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漁村の現状と課題 - 水産庁

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漁村の現状と課題 - 水産庁
第1回漁村活性化のあり方検討委員会資料
資料1
漁村の現状と課題
平成21年5月20日
目 次
1
(1)
2
(1)
(2)
(3)
3
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
4
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
5
(1)
(2)
水産業の不振
漁村の基幹産業である水産業の不振
漁村の現状
漁港背後集落における漁家率
沿岸漁業における経営組織別経営体
離島等条件不利地域の現状
漁村における問題
漁村の過疎化・高齢化の急速な進行
漁家所得の減少
漁業集落の生活基盤整備の立ち後れ
藻場・干潟の消失
災害に対し脆弱
漁港において危険を伴う作業
漁村に対するニーズ
都市住民の漁村に対するイメージ
都市と漁村の共生・対流のニーズ
消費者の魚介類の新鮮・安全志向①
消費者の魚介類の新鮮・安全志向②
海洋レジャーの場の提供①
海洋レジャーの場の提供②
魅力ある漁村特有の地域資源の活用
都市と漁村の共生・対流のための受入体制の整備
その他
活動を担う人材の発掘・育成
女性の参画の促進
・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
3
4
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
6
7
8
9
10
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
12
13
14
15
16
17
18
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
20
漁村の基幹産業である水産業の不振
○漁業生産量・生産額・魚価の低迷、漁業生産コストの増加など漁村の基幹産業である水産業の不振
生産量
(万t)
生産量・生産額の推移(沿岸)
近年生産量・生産額ともに減少傾向
生産額
(億円)
(円/Kg)
9000
400
8000
350
7000
300
250
200
産地価格は低迷傾向
6000
150
5000
4000
100
生産額
生産量
3000
50
0
主要魚種の産地価格の推移
250
200
150
2000
100
1000
50
0
0
353739414345474951535557596163 2 4 6 8 1012141618
8
9
10
11
12
13
14
漁業用生産資材物価指数の推移
A重油
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
ロープ
普通鋼鋼材
(厚・中板)
プラスチック
(不飽和ポリエステル樹脂)
ガラス長繊維製品
全体的に減少傾向、高齢化が目立つ
女性
300
男性
(65歳以上)
250
男性
(60~64歳)
200
150
男性
(40~59歳)
100
50
男性
(25~39歳)
0
12
13
14
15
16
17
18
合成樹脂塗料
資料:日本銀行「物価指数月報」
18
400
350
漁網
17
男女別、年齢別漁業就業者数の推移
(千人)
近年、高騰傾向。特に燃油価格の高騰が著しい
16
資料:水産庁「水産白書」(平成19年)
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」
平成12
=100
15
63
5
10
15
16
17
18
19
資料:農林水産省「漁業センサス、漁業就業動向調査報告書」
男性
(15~24歳)
漁港背後集落における漁家率
○集落規模の小さい漁村ほど漁家率が高い傾向があり、漁業への依存度が高い
漁業集落規模別の漁家率
漁業集落規模別の漁家率
※漁家率=漁業世帯数/総世帯数
(集落数)
集落規模(人口規模)
100人未満
100人以上~500人未満
集落数
(集落)
総世帯数
(世帯):①
漁業世帯数
(世帯):②
漁家率
②/①
878
20,447
8,964
43.8%
2,378
235,516
