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原告団ニュース 号外(2015年 6月25日)

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原告団ニュース 号外(2015年 6月25日)
―本日の予定―
号外
-静かな夜と空を返せ-
10:15 事前集会(緑町北公園)
10:45 入廷 ( 地裁 405 号法廷 )
原告団 NEWS
11:00 開廷
終了後 裁判所前で報告集会
発行日:2015 年 6 月 25 日 発行者:(団長)福本道夫
連絡先 : 〒 196-0001 東京都昭島市美堀町 3-13-1 FAX(TEL) : 042-542-5625 http://www.geocities.jp/yokota_nakusukai/ 発行 : 第 9 次横田基地公害訴訟原告団 (E-mail : [email protected])
※集会~地裁敷地に入るまでは,
幟を掲げ,原告団の方は,ゼッ
ケンをつけますが,裁判所門前
で,これを外します。ご協力く
ださい。
第9次横田基地公害訴訟
第 11 回法廷の内容は…
◇原告・私たち(弁護団)の主張
東
立 京地
川
支 裁
部
裁
(以下は,山口弁護士にお書きいただきました。
)
1 はじめに
原告ら代理人は,原告ら準備書面(8)において,被告主
判
所
張の横田基地の公共性及び受忍限度論に対する批判及び横田
基地が公共性を有しないことについて主張しました。本期日
駐
405 号法廷【11 時~】
車
場
駐
をさらに具体的に敷衍し,原告らを含む周辺住民が,横田基
多
摩
モ
ノ
レ
ー
ル
では,原告ら準備書面(10)をもって原告ら準備書面(8)
車
地によって,騒音による身体的・精神的被害に加えて横田基
場
事前集会会場
【10 時 15 分~】
地の存在及び活動によって安全な生活環境を脅かされ,恐怖
感情を抱いて生活していること,さらに地域の発展を阻害さ
北公
大な被害を受けている事実を明らかにします。これらの事実
園
は,一面では原告らの被る損害の一つの側面であり,他方で
高
松
駅
緑町
れるという社会的被害を受けるなど,生活上多面にわたる重
は横田基地の存在が,被告主張のような高度の公共性を有す
る存在ではなく,逆に,原告らのいわば平穏のうちに生活す
至・立川北駅
る権利並びに平和的生存権を侵害している,違法な存在であ
まま,日々人を殺傷するための軍事訓練を受けている米兵に,
ることの事実的根拠を示すものです。
他人を尊重する気持ちより,基地外に出た開放感で羽目を外
2 在日米軍が起こした事件
すことにならないでしょうか。このような米兵によって生じ
防衛施設庁が提出した資料によると,1952 年から 2007
た悲惨な事件や事故が後を絶ちません。また,空軍基地に近
年までの55年間に公務内外で在日米軍が起こした事件事
接する地元住民は,墜落や落下事故の恐怖と日常向かい合っ
故件数は 20 万件,日本人が巻き込まれて死亡した人数は
ています。横田基地周辺は,横田基地敷地提供市だけで人口
1,076 人です。このような事件に対する米軍の対応について
49 万人,飛行コース下の騒音コンター図における75W 以
見ると,1985 年から 2004 年までの 19 年間に在日米軍の起
上の区域が行政区域内にある市町村の人口が 147 万人を超え
こした事件・事故で軍法会議にかけられた者はわずか 1 名で,
ている人口密集地です。沖縄や横田などこのような基地の兵
懲戒処分者は 318 人です。
士と向かい合わなければならなかった地元住民の安全・安心
基地があれば,そこには米兵がいます。米兵は,外国人出
への危惧が,決して杞憂でないことは,今回提出した準備書
入国管理法の埒外におかれ自由に基地外に外出し上官の監督
面に挙げられている事件・事故から見ても明らかです。
を逃れて羽を伸ばしています。日本政府は,その米兵が高速
3 横田基地周辺の事件・事故
道路を使って繁華街に遊びに行く高速道路代金まで無償にし
横田基地周辺でも,今回提出した準備書面記載のとおり,
ています。そのような政府の対米追従政策の結果,米国ない
事件・事故が起きています。特に,落下事故は,人口密集
し米兵は,日本ないし日本人への敬意を払うことを学ばない
1
**********************************************( 裏に続く)
原告団 NEWS 号外 2015/6/25
****************************************(表から続く)
立った後に芝に焦げた跡が残っていることが目撃されてい
地や家屋の上に落下した場合,容易に死傷事故となり得る
ます。また,平成25年6月21日,ノースカロライナ州
危険な事故であり,地元市町村はそのたびに安全対策の要
請を行っていますが,米軍がそれを重大視し,対策を取っ
ている状態とは到底いいがたい状態です。また,横田基地
では沖縄から来た部隊がパラシュート降下訓練を行ってお
り,パラシュート訓練における事故も危惧されています。
4 地方自治体にとっても公共性があるとはいえない
横田基地に対する周辺市町村の基本的な考え方は,発展
の阻害要因となっているというものです。地域住民の身近
にあってその被害を直接感知する周辺自治体が,住民の身
体・生命・財産に直結する事柄につき,要望書等により現
在の被害ないし危険性を多岐にわたって指摘している以
