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dilemma in restoration process
2011年度熊本大学大学院社会文化科学研究科特別セミナー 「震災復興の時代学~共災の思想、再生の技法」 安川文朗 (熊本大学大学院) Fumiaki Yasukawa, Ph.D. Graduate School of Social and Cultural Sciences Kumamoto University dilemma in restoration process who is in charge of the restoration? conflict behind confrontation: conflict of fairness お話ししたいこと Contents 2.復興・再生プロセスにおけるジレンマdilemma in restoration process 誰が責任を取るのか~復興への苛立ちと対立 who is in charge of the restoration? 対立の背景にあるもの~「公正さ」をめぐる葛藤 conflict behind confrontation: conflict of fairness 3.「共に立ち上がる」ための課題 what we should do to “fight together”? 「公正」な復興プロセスへの選択肢~何を優先させるのか alternative to seeking fairness in restoration process 復興への再チャレンジ challenge again! 16年前の記憶 16 years ago・・・・ 20000 18000 16000 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 0 日経平均株価終値 NIKKEI trend したたかな日本の経済復興? Japanese power in consumption has not been weakening? Growth of household consumption and real income http://waveofsound.air-nifty.com/blog/2010/07/post-6b87.html 消費者物価指数の推移 Trend of CPI in Japan after Hanshin-Awaji eq. and Lehman shock http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_cpi お話ししたいこと Contents 1.これが初めてではない the things we met ever 阪神・淡路大震災から16年 memories of 16 years ago リーマン・ショックと経済再生 Lehman shock and economic restoration dilemma in restoration process who is in charge of the restoration? conflict behind confrontation: conflict of fairness 3.「共に立ち上がる」ための課題 what we should do to “fight together”? 「公正」な復興プロセスへの選択肢~何を優先させるのか alternative to seeking fairness in restoration process 復興への再チャレンジ challenge again! 東日本大震災に係る政府の中小企業対策 Governmental actions for the suffered small firms 震災後の雇用機会と稼得機会の減尐状況 120000 第1節 資金繰り支援 list of financial aids ●具体的施策● 1.既往債務の返済条件緩和等 100000 日本公庫、商工中金及び信用保証協会において、返済猶予等既往債務の条件変更、貸出手続の迅速化及び担保徴求の弾 力化等について、被災中小企業者の実情に応じて対応。民間金融機関に対しては、震災当日から、金融担当大臣等より、 中小企業金融円滑化法の趣旨を踏まえた貸付条件の変更等への積極的な取組等を繰り返し要請し、民間金融機関も、被災 80000 中小企業者の実情に応じ、既往債務の条件変更や貸出手続の迅速化などに尽力。 2010.3.12-5.13 2.日本公庫、商工中金における返済条件緩和の遡及適用 60000 2011.3.12-5.13 今般の地震災害等の影響で既往債務の延滞が生じている場合で、返済猶予の申出が遅れた場合でも、返済期日に遡及し て返済猶予に対応すること、また、提出書類の簡素化や契約手続の迅速化を行うことで、被災した中小企業の負担軽減を 実施。 40000 3.信用保証協会による返済期日延長等 20000 審査書類の簡素化や契約手続等の迅速化、返済期日経過後の期日延長や返済方法の変更等を通じた、被災中小企業等の 負担軽減を信用保証協会に要請した。 0 4.リースの支払猶予・契約期間延長等 雇用保険離職票交付件数 雇用保険受給決定件数 リース事業者に対し、被災地の中小企業者からリースの支払猶予や契約期間の延長等の申込みがあった場合には、柔軟 かつ適切に対応するよう要請を行った。 5.災害復旧貸付及びその金利引下げ措置の実施 日本公庫及び商工中金が、取引事業者を含む被災中小企業者に対して、運転資金又は設備資金を別枠で融資する災害復 旧貸付を実施した。また特段の措置として、貸付後3年間、借入額のうち、1,000万円を上限として基準金利から0.9%の金 利引下げを実施した。 6.