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LM2594/LM2594HV SIMPLE SWITCHER ® 150kHz 0.5A 降圧型電圧レギュレータ 概要 特長 LM2594/LM2594HV シリーズは、降圧型(バック)スイッチング・ レギュレータのアクティブ機能のすべてを内蔵したモノリシック集積 回路で、0.5A の負荷を駆動でき、優れたラインおよびロード・レギュ レーション能力を持っています。これらのデバイスは、3.3V、5V、12V の固定出力電圧、および可変出力電圧タイプがあり、8ピンのDIP また は表面実装パッケージで供給されます。 外付け部品は必要最小限となっており、これらのレギュレータは使 い易く、内部で周波数補償†され、固定周波数発振器を内蔵し、ライン およびロード・レギュレーションが改善されています。 LM2594/LM2594HV シリーズは 150kHz で動作することにより、低 周波数で動作するレギュレータより、小さいサイズのフィルタ部品を 使用することを可能にします。また、その高効率により、PCボードの 銅箔エリアによるヒートシンクだけで十分です。 標準インダクタ(スルーホールおよび表面実装)はメーカ数社から 発売されており、LM2594/LM2594HV シリーズを使用するにあたっ て、もっとも適当と思われるものを購入することができます。そのた め、スイッチング電源の設計が大幅に簡略化されています。 その他の特長としては、規定入力電圧、および出力負荷条件内で ± 4%の出力電圧許容差、および± 15%の発振器周波数許容誤差が保 証されています。また外部シャットダウン機能を内蔵しており、85µA (代表値)のスタンバイ電流を実現しています。また、異常条件でも動 作する2段階周波数低減電流制限回路および熱暴走保護回路も内蔵し ています。 LM2594HV は、入力電圧 60V まで対応しています。 ■ 3.3V、5V、12V、および可変出力電圧バージョン ■ 可変出力電圧バージョンは1.2V ∼ 37V(HVバージョンの場合 57V まで)の出力電圧範囲で、ラインおよび負荷条件に対して最大 ± 4%の出力誤差 ■ 8 ピン SO および DIP パッケージで供給 ■ 出力電流 0.5A 保証 ■ 60V までの入力電圧範囲 ■ 4 個の外付け部品で動作可能 ■ 150kHz の固定周波数発振器内蔵 ■ TTL レベルのシャットダウン入力 ■ ローパワー・スタンバイモード、消費電流 85µA(typ) ■ 高効率 ■ 入手が容易な標準インダクタ ■ 熱暴走保護および電流制限保護回路内蔵 アプリケーション ■ ■ ■ ■ シンプルな高効率降圧型(バック)レギュレータ リニアレギュレータのための高効率プリレギュレータ オンボード・スイッチング・レギュレータ 反転型コンバータ(インバート) 代表的なアプリケーション(固定出力電圧バージョン) SIMPLE SWITCHER® はナショナル セミコンダクター社の登録商標です。 © National Semiconductor Corporation 1 Printed in Japan NSJ 3/2000 LM2594/LM2594HV SIMPLE SWITCHER® 150kHz 0.5A 降圧型電圧レギュレータ December 1999 LM2594/LM2594HV ピン配置図および製品情報 * 内部接続はされていませんが、最適な熱伝導のために PC ボードにハンダ付けしてください。 † Patent Number 5,382,918. http://www.national.com 2 本データシートには軍用・航空宇宙用の規格は記載されていません。 関連する電気的信頼性試験方法の規格を参照下さい。 最大電源電圧 LM2594 LM2594HV ─ ON/OFF ピン入力電圧 フィードバックピン電圧 グランドに対する出力電圧(定常状態) 消費電力 保存温度範囲 ESD 定格 人体モデル(Note 2) リード温度 M8 パッケージ ベーパフェーズ(60 秒) 赤外線(15 秒) N パッケージ(ハンダ付け、10 秒) 最大接合部温度 45V 60V − 0.3V ≦ V ≦+ 25V − 0.3V ≦ V ≦+ 25V − 1V 内部制限 − 65℃∼ 150℃ + 215℃ + 220℃ + 260℃ + 150℃ 動作定格 温度範囲 電源電圧 LM2594 LM2594HV 2kV − 40℃≦ TJ ≦+125℃ 4.5V ∼ 40V 4.5V ∼ 60V 電気的特性− LM2594/LM2594HV-3.3 標準文字で表記される規格値は、T J = 25℃に対するもので、太字は全動作温度範囲に適用されます。LM2594 の場合 VINmax = 40V、 LM2594HV の場合 VINmax = 60V。 電気的特性− LM2594/LM2594HV-5.0 標準文字で表記される規格値は、TJ = 25℃に対するもので、太字は全動作温度範囲に適用されます。 電気的特性− LM2594/LM2594HV-12 標準文字で表記される規格値は、TJ = 25℃に対するもので、太字は全動作温度範囲に適用されます。 3 http://www.national.com LM2594/LM2594HV 絶対最大定格(Note 1) LM2594/LM2594HV 電気的特性− LM2594/LM2594HV-ADJ 標準文字で表記される規格値は、TJ = 25℃に対するもので、太字は全動作温度範囲に適用されます。 出力電圧の全タイプの電気的特性 標準文字で表記される規格値は、TJ = 25℃に対するもので、太字は全動作温度範囲に適用されます。特記のない限り、3.3V、5V、可変出力電 圧バージョンでは VIN = 12V、12V バージョンでは、VIN = 24V であり、ILOAD = 100mA です。 http://www.national.com 4 Note 1: 絶対最大定格とは、ICに破壊が発生する可能性のある制限値をいいます。動作定格とはICが動作する条件を示し、特定の性能リミッ ト値を保証するものではありません。保証される仕様および試験条件については、電気的特性を参照下さい。 Note 2: ESD は人体モデルに基づき 100pF のコンデンサから、1.5kΩ を通し各端子に放電させます。 Note 3: 標準値は、25℃での値であり、一般的な値です。 Note 4: 室温におけるリミット値(標準文字)および全動作温度範囲におけるリミット値(太字)は、保証されます。室温におけるリミット 値は 100%テストされます。全動作温度範囲におけるリミット値は標準統計品質管理(SQC)手法によって決められた補正データを 加味して保証されます。すべてのリミット値は平均出荷品質レベル(AOQL)の計算に使用されます。 Note 5: キャッチ・ダイオード、インダクタ、入出力コンデンサ、電圧設定抵抗などの外付け部品は、スイッチング・レギュレータのシステム 性能に影響します。LM2594/LM2594HV を Figure 1 のテスト回路に示すように使用すると、システム性能は電気的特性のシステムパ ラメータセクションに示すようになります。 Note 6: スイッチング周波数は、2 段階電流制限回路が動作した時下がります。周波数の減少する量は、過負荷電流により決まります。 Note 7: 出力ピンにはダイオード、インダクタまたはコンデンサは接続しません。 Note 8: 出力トランジスタをオンするために、フィードバック・ピンは出力から外し 0V に接続します。 Note 9: 出力トランジスタをオフするために、フィードバック・ピンは出力から外し、可変/ 3.3V / 5Vバージョンでは+ 12V、12V バージョ ンでは 15V に接続します。 