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HP 用 適切な補聴器の使用のために 内容 1. 補聴器とは (難聴のある

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HP 用 適切な補聴器の使用のために 内容 1. 補聴器とは (難聴のある
HP 用 適切な補聴器の使用のために
内容
1. 補聴器とは
(難聴のある方に、こんなとき使います)
2. 補聴器の種類
(こんなにいろいろあります、デジタルやアナログなどもあります)
3. 補聴器の構造・名称
(こんなしくみです)
4. 補聴器使用の流れ
(適切な補聴器はこのような流れで選び、使用していくことになります)
5. 補聴器の選択
(適切な補聴器を選ぶための豆知識です)
6. 補聴器の経過観察
(長いつきあいになります。このようにつきあってください)
7. 補聴器の補助について
(このような公的な補助があります)
8. 補聴器 Q/A
(補聴器についての疑問にお答えします)
内容
1.
補聴器とは
(難聴のある方に、こんなとき使います)
補聴器とは難聴の人に使います。
つまり補聴器は、難聴の人が聞き取れない音声を聞き取れるように、音声を増幅する機
器です。聞き取りそのものをよくするものではありませんので、難聴の原因によっては
期待通りに聞き取りが良くならないことがあります。
難聴のうち、突発性難聴などは早期に薬物治療などを行います。また慢性中耳炎や耳硬
化症などでは手術治療が有効な場合があります。これらの治療によっても改善しない場
合、またはそれ以外の難聴などで、有効な治療がない場合には、補聴器の適応となりま
す。
老人性難聴では早い時期から補聴器を使用した方が、脳が活性化されます。
老人性難聴は加齢による聴力の低下と言われ、誰にでも起こりうる現象で、病気で
はありません。左右の聴力が高音域から低下していくのが特徴的で、厄介なことは、
軽度の難聴にも関わらず言葉の理解に大切な子音(カ、サ、タ行など)が聞き取れな
いことです。話していることは分かりますが、所々の音が抜けてしまうため、大切な
話の内容が分からなくなってしまいます。対策としては、早期から補聴器を装用し、
適切に聞き取れない音声を聞き取れるようにすることです。
(小)
2.
補聴器の種類
(こんなにいろいろあります、デジタルやアナログなどもあります)
補聴器にはいろいろな形があります。耳の中に入れる耳穴形補聴器、耳介の後ろに掛ける耳
掛け形補聴器、ポケット形補聴器そしてメガネ形の補聴器などです。それぞれの形によって
使い勝手が違います。
[耳穴形]
耳の穴の中に収まるタイプ。目立たず、音を受けるマイクが耳介の中にあるため、
「聞こえ」も自然です。耳穴形には既製品のレディーメイドもありますが、耳に入
る部分を個々にあわせて作るオーダーメイドタイプが一般的です。
オーダーメイド形
他の補聴器と比べて聞こえはより自然に近く、また形状も小さく目立ちにくいものです。
色つき(右:赤、左:青)
防水形(耳穴形)
※最近は防水形の補聴器もあり、水を通さない方法として防水膜自体が振動して音を伝え
ます。目詰まりの発生がなく、性能低下が少ないため中等度の難聴の方まで対応できます。
レディーメイド(既製耳穴形)
イヤホンのような形状で、耳の中にただ差し込むだけのもので、取り扱いも簡単です。
耳の穴に合わない方ではご使用できません。
[耳掛け形]
耳にかけて使うタイプ。取り扱いやすく種類や性能も豊富で根強い人気があります。
専用のイヤモールド(耳型をとった耳せん)で、ピーピー音が防げます。
[ポケット形(箱形)]
補聴器の本体とイヤホンとをコードでつなぐタイプ。形状も大きく、スイッチやボ
リュームが大きいので操作が比較的簡単で、器種によっては大きな音量が出ます。
また、補聴器の本体を話し手の口元に近付けて聞くことができます。聞き取りにく
いときなどは便利です。
[骨導メガネ形補聴器]
メガネのつるの中に補聴器を組み込んだものです(伝音難聴用の骨導式)
。
最近は世界的にはほとんど使われなくなりました。
* 骨導補聴器の他の形として、ヘッドバンドと骨導端子を利用し、
箱形補聴器または耳掛け形補聴器と接続するものもあります。
(斉)
デジタル補聴器とアナログ補聴器
デジタル補聴器とアナログ補聴器の違いは、主に音の処理方法が異なることです。
