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1 - 大阪府教育センター

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1 - 大阪府教育センター
2 色彩教育の現状
(1)教員からの現在の色彩指導の聞き取り
本研究委員会では、過去のデータや紀要、学習指導要領から色彩指導の詳細を読み取り、現在の学
習指導要領から今の子どもたちの実態に即した指導の在り方をみることができた。また、本研究テー
マのひとつである系統性について、
「どの段階でどういう描画材料を提供し、どこまで指導すべきか」
ということを各学校で実践されている教員にその状況を広く聴取するとともに、アンケート調査を実
施した。調査項目、内容については、
【資料2−5】に示す。
アンケート調査は、小・中学校においては、府内の小学校 370 校と中学校 210 校に協力を依頼し、
小学校 169 校、中学校 84 校から回答が得られた。また高等学校は、20 校からの回答を得られた。回
収された回答からは、図画工作、美術・工芸教育の重要性、とりわけ色彩指導の重要性についての意
見、感想を聴取することができた。研究委員会では、その集計、読み取りを行い、結果からの考察を
行った。項目1「描画材料(色素材)とその色数の与え方について」については、第2章−1で紹介
しているのでそれ以降の項目について以下に述べてみたい。
【資料2−5】
1 調査目的
学習指導要領の改訂にともない、
「図画工作」
「美術」の年間授業時数が減少してきている。その
中で指導を充実していくためには、各校種の発達段階に合わせて何をどこまで教え、育てるべきか
という系統化が必要になってくる。
「指導の工夫改善」と「授業のスキルアップ」が叫ばれる中、
小学校・中学校・高等学校の教員がその系統化にむけて、現場教員より多くの意見を聞き、現状を
把握するための調査である。今回は、色彩教育に範囲を限定して研究することにした。この調査結
果を分析し、今後の研究の判断材料にするとともに、結果を冊子として公表し、学校支援、研修等
に活用する。
2 調査元
大阪府公立小・中学校美術教育研究会 会員校
3 調査内容
小学校
中学校
1 描画材料(色素材)とその色数の与え方について 1 同 左
2 水彩絵の具の色の混合(混色体験)について
2 同 左
3 色名・色数の把握について
3 同 左
4 色の体系及び色の経験的気付き(知識理解)
4 色の体系及び色の知識理解
5 具体的指導法について
5 色相環の指導に関して
6 「色彩指導」に関して
6 具体的指導法について
7 「図画工作」に関しての質問、意見
7 「色彩指導」に関して
8 「美術」の指導に関しての質問、意見
4 調査要領
① 対 象 大阪府公立小・中学校美術教育研究会所属学校の教員
39
② 方 法 ・多肢選択及び自由記述による質問紙法
・
「アンケート用紙」を、各地区代表者を通じて配付する。
・各校で記入の上、回答用紙を封筒に入れ、各地区代表者を通じて回収する。
※ 調査の内容(本文)については、最後に【資料2−6】で紹介する。
※ 下線の数字は、回答数を表す。
(2)アンケート項目2 水彩絵の具の色の混合(混色体験)について
水彩絵の具を用いての混色体験に欠かせない用具として、パレット、筆、筆洗などがある。その
なかでも最も指導が必要なのがパレットの扱い方である。小さい部屋と大きな部屋との違い、色の
置き方(色相の順)
、色の混ぜ方、無彩色の扱いなど、混色指導において大切な要素がたくさん含
まれている。混色の楽しさや色の不思議、色づくりの面白さなど混色体験をさせるためにパレット
の扱い方の指導が大切である。
ここで学習指導要領のなかでの「水彩絵の具」の扱いを考察する。平成 10 年度版の「小学校学
習指導要領解説 図画工作編」では第3・4学年で扱われている。平成元年版以前のものすべてに
共通して、混色の指導に関しては「第3学年」
、その扱いが始まるのが「第2学年」に出てきてい
る。
今回の小学校教諭のアンケート結果【資料2−5−1】には、
「パレットの扱い指導」に関して
は第1学年で最大値 93、第2学年で2番目の 84 となっている。第1学年及び第2学年でクレヨン、
パスを併用ながらの水彩絵の具の導入と同時に、
「パレットの扱い方」を指導することが必要だと
考えている教員が多いことがわかった。パレットの扱い方や水彩絵の具の使い方を把握し、具体的
に混色指導に入るのは、第3学年(101)が中心になる。これは中学校、高等学校教員ともほぼ一
致しており、
「水彩絵の具を持たせる時期にパレットの扱い方を指導し、体験を通して徐々に水彩
絵の具の色で混色することを楽しませる。パレットを使った具体的な混色指導は、小学校第3学年
から少しずつ指導していく。
」ことが確認された。
「重色指導」は、風景画や人物画などの写生画を指導する際、混色では表現できない色の深さを
感じてほしいときの内容であると考える。小学校高学年から中学校にかけての時期に、児童生徒が
色に対する高い表現力を欲した場合に与えるべきと考える。重色は、写生画などに使う場合が多い
が、版画のように重ね刷りの効果を味わう場合も考えられる。今回のアンケート結果【資料2−5
−1】でも、小学校高学年から中学校、高等学校にかけて数値が高い。
【資料2−5−1】
アンケート項目2 水彩絵の具の色の混合(混色体験)について ※数字は、回答数
