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電 車 ど お り

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電 車 ど お り
ホームページアドレス http://www.chubyou.com/
電車どおり
平成26年5月26日発行 第105号
函館中央病院
発行責任者 橋 本 友 幸
日本医療機能評価機構認定施設、総合周産期母子医療センター
基
本
方
針
●私たちは、患者さまの権利とプライバシーを尊重した医療を提供します。
●私たちは、チーム医療を実践し、患者さまに応じた医療を提供します。
●私たちは、地域の医療機関との連携を強化し、医療環境の発展と充実を図ります。
●私たちは、日々研鑽し、最高で高次の医療を提供します。
●私たちは、一人一人が幸せで働きがいのある病院を目指します。
中・央・病・院・前
G.W は天候にも恵まれ、
五稜郭公園では多くの方
診療科紹介
がお花見を楽しんでいた
「電車どおり」では「診療科紹介」として各診療科の紹介をし
い歴史祭である「箱館五稜郭祭」が開催され、当院の看
ております。第10回の今月号では「泌尿器科」をご紹介いたし
護師も救護ボランティアとして参加した「維新行列・音
ます。
楽パレード」では多くの市民や観光客で賑わい、歴史あ
ようです。今年も5月17・18日には全国的にも珍し
る函館の街を楽しみました。
■
泌尿器科
■
みなさんは『泌尿器科』と聞いてどの
ような診療科と考えられるでしょうか。
る結石が代表的なものになります。その他にも、神経の障害によ
内科、外科などと比べると、泌尿器科は
る排尿の異常、先天性の病気に代表される小児泌尿器科疾患など
まだ一般的な、身近な存在ではないよう
です。
『性病を扱う科』
、『なんとなく恥
があります。また、当院では腎臓の機能が低下する腎不全に対し
泌尿器科 科長
小野 武紀 医師
ずかしくて受診しにくい科』と想像され
る方も多いのではないでしょうか。特に高齢の方では『どうしても
恥ずかしくて受診できない』、『としだから仕方ないから我慢しよ
う』とお一人で悩まれる方も多くいらっしゃいます。
しかし、泌尿器科の病気というのは、年齢が増すことによって起
こる身体の衰え、内臓機能の衰えが生じることと同じことなので
す。泌尿器科が扱う臓器が年をとるとともに衰えて、様々な症状が
生じることは、だれにでもある当然のことなのです。
それでは泌尿器科はどのような科なのでしょうか。文字通り尿の
とおり(尿路)に関係する臓器を主に扱う診療科です。背骨の両側
にひとつずつあり尿をつくる腎臓。腎臓と膀胱をつなぐパイプの役
割をはたす尿管。尿をためて、ポンプのようにおしだす膀胱。そし
て、尿をからだの外に出すパイプの尿道。これらの尿の『水源』か
ら『蛇口』までの流れが病気になった時に治療する診療科と言えま
す。『男性』が多い印象の泌尿器科ですが、男性も女性も尿路の仕
組みは変わりありませんので、女性も患われ受診されます。その他
には、男性の生殖器も担当します(女性では生殖器は婦人科が担当
します)
。男性ホルモンを分泌し、精子をつくる精巣。精液の一部
をつくる前立腺。性器である陰茎となります。また、ホルモンをつ
くる腎臓の上にのっかる三角形をした副腎の精密検査と外科的治
療も行っています。それらの臓器に起きる病気にはどのようなもの
があるでしょうか。泌尿器科臓器にできる癌(前立腺癌、膀胱癌、
腎癌など)。女性の膀胱炎に代表される感染症。前立腺肥大症、過
活動膀胱などの排尿に関連する疾患。尿の成分が固まることででき
る結石が代表的なものになります。その他にも、神経の障害による
ても検査(腎生検)と治療(血液透析、腹膜透析)を行っており
ます。
どのような症状をお持ちでしょうか。何度もトイレにいく、尿
が残る感じがする、尿が我慢できない、尿がもれる、尿の勢いが
ないなどの排尿に異常がある場合、尿に血が混じるなどの症状が
ありましたら、我慢せずに一度泌尿器科の門をたたいてみてくだ
さい。また、症状がなくとも結石や前立腺癌の検査を希望される
場合にもお気軽にご相談ください。
特にせき・くしゃみで尿が漏れる(腹圧性尿失禁)
、膀胱が下が
る感じ、股の間の異物感(骨盤臓器脱)に悩む女性は多く、尿失
禁は 40 歳以上の女性の 4 人に 1 人が、骨盤臓器脱は 50 歳以上の
女性の半数が経験するといわれています。しかし、
「としのせい」
、
「場所が場所なのではずかしい」と考え、我慢され、生活の質を
悪くしているのが現状です。
当院では、腹圧性尿失禁に対する尿道スリング手術(TOT)、骨
盤臓器脱に対して従来法より再発の少ないメッシュを用いた新し
い手術(TVM)を函館市内で唯一積極的に行っており、安定した
成績を得られております。こちらも是非、一度ご相談ください。
泌尿器科を受診される患者さんは、プライベートな問題を持っ
ている方たちが多いと考えております。
医師、看護師をはじめ泌尿器科スタッフ
一同は患者さんの心理的な負担が少しでも
なくなるように努めてまいりますので、
お気軽にご相談ください。
LTSF滅菌器導入
「看護の心をみんなの心に」
~道内の医療機関で初 世界基準の滅菌装置を導入~
病院では鋏やピンセットなど金属で出来ているものもあればチ
皆さまは「看護の日」をご存知でしょうか?看護の心、
ューブや内視鏡手術器材など熱に弱い器材も日々使用されていま
ケアの心、助け合いの心を、老若男女を問わず誰もが育むきっかけとなる
す。金属などの熱に強いものは高圧蒸気滅菌法という 134℃の蒸気
よう、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、毎年 5 月 12 日
を用いて滅菌しますが、熱に弱いものはこの方法では器材を壊して
は「看護の日」と定められました。当院では一足早く、5月 10 日(土)
しまうので適応されません。そのために今までは EOG 滅菌(エチ
に来院された方々に看護師たちが絆創膏を配布し、啓蒙活動を行いまし
レンオキサイトガス滅菌)法を用いて滅菌しておりました。しかし、
た。
EOG は可燃性のガスであり取り扱いが困難、滅菌後器材に付着し
た残留ガスを取り除くのにものすごく時間がかかり、すぐに使いた
くても使えないという状況が続いておりましたが、今年 3 月に EOG
滅菌をやめ、LTSF 滅菌法に切り替えました。以下に簡単にご説明
いたします。
LTSF とは「Low Temperature
Steam
and Formaldehyde」の
本町クリーン作戦に参加!