Note 10:LM2594 の場合 V IN = 40V、LM2594HV の場合 VIN = 60V Note 11:接合部−周囲間熱抵抗は、リードを囲む 1 平方インチの銅エリアを備えたプリント基板に実装。さらに銅エリアを追加すると、より 熱抵抗が低下します。本データシートのアプリケーション・ヒント、および「Switcher Made Simple」ソフトウェアの熱モデルを 参照下さい。 代表的な性能特性 5 http://www.national.com LM2594/LM2594HV 電気的特性(つづき) LM2594/LM2594HV 代表的な性能特性(つづき) http://www.national.com 6 LM2594/LM2594HV 代表的な性能特性(つづき) 7 http://www.national.com LM2594/LM2594HV テスト回路とレイアウトのガイドライン 入力電圧が 40 ∼ 60V の LM2594HV を使用する場合は、より大きな電圧定格の部品を使用して下さい。 もし、オープン・コア・タイプのインダクタが使われる場合、このタ イプのインダクタの配置には、特別の注意をしなくてはなりません。 感度の高いフィードバック系にインダクタの磁束が横切る場合、ICの グランド・パスとCOUT の配線が問題をひき起こすことがあります。可 変電圧バージョンを使う場合、フィードバック抵抗とそれに関連する 配線には、特別の注意が必要です。特にオープン・コア・タイプのイン ダクタでは、2 つのフィードバック抵抗は物理的に IC に近く配置し、 配線はインダクタから離します (詳しい情報はアプリケーション・セク ションを参照) 。 他のスイッチングレギュレータと同様に、レイアウトは極めて重要 です。配線のインダクタンスに伴う急激なスイッチング電流がトラン ジェント電圧を発生し、問題を起こすことがあります。インダクタン スおよびグランド・ループを最小にするためには、 太線で表したリード の長さを出来る限り短くしなければなりません。一点接地するかグラ ンド・プレーンを使用し、外付け部品を出来る限りスイッチング IC に 近づけることにより、最良の結果が得られます。 http://www.national.com 8 手順(固定出力電圧バージョン) 例(固定電圧バージョン) 与式: 与式: VOUT =出力電圧(3.3、5、または 12V) V OUT = 5V VIN(max)=最大入力電圧 VIN(max)= 12V ILOAD(max)=最大負荷電流 ILOAD(max)= 0.4A 1. インダクタの選択(L1) 1. インダクタの選択(L1) A. Figure 4、5、または6から正しいインダクタンス選択ガイドを選 びます(各々、出力電圧 3.3、5、または12V) 。他の出力電圧につい ては可変出力電圧バージョンの設計手順を参照下さい。 A. Figure 5 に示される5V バージョン用のインダクタ選択ガイドを 使います。 B. インダクタンス選択ガイドから、VIN(max)と ILOAD(max)が 交差するインダクタの領域を求めます。 インダクタの領域にはイン ダクタンスの値とインダクタのコード(LXX)が示されています。 C. Figure 8 に示す表から適切なインダクタを選びます。 B. Figure 5のインダクタ選択ガイドから、12Vの横のラインと0.4A の縦のラインが交差する領域、100µH と L20 が得られます。 C. 要求されるインダクタンス値は 100µH です。Figure 8 より、L20 ラインの 4 つのメーカからインダクタの部品番号を選びます。 (ほ とんどの場合、 スルーホール部品と表面実装部品が用意されていま す。 ) 2. 出力コンデンサの選択(COUT ) 2. 出力コンデンサの選択(COUT) A. 大多数のアプリケーションでは、82µF から 220µF の低 ESR(等 価直列抵抗)タイプ電解コンデンサや、15µFから100µFの低ESRタ イプ固体タンタル電解コンデンサが最良の結果をもたらします。 こ のコンデンサは短いリードと短い銅パターンでICの近くに配置し なければなりません。 220µFより大きいコンデンサは使ってはいけ ません。 A. アプリケーション・セクションの出力コンデンサの項を見て下さ い。 詳しい情報は、アプリケーション・セクションの出力コンデンサ の項を参照。 力電圧の列から、仕様に必要な電圧以上のものを選びます。 ここで は、15V を選びます。この行の、推奨インダクタおよびコンデンサ は全般的に良い特性を得られます。 コンデンサのリストは、4つのメーカのスルーホールの電解コン デンサと表面実装のタンタルコンデンサを載せています。 リストの 中の、メーカとシリーズ両方を推奨します。 ここでは、ESRの値を満足するアルミ電解コンデンサが数社から 供給されています。 120µF 25V パナソニック HFQシリーズ 120µF 25V ニチコン PLシリーズ B. Figure 2に示される、クイックデザイン部品選定ガイドから、5V 出力のセクションを見ます。負荷電流の列から、仕様に必要とされ る電流に近いものを選びます。ここでは、0.5A を選びます。最大入 B. 簡単なコンデンサの選択の方法は、 Figure 2に示したクイックデ ザイン部品選定ガイドを参照下さい。 この表はいくつかの入力電圧 と出力電圧、負荷電流が含まれ、様々なインダクタ、出力コンデン サをリストしており、最適な設計法を提供します。 C. 電解コンデンサの定格電圧は少なくとも出力電圧の1.5倍が安全 のために必要です。高耐圧電解コンデンサはESR値が低く、 出力の リプルを抑えるために、 最低限必要な電圧より高い定格電圧のコン デンサを選択する必要が生じる場合があります。 C. 5V 出力のためコンデンサの電圧定格は少なくとも 7.5V 以上は 必要です。しかし、この例では、低 ESR のスイッチング電源用の 120µF、10Vのアルミ電解コンデンサでも、約 400mΩ のESR が存在 します(Figure 14 の ESRvs定格電圧のカーブを参照) 。このESR の 値では、高い出力リプル電圧が生じてしまいます。 このリプルを出 力電圧の 1%以下にするためには、より高い電圧定格(より低い ESR)のものを選択しなくてはなりません。16Vや 25Vのコンデン サは、リプル電圧を約半分に削減できます。 D. コンピュータ支援設計ソフトウェアについては、 Switcher Made Simple バージョン 4.3 以降を参照下さい。 9 http://www.national.com LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計(固定出力電圧バージョン) LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計(固定出力電圧バージョン) (つづき) 手順(固定出力電圧バージョン) 例(固定電圧バージョン) 3. キャッチ・ダイオードの選択(D1) 3. キャッチ・ダイオードの選択(D1) A. キャッチ・ダイオードの定格は、少なくとも最大負荷電流の 1.3 倍でなければなりません。 また電源の設計上、連続的な出力の短絡 状態に耐えなければならない場合、ダイオードの定格電流は、 LM2594の最大電流制限値と同じでなくてはなりません。このダイ オードにとって最も過酷な状態は、過負荷や短絡状態です。 A. Figure 11の表を参照下さい。ここでは、1A、20Vの1N5817ショッ トキー・ダイオードが最良の特性をもたらし、 出力短絡などの過負 荷でも壊れません。 B. ダイオードの定格逆電圧は、少なくとも最大入力電圧の1.25 倍 でなくてはなりません。 