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№ 267
CONTENTS
◆トピックス 2
✣ 平成 17 年度組織定員の改正
NATIONAL VETERINARY ASSAY LABOLATORY
✣ 平成 17 年度動物用医薬品危機管理研修会
✣ 動物医薬品検査所こども見学デー(第5回)
2005.10.1
◆調査研究紹介 9
✣1999-2001 年に農場で分離された家畜由来カンピロバク
ターの薬剤感受性:JVARM 成績
✣1999-2001 年の JVARM 調査で食用動物から分離された
Salmonella Typhimurium DT104 の疫学性状
✣1999-2001 年に農場で分離された家畜由来の基質拡張型
β - ラクタマーゼ産生性大腸菌:JVARM 成績
✣ 国内の病畜由来ブドウ球菌とレンサ球菌に対する 24 薬
剤の抗菌活性の比較(短報)
◆新薬紹介 11
✣ ひらめβ溶血性レンサ球菌症不活化ワクチン
✣ シクロスポリンを含有する犬のカプセル剤
✣ ぶりビブリオ病不活化ワクチン
✣ ブロノポールを含有する魚卵の殺菌消毒剤
✣ 豚大腸菌性下痢症不活化・クロストリジウム・パーフリ
ンゲンストキソイド混合(アジュバント加)ワクチン
✣ 酒石酸ブトルファノールを含有する犬及び猫の注射剤
◆業務紹介 16
✣ 用語解説:動物用生物学的製剤の検査法
1.生物学的製剤に共通の検査法 (2)力価試験
◆Q&A 17
こども見学デー(動物観察コーナーで)
✣ 動薬検で働くためには?
◆主な行事・人の動き 17
★けやきコラム 20
1
動薬検ニュース
№ 267
平成 17 年度組織定員の改正
検査第一部長 伊藤 治
動物用生物学的製剤の製造においてシードロットシステムを導入するために、本年度から、国と業界団体において
推進のための検討等が進められているところであるが、当所が積極的かつ中心的な役割を担っていくために、10月1
日付で検査第一部の組織が整備されたので、その概要を紹介する。
1.背景及び整備
なお、この組織改正により当所の定員は、83 名から
動物用生物学的製剤の製造及び品質管理をより効率
84 名になった。
的、効果的に実施し、その品質を確保するためには、最
終小分製品(下流段階)の検査に加え、製造用のウイル
2.新組織の役割及び具体的な所掌業務
ス株、細菌株及び細胞株等のシード(上流段階)につい
シードロット監理官は、シードロットを用いて製造
て、その特異性や病原性復帰等に関する規格を定め、製
された生物学的製剤の検査に関する事務の総括を行う
造工程における継代数の制限や検査・記録等を行う
者である。具体的には、シードロットシステム全般の管
「シードロットシステム」を構築することが適当であ
理・運営、企画・調整を行うとともに、国内外の規制当
る。このため、平成 17 年4月施行の改正薬事法により
局及び関係機関とのシステムに関した連絡・調整を行
動物用医薬品の原薬(製造用株)が新たに GMP 制度の
うことを予定している。
対象となったことに合わせて、我が国でも動物用生物
標準品管理研究官は、シードロットを用いて製造さ
学的製剤についてシードロットシステムを導入し、そ
れ生物学的製剤に係る細胞株、ウイルス株、菌株及び標
の推進を図っていくことになった。
準製剤の保存及び配布に関する事務の総括を行う者で
このような中で、国が実施すべき本システムに関す
ある。具体的には、各検査室にまたがるシード等の評
る業務の中核となる者として、シードロット監理官(主
定、標準品の作製等の業務の設計・立案を行い、作製さ
任研究官の振替)及び標準品管理研究官(新規)各1名
れた標準品の管理及び製造業者の指導等の技術的な対
が検査第一部に配置された。
応を行うことを予定している。
動物医薬品検査所組織図(平成 17 年 10 月 1 日)
企画連絡室
企
画
調
整
課
技
術
指
導
課
動 物 用 医 薬 品 審 査 官
動 物 用 医 薬 品 専 門 官
庶 務 課
会 計 課
所
長
検査第一部
検査第二部
細 菌 製 剤 検 査 室
無
菌
検
査
室
魚 類 製 剤 検 査 室
ウイルス製剤第1検査室
ウイルス製剤第2検査室
鶏 病 製 剤 第 1 検 査 室
鶏 病 製 剤 第 2 検 査 室
シ ー ド ロ ッ ト 監 理 官
病原微生物検査管理研究官
主
任
研
究
官
標 準 品 管 理 研 究 官
抗 生 物 質 製 剤 検 査 室
一 般 薬 検 査 室
薬 剤 作 用 検 査 室
残 留 化 学 検 査 室
主
任
研
究
官
2
動薬検ニュース
№ 267
平成 17 年度動物用医薬品危機管理研修会
検査第二部長 橋美幸
抗生物質製剤検査室長 高橋敏雄
(現:細菌製剤検査室長)
一般薬検査室 小形智子
残留化学検査室長 小池好子
動物用医薬品に係わる危機管理対策の一環として、薬剤耐性菌発現状況検査及び医薬品の検査の実施を都道府県で
実施していただいている。それに必要な技術の習得、確認、斉一性等を目的とする危機管理研修会を本年も実施した
ので報告する。
(1)薬剤耐性菌の発現状況検査研修会
研修を含めたこれらの事業は、本年度から「食の安
全・安心確保交付金実施要領」
(平成 17 年 4 月 1 日付け
①講義等
16 消安第 10272 号消費・安全局長通知)に基づき実施
ア.事業の概要説明(衛生管理課薬事第二班及び飼料安
されることとなったが、その検査の必要性や実施体制
全基準班)
は従前と何ら変わることはなく、当所は積極的に都道
本事業が財政上、これまでの補助金制度から交付金
府県での検査を支援するために研修事業を実施してい
制度に変更されたところである。抗菌性飼料添加物及
る。今年度は、第2調査クールに入った薬剤耐性菌発現
び動物用抗菌剤が家畜等に給与又は投与された場合に
状況検査を昨年同様に全都道府県を対象として、医薬
選択される薬剤耐性菌については、食品安全委員会(食
品の検査を個別に希望する都道府県から全都道府県を
安委)に対して諮問され、現在、食安委において評価指
対象として実施することとした。前者は46都道府県、後
針に基づくリスク評価作業が進められている。農林水
者は40都府県の家畜保健衛生所等の技術者の参加があ
産省としては、今後ともリスク管理手法の選定及びリ
り、それぞれ前期及び後期に分かれて、当所において 2
スクコミュニケーションを適正に実施していくために
∼ 3 日間の日程で行われた。
は継続的な全国的レベルでの耐性菌の動向監視は必須
であると考えており、各都道府県の協力をお願いした
薬剤耐性菌発現状況検査
い。
前期(サルモネラ、腸球菌)
:
イ.耐性菌問題を巡る最近の動向(検査第二部長)
6月7日(火)∼9日(木)
動物用医薬品の承認審査資料の調和に関する国際協
後期(大腸菌、カンピロバクター)
:
力(VICH)、コーデックス委員会(特にCCRVDF)、FAO
6月14日(火)∼16(木)
/ WHO / OIE 合同会議及び OIE 専門家会議等での耐
医薬品の検査
性菌問題に関する活動、会議報告や議論及びこの1年
前期(無機質、合成抗菌剤I)
:
間の動向について概説した。
6月29日
(水)
∼30日
(木)
ウ.JVARM の第1クール及び平成 16 年度調査成績の
後期(糖類・血液代用剤、合成抗菌剤I)
:
概要と今後の展開(抗生物質製剤検査室・肥飼料検査所
7月13日(水)∼14日(木)
(肥飼検))
これまでの6年間で各都道府県において分離収集さ
4回の研修会とも無事に終了し、十分な成果を上げ
