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二次審査

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二次審査
那覇新庁舎は新しい沖縄の建築文化を現し、市民参加の自治の拠点として沖縄を再生する革新的な建物であらねばならない
□沖縄の特性と新庁舎のあるべき姿 ー亜熱帯の離散した島々からなる沖縄の可能性ー
日本の南西端の島嶼地域に位置する沖縄は、日本の他地域と比べて特異な気候風土・歴史・
文化をもつ。しかし、復帰後の経済発展の中で本土化が進み「沖縄らしさ」と「沖縄の誇り」が
失われ、さまざまな環境・都市問題が起きている。
この新庁舎建設は、「那覇市新庁舎基本構想・基本計画」に示された与条件の他、次の基本的
な考え方を包含することが大切だと考える。
1新しい沖縄の「建築文化」を示す庁舎
→半戸外空間をもつ庁舎
2市民参加による「自治」の拠点としての庁舎
→開かれた空間をもつ庁舎
3沖縄を再生する「共生」の拠点としての庁舎 →市民が参画できる空間をもつ庁舎
4沖縄を「発信」する拠点としての庁舎 →沖縄の魅力と情報を発信する庁舎
香港 台北
屋上庭園 市民フォーラム
外廊下
ピロティ
市民プラザ
大階段
広場
市民スペース
3多様な使用形態を誘起させる庁舎
市民のスペースとともに、喫茶・食
堂やキオスク、トイレや東屋や物見
塔、オブジェやベンチや照明などを
設ける。これらのスペースは祭りや
朝市や集会などさまざまな催しの場
となる。大階段などは大きな観覧席
として利用できる。
大階段
カフェ
喫茶・食堂
キオスク
屋外トイレ
物見塔
ヒンプン
冷媒管
那覇港
小禄
壁面緑化
固定壁のないオープンな
オフィス空間
機械室
職員会議室
歩道
行政棟
議会棟
ピロティ
ブリッジ
外廊下
バリアフリー計画ーユニバーサルデザインの庁舎
老若男女・外国人・身障者の方などさまざまな人々がこの開
かれた庁舎を訪れる。段差のないこと、身障者EV・トイレ、
点字ブロックなど物理的な処方は市や県の「福祉のまちづく
り条例」に準ずるとともに、設計・施工時の市民参加の際に
さまざまな意見を聞く。そして福祉機器の設置だけでなく運
営上の心のかよった沖縄型バリアフリーを心がける。
窓口業務
▽1F
歩道
地下駐車場
雨水槽
ピロティ
70m
大階段
議事堂
市民スペース
市民プラザ 市民フォーラム
市民
フォーラム
市民プラザ
広場
8防災拠点となる庁舎
災害時には、この庁舎建築全体が防
災拠点となる。通常は地下1階に防
災センターがあるが災害時は広場・
市民フォーラム・市民プラザが防災
スペースと避難場所となる。食料の
備蓄、雨水浄化による飲料水利用、
非常発電設備等を設置する。
現庁舎
RF
6沖縄・那覇を発信する庁舎
多くの内外来訪者や市民活動をしよ
うとする人々に様々な沖縄・那覇の
情報を提供し、展示するコーナーを
つくる。那覇市が蓄積してきた情報
を市民に公開する情報センターであ
り観光案内所でもある。
大屋根
那覇
屋上庭園
屋上緑化
世界へ沖縄・那覇を発信
市民ステージ
壁面緑化
Wルーフ
市民プラザ
大屋根
展望EV
警備室
Wウォール
壁面緑化
観光案内情報センター
物見塔
市民フォーラム・プラザ
広場
防災広場
非常用発電機室
環境部
経済観光部
550
500
外廊下
市民フォーラム
ブリッジ
7F
東屋
6F
喫茶・食堂
市長室等
総務部
400
1550
ヒンプン
ピロティー
5F
キオスク
会議室
550
企画財務部 2100
1500
議会関係
がじゅまる大木
大階段
防災センター
8F
200
100
大階段
庁舎前広場
大屋根
屋上庭園
医務室
監査事務局
防災備蓄庫
受水槽
開南小学校
大きな開口
4F
市民スペース1100
出納室
150
市民プラザ 市民フォーラム
応急給水槽
食堂・喫茶
こども
みらい部
並木
ピロティ
設計
駐輪場
1F
ピロティー
10将来の増築への提案
5明快なゾーニングとフレキシブル
打合せ室
EV・トイレ
開南小学校側の敷地25m幅のとこ
なプランをもつ庁舎
階段
階段・PS
カウンター
可動間仕切