C. このダイオードは高速(短逆回復時間)で、短いリードと短い銅 パターンでLM2594の近くに配置しなくてはなりません。ショット キーダイオードは、 その高速なスイッチングスピードと低順方向電 圧のため、 最良の性能と効率が得られ、特に低電圧アプリケーショ ンでは第1の選択となります。ウルトラ・ファースト・リカバリーや 高効率ダイオードもまた、よい結果をもたらします。しかし、いく つかのタイプの製品は、 あまりにも速すぎるターン・オフ特性のた め、非安定性やEMIの問題を引き起こす可能性があります。ウルト ラ・ファースト・リカバリーダイオードの逆回復時間は、50ns以下で す。1N4001 シリーズのようなダイオードは遅く、使うべきではあ りません。 4. 入力コンデンサ(CIN) 4. 入力コンデンサ(CIN) 入力に発生する大きな電圧トランジェントを防ぐため、低 ESR のアルミニウムまたはタンタル電解のバイパス・コンデンサが入力 ピンとグランドの間に必要です。 加えて、入力コンデンサの許容リ 入力コンデンサの重要なパラメータは定格電圧と、 許容リプル電 流です。通常12V の入力電圧では、18V(1.5× VIN)以上の定格の ものが必要です。この値以上の定格電圧クラスは、25V です。 プル電流は、少なくとも DC 負荷電流の 1/2 以上を選ばなくてはな りません。 この電流が超えないかどうか、 コンデンサメーカのデー タシートを確認しなくてはなりません。Figure 13のカーブは、いく つかのアルミ電解コンデンサの値に対する、 標準的な許容リプル電 流を示したものです。 このコンデンサは短いリードを使い、IC の近くに配置しなけれ ばなりません。また、電圧定格は、最大入力電圧の約 1.5 倍は必要 です。 固体タンタル電解コンデンサを使う場合、 メーカがサージ電流を テストしているものを推奨します。 入力のバイパスにセラミックコンデンサを使う場合、 VINピンに 激しいリンギングが生じる場合がありますので、注意が必要です。 更なる情報については、アプリケーション・セクションの入力コ ンデンサの項を参照下さい。 バック・レギュレータの入力コンデンサの許容リプル電流は、DC 負荷電流の約1/2は必要です。ここでは、400mAの負荷電流なので、 コンデンサの許容リプル電流は、少なくとも 200mA は必要です。 Figure 13のカーブは、適切な入力コンデンサの選択に使用できま す。このカーブから、25V定格で、200mA以上の許容リプル電流の ものを選びます。25Vで 47µF または 68µF が使用できます。 スルーホールの設計では、68µF/25V の電解コンデンサ(パナソ ニックHFQシリーズまたは、ニチコンPLシリーズまたは同等のも の)が使用できます。許容リプル電流が適切であれば、他のメーカ またはタイプのコンデンサも使用できます。 表面実装の設計では、固体タンタル電解コンデンサを推奨しま す。AVX社からTPSシリーズのコンデンサが、Sprague社から593D シリーズが販売され、 両方ともサージ電流のテストがなされていま す。 http://www.national.com 10 LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順(可変出力電圧バージョン) 手順(可変出力電圧バージョン) 例(可変出力電圧バージョン) 与式: 与式: VOUT = 20V VOUT =出力電圧 VIN(max)= 28V VIN(max)=最大入力電圧 ILOAD(max)= 0.5A ILOAD(max)=最大負荷電流 F =スイッチング周波数(150kHz で固定) F =スイッチング周波数(150kHz で固定) 11 http://www.national.com LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計(固定出力電圧バージョン) (つづき) LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順(可変出力電圧バージョン) (つづき) 例(可変出力電圧バージョン) 手順(可変出力電圧バージョン) 1. プログラミング出力電圧(R1 および R2 を選択、Figure 1 参照) 1. プログラミング出力電圧(R1 および R2 を選択、Figure 1 参照) R1 に 1kΩ、1%を選択。R2 は、 適切な抵抗値を選択するため、以下の式を用います。 ここで R1 は、240Ω と 1.5kΩ の間で選択します。低い抵抗値は、高感度 なフィードバックピンがノイズを拾うのを最小限にします (最適温 度係数および、経年変化に対する安定した精度を得るために、1% の金属皮膜抵抗を使用します) 。 R2 = 1k(16.26− 1)= 15.26k、1%抵抗で近い値15.4kΩ を用いま す。 R2 = 15.4kΩ 2. インダクタの選択(L1) 2. インダクタの選択(L1) A. インダクタのボルト・マイクロ秒定数、E・T(V・µs)を以下の式 から計算します。 A. インダクタのボルト・マイクロ秒定数、E・T(V・µs)を計算しま す。 ここで、VSAT =内部スイッチ飽和電圧=0.9V、VD =ダイオード 順方向電圧= 0.5V B. 上記の式のE・T値を用いて、Figure 7 にインダクタンス選択ガイ ドの縦軸の E・T 値を選択します。 C. 横軸から最大負荷電流を選択します。 B. E・T = 35.2(V・µs) C. ILOAD(max)= 0.5A D. E・T 値および最大負荷電流の交点からインダクタンス領域を求 めて、インダクタンス値とインダクタコード (LXX) を選択します。 D. Figure 7 のインダクタンス選択ガイドから、縦軸35(V・µs)と横 軸 0.5A が交差する領域から、150µHとインダクタ・コードL19 が得 られます。 E. Figure 8 の表より、4 つのメーカからインダクタの部品番号を選 びます。 E. Figure 8 の表より、L19 に相当するインダクタを、4つのメーカの 部品番号から選びます。 3. 出力コンデンサの選択(COUT) 3. 出力コンデンサの選択(COUT ) A. 大多数のアプリケーションでは、82µF から 220µF の低 ESR(等 価直列抵抗)タイプ電解コンデンサや低 ESR タイプ固体タンタル 電解コンデンサが、最良の結果をもたらします。 このコンデンサは 短いリードと短い銅パターンでICの近くに配置しなければなりま せん。220µF より大きいコンデンサは使ってはいけません。 詳しい情報は、アプリケーション・セクションの出力コンデンサ の項を参照。 B. 簡単なコンデンサの選択の方法は、 Figure 3に示したクイックデ ザイン部品選定ガイドを参照下さい。 この表はいくつかの出力電圧 に対応する、 出力コンデンサをリストしており、 最適な設計法を提 供します。 C. 電解コンデンサの電圧定格は少なくとも出力電圧の1.5倍が安全 のために必要です。高耐圧電解コンデンサはESR値が低く、 出力の リプルを抑えるために、 最低限必要な電圧より高い定格電圧のコン デンサを選択する必要が生じる場合があります。 http://www.national.com 12 A. アプリケーション・セクションの出力コンデンサの項を見て下さ い。 B. Figure 3 に示される、クイックデザイン部品選定ガイドから、出 力電圧のセクションを見ます。 その列から、 仕様の電圧に近いもの を選びます。ここでは、24V を選びます。出力コンデンサのセク ションの、 4つのメーカのスルーホールの電解コンデンサと表面実 装のタンタルコンデンサから、 コンデンサを選択します。リストの 中の、メーカとシリーズ両方を推奨します。 