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1 取りまとめデータにみる成果 工期が短縮できたものはモデル工事9件の
1 取りまとめデータにみる成果 工期が短縮できたものはモデル工事9件のうち7件です。7件の工期短縮日数の合計は103日です。 9件の契約工事日数の合計は1,575日ですので6.5%短縮できました。全体契約金額は284,034 千円ですので、この6.5%にあたる18,462千円分、生産性が向上したと解されます。 工事成績点は8件が県平均の79点を上回り、高品質な工事が行われました。 利益率は受注者からの聞き取りですが、当初の予定に比べて利益率がアップした工事は4件でし た。そのうち3件は3~10数%の利益を確保することができました。 早期完成 生産性向上金額 工事成績点 利益率がアップした 「工期内」 (千円) 達成度 工事件数 (全体契約金額 (県全体平均点約79点) (アップ率0%も含む) =284,034千円) 7件 6.5% 8件 4件 (78%) (18,462千円) (89%) (44%) 平均点81.2点 2 アンケート結果による発注者と受注者の成果 対象工事の担当監督員、総括監督員、受注者にアンケートを取ったところ資料1の回答を得まし た。この回答から次の成果があったことが確認できます。 質の向上 監督員 ①質問に対して、ほぼ100%ワンデーで回答した。 ②一人で抱え込まないで先輩や上司に聞くようになった。 ③目標をもって工事に取り組むためやる気が出た。 ④受注者と協働して高品質な構造物をつくることは、今後の取組みとして重 要である。 現場代理人 ①発注者とコミュニケーションがとれるようになった。 ②協働の意識が生まれた。 ③ワンデーレスポンスは人材育成につながる。 ④会社の経営改善に役立つ。低コストでの完成 3 O.D.SCについての成果 O.D.SCについては、前出の資料1に9件の受注者、発注者の全てが記載されていますが、主なも のは次のとおりです。 モデル工事の目的(O)、成果物(D)、成功基準(S.C) 目的(O) ・高品質な構造物を早 期に提供する ・地元への工事負荷を 少なくする ・地元住民の満足度を 高める 成果物(D) 成功基準(S.C) ・高品質な構造物をつくる ・工事成績を上げる(89%達成) ・現場代理人を一人前にする ・工期を短縮させる(78%達成) ・出来ばえの良い構造物をつくる ・無事故で工事を完了させる ・社内外へ成果の発表を行う ・優良工事表彰を受ける (100%達成) ・地元のクレームをなくす(100%達成) ワンディレスポンスモデル工事アンケートQ&A ● 受注者編 Q1~Q12 ● 担当監督員編 Q13~Q26 ● 総括監督員編 Q27~Q28 平成19年10月 建設部工事検査室 ワンディレスポンスモデル工事アンケート(受注者編) CCPM(クリティカル・チェイン・プロジェクトマネジメント)に関する感想をお書きください。 Q1 作業員に余裕がない時期、実行できるか疑問です。 A1 余裕がないからこそCCPMで乗り切れます。CCPMは人間の行動特性を考慮し合理的かつ効 率的にプロジェクトを管理する手法です。CCPMできっと余裕ができます。 Q2 社内においては、サバ取り段取りができるが、発注者との協議の場では、各作業員の能力の 違い等によりサバが取れないと思う。 A2 元々みなさんの行動にはサバが見込まれています。責任感の裏返しですから。発注者にサ バの無いものを見せることによって受注者の取り組む姿勢や熱意が伝わり、信頼が生まれること で、発注者の意識を変えることができます。 Q3 まだ、CCPMをよく理解していないため、どのように対応してよいのか判らず、ただ焦りだけが 先行している状態です。 A3 CCPMとはプロジェクト全体の納期を守る。あるいは短縮することを目的とした管理手法です。 従来の管理手法(パートネットワーク手法)は個々の工程が確実に終了することを前提にしている ため現場作業者は計画が遅れないよう、あらかじめ個々の工程に余裕(安全時間)を確保してい ました。 CCPMはプロジェクトという不確実な作業を行う場合の人間心理や行動特性に配慮して全体最適 なプロジェクト管理を行う実践的手法です。従来のパートネットワーク工程の各タスクに見込んで いた余裕の日数と工夫して短縮した日数を工程の最後にバッファーとして集約させます。これは 完成日前に納期を設定することで「今すぐスタートしなければ間に合わない」と思わせる人間の行 動心理をうまく利用した手法と言えます。 