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「高効率・超低公害天然ガス自動車実用化開発」 事後評価報告書(案
第 5 回研究評価委員会 資料4-2-16 「高効率・超低公害天然ガス自動車実用化開発」 事後評価報告書(案)概要 目 次 (頁) 分科会委員名簿・・・・・・・・・・・・ 1 プロジェクト概要・・・・・・・・・・・ 2 評価概要(案) ・・・・・・・・・・・・・ 5 評点結果 ・・・・・・・・・・・・・・・ 10 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 研究評価委員会 「高効率・超低公害天然ガス自動車実用化開発」(事後評価) 分科会委員名簿 (平成16年11月現在) 氏名 分科会 会長 分科会 会長代理 分科会 委員 かみもと たけゆき 神本 武征 み わ けい 三輪 恵 所属、役職 東海大学 教授 未来科学技術共同研究センター 国立大学法人徳島大学 エコシステム工学専攻 教授 大学院 工学研究科 株式会社エコトラック 取締役 いけだ まさのぶ 池田 雅信 いしやま たくじ 石山 拓二 国立大学法人京都大学 エネルギー科学研究科 教授 独立行政法人交通安全環境研究所 ごとう ゆういち 後藤 雄一 はまだ もとひこ 浜田 基彦 大学院 工学研究科 エネルギー変換科学専攻 環境研究領域 上席研究員 日経BP社 編集委員 日経ものづくり 編集 敬称略、五十音順 事務局:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 研究評価部 1 プロジェクト概要 作成日 制度・施策(プ ログラム)名 事業( フ ゚ロ ジ ェク ト)名 担当推進部/担 当者 0.事業の概要 Ⅰ.事業の位置 付け・必要性に ついて 平成16年10月 次世代低公害車技術開発プログラム 高効率・超低公害天然ガス自動車実用化開発 省エネルギー技術開発部/松村 プロジェクト番号 E0101602−0 敏美 運輸部門における石油代替エネルギーの導入促進及び大気汚染改善に資するべく、ディーゼル自 動車並の燃料消費率を有し、超低公害性を同時に兼ね備えた天然ガス自動車を開発する。 運輸部門のエネルギー消費における石油依存度は他部門に比べて著しく高く、かつ消費の伸び も大きいため、運輸部門の石油代替エネルギー導入が必要とされている。また、近年都市部におい てディーゼル自動車に起因する大気汚染への対応が喫緊の課題となっており、このような大気汚染 物質(PM、NOx、HC 等)を低減するために、ディーゼル自動車に代わるクリーンな天然ガス自動車 の普及が強く望まれている。しかし従来の天然ガス自動車は、ディーゼル自動車に比べて燃費が劣 るため、特に走行距離が長く燃料費がコストの大部分を占める貨物自動車においては、代替が進ん でいないのが実状である。また地球温暖化防止への取り組みにおいても、自動車の低燃費化は、緊 急かつ重要な課題である。 このような石油代替エネルギーの導入という課題を解決するためには、ディーゼル自動車並み の熱効率を達成する高効率天然ガスエンジンの開発が必要であり、また都市環境の改善及び将来の 更なる規制強化を考慮すると、低公害化技術の開発が必要である。 このため、次世代低公害車技術開発プログラムの一環として、天然ガス自動車のディーゼル自 動車代替としての価値をより一層高めることができる高効率・超低公害天然ガス自動車の実用化開 発を行う。開発の対象は、特に都市内走行台数の多い2t 車及び4t 車とする。 Ⅱ.研究開発マネジメントについて 事業の目標 ①天然ガスエンジンの効率向上 G13モードで二酸化炭素排出率640g/kWh以下 ディーゼル車並みの効率を達成するためには、従来天然ガス自動車の効率を 25%向 上させる必要あり。単位仕事量(kWh)当たりの CO2 排出率としては、従来天然ガス自 動車(≒800g/kWh)の 1/1.25 倍となる。 ②排出ガスの低減 新低排出ガス車技術指針に定められる項目のうち、以下の項目についてそれぞれ「超 低排出ガスレベル」以下を目標とする。 