「東日本大震災復興特別貸付」制度の創設【2011年度一次補正予算:1786.0億円】 日本公庫・商工中金による、直接又は間接に被害を受けた中小企業等を対象とした、新たな融資制度を創設し、必要な 融資枠を確保するとともに、貸付期間、据置期間、金利引下げ措置等を大幅に拡充した。また、地方団体等を通じ、要件 に該当する中小企業者に対して利差補給を行って無利子とするための基金を新たに創設。 7.マル経・衛経融資の貸付限度額・金利引下げ措置の拡充 日本公庫による、小規模事業者向け無担保・無保証人による低利融資(マル経・衛経融資。貸付限度額 1,500万円)について、震災の直接又は間接的に被害を受けた一定の小規模企業に対し、貸付限度額の拡充 (別枠1,000万円)、金利引下げ措置(基準金利からマイナス1.2%)を実施。 8.災害関係保証の実施 直接的に被害を受けた中小企業者に対して、信用保証協会が一般保証とは別枠(セーフティネット保証と は同枠)で保証を実施した(100%保証。保証限度額は無担保8,000万円、最大2億8,000万円)。 9.セーフティネット保証(5号)の対象業種の拡大 特に業況の悪化している業種に属する中小企業者を対象とする「セーフティネット保証5号」について は、2011年度上半期の対象業種を48業種とする予定だったが、2011年東北地方太平洋沖地震による被害の影 響を踏まえ、同期の対象業種を原則全業種である82業種にして運用することとした。 10.「東日本大震災復興緊急保証」制度の創設【2011年度一次補正予算:3,209.0億円】 震災により直接または間接的に被害を受けた中小企業者を対象に、既存の一般保証や災害関係保証、セー フティネット保証とは別枠の東日本大震災復興緊急保証を新たに創設した。 11.小規模企業者等設備導入資金貸付等の償還期間延長 小規模企業者等設備導入資金貸付制度及び小規模企業設備貸不制度について、特定の被災地域における既 往貸付金・新規貸付金等の償還期間を2年延長した(7年以内→最長9年以内)。 12.原子力災害に伴う「特定地域中小企業特別資金」 東京電力福島第一原子力発電所事敀の被災区域から移転を余儀なくされる中小企業等が、福島県内の移 転先において事業を継続・再開し、雇用を維持するために必要な資金について、中小機構を活用して無利 子・無担保で最大20年間の長期融資を行う特別支援制度を福島県と連携して創設した。 13.小規模企業共済の共済金の早期支給等 中小機構が実施する小規模企業共済について、共済契約者が行方丌明のため共済金の支給ができず、資 金繰りに窮する配偶者等の申出に対し、掛金総額の一定割合を早期に支給する環境を整備した。また、今 般の災害により被害を受けた場合や計画停電等により売上げが急激に減尐するなどの共済契約者に対し、 低利の貸付制度(直接罹災者については無利子)を発動するとともに、共済掛金納付や一時貸付金返済の 猶予、共済金支払の迅速化等の措置を講じた。 14.中小企業倒産防止共済の貸付事由の追加等 中小機構が実施する中小企業倒産防止共済について、災害によって丌渡処分が猶予された場合や取引先 (債務者)が死亡又は行方丌明等となり、債務者自らでは債務整理手続を行うことが困難な場合につい て、共済金の貸付けが受けられるよう省令を改正した。また、今般の災害により被害を受けた者に対し、 共済掛金納付や共済貸付金返済の猶予、共済金支払の迅速化等の措置を講じた。 (注)震災当日の金融担当大臣・日本銀行総裁連名による要請を踏まえ、当分の間、全手形交換所におい て、震災により呈示期間が経過した手形の交換持出等や、丌渡りとなった手形・小切手の丌渡報告への掲 載等の猶予を実施。 15.建設業における金融支援の拡充 (1)地域建設業経営強化融資制度の拡充 建設企業の資金調達の円滑化を一層図るため、建設企業が公共工事発注者に対して有する工事請負代金 債権について未完成部分を含め流動化を促進することなどを内容とした地域建設業経営強化融資制度につ いて、施工中工事の被災に伴う損害額や災害廃棄物の撤去等(がれきの処理等)に係る債権を対象に追加 した。 (2)下請債権保全支援事業の拡充 下請建設企業等の債権保全及び資金調達の円滑化を一層図るため、下請建設企業等の有する債権の保全 を促進する下請債権保全支援事業について、ファクタリング会社に対し保証債務の履行の積極的対応を要 請する一方、被災地域における工事及び災害廃棄物の撤去等(がれきの処理等)に係る債権の買取りを新 たに実施するとともに、被災地域における災害廃棄物の撤去等に係る債権を保証対象に追加した。 第2節 工場・商店街等の復旧への支援 list of reconstruction aids ●具体的施策● 1.中小企業組合等協同施設等災害復旧事業【2011年度一次補正予算:154.8億円】 被災地域の中小企業等が一体となって進める復興事業計画(都道府県が認定)に丌可欠な施設の復旧・整備や、事業協 同組合等の組合の共同施設・設備の復旧に対して、国と都道府県が連携して補助。また、被災した商工会、商工会議所の 施設等の復旧事業を国が補助。 2.被災地域産業地区再整備事業【中小機構交付金】 中小機構が、東日本大震災により大きな被害を受けた地域において、仮設店舗・仮設工場等の整備を実施。また、具体 的な要望を把握するため、中小企業庁、東北経済産業局及び中小機構の職員を被災地域に派遣し、自治体や中小企業団体 から具体的ニーズを調査した。 3.施設・設備の復旧・整備に対する貸付け 被災した組合等による工場団地の施設整備等に対する中小機構と都道府県の貸付け(高度化貸付)について、据置期間 の延長や都道府県・事業者の負担割合の縮小等の拡充を実施。また中小企業組合等協同施設等災害復旧事業に係る復興事 業計画の認定を受けた事業者や、中小機構が整備した仮設店舗・仮設工場等に入居する事業者等に対し、中小機構と都道 府県が協調して資金の無利子貸付を行う制度を創設。また、電力需給対策として、事業協同組合等や組合員に対し、省エ ネ・新エネ・自家発電等の設備導入資金を貸し付ける制度を創設。 