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31 2.2 まちづくりの現状と課題 2.2.1 人口と世帯数 (1) 総人口の現状と

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31 2.2 まちづくりの現状と課題 2.2.1 人口と世帯数 (1) 総人口の現状と
2.2 まちづくりの現状と課題
2.2.1 人口と世帯数
・総人口は、平成 12 年(2000 年)から増加傾向に転じているが、今後は、少
子化・高齢化の一層の進展により、若干の減少が見込まれる。
・昼夜間人口比率は、1.443 となっており、特に、業務機能が集積する大崎地
区で、高くなっている。
・高齢者単身世帯は荏原地区で多いが、増加率は八潮地区等で高く、今後も増
加していくことが予想できる。
(1) 総人口の現状と見通し
1) 総人口
区の総人口は、昭和 35 年(1960 年)をピークに減少傾向にあったが、平成 12
年(2000 年)から増加に転じており、平成 22 年(2010 年)で 365,302 人となった。
平成 17 年(2005 年)の国勢調査を基にした人口推計では、今後、平成 32 年
(2020 年)頃まで緩やかに増加するが、その後、減少傾向に転じ、平成 42 年
(2030 年)には、中位推計で 353,391 人になると見込まれる。
(人)
450,000
平成 22 年国勢調査
365,302 人
427,859
400,000
369,951
346,357
350,000
353,391
343,071
300,000
288,545
250,000
1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
図2-20 区の総人口の推移と推計結果
最新の国勢調査(H22)結果をもとに企
画財政課にてデータの更新作業中
更新結果入手次第差し替え予定
(年)
資料:「品川区長期基本計画」(平成21年4月)
(総務省「国勢調査」(昭和25(1950)年-平成17(2005)年)
平成17年以降は国勢調査等に基づく将来推計値)
より作成
31
2) 年齢別人口の動向と将来見通し
平成 42 年(2030 年)における性別・年齢階層別の人口構成は、高齢化の進行が
一層進み、65 歳以上の高齢者の割合は平成 22 年(2010 年)の 19.1%から 24.1%と
なると見込まれる。
平成 22 年(2010 年)
100歳以上
95∼99歳
90∼94歳
85∼89歳
80∼84歳
75∼79歳
70∼74歳
65∼69歳
60∼64歳
55∼59歳
50∼54歳
45∼49歳
40∼44歳
35∼39歳
30∼34歳
25∼29歳
20∼24歳
15∼19歳
10∼14歳
5∼ 9歳
0∼ 4歳
平成 42区全体(2030年)
年(2030 年)
100歳以上
95∼99歳
90∼94歳
85∼89歳
80∼84歳
75∼79歳
70∼74歳
65∼69歳
60∼64歳
55∼59歳
50∼54歳
45∼49歳
40∼44歳
35∼39歳
30∼34歳
25∼29歳
20∼24歳
15∼19歳
10∼14歳
5∼ 9歳
0∼ 4歳
男性
女性
65 歳以上
25,000 20,000 15,000 10,000 5,000
0
5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
男性
女性
65 歳以上
25,000 20,000 15,000 10,000
5,000
0
5,000
10,000 15,000 20,000 25,000
図2-21 性別・年齢階層別の人口構成の変化
資料:国勢調査、「品川区長期基本計画」(平成21年4月)
※平成42年のグラフは、平成17年までの人口を基に推計したもの。
最新の国勢調査(H22)結果をもとに企
画財政課にてデータの更新作業中
更新結果入手次第差し替え予定
3) 昼夜間人口比率
夜間人口に対し昼間人口が多く、平成 22 年(2010 年)は 1.443 で、東京都や 23
区全体の比率よりも高い。夜間人口に対する昼間人口の比率(昼夜間人口比率)は
昭和 60 年(1985 年)から大きく増加している。これは、昭和 62 年(1987 年)の
大崎ニューシティ完成や平成 2 年(1990 年)の天王洲アイル駅開業等、業務機能、
商業機能の拡大に伴うものと考えられる。
1.500
1.450
1.400
1.350
1.300
1.250
1.200
1.150
1.100
1.050
1.000
1.443
平成 22 年国勢調査
1.309
夜間人口:365,302 人
昼間人口:527,019 人
1.184
昭和45
50
55
品川区
60
平成2
7
12
特別区計
17
22
(年)
東京都
図2-22 昼夜間人口比率の推移
資料:総務省「国勢調査」より作成
32
(2) 地区別人口動向
1) 地区別人口の動向
地区別人口は、区全体が増加傾向にある中で、大崎地区が 15.8%と最も人口が増
加している一方、八潮地区のみ 4.9%減少している。
大崎地区の増加率
が高い
(人)
400,000
365,302
346,357
15.8%
350,000
(%)
20%
15%
300,000
250,000
八潮地区のみ減少
8.0%
4.5%
200,000
5%
2.0%
133,596 136,312
150,000
100,000
10%
5.5%
61,121 65,993
86,642 90,577
51,138
0%
-4.9%
59,239
-5%
50,000
13,857
13,181
-10%
0
品川地区
大崎地区
大井地区
平成17年
荏原地区
平成22年
八潮地区
品川区
増加率(平成17→22)
図2-23 地区別人口と動向(平成17年→平成22年)
資料:総務省「国勢調査」より作成
2) 地区別年齢別人口
地区別の年齢別人口を年齢別 4 区分で比較すると、年少人口(15 歳未満)の割
合は、品川地区が最も多く荏原地区が最も低い。一方、65 歳以上は、八潮地区が
最も高く大崎地区が最も低い。75 歳以上は、荏原地区が最も高い。
100%
90%
8.3%
7.8%
8.5%
10.4%
8.0%
9.0%
10.3%
8.5%
10.3%
10.8%
13.8%
10.3%
70.4%
73.9%
70.8%
69.4%
68.4%
70.6%
10.9%
9.8%
10.4%
9.4%
9.8%
10.0%
品川地区
大崎地区
大井地区
荏原地区
八潮地区
品川区
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
0∼14歳:年少人口、
15∼64歳:生産年齢人口、
65∼74歳:前期高齢人口、
75歳以上:後期高齢人口
図2-24 地区別年齢別割合(平成22年)
資料:総務省「国勢調査」より作成
33
3) 地区別昼夜間人口比率の推移
地区別の昼夜間人口比率は、荏原地区を除く 4 地区で 1 を上回っており、特に、
大崎地区では 3.00 と突出して高くなっている。
3.50
3.23
3.19
3.00
3.00
大崎地区
大崎地区が突出し
ている
2.50
2.00
1.94
1.76
1.86
品川地区
1.50
1.47
1.42
1.25
1.27
1.00
1.46
1.29
1.01
0.93
0.87
0.87
大井地区
1.16
八潮地区
荏原地区
0.85
0.50
荏原地区のみ、夜間人口
の方が多い
0.00
平成7年
平成12年
品川地区
荏原地区
大崎地区
八潮地区
平成17年
大井地区
品川区
図2-25 地区別昼夜間人口比率の推移
資料:総務省「国勢調査」より作成
(3) 世帯数、町丁目別の人口分布
1) 世帯数
世帯総数について、平成 17 年(2005 年)と平成 22 年(2010 年)を比較すると、
増加している。高齢単身世帯も増加しており 5 年間で 3,700 世帯程度の増加となっ
ている。平成 22 年の一般世帯総数に占める高齢単身世帯の割合は約 9.9%となって
いる。
図2-26 世帯数と動向
資料:総務省「国勢調査」より作成
34
地区別の世帯数は、荏原地区が最も多く、八潮地区が少ない。平成 17 年(2005
年)と平成 22 年(2010 年)の変化は、大崎地区の世帯増加率が最も高く、品川地
区、大井地区の順となっている。八潮地区は、全体の世帯数はほぼ横ばいであるが、
高齢単身世帯数の増加率が 40.57%と、5 地区中最も高くなっている。
図2-27 地区別高齢単身世帯数の動向
資料:総務省「国勢調査」より作成
2) 町丁目別人口密度
平成 22 年(2010 年)の区内の人口密度は、1 万人/k㎡以上の町丁目が大部分を
占めている。人口密度が高いエリアは区の南西部に多く、特に人口密度が高い 3 万
