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石油に関わる中東情勢 -サウディ、イラン他

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石油に関わる中東情勢 -サウディ、イラン他
石油に関わる中東情勢
-サウディ、イラン他2016年1月21日
調査部
濱田秀明 増野伊登
1
本日お話しすること
1.サウディアラビア王国とその同盟国がイラン・イスラー
ム共和国との外交関係断絶/その波紋・影響
・日本の原油調達にとってのサウディとイラン
2.背景・理由及び注目点
・サウディとイランとの間で何が起きたか
・サウディの石油開発、財政状況、IPO
・年明け以降のイラン情勢、イランの制裁解除
3. その他、見ておくべきこと
4. 本日のまとめと今後の展望
2
日本の原油調達にとってのサウディとイラン
2015年1月~10月、日本への原油供給で
1位がサウディ、6位がイラン。
地域
数量(b/d) シェア
アジア
152,602 4.6%
サウディ
1,102,171 33.0%
他アラブ
1,486,826 44.5%
イラン
167,299 5.0%
ロシア圏
298,579 8.9%
米圏
100,968 3.0%
アフリカ
31,588 0.9%
合 計
3,340,032 100.0%
出典:通関統計
日本の原油輸入実績(2015年1月~10月)
0.9%
3.0%
4.6%
アジア
8.9%
サウディ
5.0%
他アラブ
合計100.0%
33.0%
イラン
ロシア圏
米圏
44.5%
アフリカ
ホルムズ海峡内の国からの調達は81.8%
 但し、UAEの陸上原油をフジャイラから出荷するためのパイプラインがフル稼
働し、確実に日本が調達できれば約6割まで下がる可能性はある。
3
サウディアラビアの資源ポテンシャル
世界全体の
15%占める
石油(コンデンセート含む)
埋蔵量:2,670億bbl(世界2位)
生産量:1,150.5万b/d(世界2位)
 世界的大規模油田を複数所有
 開発コストは安い
世界全体の
4%占める
天然ガス
埋蔵量:8.2兆m3(世界6位)
生産量:1,082億m3/年(世界8
位)
出典:各種資料よりJOGMEC作成
 随伴ガスによる生産
 未開発ガス田も複数ある
出典:BP統計。埋蔵量は確認埋蔵量を指す。生産量は2014年平均。
4
イランの資源ポテンシャル
世界全体の
1割弱占める
石油(コンデンセート含む)
埋蔵量:1,578億bbl(世界4位)
生産量:361万b/d(世界7位)
 1979年の革命前は600万b/d近く生産
 自然減退や経済制裁の影響で半減
 開発コストは安いものの、インフラなどの
初期投資が必要
世界全体の
天然ガス
2割弱占める
埋蔵量:34兆m3(世界1位)
生産量:1,726億m3/年(米露に次ぐ世界3位)
 生産量の大半は国内消費と油層圧力維
持のための圧入に充てている
 国内埋蔵量の4割を占める世界最大規
模のサウスパースガス田では、イラン企
業による開発が進行中。
出典:各種情報を基にJOGMEC作成
出典:BP統計。埋蔵量は確認埋蔵量を指す。生産量は2014年平均。
5
背景・理由及び注目点
 サウディとイランとの間で何が起きたか
 サウディの石油開発、財政状況、IPO
 年明け以降のイラン情勢、イランの制裁解除
6
サウディとイランの間で何が起きたか1/3
●サウディアラビア王国の死刑執行の発表:1月2日、サウディ内務省
が犯罪者47人の処刑を発表。シーア派4名に説教師ニムル アル・ニム
ル師(サウディ国籍)が含まれていた。残り43名はスンナ派。
●ニムル師処刑に対する両国指導者の発言:
・イラン最高指導者ハーメネーイ師:「サウディの政治家に、殉教者の
血が不正に流された影響が現れ、神による報いがあるだろう」。
・ローハーニ大統領:「処刑はイスラームと人権に対する明確な違反」
・サウディの大ムフティ(大法官)アブドルアジーズ アール・シェイク師:
「自国の法律に従った適切な死刑執行である。」
7
サウディとイランの間で何が起きたか2/3
●イランでのサウディ公館焼き討ち:
3日未明、首都テヘランのサウディ王国大
使館とマシュハドの同王国総領事館に抗
議者が押し寄せ。大使館には館内に侵
入、焼打。
・警察:暴徒逮捕(40人)を発表。
・イラン外務省:外交使節を尊重せよとの
声明発出。
・テヘラン市評議会:サウディ大使館前
の通りを「ニムル バーキル アル・ニム
ル」へ改名。表示板取替。
出典:AP
出典:3日18:20(現地時間)、イラン国営プレスTV
8
サウディとイランの間で何が起きたか3/3
●サウディがイランと外交関係断絶:1月3日夜、サウディのアーデル
ジュベイル外相は「テヘランの大使館とマシュハドの総領事館の焼
打ちはイラン政府が阻止しなかったためと抗議し外交関係を断絶」と
発表。自国大使・外交官らを召還、イラン外交官を国外退去。
●サウディはイランとの通商停止、航空機乗り入れ停止。自国民のイ
ラン渡航禁止。
●バハレーン、スーダン、ジブチ、ソマリアが続いて外交関係断絶。
UAEは大使召還(外交関係格下げ)、ヨルダン、クウェイト、カタルが
大使召還
●GCC(9日)、アラブ連盟(21カ国と1地域、10日)緊急外相会議
イランの対応を非難する声明を発表。
9
周辺国状況
別添カラー資料4あり
15日にはコモロ諸
島もイランとの外交
関係断絶
19日より、中国の
習近平国家主席
は、翌週、サウ
ディ、エジプト、イラ
ンを訪問。
18日から、パキスタ
ンのシャリーフ首相
はリヤドとテヘランを
訪問して、両国の関
係改善の仲介を行