れた健康家畜の糞便由来サルモネラ、カンピロバク
たものと確信するところである。来年度以降も都道府
ター、腸球菌及び大腸菌の総計約 8,000 株についての薬
県のこの検査事業への積極的な参加を期待するととも
剤感受性試験成績及び性状解析成績等を中心に概説し
に、当所も研修事業を継続し、さらに効率的で有用な研
た。
修のあり方について検討していきたい。
エ.外部講師−「医療分野における耐性菌問題での課題
と取り組みについて−サルモネラ菌における薬剤耐性
3
動薬検ニュース
№ 267
について」(国立感染症研究所 泉谷秀昌)
査や PCR による菌種鑑別法、分離菌株の保存法及び
特に人医療上、重要視されるキノロン耐性及びセ
NCCLS−寒天平板希釈法による薬剤感受性試験等に関
フェム耐性サルモネラについて、国内外の医療現場に
する試験実習を行った。
おけるその疫学情報や特徴的な耐性獲得機構(耐性遺
伝子の解析も含めて)等を概説すると共に、耐性菌問題
に関しては、省庁横断的な調査研究体制による取り組
みが進められている国内の現状などが紹介された。
オ.話題提供
JVARMの延長線上で実施されている都道府県独自の
耐性菌に係わる調査等に関する取り組みについて、研
修会参加者よりその概略を紹介してもらう「話題提供」
を本年度から企画した。
前期:
「Mycoplasma bovis による乳房炎の発生」
(福
岡県 尾川寅太)及び「Mannheimia haemolytica が分
離された牛の呼吸器病について」(熊本県 村上美雪)
実習風景(腸球菌)
後期「健康畜における抗菌性物質使用歴と耐性大腸
菌の定点観測」
(埼玉県 吉田輝美)及び「搾乳牛由来
③調査事業の実施及び調査成績の報告等
多剤耐性 Salmonella Newport」(群馬県 野末紫央)
調査成績の報告は、各担当菌種ごとにデータの送付と
共に、所定の報告様式により行う。なお、本年度より調
査報告書及び分離菌株の送付先は、腸球菌関係は肥飼
検、それ以外の菌種は当所とした。
なお、当所と肥飼検において、疫学的解析を含めて各
都道府県から送られてきた成績の取りまとめを行い、公
表していく予定である。
(2)品質確保検査研修会
①講義等
ア.事業の概要説明(衛生管理課薬事・飼料安全室監視
指導班長)
総合討論風景
本事業は今年からこれまでの補助金制度から食の安
全・安心確保交付金制度に変更され、都道府県の実情に
カ.総合討論
あった使い方ができるようになった。交付金を活用した
各都道府県から当日提示された具体的な検査技術に
事業メニューの実施に当たってのガイドラインの中に、
係る課題及び事業全体に係る課題等に関する意見・質
生産衛生の確保があげられている。
その中の動物用医薬
問事項等に対して、当所と肥飼検を中心に質疑応答が
品の危機管理の一環として、
「管内の医薬品販売業者等
なされ、本年度以降の円滑な調査実施に向けて意見交
から医薬品の収去を行い、表示や品質についての検査を
換が図られた。
行う」こととされており、本研修会は、検査を円滑に実
施するために、国が動物用医薬品の危機管理対策に関す
②試験実習の概要
る研修会を開催することとなっていることを受けて、前
調査対象であるサルモネラ、カンピロバクター、腸球
期後期の2回に分けて、研修会を行うものである。
菌及び大腸菌の各菌種ごとに、本調査事業の遂行に最
イ.品質確保における最近の状況(検査第二部長/一般
低限必要な具体的な試験手順書等の資料を策定した。
薬検査室)
これら配布テキストに基づき、試験方法の概要を説
品質確保研修会は昭和56年度から平成11年度まで開
明すると共に、実際の分離選択培養法、生化学的性状検
催され、一旦中断したが、要望により平成 15 年度から
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動薬検ニュース
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個別研修の形で再開していた。さらに、その重要性と研
オ.総合討論
修参加希望の多いことから、今年度から再び全国規模
販売業者での収去の時の抜き取り本数と製剤包装形
での研修会としての実施となった。都道府県での検査
態との関係、抜き取りに伴う補填について等について
の必要性及び重要性について説明し、研修者には反復
質問があった。また、都道府県に不適合の回答があって
して研修に参加し、各種の検査技術を広く収得するこ
から、国が薬事法に基づく処分を実施するまでの時間
とを要望した。
差が生じることから、その間に都道府県ができること
都道府県と国との検査対象医薬品の仕分け、都道府
について、実際に不適合を出した県からの実例も交え
県での検査実施状況及び不適合事例、当所における収
て活発な意見交換がなされた。
去検査成績(国の収去検査では表示等の不適合や指導
も多いこと等)を概説した。
②実習概要
ウ.品質検査に必要な日本薬局方について(一般薬検査
一般薬検査室では、前期に無機質製剤、後期に糖類・
室)
血液代用剤について講義及び実習を行った。講義は吸
品質検査の実施が初めてという人のため、まず最初
光度法及び滴定法の原理、器具の基本操作、定量におけ
に、検査に繁用される日本薬局方について説明、その役
る留意点の説明を行い、その後、当所で準備した製剤を
割や活用のされ方、構成について説明した。次に、検査
用いて、秤量、試薬等の調製、測定、測定値から製剤の
を実施するのに必要な一般的規定を定めた通則につい
含有量を求め規格値内であるか否かの判定までの一連
て、その用語などの解釈について、重要な項目にしぼっ
の操作の実習を行った。
て説明し、あわせて実際の例示を示し、解説を行った。
残留化学検査室では、合成抗菌剤Ⅰ(チアンフェニ
エ.品質確保のためのガイドライン(検査第二部長/残
コール、オキソリン酸及びナリジクス酸を含有する製
留化学検査室)
剤)について講義及び実習を行った。高速液体クロマト
品質検査は、医薬品が有効かつ安全に使用されるた
グラフ法、吸光度法及び滴定法に関する原理説明、各種
めに行われるものである。このため、承認申請時に物理
操作の留意点の説明後、当所で準備した製剤を用いて
的・化学的試験(規格及び検査方法の設定根拠など)、製
定量試験を行い、結果判定までの一連の操作の実習を
造方法、安定性に関する関する資料を求めている。これ
行った。また、オキソリン酸の標準品についても滴定を
らの資料の作成については、薬事・飼料安全室長通知に
用いた定量を行った。
より試験実施方法のガイドラインが示されていており、
研修の参加者からは実習で行った操作法だけでなく、
その内容は日本だけでなく、米国、EU、カナダ、オー
化学分析全般において様々な質問が寄せられ、有意義
ストラリア、ニュージーランドでの国際的な調和が図
な研修となった。今後は、今回の研修で習得した知識や
られたものである。これらガイドラインの作成を行っ
技術を生かして、実際に収去した製剤についても正確
ている VICH の活動について紹介した。
な判定がなされるよう期待したい。
実習風景(合成抗菌剤Ⅰ)
実習風景(無機質製剤)
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動薬検ニュース
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農林水産省動物医薬品検査所
こども見学デー(第5回)
子供見学デーの概要
実験動物とのふれあいと観察などの各種参加型の催し
