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静岡中央高校
モンゴルで過ごした五泊六日の記録と感謝 静岡中央高校 前島安香里 私にとって、この五泊六日のモンゴルでの体験は、かけがえのない思い出です。最初の 一日目と二日目で、すでに日本が恋しくなっていたというのに、帰国間際になると、まだ モンゴルに居たい気持ちが、凄く強く残っていて、自分でも不思議な気持ちです。実は私、 飛行機に乗るのも、外国に行くのも初めてでした。そして、自分を変えたいという動機を 持って、モンゴルに行きました。 一日目、この日は飛行機に乗ってホテルに泊まるだけでしたが、すでに出発前から体調 を崩していた私は、これだけでも凄く疲れていました。モンゴルの首都、ウランバートル に初めての食事、ホテル・・・・・・ホテルは、後から考えれば、とても快適な場所でした。こ の日、初めて、モンゴルの通貨であるトゥグリクを見ました。最初に見た時、すでにボロ ボロで、二、三秒、唖然としたのを覚えています。私の中で一番大変だったのは、二日目 です。 二日目、予定では、ウランバートル駅から列車でゲルキャンプのあるドルゴノビ県のサ インシャンドまで行く予定でした。完璧、移動だけの日です。でも、肝心な列車が事故に より動きませんでした。急遽、バスをチャーターし、私達は、ゲルキャンプを目指したま では良かったのですが、ひたすら草原、砂漠です。東京から大阪間くらいの距離を移動し ました。モンゴルのトイレ事情には驚きました。だんだん、ゲルキャンプに近づいていき、 景色が草原から砂漠になりました。そうなると、道路が整備されていません。ガタンガタ ン揺れる中をひたすら進みました。こうしてバスで移動し、ようやくサインシャンドにつ きました。サインシャンドの子供達が、出迎えてくれて、日本語で「こんにちは」と言っ てくれたのには、感動しました。その後、レストランで食事をし、ゲルキャンプに着いた のは、深夜の 12 時を過ぎていました。そこから、シャワーを浴びられる人は浴びて、寝ら れる人は寝ようとは・・・・・・いきませんでした。何故なら、ゲルキャンプの中には、虫がた くさん居たからです。日本で山の中キャンプをして泊まったとしても、この数はありえな いな、というほどの数です。上から虫が落ち、下にあたってパチパチとなる音。スイカの 種みたいなので、皆、スイカの種と呼んでいました。寝る時は耳栓とマスクをして、虫の 恐怖に怯えて過ごした夜でした。 三日目、朝は六時半起床でした。でも、私達は寝坊して、七時少し前に起き、朝日を見 るという、この日最初の行事に参加しました。スプーンに牛乳を注ぎ、地面にとばしまし た。そして、驚いたのが、『朝日』に対してのモンゴル人との考え方の違いです。私達、日 本人は、地面から太陽がのぼる瞬間を朝日と捉えますが、モンゴル人は、起きて最初に見 た太陽を朝日というのだそうです。だから、朝日を見るという行事にもかかわらず、すで に太陽は出ていました。そして、ナーダムと呼ばれるモンゴルでのお祭りをわざわざ私達 のために開いてくださいました。競技が同時に行われていて、どれを見ればいいのか、迷 いました。モンゴル相撲は、日本の相撲のように土俵がなく、時間制限もありません。モ ンゴル相撲の中でも、同じ場所で試合が同時に行われていました。ナーダムが終わり、私 達が次に体験したのが乗馬、乗駱駝です。私は、駱駝に初めて乗りました。モンゴルの駱 駝は、エジプトなどの駱駝と違って、二つこぶで、乗ると凄く安定しています。ただし、 降りる時、駱駝が足をたたむので、がたんっとなり、少し怖かったです。でも、駱駝には また乗りたいと思いました。実際の遊牧民の方が飼っている駱駝に乗れる経験はそう滅多 に出来ることではないので、貴重な体験をさせてもらいました。駱駝に乗った後、ついさ っきまでいた羊の群れを見ようと思って、振り返ったら、一匹もいませんでした。遮るも のが一切ない砂漠を見渡しても、羊は居ませんでした。どうやら、大勢の人が近づくと、 逃げてしまうみたいです。それにしても、何処まで逃げたのか気になります。 四日目、静岡県・ドルゴノビ県友好協定締結二周年記念の式典や静岡通りのモニュメン ト除幕式に参加しました。私達は浴衣や法被、道着を着てワンピースの曲と上を向いて歩 こうを歌いました。モンゴルの子達の出し物が素晴らしくて、自分達ももっと練習して完 璧な状態で発表したかったな、と思います。そして、この時の会場で、私はデジタルカメ ラを落としてしまいました。後から考えれば、何か落としたようなゴトッという音がした ので、たぶん、その時だと思います。ドルゴノビ県の第五学校を見て、その学校の生徒と バレーボール大会をしました。私は見ていただけですが、とても楽しかったです。最後に 第五学校の子達も含めて全員で夕食を食べました。ピザが美味しかったです。私は、ハム を食べましたが、食べてみると臭みがあったので、羊だと思います。羊は少し苦手でした。 もっと英語を勉強しておくべきだったと後悔しましたが、第五学校の子達と出会うことが 出来、本当に良かったと思います。この日の夜は、車中泊で、初めて列車で夜を過ごしま した。中は凄く狭く、荷物を部屋に運ぶ時、通路が人でいっぱいで移動するのが大変でし た。 五日目、朝、寒さで目が覚めました。夜、本を読んでいてそのまま寝てしまったようで、 毛布をかけていませんでした。いそいで毛布をかけて、列車はすぐにサインシャンド駅に 着きました。駅に着いた時は、やっと帰ってきた!と思い、凄く感動したのが今でも鮮明 です。ホテルで暫く休み、私は新モンゴル高校で、「日本の歴史」をグループで紹介しまし た。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三武将について発表し、私は豊臣秀吉を担当しまし た。三つのグループを順に回っていきましたが、だんだん内容が分かりやすいように簡略 化されていきました。最後の教室で発表が終わったとき、時間が余ったので、その教室に 居たモンゴルの高校生と何でもバスケットをしました。私も久しぶりにやって、慌てて椅 子をとり行ったのが良い思い出です。何より、「モンゴル人」「日本人」という言葉がこの ゲームで出てきたことは、私にとって新鮮でした。モンゴルの学校を見て、高校生と触れ 合うことができたこと、とても日本では出来ないことです。 六日目には、もう日本に帰国し、私は日本の生活の便利さを改めて実感しました。やは り、日本は道路が綺麗だと思います。後日、一緒にモンゴル行った皆にデジタルカメラ紛 失分の画像をたくさんもらい、本当に助かりました。皆、とても温かくて楽しく五泊六日 を過ごせました。これは、私にとって、とても重要なことです。 最初にも言いましたが、私が、このモンゴルで過ごした時間は、とてもかけがえのない ものです。高校生という自分の道を決める大事な時期に、このような体験が出来たことは 貴重なことで、誰もが得られるものではないと思っています。私はこの貴重な体験をこれ からの人生に生かし、より良い未来に繋げ、成長していきたいです。 最後に、引率して下さった方々と、モンゴルに一緒に行った皆さんに、この場をお借り してお礼申し上げます。 有難うございました!