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平成22年度事業報告書

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平成22年度事業報告書
平成22年度事業報告書
1. 植物園等に関する調査研究及び文献収集
海外事情調査
 派遣先
 テーマ
 調査先
 期間
 隊員
ネパール
日本の植物のふるさと、ヒマラヤの照葉樹林を訪ねて
ゴダワリ植物園・照葉樹林トレッキング・カトマンズ他
バグマティ県ラリトプール郡のゴダワリ植物園、プルチョーキ山、
ジャナクプル県ドラカ郡カリンチョーク山、その他
平成 22 年 10 月 2 日~13 日
渡邊隊長(牧野植物園)を含む 8 名が参加した。うち 3 名は財団法人
カメイ社会教育振興財団の助成を受けて参加した。
2. 研究会、講習会、展示会等の開催
植物研究会・技術者講習会
1. 第 1 回植物研究会(中止)
2. 第 2 回植物研究会
開催園
国立科学博物館筑波実験植物園
期日
平成 22 年 10 月 4 日~5 日
会場
講演会・研修会:筑波実験植物園
講演内容
テーマ1:絶滅危惧植物をどのように研究し、どのように伝えるか
「絶滅危惧植物を知る、伝える―筑波実験植物園の研究と社会発信―」
國府方 吾郎(国立科学博物館 筑波実験植物園)
「日本の生物多様性ホットスポット―固有植物と絶滅危惧植物から見る―」
海老原 淳(国立科学博物館 植物研究部)
テーマ2:絶滅危惧植物の野生復帰に向けた技術確立
「自生地播種を用いた野生復帰」
遊川 知久(国立科学博物館 筑波実験植物園)
「カワラノギクの自生地播種」
倉本 宣(明治大学農学部)
「植物園が取り組む持続的野生復帰モデル―コシガヤホシクサを例に―」
田中 法生(国立科学博物館 筑波実験植物園)
参加者
18 名
3. 第 1 回技術者講習会
開催園
京都薬科大学薬用植物園
期日
会場
講演内容
参加者
平成 22 年 6 月 3 日~4 日
講演会・研修:京都薬科大学附属薬用植物園
施設見学:宇治市植物公園
講演会「心に効く植物」ケシ・アサについて
27 名
4. 第 2 回技術者講習会
開催園
らんの里堂ヶ島
期日
平成 22 年 9 月 28 日~29 日
内容
講演会「
“らん”の増殖について」
施設見学:漆喰鏝絵美術館「入江長八美術館」、らんの里堂ヶ島
参加者
12 名
3. 出版等に関する事業
1.会報「植物園協会誌 第 45 号」
平成 23 年 3 月発行。会員への配布と全国の都道府県立図書館に寄贈。
2.植物園ニュース 未発行
3.平成 22 年度会員名簿
平成 22 年 9 月発行。会員と必要箇所に配布。
4.植物園概要 7~11 月に各植物園のデータを収集した。
5.海外事情調査隊・ネパール派遣報告書
日本植物園協会誌 45 号と協会ホームページに掲載。
6.「日本の植物園における生物多様性保全」の頒布
7.植物園の保全目標に関する英文パンフレット制作(COP10 時に配布)
4. 植物収集及び種苗交換
種苗交換
会員 15 園から寄せられた種苗交換リストを小冊子に取りまとめ、会員に斡旋を行っ
た。植物多様性保全拠点園事業における「絶滅危惧植物種の種苗交換」も一緒に掲載し、
種苗交換とともに植物を分散して保全するための斡旋を行った。
なお、「絶滅危惧植物種の種苗交換」は、種子保存拠点園である環境省新宿御苑がと
りまとめを行った。
5. 表彰
第 45 回大会にて下記の表彰者授与を行った。
協会表彰
永年勤続
武田薬品工業株式会社京都薬用植物園
姫路市立手柄山温室植物園
宝塚ガーデンフィールズ(宝塚植物園)
尾向 孝司
前野 志郎
西川 勝彦
坂嵜奨励賞
高知県立牧野植物園
前田 綾子
「植物園における野生植物の保全活動」
Aboc・CULTA 賞 新潟県立植物園
倉重 祐二
「大正時代に存在したツツジ類品種名の解明」
6. 関係団体との協力
国際活動
EABGN(東アジア植物園ネットワーク)について、第 3 回 EABGN 会議(場所:名古屋
市)を 10 月 30 日~31 日に開催した。公用語は英語で 32 名(中国、台湾、韓国、ロシ
ア、香港、日本)が参加し、国別報告と議論、ビジネスミーティング等を行った。30
日には、一般公開の「国際生物多様性年記念植物講演会」
(講師:黄 宏文氏、田中俊弘
氏)を開催した。
10 月に開催された生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)に併催の「生物多様
性フェア」にて、日本植物園協会の植物多様性保全事業についての成果発表等報告をパ
