...

平成16年度標準技術集 電子ペーパー及びフレキシブルディスプレイ

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

平成16年度標準技術集 電子ペーパー及びフレキシブルディスプレイ
【技術分類】4−2−1
その他の方式の表示デバイス/粉体移動方式表示デバイス/帯電トナー型
表示方式
【
FI
】G02F1/167、G09F9/37Z
【技術名称】4−2−1−1
表示原理
【技術内容】
導電性トナーと電荷輸送層を用いたトナーディスプレイを検討した結果、導電性トナーは電荷輸送
層から正電荷が注入され逆極性の方向に移動し、また極性を反対にすると除去ができることを確認し
た。そして、このトナーの移動を利用して書き換え可能なトナーディスプレイを実現できることがわ
かった。
【図】
図1
トナーディスプレイにおける電場極性変更時の白黒表示原理
出典:
【出典/参考資料】と同一、250 頁
Fig.2 Black and white display by switching of electric
field polarity.
図 1 の説明:2 枚の透明電極間におけるトナーの移動により黒および白を表示する。透明電極には
正孔輸送を行う電荷輸送層(CTL)が塗布されている。2 枚の電極をスペーサーを介して貼り合せ、そ
の中に導電性トナーおよび白色微粒子を封入した。上部電極に負の電圧を印加すると下部電極から正
孔が CTL に注入され、さらに接触している導電性トナーに電荷注入されてトナーは正に帯電する。そ
の後、上部電極とトナーのクーロン引力により、トナーは上部電極に向かって移動する。移動後は(a)
に示すように CTL 上に付着し保持される。この時、CTL とトナーがブロッキング接触している層は絶
縁層として働き、電圧 OFF 後もトナーは保持される。この状態で上部透明電極から見るとトナー粒子
が観察され黒色を示す。次に電圧の極性を切り替えると、トナーは下部電極に向かって移動し、上部
電極から見ると白色微粒子が観察され白色となる。
図2
印加電圧と反射濃度の関係
− 339 −
出典:【出典/参考資料】と同一、252 頁 Fig.5 Reflection density vs applied voltage.
図 2 の説明:導電性トナーと白色微粒子を 1:1 の割合で封入したときの付着、除去時の反射密度と
印加電圧の関係を示す。80V から移動が始まるのがわかる。電圧 200V 以下で付着と除去の密度差が小
さいのは上部電極に付着した導電性トナーが低い電圧では十分にチャージアップできないためと思わ
れる。
図3
コントラストとトナー濃度の関係
出典:【出典/参考資料】と同一、252 頁
Fig.6
Relationship between contrast and toner
concentration.
図 3 の説明:導電性トナーと白色微粒子の合計量を 6mg に固定して、配合比を変化させた結果を示
す。100V のときは導電性トナーの両に関係なくコントラストが低いことがわかる。全体的に 200V 以
上の電圧ではコントラストに変化はなく、導電性トナーと白色微粒子の量が 1:1 のとき、コントラス
トが高いことがわかる。これは 1:1 のとき、トナーの移動と白色微粒子による隠蔽力がよいことがわ
かる。
【出典/参考資料】
「新しいトナーディスプレイデバイス(I)
−導電性トナーと電荷輸送層を用いた画像表示−」、
「Japan Hardcopy '99 論文集」、1999 年、趙国来、菅原勝彦、星野勝義、北村孝司著、日本画像学会発
行、249−252 頁
− 340 −
【技術分類】4−2−1
その他の方式の表示デバイス/粉体移動方式表示デバイス/帯電トナー型
表示方式
【
FI
】G02F1/167、G09F9/37Z
【技術名称】4−2−1−2
応答時間の測定
【技術内容】
帯電粒子の移動によるトナーディスプレイにおける応答時間を光子計測技法を用いて測定した。100
μm の間隔をあけた 2 枚の透明 ITO 電極の間に通常のトナーとフッ化カーボンを黒白の粒子として 1:1
の比率で封入した。電荷移動物質として p-diethyl amino-benzaldehyde(diphenyl hydrazone)とポリ
カーボネートポリマーの混合物を厚み 5μm に塗布した。応答時間は約 1 ミリ秒であり、印加電圧に依
存した。
【図】
図1
光子計測システムによる応答時間の測定装置
出典:【出典/参考資料】と同一、111 頁 Figure 2 Schematic diagram of measuring apparatus
for response time using photon-counting system.
Reprinted with permission from Society for
Imaging Science and Technology.
図 1 の説明:試料表面からの反射光強度測定装置を示す。
図2
印加パルス電圧 500V のときの白表示から黒表示への応答曲線
− 341 −
出典:【出典/参考資料】と同一、111 頁 Figure 3 The response curve at the change from white
to black display at applied voltage of 500V. Reprinted with permission from Society for Imaging
Science and Technology.
図 2 の説明:印加パルス電圧 500V のときの白表示から黒表示に移る際の試料表面からの反射光強度
の変化を示す。
図3
印加パルス電圧 500V のときの黒表示から白表示への応答曲線
出典:【出典/参考資料】と同一、111 頁 Figure 4 The response curve at the change from black
to white display at applied voltage of 500V. Reprinted with permission from Society for Imaging
