に不慣れな学生がスムーズに目的を達成できるよう操作のアドバイスを
行っている。②から④は、エラーなどトラブル発生時に行う基本的な内容を示しており、パソコンが
難しいものでなく、大部分のトラブルを自分で解決できることを知ってもらうためのものである。ま
た⑤は、自分で解決できなかったトラブルの原因や、その後の対処方法などを学んでもらうことを目
的に設置している。⑥から⑧は、コンピュータを利用する際の倫理やマナーを呼びかけている。⑧は
更に各教室のコンピュータを使ってどのようなことが出来るかを知らせることで、より広い分野での
利用を促すことを狙いとしている。⑨は、インターネット利用に関する学生の高度化するリクエスト
に答えるため、常に最新バージョンのブラウザを利用できるよう心がけている。⑩は、学生のニーズ
−44−
に対応するため1時間の開室延長を行った。
以上のことは、この2年間で新たに行ってきたことであるが、この内容からも利用者の質やニーズ
の幅が広がっていることが分かり、それに対応するため今後より質の高い環境整備が必要とされる。
5.今後の実習室環境のあり方
以上のように、使いやすい環境を目指し実習室整備に取り組んできたが、利用状況の変化に伴い、
新たな問題も発生してきている。ここでは、それらの問題点をまとめた上で、学生のニーズに対応し
た情報環境のあり方について考察していく。
5–1.実習室の利用における問題点
実習室を整備する上での問題点の多くは、これまでに行ってきた整備の目的が達成されていないた
め発生した問題といえる。それには、①利用のルールを守らない(電源を消さずに帰る、壊したまま
帰るなど)
、②印刷に関する問題(大量部数の印刷、印刷ミスの増加など)
、③インターネットの設定
ミス(他人の設定のままメールを送信するなど)、④ソフト等をダウンロードし消さずに残す、など
がある。これらの原因は、コンピュータ・リテラシーの低さと、情報社会におけるマナー・倫理の欠
如にある。コンピュータを利用する学生は、操作を習得し、コンピュータに詳しくなることには熱心
だが、コンピュータを使う社会的な意味については関心が低い。今後はより学生のニーズに対応する
とともに、不足した基本的能力の育成を目指していきたい。
5–2.学生のニーズへの対応
すでに述べた学生のニーズは大別すると、①インターネットの快適な利用、②コンピュータ・リテ
ラシーを習得していなくても困らず使える環境、③より高度なコンピュータの利用、の3点にまとめ
ることができる。
①への対応としては、これまで通り最新のブラウザを提供し、必要度の高いプラグ・インをインス
トールし、新たに発生するトラブルを解決する方法を学生に知らせることなどが考えられる。しかし、
それ以上に重要になってくるのが、ネットワーク犯罪などの危険性や、ネチケットの必要性を学生に
認識させ、慎重に情報通信を行う姿勢を持たせるような呼びかけやきっかけを作ることといえる。
②への対応としては、現在行っている「カードによるガイド」や「Q&Aファイルによるガイド」
の内容をより分かりやすいものにし、幅広いニーズやトラブルに対応できるよう改良することが考え
られる。さらに一歩進んでホームページによるガイドやサポートの実施にも取り組んでいきたい。そ
のなかで心がけたいのは、操作のみのガイドに陥らず、操作の目的やポイントが伝わるような、応用
力のあるガイド・サポートを行うことである。
③への対応としては、「Q&Aファイルによるガイド」の内容をより高度で応用的なものとする方
法がある。しかしその前に、コンピュータが何を行えるかを掲示などで示し、メディアとしてのコン
ピュータの能力を理解させることが必要となる。また、コンピュータをより広範囲の目的に使用させ
るなかで、社会におけるコンピュータの役割を深く考えさせるような方向性をもたせていかねばなら
ない。
学生のニーズに対応することは重要であるが、勝手な希望を叶えるだけでは情報社会のシステムを
生かす能力を身につけることは出来ない。情報環境を整備する側は、学生が目的を達成しつつ、コン
−45−
ピュータを正しく使いこなす実力を身につけられるよう、一歩進んだ環境づくりを行わなくてはなら
ない。
5–3.求められる情報環境
学生が実習室を利用する際に、「利用しやすい」、「役に立つ」実習室だと感じてもらえるよう心が
け、この2年間実習室の整備を行ってきた。実際に利用者は増え、コンピュータは学生にとって有効
で必要なメディアになりつつある。しかし、インターネットによる情報通信が可能なコンピュータは、
他の道具のように使い方を知っているだけで済ませてはならない。学生が情報社会の良き住民となれ
るよう働きかける環境が必要となる。
また、より複雑化・高度化するコンピュータの利用には、幅広い知識が必要になってくる。どんな
に優れたガイドを作成しても、全てのニーズやトラブルに的確に対応はしきれない。実習室の管理者
は、ガイド・システムによるサポートに頼りすぎることなく、適切な学生指導が出来る人材の育成と
いった人的な環境作りにも重点をおかねばならない。実習室の整備を行う人間が、直接利用者である
学生と接することは、学生のニーズを正確につかむことにつながり、学生にとってより有益な情報環
境づくりを可能にする。
6.おわりに
インターネットブームと共に、学生のコンピュータに対する興味は大きな高まりをみせている。こ
れまで見てきたように、その利用動機は楽しさに必要性が加わり、極めて実践レベルに近い内容とな
っている。利用の中で学生は、多くのトラブルを体験し、コンピュータの有益さと難しさの両面を学
んでいる。情報に対する倫理観の欠如などの深刻な問題が発生しているが、それは全ての学生に当て
はまるわけではない。利用頻度の高い学生の一部は、その体験の中で自らの情報に対する感覚を向上
させ、倫理面やマナー面での成長を遂げている。
実習室を管理・整備する人間は、学生が情報を不用意に扱うことで大きなトラブルに巻き込まれる
ことを防ぐ役目を担っているが、その役目を果たすために学生の体験を規制することのないよう心が
けることも必要である。そして、学生がより多くの経験を積めるよう、学生の利用意欲を高めるよう
な情報環境の整備を行わねばならない。学生に使いたいと思わせるには、学生のニーズに対応した環
境作りが必要である。学生のニーズをつかみ、それに合った環境をハード・ソフトの両面で実現する
ことが実習室管理者の責任といえる。
引用・参考文献
1)水越敏行
佐伯胖、変わるメディアと教育のありかた、ミネルヴァ書房、京都、1996、pp.
236
2)水越敏行
佐伯胖、変わるメディアと教育のありかた、ミネルヴァ書房、京都、1996、pp.
253
−46−
情報リテラシー教育の重要性と課題
奥
正
夫
はじめに
21世紀社会の特徴を最も象徴的に表すキーワードは、「高度情報化社会」と「少子・高齢化社会」
である。前者は、情報が我々生活者のすべてと密接な関係を持ち、日常生活の隅々まで深く関係して
くる。後者は、以前から徐々にこの傾向は進行していたが、最近特に注目されてきた。社会構造を大
きく変える可能性があり、とりわけ日本は世界的に見て高齢化社会先進国になり、誰もが経験したこ
とのないことが予想される。
「高度情報化社会」では、高度に発達した情報ネットワークが経済、文化、教育をはじめ社会生活
の隅々にまで関係して、社会生活するにはすべての人が立場、環境によって受ける程度は異なるもの
の影響を受ける。「リテラシー」とは日本語でいう「識字」であり重い意味を持っていて、情報を正
しく取り扱えることは文明社会において文字を正しく使えるのと等しい。学生は勉強に、研究のため
にと将来の実社会で活動するための道具として使えるようにすると同時に、
情報の受発信を通じて
「自
立した個人」として社会で生きられるために必要である。社会人は社会において活動するための必須
技能として、高齢者は、情報弱者として不利益を被らないためと、より積極的に「自立と生きがい」
の道具として活用するために必要である。
これらの視点から「情報リテラシー教育の重要性と課題」を考えてみる。本稿では本学の教育実践
を通じた知見と感想を中心にするが、より広い視点でこの問題を述べたい。
(1)
情報メディア環境調査より
情報通信分野の技術的進歩はめざましく、変化が激しいのが特徴である。最初は技術的な進歩の新
規性に眼が奪われ、技術的な面を中心に注目されてきた。情報機器をどのように使うか、それが使用
者にどのような便益をもたらすか、さらに社会的な影響はどのようであるかまでの関心が払われるよ
うになったのはつい最近である。
人間にとってコミュニケーションは大切である。楽しく充実した日常生活を送るためには相互にコ
ミュニケーションは大切で、今日ではその欲求は益々強くなり、社会的なニーズは爆発的に増大して
いる。これに応えるべく情報通信技術は発達してきたと考えられる。
情報メディア環境は世代別によってどのように違うかを知るために調査を行った。「どんな手段で
情報を得て、どんな手段でコミュニケーションをとっているか」を調べるためである。これは世代に
よって違うだろうと思う。何となれば、どの手段を使うかは「使いやすいか」と共に、その人の「生
活文化」にも大きく関係すると思われるからである。
第1−1表は、筆者が昨年調査をした、情報取得方法とコミュニケーション(受発信)を重視する
Masao OKU
共通教育部非常勤講師
A study on education of information literacy
−47−
ものから順位をつけた回答を年齢層別に表にしたものである。
1998年11月調査、サンプル数;494
年齢層
18∼22
23∼40
41∼50
51∼64
65∼74
75∼
テレビ
1
2
1
1
1
1
ラジオ
4
5
4
4
3
2
新聞
3
1
2
2
2
3
雑誌
2
4
3
3
4
インターネット
5
3
5
5
5
電話(固定型)
2
2
1
1
1
携帯電話
1
1
2
3
4
FAX
5
4
4
5
5
手紙
3
5
3
2
2
電子メール
4
3
5
4
3
情報取得方法
コミュニケーション手段
1
2
調査した人数
334
45
31
58
19
7
男子
0
31
18
34
11
4
女子
334
14
13
24
8
3
第1−1表
年代別の情報メディア調査
年齢層の18歳∼22歳は、女子大生(本学および、某女子短大生で筆者の講義を受講している学生)
を対象とした。23歳∼50歳は企業に勤務する中堅社会人で、51歳∼64歳は中小企業の経営者、第一線
の仕事を離れたビジネスマン、退職者、専業主婦など様々であり、65歳以上は退職者がほとんどであ
る。女子大生はアンケート方式であるが、その他は面接による方法で、周辺情報をも知ることに心が
けた。
詳細な考察は省略してここでわかったことを要約する。
1 自分にとって使用上の負荷の少ない道具が好まれる。
簡単な操作で目的が達せられるものが好まれ、テレビがその例である。スイッチを入れるだけの動
作で使える。現在のアナログ方式のテレビは、受信者としては一方的に提供される情報を受けるだけ
である。勿論、学習手段として能動的に使うと答える人もいたがまだ少数であった。また、高齢者は
視力の衰えから新聞よりも負荷が少なくて多くの情報が得られるテレビを好む人が多かった。またラ
ジオから情報を得ている人が高齢者に多く、深夜放送(NHK)のファンが多いのに驚いた。各地の話
題、教養番組、音楽と範囲が広く、聴取者の投書を多く取りいれた番組構成などの工夫が高齢者に受
け入れられているのだと思う。
2 一旦ついた習慣や好みが持続する傾向がある。
新しいものを使うのは、そのシステムについての学習と訓練を必要とするために簡単には新しい方
法に移れない。この傾向は年齢が高くなるに従って顕著である。高齢者に、手紙は時間がかかるにも
関わらず古くからの通信手段として根強い支持があるのはこの例である。若年層は、過去のこだわり
がなく、しかも学習能力があるから、最新のもので、自分に最も適した方法を選ぶ。これらは生活習
−48−
慣、生活文化と深くかかわっているので、簡単には論ぜられない面はある。高齢者は視力の衰えと気
力の衰えから、日常の簡単なコミュニケーションは電話に換っているが、電話では失礼という意識が
あるのはこの例である。
3 一旦普及すると加速度的に増加する傾向がある。
コミュニケーション(双方向通信)は、方法、手段を相手に合わす必要があるから、一旦普及する
と加速度的に増加する傾向がある。若年層を中心とした携帯電話の爆発的な普及はこの例である。こ
れら共通の手段を持つことは、加わりたいグループに参加するための必要条件だからである。
4 インターネット、電子メールについて。
最も注目されているインターネット、電子メールが、日常の手段としては現在では、最下位または
それに近い。これは「使える技能はある」が、日常の手段としてはまだ定着していないことを示して
いる。先に述べた同じ調査グループで電子メール、インターネットの使用状況とパソコンの個人所有
状況を調査した結果を次に示す。
電子メールの使用状況
使用中
希 望
不 要
100
80
60
40
20
0
18∼22
23∼40
41∼50