音の増幅処理において、従来のアナログ補聴器では、マイクに入った音声信号(アナログ
信号)をいわゆるアナログ増幅器で増幅していました。それに対してデジタル補聴器では、
マイクで入力された電気信号を A/D 変換器(アナログ・デジタル変換器)を使ってデジタ
ル信号に変換し、その後にデジタル信号処理機で音を加工し、最後にデジタル信号を D/A
変換器(デジタル・アナログ変換器)を使ってアナログ信号に変換し、スピーカから音を
出します。アナログ増幅器は電子回路を使って音を加工し、デジタル信号処理機は、特別
なコンピュータによって音を加工しています。コンピュータを使うことで、電子回路を変
えなくても内部のソフトウェアを変えることで色々な音の加工ができるようになりまし
た。現在のデジタル補聴器のデジタル信号処理の進歩には著しいものがあり、年単位で新
しい技術が世にでています。
(詳細は補聴器の構造を参照下さい)
デジタル補聴器のメリットとデメリット
デジタル補聴器は、雑音下で聞き取りやすくする機能や、環境が変化した場合に自
動で音の処理を変える機能(音量や音質を調整・不快な音を抑制する機能)など、ア
ナログ補聴器ではできなかった処理をすることができます。
(どのような処理ができる
かは補聴器によって異なるので、カタログで確認してください。
)ただし、複雑な処理
をするために電池寿命が短くなるというデメリットもあります。
デジタル補聴器とアナログ補聴器の現状
デジタル補聴器が発売された当初は高価でした。しかし、現在はデジタル技術が普
及してきたために、ポケット型を除けば安価な価格帯の補聴器についてもデジタル化
が進み、現在はデジタル補聴器が主流です。そのため、今後はアナログ補聴器とデジ
タル補聴器を選ぶ必要はなくなるでしょう。
(前)
3.補聴器の構造・名称
(こんなしくみです)
補聴器の基本構造は、マイク(入力)
・アンプ(増幅器)
・イヤホン(出力)
・電池から成り
立っています。音や言葉(音声信号)をマイクで拾い音声信号を電気信号に変換し、アンプ
(増幅器)でマイクの電気信号を十分な大きさの電気信号に増幅して、イヤホンからまた電
気信号を音声信号に変換して、耳に聞かせます。
(安)
補聴器各部の名称
< 耳穴形補聴器 >
<耳かけ形補聴器>
< 箱形補聴器>
① 電源スイッチ
② マイクロホン
③ 電池室
④ ボリューム
⑤ プログラム切り替えスイッチ
⑥ 取り出しコード
⑦ イヤフック
⑧ インサートチューブ
⑨ イヤーモールド
⑩ オージオ・インプット
⑪ イヤホンコード
⑫ サブボリューム
⑬ 音質調整器
⑭ イヤホン
⑮ MTバランス調整
⑯ 出力制限装置
*メーカーによって相違があります。
(高)
4.補聴器に使用の流れ
(適切な補聴器はこのような流れで選び、使用していくことになります)
選択のポイント(要因)として、①難聴のレベル、②難聴の種類、③補聴器の操作性、④
補聴器をつけての動き(運動など)
、⑤電池の持ち等のほかに⑥価格、⑦使用環境、⑧ライフ
スタイルなどが挙げられます。また実際の補聴器の装用には、⑴自分の難聴の理解・補聴器
の理解、⑵初回フィッティング、⑶試聴、⑷再フィッティングまたは別の機種のフィッティ
ング、⑸別の機種の試聴、⑹購入、⑺定期的経過観察(聴力と補聴器のチェックなど)など
の過程があります。
以前は、①難聴のレベルにより補聴器の種類が選ばれていましたが、最近では小型でも大
きな増幅(大きな音)ができるものが開発されています。また、②難聴の種類での選択は、
現在殆どの補聴器がデジタルとなってきているため、
あまり問題とならなくなってきました。
まず、⑴自分の難聴の理解・補聴器の理解をする必要があります。耳鼻咽喉科の医師にみ
てもらうことが必要です。補聴器が適応だと判断された場合には実際に補聴器の担当者に適
切な補聴器をフィッティング⑵していただきますが、その際に自分なりに結構ですので、難
聴でお困りのことは何か、そして何を改善したいかを具体的にまとめておいて、担当の方に
お話しください。また予算はどのくらいかの目安があれば担当の方にお話しください。
上記のことを踏まえて、担当の方が補聴器を合わせてくれます⑵。もちろん補聴器の形や
その特徴もありますので、自分でご希望の種類があれば言ってください。実際のフィッティ
ングでは、補聴器を介した音声が自然か、響かないか、聞きたい音声が聞き取れそうかなど
