...

ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの現状

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの現状
報道発表資料
平成 22 年 5 月 18 日
独立行政法人国民生活センター
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの現状について(2010 年)
1.目的
国民生活センターでは、一口サイズのいわゆる「ミニカップ」に入ったこんにゃく入り
ゼリーについて、乳幼児や高齢者の窒息事故が相次いだことから、1995 年以降繰り返しテ
スト結果や警戒情報を公表してきた1)。
政府は、2008 年 10 月の消費者安全情報総括官会議において「こんにゃく入りゼリーに
よる窒息事故の再発防止について」
(平成 20 年 10 月 16 日申合せ)を取りまとめ、この中
で「独立行政法人国民生活センターは、表示、形状、物性、販売方法などの改善状況につ
いて適時把握を行い、関係機関及び一般消費者に対して情報提供を行う」とされた。
今回、昨年の公表より1年が経過していることから、消費者庁の依頼に基づき、こんに
ゃく入りゼリーについて、表示、形状、物性、販売実態の調査とともに事業者へのアンケ
ート調査を実施した。
2.調査実施期間
2010 年 1 月~4 月
3.調査対象
(1)販売実態調査
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県のスーパーマーケット、ドラッグストア、100
円ショップ、ディスカウントショップ合計 225 店舗の調査を行った。
また、インターネット通信販売の大手ショッピングモールの店舗を中心とした、35
店舗におけるミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの販売実態を調査した。
(2)物性及び表示
販売実態調査の結果、2010 年 2 月現在販売が確認された 5 社及びインターネット通
信販売で確認された 2 社の計 7 社のミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー27 銘柄
について、調査を行った(参考資料 1 及び 2 参照)。なお、調査に用いた商品は、2010
2)
年 2 月 15 日~26 日の間に製造・販売元より直接購入した。
1)
2009 年 1 月 8 日付当センター公表資料「ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの現状について」を参照。
(http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20090108_1.html)
2)
2010 年 2 月現在に市場で販売が確認されたが、それ以前に製造・販売元が販売を終了(もしくは中止)していた
銘柄(各メーカーへの聞き取りによる)及び個別のフレーバーで販売されている商品を詰め合わせたミックスタイプ
の銘柄については、テスト対象としなかった。なお、テストの対象とした商品には、製造者もしくは販売者(輸入者)
及び商品の名称が同じで、表示等のデザインもよく似ており、フレーバーのバリエーションが異なるものがパッケー
ジングされている商品が複数存在するものがある。本報告書では、個別にパッケージングされたそれら個々の商品を
「銘柄」とした。
1
(3)アンケート調査
物性及び表示の調査を行った当該 7 社については、出荷量や出荷の際に小売業者に
対し行っている陳列場所や警告表示に関する依頼等についてアンケートを実施した。
さらに、販売実態調査を行った店舗のチェーン本部を中心とする 40 社に対して、商
品の陳列場所や警告表示の掲示等に関するアンケート調査を実施した。
4.販売実態調査
農林水産省より全国こんにゃく協同組合連合会、全国菓子工業組合連合会及び全日本菓
子協会の業界 3 団体に対し出された「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故防止に向けた
対策の強化について」
(平成 20 年 9 月 30 日)によれば、ミニカップタイプのこんにゃく入
りゼリーの販売については「小売店における注意事項の掲示を行うことや子供向け菓子類
と一緒に販売しないことなど、販売業者に協力を要請し、販売の際にも事故の防止の工夫
を行うこと」とされ、これを受けて業界団体より出された販売方法の改善では、「小売業、
卸売業の団体に、
(中略)店頭において警告表示の掲示、子供向け菓子と一緒に販売しない
などの取組に、傘下企業の協力をお願いする」とされている。また、その後も内閣府、厚
生労働省及び農林水産省より業界団体に対し「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再
発防止策について」(平成 20 年 10 月 21 日)、「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再
発防止策の周知徹底について」(平成 21 年 1 月 8 日)などにより、関係者による再発防止
に向けた取組について重ねて協力要請が行われてきたところである(参考資料 3 参照)。
今回、実際にミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売している小売店を訪れ、
これらの指針に沿った販売が為されているかを調べた。
(1)調査地域・対象店舗及び販売状況
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーは、ドラッグストアやディスカウントショ
ップでは、高い割合で販売されていた
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県のスーパーマーケット、ドラッグストア、100
円ショップ、ディスカウントショップを対象にミニカップタイプのこんにゃく入りゼ
リーの販売実態調査を行った。また参考として、東京都を中心に輸入食品を多く扱っ
ている小売業者(以下、輸入食品店と記載)の調査も行った(表 1 及び 2)。
その結果、スーパーマーケットや 100 円ショップでは、調査店舗の 4 分の 1 程度で
販売されていたが、ドラッグストアでは 77.5%、ディスカウントショップでは 96.8%
と高い割合で販売されていた。
表1.調査地域・店舗数内訳
都県
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
合計
店舗数
84
57
44
40
225
2
表2.ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売している店舗数
販売している店舗数
カテゴリー
調査店舗総数
総合
225
117 ( 52.0
%)
スーパーマーケット
52
13 ( 25.0
%)
ドラッグストア
80
62 ( 77.5
%)
100円ショップ
43
12 ( 27.9
%)
ディスカウントショップ
31
30 ( 96.8
%)
輸入食品店(参考)
19
0 ( 0.0
%)
※括弧内の数値は各カテゴリー内でのパーセンテージ。
なお、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売していた 117 店舗において
確認できたのは、5 社の製品であった(表 3)。