第1—1図
51∼64
65∼74
75∼ 電子メールの使用状況
インターネットの使用状況
使用中
希 望
不 要
100
80
60
40
20
0
18∼22
23∼40
第1−2図
41∼50
51∼64
65∼74
インターネットの使用状況
−49−
75∼ パソコンの個人所有状況
7
100%
90%
80%
不要 70%
60%
予定 50%
40%
所有 30%
20%
10%
0%
18
7
56
13
60
14
21
57
38
52
32
0
37
∼
22
23
∼
40
第1−3図
48
35
33
41
∼
50
51
∼
64
47
65
∼
74
43
75
∼
パソコンの個人使用状況1
第1— 1図に示す如く、電子メールについての使用状況はかなり高率で、技能的には若年層を中心
に定着しているが、インターネットは、第1−2図に示す如く、学生層を除き低率である。新しい情
報メディアとして世間ではもてはやされてはいるが、実用上、どのように使っていいのかわからない
層がかなりいることを示している。しかし、使ってみたい(図では、
「希望」
)が社会人では使用中と
ほぼ同数あり、実用性が実感されれば急激に増加する可能性を含んでいる。
これらの情報通信メディアが日常の通信手段としてまだ使われていないのは、道具としてのパソコ
ンの個人使用率がまだ低いことに関係していると思う。パソコンの個人所有状況を見ると、学生、社
会人とも30%台で、彼らは、主に大学や会社のパソコンを使っていることを示している。51才以上の
層は個人所有が40%で、10%近く増加している。
技能を身につけた今の学生層が社会人になり、パソコンの普及と個人使用としての利便性がもっと
明確になれば今の状態は大きく変わると思う。
1「パソコンの個人使用」とは、家族の誰かと共有も含めている。
−50−
(2)
情報システムの道具論的考察
筆者はかねてから、「人が道具を使って自己の能力を増加する」のに次のようなモデルを考え使っ
ている。
使う人
道 具
第2−1図
1
2
3
対 象
人間・道具・対象モデル
・
・
第2−2図
・
・
・
・
n
道具モデル
モデルについて簡単に説明する。第2−1図の「対象」はこの場合、勿論情報であり、「道具」は
パソコンや情報通信システムである。第2−2図の道具モデルの1,2,3・・・nはこの道具(システ
ム)を構成するサブシステムで、この棒の高さは使う人にとっての難易度を示し、長いほど扱いにく
いとするイメージ図である。
道具に期待するのは、使う人の意図が出来るだけ多く反映し、しかも出来るだけ手数が少なく、操
作は難しくなく簡単であることが望ましい。「一連の連続した動作」を要求されるときは、連続した
動作は使う人の自然な思考の流れに従っていてスムースに使えることを期待する。
道具モデルについて見れば、使う人がスイッチ1つで道具が作動し、道具の内部は完全にブラック
ボックス化されたものが理想である。しかし、この種の機械は単機能で、使う人の意図に幅があると
きには不向きであり、これは特別な場合である。そこで道具を構成するサブシステム単位(1,2,3・
・・n)でブラックボックス化し、機能が使う人にわかるように、機能をシンボル化したスイッチを
つける。これによって、第2– 2図に示すサブシステムの棒の高さは見かけ上、低くなり、これらの
スイッチを使用目的によって自由に組み合わせが出来るようにすれば機能に幅ができる。更に、定型
業務として使用頻度が高いものは、該当するスイッチをブロック化することにより道具としての完成
度は更に向上する。
これを、現在のパソコン及び情報機器に当てはめて考えてみよう。ディスプレイに表れるアイコン
がこれにあたる。多機能を追求した場合は当然ながらシステムは複雑になる。高性能化はブラックボ
ックス内で完結し、使う人には何ら使用上の技能的負荷をかけない工夫が必要である。選択肢を多く
して多機能化するならば、スイッチのボタンの機能をもつアイコンが使う人に機能がわかりやすい表
示をすることが望ましい。
最近は多機能、高性能をうたった高度機能指向から、目的を絞った普及品まで幅が広くなった。ア
メリカにおけるパソコンのコモディティ化(日用品化)が進んでおり、やがて日本でもこのようにな
るとは思うが、現在では日本とアメリカとでは情報機器に対する考え方にずれがあるように思う。日
本では、初心者を含めた大半の人が、用途の広い高性能な高級機を購入する傾向が強いのに対して、
−51−
アメリカでは、多くの機種の中から目的を絞った買い方をする。筆者はよくカメラとの比較でこの問
題を取り上げるが、カメラはレンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)から多機能、高性能の最高級品
まで揃っていて、使う人は目的、技能で使い分けをしており、機器の棲わけが出来ている。
(3)
情報リテラシー教育についての考え方
情報リテラシー教育の目的は、パソコンを使って自分の情報処理能力を強化し、且つ、情報通信ネ
ットワークが自由に使えて、コミュニケーションの能力を高めることにある。インターネットで代表
されるオープンな情報通信ネットワークが普及した現在では、
あらゆる人が平等な資格で参加できる。
参加できる人は、必要なハード・ソフトのシステムを手に入れると共に、これが使える技能が必要で
ある。そのために「情報リテラシー教育」を必要とする。
「情報リテラシー教育」を考えるについて、幸いにして、中学生を対象とした情報教育の現場に参
加できる機会にめぐまれた。また、パソコン及びインターネット、電子メールネットを使い「生きが
いの手段」としている高齢者グループの実践活動に長年にわたり参加している。これらの事例の観察
を通じてこの課題を考えて見たい。
1 中学生のパソコンを使った学習活動をみて。
中学生にとって、パソコンは自分の頭、手、これらを一体化した体の延長線上にある。直感的に操
作方針が決まり即実行する。方向と期待した結果が一致すれば猛スピードで前進するが、間違っても
すぐ次の手を考えて実行する。まったく屈託が無い。期待した結果が出ると満足して、「次は何をし
ようかな」と先の延長線上でものを考えている。
現在のシステムについてみれば、ハードの性能は飛躍的に向上して特殊な場合以外、制約は事実上
なくなり、ソフトは使う人との接点であるアイコンなどのGUIは充実していて、ゲーム感覚で使え
るまでになっいる。
学習効果については、十分な知識を持っていないので、正しく認識しているとはいえないが、現在
のパソコンの特徴の一端を中学生の学習活動を通じて知ることができて大変参考になった。
2 高齢者の「生きがい活動」を支援する道具として。
現役を引退したが、好奇心と知的な欲求はまだ衰えない人が多くなった。まだ少数ではあるが、パ
ソコン通信、インターネットを通じてのコミュニケーションを楽しむ人が多くなり、その数は確実に
増加している。筆者は6年前から、複数のネットに参加して日頃の活動を通じて観察をしてきた。先
に述べた中学生と対比して述べると、パソコンは勿論、体の延長のような親和性はない。使うときの
態度を見ると、その違いは明らかで、まるで「パソコンと対峙」しているように見える。
パソコンの開発者はGUIの開発で使いやすくなったというがアイコンが少数ならまだしも、これ
がずらりと並べられると、不安になり、まるで別世界にいるように思うらしい。アイコンの示す意味
を、機能と仕組みで説明すると、納得して動作に移れる人が多い。中学生のように試行錯誤で目的を
達成する方法とはおよそ対照的である。目的にあわせて操作の手順ルートをつくり、仕組を納得して
もらい、操作をくりかえし行うことで操作についての記憶を強化しながら教えると大抵のことは出来
るようになる。電子メールの受発信は勿論、デジタルカメラを使った画像処理や相当高度なことが出
来る人もいる。パソコン通信ネットに発信される内容を見ると人生の重みが感じられるものが多い。
上達の速い人、高度な処理技術にまで達する人について調べると、40才前半までにパソコンに何ら
かの関係ある業務についていた人が多かった。パソコン教育は若年層からの実施が有効である。
以上述べたことを動作傾向からみる。仮に中学生の典型を「直感型」とし、高齢者のケースを「じ
−52−
っくり型」とすると、中学生にもよく観察すると若干ながら「じっくり型」は存在し、高齢者にもま
れに「直感型」は存在する。単純に年齢差だけでは類型化できなくて個性も大いに関係している。
3 大学での実践を通じての考察。
情報メディア・パソコン・情報通信ネットワークなどは、
ハードシステムとソフトは改良を重ねて、
速いペースで変化している。このような目まぐるしく変化する中で情報リテラシー教育を行うことに
なる。筆者が担当した学生でみると、現在の4回生が本学に入学した時は、OSはDOSと一部、W
indows95で、文章処理ソフトには「一太郎」、表計算ソフトは「Lotus1−2−3」であ
った。現在、文章処理はWordに、表計算はExcelに変わり、これらのバージョンは95、97、
98(Wordのみ)と変わっている。これらの変化は今後も続いて止まることはないと思う。
パソコン学習は「基本的な知識」と「日頃の訓練」で決まる。先に述べた、「情報システムの道具
論的考察」でふれたことに関連して述べると、道具の仕組みの基本と、ブラックボックスとして済ま
された点にも必要であれば一歩踏み込んで基本的な事項を十分に教えることが大切である。「基本的
な知識」があれば、改良された新しいシステムになってもある程度の理解ができるから、実際に試し
て理解し、進歩・改良した点を活用することができる。大学生ともなると理解力は十分で、思考にも
柔軟性があるから、教育はそんなに難しいとは思われない。「日頃の訓練」を授業における具体的事
例で述べる。教科書による一応の教育を行った後は、実社会におけるOJT(on the job training)
のように、学生が日頃から関心のあるテーマ、データをそれぞれに持って来させて、これを課題とし
てレポートにまで仕上げる指導方法を採っている。学生は、テーマについては具体的な内容を知って
いるので、この課題に向って学習した情報処理の技能を適切に使って仕上げていく。この過程が大切
で、試行錯誤を重ねて、苦しみながらも出来あがって行くプロセスを楽しんでいる学生も多い。応用
力が身につく効果的な学習であると思う。この方法は原則的には個別指導となり、学生に積極性が無
いと効果がなく、場合によっては途中で脱落する危険性もあるが、積極的な取り組む姿勢こそ大切で
ある。
共通教育科目では、パソコンを初めて使うという初心者も含まれるので、一層の注意を払っている。
この学生には、パソコンシステムの最も基本的な事項(仕組と絶対してはならないことを含む)の学
習を既習の一般学生と同時に教育することになる。一般学生は重要事項の再確認の意味を込めて教え
ている。授業時間を重ねると、初心者と既習の一般学生との学力の差は急速に小さくなる。
授業中の学生の学習態度を観察すると、大学生でも慣れ、不慣れに関係無く、先に述べた「直感型」
、
「じっくり型」は存在することに気がついた。レポート作品に学習者の環境、性格をアンケートの形
で添付してもらい成績の関連性を調べた。
(性格は直感型、じっくり型を示す質問項目を複数個いれ、
筆者で類型化した)結果はこのような性格と成績(レポートの評価点)には明確な相関関係は存在せ
ず、プロセスは違っても時間をかければ皆同じであると思った。しかし、OSがDOSでコマンドを
使って行った4年前には、論理的にじっくり考える必要のあった環境では、「じっくり型」と「直感
型」と比較するとじっくり型の方が完成度は高かった。Windowsでアイコンを使う現在では、
両者の差が無くなったことはシステムがそれだけ使いやすくなったとも言える。
(4)
情報リテラシー教育の重要性
21世紀は高度情報化社会になり、情報システムの高度化、多様化はますます進行することが予想さ
れる。情報処理技術を身につけ、情報通信が自由に出来ることがこの社会に適合するために必要なこ
とである。このために情報リテラシー教育の重要性はますます大きくなる。
−53−
情報処理・通信の技術の進歩も加速度的に進み、情報メディアの融合も進んで、使う人の選択肢が
多くなる。情報教育開始時期の低年齢化など教育現場も変わりつゝある。これらの結果として大学に
おける情報リテラシー教育も大きく変わることが予想される。今は情報機器の技術開発、普及も過渡
期で多少の混乱も止むをえない点もある。
インターネットで代表される新しく開かれた情報通信の世界は大きな可能性をもっている。
若年層を含めて、生活上の利便性は勿論のこと、高齢者が「生きがい」を持って生きていくために、
情報の受発信によるコミュニケーションは欠かせない手段である。世代、地域の格差を越えた同じプ
ラットフォーム上で交流ができる。核家族化と、それぞれが離れた場所で生活することが一般的にな
った今では、孫が身近にいなくても、電子メールで遠隔地を気にせずに交信を楽しんでいる高齢者も
いる。
家庭生活の面からみると、家族の絆を築くためには女性の積極的な参画は欠かせない。核家族化の