※最も重要と考えられたものから◎3ポイント、○2ポイント、△1ポイントとし、各学年ポイント計の
数字をあげている。さらに、その数値を各校種別(上段:小学校 中段:中学校 下段:高等学校)学年
別に示し、
「最も重要」をあかで、
「補助的に使う」をあおで表示している。
2.水彩絵の具の混色体験について ※数値は、回答数
小学校
中学校
パレットの扱い方の指導
学年 1
2
3
4
5
6
1
2
3
小学校教諭の回答
93 84 43
5
3
3
中学校教諭の回答
11 15 18
5
4
4 37
6
5
高等学校教諭の回答
9
8
5
2
40
1
高等学校
2
3
1
色の混色指導
学年
小学校教諭の回答
中学校教諭の回答
高等学校教諭の回答
小学校
1
2
3
4
19 68 101 59
1
2 19 18
3
8
5
6
12
8
13
8
5
1
小学校
3
4
24 51
2 11
2
5
6
81 59
10
8
5
1
色の重色指導
学年
小学校教諭の回答
中学校教諭の回答
高等学校教諭の回答
1
2
1
1
2
0
中学校
2
3
36
8
19
1
1
8
1
中学校
2
3
24
5
23
1
高等学校
2
3
4
1
高等学校
2
3
22
5
2
2
(3)アンケート項目3 色名・色数の把握について
【資料2−5−2(小学校分)】より、小学校教員の回答では、「カ」まではきれいに学年進行で
色名、色数が増えていることが分かる。
小学校教員対象の調査で明らかに数値の差が出たものは、「ア.あか・あお・き・しろ・くろ 5
色程度」の設問に対する回答で、ここから言えることは、「色の三原色と白黒の5色は、第1学年で
しっかりおさえておきたい内容である。」ということが共通認識として合意が得られたことになる。
他の項目では学年にばらつきがあるもののほぼ階段状に高ポイントが得られた。これは、学年が進
行していくにしたがって、身に付けさせたい色名や色数が増えていくことを意味するものである。
また、「キ」は金銀銅と蛍光色、「ク」はコンピュータ上の光の色についての設問である。いずれ
も各学年に散在し、学校で教えなくても知っている知識が含まれるものである。系統的に学ぶ知識に
はなじまないものと思われる。
アンケート項目3 色名・色数の把握について
【資料2−5−2】
「あか」や「あお」など色相名から「えび茶」
「明るい緑」などの色名・色数の把握についてどう系統立てて教えて
いくのが適切なのか、子どもたちの「気付き」や「経験」をどの学年でどれくらいの色数を知っていればいいのか、下
記の色名・色数を参考に、当てはまる学年にア∼ケでお答えください。また、子どもたちが色名の気付きを経験した題
材、色名の知識についてのお考えをお聞かせください。
3.色名・色数の把握(小学校分)
小学校
1 2 3 4 5 6
ア 133 7 0 0 0 0 ア. あか・あお・き・しろ・くろ 5色程度
イ 75 91 9 0 0 0 イ. ちゃ・おうど・みどりなど簡単な慣用色名 12色程度
ウ
8 44 66 24 20 1 ウ. あか∼あかむらさきの有彩色12色の色相名と、くろ・はいいろ・しろの無彩色3色の色名 エ
2 5 47 51 34 13 エ. あかるい○○・くらい○○など徐々に使える色を増やして 24∼30色程度
オ
0 0 4 9 44 24 オ. あい・えんじ・あかね・あさぎなど非日常的な伝統色
カ
1 1 11 14 21 28 カ. えのぐ名にある色名やエメラルドグリーン・ペールオレンジなど外来色名
キ
1 2 19 15 16 10 キ. 蛍光色・金・銀・銅など混色では、作れない色
ク
1 1 3 5 10 12 ク. コンピュータや光の色
ケ
0 0 0 0 0 0 ケ. その他
校種
学年
41
3.色名・色数の把握(中学校分)
小学校
中学校
1 2 3 4 5 6 1 2 3
ア 41 7 2 1 1 1 7 3 4
イ 6 34 9 4 1 1 6 3 4
ウ 0 0 14 5 13 6 39 9 6
エ 0 0 1 5 7 8 30 21 8
オ 0 0 0 2 3 5 16 19 14
カ 0 0 2 2 3 3 21 16 13
キ 0 1 7 8 3 5 5 5 9
ク 0 0 0 0 2 5 12 13 19
ケ 0 0 0 0 0 0 0 1 0
校種
学年
3.色名・色数の把握(高等学校分)
小学校
中学校
1 2 3 4 5 6 1 2 3
17
ア
18
イ
3
7
5
ウ
2
2
4
2
エ
6
1
1
2
オ
3 4 2
2
2
カ
1 2 3
5
6
3
キ
1 1 1
1
ク
3 1 1
ケ
校種
学年
高等学校
1 2 3
3
3
6
1
6
2
1
1
3
1
※ 「自由記述」による回答 (特徴的なものをあげている。
)
〈小学校分〉
・子どもたちが色名の気付きを体験した題材
◇有名画家の絵の模写をしたとき、色名を意識していた。
◇同じ色でも濃淡を使った描き方(技法)で、違って見える、見せられると言う機会を多く持つ必要がある。色鉛筆を使用させること
はかなり効果的で、その後の絵の具に発展させやすい。
◇低学年「アジサイの花」「雨がさ」 第4学年「友達の顔での肌の色づくり」「たけのこをかこう」の茶色づくりなどで経験させ
る。
◇色の混色等の自然発生的な色の変化の場面で、考えたり発言したりが見られる。(ザリガニ等の複雑な色合い)
◇三原色で色づくりをし、いろいろな色があるという感想がでた。
◇絵の具の色を確認し、何色と何色を使って色づくりしたかを記録する中で色名に気付く。(黄色と緑色→黄緑色)