をチェックしていきます。
適切と思われる補聴器のフィッティングができたら日常生活場面で実際に⑶試聴してい
ただきます。日常生活場面ではさまざまな音声が聞き取れます。うるさい音、我慢できない
音、気になる音などを⑷再フィッティングの際にお話しください。もし再フィッティングで
改善できるようでしたら、微調節を行い再試聴となります。もし再フィッティングで改善で
きるないようでしたら機種を変えて⑷フィッティングし、⑸再試聴となります。これらを数
回行いながら自分に合った補聴器を選んで⑹購入となります。
購入すればそれで終わりではありません。補聴器は機器ですので時に故障することもあり
ますし、聴力も変化することがあります。よってこれらのための⑺定期的経過観察が必要で
す。ぜひともこれを怠らないでください。
(河)
5.補聴器の選択
(適切な補聴器を選ぶための豆知識です)
選択のポイント(要因)として従来大きかった①難聴のレベル、②難聴の種類、③補聴器の
操作性、などについて各種類ごとに示します。
① ポケット形(箱形)
:軽度~重度難聴まで対応できます。
本体が他のものに比べ大きく、音量つまみも大きいので操作性、取り扱いには優れて
います。操作性が良い半面、ケーブルが邪魔になったり、衣類との接触で衣擦れ音が
したりします。本体はポケットに入れたり、ひもで首にぶら下げたりしますので運動
には適しません。電池は大きなもの(単 3、4 電池)なので長持ちします。
② 耳掛け形:軽度~重度難聴まで対応できます。
耳に掛けるタイプなので、箱形と比べると音量つまみ、スイッチなどは小さくなりま
す。
(音量つまみ、スイッチの無いものもあります。
)運動などで体を動かすと耳から
外れ易い、メガネを掛けていると重なり合って安定しないなどがあります。電池は小
さなボタン電池を使用しますので、箱型と比べると電池の持ちは短くなります。
耳の外側は汗の通り道なので、他の補聴器と比べると汗にさらされる事で故障するこ
とがあります。防水型の耳掛け形補聴器もあります。多くの方が使用しており、一般
的な補聴器です。
③ 耳あな形:軽度~高度難聴まで対応できます。
耳の内側に着けるので他の補聴器と比べると小さく、目立ちにくいタイプです。
使用者の耳に形状を合わせている為、軽い運動であれば落ちる心配はなく、メガネを
掛けても邪魔になることはありません。電池は耳掛け形と同じか更に小さくなるので、
耳掛け形と比べると電池の持ちは同じか短くなります。
耳掛け形と比べると汗での故障は少なくなっています。最近では防水型の耳あな形補
聴器もあります。多くの方が使用しており、一般的な補聴器です。
※耳あな形には、大きさの違うものが 3 種類あり、対応できる難聴の程度が違ってい
ます。
フルシェル形で軽度~高度難聴まで、
カナル形で軽度~中等度・高度難聴まで、
CIC 形で軽度~中等度となっています。
④ 骨導補聴器(メガネ形)
:軽度~中等度難聴まで対応できます。
難聴のタイプが伝音難聴の方で、骨導値が~45dBHL までの方に適しています。
メガネと一体型なので、補聴器とは分かりにくい補聴器です。
(手)
6.補聴器の経過観察
(長いつきあいになります。このようにつきあってください)
アフターケア
補聴器を日常生活で使ってみて不都合がないよう定期的に病院への通院や補聴器店へ言って
下さい。補聴器そのものに不具合が起きる場合もあれば、
「きこえ」に変化が起こる場合もあ
ります。調子がおかしい、悪いと感じられたときには、必ずご相談下さい。また下記に示し
ますように定期的に受診されることをお勧めします。
[確認事項]
経過を観察していく内容は以下のようなものがあります。不具合などあれば適宜、チェック
し調節致します。
●聴覚管理(聴力検査・言葉の聞き取り検査)
●外耳道に耳垢・炎症の兆候がないか診察し、物理的な快適さの確認
●使用頻度…使用時間、使用環境の確認
●保管状況…乾燥保管、保管状態の確認
●電池交換…電池の寿命、使用量の確認
●装着と取り外し…困難な場合は装着練習実施
●音量調整…操作方法の確認
●お手入れ方法…耳垢・汗の除去の確認。メンテナンスの実施
●補聴器の特性測定
●装着状態での聞こえ・聞き取り検査
●補聴器の再フィッティング
[定期点検期間]
耳掛け形…6 ヶ月に一度ぐらい
耳穴形…耳垢に個人差が多いので一概には言えませんが 3 ヶ月に一度ぐらい
ポケット形…6 ヶ月~1 年に一度ぐらい
7.