人/k㎡の町丁目は、小山、荏原、平塚といった地域に広がっている。
一方、人口密度 1 万人/k㎡未満の人口密度が比較的低い地域は、五反田駅、大
崎駅、天王洲アイル駅周辺のビジネスエリアや、北品川、東品川、勝島等、大規模
商業施設等が立地する地域である。
白金台駅
泉岳寺駅
上大崎二丁目
上大崎一丁目
目黒駅
高輪台駅
上大崎三丁目
上大崎四丁目
東五反田四丁目
東五反田五丁目
品川駅
東五反田三丁目
東五反田一丁目
西五反田三丁目
西五反田二丁目
西五反田四丁目
不動前駅
小山台二丁目
五反田駅
北品川六丁目
西五反田一丁目 東五反田二丁目
西五反田五丁目
小山台一丁目
武蔵
小山駅
小山三丁目
北品川駅
西五反田六丁目
西五反田八丁目
大崎大崎一丁目
駅
北品川三丁目北品川二丁目
大崎二丁目
平塚二丁目
戸越銀座駅 戸越一丁目
戸越駅
荏原四丁目
荏原五丁目
荏原六丁目
戸越二丁目
西品川二丁目
戸越三丁目
豊町一丁目
西中延一丁目
中延一丁目
荏原七丁目
東中延一丁目
中延二丁目
小山七丁目
洗足駅
西中延二丁目
旗の台一丁目
荏原中延駅
旗の台駅
中延四丁目
豊町三丁目
南品川六丁目
青物横丁駅
下神明駅
大井町駅
二葉一丁目
豊町六丁目
品川シーサイド駅
東品川四丁目
南品川五丁目
南品川三丁目
東大井五丁目
大井一丁目
豊町五丁目
東大井四丁目
鮫洲駅
大井二丁目
二葉二丁目
荏原町駅
旗の台五丁目
旗の台四丁目
中延五丁目中延六丁目
長原駅
広町二丁目
豊町四丁目
中延駅
旗の台三丁目
八潮一丁目
西品川一丁目
戸越公園駅
旗の台二丁目
東品川三丁目
南品川四丁目
南品川二丁目
豊町二丁目
戸越五丁目
東中延二丁目
中延三丁目
戸越六丁目
西中延三丁目
旗の台六丁目
南品川一丁目
広町一丁目
戸越四丁目
北千束駅
新馬場駅
西品川三丁目
平塚三丁目 平塚一丁目
小山六丁目
天王洲アイル駅
東品川一丁目
北品川四丁目
荏原三丁目 荏原二丁目
小山五丁目
西小山駅
東大井一丁目
八潮二丁目
二葉三丁目
二葉四丁目
西大井駅
西大井一丁目
東大井六丁目
大井三丁目
東大井三丁目
大井四丁目
西大井六丁目
八潮五丁目
東大井二丁目
西大井五丁目
東八潮
東品川五丁目
東品川二丁目
北品川五丁目
大崎四丁目
荏原一丁目
大崎三丁目
小山四丁目
北品川一丁目
大崎広小大崎五丁目
路駅
西五反田七丁目
小山一丁目
小山二丁目
立会川駅
西大井二丁目 大井五丁目
勝島一丁目
馬込駅
西大井三丁目
大井七丁目
西大井四丁目
八潮三丁目
大井六丁目
南大井四丁目
南大井一丁目
南大井五丁目
大井競馬場前駅
勝島三丁目
南大井二丁目
勝島二丁目
八潮四丁目
南大井六丁目
南大井三丁目
大森駅
西馬込駅
大森海岸駅
図2-28 町丁目別人口密度
資料:総務省「国勢調査」より作成
35
2.2.2 土地利用・拠点性
・大崎、五反田、天王洲等では、業務機能が集積している。
・荏原地区を中心に木賃アパートが、戸建や集合住宅に更新されている。
・荏原地区では、建蔽充足率
15
が高く、建物が密集していることが定量的に把
握できる。
・事業所および従業員数は増加傾向にあり、業務機能の集積が見られる。
(1) 土地利用の変化(平成 3 年−平成 18 年)
平成 18 年度の土地利用状況をみると、大崎駅、天王洲駅周辺等では、事務所機
能が集積し、五反田駅周辺は、業務商業機能の集積が見られるとともに、大井町駅
や武蔵小山駅周辺等では、商業機能が多く、それぞれ商業や業務活動の拠点を形成
していることがわかる。また、戸建て住宅が主体の地域、中高層住宅が主体の地域
をはじめ、住宅地としての性格をもつ地域が臨海部等一部を除き、区全域に広がっ
ている。
平成 3 年度からの変化では、広範囲にわたり木賃アパートから集合住宅への更新
が進んでいる。
中高層集合住宅が
主体の地域が大き
く増加
土地利用類型 凡例
①戸建住宅が主体の地域
②中高層集合住宅が主体の地域
⑫ 9.7
① 12.6
⑫ 7.9
戸建住宅と木賃ア
パート等の混在地
域は減少
① 13.1
② 5.6
③戸建住宅と木賃アパート等の混在地域
④戸建住宅と集合住宅等の混在地域
⑤住居と店舗併用住宅の混在地域
⑥住居と商業施設の混在地域
② 2.7
⑪ 24.6
外側:H18
内側:H03
⑪ 29.8
⑦住居と事務所の混在地域
③ 6.1
⑧住居と工場の混在地域
③ 18.5
⑨事務所が過半の地域
⑩商業施設が過半の地域
⑥ 0.2
⑩ 5.4
⑪工場・倉庫が過半の地域
⑦ 0.8
④ 6.4
⑩ 4.7
④ 21.4
⑨ 4.0
⑤ 7.2
⑧ 4.6
⑨ 6.9
⑫公共施設・文化施設等が主体の地域
⑤ 4.8
⑧ 1.5 ⑦ 1.2
⑥ 0.1
戸建住宅と集合住宅等の
混在地域が大きく増加
商業施設、事務所
の土地利用が増加
※集計単位は、町丁目×用途地域・高度地区・防火地域等ごと
図2-29 土地利用の変化(平成3年→平成18年)
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))より作成
率充足率15
15
建蔽充足率:利用可能面積に対する実際建築面積
実際建築面積(グロス)/利用可能建築面積(グロス)。
36
平成3年度
比較的大きな変化があった箇所
土地利用類型 凡例
①戸建住宅が主体の地域
②中高層集合住宅が主体の地域
③戸建住宅と木賃アパート等の混在地域
④戸建住宅と集合住宅等の混在地域
⑤住居と店舗併用住宅の混在地域
⑥住居と商業施設の混在地域
⑦住居と事務所の混在地域
⑧住居と工場の混在地域
⑨事務所が過半の地域
⑩商業施設が過半の地域
⑪工場・倉庫が過半の地域
⑫公共施設・文化施設等が主体の地域
※集計単位は、町丁目×用
途地域・高度地区・防火地
域等ごと
図2-30 土地利用の類型(平成3年度)
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))より作成
平成18年度
木賃アパートの更新
事務所機能の立地
※集計単位は、町丁目×用
途地域・高度地区・防火地
域等ごと
路線地域の土地利用の変化
工場等から住居系への変化
図2-31 土地利用の類型(平成18年度)
資料:東京都「東京の土地利用」(平成18年(2006年))より作成
37
(2) 土地利用の割合、建蔽率・容積率
1) 土地利用割合
土地利用の構成比(平成 18 年(2006 年))は、区全体では、住宅系の土地利用
が 30.5%と最も高く、次いで工業系(8.9%)、商業系(7.1%)となっている。荏原地区
が最も住宅の比率が高く、八潮地区が最も低い。八潮地区では、工業系土地利用が
最も高いなど、他地区とは異なった土地利用の傾向がある。
平成 13 年(2001 年)と平成 18 年(2006 年)の土地利用の構成比を比較すると、
区全体では、住宅系が増加しており、工業系土地利用が減少傾向となっている。
0%
品川地区H13
品川地区H18
10%
20%
30%
40%
70%
80%
32.2%
6.7% 9.9% 6.5%
44.8%
大崎地区H18
33.0%
6.6% 10.3% 4.6%
45.6%
大井地区H13
34.4%
大井地区H18
35.8%
40.7%
13.7% 3.6%7.6%
49.2%
荏原地区H18
49.9%
100%
46.3%
大崎地区H13
荏原地区H13
90%
47.3%
14.1%
5.5% 7.9%
26.2%
60%
16.1%
5.0% 7.4%
24.2%
50%
39.2%
13.5% 3.8%7.8%
1.9%
8.8% 5.1%
1.8%
8.5% 4.3%
0.5% 1.4%
八潮地区H13 3.8%
14.3%
0.5% 1.6%
八潮地区H18 3.7%
14.1%
34.9%
図2-32
地区別の土地利用の
構成比
(グロス 16 、平成13年、平成
18年)
35.5%
80.0%
80.0%
4.4%
品川区H13
29.6%
品川区H18
30.5%
住宅系
商業系
業務系
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年
(1991年))、(平成18年(2006年))」より作
成
49.2%
9.8%
4.6%
8.9%
7.1%
7.1%
48.9%
工業系
その他
平成 13 年(2001 年)から平成 18 年(2006 年)の間に工業系土地利用から転換
した土地利用の構成比は、低未利用地が最も大きく、次いで住宅用地、業務用地と
なっている。
品川区
29.2%
4.8% 9.8%
八潮地区
6.4%
49.8%
11.9%
88.1%
3.3% 2.3%
荏原地区
47.9%
大井地区
5.9%
40.5%
39.3%
7.2%
18.5%
31.0%
4.0%
区全体では、低
未利用地への転
換が最も多く、
次いで、住宅用
地、業務用地の
順である。
2.1%
大崎地区
27.3%
品川地区
30.7%
0%
20%
住宅用地
8.8%
7.1%
49.8%
13.7%
48.4%
7.6%
40%
商業用地
