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1 地域再生計画 1 地域再生計画の名称 トワイライトエクスプレス「瑞風」
地域再生計画 1 地域再生計画の名称 トワイライトエクスプレス「瑞風」を核とした地域再生計画 2 地域再生計画の作成主体の名称 鳥取県及び鳥取県岩美郡岩美町 3 地域再生計画の区域 鳥取県岩美郡岩美町の全域 4 地域再生計画の目標 4-1 地域の現状 (地勢) 岩美町は、鳥取県の最東北端に位置し、東は兵庫県、西は鳥取市福部町、 南は鳥取市国府町、北は日本海に面している。東西 14.3 ㎞、南北 15.8 ㎞ で、面積は 122.38 ㎢である。 地形は、東側、南側は海抜 400m~700mの山々で囲まれ、西側は海抜 300 m~400mの小起伏山地である。中央部は河合谷高原の天神池を源流とする 蒲生川及び小田川流域に見られる谷底平野、北側には但馬地域から続く岩 石海岸や砂浜海岸の海岸地形が形成されている。総面積の約 82%が林野で、 南から北へ全体的に緩やかな傾斜をなしている。 日本海側に面する東西約 15km のリアス式海岸からなる浦富海岸は「山陰 海岸国立公園」に指定されている。 (人口) 平成 27 年 10 月 1 日時点の推計人口(鳥取県が平成 22 年国勢調査を基に 人口動態により推計したもの) (表1)は、11,468 人となっており、ピーク 時の昭和 25 年(20,519 人)と比較すると、44.1%減少している。 また、年少人口(15 歳未満)の比率 11.1%(昭和 55 年 20.5%)、生産年 齢人口(15 歳以上 65 歳未満)の比率は 54.6%(昭和 55 年 66.1%)で人口 に占める割合が減少傾向にある一方で、老齢人口(65 歳以上)の比率は 34.3%(昭和 55 年 13.4%)となっており、少子高齢化が進んでいる。 社会動態については、平成元年度以降、転出超過が続いており、年 80 人 程度の減少がみられる(表2)。平成 17 年 10 月 1 日時点で 15~19 歳の者 の 5 年後には 240 人が転出しており(表3)、主な転出先は職業の選択肢の 多い県外や鳥取市内である。 自然動態については、平成元年度に 160 人であった出生数が平成 25 年度 には 73 人と半減しており、死亡数は年 150 人から 200 人で推移しているこ とから、年 100 人程度の減少がみられる(表2)。 1 【表1】岩美町の人口の推移 (国勢調査に基づく数値。H27 は鳥取県人口動態調査による推計値) 18,000 15,969 2,145 16,000 14,000 15,944 2,431 15,342 12,000 10,000 10,560 8,000 14,713 2,804 10,207 9,505 6,000 14,015 3,304 13,270 3,613 8,807 3,738 0 3,264 3,306 昭和55年 昭和60年 3,033 2,602 11,468 3,722 3,935 8,335 7,857 7,207 6,265 2,067 1,674 1,433 1,268 4,000 2,000 12,362 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 年少人口 生産年齢人口 老年人口 平成27年 総人口 【表2】総人口及び移動人口推移(住民基本台帳) 18,000 15,766 16,000 15,248 14,597 14,000 12,922 900 800 700 12,044 477 8,000 4,000 2,000 404 308 403 287 165 385 178 149 175 160 127 91 100 1 6 401 374 11 258 241 300 人 173 164 60 85 16 21 400 ) ) 人 6,000 448 426 異 動 500 人 口 600 ( ( 全 12,000 体 人 10,000 口 0 13,867 人口 出生 死亡 転入 転出 26 200 100 0 【表3】平成 17 年→平成 22 年の年齢階級別人口移動 40 20 0 -20 -40 -60 -80 -100 -120 -140 -160 20 9 4 -25 -22 3 -49 -62 -98 -28 8 -8 -8 1 -7 -7 -20 7 4 19 12 6 16 -5 -3 -19 9 3 -9 -16 -30 男性 -143 女性 2 5 -4 (産業) 本町の産業構造(就業人口)については、平成 22 年度の国勢調査による と、第一次産業(水産業・農業)が 709 人(12.5%)、第二次産業(建設業・ 製造業)が 1,666 人(29.3%)、第三次産業(卸売業・運送業・観光業)が 3,300 人(58.2%)となっている。 観光業を中心としたサービス業(22.4%)については、製造業(23.7%) に次いで多く、観光業は基幹産業の一つとなっている。 