進行と高齢化が同時進行している現在、家族を結ぶ手段としても情報通信ネットワークの利用は大切
である。この点からも次世代の中堅になる女子大生の情報リテラシー教育の重要性を感じる。
おわりに
企業活動におけるコンピュータ利用の分野から、大学の授業に参加して4年、多くのことを学んだ。
情報教育センターの先生方や授業に参加してくれた学生諸君に感謝する。担当する科目の期待学習効
果と開講時間の制約との関係で「何を、どの程度まで」は絶えず気を使う点である。大学教育におけ
る情報リテラシー教育目標は何かを絶えず考えて、各期末の反省材料として整理し、来学期での新し
い試みを模索している。
多くの可能性をもった情報システムの技術は進歩・発展はめざましく、現在は不可能でもしばらく
たつと可能になることは多くあり、教える方にも、学ぶ学生側にも心地よい緊張がある教科である。
この拙文を通じて関係者のご批判、ご意見を頂ければ幸いである。
(私の、E−メールアドレス;Okusmy@aol.com)
参考文献
1 D.A.ノーマン著(佐伯胖監訳)
『人を賢くする道具』
−ソフト・テクノのジーの心理学−
2
佐伯
3
児島和人、橋元良明共著
胖著
新曜社
『新・コンピュータと教育』
1996年
岩波新書(508)
−高度情報化社会における人間のくらしと学び−
4
富士総合研究所
5
江原由美子他
1997年
『変わるメディアと社会生活』
『怖くない、小子・高齢者社会』
ミネルヴァ書房
読売新聞社
『ジェンダーの社会学』女たち/男たちの世界
−54−
1996年
1999年
新曜社
1989年
1
情報教育研究センター概要
事業・組織
(1)
【運営方針・重点目標】
社会の情報化に対処した、情報活用能力の育成と研究に関する支援環境を整備する
・マルチメディアの活用に関する調査・研究
・MWU–net の運用と教育利用に関する調査・研究
・女子大学における情報教育の在り方に関する調査・研究
【組
織】
・総 括 (センター長
濱谷英次)
A情報教育・研究系
マルチメディアの活用に関する調査・研究(全員)
(常任委員 宮本紘平)
情報教育及び環境整備に関する企画(小野)
学術講演会企画(宮本)
センター年報の発行(小野・谷澤)
センターニュースの発行(小野・谷澤)
情報教育及び私情協関係(宮本・谷澤・小林)
Bキャンパスネットワーク研究・開発系
教育的利用に関する調査・研究(全員)
(常任委員 中植雅彦)
システム環境整備・保守(中植・小野)
利用に関する広報(ガイドブック含む)
(全員)
利用登録(宮本・岡田・谷澤・小林)
C情報処理教育系
情報基礎教育に関する調査・研究(全員)
(常任委員 小野賢太郎)
情報処理教育カリキュラムの調整(共通教育を含む)
(宮本)
情報処理実習教室の管理(小野・岡田)
情報処理教育授業に伴う準備(小野・岡田)
情報機器の斡旋及び指導(小野・岡田・谷澤・小林)
センター設置機器の管理(小野・岡田・谷澤・小林)
実習担当
岡田由紀子・山本由美子・林
めぐむ・福田有希・前田幸子
事務担当
谷澤陽子・小林佳子・鶴田真由美
−55−
(2)
総
業務内容(事務室および教材準備室)
務
学外交渉
・教員の出退勤に関すること
・私立大学情報教育協会に関すること
・非常勤講師の出講に関すること
・官公庁等からの調査回答・報告書に関するこ
(教務・人事・給与等の事務文書を含む)
と
・事務室職員の勤務に関すること
・郵便物の処理に関すること
・センター長公印に関すること
・センター施設見学者に関すること
・公文書の収受に関すること
・研究助成に関すること
・センター関係文書の整理に関すること
その他
・センター日誌に関すること
予
・カラーコピー機の利用に関すること
算
・コピー機の利用に関すること
・センターの予算と執行に関すること
教材準備室
・予算管理・申請に関すること
・授業補助に関すること
・物品購入に関すること
・実習教室・センターの機器管理に関すること
・補助金申請に関すること
・実習教室・センターの管理運営に関すること
・センター図書に関すること
・インフォメーションカウンター受付業務に関
キャンパスネットワークの運用
すること
・ネットワークのID・IP発行と管理に関す ・センターの利用相談・指導に関すること
ること
・センターの雑誌閲覧の管理に関すること
・ネットワークの管理と運用に関すること
・ソフトの管理に関すること
・MIETのメッセージ入力に関すること
・学内掲示に関すること
・ネットワークの利用相談に関すること
・センター見学への応対
・ネットワークのガイドブックに関すること
・利用状況の集計
・ネットワークの利用講座の企画・実施に関す ・斡旋パソコンの利用相談・指導に関すること
ること
・斡旋パソコンの修理に関すること
・ネットワークの利用状況に関すること
・ワープロ・パソコン検定の準備・実施に関す
パソコン斡旋
ること
・購入者データベース作成に関すること
・検定受験対策講座の準備・実施に関すること
・斡旋機器の講習会開催に関すること
・検定受験対策講座受講後の受験指導に関する
・斡旋の広報に関すること
こと
パソコン・ワープロ検定
・情報教育研究のデータベース作成に関するこ
・検定試験の企画・事務処理に関すること
と
・検定受験対策講座の企画・事務処理に関する
こと
年報・ニューズレター
・年報の企画・編集に関すること
・ニューズレターの企画・編集に関すること
情報処理教育委員会
・情報処理教育委員会に関すること
−56−
(3)
センターカレンダー
月
セ
ン
タ
ー
行
事
ネットワーク関係
−57−
H10
4月
8日 センター関係非常勤講師懇談会
17・24日 斡旋パソコン引渡し
27日 斡旋パソコン無料講習会
5月
8・22日
11・18日
6月
19日 斡旋パソコン引渡し
1・8・15日 パソコン無料講習会
23日 夏期短期留学生センター利用説明会
16日
7月
14日 斡旋パソコン無料講習会
29日 斡旋パソコン引渡し
30・31日 ワープロ検定受験対策講座
27日∼
8月
24日∼ 「情報処理基礎教育システム」設置調整
30日 センター年報(第6号)発行
3日∼
9月
14日
職能協・コンピュータサービス技能評価試 16∼17日
験
(ワープロ・表計算部門)
ネットワーク停止
10月
15日
センターニュース発行(第4−1号)
ネットワーク停止
11月
2・9・16・30日
12月
7・14日 ワープロ検定受験対策講座
11・14日 教職員ネットワーク講座
23日 職能協・コンピュータサービス技能評価試
験
(ワープロ・表計算部門)
8日
ネットワーク機器調整作業
斡旋パソコン引渡し
斡旋パソコン無料講習会
ワープロ検定受験対策講座
学院推奨プロバイダ説明会
ネットワーク設定関係作業
22日
センター学術講演会
3月
10日
16日
センターニュース発行(第4−2号)
マルチメディア教室利用説明会
員
会
関
係
19∼20日
24日
MIETネットワーク設定変更作業
15・18・24日
ネットワーク停止
学外活動/*センター施設利用
情報処理教育委員会
20日
ネットワーク運営委員会
28日
10日
情報処理教育委員会
26・27日
8日 情報処理教育委員会
15日 ネットワーク運営委員会
学内LAN・マルチメディア装置関係
工事
1∼2日・14∼17日 ネットワーク停止
H11
1月
2月
委
22日
私情協通常総会
私情協「情報教育問題フォーラム」
2・3日 *入試関係センター見学
1日
私情協
「情報教育推進のための理事長・
学長等会議」
6∼7日 私情協
「学内LAN管理者講習会」
31日 *芦屋市打出教育文化センター教育工
学研究部会
2∼4日 私情協
「情報センタ等部門研修会」
15∼17日 私情協
「私情協大会」
26日 *教育懇談会センター見学
7日
情報処理教育委員会
6日
14日 *大阪府教育センター施設見学
26日 ORIONS総会
マルチメディア教室の管理
・運用に関する連絡会
11日 情報処理教育委員会
20日 *兵庫県数学教育高校部会阪神支部研
究協議会
24日 私情協臨時総会
22日
マルチメディア教室の管理
・運用に関する連絡会
12日 *国際電子ネットワーキング教育学会
研究会
19日 *教育システム情報学会研究会
20日
27日
情報処理教育委員会
ネットワーク運営委員会
11日
3日
9日
情報処理教育委員会
マルチメディア教室の管理
・運用に関する連絡会
10日 ネットワーク運営委員会
23日
私情協情報教育問題フォーラム運営委
員会
私情協
「短大部門検討会議」
30日
私情協通常総会
(4)
センターニュース
−58−
−59−
−60−
−61−
2
センター役職および情報処理教育委員
役 職 名
氏
名
所
センター長
濱
谷
英
次
人間関係
常任委員
中
植
雅
彦
初等教育
常任委員
宮
本
紘
平
初等教育
常任委員
小
野
賢太郎
共通教育
情報処理教育委員
塩
出
雅
国
文
〃
笹
部
徹
英
文
〃
宮
本
紘
平
初等教育
〃
保
井
俊
英
体
〃
丸
山
健
夫
人間関係
〃
A.A.ペインター
生活環境
〃
石
崎
由美子
食物栄養
〃
田
中
榮
一
生活情報
〃
菅
井
邦
介
声楽・器楽
〃
高
橋
幸
一
薬学・生薬
3
属
育
情報処理教育委員会
第1回
平成10年4月22日(水)16:30∼17:40
(1)
共通教育(情報処理関係科目)履修登録状況
(2)
学生個人所有パソコン斡旋状況
(3)
MWU– netの運用について
・研究室の移動に伴うIPの取り扱いについて
・学生のID取得について
[センター連絡事項]
(1)
平成10年度センター運営方針について
(2)
平成9年度センター年報について
第2回
平成10年6月10日(水)16:00∼17:00
(1)
「マルチメディア装置施設・設備等の整備」計画について
(2)
情報コンセントのHUB(ハブ)設置希望調査について
(3)
学院推奨プロバイダについて
(4)
コンピュータ西暦2000年問題に関する調査について
(5)
学生所有パソコン斡旋状況について
[センター連絡事項]
(1)
MWU– netのID/IP発行予定について
−62−
(2)
後期情報教育研究センター利用希望について
(3)
私情協「学内LAN管理者講習会」ご案内
(4)
その他
第3回
平成10年7月8日(水)16:05∼17:20
[報告・連絡事項]
(1)
文部省補助「学内LAN」申請について
(2)
文部省補助「マルチメディア装置施設・設備」計画について
(3)
次年度全学情報処理関係科目カリキュラムについて
(4)
後期全学情報処理実習の開講準備について
(5)
学生個人所有パソコンの斡旋について
(6)
学院キャンパスネットワークのID・IP発行状況について
(7)
学院推奨プロバイダ「AOL」について
(8)
その他
[センター連絡事項]
(1)
センター機器の整備について
(2)
その他
第4回
平成10年10月7日(水)15:45∼17:05
[審議事項]
(1)
次年度情報処理教育カリキュラム(共通教育科目)について
[報告・連絡事項]
(1)
後期共通教育(情報処理関係科目)履修登録状況について
(2)
マルチメディア教室の整備状況報告
[センター連絡事項]
(1)
情報教育研究センターリニューアルについて
(2)
ワープロ・パソコン検定実施状況報告
(3)
その他
第5回
平成10年11月11日(水)16:20∼18:30
[報告・連絡事項]
(1)
次年度情報処理教育カリキュラム(案)について
(2)
マルチメディア教室(仮称)について
(3)
サーバーの運用について
(4)
その他
第6回
平成11年1月20日(水)16:20∼17:45
[審議事項]
(1)
次年度学生斡旋パソコン機種について
−63−
[報告・連絡事項]
(1)
特別学期情報関連科目履修登録状況について
(2)
次年度全学情報処理実習環境整備について
(3)
年度内の学院キャンパスネットワークID・IP発行予定について
(4)
卒業予定者の学院キャンパスネットワークID取扱いについて
(5)
マルチメディア操作卓1号機について
(6)
その他
第7回
平成11年3月3日(水)15:45∼16:30
[審議事項]
(1)
次年度学生斡旋パソコン機種の変更について
[報告・連絡事項]
(1)
新入生オリエンテーションでの機器斡旋の説明について
(2)
次年度全学情報処理関係カリキュラムについて
(3)
貸出ノートパソコンの導入について
(4)
マルチメディア教室の利用希望について
(5)
次年度前期ネットワーク利用希望調査について
(6)
研究室の移動に伴うネットワークIPの利用について
(7)
その他
−64−
4
情報処理教育
全学情報処理教育カリキュラム
(1)
前
期
所
大学
大学
*曜日・時間欄の〇は不定期利用を示す
属
国文学科
英米文学科
短大
英語学科
大学
教育学科
初等教育専攻
大学
教育学科
体育専攻
リーディングⅡA
選
卒業研究
必
総合英語Ⅰ
選
単 コマ
教
室
位 数
2
1
E−401
2
1
演習室3
2
1
演習室3
2
1
演習室3
FMゾーン
MACゾーン
2
1
演習室3
MACゾーン
6
1
