Comments
Description
Transcript
LIXILグループの事業概略
LIXIL グループの事業概略 金属製建材事業 水回り設備事業 メーカー事業 市場環境 市場に影響を与える要素 営業戦略 住宅用サッシやドアは、比較的経年劣化が少ない ため、需 要 動 向は新 設 住 宅 着 工 戸 数に連 動して います。一方、住生活基本法等の政府の省エネ対策 から生み出される二重サッシの設置等のリフォーム需要 の取り込みも期待されます。 ■ 住宅基礎工事職人の不足により住宅着工から売上が立つまでのタイムスパンが長期化 ■ 政府政策と人々のエコ意識の高まりにより「パッシブ」性能や「スマート」性能を備えた住宅やビルへの需要が拡大 ■ 市場のリフォームへのシフト(一般消費者のマインド変化、 リフォーム住宅の資産価値向上化) ■ 円安によるアルミ等の資材価格高騰 ■ 住宅ローン減税などの政府の住宅需要刺激策 ■ 消費税引き上げ ■ 家庭部門における二酸化炭素排出量削減に向け た高性能窓『サーモスⅡ』の拡販 『サーモスⅡ』の斬新的なデザイン性で市場を攻略 ■ ■ 直接顧客 浴室、洗面、 トイレ、キッチンなどの水回り関連スペー スは、リフォームを検討するエンドユーザーにとって優 先順位が高い場所です。リフォーム需要の底堅さが 水回り製品市場の順調な成長を牽引するものと期待 されます。 ■ 円安・石油価格高騰に伴う樹脂、鋼板、銅等の資材 価格高騰 ■ 市場のリフォームへのシフトに合致した新商品拡充 ■ 差別化商品の投入 ■ 既存住宅向け内窓『インプラス』の拡販 住宅サッシ類:代理店、販売店、ハウスメーカー、 パワービルダー LIXIL の空間提案総合力を活かしたお客さま重視型 商品開発 代理店(水道工事店) 、建材商社 エクステリア:代理店 ビルサッシ・シャッター:総合建設会社(ゼネコン) 競合 国内:YKKap、三協立山 海外:Shuco, 遠大(Yuanda) 国内:TOTO、パナソニック、タカラスタンダード、 ノーリツ、クリナップ 海外:Kohler、Roca グローバル展開 32 ■ ペルマスティリーザが世界各国に有する資産を最大活用し、新しい事業軸でも展開していく ■ ハイアールとの提携による販路拡大(キッチン事業からその他商品への拡大) ■ 地域完結型オペレーション体制で ASEAN 地域 2 桁成長を達成させる ■ アメリカンスタンダードと統合されたプロダクト事業の速度と精度を上げ、住生活空間のトータルソリューションを提案していく ■ 海外生産拠点とのシナジーが発揮される新しいエリアにプレゼンスを確立し、グローバル化を加速させる ■ 中国に続き、ASEAN 地域に IDC(デザインセンター) を開設し、現地顧客のニーズを的確に捉えた製品を開発・供給する ■ すでにあるトステムタイに加え、ベトナムのアルミ製 品新工場で日本及び ASEAN 諸国への供給体制を 強化する ■ ペルマスティリーザのカーテンウォール事業はグロー バルシェア No. 1 ■ ハイアールと提携しているキッチン事業において、中 国で No. 1を目指す ■ 現地市場に見合った新商品の開発 ■ ベトナム市場におけるトイレ事業は市場シェア60% 超 その他建材・設備事業 2011 年 3 月の東日本大震災発生と、その後の電力 不足に伴う節電意識の広がりを反映し、住宅の耐震 性や断 熱 性 能に対する消 費 者の関 心が高まって います。耐震性やパッシブ機能を持つ構造体や外壁 に対する需要が拡大するものと見られます。 n 東日本大震災の復興需要の顕在化 n 消費増税による駆け込み需要、反動減 n 断熱性・耐震性などに関する新たな法規制 n 政府によるリフォーム市場活性化政策の実施 n 円安による木材価格の高騰 n n 流通・小売り事業 住宅・不動産他事業 ホームセンター市場は約 4 兆円で頭打ちしていますが、 各社とも建築や農業などのプロ向けに専門性を追求 した店舗展開で特色を出しています。 