平成 19 年度の町内総生産が 273 億円、町内就業者数 4,432 人であったが、 平成 24 年度には、町内総生産 244 億円、町内就業者 3,913 人と減少し、産 業活動の低下がみられる。法人町民税も減少傾向で推移しており、平成 21 年度の約 4,000 万円が平成 26 年度には約 3,380 万円に減少している。 (観光) 国立公園に指定されている山陰海岸屈指の景勝地「浦富海岸」などの観光 資源に恵まれ、それらを活用した旅館・民宿、マリンレジャー体験などの観 光業が盛んである。 また、平成 22 年 10 月、 「浦富海岸」を含む山陰海岸ジオパークは世界ジ オパークネットワークに加盟認定され、京都府、兵庫県、鳥取県の1府2県 3市3町の共同で、パンフレットを作成するなど、一体的な観光資源として 圏域外へ情報発信し、観光入込客の拡大に向け積極的に取り組んでいる。 しかし、近年、海水浴客の減少等により、本町の平成 26 年観光入込客数 (実人数)は 152 千人(鳥取県観光客入込動態調査結果)であり、平成 14 年に 494 千人となって以降、大きく減少している(表4)。民宿を中心とし た宿泊施設についても、昭和 57 年の 199 件をピークに、年々減少しており、 平成 26 年末時点で 30 件と大きく減少している。 こうした中、山陰本線の鳥取県最東端の駅であり、海岸線から約 100 メー トル程度の距離に位置する「東浜駅」 (岩美町陸上)が、平成 29 年 3 月にデ ビューする豪華寝台列車であるトワイライトエクスプレス「瑞風」の立寄駅 に選ばれたところである(図1)。 「瑞風」は2泊3日コースが週1回、1泊 2日コースが週2回の週3回運行し、 「東浜駅」には2泊3日コースが週1 回、3 時間 45 分の間、停車し、年間 1,500 人程度の乗客が見込まれる。そ のため、 「瑞風」の乗客に地引網などの体験を楽しんでいただくために、体 験型観光メニューの整備に取り組んでいる。加えて、JR九州が運行する 「クルーズトレインななつ星in九州」の停車駅に整備されたレストラン 「火星」が停車日時以外も盛況であることから、東浜駅においても停車日時 以外にも、乗客向けの食事を提供するレストランを整備し、食事目当てに来 町する一般観光客や鉄道ファン等の多くの誘客を見込む。 3 【表4】岩美町の観光入込客数 600,000 400,000 494,000 462,000 441,000 273,000 200,000 0 (単位:人) 197,000 195,000 157,000 H12 H14 H16 H18 H20 H22 H24 152,000 H26 【図1】トワイライトエクスプレス「瑞風」路線図 4-2 地域の課題 (人口・産業) 人口減少や少子高齢化が進み、町内総生産、町内就業者数なども減少が続 いている。今後も少子高齢化、人口減少が進むことが予想されており、この ままでは、生産年齢人口の減少による産業活動の更なる低迷や集落機能の 維持が困難になるなどの問題の拡大が生じ、そのことによって人口流出、人 口減少が進むという悪循環に陥ることが懸念される。 そのため、人口減少の抑制や産業の振興による人口減少抑制につながる 雇用の維持が重要な課題となっている。 (観光) 観光入込客数の減少により、町民の雇用の場となっている宿泊施設数も 減少しているが、このままでは、宿泊施設数と観光入込客数が連鎖して減少 し続けるという悪循環が生じ、宿泊観光客の受入基盤である宿泊施設を喪 失することが懸念される。 こうした中、新たな観光誘客の起爆剤として期待されるトワイライトエ クスプレス「瑞風」を活かし、乗客以外の方も含めた観光入込客の増加を図 ることにより、現在の宿泊施設を維持し、雇用を確保することが課題となっ ている。 4-3 目標 トワイライトエクスプレス「瑞風」の立寄駅に「東浜駅」が選ばれたことを 4 契機として、観光客の受入体制の整備、効果的な情報発信を行うことで、観光 入込客数の拡大を図り、宿泊施設の維持、さらには人口減少の緩和を目指す。 【数値目標】 目標1 観光入込客数: 直近 3 年平均(平成 23~25 年度)206 千人 → 平成 31 年度 300 千人 目標2 町内宿泊施設: 平成 27 年度 29 施設 → 平成 31 年度 29 施設 目標3 人口: 平成 27 年度 11,468 人 → 平成 31 年度 11,008 人 参考:国立社会保障・人口問題研究所推計 10,693 人(平成 32 年度) 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概要 トワイライトエクスプレス「瑞風」の立寄駅に「東浜駅」が選ばれたことを 契機として、旬の農海産物を提供するレストランを整備するとともに、東浜駅 からレストランまでを結ぶ海岸線を散策できる遊歩道の整備(図2)、観光ス ポットを巡る二次交通手段の整備、 「東浜駅」のトイレの改修を行うなど、観 光客の受入体制を整備する。 