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高度実践技術者の相互承認協定に関する動向と課題

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高度実践技術者の相互承認協定に関する動向と課題
職業能力開発 総合大学校 紀要 第37号 B(2008年 3月 )
Bull P01ytechnic university No 37-B, NIarch 2008
高度実践 技術 者 の相互承認 協定 に関す る動 向 と課題
― シ ドニ ー ・ア コー ド,ダ プ リン ・ア コー ドを
手掛 か りに一
崎 田
稲 砂
栄
は じめ に
我 が 国初 め、世界中 の経済活動 が グ ローバ ル化す る
浩
光
課程及 び職業能力開発 総合大学校 研究課程修了者 レベ
ルが ヮシン トン ・ア コー ド対象者 と考え られ る もの
。
づ くりにおける高度実践技 術者 の国際的需要が高 まる
中 で、動 くの は、 カ ネ、 モノ、情報 だけで はない。 グ
ローバ ル化 で最 も注 目す べ きは、 ヒ トの移動 であ る
。
ものづ くりの世界で も、技 術者、技能 者 が外国 に行 っ
が重 要 となると考 え る。
て仕事 をす るのが、珍 しくない時代 であ る。 これ ら技
術者、技能 者 の養成 について は、 それぞれの国 ごとの
り、職 業訓練指 導者養成 を 目的 ・目標 とす るア ジアの
大学等 との姉妹校締結 や、国内にお ける国策 と しての
養成 シス テ ムが異 な って い る。更 に、従事 で きる業務
幹部養成 を担 う他 の省庁大学校 との連合 によるグ ロー
バ ル化 へ の対応 につ いての
手掛 か りに したい。
範囲、営業 形態 なども国 によ って異 な り、 ある国 の優
中で、 今後、更 に相互承認 協定 とい う国 際的取 り決 め
この相互承認 協定 とい う国 際的取 り決 めの手法 によ
秀 な職能者が外国で は当該業務 に就 けな い とい う不都
合 も生 じている。
このよ うな、不都合 を軽減す るために国際的取 り決
めが行 われている。 その一 環 と して、 日本技術 者教育
認定機 構 (」
ABEE)の
1.高
度 実 践 技 術 者 の相 互 承 認 制 度 の現 状
1-1.国
際相互認証 制度の区分 ・種類
初 めに、 ものづ くりに携 わ る職能者 ない し資格者 を
加盟 が2005年 6月 15日に香港
で 開催 された第 7回 ワシン トン ・ア コー ド総会 におい
エ ンジニ ア リングにお ける第二 次資格要件 を扱 う協定
て承認 された。職業能力 開発総合大学校 にお ける もの
づ くりの指導者養成 において も、 このよ うな国際的取
によ り区分 し、 「ェ ンジニ ア」 「テ クノ ロ ジス ト」 「テ
クニ シ ャ ン」 の 3種 類 とす る。
り決め の影響 を受 ける者 が増えると予想 される。 また、
全国各地域 にお ける職業能力開発大 学校 にお ける専 門
課程及 び応 用課 程 修了者 につ いて も、国 際的取 り決 め
と しての シ ドニ ー ・ア コー ド及 びダブ リン ・ア コー ド
が 適用 で きると考 え、 本稿 で紹介 した。技術者 ・技
能者 の相互承認 協定 とい う国 際的取 り決 めで あるヮシ
「エ ンジニ ア」 :(米 国 でPrOfessiOnal Engineer
と呼称 ;英 国系 でChartered Engineerと
呼称)
「テクノ ロジス ト」 :(米 国 でTechn010gistと
呼称、
英 国系 でIncOrporated Engineerと
呼称 )(わ が 国 の
育ヒカ開発関係者等 の用語 の “
高度実践技術者 "に 相当。
)
「テ ク ニ シ ャ ン 」 : ( 多
くの 国 で Engineering
ン トン ・ア コー ド 0シ ドニ ー ・ア コー ド 0ダ ブ リン ◆
ア コー ドの対象範囲を考察す ることによ り、職 業能力
Technicianと
呼称) ( 同 様 に “
実践技術者 " に 相 当。
1))
注1 ) ・
開発総合大学 校 (長期課程 ・研究課程)、職 業能力 開
発大学校 (専門課程 0応 用課程)の 国際的位置 付 け も
検討 した。
なお、上記 の分類 を英国 の例 で補足す ると、英 国 の
エ ン ジ ニ ア リ ン グ業 界 に は 、 職 能 業 務 に つ い て
その結果、職業能 力開発大学校応 用課程修了者 は シ
ニー
ド
・ア コー ドの要件 を、専門課程修 了者 はダブ リ
ン ・ア コー ドの要件を満 た していると言えよ う。 また、
Chartered Engineer(エ ン ジ ニ ア)、 IncOrpOrated
ク ノ ロ ジ ス ト)及 び Engineering
Technician(テ ク ニ シ ャ ン)と い う公 的資格 が 存在
Engineer(テ
少 な くともこの二 つの ア コー ドによる国際取 り決 めの
し、各 々の職能者 の社会的評価 や各 々の職務 ・責任 は
確立 されている。
体系 においては、職業能力開発総合大学校長 期課程修
米国 ・カナ ダを含む英国系諸国 に も基 本的 に英国 と
了者 のみな らず、我が国 の大学工学部 卒業者 の大半 も
同様 の資格者制度が存在す る し、 ドイ ッ oフ ラ ンス等
に も類似 の資格者制度が存在す る。
実 は、 ヮシン トン ・ア コー ドの対象者 とい うよ りもむ
しろ シ ドニ ー oア コー ドの対象者であ り、大学院 修士
-77-
しか し、我 が 国 には、技術士 ・技術士補 とい う資格
職業能力開発総合大学校紀要
第37号B(人 文 ・教育編)
互承認制度 の事例 注2 )
が辛 うじて存在す るが、技術者、 テクノ ロジス ト (高
1-3.相
度実践技術者)、 テ クニ シ ャ ン (実践技術者)と い う
1 9 9 5 年A P E C 大 阪首脳会議 で、村 山総 理が提唱 し、
その制度化 が議決 された。 2 0 0 0 年、 A P E C エ ンジニ ア
仕分 けは、公的資格 としての位置付 けで はな い。
1-2.国
の要件 が確定 され、 7 エ コ ノ ミー ( 日本、豪州、 カナ
ダ、香港、 マ レー シア、 ニ ュージー ラ ン ド) が 、審査 。
際相互認証 の分類
都合 な く仕事が で きるよ うにす るため の方策 は次 の 3
登録 を開始 した。 2 0 0 1 年、 A P E C 加 盟国である イ ン ド
ネ シア、 フ ィ リピン、米国 の 3 エ コノ ミーが加入 し、
つ に分類 で きる。
1 0 エコノ ミー とな った。加盟国数 は多 いが、 日本 の資
これ らの職能者 あ るい は資格者 が外国 において も不
①
二 国間、多数国間 で政府同士 が、相手 国 の資格
格者 が、協定参加 エ コ ノ ミー に容易 に受 け容れ られ る
者、職能者 を 自国 のそれ と同等 と認 め る公的協
状況 には、 まだ、 な ってい な い。
資格者 を認定す る団体間 の相互認証 の うち、 二 国間
定 を結 ぶ こと
②
国内 において、資格者、職能者 を認定す る権限
の取 り決 めの事例 と して、 アイ ル ラ ン ド技術者 協会
を有す る機関 ・団体 同士 が二国間、多数 国間 で
(The lnstitution of Engineers of lreland(IEI))
相手国資格者、職能者 を自国 のそれ と同等 と認
がある。 この協会 で は、技術者 についてオ ース トラ リ
ア 技 術 者 協 会 (IEAust)、 英 国 の 土 木 技 術 者 協 会
める協定 を結 ぶ こと
③
(ICE)等 6団 体、 南 ア フ リカ ・エ ンジニ ア リ ング評
国内 において 資格者、職能者 の教育 。養成 プ ロ
グラムの認定権 を有す る機関 。団体 同士 が、 二
議会 (ECSA)等 計 9団 体 と協定 し、 これ ら団体 の会
国間、多数国間 で相手 国資格者、職能者 が受 け
た教育 ・養成 プ ロ グラムを 自国 のそれ と同等 と
員 は、アイ ル ラ ン ド国内 で無 条件 にIEI会員 Chartered
Engineerと同等 の便宜 が 得 られ、 逆 に、 オ ー ス トラ
認 める協定 を結 ぶ こと
リア、英 国、南 ア フ リカ、 香港 で は、 IEI会員 は当該
国 の正式資格者 と同等 の便宜 が受 け られ る。
テ クノ ロ ジス ト (高度実践技術者)に つ いて、 IEI
以上 の分類 を現在 の状況 と して大 まかに示す と表 1
のよ うになる。
表1
主体
国際相互認 証 の分類
国家間
職能者団体
NAFTA
エ ン ジエ ア
イ ンコー ポ
は、 英 国 の構造技術者協会 (IstructE)、
レイ テ ィ ッ ド・エ ンジニ ア協会 (IIE)等 3団 体 と相
FEANl
(2国 間協O
APEC
テク ノ ロジス ト
NAFTA
(2国 間協0
テ クニ シャン
NAFTA
(2国 間協O
互 認 証 協 定 を 結 び 、 I E I 会員 は 英 国 で 無 条 件 に
Inё
orporated Engineer(英国 のテ クノ ロジス トの正
課程認定団体
式資格)と 同等 の便宜 を得 られ、IEIは英国 3団 体 の
テ ク ノ ロ ジス トにAssociate Engineer(ア イ ル ラ ン
ワシン トン ・
ア コー ド
ドのテクノ ロジス トの正式資格)と 同等 の便宜 を与 え
シ ドニー ・
る。
ア コー ド
テク ニ シ ャ ン (実践技術者)に つ いてIEIは、英国
ダプ リン ・
アコー ド
IIEと 相 互 認 証 協 定 を結 び 、 両 団 体 のEngineering
Technician(両 国 の テ ク ニ シ ャ ンの正式 資格)は 、
順 に手続 きが迅速 にで きるよ うに思え るが、各 国 の教
2)
両国 で、正式資格者 と同等 の便宜 が与 え られ る。
資格者 を認定す る団体間 の相互認証 についての二 国
育訓練制度、職能者 の営業形態 が異 な るので、国際相
間 の取 り決 めについて もう一事例挙 げると、技術者 に
互認証 は困難 である。不都合 を最 も良 く解消 出来 るの
つ いて の米加 間 の取 り決 めがあ る。 「国際相 互認定 に
は職 能者団体 であ るが、実際 には二 国間 のみで あ り、
つ いて は、 NCEES(全
多数国間 での事例 は残念 なが ら見当た らな い。
協議 会)は ABET(全
一 見す ると、国家間、職能者団体、課程認定団体 の
そ こで、取 り決 め交渉 が迅速 に進捗 す るのは認定団
体 であ る。国家間 の場合 は、公的 な協議 が必 要 で、現
在 まで、 なかなか進展 して い な いのが実情 であ る。 な
お、 FEANIは 、元来 は、職能者団体 の分類 であ るが、
国家間 の中 で も、異例 に普及 し、進展 しつつ あ る。
-78-
CEAB(カ
米 (各州)技 術者試験委員会
米技 術 ・技能 認定委 員会 )と
ナ ダ技術課程認定委員会)と の互 恵認定 シ
ス テ ム を 支 持 し、 各 州 委 員 会 にCEAB認 定 課 程 を
ABET認 定課程 と同等 に扱 うよ う求 めている。 (また、
ナ ダ 0プ ロ フェ ッシ ョナ ル ・エ ンジニ ア評
議会)の 協力 で全 米 エ ンジニ ア試験 をカナ ダ各州 で実
施。)… ・
」 とい う状況 が あ り、取 り決 めその もの は、
CCPE(カ
稲崎、砂田 :高度実践技術者の相互承認協定に関する動向と課題
認定団体 ( 職能資格者 の教育 ・養成 プ ログラムの認定
機 関同士 の相互認証) に 当 たるが、 A B E T は
な動 きにな っている。
、P E の
教育 ・養成 プログラムの課程認定について、全米 プロ
フェッショナル ・エ ンジエア協会 (NSPE)及 びNCE
2-2,国
ES(構 成する各州委員会がプ ロフェ ッショナル ・ェ
ンジニア資格を付与)と 密接 に連携 してお り、後記 ワ
順調 に進行 しているの は、 29,300人が既 に登 録 して
い る 「ヨー ロ ッパ ・ェ ンジニ ア」 (EUR ING)制 度
シン トン ・ア コー ドのカナ ダの加盟団体がC C P E で あ
で あ る。 EUR INGは
ることか ら見れば、米加間 の取 り決 めは、実質上、資
格者 を認 定す る職能者団体間 の相互認証 に含 めて良 い
と思われ る。3 )