61,130
26.0%
(漁家率)
500人以上~1,000人未満
811
219,174
35,322
16.1%
漁家率50%以上の集落
969集落(20.7%)
1,000人以上~2,500人未満
475
278,717
31,109
11.2%
2.8
2,500人以上~5,000人未満
133
174,413
13,244
7.6%
80~90%未満
3.6
4,675
928,267
149,769
70~80%未満
5.3
3.7
5.3
28.4 計
7.0 20.9%
20.3
90%以上
9.6
14.0 60~70%未満
50~60%未満
40~50%未満
30~40%未満
20~30%未満
10~20%未満
10%未満
資料:水産庁「漁港背後集落調査」(H20)
沿岸漁業における経営組織別経営体
○沿岸漁業における経営体の約97%が個人経営体
○個人経営体の約61%(全経営体の約59%)が兼業であり、その半分以上が漁業以外で雇われている
兼業種類別経営体
経営組織別経営体(沿岸漁業)
漁業生産組合 0.1%
漁業協同組合 0.2%
会社 1.3%
全経営体
【漁業を主とする兼業経営体】
自営 32.1%
農業 11.7%
水産加工業 1.6%
個人 96.5%
漁業以外雇われ
59.2%
共同経営 1.9%
官公庁、学校、試験場 0.1%
遊漁案内業 5.0%
旅館・民宿業 1.5%
その他 6.3%
共同経営に出資従事 6.1%
漁業雇われ 8.7%
個人経営体のうち専業兼業分類
専業 38.9%
(37.5%)
兼業 61.1%
(58.9%)
兼業
漁業を従 漁業を主
45.4%
54.6%
※漁業を主とする兼業経営体
自営漁業の年間従事日数が自営漁業
以外の年間従事日数を上回る
【漁業を従とする兼業経営体】
自営 38.4%
農業 12.4%
水産加工業 0.9%
種別
種別
沿岸漁船等
80.2%(30.1%)
海面養殖
19.8%
(7.4%)
沿岸漁船等
84.0%(49.5%)
海面養殖
16.0%
(9.4%)
( )は、全経営体に占める割合
資料:第11次漁業センサス(2003)
遊漁案内業 3.0%
漁業以外雇われ
53.7%
旅館・民宿業 3.4%
その他 13.9%
共同経営に出資従事 5.0%
漁業雇われ 7.9%
※漁業を従とする兼業経営体
自営漁業以外の年間従事日数が自営漁業の年間従事日数を上回る
離島等条件不利地域の現状
○条件不利地域の人口は、一貫して減少傾向で推移し、高齢化率は離島では33%と全国に比べ大幅に高い
○離島の基幹産業である農林水産業の就業者数は、定住人口の減少率の約1.5倍のペースで減少
離島の定住人口と高齢化の推移
離島の就業者数と生産額の推移
【人口の推移】
【産業別就業者数の推移】
【農林水産業生産額の推移】
(億円)
人口増加率
全国
過疎
離島
奄美
半島
3,000
沖縄
農業
林業
水産業
2,500
H2 ~H7
+1.6% ▲5.2% ▲6.8% ▲4.9% ▲1.7% +4.2%
H7 ~H12
+1.1% ▲5.4% ▲7.2% ▲2.6% ▲2.3% +3.5%
H12~H17
+0.7% ▲5.4% ▲8.1% ▲4.4% ▲3.7% +3.3%
2,000
1,500
1,000
500
資料:H17国勢調査
0
S60
【高齢化の推移】
H2
H2
H7
H7
H12
H17
H12
H17
資料:H17国勢調査、離島統計年報2007
全国と離島の収入の比較
【1世帯あたりの年間収入(2人以上世帯)】
7500
7000
6500
6000
5500
5000
(金額単位:千円)
資料:H17国勢調査、離島統計年報2007
全国
1
離島
2
資料:H16全国消費実態調査
漁村の過疎化・高齢化の急速な進行
○漁村では、全国平均に比べ、過疎化・高齢化が急速
漁村の人口・高齢化率の推移
漁業世帯数、世帯員数の推移
漁村の人口減少、高齢化が急速に進行傾向
漁業世帯数、世帯員数ともに減少傾向
人口(人)
世帯数
(千世帯)
高齢化率(%)
2,700,000
34.0 31.2 32.0 30.4 29.4 2,600,000
30.0 28.3 28.9 27.6 28.0 26.7 2,550,000
26.1 25.3 26.0 2,500,000
24.0 2,450,000
22.0 20.1
2,400,000
20.0 2,350,000 17.3