また、岩美町観光協会や魅力発信の拠点として整備中のコミュニティカフ ェとのタイアップ等による効果的な情報発信を行う。 【図2】東浜駅、レストラン、遊歩道の位置図 東浜駅 レスト ラン 遊歩道 海 5-2 特定政策課題に関する事項 該当なし 5-3 法第5章の特別の措置を適用して行う事業 該当なし 5 岸 5-4 その他の事業 5-4-1 地域再生基本方針に基づく支援措置 地域再生戦略交付金(内閣府):【B2003】 ① 独自の取組として実施する事業(地域再生戦略交付金を活用して 行う事業) イ レストラン開設事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」の乗客や岩美町を訪 れる一般観光客をターゲットに、岩美町をはじめ鳥取県 内の旬な農海産物を食材に使用した食事を提供するため の「レストラン」を東浜駅から約 150m の位置に開設する ことにより、観光入込客数の拡大を図り、宿泊施設の維持、 さらには人口減少の緩和を目指すもの。 このレストランは、 「瑞風」停車時にはJRが考える豪華 寝台列車に見合った食事を乗客向けに提供するとともに、 「瑞風」が停車しない日程にも一般向けに同様の食事を 提供するものであり、この食事を目当てにした一般観光 客や鉄道ファンの誘客が期待できる。なお、現在は子育て 広場として使用している「旧東浜保育所」施設を保育施設 としては閉鎖し、レストランとして新規活用するために 施設の一部を改修し、町が整備するもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 28 年度 ② 独自の取組と密接に関連して実施する事業(連動して実施する他 省庁の補助事業) イ-1 近畿自然遊歩道整備事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」停車を契機とする岩 美町の知名度アップを活かして観光客の入込数を増やす ため、東浜駅からレストランまでの間やその周辺の美し い海岸線を散策できる遊歩道を整備し、観光地としての イメージアップを図るもの。 実施主体:鳥取県 国の補助制度:自然環境整備交付金事業<環境省> 事業期間:平成 28 年度 イ-2 町道陸上中央線落石防止事業 事業概要:国道 178 号線からトワイライトエクスプレス「瑞風」停 車が停車するJR東浜駅に通じる町道陸上中央線の沿線 にある「西脇海岸」は、岩美町の観光ポスターにも使用す る絶景スポットとなっており、多くの観光客が訪れてい る。 「西脇海岸」周辺に設置している落石防止網が老朽化 して町道へ落石の危険があるため、観光客等の安全を確 6 保し、観光地としてのイメージアップを図り、観光客の入 込数を増やすため、落石防止網の整備を行うもの。 実施主体:岩美町 国の補助制度:社会資本整備総合交付金(防災安全交付金)<国土 交通省> 事業期間:平成 28 年度 イ-3 ジオパークパークアンドライド実証事業(仮称) 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」の乗客や岩美町を訪 れる観光客が岩美町の観光スポットを巡る移動手段とし て電気自動車(1人乗り) ・電動アシスト自転車を町内数 箇所に整備し、観光地としてのイメージアップ、観光入込 客数の増加を図る。 併せて、交通用具(ガソリン等を使用する自動車等)の CO2 を削減して環境への負荷を低減する。 実施主体:鳥取県 国の補助制度:CO2 排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業 <環境省> 事業期間:平成 28 年度~平成 30 年度 5-4-2 支援措置によらない独自の取組 イ 近畿自然遊歩道整備事業(単独事業) 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」停車による岩美町の 知名度アップを活かした観光客の入込数を増やすため、 近畿自然遊歩道整備事業の国庫対象とならない遊歩道の 整備を行うもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 28 年度 ロ JR東浜駅前公衆便所改修事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」の乗客や岩美町を訪 れる観光客の利便性の向上と観光地としてのイメージア ップを図り、観光客の入込数を増やすため、老朽化した駅 前公衆便所の改修(男女別・多目的トイレの設置)を行う もの。 実施主体:岩美町 国の補助制度:過疎債(総務省) 事業期間:平成 28 年度 ハ 浦富海岸景観改善事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」の乗客や岩美町を訪 れる観光客が海岸を散策する際の景観を保全し、観光地 7 としてのイメージアップを図り、観光客の入込数を増や すため、支障となる廃屋・支障木の撤去を行うとともに、 東屋・ベンチを整備し、岩美町の自然を満喫していただく。