ろを増築スペースとし、新庁舎を延
地下駐車場、行政、議会など明快な 職員休憩室
外廊下 大会議室
長した形で地上と地下を増築しつな
ゾーニングとし上各階とも間仕切壁
内廊下
げる。改築する小学校もコンパクト 25m
がない。市民の利用が多い部署は低
ブリッジ
市民フォーラム
層階に配置し、平面移動で用が足り 行政棟
吹抜
EV・トイレ に校舎をつくり、グランドを芝生化
議場
階段・PS
し学校敷地全体を公園のようにし、
る。行政棟と議会棟は別棟とし独立
議会事務所
市庁舎と一体化する。
性をもたせながらブリッジによって
ガラス間仕切
議会棟
つながっている。
機械室
駐車場
6600
2450
機械室
書庫・倉庫 800
広場
P(137台)
B1F
防災センター 80
階段・EV 1500
廊下
5000
P(100台)
基
本
設
計
市
民
報
告
会
2011(H23)
実施設計
□新庁舎の管理運営の考えよう
・市民スペースの使い方を考える
・市民スペースのルールを考える
・行政・議会スペースを考える
・新庁舎管理運営方法を確認
実
施
設
計
市
民
報
告
会
2012(H24)
工事期間
完成・運用開始
□新庁舎の建設工事を知ろう
・建設工事状況を知らせる
・完成にむけ運営準備をする
建
物
完 □新庁舎の運営
成
市 使用方法を見直改善しよう
民 (3 5年毎に開催)
報
告 イベント・シンポジウム
会 行政ガバナンスの見直し検討
B2F
市民を覆うガジュマルの木陰
でありつづけるために
こんな庁舎が必要だ
どういう使い方をしよう
様々なイベントの開催
オープニングイベント ・シンポジウム
・市民交流会
・ライブイベント
庁舎の使用方法
竣工
基本案決定
最終案決定
現場見学会
・etc
運営方法検討
運用見直・改善
新庁舎設計案
イメージ共有
現場参加 運営準備
市民・民間への開放
叩き台作成
新庁舎見学会
現庁舎見学会
現庁舎解体見学会
フリースペースの活用
どう運営しよう
維持管理
基本設計図書作成
実施設計図書作成
どう使用しよう
提案
設計監理
メンテナンス
こういう空間が必要だ
アフターケア
要望
こんな機能が必要だ
聴取
意見交換
行政
庁舎前広場
グラウンドの芝生化
□新庁舎を考えよう
・新庁舎の将来像を考える
・市民・行政・議会の役割
・新庁舎基本設計の考え方
・新庁舎基本設計を確認する
2F
市民文化部 900
健康福祉部 2850
基本設計
2010(H22)
市民
屋上緑化
歩道拡幅
2008(H20) 2009(H21)
3F
350
600
壁面緑化
がじゅまるキジムナー
私たちは設計時の市民参加を起点とし、建設中、竣工時そして、完成後の「市政や街づくり
への市民参加」が持続できる空間をもつ市庁舎を求めて、『市民参加』を考える。
沖縄にはかつて、「シマ」と呼ばれたコミュニティの基本単位の中にあって、「ユイマール」と
いう相互扶助・共同参画の住民参加のシステムがあった。これを参考にし、沖縄型市民参加
の新しいシステムをこの新庁舎建設の中で再構築する。
設計時の市民参加
新庁舎は「CityOffice」だけでなく「CityHall」であるべきで、行政サイド
だけでなく利用者(市民)サイドから新庁舎ビジョンを求めワークショプを開く。その際次
の事が大切である。
1)設計初期に新庁舎の将来像のイメージを市民と共有すること
2)やさしい言葉と道具を用いたワークショップを開くこと
3)コンペ案をゼロから検討し、柔軟に改善する設計側の態度
建設時の市民参加
市民の意見を盛込んで作った新庁舎将来像を建設・運営・管理の面から
再度市民と考える。そして現場で市民スペースの空間規模や広さを確認する。
竣工後の市民参加
完成した新庁舎の運営・利用・管理を市民とともに見直す。そして、市
政や街づくりに市民が参加しやすく、より活発化するように庁舎建築の中での市民スペース
のあり方を定期的に話し合いをし、将来的にわたって改善し続ける。
新庁舎建設運営ワークショップスケジュール
プロポーザル
コンペ
ブリッジ
サイン計画ー親しみある庁舎
明快なゾーニングと、見渡せわかり易い建
築空間構成の中で、親しみある沖縄らしい