2013 年 3月期の国内住宅市場は、東日本大震災から の復興需要や政府による住宅取得促進策、住宅 ローン金利が低水準で推移していることなどを背景 に、新規住宅着工戸数が増加しました。また、政権交 代後の金融緩和に伴う円高傾向の修正や株価上昇 も影響し、住宅・不動産市場はやや強含みに推移して います。 n 一般消費動向 n 太陽光事業の拡大 n 建材で専門性を追求 n 電材を組み込んだ建材商品の開発 n 「HEMS」 「蓄エネ」商品・事業の拡充 n n 代理店、販売店 ホームセンター:プライベートブランド比率を増やすこ とで収益性を改善、建材コーナーが特徴 建デポプロ:フランチャイズ制度の導入、将来目指す 姿は「プロ向けのコンビニエンスストア・他社製品も 扱うロジスティックセンター・施工職人の紹介」 n 消費税増税前の駆け込み需要による住宅着工の 伸び 未開拓の領域に進出してビジネスチャンスを獲得 お客さまが購入する製品と、当セグメントで提供する サービスのパッケージ化により、総合住生活企業とし てのシナジー効果創出 ホームセンター事業:一般消費者、建築職人 住宅フランチャイズ事業:加盟工務店 建デポ事業:建築職人、中小工務店 地盤調査事業・住宅瑕疵担保責任保険事業:施主、 パワービルダー、ハウスメーカー、中小工務店 不動産仲介フランチャイズ事業:一般消費者 国内:大建工業、パナソニック、ニチハ、TOTO 海外:Franke, Nobia n DCM Japan ホールディングス、カインズ、コメリ、 コーナン商事 木製室内ドアの拡充(大連) 33 事業を取り巻く環境 日本の業界動向 住宅市場の推移 過去 20 年間の日本の住宅着工総数は、1996 年度の 163 万戸 利用関係別新設住宅着工戸数 (千戸) 2,000 以降、減少傾向をたどっています。今後も人口の減少を反映して、 住宅着工戸数が伸びるとは考えにくい状況です。2006 年度まで 1,500 110 万∼120 万戸で推移していた着工総数は、2007 年 6 月の 建築基準法の改正を受けて100 万戸水準に落ち込みました。そ 1,000 の後、2008 年 9 月のリーマンショックを契機に突入した金融危機 を境に 80 万戸水準まで落ち込み、推移しています。 500 2013 年度の見通しとしては、東北地方における東日本大震 0 災からの復興需要が継続し、 また、消費税率上昇前の駆け込み 需要が予想されることから、着工総数は 2012 年度と比較して上 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 持家 貸家 (年度) 分譲 (注)給与住宅は貸家に含んでいます。 出典:国土交通省「住宅着工統計」 向くものと考えられます。 住宅ストックの現状 2008 年の総 務 省の調 査によると、住 宅ストックは総 計で約 築後年数別、建て方別住宅数 (千戸) 6,000 耐震基準を 満たしていない建物 5,000 万戸にのぼります。このうち、1,600 万戸近く存在する 1981 年以前の建物は現在の耐震基準を満たしておらず、耐震 リフォームや建替えの対象となります。このように、国内における 4,000 潜在的な住宅リフォームニーズは大きいと想定されますが、これ までのところ、実際にリフォームを実施した層はまだ限定的です。 2,000 リフォームに対する消費者の不安を除くとともに、住宅リフォーム への助成金給付などの行政上の仕組みを活用し、潜在している 需要を掘り起こすことが業界全体の課題になっています。 0 0-1年 一戸建 2-7年 共同建 8-17年 18-27年 28-37年 38-47年 48-57年 58 年以上 長屋建 (注)不詳数は除く 出典: 「住宅・土地統計調査(平成 20 年確報)」 ビル市場の推移 事務所、店舗、工場、住宅等、建築分野における建設大手 50 社 建設工事大手 50 社の受注状況 (兆円) 12 の受注動向の総数は、2008 年度に減少し、2009 年度から横ば い傾向となり、今後も同様な水準が継続するものと見込まれます。 