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太陽光発電の大量導入が基幹系統の安定性に与える影響の基礎検討

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太陽光発電の大量導入が基幹系統の安定性に与える影響の基礎検討
電力流通
E3
太陽光発電の大量導入が基幹系統の
安定性に与える影
影響の基礎検討
システム技術研究所 電力システム
ム領域 主任研究員 山下 光司
■研究の目的
我が国では、2030年までに太陽光発電
電(PV)を5,300万kW導入するビジョンが
示されている そこで PV大量導入を模
示されている。そこで、
模擬したモデル系統を作成し 系統事故
模擬したモデル系統を作成し、系統事故
時にPVの大量導入が基幹系統の安定性
性に及ぼす基本的な影響についてシミュ
レーションにより明らかにする。
■主な成果
1. PV導入を模擬したモデル系統の作成
成
電気学会WEST10機-O/V系統モデル
ル1)に対し、PVを含む下位系統を追加し
た(図1)。さらに、PVの脱落特性など
ど、本解析で重要となる動特性モデルを
追加 た(表 )
追加した(表1)。
に与える影響
2. 太陽光発電の導入が系統の安定性に
ピークおよびオフピーク潮流断面にお
おいて、基幹系統の事故(500kV母線至
近端の3相地絡事故)に対する系統の
端
相 絡事
す 系統の安定性を、総需要に対するPV比率に
定
、 需要
す
より評価した(表2)。系統安定度につ
ついては、 PV比率が低い場合には系統
安定度は向上する傾向となるが、 PV比率がさらに高くなると系統安定度は
P
低下する傾向となる(図2)。また、周波
波数については、PV比率が低い場合に
は周波数低下は顕著ではないが、 PV比率が高くなると大幅な周波数低下
(周波数異常)が発生する(図3)。
■特長
当所赤城試験センタ で得られたPVの
当所赤城試験センターで得られたPVの
の脱落特性 制御系の応答特性を反映。
の脱落特性・制御系の応答特性を反映。
■成果の使われ方
基幹系統におけるPV大量導入の系統運用面に関する検討へ活用できる。
E3
■キーワード:太陽光発電、系統事故時、系統安定
定度、周波数低下
表1 主な解析条件
表
条
注1)) 電力系統標準モデルの拡充系統モデル
ホームページ:http://www2.iee.or.jp/ver2
/pes/23-st_model/index030.html
分類
動
特
性
モ
デ
ル
初
期
潮
流
調
整
そ
の
他
表2 潮流および事故条件
潮流断面
PV導入量
事故点
事故継続時間
事故種別
・ピーク(107.8GW)
(
)
・オフピーク(71.7GW)
・9.8GW(下記の1/3)
・29.4GW(5,300万kW相当)
500kV母線至近端,A~I点*
70ms
三相地絡
1.5
1.0
0.5
2
赤線:同期化力
オフピーク,
ピーク
青線:ダンピングトルク
オフピーク
オフピ
ク,
ピーク
ピ
ク
1
オフピーク,PV比率0で正規化
0.0
0
0
10
20
30
40
50
少 総需要に対するPV比率[%] 多
図2 PV比率と系統安定度との関係
(PVが脱落しない場合)
3.0
周波数低下幅[H
Hz]
2.0
等価的な同期化力
力[pu]
等価的なダンピング
グトルク[pu]
*電気学会標準モデル系統の技術報告書
(第754号)に指定されている事故点
有無
○
○
×
△4)
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
1) 有効電力制御と無効電力制御が模擬された
インバータモデル
2) 赤城のPV代表10機種の脱落特性を基に模擬
3) 既存モデルの改良と実態調査が必要
4) 受動方式のみ模擬
5) 電気学会WEST10機-O/V系統モデルのデータ
を使用
6) V法潮流断面支援ツールを用い,下位系のす
べての母線電圧を,スタコン・変圧器タッ
プ・同期発電機により0.95~1.05PUに調整
7) PVの出力分の発電機容量を均等に削減
8) 275kVと66kV母線に2分割
9) 5.2%の電源脱落で1Hz低下となるようPLMを
電源脱落
低下となるよう
を
調整
2.5
20
15
赤線:脱落量
オフピーク,
ピーク
青線:周波数低下幅
オフピーク,
ピーク
20
2.0
1.5
1.0
0.5
10
脱落量[%]
図1 下位系統の構成
項目
PV制御モデル1)
PVの脱落特性2)
PVの復帰特性3)
PVの単独運転検出リレー
PVの短時間の出力変動
負荷の動特性(誘導機)
負荷の脱落特性
下位系の同期機の模擬
連系線潮流の上限5)
調相設備容量(容量上限)5)
有効・無効出力上下限
有効
無効出力上下限5)
負荷力率を基にした
無効負荷調整
系統電圧調整6)
既存発電機の出力調整7)
有効負荷の分散配置8)
既存発電機の偏在化
PVの偏在化
既存発電機の調速機制御系9)
5
0.0
0
0
10
20
30
40
50
少 総需要に対するPV比率[%] 多
図3 PV比率と周波数低下との関係
(PVが脱落する場合)
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