ここでは、スルー・ホールのアルミ電解コンデンサが数社から供 給されています。 82µF 50V パナソニック HFQ シリーズ 120µF 50V ニチコン PLシリーズ C. 20V 出力のためコンデンサの電圧定格は少なくとも30V 以上は 必要です。この例では、35V品または、50V品が条件にあいます。こ こでは 50V 品が、出力リプルを抑えるため、その低 ESR 特性によ り選択されました。 コンデンサの仕様(特に 100kHzでの ESR)が表の製品と近い場 合、他メーカ、他タイプのコンデンサも使用できます。この情報に ついては、コンデンサ・メーカのデータシートを参照下さい。 例(可変出力電圧バージョン) 手順(可変出力電圧バージョン) (Figure 1 参照) 4. フィード・フォワード・コンデンサ(CFF) 4. フィード・フォワード・コンデンサ(CFF) 約 10V 以上の出力電圧に対して、さらに 1 つコンデンサが必要 になります。補償コンデンサは、通常50pF から10nF で、出力電圧 設定抵抗 R2 と並列に接続します。高出力電圧時、低入出力電圧差 時、または固体タンタル電解コンデンサのように超低 ESR 出力コ ンデンサを使う場合、付加的な安定性をもたらします。 Figure 3の表に、様々な出力電圧に対するフィード・フォワード・ コンデンサの値を示します。ここでは、1nFのコンデンサを選択し ます。 このコンデンサはセラミック、 プラスチック、 銀マイカ等のコン デンサが使えます(Z5U材を使ったセラミックコンデンサは、その 特性の不安定性から、推奨できません) 。 5. キャッチ・ダイオードの選択(D1) 5. キャッチ・ダイオードの選択(D1) A. キャッチ・ダイオードの定格は、少なくとも最大負荷電流の 1.3 倍でなければなりません。 また電源の設計上、連続的な出力の短絡 状態に耐えなければならない場合、ダイオードの定格電流は、 LM2594の最大電流制限値と同じでなくてはなりません。このダイ オードにとって最も過酷な状態は、過負荷や短絡状態です。 A. Figure 11の表を参照下さい。ショットキー・ダイオードが最良の 特性をもたらします。ここでは 1A、40V の 1N5819 ショットキー・ ダイオードを選びます。電流容量 1A のダイオードは適切であり、 出力短絡などの過負荷でも壊れません。 B. ダイオードの定格逆電圧は、少なくとも最大入力電圧の1.25 倍 でなくてはなりません。 C. このダイオードは高速(短逆回復時間)で、短いリードと短い銅 パターンで LM2594 の近くに配置しなくてはなりません。ショッ トキーダイオードは、 その高速なスイッチングスピードと低順方向 電圧のため、最良の性能と効率が得られ、特に低電圧アプリケー ションでは第 1 の選択となります。ウルトラ・ファースト・リカバ リーや高効率ダイオードもまた、よい結果をもたらします。しか し、いくつかのタイプの製品は、あまりにも速すぎるターン・オフ 特性のため、非安定性や EMI の問題を引き起こす可能性がありま す。ウルトラ・ファースト・リカバリーダイオードの逆回復時間は、 50ns 以下です。1N4001 シリーズのようなダイオードは遅く、使う べきではありません。 13 http://www.national.com LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順(可変出力電圧バージョン) (つづき) LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順(可変出力電圧バージョン) (つづき) 手順(可変出力電圧バージョン) 例(可変出力電圧バージョン) 6. 入力コンデンサ(CIN) 6. 入力コンデンサ(CIN) 入力に発生する大きな電圧トランジェントを防ぐため、低 ESR のアルミニウムまたはタンタル電解のバイパス・コンデンサが入力 ピンとグランドの間に必要です。 加えて、入力コンデンサの許容リ プル電流は、少なくとも DC 負荷電流の 1/2 以上を選ばなくてはな りません。 この電流が超えないかどうか、 コンデンサメーカのデー タシートを確認しなくてはなりません。Figure 13のカーブは、いく つかのアルミ電解コンデンサの値に対する、 標準的な許容リプル電 流を示したものです。 このコンデンサは短いリードを使い、IC の近くに配置しなけれ ばなりません。また、電圧定格は、最大入力電圧の約 1.5 倍は必要 です。 固体タンタル電解コンデンサを使う場合、 メーカがサージ電流を テストしているものを推奨します。 入力のバイパスにセラミックコンデンサを使う場合、 VINピンに 激しいリンギングが生じる場合がありますので、注意が必要です。 更なる情報については、アプリケーション・セクションの入力コ ンデンサの項を参照下さい。 http://www.national.com 14 入力コンデンサの重要なパラメータは定格電圧と、 許容リプル電 流です。通常28V の入力電圧では、42V(1.5× VIN)以上の定格の ものが必要です。この値以上の定格電圧クラスは 50Vなので、50V のコンデンサを使います。コンデンサの定格電圧の(1.5×VIN)は マージンを持った値で、必要があれば変更することは可能です。 バック・レギュレータの入力コンデンサの許容リプル電流は、DC 負荷電流の約1/2は必要です。ここでは、500mAの負荷電流なので、 コンデンサの許容リプル電流は、少なくとも 250mA は必要です。 Figure 13のカーブは、適切な入力コンデンサの選択に使用できま す。このカーブから、50V定格で、250mA以上の許容リプル電流の ものを選びます。47µF/50V の低 ESR 電解コンデンサが必要です。 スルーホールの設計では、47µF/50V の電解コンデンサ(パナソ ニックHFQシリーズまたは、ニチコンPLシリーズまたは同等のも の)が使用できます。許容リプル電流が適切であれば、他のメーカ またはタイプのコンデンサも使用できます。 表面実装の設計では、固体タンタル電解コンデンサを推奨しま す。AVX社からTPSシリーズのコンデンサが、Sprague社から593D シリーズが販売され、 両方ともサージ電流のテストがなされていま す。 降圧型(バック) レギュレータの設計手順をさらに簡素化するた めに、ナショナルセミコンダクター社は、スイッチング・レギュ レータのSIMPLE SWITCHER®シリーズ用にコンピュータ設計を支 援するソフトウェアを用意しています。IBM 互換パーソナルコン ピュータ対応のソフトウェア「Switchers Made Simple」 (バージョ ン 4.3)をディスケット(3.5インチ)で提供しています。ナショナ ル セミコンダクター社の代理店、または、カスタマ・レスポンス・ センタにお問い合わせ下さい。またURL からダウンロードも可能 です(http://www.national.com/sw/Simple Switche/) 。 LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順 インダクタンス選択ガイド(連続動作モード) 15 http://www.national.com LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順 (つづき) http://www.national.com 16 LM2594/LM2594HV LM2594/LM2594HV シリーズ降圧型(バック)レギュレータ設計手順(つづき) FIGURE 11. Diode Selection Table ブロック図 アプリケーション情報 端子説明 + VIN − スイッチング・レギュレータ IC の正電源ピン。