2.高 度実践技術者の相互認証制度の動向
相互認証協定 の うち、下記三 つの動 向について述べ る。
家的技術団体欧州連 合 (FEANl)に よる
相互認証制度 5)
、 EU(ヨ ー ロ ッパ 連合)公 認
の 制 度 で あ り 、 PrOfessiOnal Engineer(=
EUR ING)の
定義 を 申請者 が満 た しているか どうか
は、 この制度 を創 出 した 「国家的技術団体欧州連合」
(FEANI)の 加盟団体 (二国一 団体)が 判定す る。例
えば、 アイル ラ ン ドで は、 当該 団体 は、 「アイル ラ ン
ド技術者協会」 である:2)
FEANIは
、1951年 、西 ドイ ツ、 フ ラ ンス、 イ タ リ
ア等 7カ 国 の職能者団体 で発足 し、1956年に現在 の名
米地域 自由貿易協定 (NAFttA)に よる
業務一 時入 国 4)
2-1.北
NAFTAは
称 とな り、 既 に、 1960年 代 か ら、 参加 国共通 の登録
、経済、環境、労働問題 を包 括す る 自由
貿易協定である。 1989年米 国、 カナダ間 で成立 してい
た 自由貿易協定 に、 メキ シヨを加 え た 3カ 国間 で、
(Register)制 度 を有 していたが、 1987年に現在 の ヨー
ロ ッパ ・エ ンジニ ア (EUR ING)資
格 を確 定 し、
1992年 に現行 のFEANI Register制 度 とな った。
FEANIは 、1加 盟 国 1団 体 で構成 されてい るので、
1992年に基本合意 し、同年正式署名、1994年発効 した。
1951年か ら、上記 1-2の
しか し、 この協定 が膨大 なのは、実 は、大半 の規定が、
認証協定 )に 近 い相互承認協定であ った もの と思 われ
米加、米国 とメキ ンコ、 メキ シコ とカナ ダの二 国間条
る。加盟 国 の増 加 によ り次第 に、 エ ンジニ ア教育 ・養
成 プ ロ グラム認定団体 の加入が増加 し、認定団体 に分
約 をまとめただ けで、 3カ 国共通規定 とい うの は各章
② (職能者団体 による相互
出 だ しの通則規定ばか りである。
エ ンジエ ア、 テクノ ロジス ト、 テクニ シ ャ ンの 3職
EUR INGが
種 も他 の建築家、会計士、 弁護士 など22職種 と共 に、
年 ころ)か ら、国家間 による相互承認協定 にな った と
業務一 時入国 の便宜があるとい うだけである。 イ ンター
目され、2006年 末 でEU加 盟 国 25カ 国全部がFEANIに
ネ ッ トで紹介 されている “カナダ、米国、 メキ シコの
3国 において は技術者免許相互承認 が制度化 されてい
る"な どとい う記述 は、全 くの誤 りと言 え る。更 に、
加盟 し、 その 他 欧州諸 国 も参加 し、 加盟 国 は29ヶ 国
(暫定参加 の ロシアを含 む。)29団 体 に達 している。
なお、現行 の エ ンジニ アの最低教育資格要件 「3年
NAFTA加
以上」 を 「
大学 (相当)レ ベ ル での 4年 以上」 に変更
盟国以外 か らよ りも、一時入国が優遇 され
る筈 が、 この協定 に基 づ き申請 して も、 申請 が認 め ら
れ る保証 はないよ うである。 カナ ダ 0テ クニ シ ャ ン ・
類 され る相互承認協定 に近 くな った もの と思 われ る。
EU(欧
州連合)公 認 とな った折 (1994.
す る等 を 内容 とす る新 しいEU指 令 (2005年 6月 )が 、
2007年秋 に発効す ることにな ってい る。B)
テ クノ ロ ジス ト評議会 (CCTT)の 資格者 が、NAFTA
協定付属書 1(603条 D項 1号 の規定 で、 米 国 での業
務従事 を 申請 して も、米国側機関 は、 申請者 のカ ナダ
国籍 0業 務 内容 ・教育資格要件 ・米国側使用者 との雇
用契約 内容 ・移民法上 の短期滞在 資格 を個別 0具 体的
に審査す るので、 カナダ評議会 はこの手続 きを ご く簡
単 に しか紹介 していない。注3)
したが って、 1997年頃 の “
米国 のNAFTA熱 、冷 め
"と
い
る
うよ うな新聞記 事 の見 出 しにとりあげ られて
い るよ うにAPECの 事例 で紹介 したよ うに、 カナ ダに
続 いて、米国 もAPECエ ンジニ ア制度 に参加す るよ う
―-79-―
2-3.自
国内 の職能者の教育 `養 成プ ログラム認定
権 を有する団体間の相互 承認協定 (ワ シン トン ・ア
コー ド、シ ドニ ー ・ア コー ド、ダプ リン ・ア コー ド)
初 めに、 この系列 での教育資格要件 を再確認す る。
後掲資料 1の 通 り、 この系列 での エ ンジニ アの教育 ・
養成 プ ロ グラム は 4年 以上、 テクノ ロジス トの教育
`
養成 プ ログラム は 3年 以上、 テクニ シ ャ ンの それ は、
2年 以上 を確認 した上 で、各 々の相互認証 の動 向 につ
いて説明す る。
職業能力開発総合大学校紀要 第37号B(人 文 ・教育編)
2-3-1.エ
0
互承認 2)・
ンジエ アの教 育 0養 成 プ ログラムの相
は採択 されず、 2001年、南 アフ リカで の会同 で 「シ ド
ニ ー ・ア コー ド」 と して、採択 された。注4)
承認 の晴矢 は、米国 ・カナダニ
国間 での エ ンジニ ア教育 ・養成 プ ログラムの相互承認
2001年に採択 されたテクノ ロジス トに係 る シ ドニー ・
ア コー ドの原加盟国 は、豪州技術者協会 (IEAust)、
であ った と思 われ る。 この米加協定成 立後、両 国 の み
な らず 関心 を有す る諸 国 の エ ンジニ ア リング関係者 が、
カ ナ ダ ・テ ク ニ シ ャ ン ・テ ク ノ ロ ジ ス ト評 議 会
エ ンジニ アの相互
1年 置 きに会同 して話 し合 いが継続 され る中で、米加
(CCTT)、 中国香港技術者協会 (HKIE)、 アイル ラ ン
ド技術者協 会 (IEI)、ニ ュ ー ジー ラ ン ド技 術者協 会
ま り、 1989年、米加 に豪州技術者協会 (IEAust)、 ア
(IPENZ)、 南 ア フ リカ ・エ ン ジ ニ ア リ ン グ評 議 会
(ECSA)、 英 国 エ ンジニ ア リ ング評議 会 (EC)の 7
イル ラ ン ド技術者協会 (IEI)、ニ ュー ジー ラ ン ド技術
者協会 (IPENZ)及 び英 国 エ ンジニ ア リ ング評議 会
カ国 である。 ワ シン トン ・ア コー ドは、上言
己の とお り、
11、アイ ル ラ ン ド、 ニ ュー ジー ラ ン
米国、 カナ ダ、豪り
(EC)を カロえて、 ワ シン トン 。ア コー ドとい うエ ンジ
ニ アの教育 ・養成 プ ロ グラムの相互承認協定 が成立 し
ド及 び英 国 の 6カ 国 でス ター トしたが、 シ ドニー ・ア
コー ドは、資料 2の オタワ合意 の翻訳中 にあるとお り、
た (以後、 この 1年 置 きの会同 は 「ワ シン トン ・ア コー
ド会議」 とな ったが、非加盟国 や エ ンジニ ア以外以外
米国 が抜 けたが、米国以外 の ワ シン トン ・ア コー ド原
加盟国 5カ 国 に加 え、 中国香港、南 アフ リカが加 わ っ
の関係者 に も門戸 は開かれて いる。注7))
た 7カ 国 で ス ター トした。
なお、 ワ シン トン 0ア コー ド原加盟国 5カ 国中 4カ
二 国間 の協定 を更 に国際的 に拡 げよ うとい う気運が高
以後、 1995年 に香港技術者協会 (HKIE)、 1999年
に 南 ア フ リカ ・エ ン ジ ニ ア リ ン グ評 議 会 (ECSA)
国 は、 シ ドニー ・ア コー ドヘ の加盟団体 も同 じであ る
がt カナ ダは、 ワ シン トン ・ア コー ドにはCCPE(カ
(この南 アフ リカの会議 で 日本 の」ABEEの 暫定加盟承
認)、 2005年 の香港 での会同 で、 日本 (」ABEE)の 正
式 加 盟 が認 め られ た (な お 、 この 会 同 で 、 ドイ ツ
ナ ダ ・プ ロ フェ ッ シ ョナ ル ・エ ンジニ ア評議会)が 加
(ASIIN)、 マ レー シア (BEM)の
盟 し、 シ ドニ ー ・ア コー ドには、 CCTT(カ ナ ダ ・テ
クニ シ ャ ン ・テクノ ロジス ト評議会)が 加盟 した。 こ
式加盟 が認 め られた。
米技術技能課程 認定委員
会)が 、 エ ンジニ ア リング関係 の教育 ・養成 プ ロ グラ
暫定加盟承認)。更
ール
シンガポ
に
に、 2006年 、
技術者協会 (IES)の 正
れ は、米 国 で は、 ABET(全
ムを一 元的 に認定 して いるのに対 し、 カナダで は、前
テクノ ロジス ト、 テクニ シ ャ ンの相互承認 プ ロセス
説明の便宜 のため、以下 に、テクノロジス トのシドニー 0
述CAEB(カ
ア コー ド、 テクニ シ ャ ンの ダブ リン ・ア コー ド成立 に
CTAB(カ
至 る経緯 を述 べ たオ タワ合意 の翻訳 を資料 2に 沿 って
テクノ ロジス ト (及 びテクニ シ ャ ン)の 教育 ・養成 プ
ロ グラム を認 定 して い るため の よ うで あ る。注3)上 述
紹介す る。
ナ ダ技術課程認定委員会)と は、別 に、
ナ ダ ・テクノ ロジー課程認定委員会)が 、
したようにワ シン トン ・ア コー ドと異 な り、 シ ドニー ・
2-3-2.テ
クノ ロ ジス トの教育 ・養成 プ ログラム
の相互承認 つ
ア コー ドヘ の後続 の加盟 は、 2006年 末 まで、 まだ、無
いよ うであ るが、 2007年 10月現在、米国ABETが
オ タワ合意 (資料 2)の 冒頭 に記 されて いるよ うに、
1年 置 きの会同 で は、 エ ンジニ アの相互承認 の拡大 の
みな らず、参加 して い るテク ノ ロジス ト、 テクニ シ ャ
ンの相互承認 の気運 も高 ま り、 1997年にワーキ ング ・
加盟 して いる。
なお又 、 オ タワ合意 (2000年 5月 以降 の記述)翻 訳
¨次 回 に予定 されて い る2001年 の会議 で
文 中 で は、 「・
(は、)シ ドニー 0ア コー ドは署名 され ま い…」 と読 め
る部分 があるが、 2001年 6月 、 シ ドニー ・ア コー ドは
グルー プが任命 された。 しか し、翻訳文中 に もある通
り、 「高等教育 に基 づ く… テク ニ シ ャ ンを定義 す る こ
署名 され、採択 されて いる。
とは…困難 である…」 との理解が広が り、取 り敢 えず、
テクノ ロジス ト (高度実践技術者)の 教育 0養 成 プ ロ
2-3-3.テ
グラムの相互承認 を優先す ることとな った。
暫定
ク ニ シ ャ ンの教育 ・養成 プ ログラムの
相互承認
1999年、 シ ドニー会議 でテクノ ロジス トの国際的相
オ タワ合意 の翻訳文 中 で は、 「テ クニ シ ャ ンを登録
互認証 の協定案文 は概 ねの合意 を得 たが、 オ タワ合意
す る…利益 の程度 は限 られ た ものであ る…。」、 「高等
教育 に基づ く枠組 みにおけるテクニ シャン (の)定 義 …
本文中 に もあるよ うに、主要国 であ る米国 が署名 しな
か った等 の理 由 によるので あろ うが、 シ ドニー会同 で
-80-
は、 (エ ンジニ ア ・テクノ ロジス トの定義 に比 べ)ず っ
稲崎、砂 田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動向 と課題
と困難 であ (る)… ・
」 と記述 されている。 その結果、
“ワ シン トン ・ア コー ドの範囲 をテクノ ロジス ト、 テ
の第 5条 で 「暫定資格」 が認 め られて も、手続 き規定
クニ シャ ンに拡張す る"検 討を委託 されたワーキ ング ・
グルー プは、 1998年 、 “
当面、 テクノ ロジス トヘ の拡
し、文書 が送 付 されなか った り、 「総会」 や 「特別会
張 に留 める"旨 報告 し、 これ に基 づ いて、 上述 の シ ド
ニ ー ・ア コー ドが成立 した。 この ことにつ いて はテク
ニ シ ャ ンの相互承認 が、何故、急速 に進 展 したのか、
その間 の事情 を示す文献 が入手 で きて いないので 明 ら
かで はな い。 兎 に も角 に も、 2002年 、 テ ク ニ シ ャ ン
(実践技術者)の 相互承認 に係 る 「ダブ リ ン ・ア コー
ド」 が原加盟国 カナ ダ 0テ クニ シ ャ ン ・テクノ ロジス
ト評議会 (CCTT)、 アイル ラ ン ド技術者協会 (IEI)、
