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NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title 魚肉金網トラップによるハエ類の採集数に及ぼす採集場所の物理的 条件の影響について : ハエ類の生態並びに撲滅に関する研究 第2報 Author(s) 福田, 通男 Citation 長崎大学風土病紀要 2(3), p.222-228, 1960 Issue Date 1960-09-23 URL http://hdl.handle.net/10069/3829 Right This document is downloaded at: 2017-03-30T04:22:46Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 222 長崎大学風土病紀要 第2巻 第3号:222-228京 1960年9月 魚肉金網トラップによるハエ類の採集数に及ぼす 採集場所の物理的条件の影響について* (ハエ類の生態並びに撲滅に関する研究 第2報) 長崎大学風土病研究所衛生動物学研究室0主任:大森南三郎教授% 長崎県島'原保健所0所長:福由通男% 福田通男 Nnく だ みち お On the Effect of Physical Condition of Setting Place upon the Number of Flies Collected by Fish Baited Trap (Studies on the ecology and control of flies. 2) Michio FUKUDA. Department of Medical Zoology, Research Institute of Endemics, Nagasaki University (Director: Prof. N. OMORI) and Shimabara Health Center, Nagasaki Prefecture (Head: M, FUJEOJBA). 1 いう,周囲が山I囲まれた戸数30戸の純農業部落I行 緒 昌 p 吾々の研究室Iは数年来,ハエ-類の撲滅研究をつゞ なった.この部落Iは,大部分の家Il頭の牛を,敷 けてきているが,その撲滅効果を判定するために,或 戸Iは豚を,約半数由家Iは鶴を飼養していた.ハエ- は単にハエ-類の季節的消長を調べるために,魚肉を誘 類の主な発生源は畜舎,堆肥置場,便所及び肥料溜等 引源とした金網製ハエ-トラップを使用してきた・とこ ろが,その設置場所が異なると,採集出来る合計数ば Iあって,台所から出る厨介は,一部は家畜の飼料と かりIなく,種類によっては特異的にその%数カミ異なっ れるのが普通I,ゴミ箱またはゴミ捨て場は別につく なり,一部は敷きわらと一緒に堆肥置場に積み上げら てくる場合があることを研究所の中庭I観察して報告 られていなかった,部落住民の生活程度はかなり低く, した(大森・末永, 1957).そこI野外においてハエエ それまI,衛生害虫の駆除はほとんど実施していなか 類の株良種度を推定したり,撲滅効果を判定したりす った. る場合に,部落内外のどのような場所にトラップを設 ハエ-の採集は魚を誘引源とした同質,同型の金網ト 置することが望ましいかについても詳しく調べて置く ラップを使用して,部落中央のNl農家の日当りのよい 必要を感じたのI, -農村の,農家の前庭と,部落に 前庭01%と,部落に第近拝した山林内02%及び部落内 近接する山林内と,部落内の木蔭の3ケ所を選んI, の木蔭03%とI行なったが,犬や猫の害を防ぐため に,トラップを高さ1.5mの柱の上に取付けた台上 同索 同型の魚肉金網トラップを使用して, 4月から 12月まI採集をつゞけて興味ある結果を得たのI,こ こに報告する. 稿をすすめる前に, ,実験の指導と,稿の嘩閲を賜 わった長崎大学風土病研究所果大森南三郎教授に衷 心より謝意を表する・また,ハエエ類の分類の指導と実 に固定した・実験は毎週1回,大体晴天の日の午前9 時から午後5時まI行ない, 1955年4月から12月まI つゞけた・ 実験成績及び考察 1955年4月から12月まI,週1回ずつ,魚肉を誘引 験の協力をうけた同研J究所衛生動物学研究室の末永敵 源とした金網製ハエ-トラップI採集されたハエ-の種類 果現地作業に従事された,当時の大村保健所環境衛 と個体数は第1表に示す通りIある・表からわかるよ 生監視索林田伸一果浜辺喜作氏及び桧山顔氏に感 うに,日当りのよい農家の前庭Iは6科12属25 謝する. 種, 1978個体,部落に近接した山林内I 6科12属27種, 実験の場所と方法 実験は大村市の南東約5kmの距離にある内倉郷と _ ニー 二 = *長崎大学風土病研究所業績 第350号 2631個体,部落内の木蔭I 7科16属34種, 6692個体, 合計7科16属36種に属する11301個体が採集された 5i 魚肉金網トラップによるハエエ瑞の採集数に及ぼす採藻場所の物理的条件の影響について 223 Table ] The species an剤the total numbers o王flies Collected weekly by fish baited cage traps at the front yard of a house in a farm village, in the forest near the village and under the shade of a tree in the village. (April to工December, 1955) In the forest At front yard Fly species No. そ>. 