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明視野顕微鏡像を 35 ミリカラーフィルムに撮影する各種フィルターについて
Title Author(s) Citation Issue Date 明視野顕微鏡像を35ミリカラーフィルムに撮影する各種 フィルターについて 笠井, 登 北海道大学農学部技術部研究・技術報告, 7: 22-25 2000-03 DOI Doc URL http://hdl.handle.net/2115/35393 Right Type bulletin Additional Information File Information 7_p22-25.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP <オリンパス顕微鏡写真撮影教室参加レポート> 明視野顕微鏡像を 35ミリカラーフィルムに撮影する 各種フィルターについて 生物資源生産学専攻園芸緑地学講座笠井 (作物・分析系 登 共同利用班) カラ ーフィルムによる顕微鏡写真撮影は、透過照明装置を通して染色された標本 の色をそのままフィルムに写し込むのが目的であり、白黒写真のように適正露出と ピント合わせた、けでなく、色の再現という要素が加わる。 色とは 物理学では,白い光は赤,緑,青の波長で構成されているということが証明され ています。赤,緑,青の波長は自然界のすべての色の基本になっています。これら 赤,緑,青を色光の 3原色と呼びます。 13原色│ 一 一 一 一 色光の 3原色(青色光・緑色光・赤色光) 色材の 3原色(イエロ - ・マゼンタ・シアン) 0加色混色法 加色混色法 減色混色法 i ゼ、ンタ 被写体を,三原色に色分解してお のおの記録し,その記録されたおの おののフィルムを合成,再現する方 法である(図 1) 。 0減色混色法 図 l 加色混色法 被写体を,白色光から赤色光だけ を吸収するシアン色の像,緑色光だけを吸収するマゼンタ色の像,青紫色光だけお 吸収するイエロ -像に分解記録し,三色の像を重ね合わせて再現する方法である ( 図 2) 。 -2 2- 図 1を見れば, 3つの色のうち 2つが重なっている 表 l 補色 部分にはシアン,マゼンタ,イ エローの第二色が表示さ イエロ ー れます。これら原色と第二色は互いに補色の関係にある。 マゼンタ 補色とは,その色と相反する色を意味します(表 1) 。 シアン イエロ ーは赤と緑で作られています。これには原色の 青が入ってないので,青とイ エロ は補色の関係にあり,同様に緑はマゼンタ ,赤 はシアンとそれぞれ補色の関係になる。これで赤,緑,青以外の色が見えるわけで )。 す。この関係は非常に重要で,これを基に色補正を行うわけです(表 2 例えば,ひまわりの色はイ エ ロ ですが,これは赤と緑の光の波長が 同じくらい反射され,青の波長は植 物に吸収されているからです。 また, 3色を重ねると暗い色にな 表 2 色補正フィルター ( CCフィルター) 除去したい色 青 シアン(青緑) 緑 黄 ると想像するが,あくまでも光を重 マゼンタ(青紫) ねた場合あって,光の波長を重ねる 赤 除去に必要なフィルタ ー 昔 CCY 赤 CCR マゼンタ 青 CCM シアン 緑 CCC CCB CCG と,色は明るくなります。このよう *CCフィルターは Col o rCompensatingF i l te rの略で 色は 6種類用意いされ各色の濃度も 6段階あります。 なことから原色は加色混色と呼ば顕微鏡写真には 0 5 香 , 1 0香が多用されます。 れます。全ての色の光を加えるとで, 最も明るい光である白を獲得するこ とができる。つまり,紙が白く見えるのは赤, 緑,青の波長が全て反射されていると考えられています。逆に,黒く見えるのは光 の波長が対象物に吸収されていると考えられます。 フィルムの選択 カラーフィルムは,色温度の違い、ネガタイプかリバーサルタイプかの違いによ り分類される。 色温度による分類では、タングステンタイプ ( 3 2 0 0 " '3400K) 、デーライトタイ 5500K) 、ユニバーサルタイプ ( 3200,,-, 5500K) などに分類される。 プ ( ネガタイプかリバーサルタイプかによる分類では、リバーサルタイプ(スライド 用) 、ネガタイプ(印画紙焼き付け用)に分類される。 