う。
出典:各種資料よりJOGMEC作成(1月7日現在)
ロシア:1月1日~7日休暇シーズン(ユリウス暦での東方教会のクリスマスは1月7日)
10
サウディとイラン:前回の国交断絶時の状況
・直接のきっかけ:1987年7月末、イラン巡礼団とサウディ治安部隊が
衝突し死傷者が多数発生。直後にテヘランのサウディ大使館襲撃。
・前後の状況:イラン革命共和体制樹立 (1978年1月~4月)、GCC首脳会議
初開催 (1981年5月)。イラン・イラク戦争(1980年9月~1988年8月)、イラクの
ク ウェイト侵攻(1990年8月)・撤退(1991年1~2月)
・国交再開:1991年4月、オマーンが仲介する形で国交再開
 今回との比較:
・類似点:サウディにとってイラン封じ込めが破綻したタイミングで発生
サウディ内政面での引き締めに寄与
・相違点:両国共、同盟国を増やしている。→ 影響がより増大
・国交再開に向けた展望:状況転換。例:「サウディ国内安定と外から
の圧力撤廃」、「サウディ、イラン両国間での協力体制が必要性高ま
る」 など。
11
背景・理由及び注目点
 サウディとイランとの間で何が起きたか
 サウディの石油開発、財政状況、IPO
 年明け以降のイラン情勢、イランの制裁解除
12
サウディアラビア王国為政者の顔ぶれ
サルマーン ビン・アブドルアジーズ
アーリー・サウード国王(2015年1月23日就
任)80歳
ムハンマド ビン・ナーイフ ビン・アブドル
出典:サウディ国営アル・ジャジーラ紙、1月16日
アジーズ アーリー・サウード皇太子(2015
年4月29日就任)兼内務相(2012年11月5日就
任)国王の甥、56歳
ムハンマド ビン・サルマーン ビン・アブドルアジーズ アー
リー・サウード副皇太子(2015年4月29日就任)兼国防相(2015年1月
23日就任)国王子息、30歳
 君主制国家におけるエネルギー資源の権益は君主が保有
13
サウディアラビア:主要油田状況
油田名
発見年
埋蔵量
残存量
(P+P、億b) (億b)
生産量
(万b/d)
備
考
ガワール
1948
1,484
850
シャイバ
1968
208
190
50 2030年代後半までプラトー継続。
クライス
1957
165
100
100 2030年代後半までプラトー維持。
マニファ
1957
105
100
アブカイク
1941
157
30
計
490 世界最大。低コスト(Capex:約3ドル/bbl)
性状と油価の関係より、2013年より大幅
79 増産。2030年までプラトー維持、2060年
まで生産可能。
20 減退中。2050年まで生産可能。
739
資本投資がなくても数年間は現行生産
水準を維持可能な構造。
 主要5油田の生産量で国全体の約3/4を占める。
 2000年代半ばに限界説が指摘されるも、いまだ生産量は旺盛。既
に水攻法(二次回収)に移行するが自噴油田。
出典:各種データよりJOGMEC推計
14
サウディアラビア:油ガス田分布状況
埋蔵量・生産量で
世界最大のガワ
ール油田。
・南北端間で約
280km
・東西の最広地点
で約50km
・集油面積は7,000
㎢超
・貯留層厚(7層計
)400m超
15
出典:各種資料よりJOGMEC作成
サウディアラビア:石油生産量推移
現在は史上最高水準。輸出収入確保のためには生産増加が有効。
1400
単位:万b/d
1200
1000
OPECによる生産量調整
800
600
400
200
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
‐
注:NGLを含む
出典:BP統計、点線部分はJOGMEC推計 16
サウディアラビアの財政事情
 政府予算
歳
入
歳
出
差
異
2016年予算
5,138 (1,370億ドル)
8,400 (2,239億ドル)
‐3,262 (‐870億ドル)
2015年実績見込
7,150 (1,906億ドル)
8,600 (2,293億ドル)
‐1,450 (‐387億ドル)
予算(単位:SR億、1 SR =0.2666USD)
・予算前提油価は35ドル/bとの見方。(出典:National Commercial Bank)
 外貨準備高(サウディ通貨庁(SAMA)):
2014年8月7,460億ドルから2015年8月6,620億ドルへ縮小
 増大する軍事費
・仏との軍事インフラ成約・協議高 : 110億ドル(10/13 仏首相発表)
・イラク国境(900km)とイエメン国境(1800km)ハイテクフェンス:
130億ドル以上(出典:サウディ国営通信報道などより試算)
・イエメン戦争:3月~9月間で800億ドル以上との見方。復興費も必要。
17
サウディアラビアの財政対策
 財政・予算緊縮化報道
政府契約の年内調印停止(出典:Bloomberg 7 Oct.’15)
政府支出支払締切を1カ月前倒し(11月半ば)(出典:ロイター, 13 Oct. ‘15)
2015年プロジェクト契約額: 355億ドル(出典:MEED, 13 Oct. ‘15)
→2008年以来の低水準
 燃料費値上げ
ガソリン(91):0.45→0.75リヤル/ℓ
ガソリン(95):0.60→0.90リヤル/ℓ(12月29日より実施)
 電力・水道・ガスの料金を今後5年間で調整
 付加価値税(VAT)導入
今後2年以内、税率5%を検討
 たばこ税徴収、国営企業民営化などを計画
18
サウディ・アラムコのIPO
●ムハンマド ビン・サルマーン副皇太子:1月4日実施のエコノミスト
誌とのインタビュー
Q:“Can you imagine selling shares in Saudi Aramco?”
