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Ikai S, et al.Effects of Weekly One
5.精神および行動の障害 (F20 統合失調症) 文献 Ikai S, et al.Effects of Weekly One-Hour Hatha Yoga Therapy on Resilience and Stress Levels in Patients with Schizophrenia-Spectrum Disorders : An Eight-Week Randomized Controlled Trial. J Altern Complement Med. 2014 Nov;20(11):823-30. PubMed ID:25364946 1.目的 統合失調症スペクトラム患者において、ハタヨガセラピーのレジリエンス、脳由来神経栄養 因子と唾液 α アミラーゼ活性に及ぼす効果について。 2.研究デザイン ランダム化比較試験(RCT) 3.セッティング 日本 山梨県立北病院(2012 年~2013 年4月) 4.参加者 治療期間が平均 25.0±10.3 年の統合失調症(41 人)と統合失調症性感情障害(9 人)の日本人患者 (平均年齢 50.9 歳) 5.介入 Arm1:(介入群)通常治療+ハタヨガ 1回1時間/週1回/8週間 Arm2:(コントロール群) 通常治療+デイケアプログラム 6.主なアウトカム評価指数 主要評価項目:The 25- Item Resilience Scale(レジリエンス, 精神的回復力)。 副次評価項目: 血糖、総コレステロール、HDL コレステロール、LDL コレステロール、トリ グリセリド、血漿と唾液中脳由来神経栄養因子(BDNF)、唾液αアミラーゼ(SAA)活性、Positive and negative syndrome scale(陽性、陰性症状)、Drug-induced extrapyramidal symptoms scale(薬剤性 錐体外路症状評価尺度)、FACT-Sz(統合失調症の心理社会的機能)、EQ-5D(QOL)を介入前後(8 週後)、16 週の追跡調査時。 7.主な結果 8週間の介入期間前後で、両群とも、すべての項目で有意な変化は見られなかった。 8.結論 ハタヨガセラピーは、統合失調症スペクトラム患者のレジリエンス、BDNF や SAA レベル、 統合失調症の病状に対して効果的な変化を生じなかった。 9.安全性に関する言及 なし 10.ドロップアウト率とドロップアウト群の特徴 それぞれのグループの 7 人(28.0%)が早期にドロップアウトした。その理由は、継続拒否 がヨガグループで 6 人、コントロールグループで 5 人。病気のぶり返しによるものが、コン トロールグループで1名。スケジュールの調整難航のためが、この 2 つのグループでそれぞ れ 1 人ずつ。 11.ヨガの詳細 ハタヨガ:いずれのセッションも、易しいヨガのストレッチと、簡単な動きに呼吸を連動さ せたヨガで構成された。アーサナ(ねじりのポーズ、立位のポーズ)、ディープリラクゼーショ ンと呼吸法が行われた。 12.Abstractor のコメント 8週間のハタヨガの介入は、統合失調症患者のレジリエンス、ストレス、病状に対して効果 を示さなかった。筆者らは、過去の論文の中には有用性を報告しているものもあり、介入期 間や頻度が十分でなかった可能性があるとしている。 13.Abstractor の推奨度 統合失調症患者に対してヨガを勧めない。 14.Abstractor and Data 佐藤 睦子 岡 孝和 2015.9.20