96 No. No. 0 0,0 1,9 22 Ophyra持igra 2 0.1 Ophyra chalcogaster 6 Fannia scalaris 1 Fannia sp. Anthomyia illocata Ophyra leucostoma Muscina stab弘Ians Graphomyia mo,culala Musc& domestic^ vicin亡t No. % 其 37 Scopeuma m倍Ilipes Total the shade 2 ; 0.0 0.0 2 0.0 0,8 110 1N6 169 1.5 1 0,0 22 0.3 25 0.2 0.3 1 0.0 i 71 1.1 78 0.7 0,1 1 0,0 0,1 ll 0.1 0 0.0 3 0,1 1剤8 2.2 151 1N3 0 0.0 0 0.0 28 0.4 28 0.3 28 1,4 6.5 398 6.0 598 5.3 1 0.1 0 0.0 3 0,0 剤 0.0 17 0,9 0 0.0 34 0,5 51 0,5 0,1 12 0,1 17二≧ 9 Musca hervei 0 0・O 1 4 0.2 8 Stomoxys indica 0 0.0 0.0 1 0 I-_三 こIN 童二 1 0t1 1 0,0 30 672 34.0 ユ020 38.8 1629 24甘3 3321 29.4 払tt去phora grahami 80 4.0 18 0.7 141 2.1 239 2.1 Lucilia sericata 34 1.7 1 0.0 50 0.8 85 0.8 Lncilia cuprina 0 0.0 8 0,3 0 0.0 ヲ 8 0,1 LuLcilia illustris 28 1,4 18 0.7 402 60 剤8 4.0 LuciHa caescir 23 1,2 164 6n2 239 3.6 426 3.8 Lucilia ampullacea 31 1・6 462 17.6 421 6.3 914 8.1 Lucilia porphyrina 10 0.5 76 2.9 37 0.6 123 日=iI 0 0.0 2 0.1 1 0,0 3 ONO 22 1.1 6N5 794 ll.9 986 8z7 543 27.5 547 8,2 260 13.1 :三‡一三:-, 1:≧o鐘 18.Cい 7 0,4 1 0.0 13 0.2 19 1.0 50 ユ.9 98 1.5 112 5・7 51 1.9 136 30 1.5 10 0.4 90 1.3 ≡ L Orthellia latipαipis CaU孟phora laid Lacilta papuensis Hn即nipyrellia ligurriens Chrysomya me占 Chrysomya tyinLラ&UIS acephala Sarcophaga melanura Sarcophaga albiceps Sdrcophaga peregnna Sarcophaga similis 170 1132 10.0 1785 21 0.2 ㌢ 167 F 2. 299 1 5 2E7 ら ら i 130 i l 1.2 ら Sarcophaga m古sera 9 0.5 0 0,0 9 0.1 Sarcophfiga tsush去maだ 3 o.:≡ 0 0い. 0% 4 0,1 7 Sarcophagi schntze去 0 0.0 0 0.0 1 0.0 1 StircophaぎU erect亡t 0 0.0 0 0.0 3 0・0 Sarcophaga septentnonalis 0 0.0 4 0.2 0 0.0 0.0 Ptecticus tだnebrifei. 0 0,0 1 0,0 1 0,0 2 Other spp, 2 0nl 7 0,3 8 0・1 17 ≡ Total ㌔ ∃ 0.1 0.0 o.c 0.0 0.2 1 2631 ㌔ ≡ 辛 i 100.0 1978 0.2 ユ8 10い0.0 6692 100.0 100.0 葦11301 諾2剤 福 田 護 輿 .伽」∼ー-.一 一-一= rrN-O-- -,-一一山 」ー∼」-一---ノ.」--一---=----I- -- -l -・▼・▼ ▼ - -- -----一-- -一…-r--,-一-Lン -. 一-1- -- --一---¶一一 一一-▼ -- --ノ.」