A:“This is something that is being reviewed, and we believe a decision will be made over the next few months. Personally I’m enthusiastic about this step. I believe it is in the interest of the Saudi market, and it is in the interest of Aramco, and it is for the interest of more transparency, and to counter corruption, if any, that may be circling around Aramco.”
1月8日、サウディアラムコ声明
・自社一定割合の持ち分ないし子会社権益の公開などを検討。
・社内で検討し取締役会に提案。その後、最高経営評議会に上程し、審議。
1月10日、ロイターは業界筋として、上場は石油開発ではなくダウン
ストリーム(精製)部門を対象と報道。
 埋蔵原油・ガスの権益は国家主権者に帰属
19
原油輸出金額
●原油輸出額試算方法
・生産量、国内消費量、輸出量
●原油価格設定構造
・基準価格
・政府公示価格(油種別地域別設定)
●油田別生産量
●油種別地域別販売量
20
生産原油使途先推移
1,200.0
 国内消費量は、通期で27%。
 夏場の冷房使用による電力
生産量
需要が高まる時期には増大
国内消費
輸出量
する。
1,000.0
800.0
600.0
400.0
200.0
0.0
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
原油受払推移
2015年
井戸元生産
量
在庫調整分
市場払出量
国内消費量
原油輸出量
1月
2月
968.0
-17.4
985.4
238.0
747.4
963.6
-11.3
974.9
239.9
735.0
単位:万b/d
合 計
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1,029.4
13.6
1,015.8
226.0
789.8
1,030.8
-1.1
1,031.9
258.2
773.7
1,033.3
29.8
1,003.5
310.0
693.5
1,056.4
20.6
1,035.8
299.3
736.5
1,036.1
2.3
1,033.8
306.2
727.6
1,026.5
20.5
1,006.0
306.2
699.8
1,022.6
-13.0
1,035.6
324.5
711.1
1,027.6
21.7
1,005.9
269.5
736.4
1,019.8
6.8
1,013.0
278.0
735.0
1,019.8
6.8
1,013.0
278.0
735.0
8月
9月
10月
11月
出典:JODI、MEES
単位:万b/d
1月
原油
国内消費量
国内直接使
用
精製用
製品輸出量
出典:MEES
933.0
-80.0
1,013.0
278.0
735.0
2月
3月
4月
5月
6月
7月
238.0
239.9
226.0
258.2
310.0
299.3
306.2
306.2
324.5
269.5
27.6
31.5
35.1
35.8
67.7
89.4
84.8
84.8
74.4
66.7
130.6
79.8
126.9
81.5
107.1
83.8
127.1
95.3
110.5
131.8
109.1
100.8
113.9
107.5
86.7
134.7
131.1
119.0
93.5
109.3
12月
合 計
278.0
278.0
278.0
60.0
113.4
104.6
39.5
133.9
104.6
58.3
115.2
104.6
製品輸出量は年間換算6059万kl
21
指標原油価格推移
現在、サウディアラビアは輸出
原油の政府公示価格設定を市
場の原理に委ねるとの原則の
下、ドバイとオマーンの指標原
油に対して、原油性状(API°)
分を調整して輸出先の地域別
に設定し、毎月末に翌月の価
格を発表している。
2014年のドバイとオマーンの指標原油の
平均である基準価格と、アジア向けの
Arabian Light原油の価格推移
90.00
80.00
70.00
60.00
基準価格
50.00
40.00
アジア向
Arabian Light
30.00
20.00
10.00
0.00
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
出典:MEES
価格フォーミュラ:基準価格月次推移
2015年
1月
2月
Dubai
31°
77.84
59.21
Oman
34°
78.24
81.01
78.04
70.11
出典:MEES
3月
45.73
46.73
46.23
4月
55.31
56.21
55.76
5月
54.39
55.09
54.74
6月
58.28
58.68
58.48
7月
63.42
63.62
63.52
8月
61.79
61.84
61.82
9月
56.33
56.33
56.33
10月
47.83
47.88
47.86
11月
45.56
45.76
45.66
単位:ドル
12月
加重平均
45.78
54.1
46.03
56.4
45.91
55.2
22
サウディ原油輸出先
2014年輸出地域別割合
• Arab Super Light原油は原則としてア
ジア市場限定。
• 「地中海」原油は、エジプトの地中海