演習室1
演習室3
2
1
演習室3
ライティングⅠA
ゼミ演習
教育情報処理演習Ⅰ
中
選
選
2
1
1
1
教育演習
必
2
1
卒業研究
必
4
1
体育情報処理演習
選
1
1
L2−31
演習室1
MACゾーン
演習室4
L2−31
演習室4
L2−31
体育情報処理基礎演習
必
1
1
L2−31
科
目
名
視聴覚教育メディア論
英語英文学購読
ライティング
オーラルコミュニケーションⅠA
必
選
必
中高
選
中高
演習室3
FMゾーン
L2−31
短大
体育学科
体育情報処理基礎演習
必
1
1
E−401
大学
人間関係学科
情報処理演習ⅡA
卒業論文
選
必
1
6
1
1
演習室1
演習室1
大学
大学
生活情報学科
生活環境学科
卒業演習
情報処理基礎実習
選必
選
6
1
1
1
演習室1
L2−31
短大
生活造形学科
卒業創作
コンピュータ基礎演習
選必
選
6
1
1
1
演習室3
E−401
司書課程
情報検索演習
必
1
1
E−401
共通教育
テキスト情報処理演習Ⅰ
選
2
1
E−401
テキスト情報処理演習Ⅱ
選
2
1
W−11
データ処理演習Ⅰ
選
2
1
L2−31
データ処理演習Ⅱ
選
2
1
W−11
ネットワーク利用演習Ⅰ
選
2
1
E−401
ネットワーク利用演習Ⅱ
選
2
1
プレゼンテーション基礎演習Ⅰ
選
2
1
L2−31
W−12
演習室1,3
MACゾーン
W−12
演習室1,3
MACゾーン
W−12
演習室1,3
MACゾーン
W−12
演習室1,3
MACゾーン
L2−31
曜時
日間
小野
金2
西嶋
水2
波多野
〇
D.Bウィリス
〇
〇
〇
谷
〇
〇
西嶋
火1
波多野
〇
谷
火1
金2
西嶋
水3
中植
〇
中植
火1
木1
木4
火2
中植
土2
藤井
〇
〇
田村
水2
中植
〇
田村
火2
奥
水1
水2
水3
小野
木3
永井
金1
金2
廣瀬
土1
土2
小野
金4
濱谷
木4
濱谷
木4
金3,4
藤本
〇
牛田
金4
金3
森田
〇
川西
水2
水1
山本
木1
木2
中井
火1
火2
火4
火3
平井
土3
土4
榛沢
月3
月4
中野
月1
月2
永井
月3
月4
芝田
月3
月4
小野
月1
芝田
月2
奥
月2
川本
月1
〇
〇
月2
〇
〇
小野
月3
〇
〇
月4
〇
〇
奥
月1
担
当
学
年
4
3
1
3
履修
クラス
A∼C
B
D
52
55
35
23
2
C
60
4
14
5
30
1
1
C
2
3
A
B
C
D
A∼D
4
A∼D
3
A
B
C
A
B
C
A
B
C
A∼C
A∼C
1
1
4
4
4
1
4
1
A
B
A
B
C
D
E
F
G
H
4
30
15
52
54
56
56
10
10
8
15
7
26
42
25
42
40
41
39
37
36
7
7
10
64
64
6
49
44
47
45
47
49
48
47
34
40
75
80
57
78
51
42
45
23
80
82
60
95
91
92
87
前期合計
−65−
受講者数
49
2610
備考
後
期
所
*曜日・時間欄の〇は不定期利用を示す
属
大学
英米文学科
短大
英語学科
科
目
名
高等英作文ⅡB
卒業研究
総合英語Ⅱ
ライティングⅠB
コンピュータ演習
大学
教育学科
初等教育専攻
教育情報処理演習Ⅱ
教育演習
教育演習
卒業研究
短大 幼児教育学科
教育情報処理演習
大学
教育情報処理演習
教育学科
体育専攻
体育学演習
卒業論文
短大
体育学科
教育情報処理演習
体育情報処理演習
大学 人間関係学科
卒業論文
大学 食物栄養学科
コンピュータ入門
大学 生活環境学科 卒業演習選
他科教職課程大国英 教育情報処理演習
大国環
大食情声器
短国英食生
共通教育
データ処理演習Ⅰ
データ処理演習Ⅱ
テキスト情報処理演習Ⅰ
テキスト情報処理演習Ⅱ
ネットワーク利用演習Ⅰ
ネットワーク利用演習Ⅱ
プレゼンテーション基礎演習Ⅰ
プレゼンテーション基礎演習Ⅱ
必 単 コマ 教
室 担 当 曜時
選 位 数
日間
中高 2 1 演習室3 クリスハラナム 〇
必
6 1 演習室1
西嶋
水2
選
2 1 演習室3
笹部
火2
火3
WINゾーン
谷
金2
中
2 1 演習室3
西嶋
火4
木4
選
1 1 E−401
小林
木3
金3
金4
木4
教
1 1 L2−31
中植
木1
木3
木2
火4
必
2 1 L2−31
中植
水1
WINゾーン
〇
演習室2
〇
必
2 1 演習室4
田村
火1
必
4 1 演習室4
田村
木3
L2−31
中植
火1
選
1 1 E−401
廣瀬
火1
火2
永井
水3
金2
中高 1 1 E−401
小野
水2
土2
水1
必
2 1 WINゾーン
保井
〇
必
6 1 WINゾーン
保井
〇
演習室2
三井
〇
中
1 1 L2−31
廣瀬
土1
選
1 1 E−401
永井
金1
水4
必
6 1 演習室1
濱谷
木2,3
金2,3,4
選
2 1 L2−31
濱渦
火2
水2
木4
必
6 1 演習室3
藤本
〇
中高 1 1 L2−31
奥
金1
金2
金3
中
1 1 L2−31
廣瀬
土2
選
2 1 E−401
榛沢
月2
W−12
川本
月2
W−11
榛沢
月4
L2−31
榛沢
月1
永井
月4
W−11
中野
月1
月2
永井
月3
L2−31
奥
月2
E−401
小野
月1
川本
月3
月4
W−12
小野
月3
WINゾーン
〇
W−12
月4
WINゾーン
〇
L2−31
奥
月3
W−12
奥
月1
学
履修
年 クラス 受講者数 備考
4
78
4
14
1
A
31
B
C
2
A
B
C
D
2
A
B
C
D
3 A∼D
58
46
32
44
49
55
60
57
10
3
4
4 A∼D
1
A
B
C
D
2
A
B
C
3
4
8
7
15
45
48
47
47
36
45
41
12
12
12
34
9
15
7
2
2
A
B
C
4
2
A
B
C
4
4
2
37
37
24
7
58
60
51
47
86
52
28
61
61
64
87
51
61
87
88
88
96
61
後期合計
−66−
30
60
60
29
2445
特別学期
所
属
大学 英米文学科
短大 英語学科
大学 教育学科
初等教育専攻
科
目
名
必
選
単 コマ
位 数
コンピュータ使用による英語研究入門
−コンコーダンサーを用いて−
教育情報をネットでさがそう
教育演習
卒業研究
プ
ロ
グ
大学
教育学科
体育専攻
大学
人間関係学科
ラ
ム
大学 音楽学部
司書課程
教育演習予備講座
卒業論文のための統計学演習
卒業論文
コンピュータ音楽を楽しもう
情報検索演習
担 当
谷
L2−31
WINゾーン・オープンフロア
演習室4
演習室2・WINゾーン
演習室4
WINゾーン
演習室4
WINゾーン
WINゾーン
中植
中植
田村
中植
田村
中植
田村
八木
会田
演習室3
演習室1
演習室4
E−401
濱谷
振津
北
Macグラフィックスの基礎
電子メールで海外と交流
4260
1
6
演習室3
演習室3
濱谷
西嶋
美しい四季の絵のある手紙づくり
4421
4422
4441
4442
4461
4462
4481
4482
4501
4502
4521
4522
4541
4542
4561
4562
4563
4564
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
L2−31
榛沢
L2−31
永井
L2−31
奥
E−401
川本
E−401
芝田
E−401
井上
L2−31・E−401
L2−31
W−12・オープンフロア
中野
データをグラフでイメージアップ
全
学
プ
ロ
グ
ラ
ム
室
演習室2
学
科
教
仕事に役立つプレゼンテーション
就職のための簡単インターネット
みんなで使おうパソコン通信
楽しく学ぼうインターネット
わたしのホームページを作る
斡旋パソコンでネットワーク
−67−
小野
日
程
2/12②2/12③
2/9②③
2/9③④2/16③④
2/13②2/20②
2/9③2/10③2/17③
2/6②2/10①2/17①
2/10①2/17①
2/3②2/10②2/17②
2/3②2/10②2/17②
2/20②
2/16②
2/12②
2/12③
1/18①②
2/5③
2/8②③2/15②③
2/8①②③④2/9①②③
④2/10①②③④
2/15①②③④2/16①②
③④2/17①②③④
2/9②
2/8③2/9②2/10③
2/15③2/16②2/17③
1/25①②2/1①②
2/12③④2/19③④
1/25③④2/1③④
2/10③④2/17③④
2/8③④2/17①②
2/12①②2/19①②
1/25③④2/1③④
2/12③④2/19③④
1/30①②2/6①②
2/13①②2/20①②
2/4①②2/18①②
2/12①②2/19①②
1/30①②1/25①②
2/8①②2/15①②
1/25③④2/1③④
1/30①②2/6①②
2/8③④2/15③④
2/13①②2/20①②
特別学期合計
平成10年度 合計
学
年
2
3
4
4
履修
クラス
受講者数 備考
0
0
24
15
7
10
8
15
7
13
33
54
34
7
8
40
40
20
30
50
50
50
50
50
50
50
50
50
50
50
50
50
50
25
25
18
25
1158
6213
(2)
全学情報処理教育時間割
前 期
教
室
L2−31
E−401
W−11
W−12
演習室1
演習室3
演習室4
後
限
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
1
3
4
1
2
3
2
月
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
火 水 木
● ● ●
● ●
● ●
●
● ● ●
● ● ●
●
●
金 土
● ●
● ●
●
●
●
● ●
●
● ●
期
教
室
L2−31
E−401
W−11
W−12
●
演習室1
●
●
演習室2
演習室3
●
●
●
● ●
●
演習室4
WINゾーン
限
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
2
3
1
2
3
4
1
3
1
2
月
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
火 水 木
● ● ●
● ● ●
●
●
●
● ●
● ●
● ●
● ●
●
●
●
●
●
●
金 土
● ●
● ●
●
●
● ●
●
●
●
●
●
●
●
●
特別学期
L2−31
限 1/25 2/1
1
□ □
2
□ □
3
□ □
4
□ □
2/3
■
E−401
限 1/25 1/30 2/1
1
□ □ □
2
□ □ □
3
□
□
4
□
□
W−12
限 1/25 1/30 2/1
1
□
2
□
3
□
□
4
□
□
演習室3
限 1/18 2/8
1
■
2
■
3
■
4
2/9
■
■
2/6
2/8
2/9
2/10 2/12 2/13 2/15 2/16 2/17 2/19 2/20
□
□
□
□
■
■
■
■
□
□
2/4
2/6
2/8
2/9
□
□
□
□
■
■
■
■
■
■
■
■
2/6
2/8
■
□
□
□
□
□
□
□
□
■
■
■
■
□
□
□
□
2/10 2/15 2/16 2/17
■
■
■
□
□
□
□
■
■
■
■
□
□
□
□
□
□
■
2/10 2/12 2/13 2/15 2/16 2/17 2/18 2/19 2/20
2/13 2/15 2/20
□
□
■
■
WINゾーン
2/3 2/6 2/10 2/12 2/13 2/16 2/17 2/20
限
1
■
■
2
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
3
■
4
□
□
□
□
□
□
■
■
■
■
■
■
■
■
演習室1
2/5
限
1
2
3
■
4
演習室4
2/3
限
1
2
■
3
4
2/8
■
■
■
■
■
■
□
□
演習室2
2/6
限
1
2
■
3
4
2/9
■
□
□
□
□
2/9
2/12
■
■
■
■
2/10 2/15 2/17
■
■
■
■
■
■
■
■
オープンフロア
2/1 2/6 2/13 2/15 2/20
限
1
□
□
□■
2
□ ■
3
□
□
4
□
□
−68−
□
□
専 門 教 育:●
共 通 教 育:○
学科プログラム:■
全学プログラム:□
(3)
全学情報処理教育施設・設備概要
平成11年3月31日
現在
Windows95・98・NT対応のパソコンの全台数は261台(情報教育研究センター:103台 実習教室:158台)、Macintosh製のパ
ソコンの全台数は53台(情報教育研究センターのみ)である。
各実習教室では、全ての機器がLAN接続されており、パソコンは全てインターネット端末となっている。