--・--・- ---- 一 州ー ー が,合計数Iほ,蔭が監倒的に轟く,山林剤前庭のい 場所によって採集される種類数,滴捧数が異なるばか 偶に少なくな-いている点種額奄の%探黄数のい多寡をみる りIなく,種索こよn類Iは場所蚤偏好する傾向さえみ と,オオクロバ-の%ように3つの場所を通じて多く採 られることば擾述するように極めて興味のあることI 集Iきるもujと,オビヤンハハ1エのいように前庭や寅蔭I あって,一部落或は一案敵地区Iのハエ-輯のい採集は, は番いが山林内Iは比較的少ないものい,或はコガネキ 山林内と部落内の木蔭I同時にハFTなうか,ただ1ケ所 エ第パェ,トンウキヨウキソハエty-及びオオイsLパェ等の%よ I採集を行なう場合には,部落内の木蔭を選ぶべ尊I うに山林内や水産Iは多いが前庭の%ような日向Iは比 あろう. そこI,種類毎h%,異なる場所Iの,魚肉金網トンラ 瞭的少ない転の%等が轟なB打ちHトラップを設置する ぎ毒果 頂 Comparison of 60^ confi其舶nee in紬rvals of populaticいn percen軸ge numbers缶f each 軸species collected at fr和t yard (1), In the forest (2), and under the sha舶03% Anlhomyidae u・ leucosloma 伽盟- 1 u・・・・・■-・ 3 1 O, mgra t7 iJ 3 .・-・ ・ 1 O. chakogas.如 蜘望 ー i っ歪正コ師 1Jannia叩n 3 r 1 A.其fctね it 藷 Muse主tintン? M. stablt/ahS A第 f, d. vie.捕U O. latityalpis Ca 呈phor皇dac -i Cli. n喝収tyhata -盟 -a 1 0:I laia 'a .3 i" ampulla脚 卿1 -一讃 =ae&ay ニュ ・=エコ==編 一,・.- L, set'打'aia ィ 「ルk .-ヨ -・3 1 .・・・・・・・・■・,-■・ 3 ー1 C. gt第aftai才Ii 肋.I 2 応iii至 詩 L・ p即'phyrittt‡ 脚1 .■ . ----」」望 ==≡ エコ裂 Cfi, pingui;ラ 由1中豊 - 3 ォ ]了. lifiltrt心)L.ン= /-. illttstt第i.. -㌻ユ b芝 -3 ^*s S.arcophag主軸e S,ty/Ti塔)第ina S. albtcep与 SNエ 川〔 ho‖(T・付 さ sまm[!呈5 (籍) 0 10 20 心 40 50 60 了 80 90 100 魚肉金網トラップによるハエ-類の採壌数に及ぼす採集場所のい物理的条件のい影響に・vいいて 225 - 一 一 一 - :‥___ 二・ .. _ ップによる採集数の割合,即ち,種類による摂食a%場 Fig. 9 の偏好oD程度を詳しく吟味するために,各種額の3ケ B : Flies were collected in the forest nea‡. tⅠle village 所Iの採集合計数に対する番場所Iの比率の信療巾を 1.0 信頼度Jfi& C/^ラーすと第1図のようになる.この固から A托. 0.5 わかるように,ハエナパ-株 イエバエ科及びニクハエ1- O h 1・O Tfl 料Iは,どの種類も木蔭(3) -e有意的に多く,クロ ハ1-料Iも多くの%種類は束蔭I多いが,コガネキン第ハ至. m屈 MAY 0 1.0 -とスネアカキンハパェだ桝ま山林内(2) -e有意的に 0.5 多い・末永(1959b)ほ,これらの%2種が山林内Iハエ 0 JUN 1.0 -に曝した小動物屍から多発することを報告しており, 0. Fエ 魚肉金網トララップIも多く採れるといNいているが,今 un,し- 9f JUL, 回の採集結果からみても,これらの2種は山地性の種 0.5 類Iあろうと考えられる・ 0 1.0 " < 次に,前無 山林内及び木蔭のい夫々の場所I採集さ - 0,5 SEPT - れるハエ-群集の構造が季節の推移に従ってどの%ように 1.0 hサー 変化するかをみるために,場所別に,週毎の各種類の On5「cL OCT. 採集数を月毎にまとめて,これを各月のハエ-群集とみ 0 ^BUi o エ O,5 NOV なし,この%各月の群集間の相関係数を求めて作図した 0 のが第2囲Iある・前庭0第2, A固%における相関 mmm 係数第種列は季節の推移に従n第いて4つa%型に別けられる・ り・5r ¥DEC 3 即ち,オオ.タロハミュハ<」.*優占種とする, 4月の第1弱 APR. j・トAY JUN. JUL. Ain. SEPT. OCT. NOV・ DEC. Fig, 2 Nine series of correlation coe臨cients obtainedトトy the reciprocal treatnいentof Fig, 2 nine monthly軸 associa七ions. C : Flies were collected under the shade Å : Flies were collected at tトIe front yard of a tree ln the village of a farm モlouse 1.0 APR. l・U「 \APRンN 0・5 O・5 0 1・0 1. f1 0 0,5 0.5 MAY MAY 0 ユーO [] 0 l・巾 -I-・{〉 0・5 o・呂 d第ハJON. o I /JUN 1・0 0 1.0 0・5 0.5 JUL , i.Oh _/ JUL- 0 0・5 JIL 1,0 0 0.5 rai浜Z 「 0 1・0 ATO. 1・U 0 0.5 1・0 日EFT. 1・0 だIEPT. 