60%
業務用地
低未利用地
4.5%
80%
100%
その他
住 宅 系:独立住宅及び集合住宅
商 業 系:専用商業施設、住商併用建物、宿泊・遊興業施設及びスポーツ・興行施設
業 務 系:事業所建築物
低未利用地:屋外利用地・仮設建物、未利用地等
16
グロス
図2-33 工業系土地利用から他の土地利用への転換状況(平成13→18年)
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))」より作成
16
グロス=全土地に対する割合
38
2) 建蔽充足率・容積充足率
平成 18 年(2006 年)の建蔽充足率(利用可能建築面積に対する実際建築面積)は、
荏原地区が 68.4%と最も高い。平成 13 年(2001 年)と平成 18 年(2006 年)を比
較すると、区全体が 3.1%と増加傾向にあり、大井地区が 5.5%と最も増加している。
平成 18 年(2006 年)の容積充足率(利用可能延床面積に対する実際延床面積)は、
大崎地区が 51.6%と最も高い。容積充足率を平成 13 年(2001 年)と平成 18 年
(2006 年)を比較すると、区全体が増加傾向にあり、品川地区が 6.8%と最も増加
している。
荏原地区は、容積充足率が八潮地区を除く他の地区と同程度であるのに対し、建
蔽充足率が高いことから、空地が少ない密集した市街地を形成していることが数値
からも分かる。
建蔽充足率は荏原地区が最
も高い。→密集している
100.0%
5.5%
6.0%
5.0%
80.0%
65.9% 68.4%
60.0%
40.0%
4.0%
57.3%
53.6% 53.7% 56.2%
50.4%
51.9%
51.6%
48.6%
3.2%
3.0%
3.1%
1.5%
2.5%
2.5%
2.0%
16.6%18.1%
20.0%
1.0%
0.0%
0.0%
品川地区
大崎地区
平成13年
大井地区
荏原地区
平成18年
八潮地区
品川区
増加率(平成13→18年)
図2-34 建蔽充足率17
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))より作成
100.0%
8.0%
6.8%
7.0%
6.1%
80.0%
6.0%
4.9%
60.0%
48.3%
49.9% 46.7% 51.6%
48.0%
43.1%
42.2%
44.8%
40.0%
4.5%
5.0%
44.3%
39.9%
4.0%
3.0%
3.2%
19.0%
18.1%
20.0%
2.0%
1.0%
0.9%
0.0%
品川地区
大崎地区
平成13年
大井地区
荏原地区
平成18年
八潮地区
0.0%
品川区
増加率(平成13→18年)
図2-35 容積充足率18
建蔽充足率17
17
18
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))より作成
容積充足率18
建蔽充足率=実際建築面積(グロス)/利用可能建築面積(グロス)
容積充足率=実際延床面積(グロス)/利用可能延床面積(グロス)
39
(3) 地区別の事業所の動向
1) 事業所数の推移
区内の事業所数は全体で 22,364 となっており、平成 18 年(2006 年)から 3.4%
増加している。地区別では、荏原地区の 7,442 が最大であるが、伸び率は八潮およ
び大崎地区で大きく事業所の集積傾向が認められる
八潮地区、大崎地区
の伸びが大きい
図2-36 民営の事業所数の推移
資料:総務省「事業所・企業統計(H18)」、「経済センサス(H21)」より作成
2) 従業者数の推移
従業者数は、全体で 361,928 人となっており、平成 18 年(2006 年)から 40,843
人 ( 12.7 % ) の 増 と な っ て い る 。 大 崎 地 区 で は 特 に 伸 び て お り 、 30,099 人
(25.4%)の増となっている。事業所あたりの従業者数は、八潮地区で高く、比較
的大きな事業所が増えているといえる。
大崎地区の伸び
が大きい
八潮地区は事業所あたり
従業者数の伸びが大きい
図2-37 民営の従業者数の推移
資料:総務省「事業所・企業統計(H18)」、「経済センサス(H21)」より作成
40
2.2.3 商業の拠点性
・商業集積は、売り場面積、販売額ともに大井町駅周辺が最も大きく、販売額
では大井町駅周辺に続き、目黒駅周辺、武蔵小山、五反田駅周辺、品川シー
サイド駅周辺等が大きい。
・近年は多くの地域で、売り場面積、販売額ともに減少している。
・区内には大小 108 の商店街が駅周辺や昔からの通り沿いに立地している。
(1) 商業集積の状況
商業統計における商業集積地(商店街等)における売り場面積、販売額を比較す
ると、大井町駅周辺が最も集積が大きく、目黒駅周辺、武蔵小山、五反田駅周辺、
品川シーサイド駅周辺等が続いている。
表2-3 商業集積(商店街等)別売場面積、販売額
商業集積名
売場面積
販売額
実数(㎡)
実数(百万円)
平成14年 平成16年 平成19年 平成14年 平成16年 平成19年
北品川
3,837
5,689
4,704
4,786
4,477
4,321
天王洲アイル地域
1,870
2,143
908
2,655
2,238
1,220
−
17,848
17,756
−
14,370
14,828
大崎ニューシティー地域
4,124
4,215
3,843
4,019
3,931
3,779
目黒駅周辺
6,898
7,746
9,859
8,291
10,723
20,791
13,310
13,260
10,974
19,394
18,015
16,631
品川シーサイド駅周辺
五反田駅周辺
8,839
9,573
9,361
11,271
9,350
8,905
大井町駅周辺
61,483
60,433
56,252
61,238
61,835
59,857
立会川駅周辺
1,242
1,514
1,786
1,851
1,909
1,590
桜新道地域
1,179
1,040
1,330
2,897
2,054
1,922
山王銀座地域
1,014
1,105
750
848
767
478
大森駅周辺
15,487
15,429
14,812
8,995
7,821
5,464
武蔵小山
20,028
21,798
18,680
22,960
22,402
19,184
西小山駅東部
2,841
2,979
2,464
4,188
4,386
4,639
戸越銀座
7,719
7,293
8,530
11,889
11,787
11,327
荏原中延駅西部
2,412
2,400
1,974
2,720
2,497
2,457
中延商店街
6,182
5,991
5,384
4,437
4,255
4,732
旗の台駅周辺
5,105
4,988
6,538
7,230
6,876
7,579
荏原町駅周辺
3,989
3,542
2,666
3,988
3,552
3,093
戸越公園駅地域
7,421
7,709
6,769
6,208
6,690
5,256
二葉1・2丁目地域
1,397
1,448
1,526
1,733
2,202
1,905
TOCビル
資料:経済産業省「商業統計」より作成
41
(㎡)
0
20000
40000
60000
(百万円)
80000
0
北品川
北品川
天王洲アイル地域
天王洲アイル地域
品川シーサイド駅周辺
大井町周辺の商
業集積が売り場
面積、販売額と
もに大きい
大崎ニューシティー地域
目黒駅周辺
大崎ニューシティー地域
TOCビル
TOCビル
大井町駅周辺
大井町駅周辺
立会川駅周辺
立会川駅周辺
桜新道地域
桜新道地域
山王銀座地域
山王銀座地域
大森駅周辺
大森駅周辺
武蔵小山
武蔵小山
西小山駅東部
西小山駅東部
戸越銀座
戸越銀座
荏原中延駅西部
荏原中延駅西部
中延商店街
中延商店街
旗の台駅周辺
旗の台駅周辺
荏原町駅周辺
荏原町駅周辺
戸越公園駅地域
戸越公園駅地域
二葉1・2丁目地域
二葉1・2丁目地域
平成19年
60000
平成14年
減少傾向にあ
るものの、区
内でも有数の
商業集積
平成16年
平成19年
図2-38 商業集積(商店街等)別売場面積(左)、販売額(右)
資料:経済産業省「商業統計」より作成
42
80000
目黒駅周辺の
伸びが大きい
目黒駅周辺
五反田駅周辺
平成16年
40000
品川シーサイド駅周辺
五反田駅周辺
平成14年
20000
(2) 商店街の分布
区内には、大小 108 の商店街が駅周辺や駅間を結ぶ通りを中心に発展しており、
それらが狭い地域のなかで連なって存在している。これらの商店街は、それぞれ日
常生活に必要な商品を提供する流通の場であると同時に、地域の安全・安心の確保
をはじめとした地域コミュニティの核として大きな役割を担っている。
N
商店街
鉄道
泉 岳 寺駅
白 金台 駅
駅
目黒 駅
高輪 台駅
東急 目 黒駅
品川 駅
五反 田駅