び
南 アフ リカ ・エ ンジニ ア リング評議会 (ECSA)及
英 国 エ ンジニ ア リング評議会 (EC)の
4カ 国 で 成立
の第 35項
は “
will"な ので、 「
暫定資格J組 織 に対
違法」
合」 に 「暫定資格」組織 を招待 しな くて も、 「
で はな い、 とい うよ うな仕掛 けが随所 に見 られ るよ う
である。 これ らは、先行 した ワ シン トン ・アコー ド更
には、当初 の米加協定以来 の経験 の蓄積 なのであろ う。
次 に、実践技術者 に相当す ると思 われ るダブ リン 0
ア コー ド (資料 4)に ついてみ ると、第 8条 は “
議長、
"と
読 め、両 ア コー
幹事 は (常に)原 加盟 4カ 国 か ら
ドと異 な るよ うである。
シ ドニー ・ア コー ドとの対比 で、 も っと 目を引 くの
は、約束事 の定 め方 と して、 よ り、精緻 にな っている
のは、 ヮシ ン トン ・ア コー ド、 シ ドニ ー ・ア コー ドの
した。注,)
積 み重 ねの上 にダブ リン 。ア コー ドが 出来 て い るか ら
前年成立 の シ ドニ‐ 0ア コー ド加盟 7カ 国 か ら、中
国香港、豪州、 ニ ュージー ラ ン ドの 3カ 国が ダブ リン ・
だ と思 われ るが 、両 ア コー ドとの最大 の差異 は、 「附
属 A」 と して、原加盟 4カ 国 の標準 的 な学科 (=テ ク
ア ゴー ドには加入 して いない。 ダブ リン ・ア コー ド原
ニ シ ャ ン養成 プ ロ グラム)が 挙 げ られて い ることであ
加盟 4カ 国 4団 体 は、 シ ドニー ・ア コー ドの原加盟団
ろ う。
盟国 もな く、 ダブ リン ・
体 で もあ り、その後 の新 たな力日
ア コー ドは、英国系諸国 による、 テクニ シ ャ ン教育 。
福元 が、 テクニ シ ャ ン ・テクノ ロジス ト養成 プ ロ グ
ラムの 国際基準 との比 較検討 注1)の 検証 で述 べ て い
養成 プ ログラムの相互認証協定 と言 って良 いだ ろ う。
ただ し、「ダブ リン 0ア コー ドの運営 は、 ワ シン トン 。
るよ うに、 そのカ リキ ュラムを踏 まえたプ ロ グラムの
ア コー ド及 び シ ドニー ・ア コー ドと同様 であ る」。注7)
比較 で は、 一 般的能力及 び専門的能力 の項 目につ いて
は、我 が 国 の職業能力開発大学校専門課程、 応用課程
の 内容 (福元 が比 較 したの は当大学校東京校 の課程 で
ドニ ー 0ア コー ド及びダプ リン ・ア コー ド
について の対比
あるが)は 、資料 4「 附属 A」 掲載 のカ ナ ダ技術基準
にほぼ相 当す るものであるが、先行両 ア コー ドと違 っ
エ ンジニ ア リングに係 わ る技術者、高度実践技術者
て、 ダブ リン 0ア コー ドで、 このよ うな例示が出来 た
及 び実践技術者 の うちの、高度実践技術者及 び実践技
経緯 は今 の ところ、 よ く分 か らな い。再言す ると、 ワ
シン トン 0ア コー ド原加盟 6カ 国 の団体中 には、 エ ン
2-4.シ
術者 について、国内 にお いて資格者、職能者 の教育 ・
養成 プ ロ グラムの認定権 を有す る機関、団体同士 の国
ジニ アの教育 ・養成 プ ロ グラムの課程認定権 の な いカ
ナダのCCPEが あ り、 シ ドニー ・ア コー ド原加盟 7カ
際的相互取 り決 めが重要 である。 この うち認定団体 に
該 当す る取 り決 めである シ ドニー ・ア コー ド、 ダブ リ
国 の団体中 に も、 テクノ ロジス トの教育 ・養成 プ ログ
ン 。ア コー ドに係 る動 向 を述 べ た ので、 この章 で は シ
ラムの課程認定権 のないカナ ダのCCTTが あるとい う
ドニー ・ア コー ド及 び ダブ リン ・ア コー ドの重要性 に
状況 は同 じあ るのに もかかわ らず、 ダブ リン ・ア コー
ついて述 べ たい。 まず、高度実践技術者 に該 当す ると
思われ る シ ドニ ー ・ア コー ドの翻訳文 (資料 3)に よ
り考察す る。
シ ドニー ・ア コー ドの本体部分 (「シ ドニー ・ア コー
ド」 (Final Agreement)の
shall"(… も
各規定 は、 “
の とす る)と い う強行規定 の表記 が多 く用 い られて い
る の に対 し、 手続 き規 定 (「規則 と手 続 き」 (Rules
will"(… であろ
And Procedures)の
規定 中 には、 “
う)が 多用 されて いる。
。
この使 い分 けは、巧妙で、例えば、 アグ リー メ ン ト
-81-
ドにだ け このよ うな例示があ る。
3.討
論
福元 の検証 の他 に も、海野 Ю) が 「ものづ くりとテ
クノ ロジス ト認定機構」 とい う論説 の提言 で述 べ てい
るよ うに、 テクノ ロジス トを 「
知識 と実践力 を兼 ね備
えた技術 ・技能者」 とあ らた めて定義 した場合 に も、
我 が 国 の高度実践技術者 はテクノ ロジス トであるとい
う ことがで きよ う。 シ ドニー 0 ア コー ド本文 の翻訳文
職業能力開発総合大学校紀要 第37号B(人 文 ・教育編)
によ り、 日本 の ビジネ スと欧米 の ビジネ スの や り方 の
違 い はあ るが、実 は、我 が 国 のテクノ ロジス ト ( 高度
実践技術者) の 教育 ・養成 プ ロ グラムが 国際基準 に合
3-2-1.ワ
致 して いることを確認 してお きた い。 この事実 は、国
り、」ABEEか
内的 に も国際的 に も、 その ことを周知 す るのが、重要
だ と考 え る。以下 に、 エ ンジニ アの国際的相 互認証 に
卒業生 は、 したが って、 ワ シン トン ・ア コー ドの規定
に従 って、同 ア コー ドカロ盟国 にお いて も、 エ ンジニ ア
ついて、 その運 用上 の留意点 を考察す る。
教育 ・養成 プ 百 グラム修了者 と して相互認証 され るの
シン トン ・ア コー ドの射程範囲
当職業能力開発総合大学校 は」ABEEの 加盟校 であ
ら工学士 の学位記 を得 た当校長期課程
か も知れな いが、 これを も って、 当該卒業生 は、 当該
3-1.ワ
外国 で、 エ ンジニ ア として仕事 がで きるだ ろ うか。結
証 に係 るワ シン トン ・ア コー ドヘ の我 が 国 か らの加盟
論 と して は難 しい と言 わざるを得 な い。
何故 な ら、 ヮシ ン トン ◆ア コー ドにいう、 プ ロフェッ
シン トン ・ア コー ドの現状 と課題
エ ンジニ アの教育 。養成 プ ロ グラムの国際的相 互認
団体 は、国内的 に、 工 学学位 の認定権 を有す る日本技
術者教育認定機構 ( J A B E E ) で あ る。 」A B E E の ホ ー
ムペー ジに も、 “
大部分 の国 で はそ の国 の技術者団体
シ ョナ ル ・エ ンジニ ア (PE)と は、 我 が 国 の技術士
に相 当す ると考 え られ る。 厳密 に言 えば、 PEに 該 当
す るの は、 (技術士法施行規則第 2条 第 20号に規定 さ
の記
れ る)「総合技術監 理部門」 において登録 されて いる
技術士 レベ ルである。技術士試験 の受験資格 (=正 確
しか し、米国 で はヽ エ ンジニ ア資格 は名称独 占 ・業
には、第 一 次試験 の一部免除)、 つ ま り、技術士 の教
育 ・養成 プ ログラム は技術士法施行規則第 6条 (総理
…今後 はA B E T や 」A B E E の よ う
が加盟 して い るが、 ( ・
に教育認定 に特化 した団体 の加盟 が増 え る) " 旨
載 がある。lD
務独 占 を伴 う国家資格 であ り、 PE資 格 の付与 は全米
50州及 び属領 の エ ンジニ ア登 録 (試験)委 員会 の権限
府令)で 疑間 の余地無 く定 め られてお り、 日本技術士
であ り、職能者団体 NSPEは エ ンジニ アの教育 ・養成
プ ロ グラムの認定 に関与 しづ らい。3)ま た、英国 にお
して欠 けると ころは無 い もの と思われ る。
いて は逆 に、各職能者団体 は、 ロイヤ ル ・チ ャー ター
に よ り、 設 立 さ れ て お り (例 、 構 造 技 術 者 協 会
(IstrcutE)、
土木技術者 協会 (ICE)、 建築設備技術
者協会 (CIBSE)な ど)、各団体 がそれ ぞれ の分野 の
教育認定権 も有 し、 エ ンジニ ア全体 を包 含す る組織 が
会 は、 CCPE等 と並 ぶ 当該 国 を代表す る職能者団体 と
また 、 ダ ブ リ ン ・ア コー ド翻訳 文 中 の最 後 に、 「
『エ ンジニ ア リング ・テク ニ シ ャ ン教育』 の基礎 につ
…エ ンジニ ア リン
いての成果声明」 の 冒頭部分 で、 “
グ ・テクニ シ ャ ンは、開業 しているエ ンジニ アの指導
を受 ける"と あ るが、 これ はどのよ うな意味を持 つの
盟国 で は、
だろ うか。欧米、 ワ シン トン ・ア コー ドカ日
を代表す るエ ンジニ アの職能者団体 が無 い又 は資格 が
Engineer」(米加 で は、 PE、 英 国 ・アイ ル ラ ン ドで
「
はChatered Engineer)と は、 (正規 の養成 プ ロ グ ラ
公的制度 であるのに職能者団体 の公的設立基礎 が薄弱
ムを修了 し、法令 に基 づ いて資格 を付与 された者 を い
で あ るた め、 止 むを得 ず、 EC、 ABETが 参加 せ ざ る
うので はな く)そ うい う資格者 が、次 の状態 で営業 し
を得 なか ったのであ り、他 の 4カ 国 のよ うに、 エ ンジ
ニ アの資格認定権 を有す る職能者団体 が加盟す るのが
ている場合 にのみ、「
Engineer」資格者 な ので ある。
ECし か な い とい う事情 が あ る。 つ ま り、英米 は、 国
常道 で はな いか と考 え る。 したが って、 通常 2年 の暫
建 築 業 界 の 事 例 で は、 PEで あ るStructural
Engineerが 土木 0構 造設計事務所 を 開設 して コ ンサ
定資格 か ら正式加盟 が認 め られ るの に、 」ABEEが
4
ル タ ン トと して、 クライア ン トか ら構造設計等 を受注
年掛 か ったの は、 」ABEEの よ うな団体 の加盟 が 異例
す る、更 には、 クライア ン トが請負業者 に発注 した構
だ ったか らと見 る余地 もある。
造施工 の工 事監 理 をす る、 あ るいは、 そ うい う事務所
に雇用 されて構造設計 の仕事 をす るとい うのが、 「エ
3-2.シ
ドニー ・ア コー ドの相互承認協定 と しての
重要性
ワシ ン トン 0ア コー ドが エ ンジニ ア リング資格 の一
ンジニ アと して仕事 をす る」 とい う ことであ る。我 が
国 で も、欧米で も、電気、機械、土木、構 造工学 で も、
事務所 を構 えて、 (又 は同事務所 に雇用 さ
実際 には、 「
つで ある ことは明確 であ るが、特 に今後需要 が増す と
れて)コ ンサル タ ン トと して仕事 をす る」技術者 とい
考 え られ る高度実践技術者 の相互承認協定 と して シ ド
ニー 0ア コー ドが よ り重要 であると思われ るので、以
うのは、 ほんの一 握 りで しかな い。
米国 5州 中 4州 (ニ ュー ヨー ク州、 カ リフォル ニ ア
下 に課題 を整理 して い きた い。
―
州等)の 法律 で は、 Engineerは、 個人 ・パ ー トナ・
-82-
稲崎、砂田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動向 と課題
シ ップ等 ・職能法人 と して のみ職能業務 を遂行で き、
我 が 国 の実情 が知 られ ると、彼我 の仕事 の や り方 の相
これ ら、個人 ∼職能法人 の業務 は、原則 と して これ ら
コ ンサル タ ン ト業務等 の みで ( 勿論、付随業務 はあ る
違が よ り明 らか にな り、 ワシ ン トン ・ア コー ド加盟国
で エ ンジニ アの資格制度 の あ る国 (日本以外全部 1考
が) 、 コ ンサル タ ン ト事務所 が 会社組織 の場合 は、株
え られ る。)で は、 進 出 した 日本 の技 術者 の仕 事 は
式 の 過 半 数 は Engineersが 所 有 し、 役 員 全 員 が
Engineersであ ることが要求 され る。 ニ ュ ー ヨー ク州