0.5 0-5 ラララ..ンn.至.I 0.5 ・丁ユコ 1・0 0 1・0 O.5 0 「二千二 DEC ・ o 0 ¥- OCT. 0.5 NOV. 0 0 L01 0・15 o LララDEC. AIR. MA苫 JtTな JUL. AU&.缶EPT. OCほ UGV. DEC・ l,0 0.5 丘m. MA¥ Jモ擱. JUL ÅtRi・ 5富円- 0い0eで. NOV. DEO ヨ26 福 田 通 男 F敏3 Seasonal chat帽e in domlnancy of seven dominant免y species Month Front yard Under shade ln forest やま車棄二I ∴- までの問はそれぞれ特先 約であることば注意すべ きことである. C, lata .Al)I.. May Ch、. pinguis Jun, M, stabul氏ns S. peregrina Jul. H. 1igurriens AuK. .i' H. 1igurriens - 。 ▲ -、 ▼ 、 ▼ - sept, ion, meg Oct. 幸 Nov amp王die‡cea i 育 i Dec L. 群発の林道は互に似通っ ているが,7月からIOJI C. Icita i 「 ≡ 1 最後に。G氷寛場所の選び 方について-諾しておき たい与党に述べたよう量こき 一地区,または-一部落で, 魚肉金網トラップを用 いて--叛殻採集する場 合に.,そcD設荘場所の物 理的条件の異なることに 蕊-Jて, J、-現の種塀或 は数がかなりに異なるが, 濃密の前庭や日向の畑 の中と,近くのrLi林内と ではその異なる程度が著 しくこなz.ところが,部落 しノ ■\ 'こh ■こゝJ lし- 、- V I Hi■tい 内の1, 2本の立木の下,即ち木蘭で採集すると,山 -1-r>-jてグロオビキンバエ*-'一位占穂とす5,5及び6月(l・二,j '#ニー;?]。,W)柑。1L-J¥。iバiVかiK。/。G{--⊥-・ハ;ill"、rt'jiK'- 林内で採凝されるような種疎も多少は採れるので,揺 -J、入い,-1^)小一、_:トiエソナニFバ-J,、即今′ヾ"'r/'] わ妙で,上に述べたような3ケ所,少なくとも木蔭と 。'^3'∴了!G、ニ′しこニー.-ソ-ニ。こ1','' 。サ.1i・土・こ∴・ 山林内の2ケ所で採集を行なうことが望ましいが,た ミG.白。1しl]jい''/;4 IJフハ叫∴/-J、.'二:I '-。i'cl'トトl'^){司/ -∴-1JI/」丁、、12)]:::川一二:トト…パ-′',"-I'j,'きG一軒l ど 1ケ所だ抄を選ばねばならない時はf 適当な本荘を 寒される種類の数も,個体数も最も多くなる.こういう 選ぶことが必要でぁる. する第1塑に戻る上岡棟にしてき山林内〔第2。j郎 -IJ。Ih,し心G.一)jj>¥.ユ.vM>:レ。']>'r 摘 要 ,.さ一 '/ミ'/、∴′。.^niii。∴,4j│t/>'''A14ij,'-l--Jォ/-」寸し、 バ.ソパr/';<,j-こi,-r,1?一ニー・ R;史'J:、iミHJ'/:プV;?1;),-!-->.イエバエとトウキヨウキソハエを代表種i:する,i及 1)同--部落で魚肉金網トラップを用いて-エ額を 採集する場合,どのような環境条件のところ巷選んで :;Bjj山^3A:ミ∫ト¥'/-'.三lい。・/'バ:i,しil'いし。絹卜とし7 トラップを設置するのカ堀も能率的であるかというこ コガネキンバエがやゝ増加する,io月-の種行型とみ とを知るためにf 戸数30戸の〃-漁村で,鹿家の前庭, ,。、∴QきK')^;・、1.:且'.'.-;//‥Mv′∴:。;-;Jr三,l,rf> 部落に近接した山林内及び部落内の本態の3ケ所で, c-)''>#ハ) ".-ハニ桝IG,。⊥!>o二川・。三Gい;.yパ 1955年4月から12月濠でf 毎週ユ回-ニこの採集を軒な ってf その採集結果を吟味した. パ。-r.-fei'.節:∴∴'l。:r>。j_T上IlにしCo>KKK司I2.し、卜机 ∴ オオ]}ロバ温を擾占種とする,4月の第1塑fホホグ 2〕 この期間中に,冬場所で採集された--数は, 前庭で6科12属25種19?8f固体,山林内で6料ユ2属27 ロオビキンバエを優.5種とする,5,6月(0第2軌 穂2631個体,本蔭で7料ユ6属34種6892個体,骨計二棒ト16 トウキヨウキソハエを瞳占種とする,7,8及び9月 属36種に属する11301個体で,合計数では木蔭が圧 ・パA?,-".-: :Vバニ′l1.-i(養=(・、l._し,トン 倒的に多く,山林内,前庭の順に少ないことがわかっ ソハェがこれにつヾく,10月の節4;型から,ll.及び12月に は再びオオクロバ-を優占種とする爵1塑に戻る.こ 氏. 種韓毎の採発数の多寡をみると,オオFpハエ のように3つの場所を通じて多いものと,オピキンバ れら番場所嶺の--群発の構造の季節的推移をf懐古 エのように前庭や本蔭では多いが山林内では比密約少 種または代演種の移行を手掛りとして,これを模式約 ないも払 或はヨガネキンハ-,トウキヨウキソハェ に示すと第3囲の通りとなる書この固からわカユるよ 及びオオイエバエ等のように山林内や本薗では番いが うに,4,冒,6月及び11,12月には場所による-エ 前庭のような日向では比較的少ないものなどがある. ・;,^Ji^)-千川!