18.0 2,300,000
16.0 500
2,650,000
漁村の高齢化率
3000
450
2500
400
350
2000
300
250
1500
200
漁業世
帯員数
1000
150
100
500
漁業世
帯数
50
H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
漁村の総人口
世帯員数
(千人)
0
0
日本の高齢化率
35 38 41 44 47 50 53 56 59 62 2 5 8 11 14 17
資料:漁村の人口推移と高齢化率(漁港背後集落調査)(高齢化率=65歳以上人口/総人口)
日本の高齢化率(総務省「国勢調査」)
資料:農林水産省「漁業就業動向調査報告書」
漁業世帯員数の年齢階層別比較
65歳以上が増加、24歳以下が減少し、高齢化傾向
(千人)
14歳以下
15~24歳
25~39歳
40~59歳
60~64歳
65歳以上
平成5年 平成18年
142
55
103
48
142
76
268
159
79
40
152
157
平成5年
17%
9%
平成18年
16%
29%
12%
10%
9%
15~24歳
14%
30%
16%
8%
30%
14歳以下
25~39歳
40~59歳
60~64歳
資料:農林水産省「漁業センサス、漁業就業動向調査報告書」
65歳以上
漁家所得の減少
○漁家所得は、全国勤労者世帯所得に比べやや低く、減少傾向
○漁家所得に占める漁業外所得の割合は、農家所得に占める農外所得の割合に比べ低い
○沿岸漁船漁家の漁業所得は低位に留まるとともに、海域毎に大きく異なる
沿岸漁家所得の推移
【沿岸漁船漁家の漁業所得の推移】
(金額単位:万円)
(金額単位:万円)
全国勤労者世帯所得
700
600
漁業外所得
400
200
H14
H15
H16
H17
226
227
216
215
214
北海道区
342
285
289
260
215
太平洋北区
250
312
268
294
250
太平洋中区
224
269
238
250
304
太平洋南区
189
183
166
168
165
日本海北区
216
221
220
188
217
日本海西区
189
187
178
177
155
瀬戸内海区
217
219
191
208
219
東シナ海区
163
161
160
167
169
全国平均
500
300
H13
35.4%
36.3%
35.4%
35.4%
36.6%
沿岸漁船漁家(漁業所得)
100
0
H13
H14
H15
H16
H17
全国平均 資料:水産白書(平成19年度)
※沿岸漁家所得には、海面養殖業漁業所得等を含む
北海道区
漁家所得に占める漁業所得比率と
農家所得に占める農業所得比率の比較
単位:%
H15
漁家所得に占める
漁業所得率
農家所得に占める
農業所得率
35.4
H16
35.4
日本海北区
日本海西区
H17
瀬戸内海区
太平洋北区
36.6
東シナ海区
25.4
24.8
24.7
全国平均 資料:農業経営統計調査(平成17年)
水産庁「水産白書」(平成19年)
太平洋南区
太平洋中区
資料:水産白書(平成19年度)
漁業集落の生活基盤整備の立ち遅れ
○漁業集落の半分以上が過疎地域であり、また、山村、辺地、離島、半島といった条件不利地域に立地
○漁業集落は概して、前面が海、背後が山という狭隘な土地に立地していることから、都市と比較して生活基盤の整
備が立ち遅れている。特に、下水道普及率は、小都市の約68%に対して、漁業集落では約49%と著しく低い
漁業集落の立地特性
地域指定
【集落背後地形】
集落の法制度上の地域指定
都市
計画
農村
振興
過疎
山村
離島
奄美
辺地
半島
崖や山が迫る
53.7%
(2,511集落)
集落数
1,748
2,271
2,637
801
792
44
1,441
1,473
割合
37.4%
48.6%
56.4%
17.1%
16.9%
0.9%
30.8%
31.5%
資料:水産庁「漁港背後集落調査」(H20)
急傾斜地
平坦 46.3%
(2,164集落)
調査対象集落数:4,675
生活環境水準
集
平坦 73.7%
(3,445集落)
資料:水産庁「漁港背後集落調査」(H20)
塊密居集落 20.7%
散居集落 11.0%
(970集落)
(514集落)
列密居集落 39.2%
集居集落 29.0%
