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20150326_ブランド基本戦略ポスター のコピー
平成26年度 神戸産農水産物ブランド基本戦略|2015.03.30 BRAND STRATEGY REPORT これまで神戸市では「商品」を軸としたブランド活動を実施してきた。しかしながら、2013年の調査結果 では、神戸市内生産物の認知度は低く、商品のブランド化のためには生産と利用をつなげる仕組みづくり の重要性が抽出された。本戦略を策定するにあたり、「ブランド化の方向」「鮮度の価値」「地産地消の 販売ルート」に焦点を当て、「生産者」「飲食事業者」「小売・流通事業者」「消費者」へのインタビュー <調査から抽出された課題> 2013年度∼2014年度の調査結果の考察から、神戸産農水産物のブランド化を実 「神戸市内」にある課題と「神戸市外(国外)」に向けた課題に区別。 現するために、大きく2つの視点からアプローチの必要があることがわかった。 それぞれの課題解決に合致した2つのブランド基本戦略を策定する。 地産地消を促進するインフラ不足 課題①: 神戸産農水産物は認知されていない LOCAL BRANDING: 地産地消のライフスタイル化戦略 「生産地と消費地との繋がりが希薄である」という課題を を解決するため、生産者、事業者、消費者が活用できる 調査と、世界での成功事例から学ぶケーススタディ調査を実施し、「どうすれば、付加価値の高い商品に なるか、地産地消の価値をどのように伝えればよいか」を検討し、3つのゴールを設定した。 <神戸産農水産物ブランド基本戦略> 課題②: 生産量の増加よりも、商品の付加価値の向上が求めら れている 「情報」「流通」「販売」のインフラを整備し、神戸市内 の地産地消の拡大と定着化を目指すローカルに特化したブ ランド基本戦略。 ブランド戦略・実施専門チーム <神戸市の指針 課題③: 産直のニーズは高いが、消費地と生産地が繋がってい ない 中長期的 ブランド ブランド戦略 イメージ構築 中長期的観点から 初期段階から 多種多様な施策を イメージを構築し 戦略的にまとめる 神戸市 効果を高める 課題④: 生産者や事業者は地産地消に関する活動を実施してい るが、現状は効果的に連携できていない + 専門家 課題⑤: 官民協力の団体を組織し、地産地消を定着化するイン フラ構築が必要 INFORMATION 情報の インフラ DISTRIBUTION RETAIL 流通の インフラ 販売の インフラ プラットフォーム の提供・活用 市民と民間が活用できる 共有プラットフォーム 素材だけではブランド化は困難 市民・民間による活用と事業継承 課題①: 神戸市は在来種が少なく、素材のみの独自性は弱い GLOBAL BRANDING: 食文化を包括したブランド化戦略 「素材に頼ったブランド化は困難である」という課題を解 決するため、神戸市内の食のプロと海外からの知見を踏ま 神戸産農水産物ブランド基本戦略の最終的なゴールは、市民・民間が神戸産農水産物を自身で活用し、付 課題②: 鮮度だけでは、価格の優位性にならない えた「研究」「開発」「輸出」スキームの構築を目指すグ ローバル市場を睨んだ、世界に向けたブランド基本戦略。 加価値を生み出す土壌を作ることにある。神戸市はそのインフラ整備や、きっかけ作りに尽力し、3カ年 計画後は、整備されたインフラや事業を市民または民間に継承することを想定した。 本プログラムは大きく3つの要素で構成されている。中長期的な観点から神戸産農水産物に関連する施策 を連携させる「ブランド戦略」、ブランド認知を高める「ブランド・イメージ構築」、そして、一過性のイ ベントでなく、市民と民間が活用できる「プラットフォームの提供・活用」である。 神戸市とブランド専門家がチームとなり、中長期的な戦略構築、事業モデルの構築、スタート・アップの 運営を担う。3年後、事業の自立性が確証された後、継承者を選定し、持続可能な活動が実現できるエ コ・システムの構築を目指す。 