◇「木を描こう」 三原色で茶色と思われる色をつくり、いろいろな色を茶色だと認識していることを知り、木を積み上げて描く。
・色名の知識
◇幼いほど金や銀を好み、高学年になると蛍光色を好む傾向があるように思う。
◇ふだんから、色相・色彩表を提示しておく。ポスター制作の際に指導する。
◇題材「水の中、草の中」、12 色の色名以外はあまり名称にこだわらなくてもよい。微妙に違う色を多く認識させるだけでよい。
◇高学年でも色名を正しく言えない児童が多く、やはり中学年でしっかり色名を教えておきたい。
◇「ウ」を第3学年、「エ」を第4学年で教える。「白」を入れて《明るい》《薄い》《浅い》、「黒」を入れて《こい》《くらい》
があることを知ると(水を入れての違いも)、色づくりが理解しやすい。感覚で覚えるだけでなく理屈で覚えることもあってよい。
〈中学校分〉
●色立体を基本に教えるが、生活経験の中で使われている色や、色がもっている性質を教えることにより興味をもたせることが大事。
42
●デザイン分野の過程(色彩の計画)で色見本などを使う時に気付きがあった。色名より色の知識が大切と考える。
●点を塗り、その点を包むように塗り広げて、形を膨らませる実践を第2学年でしている。隣合う色の響き合いを感じ取り、1色1色
を真剣に考える姿勢を感じる。色名、色相環については、時間数の減少で省かざるを得ない。
●1年次に色についての学習をしているので、その際にウについては経験している。オは気付かせたい内容であるが、現状はできてい
ない。
●色名を指導するより、外で自然物を見て描く「葉の色、花の色」をつくる実践をすべきである。
●日常生活に関係の深い「安全色彩(色の視認性)
」
「色の心理的意味(心理効果)
」は、興味深く学習できた。
●特にエメラルドグリーンなどの外来色名は教える必要はないと思う。色名よりも色に対する感情効果などが大切だと思う。
●中学校では 12 色で混色重色を自由に使えるようになったと感じることが大切ではないかと考えている。
●風景画を描く時、木々の緑や空の青など、純色ではなく混色でつくる色だと気付かせることができる。一人一人の気付きが大事だと
思う。
●色名よりも「見たことがある」
「つくることができる」の方が重要である。
●最近は、文具やカメラ、家電にまで伝統色が使われている。その分子どもたちに親しいものになっている。
●文学作品を味わうためにも色名は知っておいた方がよい。
●色を混色して自分なりの色名を付ける活動をしている。
(2)
●写生などで植物の葉の色をつくる際、緑色の種類を分類している。
●色の名前にとらわれない感覚を大切にさせたい。
●古色は染色体験の中で発見させている。
〈高等学校分〉
●自分は色覚に特性があるという生徒が高校 1 年にいた。彼はみんなの言う「緑」と「赤」は違うと感じるとのこと。きちんと話をす
ると「ビリジアン」
「カーマイン」が絵の具にあり、それと「違う」という意味だった。絵の具セットの色にも問題があると思った。
●色名は、様々な呼び方があるので、統一した指導ができない。
●同じ色でも、絵の具名が違ったり、呼び方が違ったりするが、生徒たちがいちばんわかりやすい名前を使うように心掛けている。だ
が、同じ色を共有することは非常に難しい。
●色の名前はそれほど重要ではないが、名前をきっかけにして興味をもたせたり、理解しやすくなるなどの利点があると思う。豊かな
色づくりの経験は必要だと思う。
●トーナルカラー93 色より花の名前 16 色を探し出させる。豊かな色名数は感情表現の幅を広げるためにも身に付けるべきである。
●外来色名の認識またあかるい○○、はいいろの○○といった色に対する知識があまりない。
「黄色は明るい色。
」
(暗い黄色の存在を
知らない。
)
「青は濃い色。
」
(明度、彩度の認識が甘い。
)といった感覚的な認識でとどまっていることが多い。
(4)アンケート項目4 色の体系及び色の経験的気付き(知識・理解)
「色の知識・理解」については、小学校では体験を重視し、知識として定着させるのは、中学校以
上が望ましいことがアンケートの数値と研究委員会内で確認できた。ただ、教える側はきちんとした
知識を持って教えることが前提であることを認識していただきたい。指導者が、色の混色、混色時の
比率、配色効果(見え方、映り方)など、子どもたちが体験を通して色を学ぶ上で、子どもたちの表
現活動を支援し、疑問点をしっかりと説明できる基礎的な知識を身に付けておかねばならない。そう
いう意味では、教材研究による授業の工夫改善も大切である。大量採用時代を迎え、教員の造形表現
に対する資質向上のために、色彩教育指導者研修等の充実が今後の課題になってくると思われる。
小学校時代に多くの造形体験をした子どもたちは、やがて中学校へ進学し、しっかりとした論理的
43
思考力をもつようになる。
「どうしてこうなるのだろうか」という疑問は、体験で学ぶと同時に、根拠
のある知識(色の知識・理解)として学習していく。例えば、
「
『ちゃいろ』はどうしてつくるのか」
という疑問を色相環や色の三属性などの知識で解決できるのである。
また、色に関する知識は、
「美術」に限らず、教科横断的に、古典で出てきた伝統色をもイメージし、
カラーで当時の生活様式を想像することができるのである。色に関する豊富な知識が、生活をより豊
かにし、感性やイマジネーションを育てることにつながっている。
【資料2−5−3】
4 色の体系及び色の経験的気付き(知識・理解)
