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[決算手続の適正化について]
指
摘
・
指
示
事
項
票
№1
監査(検査)
対
象
公益財団法人 大阪府国際交流財団
機関・団体
( 会 計 )
処理区分
委 員 平成―年―月―日
監査(検査)
実施年月日 事務局 平成25年1月10日から
平成25年1月11日まで
指 示 事 項
事務区分
出納その他の事務
指示事項
財団法人大阪府国際交流財団(平成24年度より公益財団法人大阪府国際交流財団。以下「法人」
という。)における平成23年度の決算手続について確認したところ、以下の改善すべき事案があ
った。
1 基本財産である投資有価証券のうち時価の著しい下落が生じている円貨建外国債(取得価額
5億円、評価損2億8千万円)について、平成23年度決算において強制評価減を行う方針であ
ったが、指定正味財産から一般正味財産への振替処理が行われていなかった。
2 実質的に回収不可能な未収金193千円について、損失処理が行われていなかった。
3 投資有価証券1銘柄について、取得価額と外部預け先の残高証明書の金額との間に1千円の
差額が生じていた。
4 賃借料として処理すべき金額10千円について、会議費として処理されていた。
5 銀行預金口座のうち残高がゼロである1口座について、残高一覧への記載が漏れていた。
6 固定資産について、時価の把握による減損処理の要否検討が行われていなかった。
会計処理の誤りについては速やかに修正する必要がある。また、職員の公益法人会計に関する
内容理解と知識向上を図るとともに、適切な決算手続に努められたい。
指示事項の内容等
1 現状
法人における平成23年度決算の状況を確認したところ、会計処理が適切に行われていない以下の
事案があった。
(1)投資有価証券の著しい時価の下落に係る会計処理について
公益法人会計基準によると、満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価
証券のうち市場価格のあるものについては、時価をもって貸借対照表価額とし、評価損益を計上す
ることが必要である。また、時価が著しく下落した場合は、回復の見込みがあると認められる場合
を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。
さらに、指定正味財産に対応する基本財産の評価損益のうち、有価証券の時価の著しい下落によ
る強制評価減に相当する額については、実質的に資産価値が喪失し指定解除がされたとの考え方に
より、指定正味財産の部から一般正味財産の部に振り替える必要がある。
法人では、公益法人会計基準に従い、保有する債券のうち時価のあるものについて評価損益を計
上し、時価にて貸借対照表へ計上している。しかし、同時に、基本財産のうち時価が取得価額に比
べ50%超下落した以下の円貨建外国債3銘柄(評価損合計283,920,000円)について、強制評価減
を実施し簿価の切下げを行う方針であったが、指定正味財産から一般正味財産への振替処理を行っ
ていなかった。
【平成23年度 基本財産(投資有価証券)のうち時価が著しく下落した銘柄】
銘柄
満期日
ノルウェー輸出金融公社
平成49年5月
200,000,000
93,820,000
△106,180,000
ノルウェー輸出金融公社
平成49年6月
200,000,000
82,260,000
△117,740,000
ノルウェー輸出金融公社
平成51年2月
100,000,000
40,000,000
△60,000,000
500,000,000
216,080,000
△283,920,000
合 計
取得価額(円)
評価額(円)
評価損(円)
[決算手続の適正化について]
(2)滞留未収金について
法人の平成23年度末における特別会計の未収金971,300円は、法人が所有する外国人留学生寮の
居室使用料に係る債権であるが、平成24年12月末において193,300円が未回収となっている。発生
年度別の内訳は、以下のとおりである。
【滞留未収金の内訳】
内容
発生年度
オリオン寮の居室使用料
千里寮の居室使用料(注)
平成19年度
平成21年度
平成22年度
平成18年度
平成20年度
合 計
人数
1名
1名
1名
1名
1名
5名
金額(円)
52,000
78,000
26,000
23,500
13,800
193,300
(注)千里寮は平成21年3月末に廃止されている。
上記の債権の相手先は既に退去済みであり、本人と連絡が取れず、実質的に回収が困難な状況に
ある。 居室使用料は、本来は全て精算の上で退去することが原則であるが、上記の債権について
は、寮生の突然の無断退去等により回収不能となったことから現在も残高が計上されている。回収
が不可能と判断される債権については、合理的な処理方針を設け、遅滞なく損失処理する必要があ
る。
(3)投資有価証券の帳簿価額の誤りについて
投資有価証券1銘柄について、平成23年度末時点における外部預け有価証券の残高証明書と帳簿
価額の金額に不一致が発見された。差額が発生した原因を調査した上で、帳簿価額を適正な金額に
修正する必要がある。
区分
特定資産
銘柄
第290回 大阪府公募公債
帳簿価額(円) 残高証明額(円) 差異(円)
129,988,000
129,987,000
1,000
(4)費用の計上科目の誤りについて
会議室の賃借料10千円について、賃借料ではなく会議費として会計処理が行われていたため、今
後留意する必要がある。
(5)銀行預金口座及び残高一覧の網羅性について
平成23年度末時点の法人保有の普通預金口座のうち1件について、法人の決算資料である「銀
行預金口座及び残高一覧」に記載されていなかった。
当該口座についは、期末残高がゼロであり、平成24年4月24日付で解約したため、当該決算資料
作成時に記載を失念したとのことであるが、期末時点で保有している預金口座については網羅的に
記載し、残高証明書との一致を確認する必要がある。
(6)固定資産の時価の把握について
固定資産については、時価が著しく下落している場合、減損処理を行う必要があるが、平成23
年度における決算において、時価との比較による固定資産の減損の要否の検討を実施していない。
法人の所有する土地および建物について、公正な評価額を把握し、毎期減損の要否を検討する
必要がある。
2 指示事項の内容
法人での会計処理の誤りについては、次年度以降の決算において適切に修正する必要がある。
また、公益法人の会計処理に関する理解不足が見られ、決算におけるチェック体制も十分とはい
えないため、研修等の実施により職員の知識向上を図るとともに、決算手続に関するチェック体制
[決算手続の適正化について]
の強化を図られたい。
【参考】
公益法人会計基準 第2 貸借対照表
3 資産の貸借対照表価額
(1) 資産の貸借対照表価額は、原則として、当該資産の取得価額を基礎として計上しなければ
ならない。
(3)(中略)満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券のうち市場
価格のあるものについては、時価をもって貸借対照表価額とする。(注10)
(6) 資産の時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、時
価をもって貸借対照表としなければならない。ただし、有形固定資産及び無形固定資産につ
いて使用価値が時価を超える場合、取得価額から減価償却累計額を控除した価額を超えない
限りにおいて使用価値をもって貸借対照表価額とすることができる。
(注10)満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券について
満期保有目的の債券並びに子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券のうち市場価格のあ
るものについては、時価評価に伴って生じる評価差額は、当期の正味財産増減額として処理する
ものとする。
公益法人会計基準 第3 正味財産増減計算書
2 正味財産増減計算書の区分
(注15)指定正味財産の部から一般正味財産の部への振替について
次に掲げる金額は、指定正味財産の部から一般正味財産の部に振り替え、当期の振替額を正味
財産増減計算書における指定正味財産増減の部及び一般正味財産増減の部に記載しなければな
らない。(中略)
(3)指定正味財産に区分される寄付によって受け入れた資産が災害等により消滅した場合には、
当該資産の帳簿価額
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