「Engineer」 の仕事 で ない ことが、 よ り、 は っき りし
で は、 ヨngineerには毎年、 登録料 が 課 され るが 、 コ
て くる。米国ABETや カナ ダCAEBに よ り (ワシン ト
ン 。ア コー ド上 の学歴資格要件 に合致 して いることが)
ンサル タ ン ト業務 に従事 して いない場合 は、登録料 は
認定 されたか らとい って、 更 に、 州試験委員会 にPE
課 されない。逆 にい うと、 これ ら業務 に従事 して いな
として登 録 された と して も、米国 ・カナ ダ各州で、不
い場合 は、「
Professional Engineerと
名乗 れず、名乗 っ
3)
た場合 は罰則」 があ る。
PE」 と名乗 ると、上述 のよ うに刑罰 の危険
用意 に、 「
英 国 で、 1991年、筆者 が環境省 (建設省)、 イ ンテ
にさ らされ るとい うデ メ リッ トは、益 々増大す るだ ろ
う。
リアデザ イ ン事務所、 CityのDistrict Surveyor事務
ドニー ・ア コー ドヘの期待 と可能性
所 (建築許可機関 に して建築施工監視機関)、 全英 ゼ
ネ コ ン協会顧 問弁護士 (Barrister)等 で の調 査 にお
3-2-2.シ
いて も、 (正規 に資格 を得 た資格者 が コ ンサ ル タ ン ト
国 の技術系職種 の技術者 や高度実践技術者 が諸外国 で
仕事 をす る機会 は、 グ ローバ リゼ ー ションの 中 で益 々
業務 に就 いていない場合資格名 を名乗 る ことについて)
「英国 には禁止法令 はな いが、 コ ンサル タ ン ト事務所
に属 しない、 アーキテク ト、構造技術者、土木技術者、
機械技術者、電気技術者、建築積算 士 ら (これ らは公
しか しなが ら、以前 に も増 して、 これか らも、我 が
増 え るで あ ろ う。 そ こで は、 福元 注1)が 考察 した よ
うに、 エ ンジニ ア リング ・テク ノ ロジス トの相互承認
的資格制度有 り)が 資格名 を名乗 ることはな い。」 と
に係 る シ ドニ ー ・ア コー ドを推進 したカナダの エ ンジ
ニ ア リング ・テクノロ ジス ト教育 :養 成 プ ログラムの
い う ことである。
基準 に照 らして、東京校 応用課程 のカ リキ ュラム は遜
以上、 「本
目互認定」 とは、本来、 “日本 で して いた
の と同 じ仕 事 を当該 国 で も資格者 と して行 いたい"と
色 な い もので あ り、職業能力開発総合大学校長期課程
や我 が国 の各大学 工 学部 のカ リキ ュラム は、当然 それ
い う申 し出へ の相互承認 を 目的 とす る もので あろ う。
以上 であ り、我 が 国 の高度実践技術者 や技術者 は、我
が 国 が、 シ ドニ ー ・ア コー ドに加 盟 すれば、 当然、 テ
ただ、 それが、現実 には困難 なため、 ヮシ ン トン ・ア
コー ド、 シ ドニ ー ・ア コー ド、 ダブ リン ・ア コー ドの
クノ ロジス トと認定 され るであろ う。
よ うな形 で、認定団体 の形 での相互承認 が先 行 して い
どこの国 で もメ ー カ ー、 工場、現場 で仕事 をす る技
るに過 ぎな い。 したが って、 ワ シン トン ・ア コー ドで
術系職種 の方 が圧 倒的 に多 く、 その 中 には、海外 ヽ進
課程認定 を受 けて も、 上記米 国各 州 Engineer登 録 委
員会 で は、州外資格者 の登録 (=営 業 許可)申 請 に、
出す る者 も数多 くいるのだか ら、我 が 国 の高度実践技
術者及 び技術者教育 ・養成 プ ログラムをテ ク ノ ロジス
州内登録者 に申請者 の州外 で の業務実績 を保証 させ る。
3)し か し、 日本 で コ ンサル タ ン トと して働 いて い る
ト教育 ・養成 プ ロ グラムの基準 を満 た して いると認知
技術者 はどれ ほどいるだろ うか。 しか も、 同 じ形 で、
して もらう ことの効果 は、非常 に大 きい ものが ある。
しか し、 「3年 (以上)」で良 い とされ る シ ドニー ・
うのはどれ ほど存在す るだろ うか。職業能力開発総合
ア コー ドに基 づ くテ クノ ロジス トで は、学士以 上 の学
歴が無駄 になるという懸念 は当然ある。 しか し、英国 。
大学校長期課程卒業者 だけでな く、我 が 国 の大学 工 学
ドイツ等 で も、企業 内中心 の職業訓練制度 が、 か つて
部卒業者 中 に もほとん ど該 当者 は いないだろ う。 この
は、 15∼18歳程度 で修了 して い た。 しか し、近年 は、
論文 で は、相互認定 によ り、欧米等 か ら進 出 して来 る
高校等卒業 か ら始 めて22歳 くらいまで掛かるようにな っ
ている。 これが まさに、 このテクノ ロジス ト養成 プ ロ
欧米等 で仕事 が 出来 るとい う見通 しの ある技術者 とい
Engineerの ことは考察 しな い。 元 々、 我 が 国 には、
技術士 は別 に して、技術者 と名乗 るの に、何 の制限 も
ない。 」ABEEが 、 ワ シン トン 0ア コー ドに力日入 で き
グラム (の一 部)で あ るといえ る。注12)ま た、欧米 で
た とい って も、実務上 の メ リッ トは我 が 国 に も、他 の
は、 大勢 い る技術 関係職種 の 内、 上述 の ご く少数 の
PE業 務従事者 (=コ ンサル タ ン ト事務所 に所属)以
加盟国 に も、 ほとん どな いだ ろう。 しか し、我 が国 が、
ワシ ン トン 。ア コー ド加盟国 にな り、他 の加盟国 に も
外 の、 メー カー、 工 場、現場 で エ ンジニ ア リング関係
業務 に従事 す る多 数 の者 が 、 実 は、 テ クノ ロジス ト
-83-
職業能力開発総合大学校紀要 第37号B(人 文 ・教育編)
(高卒後 の 2年 課程 は、 テ クニ シ ャ ン)と 称 されて い
れそ うであ るが、実 は、大半 の人 は、本稿 で紹介 した
シ ドニ ー 0ア コー ドの対象 で はないか とい う論考 も示
る。 これ らの人 が大学工学部卒業 か否 か は、 当該個人
認証 で は (米国以外 は)そ れ ほど、重要 な事柄 で はな
す ことがで きた と思 う。 欧米 には、 PE(の 業務、営
業形態)の 定義 があ る一 方、我 が国 で は、 エ ンジニ ア
い。米国 において も、我が国 の職業能力開発総合大学
とテクノ ロジス トを仕 分 けす る概念 に乏 しいの も、分
工 学 士」 であ り、
校長期課程、大学 工学部卒業者 は 「
か りに くい理 由 の一つであ るが、全国 に唯一 の職業能
テクノ ロジス トと して何 ら遜色 はな い。
力開発総合大学校 が高度実践技術者 の相互承認協定 と
い う国際的取 り決 め について も今後 イ ニ シアチブを と
又 は当該 使用者 には関心事 であ って も、国際的な相互
以上 の通 り、我 が 国 の高度実践技術者 や技術者 の数
は膨大である。将来的 に も海外労働市場 よ り国内市場
で活躍す る日本人技術者 。技能者 の方 が圧 倒的 に多 い
ることがで きるので はな いか と考 え る。
と して も、 グ ロ「バ ル化 の 中 で海外 工 場 を立 ち上 げる
掛 か りと して、国内 のそれぞれの分野 で 国策 と して の
幹部養成 を担 う他 の省庁大学校 との連 合 によるグ ロー
必要性 は今後、 ます ます増加す ると考 え られ、 また、
この相互承認協定 とい う国際的取 り決 めの手法 を手
バ ル化 へ の対応 や、 ア ジア における職業訓練指導者養
国内企業 の中 において も多言語化 は進む と思 われ る。
これ らの人 たちが、 エ ンジニ ア リング ・テクノ ロジス
成 を 目的 。目標 とす る近 隣 の大学等 との姉妹校締結 が
トの国際的相 互認定 を受 ける場合 の利益 は大 き く、我
可能 にな ると考 え る。
が 国 の職業能力開発総合大学校 や、大学 工 学部 のカ リ
(おネL)
キュラムをテク ノ ロジス ト養成 プ ロ グラムの国際基準
によ り合わ せてい くこと及 び我が国 のそれ らカ リキ ュ
ラムが テクノ ロジス ト教育 0養 成 プ ロ グラムを満 た し
本稿 に関 しご助言 を いただいた福元氏 (職業能力開
発総合大学校東京校学務課長、 当時)や ものづ くりの
設業 ・情報通信産業等 を中心 と して我が国産業 の発展
職能者 に係 る国際相互認証 につ き、 資料 を ご提供 いた
だ き、 お教 えいただ いた梶信藤氏 (職業能力開発総合
に とって実 に重 要 な ことであると思われ る。
大学校教授、 当時)に お礼 を申 し上 げます。
て い る ことを国際的 に もPRす る ことは、製造業 ・建
(注釈)
おわ りに
注 1)福 元
基 :「 テクニ シ ャ ン ・テクノ ロジス ト養
成 プ ロ グラムの 国際基準 との比 較検討」、技能 と技
本論 で は エ ンジニ ア以 外 の、 ものづ くりに携 わ る高
度実践技術者 に係 る国際的相 互認証制度 を調査 し、 そ
の成果 を シ ドニ ー ・ア コー ド及 び ダブ リン ・ア コー ド
の翻訳文 によ り示 した。討論 で述 べ た とお り、職業能
力開発大学校専門課程修了者 (多分、同短期大学校修
了者 も)は 、 ダブ リン ・ア コー ドでい う 「エ ンジニ ア
リング ・テクニ シ ャ ン」 に相 当 し、同様 に、応用課程
修了者 が シ ドニー ・ア コー ドで い う 「エ ンジニ ア リン
グ ・テクノ ロジス ト」 に相当す ることも了解 いただ け
た と思 う。
この点 で、資料 4の ダブ リン 0ア コー ドの翻訳 中、
同 ア コー ド 「附属 A 標準的 な学科資格要件」 中 に福
元 の論証 注1)が 依拠 した 「カナ ダ技 術基準」 が 挙 げ
術、 2005年第 5号 、 p48-53で 、職業能力開 発総合
大学校東京校専門課程 の教育訓練概要 とカナダ技術
基準 によるテクニ シャン ・プ ログラム とが、又、同
校応用課程 の教育訓練概要 と同基準 によるテクノ ロ
ジス ト・プ ログラム とが、 ほば、相当であることが
論証 されて い る。
注 2)(社 )「日本技術士会」 ホームページ :
http://www engineer orip/apec/APECwhatis htm
構造技術者 の審査 は、 (財)建 築技術教育普及 セ ン
ター等 が担当。
http://www.iaeic or.ip/apec.htm
注 3 ) カ ナダ 。テクニ シャン ・テクノロジス ト評議会
られて い ることは、 テクニ シ ャ ンの みな らず、 テク ノ
( C C T T ) の サイ ト
ロジス トの国際基準 に も職業能力開発大学校 の課程 が
対応 で きて いることの補強証 明 とな る。 注6)(福 元 が
(http://www.cctt ca/404.asp?404;http://wwW CCtt
論 じた のは、東京校 の課程 についてであるが。)
また、」ABEEの ワシ ン トン ・ア コー ド加盟 によ り、
形 の上 で は、 当能 力 開発総合大学 校長期課程修 了者
(で学位記 を得 た者)や 大学 工 学部卒業者 は、 PEに な
-84-―
ca/WWW CCtt ca/404.asp)
の 「テクニ シャン/ テ クノ ロジス トの国際的認証」
。
注 4 ) 下 記参考文献 ( 3 ) よ リテ クノロジス トの相互
承認 に米国が参加 しない理由が下記 のよ うに推測 で
きる。
稲崎、砂田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動 向 と課題
NCEES(全
米 ( 各州) 技 術者試験委員会協議会)
の年次報告書 中 に米 国 のP E ( の 前段 のF E ) の 標準
学位 がB S ・ M S ( 理 学士 。同修士) と あ り、 「B E ,
関係職種 を 5年 以上 の教育 ・養成 プ ロ グラムのエ ン
ジニ ア と 3∼ 4年 のテクノ ロジス トに三 分 しょうと
す る、大陸 ヨーロ ッパ 系諸 国 の定義 (テ クニ シ ャ ン
ME(工
学士、 工 学修士) は 何 にな るのか」 との 問
い に、 N C E E S 経 由 でN S P E ( 全 米 プ ロ フェ ッ シ ョ
を認 めて いない。)│こ不満 で あ ると推測 で きる。 こ
の不満 が、 アイル ラ ン ド協会 が、 テクニ シ ャ ンに係