情報教育研究センターでは、WindowsNT対応パソコン60台、Macintosh製のパソコン44台がインターネット端末になってい
る。
−69−
(4)
情報処理実習 自習状況
H10.4
5
6
7
8
9
10
11
12
H11.1
2
3
合計
利用者数(延べ人数)
センター内 L2– 31・E– 401
1,228
1
1,704
620
2,456
1,244
1,886
1,150
7
–
1,523
–
5,480
560
5,818
453
5,706
874
2,721
94
2,696
9
1,543
–
32,768
5,005
学科名
大学国文
英文
教育
体育
人間
環境
食物
情報
音楽
薬学
短大国文
英文
教育
体育
人間
食物
生造
その他
計
年間学科別利用者数
センター L2– 31・E– 401
3,521
541
4,715
180
5,546
2,244
1,648
125
1,177
80
1,806
85
2,234
106
578
10
230
52
908
6
1,448
167
1,894
77
733
143
603
145
603
89
984
312
742
195
3,398
448
32,768
5,005
その他:院、教職員
学科名未記入者
※4.8.9月は利用開放せず。
※複数回答あり
−70−
(5)
情報教育教材(ソフト)一覧
平成11年3月31日
現在
情報教育研究センターが所有するソフトは下表のとおりであるが、バージョンについては最新のものを記載している。
昨年度より言語ソフトが増加の傾向にある。
ソ フ ト 名
Ver メデ
購入年 ィア
●OS
日本語MS−DOS 基本機能セット
5.0
MS−DOS/V
6.2
Next Step(DOS/V)
3.2J
OS– 2(DOS/V)
(CD−ROM版)
J2.1
日本語MS−DOS 基本機能セット
5.0
Macintosh 漢字Talk 7.5
7.5.3
Mac OS 7.6
(1997)
●WINDOWS
日本語MS−WINDOWS
3.1
MS−WINDOWS 東芝 J– 3100
3.1
MS−WINDOWS NT Workstation
4.0
MS−WINDOWS NT Server
4.0
WINDOWS95 NEC 版
(1996)
WINDOWS95 NEC 版
(1996)
WINDOWS95 マイクロソフト版
(1996)
WINDOWS95 マイクロソフト版
(1996)
WINDOWS95 FUJITSU 版
(1996)
●言語
N88−日本語BASIC(86)
6.0
クイックベーシック
4.5
クイックC
2.0
Find Out
(1991)
BASIC/98 PRO NEC 版
(1992)
BASIC/98 PRO 東芝版
(1992)
BASIC/98 PRO
Visual Basic
2.0
Delphi 4.0 Professional
4.0
C++Builder4 Professional
4.0
JBuilder2 professional
2.0
SQL.Turbo Class for Delphi
(1998)
ATOk8 for Windows
R.2
●ワードプロセッサ
一太郎 dash
1.0
一太郎数式ツール
(1992)
一太郎/R.2 for Windows95
7/R.2
EG Word
6.0
マックライトⅡ
1.5
Solo Writer
1.3.2.
Microsoft Word98(100本ライセンス) (1998)
●DTP
DageMaker
5.0
Persuasion 2.0J
2.1J
PHOTO FINISH
3.1
●グラフィックス
花子
3.0
Super Paint
3.5J
Adobe Photo– Shop 5.0 日本語版
5.0 J
Deneba Art WORKS
(1996)
Ultra Paint 日本語版
1.0R
Art Works(Ultra PaintのV−UP) (1994)
Kai’s Power Tools
2.0
STRATA VISION 3d 日本語版
5.0
HyperCard
2.3
PAINT SHOP PRO
4.2
クラリスインパクト
(1996)
●統計
秀吉
4.0
マルチ統計
3.0
PS−Chara
1.0
PS−Graph
1.0
SYSTAT
5.2
Data Desk
4.1
SPSS Educasion Version Air
R4.0J
SPSS 7.5J for Windows
7.5J
SPSS Advanced Statistics
7.5J
SPSS Professional Statistics
7.5J
EXCEL 統計
4.0
EXCEL 太閤 集計編
(1998)
EXCEL 太閤 解析編
(1998)
EXCEL 太閤 グラフ編
(1998)
CD
CD
CD
CD
CD
CD
CD
CD
*
*
*
CD
CD
CD
会
社
名
ソ フ ト 名
NEC
マイクロソフト
ネクストコンピュータ
日本IBM
富士通
アップルコンピュータ
アップルコンピュータ
NEC
東芝
富士通
富士通
NEC
NEC
マイクロソフト
マイクロソフト
マイクロソフト
NEC
マイクロソフト
マイクロソフト
福武書店
KSP
KSP
電脳組
マイクロソフト
ポーランド
ポーランド
ポーランド
ポーランド
ジャストシステム
CD
ジャストシステム
ジャストシステム
ジャストシステム
エルゴソフト
クラリス
マーキュリー・ソフトウェア
マイクロソフト
CD
アドベシステムズ
アドベシステムズ
アスキー
*
CD
CD
CD
*
CD
CD
CD
CD
CD
ジャストシステム
アドビシステムズ
アドビシステムズ
メディアヴィジョン
誠和システムズ
誠和システムズ
ビービー・エス
ソフトウェア・トゥー
アップルコンピュータ
メッツ
クラリス
社会情報サービス
社会情報サービス
社会情報サービス
社会情報サービス
ヒューリンクス
ヒューリンクス
エス・ピー・エス・エス
エス・ピー・エス・エス
エス・ピー・エス・エス
エス・ピー・エス・エス
Ver メデ
購入年 ィア
●データベース
R:BASE LITE
2.0
THE CARD for Windows95
7.0
ファイルメーカーPro(WIN)
4.0
ファイルメーカーPro(MAC)
4.1
Access(100ユーザー対応)
7.0
●グラフ作成
CA−Criket Graph
1.5
Delta Graph PRO3.5
3.5
●アニメーション
Swivel 3D
2.0
●表計算
Microsoft Excel for Macintosh
5.0
Lotus 1– 2– 3
R2.3J
Lotus 1– 2– 3 R1.1J Macintosh対応
1.1J
Lotus 1– 2– 3 R5J Windows95対応
5.0
Microsoft Excel for Win
5.0
通信
MAXLINK
2
●教育
CD−ROM OS編
●エディタ
VZ Editor(98.DOS/V)
1.8
WZ Editer 10ユーザー(win)
(1997)
●マルチメディア
Video for Windows
1.0J
Authorware Star
2.0
Authorware クリップメディア アート1
1.0
Authorware クリップメディア ミュージック1
1.0
Authorware クリップメディア サウンド1
1.0
Adobe Premiere 4.2
4.2J
MacroMind Media Maker 日本語版 (1994)
MORPH
2.0
VIDEOFUSION
1.5
Macromedia Director
5.0
Avid Video Shop
2.0
MOMENTO
1.6
DIRECTOR
6.0
●サウンド
ミュージ朗(98)ADM−64N
(1989)
ミュージ朗55(MAC)
(1993)
OVERTURE J
1.2.4
EZ Vision J
3.0
●ユーティリティ
THE NORTON UTILITIES FOR MAC
3.5
ナウユーティリティ
4.0
Quick Time スターキット(英語版)
1.0
●FEP
WXⅡ for Mac(CD−ROM版)
2.7
WXⅡ Win
2.11
●アンチウィルス
ウィルスバスター97
(1997)
Symantec Antivirue for Macintosh
4.5.1
NORTON Anti Virus for Mac
5.0.3
●LAN
LAN WorkPlace for DOS(98版)
4.1J
●プレゼンテーションツール
MORE
3.1
Astound プレゼンテーション作成ソフト
●インターネット
INTERNET OFFICE 3.0J
3.0J
ALIBABA
(1997)
Web Boy for DOS
3.0
Netscape Navigator
3.01
●その他
駅すぱあと(2月版)
(1999)
読んで!!ココ
2.0
●総合ソフト
Microsoft Office97 Standard(100本ライセンス) (1997)
CD
CD
CD
会
社
名
ビーコンシステム
アスキー
クラリス
クラリス
マイクロソフト
ヒューリンクス
日本ポラロイド
エルゴソフト
CD
*
CD
マイクロソフト
ロータス
ロータス
ロータス
マイクロソフト
メガソフト
日本コースウェア
ビレッジセンター
CD
マイクロソフト
アスキー
アスキー
アスキー
アスキー
アドビシステムズ
システムソフト
ヒューリンクス
レトラセット・ジャパン
システムソフト
アビド・テクノロジー
コーシン・グラフィック・システムズ
マクロメディア
ローランド
ローランド
カメオインタラクティブ
カメオインタラクティブ
システムソフト
誠和システムズ
アップルコンピュータ
CD
CD
エーアイソフト
エーアイソフト
トレンドマイクロ
システムソフト
シマンテック
ノベル
誠和システムズ
フォーカルポイントコンピュータ
CD
トランス・コスモス
NEC
IBM
ソフトバンク
CD
CD
ヴァル研究所
エー・アイ・ソフト
CD
マイクロソフト
メディアの項目では、CDはCD−ROM、*は5インチFD、空白は3.5インチFD
−71−
(6)
「情報処理基礎教育システム」導入について
マルチメディア時代にふさわしい情報活用能力を育成し基礎的情報教育の強化を図ることを目的に、
文部省平成10年度私立大学等経常費補助金特別補助(情報化推進特別補助−「情報処理関係設備(借
入)
」を受けて、情報教育研究センター(公江記念館1階)に「情報処理基礎教育システム」を導入し
た。
【設備概要】
機
器
名
型
・
仕
様
数
量
〈サーバー関連〉
コンパックサーバー
PROLIANT160 Ⅱ/266 1-64
1式
〈クライアント関連機器〉
(台)
エプソン
パネルトップ PC
SL– A33A27000
2
エプソン
パネルトップ PC
SL-A26A27000
50
オリンパスMOディスクドライブ
〃
〃
エプソン
増設用
レーザープリンタ
〃
MOS350W/PC(640MB)
4
MOS332W/PC(230MB)
48
MOS332W/MA
10
LP-8400
1
LP-1800
4
エプソン
エスパーステーション
2
エプソン
マルチメディアプロジェクター ELP-5100
2
〈ネットワーク関連機器〉
アライド
スイッチング Hub
【リース期間】
CentreCOM8116
平成10年10月∼平成13年9月(36ヶ月)
【システム構成】
−72−
1式
5
(1)
学院キャンパスネットワーク
ID発行状況
MWU–net
平成11年3月20日現在
所属
大学院・専攻科
1年
6
2年
20
3年
0
所属
大学 国文
英文
教育
体育
人間
環境
食物
情報
音楽
薬学
小 計
1年
12
24
17
0
61
4
7
3
0
23
151
2年
20
136
26
21
39
11
23
8
9
19
312
3年
63
154
27
20
41
25
27
3
6
36
402
4年
–
4年
76
118
27
21
60
56
15
19
4
60
456
合計
26
合計
171
432
97
62
201
96
72
33
19
138
1,321
ID発行データベースによる。
学生・教職員ともにID取得者数が増加している。
学生より教職員の取得率が高い。
−73−
所属
短大 国文
英語
教育
人間
体育
食生
生造
小 計
1年
6
196
6
72
0
26
13
319
所属
教 員
事務職員
小 計
合計
306
133
439
総 合 計
2,419
2年
52
74
8
65
6
91
18
314
合計
58
270
14
137
6
117
31
633
MIET
平成11年3月20日現在
所属
大学院・専攻科
1年
7
2年
24
3年
1
所属
大学 国文
英文
教育
体育
人間
環境
食物
情報
音楽
薬学
小 計
1年
68
168
90
19
101
44
81
26
5
87
689
2年
48
168
217
34
64