側のシーディー・ケリール ターミナル
から輸出
相手先
アジア
米 国
北西欧州
地中海
その他
合 計
割 合
62%
17%
7%
7%
6%
100%
アジア
米 国
北西欧州
地中海
その他
 サウディ・アラムコによれば、約
2/3がアジア向けに輸出
出典:Saudi Aramco、2014年実績
23
スメド(原油)パイプライン
• 全長:320km
• ルート:スエズ湾のアイン・ソフナか
ら、地中海側のシーディー・ケリール
まで
• パイプライン:口径42インチX2本
• 通油容量:250万b/d
• SUMED社によれば2009年の通油量
は110万b/d。またEIAによれば、2013
年の通油量は140万b/d。
出典:各種資料よりJOGMEC作成
操業:Arab Petroleum Pipeline Company ( SUMED )
設立:1973年
開通:1977年
株主:EGPC (エジプト:50% )、 Saudi Aramco ( 15% )、 IPIC (アブダビ首長国:15% )、
QGPC(カタル:15%)、クウェイト系企業3社(各5%、合計15%)、 (カッコ内は権
益比率)。
24
油種別生産割合(試算)
2014年油種別生産割合
 軽質から重質まで5種あり。
 世界最大のガワール油田からは約
490万b/dの原油が生産され、主として
Arab Light原油として輸出。
10% 2% 12%
Arab Super Light
13%
Arab Extra Light
Arab Light
Arab Medium
Arab Heavy
63%
基準生産
油種 / API° 割 合 量(万b/d)
Arab Super Light
Arab Extra Light
Arab Light
Arab Medium
Arab Heavy
合
2%
>40°
36‐
40°
23‐
36°
29‐
32°
<29°
計
主要な油田
25 Hawtah, Nuayyim, Hazmiyah, Ghinah, Umm Jurf
12%
140 Berri, Abqaiq, Shaybah
63%
723 Ghawar, Qatif, Khurais
13%
145 Zulf, Marjan, 10%
120 Safania, Manifa
100%
1,153
出典:各種資料より、JOGMEC作成
25
サウディ原油月次輸出額試算
地域別油種別原油売上高
2015年
アジア向け
Arab Super Light >40°
Arab Extra Light 36-40°
Arab Light
23-36°
Arab Medium
29-32°
Arab Heavy
<29°
小 計
米国向け
Arab Extra Light 36-40°
Arab Light
23-36°
Arab Medium
29-32°
Arab Heavy
<29°
小 計
北西欧向け
Arab Extra Light 36-40°
Arab Light
23-36°
Arab Medium
29-32°
Arab Heavy
<29°
小 計
地中海
Arab Extra Light 36-40°
Arab Light
23-36°
Arab Medium
29-32°
Arab Heavy
<29°
小 計
FOB Sidi Kerir
Arab Extra Light 36-40°
Arab Light
23-36°
Arab Medium
29-32°
Arab Heavy
<29°
小 計
合 計
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
単位:百万ドル
12月
合 計
245
1,353
6,883
1,354
1,085
10,919
197
1,103
5,697
1,143
946
9,085
153
857
4,427
888
735
7,059
179
1,002
5,174
1,038
859
8,251
165
924
4,774
957
792
7,613
180
1,006
5,194
1,042
862
8,284
198
1,108
5,720
1,147
949
9,123
187
1,046
5,400
1,083
896
8,611
168
941
4,861
975
807
7,752
154
863
4,455
893
739
7,105
139
780
4,028
808
669
6,424
148
827
4,273
857
709
6,815
2,112
11,810
60,886
12,185
10,048
97,040
392
1,984
388
316
3,080
313
1,572
308
252
2,446
251
1,240
240
195
1,926
289
1,441
281
229
2,240
261
1,308
255
209
2,033
286
1,439
281
230
2,236
318
1,592
311
256
2,477
300
1,491
292
239
2,322
273
1,339
262
218
2,092
249
1,209
235
193
1,886
228
1,108
215
176
1,727
237
1,146
222
182
1,787
3,397
16,868
3,290
2,696
26,252
155
783
154
123
1,215
120
608
119
94
942
94
467
91
71
722
109
545
106
83
843
99
493
96
76
764
111
557
109
86
863
123
617
120
96