表 新低排出ガス車技術指針の「超低排出ガスレベル」 NOx [g/kWh] 重量車 0.85 CO [g/kWh] NMHC* [g/kWh] 16 0.18 *NMHC: Non Methane Hydrocarbon 主な実施事項 H13fy H14fy H15fy H13fy H14fy H15fy 総額 143 148 181 472 高効率エンジン開発 事業の計画内容 低公害化技術開発 エンジン車載・評価 成果とりまとめ 開発予算 (会計・勘定別に事 業費の実績額を 記載) 会計・勘定 一般会計 特別会計 (電多・高度化・石油の別) 2 (単位:百万円) 開発体制 情勢変化への対応 Ⅲ.研究開発成果につい て 総予算額 143 148 経産省担当原課 資源エネルギー庁 プロジェクトリーダー 無し 472 181 電力・ガス事業部 ガス市場整備課 委託先(*委託先が管 いすゞ自動車株式会社 理法人の場合は参加企 日産ディーゼル工業株式会社 業数も記載) 社団法人 日本ガス協会 年に 3 回程度の NGV 技術委員会を開催し、研究開発がプログラム及びプロジェクトの 目的・目標並びに国内外の技術開発動向に対して適切であるかを審議し、必要に応じて基 本計画の見直しを行った。 1.2t 車,4t 車ともに上記開発目標値である ①天然ガスエンジンの効率向上 G13モードで二酸化炭素排出率640g/kWh以下 ②排出ガスの低減 新低排出ガス車技術指針に定められる項目のうち、それぞれ上記「超低排出ガスレベル」以 下 を達成した。 2.2t 車,4t 車ともに車両を製作し、走行試験を完了した。 投稿論文 「査読付き」0件、 「その他」2件 特 Ⅳ.実用化、事業化の見 通しについて Ⅴ.評価に関する事項 Ⅵ.基本計画に関する事 項 許 「出願済」3件、 「登録」0件、 「実施」0件(うち国際出願0件) 天然ガス自動車(以下、NGV)は、都市環境問題、地球環境問題(CO2 排出率) 、 エネルギーセキュリティー問題の解決に貢献し得る唯一の実用段階にある代替エネルギ ー車である。 一方、NGVは低公害性において、一定の評価を得て、普及を拡大してきたが、従来型 NGVは、ディーゼル自動車に比べて燃費が劣ることから、燃料費がコストの大部分を占 める貨物自動車の分野において、代替が進んでないのが現状である。 NGVの燃費の改善、CO2 排出量の低減、走行距離の延長は、緊急かつ重要な課題で あり、ガス業界のみならず運送業界でも当該開発車両の早期商品化を望む声は大きいこと から、従来型NGVの代わりとして、当該新開発NGVの需要が見込める。 そこで、2008年度(平成20年度)を目処に商品化を目指し、2004年度(平成 16年度)から2007年度(平成19年度)の4年間で、次の項目を実施する。 ①技術的な課題の解決 ・新長期排出ガス規制への適合、部品耐久性の確認・向上等 ②商品性の向上 ・ドライバビリティの向上、尿素水の補給インフラの整備、コスト低減策の検討 ③生産ラインの確立 ・生産設備の建設、量産工法の構築 事前評価 12年度実施 中間評価以降 16 作成時期 13年8月 変更履歴 変更なし 年度 3 担当 社団法人 事後評価実施予定 作成 日本ガス協会 「高効率・超低公害天然ガス自動車実用化開発」研究開発実施体制 経済産業省 資源エネルギー庁 新エネルギー・産業技術総合開発機構 共同開発 いすゞ自動車株式会社 日産ディーゼル工業株式会社 社団法人日本ガス協会 なお、各社の事業分担は以下の通り。 いすゞ自動車(株) :2tトラックの実用化開発 日産ディーゼル工業(株) :4tトラックの実用化開発 (社)日本ガス協会 :事業全体の管理、NGV技術開発特別委員会の運営 4 「高効率・超低公害天然ガス自動車実用化開発」(事後評価) 評価概要(案) 1.総 論 1)総合評価 クリーン自動車の導入と同時に、ポスト石油のエネルギーである天然ガスの有効 利用という面から、本プロジェクトにおける天然ガス自動車、特に,中型トラック の実用化は、必要性が明確でタイムリーかつ重要な課題であり、直接噴射燃焼方式 を選んだ開発目標は妥当であると認められる。限られた期間と予算の中で多くの技 術的困難を克服しながら、熱効率ならびに排出物質の目標値を達成し実車走行を実 現するという世界トップレベルの成果を挙げ、本技術の実用化の可能性が示された ことは高く評価される。また、この技術は乗用車にも応用できる可能性もあり、ガ ソリン車に比べて CO2 排出量の大幅な削減も期待できる。 ただし、実用化に向けての課題として、開発技術の信頼性と耐久性がまだ検証さ れていないこと、狙い目とする市場がどこにあるかが明確でないこと、大幅なコス トダウンが必要であること、が挙げられる。