昭和 22 年の学習指導要領では、色の体系についてもどの学年でどこまでの知識を学習するかが、詳しく述べられて
います。現在の子どもたちの現状をみて、発達段階に応じた知識の与え方について先生方のご経験上でのお考えを答え
てください。上記同様、当てはまる学年にア∼スでお答えください。また、子どもたちの混色や色彩経験についてのお
考えをお聞かせください。
4.色の体系及び色の知識理解
小学校分
小学校
1
2
3
4
5
6
ア
90 16 22 12
5
6
イ
36 40 21
7
7
3
ウ
11 19 34 18 18
5
エ
7 12 28 11 14
6
オ
0
3
4 17 21
9
カ
1
4 13 31 30 12
キ
1
5
7 15 20 22
ク
2
1
3
6 12 11
ケ
0
0
0
5
6
3
コ
0
3
2
2
4
3
サ
0
0
0
0
2
2
シ
1
3
2
4
5
7
ス
0
0
0
1
4
4
セ
0
0
0
0
1
1
中学校分
1
ア
3
イ
3
ウ
2
エ
0
オ
0
カ
0
キ
0
ク
0
ケ
0
コ
2
サ
1
シ
0
ス
0
2
3
3
1
0
0
0
0
0
0
2
1
0
0
小学校
3
4
4
1
4
3
5
2
1
1
0
3
0
2
0
0
0
0
0
0
2
2
1
2
0
0
0
0
5
10
10
9
3
4
3
1
0
0
3
1
0
0
6
5
4
5
2
7
5
0
1
0
3
2
0
0
1
61
59
54
59
53
39
37
30
38
29
20
10
4
総数
30∼
∼10
151 ア 色の3原色 114 イ 6色程度の色相環
105 ウ 有彩色12色の色相環 78 エ 無彩色3色の色名 54 オ 無彩色5段階、明度
91 カ 暖寒色、中間色 70 キ 色のイメージ、色の感情効果
35 ク 純色、明色、暗色、清色、濁色
14 ケ 有彩色と無彩色との明度の比較
14 コ 色を集め、明度と色相とによって整理する。
4 サ 彩度、三属性、色立体の一縦断面
22 シ 色の混合(加算混合−減算混合)
9 ス 色の視認性(明視)、進出色 後退色
2 セ 色の和名とその色立体中における位置、配色
中学校
2
10
10
10
8
14
24
18
17
19
24
21
9
2
50∼
∼15
3 総計
10 107 ア 色の3原色、色相環 10 106 イ 有彩色12色の色相名 96 ウ 無彩色3色の色名 8
82 エ 無彩色9段階、明度
8
92 オ 暖寒色、中間色 11
90 カ 色のイメージ、色の感情効果
17
65 キ 有彩色と無彩色との明度の比較
9
58 ク 色を集め、明度と色相とによって整理する。
10
70 ケ 彩度、三属性、色立体の一縦断面(純色・明色・暗色・清色・濁
13
76 コ 色の混合(加算混合−減算混合)
9
64 サ 色の視認性(明視)、進出色 後退色
15
35 シ 色の和名とその色立体中における位置 配色
16
7 ス その他( )
1
44
高等学校分
1
2
ア
イ
2
ウ
3
エ
オ
カ
キ
ク
ケ
コ
サ
シ
ス
小学校
3
4
3
1
4
5
1
1
6
3
8
6
2
5
5
1
3
1
1
10
4
4
6
4
2
3
2
4
4
3
1
中学校
2
3
4
3
5
2
2
5
1
5
2
2
1
2
2
1
1
1
1
高等学校
2
3
1
1
2
7
7
5
5
1
4
1
2
2
1
6
4
1
3
10∼
5∼
総計
16 ア 色の3原色、色相環 15 イ 有彩色12色の色相名 17 ウ 無彩色3色の色名 15 エ 無彩色9段階、明度 15 オ 暖寒色、中間色 17 カ 色のイメージ、色の感情効果
14 キ 有彩色と無彩色との明度の比較
15 ク 色を集め、明度と色相とによって整理する。
17 ケ 彩度、三属性、色立体の一縦断面(純色・明色・暗色・清色・濁色)
16 コ 色の混合(加算混合−減算混合)
15 サ 色の視認性(明視)、進出色 後退色
15 シ 色の和名とその色立体中における位置 配色
1 ス その他( )
※ 「自由記述」による回答 (特徴的なものをあげている。
)
〈小学校〉
・色の知識に関しては、どのように経験させ 育てていけばよいと思いますか。
◇色彩指導を指導者が意図して学習する場面を設ける。
◇描きたいものの色に近づけるために何と何を混ぜればよいのか知識と経験を積み重ねる。
◇たくさんの具体物を教室に持ってきて、触れてみたり、
「ここどんな色にする。
」と聞きながら、たくさんの色をつくらせようと思う。
◇新緑の季節の緑を利用するなど、生活の中で無理のない教材がよいのではないか。
◇抽象画で色彩をアピールするようなもの、着物や伝統工芸品など、実物を使って色彩指導をしていければと思う。
◇色の三原色を使って、色が変化することから、自分で作る楽しさや、経験を多く重ねる。ある程度の決まりやルールを指導する。
◇自分の作りたい色が作れるように、絵の具のセットにある色の使用ではなく、少ない色数の中から色づくりができるように経験さ
せたい。
◇低・中学年は、自然環境に目を向けさせ、自然の生み出す色彩に関心を持たせる。
(パスや水彩絵の具で色の再現を試みる。
)高学
年は、混色、重色で自然の中の色彩の再現をさせる。
◇絵の具での落書き、その他の遊びを通して、低学年の早い時期から自然に色の知識を持ってくれると、中・高学年になっても、抵
抗なく、自由に自分の思うような絵がかけるようになると思う。