956
116
579
113
90
898
103
513
100
80
796
93
457
88
69
707
85
420
81
63
650
86
423
82
64
655
1,294
6,464
1,259
995
10,011
156
790
155
125
1,226
121
609
120
96
945
96
479
93
74
742
111
553
108
85
857
100
500
98
78
776
112
559
109
87
868
124
623
122
98
967
116
586
115
93
910
102
510
100
80
792
93
462
90
71
716
86
425
82
65
657
88
431
8
67
594
1,305
6,529
1,199
1,018
10,050
131
662
130
104
1,027
101
508
100
80
789
80
400
78
61
620
93
463
90
72
718
84
419
82
65
650
93
466
92
73
725
104
522
102
82
810
97
490
96
77
760
85
426
83
67
661
78
389
75
60
602
75
354
69
55
552
74
362
71
56
563
1,095
5,461
1,067
853
8,476
17,467
14,207
11,070
12,908
11,837
12,975
14,333
13,501
12,094
11,016
10,009
出典:各種資料よりJOGMEC作成
10,414 151,830
26
サウディアラビア:今後の原油生産量見通しとリスク
技術・開発面(持続可能生産能力:1,250万b/d)
 油ガス田規模が巨大:新規大型開発を行わなくても、生産継続可
能(プラトー生産で15年間、枯渇まで35年間)
 新規発見は、中小規模。既発見未開発油ガス田63(2014年7月時
点)の商業的回収可能量は5,228mmboe。
 含水率増大、新規技術導入は大きな課題。
経済・政治・外交面
 国内電力需要の伸びに連れ石油・ガス国内消費量が増大し、輸
出余力低下。
 再増産国との市場シェア競争リスク。
 油価下落の影響は限定的であり、原油生産量は2020年にかけ
ても約1,000万b/dで安定的に推移。
 短期的には周辺国との関係により変動の可能性あり。
 長期的に国内の需要の伸びは輸出面でのリスク要因。
27
背景・理由及び注目点
 サウディとイランとの間で何が起きたか
 サウディの石油開発、財政状況、IPO
 年明け以降のイラン情勢、イランの制裁解除
28
サウディ大使館襲撃事件 イラン国内の反応
 処刑後すぐの大使館襲撃(1月3日)
• 大使館前の道はニムル通りと改称、4日には新道路名標識が設置
 大使館を背にセルフィーで自撮りするデモ参加者も・・・
 今回のニムル氏処刑は寝耳に水か?
2012年サウディ当局がニムル氏を逮捕、2014年にはすでに死刑判決
→「用意がよすぎる」という印象
保守強硬派勢力の一部が襲撃に関与していたと指摘する声も
外交団関連施設への襲撃は、ロウハニ政権の国内外における信用
低下にもつながりかねない
 ロウハニ大統領:「過激な者」による襲撃を「正当性なし」と非難。
 1月9日、イラン政府は治安問題担当のテヘラン州
副知事Safar Ali Baratlou氏(右写真)を罷免。
出典:イラン国営プレスTV
29
襲撃事件から見るイランの国内権力構造
 襲撃に対するハメネイ最高指導者の公式声明は今のところなし。
 2011年11月の英大使館襲撃の際には、9か月後に「(経済制裁に対す
る)心情は一にするが、やり方が間違っていた」と発言。
 穏健派・強硬派間のバランスを取りつつ舵取りを行うハメネイ師
★注目点
2月26日のイスラーム諮問評議会(国会)選挙と専門家会議選挙
イスラーム諮問評議会とは
・議員数290名
・立法機関(国会に相当)
専門家会議とは
・イスラーム法学者約90名で編成
・権限:最高指導者の選出・監察・罷免
立法権を有するが、その上位に位置する監督者 ・前選挙で穏健派が優勢に
評議会(12名の法学者で編成)が法案可決の是 ・今選挙では、ロウハニ大統領、ラフサンジャニ師、
非を左右することができ、より絶大な権限を持つ。 ホメイニ師の孫など700名以上が立候補
●穏健路線の現政権と前大統領時代に台頭した強硬派の攻防
●ニムル氏処刑以降の一連の動きが強硬派にとって追い風になるか
30
(参考)イランの政治体制
ハメネイ最高指導者
(任期なし)
任命
任命
2月選挙
選出・監察・罷免
選出
体制利益判別評議会
監督者評議会
専門家会議
護憲評議会と国会間の
調停役として機能
ラフサンジャニ議長
国会が憲法とイスラーム法に抵
触していないかを審議する機関
ジャナンティ事務局長
86名(法学者のみ)
(任期8年)
任命
国軍
時に対立
2月選挙
イスラーム諮問評議会
国会議員290名
(任期4年)
選挙
革命防衛隊
ジャアファリ―
革命防衛隊総司令官
任命
調停
立法
フィールズアーバー
ディ統合参謀本部長
任命
選挙
(アリー・)ラリジャニ
国会議長
認証・罷免
行政
司法
ロウハニ大統領
(任期4年)
(サーデグ・)
選挙
ラリジャニ
司法長官
国民
約8,000万人(うち有権者数約5,000万人)
31
ついにイラン制裁が解除 その概要
サウディアラビアによる断交の影響が懸念されたが・・・
2016年1月16日、米とEUが核関連イラン制裁の一時停止/解除を発表。
=「Implementation Day(合意履行の日)」が到来
一体何が出来るようになったのか?