落
施設名
小都市
その
他
全体
44.4% 43.1% 40.9% 66.9% 44.2% 38.3% 57.4%
49.4%
過疎 山村 離島 奄美 辺地 半島
下水道
普及率
26.3%
(1,230集落)
家屋連担形態の比較
漁業集落の生活環境整備水準と小都市との比較
漁 業
【集落立地】
67.6%
(1,833集落)
自動車交通
不可能道 78.3% 86.3% 65.2% 89.1% 75.2% 74.4% 78.5%
比率
76.9%
(1,358集落)
82.5%
資料:漁業集落-水産庁「漁港背後集落調査」(H20)
小都市-平成17年度公共施設状況調査(総務省)
調査対象集落数:4,675
資料:水産庁「漁港背後集落調査」(H20)
藻場・干潟の消失
○藻場・干潟は「海のゆりかご」とも言われ、沿岸域の生態系を維持する上で重要な海域
○近年、磯焼けや水質汚染、埋立等により消失が進み、藻場は20年間で650km2(65,156ha)が、干潟は50年
間で330km2(33,241ha)が消滅
藻場・干潟の消失
藻場・干潟の機能低下や減少による水産資源の減少
(棒グラフ:千トン)
(線グラフ:千トン)
1,000 2,000 800 1,500 600 図 藻場の面積の推移
資料:水産白書(平成19年度)
1,000 400 500 200 0 S62
63 H元
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 0 藻場・干潟に依存するもの(全生活史)
藻場・干潟に依存するもの(一部生活史)
沿岸漁業
図 干潟の面積の推移
資料:水産白書(平成19年度)
資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計年報」から作成
災害に対し脆弱
○漁業集落は、立地特性から家屋が高密度に連なり、自然災害等に対して脆弱
○特に、大規模地震・津波の来襲が予測される中、早急な地震防災対策の強化が急務
漁業集落の立地状況と被災状況
漁村の立地状況(大分県 蒲江漁港)
被災した岸壁(福岡県 玄界島)
漁業集落の孤立の危険性
地震、津波が発生した場合に、陸・海・空3ルートすべてが遮断し物
理的孤立の危険性がある集落の割合は高い
漁業集落の被災状況(福岡県 玄界島)
津波襲来時の危険性
漁業集落は、内湾等に立地しており津波の被災を受けやすい条件
にあるが高層建造物等の避難場所がほとんど無い状況
3ルート確保 0.3%
2ルート確保 12.4%
確保出来ず 37.5%
あり 31.3%
なし 68.7%
1ルート確保 49.8%
【調査対象集落数:4,698】
すべて確保できない、又は1つのルートしか
確保できない集落は約87%
資料:水産庁調査(H18.3)
【調査対象集落数:4,698】
津波発生時の即時の避難のための施設がない
漁港背後集落の割合は約69%
資料:水産庁調査(H18.3)
漁港において危険を伴う作業
○漁港における作業は、厳しい気象条件下での作業、身体に負担がかかる姿勢での長時間作業、車両と接触の恐れ
のある狭い場所での作業などが多く、これらの作業には、海面への転落など危険要因が多い
危険要因
個別の課題
【係留】
【危険タイプ別】
転倒 3.1%
物の落下 3.1%
落ちた魚につ
まづく、積雪時
越波 8.8%
係船環、係船柱の不足 8.8%
クレーン・ベルトコンベアー
からの落下物
巻き込まれ 24.0%
転落 44.8%
ネットローラー
乗下船、陸揚げ、
冬場に滑って
泊地が狭い 11.8%
静穏度の改善 38.2%
はさまれ 25.0%
船の着岸、陸揚げ
用ベルトコンベアー
岸壁の不足 32.4%
【夜間照明】
【作業内容別】
漁船引き揚げ・上架 7.9%
影 5.4%
機械操作 7.9%
ウインチ、クレーン
積み込み 13.2%
陸揚げ 36.8%
ぎらつき 5.4%
時化、凍結、夜間
作業、縦づけ係留
時化、夜間作業、
養殖餌料
車両の運転 34.2%
狭い、フォクリフトとの
接触・衝突
明るさ不足、暗い 89.3%
資料:水産庁調査(H15)
都市住民の漁村に対するイメージ
○漁村の良いイメージとしては、新鮮な魚介類、豊かな自然景観などの地域資源が挙げられる
○一方、悪いイメージとしては、公共交通の不便さや生活環境整備の遅れなどが指摘されている
漁村の良いところ
新鮮な魚介類を食べることができる