表3.販売されていたミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー
製造者または
販売者(輸入者)
銘柄
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
蒟蒻のおかげ
販売していた店舗数
(117店舗中の%)
㈱アイプティ
10 (8.5%)
㈱下仁田物産
11 (9.4%)
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
㈱ハーベスト
2 (1.7%)
すらっとこんにゃくゼリー
富士正食品㈱
2 (1.7%)
蒟蒻畑(ライト含む)
㈱マンナンライフ
95 (81.2%)
※複数の銘柄を販売していた店舗があったため、
「販売していた店舗数」の合計は 117 を超える。
(2)警告表示の掲示について
警告表示を掲示して販売していた店舗は、全体の 3 割以下であった
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売していた店舗における警告表示の
掲示の有無について調べた(表 4)。
表4.販売していた店舗における警告表示の掲示の有無
カテゴリー
調査
店舗数
総合
117
21 ( 18.0 % )
13 ( 11.1 % )
83 ( 70.9 % )
スーパーマーケット
13
3 ( 23.1 % )
1 ( 7.7 % )
9 ( 69.2 % )
ドラッグストア
62
14 ( 22.6 % )
1 ( 1.6 % )
47 ( 75.8 % )
100円ショップ
12
0(
0(
0 %)
12 ( 100 % )
ディスカウントショップ
30
4 ( 13.3 % )
11 ( 36.7 % )
15 ( 50.0 % )
警告表示あり
0 %)
簡易な警告表示あり
警告表示なし
※店舗に「~お願い~ お子様や高齢者の方はたべないでください 本品は弾力性があり、そしゃく力の弱い高齢者や小
さなお子様はのどに詰まるおそれがあります」という内容の警告表示の掲示があるか否かを調べた。ただし、表示の文
字が小さく読みづらいものやなぜ食べてはいけないのかの理由の記載のないもの、
「食べる時、気をつけてください」等
の子どもや高齢者が「食べてはいけない」という注意点が明確に読み取れないものは「簡易な警告表示あり」と判定し
た。なお、括弧内の数値は各カテゴリー内でのパーセンテージ。
3
その結果、商品の陳列場所に警告表示を掲示して販売していたのは、簡易なものも
あわせて、3 割以下であり、7 割以上の店舗では警告表示を確認できなかった。
また、警告表示を掲示している多くの店舗では、業界団体推奨で、現在多くの商品
のパッケージ前面にプリントされている警告表示と同じ文面の「~お願い~
や高齢者の方はたべないでください
お子様
本品は弾力性があり、そしゃく力の弱い高齢者
や小さなお子様はのどに詰まるおそれがあります」と記載された張り紙等を行ってい
たが、一部の店舗では、
「子どもや高齢者の方は食べないで」という表示が非常に小さ
く読み難いところやなぜ食べてはいけないのかの理由の記載のないもの、「食べる時、
気をつけてください」等の子どもや高齢者が「食べてはいけない」という注意点が明
確に読み取れないものなども見られた。
(3)陳列場所について
ドラッグストアでは、バランス栄養食品や健康食品と同じ場所で売られている場合が
多かったが、その他では菓子売り場で売られている場合が多く、普通のゼリーと一緒
に売られていることも少なくなかった
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの陳列場所については、ドラッグストア
では主にバランス栄養食品とともに並べられていたが、スーパーマーケット、100 円シ
ョップ、ディスカウントショップでは、ほとんどが菓子売り場やその直近に配置され
ていた(表 5)。
表5.陳列場所及び警告表示の有無
警告表示の有無
カテゴリー
ー ー
ー ッ
マ
ケ
調査店舗数
カテゴリー
合計
警告表示あり
簡易な
警告表示なし
警告表示あり
ス
パ
13(11)
3 (3)
1 (1)
9 (7)
4 (1)
2 (0)
1 (0)
1 (1)
53 (2)
11 (0)
0
42 (2)
5 (0)
1 (0)
0
4 (0)
11 (7)
0
0
11 (7)
その他
1 (1)
0
0
1 (1)
菓子売り場
23(14)
3 (2)
9 (6)
11 (6)
6 (1)
1 (0)
2 (1)
3 (0)
1 (0)
0
0
1 (0)
菓子売り場
13(11)
ト
ッ
ド
ラ
バランス栄養食品・
健康食品売り場
グ
ス
ト
ア
62 (3)
その他
ョッ
シ 1
0
0
プ円
ィ
デ
ョッ
シ
菓子売り場
ス
カ
ウ
プ
ン
ト
菓子売り場
バランス栄養食品・
健康食品売り場
その他
12 (8)
30(15)
※括弧内の数字は、普通のゼリーと同じ売り場にあった店舗数。警告表示については表 4 注釈参照。
4
また、ドラッグストアでは、ミニカップタイプのゼリーは、ほとんどこんにゃく入
りゼリーのみの販売だったのに対して、スーパーマーケット、100 円ショップ、ディス
カウントショップでは、その半数程度の店舗で普通のミニカップゼリーと一緒に販売
されており、中でもスーパーマーケットでは、その比率が高かった。
なお、商品を陳列している位置は、販売を確認した 117 店舗中 87 店舗(74.4%)が、
子どもの視界に入りやすいと思われる下段であった(表 6)。
表6.こんにゃく入りゼリーの陳列位置について
カテゴリー
調査
店舗数
総合
117
9 ( 7.7 % )
21 ( 17.9 % )
87 ( 74.4 % )
スーパーマーケット
13
4 ( 30.8 % )
1 ( 7.7 % )
8 ( 61.5 % )
ドラッグストア
62
1 ( 1.6 % )
8 ( 12.9 % )
53 ( 85.5 % )
100円ショップ
12
1 ( 8.3 % )
3 ( 25.0 % )
8 ( 66.7 % )
ディスカウントショップ
30
3 ( 10.0 % )
9 ( 30.0 % )
18 ( 60.0 % )
上段
中段
下段
※括弧内の数値は各カテゴリー内でのパーセンテージ。
5.インターネット通信販売の販売実態調査
通信販売に関しては、先に記載した販売に関する指針が出されている小売業等に該当し
ないが、販売に際しては、同様の配慮が為されることが望ましい。そこで、インターネッ
ト通信販売における販売実態について調べた。
(1)調査対象店舗及び販売状況
大手ショッピングモールでは、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーが複数の店
舗で購入可能であった
インターネット通信販売の大手ショッピングモールである楽天市場、Yahoo!ショッ
ピング、Amazon.co.jp において、「こんにゃくゼリー」及び「こんにゃく入りゼリー」
のキーワードで検索し、確認できたミニカップタイプの商品を販売していた 32 店舗及
びミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの製造者もしくは販売者のホームページ
表7.調査店舗数内訳
調査店舗総数
ショッピングモール
総合
35
楽天市場
19
Yahoo!ショッピング
11
Amazon.co.jp
2
直販系
3
5
からリンクされていた通信販売サイト(以下、直販系と呼ぶ)3 店舗を併せた、計 35
店舗3)について調査を行った(表 7)。