① 米制裁のうち、停止対象となるのは「非米国人(Non-US persons)」に
対する核関連制裁
→「非米国人」に対して、金融取引、保険、エネルギー・石化産業、船舶
輸送・造船、金属、自動車産業などに関連する制裁の適用を免除。
② 「米国人(US persons)」に対する制裁は引き続き適用
→米国金融システムを利用した決済(ドル決済)は事実上できない
「米国人(US persons)」とは?
米財務省外国資産管理局(OFAC)
➣米国籍および米国永住権保持者
➣米国内に存在するあらゆる人・団体
➣米国企業の海外支社および米国企業が過半数出資する現地法人
32
制裁解除の概要
一体何が出来るようになったのか?(続き)
③ 米財務省は400以上の個人・団体(イラン中銀やNIOC含む)を制裁
対象リストから除外
→これら個人・団体との資金取引に対する制裁の適用は免除
(ただしドル決済以外)
④ 一方、核関連以外の制裁は停止対象とはならないため、テロ、ミ
サイル、人権問題、シリア・イエメン問題などに関連する200以上
の個人・団体(革命防衛隊又はその関連団体など)は引き続き制裁
対象リストに残る。
→「米国人」・「非米国人」にかかわらず、これら個人・団体との取
引は依然として制裁対象
33
制裁解除に関する懸念
国際金融機関の動向が鍵・・・
ジャヴァディ国営石油会社
(NIOC)総裁の見解:
 国内の金融機関に対する活動
制限がネック
 イランが新たな石油販売契約
を締結することができるのは
2016年9月
イラン中銀(NIOC)総裁の見解:
 国内金融機関は数十年にわ
たり国際金融システムから隔
離されてきたため、”outdated”
 改革の必要あり
34
米保守派/反イラン派の動き
イランをめぐる米の最近の動き
 2015年12月、米下院は過去5年間にシリアやイランなどへ渡航歴がある
人物のビザ取得を義務付ける法案を可決。
 12月26日、イランがホルムズ海峡でロケット発射実験。
• 米当局は2016年1月1日、追加制裁を準備していると発表。
 2016年1月12日、米海軍船の乗組員拘束事件が発生
• イランは速やかに乗組員を開放、米反イラン派につけ入る隙与えず
 制裁解除に先立つ1月16日、米国とイランは、1年以上の交渉を経て、各
々の国で服役する相手国籍の受刑者を釈放。米側が7人、イラン側が4
人(スパイ罪で逮捕されたレザイアン米ワシントンポスト紙テヘラン支局長など)。米はこの
他14名のイラン人を国際指名手配リストから除外したとされており、米国
内の反イラン派からは強い反発あり。
イランは「新たな制裁の制定は合意違反と見なす」と明言してお
り、制裁強化を叫ぶ米保守派の今後の動向が注目される。
35
制裁解除のプロセス
済
①暫定合意の成立 【2013年11月24日】
 イランとP5+1の間でイラン核開発問題に係る初めての合意成立
済
②最終合意の成立「Finalization Day」 【2015年7月14日】
 イランとP5+1がJCPOA(包括的共同行動計画)に関し最終合意
済
③合意の採択「Adoption Day」 【2015年10月18日】
 イランとP5+1各国が合意内容を承認し、採択。
済
④合意の履行「Implementation Day」 【2016年1月16日】
 制裁解除の開始
⑤制裁の更なる解除「Transition Day」 【2015年~2023年】
 米国は核関連の独自制裁を終了し、EUは一部の制裁を終了。
⑥安保理決議の終了の日「UNSCR Termination Day」 【2025年】
 安保理決議2231号の期限。
36
増産に向け意欲を燃やすイラン
イランの石油生産量(コンデンセート含む)
2007年:436万b/d
2015 10 364 b/d
2015年10月:364万b/d
1~11月平均:
356万b/d
出所:IEA
 市場シェアの回復に重点、他OPEC加盟国に対し減産を求める。
 制裁解除後直ちに50万b/d増産、更に数カ月をかけて更に50万b/d増産し
たい構えだが、「更なる油価下落を招くことは避けたい」との発言も。
37
対外開放に向けたイランの最近の動向
 2015 年11 月28~29 日、テヘランで石油・天然ガス探鉱開発契約
の新方式IPC(Iranian Petroleum Contract)の説明会開催
<旧契約からの主な改善点>
・ 契約期間の長期化
・ コスト回収の上限撤廃