加えて、本事業で開発した連続グロー 着火または火花点火のいずれの燃焼方式が最適であるか、さらに検討する必要があ る。なお、自動車燃料の多様化の観点からは、各種の技術を平行して進めておく必 要がある。 2)今後に対する提言 本事業において開発された技術は信頼性がまだ検証されておらず、実用化に至る までには部品の耐久性、量産化などを解決していかなければならない。さらに乗用 車クラスの開発も含めた研究の継続が必要である。競合技術であるディーゼル機関 も年々クリーンになっているため、必要な技術が異なる車両用天然ガス機関の開発 は、なおいっそう強力に推進する必要がある。ここにおいて、国も適切な援助を惜 しんではならないし、民間企業も社会的責務として全力をあげて開発に取り組むべ きである。 次段階の研究開発に当っては、粒子状物質及びさらに低いNOx 排出率に関する 目標を設定する必要がある。また、本事業では、全くタイプの異なる燃焼方式(連 続グロー着火及び火花点火)で研究開発が進められたが、各々の車両に最適な燃焼 方式の検討や二つの燃焼方式の棲み分けについての検討が必要である。その場合、 ほかの条件を同じにして双方の燃焼方式を比較する視点も取り入れるべき、と思わ れる。 同時に、実用化と普及を進めるには、天然ガス資源の確保と供給インフラの設備 が不可欠であるとともに、本技術の対象市場を明らかにした後、導入しやすい環境 作りの施策を進める必要がある。 5 2.各 論 1)事業の位置付け・必要性について 本事業は、エネルギー資源ならびに環境保全の観点から重要であり、国際的にみ てもタイムリーな事業と考えられる。 天然ガス自動車の研究開発は,我が国の自動車産業の国際競争力をつけるために も重要な課題であるが、現状の技術の流用では実現できない多くの技術課題を解決 する必要があるので、民間の活動のみでは十分な開発を行えないと考えられ、公的 事業としての取り組みが必要であり NEDO の関与は不可欠である。従って、事業 の目的は妥当であり、極めて費用対効果の高い研究開発テーマである。 また、国際的には、天然ガス自動車の普及を図っている諸外国に対して技術的な 貢献ができるとともに、地球温暖化に対する CO2 排出量削減目標を達成する一助 になることも期待できる。 しかしながら、天然ガス自動車の普及を進めるためには、対応する供給側との整 合性を十分に考えるべきであり、天然ガス資源の確保、供給インフラなどを含めた 総合的な政策がないと普及は望めないということを認識しておく必要がある。また、 ユーザーサイドから見た車両を導入しやすい環境づくりの施策も必要である。 2)研究開発マネジメントについて 開発対象車両が都市内のディーゼルトラックに絞り込まれており,研究開発成果 の実用化目標が明確である。また、高効率化とクリーン化の技術開発課題として直 接噴射燃焼方式を取り上げ、内外の技術動向から考えて、戦略的な開発目標が定量 的に設定されている。 技術開発特別委員会のもとで研究開発が実施され、実施者2社と研究管理法人の 間では相互の情報交換を含めた効果的な開発が効率的に進められたと考えられ、お おむね適切な体制が取られたものと考える。さらに、目標の実現に必要な要素技術 の開発を、個々の実験の成果を踏まえながら柔軟に対応し、計画見直しを実施しな がら推進したことは適切であったと判断される。 しかしながら、本事業の実施に当たって、十分な市場動向調査が行われたか、は っきりしない。また、全体を統括するプロジェクトリーダーは選任されておらず、 最終的なプロジェクト意思決定者が誰なのかは明確ではなく、ユーザーに対して成 果を普及し関与を求める体制は十分とは言えなかった。加えて、時間のかかる基礎 的なテーマとほとんど具体的な設計に近いテーマが混在しており、早くできるもの を切り出して成果を早急に商品化する一方、基礎的なものは別途進めても良かった と考えられる。 3)研究開発成果について 全体として、天然ガスエンジンの低燃料消費率及び排出ガスレベルの目標は概 ね達成され、予算に見合った汎用性のある成果が得られており、短期間に実車とし 6 て纏め上げたことは評価できる。直接噴射燃焼方式として得られた技術成果は世界 初の開発要素を含むものであり、実用化のためのエンジン要素技術及び車両システ ム技術が新しく開発されたことによって,ランニングコストの低いトラックが実現 し天然ガス自動車の市場の拡大或いは創造につながることが期待できる。 