五 反田 駅
不 動前 駅
天 王洲 アイル 駅
北 品川 駅
大崎 広小 路 駅
目
黒
武蔵 小山 駅
大 崎駅
天 王洲 ア イル 駅
川
新 馬 場駅
戸越 銀座 駅
西小 山駅
戸越 駅
洗足 駅
荏 原中 延 駅
品 川シーサ イド 駅
下神 明駅
青物 横 丁駅
戸越 公園 駅
大 井町 駅
北 千束 駅
大 井 町駅
中延 駅
旗 の 台駅
鮫 洲駅
中延 駅
荏 原町 駅
長原駅
西大 井駅
立
会
川
立会 川駅
馬 込駅
大 井競 馬場 前 駅
大 森駅
西馬 込 駅
大森 海 岸駅
500
0
500
1000
1500m
図2-39 商店街の分布
資料:品川区商店街分布図より作成
43
2.2.4 駅周辺の機能集積の状況
・大井町では、広域的な商業拠点が形成されている。
・大崎、五反田、大森ではビジネスエリアが形成されている。
・大森、大崎広小路、五反田では、ビジネスエリアとしての側面に加え、商業機能
も持つ複合拠点としての特徴がある。
・荏原地区の各駅は、住商が近接した利便性の高い生活エリアが形成されている。
(1) 年間商品販売額
【夜間人口】大井町駅、大森海岸駅、大森駅周辺地区は、年間商品販売額が高く、
大規模な商業拠点性を有している。夜間人口の多い戸越公園駅、戸越駅周辺地区は、
年間商品販売額が比較的高く、住宅地の性格も有した近隣商業拠点性を有している。
【昼間人口】昼間人口が多い五反田駅、
大崎広小路駅周辺地区は、年間商品販売
近隣商業拠点性
を有している
25,000
夜間人口
額が比較的高く、広域的な商業拠点性を
戸越銀座
荏原中延
20,000
有している。
夜
間 15,000
人
口
【乗降客数】乗降客数が多い目黒駅周辺
戸越公園
荏原町
合機能型のターミナル駅としての拠点性
武蔵小山
不動前
旗の台
新馬場
大崎
大井町
鮫洲
青物横丁
大崎広小路
五反田
西小山
︶
人
大規模な商業拠点
性を有している
下神明
立会川
︵
地区は、年間商品販売額は平均的で、複
戸越
中延
西大井
10,000
北品川
大森海岸
目黒
品川シーサイド
を有している。大井町駅、五反田駅周辺
大井競馬場前
5,000
大森
地区は、年間商品販売額、乗降客数とも
天王洲アイル
大きく、ターミナル型の大規模な商業拠
0
0
点性を有している。
乗降客数
ターミナル型の大規
模な商業拠点性を有
している
業務機能も高く複合
的な機能を有してい
る
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
年間商品販売額(百万円)
60,000
70,000
60,000
昼間人口
大崎広小路
50,000
五反田
大崎
昼 40,000
間
人
口
30,000
旗の台
︵
人
広域的な商業拠点
性を有している
大井町
︶
天王洲アイル
青物横丁 品川シーサイド
不動前
20,000
北品川
下神明
西大井
立会川
戸越銀座
荏原中延
新馬場
鮫洲
目黒
戸越
大森海岸
大森
武蔵小山
荏原町
10,000
西小山
戸越公園
中延
大井競馬場前
0
60,000
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
年間商品販売額(百万円)
60,000
図2-40 各駅周辺地区の年間商品販売額(500m圏)
資料:商業売上額:経済産業省「商業統計」、昼間人口・夜間人口:総務省「国勢調査」、
乗降客数:エンターテイメントビジネス総合研究所「駅別乗降者数総覧」より作成
44
70,000
(2) 業務延床面積
【夜間人口】夜間人口が特に少ない天王洲アイル駅、品川シーサイド駅周辺地区は、
住宅地としての性
25,000
機能に特化した拠点性を有してい
戸越銀座駅、戸越駅、中延駅、西
戸越銀座
中延
西大井
戸越公園
荏原町
夜 武蔵小山
間
人 15,000
口
人
︶
大井駅、戸越公園駅周辺地区は、
荏原中延 戸越
20,000
旗の台
下神明
立会川
不動前
大井町
新馬場
青物横丁
大崎
鮫洲
(
る。夜間人口が多い荏原中延駅、
夜間人口
格が強い
業務延床面積が特に大きく、業務
大崎広小路
西小山
五反田
10,000
北品川
業務延床容積が特に小さく、住宅
大森海岸
目黒
品川シーサイド
地としての性格を示している。
大井競馬場前
5,000
業務機能に特化し
た拠点性を有して
いる
大森
天王洲アイル
【昼間人口】大崎広小路駅、五反
昼間人口
0
0
田駅、大崎駅周辺地区は、業務延
100,000
200,000
床面積と昼間人口がともに高く、
業務系の拠点性を有している。な
60,000
お、大崎駅は商品販売額は高くな
50,000
いことから、業務系に特化してい
人
600,000
700,000
五反田
下神明
中延
西大井
戸越銀座
戸越
荏原中延
旗の台
荏原町
床面積が大きく、ターミナル型の
10,000
業務拠点性を有している。一方、
0
大井町
新馬場
20,000
田駅、大崎駅周辺地区は、業務延
品川シーサイド
目黒
北品川
鮫洲
戸越公園
青物横丁
大森海岸
不動前
天王洲アイル
大森
立会川
西小山
武蔵小山
大井競馬場前
ターミナル型の業務
500,000
600,000
700,000
拠点性を有している
乗降客数
0
100,000
200,000
300,000
400,000
業務延床(㎡)
同様に乗降客数が多い目黒駅、大
井町駅周辺地区は、業務延床面積
商業機能も高
く複合的な機
能を有してい
る
600,000
は高くなく、業務以外の複合機能
目黒
を有したターミナル駅となってい
る。
500,000
大崎
昼 40,000
間
人
口
30,000
︶
【乗降客数】乗降客数が多い五反
400,000
大崎広小路
︵
ることがわかる。
300,000
業務延床(㎡)
業務系の拠点性を
有している
500,000
五反田
乗 400,000
降
客
数
300,000
大井町
︵
大崎
︶
人
200,000
武蔵小山
中延
大森
西大井
100,000
旗の台
西小山
大井競馬場前
荏原中延
戸越銀座
立会川
戸越
新馬場
0
0
下神明
鮫洲
100,000
戸越公園
荏原町
不動前
200,000
青物横丁
北品川
300,000
大森海岸
天王洲アイル
品川シーサイド
400,000
大崎広小路
500,000
600,000
700,000
業務延床(㎡)
図2-41 各駅周辺地区の業務延床面積(500m圏)
資料:業務延床面積:品川区「建物現況」、昼間人口・夜間人口:総務省「国勢調査」、
乗降客数:エンターテイメントビジネス総合研究所「駅別乗降者数総覧」より作成
45
(3) 商業延床面積
【夜間人口】大井町駅、大崎広小
路駅、五反田駅、品川シーサイド
商業拠点性を有して
いる
夜間人口
25,000
駅周辺地区は、商業延床面積が特
荏原中延
20,000
に大きく、商業拠点性を有してい
る。中でも大井町駅周辺地区は夜
下神明
立会川
夜
間 15,000
人
口
荏原町
武蔵小山
不動前
旗の台
新馬場
大崎
大井町
青物横丁
鮫洲
大崎広小路
五反田
西小山
北品川
人 10,000
︶
また乗降客数も多いことから、住
中延
西大井
戸越公園
︵
間人口も 15,000 人となっており、
戸越
戸越銀座
大森海岸
品川シーサイド
目黒
宅地としての性格も持った、広域
大井競馬場前
大森
5,000
的な商業拠点となっている。
天王洲アイル
【昼間人口】昼間人口が大きい大
0
0
50,000
100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000
崎広小路駅、五反田駅周辺地区は、
商 業延 床(㎡ )
商業延床面積が特に大きく、大規
昼間人口
60,000
模かつ広域的な商業拠点性を有し
大規模で広域的な商業
拠点性を有している
大崎広小路
50,000
ている。これらの地区は業務床面
積も特に大きく、業務・商業双方
大崎
昼 40,000
間
人
口 30,000
天王洲アイル
人
︶
る。また、昼間人口が比較的大き
五反田
︵
において大きな拠点性を有してい
区外における商業拠
点性を有している
大森海岸
20,000
旗の台
い大井町駅、品川シーサイド駅周
下神明
立会川
10,000
辺地区は、商業延床面積が特に大
新馬場
中延
戸越公園
西大井
武蔵小山
鮫洲
西小山
品川シーサイド
戸越
目黒
北品川
大井町
戸越銀座
青物横丁
不動前
大森
荏原中延
荏原町
大井競馬場前
きく、商業拠点性を有している。
0
0
50,000
100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000
【乗降客数】乗降客数が多い目黒
商業延床(㎡)
駅周辺地区は、商業延床面積が平
600,000
均的で、複合機能を有したターミ
業務機能も有した複合的
なターミナル駅としての
拠点性を有している
乗降客数
目黒
500,000
ナル駅としての拠点性を有してい