29
48
17
14
48
687
3年
124
200
113
50
81
84
68
12
10
111
853
4年
–
4年
137
153
78
64
95
71
49
48
10
72
777
合計
32
合計
377
689
498
167
341
228
246
103
39
318
3,006
所属
1年
短大 国文
82
英語
209
教育
74
人間
107
体育
8
食生
173
生造
88
小 計
741
所属
教 員
事務職員
その他*
小 計
合計
344
202
150
696
総 合 計
5,002
2年
97
101
18
80
47
125
59
527
合計
179
310
92
187
55
298
147
1,268
*その他:業務用ID、システム管理用ID、テスト用ID等
ID発行データベースによる。
在籍数とID取得数の割合で、大学生の取得率が約50%、事務職員は約60%となっている。
MWU– netと同様、年々ID取得者数が増加している。
−74−
(2)
IP発行状況
グローバルIPの発行数が年々増加している。この他マルチメディア教室、一部学科はローカルI
Pによる接続をしている。
*グローバルIPのみ。
(ローカルIP含まず)
*ネットワーク基幹機器含まず。
*研究室・事務室等に設置されている情報コンセントへの
グローバルIP発行数。
(演習室・マルチメディア教室等は含まず)
*薬学部・生活情報学科のローカルIP接続含む。
−75−
教職員ネットワーク講座
(3)
学院キャンパスネットワークが正式稼働を始めて1年半が経過し、多くの教職員が教育・研究や業
務にネットワークを活用するようになった。しかしセンターには基本的な仕組みや利用方法について
の質問等も多く寄せられている。また、問い合わせするまでもないと、よく分からないままにしてト
ラブルを引き起こす原因となる場合もある。
そこで、教職員を対象として、本学のネットワークについて基本的な内容や利用方法を解説する講
座を行った。
●
ネットワーク再入門
〈日
時〉
12月11日(金)16:50∼18:00
〈場
所〉
E−401教室
〈内
容〉
自宅・研究室・事務室からインターネットにつなぐには、パスワードと有効期限、
ネットにつながらなくなった時は?、インターネットと事務系ネット、ファイヤー
ウォール
●
電子メール再入門
〈日
時〉
12月14日(月)16:50∼18:00
〈場
所〉
E−401教室
〈内
容〉
インターネット電子メールのしくみ、メーラーとは、メールの保存と整理のしかた、
インターネットアドレスについて
受講人数 (申込人数)
人数
講座
教
員
事務職員
合
計
ネットワーク再入門
24 (29)
24 (32)
48 (61)
電子メール再入門
23 (30)
25 (35)
48 (65)
合 計
47 (59)
49 (67)
96 (126)
教員……大学・短大、中学・高校
−76−
学院キャンパスネットワーク整備状況
(4)
平成6年度から8年度の3ヵ年で、キャンパスネットワークの基幹部分と主要な支線部分が完成し
平成9年度より本格的なネットワーク利用に入った。ところが、ネットワーク環境が整備されるに伴
い学内のネットワーク利用への期待が高まり、特にユーザーの大部分を占める学生が容易にネット
ワークを利用することのできる環境の整備が必要となった。このため、平成10年度では文部省の私立
学校施設整備費補助金(学内LAN)を受けてネットワーク支線部分の増強をおこなった。
【主な整備内容】
①
情報教育環境の整備
南館および文学2号館・東館の既設教室に情報コンセントを設置し、特に一部の教室には学生机
にも情報コンセントを設置し、ノートパソコンを用いたネットワーク教育を行うことのできる環境
を整備した。
②
情報検索環境の整備
ネットワークを利用した情報検索に対するニーズが高まっていることを受けて、学術情報等への
アクセスエリアである図書館に情報コンセントを増設し、ノートパソコンを接続して情報検索が可
能な環境を整備した。また、情報教育研究センターには、無線LAN装置によるネットワーク利用
環境を整備した。
【通信機器および敷設工事】
(通信機器名)
OmniSwitch100BaseTモジュール
スイッチングハブ 100/10Baseスイッチングハブ
100/10Baseスイッチングハブ
100/10Baseスイッチングハブ
100/10Baseスイッチングハブ
100/10Baseスイッチングハブ
光メディアコンバータ
無線LAN装置 壁取付/送受信機
卓上/送受信機
ハブ
通信制御装置(DHCPサーバー)
通信制御装置(ネットワークアドレス変換装置)
(型・仕様)
ESM– 100W– 12W– 2C
OS– 1032C
OS– 3032
OS– 3032E
OS– 4016
OS– 5024– 8C
FS702FCR
W– COIL
M– MOIL
Taphub– SR5P
Digital Server 3210
R– NAT
(敷設工事)
①本館4階
②中央図書館1・2階
③文学2号館1・2階
④文学2号館4階(文学1号館3階分含む)
⑤文学2号館地下1階
⑥東館2階
⑦南館全教室
⑧公江記念館1階
⑨第1・第2体育館2・3階
(種別)
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
配管・入線工事等
−77−
(数量)
3
7
8
9
8
1
1
4
20
4
4
4
6
(1)
情報機器斡旋
斡旋について
平成10年度は、昨年度に引き続いて、ノートパソコンとカラープリンタの斡旋を行なった。平成10
年度斡旋パソコンの特徴は、CPUはMMX– Pentium166MHz、メインメモリを32MB、ハードデ
ィスクを2.1GB、16倍速CD– ROM、高速モデム(33.6kbps)を内蔵とし、昨年度の機種にましてさ
らに、パソコン通信およびインターネットの利用環境も快適な高性能となった。OSは、昨年度と同
様のWindows95、アプリケーションソフトとしてMS– Office97(Word97・Excel97・PowerPoint97)
、
電子ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター97」他をインストールし、学院教育ネットワークおよび
学院推奨プロバイダAOLの接続設定も行なった。
斡旋のセットは、パソコン本体とプリンタのセット、またはパソコン本体のみとし、いずれのセッ
トも完全保証(メーカー規定の保証範囲を含め、盗難・火災・過失による落下等での修理までを行な
う)を2年間に設定した。また、プリンタのみの斡旋も希望により行なった。斡旋は原則として前期
のみとした。
斡旋内容・価格
カラーノートパソコン:東芝 DynaBook SatellitePA1261S9/MWU
(武庫川女子大学仕様)CPU:MMX– Pentium
166MHz、メモリ:32M
B、HDD:2.1GB、CD– ROM:最大16倍速、画面:12.1インチDSTN液晶、
その他:3Dサウンドステレオスピーカー、33.6Kbpsカードモデム内蔵、
MS– Office97STD・ウイルスバスター97他インストール済
カラープリンタ:キヤノン インクジェットカラープリンタ
BJC— 250J
最大A4印刷、360×360dbi、印字速度3.4PPMモノクロ(A4専用用紙・
プリンタケーブル付き)
セット価格:セット1)ノートパソコン・プリンタ・2年保証
セット2)ノートパソコン・2年保証
258,500円
237,500円
* プリンタのみ追加購入の場合は、25,000円
* 価格はいずれも消費税込み
利用講習会・全学共通教育科目
斡旋パソコンの購入者を対象として無料講習会を開催した。内容は、パソコンの初心者に対する講
座としてWindows95・Word97、Excel97についての基礎的な内容とした。
斡旋パソコンを使用する全学共通教育科目として
「テキスト情報処理演習Ⅱ」「データ処理演習
Ⅱ」
「ネットワーク利用演習Ⅱ」
「プレゼンテーション基礎演習Ⅱ」が開講された。
−78−
平成10年度の斡旋台数は、昨年度実績に対して減少となり、平成8年度・9年度に続いて3年連続
での減少となった。不況などの社会情勢や、家庭へのパソコンの普及などが要因と考えられる。
利用講座は、昨年度より受講者が倍増した。これは、講座内容をアプリケーション別としたこと、
講座を共通教育科目開講日にあわせたことなどが要因と推測される。
パソコンプリンタ引き渡し状況
斡旋パソコン無料講習会実施状況
講座開催日
内
容
受講人数
引
渡
日
引 渡 数
4月27日
(月)
5限
Windows95
105
4月17日
380
5月11日
(月)
5限
Word97
82
4月24日
143
5月18日
(月)
5限
Windows95
66
5月8日
7
6月1日
(月)
5限
Word97
62
5月22日
10
〃
6月8日
(月)
5限
〃
6月15日
(月)
5限
Excel97
64
6月16日
1
Windows95
62
6月19日
22
Excel97
30
6月22日
1
Word97
47
7月3日
1
〃
Excel97
21
7月13日
4
7月14日
(火)
14:40∼
Windows95
10
7月15日
1
7月14日
(火)
15:50∼
Word97
11
7月29日
8
7月14日
(火)
17:00∼
Excel97
11
8月3日
3
571
8月6日
1
10月1日
2
その他
2
合
計
合
−79−
計
586
(2)
斡旋状況
申込者数(名)
学
科
1年生
2年生以上
合
計
*1年生申込率 備
大学院・専攻科
0
0
0
0
大学・国文
38
7
45
21%
英文
87
7
94
30%
教育
38
12
50
14%
体育
9
22
31
7%
人間
10
6
16
6%
環境
12
5
17
9%
食物
27
3
30
17%
情報
3
0
3
3%
音楽
3
1
4
7%
薬学
36
5
41
13%
大学小計
263
68
331
15%
短大・国文
27
0
27
13%
英語
78
2
80
32%
教育
10
1
11
5%
人間
15
0
15
6%
体育
6
0
6
5%
食生
68
4
72
18%
生造
35
0
35
9%
短大小計
239
7
246
14%
教職員
9
その他
0
合
計
502
75
586
考
14%
*1年生申込率=申込者数/在籍者数
斡旋台数(パソコン本体)内訳(台)
プリンタセット
本体のみ
541
45
本体斡旋合計数
*ローン利用
586
37件
斡旋台数(プリンタ)内訳(台)
プリンタセット
プリンタ追加購入
プリンタ斡旋合計数
541
2
543
−80−
−81−
−82−
ワープロ・パソコン検定
(3)
学院斡旋パソコン・ワープロを使って学内で受験する検定として、平成3年度より実施している。
平成10年度は、検定実施日の見直しを行い、休日以外の実施とし、また、学習時期(授業期間)と検
定実施日との時間的隔たりを少なくするため検定時期を早めた。
検
定
名:コンピュータサービス技能評価試験ワープロ部門2・3級、表計算部門3級
主
催:職業能力開発協会
後
援:労 働
省
受 験 資 格:本学学生で学院斡旋パソコン・プリンタまたはワープロを所持し、受験当日、試験会場
(本学)に機器を持参できること。
(表計算部門は、ワープロでの受験は不可)
受 験 機 種:
機種(本体・プリンタ)
ワープロ部門
表計算部門
東芝DynaBook Satellite PA
キヤノン BJC– 250J
○
○
東芝DynaBook Satellite Pro
キヤノン BJC– 240J
○
○
東芝DynaBook GT– S575
キヤノン BJC– 210J
○
○
東芝DynaBook EZVision、EZ425
東芝DynaBook Printer
○
○
東芝DynaBook EZ486
PR– 48E
○
○
東芝RUPO JW01−V
本体一体型
○
×
シャープWD−A751M
本体一体型
○
×
シャープWV– 700M
本体一体型
○
×
○は受験可、×は受験不可
試 験 実 施:第1回
平成10年9月14日(月)
第2回
平成10年12月23日(祝)
受 験 料:
部
門
受験料
ワープロ部門2級
6,400円
ワープロ部門3級
5,100円
表 計 算 部 門3級
5,100円
検 定 結 果:
ワープロ2級
受験申請
第1回
第2回
ワープロ3級
小
計
第1回
第2回
表計算3級
小
計
第1回
第2回
小
計
11
16
27
51
69
120
6
18
24
席
0
0
0
5
1
6
1
1
2
実 受 験
11
16
27
46
68
114
5
17
22
格
1
2
3
35
62
97
2
1
3
*合格率
9%
13%
11%
76%
91%
85%
40%
6%
14%
欠
合
* 合格者数/実受験者
−83−
(4)
ワープロ検定受験対策講座
学院斡旋パソコン・プリンタを使って学内で受験するワープロ検定