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売していた 35 店舗において確認でき
たのは、6 社の製品であった(表 8)。
表8.販売されていたミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー
製造者または
販売者(輸入者)
銘柄
販売していた店舗数
(35店舗中の%)
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
やっぱり安心
ゼロカロゼリー
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
㈱アイプティ
1 (2.9%)
サニーヘルス㈱
3 (8.6%)
㈱ハーベスト
1 (2.9%)
すらっとこんにゃくゼリー
富士正食品㈱
4 (11.4%)
ミニカップゼリー
㈱フルーツバスケット
9 (25.7%)
蒟蒻畑
㈱マンナンライフ
18 (51.4%)
※複数の銘柄を販売していた店舗があったため、
「販売していた店舗数」の合計は 35 を超える。
(2)警告表示等について
65%の店舗では、警告表示を記載して販売していた
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売していた店舗における警告表示の
有無について調べた(表 9)。
表9.販売していた店舗における警告表示の有無
ショッピングモール
総合
調査
店舗数
35
警告表示あり
21 ( 60.0
簡易な警告表示あり
%)
2 ( 5.7
%)
警告表示なし
12 ( 34.3
% )
※商品の購入ページに「お願い お子様や高齢者の方はたべないでください 本品は弾力性があり、そしゃく力の弱い高
齢者や小さなお子様はのどに詰まるおそれがあります」という内容の警告表示の記載があるか否かを調べた。ただし、
子どもや高齢者が「食べてはいけない」という注意点が明確に読み取れないものや、
「吸い込まずによく噛んでお召し上
がりください」等の食べる際の注意点しか記載されていない場合は「簡易な警告表示あり」と判定した。
その結果、商品の購入ページにおいて警告表示を記載して販売していたのは、簡易
なものもあわせて 65%を超えていた。
また、警告表示を記載していた多くの店舗では、「お子様や高齢者の方はたべないで
ください」「本品は弾力性があり、そしゃく力の弱い高齢者や小さなお子様はのどに詰
まるおそれがあります」という 2 点を網らしていた。さらに、
「国民生活センターでは
「お子様や高齢の方には与えないように」と注意喚起しています。」という部分を引用
3)
同一の運営会社から複数のショッピングモールに出店されている場合があるが、ショッピングモールにより表示し
ている内容等が異なっている場合があるため、本調査では、それぞれ 1 店舗とみなし調査を行った。なお、調査結果
は 2010 年 4 月上旬時点のものである。また、本調査は、当該ショッピングモールにおいてこんにゃく入りゼリーを
販売している全ての店舗を調べたものではない。
6
していた店舗も 9 店舗あった。商品パッケージ前面に表示されている警告表示の文章
とイラストをそのまま表示していた店舗も 3 店舗あった。ただし、表示文の文字の大
きさ等については、店舗によって大きな差が見られ、赤字や太字、囲みなどで表示し
ている店舗がある一方、商品の説明文の中に盛り込んでいるような店舗もあった。
商品にこんにゃくが使用されていることが判る表示または記述があるかを調べたと
ころ、原材料の記述がなかった店舗は 13 店舗あり、その内、商品名以外にはこんにゃ
くに関する記述がない店舗が 6 店舗あった(表 10)。さらに、6 店舗中 5 店舗では、警
告表示の記載もなかった。
表10.こんにゃくが使用されている旨の記述の有無
何らかの記述がある
原材料表示のなかった13店舗中
7 ( 20.0
%)
商品名のみ
6 ( 17.1
%)
6.物性及び表示について
今回テスト対象としたのは、販売実態調査で確認された 5 社及びインターネット通信販
売で確認された 2 社4)、合計 7 社の 27 銘柄である(表 11)。
表11.テスト対象銘柄一覧(7 社 27 銘柄)
製造者または
販売者(輸入者)
銘柄
原産国
ナタデココ入りこんにゃくゼリー
(ブドウ味☆、マンゴー味☆、青リンゴ味☆、ライチ味☆)
輸入者
㈱アイプティ
やっぱり安心 ゼロカロゼリー☆
販売者
サニーヘルス㈱
―
蒟蒻のおかげ
(ぶどう☆、ピーチ☆、りんご☆)
製造者
㈱下仁田物産
―
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
(ぶどう味☆、ピーチ味☆、マンゴー味、りんご味☆、ライチ味)
販売者
㈱ハーベスト
―
すらっとこんにゃくゼリー
(グレープ☆、ピーチ☆、マンゴー☆、青りんご☆、オレンジ☆)
製造者
富士正食品㈱
―
フルーツバスケットミニカップゼリー
(ぶどう、りんご、みかん、野菜ミックス)
販売者
㈱フルーツバスケット
―
蒟蒻畑
(ぶどう味☆、白桃味☆、りんご味☆、マスカット味、オレンジ味)
製造者
㈱マンナンライフ
―
台湾
☆:2009 年 1 月公表時と同じ銘柄名で販売されていた銘柄(6 社 19 銘柄)
-:記載なし
※このテスト結果は、テストのために購入した商品のみに関するものである。
4)
インターネット通信販売の大手ショッピングモールである楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.co.jp におい
て、
「こんにゃくゼリー」及び「こんにゃく入りゼリー」のキーワードで検索し、確認できたミニカップタイプの商
品を販売していたところ(2010 年 1 月下旬時点)
。
7
(1)物性について
1)かたさ・弾力性
現在販売されている商品は銘柄によりかたさや弾力性が異なり、1 社の商品は、普通の
ゼリーと比べてもやわらかかった。また、2009 年 1 月に公表した 6 社については、2
社の商品を除き、ほとんど変わっていなかった
恒温恒湿室内(室温 20℃、湿度 60%RH)で、ゼリーの表面が破断したときの力(か
たさ)とゼリーの表面が陥没し破断するまでの距離(弾力性)を測定した(図 1)。
図 1.ゼリーのかたさと弾力性
◆2009 年 1 月公表
◆2007 年 7 月公表
*2007 年 7 月公表
普通のゼリー
◆1997 年公表
×1997 年公表
普通のゼリー
○2007~2008 年に
事故が起こった銘柄
●過去に事故報告の
あった銘柄
●過去に事故報告の
あったソフトタイプ
800
600
400
1200
◆2010 年 2 月測定
1000
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
800
かたさ(gf)
1000
かたさ(gf)
かたい
かたい
1200
やっぱり安心
ゼロカロゼリー
600
すらっと
こんにゃくゼリー
400
蒟蒻のおかげ
200
200
0
0
0
5
10
15
弾力性(mm)
20
蒟蒻畑
フルーツバスケット
ミニカップゼリー
0
25
大きい
5
収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー
10
15
弾力性(mm)
20
25
大きい
図2.2009 年 1 月調査時の商品との比較
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
やっぱり安心