当所では、8 月 25 日(木)、26 日(金)、
「こども見学
も行い、大好評でした。以下、個々の催しについて紹介
デー」を開催しました。本年で5回目となりましたが、
します。皆様にも当日の楽しい雰囲気を少しでもお伝
小学校5年から中学校の児童を対象として、近隣市の広
えできれば幸いです。
報誌及び国分寺市教育委員会(校長会)でご案内したと
(企画連絡室長 山本 実)
ころ、68 名の参加者を得て大盛況でした。なお、本年
は、台風 11 号が 26 日未明千葉県に上陸しました。事前
見学デーのスケジュール
にその影響が懸念されたことから、開催前日、参加者全
①受付
員へ、各ご家庭で当日の気象状況等を判断して十分注
②プリクラ用シール撮影
意して参加頂くよう伝えるとともに、参加日の変更希
③展示物の見学
望があるか確認しました。また、25日は朝から雨で、午
④スライドショーによる当所の業務紹介
⑤ 一日科学者体験
後には土砂降りとなったため屋外見学を中止しました。
ア ハンドペタンチェック
翌26日は台風一過の好天でとても暑い一日となりまし
イ 検卵コーナー
た。開催に当たり多大なご理解とご支援を賜りました
ウ 顕微鏡観察
エ 動物観察
市役所のご担当の方々、忙しい業務の合間に準備を進
⑥アンケート回収後、プリクラのプレゼント
め、当日は、悪天候と元気いっぱいの子供を相手に奮闘
していただいた職員一同に、この場をお借りして、厚く
お礼申し上げます。
さて、この「こども見学デー」は、子供たちに動物用
医薬品はもとより、動物と病気、食の安全・安心の確保
などについて幅広く興味を持ってもらい、当所の役割
と意義を理解してもらうことにあります。当日は、スラ
イドショー、所内見学、説明パネルや動物用医薬品の展
示とともに、一日科学者体験として、ハンドペタン
チェック(手の細菌培養)、発育鶏卵の検卵、光る大腸
菌、染色した細菌、培養細胞やミジンコの顕微鏡観察、
パネルの前で
○スライドショーによる業務紹介
2日目の午前中を担当しました。台風直撃でどうなっ
てしまうのだろうか、という不安を抱えつつ準備をす
るも、無事に子供たちの前で話をすることができまし
た。
例年通り、動物用医薬品と我々の生活との関わりや
動物の病気について、また動物用医薬品の有効性・安全
性の確保について、当所の業務内容を絡めながら説明
雨の中でも見学しました
を行いました。その中で感じたことは子供たちに説明
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動薬検ニュース
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することの難しさです。専門用語を使えないのはもち
を行いました。培養に一晩かかってしまうので、培養後
ろんですが、いかに分かりやすく話すかに骨を折りま
の様子を写真に撮り、家に送りました。子供たちがその
した。写真を見てもらいながら、その状況に入り込んで
写真を見て、どのように感じたのか直接聞けなかった
いってもらうのが一番ではないかと思います。今年は
のが残念です。 (細菌製剤検査室 守岡綾子)
スライドの中にクイズが追加され、子供たちには〇×
の札を持って参加してもらいました。子供たちのハー
検卵コーナー
トをつかむことができたのではないかと思います。国
検卵コーナーでは、最初にワクチンの検定等のため
内で飼育されている鶏の数や狂犬病の予防接種を受け
には鶏胚が元気に育っている卵が必要であることや発
ている犬の数等の問題でしたが、正答率はなかなかの
育鶏卵の構造について説明しました。次に 13 日∼ 14 日
ものでした。様々な場面でプレゼンテーションをする
齢の発育鶏卵、発育停止卵(10 日齢)、無精卵の三種類
機会はありますが、子供たちが見ているということで
の卵を実際に検卵して見せながら、それぞれの卵の見
いつも以上にプレッシャーのかかったスライドショー
分け方を説明しました。卵に検卵器の光を当てると、子
でした。
供たちは初めて見る小さな命に驚き、目を輝かせての
ぞき込んできました。その後、5 個の発育鶏卵の中に 1
(ウイルス製剤第2検査室 小佐々隆志)
つだけ混ざっている発育停止卵を見つけるというゲー
ムを行いました。ゲーム用の卵を3セット用意したとこ
ろ、子供たちは全てのセットで正解するまで粘り強く
観察するなど熱心に取り組み、また、検卵をしているう
ちに生きている卵の温かさを実感し、取り扱う手つき
も慎重になっているのが印象的でした。子供たちに
とっては、当所の業務の一端を理解すると同時に、身近
でなじみのある卵を命あるものとして見ることができ、
さらに生命を尊重する気持ちを身につける貴重な機会
になったと思います。
(鶏病製剤第1検査室 吉永麻希子)
クイズはわかったかな?
○ハンドペタンチェック
○顕微鏡を使った展示
「ハンドペタンチェック」コーナーでは、身の回りに
顕微鏡を使った展示では、各種顕微鏡を計 4 台用い、
も細菌は存在することを実感してもらうために、手に
グラム染色した大腸菌及びブドウ球菌、イヌ腎細胞や
付着している細菌を培地で増殖させたものを観察して
ネコマクロファージなどの培養動物細胞、遊泳するオ
もらいました。実際に子供たちにも手を培地につけて
オミジンコの観察を行いました。また、光る大腸菌の肉
(ハンドペタンチェック)もらいました。最初は数人に
眼観察も行いました。子供たちは、学校の授業でこれら
やってもらうという予定でしたが、たくさんの子供た
のものについて教わり、写真等では見ていてもなかな
ちが希望したので、ほぼ全員がハンドペタンチェック
か本物を見る機会がないので、見たものが授業で教
これが細菌なの?
よく見えるかな?
7
動薬検ニュース
№ 267
わった知識と一致することに興味を惹かれている様子
でした。また、細菌とオオミジンコについては、今回は
新たにCCDを用いてテレビ画面に拡大像を写すことに
より、説明を受けながら観察することができたことか
ら、生物について一層興味を持ってもらえたのではな
いかと思います。
(薬剤作用検査室 江口 郁)
○小動物の観察
第二会議室では小動物の展示が行なわれました。展
ラットの骨格標本の前で
示されたのは、ウサギ、モルモット、スナネズミ、ヒヨ
コ、ハムスターで、各検査室や個人から提供されまし
た。ウサギは気性が荒かったため触ることが出来ませ
また毒性試験に用いたラットの骨格標本や胎子標本
んでしたが、他の動物は自由に触ってもらいました。子
も展示されました(写真)。
供たちは最初は怖がっていましたが、見学の最後にな
医薬品展示コーナーでは、動物用の様々な医薬品の
るととても慣れて、特に人気のヒヨコは取り合いにも
うち、駆虫薬やフィラリア予防薬、リンゲル液などの一
なっていました。意外にも家庭で動物を飼っている子
般医薬品を展示しました。動物用医薬品といっても、成
供は少なく、飼っていても魚や昆虫と、普段から動物と
分は人間用とほとんど同じであること、一方で犬のお
の触れ合いが少ないと知りました。動物と戯れる子供
やつタイプの薬剤や、皮膚に滴下するタイプの薬剤な
たちを見ていて、この見学デーを機会に動物を大切に
ど、動物特有の剤型があることを説明しました
する気持ちを持ってもらえたらと思いました。
どちらのコーナーでも、説明を聞いたり質問をしな
(ウイルス製剤第2検査室(現:消費・安全局畜水産安全管理課)
がら、熱心に見学していた子供が見られました。パネル
野田紗知子)
展示の一角にあったカラムクロマトグラフィーの見本
(カラム中の充填剤に色とりどりのサンプルを流して