ビス技能評価試験(ワープロ部門3級)
[コンピュータサー
職業能力開発協会主催、労働省後援]の資格取得
を目指す講座を有料で開催した。この講座は、情報機器斡旋当初より例年開催しているが、
近年、受講者は減少傾向にある。そこで、10年度は後期開講の講座について、共通教育科目
開講日の月曜5時限に開催することとした。
前期開講の講座は、昨年どおり7月下旬に集中講座として開催した。
①
開講日時:[前期]7月30日(木)・31日(金)両日とも1∼3限
[後期]11月2日(月)・9日(月)・16日(月)・30日(月)・12月7日
(月)・14日(月)各日とも5限
②
場
所:西館
W−11教室
③
受 講 料:前期・後期講座各6,000円(東館1階の証紙発行機により証紙を購入)
④
対
象:本学学生で学院斡旋パソコンまたはワープロを講座に持参できること。
⑤
講
師:株式会社ダイトク
⑥
講座内容:入力速度をアップし、検定合格のポイント、検定までの練習方法、模擬テス
福原真実インストラクター
トの個別指導などを行なう。10分間で300字程度入力できることを前提に講
座を進めることとした。前期・後期の講座は同一内容で反復開講とした。
⑦
受講状況:
DynaBook
DynaBook
DynaBook
DynaBook
SatellitePA126S9
SatellitePro
GT– S575
EzvisionEZ42501
前期講座
27
9
8
1
45
後期講座
29
6
14
0
49
受講機種
−84−
合
計
7
学外活動
【会議・講習会・大会等参加】
私立大学情報教育協会(私情協)関係では、私情協大会等への参加の他、総会・フォーラム運営委
員会・会議への出席、事務職員・非常勤副手が研修会等に参加した。
大阪地域大学間ネットワーク(ORIONS)は本学の学院キャンパスネットワークの接続先であ
り、同じくORIONSを接続先としている大学等の総会に出席した。
私立大学情報教育協会関係
開
催
日
会議・講習会・大会等
会
場
「平成10年度補正予算案による新
H10.5.16 規補助(マルチメディア装置)に 工学院大学新宿校舎
関する説明会」
5.28 第18回通常総会
青山学院大学総研ビル
6.26∼27
平成10年度
情報教育問題フォーラム
龍谷大学
第7回情報教育推進のための理事
長・学長等会議
学内LAN管理者講習会
8.6∼7
(初級コース)
9.2∼9.4 第14回情報センタ等部門研修会
ホテルニュー京都
9.15∼9.17
アルカディア市ヶ谷
8.1
第12回私情協大会
松下電器産業株式会社
(AV&CCシステムズスクエア)
工学院大学新宿校舎
11.24
第19回臨時総会
アルカディア市ヶ谷
平成10年度第3回情報教育問題フ
H11.1.11 ォーラム運営委員会・新年賀詞交 アルカディア市ヶ谷
換会
1.23
第6回短期大学部門検討会議
大妻女子大学千代田校舎
3.30
第20回通常総会
アルカディア市ヶ谷
〈委員役員〉
情報教育問題フォーラム運営委員会委員
濱谷
参
加
者
濱谷
英次
濱谷
濱谷
中植
谷澤
小林
山本
英次
英次
雅彦
陽子
佳子
由美子
濱谷
英次
岡田
小林
小林
濱谷
中植
宮本
小野
濱谷
由紀子
佳子
佳子
英次
雅彦
紘平
賢太郎
英次
濱谷
英次
濱谷 英次
中植 雅彦
濱谷 英次
英次
大阪地域大学間ネットワーク(ORIONS)
関係
開
催
日
会議・講習会・大会等
会
場
H10年度大阪地域大学間ネット
大阪大学コンベンションセン
H10.10.26 ワーク等連絡協議会(ORIONS)
ター
総会
−85−
参
中植
加
者
雅彦
【施設見学】
高校からの見学では、施設見学後、センター内演習室でインターネットの体験実習なども行った。
また今年度は、研修やフォーラムのプログラムの1つとしての施設見学が多かった。
・奈良県立富雄高等学校(教員、保護者)
・大阪府教育センター「平成10年度高等学校教育情報システム長期研修」
「高等学校情報処理教育長期研修」
「コンピュータ基礎指導主事研修及びマルチメディア教材開発長期研修」
・関西電子情報産業協同組合「第8回アカデミックフォーラム」
・中国紹興市留学生1名(西宮市総合教育センター研修課)
・徳島文理大学
【施設利用】
学外関係では、本年度秋に新機種になったオープンフロアのWINゾーンを利用した研究会等が多
く行われた。
学内関係では、本年度も事務システム開発室主催の研修会、偕和会の講座、卒業研究発表会が行わ
れた。
1.学外関係
年
月
日
H10.8.31(土)
11.20(金)
12.12(土)
12.19(土)
講座・発表会・研修会等
第3回教育工学研究部会
平成10年度兵庫県数学教育会
高等学校部会阪神支部研究協
議会
国際電子ネットワーキング教
育学会(AGENE)
研究会
教育システム情報学会第70回
研究会
主
催
芦屋市立打出教育文化セン
ター
場
所
E– 401
演習室3
兵庫県数学教育会高等学校部
オープンフロア
会阪神支部
WINゾーン
国際電子ネットワーキング教 オープンフロア
育学会(AGENE)
WINゾーン
教育システム情報学会情報教 オープンフロア
育研究部会
WINゾーン
2.学内関係
年 月 日
講座・発表会・研修会等
H10.7.17∼8.28
事務職員対象パソコン研修会
(準備等も含む)
第2回パーソナルコンピュータ実務
10.31(土)
講座
H11.1.18∼2.25
事務職員対象パソコン研修会
(準備等も含む)
1.18(月) 卒業論文発表・審査会
主
催
所
事務システム開発室
E– 401
偕和会研修事業部
E– 401
事務システム開発室
大人4年
2.18(木)
卒業研究発表会
大教4年田村ゼミ
2.19(金)
卒業研究発表会
大教4年中植ゼミ
3.6(土)
第3回パーソナルコンピュータ実務
講座
偕和会研修事業部
−86−
場
L2– 31
E– 401
演習室3
演習室4
オープンフロア
WINゾーン
オープンフロア
WINゾーン
オープンフロア
8
学術講演会
マルチメディア教室の整備が進んでいることを受けて、平成10年度学術講演会は、大学におけるマ
ルチメディア・ネットワークの活用について最新情報や事例紹介および実際のネットワーク利用実習
を行った。
趣
旨:
学内においてはマルチメディア教室の整備が始まり、機器の設置や関連工事が急ピッ
チで進められている。センター内にはマルチメディア装置の1号機が既に設けられてお
り、次年度新学期からは複数のマルチメディア教室が利用可能になる。また、マルチメ
ディア教室間で映像のやり取りができるように、キャンパスネットワークの機能強化も
実現しつつある。この結果、複数教室を連携した授業展開や映像を学外とやりとりする
ことで、遠隔授業といった新たな形態での教育も今後視野に入れて考えることができる
ようになる。今回は、専門家を招き、こうした近未来の大学教育の具体化について、最
新の知見を得る機会を設ける。なお、後半は本学のネットワーク環境を効果的に利用す
るために、便利な機能や活用のヒントを紹介し、実習を通して一層理解を深めることが
できるよう企画した。
テ
ー
内
マ:「マルチメディア環境・ネットワーク環境の活用に向けて」
容:第1部
基調講演「テレビ会議システムによる授業改善−その実践と利用方法」
文部省・大学共同利用機関
小林
登志生
メディア教育開発センター教授
氏
高度情報社会を迎えてマルチメディアの活用は高等教育機関にとって必須の
課題となりつつある。大学間で授業・研究・意見の交流を高めることはそれぞ
れの大学に新たな視点と刺激をもたらし、教育の改善と研究効率の向上に寄与
する。こうした取り組みの先端的な事例を紹介する。
第2部
ネットワーク活用のための実習
小グループ単位での説明と実習・質疑応答
・MIETで複数の人に一度にメールを送るには?
・MIETで未読みの電子掲示板のみを表示させるには?
・MIETに電話接続するときの注意点は?機種毎の違いは?
・研究室や事務室からMWU– netに繋がらない時のチェック方法は?
・自宅からMWU– netを利用するためには?
・パスワードの変更方法は?
日
時:平成11年2月22日(月)13時00分∼16時00分
場
所:情報教育研究センター
プログラム:13:00∼14:30
参
加
オープンフロア
基調講演
14:30∼14:40
休
憩
14:40∼16:00
ネットワーク利用実習
者:のべ52名(基調講演29名、実習23名)
−87−
9
マルチメディア環境整備
平成10年度マルチメディア装置施設が、文部省私学助成を受けて整備された。特に、全学共用教室
等で教材提示装置などの授業支援機能を強化した教室を「マルチメディア教室」と呼ぶこととなった。
また、全学共用教室のほか、各学科実習教室等にも学科の専門性に応じた教材提示の環境改善などの
マルチメディア化が行われた。
平成11年1月に、マルチメディア教室が有効に活用されるまでの関連事務部署による連絡会として
「マルチメディア教室の管理・運用に関する連絡会」が発足した。
第1回連絡会
平成10年11月6日(金)13:00より
議事)①連絡会趣旨説明
②計画概要・現状説明
③質疑応答
④管理運用体制についての協議
⑤次回日程
第2回連絡会
平成10年12月22日(火)10:00より
議事)①マルチメディア操作卓1号機の検証
②マルチメディア教室(仮称)紹介パンフレットについて
③その他
第3回連絡会
平成11年3月9日(火)
議事)①マルチメディア関連工事の進捗状況について
②マルチメディア教室利用状況および次年度使用申込状況について
③マルチメディア教室の管理・運用体制について
④その他
また、マルチメディア教室の利用説明会が教職員対象に開催され、マルチメディア教室利用ガイド
(暫定版)の配布・説明と操作実習を行った。
日
時:平成11年3月16日(火)13:00∼14:30
場
所:S−35教室
内
容:①マルチメディア教室の概要
②マルチメディア機器および操作卓の操作説明
③マルチメディア環境利用上の留意点
④機器操作実習(S−35・37)
平成11年度は引き続き、利用説明会の開催および利用手引書(ガイドブック)の発行・配布が計画
されている。
−88−
−89−
−90−
−91−
−92−
10
(1)
センター関係諸規程
武庫川女子大学情報教育研究センター規程
[平成6年4月1日]
[規程
第3号]
(設置)
第1条
武庫川女子大学(以下「本学」という。
)に武庫川女子大学情報教育研究センター(以下「セ
ンター」という。
)を置く。
(目的)
第2条
センターは、高度情報社会におけるマルチメディアが、教育や文化に及ぼす影響等について
基礎的かつ先導的な研究を行い、それらの成果を学院の情報化の推進に資することを目的とす
る。
(所掌業務)
第3条
センターは、前条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
(1)
コンピュータ及びその利用技術に関する研究
(2)
情報教育及び情報教育に関する調査研究
(3)
学院の情報化に関する企画調整
(4)
公開講座・研究会等の開催
(5)
研究及び調査の受託
(6)
資料の収集と情報の提供
(7)
センター年報・報告書の発行
(8)
その他目的達成のために必要な業務
(センター長)
第4条
センターにセンター長を置く。
2
センター長は、理事長が専任教授のうちから任命する。
3
センター長の任期は2年とし、再任を妨げない。
4
センター長は、学長の命を受け、所掌の業務を処理する。
(専任教員)
第5条
センターに所要の専任教員を置く。
2
専任教員は、センターの教授、助教授、講師及び助手とする。
3
専任教員は、センター長の指導監督のもとに、センターの研究業務及びセンターの必要業務
に従事する。
(研究員)
第6条
センターにセンター業務の内容に応じて、学長の承認を得て所要の研究員を置くことができ
る。
2
研究員は、教授、助教授、講師又は助手をもって充てる。ただし、兼務とする。
3
研究員は、センターの研究業務及びセンターの必要業務に従事する。
(嘱託研究員)
第7条
センターの必要に応じて嘱託研究員を置くことができる。
−93−
2
嘱託研究員は、センター長が推薦し、学長が委嘱する。
3
委嘱期間は、1年以内とする。ただし、必要があれば更新することができる。
4
嘱託研究員は、特定又は共同研究の業務に従事する。
(事務職員)
第8条
センターに所要の事務職員を置く。
2
事務職員は、事務局長の指導監督のもとに、センター長の指示を受けてセンターの事務を処
理する。
(補則)
第9条
この規程に定めるもののほか、センターの管理運営に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この規程は、平成6年4月1日から施行する。
附 則
1
この規程は、平成10年4月1日から施行する。
2
武庫川学院情報システム化委員会規程(平成5年4月1日)は廃止する。
−94−
(2)
武庫川女子大学・武庫川女子大学短期大学部情報処理教育委員会規程
[平成2年7月20日]
[規
程
第10号]
(設置)
第1条