トランジェ ント電圧の抑制とスイッチング電流の供給のため、適切な入力バイパ ス・コンデンサを接続しなければなりません。 17 Ground −グランド。 Output − 内部スイッチ。 この端子の電圧は、 VOUT/VINのデューティ で、 (+ VIN − VSAT)と約− 0.5V の間を切り換わります。敏感にノイ ズを拾いやすい回路への影響を最小限にするため、この端子と接続す るパターンのエリアは、最小にしなくてはなりません。 http://www.national.com LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) Feedback − 出力電圧を検出し、 フィードバック・ループを形成しま す。 ─ ON/OFF − ロジック・レベルの信号で、スイッチング・レギュレータ の回路をシャットダウンすることが出来ます。シャットダウン時、入 力電流の合計は約85µAに下がります。この端子を、スレッシュホール ド電圧である 1.3V 以下にすると、レギュレータはオンします。この端 子を 1.3V 以上(最大 25V)にすると、レギュレータはシャットダウン します。もし、このシャットダウン機能を使わない場合、グランド・ピ ンに接続して下さい。レギュレータはオン状態になります。 外付け部品 CIN − 入力ピンとグランド・ピンの間に低 ESR のアルミまたはタン タルのバイパス・コンデンサが必要です。このコンデンサは、短いリー ドを用い IC の近くに配置しなければなりません。このコンデンサは、 入力に生じる大電圧トランジェントを抑制し、 スイッチのターン・オン 時の瞬間的な電流を供給します。 入力コンデンサの重要なパラメータは定格電圧と、許容リプル電流 です。降圧型(バック)レギュレータでは、入力コンデンサに比較的高 いリプル電流が流れます。そのため、このコンデンサを選ぶ際には、 容 量値や定格電圧と同じ様に、許容リプル電流を確認して選ばなければ なりません。また、容量値と定格電圧は直接、許容リプル電流に影響し ます。 コンデンサの許容リプル電流は、コンデンサの電力容量として見る ことが出来ます。リプル電流は、コンデンサの内部 ESR に流れ、電力 消費が発生し、内部から温度上昇します。コンデンサの許容リプル電 流は、TA =105℃時に内部温度が10℃上昇する電流として定義されま す。コンデンサの、熱を外気に発散させる能力が、 コンデンサを安全に 使用できる電流容量を決定します。通常、物理的に大きく、広い実装エ リアを有するものが許容リップル電流も大きくなります。コンデンサ の値が与えられた場合、高い定格電圧の電解コンデンサの方が、低い 定格電圧のものより物理的に大きくなり、外気へ発散させる能力が高 く、結果として高い許容リプル電流になります。 上記のような電解コンデンサのリプル電流の結果として、装置の寿 命が短くなります。また高温では、コンデンサの電解液の蒸発を加速 させ、不良の原因となります。 入力コンデンサを選択する場合、メーカのデータシートの許容リプ ル電流を確認しなくてはなりません。最大動作温度が40℃の場合、DC 負荷電流の約50%の許容リプル電流のものを選択することが、一般的 なガイドラインになります。最大動作温度が 70℃の場合、DC 負荷電 流の75%の許容リプル電流のものが、マージンを持った選択となりま す。コンデンサの定格電圧は、少なくとも最大入力電圧の 1.25倍は必 要で、リプル電流の要求を満たすため、それ以上の定格電圧のものが 必要になる場合もあります。 Figure 13 に示されたグラフは、電解コンデンサの容量と、定格電圧、 許容リプル電流の関係を示したものです。このカーブは、スイッチン グ・レギュレータ用に設計された、低 ESR、高信頼性の電解コンデン サ、ニチコンの PLシリーズから得た値です。他のメーカも同等タイプ のコンデンサを提供していますが、必ずデータシートをチェックする 必要があります。 標準の電解コンデンサは、通常、より高いESR、低い許容リプル電流 で、製品寿命も一般的に短いです。 http://www.national.com 18 小さく優れた特性から、入力バイパスコンデンサとして、よく表面 実装固体タンタル電解コンデンサが、使われる場合がありますが、い くつか注意する必要があります。タンタル電解コンデンサの数%は、 突入電流が定格を超えた場合、 短絡することがあります。これは、ター ンオン時、電圧が突然加えられると起こります。もちろん高い入力電 圧は、より高い突入電流を生じます。コンデンサ・メーカ数社は、この ような問題を最小限にするために、 100%のサージ電流テストを行って います。もし、ターンオン時に高電流が予想される場合、抵抗や、イン ダクタをタンタルコンデンサの前に挿入して、電流を制限するか、高 耐圧のコンデンサを選択する必要があります。アルミ電解コンデンサ と同様に、負荷電流にあった、許容リプル電流のものを選択しなけれ ばなりません。 出力コンデンサ COUT − 1 つの出力コンデンサが、出力のフィルタリングとレギュ レータ・ループの安定のために必要です。スイッチング・レギュレータ 用に設計された、低インピーダンス品か、低ESR品の電解コンデンサ、 または、固体タンタル電解コンデンサを使わなければなりません。出 力コンデンサを選ぶ際に、重要なコンデンサの特性は、100kHzでの等 価直列抵抗(ESR) 、許容リプル電流、定格電圧と容量値です。出力コ ンデンサでは、ESR の値が最重要ファクターです。 出力コンデンサは、ESR の上限値と下限値が要求されます。低出力 リプル電圧が要求される場合、低い ESR のものを使う必要がありま す。この値は、許容される最大のリプル電圧(通常、出力電圧の 1%か ら 2%)で決定されます。しかし、コンデンサの ESR があまりにも低 い場合、フィードバックの不安定を引き起こす可能性があり、出力の 発振につながります。 表に示されたコンデンサ、または、同等品をつか えば、安定した動作が得られます。 もし、低いリプル電圧(15mV 以下)が要求される場合、出力リプル 電圧とトランジェントの項を参照し、外部リプルフィルタを検討して 下さい。 LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) アルミ電解コンデンサのESRの値は、容量値と定格電圧に関係しま す。ほとんどの場合、高耐圧の電解コンデンサは、より低い ESR 特性 を示します(Figure 14 参照) 。時として、低リプル電圧の要求のため、 より低い ESR を持つ高耐圧のコンデンサを使う必要があります。 様々なタイプのスイッチングレギュレータの設計に、3種類か4種類 の容量値と、いくつかの定格電圧のコンデンサだけで、要求を満たし てしまう場合があります。Figure 2 と Figure 3 のクイック・デザイン部 品選択ガイドには、通常使えるコンデンサの値、定格電圧と、 数社のコ ンデンサのタイプが示されています。 電解コンデンサの、− 25℃以下での仕様は推奨できません。ESR の 値は、低温で劇的に上昇し、− 25℃では 3倍に、− 40℃では 10倍にな ります。Figure 15 のグラフを参照。 固体タンタル電解コンデンサは、低温で良いESRの特性を持ちます ので、− 25℃以下で使用する場合、推奨します。 インダクタの選択 キャッチ・ダイオード 降圧型(バック)レギュレータは、スイッチ・オフ時のインダクタ電 流のリターン・パスとして、ダイオードが必要になります。このダイ オードは高速(短逆回復時間)で、短いリードと短い銅パターンで LM2594 の近くに配置しなくてはなりません。 ショットキーダイオードは、その高速なスイッチングスピードと低 順方向電圧のため、最良の性能と効率が得られ、特に低電圧出力アプ リケーション(5V以下)では第1の選択となります。