91.3
81.4
自然環境が豊かで景観に恵まれている
海洋性レクリエーション(海水浴、釣り、マリンスポーツなど)が
できる
56.3
50.7
人間関係が暖かく人情が厚い
伝統文化が引き継がれている
36.7
漁業が営まれ、活気がある
36.0 3.1
その他
0
20
40
60
80
100
80
100
漁村の悪いところ
高齢化が進んでおり、若者が少なく活気がない
63.0 公共交通が少なく不便である
53.2
道路、下水道(トイレの水洗化を含む)などの生活環境の整備が遅
れている
44.6
地域が保守的でなかなか入り込みにくい
34.4
その他
6.2
特にない
8.5
1.1
無回答
0
20
40
60
資料:農林水産省「農林水産情報ネットワーク事業」(H14)
都市と漁村の共生・対流のニーズ
○都市住民は(農山)漁村との交流を望んでいる
○一方、受入側の漁村も交流の必要性を感じている
都市地域と農山漁村地域の交流の必要性
6.9
漁協が都市漁村交流に取組む目的
(%)
必要である
4.2 3.4
7
どちらかというと必要
である
どちらとも言えない
49.4
28.9
普段漁業に接してない子供に、漁業や漁
村を理解して欲しい
48.6
地域以外の方に、地域の良さや漁業・漁
村の意義を理解して欲しい
42.8
子供の健やかな成長にとって漁業体験等
の自然体験活動が有益であるから
わからない
どちらかというと必要
ない
必要ない
36.7
消費者に地域の産物を紹介し、もっと地
域の産物を購入して欲しい
34.4
地域内の住民にふるさとの魅力を再確認
してもらいたいい
26.5
資料:内閣府「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」(H17)
0
10
都市住民が漁村でやってみたいこと
20
30
40
50
資料:水産庁「都市漁村交流促進委託事業」(H15)
(%)
郷土食や地域の食材を用いた料
理を味わいたい
都市漁村交流の取組
81.1
特産物や新鮮な魚介類の購入
漁業体験・漁村体験実施地区数
77.7
(地区)
58.5
野外観察・浜辺散策
くじら・イルカウォッチングな
どの自然体験ツアー
48.1
海洋性レクリエーション(海水
浴、釣り、マリンスポーツなど)
47.8
地域の伝統・文化にふれるため
の祭り・イベント参加
漁業体
験が行
漁業
われた
地区数
漁業地
区数
38.1
定置網・地びき網などの漁業体
験
漁村体
験が行
われた
漁業地
区数
36.8
漁村での生活体験
祭り・イベントの行われた延べ漁業地区数
開催回数
漁業
体験
漁村
体験
5,027
1,655
(地区)
定期市
の行わ
計
れた漁
(実数)
業地区
数
伝統行
事・祭り
の行わ
れた漁
業地区 うち、交
数
流志向
その他
のイベ
ントの
行われ
た漁業 うち、交
地区数 流志向
19.3
海浜清掃などのボランティア活
動
12.2
0
2,177
20
40
60
80
680
174
1,864
409
1,612
328
1,149
809
100
資料:農林水産省「農林水産情報交流ネットワーク事業」(H14)
資料:農林水産省「第11次漁業センサス」(2003)
消費者の魚介類の新鮮・安全志向①
○消費者の「魚離れ」が顕在化しているなか、漁家レストランなどでは消費が拡大
漁家レストランによる消費拡大
急速に進む「魚離れ」
魚食普及食堂「ばんや食堂」(千葉県鋸南町)
全ての年齢階級で、肉類が総じて横ばいの中、魚介類は減少している
第三ばんや(内部)
賑わう食事風景
一
方
(千円、人)
平成7年7月に第一ばんや、平成12年7月に第二ばんやがオープン。
売上金額・来客者ともに増加。平成20年4月に第三ばんやをオープン
し、ニーズに対応。※売上金額・来客人数は、各年9月~翌8月
第三ばんや(外観)
「江口蓬莱館」(鹿児島県日置市)
60
10
販売高(億円)
40
8
30
6
20
4
10
2
0
販売高(億円)
来訪者数(万人)
50
新鮮で安全な魚介類に対する志向は高まっている
江口蓬莱館(外観)
12
来客数(万人)
0
11
12
13
14
注:H11~H14は開館前の物販所の
15
16
17
18
19
年度
。
データ(参考値)である
江口蓬莱館は平成15年4月にオープン。オープン後、来訪者数、販売高とも
着実に増加傾向。増加する来訪者に対応するため、平成19年度に施設を増築。