補聴器の補助について
(このような公的な補助があります)
・ 聴覚障害のいずれかの等級に該当した場合に、障害者自立支援法により補聴器が交付さ
れる制度があります。それを受ける場合は、身体障害者手帳を所持していることが前提
となります。持ってない人は、お住まいの各区市町村の福祉関係の窓口へご相談くださ
い。
・ 補聴器交付までの流れは下記のようになります。
①
申請
補聴器の購入(修理)をする場合は各区市町村に補聴器交付申請して、
必要な書類をもらう。
②
指定医療機関で診断
指定医の「診断書」
「意見書」を書いてもらい、各市町村
に提出する。
③
見積作成依頼
補聴器(修理)の見積書を求められたら、購入を希望する補聴
器屋さんに書いてもらい、各市町村に提出する。
④
支給決定
補聴器支給決定されると、補聴器(修理)の交付券(補装具費支給
券)を受け取る。
⑤
購入 修理
交付券と引き換えに、補聴器屋さんとの契約により補聴器の購入
(修理)を行う。
⑥
支払・請求・支給
支払いは次の 2 つ(A.・B)の方法があります。
(松)
A、償還払い(利用者が一旦全額払い後で役所に請求する)
 補聴器購入(修理)に要した費用(基準額)を補聴器屋
さんに払う。
B、代理受領(利用者は、自己負担を払うだけ)
 利用者自己負担額(基準額の 1 割)を補聴器屋さんに払う。
 補聴器屋さんは基準額の9割を各区市町村に対して請求す
 利用者が基準額の 9 割を各区市町村に対して請求する。
 利用者から請求に対して補装具費の支給が行われる。
る。
 各区市町村は補聴器屋さんからの請求に対して補装具費
の支給を行う。
聴覚障害等級 (身障者福祉法抜粋)
級 別
現
症
2 級
両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル 以上のもの(両耳全ろう)
3 級
両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの (耳介に接しなければ大声を理解し得ないもの)
1.両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの (耳介に接しなければ話声語を理解し得ない
4 級 もの)
2.両耳のよる普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
1.両耳の聴力レベルが70デシベル以上のもの (40センチメートル以上の距離で発生された
6 級 会話を理解し得ないもの)
2.一側耳の聴力レベルガ90デシベル以上、他側耳の聴力レベルが50デシベル以上のもの
7. 補聴器の Q/A
(補聴器についての疑問にお答えします)
⑴Q 補聴器はいつごろ使えばいいですか?
⑴A 難聴を少しでも自覚したら補聴器の適応になります。実際には、難聴によってどの程度
困るかということが、補聴器をつける一つの目安になります。その程度が軽い軽度難聴であ
る時には、補聴器は必ずしも常時つける必要はありませんが、困る場合につけることをお勧
めします。
⑵Q 補聴器はいっぱいあるがどうやって選べばいいの?
⑵A 自分なりの補聴器に期待することとだいたいの予算が分かればより良い補聴器を担当の
方が選んでくれます。後は実際にフィッティングして試聴してみて合ったいるかどうかを確
認することになります。
⑶Q なぜ他人の補聴器ではあわないの?
⑶A 廉価な補聴器では、調節機能が全くないか、少ないことがありますが、多くはさまざま
な調節機能がついており、使用する方の聞き取りに合わせて補聴器の調節がされています。
難聴の程度や種類は個人で異なりますので、通常他人の補聴器を使用しても使えないという
ことになります。
⑷Q 勧められるままに高い補聴器を買ったが使えないのはなぜ?
⑷A 補聴器は1台4、5万円から40万円ほどの価格の違いがあります。価格の違いは、そ
の補聴器の性能の差異にあるわけですが、難聴の程度や種類によっては廉価の補聴器で十分
なこともありますし、逆に高価な補聴器でも十分期待通りに聞き取れないこともあります。
つまり、難聴のタイプが必ずしも補聴器で聞き取りを改善できるほどでなかったことが一番
の原因であると思われます。補聴器の購入に際してご自身の難聴の状況や補聴器での改善の
可能性について十分な理解が必要と言えます。
⑸Q 補聴器屋さんがいっぱいあるのに、病院へ行って合わせた方がいいの?
⑸A 難聴の原因にはさまざまなことが考えられます。
そのうち急に聞き取りが悪くなったり、
変動がある場合、耳漏がある場合などでは、医学的な治療が必要な場合があり、むしろ補聴
器を合わせることは避けなければなりません。それらの前提として、難聴の程度、原因が何
かをしっかり理解しておくことは、補聴器を合わせる上で必要なことであり、補聴器がどの
程度有効であるかは、医学的が判断でのみ可能ですので、ぜひとも補聴器の経験が豊富な耳
鼻咽喉科医師の診察をお勧めします。
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