ゼロカロゼリー
やっぱり安心
ゼロカロゼリー
蒟蒻のおかげ
蒟蒻のおかげ
収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー
収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー
すらっと
こんにゃくゼリー
すらっと
こんにゃくゼリー
蒟蒻畑
蒟蒻畑
0
20
40
0
60 80 100 120 140 160
かたさ(%)
20
40
60
80
弾力性(%)
100
120
※旧商品と比べ、今回購入した商品のかたさ及び弾力性がそれぞれ何%になっているかを示した。棒グラフは、その銘柄名の商品の平
均値を表しており、グラフから伸びるライン(
)はフレーバーによるばらつきの範囲を表している。なお、比較しているもの
は 2009 年 1 月公表時にテストをしたフレーバーについてのみである。
8
その結果、かたさや弾力性は、メーカーによって非常に幅があり、今回新たに調査
した「フルーツバスケットミニカップゼリー」は、かたさ、弾力性とも非常に小さく、
過去に調査した普通のゼリーと比べてもやわらかく、弾力性も小さかった。
また、2009 年 1 月公表の対象銘柄と同じ銘柄名で販売されていた 6 社 19 銘柄(表
11 参照)については、2009 年 1 月公表時と今回のデータを比較した(図 2)。
「ナタデココ入りこんにゃくゼリー」は、かたさがわずかに増したと思われたが、
弾力性はほとんど変わっていなかった。
「やっぱり安心
ゼロカロゼリー」は、かたさ、弾力性ともほとんど変っていなか
った。
「蒟蒻のおかげ」は、かたさ、弾力性ともほとんど変わっていなかった。
「収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー」は、弾力性はほとんど変わっていないが、かたさが
2009 年公表時に比べ 3 割強増しており、
「蒟蒻のおかげ」とほぼ同程度になっていた。
「すらっとこんにゃくゼリー」は、かたさが全体的に若干やわらかくなり、弾力性
もわずかに低下していた。
「蒟蒻畑」は、かたさ、弾力性ともほとんど変っていなかった。
以上、現在販売されている商品は、
「すらっとこんにゃくゼリー」では若干やわらか
く、
「収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー」ではややかたさが増していたが、この 2 社の銘柄を
除いては、前回の調査とほとんど変わっていなかった。
2)形状・大きさ
①形状
ゼリーの形状は、多種多様あるが、2009 年 1 月に公表の対象銘柄についてはその形状
が大幅に変更されていたものはなかった
形状では、フタに接している部分(最大径を持つ)は、7 社中 6 社の 22 銘柄(「ナタ
デココ入りこんにゃくゼリー」「やっぱり安心
穫のおかげ
ゼロカロゼリー」「蒟蒻のおかげ」
「収
蒟蒻ゼリー」「すらっとこんにゃくゼリー」「フルーツバスケットミニカ
ップゼリー」の全銘柄)が円形だった。その他には、崩れたハート型(「蒟蒻畑」の 5
銘柄)のものが見られた(参考資料 2 参照)。
ゼリー自体の形状は、各社様々であるが、バケツの様な底のややすぼまった円柱状
でひだ・ミゾのあるものが 3 社 10 銘柄(「やっぱり安心
ゼロカロゼリー」
「すらっと
こんにゃくゼリー」「フルーツバスケットミニカップゼリー」の全銘柄)、円すいの様
な形状でひだ・ミゾのあるものが 2 社 8 銘柄(「蒟蒻のおかげ」「収穫のおかげ
蒟蒻
ゼリー」の全銘柄)あった。その他には、半球状のものが 4 銘柄(「ナタデココ入りこ
んにゃくゼリー」の全銘柄)、フタに接している部分も底の形状もハート型のもの(ハ
ート柱)が 5 銘柄(「蒟蒻畑」の全銘柄)あった(参考資料 2 参照)。
なお、2009 年 1 月公表時と同じ銘柄名で販売されていた 6 社 19 銘柄(7 ページ表
9
11 参照)についてみてみると、形状が大幅に変更されていたものはなかった。
また、2009 年 1 月公表時に㈱アイプティより販売されていた立方体のような形状の
ゼリーは販売が中止されていた。
②最大径と体積
最大径と体積の傾向は、過去のテスト結果と比べほとんど変わらなかった
フタに接している部分の最大径とゼリーの体積を調べた(図 3 左)。また、2007 年 7
月以降に同じ銘柄名で販売されていた商品は、2007 年 7 月公表時、2009 年 1 月公表
時及び今回のデータを重ねて比較した(図 3 右)。
30
25
25
体積(cm )
30
△
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
+ やっぱり安心
ゼロカロゼリー
□ 蒟蒻のおかげ
○ 収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー
* すらっと
こんにゃくゼリー
◇ 蒟蒻畑
青色:今回のテスト結果
緑色:2009 年 1 月公表
橙色:2007 年 7 月公表
3
3
体積(cm )
図3.ゼリーの最大径と体積
◆2010 年 2 月測定
◆2009 年 1 月公表
◆2007 年 7 月公表
*2007 年 7 月公表 普通のゼリー
◆1997 年公表
×1997 年公表 普通のゼリー
○2007~2008 年に
事故が起こった銘柄
●過去に事故報告の
あった銘柄
●過去に事故報告の
あったソフトタイプ
20
15
20
15
10
10
2
3
4
5
2
3
4
最大径(cm)
最大径(cm)
現在販売されている商品の全体の傾向としては、過去に公表したときと同様、銘柄
により大きさや形状は様々であった。また、2007 年 7 月以降に同じ銘柄名で販売され
ていた商品については、大きさや形状に大幅な変更があったものは少なく、最大径や
体積もほとんど変わらなかった。
ゼリーの最大径と体積については、過去に国民生活センターで行ったテスト結果と
同様に銘柄によるばらつきが大きいが、どの銘柄も一口で食べることが可能であると
考えられた。
(2)表示について
農林水産省より業界 3 団体に対し出された「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故
防止に向けた対策の強化について」
(平成 20 年 9 月 30 日付:参考資料 3 参照)の中で、
商品の表示については、
「警告マークや注意メッセージの表示については、その大きさ
10
5
「個包装(カップ)に
を大きくし、警告文を大きく商品前面に記載する」こと、また、
も警告のための表示を行なう」こととされている。
また、農林水産省からの通知を受けて、平成 20 年 10 月 3 日に業界 3 団体連名で出
された「一口タイプのこんにゃく入りゼリーの事故防止強化策について」(参考資料 3
参照)では、商品の前面に大きな白抜きの四角スペースを設けて、
「~お願い~
小さ
なお子様や高齢者の方は絶対に食べないで下さい。本品は弾力性があり、そしゃく力
の弱い小さなお子様や高齢者はのどに詰まる恐れがあります。」という文章での警告表
示を行うこととされ、裏面の警告表示枠内の文字を大きくし、
「凍らせないこと」と「召
し上がり方についての注意」も表示事項として追加するとしている。
さらに、個々のミニカップのフタ部分にも、警告マーク(文章入り)又は「お子様
や高齢者の方は食べないで下さい。
」という表示を大きくはっきりと分かるように行う
としている。
なお、この取り組みに関しては、その後も内閣府、厚生労働省及び農林水産省より