五反田
る。乗降客数が少ない品川シーサ
200,000
大森
なく駅周辺地区における商業拠点
性を有している。
駅周辺地区における商
業拠点性を有している
大崎
人
︶
商業延床面積が大きく、広域では
大井町
︵
イド駅、大崎広小路駅周辺地区は、
乗 400,000
降
客
数 300,000
荏原町
戸越銀座
大井競馬場前
100,000
天王洲アイル
旗の台
西小山
新馬場
0
中延
武蔵小山
不動前
立会川
0
荏原中延 青物横丁
大森海岸
下神明
50,000
鮫洲
戸越
西大井
品川シーサイド
大崎広小路
100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000
北品川
戸越公園
商業延床(㎡)
図2-42 各駅周辺地区の商業延床面積(500m圏)
資料:商業延床面積:品川区「建物現況」、昼間人口・夜間人口:総務省「国勢調査」、
乗降客数:エンターテイメントビジネス総合研究所「駅別乗降者数総覧」より作成
46
2.2.5 防災
・荏原地区では総合危険度 19 がランク 4 および 5 の町丁目が 4 割を占めている。
・大井・荏原地区での耐火面積比率
20
および不燃領域率
21
は、比較的低いもの
の、改善傾向にある。
(1) 地区の安全性
1) 総合危険度
総合危険度は、荏原地区で危険性が高い町丁目が多く、都内の約 5 千町丁目のト
ップ 100 に第 4 位の二葉三丁目をはじめ 6 町丁目が入っている。総合危険度の地区
別ランク別町丁目面積割合を見ると、品川地区でランク 4 以上が約 2 割、荏原地区
で約 4 割強と危険度の高い地域が広がっている。
0.0%
20.0%
品川地区
47.5%
大崎地区
大井地区
40.0%
60.0%
10.7%
45.7%
26.6%
80.0%
23.1%
30.8%
21.1%
100.0%
15.2% 3.5%
23.5%
47.4%
4.9%
2.2%
荏原地区
47.1%
5.9%
八潮地区
39.3%
5.5%
100.0%
区全体
41.8%
ランク1
12.5%
ランク2
ランク3
29.7%
ランク4
13.9% 2.1%
ランク5
図2-43 総合危険度の地区別ランク別町丁目面積割合
資料:地震に関する地域危険度測定調査
(第6回)(平成20年2月公表)結果より作成)
荏原地区を中心に危
険性の高い市街地が
広がっている
図2-44 総合危険度
資料:地震に関する地域危険度測定調査(第6回)(平成20年2月公表)結果より作成)
19
20
21
19
総合危険度:建物倒壊や延焼の危険性を 5 段階のランクで表現したもの。
20
耐火面積比率:耐火・準耐火建物延床面積/総延床面積
21
不燃領域率:市街地の「燃えにくさ」を表す指標。建築物の不燃化や道路、公園などの空地の状況から算出し、不燃領域
率が 70%を超えると市街地の消失率はほぼ0となる。
47
2) 耐火面積比率22
平成 18 年(2006 年)の耐火面積比率は、区全体では 80.3%となっており、特に、
八潮地区は 99.7%と、ほぼ全ての建物が耐火建物となっている。一方で、木造住宅
密集地域が広がる荏原地区では 61.2%と低いが、増加率は 5 地区中最も大きく、密
集事業や各種助成による着実な効果の伸展が確認できる。
100.0%
80.0%
91.2% 4.1%
87.2% 89.0%
84.5%
77.0%
72.9%
4.6%
2.7%
2.2%
60.0%
56.7%
5.0%
99.7% 99.7%
80.3%
77.0%
4.0%
3.3%
2.0%
61.2%
3.0%
1.0%
0.0%
‐0.1%
40.0%
‐1.0%
‐2.0%
20.0%
‐3.0%
‐4.0%
0.0%
‐5.0%
品川地区
大崎地区
大井地区
平成13年
荏原地区
八潮地区
平成18年
品川区
増加率
図2-45 耐火面積比率
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))より作成
3) 狭小住宅率23
平成 18 年(2006 年)の狭小住宅率は、荏原地区が 20.4%と最も高く、八潮地区
が最も低い。全体的に狭小住宅率は増加傾向にあるが、荏原地区の狭小住宅率は
0.1%減少とほぼ横ばいとなっている。
30.0%
7.0%
6.0%
5.9%
5.0%
20.5% 20.4%
20.0%
15.1% 15.4%
16.4%16.7%
15.5% 16.1%
4.0%
3.0%
9.6% 9.9%
10.0%
0.3%
0.3%
2.0%
5.9%
0.6%
‐0.1%
0.0%
0.0%
品川地区
大崎地区
平成13年
大井地区
荏原地区
平成18年
八潮地区
1.0%
0.2% 0.0%
‐1.0%
品川区
増加率(平成13→18年)
図2-46 狭小住宅率
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))より作成
22
23
耐火面積比率=耐火・準耐火建物延床面積/総延床面積
狭小住宅率=50 ㎡未満の住宅の建築面積/全住宅の建築面積
48
4) 不燃領域率24の変化(平成 3 年度−平成 18 年度)
荏原地区の戸越や中延、大井地区の大井や西大井、西品川等、区南西部に不燃領
域率が 40%未満の延焼の危険性が高い地区が存在する。
現在も、40%未満の地域が残っているものの、平成 3 年度から平成 18 年度の変
化を見ると、小山台、戸越公園周辺、補助 26 号線沿道等での改善が見られる。
平成 3 年
2
上
大崎
上大崎
2.大崎地区
約 73%
1
3
4
東
五 反田 3
東五反田
1
2
4
2
小山台
小山 台
五 反田
西五反田
5西
1
1
4
小山
小
山
7
7
3
1
西中延
西中 延
2
1
6
3
2
旗の台
の台
旗
5
3
4
4
5
3
戸越
戸
越4
1
東中延
東
中延
2
3
3
2
1
6
6
4
6
1
4
5
1
大井
大
井
西
大井 2
西大井
4
3
3
4
1
6
5
4
※集計単位は、町丁目×用途地域・高度地区・
3
1
勝島
島
勝
南大井
南
大井
3.大井地区
約 58%
八潮
八
潮
5
2
5
7
5.八潮地区
2
約 95%
1
東大井
大井
東
6
3
1
5
4
2
二葉
葉 2
二
3
4
3
豊
町3
豊町
5
6
4.荏原地区
約 39%
南
品川
南品川
5
6
1
2
広町
広町
2
2
3
4
西品川
西
2 品川
1
東品川
東
品川
1
1
2
5
中延
中延
4
2
3
1
1
1
1
大崎
崎
3 大
1
平
塚
平塚
0潮
東八潮
東八
5
2
北
北品川
4 品川
2
2
荏
荏原
4原
6
1
5
8
1
5
6
2
5
2
3
5
6
1
7
6
2
3
1.品川地区
約 72%
4
5
3
2
6
防火地域等ごと
4
2
3
3
2
上大崎
上
大崎
2.大崎地区
約 81%
1
3
4
東
五反田 3
東五反田
1
2
4
2
小
山台
小山台
五反田
西五反田
5西
1
1
4
小山
小山
荏
荏原
4原
3
1
6
7
7
西
延
西中延
2中
1
6
3
2
旗
の台
旗の台
5
4
3
戸
越4
戸越
1
2
2
5
1
広町
広町
2
3
南品川
南品川
6
5
5
6
1
5
1
4
6
5
大
井
大井
西
大井 2
西大井
4
3
2
3
4
5
2
1
5
7
6
5
4
5.八潮地区
八
潮
八潮
約 97%
3
1
勝
島
勝島
南大井
南大井
2
3.大井地区
約 66%
1
東
大井
東大井
6
3
1
4
3
4
2
二葉
二葉 2
3
1
2
豊町3
豊町
4
4.荏原地区
約 50%
東
品川
東品川
4
西
西品川
2 品川
1
2
6
6
2
1
1
2
5
東中延
中延
東
3
3
3
1
1
1
1
大崎
3 大崎
1
0潮
東八潮
東八
5
2
北
北品川
4 品川
2
2
平
塚
平塚
中延
中延
4
3
4
1
5
8
1
5
6
2
5
2
3
5
6
1
7
6
2
3
1.品川地区
約 76%
4
5
3
6
3
2
4
3
図2-47 不燃領域率の経年変化
資料:東京都「東京の土地利用」(平成3年(1991年))、(平成18年(2006年))」より作成
24
不燃領域率:市街地の「燃えにくさ」を表す指標。建築物の不燃化や道路、公園などの空地の状況から算出し、不燃領
域率が 70%を超えると市街地の消失率はほぼ0となる。
不燃領域率(%)=空地率+(1−空地率)×不燃化率
49
2.2.6 交通
・都市計画道路の整備率は約 6 割となっているが、木造住宅密集地域を通る未
整備の路線も多い。
・鉄道駅の数は 23 区の中で3番目に多く、充実しているといえる。
・幅員4m未満の狭あいな道路は区の南部を中心に多く見られる。
(1) 道路整備の状況
1) 都市計画道路
都市計画道路の整備率は 61.1%で、事業中および概成とあわせると 83.7%となっ
ている。荏原地区を中心に広がる密集市街地の重点整備地域には、放射2号線、補