略で日本語で言うと「低温蒸気ホ
ルムアルデヒド」滅菌となります。
2005 年に薬事法上に「滅菌法」
4月19日(土)に行われた本町クリーン作戦に
と記載され 2011 年に日本で認証、
当院職員も参加しました。持っていたゴミ袋はあっ
滅菌機として発売されましたが実
という間にいっぱいとなりましたが、普段生活する町内がきれいになり、
は世界的にはドイツ、トルコなど
とても清々しい気分となりました。地域活動の一環として、次回も参加で
欧州を中心に昔より使用されてき
きればと考えております。
た滅菌機です。ISO(国際標準規格)にも規格があり(ISO25424)
その歴史は古く 1964 年にイギリスの Alder らにより確立し日本で
も 1976 年頃に東京医療保健大学小林先生によりホルマリン(ホル
ムアルデヒド)を用いた滅菌について文献が出されました。しかし、
当時では滅菌は出来てもホルムアルデヒドを取り除くということ
がなかなか出来ず、日本では商品化されていませんでした。しかし
この LTSF 法では低温蒸気を用いてホルムアルデヒドを除去すると
いう技術により器材に付着したホルマリンを除去することが可能
開院記念日休診のお知らせ
となります。
「ホルムアルデヒド」と聞くと何を思い浮かべますか?シックハウ
ス症候群の原因となるホルムアルデヒドはホルマリンの気体であ
りあまりいいイメージを持たない人が多いと思いますがコーヒー
(約 10mg/杯)やしいたけ(6~24ppm)にも含まれる自然界に存
在する物質です。
ホルムアルデヒド単体では一部の芽砲菌を殺滅出来ずまた浸透性
が低く、チューブ内等は滅菌しにくい環境でしたが蒸気を使うこと
当院では昭和 5 年の開院以来、今年で 84 年が経ちます。
例年通り 6 月の第 1 水曜日は休診となります。ご迷惑を
おかけしますが、お間違いのないようよろしくお願いいた
します。
開院記念日
6月4日(水)
【患者さまの権利】
により細く長いチューブの中にも蒸気と一緒に浸透し、菌を殺滅し
1.安全で良質の医療を平等に受ける権利
ます。またホルムアルデヒドは水に溶けやすいという特徴を持って
2.自らが受けている医療について、十分な説明を受け、知る権利
いるため低温の蒸気(55℃)を使って滅菌後の洗浄を行い、滅菌物
3.セカンドオピニオンを求める権利
への残留を限りなく 0 にしています。
4.自らが受ける医療に参加し自己決定する権利
ほとんどの病院が今も使用しており、当院でも使用していた
EOG 滅菌ではガスを取り除くためには空気と置換する方法しかな
く、残留をほぼ 0 にするには約 17 時間(器材の材質によっては約
休診
5.個人のプライバシーが守られる権利
6.個人として常にその人格、価値観が尊重される権利
なり安全かつ早く滅菌することが出来ました。また完全密封型で 1
人間ドック 特定健診 婦人科検診
随時受付中(完全予約制)!!
回分の量が入ったホルマリン容器を使用するのでホルマリンの臭
お問い合わせ:健康管理センター TEL:0138-52-1231
40 時間!!)かかっていました。しかし LTSF では約 5 時間と 1/3 に
いや暴露することはありません。
私達は LTSF 滅菌を始めさまざまな滅菌法を通じて使用する人、使
用される人が安心且つ安全である器材を今後とも提供し続けて行
きたいと思います。
(中央材料室主任 第 1 種滅菌技師
岡部 巌)
『電車どおり』では、皆さまのお役に立ちそうな情報をどんどん掲載していく予定
です。記事に対するご要望などがございましたら、広報誌担当事務局までお問い合
わせ下さい。
連絡先:℡ 0138-52-1231(内線 2262)
次号発行予定は6月25日です。お楽しみに!!
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