江口蓬莱館(内部)
賑わう食事風景
消費者の魚介類の新鮮・安全志向②
○消費者は、「鮮度」と「安全」を求めている
消費者が商品を購入する際の判断基準
(%)
食の志向について
(%)
60
64.3 鮮度
76.5 40
現状の志向
55.3 61.2 味
50
今後の志向
30
65.0 58.9 安全性への信頼性
20
10
60.3 57.1 価格
高級
49.0 産地
外食
ダイエット
美食
簡便化
地元
国産
経済性
52.0 健康
見た目
手作り
安全
38.8 0
40.8 品種、養殖、生産方法へのこだ
わり
(%)
35.3 37.6 3割を超えても国産品を選ぶ
3割高までなら国産品を選ぶ
2割高までなら国産品を選ぶ
1割高までなら国産品を選ぶ
同じ値段なら国産品を選ぶ
国産品へのこだわりはない
22.2 17.4 生産履歴
牛肉
12.6 12.6 周囲の評判
広告・PR・キャンペーン
7.3 7.1 ネーミング・ラベル
7.2 6.6 0.0 20.0 魚(加工品含む)
12.0 6.3
40.0 60.0 80.0 100.0 資料:農林漁業金融公庫「平成20年度第1回消費者動向調査」
0.0 20.0 18.6
20.5
40.0 30.8
60.0 80.0 11.9
100.0 資料:農林漁業金融公庫「平成20年度第1回消費者動向調査」
海洋レジャーの場の提供①
○海洋レジャーのニーズは依然根強い傾向
遊漁の状況
遊漁案内業者を利用した遊漁者数
(単位:千人)
釣り
計
船釣
岸壁・
磯・浜釣
防波堤
潮干狩り
(遊漁案内
業者を利用
した者)
新たなビジネスの可能性
(単位:業者)
遊漁案内業者数
計
漁業協
漁業者
同組合
【漁業者】水産資源を活用した事業化への取り組みの関心度
3%
船宿
その他
平成10年度
11,474
6,379
…
…
1,680
22,325
203
19,379
1,834
909
平成15年度
11,964
6,188
1,540
1,997
2,239
16,877
134
14,713
1,453
577
非常に関心がある
22%
16%
24%
関心がある
あまり関心がない
35%
関心がない
無回答
注:全国の1,352漁協へのダイレクトメールによるアンケート調査(回収1,214漁協(90%))
資料:農林水産省「漁業センサス」
資料:水産庁「水産白書」(平成20年)
余暇活動(海洋レジャー)人口から海洋性レクリエーションの需要は存在する
(万人)
海洋性レクリエーション案内の状況(年間客数)
海水浴人口の推移
(万人)
ヨット、モーターボート人口の推移
遊覧観光(回答件数:116件)
4% 6%
37%
20人以下
21~50人
51~100人
101~200人
201~500人
501~1000人
1001~2000人
2001~5000人
5000人以上
9%
12%
14%
4%
6% 8%
遊漁案内(61件)
観光・体験漁業(59件)
5%
(万人)
スキンダイビング、スキューバダイ
ビング人口の推移
(万人)
釣り人口の推移
3%
8%
5%
10%
16%
25%
9%
3%
14%
23%
2% 3%
17%
15%
15%
22%
5%
ホエール・イルカウォッチング(32件)
9%
6% 0%
ダイビング(187件)
16%
16%
4% 3%
19%
16%
19%
資料:レジャー白書2008」(H20)
9%
14%
13%
9%
9%
6%
13%
19%
資料:水産庁「遊漁船多目的活用事例整理分析調査」(H16)
海洋レジャーの場の提供②
○海洋レジャー等のニーズに対し、漁家経営の多角化による新たなビジネスチャンスの可能性
地域の漁業とダイビングの連携(海面利用のルールづくり)
地域の漁業者と観光業者の連携
徳島県牟岐町
ダイビング業のしくみ
愛知県南知多町日間賀島
島内の観光業が島内の漁獲物を
積極的利用
漁獲物のブランド化
日間賀島タコ
日間賀島フグ
波美貝
島のり
地域活性化の拠点として、モラスコ
むぎを活用した情報発信を実施
観光の目玉として活用
地元漁業の安定確保
旅館等で仕入れる魚介類のうち、
タコは100%、魚は50%が地元産
観光部門での水産物消費額は推定で5
億円(2003年)
漁業生産額は約23億円、うち約2.5億円
が島内仕向金額で、島内観光業の水
産物消費額の約半分が島内産である。
地元での就業機会の創出