ナ ル ・エ ンジニ ア協会) か らは 「t e c h n 0 1 0 g i s t s に
なる」 とい う回答であ った。 この シ ドニ ー 0 ア コー
るダブ リン ・ア コー ドを推進 した もの と思 われ る。
(2008年 1月 、 この文章 はホ =ム ペー ジか ら消 えて
ドでのt e c h n o l o g i s t教育
の 。養成 プ ロ グラムが、本
い る。)
文 の とお り、 「3 年 ( 以上) 」 とされて は、 B E , M E
注 6)上 述 の福元 注1)に よれ ば、 テ ク ニ シ ャ ン、 テ
がt e c h n o l o g i s tな
にる慣行 の米国代表 と して は、署
クノ ロジス トに係 る技術基準 はCAEBの
名 で きなか ったで あろ うと推潰1 され る。
本稿本文 では、上述 の注釈 3に よ り、 テクニ シャ ン ・
なお、 米 国 のP E 制 度調査 は、 1 9 8 9 ∼1 9 9 0 年で あ
り、時期的 に、上記 ワ シン トン ・ア コー ド成立時 で
テクノ ロジス トの課程認定 は、 CTABと
あ ったが、 5 州 の エ ンジニ ア登録 ( 試験) 委 員会、
コ ンタク トし、 ニ ュ ー ヨー ク州1委
NCEES,NSPEと
員会 には実地調査 も行 い、 当方 の関心事 の一つ は、
日本人等 の外国人 が米国 で (我が 国 の建築業務 に当
もので ある。
した。 CCT
T、 CAEB、 CTABの 相互 関係 の解 明 につ いて は、
他 日を期 した い。
注 7)我 が国関係者 の通称 に したが って 「ワ シン トン ・
ア コー ドの会議」 と したが、正 しくは、 「国際 エ ン
ジ ニ ア リ ン グ会 同」 (International Engineering
たる)エ ンジニ ア リング業務 (=我 が 国 の一 。二 級
建 築 士 は ニ ュ ー ヨー ク州 のPE、 加 州 のPEの うち
ⅣReting;IEA/1)。IEWIは 、 ワシ ン トン ・ア コー ド、
シ ドニー 。ア コー ド、 エ ンジニ アーズ 。モ ビ リティ ・
Sttructural o Civil ・Electrical ・ ⅣFechanical
フォー ラム (EMF)及
Engineers等 に相 当す るもの と見 当を付 けて いた。)
ワ合意」翻訳末尾 の本文注参照)加 盟 国代表等 の会
同。後 出 の シ ドニー ・ア コー ドの手続 き規則 と併 せ
を行 うにはどうす べ きかであ ったが、先方 の回答 は、
ABET(全 米技術 ◆技能認定委員会)と CAEB(カ
ナ ダ技術課程認定委員会)の 互恵認定 シス テ ム によ
る以 外 は、 50州等各登録委員会 の個別裁量 一 認 め ら
れた例 の紹介無 し一 による、 のみで、 当時 のNSPE
の米 国 PE制 度 の海外普及 の方針 の下、 当時 の米 国
関係者 の間 には、国際的相 互認定 へ の関心 は薄 か っ
たよ うである。
注 5)下 記参考文献 (2)の アイ ル ラ ン ド技術者協会
の サイ トによれば、 「『アイル ラ ン ド技術者協会』
びETMF(注
:後 記 「オ タ
Rules&Procedures」
て、三 つのア コー ド共通 の 「
と して 編集 され 、 IEM側 か らの解釈基準 も盛 り込
まれて い るよ うであ るが、今回 は、翻訳 が 間 に合 わ
なか った。以上、下記参考文献 (6)、(7)に よる。
(参考文献)
(1)技 術者 ∼ テ クニ シ ャ ンの呼称 につ いて は、 本文
後記 の 「オ タワ合意」 の翻訳等 を参照 された い。
(2)ア イ ル ラ ン ド技術者協会 (IEI)の 国際的相 互認
主催 の下 に、 アイ ル ラ ン ドと並んで英国、南 アフ リ
カ及 びカナダの代表 が、 エ ンジニ ア リング ・テクニ
証協定 につ いて は、同協会 ホ ームペー ジを参照。
シ ャ ンの資格要件 の相互承認 につ いての国際的合意
に署名 した。 …・
」 とされてお り、 テクニ シ ャ ンの相
PageDetails.pasp?pageid=1#Sydney
アイ ル ラ ン ド ・エ ンジニ ア協 会 の正 式名称 は
互承認 につ いて は、 アイル ラ ン ド協会 が主 導 したよ
Institution Of Engineers of lrelandで
、 略称 も
うである。
「I E I 」 な る も、 当該 協 会 ウ エ ブ ・サ イ トに は
「 “実 行 上 の 名 称 " と して E n g i n e e r s l r e l a n d
同協会 ホ ームペー ジには、 2006年 9月 時点 でいま
だ、「当協会 は、 『ボ ローニ ャ宣言』 に対 して中立で
あ る。」 で始 まる2001年11月 の文書 を掲載 して い る
(「ボ ローニ ャ宣言」 (1999年)は 、 EU域 内 の エ ンジ
ニ ア リング教育 ・養成 プ ロ グラム とェ ンジニ ア リン
http://www engineersireland.ie/webpages/
( E I ) を 使用 す る」 との 記載 あ り。 ( 上記 は、 英
国支配時 に、英国王 か らの勅許状 ( チ ャー ター)
によ り、法人格や免税特権付 きで1 8 7 7 年に当該協
会 が設立 された もので ある ( I E I の設立 自体 は1 8 3
グ関係職種 を2010年までに相互認証す るため の基準
publish―
を定 めて い る。http w"w.jp.f.go.jp―
iapan―
5 年) 一 方、現在、 アイ ル ラ ン ドが 独立 の共和 国
pdf-01)と ころを見 ると、 エ ンジエ ア リ ング
euro―
( なお、 チ ャー ター による設立時 の協会 の名称 は、
で あ る ことと、恐 らく、 関係 す るのであろ う。)
職業能力開発総合大学校紀要 第37号B(人 文 ・教育編)
った。
Institution of Civil Engineers Of あ
lr61andで
)
で は、 冒頭 の 「定 義 」 が 省 か れ て い るが 、 ア コー
ド正 文 は翻 訳 の 通 りで あ る こ と は、 上 記 ( 7 ) で
(3)『アメ リカ合衆国専門技術者 登録制度 `
(調査 ・研究報告書)』 (平成 4年 2月 )
(財)建 築技術教育普及 セ ンター建築技術者教育研
確 認 した。
手 続 き規 則
PROCEDURES)ニ
(RULES AND
ュー ジー ラ ン ド技術者協会 ホ ー
ムペ ー ジ :上 記 (6)
究所
(9)ダ ブ リ ン ・ア コー ド (DUBLIN ACCORD)南
ppll-12,42等
(4)NAFTA事
ア フ リカ 。エ ンジニ ア リング評議会 ホ ー ムペー ジ :
務局 ホ ームペー ジ
c alena.org/DefaultSite/
h t t p : / / w w w . n a f tsae―
index_e.aspx?DetailID=78
( 5 ) F E A N I ホ ームペ ニ ジ h t t p : / w w w f e a n i . o r g /
上l 記 ( 7 ) │ こ同 じ。
International Enきineering Agreementsか ら。
( 1 0 ) 海 野邦 昭 : 「 ものづ くりとテ クノ ●ジス ト認定
機構」、 工 業教育資料 2 9 7 ( 実 教 出版、 2 0 0 4
( 1 1 ) 」A B E E の ホームペ ニ ジ下記 のp l ・
2
euring.htlrnl
は、 2 0 0 6 年1 2 月現在。
登録者数2 9 , 3 0 0 人
( 6 ) ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド技 術 者 協 会 ( I n tёi t u t i o n o f
http://www.jabee.org/OpenHOmePage/
greeting2005-5 htm
PrOfessional Engineers New Zealand) (IPENZ)
のホ ームペー ジh t t p : / / w w w . i e a g r e e m e n t s o r g /
(12)英 国 の職業教育資格制度 につ いて は、 『イギ リ
スにお ける職業教育訓練 と指導者等 の資格要件』
(7)オ タワ合意 (OTTAWA INTENT)
南 アフリカ・エンジニア リング評議会 ホームページ :
(労働政策研究報告書No 16 2004)労働政策研究 ・
研修機構 等 を参照 された い。
(13)英 国 エ ンジニ ア リング評議会 ホームペー ジ :
httpl//w、vヽ
v ecsa.co.za/1nternationa1/
4sydneyAccord/1997%D2
(8)シ ドユー ・ア コー ド (Sydne,Accord)
http://、
v、
vv″engc.org.uk/internationa1/feani/
ニ ュー ジー ラ ン ド技術者協会 ホ ー ムペー ジ :
feani_registration.asp
‐上記 (6)に 同 じ。 ただ し、 同 ホ ームペー ジ最新版
( 以下 の資料 中 で も引用 した上掲注釈及び参考文献 を示 して い る。)
6 ) からの翻訳 ( 抜粋) で ある。)
資料 1 ( 以 下 は、 ニ ュー ジーラ ン ド技術者協会 のホーム ペー ジ
「エ ンジエ ア リングにおける第 二 次 (注)資 格要件 を扱 う協定」
エ ンジニ ア リングにお ける第二次 レベ ルの資格要件 に係 わ る相互認証 を扱 う三 つの協定 がある :1989年
に署名 された ワ シン トン ・アコー ドが最初 の協定 で あ る 一 この協定 は、職能 エ ンジニ ア リングにお ける
資格要件、通常、 4年 間 (の資格要件)の 認定 における基 本的相当性 を認証 す る。
シ ドニ ー ・アコー ドは2001年に発効 し、 エ ンジニ ア リング 。テクノ ロジー にお ける資格要件、通常、
3年 間 (の資格要件)の 認定 における基 本 的相 当性 を認証す る。
ダ ブ ノン ・ア コー ド は、 テ ク ニ シ ャ ン ・エ ンジニ ア リ ングにお ける第二次 資格要件、 通常 、2年 間
(の資格要件)の 認定 にお ける基本的相 当性 についての協定 である。 この協定 は、 2002年に発効 した。 (以
下、略)」
(注 :「 中等教育修了以降 の」 レベ ル。 「
第 二 次」 が 中 ・高校 レベ ルである こ
第 一 次」 が小学校 レベ ル、 「
とは、 国際的 に一 致。 「
第 二 次」 は、 この ニ ュー ジー ラ ン ド技術者協会 の用法 で は 「第 二 次 よ り後
の」 レベ ル とい う用 い方 である。)
資料 2
オタワ合意 7)
オタワ合意
― ・ア コー ド)期 間 1997∼ 2000年
ヤ ヤ
シ シ
ク ク
ニ ニ
-86-
テ テ
や や
ワ シン トン 0 ア コー ドの趣 旨は、他 の種類 の工 学系職能 = 特 にテクノ ロジス ト
られ るよ う拡張 されて きた。 1 9 9 7 年1 1 月、 このア コー ドの範囲 をテクノ ロジス ト
ンーに向 け
ンを含むよ
稲崎、砂田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動 向 と課題
うに拡 張す る ことの望 ま しさや使 い良 さを検証す る使命 が ワーキ ング ・パ ー ティに託 された。 ワーキ ング ・
グルー プは、 1998年 7月 に ロ ン ドンで会同 した。 この会合 か ら (以下 が)明 らか とな った :
・ テクニ シ ャ ンを登 録す るにつ いての利益 の程度 は限 られた もので はあるが、 ワシ ン トン ・ア コー ド全
加盟国 に両方 の (訳注 :「 テクノ ロジス トとテクニ シ ャ ン」 の意)職 能 が存在す るとい う広汎 な合意
があ った。更 に、国家的登録 に関す るテクノ ロジス トの人数 は、比較 的少 ないが、 この数字 は増加す
る もの と思 われ る。 あ る一 国 (訳注 :「 米国」 を指 す よ うであ る。)に おいて は、 エ ンジニ ア との関
係 におけるテクノ ロジス トの役割 と責任 について十分 な合意 がなか った。
。 このア コー ドをテクノ ロジス ト及 び相 当資格者 に向 けて適用す るため の拡張 は、望 ま しくもあ り、原