◇テーマに沿って描いていくうちに、発見するので、その時に指導する。色づくりにより、色を発見するような題材を与えて、知識
として積み重ねていく。
〈中学校分〉
●第1学年で三原色、色相環、グラデーションなどを体験的に学習させている。早い時期の経験しながらの学習が大切である。
(6)
●与える描画材料の色数を抑え、できるだけ混色して「自分の色」を作り出せるようにしていきたい。
●色の名について、和名や慣用色名で色名が混乱するので、基礎的なことを体験させたあと、色彩構成などをしている。学年が進む
とその効果は現れてくる。
●自然物の観察から固有の色の認識をさせる。
●授業時数の減少で実技を中心にしているので、最小限の知識を触れる程度にとどめている。
(4)
●高校になると選択になるので、中学校の段階で基礎知識をしっかり身に付けさせるようにしている。
●色づくり実験をする。自分の持ち物や服などで実際に考えさせる。
●混色実験で春夏秋冬のイメージ色を 10 色ずつつくらせる。
●実際に色見本をつくりながら様々な色の対比をさせ感じ取らせる。混色体験をさせながら作品づくりをさせている。
●素描→スケッチ→淡彩三原色による着色→色の整理→色相環→色のもつ不思議(テーブルデザイン、インテリアデザイン)の順に
45
系統的に指導している。
●自然光を大切にして色の変化に気付かせている。
(2)
●生活の中での発見から身のまわりの色を取り上げながら学習する。洋服、インテリア、ユニフォーム、靴、鞄、看板などを題材に
扱っている。
(5)
●絵の具を混ぜて自分の思った色が出せるようになること。透明不透明の違いを説明し、絵の具の実技指導をしっかりしていきたい。
●小学校では経験を重視し、中学校では理論的に学習し、色の知識を深める。
(4)
●小学校での混色経験の不足を感じている。予想ができない生徒が多くいる。
●混色は絵の具で、配色はコンピュ−タで学ばせるのがよいと思う。
〈高等学校分〉
●色の知識を身に付けることによって、生活空間の中で体験学習することができることを指導するべきである。外壁の塗料、店舗の
カラーリング、ファッション店員のコーディネートなどを見て、自分で何かを感じ取れるように育てることも大切である。
●色を使う課題、また絵の具の扱いに関する授業の中で、折に触れて取り上げてゆく。実際に使う中で経験し、色名を学んでいくの
が一番よいと考える。
●色というのは見て覚えるものと思うので、自分で色をつくる前に色紙や色画用紙を使い、色の組み合わせなどを経験させるべきと
思う。その中で「キレイ」を見出し、色数を増やすだけでなく、配色について同時に学んで欲しい。
●絵の具の混色経験によってのみ会得できる知識があると思う。自由な混色遊び、目標を決めた(色紙と同じ色を作るなど)混色練
習が必要である。その上で理論的な裏づけ(RGB・CMYK・三属性、補色など)をするとよい。
●色のもつ特徴などが実際の生活の中でどのように生かされているかを通して、そのおもしろさや重要さを実感する。
(自然の中、ポ
スター、実用品などのレポート)
●年齢に応じて知識として色に関するアラカルトは与えるべきである。その後については本人の見る行為及び感じる心の深まりにつ
れ、表現技術の一つとして色の重要性認識の度合いにより、与えられた知識が生かされるようになればよいと思う。
●座学で理論的なことを教えるだけでなく、トーナルカラーを使用した実験や日常生活にみられる色の効果など、色を体験としてと
らえさせる。また、近年需要が高まっているコンピュータの色の扱いについてもできる限り実践し育てる。
(5)アンケート項目5(中学校・高等学校教員対象)色相環の指導に関して
色の知識・理解を学習する上で色を体系的に理解することは重要である。色の体系では「色の三属
性」は、欠かすことのできない重要な内容である。その実際の指導は、美術の授業時間数が減少した
ことによって困難になっていると考えられる。アンケートでは、そのような美術の授業時数のうち、
色相環の指導の時間数や授業の工夫について調査した。【資料2−5−4】より、回答の結果は、
イ「三原色から色相環へ」が 31、エ「色相環から色の三属性へ」が 48 であった。色彩の体系につい
て重要と考える教員が多いことが分かった。また、色相環については、配色カードや色コマを貼るな
どの色を見て学習するよりも、絵の具等を用いた混色体験を通して理解させていくという指導を重視
していることも分かった。
「具体的指導法、指導時間」は、従来型のもの(色の三原色→色の三属性→
色相環をつくらせる→トーンの学習→色彩構成)が多く感じられた。また、単独で扱わず、色彩構成
の導入で扱うなど時間的な工夫も読み取ることができた。
【資料2−5−4】
5.「色の三属性」の指導について(中学校・高等学校教員対象)
46
高等
中学校
学校
ア
12
0
ア.色彩構成、ポスター指導等の題材時に触れる程度で特に時間を設けていない。
イ
31
3
イ.三原色の絵の具を基にして、グラデーション混色しながら色相環を理解させている。
ウ
11
13
ウ.絵の具を使わず、色コマや配色カード等を貼ることによって色相環を学習している。
エ
48
8
エ.上記イまたはウの方法で色相を理解させ、明度、彩度、色の三属性まで学習する。
オ
15
1
オ.上記エの内容を色立体(三次元)で学習する。
※ 「自由記述」による回答 (特徴的なものをあげている。
)
〈中学校分〉
● エ、色の整理、三属性、グラデーション、色彩構成、ポスター指導等 20 時間実施している。
(3)
● イ、色相環8時間(明度彩度色相差によるグラデーション)実施している。