観光業における就労の場の創出
(旅館、民宿、ホテル、土産品店、飲食店等)
漁協が出資してダイビング運営会社
を立ち上げた
ダイビング客数の推移
・地域資源である“ハマサンゴ”の保
護と情報を発信
・漁師が自分の船でダイビング客を潜
水ポイントへ案内
・地元漁師からの無償提供による水
族館の設置
(地域未利用資源の活用)
・漁協冷蔵車を活用した水族館の周
知活動
・ “ハマサンゴ”を見る為にダイビング
客が訪れた。
・船舶チャーター代、施設利用料、環
境保全協力金等を地元へ還元
漁業における就労の場の創出
タコのつかみどり体験
(観光業への魚介類の安定的な需要などにより、
漁業後継者数は過去18年間で平均年間7人)
漁獲物の安定的需要
未利用魚の付加価値向上
漁業者の兼業機会の創出
(漁労時間外での体験漁業やふれあい観光での
就労機会の増加)
日間賀島の観光客数の推移
(人)
魅力ある漁村特有の地域資源の活用
○地域の宝である文化的な漁村景観など、地域資源の適切な維持・保全が重要
漁村において必要な取組み意向
漁村における文化的な景観を形成していくための課題や障害
(%)
48.9
48.2
漁村自体の衰退化
56.9
景観や自然環境の保全
財政面が課題、通常工法より高価
ガイドラインが必要
26.8
漁村に関する各種情報提供の充実
責任ある受入窓口
地元調整が困難
協力体制が得られない
13.8
安全対策
活用できる補助事業等が不明
22.0 清潔でリーズナブルな料金の宿泊施設
技術者や材料等の不足
26.8
海洋性レクリエーションが快適で安全に行える
施設
19.0 広場や公園、漁村の生活環境、駐車場
や交通網などの整備
27.9
22.8
22.5
21.7
21.4
必要性、価値が見出しにくい
15.3
案内人や体験活動の指導者を育成
(%)
8.7
0
10
20
30
40
50
資料:水産庁「地域に根ざした文化的な景観の整備・保全・活用手法検討調査委託事業」(平成19年)
23.9
0
20
40
60
資料:水産庁「都市漁村交流促進事業」(H16)
失われかけた漁村資源の発掘(外部からの気づき)・保存
机浜漁村番屋群(岩手県田野畑村)
机浜番屋群
海産物保管、漁具収納、また浜作業や
寝泊りの場として使用
漁村における文化的な景観や資源の有無と状況
無回答
0.7
(%)
文化的な景観や資源は特にない
30.1
37.7
老朽化などにより地元では『負の財産』
文化的な漁村景観や資源はあり、
維持・保全されている
平成18年2月、「未来に残したい漁業漁村の
歴史文化財産100選」(水産庁)に認定。
平成14年「たのはた地元学」が開かれ、村外の参加者から「まさに漁村
の原風景だ」と称賛され、番屋群の再評価や保存の機運が高まる。
7.2
文化的な漁村景観や資源がかつてはたったが、
今は失われた
24.3
文化的な漁村景観や資源はあるが、
失われつつある
資料:水産庁「地域に根ざした文化的な景観の整備・保全・活用手法検討調査委託事業」(H19)
『地域の宝』と位置づけ、地元青年会を中心に地域一丸となった保存活動
を展開。
平成18年、旅行会社が「観光コース」に組み入れられ、団体ツアーが同
地域を訪れるようになる。さらに、地元学校の校外学習等の場として利用
都市と漁村の共生・対流のための受入体制の整備
○田舎暮らしへの志向は高い反面、生活基盤や職の確保が課題
都市住民の田舎暮らし(二地域居住)志向
現在行っている
まもなく始める予定
制約はあるが行いたい
制約が解決されれば行いたい
分からない
2%
将来行いたい
0.7 3.8
36.1
10.9
46%
全く関心ない
52%
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 資料:国土交通省「二地域居住に対する都市住民アンケート」(H17)
ふるさと暮らしを決める条件
島暮らしツアーと漁業体験の活用による活性化
(%)
自然環境が良いこと
・海士町の情報が全てわかるように情報発信を行った。
63.8
気候が良いこと
・産業体験、島暮らしツアー(人材募集)、田舎暮らし体験ツアー等を開催することで、
一時的、短期 的な滞在を推進し、これを契機に参加者への定住を促進した。
33.2
住居があること
21.3
医療機関が充実していること
20.4
島根県海士町
海士町の知名度が上がり、島暮らしツアーの参加者12人の内、4名が定住を希望