当社グループにおける国内のビル関連事業は、市場縮小の中で 8 厳しい環境にさらされています。 こうした環境下、当社グループはグローバル市場にも狙いを定 4 め、2011 年 12 月にイタリアのペルマスティリーザ社をグループ傘 下に収めました。2013 年度は、活況を呈す米国や中東、アジア をはじめとした市場の動きを捉え、積極的な営業活動を展開して います。 34 0 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 (年度) (注)建築分野のみ(事務所・庁舎・宿泊施設・工場・住宅・医療施設・娯楽施設等) 出典:国土交通省「建設工事受注動態統計調査(大手 50 社)」 リフォーム市場の規模 日本の中古不動産の流通市場は諸外国と比べて極めて小さく、 既存住宅流通シェアの国際比較 (%) (万戸) 800 100 600 75 400 50 200 25 住宅流通全体(新築+中古)に占める割合は、欧米先進諸国の 70 ∼ 80% 程度に対して約 13.5% にとどまっています。また、住 宅の代替わり周期は約 30 年と、80 ∼ 100 年以上が一般的な欧 米先進諸国と比べて圧倒的に短いことも特徴のひとつです。 日本政府が 2009 年 6 月に施行した「長期優良住宅の普及促 進に関する法律」や 2010 年 6 月に発表した「新成長戦略」で は、住宅市場を活性化するため、ストック重視の住宅政策へ転 0 換することが掲げられました。背景には、中古住宅の流通を促す ことで、所得レベルやライフステージ、 ライフスタイルに合った選択 ができる環境づくりが、現在の住宅政策の重要課題であるという 日本 (2008 年) 新築住宅着工戸数 米国 (2007 年) 英国 (2008 年) 0 フランス (2008 年) 既存住宅流通戸数 既存取引/全体(既存+新築)流通 出典:国土交通省「国土交通白書 2011 」 政府の認識があります。 今後は、ゼロエネルギー化をはじめとする住宅の環境性能の 強化や、高齢社会の到来に伴うバリアフリー化のための改修需 住宅投資に占めるリフォームの割合の国際比較 (%) 100 要も見込まれることから、当社グループは、リフォーム向け商品の 拡充を進めています。さらに、エンドユーザーとの営業接点を増 75 やすためのショールームの開設やリフォームを請け負う工務店の ネットワーク化と提 案 力の向 上など、エンドユーザーにとって 50 リフォームが頼みやすい環境の整備にも取り組んでいます。 25 0 日本 (2008 年) 英国 (2008 年) フランス (2008 年) ドイツ (2008 年) 出典:国土交通省「国土交通白書 2011 」 原材料価格の動向 当社グループの主要事業においては、サッシではアルミ、水栓金 具では銅、バスルームでは樹脂や鋼材、木質内装建材では木材 といった原材料の価格が影響しますが、特に業績に大きな影響 を与えるのはアルミ価格の動向です。 2005 年から急騰していたアルミ価格は、リーマンショックを契 アルミ価格の推移 (米ドル/トン) 3,500 2008 年 7月 $3,380/トンで最も高騰 3,000 2,500 2,000 機とする金融危機を境に下落に転じ、現在は比較的安定した推 1,500 移を見せています。一方で、アルミ地金は海外から調達している ため、円安のマイナス影響を受けます。このため、昨今の為替動 向から 2013 年度の当社グループの業績に為替の影響を織り 込んでいます。 1,000 500 0 2008/4 2009/4 2010/4 2011/4 2012/4 2013/4 (注)2008 年 4月1日∼ 2013 年 3月31日まで 出典:LME 市況統計 35 営業概況 Metal Building Material Business 金属製建材事業 当期の事業環境と業績概況 当期は断熱性や眺望性に優れた次世代スタンダードウィンドウ『サーモスⅡ』の提案活動 に努めたことなどに加え、超高層ビルのカーテンウォール市場でグローバルに事業展開す るペルマスティリーザが新規連結となった影響などから、売上高は前期比 26.6% の増収 売上高 (億円) 8,000 6,518 億円 6,000 となりました。