則 と して、実現可能であ るとい う広汎 な合意 があ った。高等教育 に基づ く枠組 み にお けるテクニ シ ャ
ンを定義す ることは、ず っと困難 であると思 われて いた。
・ 来 るべ き 「エ ンジニ ア移動 フォー ラム」 においてテクノ ロジス トの包含を検討す る場 があ って も良 い
か も知 れな い とい う理解 がなされて いた。
テクノ ロジス トにつ いて の教育資格要件 の認定 につ いての標準、規範や手続 きを比較す る机上調査
を実施す ることが決定 された。
机上調査 の実施 に関 して1999年オ タワで参加国 は会同 し、次回 の シ ドニー会議 で合意 に達す るよう
準備す ることにな うた。
プ ロ フェ ッショナ ル ・テクノ ロジス ト (エ ンジニ ア リング)登 録委員会議長 であ り、又、 テクノ ロ
ジス トのスポ ー クス マ ンであ るテ リー ・ステ ィッ ドワー ッズイ氏 が カナダ、 オ タワでECSA(南 アフ
リカ 。エ ンジニ ア リング評議会)を 代表 した。 この会合 で、代表者 たちは、参加各国間 で基 本的 な相
当性 が見 られ得 ることに、合意 した。 「オ タワ 0イ ンテ ン ト」 は、 このよ うに して、定義 され、 シ ド
ニ ーでの1999年11月 7日 の ヮ シン トン ・ア コー ド会議 に議論 と署名 のために提 出 された。米国 を除 く
全加盟国が このイ ンテ ン ト (訳注 :「 合意」)に 署名 した。
このイ ンテ ン トは、 エ ンジニ ア リングにおける学位 カ リキ ュラム (これ らプ ロ グラム は、保持者 を
プ ロ フェッショナル 0テ クノ ロジス トと又 はそれ に相 当す る外国 の資格者 を登 録資格 あ りと資格付 け
る)を 相互国際認証す る合意 に達す ることが 目的 とされていた。
このイ ンテ ン トには、各加盟国 は、或 る加盟国 の認定訪間を監視す るために少 な くとも 2カ 国 か ら
の権限 あ る代表 か ら成 るチ ームによる、少 な くとも 1回 以上 の予定 された訪間 に参加す ることが、他
の事柄 とともに、規定 されて い る。 このイ ンテ ン トが公 式 のア コー ドと確認 されて いたな らば、 「シ
ドニ ー ◆ア コー ド」 と して周知 の このイ ンテ ン トは、次回 に予定 されて い る2001年の ワ シン トン ・ア
コー ド加盟国 の会議 で署名 されたであろ うに…。
カナダ、英国及 びアイル ラ ン ドの代表 は、2000年 3月 に 「テクニコ ン ・ウ ィ トウォー タース ラ ン ド」
へ のECSAの 課程認定訪間 を実施 した。各国 の各代表 の報告 は肯定 的 であ る。更 に、 オ ー ス トラ リア
の代表 が2000年 5月 に 「ナ タール ・テクニ コン」及 び 「マ ンゴスス ・テクニ コン」 へ の訪間 を実施 し
た。 プ ロ グラム (訳注 「カ リキ ュラム」)の 水準及 び認定過 程 に関す るそ の報告 も又肯定的であ った。
現在、 ECSAは 、 この合意 (訳注 :「 シ ドニー ・ア コー ド」)へ の南 ア フ リカの約束 を実現す るため
にその代表 を他 の加盟国 に派遣す る準備 を して い る。来年 6月 に南 アフ リカで の開催 が予定 されて い
る加盟国 の全体会議 に先立 って この合意 の必要条件 が満 たされ、 か つ、 この会合 で シ ドニー ・ア コー
シ ドニー にお ける 「オ タワ ・イ ンテ ン ト (合意)」 の署名 は、
プ ロ フェシ ョナ ル ・テクノ ロジス ト (エ ンジニ ア リング)の 国際的認証 を保証 しよ うとす るECSAの
活動 における大 きな二 歩 を画 し、 か くして、 プ ロ フェ ッ シ ョナ ル ・テクノ ロジス ト達が国際場裡 で競
ドが署名 され る ことが 期待 され る。
い合 う機会 を創 出す ることになる。 オ ース トラ リア、 シ ドニ ーで生 じた もう一つの有意義 な発展 は、
シ ドニー ・ア コー ドが発効 したな らば、 2001年 6月 中 に南 アフ リカで 「エ ンジニ ア リング ・テクノ ロ
ジス トのモ ビ リテ ィ 。フ ォー ラム」 (ETMF)が 次 の焦点 となろ う。」
翻訳末尾 のETMFは
、前記本文 「1-2」
の② の職能者団体間 の相互認証 を 目指す もので ある。
-87-
職業能力開発総合大学校紀要
第37号B(人 文 ・教育編)
シ ドニー ・ア コー ド8)
資料 3
「
認定されたエ ンジエア リング ・テクノロジー教育 プ ログラム (訳注 :「カ リキ ュラム」)の
相当性 の認証最終合意 (暫定規定を含む)」
南 アフ リカ(ソ ニニー ブッシユ ・ゲーム ・レザ ー ブで、2001年6月 23日署名予定
定
義
手続 き規則」 について、 エ ンジニ ア リング ・テ
この合意 の 目的及 び この合意 に基 づ き成 され る将来 の 「
ニ
クノ ロジー学位 プ ログラム とは、実務者 がそ のプ ロ グラム ( = カ リキ ュラム) を 通 じて通常、 エ ンジ ア
リングの役割 にも ぃての学位資格要件 を満 たす よ うなプ ロ グラム ( = カ リキ ュラム) と 定義 され、最初 の
加盟諸国 の間 で は、現在、 以下 が知 られて いる :
カナ ダ
ア ソ シエ ー ト ,メ ンバ ー
中国香 港
ア ソ シエ ー ト ・エ ンジニ ア
アイル ラ ン
エ ンジニ ア リ ン グ ・テ ク ノ ロ ジス ト
_ ュ ー ジー
プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル ・テ ク ノ ロ ジス ト (エ ンジニ ア リ ン グ)
南 ア フ リカ
イ ンコー ポ レイ テ ィ ッ ド ・エ ン ジニ ア
英国
ン
公 認 エ ン ジニ ア リ ング又 は応 用 科 学 テ ク ノ ロ ジス ト
ド
オ ー ス トラ リ
ぃ
ド ラ
エ ンジニ ア リ ン グ ・テ ク ノ ロ ジス ト
「エ ンジニ ア リング ・テクノ ロジス ト」 とい う用語 は、 この合意 において は上述 の役割 の一 部又 は全部
に従事す る実務者 を指す ために用 い られ るもの とす る。
序
文
加盟国 は、 エ ンジニ ア リング ・テクノ ロジー学位 プ ログラム認定許可 につ いての各 々の過程、方針及 び
手
合意」、 「「
手続 きに関 して情報 を交換 し、検証 し、 これ らが同等 であ るとの結論 に達 して い る。 この 「
0ア コー ド」 を通 して、加 盟国 は、 エ ンジニ ア リング ・
暫定規定」 か ら成 る 「シ ドニー
続 き規則」及 び 「
チ ーム内 での適 当 な水準 で のエ ンジニ ア リング ・テクノ ロジー業務 につ いての学位資格要件 を満 たすその
よ うな プ ログラム (=カ リキ ュラム)の 基本的相 当性 を認識 して いる。
加盟国 はそれ故 に以下 に同意す る :
1 学位 プ ログラムの認定 が、 このア コー ドが及 ぶ各国、各地域 におけるエ ンジニ ア リング ・テ ク ノ ロジー
の実施 につ いての鍵 となる基礎であ る、 そ して :
・ エ ンジニ ア リング ・テクノ ロジー学位 プ ログラムの認定 において加盟国 によ り用 い られ る判定条件、
方針及 び手続 きは同等 であ る ;
・ 或 る加盟国 によ り提 出 され る認定決定 は、 その他 の加盟国 に も受 け入れ可能 であ り、 これ らの加盟
国 は、適 当 な態様 でそ の趣 旨を報告書 で公表す ることによ り示す ;
・ 加盟国 は、加盟国間 で合意 された適時 に、 プ ロ フェ ッショナル ・レベ ルで実務 を行 お うとす るエ ン
ジ三 ァ リング ・テクノ ロジス トの学問的準備 のために最良 の実務 の実施 を明 らか に し、奨励 す る ;
・ 加盟国 は、 いかな るものであれ、最 も適 当 と思 われ る手段 によ り (以下 を含 む)相 互監視及 び情報
交換 を継続す る ;
O
ス
各加盟国 の認定判定条件、制度、手 続 き、 マ ニ ュアル、認定 されたプ ロ グラムの出版物及 び リ
トに関す る定期的連絡及 び情報 の共有 ;
。 認定訪問実施 へ の招待 ;及 び
O
加盟国 の決定機関 の会合 と同様、認定 過程 の鍵 となる諸 側面 を実施す る責任 を有す る理事会や委
員会 の会合 を見守 るため の招待。
-88-
稲崎、砂 田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動向 と課題
0テ クノ ロジス トを証明 し、登録 し又
各加盟国 は、 自国又 はそ の領域 で実務 を行 うエ ンジニ ア リング
は免許 を与 え る権限 を有す る機関 が、 この 「ア コー ドJ加 盟国 によ り認定 された エ ンジニ ア リング ・
テクノ ロジー学位 プ ロ グラムの基本的相 当性 を受 け入れ ることを保証す るためにあ らゆ る合理的な努
力 を払 う。
この 「ア コー ド」 は、 その各 々の国内又 は領域 内 で加盟国 によ り実施 され る認定 にのみ適 用 され る。
バー
或 るエ ンジニ ア リング ・テクノ ロジー学位 プ ログラムの認定 (その認定 は、 この 「ア コー ド」 でカ
され る多数 の管轄 において通用す る単 一 の裁定 に至 る)の 前 に、加盟国 は、 そのよ うな各 々の管轄 か
ら、当該 プ ログラムが通 常 の認定必要条件 を満 た して い るとい う確認 を求 めるよ う努 めるもの とす る。
基本的相 当性 の評価」 を実
認定」 や 「
別 の管轄 にお ける教育提供者 (訳注 :「 教育機関」)に よ り 「
施す るために招待 された いかなる加盟国 も、手続 きの進行 や合同評価 を実施す ると申 し出 る前 に、 こ
の 「ア コー ド」 へ の加盟国 の承認 されて い る認定機関 に連 絡 を取 る義務 がある もの とす る。
この 「ア コー ド」 へ の新加盟国 の承認 には、既存 の加盟国 の少 な くとも 2/3以 上 の承認 が必 要 とさ
れ、更 に、所定 の期間 の暫定的資格 を経 ることにな るこの所定 の期間 は、通常 2年 間 であ る ;こ の期
間中 に申請国 によ り設定 されて い る認定判定条件 や手続 き、及 び これ らの手続 きや判定条件が実施 さ
れて い る態様 が包 括的 に検証 され る。暫定資格 を求 め る申請国 は、既存加盟国 の 2カ 国以 上か ら (候
(暫定
補 国 と して)推 薦 されな ければ な らず、既存加 盟国 の 2/3以 上 の承認 が あ った場合 にのみ、
資格 が)受 け入れ られ る。
この 「アグ リー メ ン ト」 が満足 のい く形 で、迅 速 に実施 され ることを保証す るた め、加盟国 によ り、
手続 き規則」 の採択 や修正 は、加
適 当 な 「ルール と手続 き」が設定 され るもの とす る。 そのよ うな 「
盟国 の少 な くとも 2/3以 上 の賛成投票 があ った場合 にのみ行 われ る。
「
手続 き規則」 を検証 し、必要 と判断 され る修正 を行 い、暫定的資格 や加盟 の 申請 を処理す るために、
加盟国代表 の 2年 ごとの総会 があるもの とす る。
この 「合意 Jに 従 って 作 成 され た 「規 則 と手 続 き」 に沿 って 任 命 され た 「議 長 」 及 び 「幹 事 ]
(Secretary)に よ って この 「ア コー ド」 の管 理 は円滑 に行 われ よ う。
この 「ア コー ド」 は、加盟国 に受 け入 れ られ、望 ま しい もので あ る限 り、有効 であろ う。 どの加盟国
も12ヶ月以上前 に 「
幹事」 に通知 して この 「ア コー ド」 か ら脱退 で きる。 いずれ かの加盟国 の除名 に
合意」 に基 づ
上 の加盟国 に支持 され る決議 が必要 とされ る。 そのよ うな除名 は、 この 「
き、他 の加盟国 の管轄 内 で エ ンジニ ア リング ・テクノ ロジス トと して (効力停止以前 に)許 可 されて
は、 2/3以
い る地位 に、他 の加盟国 による効力停止 によ つて、 自動的 に影響 を受 ける もので はな い。
経過規定
この経過規定 は、全加 盟国 による シ ドニー ・ア コー ドの採択及 び開始 を容易 に し、及 び、 この 「ア コー
ド」 に沿 っての立派 な検証手続 きを通 じて の取 り決 めを明確 にす ることが実施 出来 るよ うにす るた めに、
企図 された もので ある。
.