就労の場があること
漁業体験等の研修プログラムの実施
18.7
交通の便がよいこと
16.8
食べ物があること
15.9
定住希望者に対して、漁業
体験等の研修プログラムを
提供し、将来的に漁業後継
者としての自立を支援
物価が安いこと
14.8
・漁業資産の貸し出しと現
役漁師による技術指導
土地・建物の価格が安いこと
・その他定住者支援活動
地域に溶け込むための文
化伝承活動へ参加
14.7
0
20
40
60
資料:国土交通省「大都市部に暮らす中高年のUJIターンに関してのアンケート」
80
漁業後継者として定住
岩ガキ養殖 2名
アワビ漁 1名
ナマコ漁 1名
なまこは干しなまこの
ブランド化推進
活動を担う人材の発掘・育成
○漁村活性化の取組には活動の中核的役割を担う人材が必要不可欠
活動を担う人材の必要性
○ 漁村活性化の取組には、地域住民や市町村職員などに
よる活動の中核的役割を担う人材や組織が必要不可欠
○ 特に、先進地域では何らかの「キーマン」が存在
漁協における人材育成が十分に行われていない原因
(%)
漁協内で人材育成のための労力が割けない
51.7
人材育成のための方法が確立していない
32.3
28.3
26.2
23.6
19.7
15.0 人材育成のための予算不足
人口流出に伴い、
地域内だけで人材の確保が困難
育成対象の人が忙しくて参加できない
誰をどのように育成すべきか方針がつくり難い
育成機会の提供に強力してくれる団体や個人が少ない
人材育成方法に関するノウハウがない
地域外の人材(よそ者)の力が重要
・よそ者の「気づき」による取組へのヒント
・地域外の人材が定住し効果を継続的に発揮する可能性
行政の力
0
10
20
30
40
50
60
資料:農林水産省(林野庁、水産庁)、文部科学省、環境省、国土交通省
「自然体験活動・貴重な自然資源等の活用を通じた地域活性化方策調査(H15.3)
課題や時期の見極めと適切な支援
都市漁村交流に関するアドバイザーに期待すること
(%)
自主・自立の
地域運営主体
強力なリーダーシップを持つリーダー
地元漁業者の地域づくりや都市漁村交流に
対する意識の高揚
問題意識を共有し行動する組織
リーダーや現場の担い手の育成・研修
実施している
実施していない
元気な女性と豊富な知識を持つ高齢者
都市漁村交流に取り組もうとする場合の
様々なノウハウの提供
外の世界を知っている地域外の人材
地域外の人材
による支援
■移住者
■二地域居住者(緻密な交流)
■交流者(地域外応援団)
取り組もうとする都市漁村交流の具体的計
画づくりへの助言
0
20
40
60
資料:水産庁「都市漁村交流促進事業」(H17.3)
80
女性の参画の促進
○漁村における女性の積極的な活動・活躍が地域活性化の起爆剤として大きな力を発揮
女性の果たす役割・重要性
魚食レストランによる活性化
神奈川県三浦市
現場活動の中心的役割を担う女性
・地場の水産物を素材とした直販施設やレストラン
・都市漁村交流活動
・漁家民宿の運営、魚食普及活動
・海浜清掃など環境保全活動 など
①取組のきっかけ
地域漁業の低迷により、漁業収入が
減少するなか、漁師のおかみさんが、
地元の魚介類を使った料理の市場性に
着目し、地元イベントへの参加をきっ
かけに、シーフードレストランを開設
□地域の暮らしに根付いた魚食文化の継承者
□女性特有の細やかな気配り
□スムーズで継続的な活動の原動力、潤滑油
環境保全
活動
高齢者
福祉
漁労活動
漁村に
おける
女性の活動
家事労働
直販
レストラン
魚食
普及活動
地域・
家庭の理解と支援
魚家民宿
②取組の内容
魚食レストラン
・ 9名の女性部員(40代)がロー
テーションで運営
・ 営業時間は女性たちの活動しやす
い10:30~15:00で設定
・ スタッフの年齢構成は40歳代から
70歳代で、給与は時給制。
・ 食材は地元の魚介類を市場を通し
て仕入れ、野菜についても地元業者
より購入
営業風景
③取組の成果
・ 地元女性9名の雇用を創出。
・ 地元の魚介類を活用し、漁師のおかみさん料理を提供する
ことが話題となり、年間延べ3万人の集客数。
・ 漁師のおかみさんの店という話題性と地域連携(直売・海
洋レジャー等)により、リピーターが多く、休日は市外か
ら、
平日は市内の利用が多い。
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