4.高度化貸付の債権放棄・償還猶予・返済期限の延長 中小機構と都道府県が行う、組合等による工場団地の施設整備等に対する貸付け(高度化貸付)について、整備した施 設・資産が被災するなどにより事業継続が困難になった事業者に対し、債権放棄や償還猶予、返済期限の延長を迅速に行 うことを都道府県知事及び中小機構に要請した。 5.商店街振興実践事業【2010年度予算:4.0億円】【2010年度補正予算:2.0億円の内数】・商店街実践活動事業(商店街災 害復旧・アーケード撤去等事業)【2011年度一次補正予算:4.0億円の内数】 被災した商店街の施設の補修やがれき等の障害物除去に対して2010年度及び2011年度当初予算において補助を実施。 また、2011年度補正予算においてアーケード等の撤去や破損規模が大きい施設の修繕等に相当程度期間を要する取組に対 して補助を実施。 第3節 雇用面での支援 list of employment supports ●具体的施策● 1.被災者への就職支援 被災者の就職を支援するため、合同就職説明会を被災地等にて順次開催するとともに、新卒者就職応援プロジェクトの 受入企業のうち、被災地域の新卒者等の雇用に積極的な企業のリストを随時公表。 また未内定者や内定取消しにあった新卒者等と中小企業をマッチングする「ドリームマッチプロジェクト」(中小企業 採用力強化事業)において、被災地域の新卒者等に対し配慮をする求人情報を発掘・集約。私服での面接や、電話面談も 可能等の被災学生を支援する条件の求人情報を検索可能にした。 2.雇用調整助成金 東日本大震災の影響に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者の雇用を維持するた めに休業等をした場合、休業等に係る手当相当額等の負担相当額の2/3(中小企業の場合は4/5)を助成。 さらに、東京都を除く災害救助法適用地域に所在する事業所の事業主について、支給要件緩和等の特例措置を講じた。 3.雇用保険失業給付 震災による事業所の損壊や東京電力福島第一原子力発電所事敀の影響による警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準 備区域に事業者が位置することにより、事業所が休止になり休業を余儀なくされた場合、激甚災害の指定に伴う雇用保険 の特例により、賃金を受けることのできない労働者に対し、離職していなくても、失業給付を受けることができるよう措 置。 4.被災者雇用開発助成金の創設 東日本大震災による被災離職者及び被災地域に居住する求職者の方を、ハローワーク等の紹介により、継続して1年以 上雇用することが見込まれる労働者として雇い入れる事業主に対して、助成金を支給する被災者雇用開発助成金を創設し た。 なぜこのような膨大な通達が必要なのか・・・・・ Why did government release such a lot of special bill for relieving suffered people ? 原発事敀に伴う政府の指示の推移 Sequential governmental indication against radio active diffusion 大地震・津波発生 →20km圏内避難指示 20~30km圏内屋内退避指示 出荷制限(原災本部長指示)開始 「稲の作付制限の考え方」(原災本部)公表 原発事敀の影響(出荷制限の影響) Negative results of supply regulation ○国の出荷制限により、野菜の生産者は、販売することが丌可能となり収入の 途を絶たれる、などの著しい損害。 原子力損害は依然として継続しており、損害はさらに拡大する見込み。 ○原乳については、酪農家のほとんどは専業であり収入が無い中で、 生産を止めれば牛の病気等を引き起こすことから毎日飼料を不えて搾乳し、 原乳を廃棄し続けている状況。 なお、福島県の出荷制限は依然として継続しており、損害はさらに拡大。 ○また、原乳の廃棄場所として草地等を使用しており、今後の飼料生産に影響 (一部については、業者に依頼し、産廃処理するため、当該処理貹用も発生) http://www.maff.go.jp/ 震災によって確認された、現代日本の「基本指針」 Japanese “orientation” after disaster 経済の停滞は避けねばならない but 経済行動の自由は保障しなければならない ⇒ オイコノミア < ファイナンス οικονομια finance 被災者のニーズは満たされねばならない but 支援は政治的ルールによって配分されねばならない ⇒ 人々の必要 < 政策的効果の必要 現代日本が直面する「社会システム」のコンフリクト Conflict of “ Social System” modern Japan is facing 自己利益の追求を人間にとって当然の基本的な動機づけとして、他人の利益追 求を(それがその目的自体に影響を及ぼす限りにおいての規制を課しつつ)自由 におこなわせることを重視するシステム The system which regards the pursuit of self-interests as a natural basic motivation for man and focuses on the pursuit of others’ interests under the minimum restriction . V.S. もちろんお金はありがたいが、人間が一生懸命、創造的に働く理由としてお金 はごく一部であり、仕事自体の充実感、職場の結束、取引から生まれる社会的 連帯や義理人情、そして働く環境での権力や利益配分における“公平感”を重 視するシステム The system which focuses on “sense of fairness” in job satisfaction, job place union, social solidarity and sense of duty as a result of trades, balance of power and interest distribution in work environment, putting money as a reason for working hard and creatively aside. by Ronald P. Dore お話ししたいこと Contents 1.