この 「合意J、 「
手続 き規則」 が採択 された ときには、「オ タワ合意」 で設定 された検証手続 きは、 この
「
経過規定」 へ の 「スケ ジュール」 に特定 された加盟国 に関 して は、 まだ、実施 されて いなか った。
手続 き規則」が スケ ジュールに したが って これ らの加盟国 に適 用 さ
合意」及 び 「
関係加盟国 は、 この 「
れ る ことを受 け入 れ る ;た だ し、認定手続 きや判定条件 についての未実施 の検証 が実施 され承認 され るま
で は、以下 を除 く :
a)加 盟国が認定す るエ ンジニ ア リング ・テクノ ロジー学位 プ ログラム、及 び
バ
b)加 盟国 は、 「
手続 き規則」 に基 づ き設定 され るいかな る検討 チ ームの正規 の メ ン ー と して参加 す る
代表 を指名す るよ うにと要請 され ることはな い もの とす る。
検証 パ ネルの設置 が加盟国 に受 け入 れ られ る場合、 このよ うな検証 は、「オ タワ合意」 に従 って設置 さ
れ る検討 パ ネ ル によ り実施 されよ う6
職業能力開発総合大学校紀要
第37号B(人 文 ・教育編)
この経過規定 はヽ この 「
手続 き規則」 に関連 して検証 に月
反す る加盟国が有す る又 は実行す る
合意」 や 「
ことを要求 され るいかなる権限 に も責任 に も、影響 を及 ぼ さな い。J
手続 き規則 (一部抄訳)(訳 注 :資 料 2の オ タワ ・イ ンテ ン ト、上記 ア コー ドと一 体 の手続 き規則)8)
「
「シ ドニー ・ア コー ド
手続 き規則」
最終版
南 アフ リカ、 ソー ニ ー ブ ッ シュ ・ゲ ーム ・リザ ー ブで
2001年 6月 23日署名予定
1総
則
この 「
手続 き規則」 は、 「シ ドニ ー ・ア コー ド」 に効力 を与 え る 「合意」 の規定 に基づ き、考案 された
もので あ り、 これ らの ( = 「 合意」 の) 規 定 と共 に解釈 され るよ う意図 されている。 この 「
規則 と手続 き」
の必要条件が 「
合意」 の必要条件が優先す る。
合意J に 矛盾す る場合 には、「
2
定期的検討
各加盟国 が責任 を有す る認定 シス テ ム は(6年
21 1
を超 えない期間 でその他 の加盟国 の代表 による包
括的 な検討 と報告 に従 うもの とす る。事務局 は、 そのよ うな検討 と報告 のスケ ジュール を設定 し、
加盟国 は、 そのスケ ジュール を遵 守 す るよ う合理的 な努力を払 うもの とす る。認定判定条件 や方
針又 は手続 きへ の基本的 な変更 を行 ういかな る加盟 国 も、 そのよ うな変更 を事務局 に報告 し、 そ
れによ ってく その他 の加盟国 に、予定 された検討 と報告 が提 出され るよ う要求す る機会 を与 えな
ければな らな い。
の加盟国 の認定 シス テ ム観察 者 の推薦 一 略)
薦者 リス トか ら、 3人 の審査 チ ームの選任 二 略)
2.2(他
2.3(推
2.5(認
定 シス テ ムを審査 され る加盟国 が、検討 チ ームの構成 に異議 ある場合 の手続 き一略)
定 シス テ ムが審査 され る加盟国内で の検討 チ ームの行動 の 自由一 略)
2.6(検
討議論 の非公開 と検討 チ ームの報告 の各加盟国 へ の提供 一 略)
2.4(認
2.7
検討 チ ームの意向 に拘 わ らず公開 され る勧告 は以 下 の通 りとす る :
(a)そ の他 の加盟国 の資格 に基 本的 に相 当す る成果 に至 り、検討 に付 された認定 シス テ ム は、6年 間 に
わた り、 その他 の加盟国 によ り受 け入 れ られ るべ きである ;又 は
(b)検 討 チ ーム によ り指摘 された特定 の課題 を処 置す るために適 当 な措置 が執 られ る旨のその他 の加盟
国 を満足 させ る報告が、 6ヶ 月以 内 に、責任 を有す る加盟 国 か ら提供 され るとい う条件 で、検討 に
付 された認定 シス テ ム は、3年 を超 えない期間 で、 その他 の加盟国 に受 け入 れ られ るべ きで ある ;
又は
(c)検 討 に付 された認定 シス テ ム には深刻 な欠陥 が あ り、 当該加盟国 は直 ちに暫定資格 に戻 るべ きであ
り、欠陥 を処置す るのを助 けるた め、 その他 の加盟 国 によ り、緊急 の具体 的 な援助 が 提供 され るべ
きであ る。
2.8
加盟資格 の終了 につ いての決議 には、加盟国 の 2/3の 支持 が必 要 とされ る もの とす る。 そ のよ
うな終了 それ 自身 で は、 当該終了以前 に エ ンジニ ア リング 0テ クノ ロジー学位 プ ロ グラムを修了
したいかな る卒業生 の資格 に も影響 を及 ぼす もので はな い こととす る。
2.9
不利 な勧告 が成 され、 その勧告 が適正 に加盟国 に支持 された場合 に、 当該加盟国 は、 当初 の審査
チ ーム と同様 の態様で、 しか し、 当初 のメ ンバ ーが参加 しな い再審 (=appeal)パ ネ ル によ り、
6ヶ 月以 内 に独立 の審査 が行 われ ることを要請 す ることがで きる。再審 パ ネル は、 それが機能す
る手続 きと判定条件 を決定 す る もの とす る。 当該再審 パ ネル に要す る全 費用 は当該不服 申立国 が
負担す る もの と し、不服 申立権 は、 1回 に限 り、行使す ることがで きるもの とす る。 いかなる再
審 の結果 も、全加盟国を拘束す るもの とす る。
-90-
稲崎、砂田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動向 と課題
新加盟国 の許可
3
3.1
暫定資格 の 申請 は、 (全)加 盟国 によ り、適時、承認 され るどのガイ ドライ ンに も合致 し、 2カ
国以 上 の加盟国 の推薦 によ り支持 された上 で、事務局 に書面 で提 出 されなければな らな い。暫定
資格 の受 け入 れには、 2/3以 上 の加盟国 の賛成票 が必要 であ る。
3.2(暫
定資格 の期間 (通常 は 2年 )中 の 申請 国 シス テ ムヘ の包括 的 な検討。検討 は、上記第 2節 の
規定 を準用一 略)
定資格 か ら正式加盟 へ の移行 には、 2/3以
上 の既存 の加盟国 の承認。 当該移行 が承認 され
た場合 の他 の加盟国 の認証 は、 当初 の暫定資格 が認 め られた 日付 にさかのば って有効。 一 略)
3.4(暫
定資格 の更 に 2年 間 の延長 一 略)(訳 注 :日 本 の」ABEEに 適用 された。)
二
3.5(暫
定資格を有す る組織責任。当該組織 への会議 べの招請。暫定資格組織 の代表 は、投票権無 し 略)
3.3(暫
4総
会
4.1
総会」 は、1年 置 き (=隔 年)に 開催 されるものとする。
加盟国の 「
4.2(「
4.3(「
4.4(「
総会」 の討議事項 は、 2ヶ 月以 上前 に提 出、議事次第等、lヶ 月以 上前 に配布。 一 略)
総会」 の開催 時期、場所 の決定 は参加者 の総費用 を最 小 にするように選定 。 主要な国際会議等 と
前後 しての開催 一 略)
総会」 では、各加盟国 は一 票。特段 の定 めが無 い限 り、単純多数決。)
5「 特別会合」 (=SPECIAL MEETINGS)
5。 1「 特別会合」 は、 3カ 国以上 の加盟国が署名 して提 出 される要求書 の事務局 による受領 か ら3ヶ 月以
内 に招集 されるものとする。
5.3(会
求書 の提 出、加盟国 に配布。 一 略)(訳 注 :上 記 「4.2」 に同 じ。)
議 の開催時期、場所 ― 略)(訳 注 :上 記 「4.3」 に類似。)
5.4(決
定 一 略)(訳 注 :上 記 「4.4」
5.2(要
6投
に同 じ。)
票
「
特別会合」 において、会議 に出席 しているその指定 された代表 に投票 を託すことも、
加盟国 のために投票す る代 理人を許可することもできる。 そのような許可 は、会議 での討論 に鑑み、投票 の行
′
使方法 を特定す ることも、代理人 に投票 の裁量 を与 えることもできる。
加盟国 は、 「
総会Jや
7議
長
各総会 の終了時、加 盟 国 により、 (次の)「議長」 を出すよう或 る加盟国が指定 されるものとし、 当該加盟
国 により指名 された人物が、次回 の総会 の終了時 までその職 にあるものとする。 (前回 の)総 会か ら (今回)の
議長」 を指名す
議長」 を指名 していた加盟 国は、次 のそのよ う期間についての 「
総会 までの期間 についての 「
る何 の責任 も負わない ものとする。
8幹
事
8.1
各 「総会」 の終了時、加盟国 により、 (次の)「幹事」 を出す ようある加盟国が指定 されるものとし、
(当該加盟 国 は)次 回 の総会終了時 まで、その責任 を果たす ものとする。 いかなる加盟国 も、 引 き続
幹事」 を出す責任 を負わない ものとする。
く 4年 間 を超えて 「
8。 2「 議長」 と 「
幹事」 は、通常、異 なる加盟国か らとする。
8.3(「
幹事」 は、記録を保持 し、加盟国間 の情報交換 を促進 し、記録 し、更 に、 「アコー ド」注)の 規
定 を発効 させるために採択 される方針や手続 きに関 して、加盟国その他 に助言 を求 めるものとする。一
抄訳)(注 :前 掲 の 「シドニー ・アコー ド」 では強制力 のある部分 は 「アグリーメント」 と表記 されて
おり、 ここも、正 しくは 「アグリーメント」 と思われる。)
-91-
職業能力開発総合大学校紀要
第37号B(人 文 ・教育編)
9(加 盟国資格 の)終 了
「ア コー ド」 は加盟国が受 け入 れ、望 ま しい とす る限 り、有効 であ り続 けよ う。 いかな る加盟 国 も、
「
幹事」 へ 12ヶ月以上前 に通 知す ることによ り、「ア コー ド」 か ら脱退 出来 る。 いかな る加盟国 の除名 にも、
2/3以 上 の加盟国 によ り支持 され る決議が必要 とされ よ う。 そのよ うな いかな る除名 もそれ 自体 で、 こ
の 「
合意」 (Agreement)に 沿 って他 の加盟 国 によ り停止前 に許可 された (除名 され る)加 盟国 のエ ンジ
ニ ア リング ,テ クノ ロジス トの地位 に (許可 した)加 盟国 の管轄 内 で影響 を及 ぼす ものではなか ろ う。」
資料 4
ダプ リン 0ア コー ドの翻訳 (一部抄訳)9)
「ダプ リン ・ア コー ド エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャンにつ いての
教育上 の基礎 の相 当性 の認証 合意 ( アグ リーメ ン ト) 」
ダブ リン、 アイ ル ラ ン ド技術者協会 で2 0 0 2 年5 月 1 3 日署名 された
定
義
この 「
手続 き規則」 の 目的 につ いて、 エ ンジニ ア リン
合意」 の下 でなされ る将来 の 「
合意」及 び この 「
グ 0テ クニ シャ ンにつ いての教育 上 の基礎 は、実務者 が、原加盟国 の間 で現 在知 られて いる以下 の エ ンジ
ニ ア リング上 の役割 *に つ いての教育 (academic)必 要条件 を (それによ って)、通常、満 た しているプ
ロ グラム と定義 され る :
.