あったもの)の仕組みの説明を興味深く聞いている子
供もいました。初日は開始前の展示の見学の時間があ
まりとれませんでしたが、二日目は、見学開始前にも後
にもゆっくり展示を見学する時間がありましたので、
子供たちには十分に当所の業務の一端を理解してもら
えたことと思います。
(鶏病製剤第 2 検査室 岩本聖子)
動物のお医者さんになったみたいだね。
○パネル・医薬品等の展示コーナー
パネルの展示コーナーでは、①口蹄疫、BSE(牛海面
状脳症)など防疫上重要な疾病、②医薬品の動物におけ
る残留とその検査法、③当所で試験を行う獣医師や薬
剤師の仕事、④当所員の海外における活躍について、各
検査室のご協力のもと、写真や図を含めてわかりやす
く作成されたパネルが展示されました。
また来年も来てね
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動薬検ニュース
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調査研究紹介
1999-2001 年に農場で分離された家畜由来カンピロバクターの
薬剤感受性:JVARM 成績
○石原加奈子、吉良智子、荻窪かおり、守岡綾子、
小島明美、木島まゆみ、高橋敏雄、田村 豊
全国レベルでの日本国内の農場における健康家畜
を示した。なかでも、マクロライド系には C. jejuni の
(肥育牛、肥育豚、採卵鶏及びブロイラー)由来カンピ
全株が感受性であったのに対し、C. coli は48.4%が耐性
ロバクターの薬剤感受性モニタリングを行うため、
であった。フルオロキノロン耐性は、ブロイラー由来
1,098 検体の糞便を被検材料として 1999 年6月から
C. cejuni では 12.0%、採卵鶏由来 C. jejuni では 2.6%で
2001 年3月までの間に合計 468 株のカンピロバクター
あり、日本におけるフルオロキノロン耐性レベルは諸
を分離収集した。これら分離菌株について、寒天平板希
外国に比べ、全体に低い傾向にあると考えられた。
釈法による薬剤感受性試験を実施した結果、分離株は
(Antimicrobial susceptibility of Campylobacter isolated
オキシテトラサイクリン及びジヒドロトレプトマイシ
from food-producing animals on farms(1999-2001):
ンに最も高い耐性率を示した。菌種間での比較では、ア
results from the Japanese Veterinary Antimicrobial
ミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン
Monitoring Program. International Journal of Antimi-
系及びキノロン系の抗菌剤に対して、Campylobacter
crobial Agents 24, 261-267, 2004, 英文)
coliはCampylobacter jejuniと比べて有意に高い耐性率
1999-2001 年の JVARM 調査で食用動物から分離された
Salmonella Typhimurium DT104 の疫学性状
○江嵜英剛、守岡綾子、小島明美、石原加奈子、浅井鉄夫、田村 豊、
泉谷秀昌 1、寺島 淳 1、渡辺治雄 1、高橋敏雄(1 国立感染症研究所)
これまでの JVARM の全国調査で、食用動物からア
フィールド電気泳動型に分類された。今回の全国調査
ンピシリン、クロラムフェニコール、ストレプトマイシ
により食用動物に分布する DT104 は、耐性パターンと
ン、テトラサイクリン及びサルファ剤に耐性を示す多
パルスフィールド電気泳動型では、少なくとも 11 種類
剤耐性 Salmonella Typhimurium ファージ型 104
が認められた。
(DT104)が分離されることを報告した。そこで、分子
(Epidemiological characterization of Salmonella
疫学的解析を行うため、1999 ∼ 2001 年に国内の牛と豚
Typhimurium DT104 prevalent among food-producing
から分離された S. Typhimurium DT104 57 株につい
animals in the Japanese Veterinary Antimicrobial Resis-
て、パルスフィールド電気泳動型と薬剤耐性パターン
tance Monitoring Program (1999 - 2001). を用いて分類した。解析の結果、大部分の株は典型的な
Microbiology and Immunology. 48, 553-556, 2004, 英文 .)
5剤耐性以上の耐性パターンを示し、4つのパルス
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動薬検ニュース
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1999-2001 年に農場で分離された家畜由来の基質拡張型
β - ラクタマーゼ産生性大腸菌:JVARM 成績
○小島明美、石井良和 1、石原加奈子、江嵜英剛、浅井鉄夫、織田千歳、高橋敏雄、
田村 豊 2、山口惠三 1 (1 東邦大学医学部微生物学講座、2 酪農学園大学獣医学部)
1999年から2002年の国内の家畜衛生分野における耐
と豚に限局的な用法で適用が承認されているが、承認
性菌の薬剤感受性調査(JVARM)において、健康家畜
された薬剤のない鶏にだけ耐性株が出現していること
(肥育牛、肥育豚、産卵鶏及び肉用鶏)から収集された
から、家畜におけるセフェム系薬剤の使用が直接に
大腸菌 2,747 株について、薬剤感受性試験を実施した。
ESBL やプラスミド性 CMY-2 産生株を出現させている
その結果、肉用鶏由来の 18 株にセフェム耐性が認めら
とは考え難い。今回の調査では、家畜におけるセフェム
れた。国内の獣医療では、セフェム系薬剤は牛と豚に限
耐性株の出現率は非常に低く、これらが直接に人の医
局的な投与法でのみ適用が認められているが、鶏には
療に影響を及ぼす可能性は低いと考える。今後は、セ
承認されていない。そこで、これら 18 株のセフェム耐
フェム耐性株の出現に関して、動物、人及びそれらの環
性機構を調べたところ、CTX-M 型の基質拡張型β - ラ
境も含めた調査が必要になると思われる。
クタマーゼ(ESBL)産生株が 6 株、CMY-2 産生株が 8
(Extended-spectrum β-lactamase-producing Escheri-
株、ampCのプロモーター領域に変異が認められる株が
chia coli strains isolated from 1999 to 2002: report from
8 株(うち 4 株は CMY-2 型)であった。CTX-M 型及び
the Japanese Veterinary Antimicrobial Monitoring
CMY-2型の耐性遺伝子はいずれも伝達性プラスミドに
Program. Antimicrobial Agents and Chemotherapy
コードされており、セフェム耐性とともに他の系統の
Vol.49, No.8, p3533-3537, 2005, 英文)
薬剤耐性も伝達された。国内では、セフェム系薬剤は牛