エ、2時間弱教えている。
(2)
● エ、三原色(マゼンタ、イエロー、シアン)で 12 色相環をつくる。
(11)
補色、色相、明度、彩度まで教える。
(計3時間)
● イウエ、色鉛筆で色相のグラデーション練習している。
(3)
● エ、資料集を中心に知識を得、プリントで体験させながら理解を深めさせる。
(2)
● イエ、知識1時間、三原色の学習(色相環)2時間、応用的に1作品を仕上げるのに8時間指導している。
● イ、中学校になり、より専門的に指導してみたい。アクリルガッシュ3色から 12 色相環をつくり、白黒から明度5段階、濁色2
色、明清色、暗清色計 21 色をつくらせる。
● イ、三原色から 12 色相環をつくり、白黒を加えて明るさを変え、さらに 74 色をつくらせる。
● エ、単純な形体に純色、清色、濁色を塗り分けさせ、色の三属性などを説明、理解させるようにしている。
● エ、色の性質(寒暖軽重)や有彩色や無彩色のグラデーションの実習までさせている。
● イエオ 三原色、三属性のプリント学習から色相環をつくらせ、色彩構成へ。他に、補色残像の実験、色立体の模型づくりなど、
生徒が興味をもつような取組をしている。
● イエオ 副読本、手作りのプリントを中心に説明し、色彩構成まで約 15 時間指導している。
(4)
● エ 個別につくらせるのは時間がかかるので、前で黒板にカードを使って説明している。
● ウ 白黒も色相環に入ると誤解している生徒もいるので、実体験を通して学習している。
● エ 三属性を学習し、色立体の一断面を彩色し、つくる。
(2)
● ウ 絵の具を使って三原色の混色、グラデーション、ダークトーン、ペールトーンをつくってみる。
〈高等学校分〉
● ウ、
色の見え方に関するプリント(彩度対比・明暗対比・色相対比・補色対比)を活用している。
色のトーン、イメージに関するプリント(1h)を活用している。
● ウ、エ トーナルカラー及びアクリルガッシュによる混色練習を 1 学期間通して実施している。
● イ、
中学での復習で色相環に触れたが、ほとんどの生徒に知識がなく、12 色相環、3原色など基礎の説明(中学の学習)をし、
色面構成をさせた。
(グラデーション・色のイメージ) 明度、彩度についてはあまり触れていない。
(4∼6時間)また、
カラーセラピーの話などで興味を持たせている。
● ウ、エ 色の三属性を色立体で説明し、配色カードの色の並び方、記号の意味などについて理解させる。その後、トーンの概念や
47
色の特性(感情効果や視認性)について学習し、色への興味付けを行う。さらに配色効果についても練習し、見え方やイ
メージの違いについて感じ取らせる。
● エ
カラーパズルというネーミングで一辺 25cmの正方形内に、雲形定規を使って、様々な形の重なりをつくらせる。その重
なったところを混色して塗らせる際に、セロファン効果(見た目にセロファンが重なっているように)を出すことをねら
わせる課題を約5時間で実施した。
● ウ
プリントで基本知識学習を2時間行い、アルファベット・数字を組み合わせた対比色での構成8時間実施している。
● ウ、オ 1年「クロッキー帳の表紙作成」条件を付け、混色させて塗る。
(補色対比など)
● ウ
カラー写真を白黒コピーにかけた時、パソコンの色分解などを実施している。
● イ
1年生で色彩構成の課題時に絵の具の使い方と併せて指導を行っている。
【資料2−5−5】
(6)アンケート項目6(中高)5(小)具体的指導法について
「色彩指導」の具体的指導法(実践例)とふさわしい年齢を問う設問である。選択肢は、第1章の
「昭和 22 年学習指導要領」のなかから選んだ題材が多い。ほぼ、
「昭和 22 年学習指導要領〈試案〉
」
どおりの結果を得、50 年前から普遍的な指導時期があることが確認できた。
また、
「実践例」からは様々な題材が紹介され、代表的なものや紹介したい事例については、あとの
実践編でまとめている。
6(5).具体的指導法について
小学校分
小学校
1
2
3
4
5
6
15
112
2
ア
ア 色集め 14
113
3
イ
イ 色ならべ 6
134
1
ウ
ウ 色水遊び 60
6
43
エ
エ 色の着せ替え(2∼3色の配色練習)
113
12
44
オ
オ 絵の具の混色指導 97
42
16
カ
カ 色で模様等のデザイン 41
87
2
キ
キ 季節感を色で表す題材
12
91
0
ク
ク 色彩構成(面積や配色効果)
9
84
1
ケ
ケ 服飾やパッケージなど身近なものの配色デザイン
0
3
0
コ
コ その他( ) 中学校分
1
ア
22
イ
15
ウ
13
エ
3
オ
1
カ
0
キ
0
ク
0
ケ
0
コ
0
2
9
9
14
10
3
0
0
0
0
0
小学校
3
4
5
2
4
4
4
2
11
8
10 10
0
4
0
0
0
0
0
0
0
0
5
3
2
1
4
9
9
11
0
0
0
6
1
1
1
4
6
11
5
1
0
0
1
4
5
2
6
40
23
23
39
5
0
中学校
2
1
1
1
1
5
13
17
23
21
1
3
1
1
1
1
4
6
4
11
21
2
48
ア 色集め イ 色ならべ ウ 色水遊び エ 色の着せ替え(2∼3色の配色練習)
オ 絵の具の混色指導 カ 色で模様等のデザイン キ 季節感を色で表す題材
ク 色彩構成(面積や配色効果)
ケ 服飾やパッケージなど身近なものの配色デザイン
コ その他( )
高等学校分
ア
イ
ウ
エ
オ