課題③: 神戸産農水産物の付加価値を生み出すプロとの連携が 不足している RESEARCH 研究の スキーム 課題④: 海外観点での食文化やライフスタイルも含めたブラン ド化の可能性 課題⑤: 「食」を切り口とした、グローバルな集客のポテン シャル DEVELOPMENT TRADING 開発の 輸出の スキーム スキーム LOCAL BRANDING: 6つのキーワード: 地産地消のライフスタイル化戦略 神戸市内の消費者が地産地消を楽しみ、 神戸産農水産物ブランド基本戦略は6つの視点により、 日常に定着化してもらうための基準 LIFESTYLE を設定した。 神戸の生産地は都市部との近隣に位置する好条件を有している。しかしながら、現 PEOPLE 安心 在はそのメリットを活かし切れず、調査の結果でも生産地と消費地の連携の欠如が指 摘されている。神戸産農水産物ブランド基本戦略を成功させるポイントは、近隣の生 産地と、豊かな食市場とのつながりを強化し、地産地消を定着化させるインフラ作り である。「生産地と消費地との繋がりの希薄」を改善するため、欧米のCSA (Community Supported Agriculture)のプログラムを参考に、生産者、 LOCAL 地域性 CHALLENGE 挑戦 SEASONAL 季節性 DESIGN 意匠 ライフスタイル 2017~ INFORMATION オンライン販売 事業者、消費者が活用できる次世代の「情報」「流通」「販売」のインフラ を整備し、積極的につながる機会を創出、市民が地産地消を取り込むことで、 暮らしが豊かになると実感できるコミュニケーションも実現し、段階的に 需要と供給の関係の活性化を通じて、神戸市内の地産地消の 拡大と定着化を目指すローカルに特化した 2016~ INFORMATION 書籍の出版 ブランド化を実現する。 DISTRIBUTION デリバリー物流 2015~ INFORMATION DISTRIBUTION WEBサイト運営 ループ型物流 の構築・運営 RETAIL フラッグシップ ストア運営 RETAIL ファーマーズ マーケット 定期開催 施策⑦:WEBサイト「EAT LOCAL KOBE」上のオンライン販売 ファマーズ・マーケットやファーム・ビジットを通じて、醸成された地産地消のニー ズに応えるため、サイト上でのオンライン販売を開始する。 DISTRIBUTION ファーム ビジット運営 施策⑧:デリバリー物流、ピッキング・ステーションの構築・運営 RETAIL ファーマーズ マーケット 実験運営 WEBサイト上のオンライン販売に対応した、個別デリバリー宅配の実現。または、 施策④:書籍「EAT LOCAL KOBE」の編集・出版 消費者が自分で引き取りに行くピッキング・ステーションを設置する。 神戸における地産地消の魅力を本に編集して発信する。 施策⑨:EAT LOCAL KOBEフラッグシップ・ストアの開発・運営 施策⑤:シェア型ループ物流の構築・運営 ファマーズ・マーケットを常設のEAT LOCAL KOBEのフラッグシップ・ストアにつ すでに運営をされている神戸市内の生産者グループの物流をサポートし、他の生産者 施策①:WEBサイト「EAT LOCAL KOBE」運営・改善・情報発信 とも共有する地域ループ型物流システムを構築する。 利便性の高い形で、神戸産農水産物の「商品」「生産者」「販売店」の情報をまとめ 施策⑥:ファーマーズ・マーケットの定期開催 て発信し、神戸の新しい食文化の創出を目指す。 2015年度に試験的に実施したファーマーズ・マーケットを進化させ、民間主導で、 なげる。 <主な成果> 季節ごとの神戸産農水産物の認知向上 定期開催を実現します。 施策②:ファームビジット・プログラムの構築・運営 地産を活用する飲食業者・市民の増加 農場が都心から近い神戸の立地特性を生かしたファームビジット・プログラムを実施 し、市民や事業者と農家とのつながりの強化を目指す。予約の仕組みや価格、ルール などの基準を設ける。 施策③:ファーマーズ・マーケットの構築・運営 神戸ならではの新しい食文化を提案し、独自性を持たせるため、セレクトされた食ベ ンダーと「ブランチ」をテーマとし、農家グループとの協働によるファーマーズ・マー ケットを試験実施。 <主な課題> 情報、物流、販売のインフラ不足により、 ニーズに基づく生産物の多様化・価値向上 生産側と消費側が繋がっていないため、 地産地消が実現できない環境である。 