業界団体に対し「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止策について」
(平成
20 年 10 月 21 日)、
「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止策の周知徹底に
ついて」(平成 21 年 1 月 8 日)などにより、関係者による再発防止に向けた取組につ
いて重ねて協力要請が行われてきたところである(参考資料 3 参照)
。
購入した銘柄が、上記の「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故防止に向けた対策
の強化について」
(平成 20 年 9 月 30 日付)に対応しているか、パッケージの警告表示
の内容等を調べた。
1)「フルーツバスケットミニカップゼリー」について
「フルーツバスケットミニカップゼリー」は、外装パッケージや個包装に警告表示が
記載されておらず、原材料表示以外でこんにゃくが使用されていることがわかりにく
かった。ただし、ゼリー自体はとてもやわらかいものであった
「フルーツバスケットミニカップゼリー」の 4 銘柄については、原材料に「こんに
ゃく粉」と記載されているが、こんにゃくが使用されていることが分かる警告表示は
なく、業界団体が推奨する警告表示等がされていなかった。ただし、ゼリー自体の物
性は、過去に国民生活センターで調査した普通のゼリーと比べてもやわらかく、弾力
性も小さかった(「(1)物性について」参照)
。
2)袋おもて面の警告内容の明確化及び警告マークの拡大について
1 社以外は、外装パッケージの表面に大きな警告絵表示等が、また裏面には大きく取り
扱い等が記載されていた
テストをした 7 社中 6 社で、パッケージへの印刷により業界団体が推奨する警告表
示に対応していた(表 12 及び参考資料 2 参照)。
11
3)袋の裏面の警告表示等の改善について
1 社以外は、「子どもや高齢者は食べない」や「凍らせないこと」については表示され
ていた
「子どもや高齢者は食べない」や「凍らせないこと」については、7 社中 6 社の商品
で表示されていた。また、「吸い込まない」についても、7 社中 6 社の商品で表示され
ていた(表 12 及び参考資料 2 参照)。
4)個包装の表示の改善について
ほとんどのメーカーでは、ミニカップのフタ部分に警告表示をしていた
個々のミニカップのフタ部分にも、警告マーク(文章入り)又は「お子様や高齢者
の方は食べないで下さい。」という表示を大きくはっきりと分かるように表示していた
のは 7 社中 5 社の商品であった(表 12 及び参考資料 2 参照)。また、
「収穫のおかげ
蒟
蒻ゼリー」は、銘柄ごとに異なり、ピーチ味には警告マーク(文章入り)がプリント
されていたが、ぶどう味とりんご味には、「底をつまみ、押し出して吸い込まずにお召
上がりください。」と文章のみがプリントされており、マンゴー味とライチ味には警告
表示がなかった。
表12.パッケージ及びミニカップのフタの表示内容
製造者または
販売者・輸入者
銘柄
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
やっぱり安心
2
ゼロカロリー
1
3 蒟蒻のおかげ
収穫のおかげ
蒟蒻ゼリー
すらっと
5
こんにゃくゼリー
フルーツバスケット
6
ミニカップゼリー
4
7 蒟蒻畑
外装パッケージ表面
警
告
表
示
容器・包装の表示
外装パッケージ裏面
子どもの手
子どもや のどに
万が一 吸い込 凍らせ の届くとこ
高齢者は 詰まる
の対応 まない ない ろに保管し
食べない 危険性
ない
ミニカップのフタ
警告表示
その他
の表示
原
産
国
㈱アイプティ
あり
○
○
○
○
○
○
○
凍らせないで
ください
台湾
サニーヘルス㈱
あり
○
○
○
○
○
○
○
―
-
㈱下仁田物産
あり
○
○
○
○
○
○
○
―
-
㈱ハーベスト
あり
○
○
○
○
○
○
富士正食品㈱
あり
○
○
○
○
○
㈱フルーツバス
ケット
なし
×
×
×
×
㈱マンナンライフ
あり
○
○
○
○
○:関連する警告表示(またはマーク)がある
×:関連する警告表示(またはマーク)がない
○
○
○
―
-
×
×
×
×
-
○
○
○
―
-
7.アンケート調査
(1)製造者・販売者対象アンケート
2008 年秋以降、ほとんどのメーカーが表示を中心に変更を行っていた。ただし、出荷
12
-
(ぶどう味、りん
ご味のみ)
-:記載なし
の際、小売店に陳列場所の依頼をしていたメーカーは少なかった
吸い込まない
(ピーチ味のみ)
今回テスト対象としたこんにゃく入りゼリーの製造者(または販売者(輸入者))7
社を対象に、現在販売しているミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの出荷量や
2008 年秋以降に行ったモデルチェンジ、出荷する際の小売店や販売卸に対する依頼等
について、アンケート調査を行った。
2009 年 1 年間の出荷量については、メーカーによって大きな差があるが、パッケー
ジ数ではおよそ 2.3 万~3,194.8 万パッケージ、重量換算ではおよそ 6~9,584t であっ
た(表 13)。
表13.2009 年 1 年間の出荷量(概算値)
製造者もしくは
販売者(輸入者)
㈱アイプティ
出荷量
(パッケージ数)
出荷量
(重量)
28.0万
55 t
2.3万
6t
㈱下仁田物産
126.5万
317 t
㈱ハーベスト
126.0万
306 t
富士正食品㈱
51.1万
106 t
㈱フルーツバスケット
6.3万
17 t
3,194.8万
9,584 t
サニーヘルス㈱
㈱マンナンライフ
※各社の回答より算出した概算値であり、公式に発表されている数値ではない。なお、2010 年 2
月現在で販売されていた銘柄(参考資料 2 に記載した 29 銘柄(ミックス、アソートを含む))に
関する出荷量であり、その時点で終売となっていた銘柄については、含まれていない。
2008 年秋以降に行ったモデルチェンジについては、7 社中 6 社が行っており、主
な変更点は、表示の変更が 5 社、ゼリーの原材料の配合変更が 1 社という回答であっ
た(表 14 参照)。
表14.2008 年秋以降に行ったミニカップタイプのモデルチェンジ
製造者もしくは
販売者(輸入者)
㈱アイプティ
モデルチェンジの内容
ホームページにて詳細を記載しています。(http://aipty.com/action.html)
※パッケージ表裏及び容器フタの表示を変更したことを解説していた
サニーヘルス㈱
・「やっぱり安心 ゼロカロゼリー」「やっぱり安心 ゼロカロゼリー 和風」の外袋を
警告表示を入れたものに変更(2008年11月)
・「やっぱり安心 ゼロカロゼリー」「やっぱり安心 ゼロカロゼリー 和風」の外袋に
新しい警告表示内容のシールを貼る(2009年3月)
・「やっぱり安心 ゼロカロゼリー 和風」の販売中止(2009年4月)
・「やっぱり安心 ゼロカロゼリー」の外袋と蓋材を新しい警告表示内容のものに変更
(2009年7月)
㈱下仁田物産
粒数10粒入から9粒入(袋)に変更し、ゲル化剤の使用量、こんにゃく粉の使用量を減
量し、粒性、弾力を従来より柔らかくしました。
㈱ハーベスト
2008年10月袋より変更①表面には「お願い」として小さなお子様や高齢者の方はのどに
詰まるおそれがあるので食べないでの文章②裏面にも「警告」として注意書きを表示し
ました。(詳しくは実際の商品を参照してください)
富士正食品㈱
23gポーション全品について、容器フタに、警告表示