ネルと植物を展示して行った。なお、展示は NPO 団体「生物多様性 JAPAN」
、ブラジル
の植物園を中心とした団体「Biotrix」と共同出展した。
後援及び協賛等
1. 後援
主催団体 フラワー・ブラボー・コンクール実行委員会
事 業 名 「平成 22 年度フラワー・ブラボー・コンクール」
2. 後援
主催団体 ゆとりすとパーク植物園
事 業 名 「高知県の自然環境を考えるフォーラム」
3. 後援
主催団体 宇治植物公園
事 業 名 宇治植物公園スプリングフェスタ「植物の日」イベント
4. 後援
主催団体 IUCN ラン専門家部会日本支部
事 業 名 「みんなで守ろう 日本の野生らん」
5. 後援
主催団体 和歌山県立自然博物館
事 業 名 講演会「ふるさとの植物を守ろう」
6. 後援
主催団体 財団法人広島市動植物園・公園協会
事 業 名 特別企画展「モミジの魅力展」
7. 後援
主催団体 富山県中央植物園
事 業 名 「第 18 回 TOYAMA 植物フォーラム」
8. 後援
主催団体 国立科学博物館筑波実験植物園
事 業 名
9. 後援
主催団体
事 業 名
10. 後援
主催団体
事 業 名
11. 後援
主催団体
事 業 名
12. 後援
主催団体
事 業 名
企画展「絶滅危惧植物展」
武田薬品・京都薬用植物園
「シンポジウム:植物園における生物多様性」
金沢大学医薬保健学域薬学類・創薬科学類附属薬用植物園
「加賀・能登の薬草シンポジウム(第 11 回)
」
兵庫県立淡路夢舞台温室、日本・蘭協会
「淡路夢舞台ラン展 2010」
沖縄国際洋蘭博覧会実行委員会
平成 22 年度沖縄国際洋蘭博覧会
7. 生物多様性・植物保全等に関する事業
植物園シンポジウム
東京大学・小柴ホールにて第 6 回植物園シンポジウム「生息域外保全~暮らしのなか
で植物をまもる」を開催した。植物園などを利用して植物の本来の生活域の外で植物を
守る「生息域外保全」について「国際生物多様性年」のしめくくりとして、どのように
すれば身の回りで適切な生息域外保全が進められるのかなどを議論した。
基調講演:
大場秀章(東京大学名誉教授)「多様性高い日本の里山」
倉重祐二(新潟県立植物園)「植物園の植物種多様性保全活動」
パネリスト: 大場秀章(同上)
、倉重祐二(同上)
市原みずよ(NPO 法人水元ネイチャープロジェクト代表)
小幡 晃 (都立水元公園)
長澤亜紀子 (安城産業文化公園デンパーク)
村松 誠 (前 英国王立園芸協会日本支部専務理事)
コーディネーター:邑田仁(東京大学植物園)
参加者:70 名
※平成 22 年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金、平成 22 年度財団法人国際
花と緑の博覧会記念協会の助成を受けて実施した。
植物多様性保全事業
植物多様性保全拠点園(28 園)を中心に、生物多様性保全に関する事業を推進した。
活動の一部は、平成 22 年度独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成金を受
け、昨年に引き続き、活動名「植物園と市民の協働による絶滅危惧植物保全システムの
構築」を推進し、以下の①~⑧を実施、協会目標である日本産絶滅危惧種 60%の生息
域外保全を達成した。
① 植物多様性保全に関する事業報告と意見交換(第 45 回大会総会時)
② 拠点園連絡会議(関東・近畿)
③ 貸出パネルの活用(大阪・埼玉)
④ ネットワーク団体が行う講演会への協力(和歌山県立自然博物館)
⑤ 種子等収集による植物園と市民の協働活動(大阪・北海道・南九州・関東・静岡)
⑥ 保全に関するニュースレター発行(2 回)
⑦ 新宿御苑での、植物多様性保全に関する成果報告展示とワークショップの開催
⑧ 植物多様性保全活動に関する報告書作成
植物園における持続可能な環境保全出前講座
三井物産環境基金 2007 年度(第 2 回)
「活動助成」の助成金を受けて、平成 22 年度
も継続して三井物産助成・教育講座委員会を中心に、会員園にて出前講座を実施した。
また、講座に使用する映像 DVD「植物園に行こう」、および web 活用として「植物園資
料ライブラリ」を筑波大学木村浩研究室の助力を得て制作した。
受託事業
A. ワシントン条約にかかる受託事業
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約に基づき任意放棄され、
取得した生きた植物に係る保護及び育成の寄託管理条約」に基づき、経済産業省から寄
託された植物の保護、育成事業を行った。
〔任意放棄植物の受入状況〕
平成 22 年度受入園 10 園 受入依頼数 457 株/ 平成 23 年 3 月 31 日現在