地産地消のライフスタイル化の実現 GLOBAL BRANDING: 6つのキーワード: 世界市場で通用するブランドを育 成するグローバル・ブランド戦略 神戸市内の消費者が地産地消を楽しみ、 神戸産農水産物ブランド基本戦略は6つの視点により、 日常に定着化してもらうための基準 を設定した。 調査結果を通じて「食材の鮮度、生産物のみの観点では、ブランド化は困難」であ ることが分かった。一方で、神戸市内にはこれらの生産物を活用し、付加価値を生み 出すことができる食産業や食文化が整っている。現在、世界中で「食」が見直され、 地域の特性や食文化を反映した「SPECIALITY FOOD」と呼ばれる高価格帯のフー LIFESTYLE LOCAL 地域性 SEASONAL 季節性 PEOPLE 安心 CHALLENGE 挑戦 DESIGN 意匠 ライフスタイル 2017~ RESEARCH 神戸食文化の 書籍出版 ド・ブランドが注目されている。こうした中、日本の食は、世界的に高い評価を得て いるにもかかわらず、その市場のチャンスを十分に活かせていない。縮小する国内市 場にとどまらず、世界的な観点で神戸の食産業・食文化を世界に売り込むため 「市場研究」「商品開発」「輸出体制」のスキームを構築し、世界に 通用する神戸産農水産物のブランド化の実現を図る。 2015~ 2016~ RESEARCH 研究アーカイブ 構築/発信 DEVELOPMENT 商品カテゴリー の拡大 TRADING 輸出体制の確立 RESEARCH コンファレンス 開催/運営 DEVELOPMENT TRADING 商品ブランド 開発 海外イベント への出店 施策⑦:神戸の新食文化を発信する書籍の編集・出版 神戸の新しい食文化を世界を包括的に構築し、神戸における新しい食文化の創造を世 界に向けて発信する。 DEVELOPMENT TRADING 商品開発 市場調査 輸出体制の検証 プラットフォーム 施策⑧:神戸の新しい食文化を効果的に伝える商品カテゴリーの拡大 施策④:研究アーカーブ用WEBサイトの運営、情報発信 2016年度の販売実績に基づき、市場を拡充。開発された商品全体を通じて、神戸 の新しい食文化の魅力を伝えるVMDを構築する。 多言語のWEBサイトを開発し、コンファレンスで発表されたトーク動画や分化研究 会での研究レポートを発信する。また、「開発」プラットフォームで開発された商品 の情報を発信する。 施策⑨:神戸と海外をダイレクトに結ぶトレーディング体制の確立 民間の貿易会社との提携を通じて、神戸からダイレクトに海外市場に商品を輸出し、 施策⑤:商品のブランド開発(パッケージ、VMD) リテールに卸すトレーディング体制を確立する。 2015年度で開発された商品の価値をグローバルに伝えるためのパッケージを海外 施策①:神戸の新食文化の研究会コンファレンス開催 のクリエイターとのコラボによってデザインを開発する。また、店頭で使用可能な 毎年1回、神戸における新しい食文化に関する研究コンファレンスを開催。神戸市内 POPやVMDもあわせて開発する。 で活躍する食のプロが研究・開発している食のアイデアを発表。海外から招聘された 食のプロからは世界の食の実情のスピーチを実施。ファーム・ビジットのプログラム 施策⑥:海外市場向けのイベントへのポップアップ・ストア出店 と連動し、実際の生産地の現場も視察し、調理研修、意見交換を行う。MADなどの 海外で開催されるフードショーや、フードイベントに積極的に参加。ブランドイメー 既存のプログラムとの提携も検討する。 ジを効果的に浸透させるため、ポップアップストアを出店する。 施策②:海外向け商品開発プラットフォームの構築・運営 ブランド開発の専門家のマネジメントにより、生産者、シェフ・パティシエ、食品メー カー等により構成された共創型のイノベーション・プラットフォームを構築・運営。 神戸産農水産物を使用した海外市場向けの商品を具体的に開発する。 新しい食文化に関する研究実績・共有 共創を通じた商品開発体制の構築 <主な課題> 神戸産農水産物単品でのブランド化は困難 施策③:海外に向けた市場調査、ブランド戦略の構築、輸出体制の検証 であるが、一方で神戸市内にはブランド価値 商品開発と並行して、ターゲットとなる海外市場を調査し、海外でのブランド戦略を を高められる専門家が存在する。 構築するとともに、民間の事業者と連携して、輸出体制を確立させる。 <主な成果> 海外販売を実現する機会・体制の創出 神戸ビーフに続く世界的ブラン