国内の病畜由来ブドウ球菌とレンサ球菌に対する 24 薬剤の抗菌活性の比較
守岡綾子、浅井鉄夫、石原加奈子、小島明美、田村 豊、高橋敏雄
2000年に病畜から分離されたブドウ球菌88株とレン
豚の関節炎由来の Staphylococcus epidermidis で、
サ球菌 61 株を用いて、日本化学療法学会法に準じた寒
もう 1 株は、牛の乳房炎由来の Staphylococcus cohnii
天平板希釈法で 2 4 剤の最小発育阻止濃度を調べた。
であった。
ブドウ球菌ではアンピシリン(36.4%)とベンジルペニ
(In vitro activity of 24 antimicrobial agents against
シリン(35.2%)に対する耐性率が高く、レンサ球菌で
Staphylococcus and Stheptococcus isolated from
は、オキシテトラサイクリン(45.9%)とカナマイシン
diseased animals in Japan J.Vet.Med.Sci.67(2):207-
(21.3%)に対する耐性率が高かった。2 株のオキサシ
210.2005, 英文)
リン耐性株は、mecA 遺伝子を保有していた。1 株は、
10
動薬検ニュース
№ 267
新薬紹介
ひらめβ溶血性レンサ球菌症不活化ワクチン
(平成 16 年 12 月 15 日承認)
ヒラメのβ溶血性連鎖球菌症の予防のための注射用
6.検定試験の概要
不活化ワクチンの製造承認がなされたので、その概要
小分け製品について以下の試験を行う。
を紹介する。
○無菌試験
1.成分及び分量
一般試験法の無菌試験法により試験を行い、こ
れに適合しなければならない。
1 バイアル 500 mL中
○安全試験
主剤 不活化ストレプトコッカス・イニエF2K株
11
体重 30 ∼ 150 gのひらめ 40 尾以上を 24 時間以
不活化前菌数 5 × 10 CFU 以上
2.用法及び用量
上餌止めした後、1 群 20 尾以上の 2 群に分ける。1
ヒラメ(体重約 30 ∼ 300 g)の腹腔内(有眼側
群のひらめに試験品 0.1 mLを腹腔内に注射し、試
胸鰭基部から胸鰭中央部にかけての下方)に連
験群とする。他の1 群は対照群とし、試験群と同様
続注射器を用い、0.1 mLを注射する。
の方法でリン酸緩衝食塩液を注射する。その後、そ
3.効能又は効果
れぞれ水温 20℃、循環式で飼育し、14 日間観察す
ヒラメのβ溶血性連鎖球菌症の予防。
る。ただし、安全試験最終日の前日から飼育水温を
4.有効期間
約 1 日かけて 25℃に上昇させる。試験群及び対照
2年間
群に臨床的な異常を認めてはならない。
5.特筆すべき使用上の注意
○力価試験
・本剤の注射は獣医師又は指導機関(家畜保健衛生
安全試験の最終日の前日から24時間以上餌止め
所、魚病指導センター、水産試験場等)において接
した試験群及び対照群それぞれ 20 尾以上を、対照
種技術の指導を受けたもののみが行うこと。
群の死亡率が 70%と予測されるストレプトコッカ
ス・イニエ強毒菌液で 30 分間浸漬して攻撃した
・本剤の使用に当たっては、用量が確実に注射でき
る連続注射器を用い、また、下表に基づいた深度で
後、飼育水温 25℃を2∼ 4 時間かけて 27℃に上昇
注射可能な注射針を使用すること。
させ、14 日間観察して各群の生死を調べる。次式
により試験品の有効率を求めるとき、有効率は 60
%以上でなければならない。この場合、対照群で
は、60%以上が死亡しなければならない。
表 注射針の深度について
魚種
魚体重
注射針の深度
(g)
(mm)
30 ∼ 200
3
201 ∼ 300
4
試験群の死亡率
有効率=1− ──────── × 100
ひらめ
対照群の死亡率
(魚類製剤検査室長 野牛 一弘)
11
動薬検ニュース
№ 267
シクロスポリンを含有する犬のカプセル剤
(平成 17 年 1 月 13 日承認)
シクロスポリンを有効成分とする犬用のカプセル剤
内反応試験を行うこと。
が承認されたので、その概要を紹介する。シクロスポリ
・食物アレルギーの症状には、本剤を投与しないこと。
ンは、人体用で主に免疫抑制剤として使用されており、
・アトピー性皮膚炎のうち、ノミアレルギー性皮膚
動物用では既に犬の乾性角結膜炎に眼軟膏剤として承
認されている。本剤は、犬のアトピー性皮膚炎に用いる
炎併発している場合は、それが完治するまで本剤
を投与しないこと。
免疫抑制剤であり、慎重な投与が必要とされる製剤で
・本剤の投与によって既存の感染症が悪化する可能
ある。本剤には、有効成分をそれぞれ 10、25、50 又は
性があるため、皮膚、全身等の感染症がある場合
100mg 含有する 4 品目がある。
は、それらが完治するまで本剤を投与しないこ
1.成分及び分量
と。また、再発あるいは他の感染症に罹患した場
1 カプセル中 シクロスポリン 10、25、50 又は 100mg
合は、感染症に対する適切な治療を行い、改善しな
2.用法及び用量
い場合は本剤の投与を中止すること。
1 日 1 回体重 1kg 当りシクロスポリン 5mg を基準
・季節性のアトピー性皮膚炎には、有効性が認めら
量として、下記の量を 4 週間連続経口投与する。な
お、本剤は食餌から 2 時間以上あけて空腹時に投与
・本剤投与中のワクチン接種については、生ワクチ
し、投与後 2 時間は食餌を与えないこと。投与開始
ンは禁忌とし、不活化ワクチンは免疫応答が阻害
4 週間以降に臨床症状の改善が認められた場合には、
される可能性があるので慎重に接種し、継続的に
症状に応じて投与間隔を隔日または週 2 回に漸減す
観察すること。
ることができる。ただし、投与期間は8 週間を超えな
れていないので使用しないこと。
・本剤の投与によって膵臓β細胞からのインスリン
いこと。
の分泌に影響を与える可能性があるので、糖尿病
3.効能又は効果
が疑われる犬には本剤を使用しないこと。
犬:難治性のアトピー性皮膚炎における症状の緩和
・悪性腫瘍の症例には、本剤を投与しないこと。
4.特筆すべき使用上の注意
2 適用上の注意
(1)一般的注意
・掻痒及び皮膚炎などの臨床徴候はアトピー性皮膚
・本剤は定められた用法用量を厳守すること。臨床
炎固有の症状ではないため、必ずアトピー性皮膚
症状の改善は、通常4週間から6週間でみられるが、
4週間を経過しても臨床症状の改善がみられない
・本剤は肝障害の疑いのある犬に対して投与した場
場合には、本剤の投与を中止すること。
炎の確定診断を実施してから本剤を投与すること。
合、本剤の代謝あるいは胆汁中への排泄が遅延す
・本剤は、主に T リンパ球に由来する犬の免疫機能
る恐れがあるため、肝障害の疑いのある犬に投与
の抑制剤であることから、投与により犬の免疫機
する場合は、肝障害の有無を確認して投与を開始
能が損なわれる可能性があるので、慎重に投与す
し、頻回に臨床検査(血球数算定、ビリルビ
ること。
ン、AST、ALT 等)を行うなど、観察を十分行い
・本剤の投与前に血液検査により肝臓等の機能を検
慎重に投与すること。
査し、必要に応じて本剤の血中濃度のモニターを
・腎障害の疑いのある犬に投与する場合は、腎障害
実施し、慎重な投与を行うこと。
(2)対象動物に対する注意
の有無を確認して投薬を開始し、頻回に臨床検査
(血球数算定、クレアチニン、BUN、尿検査等)を
1 制限事項
行うなど、観察を十分行い慎重に投与すること。
・本剤は 6ヵ月齢未満及び体重 2kg 未満の犬、妊娠期