カ
キ
ク
ケ
コ
1
2
10
9
9
3
2
小学校
3
4
3
4
5
5
7
1
5
6
1
中学校
2
3
1
高等学校
2
3
1
1
4
4
3
4
1
3
3
4
2
5
1
3
3
2
1
1
1
3
1
3
2
2
11
5
2
1
1
7
1
ア 色集め イ 色ならべ ウ 色水遊び エ 色の着せ替え(2∼3色の配色練習)
オ 絵の具の混色指導 カ 色で模様等のデザイン キ 季節感を色で表す題材
ク 色彩構成(面積や配色効果)
ケ 服飾やパッケージなど身近なものの配色デザイン
コ その他( )
※ 「自由記述」による実践例 (特徴的なものをあげている。
)
〈小学校〉
〈低学年〉
・虹をかこう(オ えのぐ)
・キャンディボール・ビンの中のあめ玉
・たこやきをかこう(パス)
・色探し(パス、色えんぴつ)
・色水屋さん(水彩絵の具)
・アジサイの花(水彩絵の具)
・さつまいもや阪急電車の車体の色づくり
・ペットボトルに絵の具を溶かしてジュースやさん
・貼り絵
・小物集め
・かいじゅうのたまご
・来て見たい服の模様をパスでデザインする。
・おしゃれなサボテン
・おしゃれなかいじゅう
・かさ・かたつむり・あじさい(絵の具+水、絵の具+絵の具で色づくり)
〈中学年〉
・春の花(オ)
・コンパスやさしを使っての連続模様
・紙のパッチワーク
・夕焼け空(グラデーション)
・水の中草の中(水彩表現)
・蝶々の羽
・楽しい煉瓦造りの家
・ころがしたりひっぱったり
・アジサイの色づくり
・色あそび
・エリック・カールの弟子になって
・きれいな蝶
・色紙やチラシなどの色を活用したモダンテクニックを使っての模様づくり
〈高学年〉
・自分の名前の文字のデザイン(色紙・ポスターカラー使用)
・秋のけしき(水彩絵の具のグラデーション)
・フクロウを塗る。(3原色で色づくり)
・身の回りや自然とのかかわりをもとう
・服のデザイン
・秋∼冬の季節感のある風景画を描こう
・絵手紙の背景を季節に合った色で塗る。
・左右対称なデザイン(暖・寒)
(7)研修会などの要望
アンケート項目7.8は教員の資質向上に関する要望に関して回答いただいたものである。参考に
しながら今後の研修会の在り方、内容等について検討してみたい。
49
【資料2−5−6】
7 どんな研修があれば参加したいですか?
〈中学校分〉
●色のおもしろさが体験できる実技研修
●色についての技術的な面が体験できる実技研修
●小中の交流(教員間)
●色彩指導の実践
〈高等学校分〉
●色彩文化、生活との密着、色に対する流行の片鱗に関する講演。
●色彩指導に関する教材も含めた研修
●7のウ、エのような内容であれば
●色彩学の知識を、眠くならないように指導できるコツ
●メイクアップ、ネイルアートなど、ファッション系の実技、理論研修
●色の面白さを伝えられるような教材、授業展開に役立つもの 伝統色を染色によって体験できるようなもの
●色彩指導に関するものなら、実技でなくとも参加したい
●基礎知識を指導するための題材を扱った研修
●色立体等を使用した実践的で専門的な研修
8 「美術」の教科指導に関しての質問、意見
〈中学校分〉
●色の仕組みや成り立ちを知らないと色が作れない。しかし色のことは難しく、学校によっては取組がうまくいかないところも出
てくると思う。
●技術のうまい下手にこだわらず、表現の楽しさや喜びを実感させることが大切だと思う。
●知識や技能を教え込む面もあるが、表現の喜びや意欲、積極性を引き出すような課題設定が大切である。
●コンピュータソフト等新しいものを追いすぎず、色や形を実体験させる授業を大切にしたい。
〈高等学校分〉
●たくさんあるが、中学校で習うはずのことがあまりにもできていないため、高校1年生で色の勉強から始めるのが現状である。
楽しく役に立つ授業で生徒に興味を持って学んでもらえたら、と思う。
●本校デザイン教育の中では、文部科学省認定の「ファッションコーディネート色彩能力検定、3級、2級」を合格させる目的で、
総合的な学習、又は来年から開講される「キャリア実現」という時間に講座を開いている。
50
【資料2−6】
※ 校種別に選択肢等で内容が多少異なるが、代表的なものとして中学校分を掲載する。
色彩指導に関する調査(中学校)
貴校で実践されておられる教科
「美術」
における色彩指導の現状について学年別にお答えください。
また、小学校の部分は,先生の経験的な指導観と系統性をもとにしてお答えください。
1.描画材料(色素材)とその色数の与え方について
お使いになっているもしくはその学年(年齢)にふさわしいと思われる色素材について、最も重要
な時期には◎、使用量は少ないが補助的に用いる時期に○、ほとんど使わないがそこから(そこまで)
用いてもよいと思われる範囲に△を付けてください。
また、それぞれの学年の題材で何色ぐらいの色数を与えていますか。また、学年(年齢)にふさわ
しい色数は、何色だとお考えですか。下表各学年の点線下に数字でお答えください。
(下記の例を参考
にお答えください。
)
品
名
小学校
1
中学校
2
3
4
5
6
1
2
△
△
◎
◎
○
○
△
6
6
12
12
18
18
24
クレヨン
パス(クレパス等)
水彩絵の具(マット水彩)
ポスターカラー
水彩絵の具(透明水彩)
固形絵の具
アクリル絵の具(耐水性)
アクリルガッシュ
カラーインク
色鉛筆
色付きマーカー
色 紙
セロハン紙(透過性のある素材)
コンピュータソフト(ペイント等)
例)○○○○
51
3
2.水彩絵の具の色の混合(混色体験)について