外袋の表面、裏面に警告表示
2009.2月より実施
㈱フルーツバスケット
㈱マンナンライフ
行っていない
農林水産省の行政指導を受けて業界三団体が取り決め、平成20年10月3日付で発表した
一口タイプのこんにゃく入りゼリーの事故防止強化策に従い販売しております。
13
出荷する際に依頼している事項は、陳列場所についての依頼を行っているのが 7 社
中 3 社、警告表示の掲示に関する依頼を行っているのが 7 社中 5 社であった(表 15)。
表15.販売卸・小売店への出荷の際に依頼している事項
製造者または販売者(輸入者)
㈱アイプティ
サニーヘルス㈱
㈱下仁田物産
㈱ハーベスト
富士正食品㈱
㈱フルーツバスケット
㈱マンナンライフ
陳列場所
している
していない
していない
していない
している
していない
している
警告表示
している
している
している
していない
している
していない
している
その他
―
―
―
―
―
している注
―
注:
「冷凍して食べることはしない様にお願いしています」とのこと。
また、ミニカップタイプ以外のこんにゃく入りゼリーの販売状況については、1 社が
60g カップタイプのものを販売しており、1 社がクラッシュタイプを販売していた。さ
らに今後の新しいタイプの商品の販売予定を尋ねたところ、2 社で予定があり、ピロー
タイプとクラッシュタイプが各 1 社ずつであった。
(2)小売業者本部対象アンケート
小売業者本部よりミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの販売に関して指示を出
していた会社は多いが、その内容は、各社で大きな差があり、陳列場所・警告表示と
もに指示を出していたところは少ない
販売実態調査を行った小売店の販売本部を中心に 40 社を対象として、こんにゃく入
りゼリーの販売状況に関するアンケート調査を行った。24 社よりの回答があった(回
収率 60.0%。表 16 参照)。
表16.アンケート対象会社数内訳
カテゴリー
スーパーマーケット
ドラッグストア
100円ショップ
ディスカウントショップ
輸入食品店
合計
調査対象
会社数
10 社
13 社
4社
9社
4社
40 社
回答数
8
4
4
5
3
24
社
社
社
社
社
社
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを取り扱っていたのは、回答のあった 24
社中 16 社(66.7%)で、ドラッグストアやディスカウントショップではその比率が高
かった(表 17)。
14
表17.ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの取扱い
カテゴリー
合計
全店舗で
販売している
全店舗で
販売していない
一部の店舗では店舗の裁
量で販売している
店舗に任せており、
把握していない
総合
スーパーマーケット
ドラッグストア
100円ショップ
ディスカウントショップ
輸入食品店
24
8
4
4
5
3
12
4
4
0
4
0
8
3
0
2
0
3
3
1
0
1
1
0
1
0
0
1
0
0
また、現在、ミニカップタイプを取り扱っていない 8 社のうち、以前は取り扱って
いたのは 4 社あり、取り扱いを止めたのは、2008 年 10 月頃より後という回答が多か
った(表 18)。
表18.ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの取扱いを止めた時期
カテゴリー
合計
総合
スーパーマーケット
ドラッグストア
100円ショップ
ディスカウントショップ
輸入食品店
8
3
0
2
0
3
扱った
2008年4月 2008年10月 2008年11月
ことがない
から
から
から
3
1
2
1
0
0
2
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
2
1
0
0
無回答
1
0
0
1
0
0
現在、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを扱っている 16 社で、陳列場所・
警告表示ともに指示を行っている(もしくは過去に行っていた)と回答したのは 3 社
であった。指示に関して、回答が最も多かったのは、警告表示のみ指示している(も
しくは過去に行っていた)というもので、6 社あった(表 19)。
表19.指示の内容/販売する際の指示を行っている・過去に行っていた 13 社中
カテゴリー
合計
総合
スーパーマーケット
ドラッグストア
100円ショップ
ディスカウントショップ
輸入食品店
13
4
4
1
4
0
陳列場所・ 陳列場所 警告表示
詳細不明
警告表示とも のみ
のみ
3
3
6
1
1
0
3
0
1
1
2
0
0
0
1
0
1
2
0
1
0
0
0
0
また、具体的に行っている指示の内容としては、「指定棚に陳列」や「店頭にて注意
喚起を促す POP を掲示するよう指示」といった回答があった。
15
8.消費者へのアドバイス
ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーは子どもや高齢者は食べないこと
こんにゃく入りゼリーは、普通のゼリーよりもかたく、弾力性も強いものが多い。また、
水に極めて溶解しにくく、口腔内ではほとんど溶解しない。従って、えん下力・そしゃく
力の弱い子どもや高齢者では、窒息事故を起こす危険性を否定できないため、食べてはい
けない。
今回実施した、小売店舗における販売実態調査の結果、売り場にパッケージの表示以外
の警告表示がない場合も多く、子どもが食べる菓子と同じ売り場で販売されている等のケ
ースも見られたが、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを子どもや高齢者に与えて
はいけない。
【情報提供先】
消費者庁
消費者安全課
消費者庁
消費者情報課
内閣府
食品安全委員会
地方協力室
厚生労働省
医薬食品局
農林水産省
生産局
農林水産省
総合食料局
農林水産省
消費・安全局
事務局
食品安全部
生産流通振興課
食品産業振興課
消費・安全政策課
全日本菓子協会
全国菓子工業組合連合会
全国こんにゃく協同組合連合会
社団法人日本通信販売協会
本件問い合わせ先
商品テスト部:042-758-3165
16
9.販売実態調査概要
(1)調査地域
南関東 1 都 3 県の以下の地域及びその近郊を対象とした。
・ 東京都:23 区内、武蔵野市、調布市、多摩市、町田市、立川市、八王子市
・ 神奈川県:横浜市、川崎市、相模原市
・ 埼玉県:さいたま市、川口市、蕨市、草加市
・ 千葉県:千葉市、船橋市、市川市、習志野市
(2)調査期間
2010 年 1 月下旬から 2 月下旬
(3)調査店舗の選定
スーパーマーケット、ドラッグストア、100 円ショップ、ディスカウントショップの
4 種の業態で、2008 年の小売業売上高もしくは過去の決算資料などにより上位に入っ
ているかそれに順ずると思われる小売業者を中心に調査を行った5)(表 20 参照)。ま
た参考として、東京都を中心に輸入食品を多く取り扱っている小売業者(輸入食品店
と記載)の調査も行った。なお、調査地域の関係から、南関東に多く店舗を構える業
者(スーパーマーケット 10 社、ドラッグストア 12 社、100 円ショップ 4 社、ディス
カウントショップ 7 社、輸入食品店 4 社及びその系列)を中心に行った。
表20.調査地域・対象店舗内訳
カテゴリー/都県