すなわち各工程の締切を管理するのではなく残された時間がどれだけ消費されたかを管理し、 「あと何日でプロジェクトが終わるか」をいつも頭に入れ「バッファーの消費量が早い」「バッファー が残り少ない」場合に先手先手の対策をとる管理手法です。 まずは、実行してみることです。最小の努力で最大の効果、最小の費用で最大の利益を生み出 すのがTOC(制約理論)の考え方です。一歩一歩進めていけばよいのです。 Q4 今までやってきた工程の管理のやり方とちょっと要領がちがうので、まだ若干の戸惑いがあり ますが、工事を進めていく中で、だんだんと上手なやり方が見えてくるのではないかと思います。 A4 そのとおりです。だんだん旨くやれるようになれます。研修や座学で学ぶ形式知ではなく経験 や体験で習得する暗黙知なので水泳や自転車に乗るのと同じです。 形式知…知識のうち言葉や文章、数式、図表などによって表出することが可能な客観 的、理性的な知のこと。 暗黙知…知識のうち勘や直感、個人的洞察、経験に基づくノウハウのことで言語、数 式、図表で表現できない主観的、身体的な知のこと。 Q5 工程管理に対して自分の中にある多少の余裕とゆとりを排除し計画を行う事で、作業の段取 りや、配置計画、打合せなどにおいて、緊張感をもって行う事ができていると思い、非常に良いと 思います。 A5 はいそのとおりです。共通目的(ODSC)と共通のツール(サバなし工程表)を使って進めましょ う。そして何より「やる気」がきっと良い結果を生みます。 Q6 早期竣功すれば、反省や是正等ゆっくり考えられ、次回工事に繁栄できる。 早期竣功すれば、次回工事の段取りができる。 早期竣功して、無駄が無く終われば、利益が出て、会社がうるおう。 A6 はい、そのとおりです。CCPMはプロジェクトの発注時に想定できない不測の事態に備えた全 体最適な管理手法です。これで先手先手の工程管理ができて工期短縮に大きな威力を発揮しま す。 Q7 工種項目が多い工事で、ネットワーク工程表によって書くような工事では工事の段取りを変え てみたりして、クリティカルパスを管理することによってCCPMの効果が出ると思われる。しかし、 今回の工事では全体的に見ると1工種しかなく、CCPMの利点が生かされていないと思う。 A7 従来のネットワーク工程表とCCPM工程表は基本的に考え方が違いますが両方ともクリティカ ルチェーンはひとつしかありません。極論すればクリティカルチェーンは1工種の連続ということに なります。そのため1工種のプロジェクトでもCCPMの効果は必ず現れると思います。 ワンディレスポンス・プロジェクトに関する感想(課題や改善点等)についてお書きください。 Q8 昔から言われていたことを、難しい(横文字)言葉を使って言い直したもので、簡単な言葉に 置き換える必要があると思う。 A8 おっしゃるとおり、新しい内容はないと思いますが新しい取り組みを始めるに当りキャッチフ レーズが必要です。これは「現場を待たせない」「困ったら相談する」という工事現場における原点 回帰の取組です。開発者のゴールドラット博士は、自分の発明ではない。人類の英知を結集した ものだと言っています。しかし博士が包括的にまとめた最初の人なので用語が難しい言葉となっ ています。用語は専売特許なので変えられませんがどうしても言葉に抵抗があるのなら、自分な りの言葉に置き換えて理解してください。ただし自分に都合よく置き換えることにより目的や内容 が変わらないよう注意が必要です。 Q9 会社の体制、社内の協力体制が確立していない限り、孤立した個々の現場単位だけになって しまう感じがします。確かに経験豊富な出来る人の技術者がワンデイレスポンスを行えば、問題 ないと思いますが、経験の少ない者やコミュニケーションの苦手な方などは会社の組織体制、社 内の協力体制が無い限りきつくなると思います。 A9 そのとおりです。若い人には教えることが必要になります。組織状態によりプロジェクトの効果 に一定の差は出ます。しかし組織状態がどのような状態だろうと、それを超えて、効果は出ます。 ただし、自組織の外とのコミュニケーション、つまり、発注者との対話、地元との対話などが出来 るかどうかが鍵になりますので社内の協力は必要になります。 Q10 まだ、工事開始からそれ程日数も経過していないので、判断材料が乏しく評価しかねます。 A10 Q3や Q4と同様に慣れないうちは進めながら判断していけばよいと思います。 またQ5のとおり「やる気」と「チャレンジ精神」が成功の鍵であり、その上で共通目的(ODSC)と共 通のツール(サバなし工程表)を使ってワンディレスポンスで対応します。 Q11 受注者と発注者が対等な立場となって1つのプロジェクトを行うものだと思うのだが、その共 同作業は難しいと思います。 