(*訳 注 :「 以下 のエ ンジニ ア リング上 の役割」 が下記例示。)
。公 認 エ ン ジニ ア リ ング ・テ ク ニ シ ャ ン
・エ ンジニ ア リ ング ・テ ク ニ シ ャ ン
カナ ダ
アイ ル ラ ン ド共和国
・プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル ・エ ンジニ ア リ ングテ ク ニ シ ャ ン 南 アフ リカ共 和国
英国」)
連合王国 ( 訳注 : 以 下 「
・エ ンジニ ア リング ・テ ク ニ シ ャ ン
“エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ン"と い う術語 は、 この 「
合意」 中 を とお して、上述 の役割 の一 部又
は全 部 に従事 す る実務者 を指す ために用 い られ る。
前
文
加盟国 は、 エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ンにつ いての教育上 の基礎 を認証す るにつ いてのそれぞれて
銘 々の手順、方針及 び手続 きに関す る情報 を交換 し、検証 し、 これ ら (の基礎)が 同等 であ り、 この教育
上 の基礎 を首尾良 く修了 した者が 「附属 A」 に掲 げ られ る広汎 な成果 を獲得 して い ることが信頼 で きると
い う結論 に達 した。 この 「ダブ リン ・ア コー ド」 を通 して、 一 ダブ リン ・ア コー ドは、 この 「合意」 と将
来の 「
手続 き規則」か ら成 るが一加盟国 は、 エ ンジニ ア リング ・チ ーム内 で エ ンジニ ア リング ・テクニ シャ
ンと して の業務 につ いての教育上 の必要条件 を満 たす ことで、 励日盟国」経済 内 での教育上 の基礎 の基本
的相 当性 を認証す る。例示 されて いる教育課程 の期待 され る成果 につ いての全体的記述 とともに、各経済
での使用 における例示 されて いる資格要件 の詳細 が、 この合意 へ の 「附属 A」 に掲 げ られて いる。 それ故、
加盟国 は、以下 (の規定)に 合意す る :
1
教育上 の基礎 は、 この 「ア コー ド」 に包含 される各 々の経済 における、 エ ンジニ ア リング ・テクニ シャ
ンとしての業務 にとうての重要 な土台であ り、 そ して :
◆質 の保証 や業務を始 め、 エ ンジニア リング ・テクニ シャ ンの教育 プ ログラムの認証 に当 た って、各加
盟国 によ り用 い られる判定条件、政策及 び手続 きは、同等であ り ;
◆或 る加盟国 によ って成 された認証決定 は、 その他 の加盟国 に も受 け入れ られ、 また 、 これ らの加盟国
は、 その管轄 内 で適 当な態様 で、 そ の効果 ( 訳注 : 他 国 の認証 を受 け入れた こと) へ の声明 を公 表す
ることによ り、 それを明 らかにす るだろ うし ;
-92-
稲崎、砂田 :高 度実践技術者 の相互承認協定 に関す る動 向 と課題
◆加盟国 は、適時、認 め られた形 で、 プ ロフェッショナル ・レベ ルでの業務 を 目指す エ ンジニ ア リング ・
テクニ シ ャ ンの教育上 の準備 に向 けて の良好 な業務 (goodpractice)を特定 し、 また、更 な る実 行 を
奨励す るだ ろ うし ;
◆加盟国 は、何 であれ、最 も適切 と考 え られ る手段 によ り、以下 を始 め とす る事柄 に関す る相互監視及
び情報交換 を継続す るであろ う :
。それぞれ の認証判定条件、制度、手続 き、手 引 き書、 出版物及 び認 定済 みプ ログラムの一 覧表 ;
・認定手続 きを看視す るため の招待 ;及 び
・加盟国 (団体)・の理事会 の会合同様、重要 な局面 の認証手順 の実施 に責任 を有 す る委員会又 は (責
任 を委託 された)委 員会 の会合 を看視す るた めに招待。
2
加盟各国 (団体)は 、 その管轄 内 で業務 を行 うための エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ンを証 明 し、登
合意」 へ の加盟国 によ り認証 された エ ンジニ ア リ
録 し又 は免許 を与 え る権限 を有す る機関 が、 この 「
ング ・テクニ シ ャ ン教育 ・養成 プ ロ グラムの基本的相 当性 を受 け入 れ ることを保証す るため の あ らゆ
る合理的努力 を払 うであろ う。
3
この 「ア コー ド」 は、教育 上 の基礎 の認証が実施 され る全 国的機関 の管轄 の範囲内 での教育 上 の基礎
の認証 にのみ、適用 され る。 エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ン教育 プ ログラムが認証 され るまでは、
(この認証 は、 この 「ア コー ド」 に包含 され る)多 数 の管轄 内 での判定 に基 づ く単 一 の認定 に至 るが、)
加盟国 は、 そのプ ロ グラムが通常 の教育 上 の基礎 の必要条件 を満 た していることを各管轄 において エ
ンジニ ア リング 0テ クニ シ ャ ンの認証 についての権限を有す る全 国的機関 か らの確認 を求 め るだろ う。
4
基本的相当性 の認定又 は評価 "を 行 うた めに招待 された
他国 の管轄 内 での教育 プ ロバ イダー による “
いか な る加盟国 (団体)も 、手続 き及 び合同評価 を 申 し出 る前 に、当該管轄 内 の この 「ア コー ド」加
盟国 (団体)で あるエ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ン教育 を指 揮す る認証 された全国的機関 と連絡 し
なければな らな い もの とす る。
の 「ア コー ド」 へ の新規加盟国、暫定資格 一 略)(訳 注 :前 記 シ ドニー ・ア コー ド第 5条 に同 じ。)
の 「ア コー ド」実施 のための 「
手続 き規則」 の設定、修正。 一 略)(訳 注 :前 記 シ ドニー 。ア コー
5(こ
6(こ
ド第 6条 に同 じ。)
盟国代表 の 2年 ごとの総会 一 略)(訳 注 :前 記 シ ドニ ー ・ア コー ド第 7条 に同 じ。)
8(「 ア コー ド」 の運営 は、合意 した (agreed)加 盟国 の、 「
議長J、「
幹事」一 略)(訳 注 :前 記 シ ドニー ・
7(加
ア コー ド第 8条 に類似。)
(いかな る加盟 国 も、幹事 へ の少 な くとも12ヶ月前 の事前通告 で、「ア コー ド」 か ら脱退。 いかなる加
よる決議。 どんな除名 も、 それ 自体 で は、当該 中止 に先
立 って、他 の加盟 国 によ り認 め られた地位 に、影響 を及 ぼ さな い。 一 略)(訳 注 :前 記 シ ドニー ・ア
盟国 の除名 も、加盟国 の少 な くとも 2/3に
コー ド最終文 に類似。)
附属A
標準的な学科資格要件
カナダ
「
標準的 な教育資格要件」 は、 「カナダ技術基準」注1)に 設定 されて い る判定条件 を満 たす 「テクニ シ ャ
ン」 プ ロ グラム (課程)。
アイルラ ン ド共和国
「標準的 な教 育資格要件」 は、「エ ンジニ ア リングにおける全国的又 はテクニ シ ャ ン履修書」 である。
南 アフ リカ共和国
「標準的 な教育資格要件」 は、 エ ンジニ ア リングにお ける認定済 みの 「国家免状」 である。
連合王国
Edexcel又はSQA全 国履修書」又 は
「標準的 な教育資格要件」 は、 エ ンジニ ア リング分野 にお ける 「
―-93∼一
職業能力開発総合大学校紀要
第37号B(人 文 ・教育編)
「
上級全国一 般職業資格」 (AGNVQ)、 「レベ ル 3の 全国職業資格」 (NVQ)及
全国免状」、 「
ギ ル ド・パ ー ト3」 である。各場合 において特定 の例外有 り。8)
び 「シテ ィ ・
「エ ンジエ ア リング ・テクニ シ ャ ン教育」 の基礎 につ いての成果声明
エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ンの役割 は、彼 ら (=テ クニ シ ャ ン)を 明 らかな専門技術 の実行及 び実
務 的問題 の解決 へ の手続 きに係 わ らせ ることで ある。彼 らは、一定 の監督上及 び技術 上 の責 任 を負 い、
(またヽ最初 の 内 は、適切 な経験 を有 して 開業 して い る (==人 前 の)エ ンジニ アの指導 の下 に、)一 定 の
技術分野 での創造的 な才能 や手腕 を発揮す る能力 を有す る。
‐ び
エ ンジニ ア リング ・テク■ シ ャ ンは、製品、設備、 工 程、
及 点検修理 の設計、開発t製 造、請負、作
業及 びメ ンテナ ンス に貢献す る。彼 らは作業 の安全 な シス テ ムを用 いる。
エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ンと して の計画 されたキ ャ リアを下支 えす ると考 え られている 連 の教
一
育 は、 (以下 を)期 待 されている :
・ 段階的進歩 の土台 を提供 し、 また、 エ ンジニ ア リング ・テクニ シ ャ ンが、 エ ンジニ ア リング業務 に
必要 とされ る諸原理 の詳細理解力並 びに知 識及 び分析的手法 の修得力 を伸 ばす ことがで きる、生涯
学習 に向 けて の積極的態度 を啓発す る。生徒 に ェ ンジニ ア リング業務 に向 けて動機付 け、彼 らの学
習 を刺激す る
。 理論 を現在 の産業実務及 び設計必要条件 と統合 しつつ、実際 の エ ンジニ ア リング応 用 の文脈 の 中で、
理科及 び数学 が教授 され ることを保証 す る
・ エ ンジニ アや テクニ シ ャ ンが働 く中で の、社会的、法的、経済的及 び政 治的環境 へ の気付 きを啓発
する
・ 「キ ー ・スキル」 (基本的技能)の 伸長 を通 して、 エ ンジニ ア リングの応 用 の文脈 内で、生徒 の個人
的及 び職業上 の発達 (職能開発)に 寄与す る
-94-―
About Developments Of Agreements covering
Mutual]Recognition for"Technologists"and"Technicians"
Sakae SUNADA(Polytechnic University)
Hiroshi INAZAKI(Polytechnic University)
Abstract
There are several international agreements on mutual recogttitiOn of engineering fields.And,we
may classify these agrё
mong governmё
ements into three types according to categories Of the signatories:①
nts,② among prOfessional bodies which represent each natiOn,③
amOng bodies、
a―
vhich
govern educational qualifications fOr engineering professiOnals.
This report focuseg on introduCing of ()type Of agreements,especially fOr Engineering
Technicians and Engineering Technologists,i.e.the Dublin AccOrd and the Sydney Accord,because
the graduates from Polytechnic Colleges and the P01ytechniё
the both AccOrds,respettively.
―-95-―
University meet the requirements of
Fly UP