助 29 号線および補助 30 号線等が計画されているが、未だ未整備となっており、円
滑な交通および延焼遮断帯25としての機能を発揮させるため整備を進める必要があ
る。
表2-4 都市計画道路の整備状況
合 計
区 道
都 道
国 道
延長(m)
率(%)
延長(m)
率(%)
延長(m)
率(%)
延長(m)
率(%)
全体
完成
73,462
100.0%
22,858
100.0%
37,176
100.0%
13,428
100.0%
44,881
61.1%
14,881
65.0%
22,922
61.6%
7,078
52.8%
事業中
6,683
9.1%
1,818
8.0%
2,885
7.8%
1,980
14.7%
概成
未着手
9,891
13.5%
2,281
10.0%
3,240
8.7%
4,370
32.5%
12,007
16.3%
3,878
17.0%
8,129
21.9%
0
0.0%
資料:区資料
26
26
図2-48 都市計画道路の整備状況
27
資料:品川区資料(H24.7時点)
25
26
27
延焼遮断帯:市街地の延焼を阻止するため、道路、河川、公園、鉄道等と、それらの沿線に建つ不燃化された建築物に
より形成される帯状の不燃空間。
東京都木密地域不燃化 10 年プロジェクト:首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、東京の最大の弱点であ
る木密地域の改善を一段と加速するためのプロジェクト。特に甚大な被害が想定される整備地域(約 7,000ha)を対象に、
10 年間の重点的・集中的な取組を実施し、木密地域を燃え広がらない・燃えないまちにすることを目標としている。
東京都第三次優先整備路線:東京都「区部における都市計画道路の整備方針」「第三次事業化計画」に位置づけられてい
る、平成 16 年度∼27 年度の 12 年間で優先的に整備すべき路線。
50
2) 道路率28
道路率(各区の総面積に占める道路の割合)は 16.0%と、東京都 23 区平均
(16.4%)よりも下回る水準にある。道路の構成比をみると、道路延長では約 9 割
が特別区道であるが、面積ベースでみると約 6 割となっている。
23.7
千代田区
29.2
中央区
港区
21.6
18.4
新宿区
17.2
文京区
26.0
台東区
墨田区
21.2
13.9
江東区
品川区
16.0
14.8
目黒区
12.6
大田区
14.0
世田谷区
渋谷区
17.4
中野区
13.5
杉並区
13.5
豊島区
18.0
北区
14.3
16.2
荒川区
板橋区
18.1
練馬区
15.2
足立区
17.8
14.6
葛飾区
江戸川区
18.5
平均
16.4
0.0
5.0
10.0
15.0
%
20.0
25.0
30.0
35.0
図2-49 道路率 東京23区比較
面積
12.3%
20.1%
10.5%
57.0%
3.8% 3.1%
6.7%
延長
86.4%
0%
20%
国道
40%
都道
60%
自動車専用道
80%
100%
特別区道
図2-50 区の道路構成比
資料:特別区土木主幹課長会編「平成23年度特別区土木関係現況調書」より作成
28
道路率:各区の総面積に占める道路の割合。
51
3) 幅員別の道路の状況
荏原地区および大井地区に、幅員 4m未満の狭あいな道路が多く存在し、住環
境・防災性の向上のため拡幅等が必要である。八潮地区は、湾岸の流通機能を支え
ている広幅員道路の割合が大きい。
0%
20%
区全体
40%
60%
36%
品川地区
31%
大崎地区
32%
27%
20%
42%
荏原地区
42%
八潮地区
5% 10%
19%
16%
30%
25%
23%
14%
21%
33%
25%
4m未満
100%
21%
29%
大井地区
80%
15%
20%
5%
60%
4m以上6m未満
6m以上12m未満
12m以上
図2-51 地区別道路幅員別延長の割合
2
資料:東京都「東京の土地利用(平成18年(2006年))」より作成
1
上 大崎
3
4
4
5
東 五反 田
3
6
2
5 西五 反田
小山 台 1
3
4
3
1
6
3
1
平塚
2
3
4
中延
5
4
5
1
1
1
2
6
南品川
6
1
二葉
5
4
3
4
八潮
大井
2
3
5
2
1
5
5 西大 井
4
2
3
4
6
1
東 大井
6
3
1
7
4
3
5
1
2
2
1
2
5
3
豊町
4
6
6
3
4
広町
2
2
5
旗 の台2
3
1
1
西品 川
2
戸越
4
東 中延
2
3
1
3
2
東品 川
3
2
1
2延
西中
1
1
北品
4川
1
3 大崎
東八
0潮
5
2
5
8
2
4
7
6
1
5
6
1
5
荏原
7
2
2
3
5
6
1
7
1
2
小山4
3
1
2
4
6
5
4
1
3
勝島
南大井
2
6
3
2
4
4m未満
3
4m以上 6m未満
6m以上 12m未満
図2-52 現在の道路幅員の状況
資料:東京都「東京の土地利用(平成18年(2006年))」より作成
52
12m以上
(2) 鉄道網の状況
鉄道ネットワークは、八潮地区を除き区内全域をほぼカバーしている。
区内では、JR 路線5線(山手線、京浜東北線、横須賀線、埼京線、湘南新宿ラ
イン)、その他民営鉄道5路線(東急目黒線・池上線・大井町線、京急、りんかい
線)、地下鉄3路線(東京メトロ南北線、都営浅草線、三田線)、新交通1路線
(東京モノレール)の計 14 路線が整備されている。下段に年間乗降車人員の変化
を示しているが、目黒駅および大崎駅の伸びは突出しており、東急目黒線の地下化
や相互直通運転およびりんかい線の開通の影響等がみられる。
0
10
20
30
40
世田谷区
38
大田区
38
品川区
33
港区
31
新宿区
30
江東区
28
千代田区
25
豊島区
25
足立区
24
中央区
京急線
22
荒川区
19
北区
19
板橋区
19
渋谷区
18
杉並区
18
練馬区
18
台東区
17
文京区
14
墨田区
図2-53 鉄道ネットワーク
13
中野区
資料:国土交通省「国土数値情報(鉄道データ)」より作成
13
葛飾区
12
江戸川区
800,000
11
(人/日)
目黒区
平成13年
平成17年
平成21年
600,000
9
図2-55 各区の鉄道駅数
資料:品川区資料
400,000
※鉄道駅数は、複数路線乗り入れてい
る駅も1とカウントした。
200,000
品川シーサイド
中延
青物横丁
武蔵小山
天王洲アイル
旗の台
大崎
大井町
五反田
目黒
0
※JR東日本は乗車人員のみ公
表。本グラフでは他社の駅との
比較のため、JR東日本の乗降
車人員は乗車人員を2倍にして
表示。
図2-54 駅別1日平均乗降車人員
資料:品川区の統計(平成21年度)より作成
53
2.2.7 水とみどり
・運河を中心とした区の水辺には、親水空間のみでなく多くの機能が存在してい
る。
・他の特別区と比較して、1人当たりの公園面積は小さい状況である。
(1) 水辺の現状と資源
運河を中心とした区の水辺には、旧東海道の歴史的なまちなみ、しながわ花海道
等の親水空間が広がるとともに、天王洲や品川シーサイド周辺の業務、商業機能、
八潮団地を中心とした居住機能もある。また、品川、大井ふ頭は国際的な港湾機能
が展開している。
天王洲運河周辺
京浜運河沿い八潮団地
図2-56 区の歴史や文化を今に伝える水とみどり
出典:品川区「水とみどりの基本計画・行動計画」
54
(2) 都市公園整備状況
一人当たりの都市公園29面積は 1.93 ㎡、また、区域面積に占める都市公園の割合
は 3.1%となっており、23 区の平均値と比較すると低い水準である。
350
(ha)
300
(m2/人)、(%)
都市公園面積(ha)
都市公園面積(ha)
一人当たりの都市計画公園面積(m2/人)
一人当たりの都市公園面積(m2/人)
区面積に占める都市公園の割合(%)
区面積に占める都市公園の割合(%)
7.4
6.5
5.6
5.60
5.6
5.3
5.1
4.8
6
4.9
5
4.4
200
4.1
4.79
4.43 4.35 4.29
4.23
150
3.76
3.9
4
3.2
3.58
3.1
3.1
100
298
54
75
167
74
3.2
3
2
2.39
50
205
3.1
2.3
1.93 1.90
325
3.2
2.4
3.08
2.78 2.73 2.72
2.62
27
3.1
3.53
2.3
189
77
193
240
91
188
49
71
104
1.74 1.73
57
36
1.1
1.69 1.61
46
33
1.14 0.50
36
14
豊島区
中野区
荒川区
目黒区
新宿区
文京区
杉並区
品川区
港区
北区
練馬区
世田谷区
大田区
板橋区
墨田区
渋谷区
葛飾区
中央区
台東区
足立区
江東区
江戸川区
千代田区
0
7
特別区平均
2.96m2/人