-'&-'*一)u_rミ:・L∴別:-バ-。′:。in-r,, 魚肉金網トuラップによるハエエ鰭の揺隻数に及ぼす採集場所の助辞的条件の影聾について 227 3)各種類毎に3つの場所のどこで最も多く採集さ バエがそれぞれ優占種となる.木蔭では,7月から9 れるかというにと,即ち各種類のハエの摂食の場の偏 月までトウキヨウキンバエが優占種で,10月にはオビ 好についてみると,ハナバエ科,イエバエ科及びニク キンバエが優占種となる.山林内では,7,8月には バエ科では,それぞれの科に属するどの種類も木蔭で オオイエバエとトウキヨウキンバエが,共に多いが, 有意的に多く,クロバエ科でも多くの種類は木蔭で最 9月にはトウキヨウキンパエが,10月にはコガネキン も多いが,コガネキンバエとスネアカキソパエのみは バエが優占種となって山林内特有の群集構造を示す. 山林内で有意的に多く,この2種は山地性の種類であ るにとを思わしめる. 同一部落内外でも採集されるハエ類の種類数,或は群 4)各場所におけるハエ群集の構造の季節的推移を 集構造に差がみられるにとは極めて興味があり注意を みると,4月及び11,12月には各場所共オオクロバエ 要することであるが,実際問題としても,一部落でハ が優占種で,5,6月には3ケ所共ホホグロオビキン エ類を採集する場合には,以上のような事実のあるこ バエが優占種となるが,7月から10月までは場所によ とを充分考慮して,その設置場所を選定すべきであろ って群集構造がかなり異なる.即ち,前庭では,7月 う. 5)以上のように,物理的条件の異なる場所では, にはセンチニクバエが,8月から10月まではオビキン 文 献 方法に関する研究第2報金網梨ハエ-トラップの l%福田適男:農村に於ける蝿類の蛸と成虫の季節的 脚の高さの効果について.長崎医会誌. 32 (ll): 消長0会%・衛生動物ア(2) : 152-153, 195凱 1456-1464, 957・ 2%福田適男:大村市内の-農村における冬期ハエエ類 6) School, H.F∴ The attached bait pan免y の姉掘りの結果について0ハエエ類の生態並びに撲滅 trap, J. Econ,苫nt.ヰ50剤) : 735ー736, 1952. に関する研究第].報%.長崎大学風土病紀要2(2) : 7%末永 鮒:ハエ-類の生態学的研究3.勘助の野菜 から発生するハエ-落について書長崎大学風土病紀要 1剤いq-153, 960, 3%河合潜ニ,末永 鮎:ハエ-類の採集方落に関する 研究丁肝・餌0魚肉%の腐敗度の効果・について.長崎 1 (2): 186-191, 1959・ 8%末永 敵:ハエ-類の生態学的研究4.小動物の死 体から発生するハエ-落について.長崎大学風土病紀 大学風土病紀要2(1) *- 61一株1960. 要1 03い: 3剤3-352, 1959. 4)Omor盲 N., Suenaga, O.ニ On the effect of setting places and strトictures of traps of flies. Sヒudies on the methods of collecting flies. Bocトm Kagaku, 22 (1) : 51, 1957- 5%大森南三郎,末永 鮎,福田通男:ハエ-類の採集 9%末永 弱 虫森南三郎:ハエユ類の採集方法に関す る研究0第3報%・金網トラップの脚高を剤,5cmと した時の餌の畳と高さの効果について0会%■ 衛生 動物10 (2):98, 1959. 228 福 田 通 累 S ummary Collection of files by fish baited cage trap was made weekly in a mountainous farm village during from April to December, 1955. On the same day, three traps were set; one at sunny front yard of a farm house, one in the forest near the village and one under the shade of a tree within the village, from 9.00' to 17.00'. The spe- cies and the total numbers of flies collected by the traps at three places of the different physical conditions are shown in Table 1. The rate in number of flies of each species collected in the three places are compared in Fig. 1, showing in 60% confidence intervals of population