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化学計算演習

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化学計算演習
[演習] 第2学年 前期 選択 1単位
化学計算演習
《担当者名》教授/黒澤 隆夫 教授/豊田 栄子 准教授/波多江 典之
【概 要】
薬学の基礎的概念である物理量、濃度、pH、化学平衡、物理平衡、反応速度等に関連する計算問題を演習し、基礎力の再確認
と応用力を高める。
薬学専門分野を学ぶ上で、化学の基礎となる法則の概念を把握し、さらに量論的な計算にも熟達する必要がある。そこで本演
習では、薬学の基礎的概念である物質量と濃度および定量的な取り扱いの方法より再度出発し、化学量論と化学平衡の計算を実
践することで理解する。また、反応速度論は薬学領域での重要な柱であるので、計算問題を自在に解ける能力を身につける。さ
らに、今後上級学年で必須となる計算力の涵養に向けて基礎的計算問題を中心として演習し、今後の薬学専門科目の理解を深め
るために、基礎力の再確認と応用力を高めることを目的とする。
【学習目標】
物理量、濃度、pH、化学平衡、物理平衡、反応速度に関連する基礎知識を再確認し、計算問題の解法を修得し、関連科目(無
機化学、分析化学、物理化学、機器分析など)の理解に役立てる。
【学習内容】
回
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
1
◎化学計算の基礎
1.物理量と単位
2.有効数字
3.濃度の表し方
●SI基本単位とSI組立単位について例をあげて説明
できる。
●種々の物理量についてSI基本単位を用いて表すこ
とができる。
●有効数字を考えて計算することができる。
黒澤 隆夫
豊田 栄子
2
4.濃度
●パーセント濃度、モル濃度に関する計算ができる。 黒澤 隆夫
豊田 栄子
3
5.対数、指数に関する計算
6.微分、積分
●対数、指数を使用した計算ができる。
●微分、積分に関する計算ができる。
黒澤 隆夫
豊田 栄子
4
7.データの表し方
◎化学平衡
1.化学ポテンシャルと平衡
定数
2.活量と活量係数
●実験データの平均値、標準偏差、相対標準偏差が
計算できる。
●平衡と化学ポテンシャルの関係を説明できる。
●活量と活量係数について説明できる。
●関連問題の計算ができる。
黒澤 隆夫
豊田 栄子
5
◎酸塩基平衡
1.水素イオン濃度、水酸化物
イオン濃度
2.電離度と水素イオン濃度、
弱酸・弱塩基のpH
●水素イオン、水酸化物イオン濃度の表し方を説明
できる。
●強酸、強塩基水溶液のpHが計算できる。
●電離度を利用して水素イオン濃度を求めることが
できる。
●電離度を利用して弱酸、弱塩基水溶液のpHを計算
できる。
黒澤 隆夫
豊田 栄子
6
3.解離定数と水素イオン濃度
4.塩溶液のpH
●酸解離定数を利用して弱酸、弱塩基水溶液のpHを
計算できる。
●塩溶液のpHを計算できる。
黒澤 隆夫
豊田 栄子
7
5.多塩基酸、多酸塩基のpH
6.緩衝液のpH
●多塩基性酸、多酸塩基のpHを求めることができる。 黒澤 隆夫
●各種緩衝液のpHを求めることができる。
豊田 栄子
●特定pHを有する緩衝液の組成を計算で求めること
ができる。
8
◎沈殿平衡
●沈殿生成に関する溶解度と溶解度積を求めること
ができる。
黒澤 隆夫
豊田 栄子
9
◎酸化還元平衡
●イオン式の組合せにより(酸化数の変化)酸化・
黒澤 隆夫
回
10
テーマ
授業内容および学習課題
担当者
還元反応を組み立てることができる。
●標準電極電位より酸化還元電位が計算できる。
豊田 栄子
◎反応速度論
1.0次、1次、2次反応
2.擬0次反応
3.複合反応(可逆反応、平行
反応、連続反応)
●0次、1次、2次反応の反応次数、速度定数、半減期、 豊田 栄子
有効期限などを求めることができる。
波多江 典之
●懸濁液の分解反応における反応次数、速度定数、
半減期、有効期限などを求めることができる。
●複合反応に関する速度定数、半減期、有効期限、
平衡定数などを求めることができる。
12
4.反応速度と温度
●アレニウスプロットから活性化エネルギーと頻度
因子を求めることができる。
●アレニウス式から速度定数。活性化エネルギー、
頻度因子を求めることができる。
豊田 栄子
波多江 典之
13
5.酸塩基触媒反応
●酸塩基触媒反応に関する酸触媒定数、塩基触媒定
数、および半減期などを求めることができる。
●酸塩基触媒反応におけるpH-速度定数プロファイル
を描くことができる。
●医薬品を最も安定に保存できる溶液のpHを求める
ことができる。
豊田 栄子
波多江 典之
14
◎溶液
1.希薄溶液の束一的性質
(蒸気圧降下、沸点上昇、
凝固点降下、浸透圧)
●溶液の蒸気圧、沸点、凝固点、浸透圧を計算する
ことができる。
●束一的性質を利用して溶質の分子量を計算するこ
とができる。
●等張化の計算ができる。
豊田 栄子
波多江 典之
11
15
【評価方法】
出席および演習問題の解答状況、定期試験を加味して評価する
【備 考】
教科書 : 「薬学計算演習」 京都廣川書店
参考書 : 「薬品分析化学教科書」「薬品物理化学教科書」
【学習の準備】
教科書の演習問題を予め解いておくこと。
【関連するモデルコアカリキュラムの到達目標】
C1 物質の物理的性質 (3)物質の状態II【物理平衡】5) ; (4)物質の変化【反応速度】1)∼6)、9)
C2 化学物質の分析 (1)化学平衡【酸と塩基】1)、3)、5)、6); 【各種の化学平衡】2)、3)、4)
・反応次数と速度定数について説明できる。
・代表的な反応次数の決定法を列挙し、説明できる。
・代表的な複合反応(可逆反応、平行反応、連続反応など)の特徴について説明できる。
・反応速度と温度との関係(Arrheniusの式)を説明できる。
・代表的な触媒反応(酸・塩基触媒反応など)について説明できる。
・溶液の束一的性質(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下など)について説明できる。
・酸・塩基平衡を説明できる。
・溶液のpHを計算できる。
・緩衝作用について具体例を挙げて説明できる。
・代表的な緩衝液の特徴とその調製法を説明できる。
・化学物質のpHによる分子形、イオン形の変化を説明できる。
・沈殿平衡(溶解度と溶解度積)について説明できる。
・酸化還元反応について説明できる。
・標準電極電位について説明できる。
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