A11 立場が違うから難しいと考えるのが現状レベルだと思います。固定観念で考えていません か。センゲはまずメンタルモデル(固定観念)の克服をしようと教えています。最強組織の法則と いう本です。世界では常識に近い考え方になっていると思います。 注)センゲ…マサチューセッツ工科大学 ピーター・M・センゲ教授。 実現手段として5 つの構成技術を掲げた。 1 2 3 4 5 システム思考 (systems thinking)… ビジネスにおける構造的相互作用を把握する力。 自己マスタリー (personal mastery)… メンバー1人1人が自己を高める意志を持つ。 メンタルモデル (mental models)の克服… 凝り固まったものの考え方を克服する。 共有ビジョン (shared vision)… 個人と組織のビジョンに整合性を持たせる。 チーム学習 (team learning)… 対話を行うスキルと場を養う。 Q12 ワンディレスポンス・プロジェクトは発注者側から現在の工事の現状を改善しようとする提案 で発想はとても、素晴らしいし意欲的な取り組みだと感心しています。しかし、工事現場の実情は もう少し違うところにあり、実際に工事を担当する現場監督は低賃金・長時間労働に苦しんでいま す。その原因は必要とされる書類が膨大すぎるところにあるのではないでしょうか。その点が解 決され、後輩が頑張って仕事の出来る明るい建設業になることを祈っています。 A12 ワンディレスポンス・プロジェクトの必要性についてご理解いただきありがとうございます。書 類作成は、歩掛や現場管理費の中にその作成費用が入っています。電子納品で慣れるまで時 間がかかったりしていませんか?余計な書類を要求されていませんか?勿論、重複した書類が ある場合は簡素化していかなければなりません。また、時代が変わり、不用になって意味や価値 のないものもあると思います。これらは廃止していかなければなりません。抽象的に書類が多い と言うだけでなく、具体的にこれはいらないのではないか?と発注者に意見を述べることが必要 だと思います。 ワンディレスポンスモデル工事アンケート(担当監督員編) CCPM(クリティカル・チェイン・プロジェクトマネジメント)に関する感想をお書きください。 Q13 現場代理人が過度のプレシャーを受けることにより、能力を生かしきれていないように思わ れる。 A13 最初で慣れないうちにはそう感じるのは当然です。担当監督員と現場代理人が密に質問と 回答を行うことでお互いの信頼関係が構築され徐々に能力を発揮していくようになると思います。 Q14 想定外の問題が発生して、バッファを大幅に消費した場合、新たな段取りの変更や工程計 画の見直しが必要になると思うが、その場合、施工業者に対して過度の負担になると思われる。 A14 バッファを大幅に消費したということは進捗が遅れているということです。ワンディレスポンス モデル工事だからと言って特別なことはありません。通常どおり変更工程表の打合せを行って下 さい。 Q15 工期短縮を目指し、受注者の負担にならないよう、早期回答及び事務の簡素化を心がけた い。 A15 受注者に対してそのとおり心がけて下さい。また簡単な質問回答であれば電子メールを使用 して下さい。 Q16 今回のこの工事では、工種が1つしかなく生かされているのかわからない。工種の少ない工 事で行うのは、あまりメリットがないように感じる。 A16 単に「工期短縮」だけでなく「工程表の共有による協働効果」もあげられます。発注者と受注 者の意識改革という点でご理解願います。他県では、橋脚1本というのにも取組んでいます。 →Q7 参考 ワンディレスポンス・プロジェクトに関する感想(課題や改善点等)についてお書きください。 Q17 今回の現場では、下請け業者と契約締結後、下請け業者から人手が入らない事態が発生し たことにより、工事の進捗が大幅に遅れてしまった。 再度下請けの選定・契約事務などにより大幅にバッファを消費してしまったことから、工事進捗 の回復のために、作業班の増加や休日作業を頻繁に行うことで、対応を考えているが、作業員 の健康管理や適切な施工管理が行えるかが現在の問題点となっている。今後、このような事態 が起こることもありえるため、対応方針の検討が必要になると思われる。 A17 これは事前に受注者が考えておくことになると思います。日ごろの経営計画がシッカリしてい るかどうかが問われる問題だと思います。会社の経営計画の中にCCPMの考え方を取り入れて いただくことが必要です。経営品質の問題にもなります。