percentage number of each fly species trapped in the places. The states of transition in the structure of monthly fly associations in each place are illustrated in Fig. 2 A, B, and C, analyzing by the correlation coefficient method, The seasonal changes in dominancy of seven dominant fly species are illustrated in Fig. 3. From these table and figures, the general results of this experiment are summarized as follows. 1) The numbers of individuals, species, genus and family of flies trapped are the most numerous under the shade of a tree within the village, next in the forest near the village, and the least so in sunny front yard of a house, Special features in number of flies are seen in Calliphora lata being numerous alike at the three places, in Chrysomya megacephala being rather numerous in front yard and under the shade but few in the forest, in Lucilia ampullacea, Hemipyrellia ligurriens and Muscina stabulans being numerous in the forest and under the shade but few at sunny place. 2) With each species, in Anthomyidae, Muscidae, and Sarcophagidae, the highest percentage of the fly are collected under the shade of a tree and also in Calliphoridae with most species the same trends are observed, excepting L. ampullacea and L. porphytina which are found numerous in the forest implying to be mountainous species. 3) Monthly series of correlation coefficients shown in Fig. 2, can be separate into some types in similarity: In the case of front yard (A), in the forest (B), and under the shade (C), into four, five and four types respectively, This is due to the occurrence of seasonal changes in the structure of monthly fly association, in other words, mainly to the seasonal changes in dominancy of several dominant species (Fig.3). It is of interest that the changes occur not only monthly in each place but also in different ways in different places. 4) In the case of population sensus of flies by fish baited cage traps, collections are desirable to be made at three different places; in the sunny front yard near a house, in the forest near the village, and under the shade of a tree or trees within the village, while, if only one place is to be selected, the place, under the shade of trees within the village, should be selected. Received for publication August 20, 1960