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生薬解説138 さー1

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生薬解説138 さー1
 生薬解説 138 さー1
音順
さー1
生薬名
さいかく
犀角
中医の性味・帰経
中医の用量
中医学生薬解説、参考・使用上の注意 および中医学以外の生薬解説・生薬学解説
苦・酸・鹹・寒
心・肝・胃
1.5~6g、
銼末(ヤスリですったもの)を冲服する。
中医生薬解説
清心定驚 熱入営血による夜間の高熱、意識障害、うわごと、舌質が絳などの症候に、黄連・生地黄・玄参・丹参などと
用いる「清営湯」
「清宮湯」
。
邪熱内陥心肝による痙攣、意識障害に、羚羊角・磁石・石膏・麝香などと用いる「紫雪丹」
「安宮牛黄丸」
「至
宝丹」
。
涼血解毒 熱入営血、血熱妄行による皮下出血、嘔吐、鼻出血などに、生地黄・牡丹皮・赤芍などと用いる「犀角地黄湯」
。
気血両燔により高熱、口渇、汗が出る、意識障害、発疹、嘔吐、鼻出血などを呈するときは、石膏・知母・玄参・
大青葉・山梔子などと用いる「化斑湯」
「犀角大青湯」
。
サイの角
参考
インドサイ・ジャワサイの角を烏犀角と称し良品とされている。スマトラサイ・クロサイの角を水犀角と称す。
犀角は資源が希少になっているため、水牛角や玳瑁で代用することが多い。
犀角を水牛角で代用するときは5~10倍を、玳瑁なら 10~15gを用いなければならない。
犀角・石膏は清熱の要薬であるが、犀角は血分実熱を、石膏は気分実熱を清解するので、外感熱病で気分両燔の
ときに併用すると効果が著しい。
使用上の注意 熱入営血でないときは、安易に用いるべきではない。
妊婦には慎重に用いる。
川烏頭・草烏頭を畏る。
中医以外の生薬解説
神農本草経
味苦寒、百毒蠱疰邪氣瘴氣を主どり、鈎吻鴪羽蛇毒を殺し、邪を除き迷惑魘寐せず、久服すれば身を輕くす。
「百毒」とは諸諸の毒と云こと、
「蠱疰」とは久しく滯りたる為に其處に生じたる害氣のこと、
「瘴氣」と
は山川に在る冷濕の氣にしてよく熱病を起すものなり、
「鈎吻」とはドクゼリのこと、
「鴪羽」は鴪鳥の羽
に含む猛毒をいふ、
「蛇毒」はハブやマムシの屬の毒を謂ふ、
「魘寐」とは俗に云ふウナサレルことなり。
飲食の毒に中てられ煩滿する者を治するに犀角湯を用ふれ共、同湯は方なければ知るに由なし、恐らく
犀角末を温湯にて搔き立て(よくかきまぜる)たる者の名なるべし、末はヤスリ若くは鮫の皮にて作るべ
し、古老の話に凡そ他家にて飲食するに當り犀角を持参しコッソリと之を飲食物に入れてする時はよく毒
を消して無害となすと、今金匱を見るに犀角製の箸を以て飲食物を攪き廻すに沫出づるものは此を食すれ
ば人を殺すとあり、恐らく此説の訛りしものに似たり。則ち金匱に従へば犀角はよく毒物の検出をなすも
のの如くなり、これ古昔特に中国に於ては毒殺の陰謀多かりし故なるべし。
犀角をはしかに用ふる風習は現今なほ民間に行はる、よく熱毒を解消し疹を發せしむと、又犀角、水犀
角等を犀角の代用として用ひ有効なりと称する人もありとか、同じく角と称しても犀角と諸牛の角とは角
としての物は全く別種なるに代用し得るとすれば其質は異なるともニョッキリと頭上より出でて尖りた
るものには程度の差こそあれ皆通有性ありと言ふべきか。
別 録
傷寒温疫頭痛寒熱諸の毒氣を主どり、人をして駿健ならしむ。
藥性論
中悪の毒氣を辟ぞけ疽瘡腫を治し、膿を化して水となし時疫にて熱すること火の如く、煩毒心に入り狂言妄
語するを療す。
新古方薬囊
味苦寒、強力なる解毒作用あるものとみえたり。
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