ワンディレスポンスモデル工事だからと 言って特別な対応が必要ということはありません。 Q18 発注前に発注者並びに施工業者に対して、勉強会の実施が必要であると思う。施工工事に 対して会社の理解や協力が得られているか疑問に思う。 A18 ワンディレスポンスとODSC、CCPMを組み合わせたプロジェクトは受注者の現場改革と同時 に経営の安定に貢献すると確信しています。ワンディレスポンスについては配布済み資料の他、 ホームページにも掲載されており勉強はできると思われます。ただしお互いに慣れない点はあり ますので工事実施しながらモデル工事として趣旨の理解を深めていくようにして下さい。 また、工事検査室では11/22に「三方よし公共事業改革シンポジウム」を予定し先進県の取組に ついて勉強できる機会を設けます。 Q19 今後、対象工事を拡大した場合、担当監督員の能力にもよるが、24時間以内に質問を回答 することが困難になってくると思う。 A19 24時間以内に回答できない場合は迅速に返事をするということです。「正式回答は何日後 になります。」でもいいのです。現場の段取りの見通しがつくような返事を24時間以内にするとい うのがのワンデーレスポンスです。 Q20 今後、実施する場合は、入札段階で「ワンディレスポンス対象工事」であることを知らしめて おく必要がある。対応が出来ない施工業者が落札した場合、担当監督員の負担が大きくなる。 A20 受注者の経営の安定を図る取組ですから対応できない業者さんというのは、あまりないと思 います。また指導支援することによって、十分対応できるのではないかと思われます。Q8にある ように昔から言われてきたことであると考えれば担当監督員の負担を過度に意識する必要はな いと思います。ただし、やる気がない人には無理な面があることは否めません。 また、本年度は特記仕様書にモデル工事である旨を明記して下さい。 Q21 問題が発生し変更対応が必要となったときの指示書の決裁が、契約担当者までになってい るため、スムーズな指示ができない A21 契約担当にワンデーレスポンスの考え方を理解していただくことで解決できるのではないで しょうか。参画巻き込みの原則(ブレイクスルー思考の7つの原則のひとつ)を活用しましょう。 注)ブレイクスルー思考…アメリカ人のG・ナドラー氏と日比野省三氏が明らかにした思 考法。7つの原則のひとつに「参加巻き込みの原則」があり、有能な問題解決者は多く の異なった情報を選られる人々の中にいる。つまり人々の参画こそ成功の秘訣である としています。 また、「決済に時間がかかる」ということが顕在化したので事務所内でPDCAサイクルとして改善 することはできないでしょうか。 Q22 書類作成が多くなりそう A22 質問や回答の様式等は既成のものを使用して簡素化に努めて下さい。 また他県の事例 では特に書類が増えたことはないそうです。むしろ口頭でのコミュニケーションが活発になり、ス ピードが高まったそうです。→参考 Q15 Q23 課内の「コミュニケーションの活発化」は、プロジェクトの運用上打合せが多くならざるを得ない だけである。 A23 確かに打ち合わせの時間と空間を共有することが必要になります。つまり同じ場で議論す ることに時間を割かれますが、それ以上の価値や意味が生まれます。単に打合せで終わる内容 ばかりではないはずです。是非試してみてください。その価値を生み出すような会議の進め方も 旨くなりますし、格段に生産性が高まります。 Q24 ワンディレスポンス・プロジェクトを行うことにより、必要とされる書類づくりに時間を取られ て、双方に負担が増すことは避けたいと思います。 A24 そうですね。Q15と同様に書類を増やさないような仕方ができると思います。工夫してみて下 さい。 Q25 プロジェクトの内容は有意義であるが、無駄な会議等に時間を費やし過ぎである。 A25 初めての試みということでプロジェクトの説明に時間をかけているのは事実です。今後皆さ んが慣れていただければ打合せ等に要する時間は短くなっていくと思われます。 Q26 ワンデイレスポンスは発注者サイドの認識として極めて重要であるが、工程短縮等 は請負 者が独自に取り組むべきものであり、発注者側が関与すべきではない。 A26 そうですね。確かに今まではそうでした。安全と品質を確保した上で「工期を守る」「工期を 短縮する」ことについては誰も異議を唱える人はいないはずです。かつ誰でも取り組める共通目 標の一つでありその効果は確実に出ます。そこで、ワンデイレスポンスモデル工事は一歩進めて 発注者と受注者が協力して公共構造物を安全に、早く、良質に仕上るというプロジェクトです。