Science and Technology.
図 3 の説明:印加パルス電圧 500V のときの黒表示から白表示に移る際の試料表面からの反射光強度
の変化を示す。
図4
トナーディスプレイにおける応答時間の電圧依存性
出典:【出典/参考資料】と同一、112 頁 Figure 6 Voltage dependence of the response time for
toner display.
Reprinted with permission from Society for Imaging Science and Technology.
図 4 の説明:トナーディスプレイにおける応答時間の電圧依存性を示す。黒表示から白表示に変わ
る場合と白表示から黒表示に変わる場合で電圧の依存性には違いが認められない。
− 342 −
【出典/参考資料】
「Response Time for Toner Display By Electrical Particle Movement」
、「Proceeding of IS&Ts NIP
16: 2000 International Conference on Digital Printing Technology」、2000 年、Takashi Kitamura、
Gugrae-Jo、Katsuyoshi Hoshino 著、Society for Imaging Science and Technology 発行、110−112
頁
− 343 −
【技術分類】4−2−1
その他の方式の表示デバイス/粉体移動方式表示デバイス/帯電トナー型
表示方式
【
FI
】G02F1/167、G09F9/37Z
【技術名称】4−2−1−3
基本構造・表示原理
【技術内容】
摩擦電気的に帯電させた絶縁性トナーを使用したディスプレイを検討した。互いに異なる光学特性
と電荷を有する二種の粒子を間隙を有する一対の電極間に封入した。これらの粒子は摩擦電気により
反対の極性を有し、一対の電極に印加された電界により独自に反対方向に移動し、高いコントラスト
を有する反射像を与えた。粒子の移動に関し印加した電界により閾値を有することがわかり、パッシ
ブマトリックス駆動で画像形成が可能であった。
【図】
図1
絶縁性粒子を使用したトナーディスプレイデバイスの構造
出典:
【出典/参考資料】と同一、135 頁 Fig.1 The structure of toner display using insulative
particles
図 1 の説明:絶縁性粒子を使用したトナーディスプレイデバイスの構造を示す。
図2
上部表面の拡大写真
出典:【出典/参考資料】と同一、136 頁 Fig.3 Magnified figure of display plate
図 2 の説明:上部表面の拡大写真を示す。(a)負の電圧を印加したときの上部表面。(b)性の電圧を
印加したときの上部表面。
− 344 −
図3
反射密度の電界依存性
出典:【出典/参考資料】と同一、138 頁 Fig.8 Reflection density curve to electric field
図 3 の説明:白の粒子が付着している表面電極に負の電圧をかけると正に帯電した黒粒子が上部電
極まで移動してくる。一方で白の粒子は背面板の方向へ移動する(a)。電圧を反対にかけると逆方向に
移動する(b)。電界に応じた閾値を有することがわかりパッシブマトリックス駆動が可能となる。
【出典/参考資料】
「絶縁性粒子を用いた摩擦帯電型トナーディスプレイ」、
「Japan Hardcopy 論文集」、2001 年、重広
清、山口善郎、町田義則、酒巻元彦、松永健著、日本画像学会発行、135−138 頁
− 345 −
【技術分類】4−2−1
その他の方式の表示デバイス/粉体移動方式表示デバイス/帯電トナー型
表示方式
【
FI
】G02F1/167、G02F1/17、G03G9/08
【技術名称】4−2−1−4
材料、機能・特性
【技術内容】
ITO ガラスを 750mmx250mm に切り、導電面に電荷輸送層(CTL)をスピンコートで成膜した(膜厚 5
μ)。CTL はポリカーボネート中に正孔輸送型の電荷輸送分子(CTM)を 30%ドープしたものであり、CTM
には p-diethylaminobenzaldehyde-(diphenylhydrazone)をもちいていた。
粒子を封入するための空隙を作成するために PET フィルム(膜厚 100μ)を枠状に切り、スペーサー
として用いた。スペーサー中央部の空間は縦横 10mmx10mm とした。導電性黒色トナーと絶縁性の白色
粒子をそれぞれ適量量り取り、薬包紙上で色ムラがなくなる程度に軽く混合する。下部電極とスペー
サーによりできる空間に粒子を入れ均一に分布させた。上部電極をかぶせデバイスを作成した。
【図】
図1
導電性黒色トナー(a)、フッ化炭素(b)、混合物(c)の電子顕微鏡写真
出典:
【出典/参考資料】と同一、88 頁 Fig.3 導電性黒色トナー(a)、フッ化炭素(b)、混合物(c)
の電子顕微鏡写真
− 346 −
図2
移動粒子の電圧依存性
出典:【出典/参考資料】と同一、89 頁 Fig.5 移動粒子の電圧依存性
図 2 の説明:移動して上部電極に付着したトナーの顕微鏡写真を示す。付着粒子の被覆率は 500V
印加時で 54%であり、粒子同士の静電的な反発力の影響が現れていると考えられる。
図3
トナーディスプレイによる表示
− 347 −
出典:【出典/参考資料】と同一、91 頁 Fig.12 トナーディスプレイによる表示
図 3 の説明:(a)に 1cmx1cm のサイズの画素を 4 つ並べた表示を示す。また、(b)は電圧ペンを使用
して書いた手書き文字を示す。
【出典/参考資料】
「電界中の粒子移動による反射型薄膜表示:トナーディスプレイ」、
「日本画像学会主催
ロンティアセミナー」、2002 年発行、北村孝司著、日本画像学会発行、87−92 頁
− 348 −
第 1 回フ
Fly UP