営業利益は、販売価格や商品構成の悪化などがあったものの、C-30 プロ ジェクト(コスト削減活動)や利益率の低いビル物件の受注統制、 タイ洪水からの復旧に より、前期の 6 倍となりました。2013 年度も引き続き『サーモスⅡ』の提案活動に注力し、 LIXIL のダントツ商品を拡販していきます。 4,000 2,000 0 09 10 11 12 13 LIXIL の強みと課題、営業戦略 ■ 住宅サッシ/エクステリアの高いシェア ■ グローバルなビルサッシ事業におけるペルマスティリーザの活用 当社は、住宅サッシやエクステリアの分野で高い市場シェアを持ち、マーケットリーダーと 営業利益/営業利益率 (%) (億円) 300 239 億円 して需要を掘り起こしています。近年は、住宅のエネルギー消費を削減するというテーマ のもと、高断熱性を実現する商品の開発において高い評価を得ています。2013 年 3 月 期は、高断熱性や防音性を持つリフォーム向け商材の『インプラス』を引き続き販売する 6 200 3.7% 4 100 2 とともに、2012 年 12月に『サーモスⅡ』を発売して拡販に努め、環境配慮型商品の分野 におけるブランド力や競争優位性強化を図りました。 グローバルなビルサッシ事業については、 2011年12月にグループ傘下に入ったペルマスティ 0 09 営業利益 10 11 12 営業利益率 。 リーザのブランド力・営業力・技術力・プロジェクト管理力を活用しています(P24-25 参照) 成長牽引を期待する製品 次世代型ウィンドウ『サーモスⅡ』は、LIXIL 独自の技術により優れた断熱性能とスリムな デザインを両立させた新製品です。2010 年に発売した『サーモス』をベースに、お客さ まであるプロユーザーの声に応えて使い勝手や施工性を向上させました。LIXIL グルー プは、 『サーモスⅡ』の普及促進を図ることで、日本の住宅の断熱化を促進し、日本の窓 を革新していく考えです(P51-55 の第 2 特集もご覧ください)。 その他:商品ごとに国土交通大臣の認定を受けている防火戸 FG-E など 36 次世代型ウィンドウ『サーモスⅡ』 13 0 Plumbing Fixtures Business 水回り設備事業 当期の事業環境と業績概況 中国ハイアールとの新設合弁会社、LIXIL ハイアール住建がキッチンの販売を開始した 売上高 (億円) ことなどから売上高は前期比 1.0% の増収となりました。営業利益は、新商品投入が当 5,000 初計画より遅れたことなどから販売価格や商品構成の悪化があったものの、コスト削減 4,000 活動である C-30 プロジェクトや、前年に発生した LIXIL 統合コストなどの一過性の費用 3,000 がなくなったため、前期の約 1.5 倍となりました。 2,000 タンクレストイレ、バスルーム、キッチン、洗面で、デザイン性や掃除のしやすさ、節水性 1,000 といったユーザーへの高い訴求力を持つ高付加価値商品を大規模に投入しました。ま 0 3,743 億円 09 10 11 12 13 た、コスト競争力の強化に向けて、システムキッチンの製造部門を移管・集約し、水戸工 場は 9 月末をもって閉鎖しました。 2013 年度は新商品効果と海外事業の伸長で増収増益を計画しています。 営業利益/営業利益率 (%) (億円) LIXIL の強みと課題、営業戦略 200 ■ 国内トイレ事業は 2 社で寡占化 160 4 ■ キッチン、バス、洗面事業は国内シェア No.1 120 3 リフォーム市場の活性化が予想される中、特にエンドユーザーのリフォーム意欲が高い 80 2 キッチン、バス、洗面などの水回りの分野において国内シェア No.1を誇る幅広い商材を 40 1 持つことは、当社の強みです。