そ のために発注者がより積極的に関わろうとするものです。そして、結果的に工期が短縮されると、 早期供用のメリットがでます。地元も工事負荷が減り喜びます。創意工夫によってプロジェクトが 早期に完成し高い品質のものが出来ますから、監督も検査も楽になります。また儲けていただけ ますから、税を納めてもらえます。建設で儲けてもらい、弁当やその他のものを買っていただくと、 地域経済が活発になります。産業関連表で計算すると、事業費のおよそ倍額が地域経済をうる おすことになるというのが通説です。これまでよりも儲けていただくと、より高い経済効果の発現 があるものと思われます。 ワンディレスポンスモデル工事アンケート(総括監督員編) ワンディレスポンス・プロジェクトに関する感想(課題や改善点等)についてお書きください。 Q27 対象工事をワンディレスポンスの効果が現れる工事にしたほうがよい。 A27 そうですね。最初は企業を選んでやるのもいいかも知れません。しかし、どんな企業でもた いがい効果は出ます。もし、出ない場合は、その原因が何だったのかがわかります。ですから無 駄だったということはありません。 Q28 書類でのやり取りが多くなると思われるが、その実感がまだわかないため、どのくらいの時 間を費やすかが不安である。 A28 先行事例を聞くことが一番ではないでしょうか?書類が増えることがないような方法でやら れるといいですね。時間が費やされるよりも、むしろ効率的になり余裕ができると思います。ま た、いろんな価値が生まれますし、やってよかったと感じることができると思います。是非取組ん でいただければと思います。→参考 Q22 ODSCに関する質問 Q 発注者の目的に利益率の向上を記述できないのではないか。 A ワンデーレスポンス・プロジェクトモデル工事は発注者と受注者が協働して三方よ しの公共事業改革を目指すものです 。このため、発注者の目的に含めても可としま す。 Q 発注者の目的は、工期の短縮ではない。 A 発注者としては工期内に工事を完成させることが1つの目的であると考えます。し かし工期を短縮させることは県民にとっても早期供用開始及び周辺環境への負荷の 低減等のメリットもあるため、発注者の目的に含めてもよいと思います。 Q 規格値内80%以内では、所定の工事成績は望めないのではないか。 A 現在の工事成績評価制度では、規格値内80%以内であっても、高得点(84点以 上)を望める可能性もあります。 まとめ ● 本アンケートの個体数は9事務所と少ないため必ずしも十分ではありませんが9件のモデ ル工事の目標とする工事成績点数は平均83点です。 ● ワンディレスポンスとして質問したときの反応について受注者に対してほとんどが回答さ れ、発注者もほとんどすべてに回答したと答えています。 これは対象工事ということで、発注者の意識が高くなっているからではないかと考えられ ます。 ● CCPMの理解度については受注者、発注者とも概ね内容を理解し「工程の見える化」と 「工期短縮」について好感触を得ているように思われます。 一方で受注者は「工程管理が煩雑になり残業が増えた」と答えた人もいました。 ● ワンディレスポンス・プロジェクトが人材育成につながると答えた人は受注者、発注者とも 6割を占め、受注者は「目標をもって工事に取組むためやる気がでた」と答え、発注者は 「一人で抱え込まないで先輩や上司に聞くようになる。」と答えました。 それでは実際に受注者や発注者に「社内や課内でコミュニケーションは活発化したか」と いう問いに対しては「どちらともいえない」と答えた人が6割を越え、相反する回答となりま した。 ● ワンディレスポンス・プロジェクトにより「社内の協力体制は変わりましたか」の問いに受注 者は「どちらともいえない」と答えた人が8割を占めたのに対し発注者は「組織で対応しま したか」の問いに「組織で対応した」と答えた人が逆に8割を占めました。このように発注 者側の機運は少しずつ高まっていることが感じられます。 ● ワンディレスポンス・プロジェクトのメリットとして受注者、発注者とも「会社の経営改善に 役立つ」と答え「受注者と協働して工事を完成し、高品質な公共物をつくることは、今後の 公共事業改革の取組みとして重要だ」と発注者が答えていることから双方とも有効性に ついては認めています。しかし「ワンディレスポンスを次年度以降についても取組みたい と思いますか」という問いに対して発注者は「どちらともいえない」と答えた人が上回りまし た。これは初めての取組で受注者、発注者とも意義は認めながらも戸惑いを感じて試行 しているため次年度以降の取組に対して慎重な回答が多かったものと思われます。