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環境、省資源に配慮した製品開発

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環境、省資源に配慮した製品開発
環境、
省資源に配慮した製品開発
カルソニックカンセイでは、開発の初期段階から製品の全生涯で、環境側面での評価を行い、その解決に取組むこと
により、環境配慮型製品の開発を推進しています。
開発・設計の取組みの基本的な考え
製品の造り込みは開発の企画構想段階から始まります。
製品目標達成の為には、製品の構想∼開発∼生産∼立
上り迄の活動の節目毎に問題を顕在化させ、スピィー
ディな対応を可能とするシステムが必要であります。
カルソニックカンセイでは、製品の構想∼開発∼生産
∼立上り迄の目標達成をタイミング良く、一貫してフ
ォロー出来るシステムCIPPS(CalsonicKansei
Integrated Product Planning System)を構築し、
目標
の達成率向上を図っております。
更に、環境に配慮した製品を広く世界へ供給する為、環
境への影響は設計構想段階から配慮すべき重要な要素
の一つと捉え、QCD、特許面での評価に加えて環境側
面での評価を組込み取組んでおります。
開発のフローと環境側面
活動段階
環境側面
商品戦略
製品開発
設計構想
製品設計
・環境側面での目標値の設定
・法規関連情報
・規制物質リスト
・省燃費、省動力
・排出ガス
・車外騒音
・環境負荷物質
・リサイクル性
等についての検討
生産準備
量産
環境問題に対するカルソニックカンセイの取組みと製品の関わり。
7
省燃費、省動力
新冷媒エアコンの開発
大気汚染防止
ディーゼルエンジンから出る
排出ガスの環境対策
車の排気ガスのクリーン化
廃棄物、有害物質削減
環境負荷物質削減の取組
リサイクルし易い製品の開発
オゾン層保護
特定フロンの廃止
騒音防止
車の排気系部品の低排気騒音化
LCA
ライフサイクルアセスメント
10
製品構想会議
生産準備会議
総合進行会議
初期流動会議
環境問題に対する開発の取組み
CO2削減、
地球温暖化防止
CIPPS
受注戦略会議
環境問題に対するカルソニックカンセイの取組み
環境問題
廃棄物・有害規制物質削減
有害規制物質削減の取組み
開発段階
リサイクルし易い製品の開発
地球温暖化防止
省燃費・省動力
易解体性
コックピットモジュール・フロントエンドモジュール
再資源化
一体型ラジエータ&コンデンサ
長寿命化
エキゾーストマフラのステンレス化
小型軽量化
統合型空調システム、板厚薄肉化した新型ラジエータ、
アルミ製内臓オイルクーラー、
エキゾーストマニホールドと触媒の一体化
動力機関の効率向上
低排圧エキゾーストシステム
部品の省動力による動力機関の負荷低減
動力伝達効率の改善
使用段階
オゾン層保護
代替フロンの削減
カルソニックカンセイの製品
鉛・6価クロム・水銀・カドミウムの廃止
自動変速機の改善
高効率カーエアコンシステム
(外部制御コンプレッサ、二重配管システム)
オイルウオームアップシステム
道路の渋滞緩和
ETC車載機
新冷媒を使用したエアコンの開発
CO2エアコンの開発
温室効果ガスの使用量削減
機器の改良による使用冷媒量の削減
ホース、ジョイントの改良による冷媒洩れ量の削減
超薄壁メタル担体、EGRクーラー、DPF、薄肉内筒二重管エキゾーストマニホールド
廃棄段階
大気汚染防止
排気ガス浄化
騒音防止
排気騒音低減
資源枯渇
新しい動力源の開発
廃棄物削減
使用済み自動車部品のリサイクル
低騒音エキゾーストシステム
燃料電池車
コンポーネントの開発
エアコンコンプレッサのリビルト・リユース
材料リサイクル
フロンの回収・破壊
冷媒
(フロン)
回収機
モジュール化製品
カルソニックカンセイでは、製品の供給を従来のユニットやシステムと言う単位から、モジュールと言う複合単位に
変化させ、部品点数削減や軽量化を図ることにより、リサイクル性向上、省燃費・省動力等、多くの環境面でのメリッ
ト向上を推進しています。
カルソニックカンセイでは、コックピットモジュール、
フロントエンドモジュール、エンジンエキゾーストモ
ジュールと言う三つのモジュール化を推進しておりま
す。
コックピットモジュールは、ステアリングメンバーを
核に、インストメントパネル、メータ、エアコンシステ
ム、エアバック、電子コントロールユニット等を結合さ
せたものです。
フロントエンドモジュールは、ラジエーターコアサポ