(受入れ数) (枯死等数)
(保護数)
(調査年月日)
平成 7 年度
4186
1538
2648
8 年 3 月 31 日
平成 8 年度
952
1025
2575
9 年 3 月 31 日
平成 9 年度
449
762
2262
10 年 3 月 31 日
平成 10 年度
805
190
2877
11 年 3 月 31 日
平成 11 年度
930
431
3376
12 年 3 月 31 日
平成 12 年度
695
34
4037
13 年 3 月 31 日
平成 13 年度
509
925
3621
14 年 3 月 31 日
平成 14 年度
564
501
3684
15 年 3 月 31 日
平成 15 年度
1002
762
3924
16 年 3 月 31 日
平成 16 年度
511
684
3751
17 年 3 月 31 日
平成 17 年度
549
661
3639
18 年 3 月 31 日
平成 18 年度
1405
527
4517
19 年 3 月 31 日
平成 19 年度
761
744
4534
20 年 3 月 30 日
平成 20 年度
629
373
4790
21 年 3 月 31 日
平成 21 年度
平成 22 年度
598
457
422
798
4966
22 年 3 月 31 日
4625
23 年 3 月 31 日
※現在の保護育成管理園 21 園
B. 水元公園水生植物センター展示企画製作設営委託事業
旧東京都水産試験場管理研究棟を水元公園水生植物センターとして活用し、併用開始
するに当たって、オープニングを兼ねて展示企画と、それに引き続いての展示企画の製
作設営を行った。事業推進には当協会会員や「水草保全ネットワーク」など植物多様性
保全拠点園のネットワークから協力を得て実施した。
C. 神代植物公園絶滅危惧植物保全事業
東京都の事業「神代植物公園植物多様性センター管理運営検討委託」を受託し、会員
の支援を得て事業を実施した。事業内容としては、東京都が推進している絶滅危惧植物
等の保全事業における「植物多様性センター」の業務運営について詳細計画を作成し、
普及啓発プログラムや講座・イベント計画、情報収集・発信プログラム、絶滅危惧植物
保全手法等についての調査及び検討を行った。
D. 生息域外保全モデル事業(植物)
環境省の「絶滅のおそれのある野生動植物種の生息域外保全植物種モデル事業を実施
することで、我が国における生息域外保全の取組のあり方を提示し、今後の取組に対し
て示唆を与えることを目的とする事業」の一部を財団法人自然環境研究センターから再
委任され、野生復帰を視野に入れた調査研究を行った。
コシガヤホシクサ・モデル事業は国立科学博物館筑波実験植物園が担当し、自生地播
種による野生復帰モデル事業では、熱帯・亜熱帯都市緑化植物園(対象種:キバナスゲ
ユリ)、高知県立牧野植物園(対象種:ムカゴサイシン)、東京大学大学院理学系研究科
附属植物園日光分園(対象種:コウシンソウ)が実施園として担当した。
8. その他目的の達成に必要な事業
第 45 回大会行事
 開催園:兵庫県立淡路夢舞台温室「奇跡の星の植物館」
 会期:平成 22 年 5 月 19 日(水)~5 月 21 日(金)
 会場:淡路夢舞台国際会議場、奇跡の星の植物館、他
1. 記念講演会
「ブルックリン植物園、市民が支える植物園運営システム」 Elizabeth Peters(ブ
ルックリン植物園 広報部長)
2. 研究発表
日時:平成 22 年 5 月 20 日(木)
場所:淡路夢舞台国際会議場メインホール
内容:口頭発表 6 題、ポスター発表 2 題
3. 施設見学会
日時:平成 22 年 5 月 21 日(金)
場所:兵庫県立淡路景観園芸学校、あわじ花さじき、淡路夢舞台、国営明石海峡公園
4. シンポジウム
日時:平成 22 年 5 月 21 日(金)
場所:淡路夢舞台国際会議場メインホール
基調講演:
「日本の伝統園芸をなぜブルックリン植物園は継承するか」 Elizabeth Peters
「日本人と植物文化」 岩槻邦男(兵庫県立人と自然の博物館 館長)
パネルディスカッション:岩槻邦男、中瀬勲(兵庫県立大学教授)、日下部祐子(声
楽家)Elizabeth Peters、辻本智子(奇跡の星の植物館プロデューサー)
「植物園の日」事業
植物園協会では、平成 19 年度より 5 月 4 日「みどりの日」を「植物園の日」と定め、
継続して植物園活動を社会に広めていく方針とした。前年度と同様に広報資材(ノボリ)
を配布し、協会ホームページに各園の関連行事案内を投稿・掲載できるシステムを制作
した。
ホームページ活用及び広報活動