ピクトサインを随所に配置する。これらの
サインはヒューマンスケールをつくりだす
大切な建築要素である。
□新庁舎への市民参加 ー市民参加にむけて建築に何が可能か?ー
ボリュームの検討例
60m
国際通り
9周辺環境の保全と改善
広場は現況の広さを維持する。歩道
も広くし並木道をつくる。東西立面
はツタによっての壁面緑化を計り、
美しい建物景観をつくる。芝生や低
木によって屋上緑化する。小学校側
には広い開口を設け、小学校への圧
迫感をなくし校庭の通風を守る。
4全体が見渡せるわかりやすい庁舎
広場・市民フォーラム・市民プラザ
などすべての空間は連続しており平
面的にも立体的にも見渡せる。そし
て行政棟も議会棟も全面ガラス張り
で、市民の目がとどく「ガラス張の
市庁舎」とする。また、4Fの警備
室からは庁舎の全体が見える。
・耐塩害の建物をめざし、外壁タイルの採用、低スランプコンクリート
・屋上庭園
中高木による屋上緑化は台風のためむず
の採用、外部鉄部の亜鉛溶融メッキ量の増量、内部鉄部やRCの塗装、
かしく、覆いのない屋上は陽射しが強くて利用しに
グアム
ガラスの多用など躯体部の劣化対策を施す。
くいので主に建物断熱のための砕石・砂のみのフ
1500km
・地下2階のこの建物は、地下6 8mに泥岩の支持
リーメンテナンスの芝生と低木の庭園とする。
壁面緑化
2000km
層があるので直接基礎とする。
・壁面緑化
外部側の外廊下にPC縦ルーバーと植
・大屋根屋根材は、安価でしかも耐久性のある極厚
栽ポットを設置し、現庁舎のツタ、ブーゲンビレア
目付高耐侯性溶融メッキ鋼板を使用する。
を移植する。直射日光を遮し、緑の建物景観をつく 屋内 外部テラス
・メンテナンスのし易い設計とし、メンテナンスマ
自動潅水装置
る。内部側外廊下には草花用植込をつくる。
R58
ニュアルをつくり徹底する。
耐震壁コア
新庁舎建築のイメージ
・雨水利用の自動潅水装置をつける。
浦添市
設備計画ー沖縄型グーリーン庁舎
・植栽のメンテナンスは市民の手に委ねる。
新庁舎の建築空間とは、大きな「がじゅまるの木」のような建物だと考え
旧那覇
亜熱帯海洋性気候の沖縄では、機械や設備に過度に依存せず
る。しっかり地域に根をおろし、台風にも耐え、広い枝とたくさんの緑の葉で
照明計画ー常夏の夜を光で演出する庁舎
首里
強い陽射を遮えぎり、風が通り抜け、木陰のある心地よい空間環境をもつ。そ に、自然の光・気温・風・雨を生かした環境負荷の小さい省 外構と半戸外部分の夜間照明は時間帯や多様な市民の使い
して、いつもそこには多くの人々が安心安全と未来を求めて集う。そこは従来 エネの庁舎をめざす。
方に対応できるものとし、市民フォーラムや建物や樹木を
1km
の建築にない多様性と可変性があり、成長する空間でもある。
真和志
・室内の床吹出し空調採用とナイトパージ機能によ
自由な天井
ライトアップで演出し、都市の美しい夜景を創り出す。
る外気冷却
給気
2km
行
那覇市役所
・大屋根・屋上緑化・壁面緑化による環境負荷軽減 オフィス
政
防災・避難計画ー安心・安全な庁舎
3km
屋上緑化
棟
小学校
大屋根
議
空調機械室
・大屋根の太陽光発電、雨水の中水利用、夜間電力
豊見城
原則的に建築法規を満たす計画を行う。半戸外スペースの
会
モノレール
排気
OAフロア
利用の氷蓄熱利用
屋上庭園
棟
国際通り
外廊下や階段、市民フォーラムや大階段があるので災害を
・外廊下を通しての自然光利用と高出力照明の採用
展望EV
昼間
冷気
壁面緑化
夜間
外気
外廊下
認識し、避難しやすく、安全な建物である。
・長寿命化機器の採用、エコマテリアルの使用など
マニラ 1000km
7沖縄型Wスキンによる省エネ庁舎
Wルーフである大屋根や、道路側外
廊下のPC板による壁面緑化(Wウ
ォール)を設けて、陽射しを遮る。
沖縄では直射日光と雨をうまく遮え
ぎることが重要である。大屋根には
太陽光パネルを設置し、壁面緑化は
室内の熱負荷を下げる。
2心地よい半戸外空間を持つ庁舎
年中温暖で陽射しが強く、雨が多い
沖縄では、半戸外空間は心地よい風
が通り抜け、室内的利用が可能であ
る。広場と連続するピロティや大屋
根のかかった大階段、市民フォーラ