ートを支柱にラジエータとコンデンサ、各種熱交換器
等フロントエンド廻りの部分を一体化させたものです。
又、
材料に樹脂と鉄を合理的に複合使用しております。
エンジンエキゾーストモジュールは、エキゾーストマ
ニフォールド、触媒コンバーター、センターマフラー、
リアーマフラー迄のユニットを一貫システムで開発し、
エンジンとの協調制御による出力、エミッション(HC
排出量の削減)、燃費向上のために、最適なシステムの
構築を目指しております。
コックピット、フロントエンド両モジュール共、部品点
数削減、軽量化、リサイクル性向上等、環境面で様々な
大きなメリットがあります。又、コックピットモジュー
ルでは、車室内スペースを拡大する為に搭載車輌の構
造に合わせて、小型、軽量化と高性能化との融合を図っ
ております。
7
フロントエンドモジュール
35%∼50%の部品点数の削減、5%∼20%の重量の軽減。
コックピットモジュール
新型マーチで、構成部品の締結点数を35%、構成部品点数
を18%削減、重量低減率5%。
11
フロントエンドモジュールのライフサイクルアセスメント
(LCA)
カルソニックカンセイは2001年新型車に初めてフロントエンドモジュ
ールとコックピットモジュールを搭載しました。フロントエンドモジ
ュールは設計段階においてカーメーカ殿の協力を得てLCAを適用して
います。ラジエータコアサポートを樹脂化したこと等により、従来品に
比べライフサイクルにおいてCO2等の環境負荷の低減(38%)が図られ
ています。
ライフサイクルインベントリ分析結果(指数)
1.0
廃棄・リサイクル
0.00
使用
部品組立
0.8
材料製造
0.6
0.00
0.73
0.41
0.4
0.2
0.0
0.09
0.04
0.18
0.17
従来品
新型車
搭載製品
製品に使用する環境負荷物質削減の取組み
対象とする物質は、鉛・六価クロム・水銀・カドミウムの4物質を第一目標として、生産品からの全廃を目指し、代替技
術の開発、切り替えを進めて参りました。
以下表の日程で切替完、又は切替中です。
規制物質
当社切替時期
当社製品例
鉛
(Pb)
2002年12月(済)
銅ラジエータ、銅ヒータコア、モーターカーボンブラシ、
等
六価クロム(Cr+6)
2003年9月∼2006年12月
ボルト、
ナット、
ブラケット類、等
水銀
(Hg)
2002年12月(済)
−
カドミウム(Cd)
2002年12月(済)
センサ類、等
※但し、
EU廃車指令の除外規定対象は別途となります。
7
リサイクルし易い製品開発
一体型ラジエータ&コンデンサ
(UCR)の開発
コンデンサとラジエータを合体させ、新規コア構造による放熱性能を向上させることにより、コンパクト化、重量低
減、車両搭載性等、省燃費、リサイクルに優れたエコロジな複合熱交換器として開発し01年12月より量産化を実現し
ております。
従来品との比較
フィン
AL+Zn
ラジエータ
タンク
Cooling water
チューブ
3層材 外側:AL+Si
芯材:AL
内側:AL+Zn
エンジン冷却
性能
◎
○
◎
○
耐塩カル性
◎
○
コンパクト性
◎
○
◎(70∼90%)
○(100%)
◎
○
△
○
◎(100%)
○(70%)
重量
コンデンサー
12
UCR
○
部品耐熱性
市場信頼性
コスト
従来タイプ
エアコン
コンデンサタンク
ラジエータ
一体型ラジエーター・コンデンサー
UCR
◎
車両取付作業性
サービス性
リサイクル性
省燃費、省動力
①外部制御コンプレッサ
②二重配管システム
外部制御コンプレッサでは、外気温、湿度、車室内設定温度に対応したコンプ
レッサの冷媒吐出量を、外部からの電気信号で制御することで「車室内空気
の乾きすぎの防止」
「 エンジンの システム概要
無駄な仕事の削減(省動力)」
「ア
コンプレッサー
イドル時の回転数コントロール
DUTY信号
の安定化」を実現しています。
コンデンサー
電磁弁
コンプレッサー本体
モータ
ファン
インテーク
センサー
アンプ
デュアルエアコンのリアクーラ
のリア側への配管で、配管内の
高圧側低圧側の熱交換によって、
リアクーラの冷房性能を向上さ
せるとともに、燃費の向上を図
りました。省動力効果⇒システ
ムCOPが2%∼4%向上。
パイプ構造
低圧側
膨張弁
エバポレータ
高圧側
φ19(φ16)
材質:A3003−O
③軽量化技術と製品
性能向上と軽量化を実現した環境に優れた製品。
エキゾーストマニフォールド
板厚薄肉化したラジエータ
構成部品の薄肉化、及び触媒との一体化により、自社