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 28 年度 ニ JR東浜駅周辺美化事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」の乗客やJR東浜駅 を訪れる観光客をおもてなし、観光地としてのイメージ アップを図り、観光客の入込数を増やすため、花壇・プラ ンターなどの設置を行うもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 28 年度 ホ JR東浜駅景観対策事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」の乗客やJR東浜駅 を訪れる観光客の乗降の際の景観を改善し、観光地とし てのイメージアップを図り、観光客の入込数を増やすた め、現在JR東浜駅前に設置されている石碑・公衆電話B OXなどの移転を行うもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 28 年度 ヘ トワイライトエクスプレス「瑞風」受入対策事業 事業概要:トワイライトエクスプレス「瑞風」のお客様のおもてな し及びレストランでの食事提供を円滑に実施し、新たな 雇用創出と宿泊客数の増加を図るため、現在JR九州で 運行されている「ななつ星」関連施設等の視察やレストラ ンで提供する食事メニューの研修などを行うもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 31 年度 ト 新体験型観光メニュー開発事業 事業概要:岩美町における新たな体験型観光メニューを開発し、観 光客の入込数を増やすため、地曳網(400m・引手 30 人) 体験メニューの作成を行うもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 28 年度 チ 外国人観光客受け入れ態勢整備事業 事業概要:本町への外国人観光客の誘客を増やすため町内の観光 施設への WiFi 設置、多言語表示看板の設置を行うもの。 8 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 31 年度 6 リ 観光振興補助事業 事業概要:本町の観光振興を図るため、岩美町観光協会が行う、圏 域外での観光PRイベント等の開催や協会ホームペー ジ・SNSを活用した観光情報の発信等の取組(「瑞風」 ともタイアップした発信)に対して補助を行うもの。 実施主体:岩美町 事業期間:平成 27 年度~平成 31 年度 ヌ 結婚記念写真撮影費助成事業 事業概要:町内の観光スポットで撮影した結婚記念写真を町ホー ムページで公開するとともに、観光PRイベント等で紹 介することで、町の魅力をPRして観光誘客を図るため、 岩美町内で結婚記念写真を撮影する夫婦(又はカップル) に対して撮影代金の一部を助成するもの。 実施主体:岩美町 国の補助制度:地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金<内閣 府> 事業期間:平成 27 年度~平成 29 年度 ル 地域交流促進型コミュニティビジネス支援事業 事業概要:本町の魅力発信を図るため、移住者が岩美町の魅力を町 外者に発信する拠点施設として、コミュニティカフェの 整備に要する費用の一部を助成するもの。 実施主体:岩美町 国の補助制度:地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金<内閣 府> 事業期間:平成 27 年度 計画期間 地域再生計画認定の日から平成 32 年 3 月 31 日まで 7 目標の達成状況に係る評価に関する事項 7-1 目標の達成状況にかかる評価の手法 目標1 観光入込客数について、毎年、観光客入込動態調査により把握する。 目標2 宿泊施設数については、随時、把握する。 目標3 人口については、毎年、人口動態調査により把握する。 9 7-2 目標の達成状況にかかる評価の時期及び評価を行う内容 関連事業 基準年度 H28 年度 H29 年度 中間目標 H30 年度 H31 年度 最終目標 目標1 観光入込客 数 目標2 宿泊施設数 レストラ ン改修事 業 外 14 事業 (直近 3 年 平均) 206 千人 240 千人 260 千人 280 千人 300 千人 (H27 度) 29 施設 29 施設 29 施設 29 施設 29 施設 (H27 度) 11,468 人 11,353 人 11,238 人 11,123 人 11,008 人 目標3 人口 7-3 目標の達成状況にかかる評価の公表の手法 目標達成に係る評価については、鳥取県岩美郡岩美町のホームページにお いて毎年 7 月末に公表する。 8 構造改革特別区域計画に関する事項 該当なし 9 中心市街地活性化基本計画に関する事項 該当なし 10 産業集積形成等基本計画に関する事項 該当なし 10