4.3%
5.9
250
8
1
-
図2-57 都市公園面積の23区比較(平成21年(2009年))
資料:特別区協議会「特別区の統計」より作成
29
林試の森公園(都市計画公園「目黒公園」)
しながわ区民公園の花と緑の展示会(都市計画公園「勝島平公園」)
しながわ中央公園(都市計画公園「品川中央公園」)
鮫洲運動公園(都市計画公園「鮫洲公園」)
都市公園:都市計画施設である公園または緑地で区または都が設置するものと、都市計画区域内において設置する公園ま
たは緑地
55
2.2.8 都市景観
・平成 22 年 12 月に品川区景観計画を告示。
・「旧東海道品川宿地区」を地区の固有の資源や個性を活かして良好な景観形成
を図る重点地区として指定している。
(1) 景観計画
区は、平成 22 年(2010 年)7 月に景観行政団体30となり、平成 22 年(2010 年)
12 月に「品川区景観計画」を告示した。
計画では、地区の固有の資源や個性を活かして良好な景観形成を図るべき地区で
ある「重点地区」として『旧東海道品川宿地区』を指定している。この中では、
「旧東海道の歴史と文化を伝え、にぎわいを創出する景観づくり」を目標とし、景
観形成の方針に基づき、建築物の建築や開発行為等を制限し、きめ細やかな景観形
成を図ることとしている。また、区民からその景観に愛着を持ち親しまれている公
共施設のうち、『旧東海道および北馬場通り(品川宿地区)』、『戸越公園(旧細
川家下屋敷跡)』、『目黒川』を景観重要公共施設として指定している。
∼品川区景観計画 策定経緯∼
平成 16 年 6 月 景観法公布 (平成 17 年 6 月 全面施行)
平成 19 年 4 月 東京都景観計画、改正東京都景観条例及び同条例施行規則 施行
平成 22 年 7 月 品川区が景観行政団体となる。品川区景観条例 施行
平成 22 年 12 月 品川区景観計画 告示
図2-58 重点地区区域図
しながわ宿場まつりの様子
出展:「品川区景観計画」
30
景観行政団体:良好な景観を保全するための景観計画を定めることができる都道府県、区市町村。
56
2.2.9 環境
・二酸化炭素排出量が、平成2年(1990 年)と比較して約 24%増加している。
・河川の水質については、環境基準と比較して低い水準にあるが、窒素・りんについ
ては、一層の取組みが必要である。
(1) 温室効果ガスの状況
温室効果ガスのひとつである二酸化炭素排出量を以下に示す。平成 20 年度
(2008 年度)時点で、約 217 万 t-CO2 であり、京都議定書の基準年である平成 2 年
度(1990 年度)比で約 24%増(約 52 万 t-CO2 増)となっており、低炭素社会の構
築が急務である。
平成 2 年度(1990 年度)比
図2-59 区の二酸化炭素排出量の推移(平成2年度比は全国、東京都との比較)
資料:オール東京62市区町村共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」発行
「特別区の温室効果ガス排出量(1990年度∼2009年度)」より作成
また、以下に区の部門別の二酸化炭素排出量の推移を示す。業務部門の増加が大
きいが、その他は横ばいか微減となっている。
図2-60 区の部門別二酸化炭素排出量の推移
資料:オール東京62市区町村共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」発行
「特別区の温室効果ガス排出量(1990年度∼2009年度)」より作成
57
(2) 水質の状況
河川においては、環境基準を満足している状態が続いており、数値自体も低下し
ている。海域については、COD31で環境基準を満足しているものの、赤潮等を引き
起こす富栄養化の原因である窒素・りんについては、環境基準を大きく超過してお
り、下水道事業を中心とした一層の対策が必要である。
市場橋(目黒川)
BOD(mg/L)
昭和橋(目黒川)
12
居木橋(目黒川)
10
環境基準(目黒川)
8
浜川橋(立会川)
6
環境基準(立会川)
4
2
0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
COD(mg/L)
八潮二丁目地先(東京湾)
16
勝島橋(京浜運河)
14
鮫洲橋(勝島運河)
12
環境基準(運河・海域)
10
8
6
4
2
0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
全窒素(mg/L)
八潮二丁目地先(東京湾)
5.0
勝島橋(京浜運河)
環境基準(運河・海域)
4.0
3.0
2.0
1.0
0.0
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
全りん(mg/L)
八潮二丁目地先(東京湾)
0.50
勝島橋(京浜運河)
0.40
環境基準(運河・海域)
0.30
0.20
0.10
0.00
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
図2-61 河川・海域の水質経年変化
資料:環境課資料
31
Chemical Oxygen Demand の略。化学的酸素要求量。海水や湖沼水質の有機物による汚濁状況を測る代表的な指標。水中
の有機物を酸化剤で分解する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、河川には環境基準値がないが、品川
区は河川の下流域に位置し、海水の影響を受けやすいため河川でも COD を測定している。
58
2.2.10 住まいと住生活
・住宅ストックは増加傾向にあり、特に、3 階以上の共同住宅の増加が顕著である。
・23 区の平均よりも最低居住面積水準未満の世帯数の割合が大きい。
・高齢単身世帯で民営の借家の割合が高い。
・空き家は年々増加しており、平成 20 年には住宅総数の 11.7%(約 2 万 5 千戸)
となっている。
(1) 住宅ストック総数の推移
住宅ストック数は、増加傾向にあり平成 20 年(2008 年度)で 185,130 戸となっ
ている。建て方別では、共同住宅3階以上が大きく増加し、全体の6割以上を占め
る。
(戸)
200,000
185,130
180,000
152,440
160,000
141,440
140,000
120,000
100,000
1,740
(1.2%)
33,060
(23.5%)
3,780(2.7%)
34,420
(22.6%)
2,660(1.7%)
80,000
35,120
(46.0%)
(54.3%)
37,320
31,180
480
(0.3%)
35,320
(19.1%)
3,420(1.8%)
(21.2%)
2,050(1.2%)
121,350
100,820
82,730
64,640
60,000
1,460
(1.0%
その他
1,450 (0.8%)
165,290
(65.5%)
(61.0%)
一戸建て
長屋建て
共同住宅3階以上
40,000
20,000
(26.6%)
26,820
(20.5%)
0
平成5年
平成10年
23,600
(16.2%)
(12.7%)
平成15年
平成20年
共同住宅1,2階
図2-62 建て方別住宅数の推移
資料:総務省「住宅・土地統計」より作成
(2) 公的住宅ストックの推移
公共賃貸住宅は平成 22 年度(2010 年度)10,570 戸となっている。平成 14 年度
(2002 年度)から平成 15 年度(2003 年度)にかけて、区営住宅等と独立行政法人
都市再生機構の住宅が大きく増加し、その後はほぼ横ばいとなっている。
(戸)
12,000
独立行政法人都市再生機構
東京都住宅供給公社住宅
区営住宅等
都営住宅
10,000
8,071
2,141
2,375
2,479
925
925
925
925
845
882
960
1,045
1,053
1,053
1,185
3,619
3,614
3,614
3,614
3,614
平成9年 10年
11年
12年
13年
7,725
2,141
703
4,000
2,000
6,000
7,345
2,141
10,535 10,429 10,527 10,571 10,570
8,652
7,967
7,640
8,000
10,175 10,175 10,253
3,961
3,961
3,961
4,290
4,290
4,290
4,290
4,290
845
845
924
924
924
1,024
1,024
1,024
1,729
1,729
1,729
1,729
1,729
1,728
1,770
1,770
3,659
3,640
3,640
3,639
3,592
3,486
3,485
3,487
3,486
14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
2,963
0
図2-63 公共賃貸住宅数の推移