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
スーパーマーケット
18
15
10
9
ドラッグストア
30
21
15
14
100円ショップ
13
10
10
10
ディスカウントショップ
11
7
7
6
輸入食品店(参考)
12
4
2
1
合計
84
57
44
40
(4)調査項目
以下の項目について、調査員の派遣による店頭観察調査を行った。
・ 店舗情報:店舗名、最寄り駅、支店名、カテゴリーについて記録した。
・ 地域:調査した都県名及び市区名を記録した。
5)
参考資料:
「日経 MJ トレンド情報源 2010」
(2009 年 10 月 19 日刊、日本経済新聞社)
。なお、実際に調査をした
店舗に関しては、店舗ごとの個々の売上高が詳細には公開されていないことから、鉄道駅近郊の店舗を中心に任意に
選定した。ただし、各業者の店舗の分布には大きな偏りがあるため、調査対象業者の支店数と調査した店舗の数は比
例していない。
17
・ 調査日:調査した月日を記録した。
・ 陳列場所:どの売場のどのあたりにあったか、上段・中段・下段のどこにおいて
あったか、普通のゼリーと同じ場所かを記録した。
・ 店内の警告表示について:店内に警告表示の掲示があるか否か、またその大まか
な内容を記録した。
・ 置いてある商品について:○商品○銘柄(ミニカップタイプのみ)あったかを記
録した。
・ その他:参考情報としてピロータイプやクラッシュタイプの有無等も記録した。
10.インターネット通信販売の販売実態調査概要
(1)調査店舗
インターネット通信販売の大手ショッピングモールである楽天市場、Yahoo!ショッ
ピング、Amazon.co.jp において、「こんにゃくゼリー」及び「こんにゃく入りゼリー」
のキーワードで検索し、確認できたミニカップタイプの商品を販売していた 32 店舗及
びミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの製造者もしくは販売者のホームページ
からリンクされていた通信販売サイト(以下、直販系と呼ぶ)3 店舗を併せた、計 35
店舗について調査を行った(表 21 参照)。なお、同一の運営会社から複数のショッピ
ングモールに出店されている場合があるが、ショッピングモールにより表示している
内容等が異なっている場合があるため、本調査では、それぞれ 1 店舗とみなし調査を
行った。また、調査した店舗は、検索時(2010 年 4 月上旬時点)にミニカップタイプ
の商品が「在庫あり」もしくは「購入可能」と表示されたところである。
表21.調査店舗数内訳
調査店舗総数
ショッピングモール
総合
35
楽天市場
19
Yahoo!ショッピング
11
Amazon.co.jp
2
直販系
3
(2)調査期間
2010 年 4 月上旬
(3)調査項目
以下の項目について、インターネット通信販売の店舗における商品購入ページの表
示を調べた。また、店舗情報については、同サイト内の表示条項を記録した。
18
・ 店舗情報:店舗名、運営会社、通信販売業務責任者、所在地、電話番号について
記録した。
・ 調査日:調査した月日を記録した。
・ 警告表示について:警告表示があるか否か、またその大まかな内容を記録した。
・ 商品について:○商品○銘柄(ミニカップタイプのみ)あったかを記録した。
・ その他:原材料に関する記述や商品にこんにゃくが使用されている旨の記述の有
無等も記録した。
11.テスト方法
(1)かたさ・弾力性
室温 20℃、湿度 60%RH に設定した恒温恒湿室内で、レオメーター(㈱サン科学
TYPE
CR-200D)により測定した。なお、ゼリーは、恒温恒湿室内で 3 時間以上放
置した後に測定に用いた。
プランジャーは直径 10mm の円柱状のものを
図4.テスト風景
使用し、ゼリーとの距離 10mm の位置から 60mm/
分の速度でゼリーを圧さくし、ゼリーの表面が破
断するまでにかかった力(gf:かたさ)とゼリー
の表面が破断するまで陥没した距離(mm:弾力
性)を測定した。なお、ゼリーとプランジャーの
接触面がプランジャー面積を下回るものは、ゼリ
ーを一部カットして測定した。
測定は、1 銘柄につき 5 個以上行い、最大と最
小の測定値を除いた 3 点以上の平均値を結果とし
た。なお、複数のフレーバーが混在する銘柄につ
いては、各フレーバーを 2 個以上測定し、最大と
最小の測定値を除いた平均値を結果とした。
(2)最大径・体積
最大径は、室温 20℃、湿度 60%RH に設定した恒温恒湿室内で、ゼリーの容器 3 個
のフタに接触する部分の最大の距離を測り、その平均を結果とした。
体積は、室温 20℃、湿度 60%RH に設定した恒温恒湿室内で、ゼリーの空き容器に
水を満たし、その重量を測定し、それよりゼリーの体積を算出した。測定は 3 個の容
器について各々3 回以上実施し、その平均値を結果とした。
19
12.アンケート調査概要
(1)製造者・販売者対象アンケート
1)調査対象
物性及び表示の調査対象としたこんにゃく入りゼリーの製造者(または販売者(輸
入者))7 社を対象とした。
2)調査期間
2010 年 2 月 12 日から 2 月 22 日、4 月 8 日から 4 月 14 日
3)調査項目
以下の項目について、ファックス(一部電子メール)によるアンケート調査を行っ
た。
・現在販売しているミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの銘柄とその出荷量。
・現在販売しているミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー以外のこんにゃく入り
ゼリーのタイプ・銘柄とその出荷量。
・今後ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー以外のこんにゃく入りゼリーを販売
する予定及びそのタイプ。
・2008 年秋以降に行った、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーのモデルチェン
ジの内容。
・ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーを販売卸や小売店に出荷する際に、事故
防止のために実施している依頼等。
(2)小売業者本部対象アンケート
1)調査対象
販売実態調査を行った小売店の販売本部を中心とした 40 社(表 22 参照)。
表22.調査対象会社内訳
カテゴリー
調査会社数
スーパーマーケット
10社
ドラッグストア
13社
100円ショップ
4社
ディスカウントショップ
9社
輸入食品店
4社
合計
40社
20
2)調査期間
2010 年 2 月 18 日から 3 月 8 日
3)調査項目
以下の項目について、ファックス(一部電子メール)によるアンケート調査を行っ
た。
・現在系列の店舗で販売しているミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの銘柄。
・現在系列の店舗で販売しているミニカップタイプ以外のこんにゃく入りゼリーのタ
イプ・銘柄。
・系列の店舗における今後のこんにゃく入りゼリーの販売予定。
・系列の店舗に対して行っている、ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリー販売の
際の陳列場所、警告表示の掲示に関する指示の有無とその内容。
21
13.参考資料
参考資料1
テスト対象銘柄一覧
製造者または
販売者(輸入者)
No.