これが初めてではない the things we met ever 阪神・淡路大震災から16年 memories of 16 years ago リーマン・ショックと経済再生 Lehman shock and economic restoration 2.復興・再生プロセスにおけるジレンマdilemma in restoration process 誰が責任を取るのか~復興への苛立ちと対立 who is in charge of the restoration? 対立の背景にあるもの~「公正さ」をめぐる葛藤 conflict behind confrontation: conflict of fairness 3.「共に立ち上がる」ための課題 what we should do to “fight together”? 「公正」な復興プロセスへの選択肢~何を優先させるのか alternative to seeking fairness in restoration process 復興への再チャレンジ challenge again! 誰が一番「傷つきやすい」のか? Who is the most vulnerable? 図1東日本大震災・被災3県死者の年齢別内訳 (2011年4月19日) 26.8 22.1 図2 災害における年齢別被害者数 24.7 時事通信の資料による http://disaster-i.cocolog nifty.com/blog/2011/09/20042011201112-.html 「傷つきやすい人」を優先することはなぜ難しいのか? Why we could not prefer to give a priority to the vulnerable people ? 想定される反論 ・まずは生産再開が先だろう! Reconstruction first! ・未来志向の復興であるべきだ! The future should be intended! ・一生懸命復興努力をしている人たちの汗を無駄にはできない! ・生産性の低い部門に対する投資は効果が小さい! Low return on investment would be hated! しかし… ・もっとも傷つきやすい人にとって安全で安心できる社会は、他の人々にとっても 安全で安心な社会ではないか? The society for the most vulnerable people is as the safest one as for other people ・経済回復の潜在的エネルギーを持つ人に対する支援と、持たない人への支 援とはどちらが支援効果は大きいか? ・お互いの弱さや困難さへの理解を欠いた連帯は成功するのか? 公正な復興プロセスとは何か? What is the fairness in restoration process? 全ての人の情報が考慮され、全ての人の選好と選択が考慮され、そのう えで最も選択のためのコストがかかる人々(=もっとも傷つきやすい人々) から優先的にその選好を満たす努力を行うこと The process in which every information, every preferences and alternatives of peoples may be considered, then a priority would be given to satisfy the preferences of the most vulnerable peoples ・正しい情報 appropriate information ・選好表明の機会 appropriate opportunity to reveal their preference ・透明な評価尺度 apparent standard of evaluation ・提案と同意 suggestion and consensus building 我々自身の意識の変容・変革 self revolution in our consciousness Great Challenge! NISA Nuclear and Industrial Safety Agency Incompetent Decontamination Effort Risking Health of Fukushima Residents On this page Press release - December 7, 2011 Fukushima, Japan, December 7, 2011 – Nine months after the triple meltdown at the Fukushima Daiichi nuclear plant, Greenpeace today renewed its demand for urgent relocation of pregnant women and children living in contaminated areas of Fukushima City, after finding radioactive hot spots and signs that the official decontamination program is both uncoordinated and thoroughly inadequate.