ムと市民プラザなどは公園であり市
民活動の拠点となる。
那覇
500km
□庁舎建築モデルの原則 ー沖縄の気候風土を生かした市民参加の新庁舎ー
1公園のような開かれた庁舎
市庁舎は市民のものであり、敷地や
建物の一部や屋上などは市民に開放
する。庁舎前広場とピロティ・大階
段・市民フォーラム・プラザ・スペ
ース・外廊下・屋上庭園などは夜間
休日など終日市民に開放される。
東京
上海
□那覇市の特性と新庁舎のあるべき姿 ー島の人々を連結する庁舎が未来をつくるー
新庁舎は行政サービスのための「CityOffice」だけでなく、市民や来訪者が気軽に立ち寄
れ憩える公園のようなオープンスペースと施設を持ち、市民活動の拠点としての市民に
親しまれる「CityHall」であるべきだ。
1現庁舎の大きなガジュマルのある広場面積を全面確保する。
2新庁舎は行政と議会の独立性を保ち、機能・効率的市民サービスができること。
3市民に開かれ自由に使える広場やスペースなどを設け、市民活動の拠点とする。つ
まり、庁舎前広場と連続する「ピロティ」と「大階段」、上階の「市民フォーラム・プラ
ザ」・「屋上庭園」など、市民が終日活用できるスペースを新庁舎の中に確保する。
4大階段や市民フォーラムの上部には大屋根を架け、強い陽射しや雨を遮り、木陰の
ような心地よい半戸外スペースを最大限に生かした沖縄型建築の庁舎をめざす。
構造計画ーサスティナブルで合理的な構造をもつ庁舎
植栽計画ーバナキュラーな沖縄建築で世界に誇れる庁舎
新庁舎は強固で長寿命、しかも単純明快な架構システムでPc 自然豊かな沖縄の気候風土では、植物の自然力によってより
等の効率的工法を前提とした建築構造1類とする。
豊かな建築環境が生まれる。
芝生
既存のがじゅまるを保存し、大きな陰 自動潅水 砂+砂利
端部と中央コアに耐震壁をつくり、大空間を確保し将来の変 ・庁舎前広場
押えコンクリート
断熱材
をつくるコバテイシなどを植え整備する。床は透水
アスファルト防水
容や拡張に対応できるものとする。
コンクリートスラブデッキ
性のある舗装とする。
札幌
ソウル
那覇は東南アジア・中国などと多様な交流があった琉球王国時代から政治経済の中心であっ
た。今も、海路・空路の玄関であり、沖縄の離島や本土そして海外からの来訪者や観光客も
多く、さまざまな出会いの場であり、交流の場である。
那覇市は旧那覇・真和志・首里・小禄の4つのエリアからなり、35小学校区、154自治体か
ら成る面積が約39.2k㎡の小さい街だ。しかし、人口は約31万人で、人口密度は8000人/
k㎡と高密だ。特に現庁舎周辺は人々が集まる商業・業務中心地区であると同時に多くの那
覇市民が暮らすエリアであるが、沖縄らしい魅力あるオープンスペースや施設は少なく、ど 那覇空港
こにでもある殺風景な都会の風景である。
つまり、新庁舎は市民参加のもとで地域の気候風土・文化・歴史に基づく持続可能な街づく
り、建築づくりの指針を示す沖縄の都市再生の拠点と位置づける必要がある。
沖縄の市民参加
□庁舎建築モデルの手法 ー機能的・合理的で人にやさしい庁舎ー
北京
バンコク
市民と一緒につくる、つくり続ける庁舎
自由参加の
青空ワークショップ
再検討再構築
自由参加の
青空ワークショップ
市民活動準備
□都市環境再生の提案 ーセントラルパークによる那覇都心再生計画ー
一人当りの公園面積が4.9㎡しかない那覇市の中で、特に少
ない庁舎周辺だが、新庁舎・県庁・開南小学校・パレットく
もじの一帯には利用されていないオープンスペースが意外と
多い。都市再生の試みとしてこの一帯を市民に開かれた「セ
ントラルパーク都心再生計画」を提案検討する。
県庁の建物間空地の利用、地上駐車場の地下化、開南小グラ
ンドの芝生化と校庭の開放、パレットくもじ周辺の緑化、国
際通りの並木によるモール化し、大綱引きやエイサー大会な
どさまざまな祭りや催し物のできる場とする。日常的には木
陰下のカフェなど、市民や来訪者が集う沖縄の名所とする。
沖縄県警
開南小学校
沖縄県庁
那覇新庁舎
県民広場
県議会棟
国際通り
45m
那覇市民の新たなシンボル
沖縄の伝統文化
250m
パレットくもじ
Fly UP