銘柄
1
ナタデココ入りこんにゃくゼリー
ブドウ味
2
3
ナタデココ入りこんにゃくゼリー
マンゴー味
輸入者
ナタデココ入りこんにゃくゼリー ㈱アイプティ
青リンゴ味
4
ナタデココ入りこんにゃくゼリー
ライチ味
5
やっぱり安心
ゼロカロゼリー
6
蒟蒻のおかげ ぶどう
7
蒟蒻のおかげ ピーチ
8
蒟蒻のおかげ りんご
9
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
(ぶどう味)
10
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
(ピーチ味)
11
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
(マンゴー味)
12
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
(りんご味)
13
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
(ライチ味)
14
すらっとこんにゃくゼリー
グレープ
15
すらっとこんにゃくゼリー
ピーチ
16
すらっとこんにゃくゼリー
マンゴー
17
すらっとこんにゃくゼリー
青りんご
18
すらっとこんにゃくゼリー
オレンジ
19
フルーツバスケットミニカップ
ゼリー ぶどう
20
フルーツバスケットミニカップ
ゼリー りんご
フルーツバスケットミニカップ
21
ゼリー みかん
22
原産国
台湾
販売者
サニーヘルス㈱
―
製造者
㈱下仁田物産
―
販売者
㈱ハーベスト
―
製造者
富士正食品㈱
―
販売者
㈱フルーツバスケット
―
製造者
㈱マンナンライフ
―
フルーツバスケットミニカップ
ゼリー 野菜ミックス
23 蒟蒻畑 ぶどう味
24 蒟蒻畑 白桃味
25 蒟蒻畑 りんご味
26 蒟蒻畑 マスカット味
27 蒟蒻畑 オレンジ味
- 記載なし
22
参考資料2
パッケージ・ミニカップ等の注意表示
㈱アイプティ
サニーヘルス㈱
ナタデココ入り
こんにゃくゼリー
銘
柄
やっぱり安心
ゼロカロゼリー
ブドウ味
マンゴー味
青リンゴ味
ライチ味
ゼロカロゼリー
(マンゴー、ピーチ、グレープフルーツ、マスカッ
ト)
(
外
装
パ
ッ ー
)
表
面
ケ
ジ
警
告
表
示
(
外
装
パ
ッ ー
)
裏
面
ケ
ジ
ッ
ミ
ニ
カ
プ
23
㈱ハーベスト
㈱下仁田物産
収穫のおかげ 蒟蒻ゼリー
蒟蒻のおかげ
銘
柄
ぶどう味
ピーチ味
りんご味
※テスト対象としていないが、ミックスという銘柄が販売されて
いる。
※テスト対象としていないが、アソートという銘柄が販売され
ている。
※
外
装
パ
(
ッ ー
)
表
面
ケ
ジ
警
告
表
示
外
装
パ
(
ッ ー
)
裏
面
マンゴー味
ライチ味
ぶどう
ピーチ
りんご
※
(ミックス:ぶどう、ピーチ、りんご )
ケ
ジ
ッ
ミ
ニ
カ
プ
24
(アソート:ぶどう、ピーチ、りんご )
富士正食品㈱
㈱フルーツバスケット
すらっと
こんにゃくゼリー
銘
柄
グレープ
ピーチ
マンゴー
フルーツバスケット
ミニカップゼリー
ぶどう
りんご
みかん
野菜ミックス
青りんご
オレンジ
警告表示なし
(
外
装
パ
ッ ー
)
表
面
ケ
ジ
警
告
表
示
警告表示なし
(
外
装
パ
ッ ー
)
裏
面
ケ
ジ
警
告
表
示
な
し
ッ
ミ
ニ
カ
プ
25
㈱マンナンライフ
蒟蒻畑
銘
柄
ぶどう味
白桃味
りんご味
マスカット味
オレンジ味
(
外
装
パ
ッ ー
)
表
面
ケ
ジ
警
告
表
示
(
外
装
パ
ッ ー
)
裏
面
ケ
ジ
ッ
ミ
ニ
カ
プ
26
参考資料3
(農林水産省から業界への通知)
農林水産省より全国こんにゃく協同組合連合会、全国菓子工業組合連合会及び全日本菓子協会の
業界 3 団体に対し出された「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故防止に向けた対策の強化につ
いて」(平成 20 年 9 月 30 日)の主なポイントは以下の 4 点であった。
貴団体の取り組んでいるこんにゃく入りゼリーに関する警告マークや注意メッセージの表示に
ついては、小さくて見にくいとの指摘があることから、その大きさを大きくし、警告文を大き
く商品前面に記載するとともに、個包装(カップ)にも警告のための表示を行なうなど、消費
者にはっきりとわかるものにすること。
1. 貴団体の取り組んでいるこんにゃく入りゼリーに関する警告マークや注意メッセージの
表示については、小さくて見にくいとの指摘があることから、その大きさを大きくし、警
告文を大きく商品前面に記載するとともに、個包装(カップ)にも警告のための表示を行
なうなど、消費者にはっきりとわかるものにすること。
2. 吸い込みにより窒息事故が発生していることから、吸い込んだ場合の危険性を踏まえ、
ゼリーの大きさ、形状、固さ、弾力性、容器の形状・タイプなどについて改善や変更を行
うこと。
3. 小売店における注意事項の掲示を行うことや子供向け菓子類と一緒に販売しないことな
ど、販売業者に協力を要請し、販売の際にも事故の防止の工夫を行うこと。
4. 会員企業等に対し、事故情報を得た場合には、局長通知に基づき速やかに農林水産省に
通報するよう徹底すること。
(業界団体の対応)
農林水産省からの通知を受けて、平成 20 年 10 月 3 日に業界 3 団体連名で出された「一口タイ
プのこんにゃく入りゼリーの事故防止強化策について」では、表示について以下の 3 点がポイン
トとしてあげられている。
1
袋おもて面の警告内容の明確化及び警告マークの拡大
消費者が分かりやすく、また、警告マークの警告内容が十分に伝わるようにするため、新
たに大きな白抜きの四角スペースを設けて、
「~お願い~
小さなお子様や高齢者の方は絶対
に食べないで下さい。本品は弾力性があり、そしゃく力の弱い小さなお子様や高齢者はのど
に詰まる恐れがあります。」という文章での警告表示を行う。また、警告マークについても従
来より大きくする。
2
袋の裏面の警告表示等の改善
消費者に分かりやすくするため、裏面の警告表示枠内の文字を大きくする。また、事故防
止対策に万全を期すため、新たに、
・凍らせないこと、
27
・召し上がり方についての注意、
を表示事項として追加する。
3
個包装の表示の改善
袋の中の個々のミニカップのフタ部分にも、警告マーク(文章入り)又は「お子様や高齢
者の方は食べないで下さい。」という表示を大きくはっきりと分かるように行う。
(例えば、
個包装のトップシールの3分の1程度を占める割合)
(内閣府、厚生労働省、農林水産省の三省連名で関係団体に出された通知)
「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止策について」
(平成 20 年 10 月 21 日付内閣府
国民生活局長、厚生労働省医薬食品局食品安全部長、農林水産省総合食料局長、農林水産省生産
局長通知)より抜粋
既に流通している注意喚起の表示が小さな商品や表示がないこんにゃく入りゼリーについて、
包装の上からシールを貼付して一層の注意喚起を図る、店頭から自主回収を行う、店頭におい
て注意情報を提供するなど、当該商品による新たな事故発生を防止するために必要な措置を講
じられますよう、貴団体会員に対し周知方よろしくお願いします。
「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止策の周知徹底について」
(平成 21 年 1 月 8 日
付内閣府国民生活局消費者安全課長、厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課長、農林水産
省総合食料局食品産業振興課長、農林水産省総合食料局流通課長、農林水産省生産局生産流通振
興課長通知)より抜粋
こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止については、既に「こんにゃく入りゼリーに
よる窒息事故の再発防止策について」(平成 20 年 10 月 21 日付府国生第 1086 号・食安発第
1021004 号・20 総合第 1345 号内閣府国民生活局長、厚生労働省医薬食品局食品安全部長、農
林水産省総合食料局長、農林水産省生産局長通知)などにより、関係者による再発防止に向け
た取組について協力要請しておりますこと、ご承知のとおりです。
一方、「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故の再発防止について」(平成 20 年 10 月 16 日消
費者安全情報総括官会議申合せ)において、
「国民生活センターは、表示、形状、物性、販売方
法などの改善状況について適時把握を行い、関係機関及び一般消費者に対して情報提供を行う」
こととしたことを踏まえ、本日、実態調査結果が公表されたところですが、当該調査結果にお
いては、一部の商品等について、依然として改善が図られていない実態が確認されております。
つきましては、製造関係団体等におかれては、個包装の警告表示の実施等表示の改善の徹底、
及び引き続き物性、形状等の改善の促進をお願い申し上げます。
また、流通関係団体等におかれては、店頭における注意情報の提供、子ども向け菓子売場以外
での販売等、必要な措置を講ずるよう周知徹底をお願い申し上げます。
<title>ミニカップタイプのこんにゃく入りゼリーの現状について(2010 年)</title>
28
Fly UP