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資料2 - 横浜市

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資料2 - 横浜市
資料1
横浜市指定有形文化財(建造物)
1
名
称
旧日本綿花横浜支店事務所棟
2
員
数
一棟
3
指定年月日
平成25年11月15日(予定)
4
所在の場所
横浜市中区日本大通34番地
5
所有者の氏名又は
横浜市中区港町1-1
横浜市
名称及び住所
6
構造及び形式並びに
高さその他大きさを
示す事項
(構造及び形式)
鉄筋コンクリート造、地上四階建、地下一階(ドラ
イエリア付)陸屋根アスファルト防水コンクリート押
え、外壁はスクラッチタイル張り、一部石張りおよび
テラコッタ張り
(規模)
建築面積382平方メートル、
延床面積1,953平方メートル
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建築の年代又は
時代
昭和3年(1928年)
8
創建及び沿革
指定調書のとおり
9
むな札、墨書その他参
考となるべき事項
添付するもの
指定調書のとおり
写真及び図面
5
指定調書
旧日本綿花横浜支店事務所棟
員
数
構造及び型式
一棟
鉄筋コンクリート造、地上四階建、地下一階(ドライエリア付)
陸屋根アスファルト防水コンクリート押え、外壁はスクラッチタイ
ル張り、一部石張りおよびテラコッタ張り
規
模
建築面積382平方メートル、延床面積1,953平方メートル
時
代
昭和3年(1928年)
設
計
渡辺建築事務所
施
工
佐伯組
所有者
横浜市
所在地
中区日本大通34番地
旧日本綿花横浜支店事務所棟の創建は昭和 3 年 1 月(『横浜支店
新築工事概要』
(日
本綿花株式会社、昭和 3 年 2 月)による。なお、正面右隅の腰壁の石に西暦 1927 年を
示すローマ数字が刻まれているが、これは竣工年ではなく定礎式の年を示す)。日本綿
花は明治 25 年創立の大阪に本社を置く綿花輸入を主たる業務とする商社で、大正 7 年、
山下町に横浜出張所を設けた。出張所は翌々年に支店に昇格するが、関東大震災で倒壊
したものと思われ、場所も移して新たに建てられたのがこの建物である。この時、当該
事務所棟とともに倉庫棟も同時に建てられている。
その後、日本綿花の日綿実業(戦後はニチメンを経て、現在は双日)への社名変更が
あり、戦後は昭和 27 年まで米軍の接収を受け、昭和 29 年に国に買収され、昭和 35 年
から関東財務局横浜財務部の建物として使われ、昭和 59 年からは横浜財務事務所とな
り、平成 9 年には一時横浜地方裁判所仮庁舎として使用された。さらに平成 15 年 3 月
にこの建物を横浜市が取得、平成 22 年まで「横浜創造界隈 ZAIM」として用いてきた。
倉庫棟も同じ経緯をたどったが、昭和 39 年からは神奈川労働基準局庁舎、横浜市取得
後は中区役所分庁舎として用いられてきている。
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鉄筋コンクリート造 4 階建て、地下1階、単純明快な矩形プランの建物で、外壁全面
にスクラッチタイルを張り、玄関廻り、腰壁、コーニスなどの要所に石造とテラコッタ
を用いている。すなわち玄関廻りには月出石(安山岩)の江戸切り積みが見られ、コー
ニスにはテラコッタの半円アーチ列の帯が見られる。概ねシンプルでモダンなスタイル
の事務所ビルに付け加えられたこうした意匠は、ややクラシックであり、震災後の同様
なスクラッチタイル張りの建物の中では最もクラシックなものに属する。設計は関西建
築界の雄、渡辺建築事務所、施工も大阪に本社を置いていた佐伯組(現・あおみ建設)
である。
旧・日本綿花横浜支店事務所棟は日本大通りの東南隅という横浜の歴史上枢要な位置
にあり、この地区で、かつて内外の商社による活発な商業活動が行われていたことを示
すよきモニュメントである。特に、倉庫棟を伴った商社のオフィスビルの戦前の遺構は、
ほかに旧・三井物産ビルを知るのみであり、その希少性は大きい。また、スクラッチタ
イルを張った優雅な外観は、県庁本庁舎、横浜地方裁判所庁舎とともに、昭和初期の日
本大通りの街並みを彷彿させるものである。この建物は、横浜の昭和初期のオフィスビ
ルを代表するものであり、その建築的・歴史的価値は非常に大きい。
なお、鉄骨トラスのガラス屋根がかけられた事務所棟と倉庫棟の間のスペースも、貴
重であり、そのスペースおよびそこへ入るための門構えも含めて指定対象とする。
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旧日本綿花横浜支店事務所棟
外観
玄関廻り
コーニスの半円アーチ列
遠景
腰壁の定礎式の年代表示(西暦 1927 年)
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