ウルトラ・ファー スト・リカバリーや高効率ダイオードもまた、よい結果をもたらしま す。しかし、いくつかのタイプの製品は、あまりにも速すぎるターン・ オフ特性のため、非安定性やEMIの問題を引き起こす可能性がありま す。 ウルトラ・ファースト・リカバリーダイオードの逆回復時間は、 50ns 以下です。1N4001 シリーズのようなダイオードは遅く、使うべきでは ありません。 19 すべてのスイッチング・レギュレータの動作モードには、 連続と不連 続の 2 つの基本モードがあります。この 2 つのモードの相違点は、イ ンダクタの電流が連続して流れるか、 あるいは通常のスイッチング・サ イクルの一定周期間にゼロに降下するか、ということにあります。こ れらのモードの動作特性はそれぞれ明確に異なり、レギュレータの性 能やアプリケーションにより選択します。 ほとんどのスイッチング・レ ギュレータは、低負荷電流時に、不連続モードで動作します。 LM2594(あるいはシンプル・スイッチャ・ファミリのデバイス)は連 続および不連続の両動作モードで使用可能です。 多くの場合、 連続動作モードが選択されます。連続モードでは、大き い出力電力、低いピーク・スイッチング・インダクタ電流、およびダイ オード電流で動作し、 低出力リプル電圧が得られます。ただし、インダ クタ電流を連続して流すためには、比較的大きな値のインダクタを使 用する必要があります(特に低負荷電流、高入力電圧の場合) 。 インダクタの選択を容易にするために、Figure 4 ∼7にインダクタ選 択ガイド(ノモグラフ)を記載しています。このガイドは連続モードの インダクタ選択を示し、インダクタ電流のピーク・ツー・ピークのリプ ル成分を最大設計負荷電流に対し一定の比率になるように作られてい ます。異なる負荷電流を選択する際、インダクタ電流のピーク・ツー・ ピーク電流の比率を変更することが出来ます。 (Figure 16 参照) http://www.national.com LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) 不連続モードの電圧波形は、連続モードの波形と異なります。出力 ピン (スイッチ)波形はサイン状のリンギングが載ります(不連続モー ドのスイッチング波形の写真参照) 。 このリンギングは不連続モードで は通常波形で、フィードバックループの不安定さから引き起こされる ものではありません。不連続モードには、スイッチとダイオードとも に電流を流していない期間があり、 インダクタ電流はゼロになります。 この期間、スイッチとダイオードにある寄生容量とインダクタ間で少 量のエネルギーが循環し、リンギングを起こします。このリンギング の大きさが入力電圧定格を超えなければ、通常は問題になりません。 もし、超えたとしても、デバイスに損傷を与えるには、 エネルギーが小 さすぎます。 各インダクタ・タイプ、コア・タイプにより、このリンギングの量も 変わります。フェライト・コアのインダクタは、コア・ロスが少なくリ ンギングが大きくなります。パウダー・アイアンインダクタはコア・ロ スが多くリンギングは小さくなります。もし、必要であればシリーズ のRCをインダクタとパラレルに接続することにより、 リンギングを抑 えることが出来ます。 コンピュータ設計支援ソフトウェア 「Switchers Made Simple」 (バージョン 4.3)は、連続モード、不連続モードの設計 に対応しています。 低負荷電流時にインダクタリプル電流の比率が増えても良い場合イ ンダクタンスとサイズは比較的小さく出来ます。 連続モードで動作している時、負荷電流に等しいインダクタ平均電 流に応じて、インダクタ電流の波形は三角波から、鋸波に変わります (入力電圧にも関係する) 。 インダクタにはポットコア、トロイダル、E型コア、ボビンコアなど の各種タイプがあり、コア材としてフェライトや、パウダーアイアン などがあります。最も安価なタイプは、フェライトのボビンにワイヤ を巻いた、ボビン、ロッド、またはスティックタイプです。 このタイプは、安価なインダクタを実現しますが、コア内で磁束が 完結しないため、多くの電磁妨害(EMI)を引き起こします。この磁束 は、近くのプリント配線に電圧を生じさせ、スイッチング・レギュレー タの動作と、ノイズに敏感な回路に障害を起こす原因になり、また、プ ローブでの誘導電圧のためオシロスコープの読出しが正しく行われな い原因にもなります。オープン・コア・インダクタの項も参照下さい。 選択表に記載されているインダクタには、Schott社のフェライト・コ ア、Renco 社と Coilcraft 社のフェライト・ボビンコア、Pulse Engineering 社のパウダーアイアンのトロイダルコアが含まれています。 インダクタの最大電流容量を超える電流は、銅損やコアの飽和によ りオーバヒートを起こします。インダクタが飽和しはじめると、急激 にインダクタンスが下がり、インダクタは主に抵抗(巻線のDC 抵抗) 成分だけになります。このことは、 スイッチ電流の急激な上昇で、サイ クル・バイ・サイクルの電流制限が働きます。結果として、直流出力負 荷電流が減少します。また、インダクタや、LM2594のオーバヒートも 引き起こします。各インダクタ・タイプは異なる飽和特性を持つので、 インダクタを選択する際注意が必要です。 インダクタ・メーカのデータシートには、 インダクタの飽和を防止す るために、電流とエネルギーのリミット値が記載されています。 不連続モード動作 選択ガイドには連続モードの動作に適したインダクタンスを記載し ていますが、低出力電流や高入力電圧のアプリケーションでは、不連 続モードが良い選択になる場合があります。 不連続モードの設計では、 連続モードに比べて物理的に小さく、1/2から1/3 の値のインダクタが 使用できます。不連続モードの設計では、ピークのスイッチおよびイ ンダクタ電流は大きくなりますが、負荷電流(200mA 以下)が小さい ので、スイッチ電流は電流制限値を超えません。 http://www.national.com 20 出力電圧リプル成分とトランジェント 連続モードで動作時のスイッチング電源の出力電圧は、スイッチン グ周波数の鋸波リプル電圧を含み、また、鋸波形のピーク時に短い電 圧スパイクを含みます。 出力電圧のリプル成分は、インダクタの鋸波電流成分と出力コンデ ンサのESR の関数になります。一般的な出力リプル電圧は、出力電圧 の 0.5%から 3%です。低リプル電圧を得るためには、出力コンデンサ のESRを低くしなければなりませんが、あまりにもESRの低いコンデ ンサを使うとループ安定性に影響を与え、 発振する可能性があります。 もし、低リプル電圧(15mV以下)が必要な場合、外付けリプルフィル ターの使用を推奨します(Figure 1参照) 。インダクタはロード・レギュ レーションのために、低 DC 抵抗のものを、通常 1µH から 5µH の間で 選びます。 優れたトランジェント・レスポンスと、リプル除去能力を得 るために、低ESRの出力フィルタ・コンデンサが必要になります。この コンデンサは、 レギュレータのフィードバック・ループの外にあります ので、ESRは際限なく小さく出来ます。Figure 17 の写真は、外付けフィ ルタがある場合とない場合の出力電圧リプルです。 出力リプルをオシロスコープで観察する時、プローブは、短リード で、低インダクタンスのグランド接続をしなければなりません。ス コープのプローブ・メーカは、 レギュレータボード上の出力コンデンサ の近くに、ハンダづけできるプローブ用の端子を用意しており、通常 3 インチあるグランドリードにより起こる問題を無くし、よりきれい で、正確なリプル電圧波形を得ることが出来ます。 