協会ホームページ上での情報公開と、各事業の告知・報告等を行うため、協会ホーム
ページ更新を行った。22 年度は、会員園が直接情報を投稿・掲載できるシステムを作
成した。
部会活動
第 1 回目は第 45 回大会総会時に開催し、秋以降に各開催担当園が開催した。
1.第一部会
・名称
第 46 回国立大学附属植物園園長・施設長会議拡大会議
・期日
平成 23 年 3 月 6 日
・開催園
広島大学
・出席者
5園 6名
・議題
法人化後の運営状況について、植生保全等についての討議
2.第二部会
・名称
第 28 会国公立園運営会議
・期日
平成 22 年 9 月 9 日~10 日
・開催園
京都府立植物園
・会場
京都ガーデンパレス・京都府立植物園
・出席者
25 園、計 37 名
・議題
参加各園の現状と課題、対策等について討議
3.第三部会
・期日
平成 22 年 11 月 4 日
・開催園
六甲高山植物園
・会場
阪神総合レジャー株式会社 六甲事業部会議室
・出席者
6 園、計 10 名
・議題
各園近況報告及び 2011 年度の各園の活動予定、第三部会の取組課題
4.第四部会
・期日
平成 22 年 9 月 23 日
・開催園
徳島文理大学薬学部附属薬用植物園
・会場
徳島文理大学薬学部附属薬用植物園
・出席者
18 園、計 21 名
・議題
技術者講習会開催地、「台所の薬草ガイドブック」について、その他
諸会議
1. 第 45 回通常総会
日時 平成 22 年 5 月 19 日(水)
会場 淡路夢舞台国際会議場(兵庫県淡路市)
2. 役員会
評議員会
第 1 回理事会
第 2 回理事会
第 3 回理事会
平成 22 年 5 月 19 日
平成 22 年 5 月 19 日
平成 22 年 5 月 20 日
平成 23 年 3 月 9 日
3. 専門委員会
総務委員会
第 1 回委員会:平成 22 年 5 月 18 日
議題:平成 22 年度大会総会の運営・名誉会員の推挙・平成 22 年度協会役員人事・公
益法人化・平成 22 年度事業
第 2 回委員会:平成 22 年 9 月 17 日
議題:平成 22 年度修正予算・平成 22 年度事業の進行確認と今後の運営・平成 23 年
度予算に関わる事業変更・新法人化・その他
第 3 回委員会:平成 23 年 2 月 8 日
議題:平成 22 年度事業報告(案)並びに決算見込み・平成 23 年度事業計画並びに収
支予算(案)
・第 46 回大会総会・平成 23 年度表彰・新法人化・その他
編集委員会
第 1 回委員会:平成 22 年 9 月 8 日
議題:日本植物園協会誌第 45 号(平成 22 年度会報)・日本植物園協会誌の頒布
植物多様性保全委員会
第 1 回委員会:平成 22 年 8 月 12 日
議題:植物多様性保全委員会の活動と分担・拠点園ネットワーク事業・地球環境基金
助成活動・環境省野生復帰モデル事業・経済産業省寄託植物事業・生物多様性交流フェ
ア出展・植物園シンポジウム(展示)
国際交流推進委員会
平成 22 年度海外事情調査隊(ネパール)の派遣、第 3 回 EABGN(東アジア植物園ネ
ットワーク)について、メール会議を行った。
研究発表委員会
第 45 回大会での研究発表の運営、第 46 回大会での研究発表募集を行った。
広報委員会(旧称:協会ホームページ運営委員会)
第 1 回委員会:平成 22 年 8 月 9 日
議題:広報委員会の活動内容・COP10 関連(協会パンフレット制作)・植物園協会ホ
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坂嵜奨励賞選考委員会
平成 22 年度坂嵜奨励賞の選考について、受賞者を濱谷修一氏(広島市植物公園)、永
谷工氏(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園)、勝川健三氏(宇治市
植物公園)に決定した。
植物園シンポジウム企画委員会
平成 22 年度第 6 回植物園シンポジウムを平成 22 年 12 月 23 日に東京大学小柴ホール
で開催した。今回は実行委員会を設けず、企画委員会で準備、運営にあたった。
三井物産助成・教育講座委員会
事業名「植物園における持続可能な環境保全出前講座」の運営、最終年度の報告会、
報告書等の作成を行った。
新法人化委員会
第 1 回委員会:平成 22 年 12 月 15 日
議題:新法人化移行作業の経過説明・今後の定款等についての意見交換・検討
第 2 回委員会:平成 23 年 2 月 8 日
議題:新定款(案)について
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