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Vol.3 事業継承問題と相続について その1(2009年1月14日更新)
お役立ち情報板 ∼Vol.3∼ 「事業承継問題と相続について」 (その1) (平成 20 年 11 月 1 日現在) 最近、テレビや新聞などで「事業承継問題」ということを目にする事はないでしょう か? いわゆる中小企業における「後継者不足の問題」が年々深刻となり、「自分の代で事業の 廃業を検討する理由」という統計では、”後継者がいない”という理由で廃業を考える経営 者が全体の約 1/4 を占めており、「後継者不足の問題」は社会問題にまでなっています。 また事業の承継を考えるにあたっては、納税資金負担の問題とも密接な関係にあり、 円滑に事業承継問題に取り組む際には、相続税の問題も大きく関わってきます。 そこで今回は、相続についてのお役立ち情報です。 相続税って・・・どんな税金??? 人が亡くなると、「相続」が開始されます。「相続」とは、死亡した人(被相続人といいま す)が所有していた全部の財産を相続する人(相続人)に引き継がせることです。 「相続税」は、被相続人の財産を、「相続」や「遺贈」(遺言による財産の無償贈与)により取 得した場合に課税される税金のことなのです。 法定相続人って何??? 相続人の範囲とその順位は民法で定められており、その範囲の親族のことを「法定相続 人」といいます。「法定相続人」は、被相続人の配偶者・直系血族・兄弟姉妹に限られます。 被相続人の配偶者は常に法定相続人となり、配偶者以外の親族は優先順位に従って法定 相続人となります。 【第 2 順位】直系尊属 (両親・祖父母) 【配偶者】常に相続人 【被相続人】 【第 3 順位】兄弟姉妹 【第 1 順位】子 ※被相続人の子または兄弟姉妹が相続人となる場合で、それらの人 が死亡している場合には、それらの子が代襲相続する お役立ち情報板 ∼Vol.3∼ 「事業承継問題と相続について」 (その2) (平成 20 年 11 月 1 日現在) 法定相続分って何??? 相続人が複数の場合に、その相続人(共同相続人)がそれぞれ相続財産を相続する割合 のことを「相続分」といい民法により「法定相続分」(図表①②)が定められています。 また必ずしもその「法定相続分」通りに遺産を分割しなければならないわけではなく、 共同相続人全員の合意に基づき〔遺産分割協議書〕を作成し、「法定相続分」と異なる割合 で相続財産を各々が取得することが可能です。尚、遺言により「相続分」が指定されてい る場合は、協議による分割よりも優先されます。 図表①配偶 者が いる場 合 法定相続人 法定相続分 図表②配偶者がいない場合 法定相続人 法定相続分 第1順位 配偶者・子 配偶者1/2:子1/2 第1順位 子 子:全部 第2順位 配偶者・直系尊属 配偶者2/3:直系尊属1/3 第2順位 (子がいない場合) 直系尊属 直系尊属:全部 配偶者・兄弟姉妹 配偶者3/4:兄弟姉妹1/4 (子・直 系尊属共にいない場合) 兄弟姉妹 兄弟姉妹:全部 配偶者 配偶者:全部 (子がいない場合) 第3順位 (子・直 系尊属共にいない場合) 第4順位 (子・直系尊属・兄 弟姉妹のいず れもいない場合) 第3順位 ~相続税額の 相続税額の計算の 計算の流れ~ 「相続税」は、民法で定める所定の「法定相続分」により遺産分割がなされたものとして 相続財産の総額を計算し、その総額を実際の遺産取得分に按分して課税されます。ここ で求められた”総額”を「課税価格の合計額」といいます。 「課税価格の合計額」から基礎控除額を差し引いたものを「課税遺産総額」といいます。 遺産に係る基礎控除額 = 5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数 尚、「課税価格の合計額」が”遺産に係る基礎控除額”以下であれば相続税はかかりません。 「課税遺産総額」を「法定相続分」で振り分け、図表③(次ページ)の税率を乗じて求めた各 法定相続人ごとの仮の税額を合計したものを「相続税の総額」といいます。その”総額”を、 各相続人が実際に相続した割合に応じて各相続人の「相続税」を算出し、各相続人が負担 する納付税額を計算します。 ”相続開始”から”相続税の納付”までのタイムスケジュールは図表④(次ページ)と なります。 お役立ち情報板 ∼Vol.3∼ 「事業承継問題と相続について」 (その3) (平成 20 年 11 月 1 日現在) 【図表③:相続税の税額速算表】 (A)法定相続分に応ずる取得金額 (B)税率 1,000万円以下 10% 1,000万円超 3,000万円以下 15% 3,000万円超 5,000万円以下 20% 5,000万円超 1億円以下 30% 1億円超 3億円以下 40% 3億円超 50% (注)相続税額は「(A)×(B)-(C)」によって求める (C)控除額 - 50万円 200万円 700万円 1,700万円 4,700万円 図表④:相続のタイムスケジュール 被 相 続 人 の 死 亡 【 相 続 開 始 】 10 ヶ 月 以 内 4 ヶ月以内 3 ヶ月以内 関 係 者 へ の 連 絡 ・ 葬 儀 準 備 通 夜 死 亡 届 の 提 出 書死 を亡 添届 付は し、 て 7 市日 区以 町内 村に 長死 に亡 提診 出断 葬 儀 葬 式 費 用 の 領 収 書 等 の 整 理 ・ 保 管 初 七 日 法 要 遺 言 書 の 有 無 の 確 認 香 典 返 し 相談センター「しあわせプラザ」では以下の 相談も承っています!! 「法律相談」は毎月第 1・3 木曜日 「税務相談」は毎月第 2・4 木曜日 ともに 13:30~16:30(予約制) 弁護士・税理士等専門家がお答えしますので お気軽にご利用下さい!! 四 十 九 日 忌 法 要 遺 産 や 債 務 の 概 要 把 握 相 続 の 放 棄 を す る か ど う か 決 め る 相 続 の 放 棄 ま た は 限 定 承 認 家 庭 裁 判 所 に 申 述 す る 相 続 人 の 確 認 被 相 続 人 と 相 続 人 の 本 籍 地 か ら 戸 籍 謄 本 を 取 り 寄 せ る 所 得 税 の 申 告 と 納 付 被 相 続 人 の 死 亡 し た 日 ま で の 所 得 を 税 務 署 に 申 告 す る 遺 産 や 債 務 の 調 査 遺 産 評 価 ・ 鑑 定 遺 産 分 割 協 議 書 の 作 成 相 続 人 全 員 の 実 印 と 印 鑑 証 明 書 が 必 要 に な る 相 続 税 の 申 告 書 の 作 成 相 続 税 の 申 告 と 納 税 被 相 続 人 の 死 亡 し た 時 の 住 所 地 の 税 務 署 に 申 告 ・ 納 税 す る ( 延 納 ・ 物 納 も ) 遺 産 の 名 義 変 更 手 続 き 不 動 産 の 相 続 登 記 や 預 貯 金 ・ 有 価 証 券 の 名 義 変 更