・高齢犬では一般に生理機能(腎機能、肝機能、免
間中及び授乳期間中の雌犬に投与しないこと。
・本剤の投与に際しては Willemse の診断法等を用
疫機能等)が低下しているので、臨床症状を観察
しながら慎重に投与すること。
いてアトピー性皮膚炎の診断を厳密に行うこと。
(一般薬検査室主任研究官 小形智子)
また、必要に応じて血中抗原特異的 IgE 測定や皮
12
動薬検ニュース
№ 267
ぶりビブリオ病不活化ワクチン
(平成 17 年 1 月 18 日承認)
ビブリオ・アングイラルム J‐O- 3型によって引き起
6.検定試験の概要
こされるぶりのビブリオ病の予防のための浸漬用不活
小分け製品について以下の試験を行う。
化ワクチンの輸入承認がなされたので、その概要を紹
○無菌試験
介する。
一般試験法の無菌試験法により試験を行い、こ
1.成分及び分量
れに適合しなければならない。
本品1ボトル 500 m L 中
○安全試験
体重 1.0 ∼ 10.7g のぶり 40 尾以上を 24 時間以上
主剤 ビブリオ・アングイラルム
餌止めした後、1 群 20 尾以上の 2 群に分ける。試験
Ft257 株(J-O-3 型)
12
不活化前菌数 2.5 × 10 ∼ 5.0 × 10
12
品を人工海水で10倍に希釈した接種材料1,000mL
2.用法及び用量
当たり、ぶりの総体重 370g 以下となる割合で 1 群
ワクチン 1 本(500 m L)と海水 4.5L を混合したも
のぶりを 30 秒間浸漬し、試験群とする。他の 1 群
のを使用ワクチン液とし、平均体重 1.0 ∼ 3.4 gのブ
は対照群とし、試験群と同様の操作で人工海水に
リを通気しながら 30 秒間浸漬する。なお、使用ワク
浸漬する。その後、それぞれ水温 22℃、循環式で
チン液5L 当たり、1 回に処理する総体重は1.85kgま
飼育し、21 日間観察し、試験群及び対照群に臨床
でとし、同じ使用ワクチン液を 3 回まで使用できる。
的な異常を認めてはならない。
3.効能又は効果
○力価試験
ビブリオ・アングイラアルム J-O-3 型によって引き
安全試験の最終日の前日から24時間以上餌止め
起こされるブリのビブリオ病の予防
した試験群及び対照群それぞれ 20 尾以上を、対照
4.有効期間
群の死亡率が 80%と予測されるビブリオ・アング
製造後 2 年 11ヶ月
イラルム J-O-3 型強毒菌液で 2 分間浸漬して攻撃し
5.特筆すべき使用上の注意
た後、14 日間観察して各群の生死を調べる。試験
・本剤の使用に当たっては、指導機関(家畜保健衛
群の生存率は、対照群のそれより有意に高い値を
生所、魚病指導センター、水産試験場等)の直接の
示さなければならない(Fisherの直接確立計算法、
指導を受けて使用すること
P<0.05)。この場合、対照群では、60%以上が死亡
しなければならない。
(魚類製剤検査室長 野牛 一弘)
ブロノポールを含有する魚卵の殺菌消毒剤
(平成 17 年 2 月 14 日承認)
ブロノポールを有効成分とする水産用の液剤が承認
ている。また、水産業界においては受精卵の消毒にマラ
されたので、その概要を紹介する。ブロノポールは、細
カイトグリーンが用いられてきたが、マラカイトグ
菌のチオール基を含む酵素活性を阻害し、菌体の細胞
リーンは発癌性など毒性に懸念がもたれることから、
膜を変性・破壊することにより静菌又は殺菌作用を示
日本では使用が禁止されることになったため、その代
すことから、抗菌性の保存剤として世界的に用いられ
替薬の開発が望まれていたものである。
13
動薬検ニュース
№ 267
1.成分及び分量
4.特筆すべき使用上の注意
1 L中 ブロノポール 500 g
・本剤を成魚、稚魚、対象水産動物以外の魚卵及び食
2.用法及び用量
受精後24時間から発眼卵として検卵するまで飼育水
・本剤の投与前には対象魚卵について検査し、異常
用の魚卵には使用しないこと。
を認めた場合は投与しないこと。
1L当り本剤 0.1mL を均一に混ぜ(ブロノポールとし
て 50mg/L)、1日1回 30 分間薬浴する。ただし、流水
・本剤は水生生物に対する毒性が強いので、薬液を
下(滴下式)で使用する場合には、以下の計算式によっ
河川等に廃棄する際には、当該河川等の水量なら
て投薬時間及び本剤必要量を算出すること。
びに流量を勘案し、環境中で速やかに本剤が 3333
投薬時間(分)=
飼育水槽容量(L)
―――――――――
流量(L/分)
倍以上(ブロノポールとして 15 μ g/L 未満)に希
+30
釈されることを事前に確認すること。必要に応じ
て、十分な量の水であらかじめ希釈してから排水
{(流量(L/分)×投薬時間)}+滴下用水
本剤必要量(mL)= 滴下用水槽及び配管容量(L)
――――――――――――――――――
10
する等の環境汚染防止策を講じること。
・ウサギにおいて、平均胎児体重の減少及び骨化遅
延を伴う胎児数の増加(80mg/kg/day、経口投与)
が認められたとの報告がある。
3.効能又は効果
(一般薬検査室主任研究官 小形智子)
ニシン目魚類:孵化を目的とした魚卵消毒(ミズカビ
類(Saprolegnia diclina)の寄生繁茂の蔓延抑制)
豚大腸菌性下痢症不活化・クロストリジウム・パーフリンゲンス
トキソイド混合(アジュバント加)ワクチン
(平成 17 年 1 月 26 日承認)
腸管毒素原性大腸菌及びクロストリジウム・パーフリ
分娩の約 3 週間前に1回注射を行う。
ンゲンス C 型菌(以下「CP-C 型菌」という)は、それ
3.効能又は効果
ぞれ、哺乳期にある子豚の下痢症及び壊死性腸炎の原
哺乳豚の、線毛抗原4種をそれぞれ保有する大腸菌及
因となっていると考えられている。母豚を免疫し、乳汁
び LTB 産生大腸菌による下痢、並びに CP-C 型菌によ
免疫によりこれらの疾病を予防するためのワクチンが
る壊死性腸炎の予防。
新たに承認されたので概要を紹介する。
4.検定の概要
1.成分
小分製品について次の試験を行う
線毛抗原 K88、K99、987P 及び F41 (以下、線毛抗
○無菌試験及び毒性限度確認試験
原4種という)を保有する大腸菌の培養菌液を不活化
動物用生物学的製剤基準の一般試験法に従って試験
したもの及び易熱性エンテロトキシン(以下「LTB」と
を行う。
いう)産生大腸菌培養菌液の遠心上清、並びに CP-C 型
○線毛抗原4種及び LTB の力価試験
菌の培養菌液を無毒化したものの遠心上清をそれぞれ
次の(ア)又は(イ)による力価試験を行う。
混合し、アルミニウムゲルアジュバントを添加したも
(ア)相対力価による力価試験(動物を使用しない試験)
の。
試験品より抽出した抗原成分及び参照用抗原の2倍
2.用法及び用量
階段希釈液を作製し、ELISAプレートに固相化する。こ
妊娠母豚の頚部筋肉内にワクチンを注射する(一回
れを各抗原に特異的な抗体で検出する。各検体の吸光
の注射量は 2 mL)。分娩の約 6 週間前に初回注射を行
度を測定し、参照用抗原の量に対する試験品の相対量
い、3 週間後に 2 回目の注射を行う。次回の妊娠からは
を統計学的に算出する。このとき、標準品の抗原量を
14
動薬検ニュース
№ 267
1.0 として、試験品から得られた抗原の相対量は 1.0 以
○クロストリジウム・パーフリンゲンストキソイドの
上でなければならない。
力価試験
(イ)抗体測定法による力価試験(動物を使用する試験)
試験品を3週間隔で2回、兎の皮下に注射する。第2
試験品を必要に応じて希釈し、モルモット又はマウ