この強みを活かすべく、工事の効率化を実現する省施工 タイプの製品、あるいは、省エネ、節水、清掃のしやすさといった機能性で他社製品との 0 4.5% 170 億円 09 営業利益 10 11 12 13 5 0 営業利益率 明確な差別化が可能な製品の開発と展開に取り組んでいます。 成長牽引を期待する製品 タンクレスシャワートイレ一体型便器『サティス』は、2001 年の発売以来、最先端の機能 と高いデザイン性を持たせた新型種を投入し、プロから一般消費者まで大きな支持を集 めています。2013 年 2 月に発売した新型『サティス』3タイプは、水音が静かでありなが ら力強く洗い流す新洗浄方式の採用をはじめ、機能面・価格面・デザイン面で高い機能 を搭載しており、衛生陶器の成長ドライバーとなることが期待されています。 その他:汚れにくいバスルーム『キレイユ』、水のうずで汚れを洗い流す排水口を搭載 タンクレスシャワートイレ一体型便器『サティス』 したキッチン『サンヴァリエ(リシェル)』など 37 Other Building Materials and Equipment Business その他建材・設備事業 当期の事業環境と業績概況 2012 年 4月に(株)LIXIL ニッタンの株式譲渡を行った影響で売上高は前期比 1.5% の 売上高 (億円) 減収となりましたが、リビング建材の商品ラインナップの拡充や住宅外壁の前期の震災 2,500 被害からの復活などで、好調に推移しました。リビング建材の売上増や、コスト・諸経費 2,000 の削減活動 C-30 プロジェクト、前年の統合の一過性コストがなくなったため、営業利益 1,500 は前期の約 4 倍となりました。 1,000 第 4 四半期には、新たなソーラーパネルを採用し、最大出力を30% 向上させた太陽光 500 発電システム『ソーラーラック』など、創エネビジネスで6 種類の新商品を発売しています。 0 1,880 億円 09 10 11 12 13 LIXIL の強みと課題、営業戦略 ■ リフォームを中心としてビジネスユニット間の連携を行う総合価値提案 ■ 耐震性能の高い構造体やパッシブ機能を高めた商品 営業利益(損失) /営業利益(損失)率 (%) (億円) 76 億円 8 LIXIL グループの強みである商品ラインナップの幅広さを活用し、商品別のビジネスユ 80 ニット間の連携を進めることで、室内をトータルコーディネートするリフォーム提案ができる 60 6 体制を整備しています。また、東日本大震災発生後の、防災や省エネルギーに対する関 40 4.0% 4 心の高まりに応えるタイル・エクステリア一体型商品の開発や、太陽光発電のための電材 20 2 を組み込んだ建材商品の開発にも取り組み、他社にはないパッシブ機能を高めた商品を 0 0 提供しています。当社は、技術開発と市場展開を通じて創エネルギー市場における プレゼンスを確立し、日本の住宅でのエネルギー利用のゼロバランス実現に貢献します。 –20 09 10 営業利益(損失) 11 12 13 営業利益(損失)率 成長牽引を期待する製品 太陽光発電システム『ソーラーラック』 『ソーラーベース』、調湿タイル『エコカラット』など 太陽光発電システム『ソーラーラック』 38 –2 Distribution and Retail Business 流通・小売り事業 当期の事業環境と業績概況 前期は震災後の復興や節電需要でホームセンター (HC) の売上高が大きく伸びたため、 当期の売上高は HC 既存店においては反動減となったものの、LIXILビバで環境に配慮 したエコストアの岩槻店など超大型 HC のスーパービバホームを 4 店出店したことで HC 売上高 (億円) 1,754 億円 2,000 1,500 事業では前期並みを確保しました。LIXIL の会員制建材卸店を展開する建デポ事業が 順調に伸びたこともあり、当事業は全体で前期比 5.3% の増収となりました。