武庫川女子大学及び武庫川女子大学短期大学部の情報処理教育を推進するために、「武庫川
女子大学・武庫川女子大学短期大学部情報処理教育委員会」(以下、「委員会」という。)を置
く。
(目的)
第2条
委員会は、学長の諮問に応じ、次の事項について審議し、処理する。
(1)
全学の情報処理教育及びカリキュラムの総括的な企画並びに調整に関する事項
(2)
情報処理教育に関する教材整備に関する事項
(3)
情報処理教育に関する将来計画の策定、立案並びに調整・研究に関する事項
(4)
その他情報処理教育に関し必要な事項
(構成)
第3条
委員会は、各学部・学科の専任教員のうちから学長が委嘱する委員をもって構成する。
2
委員会に委員長を置き、学長が委嘱するものをもって充てる。
(委員の任期)
第4条
委員の任期は、1年とする。ただし、引き続き再任することを妨げない。
(会議)
第5条
委員会は、必要に応じて委員長が招集し、その議長となる。
2
委員長に事故あるときは、あらかじめ委員長の指名した者が議長となり、その職務を代行す
る。
3
委員長は、必要に応じ会議に委員以外の者の出席を求め、その意見を聴くことができる。
(庶務)
第6条
委員会の庶務は情報教育研究センターがこれにあたる。
附 則
この規程は、平成2年7月20日から施行する。
附 則
この規程は、平成6年4月1日から施行する。
−95−
(3)
武庫川学院キャンパスネットワーク運営委員会規程
[平成9年4月1日]
[規
程
第1号]
(設置)
第1条
武庫川学院にキャンパスネットワーク運営委員会(以下「運営委員会」という。
)を置く。
(目的)
第2条
運営委員会は、情報システム化委員会の方針に基づき、武庫川学院キャンパスネットワーク
(Mukogawa Women’s University Network 以下「 MWU– net」という。)に関して教育、研
究、広報、その他関係業務の電子情報の発信、収集を円滑に行うことを目的とする。
(所掌業務)
第3条
運営委員会は、前条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行う。
(1)
MWU−net利用に関する電子データの取り扱いに関する事項
(2)
IDの申請及び発行に関する事項
(3)
ホームページなど情報の作成及び運用に関する事項
(4)
MWU−net運用規約及び運用細則に関する事項
(5)
その他、前条の目的達成のために必要な事項
(構成)
第4条
運営委員会は、大学院、各学部・学科、各研究所、附属図書館、広報室、附属中学校・高等
学校、その他関係部署のうちから理事長が委嘱する委員をもって構成する。
2
運営委員会に委員長を置き、理事長が委嘱する者をもって充てる。
(委員の任期)
第5条
運営委員の任期は1年とする。ただし、再任を妨げない。
(会議)
第6条
運営委員会は、必要に応じて委員長が招集し、議長となる。
2
委員長に事故あるときは、あらかじめ委員長の指名した者が議長となり、その職務を代行す
る。
3
委員長は、議事を円滑に行うため、運営小委員会を設けることができる。
4
委員長は、会議に運営委員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。
(その他)
第7条
委員長は、必要に応じワーキング・グループを委嘱し、専門的事項について検討することが
できる。
(補則)
この規程に定めるもののほか、MWU– net 運用規約及び運用細則は別に定める。
第8条
(庶務)
第9条
運営委員会の庶務は、事務システム開発室が担当する。
附 則
この規程は、平成9年4月1日から施行する。
−96−
(4)
武庫川学院キャンパスネットワーク運用規約
【武庫川学院キャンパスネットワークの構成】
名称は、武庫川学院キャンパスネットワーク(Mukogawa Women’s University Network以下「M
WU– net」という。)とする。学院教育ネットワーク(Mukogawa Institute Educational Telecommunications
以下「MIET」という。)は、キャンパスネットワークに含む学内専用ネットワーク
として運用する。
武庫川学院キャンパスネットワーク運用規約
(趣旨)
第1条
この規約は、武庫川学院キャンパスネットワーク運営委員会規程第8条の規定に基づき「M
WU– net」
の運用について必要な事項を定めるものとする。
(目的)
第2条 MWU– netは、教育、研究、広報、その他の関係業務に関する電子情報を有効に活用するこ
とを目的とする。
(利用資格)
MWU– netを利用できる者は、次の各号のいずれかに該当するものとする。
第3条
(1)
武庫川学院職員、学生及び生徒
(2)
その他、武庫川学院キャンパスネットワーク運営委員会(以下「運営委員会」という。)が
適当と認めた者
(提供するサービス)
第4条
MWU– netは、次に掲げるサービスを提供する。
(1)
電子メールサービス
(2)
電子掲示板サービス(教育ネットワーク )
(3)
情報提供サービス(本学院ホームページ)
(4)
インターネット接続サービス
(5)
教育、研究、広報等に関するサービス
(6)
その他、教育又は研究上必要なサービス
(利用申請)
第5条 MWU– netを利用する者は、この規約を了知の上、利用申込書を運営委員会に申請し、許可
を得なければならない。
(PPP接続)
第6条
当分の間、学生・生徒のPPP接続(外線電話によるMWU– netへの接続)は行わない。た
だし、教育又は研究上必要があると認められる場合は、運営委員会の許可を受けて接続する
ことができる。
(ID番号、パスワードの発行及び管理)
第7条 MWU– net利用者のID番号及びパスワードの発行並びにその管理について、次のとおりと
する。
(1)
利用者には、ネットワーク利用のためID番号及びパスワード(MWU– net及びMIET)を
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付与する。
(2)
利用者は、自己責任においてパスワードを定め、これを管理する。
(3)
ID番号及びパスワードは、第三者に譲渡又は利用させてはならない。
(4)
ID番号及びパスワードの使用上の過誤又は第三者の不正使用等による損害について、運
営委員会は一切の責任を負わない。
(禁止事項)
MWU– netの利用に当たって、次の行為をしてはならない。
第8条
(1)
他人のプライバシーを損なうおそれのある記述及び公序良俗に反する記述
(2)
コンピュータウィルス等有害なプログラムの使用又は提供
(3)
通信サービスを利用した犯罪行為、第三者に対する誹謗中傷、秘密の漏洩、市販ソフトウ
ェアのコピー、売買、交換、第三者の著作権の侵害などの違法行為、その他営業活動
(4)
その他、法令及び社会慣行に反する行為
(利用の停止及び禁止)
第9条 MWU– netの利用者が第7条及び第8条に違反した場合は、運営委員会は利用を停止又は禁
止することができる。
(通信機器の停止)
第10条 運営委員会は、MWU– netの通信サービスを良好な状態で運用するため、利用者に事前通知
なしにその運用を一時停止し、保守点検をすることができる。
(運用規約の変更)
第11条
運営委員会は、MWU−netの運用上必要と認めた場合は、本規約及びサービス内容を追加、
変更することができる。
(利用に伴う費用)
MWU– net運営に伴う利用料金は、当分の間無料とする。
第12条
(損害の免責)
第13条 運営委員会は、MWU– netの運用に当たって、いかなる場合も通信サービスの遅延、中断及
び停止により利用者が被った損害について、責任を負わない。
2 運営委員会は、MWU– netの運用に当たって、通信サービスから得た情報の内容、又はその
表示により利用者が被った損害について、責任を負わない。
(記載データの削除)
第14条
運営委員会は、利用者が次のいずれかに該当するとき、利用者のデータを予告なしに削除す
ることができる。
(1)
第7条及び第8条の各号に規定する内容のいずれかに違反した場合
(2)
第4条で定める電子データが所定の表示期間を経過した場合
(利用権の喪失)
第15条
利用者は学院を退職又は卒業した時をもって、利用権を失うものとする。
(補則)
第16条
この運用規約に定めるもののほか、MWU– net運用細則は別に定める。
附 則
この規約は、平成9年4月1日から施行する。
−98−
(5)
武庫川学院キャンパスネットワーク運用細則
近年、ネットワークを用いた情報検索や情報公開が活発になり、利用面において様々な問題が指摘
されている。この運用細則は、MWU– netの適切な運用を図るため、次のように定める。
(管理、運用)
MWU– netの管理、運用は、運営委員会の合意を得て、情報教育研究センターが当たる。
第1条
(ドメイン名)
MWU– netのドメイン名は、mukogawa– u.ac.jp とする。
第2条
(ホームページ提供及び届け出)
MWU– netの公平かつ適性な運用を図るため、ホームページ(以下「WWW」という。)の
第3条
ドキュメントの提供は、教育、研究、学院広報などに寄与する内容とする。
2 WWWの提供については、MWU– net運用規約に沿って、セキュリティ確保の面から、WW
Wのサーバーを情報教育研究センター(以下「センター」という。)に設けることを原則とす
る。
3
WWWサーバー利用者の範囲は、本学院の職員及び学院組織図に示された学内組織とする。
また、教育、研究のための共同利用者として、学外者が加わる場合については、運営委員会に
おいて審議の上、利用の可否を決定する。
4
学友会、クラブ、同好会、クラス、演習等、学生・生徒がコンテンツ作成の中心となる場合
は、当該の指導者が運営委員会に届け出し、審査の上利用の可否を決定する。
5
WWWコンテンツの提供については、ホームページに管理責任者名を明記するものとする。
(管理責任者)
第4条
学院広報、各学部・学科、その他の学院組織からのWWW提供については、その当該の長を
管理責任者とする。
2
第3条4項におけるWWWコンテンツ作成については、指導者を管理責任者とする。
(WWW等の記載禁止事項)
MWU– net運用規約第8条に記載の禁止事項に反するものは掲載できない。
第5条
(1)
ホームページや掲示板等に記載するイメージ、写真等につき、著作権を侵害しないよう注
意すること。
(2)
また、著作物をデジタル化したり、表現に変更を加えたり、抜粋して使用する場合などは、
著作者の権利の侵害になるので注意すること。
(3)
著作権で保護されている一例は次のような内容物である。
音楽、画像(動画、静止画)、テレビ放送、映画(ビデオソフトを含む)、写真、キャラクタ、
小説、評論、雑誌、新聞、漫画、絵画、版画、彫刻、コンピュータグラフィックス等の芸術
作品
(WWWサーバー利用手順)
第6条
WWWで発信するコンテンツは、利用者自身が作成する。同時にコンテンツの管理責任者は、
所属、氏名、目的、利用等の具体的内容(教育利用の場合は教育計画、研究利用の場合は研究
計画)
、発信の期間、コンテンツ作成者などを記入した利用申請書をセンターに提出する。
(個人のホームページの管理)
第7条
個人のホームページは、
学内組織等のホームページの下に、
その組織等の構成員の個人別ホー
−99−
ムページを設けてもよいが、個人別ホームページも含めたすべてのコンテンツに関して、利用
申請書に記載された管理責任者が責任をもって管理すること。
(損害の責任)
第8条
WWWコンテンツの内容により、発生するすべての事故責任はWWWコンテンツ管理責任者
が負うものとする。
(サーバーの設置)
第9条
センター以外の学内組織(学部・学科、研究室、事務部局等)でWWWサーバー又はメール
サーバー等を設置する場合は、サーバー稼働申請書に設置場所、責任者氏名、所属、サーバー
の具体的な仕様(ハードウェア、ソフトウェア)、設定内容、システム管理者、障害発生時の
対応手順等、必要事項を記入の上、センターに提出し、運営委員会が設置の可否を決定する。
(サーバーの管理)
第10条 第9条のサーバーの設置については、学外からの不正アクセスの防止やMWU– netとの円滑
な接続を維持するため、次の各項を定める。
2 当該組織のサーバー及びMWU– netを含むシステムを熟知し、障害等の発生時には迅速に対
処できる管理者をおくこと。
3
WWWサーバー及びメールサーバー等のアクセス制限など、セキュリティにかかわる適切な
設定を行うこと。
4
独自サーバーの稼働が認められた以後、システムや設定内容の変更が生じた場合は、速やか
に、その稼働状況をセンターに報告すること。
附 則
この運用細則は、平成9年4月1日から施行する。
−100−
情報教育研究センター年報’98(通巻第7号)
編
集
武庫川女子大学・同短期大学部
情報教育研究センター
発行者
学校法人
武庫川学院
〒663– 8558
兵庫県西宮市池開町6番46号
TEL(0798)47– 1212
発行日
1999年11月30日
印
大和出版印刷株式会社
刷
Fly UP