回注射後2週目に得られた血清について、
血清の1∼5
スの皮下に注射する。注射後3週目に各個体の血清を
倍希釈液を作成し、規定濃度の CP-C 型菌β毒素液と混
階段希釈し、ELISA プレートに固相化した抗原と反応
合する。
各混合液を1群5匹のマウスに尾静脈内接種し
させる。吸光度値が0.9 以上を示した血清の最大希釈倍
24 時間後に観察する時、1倍以上の希釈血清で中和し
数を抗体価とし、免疫群血清の 80%以上がそれぞれ所
た群のマウスが、全数生存していなければならない。
(無菌検査室長 能田 健)
定の抗体価を示さなければならない。
酒石酸ブトルファノールを含有する犬及び猫の注射剤
(平成 17 年 2 月 21 日承認)
酒石酸ブトルファノールを有効成分とする犬猫用の
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場
注射剤が承認されたので、その概要を紹介する。酒石酸
合にだけ使用すること。なお、ラットの生殖試験
ブトルファノールは部分オピオイド作動薬であり、非
で、大量の皮下投与による胎子に遅発性の哺育行
動異常が報告されている。
麻薬性の鎮痛剤である。
・循環器系の疾患のある犬又は猫或いは一般状態の
1.成分及び分量
悪い犬又は猫に対しては、慎重に投与すること。
1 mL 中 酒石酸ブトルファノール 5 mg
・犬又は猫への反復投与に関する本剤の有効性及び
2.用法及び用量
安全性は確認されていない。
通常、体重 1 kg あたり下記量を筋肉内注射する。
犬:酒石酸ブトルファノールとして 0.1 ∼ 0.3mg
・本剤の投与後、ときに呼吸数、心拍数の低下及び
猫:酒石酸ブトルファノールとして 0.1 ∼ 0.4mg
徐脈がみられることがあるので、観察を十分に行
3.効能又は効果
い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う
犬・猫:術後の鎮痛
こと。
・全身麻酔剤との併用を行う場合にあたっては、犬
4.特筆すべき使用上の注意
・動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報
又は猫の脈拍、呼吸及び体温等の生命徴候を監視
告されているので、授乳中の犬又は猫に投与する
するなど十分全身状態の観察を行うことが望まし
場合には授乳を中止すること。
い。
・6ヵ月齢未満の犬又は猫に対する本剤の有効性及
・ラット生殖試験で、大量投与による性行動抑制作
び安全性は確認されていない。
ている。
・胎子に対する安全性は確立されていないので、妊
用により、母ラットに交尾時間の遅延が報告され
(一般薬検査室主任研究官 小形智子)
娠又は妊娠している可能性のある犬又は猫には、
15
動薬検ニュース
№ 267
業務紹介
用語解説:動物用生物学的製剤の検査法
∼動物用医薬品の検査はたくさんの種類があり、製剤によって行われる検査も様々です
前回に引き続き、動物用生物学的製剤の検査法を紹介します∼
1.生物学的製剤に共通の検査法 (2)力価試験
鶏病製剤第2検査室長 荒尾 恵
力価試験はワクチンの有効性を評価する試験である。
発され、試験法として採用されている。その場合の評価
ワクチンでは、多くの場合、試験品の 1 頭分を動物に接
指標として参照抗原を用い、試験の安定性を確保する
種して免疫を付与した後、強毒ウイルス又は菌で攻撃
と同時に相対評価の対象として用いられる。例えば、狂
接種をしてその反応で評価する方法(攻撃試験法)と、
犬病不活化ワクチンの力価試験は特異単クローン抗体
一定量のワクチンを接種した動物から血清を採取して
を用いた ELISA によって、試験ワクチンからゲル濾過
含まれる抗体価を測定して評価する方法(抗体測定法)
した有効成分画分を、あらかじめ有効抗原量の確認さ
が主に採用されている。 れている参照ワクチンとの相対力価で評価する方法と
攻撃試験法の代表的具体例としてはニューカッスル
なっている。従前はモルモットを用いた感染防御試験
病生ワクチンの力価試験が挙げられる。試験用ワクチ
を行っていたが、動物試験では個体差による成績のバ
ン 1 羽分ずつを 5 羽の試験鶏に点鼻投与して、2 週間飼
ラツキが大きく、再現性の乏しい試験となっていたも
育後に、非免疫の対象鶏 10 羽とともに、強毒ウイルス
のが、上述の様な相対評価による力価試験に改良され
を筋肉内接種して2週間観察する。試験終了日に免疫群
た。
では 80%以上の鶏が異常なく耐過生残し、非免疫対照
さらに動物愛護、GMP やシードロットシステムによ
群では100%が発病して死亡する場合、このワクチンの
る管理の観点から、生ウイルス製剤ではウイルス含有
力価試験に適合したと判定される。
量が期待される力価と良好な相関が確認される場合、
抗体測定法による力価試験は対象動物を用いた試験
ウイルス含有量を力価の指標として用い、最終小分製
が多くの家畜用ワクチンに設定されている。一方、伴侶
品では力価試験を行わない場合もある。この様な思想
動物用のワクチンに関する検定では対象動物における
は国家検定にも採用され、再審査の終了し、製剤基準の
免疫応答と相関性のある免疫反応の確認されている実
作られた生ワクチン製剤では力価試験を実施していな
験小動物を用いる試験系が採用される傾向にある。い
い。
ずれの場合も規定量の試験ワクチンによって免疫され
診断液にも力価試験は設定されており、参照又は指
た動物の血清を用いた凝集試験や、ウイルス中和試験
示抗原や血清類を用いて規定された濃度における反応
等が抗体測定法としてよく用いられる方法である。
性を比較評価して、診断薬の性能確保に用いられてい
近年、ワクチン中の有効成分の定量を行う試験も開
る。
16
動薬検ニュース
№ 267
Q&A
動薬検で働くためには?
No.264 でご案内しましたが、動物医薬品検査所において動物用医薬品等の検査、調査研究、技術的審
査、情報の収集・提供などの業務を実施するために、検査員、検査補助員、事務員など様々な職種の職員
が働いています。その中で主要な職員は獣医系技術職員ですので、ここではその採用試験についてご案内
します。
なお、当所で採用された職員は当所以外に、農林水産省関係機関をはじめ、食品安全委員会、
(独)医
薬品医療機器総合機構等、当所業務と関係する機関や海外に勤務することがあり、幅広い分野で活躍して
います。
獣医系技術職員の採用試験とは?
獣医系技術職員として採用されるには、農林水産省が実施する「農林水産省獣医系技術職員採用試験」
(国家公務員採用試験Ⅰ種相当)を受験する必要があります。
この試験は毎年 4 月頃に募集受付し、1 次試験(専門試験・教養試験・総合試験)、2 次試験(人物試験)
を経て 8 月頃に内定し、その配属先の一つとして当所に採用されることになります。なお、採用の際、獣
医師免許を取得しておく必要があります。
受験案内
採用試験のスケジュールは年によって多少変わることがありますので、
詳細については受験案内等でご
確認下さい。受験案内は農林水産省大臣官房秘書課(TEL03-3502-8111(内 2132))で入手できます。
また、受験案内の概要を農林水産省ホームページで入手できますので、ぜひアクセスしてみてください。
なお、ここでは、畜産学、薬学を修めた技術系職員や一般事務系の職員などの採用についても案内され
ています。
農林水産省ホームページアドレス(採用試験関係)
http://www.maff.go.jp/saiyou/saiyou_top.html
主
月 日
17.
8.