・ 柔軟な報酬設定 など
 2016年2月22~24日にはロンドンでも説明会開催予定
更に詳細な内容が提示される見通し
 このほか、70 件の石油・ガス関連事業(52 件の開発案件と18 件
の探鉱案件)の外資開放を発表
 今後外資から提示される提案の内容によっては、公開入札の外で
交渉を行う余地も示唆
38
対外開放対象となる案件
別添カラー資料5あり
対外開放が予定されている開発・生産中の鉱区
対外開放が予定されている探鉱鉱区
出典:各種資料よりJOGMEC作成
39
イラン、2016年度国家予算を国会に提出
石油収入は予算の25%に止まる
 制裁解除の翌日(17日)、2016年度※予算案が国会に提出される。
前提油価
前提輸出量
2014年度予算
100ドル/bbl
140万b/d
2015年度予算
72ドル/bbl
130万b/d
2016年度予算
40ドル/bbl
225万b/d
※ イラン暦1395年度(2016年3月21日~
2017年3月20日)を指す。
 油価下落を受け、輸出増となっても輸出収入が大幅に増加する可
能性は低い。想定どおりでも、2011年度石油収入(1,200億ドル)の3割弱。
 ただし、ロウハニ大統領の発言によれば、石油収入は予算全体の
25%に止まる見込み。
 大統領は、2016年に最大500億ドルの投資を呼び込みたいと発言
(1月17日)。
 因みに第6次五か年計画(2016年~2021年)では、上流分野への
2,000億ドルの投資を計画。
40
今後の経済成長に期待が集まるイラン
 IMFの4条協議報告書(2015年12月21日発表)によると、60~100万
b/dの原油増産などを背景に、2016年度のイランの経済成長率(実
質GDPに基づく)は4%~5.5%の見通し。以降数年間の伸び率は、制裁
解除と石油収入増を受け4%で安定か。
 経済の多様化、補助金削減、増税、直接投資呼び込みの強化に
よって、経済発展を目指す。
 「石油を単に主要な収入源としてではな
く、経済発展の原動力として見るような
アプローチへの転換が必要」(ザンギャネ
石油大臣、2015年11月28日)。
実質GDPに占める商業別割合(2014年)
出所:各種情報を基に作成
41
その他:見ておくべきこと
イランがホルムズ海峡でロケット弾(ミサイル)試射
イエメンでの戦争
サウディが主導した34カ国の同盟
米海軍艦艇をイランが拿捕
など
42
ホルムズ海峡でイランがロケット弾試射
 「12月26日にホルムズ海峡でイラン軍がロケット(ミサイル)弾発射実
験実施」
• 米中央軍が30日に発表。
• 現場付近を航行中の空母「ハリー・トルーマン(約333m)」から1,500ヤード
(1,370m)の距離
• 事前通告有:但し、発射23分前と直前。
イランは非誘導型ロケット弾数発を発射⇒米中央軍 司令部は「挑発的
行為」と抗議
イランに対する新たな制裁措置を呼びかける声が米国の一部で上がっ
たが共鳴せず。
一方、仏軍はイランのロケット弾発射を確認したが、これを脅威とはみていな
いと述べている。当時、シリア空爆作戦に参加している空母「シャルル ド・ゴー
ル」の護衛のためにフリゲート艦がホルムズ海峡を航行していたが発射方向
が、自分達の艦船の方向とは異なっていたとしている。
43
原油・LNG輸送の世界的要衝「ホルムズ海峡」
出典:各種資料よりJOGMEC作成
• 海峡中央部に分離通行帯(Traffic Separaion Scheme: TSS)を設定。
• 最狭部で片側航路の幅は約2海里(約3.7km) 航路内水深約60~80m
• 世界の原油流通の約4割が通過。日本に輸入される原油は8割以上が
この海峡の内側の国から来ている。
• カタル、クウェイトは代替ルートなし。
44
イエメン戦争 (内戦介入)
●シーア派ザイド系ホウシー部族は、政府と2004年より対立。2012年より武力での戦い激化。
2014年8月22日、ホウシー勢力が首都サナアの行政庁舎・警察を占拠
2015年1月22日、ホウシー勢力との協議不調。ハーディー大統領は辞任表明(後に撤回)
2015年2月19日、ハーディー大統領はアデンに脱出、3月25日、サウディへ脱出。
3月26日、「決意の嵐」作戦でサウディは、UAEなどと共に空爆開始。さらに地上部隊派遣
4月21日、サウディは、「希望回復作戦」へ切替を宣言
9月4日、マアリブ州でUAE兵45名殉職
サウディ側:
9月中旬、ハーディー大統領以下主要閣僚がアデンに帰還
政治的に前
10~12月、スーダン、コロンビア、エリトリア、モロッコなどの
進したが、軍
軍がサウディ側に参加
事的に圧倒
12月14日、ホウシー派のミサイルでサウディ側に大きな損害
するのは困
12月15日~20日、国連主導の和平会議。一時停戦、捕虜交換な
難
ど実行。包括的和平合意は今後に持ち越し。
 イエメン和平の展望
・国連によるジュネーブでのイエメン和平会議:1月14日→1月20日もし
くは23日へ延期。
45
サウディアラビア王国にとっての懸念
別添カラー資料6あり
(1979年~2003年)
イエメンのホウシー派
•
•
•
シーア派ザイド派
1960年までのザイド派王朝の系統
2004年より政権と武力闘争。当時の、ア
リー サーリハ大統領とは、現在同盟関係。
(現在)
出典:各種資料よりJOGMEC作成
“この10年間で、イランに同盟する“シーア派”共和制国家群が台頭し
て我が王国を取り囲んでいる”という懸念。
46
原油・LNG供給への影響:バーブ ル・マンデブ(海峡)
インド洋と地中海と
を結ぶ要衝
スエズ運河に直結する航路
対岸ジブチには海賊対策で日
本を含む各国が艦船を展開中。
出典:各種資料よりJOGMEC作成
バーブ ル・マンデブ(海峡)での原油・石油製品の通航量(出典:EIA)
湾岸産油国と米・欧州市場を結
ぶ。
2009
2010
2011
2012
2013
290万b/d 270万b/d 340万b/d 370万b/d 380万b/d
LNG:輸出面でカタル(27.6百万トン、50%に相当)、輸入面で英国(10.4百万トン、全体の77%)、ベ
ルギー(4.3百万トン、全体の93%)、スペイン(4.5百万トン、全体の22%)
(出典:各種データによりJOGMEC見積、2011年)
47
サウディが34か国の同盟主導
•
12月14日、ムハンマド ビン・サルマーン副皇太子兼国防大臣:
「シリアとイラクのテロリストと戦うための連合軍を34か国 で結成
し、 司令部をリヤドに設置する」と発表。
• 12月15日、アーデル アル・ジュベイル外相:「他のアラブ諸国と共
に、シリアへ特別部隊の派遣を協議している。協議の相手はUAE、
カタル、バハレーンであり、作戦の目的と必要性を明確化する話し
合いを続けており、さらなる参加国を歓迎する。」
 穏健な親西欧国として慎重であったサウディが、自ら主導して同
盟結成した近年稀なケース
34ヵ国は、1.ヨルダン、2.UAE、3.パキスタン、4.バハレーン、5.バングラデシュ、6.ベニン、7.トルコ、8.チャ
ド、9.トーゴ、10.チュニジア、11.ジブチ、12.セネガル、13.スーダン、14.シェラレオーネ、15.ソマリア、16.ガ
ボン、17.ギニア、18.パレスチナ、19.コモロ諸島、20.カタル、21.コートジボアール、22.クウェイト、23.レバ
ノン、24.リビア、25.モルディブ、26.マリ、27.マレーシア、28.エジプト、29.モロッコ、30.モーリタニア、31.ニ
ジェール、32.ナイジェリア、33.イエメンにサウディを合わせて34ヵ国。イラン、イラクは参加していない。
48
米海軍艦艇2隻をイランが拿捕
拿捕された艦船と同型艦
出典:USNEWS.com
●1月12日、米国防総省は「米軍小型高速艇(CB‐
90)2隻がイラン革命防衛隊(IRGC)に拿捕され、乗組
員10人がファルシー島に留置」と発表。
IRGCは、同艦艇は自国領海内に侵入したとして謝
罪を要求。
イラン側報道:「米軍指揮官が領海侵入を認め謝罪」
イラン外務報道官は「敵意無し」と発言。
・13日、公海上で解放
 米国世論の反イラン感情封じ込め。
 海上トラブルの処理能力実証。
出典:各種資料よりJGMEC作成
出典:イラン国営 TV
49
原油価格への影響
 価格上昇は発生せず。
 イランに対するアラブ諸国の国交断絶は、むしろ両国による原油生
産調整の協議が阻害される要因との見方。
50
本日のまとめと今後の展望
 サウディ主導のアラブ諸国とイランとの国交断絶
 油価低落下のサウディ財政問題:今後5年間での改革お
よび、戦況の影響大。
 サウディ国内:財政逼迫に対しては、戦況と国民意識改
革がカギ
 イラン経済封鎖解除:今後の経済成長に期待が集まる。
51
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