成果の普及については、一般に向けての広い情報発信として研究発表と特許申 請が行われているが、けっして十分とは言えない。研究開発の成果をあらためて考 察すれば、国際特許の出願や要素開発の面から論文の発表が可能になると思われる。 また、3年のプロジェクトにしては克服すべき技術課題が多すぎて、未消化の結 果に終っているテーマもある。イニシャルコストはまだ高く、今後いかに早期に市 販レベルに持っていけるかが課題である。 4)実用化、事業化の見通しについて 連続グロー着火方式及び火花点火方式の異なる燃焼方式において,それぞれのエ ンジン開発技術が蓄積され,中核となるエンジン燃焼技術の技術的な課題について もほぼ明確になっており、本技術の実用化の可能性は高いと考えられる。特に2t 車の技術成果は実用化に近いレベルと判断される。 今回開発された天然ガストラックの要素技術と車両システム技術は技術的にも 非常に高度で、大きい市場をもつ乗用車への適用が見込まれることから,経済的波 及効果が大いに期待できる.なお、要素技術である超磁歪素子、リフト量可変イン ジェクタは、液体燃料にも応用が効くと思われる。 しかしながら、実用化には、開発技術の汎用化とともに、コストダウンや耐久性 の向上などの課題がある。また、普及には、天然ガス資源の確保、供給インフラ、 SCR 用尿素インフラの整備が必要であり、官民共同の推進が望まれる。加えて、 本件の実用化時期をもっと早めることが重要と思われる。 7 個別テーマに関する評価 個別テーマ 1.2t車の開発 成果に関する評価 8 天然ガス直接噴射燃焼方式の開発におい て,噴射系の技術開発と排気ガス後処理技術 の導入により、世界トップレベルの高効率と クリーン性を達成し、実用化への可能性を示 した。特に、連続グロー着火方式の天然ガス エンジンを有する車両は世界で初めてであ り、実車走行試験においても低騒音・低振動 運転を確認するなど、実車として纏め上げた 点は評価される。 今回開発された成果は新たな市場創造につ ながるような革新性に溢れており、将来の水 素エンジンにも応用可能な汎用性を有する。 将来の石油不足時代において、物流を担うト ラックに実用的な代替燃料車が開発されたこ とは成果、と考えられる。また、多くの研究 発表と5件の特許申請もなされた。 しかしながら今後、燃料噴射圧力(250bar) の最適化の検討、開発されたシミュレーショ ン技術のさらに緻密な計算結果の妥当性の検 証、などが望まれる。また、走行燃費の公表、 さらに超磁歪素子のインジェクタ、燃料コン プレッサは本エンジンのキーテクノロジーで あるが、情報開示が十分でなかった。 実用化の見通しに関する評価 今回研究開発された要素・システム技術の 蓄積によって、2t車は技術的に実用化に近 いレベルにある。また本技術は、特に高効率 を要求されるコジェネレーション等の定置用 機関への適用も価値あるものと考える。 しかしながら、優れた技術成果である反面、 実施者も認めるようにコストダウンが難易度 Aの課題として残っている。ユーザーが受入 れ易い価格になるよう努力する必要がある。 また、耐久性、信頼性を一層高めるために、 グロープラグの耐久性の向上策及びトラブル 時のフェイルセーフ機能についての検討と、 噴射弁,燃料コンプレッサの寿命を検証する ことが必要である。 今後の研究開発の方向性等に関する提言 事業者も認める通り信頼性と耐久性の向上、 コストダウンに向けた努力が重要であり、さら に以下の点に留意されることを期待する。 ○天然ガス燃料由来のメタン排出量の増加が 懸念されるので,シリンダ内の燃焼改善につ いての詳細な燃焼解析。 ○排出ガスレベルは、後処理に負うところが大 きいので、エンジンアウトの排出レベルのさ らなる低減、及び低出力域での熱効率改善方 法についての検討。 ○グロープラグの耐久性の向上、及びリフト制 御タイプのガス噴射弁の他分野への適用検 討。 ○定置用ガスエンジンヒートポンプへの応用 検討。 ○天然ガスタンクの高圧化技術開発など,車両 周辺技術の開発。 ○超磁歪素子の転用,波及の検討。 個別テーマ 2.4t車の開発 成果に関する評価 9 天然ガス直接噴射火花点火燃焼方式の開発 において、数多くの先進的な技術課題に積極 的にチャレンジし、短期間で所定の低燃料消 費率及び低排出ガスレベルの目標を達成した ことを評価する。 