上,まずは,現に存する被害の回復ないし危険性の除去す
なわち要望事項の達成こそが,優先されるべき公共性です。
将来の他国からの武力攻撃に備えるとの国の施策を平時に
おいても最優先させ,一部住民に日々現実に甚大な被害を
蒙らせながら,国策の優先を求める国の主張は誤りです。
5 オスプレイによる新たな脅威
日本及びアメリカ政府は,平成27年5月12日,CV
22オスプレイを横田基地に配備すると正式に発表しまし
た。オスプレイとは,回転翼の角度を変更させることがで
きる航空機であり,海兵隊仕様のMV22という機種と空
軍仕様のCV22という機種が知られています。ヘリコプ
ターは,垂直離着陸やホバリングが可能という利点を有し
ていますが,速度が遅く,また,行動範囲が狭いという欠
点を持ちます。他方,固定翼機は,回転翼の推進力を前進
に効率的に使うことができるので,速度が速く,行動範囲
が広いという利点を有していますが,2~3キロメートル
の滑走路が無いと離着陸できないうえに,空中で停止する
ことができないという欠点を持ちます。オスプレイは,回
転翼の角度を変更させ,その両者の利点を併せ持つことが
できることを目的として,開発が行われた航空機です。オ
スプレイには,以下のような構造的欠陥があることが指摘
されています。
まず,オート・ローテーションが備わっていないことで
す。オート・ローテーションとは,回転翼機が飛行中,エ
ンジンからの出力によらず,空力のみによって主回転翼を
回転させて揚力を得る緊急手順のことをいいます。ヘリコ
プターは,この機能を利用して,エンジンが出力停止した
際であっても,落下速度を緩めて地面に激突することは回
避できるのです。しかし,オスプレイにはこの機能が備わ
っていないとされています。すなわち,ヘリコプターに備
わっている緊急用の機能が備わっていないのです。
次に,高温の排気が排出されることです。オスプレイは,
チェリーポイント海兵隊航空基地でも,オスプレイの排熱
が原因で地表の草地が燃える火災が発生しました。つまり,
オスプレイは,ヘリコプターのように,緊急時空間があれ
ばどこにでも着陸できるという航空機ではないのです。
また,オスプレイの危険性は,データ上も明らかです。
オスプレイは,開発段階で4件の事故を起こし,30人の
犠牲者を出しています。また,防衛省がまとめた「オスプ
レイ事故率について」によると,CV 22の事故率は,ク
ラス A で海兵隊平均の約5.5倍,クラス B で約15倍で
あり,非常に高いことが分かります。MV 22の事故率に
ついても,クラス B で海兵隊平均の約1.4倍,クラス C
で海兵隊平均の約2.3倍です。このデータの集計方法自
体,オスプレイの事故率が低く見えるような作為がされた
ものなのですが,そのような作為を行っても,オスプレイ
の事故率は非常に高いことが分かります。
以上のように,オスプレイは,構造的な欠陥を持つ危険
な航空機ですが,事故率という統計上の数値からもその危
険性は明らかです。そのような危険な航空機が,市街地の
中にある横田基地に配備されることは,周辺の住民に対し
て非常に大きな脅威となるものです。
横田基地の周辺には,住宅・学校・病院が立ち並んでい
ますから,事故が起きた場合には,横田基地の周囲に住む
住民の生命・身体に危険が生じることは疑いようがありま
せん。横田基地の周辺住民にとって,横田基地へのオスプ
レイの配備は,新たな脅威をもたらすものです。
日本政府は,オスプレイの使用方法をめぐって,口を出
せないと主張するだけで国民の生命身体への危険を回避す
る方策を取ろうとしていません。しかし,横田基地は,米
軍が日米安全保障条約及び日米地位協定に基づき,施設を
使用しているものです。日本は,独立国として,自国の権
利を主張する権利があり,日米地位協定の不平等にその原
因があるのであれば,地位協定の改定を交渉することがで
きるのです。また,条約上の権利として,日本には条約の
解消を通告し,基地の撤去を要求する権利まであるのです
から,米軍のオスプレイ配備に口を出せないとする主張は
誤りです。米軍は,その一方的都合だけで,簡単に誰の
意見を徴することもなく日本の政府議会や米国の法的規制
さえ無視して横田基地を自由に利用でき,危険なオスプレ
イの配備を強行することができるというような危険な状況
は,一刻も早く解消されなければいけません。オスプレイ
の配備が強行され,原告らの安全や健康,安心した暮らし
が脅かされる事態を生じさせていることこそ,横田基地の
非公共性を如実に示すものです。
垂直離着陸モードでは,エンジンが地面に対して垂直とな
り,排気は,地上から約1.
32メートルの高さで排出され
ます。そのため,高温の排気が地面に吹き付けられること
となります。実際に,オスプレイの排熱が原因と考えられ
る火災も起きています。平成26年10月19日に開催さ
れた和歌山県津波災害対策実戦訓練では,オスプレイが離
陸した後に消火作業が行われたことや,オスプレイが飛び
原告団 NEWS 号外 2015/6/25
2
CV-22 オスプレイの横田基地配備について,近日,
その危険性について訴えるリーフレットを作成し,政
府に対し配備中止を求める署名運動を始めます。更に,
周辺自治体や政府に直接申し入れるなどの行動を行っ
ていく予定です。皆さんのご協力をお願いします。
◇次回法廷は,9 月 24 日(木)午前 11 時~です。
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