営業利益は 経費削減効果や、建デポ事業での赤字縮小により、黒字に転換しました。 2013 年 3 月末の店舗数は、HC は 9 店を閉鎖したため 80 店、建材卸店は 62 店となり 1,000 500 0 09 10 11 12 13 ました。 LIXIL の強みと課題、営業戦略 ■ HC 事業のパイオニアとしてのノウハウの蓄積 ■ 建築ノウハウを有する当社ならではの強みを活かした建デポ事業 営業利益(損失) /営業利益(損失)率 (%) (億円) 40 4 当社は、一般消費者をお客さまとするホームセンター事業と、工務店など建設関係のプロ 30 3 ユーザー向けの建デポプロという二つの業態で流通・小売り事業を展開しています。 20 2 このうち、ホームセンター事業は、30 年以上前に事業を開始し、運営・展開ノウハウを蓄積 10 しています。 ホームセンター事業では、戦略的に大型店舗であるスーパービバホームの出店と旧来 型の小型店舗のビバホームにおける不採算店の閉鎖を推進しています。また、プライ 1 3 億円 0.2% 0 0 –10 09 10 営業利益(損失) 11 12 13 –1 営業利益(損失)率 ベートブランド比率を2013 年 3月期末時点での 25% から2016 年 3月期には 31% に引き 上げ、収益性を改善していきます。 建デポ事業については、2014 年 3月期に損益分岐点に達し、その後収益成長軌道に 乗ることを目指しています。 成長牽引を期待する事業形態 建築プロ向けの会員制建材卸店「建デポプロ」 (P31 参照) 建デポプロ 39 Housing, Real Estate and Other Businesses 住宅・不動産他事業 当期の事業環境と業績概況 住宅 FC を展開する LIXIL 住宅研究所は、期首に GL ホームの住宅 FC 本部事業を譲り 受けたことや経費削減により、増収増益となりました。日本住宅保証検査機構( JIO)は 新築瑕疵保険契約件数の増加や中古マンション戸単位売買瑕疵保険の販売開始など 売上高 (億円) 800 593 億円 600 で増収となりましたが、費用増で減益となりました。地盤調査 ・地盤補強工事のジャパン ホームシールド(JHS)は、新しい地盤調査法で新規顧客を拡大しましたが、競合との競 争激化で減収減益となりました。LIXILリアルティは、不動産流動化事業の物件売却増 などで増収増益となりました。これらの結果、当事業は前期比3.4% の減収、同16.1% の 400 200 0 09 10 11 12 13 増益となりました。 LIXIL の強みと課題、営業戦略 n JIO は国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人 n 地盤調査・解析の JHS も約 55% 以上のシェアを持ち、業界 No.1 n 収益率の高い事業で他セグメントとの連携を図り、一層のグループ価値向上に貢献 営業利益(損失)/営業利益(損失)率 (億円) (%) 60 8.4% 9 49 億円 40 6 20 3 0 0 住宅関連サービスは、建材や工事関連の商品・サービスの範囲を超える住宅ストック向 けソリューションです。建物の維持・保全、機能向上に寄与する LIXIL 独自のサービスを 提供することで、差別化を図っていきます。住まいと暮らしにかかわるサービスは多岐に わたるため、今後大きなビジネスチャンスが得られるものと期待されます。 –20 09 10 営業利益(損失) 11 12 成長牽引を期待する商品・サービス ニーズが高まっている住宅の省エネルギー化を実現する商品を発売しています。 「セシボ スマートハウス」は、 風、 光といった自然エネルギーを活用する技術や、 太陽光発電システム に加え、家庭用エネルギー管理システム「HEMS」を採用し、自然の恵みと最新テクノロ ジーを融合させることで、より高い自然エネルギー活用性能を実現しています。 アイフルホーム『 New セシボ』 40 13 営業利益(損失)率 –3