また、あえて冒険をさけ既存技術の詳細な チューニングによって、使用頻度の高い回転 域での効率化を集中して改善し、すぐれた始 動特性、加速性能、騒音レベルを実現した、 商品に近い完成度を持つ試作車を製作したこ とを評価する。 しかしながら、エンジンシステムが複雑に なり、多くの課題が未消化のまま残った。成 層燃焼と予混合燃焼との境界領域での制御シ ステムの研究開発が、今後の大きな課題とし て残されている。またバルブタイミング制御 システムは高度技術であり、シミュレーショ ンなどで、もっと早い段階で見切りをつけた 方がよかった。 情報発信については、研究発表が少なく、 また数値的成果を出す事が優先となってしま い斬新性に若干かけてしまったようで、特許 出願ゼロはさびしい。 実用化の見通しに関する評価 今回の研究開発事業は、手堅い設計思想で 作られており、高い熱効率で高出力が得られ、 かつ実走行で重要な低出力域での成層燃焼に よる効率向上が図れる優れた燃焼方式として 期待できるので、コスト問題はあるが実用化 の可能性は大きい。 しかしながら、システム全体の信頼性、耐 久性の評価が不十分であるとともに、コスト ダウンの方策が不明確である。さらに、高速 高負荷域での燃焼の最適化を図ることが必要 である。ユーザーが受入れ易い価格になるよ うに努力し、エンジン制御の簡素化と、ロバ スト性を持たせるための検討が必要と考え る。 今後の研究開発の方向性等に関する提言 システム全体の信頼性、耐久性の評価及びコ ストダウンの方策を検討することが必要であ り、さらに、以下の点に留意されることを期待 する。 ○燃料由来のメタン排出量の増加が懸念され るので、シリンダ内の燃焼改善についての詳 細な燃焼解析。 ○排出ガスレベルは、後処理に負うところが大 きいので、エンジンアウトの排出レベルのさ らなる低減、及び成層燃焼の制御をさらに高 度化する検討。 ○低負荷時における未燃炭化水素の低減を図 る必要があり、液体燃料であるガソリン機関 と同様な配置ではなく、ガス噴射により適し た配置を検討すること。 ○航続距離を伸ばす方策。 ○バルブタイミング制御システムのために蓄 積した技術の転用可否検討。 評点結果(プロジェクト全体) 3.0 1.事業の位置付け・必要性 2.研究開発マネジメント 2.3 3.研究開発成果 2.3 4.実用化、事業化の見通し 2.2 0.0 1.0 2.0 3.0 平均値 評価項目 平均値 素点(注) 1.事業の位置づけ・必要性 3.0 A A A A A A 2.研究開発マネジメント 2.3 A A B B B B 3.研究開発成果 2.3 B A B B A B 2.2 C A B B B A (注)A=3,B=2,C=1,D=0 として事務局が数値に換算し、平均値を算出。 4.実用化、事業化の見通し <判定基準> (1)事業の位置付け・必要性について (3)研究開発成果について ・非常に重要 ・重要 ・概ね妥当 ・妥当性がない、又は失われた ・非常によい ・よい ・概ね妥当 ・妥当とはいえない →A →B →C →D (2)研究開発マネジメントについて ・非常によい ・よい ・概ね適切 ・適切とはいえない →A →B →C →D (4)実用化、事業化の見通しについて →A →B →C →D 10 ・明確に実現可能なプランあり →A ・実現可能なプランあり →B ・概ね実現可能なプランあり →C ・見通しが不明 →D 評点結果(個別テーマ) 1.2t車の開発 (1)研究開発成果 2.8 (2)実用化、事業化の見通し 2.2 2.4t車の開発 (1)研究開発成果 2.0 (2)実用化、事業化の見通し 2.0 0.0 1.0 2.0 3.0 平均値 個別テーマ 平均値 素点(注) 1.2t車の開発 (1)研究開発成果 2.8 A A A B A A (2)実用化、事業化の見通し 2.2 B A B B B B 2.0 B B B B B C B 2.4t車の開発 (1)研究開発成果 (2)実用化、事業化の見通し 2.0 C A B B A (注)A=3,B=2,C=1,D=0 として事務局が数値に換算し、平均値を算出。 <判定基準> (1)研究開発成果について ・非常によい ・よい ・概ね妥当 ・妥当とはいえない →A →B →C →D (2)実用化、事業化の見通しについて ・明確に実現可能なプランあり ・実現可能なプランあり ・概ね実現可能なプランあり ・見通しが不明 →A →B →C →D 11