電圧スパイクは、出力スイッチとダイオードの高速なスイッチング や、 出力コンデンサとパターン配線の寄生インダクタにより生じます。 この電圧スパイクを小さくするため、出力コンデンサは、スイッチン グ電源用のものを使用し、リード長は出来る限り短くしなければなり ません。配線のインダクタンスやストレイ容量、またオシロスコープ のプローブもこのトランジェントを発生し、 その大きさに寄与します。 スイッチングレギュレータが連続モードで動作していると、インダ クタ電流の波形は三角波から鋸波になります(入力電圧に依存する) 。 入出力電圧が与えられると、インダクタの電流波形のピーク・ツー・ ピークは、一定になり、負荷電流の増減に伴い、鋸波全体が上下しま す。この電流波形の平均値(中心)は、DC負荷電流と等しくなります。 負荷電流が十分小さくなると、鋸電流波形の底がゼロに届き、ス イッチャーは、 スムースに連続モードから不連続モードへ移行します。 ほとんどのスイッチング電源の設計(インダクタンスが、あまりにも 大きすぎない場合)では、出力負荷が軽くなると不連続モードになり ます。動作モードとして、この動作は完全に対応しています。 これらのカーブは、連続モードで、しかもインダクタ選択ガイドを 使用しインダクタを選んだ時だけに正しい値を示します。 以下の例を、考えてみます。 VOUT = 5V、最大負荷電流は 300mA VIN = 15V、11V から 20V まで変化 Figure 5の選択ガイドで、0.3Aの負荷、15Vの入力電圧が交わるのは、 150µHのインダクタンスの領域です。150µHのインダクタは、最大負荷 電流の数パーセントのピーク・ツー・ピーク電流(∆IIND)を流します。 Figure 18より、0.3A のラインとインダクタンスの領域が交わるところ で、縦軸からピーク・ツー・ピークのリプル電流(∆IIND)を読み取るこ とが出来ます(約 150mAp-p) 。 入力電圧を20Vに増やすと、インダクタの領域の上側の境界に近づ き、インダクタ・リプル電流も増えます。Figure 18 より0.3Aの負荷電流 で、15V入力の時、インダクタのピーク・ツー・ピーク電流は150mAで、 20Vの時、上側の値の 175mA、11V の時、下側の値 120mA と読み取る ことが出来ます。 一度、∆IIND の値がわかると以下の公式で、スイッチングレギュレー タの他の情報を計算することが出来ます。 1. ピークインダクタ又は、ピークスイッチ電流 2. 連続モードでの最低負荷電流 3. 出力リプル電圧 又は、 4. COUT の ESR スイッチングレギュレータの設計では、ピーク・ツー・ピークのイン ダクタ電流(∆IIND)を知ることが他の回路定数を決定する上で役に立 ちます。ピークインダクタ電流、ピークスイッチ電流、不連続モードに ならない最低電流、出力リプル電圧、出力コンデンサの ESR は、すべ てピーク・ツー・ピークの ∆IIND により計算出来ます。Figure 4 から7 の インダクタ・ノモグラフ使ってインダクタンスを選ぶとインダクタ・リ プル電流が即座に決まります。Figure 18 は、異なる負荷電流によって 予想される ∆IIND の範囲です。このカーブは、与えられた負荷電流の、 あるインダクタンスの範囲で、下側の境界から上側の境界に変えた時 の ∆IIND の変化を示しています。上側の境界は最大入力電圧をあらわ し、下側の境界は最少入力電圧をあらわします(インダクタ選択ガイ ド参照) 。 21 オープン・コア・インダクタ 出力リプル電圧の増加や、動作の不安定の他の要因は、オープン・コ ア・インダクタによるもです。フェライトボビンや、スティックタイプ のインダクタでは、磁束がボビンの両端から空気を通ります。このイ ンダクタの磁場から発生する磁束は、 配線やPCボードの銅パターンに 電圧を発生させます。磁場の強さは、方向とPCボードの銅パターンか らの距離、インダクタと銅パターンの位置により変わり銅パターンで 生じる電圧を決めます。このインダクタンスによる影響を、別の視点 でみるとインダクタの巻き線を1次側として、PCボードの銅エリアを 1回巻きのトランス(2次側)として考えることが出来ます。数mV が、 オープンコアのインダクタのそばの銅パターンに生じ、安定性や、出 力リプル電圧の問題を引き起こします。もし、不安定な動作が観察さ れて、オープンコアのインダクタが使用されているなら、PCパターン とインダクタの位置が問題を起こしている可能性があります。 http://www.national.com LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) このことを原因と特定するには、一時的にインダクタを数インチ ボードから離して、回路の動作を確認します。 もし、回路が正しく動作 すれば、オープンコアインダクタの磁束が問題を起こしていたと断定 出来ます。 トロイダルやE型コアのような閉コアタイプに交換するか、 レイアウトを見直すことで問題を解決出来ます。このとき、ICのグラ ンド、フィードバック、出力コンデンサの両端を通る磁束は最小限に しなくてはなりません。 ときとして、ボビンインダクタの真下に持って来ると良い結果が選 られる時があります。このとき、パターンはインダクタの中心にしな くてはなりません(なぜなら、生じた電圧が自分自身によりキャンセ ルされるためです) 。しかし、中心からずれていると、問題はよりひど くなります。また、磁束が問題を起こしている場合、 インダクタの巻線 の方向により違いが生じる回路もあります。 ここで述べたことは、オープンコアインダクタの使用を恐がらせる ためではなく、使った時にどのような問題が生じるか注意を促すもの です。オープンコアボビンやスティックタイプインダクタは、比較的 安く、小さく効率的なインダクタです。これらのインダクタは何百万 もの違うアプリケーションに使用されています。 熱に関する考慮事項 LM2594/LM2594HV は、8 ピン DIP と 8 ピン SO の 2 つのパッケー ジが用意されています。それらのパッケージはともに、銅のリードフ レームがプラスチックモールドされています。PCボードにそれらをハ ンダ付けした時、銅フレームと基板が LM2594 と他の熱を発するデバ イスのヒートシンクとなります。 最良の熱特性のために広い銅パターンを使い、全てのグランドと使 われないピンはグランドのようなプリント基板の広いパターン(ス イッチピンは広いエリアを持ってはならないので除外します)にハン ダ付けします。広いエリアの銅パターンは両面基板や多層基板でも、 外気の放熱で良い特性を選られます。出力電力が小さくない限り、IC ソケットの使用は推奨出来ません。なぜなら、 熱抵抗を増し、結果とし て接合部温度が高くなります。 パッケージの熱抵抗と接合部温度上昇は、大まかな値で、この値に 影響する様々な要因があります。基板のサイズや形状、厚さ、位置、部 品同士の配置、基板の温度、また、パターンの幅、プリント基板の銅エ リア、銅の厚み、片面基板か両面か多層か、ボード上のハンダの量など です。プリント基板上では、ボード上の部品の数、 また部品同士の間隔 などが影響して来ます。さらに、キャッチダイオードなどの部品は、プ リント基板に熱を発し、その量は入力電圧により様々に変わります。 インダクタは、物理的サイズ、コア材のタイプ、DC抵抗などに依存し、 基板から熱を逃がすヒートシンクになったり、熱を発生する要素にも なります。 http://www.national.com 22 Figure 19 と Figure 20のグラフは、様々な入出力電圧で500mAの負荷 駆動時に、LM2594の外気温からの接合部温度上昇を示しています。こ のデータは、基板上にすべての部品を載せ、正確な動作状態で降圧型 レギュレータをシミュレーションしたものです。