一般的には、色彩 の色再現性における許容範囲(ラチチュド)の広さと、色補正 の容易さからデーラ イトタイプが推奨され、ネガカラ ーフ ィルムから起こすプリン トは色の不安定さから満足した色が得られないことからリバーサルフィルムが使 -23- 用されている。 色温度フィルター カラ ーフィルムは、昼間の太陽光線(4500,,-, 5400K)のどちらかというと青白い 光で照明しないと本当の色を再現しない性質があります。 2 8 0 0,,-, 3200K) かハロゲンランプ (3000K) 照明装置の光源はタングステン電球 ( であることから 、赤っぽい色に仕上がることになる。このように光源とフィルムと の条件が一致しないため、これを補正してやらなければならない。この操作を色温 度調整といい、カラ ーフィルムを使用するときは、必ずこの操作が必要である。 この赤っぽい色を解消するため、青いフィルタ ーを加えことで解消できる。この ことを色温度変換(転換)フィルタ ー と称されている。 色温度とは 光源の視覚的な色質を規定している指標で、絶対温度 oK (-273C) で全く光 0 を発しない 「 完全黒体 J を仮定し、その理想上の 「 完全黒体」を順次加熱してゆき、 それぞれの温度の時に発する色と対比してその色質を温度で規定しようとするも のである。この温度はケルビン (K) で表す。 T) の逆数 1 0 6倍 を ミレッド(Mir e d“Mic r or e c i p r o c a ld e g r e e "記号;M) 色温度 ( 値と呼ぶ。この ミレッド差は光の差と見ることが可能である。そこで、カラ ーフィ ルムのカラ ーバランスを整えるため、 LBフィルタ ーを用いる。 M i r e d ) 値」とは 色温度変換(転換)能力「ミレッド ( 5 0 0 0K) で被写体を照明した時、その被写体の色 カラ ーフィルムはデーライト ( がフィルム上で忠実に再現するように設計されている。よって顕微鏡もデー ライト で照明する必要があるが、顕微鏡の光源に 「どの位の濃さの LBフィタ ー」を入れ れば良いかを表すもの とて使用されるのが 「 ミ レッド値」である。 OLBフィルタ ーとは 3原色のカラ ーバラ ンスをコントロ ールし て、撮影時の照明光をカラ ーフィル ムの基準温度に適合させるため用いられる。これには、血l b e r系(照明光の色温度 u e系(照明光 の色温度を上昇させるフィルター) を降下させるフィルタ ー)とBl がある。 円〆臼 A 斗ム L Bフィルタ 一 ( B l u e系色温度上昇用フィルタ ー) ニコン オリンパス M コダック ( う ッ テ ン ) M No dM No dM 80B -112 2 -2 -81 4 -4 800 -56 8 -8 LB -45 NCB -10 LB -100 NCB -11 80A -131 LB -200 80 -45 12 -12 82 B -32 16 -16 -18 20 -20 80 C .2枚のフィルターを使用するときは、 変換量の和で取り扱う。 82 A -10 │色温度変換能力 1 ツ 七 ﹁ レ聞 4 の 白 しw ' a 系十 引系ル ud 下 hU ﹁到ん副フ 82 亘小しんト撤 回→!師 -コダック・富士は一般写真撮影用と して市販されてる フジ は ︺一 ミレッド値の求め方 1 (1)光源の色温度 ( 3 0 0 0K) の ミレッドを換算する ミレッド = 10 6/3000 =3 3 3M ハロゲ、ンランプ 畑 山 (光源の色温度) ( 2 ) 必要な色温度 (5500K) の ミレッドを換算する ミレッド =1 06 /5500 =128M 必要な色温度 ( 3 )3 0 0 0Kと5500Kの ミレッド値の差は LV 々ノ P 寸 亦 久 度 温 色 和? 5500K 128M-333M=-151M ( は色温度を上 げる青色フィルター表し +は色温度を下げるフィルタを表すが顕微鏡 の場合ほとんどが色温度を上げる方向なので マイナスを省略する事が多い) (4)結論として 3000Kの光源には色温度変換能力 151Mのフィルタ ー を使用すれ ばデー イライトタイプのフィルムの 5500Kが取りだせる F hu n〆臼