資料:東京都「東京都統計年鑑」より作成
59
(3) 最低・誘導居住面積水準
最低居住面積水準32未満の世帯数は、平成 20 年(2008 年)17.7%で東京都 23 区
全体より高い割合である。誘導居住面積水準33以上の世帯数は、平成 20 年(2008
年)33.1%で東京都 23 区全体より低い割合である。また、高齢者の単身世帯で約
20%が最低居住面積水準未満と高くなっている。一方、持ち家の場合、約 6 割が誘
導居住面積水準以上となっている。
表2-5 居住面積水準比較(平成20年)
誘導居住面積水準以上
最低居住面積
中間の水準
水準未満
品川区
23区全体
東京都
32,830 世帯
(17.7%)
673,200 世帯
(16.1%)
875,300 世帯
(14.7%)
総数
90,960 世帯
(49.1%)
2,051,700 世帯
(49.1%)
2,874,900 世帯
(48.4%)
都市型
42,860 世帯
(23.2%)
884,690 世帯
(21.2%)
1,218,600 世帯
(20.5%)
61,340 世帯
(33.1%)
1,452,800 世帯
(34.8%)
2,189,700 世帯
(36.9%)
一般型
18,480 世帯
(10.0%)
568,110 世帯
(13.6%)
971,100 世帯
(16.3%)
資料:総務省「住宅・土地統計調査」平成20年(2008年)より作成
32,830
全体
子育て世帯
夫婦世帯
90,960
11,330
1,770
15,800
5,060
3,340
単身(∼64歳)
7,460
31,220
17,460
0%
4,580
11,760
2,110
単身(65歳∼)
61,340
10%
20%
30%
40%
50%
17,560
60%
70%
80%
狭い
最低居住面積水準未満
借家
中間の水準
誘導居住面積水準以上
45,480
16,770
29,440
持ち家 3,390
0%
28,470
10%
90%
100%
広い
20%
44,570
30%
40%
50%
60%
狭い
70%
80%
90%
100%
広い
最低居住面積水準未満
中間の水準
誘導居住面積水準以上
図2-64 世帯の型および所有関係別居住面積水準
資料:総務省「住宅・土地統計調査」平成20年(2008年)より作成
※「全体」には、「子育て世帯」「夫婦世帯」「単身」以外に「その他」を含む
32
最低居住面積水準:世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準。
(例:単身者:25m2、4 人家族【10 歳以上】:50m2)
33
誘導居住面積水準:世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要
と考えられる住宅の面積に関する水準。
(例:単身者(一般型:55m2、都市型:40m2)、4 人家族【10 歳以上】(一般型:125m2、都市型:95m2))
60
1) 高齢者居住形態
高齢夫婦世帯では、持ち家の割合が 73.9%と大半を占めている一方、高齢単身世
帯では、持ち家の割合が 50.6%に下がるとともに、民営の借家の割合が 31.2%と高
くなっている。
780世帯
(6.1%)
高齢夫婦世帯
【12,880 世帯】
100世帯
(0.8%)
1,580世帯
(12.3%)
9,520世帯
(73.9%)
1.270世帯
(8.0%)
高齢単身世帯
【15,860 世帯】
40世帯
(0.3%)
8,030世帯
(50.6%)
4,950世帯
(31.2%)
1,570世帯
(9.9%)
2,050世帯
(7.1%)
65歳以上の
世帯員のいる世帯
【28,740 世帯】
6,530世帯
(22.7%)
9,090世帯
(4.9%)
0%
20%
持ち家
40%
17,010世帯
(9.2%)
60%
公営、公社等の借家
民営の借家
2,470世帯
(8.6%)
9,030世帯
(4.9%)
73,570世帯
(39.7%)
76,430世帯
(41.3%)
高齢単身世帯
は、持ち家が少
なく借家住まい
の割合が多い
140世帯
(0.5%)
17,550世帯
(61.1%)
全世帯
【185,130世帯】
900世帯
(7.0%)
80%
給与住宅
100%
その他
資料:総務省「住宅・土地統計」より作成
図2-65 高齢者の居住形態(平成20年(2008年))
2) 空き家の推移
空き家は年々増加傾向にあり、平成 20 年には約 2 万 5 千戸と住宅総数の 11.7%
を占めるまでになっている。空き家は、維持管理が適切にされていないことから、
住環境や防災上問題となることが多い。したがって、これらの建替えや活用につい
ての検討が必要である。
年々増加
図 2-66 空き家の推移
(平成 20 年住宅・土地統計調査)より作成
61
2.2.11 まちづくりの課題
【土地利用と開発整備】
● 都の新拠点でもあり区の重要な拠点となる品川駅南周辺の開発を適切に誘導し、
海外企業等の事業展開にも対応できる高度な業務機能をはじめ、商業や交流、
宿泊等の機能の整備を強力に推進する必要がある。加えて、広域性のある区の
中心的な拠点においては、商業・業務・居住・文化等の機能の集積による魅力
とにぎわいの向上を図ることが必要である。また、区民に身近な生活を支える
地域の拠点においては、医療、福祉、教育等の生活サービス機能や地域コミュ
ニティ機能の充実が重要である。
● 良好な住環境を形成している地域においては、地域の歴史的な市街地形成の経
過等を十分踏まえ、一層の住環境の維持・保全を図る。
【防災まちづくり】
● 東京都が公表した首都直下型地震での被害想定では、荏原地区を中心に火災に
よる延焼被害が大きいと想定される地域が広範囲に及んでいる。これまでも
様々な密集市街地の改善事業を展開してきたが、より強力で効率的な事業推進
が必要である。
● 東日本大震災を踏まえ、帰宅困難者や高潮・津波被害等に対する備えが、ソフ
ト・ハードともに必要であり、その取組みに関しては、区民や民間事業者との
密な協力の下、実施していくことが肝要である。
【都市基盤】
● 都市計画道路の整備率は、約6割となっており、今後一層の整備を推進し、効
率的な自動車交通、環境負荷の低減、防災性の向上等を実施していく必要があ
る。また、良好な住環境の構築に加えて防災面でも重要な、細街路も含めた生
活道路の整備ついては、区民の理解・協力の下、計画的・効果的に進めていく
必要がある。
● 区内では、鉄道をはじめとして高い交通利便性を確保している。今後は、特に、
広域の公共交通網の充実を図るとともに、高齢者や障害者等、誰もが安心して
利用できる交通基盤の整備が重要である。
62
【水とみどり】
● 水とみどりは、都市環境や景観とともに、防災やレクリエーション等、多様な
機能を持っている。こうした機能をまちづくりに積極的に活用していくととも
に、目黒川や立会川、臨海部といった水辺に位置する区の立地の優位性を活か
しながら、より一層、区民が親しめる空間として、整備していく必要がある。
● むかしから継承されてきた御殿山の桜や戸越公園等の歴史とつながりのあるみ
どりを活かしたまちづくりを進めるとともに、木密地域においては、積極的に
公園空間を創出し、防災面の向上にとどまらず、良好なうるおいのある住環境
を創出することを意識した整備が必要である。
【都市景観】
● 区内には、歴史や伝統が息づく景観資源や、大崎等の開発により生み出された
新たな街並みが存在するため、これらを活かし守る取り組みを積極的に進める
必要がある。
● 公園や社寺をはじめとして、歴史や自然を感じることができる景観形成をさら
に推進するほか、土地利用転換が進行している地域等では、良好な景観形成を
意識した開発等を進めることが重要である。
● 歴史を継承する街並みや新たな高層ビル群の景観等、さまざまな都市の景観を
保全し、創出することが必要である。
【環境】
● 地球温暖化等が世界的な問題となる中、高効率のエネルギー利用や太陽光等再
生可能エネルギーの重要性が高まっている。そのため、開発および基盤整備・
交通・住まいづくり等、多様な面での環境負荷の軽減を図ることが重要である。
【住宅・住環境】
● これまで建設されたきた公的住宅や民間マンション、戸建て住宅等では、空き
家が増加するとともに、施設の老朽化や設備の更新が必要となっている。適正
な維持管理や改築更新・建て替えに対する支援を充実し、既存住宅ストックの
有効活用を図る必要がある。
● 高齢化が進展する中、高齢者や障害者が安心して住むことのできる住宅設備の
充実が必要である。
● 子育て世帯に適した住宅の供給や住宅に困窮する世帯への支援等とともに、周
辺の住環境の向上等、建物と住環境、住生活への支援が一体となった住み続け
られるまちづくりが必要である。
63
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