このカーブは標準値 で様々な状態での参考として使えますが、様々な要因が接合部温度に 影響することを忘れてはなりません。 遅延スタートアップ Figure 21は、─ ON/OFFピンを入力電圧がかけられてから、出力電圧が 出るまでの遅延に使った回路です(遅延スタートアップに関連する部 分だけ示されています) 。入力電圧の上昇時にC1への充電により、─ ON/ OFFピンをハイに引き上げレギュレータをオフします。入力ピン電圧 ─ が実際の入力電圧になると、コンデンサは充電をやめ、R2 が ON/OFF ピンをローに引き下げスイッチングの動作をスタートします。R1の抵 ─ 抗は、ON/OFFピンにかけられる最大電圧 (25Vmax)を制限し、また、 入力電圧のノイズによる誤動作を防ぎます。 C1の放電電流を制限する 機能も持っています。入力電圧に大きいリプルが存在するとき、この ─ 抵抗により長い遅延時間を妨ぎ、リプルが AC カップルされ、ON/OFF ピンを誤動作させるのを防ぎます。 この遅延スタートアップは入力電源の電流が制限されている場合に 役立ちます。レギュレータが立ち上がる前に入力電圧が充分高い電圧 になります。 バックレギュレータは、入力電圧が高いほど、 少ない電流 で立ち上がります。 低電圧ロックアウト アプリケーションによっては、入力電圧が一定のスレショルドに達 するまでレギュレータをOFFにしておくほうが望ましいときがありま す。 。低電圧ロックアウトは、Figure 22 で示されFigure 23、24 は反転型 用です。Figure 23 のオン・オフ時のスレショルドは一定で、Figure 24 の スレッショルドはヒステリシスを持ちます。ヒステリシスの量は出力 電圧に等しくなります。25V 以上のツェナーを使う場合は、47kΩ の抵 ─ ─ 抗をON/OFFピンとグランド間に挿入し、 ON/OFFピンの最大定格25V を超えないようにします。 反転型レギュレータ Figure 25 は正電圧をコモングランドの負電圧に変換する回路です。 この回路では、レギュレータのグランドピンを負出力電圧にブートス トラップし、フィードバックピンを接地することで、レギュレータが 反転出力電圧を検出し、出力を安定させます。 23 http://www.national.com LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) この回路例はLM2594-5を使用し、 −5Vを作っていますが、他のバー ジョンや可変型を使うことにより、他の電圧に対応できます。このレ ギュレータの構成は入力電圧より大きいまたは小さい電圧を作ること ができ、出力電流は入出力の電圧に依存します。Figure 26のカーブは、 出力負荷電流と入力電圧の関係を示したものです。 レギュレータ上の最大電圧は、 入出力電圧の絶対的和となり、 40V以 下に制限しなければなりません。例えば、20Vから−12Vを作るとき、 入力ピンとグランドピン間には 32V がかかります。LM2594 の最大入 力電圧は 40V でスペックされています(LM2594HV では 60V) 。 この構成のレギュレータでは、 さらにダイオードが必要になります。 軽負荷や無負荷のとき、D1 は CIN のコンデンサにより、出力に入力の リプルが乗らないように妨げます。このダイオードによるアイソレー ションは、降圧型に似た構成に変え、閉ループの安定性を良くします。 入力電圧が低いときは、ショットキーダイオードを(その低VF 特性に より)推奨します。しかし、高入力電圧時は、ファーストリカバリーダ イオードが使用できます。 また、D3のダイオードがない場合、入力電圧が加えられた時、CIN の 充電電流が、出力を一瞬、正側に引き上げます。D3 を使用すると、出 反転型レギュレータは降圧型構成のレギュレータと構造が異なるた め、インダクタを通常の方法では選択できません。ほとんどのデザイ 力はダイオード電圧でクランプされます。 ンでは、100µH、1A のインダクタが良い選択になります。コンデンサ の選択幅も狭くなります。Figure 25 の値は、多くの設計で良い結果が 得られます。 http://www.national.com 24 このタイプの反転型レギュレータは、立ち上がり時の入力電流が、 軽負荷であっても大きくなります。LM2594 の電流制限(0.8A)と等し い入力電流が、出力電圧が設定電圧に達するまで、少なくとも2msec以 上必要です。実際の時間は、出力電圧と出力コンデンサの大きさによ り決まります。入力の電源電流が制限されていたり、負荷電流容量が 小さい電源の場合、立ち上がりません。反転型の構成は、大きな立ち上 がり電流を必要とするため、Figure 25 に示される遅延スタートアップ 回路の使用を推奨します。レギュレータの立ち上がりを遅くすること で、入力コンデンサが、スイッチング動作を始める前に高い電圧に充 電され、立ち上げに必要な電流は、CIN から供給されます。スタート アップの条件が厳しい場合、通常より大きい入力コンデンサを使用し ます。 25 反転型レギュレータのシャットダウン法 ─ ON/OFF ピンを降圧型レギュレータで使う場合は、単純に1.3V(25℃) 以下の電圧を加えるとレギュレータがオンします。1.3V以上にすると レギュレータがオフします。反転型では、レベルシフト回路が必要に なります。なぜなら、IC のグランドはグランド電位ではなく、負出力 電圧になるからです。Figure 27 と、Figure 28 に反転型レギュレータの 2 種類のシャットダウン法を示します。 http://www.national.com LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) LM2594/LM2594HV アプリケーション情報(つづき) http://www.national.com 26 LM2594/LM2594HV 外形寸法図 特記のない限り inches(millimeters) 27 http://www.national.com LM2594/LM2594HV SIMPLE SWITCHER® 150kHz 0.5A 降圧型電圧レギュレータ 外形寸法図 特記のない限り inches(millimeters)(つづき) 生命維持装置への使用について 弊社の製品はナショナル セミコンダクター社の書面による許可なくしては、 生命維持用の装置またはシステム内の重要な部品として使用す ることはできません。 1. 生命維持用の装置またはシステムとは(a)体内に外科的に使用さ れることを意図されたもの、または(b)生命を維持あるいは支持す るものをいい、ラベルにより表示される使用法に従って適切に使用 された場合に、これの不具合が使用者に身体的障害を与えると予想 されるものをいいます。 2. 重要な部品とは、 生命維持にかかわる装置またはシステム内のすべ ての部品をいい、 これの不具合が生命維持用の装置またはシステム の不具合の原因となりそれらの安全性や機能に影響を及ぼすことが 予想されるものをいいます。 ナショナル セミコンダクター ジャパン株式会社 本 社/〒 135-0042 東京都江東区木場 2-17-16 TEL.(03)5639-7300 製品に関するお問い合わせはカスタマ・レスポン ス・センタのフリーダイヤルまでご連絡ください。 フリーダイヤル http://www.nsjk.co.jp/ 0120-666-116 にやさし ゅう い き ち み どり をまも る この紙は再生紙を使用しています 本資料に掲載されているすべての回路の使用に起因する第三者の特許権その他の権利侵害に関して、弊社ではその責を負いません。また掲載内容 は予告無く変更されることがありますのでご了承下さい。