パレットの扱い方(○)
、色の混色(△)
、重色(▲)の体験は、どの学年(年齢)が適当だと思わ
れますか。当てはまる学年に( )内の記号でお答えください。
(※「重色」・・・・パレット上で色を混色するのではなく、画面上で塗り重ねによって色をつくること。透明水彩でよく
使われる技法で、色に深みが出る。
)
小学校
1
2
3
4
中学校
5
6
1
2
3
3.色名・色数の把握について
「あか」や「あお」など色相名から「えび茶」
「明るい緑」などの色名・色数の把握についてどう系
統立てて教えていくのが適切なのか、子どもたちの「気付き」や「経験」をどの学年でどれくらいの
色数を知っていればいいのか、下記の色名・色数を参考に、当てはまる学年にア∼ケでお答えくださ
い。また、その他、色名の知識についてのお考えをお聞かせください。
ア あか・あお・き・しろ・くろ 5色程度
イ ちゃ・おうど・みどりなど簡単な慣用色名 12 色程度
ウ あか∼あかむらさきの有彩色 12 色の色相名と、くろ・はいいろ・しろの無彩色3色の色名
エ あかるい○○・くらい○○など徐々に使える色を増やして 24∼30 色程度
オ あい・えんじ・あかね・あさぎなど非日常的な伝統色
カ えのぐ名にある色名やエメラルドグリーン・ペールオレンジなど外来色名
キ 蛍光色・金・銀・銅など混色では、作れない色
ク コンピュータや光の色
ケ その他(
)
小学校
例
例
1
2
3
ア→
イ→
キ
4
中学校
5
6
ウ→
ク
1
2
3
生徒たちが色名の気付きを経験した題材、色名の知識についてのお考えをお書きください。
4.色の体系及び色の知識理解
昭和 22 年の学習指導要領(小中合本)では、色の体系について、どの学年でどこまでの知識を学習
するかが、詳しく述べられています。現在の子どもたちの現状をみて、発達段階に応じた知識の与え
方について先生方の考えをお答えください。上記同様、当てはまる学年にア∼スでお答えください。
52
また、その他、色名の知識についてのお考えをお聞かせください。
ア 色の3原色、色相環
コ 色の混合(加算混合−減算混合)
イ 有彩色 12 色の色相名
サ 色の視認性(明視)
、進出色 後退色
ウ 無彩色3色の色名
シ 色の和名とその色立体中における位置 配色
エ 無彩色9段階、明度
ス その他(
)
オ 暖寒色、中間色
カ 色のイメージ、色の感情効果
キ 有彩色と無彩色との明度の比較
ク 色を集め、明度と色相とによって整理する。
ケ 彩度、三属性、色立体の一縦断面(純色・明色・暗色・清色・濁色)
小学校
1
2
3
4
中学校
5
6
1
2
高等学校
3
1
2
色の知識に関しては、どのように経験させ、育てていけばよいと思いますか?
5.色相環の指導に関して
現在の学習指導要領では時間数減が懸念されているところであります。その中で4の質問内容「色
の体系及び色の知識理解」の基礎基本である「三原色から色相環」にかけて、どのように指導の工夫
がされているのかをお答えください。下のアからオまでの近いところを選択し、具体的指導法、指導
時間等を□内にお答えください。
ア 色彩構成、ポスター指導等の題材時に触れる程度で特に時間を設けていない。
イ 三原色の絵の具を基にして、グラデーション混色しながら色相環を理解させている。
ウ 絵の具を使わず、色コマや配色カード等を貼ることによって色相環を学習している。
エ 上記イまたはウの方法で色相を理解させ、明度、彩度、色の三属性まで学習する。
オ 上記エの内容を色立体(三次元)で学習する。
具体的指導法、指導時間
53
6.具体的指導法について
「色彩指導」のみを単独で題材として設定することはあまりないと思いますが、下に示した色彩指
導を発達段階に応じてお答えください。上記同様、当てはまる学年にア∼コでお答えください。また、
具体的に「色の知識を増やし、色彩感覚を育てる」ことを重点の目標(ねらい・めあて)として設定
した題材がありましたら、その学年と題材名、簡単な内容をお答えください。
ア 色集め
イ 色ならべ
オ 絵の具の混色指導
ウ 色水遊び
エ 色の着せ替え(2∼3色の配色練習)
カ 色で模様等のデザイン
キ 季節感を色で表す題材
ク 色彩構成(面積や配色効果)ケ 服飾やパッケージなど身近なものの配色デザイン
コ その他(
)
小学校
1
2
3
4
中学校
5
6
1
2
3
実践例
指導学年
学年 題材名
指導時間数
h
目標(めあて)
実践内容
7.
「色彩指導」に関して
今後、どのような研修、あるいは冊子等があれば、色彩指導の充実に役立つと思われますか。
記号に○を付けてください。複数回答可。
ア 「色に関する基礎知識(色のメカニズム、豆知識、雑学等)
」研修(自己の資質向上研修)
イ 「色彩」に関する本や冊子、Webページの紹介(自己の資質向上にかかわるもの)
ウ 「色彩指導」に関する題材の紹介(題材集)
(授業の工夫改善)
エ 「色彩指導」に関する実技研修(授業の工夫改善)
オ 色素材や描画材、教材等の紹介(授業の工夫改善)
どんな実技研修があれば、参加したいですか?
54
8 「美術」の教科指導に関しての質問、ご意見等ございましたら、お書きください。
ご協力ありがとうございました。
年度末に結果等をご報告させていただきますので、よろしければ記名願います。
所 属
市立
クラス担任 有・無
中学校
担当学年
学年
回答者名
55
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