比60%の軽量化を実現いたしました。
(kg)
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
▲60%
鋳物仕様
冷却水を通すチューブ部分の板厚を現在の
0.24ミリから0.2ミリ以下に大幅に薄肉化。
放熱部分であるフィンについても従来0.1ミ
リ程度あったものを0.06ミリ程度に薄肉化。
又、同時に耐久性と放熱性を高めました。
これにより、従来より20%軽量化したラジエ
ータを開発出来ました。
軽量化仕様
車の排気ガスのクリーン化
①薄肉内筒二重管エキゾーストマニホールド
二重管エキゾース
トマニホールドの
採用による、触媒入
口の昇温性能の向
上によりNO X 低減に
効果があります。
②超薄壁20μm900cpsiメタル担体
従来の50μmから20μmへの薄厚化により限られたレイアウ
トの中で通気抵抗
を維持しながら、排
気のクリーン化と
高出力の両立を図
りました。
③小型、軽量化したEGRクーラ(EGR:Exhaust Gas Recirculation排気再循環システム)
EGRクーラーシステムは、排気ガス(不活性ガス)を吸気側に入れて燃焼温度を
低下させることにより、NOX低減に効果があります。
今回、EGRクーラ内のガスの流れを改善
冷却フィン
シェル
し、熱伝達率を向上させることにより
放熱性能を向上。
ガス
これによる全長の短縮、円筒の小径化
を図ることによりコンパクト、部品点
エンドプレート
冷却チューブ
数の削減を実現しております。
排気系部品の低騒音化
低騒音エキゾーストシステム
消音要素の要素技術の解析を
行ない、そのメカニズムを解析
した各種消音素子を組み合わ
せることにより、消音性能の高
性能化を実現しております。
13
7
フロン対策
特定フロンの全廃
冷媒
(フロン)
回収機の開発、販売
カルソニックカンセイでは、カーエアコン用冷媒につ
いては、オゾン層を破壊する特定フロン(CFC12)から破
壊しない代替フロン(HFC134a)に1994年に全て切り替
え済です。
フロンの自主回収
カルソニックカンセイでは、自動車リサイクル促進セ
ンターが1998年10月から進めている使用済自動車から
の「フロンの回収・破壊事業」に積極的に参加して参り
ました。自動車販売店に於いて使用済自動車から1リ
ットルボンベにて回収されたフロンを、当社指定のサ
ービス店で20Kgボンベに移充填し、社外のフロン集約
拠点である破壊工場に送付することを分担してきまし
た。
尚、2002年8月以降は、物流の合理化により、破壊工場
にフロン移充填機を移管いたしました。
カルソニックカンセイでは、フロン回収機を開発し、関
連会社であるシーケー販売(株)を通して販売しており
ます。
冷媒
(フロン)回収機
リサイクロンNA-21は加熱真空オイルユニット
(特許)を採用し、高い回収能力を発揮します。
液状の冷媒を回収機の高圧側から放出される
熱を利用し気化させるため、外気温度に影響さ
れずに安定して短時間で回収する事ができま
す。NA-1は機能をそのままに、業界トップクラ
スの小型・軽量化
(11.5Kg)を実現しました。
又、
工場内の移動も専用台車で容易に行えます。
参 考
平成14年度のフロン回収破壊法に基き、フロン類
破壊業者に引き取られた、第二種特定製品(カー
エアコン用フロン)
の引取量。
7
集計結果速報(平成14年10月1日∼平成15年3月末日迄半年分)
引取り量(Kg)
CFC
HFC
合 計
98,089
39,297
137,386
リサイクロンNA-21
リサイクロンNA-1
オゾン層を破壊しない新冷媒
(炭酸ガス)エアコンの開発
代替フロンも地球温暖化に影響する等、フロン等の新物質(自然界に存在しない物質)は予期できない問題を含み、現
在安全であっても将来への不安は拭いきれておりません。
カルソニックカンセイでは、環境に負荷を与えるフロンを冷媒としたカーエアコンシステムではなく、環境に負荷を
与えない冷媒、
炭酸ガスを冷媒としたカーエアコンシステムの開発にも取組んでおります。
CO2エアコンの開発
電子制御膨張弁
CO2エアコンは従来のフロンタイプと
は冷媒の性質が異なり、高圧下での作
動となるので、空調を構成する各ユニ
ットの構造、性能、耐圧強度、耐久信頼
性の確保が非常に難しい製品です。カ
ルソニックカンセイでは課題解決に
向け、早い時期に製品化出来るよう開
発に取組んでおります。
内部熱交換器
エバポレータ
ガスクーラ
リリーフ
バルブ
アキュムレータ
CO2エアコンシステム
14
コンプレッサ
Fly UP