な
行
行 事
事
場 所
1
水産用医薬品調査会出席
本 省
3
改正薬事法対応小委員会出席
東京薬業厚生年金基金
9
動物医薬品協同組合夏季研修会意見交換会出席
ゆうぽうと
動物用医薬品残留問題調査会出席
本 省
11
17
動薬検ニュース
月 日
№ 267
行 事
19
第508回技談会開催(演題:発表者)
場 所
当 所
1. GFP組換え生菌を利用した細菌製剤評価系の検討(永田知史)
2. 異常プリオン蛋白に結合するRNAアプタマーの単離(能田 健)
3. ワクチン製造用シードに含まれるマイコプラズマ増殖抑制物質の
除去方法についての検討(松本幸子)
4. ぶりα溶血性レンサ球菌症関連の不活化ワクチンの生物学的製剤
検定基準一部改正について(川西路子)
5. ぶり及びかんぱちを20℃及び25℃で飼育した際のビブリオ抗体価
の比較(ビブリオ病不活化ワクチンの免疫温度変更に関する検討)
(木島まゆみ)
6. 隔離型飼育水槽に関する検討(野牛一弘)
7. 細胞培養の品質管理(小川 孝)
24
24∼25
食料・農業・農村政策審議会消費・安全分科会第4回家畜衛生部会出席
本 省
平成17年度動物医薬品検査所こども見学デー開催
当 所
30
シードロット検討委員会出席
東京薬業厚生年金基金
9. 1 ∼2
第11回日本環境毒性学会参加
淑徳短大
2
薬事・食品衛生審議会薬事分科会動物用医薬品等部会出席
本 省
7
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会出席
フロラシオン青山
9
第509回技談会開催(演題:発表者)
当 所
1. In Situ Hybridization法を用いた鶏伝染性気管支炎ウイルスの
検出(山崎芙美)
2. RNAアプタマーを用いたプリオン蛋白検出法及び濃縮法の検討
(能田 健)
3. 豚丹毒菌の鑑別分離培地の開発(山本欣也)
4. 平成13∼15年度に食肉処理場で分離された豚丹毒菌の薬剤感受性
(川波万利子)
5. 2001∼2002年に分離されたSalmonella Choleraesuisの薬剤感受性
と疫学解析(浅井鉄夫)
6. 病畜由来大腸菌の薬剤耐性における共耐性の関与−クロラムフェ
ニコール耐性を例に−(原田和記)
7. 平成15∼16年度に健康家畜から分離されたセフェム耐性大腸菌
の性状(小島明美)
8. 国内の健康家禽由来大腸菌におけるクラス1インテグロンの保有
率とその特徴(佐藤博昭)
9.ラットにおけるFlubendazoleの発生毒性試験
(村田奈々惠)
〃
第1回シードロットシステム開発委員会出席
薬業厚生年金基金
10
抗菌剤研究会小動物臨床評価委員会出席
日本獣医畜産大
16
第7回製剤研究フォーラム参加
東京ガーデンプレイス
26
第3回産官学連携の意見交換会出席
東京薬業健保健康開発センター
28
動物慰霊祭
当 所
〃
平成17年度日本魚病学会参加
三重県津市内
〃
動物用組換えDNA技術応用医薬品調査会出席
本 省
29
第140回日本獣医学会参加
鹿児島市内
18
動薬検ニュース
人
の
動
№ 267
き
人事異動
月 日
異動内容
官職
氏 名
17. 9. 16
配置換
事
前田 紅
会計課会計係長(庶務課庶務係長)
〃
出 向
事
畑中 明
生産局畜産部畜産振興課庶務班会計第 1 係長(会計課会計係長)
配置換
事
東 武
会計課長(生産局畜産部競馬監督課競馬監督官)
〃
配置換
技
高橋 敏雄
検査第一部細菌製剤検査室長
(検査第二部抗生物質製剤検査室長)
〃
配置換
技
衛藤真理子
検査第一部ウイルス製剤第 1 検査室長
(動物検疫所精密検査部病理・理化学検査課長)
〃
配置換
技
荒尾 恵
検査第一部鶏病製剤第 2 検査室長
(検査第一部ウイルス製剤第 1 検査室長)
〃
配置換
免併任
技
鮫島 俊哉
検査第二部抗生物質製剤検査室長
(検査第一部主任研究官兼消費・安全局衛生管理課)
〃
配置換
技
永井 英貴
検査第一部シードロット監理官(消費・安全局衛生管理課課長補佐)
〃
配置換
技
小島 明美
検査第一部標準品管理研究官(検査第一部主任研究官)
〃
免併任
技
佐々木貴正
検査第一部細菌製剤検査室主任検査官(検査第一部細菌製剤検査
室主任検査官兼消費・安全局衛生管理課)
〃
昇 任
技
岩本 聖子
検査第二部残留化学検査室主任検査官(検査第一部)
〃
昇 任
事
大岩よしみ
庶務課庶務係長(生産局畜産部食肉鶏卵課)
〃
転 任
事
宮里 光吉
会計課予算決算係長(〔独〕家畜改良センター総務部管財課契約第 2 係長)
〃
配置換
事
佐藤 栄策
会計課国有財産係長(横浜植物防疫所総務部会計課営繕係長)
〃
配置換
免併任
技
清水 裕仁
検査第二部(検査第二部兼消費・安全局衛生管理課)
〃
新規採用
技
新田 早人
検査第一部
〃
配置換
事
菊地 馨
生産局総務課課長補佐(会計課長)
〃
配置換
免併任
技
関谷 辰朗
消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐(企画連絡室動物用医薬
品専門官兼消費・安全局衛生管理課)
〃
出 向
事
飯塚 秀夫
生産局総務課畜産計画指導班指導調整係長(会計課予算決算係長)
〃
配置換
技
長
川西 路子
消費・安全局畜水産安全管理課薬事審査第1班生物学的製剤係
(検査第一部)
〃
配置換
技
内山万利子
消費・安全局畜水産安全管理課薬事安全基準班安全基準係長
(検査第一部)
〃
命併任
技
野田紗知子
検査第一部兼消費・安全局畜水産安全管理課(検査第一部)
10. 1
摘 要
所員研修
期 間
官職
氏 名
研 修 内 容
17. 8. 22, 29
9. 12, 26
事
宮崎 光樹
経営簿記能力向上研修
農林水産研修所
生活技術研修館
9.21∼22
事
加藤 直子
平成 17 年度長期給付実務研修会
KKR ホテル東京
19
研 修 場 所
動薬検ニュース
№ 267
研修者
期 間
氏
名
所 属
研 修 内 容
17. 8. 8 ∼ 12
岡村 雅史
北里大学獣医畜産学部
カンピロバクターの分離・培養法及び薬剤
感受性試験法の習得
17. 8. 8 ∼ 19
久野 勇希
北里大学獣医畜産学部
鶏病ウイルスワクチンの検査方法の基礎的
技術の習得
見学者
月 日
所 属
摘 要
17.
7. 28
インドネシア国訪日調査団(魚類関係研究所職他)
11 名
17.
8. 23
酪農学園大学獣医学部獣医学科学生
10 名
17.
9.
17.
9. 21
国土交通省関東地方整備局営繕部職員ほか
17.
9. 28
JICA 研修員(メキシコ国ハリスコ州中央診断ラボ職員)
2
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構
5名
17 名
3名
けやきコラム
秋空のすがすがしい季節となりました。読者の皆様
された。当所には、本号で紹介したとおり、新たにシー
にはいかがお過ごしでしょうか。当所のある武蔵野地
ドロット監理官、標準品管理研究官が設置された。今
域は、それなりに緑豊かで、本欄の名にもなっているケ
後、関係各位のご指導、ご鞭撻を得ながら、当所は、シー
ヤキがとても多いところです。この頃には、木々の彩り
ドロットシステムを積極的に推進し、その定着とより
が移りかわり、
過ぎゆく時を感じさせる季節となります。
効率的な動物用生物学的製剤の品質確保体制の構築に
一方で、本年度もあっという間に半年が過ぎたこと
向けた中心的な役割を担っていきたいと考えている。
に慌て、あれこれ気ぜわしくなる頃でもある。いわゆる
しかし、このような新しい取組みは当所の展開の中
Plan→Do→Seeを心がけ、自分なりに年度の中間評価、
の 1 歩である。当所は、動物用医薬品の審査、調査、検
中間決算を行い、本年度の計画や予定にどこまで対応
査とともに、標準品の配布等のリファレンスラボ機能
できたのか、状況に変化はないのか、これから何をどれ
を強化しつつ、動物衛生全般に関するリスク管理措置
だけ進めていけばいいのか等々について考えていく必
を的確に進めていくために、レギュラトリーサイエン
要がある。また、先般、当所では、平成 18 年度に迎え
スを支える幅広いラボ機能を有した行政組織として発
る動物医薬品検査所創立 50 周年に際して、記念事業を
展していく必要があると考えている。どこまで実現で
企画、運営するために、第1回創立 50 周年記念事業運
きるのか、今後ともご支援を賜りたく、よろしくお願い
営委員会を開催した。これを機に、50 年間の歴史を振
申し上げます。
り返り、先人の積み重ねてきた業績とその変遷につい
て考えるとともに、動物薬事行政のみならず、動物衛生
行政全体を視野に入れた、将来に向けた当所のあり方
についての構想を練る中長期的な Plan Do See も行っ
編集・発行
ていく必要がある。 農林水産省動物医薬品検査所
さて、既に皆様もご存じのとおり、この10月には我々
企画連絡室
が働いている動物衛生行政組織の大幅な見直し・整備
東京都国分寺市戸倉 1 − 15 − 1
〒 185-8511
電話 042 − 321 − 1841
URL http://www.nval.go.jp
が行われた。家畜防疫、人獣共通感染症への対応などが
社会的に注目され、食の安全・安心確保のために幅広い
リスク管理対応が求められるなか、衛生管理課は動物
衛生課と畜水産安全管理課の2課2室体制へと充実強化
20
本紙は再生紙を使用しています
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